SNORF25受容体をコードするDNA
【課題】レチノイン酸受容体の提供。
【解決手段】ほ乳類SNORF25受容体をコードする単離された核酸、精製されたほ乳類SNORF25受容体、ほ乳類SNORF25をコードする核酸を含むベクター、そのようなベクターを含む細胞、ほ乳類SNORF25に対する抗体、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を検出するために有用な核酸プローブ、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸に固有の配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド、正常または変異哺乳物SNORF25受容体をコードするDNAを発現するトランスジェニック、非ヒト動物、ほ乳類SNORF25受容体を単離する方法。
【解決手段】ほ乳類SNORF25受容体をコードする単離された核酸、精製されたほ乳類SNORF25受容体、ほ乳類SNORF25をコードする核酸を含むベクター、そのようなベクターを含む細胞、ほ乳類SNORF25に対する抗体、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を検出するために有用な核酸プローブ、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸に固有の配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド、正常または変異哺乳物SNORF25受容体をコードするDNAを発現するトランスジェニック、非ヒト動物、ほ乳類SNORF25受容体を単離する方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の背景]
本出願は、1999年2月22日に提出された米国特許明細書番号第09/255,376号の部分継続である、1999年8月13日に提出された、米国特許明細書番号第09/387,699号の優先権を主張し、それらの内容は本出願内に参照文献に援用される。
【0002】
本出願を通して、さまざまな刊行物が、括弧内の部分的引用によって参照されている。これらの刊行物に関する全引用は、明細書の最後に見ることができるであろう。これらの刊行物の開示は、その全文を、さらに本発明に関連する技術分野の状態を完全に記述するために、本出願の参照文献に援用される。
【0003】
神経調整物質には、神経系において伝達をsubverseまたは調節する天然産物の種々の群が含まれる。これらは、神経ペプチド、アミノ酸、生物起源アミノ酸、脂質、および脂質代謝物、ならびに他の代謝副産物を含むが、限定されない。これらの神経調整物質の多くは、細胞の内部から外部にシグナルを伝達する特定の細胞表面受容体と相互作用する。G−タンパク質結合受容体(GPCRs)は、多くの神経伝達物質が相互作用してそれらの効果を媒介する細胞表面受容体の主要な種類を表している。GPCRsは、7回膜貫通領域によって特徴付けられ、アデニルシクラーゼの刺激のような細胞内の生化学的続発症をもつG−タンパク質結合受容体を介してそのエフェクターと結合する。
【0004】
ビタミンA1(全−トランス−レチノール)はアルコールデヒドロゲナーゼによってビタミンA1アルデヒド(全−トランス−レチナール)に酸化される。全−トランス−レチナールは、網膜細胞内でのロドプシンの合成に重要であり、そこで視覚系における鍵となる役割を果たす。全−トランス−レチナールはまた、他の細胞タイプにおいては、アルデヒドデヒドロゲナーゼおよびオキシダーゼによって全−トランス−レチノイン酸(ATRA)に変換されうる(Bowman,W.C.およびRand、M.J.,1980)。
【0005】
歴史的に、ATRAおよびビタミンAの他の活性代謝物である9−シス−レチノイン酸(9CRA)は、核レチノイン酸受容体(RARα、β、γ)およびレチノイドX受容体(RXRα、β、γ)の活性を介してのみその細胞の効果を仲介すると考えられた(Mangelsdorf,D.J.ら、1994)。これらの受容体は、リガンド依存的転写因子のスーパーファミリーのメンバーであり、このスーパーファミリーには、ビタミンD受容体(VDR)、甲状腺ホルモン受容体(TR)、およびペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)を含む。これらは、リガンドがない状態ではDNA応答エレメントに結合するヘテロダイマーおよびホモダイマーを形成する。リガンド結合に対する応答において、前記ダイマーは、細胞タイプ特異的な遺伝子の組のトランスアクチベーションおよび転写の調節を引き起こすコンホメーションを変化する(Mangelsdorf,D.J.ら、1994、Hofman,C.およびEichele,G.,1994、およびGudas,L.J.ら、1994)。
【0006】
レチノイン酸は、幅広い生物学的効果を生じるので、さまざまな生理学的および病態生理学的工程において重要な役割を果たすことが提案されることは驚くことではない。レチノイド類は、さまざまな組織において細胞増殖、分化、再生産、代謝および造血を含む重大な生理学的事象を調節する。細胞レベルでは、レチノイド類は、細胞増殖を阻害し、分化を誘導し、アポトーシスを誘導することができる(Breitman,T.ら、1980、Sporn,M.およびRoberts,A.,1984、およびMartin,S.ら、1990)。レチノイド処置によるこれらの多様な効果によって、癌の化学療法および癌の化学的予防に関してレチノイド類を評価する一連の調査が促進された。臨床的には、レチノイド類は、急性前骨髄性白血病(APL)、皮膚T細胞悪性腫瘍、皮膚化学腫瘍、皮膚および頸の扁平上皮癌および神経芽細胞種を含む広範囲の悪性疾患の処置に使用される(総論としてRedfern,C.P.ら、1995)。レチノイド類はまた、その癌化を抑制し、浸潤性癌の発達を防止する能力を調査されてきた。13−シスレチノイン酸は、口消化管の最も普通の前癌状態領域である口内白斑症を逆向させ、また前立腺癌の化学予防で使用される(総論としてSabichi,A.L.ら、1998)。また、頭頸癌での手術および放射線投射後のアジュバント治療として、13−シスレチノイン酸の処置は、二次原発性癌の発生に対して有意に遅延を引き起こす(総論として、Gottardis,M.M.ら、1996)。
【0007】
興味深いことに、レチノイド類は、膵臓機能に対する効果も持つ。レチノイン酸(またはレチノール)が、単離した島(isolated ilets)(Chertow,B.S.ら、1987)およびRINm5Fラットインスリノーマ細胞(Chertow,B.S.ら、1989)からのインスリン分泌に必要であることが示唆されてきた。レチノイン酸はまた、細胞−細胞の接着および凝集に対して効果を持つ可能性がある(Chertow,B.S.ら、1983)。さらに、(ATRAではなくて)9CRAの単一胃内投与が膵臓腺房細胞および腎臓の近位尿細管上皮細胞におけるDNA合成の波を誘導した(Ohmura,T.ら、1997)。したがって、レチノイン酸は、正常の膵臓機能、およびおそらくは糖尿病の発達において役割を果たす可能性がある。また、レチノイド類が膵臓悪性腫瘍の治療において有用である可能性があるといういくつかの証拠が存在する(El−Metwally,T.H.ら、1999、Rosenwicz,S.ら、1997、およびRosenwicz,S.ら、1995)。
【0008】
レチノイド類は、上皮細胞増殖および分化、さらに脂腺活性に影響を与えること、および免疫調節および坑炎症性質を表すことが示されてきた。したがって、レチノイド類は、乾癬および他の角質増殖性および錯角化皮膚疾患、角質化遺伝性皮膚症、重症挫瘡および挫瘡関連皮膚病を含むさまざまな皮膚疾患の治療、およびまた皮膚癌、他の腫瘍の治療および/または化学的予防にだんだんと使用されてきた(総論として、Orfanos,C.E.ら、1997)。
【0009】
レチノイド類はまた、肺発達に関連する。肺胞樹の発達を導く胎児肺分枝は、レチノイン酸によって加速される。現在、未成熟の肺を持つ早産幼児はビタミンAにて処置されているが、しかし他の適応は、さらなる調査が必要である可能性がある(Chytil,F.,1996)。
【0010】
最後に、レチノイド類が精神分裂病(Goodman,A.B.1998)およびアルツハイマー病(Connor,M.J.およびSidell,N.,1997)で役割を果たしている可能性があることを示唆するいくつかの証拠がある。
【0011】
レチノイドを介した効果の詳細にわたるリストは、レチノイン酸受容体(非核)がいくつかの疾患に対する治療的処置の標的として魅力的であり、さまざまな疾患に対して、より高い特異性およびより少ない副作用を持つ薬剤の開発に有用である可能性があることが示唆される。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする単離された核酸を提供する。
【0013】
本発明はさらに、精製されたほ乳動物SNORF25受容体タンパク質を提供する。
【0014】
本発明はまた、本発明にしたがって核酸を含むベクターを提供する。
【0015】
本発明はまたさらに、本発明にしたがってベクターを含む細胞を提供する。
【0016】
本発明はさらに、本発明に従って細胞から単離した膜プレパレーションを提供する。
【0017】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、前記プローブは、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)に含まれるほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸の二本鎖の一本に存在する独特の配列と相補的な配列を有するプローブを提供する。
【0018】
本発明はさらに、少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図1A-1B(配列番号1)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブを提供する。
【0019】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードするRNAの翻訳を防止するために、そのようなRNAと特異的にハイブリダイズすることが可能な配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
【0020】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体をコードするゲノムDNAの転写を阻害するために、このようなゲノムDNAと特異的にハイブリダイズすることが可能な配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
【0021】
本発明は、本発明にしたがった核酸によってコードされたほ乳類SNORF25受容体に結合可能な抗体も提供する。
【0022】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体に対する本発明にしたがった抗体の結合を競合的に阻害可能な薬剤を提供する。
【0023】
本発明はまたさらに、(a)細胞膜を通過することが可能で、かつほ乳類SNORF25受容体の発現を減少するために有効な量の、本発明によるオリゴヌクレオチドと、
(b)細胞膜を通過することが可能な薬学的に許容可能なキャリア、
とを含む医薬組成物を提供する。
【0024】
本発明はまた、リガンドとヒトSNORF25受容体の結合をブロックするために有効な本発明にしたがったの抗体のある量、および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物を提供する。
【0025】
本発明はさらに、本発明にしたがったほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAを発現しているトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。
【0026】
本発明はまたさらに、天然のほ乳類SNORF25受容体をノックアウトする相同組換えを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。
【0027】
本発明はさらに、トランスジェニック非ヒトほ乳類であって、そのゲノムは、本発明にしたがったほ乳類のSNORF25受容体をコードするDNAに相補的なアンチセンスDNAを含み、該アンチセンスDNAは、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAと相補的で、かつほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAとハイブリダイズするアンチセンスmRNAに転写されるようにゲノム内に配置されることにより、mRNAの転写、および受容体の発現を減少させるトランスジェニック非ヒトほ乳類。を提供する。
【0028】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードして、かつその細胞表面に発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、結合および検出に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法を提供する。
【0029】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、前記SNORF25受容体をコードし、かつ細胞表面に前記SNORF25受容体を発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)の膜プレパレーションを、結合に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法を提供する。
【0030】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法を提供する。
【0031】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をその細胞表面に発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)から調製した膜試料を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法を提供する。
【0032】
本発明はさらに、本発明の方法の1つによって同定された化合物を提供する。
【0033】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞と、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合することが既知である化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、工程(a)の試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが公知でない化合物を接触させることと;
(c) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下における化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(d) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体との結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法を提供する。
【0034】
本発明は、さらにほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞から調整した膜試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知の前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下での前記化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体の結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法を提供する。
【0035】
本発明はまた、ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAの存在を検出することによってほ乳類SNORF25受容体の発現を検出する方法であって、細胞から総mRNAを得ることと、そのようにして得たmRNAを本発明にしたがった核酸プローブと、ハイブリダイズ条件下で接触させることと、該プローブとハイブリダイズしたmRNAを検出することにより、前記細胞によるほ乳類SNORF25受容体の発現を検出することとを含む方法を提供する。
【0036】
本発明はさらに、胞表面のほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法であって、細胞と本発明にしたがった抗体とを、抗体と受容体の結合に適した条件下で接触させることと、前記細胞に結合した前記抗体の存在を測定することにより、細胞表面におけるほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法を提供する。
【0037】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体活性が、ほ乳類SNORF25受容体の発現を調節する誘導可能なプロモーターの使用によって変更される、本発明にしたがったトランスジェニック非ヒトほ乳類を作製することを含む方法を提供する。
【0038】
本発明は、さらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、異なった量のほ乳類SNORF25受容体をそれぞれに発現する本発明にしたがったトランスジェニック非ヒトほ乳類集団を作製することを含む方法を提供する。
【0039】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少によって軽減される異常を軽減することが可能なアンタゴニストを同定する方法であって、本発明にしたがったトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として前記トランスジェニック非ヒトほ乳類に表れる身体的および行動的異常を軽減するかどうかを測定することを含み、前記異常の軽減によって前記化合物を前記アンタゴニストとして同定する方法を提供する。
【0040】
本発明はまた、前述の方法によって同定されたアンタゴニストを提供する。
【0041】
本発明はさらに、本発明にしたがったアンタゴニストを含む組成物、例えば薬学的組成物およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを提供する。
【0042】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、本発明にしたがった医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法を提供する。
【0043】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性を増加することによって軽減される患者の異常を軽減することが可能なアゴニストを同定する方法であって、本発明にしたがったトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記トランスジェニック非ヒトほ乳類にほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として表れる身体的および行動的異常を、前記化合物が軽減するかどうかを測定することを含み、異常の軽減により前記化合物をアゴニストとして同定する方法を提供する。
【0044】
本発明はさらに、前述の方法によって同定されたアゴニストを提供する。
【0045】
本発明はまたさらに、本発明にしたがったアゴニストを含む組成物、例えば薬学的組成物、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを提供する。
【0046】
さらに、本発明は、ほ乳類対立遺伝子に特有な活性に関連した疾患に対する疾病素質を診断する方法であって、
(a) 前記疾患に罹患した患者のDNAを得ることと;
(b) 制限酵素で前記DNAの制限消化を行うことと;
(c) サイズゲル上で電気泳動により、生じたDNA断片を分離することと;
(d) ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸分子の配列に含まれる独特な配列と特異的にハイブリダイズすることが可能で、かつ検出可能なマーカーでラベルされた核酸プローブと、生じたゲルとを接触させることと;
(e) 本発明にしたがったほ乳類SNORF251受容体をコードするDNAにハイブリダイズしたラベルされたバンドを検出して、前記疾患に罹患した患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンを作りだすことと;
(f) 工程(a)〜(e)によって得られる診断用のDNAを調整することと;
(g) 工程(e)の前記疾患に罹患した患者に特有なDNAの独特なバンドパターンと、工程(f)で得られた診断用のDNAとを比較して、パターンが同じか異なるかを測定することにより、パターンが同じであれば前記疾患の質病素質ありと診断することを含む方法を提供する。
【0047】
本発明はまた、精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体を発現する細胞を培養することと;
(b) 前記細胞から、前記ほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(c) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を精製すること、
を含む方法を提供する。
【0048】
本発明はさらに、精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を適切なベクターに挿入することと;
(b) 生じたベクターを適切な宿主細胞に導入することと;
(c) 生じた細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の産生を可能にする適切な条件下に置くことと;
(d) 前記そのように産生されたほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(e) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を単離すること、および/または精製すること、
を含む方法を提供する。
【0049】
さらに、本発明は、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストかどうかを決定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体の活性のいかなる増加をも検出することにより、前記化合物がSNORF25受容体のアゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法を提供する。
【0050】
本発明はまた、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストかどうかを測定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少を検出することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法を提供する。
【0051】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の本発明による方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、たとえば医薬組成物を提供する。
【0052】
また、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に効果的な量の請求項109に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアをを含む組成物、たとえば医薬組成物を提供する。
【0053】
本発明はさらに、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ活性化するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物の存在下、および非存在下で前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物の存在下で前記二次メッセンジャー応答が変化することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体を活性化していることが示される方法を提供する。
【0054】
本発明はまたさらに、化合物がほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ阻害するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、ほ乳類SNORF25受容体の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知な前記化合物および第二の化合物の両者と接触させ、これとは別に第二の化合物のみの存在下、および第二の化合物と前記化合物の両者の存在下で、前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における前記二次メッセンジャー応答の変化が、前記第二の化合物のみの存在下の場合より少ないことによって、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが示される方法を提供する。
【0055】
さらに、本発明は、例えば本発明にしたがった方法によって決定した化合物、および組成物、たとえば医薬組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加させるのに効果的な、本発明の方法などによって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニスト、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む化合物および組成物を提供する。
【0056】
本発明はまた、組成物、たとえば医薬組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少させるのに効果的な、本発明の方法などによって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニスト、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物を提供する。
【0057】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する化合物を同定する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で、前記ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない前記複数の化合物と接触させることと;
(b) 一以上の前記化合物の存在下で、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性が増加するかどうかを測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれるいずれかの化合物が、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加するかを別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する各化合物を同定すること、
を含む方法を提供する。
【0058】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞と前記複数の化合物とを、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で接触させることと;
(b) 前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量が、一以上の前記化合物の存在下で減少されるかどうかを、このような一以上の化合物の非存在下における前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量と比較して、決定することと;もしそうならば、
(c) このようなそれぞれの化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害するかどうかを、前記複数の化合物に含まれるそれぞれの化合物について、別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する、このような複数の化合物に含まれる何れかの化合物を同定すること、
を含む方法を提供する。
【0059】
本発明はまた、組成物、たとえば医薬組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加するために有効な量の本発明の方法によって同定された化合物、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物を提供する。
【0060】
本発明はまた、組成物、たとえば医薬組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少するために有効な量の本発明の方法によって同定された化合物、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物を提供する。
【0061】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アゴニストである化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0062】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストである化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0063】
本発明はまた、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、本発明にしたがった方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規構造のおよび機能的な、その類似体もしくは相同体を合成することを含む方法を提供する。
【0064】
本発明はさらに、組成物、たとえば医薬組成物を調製する方法であって、キャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリア、並びに薬学的に有効な量の本発明にしたがった方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1A】ヒトSNORF25受容体をコードする配列を含むヌクレオチド配列(配列番号:1)を示す図。最も短いオープンリーディングフレームを含む予想されるオープンリーディングフレームは開始(ATG)コドン(位置61〜63)および終止コドン(位置1066〜1068)の下線によって示される。さらに部分的5’および3’非翻訳配列を示す。
【図1B】ヒトSNORF25受容体をコードする配列を含むヌクレオチド配列(配列番号:1)を示す図。最も短いオープンリーディングフレームを含む予想されるオープンリーディングフレームは開始(ATG)コドン(位置61〜63)および終止コドン(位置1066〜1068)の下線によって示される。さらに部分的5’および3’非翻訳配列を示す。
【図2A】図1Aで示したヌクレオチド配列(配列番号:1)で示した最も長いオープンリーディングフレームによってコードされたヒトSNORF25受容体の予想されるアミノ酸配列(配列番号:2)を示す図。7つの予想される膜貫通(TM)領域に下線を引く。
【図2B】図1Bで示したヌクレオチド配列(配列番号:1)で示した最も長いオープンリーディングフレームによってコードされたヒトSNORF25受容体の予想されるアミノ酸配列(配列番号:2)を示す図。7つの予想される膜貫通(TM)領域に下線を引く。
【図3A】ラットSNORF25受容体をコードする配列を含むヌクレオチド配列(配列番号:3)を示す図。最も短いオープンリーディングフレームを含む予想されるオープンリーディングフレームは開始(ATG)コドン(位置49〜51)および終止コドン(位置1054〜1056)の下線によって示される。さらに部分的5’および3’非翻訳配列を示す。
【図3B】ラットSNORF25受容体をコードする配列を含むヌクレオチド配列(配列番号:3)を示す図。最も短いオープンリーディングフレームを含む予想されるオープンリーディングフレームは開始(ATG)コドン(位置49〜51)および終止コドン(位置1054〜1056)の下線によって示される。さらに部分的5’および3’非翻訳配列を示す。
【図4A】図3A〜3Bで示したヌクレオチド配列(配列番号:3)で示した最も長いオープンリーディングフレームによってコードされたラットSNORF25受容体の予想されるアミノ酸配列(配列番号:4)を示す図。7つの予想される膜貫通(TM)領域に下線を引く。
【図4B】図3A〜3Bで示したヌクレオチド配列(配列番号:3)で示した最も長いオープンリーディングフレームによってコードされたラットSNORF25受容体の予想されるアミノ酸配列(配列番号:4)を示す図。7つの予想される膜貫通(TM)領域に下線を引く。
【図5】SNORF25−およびモック−トランスフェクトCHO細胞の基礎cAMPレベルの比較図。SNORF25またはからベクター(モック)DNAを材料と方法で記述したようにCHO細胞にトランスフェクトした。トランスフェクタントを96ウェルプレート内にまき、cAMP放出に関して記述したようにアッセイした。代表的な実験の結果を示す。
【図6】SNORF25発現モックトランスフェクトCHO細胞でのATRA、ビタミンAおよびフォルスコリンによるcAMP放出の調節を示す図。トランスフェクタントを96ウェルプレート内にまき、10μM濃度の薬物で感作し、記述したようにcAMP放出に関してアッセイした。公知のシクラーゼ刺激受容体を含む代表的な実験の結果を示す。結果は、1点であるビタミンAを除き、3重測定の平均値±S.E.Mである。結果は5基礎cAMP放出に対して正規化している。
【図7】Cos−7細胞でのATRA cAMP応答の特異性。トランスフェクタントを96ウェルプレート内にまき、10μM濃度のATRAで感作し、記述したようにcAMP放出に関してアッセイした図。代表的な実験の結果を示す。結果は、3重測定の平均値±S.E.Mである。
【図8】一過性トランスフェクトしたCos−7細胞でのATRA用量応答曲線を示す図。SNORF25およびモック−トランスフェクト細胞でのcAMPを増加させるATRAの用量応答効果の代表例。
【図9】SNORF25を発現している卵母細胞でのATRによるCFTRの刺激を示した図。先にSNORF25受容体mRNAとCFTRを注入した卵母細胞からの電圧クランプ記録図(図9A)、及び、対照(CFTRのみ)卵母細胞(図9B)からの電圧クランプ記録。エピネフリン(1μM)の投与は、B2アドレナリン作動性受容体(B2AR)およびCFTR(図9C)を発現している他の卵母細胞において、同様の電流を引き起こす。保持電位はすべての記録に対して−70mVであった。
【図10】対照(CFTRのみ)卵母細胞(n=16)およびSNORF25およびCFTRをコードするmRNAを注入した卵母細胞(n=17)でのATRA(10μM)で刺激した平均電流振幅を示す図。
【発明の詳細な記述】
【0066】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を含む組換え核酸であって、前記ほ乳類受容体をコードする核酸は、
(a)ヒトSNORF25受容体をコードし、かつプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるヒトSNORF25受容体をコードする核酸の配列と同一の配列を持つ核酸、または
(b)ヒトSNORF25受容体をコードし、かつプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるヒトSNORF25受容体をコードする核酸の配列と同一の配列を持つ核酸
と高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする組換え核酸を提供する。
【0067】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を含む組換え核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、図1A〜1B(配列番号:1)に示した最も短いオープンリーディングフレームによってコードされるヒトSNORF25受容体の配列と同一のアミノ酸配列を含む組換え核酸を提供する。
【0068】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を含む組換え核酸であって、前記ラットSNORF25受容体は、図3A〜3B(配列番号:3)に示した最も短いオープンリーディングフレームによってコードされるラットSNORF25受容体の配列と同一のアミノ酸配列を含む組換え核酸を提供する。
【0069】
プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25、およびプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25は両方とも、International Recognition of the Deposit of Microorganisms for the Purposes of Patent Procedureによるブタベスト条約の条項によりアメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection,ATCC)、10801 University Bivd.,Manassas,Virginia 20110−2209,U.S.A.に1998年11月24日に寄託され、それぞれATCC登録番号第203495号、および第203494号が与えられた。
【0070】
ハイブリダイゼーション法は当業者に周知である。本発明の目的のために、高いストリンジェンシー条件下におけるハイブリダイゼーションは、50%ホルムアミド、5×SSC、7mM Tris、1×デンハーツ(Denhardt’s)、25μg/mlサケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション緩衝液中、40℃にて行い;0.1×SSC、0.1%SDS中、50℃にて洗浄するハイブリダイゼーションを意味する。
【0071】
本明細書を通して、以下の標準略語を特定のヌクレオチド塩基を示すために使用する。
【0072】
A=アデニン
G=グアニン
C=シトシン
T=チミン
M=アデニンまたはシトシン
R=アデニンまたはグアニン
W=アデニンまたはチミン
S=シトシンまたはグアニン
Y=シトシンまたはチミン
K=グアニンまたはチミン
V=アデニン、シトシンまたはグアニン(チミンではない)
H=アデニン、シトシンまたはチミン(シトシンではない)
B=シトシン、グアニンまたはチミン(アデニンではない)
N=アデニン、シトシン、グアニンまたはチミン(またはイノシンなどの他の修飾された塩基)
I=イノシン
さらに、「アゴニスト」の用語は、本発明の任意のポリペプチドの活性を増加させる任意のペプチド、または非ペプチジル化合物を示すために、本明細書を通して使用される。「アンタゴニスト」の用語は、本発明の任意のポリペプチドの活性を減少させる任意のペプチド、または非ペプチジル化合物を示すために、本明細書を通して使用される。
【0073】
さらに、本明細書で使用されるように、「薬学的に許容可能なキャリア」の用語は、任意の標準的な薬学的に許容可能なキャリアを意味する。例には、リン酸緩衝食塩水、生理学的食塩水、水、および油/水エマルジョンなどのエマルジョンが含まれるが、限定されない。
【0074】
ほ乳類SNORF25受容体遺伝子はイントロンを含み、さらに付加的なイントロンがコードまたは非コード領域に存在する可能性がある。さらに、mRNAのスプライスされた形態が、一般に定義された開始メチオニンの上流またはコード領域内のどちらかにおいて、さらなるアミノ酸をコードする可能性がある。さらに、他のエキソンの存在、および使用の可能性があり、これにより前記mRNAは、エキソンを含む領域内で異なるアミノ酸をコードする可能性がある。さらに、単一のアミノ酸置換が、発現されたタンパク質のアミノ酸配列が本来の遺伝子によってコードされたものと異なるようなRNA編集の機構を介して生じる可能性がある(Burnsら、1996、Chuら、1996)。そのような変異体は、本来の遺伝子によってコードされたポリペプチドとは異なった薬学的特性を示す可能性がある。
【0075】
本発明は、本明細書で開示したほ乳類SNORF25受容体のスプライスバリアントを提供する。本発明はさらに、選択的(alternate)翻訳開始部位、および選択的(alternate)スプライスされたか、または編集された、本発明にしたがったSNORF25受容体をコードする核酸のバリアントを提供する。
【0076】
本発明はまた、本明細書で開示したSNORF25受容体の天然に存在する対立バリアントをコードする核酸を含む組換え核酸を企図する。
【0077】
また本発明の核酸は、ヒトSNORF25受容体遺伝子の核酸類似体を含む。このヒトSNORF25受容体遺伝子は、図1A〜1Bに示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれる核酸配列を含む。ヒトSNORF25受容体遺伝子の核酸類似体は、一以上の核酸塩基の同一性または位置に関して、本明細書に記載されたヒトSNORF25受容体遺伝子と異なり(図1A〜1Bで示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる全長の核酸塩基よりも少なく含む欠失類似体)、図1A〜1Bで示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる一以上の核酸塩基が他の核酸によって置換される置換類似体、核酸配列の末端または中央部分に一以上の核酸塩基が添加される添加類似体)、これらのヒトSNORF25受容体遺伝子は、図1A〜1Bで示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる核酸配列によってコードされたタンパク質のいくつか、またはすべての特性を共有するタンパク質をコードする。本発明の一つの態様において、前記核酸類似体は、図2A〜2Bに示したか、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる核酸配列によってコードされるものと同一のアミノ酸配列を持つタンパク質をコードする。もう一つの態様において、前記核酸類似体は図2A〜2Bで示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる核酸によってコードされたアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を持っているタンパク質をコードする。さらなる態様において、前記核酸類似体によってコードされたタンパク質は、図2A〜2Bで示したアミノ酸配列を持つ受容体タンパク質の機能と同様の機能を有する。もう一つの態様において、前記核酸類似体によってコードされたタンパク質の機能は、図2A〜2Bに示されたアミノ酸配列を持つ受容体タンパク質の機能とは異なる。もう一つの態様において、前記核酸配列の変化は、タンパク質の膜貫通(TM)領域内で起こる。さらなる態様において、前記核酸配列の変化はTM領域の外側で起こる。
【0078】
また本発明の核酸は、ラットSNORF25受容体遺伝子の核酸類似体を含む。このラットSNORF25受容体遺伝子は、図3A〜3Bに示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれる核酸配列を含む。ラットSNORF25受容体遺伝子の核酸類似体は、一以上の核酸塩基の同一性または位置に関して、本明細書に記載されたラットSNORF25受容体遺伝子と異なり(図3A〜3Bで示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる全長の核酸塩基よりも少なく含む欠失類似体)、図3A〜3Bで示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる一以上の核酸塩基が他の核酸によって置換される置換類似体、核酸配列の末端または中央部分に一以上の核酸塩基が添加される添加類似体)、これらのヒトSNORF25受容体遺伝子は、図3A〜3Bで示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる核酸配列によってコードされたタンパク質のいくつか、またはすべての特性を共有するタンパク質をコードする。本発明の一つの態様において、前記核酸類似体は、図4A〜4Bに示したか、プラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる核酸配列によってコードされるものと同一のアミノ酸配列を持つタンパク質をコードする。もう一つの態様において、前記核酸類似体は図4A〜4Bで示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる核酸によってコードされたアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を持っているタンパク質をコードする。さらなる態様において、前記核酸類似体によってコードされたタンパク質は、図4A〜4Bで示したアミノ酸配列を持つ受容体タンパク質の機能と同様の機能を有する。もう一つの態様において、前記核酸類似体によってコードされたタンパク質の機能は、図4A〜4Bに示されたアミノ酸配列を持つ受容体タンパク質の機能とは異なる。もう一つの態様において、前記核酸配列の変化は、タンパク質の膜貫通(TM)領域内で起こる。さらなる態様において、前記核酸配列の変化はTM領域の外側で起こる。
【0079】
本発明は、上述した単離した核酸であって、前記核酸はDNAである核酸を提供する。一態様において、前記DNAはcDNAである。もう一つの態様において、前記DNAはゲノムDNAである。またもう一つの態様において、前記核酸はRNAである。核酸分子の作製および操作の方法は、本技術分野において周知である。
【0080】
本発明はさらに、本明細書で記述した任意のポリペプチドをコードするDNAに関して、縮重した核酸を提供する。一態様において、核酸は図1A〜1B(配列番号:1)に示したヌクレオチド配列、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるヌクレオチド配列に関して縮重したヌクレオチド配列、すなわち同一のアミノ酸配列に翻訳されるヌクレオチド配列を含む。
【0081】
本発明はさらに、本明細書で記述した任意のポリペプチドをコードするDNAに関して縮重した核酸を提供する。態様において、核酸は図3A〜3B(配列番号:3)に示したヌクレオチド配列またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるヌクレオチド配列に関して縮重したヌクレオチド配列、すなわち同一のアミノ酸配列に翻訳されるヌクレオチド配列を含む。
【0082】
本発明はまた、本発明にしたがったポリペプチドの物とは異なるが、表現系に変化は起こさないであろうアミノ酸配列をコードするDNAおよびcDNAを包含する。あるいは、本発明はまた、本発明にしたがったDNA、cDNAおよびRNAとハイブリダイゼーションするDNA、cDNAおよびRNAも包含する。ハイブリダイゼーション方法は当業者に周知である。
【0083】
また本発明にしたがった核酸は、抗原性ポリペプチドのポリペプチド類似体、断片、または、誘導体をコードする核酸分子を含む。これらの核酸分子は、一以上のアミノ酸残基の同一性または位置に関して、天然に存在する型とは異なり(タンパク質を特定する残基の全長より短い欠失類似体、特定された一以上の核酸塩基が他の核酸によって置換される置換類似体、ポリペプチドの末端または中央部分に一以上の核酸塩基が添加される添加類似体)、天然に存在する型のいくつか、またはすべての特性を共有する。これらの分子には、選択された非ほ乳類宿主に発現するために「好ましい」コドンの挿入;制限エンドヌクレアーゼ酵素によって開裂するための部位の供給;および簡単に発現ベクターを構築することを容易にする、付加的な開始、終止、または中間DNA配列の供給、が含まれる。ポリペプチド類似体の作製は、当業者に周知である(Spurney,R.F.ら(1997)、Fong,T.M.ら(1995)、Underwood,D.J.ら(1994)、Graziano,M.P.ら(1996)、Guan X.M.ら(1995))。
【0084】
本発明にしたがった修飾ポリペプチドは、本技術分野で周知の、たとえば本明細書で開示したものを使用して一過性に、または安定に、どちらかで細胞にトランスフェクトしてもよい。本発明はまた、修飾ポリペプチド(ポリペプチドは一過性または安定細胞株のどちらかで発現される)を使用した結合アッセイを提供する。本発明はさらに、本明細書に記載された結合アッセイなどの結合アッセイにおいて、修飾ポリペプチドを使用して同定された化合物を提供する。
【0085】
本明細書で記載され、請求された核酸は、ポリペプチドのアミノ酸配列に関してそれらが提供する情報として、およびさまざまな組換え技術によってポリペプチドを大規模に合成するための産物として有用である。本核酸分子は、新規クローニングおよび発現ベクター、形質転換されおよびトランスフェクトされた真核および原核細胞宿主、並びにポリペプチドおよび関連産物の発現が可能な宿主細胞などを培養増殖するための新規で有用な方法を作成するために有用である。
【0086】
本発明はまた、図1A〜1B(配列番号:1)に示した核酸配列によってコードされる、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされるSNORF25受容体の種相同体をコードする単離された核酸を提供する。一つの態様において、前記核酸は、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたSNORF25受容体が有するものと本質的に同一のアミノ酸配列を有するほ乳類SNORF25受容体の相同体をコードする。もう一つの態様において、前記核酸は、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたSNORF25受容体と75%より高いアミノ酸の一致性、好ましくはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたSNORF25受容体と85%より高いアミノ酸の一致性、最も好ましくはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたSNORF25受容体と95%より高いアミノ酸の一致性を有するほ乳類SNORF25受容体相同体をコードする。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体相同体は、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して70%より高い核酸の一致性、好ましくはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して80%より高い核酸の一致性、より好ましくはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して90%より高い核酸の一致性を有する。種相同体を単離し、精製するための方法の例は、他に記載されている。(たとえば米国特許第5,602,024号、第WO94/14957号、第WO97/26853号、第WO98/15570号)。
【0087】
また本発明は、図3A〜3B(配列番号:3)に示した、核酸配列によってコードされる、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされるSNORF25受容体の種相同体をコードする単離された核酸を提供する。一つの態様において、前記核酸は、本質的にプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたSNORF25受容体が有するものと本質的に同一のアミノ酸配列を有するほ乳類SNORF25受容体の相同体をコードする。もう一つの態様において、前記核酸は、プラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたSNORF25受容体と75%より高いアミノ酸の一致性、好ましくはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたSNORF25受容体と85%より高いアミノ酸の一致性、最も好ましくはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたSNORF25受容体と95%より高いアミノ酸の一致性を有するほ乳類SNORF25受容体動動物をコードする。もう一つの態様において、ほ乳類SNORF25受容体相同体は、プラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して70%より高い核酸の一致性、好ましくはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して80%より高い核酸の一致性、より好ましくはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して90%より高い核酸の一致性を有する。
【0088】
本発明は、修飾されたほ乳類SNORF25受容体をコードする単離された核酸を提供する。この核酸は第三細胞内領域にアミノ酸欠失、置換または添加を有することにより、ほ乳類SNORF25受容体とは異なる。
【0089】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする単離した核酸を提供する。一つの態様において、前記核酸はDNAである。もう一つの態様において、前記DNAはcDNAである。もう一つの態様において、前記DNAはゲノムDNAである。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ヒトSNORF25受容体はプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたものと同一のアミノ酸配列を有する。もう一つの態様において、前記ヒトSNORF25受容体は、図2A〜2B(配列番号:2)に示したアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する。
【0090】
一態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様においてラットSNORF25受容体はプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたものと同一のアミノ酸配列を持つ。もう一つの態様において、前記ラットSNORF25受容体は、図4A〜4B(配列番号:4)に示したアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を持つ。
【0091】
本発明は、精製されたほ乳類SNORF25受容体タンパク質を提供する。一つの態様において、前記SNORF25受容体タンパク質は、ヒトSNORF25受容体タンパク質である。さらなる態様において、前記SNORF25受容体タンパク質は、ラットSNORF25受容体タンパク質である。
【0092】
本発明は、本発明にしたがった核酸を含むベクターを提供する。本発明はさらに、その発現が可能なように、前記受容体をコードする核酸に動作可能に連結された核酸を細胞内(前記細胞は細菌、両生類、酵母、昆虫またはほ乳類細胞である)で発現するために必要な調節エレメントを含む、細胞内で発現するために適応されたベクターを提供する。一つの態様において、前記ベクターはバキュロウイルスである。もう一つの態様において、前記ベクターはプラスミドである。
【0093】
本発明は、pEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)と命名されたプラスミドを提供する。本発明はまた、pcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)と命名されたプラスミドを提供する。
【0094】
本発明はさらに、修飾された非翻訳配列を含む任意のベクターまたはプラスミドを提供する。これらは、望ましい宿主細胞に発現するために、または結合または機能アッセイにおいて使用するために有益である。たとえば、さまざまな長さの非翻訳配列を有するベクターまたはプラスミドは、使用した宿主細胞に依存して、異なる量のポリペプチドを発現するであろう。一態様において、前記ベクターまたはプラスミドは、ポリペプチドのコード配列および宿主細胞で発現するために必要な調節エレメントを含む。
【0095】
本発明は、本発明にしたがったベクターを含む細胞を提供する。一つの態様において、前記細胞は非ほ乳類細胞である。一つの態様において、前記非ほ乳類細胞は、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞、またはアフリカツメガエルメラニン保有細胞である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、細胞はCOS−7細胞、293ヒト胚腎臓細胞、NIH−3T3細胞、LM(tk−)細胞、マウスY1細胞、またはCHO細胞である。もう一つの態様において、前記細胞は昆虫細胞である。もう一つの態様において、昆虫細胞はSf9細胞、Sf21細胞、またはTrichoplusia ni 5B−4細胞である。
【0096】
本発明は、本発明にしたがって細胞から単離された膜プレパレーションを提供する。
【0097】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、前記プローブは、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれるほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸の二本鎖の一本に存在する独特の配列と相補的な配列を有するプローブを提供する。
【0098】
本発明はさらに、少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図1A-1B(配列番号1)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブを提供する。本発明はまた、少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図3A-3B(配列番号3)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブを提供する。一つの態様において、前記核酸はDNAである。もう一つの態様において、前記核酸はRNAである。
【0099】
本明細書で使用するものとして、「特異的にハイブリズする」の用語は、その核酸自身に相補的な核酸配列を認識し、かつ相補的な塩基対との間で水素結合を介して二重らせん部分を形成する核酸分子の能力を意味する。
【0100】
本発明にしたがった核酸は、他の種から相同性のある核酸を得るための、および試料中に相補的な配列を有する核酸の存在することを検出するためのプローブとして使用してよい。
【0101】
また前記核酸は、その核酸がコードする受容体をトランスフェクトした細胞内に発現するために使用してもよい。
【0102】
さらなる修飾をされずに天然に存在するか、または適切な点変異導入、欠失などの後であるか、いずれかであるSNORF25によってコードされる持続的に活性な受容体を使用することにより、in vivoでアンタゴニストをスクリーニングすること、および内因性リガンドについて先行知識を持たずに、受容体SNORF25に起因する役割を担うためのにこのようなアンタゴニストを使用することが可能になる。
【0103】
前記核酸の使用はさらに、受容体の多様性の可能性、およびSNORF25がメンバーである受容体ファミリー内に多数のサブタイプが存在することの解明を可能にする。
【0104】
最後に、数ある中で、慢性および急性炎症、関節炎、自己免疫疾患、移植拒絶、移植片対宿主疾患、細菌性、真菌性、原虫およびウイルス感染、敗血症、AIDS、痛み、不安、鬱病、分裂病、痴呆、精神遅延、記憶喪失、てんかんを含む精神病性および神経学的障害、神経学的障害、運動神経障害、呼吸障害、喘息、肥満、過食症、糖尿病、食欲不振を含む食事/体重障害、悪心、高血圧、低血圧、血管および心臓血管障害、虚血、発作、癌、腫瘍、尿失禁、性/生殖障害、日周期障害、腎臓障害、骨粗鬆症を含む骨疾患、良性前立腺肥大症、胃消化管障害、鼻うっ血、乾癬のような皮膚障害、アレルギー、パーキンソン病、アルツハイマー病、急性心不全、アンギナ障害、せん妄、ハンティングトン病またはギレズ デラ ツレット症候群のような運動障害、などのさまざまな病態生理学的な症状を治療するため、およびそのような症状を診断するアッセイする薬剤を設計するための貴重なツールとして、本発明が役に立つ可能性があると考えられる。また本受容体は、化学予防のための薬剤を設計するための貴重なツールとして、役に立つ可能性がある。
【0105】
前記受容体が細胞表面上に発現している細胞を得るために、細胞、たとえばほ乳類細胞に、このような核酸をトランスフェクトする方法は、本技術分野において周知である(たとえば、米国特許第5,053,337号、第5,155,218号、第5,360,735号、第5,472,866号、第5,476,782号、第5,516,653号、第5,545,549号、第5,556,753号、第5,595,880号、第5,602,024号、第5,639,652号、第5,652,113号、第5,661,024号、第5,766,879号、第5,786,155号および第5,786,157号を参照のこと。前記開示は、その全文が本明細書内に参考文献にて援用される。)。
【0106】
また、このようなトランスフェクトされた細胞は、SNORF25受容体に結合する化合物、並びにこのような細胞において機能的応答を活性化するか、または活性化を阻害する化合物を得るために、化合物をテストし、および化合物ライブラリーをスクリーニングするために使用してよく、したがってin vivoでそのようになる可能性がある(たとえば、米国特許第5,053,337号、第5,155,218号、第5,360,735号、第5,472,866号、第5,476,782号、第5,516,653号、第5,545,549号、第5,556,753号、第5,595,880号、第5,602,024号、第5,639,652号、第5,652,113号、第5,661,024号、第5,766,879号、第5,786,155号および第5,786,157号を参照のこと。前記開示は、その全文が本明細書内に参考文献にて援用される。)。
【0107】
本発明はさらに、ほ乳類受容体をコードする核酸によってコードされたほ乳類受容体に結合可能な抗体を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類受容体はヒト受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類受容体はラット受容体である。本発明はまた、ほ乳類受容体に対する抗体の結合を競合的に阻害することができる薬剤を提供する。一つの態様において、前記抗体はモノクローナル抗体または抗血清である。
【0108】
SNORF25受容体に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、核酸プローブ、トランスジェニック動物を調製し、使用する方法は本技術分野において周知ある(たとえば、米国特許第5,053,337号、第5,155,218号、第5,360,735号、第5,472,866号、第5,476,782号、第5,516,653号、第5,545,549号、第5,556,753号、第5,595,880号、第5,602,024号、第5,639,652号、第5,652,113号、第5,661,024号、第5,766,879号、第5,786,155号および第5,786,157号を参照のこと。前記開示は、その全文が本明細書内に参考文献にて援用される。)。
【0109】
本発明はまた、ほ乳類SNORF25受容体をコードするRNAの翻訳を防ぐために、このようなRNAと特異的にハイブリダイズすることができる配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体をコードするゲノムDNAの転写を防ぐために、このようなゲノムDNAと特異的にハイブリダイズすることができる配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。一つの態様において、前記オリゴヌクレオチドは化学的に修飾されたヌクレオチド、またはヌクレオチド類似体を含む。
【0110】
本発明は、本発明による核酸によってコードされたほ乳類SNORF25受容体に結合することが可能な抗体を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0111】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体に対する、本発明による抗体の結合を競合的に阻害することができる抗体を提供する。一つの態様において、前記抗体はモノクローナル抗体または抗血清である。
【0112】
本発明はまたさらに、
(a)細胞膜を通過することが可能で、かつほ乳類SNORF25受容体の発現を減少するために有効な量の、請求項36に記載のオリゴヌクレオチドと、
(b)細胞膜を通過することが可能な薬学的に許容可能なキャリア、
とを含む医薬組成物を提供する。
【0113】
一つの態様において、前記オリゴヌクレオチドは、mRNAを不活性化する基質と結合する。もう一つの態様において、前記mRNAを不活性化する基質はリボザイムである。もう一つの態様において、前記薬学的に許容可能なキャリアは、細胞のほ乳類SNORF25受容体と結合する構造物を含み、前記受容体は該構造物と結合した後に、前記細胞に取り込まれることが可能な医薬組成物である。もう一つの態様において、前記薬学的に許容可能なキャリアは、選択した細胞タイプに特異的なほ乳類SNORF25受容体に結合することが可能である。
【0114】
本発明はまた、医薬組成物であって、リガンドとヒトSNORF25受容体の結合をブロックするために有効な、本発明による抗体のある量、および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物を提供する。
【0115】
本発明はさらに、本発明によるほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAを発現しているトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。本発明は、天然のほ乳類SNORF25受容体をノックアウトする相同組換えを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。本発明はさらに、トランスジェニック非ヒトほ乳類であって、そのゲノムは、請求項1に記載のほ乳類のSNORF25受容体をコードするDNAに相補的なアンチセンスDNAを含み、該アンチセンスDNAは、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAと相補的で、かつほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAとハイブリダイズするアンチセンスmRNAに転写されるようにゲノム内に配置されることにより、mRNAの転写、および受容体の発現を減少させるトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAは、さらに、誘導可能なプロモーターを含む。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAは、さらに、組織特異的調節成分を含む。もう一つの態様において、トランスジェニック非ヒトほ乳類は、マウスである。
【0116】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードして、かつその細胞表面に発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、結合および検出に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法を提供する。本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、前記SNORF25受容体をコードし、かつ細胞表面に前記SNORF25受容体を発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)の膜プレパレーションを、結合に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法を提供する。
【0117】
一つの態様において、ほ乳類SNORF25受容体はヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、ほ乳類SNORF25受容体は本質的に、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたヒトSNORF25受容体と同様のアミノ酸配列を持つ。もう一つの態様において、ほ乳類SNORF25受容体は本質的に図2A〜2B(配列番号:2)で示したのと同様のアミノ酸配列を持つ。もう一つの態様において、ほ乳類のSNORF25受容体は、図2A〜2B(配列番号:2)で示したアミノ酸配列を持つ。
【0118】
もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、プラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたラットSNORF25受容体と本質的に同様のアミノ酸配列を有する。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、図4A〜4B(配列番号:4)で示した配列と本質的に同様のアミノ酸配列を有する。もう一つの態様において、前記ほ乳類のSNORF25受容体は、図4A〜4B(配列番号:4)で示したアミノ酸配列を有する。
【0119】
一つの態様において、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない。一つの態様において、前記細胞は昆虫細胞である。一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記細胞は非ニューロン起源である。もう一つの態様において、前記非ニューロン細胞はCOS−7細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である。もう一つの態様において、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない化合物である。本発明は本発明の前記工程によって同定された化合物を提供する。
【0120】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法を提供する。
【0121】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をその細胞表面に発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)から調製した膜試料を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法を提供する。
【0122】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体はヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記細胞は昆虫細胞である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記細胞は非ニューロン起源である。もう一つの態様において、非ニューロン細胞はCOS−7細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である。もう一つの態様において、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない。本発明は本発明の前記工程によって同定された化合物を提供する。
【0123】
本発明は、さらにほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞と、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合することが既知である化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、工程(a)の試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが公知でない化合物を接触させることと;
(c) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下における化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(d) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体との結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法を提供する。
【0124】
本発明は、さらにほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞から調整した膜試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知の前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下での前記化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体の結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法提供する。
【0125】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記ほ乳類細胞は、非ニューロン起源である。さらなる態様において、非ニューロン細胞はCOS−7細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、LM(tk−)細胞、CHO細胞、マウスY1細胞、またはNIH−3T3細胞である。
【0126】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAの存在を検出することによってほ乳類SNORF25受容体の発現を検出する方法であって、細胞から総mRNAを得ることと、そのようにして得たmRNAを本発明による核酸プローブと、ハイブリダイズ条件下で接触させることと、該プローブとハイブリダイズしたmRNAを検出することにより、前記細胞によるほ乳類SNORF25受容体の発現を検出することとを含む方法を提供する。
【0127】
本発明は、細胞表面のほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法であって、細胞と本発明による抗体とを、抗体と受容体の結合に適した条件下で接触させることと、前記細胞に結合した前記抗体の存在を測定することにより、細胞表面におけるほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法を提供する。
【0128】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体活性が、ほ乳類SNORF25受容体の発現を調節する誘導可能なプロモーターの使用によって変更される、本発明によるトランスジェニック非ヒトほ乳類を作製することを含む方法を提供する。
【0129】
本発明は、さらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、異なった量のほ乳類SNORF25受容体をそれぞれに発現する本発明によるトランスジェニック非ヒトほ乳類集団を作製することを含む方法を提供する。
【0130】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少によって軽減される異常を軽減することが可能なアンタゴニストを同定する方法であって、本発明によるトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として前記トランスジェニック非ヒトほ乳類に表れる身体的および行動的異常を軽減するかどうかを測定することを含み、前記異常の軽減によって前記化合物を前記アンタゴニストとして同定する方法を提供する。
【0131】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。本発明は、本発明に方法によって同定されたアンタゴニストを提供する。本発明は、本発明によるアンタゴニストを含む組成物、例えば薬学的組成物およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを提供する。本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、本発明による医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法を提供する。
【0132】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性を増加することによって軽減される患者の異常を軽減することが可能なアゴニストを同定する方法であって、本発明によるトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記トランスジェニック非ヒトほ乳類にほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として表れる身体的および行動的異常を、前記化合物が軽減するかどうかを測定することを含み、異常の軽減により前記化合物をアゴニストとして同定する方法を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。本発明は、本発明によって同定されたアゴニストを提供する。本発明は、本発明によって同定されたアゴニストを含む組成物、例えば薬学的組成物およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを提供する。
【0133】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、本発明による医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法を提供する。
【0134】
本発明は、ほ乳類対立遺伝子に特有な活性に関連した疾患に対する疾病素質を診断する方法であって、
(a) 前記疾患に罹患した患者のDNAを得ることと;
(b) 制限酵素で前記DNAの制限消化を行うことと;
(c) サイズゲル上で電気泳動により、生じたDNA断片を分離することと;
(d) ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸分子の配列に含まれる独特な配列と特異的にハイブリダイズすることが可能で、かつ検出可能なマーカーでラベルされた核酸プローブと、生じたゲルとを接触させることと;
(e) 請求項1に記載のほ乳類SNORF251受容体をコードするDNAにハイブリダイズしたラベルされたバンドを検出して、前記疾患に罹患した患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンを作りだすことと;
(f) 工程(a)〜(e)によって得られる診断用のDNAを調整することと;
(g) 工程(e)の前記疾患に罹患した患者に特有なDNAの独特なバンドパターンと、工程(f)で得られた診断用のDNAとを比較して、パターンが同じか異なるかを測定することにより、パターンが同じであれば前記疾患の質病素質ありと診断することを含む方法を提供する。
【0135】
一つの態様において、前記疾患は、特定のほ乳類対立遺伝子の活性に関連する疾患である。
【0136】
本発明はまた、本発明に従って精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体を発現する細胞を培養することと;
(b) 前記細胞から、前記ほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(c) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を精製すること、
を含む方法を提供する。
【0137】
本発明は、本発明に従って精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を適切なベクターに挿入することと;
(b) 生じたベクターを適切な宿主細胞に導入することと;
(c) 生じた細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の産生を可能にする適切な条件下に置くことと;
(d) 前記そのように産生されたほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(e) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を単離すること、および/または精製すること、
を含む方法を提供する。
【0138】
本発明は、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストかどうかを決定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体の活性のいかなる増加をも検出することにより、前記化合物がSNORF25受容体のアゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法を提供する。
【0139】
本発明は、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストかどうかを測定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少を検出することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法を提供する。
【0140】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0141】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の本発明に従った方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、たとえば薬学的組成物を提供する。一つ態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストが既知でない。
【0142】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に効果的な量の本発明に従った方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、たとえば薬学的組成物を提供する。一つ態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストが既知でない。
【0143】
本発明はさらに、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ活性化するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物の存在下、および非存在下で前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物の存在下で前記二次メッセンジャー応答が変化することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体を活性化していることが示される方法を提供する。
【0144】
一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は、塩素イオンチャンネルの活性化を含み、前記二次メッセンジャーの変化は内部塩素電流のレベルの増加である。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は、細胞内カルシウムレベルの変化を含み、前記二次メッセンジャーの変化は細胞内カルシウムの測定の増加である。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は、イノシトールリン酸の放出を含み、前記二次メッセンジャーの変化はイノシトールリン酸レベルの増加である。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答にはアラキドン酸の放出を含み、前記二次メッセンジャーの変化はアラキドン酸濃度の増加である。またもう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答には、GTPγSリガンドの結合が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化はGTPγSリガンドの結合の増加である。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答には、MAPキナーゼの活性化が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化はMAPキナーゼ活性の増加である。さらなる態様において、前記二次メッセンジャー応答には、cAMPの蓄積が含まれ、前記二次メッセンジャー応答の変化はcAMP蓄積の増加である。
【0145】
本発明は、化合物がほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ阻害するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、ほ乳類SNORF25受容体の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知な前記化合物および第二の化合物の両者と接触させ、これとは別に第二の化合物のみの存在下、および第二の化合物と前記化合物の両者の存在下で、前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における前記二次メッセンジャー応答の変化が、前記第二の化合物のみの存在下の場合より少ないことによって、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが示される方法。
【0146】
一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は塩素イオンチャンネルの活性化を含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少ししか内部塩素電流レベルを増加しないことである。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は細胞内カルシウムレベルの変化を含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少し細胞内カルシウムレベルの測定を増加しないことである。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答はイノシトールリン酸の放出を含み前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少ししかイノシトールリン酸レベルを増加しないことである。
【0147】
一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答にはMAPキナーゼの活性化が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化は、第二の化学化合物のみが存在するときよりも前記化合物と第二の化学化合物両方が存在するときのMAPキナーゼのレベルの増加が少ないことである。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答にはcAMPレベルの変化が含まれ、前記二次メッセンジャー応答の変化は、第二の化学化合物のみが存在するときよりも前記化合物と第二の化学化合物両方が存在するときのcAMPのレベルの変化が少ないことである。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答にはアラキドン酸の放出が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化は、第二の化学化合物のみが存在するときよりも前記化合物と第二の化学化合物両方が存在するときのアラキドン酸のレベルの増加が少ないことである。さらなる態様において、前記二次メッセンジャー応答にはGTPγSリガンド結合が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化は、第二の化学化合物のみが存在するときよりも前記化合物と第二の化学化合物両方が存在するときのGTPγSリガンド結合のレベルの増加が少ないことである。
【0148】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記細胞は昆虫細胞である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である。もう一つの態様において、前記非ニューロン細胞はCOS−7細胞、CHO細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である。もう一つの態様において、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない。
【0149】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の本発明に従った方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、例えば薬学的組成物を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストが既知でない。
【0150】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性を低下させるために効果的な量の本発明に従った方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、例えば薬学的組成物を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストが既知でない。
【0151】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する化合物を同定する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で、前記ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない前記複数の化合物と接触させることと;
(b) 一以上の前記化合物の存在下で、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性が増加するかどうかを測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれるいずれかの化合物が、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加するかを別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する各化合物を同定すること、
を含む方法を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0152】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞と前記複数の化合物とを、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で接触させることと;
(b) 前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量が、一以上の前記化合物の存在下で減少されるかどうかを、このような一以上の化合物の非存在下における前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量と比較して、決定することと;もしそうならば、
(c) このようなそれぞれの化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害するかどうかを、前記複数の化合物に含まれるそれぞれの化合物について、別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する、このような複数の化合物に含まれる何れかの化合物を同定すること、
を含む方法を提供する。
【0153】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である。さらなる態様において、前記非ニューロン細胞はCOS−7細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、LM(tk−)細胞、またはNIH−3T3細胞である。
【0154】
本発明はまた、ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に有効な量の、本発明に従った方法によって同定された化合物、およびキャリアたとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物、たとえば医薬組成物を提供する。
【0155】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に有効な量の、本発明に従った方法によって同定された化合物、およびキャリアたとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物、たとえば医薬組成物を提供する。
【0156】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アゴニストである化合物を投与することを含む方法を提供する。一つの態様において、前記異常は、ステロイドホルモン障害、エピネフリン放出障害、胃腸管障害、心臓血管障害、電解質バランス障害、高血圧、糖尿病、呼吸障害、喘息、生殖機能障害、免疫障害、内分泌障害、筋骨格障害、神経内分泌障害、認識障害、記憶障害、体性感覚および神経伝達障害、運動協調障害、知覚統合障害、ドーパミン機能障害、食欲不振または肥満のような食欲障害、感覚伝達障害、嗅覚障害、自律神経系障害、痛み、精神病行動、感情障害、偏頭痛、癌、増殖疾患、傷治癒、組織再生、血液凝固関連障害、発達障害または虚血再灌流傷関連疾患の調節である。
【0157】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストである化合物を投与することを含む方法提供する。一つの態様において、前記異常は、ステロイドホルモン障害、エピネフリン放出障害、胃腸管障害、心臓血管障害、電解質バランス障害、高血圧、糖尿病、呼吸障害、喘息、生殖機能障害、免疫障害、内分泌障害、筋骨格障害、神経内分泌障害、認識障害、記憶障害、体性感覚および神経伝達障害、運動協調障害、知覚統合障害、ドーパミン機能障害、食欲不振または肥満のような食欲障害、感覚伝達障害、嗅覚障害、自律神経系障害、痛み、精神病行動、感情障害、偏頭痛、癌、増殖疾患、傷治癒、組織再生、血液凝固関連障害、発達障害または虚血再灌流傷関連疾患の調節である。
【0158】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、本発明に従った方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規構造のおよび機能的な、その類似体もしくは相同体を合成することを含む方法を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0159】
本発明は、組成物を調製する方法であって、キャリア並びに薬学的に有効な量の本発明に従った方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0160】
従って、いったん標的受容体のサブタイプの遺伝子がクローン化されたならば、それは前記標的受容体サブタイプをその表面上に発現するレシピエント細胞内に配置される。次いで、標的ヒト受容体サブタイプの単一集団を発現しているこの細胞を増殖させ、細胞株の樹立させる。薬物発見系を構成するこの細胞株を、2つの異なる型のアッセイで使用する:結合アッセイおよび機能性アッセイである。結合アッセイにおいて、特定の薬物発見プログラムの標的である受容体サブタイプと、副作用に関連する可能性のある他の受容体サブタイプの両方の化合物の親和性を測定する。これらの測定により、化合物の効力、並びに化合物が他の受容体サブタイプよりも標的受容体サブタイプ対して有する選択性の程度を予測することができる。結合アッセイから得たデータにより、適切であれば、化学者は最適な治療効果のために、一以上の関連性のあるサブタイプに近づけるかまたは遠ざけて化合物を設計することもできる。機能性アッセイにおいては、化合物に対する受容体サブタイプの応答の性質を測定する。機能性アッセイからのデータは、化合物が受容体サブタイプの活性を阻害するために働いているのか、促進するために働いているのかを示し、したがって薬理学者は、それらの最終的な標的ヒト受容体サブタイプにおいて迅速に化合物を評価することができ、化学者は、現存している薬物より有効であり、重度な副作用がより少なく本質的にはほとんどないであろう薬物を合理的に設計することができる、。
【0161】
受容体サブタイプ選択的な化合物を設計すること、および合成することへのアプローチは周知であり、伝統的な医薬化学、およびより新しいコンビナトリアルケミストリーの技術が含まれ、その両方がコンピュータ補助による分子モデリングによって支持される。このようなアプローチによって、化学者および薬理学者は、標的とした受容体サブタイプの構造、並びに受容体サブタイプに結合するおよび/または活性化するまたは活性化を阻害すると決定された化合物に対する知識を使用して、これらの受容体サブタイプにおいて活性を有する可能性のある構造を設計し、かつ合成する。
【0162】
コンビナトリアルケミストリーは、化学構築ブロックの様々な組合せを用いて組み立てることによって、さまざまな新規の化合物を自動化合成することが含まれる。コンビナトリアルケミストリーを使用することにより、化合物を合成する工程は非常に加速した。得られた化合物の配列(アレイ)はライブラリーと呼ばれ、目的の受容体に対して十分なレベルの活性を示す化合物(「リード化合物」)をスクリーニングするために使用される。コンビナトリアルケミストリーを使用して、目的の標的受容体に非常に偏っていると予想される化合物の「特定化(focused)」ライブラリーを合成することが可能である。
【0163】
いったんリード化合物が同定されたならば、コンビナトリアルケミストリーまたは伝統的な医薬化学またはそれ以外のいずれかを使用することによって、化学構造と、生物学的または機能的活性との関係を容易に理解するために、さまざまな相同体および類似体が調製される。これらの研究は、構造活性の関係を明確にする。この関係は、効力、選択性および薬物動力学的特性が改善された薬剤を設計するために使用される。また、リードを最適化するために、コンビナトリアルケミストリーを使用して、さまざまな構造が迅速に作製される。一つずつ化合物の合成することを含む伝統的な医薬化学は、さらに精製するため、および自動化技術によって利用できない化合物を作製するために使用される。いったんこのような薬剤が限定されたならば、製薬および化学工業において利用されている標準的な製造技術を使用して、前記産物をスケールアップする。
【0164】
本発明は、以下の実験の詳細によって、より理解されるであろう。しかしながら、特定の方法および考察される結果が、上記特許請求の範囲がより完全に記載されるように、本発明を単に例示しただけであることは当業者にすぐに理解されるであろう。
【実施例】
【0165】
材料と方法
cDNAの混合オリゴヌクレオチドプライムド増幅(MOPAC)
cDNAの混合オリゴヌクレオチド増幅(MOPAC)を、ラットゲノムDNA、GH1細胞株およびRin14b細胞株から単離したmRNAから逆転写したcDNAを含むいくつかのDNAテンプレートに対して実施した。MOPAC反応はTaq DNAポリメラーゼ(Boehringer−Mannheim,Indianapolis、IN)、および以下の縮重オリゴヌクレオチド、ガラニン、ソマトスタチン、および阿片受容体ファミリーのの第3膜貫通領域に基づいて設計されたJAB55、およびガラニン受容体ファミリーの第7膜貫通領域に基づいて設計されたTL1020を用いて実施した。
【0166】
MOPAC PCR反応の条件は以下のように行った。94℃で3分間保持、94℃で1分間、44℃で1分45秒間、72℃で2分間を10サイクル、94℃で1分間、49℃で1分45秒間、72℃で2分間を30サイクル、アガロースゲル電気泳動の準備ができるまで4℃で保持。
【0167】
前記産物を1%アガロースTAEゲル上で泳動し、予想される大きさ(〜500〜600bp)のバンドをゲルから切り出し、QIAQUICKゲル抽出キット(QIAGEN,Chatsworth,CA)を用いて精製して、TAクローニングベクター(Invitrogen,San Diego,CA)内にサブクローン化した。白色の(挿入物を含んだ)コロニーを取り上げ、以下のプロトコルを用いてpCR2.1ベクタープライマーのJAB1およびJAB2を用いたPCRにかけた。94℃で3分間保持、94℃で1分間、68℃で1分45秒間、68℃で2分間を35サイクル、精製の準備ができるまで4℃で保持。PCR産物をイソプロパノール沈殿(10μl PCR産物、18μl 低TE、10.5μl 2M NaClO4、21.5μl イソプロパノール)によって精製し、ABI Big DyeサイクルシークエンシングプロトコルおよびABI 377シークエンサー(ABI,Foster City,CA)を用いて配列を決定した。後にSNORF25と命名した、これらのPCR産物の1つは、データベース検索に基づいて新規のGタンパク質結合受容体様配列であり、他の既知のGタンパク質結合受容体との相同性を持つと決定された(既知の受容体ドーパミンD1、β−アドレナリン作動性2bおよび5−HT1fに対して−29%同一、5−HT4l受容体に対して34%同一)。
【0168】
5’および3’RACE
SNORF25の全長コード配列を決定するために、5’/3’cDNA末端急速増幅(RACE)のためのクローンテックマラソンcDNAアンプリフィケーション(Clontech Marathon cDNA Amplification)キット(Clontech,Palo Alto,CA)を使用した。Rin14b細胞由来のトータルRNAをファストトラックmRNAアイソレーションキット(FastTrack mRNA Isolation Kit)(Invitrogen)を用いてPolyA+選択した。5’RACEのためには、上述したPCR断片(SNORF25)の推定第5膜貫通領域に由来するリバースプライマーであるプライマーJAB73を用いて、1μgのpolyA+ RNAから二本鎖cDNAを合成した。アドバンテージクレンタックポリメラーゼ(Advantage Klentaq Polymerase)(Clontech,Palo Alto,CA)を用いて、マラソンcDNAアンプリフィケーションプロトコルにしたがって、アダプターのライゲーションおよびネスティッドPCRを実施した。供給業者のアダプタープライマー1(Adaptor Primer 1)と上述したPCR断片の第5膜貫通領域の5’末端に由来するリバースプライマーであるJAB71を用いて、ライゲーションされたcDNAの50倍希釈に対して第一PCRを実施した。アダプタープライマー2(Adaptor Primer 2)と第四膜間通領域のすぐ下流のリバースプライマーであるJAB69を用いて、この第一PCR反応液の1μlを再び増幅した。PCRの条件は、94℃で1分間、94℃で15秒間、72℃で1分30秒間を5サイクル、94℃で15秒間および70℃で1分30秒間を5サイクル、94℃で15秒間、68℃で1分30秒間を22サイクル、68℃で5分間保持し、および解析の準備ができるまで4℃に保持した。ネスティッドPCR由来の600bp断片をQIAQUICKキットを用いて1%アガロースTAEゲルから単離して、上述したようにABI377シークエンサーおよびBigDyeターミネーターサイクルシークエンシングを用いて配列決定した。ウイスコンシンパッケージ(Wisconsin Package)(GCG,Genetics Computer Group,Madison,WI)を用いてシーケンスした。
【0169】
3’RACEのためには、二本鎖cDNAをマラソンcDNAアンプリフィケーションキット(Clontech)に付属するcDNA合成プライマーCDSを用いて、1μgのpolyA+ RNAより合成した。3’RACE反応のPCR条件は、上述したMOPACからの新規PCR断片の第5と第6膜貫通領域の間に位置する配列に由来するフォワードプライマーであるJAB74およびJAB72を、それぞれJAB71およびJAB73の代わりに使用することを除いて、5’RACE反応と同様である。ネスティッドPCR由来の1.4kb断片をQIAQUICKゲル精製キット(QIAGEN)を用いて1%アガロースTAEゲルより単離して、上記のようにシーケンスした。
【0170】
本受容体配列の全長コード配列を決定した後に、全コード領域を、エクスパンド ロング PCR(Expand Long PCR)システム(Boehringer−Mannheim)を用いて、Rin14b細胞株cDNA、およびラットゲノムDNAから増幅した。この反応のためのプライマーは、それぞれ5’(JAB86)および3’(JAB84)プライマーの5’末端にBamHIおよびHindIII制限部位を組み込んだSNORF25の5’および3’非翻訳領域に特異的である。次いで、この反応由来の産物をBamHIおよびHindIIIによって消化し、発現ベクターpcDNA3.1(−)のBamHI/HindIII部位内にサブクローン化し、ベクター−および遺伝子−特異的プライマーを用いて両方向をシーケンスした。Rin14b−クローン化SNORF25産物由来の二本鎖配列は、ラットゲノムDNAから増幅した同様の遺伝子の配列と一致した。pcDNA3.1(−)内のラットSNORF25のこの受容体/発現ベクター構築物を、pcDNA3.1−rSNORF25と名付けた。
【0171】
SNORF25のヒト相同体の相同性クローニング
SNORF25のヒト相同体をクローン化するために、ラットSNORF25配列の第2(BB426)および第5(BB427)膜貫通領域(TMs)に基づいて2つのオリゴヌクレオチドを設計し、ヒトゲノムコスミドライブラリー(Clontech)をプローブするために使用した。両方のプライマーをα32P−dATPおよび末端トランスフェラーゼ(Promega,Madison,WI)によって末端標識化した。中程度にストリンジェントな条件下:37.5%ホルムアミド、5×SSC(1×SSCは0.15M 塩化ナトリウム、0.015M クエン酸ナトリウムである)、1×デンハート(Denhardt’s)溶液(0.02%ポリビニルピロリドン、0.02%フィコール(Ficoll)、0.02%ウシ胎児アルブミン)、7mM Tris、および25μg/ml超音波処理サケ精子DNA、においてハイブリダイゼーションを行った。濾液を20分間室温にて、2×SSC/0.1%硫酸ドデシルナトリウムを含む緩衝液中で3回、0.1×SSC/0.1%硫酸ドデシルナトリウムを含む緩衝液中で20分間2回洗浄し、−70℃にて、増感スクリーンの存在下でコダック バイオマックス MS(Kodak BioMax MS)フィルムに露光した。
【0172】
プローブとハイブリダイゼーションしたコスミドクローンを拾い、プレートに画線し、個々の陽性コロニーを確認して、単離するために同一の条件下で同一のプローブを用いて二回選別した。陽性コロニー由来のコスミドDNAをBamHIとHindIIIにて消化し、アガロースゲル上で電気泳動し、ニトロセルロースに写し、32P−標識化BB426でプローブした。前記プローブとハイブリダイズしたクローン#45a(COS4ライブラリー)由来のおよそ1.9kbの断片を、pEXJT3T7(ストラタジーン(Stratagene))のBamHI/HindIII部位内にサブクローン化し(pcEXV(ミラー アンド ジャーマン(Miller and German)、1986)をBstXIおよび他のさらなる制限部位、並びにT3、T7プロモーターを含むように改変した岡山およびベルグ(Okayama and Berg)発現ベクターである)、上述のように両方の鎖をシーケンスした。このベクター内のヒトSNORF25受容体構築物をpEXJT3T7−hSNORF25と名付けた。ヒトSNORF25は、GCGソフトウェアを用いて解析し、ヒトSNORF25の全長配列を含み、ラット受容体と80%アミノ酸同一性および83%ヌクレオチド同一性を持つことをむことを確認した。
【0173】
オリゴヌクレオチドプライマー
以下は、これらの受容体のクローニングに使用したプライマーとその関連配列のリストである。
【0174】
JAB55:5’−TBDSYVYIGAYMGITAYVTKG−3’(配列番号:5)
TL1020:5’−GAIRSIARIGMRTAIAYIAKIGGRTT−3’(配列番号:6)
JAB1:5’−TTATGCTTCCGGCTCGTATGTTGTG−3’(配列番号:7)
JAB2:5’−ATGTGCTGCAAGGCGATTTAAGTTGGG−3’(配列番号:8)
JAB69:5’−TGGTCTGCTGGAATATGGAG−3’(配列番号:9)
JAB71:5’−CTTGGGTGAAACACAGCAAAGAAGG−3’(配列番号:10)
JAB72:5’−ATGGAACATGCAGGAGCCATGGTTGG−3’(配列番号:11)
JAB73:5’−AAGACAAAGAGGAGCACAGCTGGG−3’(配列番号:12)
JAB74:5’−GCTCAAGATTGCCTCTGTGCACAG−3’(配列番号:13)
JAB84:5’−ATCTATAAGCTTAGGCACTTGGAAACATCCATTCC−3’(配列番号:14)
JAB86:5’−ATCTATGGATCCTGTGAGAATCTGAGCTCAAGACCC−3’(配列番号:15)
BB426:5’−TTCACCTTAAATCTGGCCGTGGCTGATACCTTGATTGGCGTGGCTATTTCTGGGCTAG−3’(配列番号:16)
BB427:5’−GCTGTGTTTCACCCAAGGTTTGTGCTGACCCTCTCCTGTGCTGGCTTCTTCCCAGCTGTGC−3’(配列番号:17)
SNORF25受容体cDNAの他の種の相同体の単離
他の種に由来するSNORF25受容体cDNAをコードする核酸配列を、標準的分子生物学技術および以下で記述したものなどのアプローチをしようして単離できるであろう。
【0175】
アプローチ#1:ゲノムクローンを単離するために、対象の種から作製されたゲノムライブラリー(例えばコスミド、ファージ、P1、BAC、YAC)を、その配列が図1A〜1Bおよび3A〜3Bに示されたヒトまたはラットSNORF25受容体の断片に対応する32P−標識されたオリゴヌクレオチドでスクリーニングすればよい。全長配列は、このゲノムクローンのシークエンスすることによって得ることができる。1以上のイントロンが遺伝子内に存在する場合、イントロンのない全長遺伝子は、標準的な分子生物学技術を用いてcDNAより得ることができる。例えば、5’UTで設計されたフォワードPCRプライマー、および3’UTで設計されたリバースPCRプライマーを使用して、全長、イントロンのない受容体をcDNAから増幅してもよい。ほ乳類発現ベクター内にこの遺伝子をサブクローンするために、標準的な分子生物学的技術が使用できる。
【0176】
アプローチ#2:標準的な分子生物学技術を使用して、図1A〜1Bおよび3A〜3Bに示された配列の断片に対応する32P−標識化オリゴヌクレオチドプローブを用いて、ストリンジェンシーを減少させた条件下でハイブリダイゼーションすることによって市販されている対象の種のcDNAファージライブラリーをスクリーニングするために使用してよい。ラムダライブラリーに由来するプラーク精製クローンを得ることによって、全長SNORF25受容体を単離し、次いでクローンを直接DNAシークエンスにかけてもよい。あるいは、部分的種相同的配列に対して設計したプライマーを使用してライブラリープールをPCR増幅することにより、cDNAプラスミドライブラリーをスクリーニングするために、標準の分子生物学技術が使用できるであろう。全長クローンは、32Pオリゴヌクレオチドプローブに陽性なプールのコロニーを拾って、サザンハイブリダイゼーションすることによって単離すればよい。
【0177】
アプローチ#3:3’および5’RACEを、SNORF25の付加的な配列を含むSNORF25を発現している対象の種に由来するcDNAからPCR産物を作製するために使用してもよい。次いで、これらのRACE PCR産物をシーケンスして、付加的な配列を決定してよい。次いで、この新規の配列を5’UT内のフォワードPCRプライマーに、3’UT内の3’リバースPCRプライマーを設計するために使用する。次いで、これらのプライマーはcDNAから全長SNORF25クローンを増幅するのに使用される。
【0178】
他の種の例には、マウス、イヌ、サル、ハムスターおよびモルモットが限定はしないが含まれる。
【0179】
宿主細胞
異種性に発現しているタンパク質を研究するために、広範囲の様々な宿主細胞を使用できる。これらの細胞には、Cos−7、CHO、LM(tk−)、HEK293などのようなほ乳類細胞株、Sf9、Sf21などの昆虫細胞株、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞のような両生類細胞、多彩な酵母株、多彩な細菌株細胞などが含まれるが、限定されない。これらの細胞タイプのそれぞれに対する培養条件は特異的であり、当業者に公知である。SNORF25受容体を発現するために使用した細胞はCos−7とチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)であった。
【0180】
補充物を含むDMEM(10%ウシ胎児血清、4mM グルタミン、100ユニット/ml ペニシリン/100μg/ml ストレプトマイシンを含むダルベッコ変法イーグル培地)中、150mmプレート内で、37℃、5%CO2にてCos−7細胞を増殖させる。Cos−7細胞のストックプレートをトリプシン処理し、3〜4日毎に1:6に分割する。
【0181】
補給物(10%ウシ胎児血清、4mM L−グルタミンおよび100ユニット/ml ペニシリン/100μg/ml ストレプトマイシン)を含むHAMのF−12培地にて、150mmプレート上で、37℃、5%CO2にてCHO細胞を増殖させる。CHO細胞のストックプレートをトリプシン処理し、3〜4日毎に1:8に分割する。
【0182】
一過性発現
研究するためのタンパク質をコードするDNAは、リン酸カルシウムを介して、DEAE−デキストランを介して、リポソームを介して、ウイルスを介して、エレクトロポレーションを介してねおよびマイクロインジェクション伝送のような様々な方法によって、さまざまなほ乳類、昆虫、両生類、酵母、細菌および他の細胞株に一過性に発現させることができる。これらの方法は、それぞれDNA、細胞株、および本質的に使用するアッセイのタイプに依存している多彩な実験的パラメータの最適化を必要とする可能性がある。SNORF25 cDNAをさまざまな細胞株に一過性にトランスフェクトするために、エレクトロポレーション法を使用した。
【0183】
Cos−7細胞に適用したようなエレクトロポレーション法の典型的なプロトコルは、以下に記述する。トランスフェクションに使用する細胞をトランスフェクションの24時間前に分割し、トランスフェクション時にサブコンフルエントなフラスコを用意する。細胞をトリプシン処理によって回収し、その増殖培地内に再び懸濁して計数する。5×106細胞を300μlのDMEMに懸濁させ、エレクトロポレーションキュベット内に入れる。8μgの受容体DNA+8μgの必要な任意の追加DNA(例えばGタンパク質発現ベクター、レポーター構築物、抗生物質抵抗性マーカー、モックベクターなど)を細胞懸濁液に添加し、キュベットをバイオラッド ジーン パルサー(BioRad Gene Pulser)に入れ、電気パルスを与える(ジーン パルサー設定:0.25kV 電圧、950μF 電気容量)。パルスの後、800μlの完全DMEMをそれぞれのキュベットに加え、懸濁液を滅菌チューブに移した。それぞれのチューブに、最終濃度が1×105細胞/100μlとなるまで完全培地を加える。次いで実施するアッセイのタイプに依存して必要なように細胞をプレートにまく。
【0184】
安定発現
異種性DNAを宿主細胞内に安定に組み込むことができ、これにより細胞に外来タンパク質を永久に発現させることになる。DNAを細胞内に運搬する方法は、一過性発現に関して上述したものと同様であるが、標的とした宿主細胞に薬物抵抗性を与えるための補助遺伝子を共トランスフェクションすることが必要である。その結果得られる薬物抵抗性は、DNAを取り込んだ細胞を選択し、保持するために活用することができる。利用可能な抵抗性遺伝子の種類には、ネオマイシン、カナマイシンおよびハイグロマイシンを含むが、限定しない。本発明の受容体に関する研究を目的として、異種性受容体タンパク質の安定発現は一般的に、CHO、HEK293、LM(tk−)などを含むほ乳類で実施するが、限定する必要はない。
【0185】
さらに、前記受容体に対する核酸配列を天然に持ち、発現する野生細胞株を、受容体の補完を遺伝子工学的に作製する必要なしに使用してよい。
【0186】
膜プレパレーション
本発明にしたがった受容体タンパク質を発現する細胞膜は、リガンド結合アッセイ、GTP−γ−S結合アッセイなどを含むアッセイ型に関して有用であるが、限定しない。そのような細胞膜を調製するための特性は、いくつかの場合、次のアッセイの特性によって決めてもよいが、しかし一般的には、全細胞の回収および氷冷緩衝液(たとえば20mM Tris−HCl、5mM EDTA、pH7.4)中の調音波処理による細胞ペレットの粉砕を含む。得られた未精製細胞溶解物を、4℃において200×gで5分間の低速遠心することによって細胞残骸を除去する。次いで除去された上清を40,000×gにて20分間、4℃で遠心し、氷冷緩衝液中に再び懸濁すること、および高速遠心工程を繰り返すことによって、得られた膜ペレットを洗浄する。最終洗浄膜ペレットをアッセイ緩衝液に再び懸濁する。牛血清アルブミンを標準として使用してBradford(1976)法によって、タンパク質濃度を決定する。膜は、すぐに使用するか、または後で使用するために凍結してよい。
【0187】
バキュウロウイルスの作製
pBlueBacIIIの、存在する制限部位またはポリペプチドのコード領域に対して5’および3’の配列内に作製した部位内に、本明細書で開示したヒト受容体をコードするDNAのコード領域をサブクローン化してよい。バキュウロウイルスを作製するために、0.5μgのウイルスDNA(BaculoGold)および3μgのポリペプチドをコードするDNA構造物を(「バキュロウイルス発現ベクターシステム:手順および方法マニュアル(Baculovirus Expression Vector System:Procedures and Methods Manual)」にて)Pharmingenによって概略されたように、リン酸カルシウム共沈殿法によって2×106のスポドテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)昆虫Sf9細胞内に共トランスフェクトしてよい。次いで細胞を27℃にて5日間インキュベートする。
【0188】
共トランスフェクトプレートの上清を遠心によって回収し、組換えウイルスプラークを精製してもよい。ウイルスストックを調整するため、およびウイルスストックのタイターを調べるために、細胞にウイルスを感染させる手順はファーミンゲンのマニュアルに記述されたものである。
【0189】
標識化リガンド結合アッセイ
例えば標識化リガンド結合アッセイによって、前記受容体対するリガンドをスクリーニングするために、本発明にしたがった受容体を発現している細胞を使用してよい。いったんリガンドが同定されたならば、同一のアッセイを、さまざまな治療的目的のために使用してよい受容体のアゴニストまたはアンタゴニストを同定するのに使用してよい。
【0190】
1つの実施様態において、標識化リガンドは、多重ウェルマイクロタイタープレート内で受容体を発現している膜プレパレーションまたは昆虫細胞のどちらかと、非標識化化合物、および結合緩衝液を共に接触させて配置する。別の平衡結合アッセイで最適であると決定した時間、および温度において、結合反応混合液をインキュベートする。細胞ハーベスターを使用してGF/Bフィルターを通す濾過によって、または直接結合リガンドを測定することによって、反応を停止させる。リガンドが3H、14C、125I、35S、32P、33Pなどの放射活性アイソトープで標識化されている場合、結合リガンドを液体シンチレーション計数、シンチレーション近似、または放射活性アイソトープを検出するための任意の他の方法を用いることにより検出してもよい。リガンドが蛍光化合物で標識されている場合、結合標識化リガンドは、蛍光強度、時間分解蛍光、蛍光極性、蛍光伝送、または蛍光相関分光測定などの方法によって測定してよいが、限定はしない。この方法において、受容体と結合するアゴニストまたはアンタゴニスト化合物は、受容体を発現している膜タンパク質または昆虫細胞と標識化リガンドの結合を阻害することにより同定されるであろう。非特異的結合は、高濃度の非標識化リガンド(例えば100〜1000×KD)の存在下における膜タンパク質をインキュベーションした後に残っている標識化リガンドの量として定義する。平衡飽和結合アッセイでは、標識化化合物の濃度を増加させて膜プレパレーションまたは受容体をトランスフェクトした昆虫細胞をインキュベートし、標識化リガンドの結合親和性を測定する。非標識化化合物の結合親和性は、多様な濃度の置換リガンドの存在下において標識化化合物の濃度を固定して使用する、平衡競合結合アッセイによって決定してよい。
【0191】
機能性アッセイ
SNORF25受容体DNAを発現している細胞を、機能性アッセイを使用してSNORF25受容体に対するリガンドをスクリーニングするために使用してよい。いったんリガンドが同定されたならば、さまざまな治療目的のために使用されるであろう受容体のアゴニストまたはアンタゴニストを同定するために、同一のアッセイを使用してもよい。GPCRの過剰発現が結果として細胞内シグナル伝達経路の競合的活性化となりうることは、当業者に周知である。同様の方法で、上述したような任意の細胞株におけるSNORF25受容体の過剰発現が、以下に記述した機能的応答を活性化することができ、ここに記述したアッセイのどれもが、SNORF25受容体のアゴニストおよびアンタゴニストリガンド両方をスクリーニングするために使用できる。
【0192】
SNORF25受容体リガンドの存在をスクリーニングするために、広範囲のアッセイを使用できる。これらのアッセイは、たとえば総イノシトールリン酸の蓄積、cAMPレベル、細胞内カルシウム流動、およびカリウム電流などの店頭的な測定から;これらの同じ二次メッセンジャーを測定する(より高い処理量となるように修飾または適合された)系まで;代謝変化、分化、細胞分裂/増殖などの受容体の活性化により生じるより一般的な細胞事象をレポートする細胞に基づいたアッセイまで範囲が及ぶ。このようなアッセイに関するいくつかの記述を以下に示す。
【0193】
環状AMP(cAMP)アッセイ
受容体を介した刺激または環状AMP(cAMP)形成の阻害は、受容体を発現している細胞内でアッセイしてもよい。細胞を96ウェルプレートまたは他の容器に入れ、プロテアーゼ阻害剤カクテル(たとえば、典型的な阻害剤カクテルは、2μg/ml アプロチニン、0.5mg/ml ロイペプチンおよび10μg/ml ホスホラミドンを含む)の存在下、または非存在下において、5mM チオフィリンんどのホスホジエステラーゼ阻害剤を含むHEPES緩衝食塩水(NaCl(150mM)、CaCl2(1mM)、KCl(5mM)、グルコース(10mM))などの緩衝液内で、20分間37℃、5%CO2内でプレインキュベートする。試験化合物を10mM ホルスコリンと共にまたはなしで添加して、さらに10分間、37℃でインキュベートする。次いで培地を吸い取り、100mM HClの添加または他の方法によって反応を停止させる。プレートを4℃にて15分間保存し、停止溶液内のcAMP含量を放射免疫アッセイによって測定する。放射活性は、データ変換ソフトウェアを備えたガンマ計数器を使用して定量してよい。受容体に対するアッセイを最適化するため、またはcAMPの検出方法を変更するために、特定の改変を実施してもよい。
【0194】
アラキドン酸放出アッセイ
受容体を発現している細胞を96ウェルプレートまたは他の容器内にまき、補充物を含む培地内で3日間増殖させる。3H−アラキドン酸(特異的活性=0.75μCi/ml)をそれぞれのウェルに100μL量で伝送し、試料を37℃、5%CO2にて18時間インキュベートする。標識化された細胞を培地で3回洗浄する。次いでウェルを培地で満たし、総容量250μLでの試験化合物または緩衝液を添加して、アッセイを開始する。細胞を30分間、37℃、5%CO2にてインキュベートする。上清をマイクロタイタープレートに移し、乾燥するまで75℃にて、吸引オーブン内で蒸発させる。次いで試料を25μLの滅菌水に溶解し、かつ再び懸濁させる。シンチラント(300μL)をそれぞれのウェルに添加して、試料をトリラックス(Trilux)プレート測定器内で3Hを計測する。データを非線形回帰およびGraphPAD Prismパッケージ(San Diego,CA)で利用可能な統計学的技術を用いて解析する。
【0195】
イノシトールリン酸アッセイ
SNORF25受容体を介したイノシトールリン酸(IP)二次メッセンジャー経路の活性化は、IP産物を放射分析測定することによって査定できる。
【0196】
96ウェルマイクロプレート形式のアッセイにおいて、細胞を70,000細胞/ウェルの密度でおき、24時間インキュベートする。次いで0.5μCiの[3H]−ミオ−イノシトールで37℃、5%CO2にて一晩、細胞を標識化する。アッセイの直前に培地を取り除き、90μLの10mM LiCl含有PBSに置き換える。次いでプレートを37℃で15分間、5%CO2にてインキュベートする。インキュベーションの後、細胞をアゴニスト(10μl/ウェル、10×濃度)で30分間、37℃、5%CO2にて感作する。100μLの50%v/v トリクロロ酢酸の添加して感作を終了させ、続いて30分以上の間の4℃でのインキュベーションする。総IPsをイオン交換クロマトグラフィーにて溶解物から単離する。簡単には、溶解したウェルの含有物を、Dowex AG1−X8(200〜400メッシュ、フォーマット形態)を含むマルチスクリーン HV(Multiscreen HV)フィルタープレート(ミリポア(Millipore))に移す。それぞれのウェルに対して100μLのDowex AG1−X8懸濁液(50%v/v、水:樹脂)を加えて、フィルタープレートを調製する。フィルタープレートをバキュームマニホルド上に置いて、樹脂ベットを洗浄または溶出する。まず200μlの5mM ミオ−イノシトールでそれぞれのウェルを2回洗浄する。総[3H]リン酸イノシトールを75μlの1.2Mギ酸アンモニウム/0.1M ギ酸溶液で96ウェルプレートに溶出する。200μLのシンチレーションカクテルをそれぞれのウェルに加え、放射活性を液体シンチレーション計数管にて測定する。
【0197】
細胞内カルシウム流動アッセイ
細胞内遊離カルシウム濃度は、蛍光指示色素Fura−2/AM(Bushら、1991)を使用して微量分光蛍光計によって測定しうる。カバーガラス挿入物を含む35mm培養ディッシュ上に、受容体を発現している細胞をまき、一晩接着させる。次いで細胞をHBSにて洗浄し、100μLのFura−2/AM(10μM)で20〜40分間ロードする。細胞をHBSで洗浄してFura−2/AM溶液を除去した後、細胞をHBSで10〜20分間平衡化する。次いで細胞をライツ フルオバート FS(Leitz Fluovert FS)顕微鏡の40×対物レンズ下で視覚化し、励起波長を340nM〜380nMの間で変化させて510nMで蛍光放出を測定する。生の蛍光データを標準カルシウム濃度曲線およびソフトウェア解析技術を用いてカルシウム濃度に変換する。
【0198】
他の方法において、細胞内カルシウムの測定はまた、96−ウェル(またはそれ以上)形式にて他のカルシウム感受性指示薬で実施でき、そのような指示薬の好ましい例は、エクオリン、フルオ−3(Fluo−3)、フルオ−4、フルオ−5、カルシウム グリーン−1(Calcium Green−1)、オレゴン グリーン(Oregon Green)、および488BAPTAである。受容体をアゴニストリガンドで活性化した後、細胞内カルシウム濃度の変化によって誘発される放射を照度計、または蛍光イメージャーによって測定してもよく、この好ましい例は、蛍光イメージャープレートリーダー(FLIPR)である。
【0199】
対象の受容体を発現する細胞を、80,000〜150,000細胞/ウェルの密度で透き通った平底黒色壁96ウェルプレート(Costar)上にプレートし、5%CO2、37℃にて48時間インキュベートさせる。培養液を吸引し、100μlのフルオ−3色素を含むローディング緩衝液をそれぞれのウェルに添加する。ローディング培地は、ハンクスBSS(フェノールレッドなし)(Gibco)、20mM HEPES(Sigma)、0.1または1%BSA(シグマ)、色素/プルロン酸混合液(たとえば、1mM Fluo−3、AM(Molecular Probes)および10%プルロン酸(Molecular Probes)を使用直前に混合する)、および2.5mMプロベネシッド(シグマ)(新鮮に調製する)を含む。細胞を5%CO2、37℃にて約1時間インキュベートする。
【0200】
色素ローディングインキュベーションの間、化合物プレートを調製する。化合物を洗浄緩衝液(ハンクスBSS(フェノールレッドなし)、20mM HEPES、2.5mM プロベネシッド)中に4×最終濃度まで希釈し、透き通ったv底プレート(Nunc)内に分液する。インキュベーションに続いて、過剰な色素を取り除くために細胞を洗浄する。穏やかに細胞を洗浄するためにDenleyプレート洗浄機を4回使用し、それぞれのウェルに100μlの最終容量の洗浄緩衝液を残す。細胞プレートをFLIPRの中心トレーにおき、化合物プレートをFLIPRの右トレーにおく。実験のためにFLIPRソフトウェアを準備し、実験を行い、データを回収する。次いでエクセル表計算プログラムを用いてデータを解析する。
【0201】
アンタゴニストリガンドは、アゴニストリガンドによって誘発されたシグナルの阻害によって同定する。
【0202】
GTPγS機能性アッセイ
受容体を発現する細胞由来の膜を、プロテアーゼ阻害剤(たとえば0.1%バシトラシン)の存在下または非存在下において、アッセイ緩衝液(たとえば、50m MTris、100mM NaCl、5mM MgCl2、10μM GDP、pH7.4)中に懸濁させる。膜を氷上で20分間インキュベートし、96−ウェル ミリポア(Millipore)マイクロタイターGF/Cフィルタープレートに移し、GTPγ35S(たとえば、250,000cpm/試料、特異的活性−1000Ci/mmol)プラスまたはマイナス非標識GTPγS(最終濃度=100μM)と混合する。最終膜タンパク質濃度=90μg/ml。試料を室温にて30分間、試験化合物の存在または非存在下でインキュベートし、次いでミリポアバキュームマニホールドで濾過し、冷(4℃)アッセイ緩衝液にて3回洗浄する。試料をフィルタープレートに回収し、シンチラントで処理し、トリラックス(Trilux)(Wallac)液体シンチレーション計数管で35Sを計測する。受容体膜プレパレーションが適切に作製された外来発現系、すなわち受容体を高レベルで発現する結果となる、および/または高い代謝率を持つG−タンパク質(GDPのGTPへの変換のため)を発現する発現系に由来する場合、最適な結果がえられることが予測される。GTPγSアッセイは当業者に周知であり、Tianら(1994)またはLazareno and Birdsall(1993)などに記述された上記方法の変法を使用してもよいと思われる。
【0203】
微小生理学的測定アッセイ
細胞代謝は、(多重メッセンジャー経路による受容体活性化を含む)広範囲の細胞事象に複雑に関わっているので、細胞代謝の微小生理学的測定を使用により、原則として、受容体のシグナル伝達系路の特性に関わらず、任意の受容体の活性化によって生じる細胞の活性化に対する一般的なアッセイが提供される。
【0204】
一過性受容体発現、細胞プレパレーション、および微小生理学的測定記録に関する一般的なガイドラインは他(Salon,J.A.およびOwicki,J.A.,1996)に記載されている。一般的に、受容体を発現する細胞を回収し、実験の24時間前に、3×105細胞あたり微小生理学的測定計カプセルとして完全培地中にまく。培地を記録の16時間前に無血清培地に置き換えて、多種類かつ病気を定義する血清因子による非特異的代謝刺激を最小化する。実験の日に、細胞カプセルを微小生理学的測定計に移し、記録培地(0.1%脂肪酸なしBSAを含む低緩衝RPMI 1640、重炭素酸なし、血清なし(Molecular Devices Corporation,Sunnyvale,CA)中で平衡化し、その間、基準代謝活性の基準線測定を確立する。
【0205】
標準記録プロトコルは、酸性化の速度測定を行う際に、30秒間の流速中断を含む2分間の総ポンプサイクルを使用し、100μl/分流速により特定する。リガンド感作は、最初の感作後速度測定を行う直前に、試料に1分20秒間曝露することを含み、続いて試料を合計5分20秒間の曝露する2回のさらなるポンプサイクルを含む。一般的に、一次スクリーニングにおける薬物は、10μM最終濃度にて細胞に提示する。次いで、活性な化合物の濃度依存性を試験するための実験の経過観察は、閾値から最大レベルまでの範囲における応答を作製するのに必要な量を超える薬物濃度範囲で、細胞を連続的に感作することにより行われる。次いでリガンド試料を洗い流し、報告された酸性化速度を、感作直前に観察した基準線速度に対するピーク応答の増加割合として表す。
【0206】
MAPキナーゼアッセイ
MAPキナーゼ(マイトジェン活性化キナーゼ)を、受容体の活性化を評価するためにモニターしてよい。MAPキナーゼは、細胞内で多数の経路によって活性化される。活性化の初期様式には、ras/raf/MEK/MAPキナーゼ経路が含まれる。成長因子(チロシンキナーゼ)受容体は、SHC/Grb−2/SOS/rasを介してこの経路内に入る。Gi共役受容体はまた、rasを活性化することが知られており、その後MAPキナーゼの活性化を産出することが知られている。ホスホリパーゼC(Gq/Gll−共役のような)を活性化する受容体は、ホスファチジルイノシトールを加水分解した結果としてジアシルグリセロール(DAG)を産出する。DAGは、次にMAPキナーゼをリン酸化するタンパク質キナーゼCを活性化する。
【0207】
MAPキナーゼ活性化は、さまざまなアプローチによって検出できる。1つのアプローチは、リン酸化されていない(不活性)、またはリン酸化されている(活性)かいずれかをリン酸化状態を評価することに基づく。リン酸化されたタンパク質はSDS−PAGEにおいて、よりゆっくりした移動度を持つので、ウエスタンブロッティングを用いて未刺激タンパク質と比較できる。あるいは、リン酸化タンパク質に特異的な抗体が入手可能であり(New England Biolabs)、リン酸化されたキナーゼの増加を検出するために使用できる。他の方法では、細胞を試験化合物で刺激し、次いでLaemmli緩衝液で抽出する。可溶性画分をSDS−PAGEゲルにのせ、電気泳動によってニトロセルロース、またはImmbilonにタンパク質を転写する。標準的なウエスタンブロッティング技術によって免疫活性バンドを検出する。可視または化学蛍光シグナルをフィルム上に記録し、濃度計によって定量してよい。
【0208】
他のアプローチは、リン酸化アッセイを介したMAPキナーゼ活性の評価に基づく。細胞を試験化合物で刺激し、可溶性抽出物を調製する。ガンマ−32P−ATP、ATP再生成系、およびインスリンまたはPHAS−Iによって調節される熱および酸に安定なリン酸化タンパク質などのMAPキナーゼに特異的な基質と共に、抽出物を30℃で10分間インキュベートする。
【0209】
H3PO4の添加によって反応を停止し、試料を氷に移した。一部分をWhatman PB1 クロマトグラフィー紙(リン酸化タンパク質を保持する)上にスポットした。クロマトグラフィー紙を洗浄し、液体シンチレーション計数管で32Pを計数する。あるいは、細胞抽出物をガンマ−32P−ATP、ATP再生成系、ストレプトアビジンによってフィルター支持体に結合させたビオチン化ミエリン塩基性タンパク質と共にインキュベートする。ミエリン塩基性タンパク質は活性化したMAPキナーゼの基質である。リン酸化反応を30℃で10分間実施する。次いでミエリン塩基性タンパク質を保持するフィルターを通して抽出物を吸引した。フィルターを洗浄し、液体シンチレーション計数管にて32Pを計数する。
【0210】
細胞増殖アッセイ
前記受容体の受容体活性化は、分裂促進または増殖応答を引き起こす可能性がある。これは、3H−チミジン取り込みを介してモニタできる。培養した細胞を3H−チミジンと共にインキュベートすると、チミジンは核内に移動し、そこでチミジン三リン酸にリン酸化される。次いでヌクレオチド三リン酸は、細胞増殖の速度に比例した速度で細胞のDNAに取り込まれる。一般的に、細胞は1〜3日間、培養液中で増殖させる。24時間血清を取り除くことによって細胞を静止させる。次いで分裂促進剤を培地に加える。24時間後、1〜10μCi/mlの範囲の特異的活性の3H−チミジンとともに、細胞を2〜6時間インキュベートする。回収手順は、トリプシン処理、およびTCAと前インキュベーションして、またはせずにGF/Cフィルターで濾過することによって細胞をトラップして、可溶性チミジンを抽出することを含んでもよい。フィルターをシンチラントで処理し、液体シンチレーション計数管によって3Hに関して計数する。あるいは、接着細胞をMeOHまたはTCAで固定てし、水で洗浄し、0.05%デオキシクロレート/0.1N NaOHで可溶化する。可溶性抽出物をシンチレーションバイアルに移し、液体シンチレーション計数管にて3Hに関して計数する。
【0211】
あるいは、受容体をトランスフェクトするのに使用した細胞株に発現された内因性または外因性遺伝子産物の発現を測定することによって、細胞増殖をアッセイすることができる。この測定は、蛍光強度、酵素的活性、免疫応答性、DNAハイブリット形成、ポリメラーゼ連鎖反応など方法によって検出できるが、限定されない。
【0212】
乱交雑二次メッセンジャーアッセイ
前記細胞の任意の与えられた受容体における多くの異なったシグナル伝達のいずれを通常使用するかを、推測的に、およびGPCR配列に基づいただけで予測することは不可能である。しかしながら、乱交雑なGαサブユニットを使用することにより、事前に選択された経路を介して、機能的分類の異なった受容体にシグナルを誘導することは可能である。たとえば、Gα15またはGα16のような乱交雑Giサブユニット、またはGαqzのようなキメラGαサブユニット、GPCR(これらは特異的なシグナル伝達(たとえばGs、Gi、Gq、G0など)を介して結合することが通常好まれるであろう)は、これらを内因性に供給する細胞に基づいた受容体アッセイ系を提供することによって、乱交雑なGαサブユニットによって限定された経路を介して結合して、アゴニスト活性化において、そのサブユニットの経路に付随する二次メッセンジャーを産出するることが可能である。Gα15、Gα16および/またはGαqzの場合、Gq経路の活性化および二次メッセンジャーIP3の産出は、これを含むかもしれない。同様の戦略および材料を使用することにより、たとえばCa++、cAMPおよびK+電流などの他の二次メッセンジャーを産出している経路を介した受容体シグナル伝達に偏らせることが可能である(Milligan,1999)。
【0213】
外因的に供給したGαサブユニットと受容体の乱交雑な相互作用は、可能性のあるそれぞれのシグナル伝達経路に対して異なるアッセイを実施する必要性を減らし、受容体活性化における機能的なシグナルを検出する機会を増加させる。
【0214】
アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞の電流を記録するための方法
アフリカツメガエル(Xenopus laevis)より卵母細胞を回収し、すでに記述したようにmRNA転写物を注入する(Quick and Lester,1994、Smithら、1997)。本発明の試験受容体およびGαサブユニットRNA転写物は、遺伝子の完全コード領域を含む直線化したプラスミド、またはPCR産物からT7ポリメラーゼ(「メッセージ マシーン(Message Machine)」 Ambion)を用いて合成する。卵母細胞に10ngの合成受容体RNAを注入し、17℃にて3〜8日間インキュベートする。結合してCa++で活性化されたCl−電流を観察するために、記録する3〜8時間前に卵母細胞に500pgの乱交雑なGαサブユニットmRNAを注入する。1〜2MOhmの抵抗を持つ3M KCl充填ガラスマイクロ電極を使用して、二電極電流クランプ(Axon Instruments Inc.)が実施される。他に特定しない限り、卵母細胞は−80mVの保持電位で電圧固定する。記録の間、96mM NaCl、2mM KCl、1.8mM CaCl2、1mM MgCl2および5mM HEPES,pH7.5(ND96)を含む連続的に流れる(1〜3ml/分)培地中に卵母細胞を浸す。薬物を、卵母細胞から0.5mmの距離に固定された10μlのガラスキャピラリーチューブによる局所散布によって、または連続した重力供給散布ラインからスイッチングすることによって、いずれかによって供給される。
【0215】
受容体mRNAと、G−タンパク質で活性化される内向整流チャネル(GIRK1およびGIRK4、米国特許第5,734,021号および第5,728,535号、またはGIRK1およびGIRK2)の遺伝子をコードする合成mRNAとの混合物、または任意の他の好ましい組合せ(たとえばInanobeら、1999を参照のこと)を他の卵母細胞に注入してもよい。G−タンパク質内向整流K+(GIRK)チャネル1、2および4(GIRK1、GIRK2およびGIRK4)をコードする遺伝子は、適切な5’および3’プライマーを駆使するために、公表されている配列を用いたPCRによって得てもよい(Kuboら、1993、Dascalら、1993、Krapivinskyら、1995および1995b)。ヒト心臓または脳cDNAを、適切なプライマーと共にテンプレートとして使用してよい。
【0216】
アフリカツメガエル卵母細胞においてGPCRsを外因性に発現することは、アゴニスト刺激によって活性化されるシグナル伝達系路を同定するために広く使用されてきた(Gundersenら、1983、Takahashiら、1987)。SNORF25受容体に対するmRNAが先に注入された卵母細胞に、ND96溶液中の試験化合物を添加して、約−80mVの保持電位における内向電流を観察することによって、ホスホリパーゼC(PLC)経路の活性化をアッセイする。−25mVで逆転し、Ca++で活性化されたCl−チャネルに他の特性を示す電流が出現することにより、PLCの受容体活性化およびIP3および細胞内Ca++の放出が示される。このような活性化は、GqまたはG11と結合するGPCRsによって示される。
【0217】
GPCR刺激によるCa++で活性化されたCl−電流に、G−タンパク質のGi/0クラスが関与することを、Gi/o G−タンパク質を不活性化する毒素であるPTXを使用して評価する。卵母細胞に25ngのPTX/卵母細胞を注入して、SNORF25受容体によってCa++で活性化されたCl−電流が調節されることを2〜5時間連続的に評価する。
【0218】
細胞内cAMPの上昇は、卵母細胞内に嚢胞性線維症膜伝導性レギュレーター(CFTR)(そのCl−選択的な孔が、タンパク質キナーゼAによるリン酸化に応答して開く(Rioedan,1993))が発現することよってモニターできる。卵母細胞に発現するRNA転写物を調製するために、CFTR遺伝子の公表された配列(Riordan,1993)に由来する5’および3’プライマーを使用したPCRによりテンプレートを作製した。5’プライマーは、T7ポリメラーゼをコードする配列を含んでいたため、転写物はクローニングせずにPCR産物から直接、作製されるであろう。10〜15ngのSNORF25のmRNAに加えて10ngのCFTR mRNAを卵母細胞に注入した。18℃にて、2〜3日間のインキュベーションした後に、ND96中で電気生理学的記録を行った。1〜2MOhmの抵抗を持つ3M KCl充填ガラスマイクロ電極を持つデュアル電極電圧クランプ(Axon Instruments Inc.)の下で電流を記録する。他に特定しない限り、卵母細胞は−80mVの保持電位に電圧固定する。記録の間、96mM NaCl、2mM KCl、1.8mM CaCl2、1mM MgCl2および5mM HEPES,pH7.5(ND96)を含む連続的に流れる(1〜3ml/分)培地中に卵母細胞を浸す。薬物を、卵母細胞から0.5mmの距離に固定された10μlのガラスキャピラリーチューブによる局所散布によって、または連続した重力供給散布ラインからスイッチングすることによって、いずれかによって供給される。
【0219】
Gタンパク質GiおよびGoの活性化は、内向整流K+(カリウム)チャネル(GIRKs)の活性を測定することでモニタできる。活性は、ほ乳類受容体+GIRKサブユニットをコードするmRNAを共注入した卵母細胞でモニターしてもよい。GIRK遺伝子産物は、共−集合して、GiまたはGoと結合する多くのGPCRによって活性化される(すなわち刺激される)ことが知られている(Kuboら、1993、Dascalら、1993)Gタンパク質活性化カリウムチャネルを形成する。ほ乳類受容体+GIRKサブユニットを発現している卵母細胞では、49mMのK+を含む上昇K+溶液中のK+電流を測定することによって、試験化合物に対する応答性をが試験される。
【0220】
ヒトおよびラットSNORF25をコードするmRNAの局在
方法:蛍光遺伝子プローブのリアルタイム検出を用いた定量的RT−PCR
SNORF25ラットおよびヒトRNAの局在を特徴づけるために、蛍光遺伝子プローブおよびヒト、ラット組織から抽出したmRNAのパネルを用いた定量性RT−PCRを使用した。
【0221】
本アッセイは、従来のPCR増幅における2種のオリゴヌクレオチド、並びにオリゴヌクレオチドの5’末端がレポーターで、および3’末端がクエンサーで標識された第3の特異的オリゴヌクレオチドプローブを利用する。本発明において、FAM(6−カルボキシフルオレセイン)およびJOE(6−カルボキシ−4,5−ジクロロ−2,7−ジメチオキシフルオレセイン)が利用した二種のレポーターであり、TAMRA(6−カルボキシ−4,7,2,7’−テトラメチルローダミン)がクエンサーである。増幅が進行することにより、標識したオリゴヌクレオチドプローブが、増幅に使用した2種のオリゴヌクレオチド間の遺伝子配列とハイブリダイゼーションする。標識化プローブを開裂させるために、Taq、またはrTth温度安定DNAポリメラーゼのヌクレアーゼ活性を利用する。これは、レポーターからクエンサーを引き離し、生成したアンプリコンの量に直接的に比例する蛍光シグナルを生成する。この標識化プローブは、高い程度で特異性を付与する。標識化プローブがハイブリダイズしないので、非特異的増幅は検出されない。すべての実験を、PE7700 シークエンス検出系(Sequence Detection System)(Perkin Elmer,Foster City,CA)で実施した。
【0222】
定量性RT−PCR
SNORF25をコードするRNAを検出するために、組織から抽出したmRNAで定量的RT−PCRを行った。rTth温度安定DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)を用いて、50μl容量で逆転写およびPCR反応を実施した。以下の配列を持つプライマーを使用した:
SNOR25 ヒト
フォワードプライマー:
SNORF25−765F
5’−CCTCTACCTAGTGCTGGAACGG−3’(配列番号:18)
リバースプライマー:
SNORF25−868R
5’−GCTGCAGTCGCACCTCCT−3’(配列番号:19)
蛍光オリゴヌクレオチドプローブ:
SNORF25−814T
5’(6−FAM)−TCCCTGCTCAACCCACTCATCTATGCCTATT−(TAMRA)3’(配列番号:20)
SNORF25 ラット
フォワードプライマー:
SNORF25−231F
5’−GTGTAGCCTTCGGATGGCA−−3’(配列番号:21)
リバースプライマー:
SNORF25−329R
5’−GGCTGCTTAATGGCCAGGTAC−3’(配列番号:22)
蛍光オリゴヌクレオチドプローブ:
SNORF25−278T
5’(6−FAM)−TCCTCACGGTCATGCTGATTGCCCTTT−(TAMRA)3’(配列番号:23)
これらのプライマー対を使用し、アンプリコンの長さは、ヒトSNORF25では104bp、ラットSNORF25では99bpである。それぞれのRT−PCR反応には50ngのmRNAが含んだ。オリゴヌクレオチド濃度は:フォワードおよびリバースプライマーが500nM、蛍光プローブが200nMであった。各反応液中の試薬の濃度は、300μM dGTP、dATP、dCTP、600μM UTP、3.0mM Mn(OAc)2、50mM ビシン(Bicine)、115mM 酢酸カリウム、8%ユニット ウラシルN−グリコシラーゼであった。RT−PCR反応のための緩衝液も、受動参照として使用した蛍石を含んだ(ROX:Perkin Elmer特許登録受動参照I)。(mRNAおよびオリゴヌクレオチドを除く)RT−PCRに関するすべての試薬はPerkin Elmer(Foster City,CA)より得た。反応は、以下の温度循環器特性を用いて実施した。50℃で2分間、60℃で30秒間、95℃で5分間、続いて94℃で20秒間、62℃で1分間を40サイクル。
【0223】
PCR反応に対するポジティブコントロールは、プラスミド構築物に由来する標的配列の増幅からなった。定量のための標準曲線は、プラスミドベクター内のヒトSNORF25遺伝子、または膵臓から抽出したRNAを増幅のためのテンプレートとして使用いて構築した。ネガティブコントロールはmRNAブランク、並びにプライマーとmRNAブランクからなった。mRNAがゲノムDNAに混入していないことを確認するために、Taq DNAポリメラーゼを用いた逆転をせずに、RCR反応を行った。RNAの完全性を、シクロフィリンまたはグリセルアルデヒド 3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)をコードするmRNAを増幅することによって査定した。逆転写およびPCR増幅に続いて、データをPerkin Elmer配列検出ソフトウェアを用いて解析した。それぞれのウェルからの蛍光シグナルを、内部受動参照を用いて正規化し、データを標準曲線に当てはめ、SNORF25 mRNA発現の相対的量を得た。
【0224】
結果と考察
SNORF25の全長配列のクローニング
GH1細胞およびRin14b細胞を含む様々な組織から調整したゲノムDNAおよびcDNAを、ガラ二ン、ソマトスタチン、およびオピオイド受容体ファミリーのメンバーの第三膜貫通領域、およびガラニン受容体ファミリーのメンバーの第七膜貫通領域に基づいて設計した2つの縮重プライマーを用いたMOPAK PCRにかけた。この反応による3つの産物は、いずれの向きでも(前方向または逆方向)同一のクローンであった。このクローンは、Genbank、SwissProtPlus、GSS、EST、またはSTSデータベースでは見いだせない新規配列であることが分かった。それは他の既知Gタンパク質結合受容体と有意な相同性を含んでいた(既知受容体領域D1、ベータ−アドレナリン作用性2bおよび5−HT1Fと−29%の同一性、5−HT受容体と34%の同一性)。この受容体配列は後にSNORF25と命名され、上記の方法の節に記載のように5’および3’のcDNA末端の急速増幅(RACE)のプライマーを設計するために用いた。5’RACE反応は、第一膜貫通領域、およびコザックコンセンサス配列(ACCATGG)に囲まれた推定インフレームの開始メチオニンをコードする配列を通して配列情報を与えた。
【0225】
3’RACE反応では、アガロースゲル電気泳動によって、600bpのバンドを得た。このバンドをTAクローニングキット内にサブクローニングし、単離したコロニーの配列を決定した。これらの産物の配列は、第七膜貫通領域をコードする領域の下流にインフレームの終止コドンが存在することを明らかにした。SNORF25のコード配列全体の大きさは、1005bpであり、335のアミノ酸からなるタンパク質をコードすると決定された。2つのプライマー、JAB86とJAB84は、Expand Long PCR系を用いて、Rin14b細胞系cDNAおよびラットゲノムDNA由来のコード配列全体を増幅するために使用した。この反応のためのプライマーは、5’および3’プライマーそれぞれの5’末端に組み込まれたBamHIおよびHindIII制限部位を持つSNORF25の5’および3’非翻訳領域に特異的であった。これらの反応産物をpcDNA3.1(−)にサブクローン化し、配列を決定したところ、Rin14bクローンおよびゲノムクローンの配列が同一であることが分かり、ラットSNORF25を含むベクター構築物をpcDNA3.1−rSNORF25と命名した。
【0226】
全長クローンのアミノ酸配列の疎水性(Kyte−Doolittle)分析では、7つの疎水性領域が存在することを示し、それはGタンパク質結合受容体の7つの膜貫通領域と一致する。予想される7つの膜貫通領域を図4に示す。ラットSNORF25ヌクレオチドおよびペプチド配列とGenbank、EMBL、およびSwissProtPlusデータベースに含まれる配列との比較により、この受容体のアミノ酸配列がヒスタミン、アデノシン、セロトニン、ベータアドレナリン作用性、およびドーパミン受容体ファミリーに最も関連性があることを示し、これらの受容体は全体にわたり25−30%一致性の示しす。N−およびC−末端は比較的短く、アデノシン受容体ファミリーにより似ている。しかしながら、膜貫通領域の解析では、この受容体が、他のGPCRの膜貫通領域内と有意な程度の同一性を共有することを示す。SNORF25の全ての膜貫通領域と、GPCR膜貫通領域の総合的なリストとの同時比較では、SNORF25の膜貫通領域が、ベータアドレナリン作用性受容体1および2とそれぞれ31%および32%、並びに5−HTおよび5−HT58受容体とそれぞれ32%および36.6%の最も高い程度で同一性を持つことを示唆しうる。膜貫通領域をFASTA検索により個々に分析すると、SNORF25は、様々な既知Gタンパク質結合受容体とかなりの類似性を示す。
【0227】
SNORF25のヒト相同体をクローン化するために、ラットSNORF25の第二および第五膜貫通領域に基づいて設計した標識化オリゴヌクレオチドプローブを用いて、ヒトゲノムコスミドライブラリーをストリンジェントな培地でスクリーニングした。およそ225,000のスクリーニングされたコロニーの中から、2つのコロニーをプローブとハイブリダイゼーションさせた。それぞれのコロニーを単離、解析後、これらの2つのコロニーがSNORF25のヒト相同体を含む同一のコスミドであると決定した。このコスミドのいくつかの制限切断物によるサザンブロット解析、およびその後の陽性バンドのシーケンスにより、このコスミドのBamHI/HindIII切断物が、このヒトクローンの全長コード配列を含む1.9kbの断片として得られたことが示された。pEXJT3T7ベクターのBamHI/HindIII部位にサブクローン化したヒト受容体の構築物は、pEXJT3T7−hSNORF25と命名した。ヒトSNORF25は、ラットSNORF25に対して80%のDNA一致性および83%のアミノ酸一致性を示した。ラット受容体と同様に、ヒトSNORF25のタンパク質コード領域は、1005ヌクレオチド(図1A〜1B)であり、335のアミノ酸からなるタンパク質をコードする(図2A〜2B)。ラットSNORF25のDNAおよびアミノ酸配列はそれぞれ図3A〜3Bおよび4A〜4Bに示す。
【0228】
GenEMBL、SwissProtPlus、EST,STS、およびGSSデータベースの検索により、ヒトSNORF25もまた固有の新規配列であることが確かめられた。ラットSNORF25との一致性の他に、アデノシン2a、5−HT4L、5−HT4S、5−HT6、および5−HT7、ドーパミンD1およびD3、そしてソマトスタチン5受容体と全体で28〜30%の一致性を共有する。また、アデノシンA1、ヒスタミンH1および2、ベータアドレナリン作用性1、およびソマトスタチン2および3受容体と25−26%の一致性を持つ。ヒトSNORF25の全ての膜貫通領域と、GPCR膜貫通領域の総合的なリストを同時に比較することにより、ヒトSNORF25の膜貫通領域がベータ1および2アドレナリン作用性受容体(それぞれ29%および32%)および5−HT4に対して最も高い程度の一致性を持つことが示唆されうる。ヒトSNORF25の個々の膜貫通領域は、他のいくつかのGタンパク質結合受容体に由来する膜貫通領域と有意な一致性を持つ。
【0229】
ラットおよびヒト両方のSNORF25は、それらのアミノ酸配列中にいくつかの潜在的タンパク質キナーゼC(PKC)リン酸化モチーフを持つ。どちらの受容体においても、スレオニン73、セリン79、およびセリン309が潜在的PKCリン酸化部位である。ヒト受容体は、セリン214にさらなる推定PKCリン酸化部位を持つ(それはラットSNORF25ではプロリンである)。両方の受容体が、セリン329に潜在的カゼインキナーゼII(CKII)リン酸化部位を共有する。またヒトSNORF25は、さらに2つの潜在的CKIIリン酸化部位、スレオニン217およびセリン331を持ち、それらはラット受容体には存在しない。逆に、ラットSNORF25はチロシン323に潜在的チロシンリン酸化部位を持ち、それはヒト受容体には存在しない。
【0230】
SNORF25トランスフェクト細胞のcAMP応答
エレクトロポレーションを用いて、CHO細胞内にSNORF25 cDNAを含む発現ベクター(pcDNA)をトランスフェクトした。プレーティングした後、これらのリガンドの受容体とSNORF25の相同性(上記参照)に基づいて、その他の物質中にヒスタミン、アデノシン、セロトニン、ノルエピネフリン、およびドーパミンなどの在来の神経伝達物質のいくつかを含むリガンドライブラリーで前記トランスフェクタントを感作し、上記のモックがトランスフェクトされた細胞がcAMPまたはIP放出を刺激する能力を試験した。興味深いことに、SNORF25トランスフェクト細胞の基礎cAMPレベルは、モックがトランスフェクトされた細胞よりも有意に高かった(>10倍)(図5)。この観察結果は、SNORF25受容体が機能的にcAMP刺激経路に結合しうることを示唆する。試験したリガンドの中で、全トランスレチノイン酸(ATRA)だけが、モックがトランスフェクトされたCHO細胞中においてこれらの要素に影響を与えずに、SNORF25トランスフェクト細胞のcAMPを有意に増加させたが、IP放出は増加させなかった。ATRA濃度10μMで起こった応答(上記基礎の2〜5倍)は、アデニルシクラーゼの強力な直接的刺激物質であるホルスコリンによって産生されるものに匹敵する(図6)(n=3)。
【0231】
モックおよびSNORF25がトランスフェクトされたCos−7細胞におけるホルスコリンに対する応答は、ほとんど同一であることから(図6)、SNORF25を発現する細胞において観察されたATRAに対する増強された最大応答(モックDNAトランスフェクト細胞に比べて)が、細胞密度または細胞固有の性質が変化したためではないことが示唆される。ATRAに近い類似体である全トランスレチノール(ビタミンA1)は、10μMでcAMPを増加させなかった(図6)。
【0232】
続く実験では、Cos−7細胞においても観察されたので、ATRAで誘導されるcAMP形成の増加が、宿主細胞に依存しないことを実証された(n=3)(図7)。全トランスレチノイン酸が、ドーパミンD1、D5、セロトニン5−HT4および5−HT6受容体を含むほかの既知シクラーゼ刺激性受容体がトランスフェクトされたCos−7細胞において、何の応答も起こさなかったことから、ATRAで観察された応答が、SNORF25トランスフェクト細胞に特有であることを示している(図7)。
【0233】
Cos−7細胞におけるATRAに対するcAMP応答は、EC50値がおよそ0.2〜1μMであり、およびEmaxがおよそ200〜300%であり濃度依存的である(図8)。
【0234】
SNORF25を発現するアフリカツメガエル(Xenopus)の卵細胞におけるカルシウムで活性化されるCI−流動の活性化
細胞内cAMPの増加は、嚢胞性繊維症膜貫通伝導性レギュレーター(CFTR)(タンパク質キナーゼAによるリン酸化に応答して、そのCI−選択的な孔が開く)の発現により卵細胞中で観測することができる(Riordan,1993)。従って、SNORF25をコードするmRNA、およびCFTRをコードするmRNAを共に注入した卵細胞において、SNORF25の活性を試験した。これらの卵母細胞39個のうち17個において、10μMの全トランスレチノイン酸の投与に応答して、内部CI−の流動(105±20nA)が測定された(図9A〜9Cおよび10を参照のこと)。
【0235】
CFTRチャンネルをコードするmRNAのみを注入した他の卵細胞では、そのような流動が観察されなかったので、この応答はSNORF25の発現に特異的であった。β2−アドレナリン作用性受容体(B2AR)を注入した卵細胞において、同様の流動が観察されたが(図9C参照)、SNORF25発現卵細胞により生じる流動は大体2〜3倍遅く、少なかった。全トランスレチノイン酸は、CFTR欠損卵細胞におけるCl−流動を刺激しないことから、Gq−を介したホスホリパーゼC経路が活性化されなかったことを示している。GPCR結合GiおよびGoをホスホリパーゼC経路に結合させることができるキメラGタンパク質を発現する卵細胞においても、応答は引き起こされなかった。総合すると、これらの観察結果は、SNORF25が全トランスレチノイン酸に結合し、(おそらくGsの活性化を経由して)cAMPの産生を刺激するGPCRをコードするという仮説が支持される。
【0236】
他の系において、全トランスレチノイン酸は、いくつかの核受容体の1つを刺激する(背景を参照のこと)。これにより1以上の遺伝子の転写が増強される。卵母細胞におけるSNORF25の発現は、通常の非注入卵細胞には存在しない、全トランスレチノイン酸の核受容体(刺激された時に、cAMPの増大を生じる)を発現させる。この場合、レチノイン酸は必ずしもSNORF25受容体に結合しないが、レチノイン酸の既知または新規核受容体に作用するであろう。このようなレチノイン酸が間接的に作用する機構は、なぜリガンドが卵細胞の6群のうち3群でCFTR応答を誘発しなかったか(39の卵細胞中17)、またなぜB2アドレナリン作用性受容体などのよく特徴づけられたGPCRの活性化によって、応答が引き起こされた条件下で観察されるものよりもCFTRの活性化速度が2〜3倍遅かったかを説明しうる(図9C)。それにもかかわらず、レチノイン酸によるCFTRの活性化の遅延は約10秒でのオーダーであり、核受容体の活性化は、一般的に数分から数時間の範囲である。したがって、我々は、レチノイン酸活性化の間接的機構を除外できないが、SNORF25を発現する卵細胞の応答における相対的に急速な開始が、そのような機構があり得ないことを示唆している。
【0237】
ヒトSNORF25をコードするmRNAの検出
多数の組織(表1に一覧してある)からmRNAを単離し、記載したように分析した。
【0238】
蛍光遺伝子プローブを用いた定量的RT−PCRにより、アッセイしたほとんどの組織で、ヒトSNORF25をコードするmRNAが発現していることが実証された(表1)。ヒトSNORF25 mRNAの最高レベルは、膵臓、胃、小腸および胎児の肝臓で見られ、他の場所ではそれよりも低いレベルであった。ほとんどの神経系の構成体では末梢の器官に比べSNORF25 mRNAの発現が少なかった。
【0239】
SNORF25発現の最高レベルは膵臓で見られた。膵臓は、様々な普遍的活性物質(インスリンなど)を分泌しており、このことはSNORF25が、内分泌機構を経由しうる多様な代謝機能の調節に役割を果たしている可能性を示唆している。SNORF25は、ラットインスリノーマ細胞株においても発現していることから、膵臓においてSNORF25が発現していることに不思議はない。この発見は、肝臓におけるSNORF25 mRNAの検出、並びにグルコースレベルの調節および糖尿病において役割をはたす可能性を示す。
【0240】
SNORF25 mRNAが高レベルである他の組織は、胃と小腸である。これらの組織構造に分布することは、胃腸内の運動性または吸収に関する機能と一致する。現時点では、SNORF25 mRNAが平滑筋に局在するのか、または粘膜/粘膜下層に局在するのかは分からない。
【0241】
非常に低いレベルで検出されたが、視床および海馬構造(CNSの中で最もレベルが高い部位)を含むCNSの多様な領域、およびその他の機能的で多様な領域に、SNORF25 mRNAが存在することにより、この受容体の広い調節機能、または局所的機能性が示される。
【0242】
ヒトSNORF25 mRNAは、発生時に調節されていると思われる。胎児の肝臓におけるmRNAのレベルは、成人膵臓の測定値とほぼ等しい(83%)。しかしながら、成人の組織では、膵臓で見られた量の1%以下に低下している。発生を通じて、SNORF25mRNAの甚大な変化は、肝臓の成熟における役割、または発生中のグルコース要求量/レベルを調節する役割があることを意味している。この増加に対する時間経過は調査されておらず、この受容体の機能を理解することが重要だと思われる。
【0243】
要約すると、SNORF25受容体mRNAの分布は、中枢神経系はもちろん、多様な器官系、内分泌機構を含む広範な調節機能に関係する。
【0244】
ラットSNORF25をコードするmRNAの検出
ヒトSNORF25 mRNAの限定された分布と違って、ラットにおけるSNORF25 mRNAは、広く分布している。ラットとヒトの分布における一つの著しい違いは、ラット中枢神経系で検出される高レベルのSNORF25 mRNAである。ヒトでは、最高濃度のSNORF25 mRNAは、膵臓でみられ、CNS構造では、非常に低いレベルであった。ラットでは、最高レベルのSNORF25 mRNAが海馬構造でみられ、次いで大脳皮質、小脳、視床下部、脈絡脈叢および骨髄において、高レベルに検出された。SNORF25 mRNAはまた、背根および三叉神経節においても検出された。SNORF25 mRNAは、ラット膵臓、およびその他の末梢器官において検出されたが、CNSにおけるレベルよりもはるかに低いレベルで存在する。
【0245】
ラットSNORF25は、アッセイしたほとんどの組織で検出された。膵臓に加え、肺、結腸、十二指腸、卵巣、腎臓および副腎においてもかなりの量で発現した。表2に示すように、その他の組織でも少ない量で検出された。
【0246】
要約すると、ラットSNORF25受容体mRNAの広い分布は、中枢神経系はもちろん、多様な器官系、内分泌機構を含む広い調節機構を意味している。ヒトとラットで見られる分布パターンの違いは、ラットではこの受容体がヒトと比較して異なった役割を持つ可能性を示唆している。
【表1】
【表2】
【参照文献】
【0247】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の背景]
本出願は、1999年2月22日に提出された米国特許明細書番号第09/255,376号の部分継続である、1999年8月13日に提出された、米国特許明細書番号第09/387,699号の優先権を主張し、それらの内容は本出願内に参照文献に援用される。
【0002】
本出願を通して、さまざまな刊行物が、括弧内の部分的引用によって参照されている。これらの刊行物に関する全引用は、明細書の最後に見ることができるであろう。これらの刊行物の開示は、その全文を、さらに本発明に関連する技術分野の状態を完全に記述するために、本出願の参照文献に援用される。
【0003】
神経調整物質には、神経系において伝達をsubverseまたは調節する天然産物の種々の群が含まれる。これらは、神経ペプチド、アミノ酸、生物起源アミノ酸、脂質、および脂質代謝物、ならびに他の代謝副産物を含むが、限定されない。これらの神経調整物質の多くは、細胞の内部から外部にシグナルを伝達する特定の細胞表面受容体と相互作用する。G−タンパク質結合受容体(GPCRs)は、多くの神経伝達物質が相互作用してそれらの効果を媒介する細胞表面受容体の主要な種類を表している。GPCRsは、7回膜貫通領域によって特徴付けられ、アデニルシクラーゼの刺激のような細胞内の生化学的続発症をもつG−タンパク質結合受容体を介してそのエフェクターと結合する。
【0004】
ビタミンA1(全−トランス−レチノール)はアルコールデヒドロゲナーゼによってビタミンA1アルデヒド(全−トランス−レチナール)に酸化される。全−トランス−レチナールは、網膜細胞内でのロドプシンの合成に重要であり、そこで視覚系における鍵となる役割を果たす。全−トランス−レチナールはまた、他の細胞タイプにおいては、アルデヒドデヒドロゲナーゼおよびオキシダーゼによって全−トランス−レチノイン酸(ATRA)に変換されうる(Bowman,W.C.およびRand、M.J.,1980)。
【0005】
歴史的に、ATRAおよびビタミンAの他の活性代謝物である9−シス−レチノイン酸(9CRA)は、核レチノイン酸受容体(RARα、β、γ)およびレチノイドX受容体(RXRα、β、γ)の活性を介してのみその細胞の効果を仲介すると考えられた(Mangelsdorf,D.J.ら、1994)。これらの受容体は、リガンド依存的転写因子のスーパーファミリーのメンバーであり、このスーパーファミリーには、ビタミンD受容体(VDR)、甲状腺ホルモン受容体(TR)、およびペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)を含む。これらは、リガンドがない状態ではDNA応答エレメントに結合するヘテロダイマーおよびホモダイマーを形成する。リガンド結合に対する応答において、前記ダイマーは、細胞タイプ特異的な遺伝子の組のトランスアクチベーションおよび転写の調節を引き起こすコンホメーションを変化する(Mangelsdorf,D.J.ら、1994、Hofman,C.およびEichele,G.,1994、およびGudas,L.J.ら、1994)。
【0006】
レチノイン酸は、幅広い生物学的効果を生じるので、さまざまな生理学的および病態生理学的工程において重要な役割を果たすことが提案されることは驚くことではない。レチノイド類は、さまざまな組織において細胞増殖、分化、再生産、代謝および造血を含む重大な生理学的事象を調節する。細胞レベルでは、レチノイド類は、細胞増殖を阻害し、分化を誘導し、アポトーシスを誘導することができる(Breitman,T.ら、1980、Sporn,M.およびRoberts,A.,1984、およびMartin,S.ら、1990)。レチノイド処置によるこれらの多様な効果によって、癌の化学療法および癌の化学的予防に関してレチノイド類を評価する一連の調査が促進された。臨床的には、レチノイド類は、急性前骨髄性白血病(APL)、皮膚T細胞悪性腫瘍、皮膚化学腫瘍、皮膚および頸の扁平上皮癌および神経芽細胞種を含む広範囲の悪性疾患の処置に使用される(総論としてRedfern,C.P.ら、1995)。レチノイド類はまた、その癌化を抑制し、浸潤性癌の発達を防止する能力を調査されてきた。13−シスレチノイン酸は、口消化管の最も普通の前癌状態領域である口内白斑症を逆向させ、また前立腺癌の化学予防で使用される(総論としてSabichi,A.L.ら、1998)。また、頭頸癌での手術および放射線投射後のアジュバント治療として、13−シスレチノイン酸の処置は、二次原発性癌の発生に対して有意に遅延を引き起こす(総論として、Gottardis,M.M.ら、1996)。
【0007】
興味深いことに、レチノイド類は、膵臓機能に対する効果も持つ。レチノイン酸(またはレチノール)が、単離した島(isolated ilets)(Chertow,B.S.ら、1987)およびRINm5Fラットインスリノーマ細胞(Chertow,B.S.ら、1989)からのインスリン分泌に必要であることが示唆されてきた。レチノイン酸はまた、細胞−細胞の接着および凝集に対して効果を持つ可能性がある(Chertow,B.S.ら、1983)。さらに、(ATRAではなくて)9CRAの単一胃内投与が膵臓腺房細胞および腎臓の近位尿細管上皮細胞におけるDNA合成の波を誘導した(Ohmura,T.ら、1997)。したがって、レチノイン酸は、正常の膵臓機能、およびおそらくは糖尿病の発達において役割を果たす可能性がある。また、レチノイド類が膵臓悪性腫瘍の治療において有用である可能性があるといういくつかの証拠が存在する(El−Metwally,T.H.ら、1999、Rosenwicz,S.ら、1997、およびRosenwicz,S.ら、1995)。
【0008】
レチノイド類は、上皮細胞増殖および分化、さらに脂腺活性に影響を与えること、および免疫調節および坑炎症性質を表すことが示されてきた。したがって、レチノイド類は、乾癬および他の角質増殖性および錯角化皮膚疾患、角質化遺伝性皮膚症、重症挫瘡および挫瘡関連皮膚病を含むさまざまな皮膚疾患の治療、およびまた皮膚癌、他の腫瘍の治療および/または化学的予防にだんだんと使用されてきた(総論として、Orfanos,C.E.ら、1997)。
【0009】
レチノイド類はまた、肺発達に関連する。肺胞樹の発達を導く胎児肺分枝は、レチノイン酸によって加速される。現在、未成熟の肺を持つ早産幼児はビタミンAにて処置されているが、しかし他の適応は、さらなる調査が必要である可能性がある(Chytil,F.,1996)。
【0010】
最後に、レチノイド類が精神分裂病(Goodman,A.B.1998)およびアルツハイマー病(Connor,M.J.およびSidell,N.,1997)で役割を果たしている可能性があることを示唆するいくつかの証拠がある。
【0011】
レチノイドを介した効果の詳細にわたるリストは、レチノイン酸受容体(非核)がいくつかの疾患に対する治療的処置の標的として魅力的であり、さまざまな疾患に対して、より高い特異性およびより少ない副作用を持つ薬剤の開発に有用である可能性があることが示唆される。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする単離された核酸を提供する。
【0013】
本発明はさらに、精製されたほ乳動物SNORF25受容体タンパク質を提供する。
【0014】
本発明はまた、本発明にしたがって核酸を含むベクターを提供する。
【0015】
本発明はまたさらに、本発明にしたがってベクターを含む細胞を提供する。
【0016】
本発明はさらに、本発明に従って細胞から単離した膜プレパレーションを提供する。
【0017】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、前記プローブは、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)に含まれるほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸の二本鎖の一本に存在する独特の配列と相補的な配列を有するプローブを提供する。
【0018】
本発明はさらに、少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図1A-1B(配列番号1)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブを提供する。
【0019】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードするRNAの翻訳を防止するために、そのようなRNAと特異的にハイブリダイズすることが可能な配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
【0020】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体をコードするゲノムDNAの転写を阻害するために、このようなゲノムDNAと特異的にハイブリダイズすることが可能な配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
【0021】
本発明は、本発明にしたがった核酸によってコードされたほ乳類SNORF25受容体に結合可能な抗体も提供する。
【0022】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体に対する本発明にしたがった抗体の結合を競合的に阻害可能な薬剤を提供する。
【0023】
本発明はまたさらに、(a)細胞膜を通過することが可能で、かつほ乳類SNORF25受容体の発現を減少するために有効な量の、本発明によるオリゴヌクレオチドと、
(b)細胞膜を通過することが可能な薬学的に許容可能なキャリア、
とを含む医薬組成物を提供する。
【0024】
本発明はまた、リガンドとヒトSNORF25受容体の結合をブロックするために有効な本発明にしたがったの抗体のある量、および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物を提供する。
【0025】
本発明はさらに、本発明にしたがったほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAを発現しているトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。
【0026】
本発明はまたさらに、天然のほ乳類SNORF25受容体をノックアウトする相同組換えを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。
【0027】
本発明はさらに、トランスジェニック非ヒトほ乳類であって、そのゲノムは、本発明にしたがったほ乳類のSNORF25受容体をコードするDNAに相補的なアンチセンスDNAを含み、該アンチセンスDNAは、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAと相補的で、かつほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAとハイブリダイズするアンチセンスmRNAに転写されるようにゲノム内に配置されることにより、mRNAの転写、および受容体の発現を減少させるトランスジェニック非ヒトほ乳類。を提供する。
【0028】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードして、かつその細胞表面に発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、結合および検出に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法を提供する。
【0029】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、前記SNORF25受容体をコードし、かつ細胞表面に前記SNORF25受容体を発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)の膜プレパレーションを、結合に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法を提供する。
【0030】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法を提供する。
【0031】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をその細胞表面に発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)から調製した膜試料を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法を提供する。
【0032】
本発明はさらに、本発明の方法の1つによって同定された化合物を提供する。
【0033】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞と、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合することが既知である化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、工程(a)の試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが公知でない化合物を接触させることと;
(c) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下における化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(d) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体との結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法を提供する。
【0034】
本発明は、さらにほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞から調整した膜試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知の前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下での前記化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体の結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法を提供する。
【0035】
本発明はまた、ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAの存在を検出することによってほ乳類SNORF25受容体の発現を検出する方法であって、細胞から総mRNAを得ることと、そのようにして得たmRNAを本発明にしたがった核酸プローブと、ハイブリダイズ条件下で接触させることと、該プローブとハイブリダイズしたmRNAを検出することにより、前記細胞によるほ乳類SNORF25受容体の発現を検出することとを含む方法を提供する。
【0036】
本発明はさらに、胞表面のほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法であって、細胞と本発明にしたがった抗体とを、抗体と受容体の結合に適した条件下で接触させることと、前記細胞に結合した前記抗体の存在を測定することにより、細胞表面におけるほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法を提供する。
【0037】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体活性が、ほ乳類SNORF25受容体の発現を調節する誘導可能なプロモーターの使用によって変更される、本発明にしたがったトランスジェニック非ヒトほ乳類を作製することを含む方法を提供する。
【0038】
本発明は、さらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、異なった量のほ乳類SNORF25受容体をそれぞれに発現する本発明にしたがったトランスジェニック非ヒトほ乳類集団を作製することを含む方法を提供する。
【0039】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少によって軽減される異常を軽減することが可能なアンタゴニストを同定する方法であって、本発明にしたがったトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として前記トランスジェニック非ヒトほ乳類に表れる身体的および行動的異常を軽減するかどうかを測定することを含み、前記異常の軽減によって前記化合物を前記アンタゴニストとして同定する方法を提供する。
【0040】
本発明はまた、前述の方法によって同定されたアンタゴニストを提供する。
【0041】
本発明はさらに、本発明にしたがったアンタゴニストを含む組成物、例えば薬学的組成物およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを提供する。
【0042】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、本発明にしたがった医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法を提供する。
【0043】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性を増加することによって軽減される患者の異常を軽減することが可能なアゴニストを同定する方法であって、本発明にしたがったトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記トランスジェニック非ヒトほ乳類にほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として表れる身体的および行動的異常を、前記化合物が軽減するかどうかを測定することを含み、異常の軽減により前記化合物をアゴニストとして同定する方法を提供する。
【0044】
本発明はさらに、前述の方法によって同定されたアゴニストを提供する。
【0045】
本発明はまたさらに、本発明にしたがったアゴニストを含む組成物、例えば薬学的組成物、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを提供する。
【0046】
さらに、本発明は、ほ乳類対立遺伝子に特有な活性に関連した疾患に対する疾病素質を診断する方法であって、
(a) 前記疾患に罹患した患者のDNAを得ることと;
(b) 制限酵素で前記DNAの制限消化を行うことと;
(c) サイズゲル上で電気泳動により、生じたDNA断片を分離することと;
(d) ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸分子の配列に含まれる独特な配列と特異的にハイブリダイズすることが可能で、かつ検出可能なマーカーでラベルされた核酸プローブと、生じたゲルとを接触させることと;
(e) 本発明にしたがったほ乳類SNORF251受容体をコードするDNAにハイブリダイズしたラベルされたバンドを検出して、前記疾患に罹患した患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンを作りだすことと;
(f) 工程(a)〜(e)によって得られる診断用のDNAを調整することと;
(g) 工程(e)の前記疾患に罹患した患者に特有なDNAの独特なバンドパターンと、工程(f)で得られた診断用のDNAとを比較して、パターンが同じか異なるかを測定することにより、パターンが同じであれば前記疾患の質病素質ありと診断することを含む方法を提供する。
【0047】
本発明はまた、精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体を発現する細胞を培養することと;
(b) 前記細胞から、前記ほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(c) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を精製すること、
を含む方法を提供する。
【0048】
本発明はさらに、精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を適切なベクターに挿入することと;
(b) 生じたベクターを適切な宿主細胞に導入することと;
(c) 生じた細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の産生を可能にする適切な条件下に置くことと;
(d) 前記そのように産生されたほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(e) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を単離すること、および/または精製すること、
を含む方法を提供する。
【0049】
さらに、本発明は、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストかどうかを決定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体の活性のいかなる増加をも検出することにより、前記化合物がSNORF25受容体のアゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法を提供する。
【0050】
本発明はまた、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストかどうかを測定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少を検出することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法を提供する。
【0051】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の本発明による方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、たとえば医薬組成物を提供する。
【0052】
また、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に効果的な量の請求項109に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアをを含む組成物、たとえば医薬組成物を提供する。
【0053】
本発明はさらに、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ活性化するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物の存在下、および非存在下で前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物の存在下で前記二次メッセンジャー応答が変化することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体を活性化していることが示される方法を提供する。
【0054】
本発明はまたさらに、化合物がほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ阻害するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、ほ乳類SNORF25受容体の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知な前記化合物および第二の化合物の両者と接触させ、これとは別に第二の化合物のみの存在下、および第二の化合物と前記化合物の両者の存在下で、前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における前記二次メッセンジャー応答の変化が、前記第二の化合物のみの存在下の場合より少ないことによって、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが示される方法を提供する。
【0055】
さらに、本発明は、例えば本発明にしたがった方法によって決定した化合物、および組成物、たとえば医薬組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加させるのに効果的な、本発明の方法などによって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニスト、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む化合物および組成物を提供する。
【0056】
本発明はまた、組成物、たとえば医薬組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少させるのに効果的な、本発明の方法などによって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニスト、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物を提供する。
【0057】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する化合物を同定する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で、前記ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない前記複数の化合物と接触させることと;
(b) 一以上の前記化合物の存在下で、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性が増加するかどうかを測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれるいずれかの化合物が、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加するかを別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する各化合物を同定すること、
を含む方法を提供する。
【0058】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞と前記複数の化合物とを、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で接触させることと;
(b) 前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量が、一以上の前記化合物の存在下で減少されるかどうかを、このような一以上の化合物の非存在下における前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量と比較して、決定することと;もしそうならば、
(c) このようなそれぞれの化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害するかどうかを、前記複数の化合物に含まれるそれぞれの化合物について、別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する、このような複数の化合物に含まれる何れかの化合物を同定すること、
を含む方法を提供する。
【0059】
本発明はまた、組成物、たとえば医薬組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加するために有効な量の本発明の方法によって同定された化合物、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物を提供する。
【0060】
本発明はまた、組成物、たとえば医薬組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少するために有効な量の本発明の方法によって同定された化合物、およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物を提供する。
【0061】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アゴニストである化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0062】
本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストである化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0063】
本発明はまた、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、本発明にしたがった方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規構造のおよび機能的な、その類似体もしくは相同体を合成することを含む方法を提供する。
【0064】
本発明はさらに、組成物、たとえば医薬組成物を調製する方法であって、キャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリア、並びに薬学的に有効な量の本発明にしたがった方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1A】ヒトSNORF25受容体をコードする配列を含むヌクレオチド配列(配列番号:1)を示す図。最も短いオープンリーディングフレームを含む予想されるオープンリーディングフレームは開始(ATG)コドン(位置61〜63)および終止コドン(位置1066〜1068)の下線によって示される。さらに部分的5’および3’非翻訳配列を示す。
【図1B】ヒトSNORF25受容体をコードする配列を含むヌクレオチド配列(配列番号:1)を示す図。最も短いオープンリーディングフレームを含む予想されるオープンリーディングフレームは開始(ATG)コドン(位置61〜63)および終止コドン(位置1066〜1068)の下線によって示される。さらに部分的5’および3’非翻訳配列を示す。
【図2A】図1Aで示したヌクレオチド配列(配列番号:1)で示した最も長いオープンリーディングフレームによってコードされたヒトSNORF25受容体の予想されるアミノ酸配列(配列番号:2)を示す図。7つの予想される膜貫通(TM)領域に下線を引く。
【図2B】図1Bで示したヌクレオチド配列(配列番号:1)で示した最も長いオープンリーディングフレームによってコードされたヒトSNORF25受容体の予想されるアミノ酸配列(配列番号:2)を示す図。7つの予想される膜貫通(TM)領域に下線を引く。
【図3A】ラットSNORF25受容体をコードする配列を含むヌクレオチド配列(配列番号:3)を示す図。最も短いオープンリーディングフレームを含む予想されるオープンリーディングフレームは開始(ATG)コドン(位置49〜51)および終止コドン(位置1054〜1056)の下線によって示される。さらに部分的5’および3’非翻訳配列を示す。
【図3B】ラットSNORF25受容体をコードする配列を含むヌクレオチド配列(配列番号:3)を示す図。最も短いオープンリーディングフレームを含む予想されるオープンリーディングフレームは開始(ATG)コドン(位置49〜51)および終止コドン(位置1054〜1056)の下線によって示される。さらに部分的5’および3’非翻訳配列を示す。
【図4A】図3A〜3Bで示したヌクレオチド配列(配列番号:3)で示した最も長いオープンリーディングフレームによってコードされたラットSNORF25受容体の予想されるアミノ酸配列(配列番号:4)を示す図。7つの予想される膜貫通(TM)領域に下線を引く。
【図4B】図3A〜3Bで示したヌクレオチド配列(配列番号:3)で示した最も長いオープンリーディングフレームによってコードされたラットSNORF25受容体の予想されるアミノ酸配列(配列番号:4)を示す図。7つの予想される膜貫通(TM)領域に下線を引く。
【図5】SNORF25−およびモック−トランスフェクトCHO細胞の基礎cAMPレベルの比較図。SNORF25またはからベクター(モック)DNAを材料と方法で記述したようにCHO細胞にトランスフェクトした。トランスフェクタントを96ウェルプレート内にまき、cAMP放出に関して記述したようにアッセイした。代表的な実験の結果を示す。
【図6】SNORF25発現モックトランスフェクトCHO細胞でのATRA、ビタミンAおよびフォルスコリンによるcAMP放出の調節を示す図。トランスフェクタントを96ウェルプレート内にまき、10μM濃度の薬物で感作し、記述したようにcAMP放出に関してアッセイした。公知のシクラーゼ刺激受容体を含む代表的な実験の結果を示す。結果は、1点であるビタミンAを除き、3重測定の平均値±S.E.Mである。結果は5基礎cAMP放出に対して正規化している。
【図7】Cos−7細胞でのATRA cAMP応答の特異性。トランスフェクタントを96ウェルプレート内にまき、10μM濃度のATRAで感作し、記述したようにcAMP放出に関してアッセイした図。代表的な実験の結果を示す。結果は、3重測定の平均値±S.E.Mである。
【図8】一過性トランスフェクトしたCos−7細胞でのATRA用量応答曲線を示す図。SNORF25およびモック−トランスフェクト細胞でのcAMPを増加させるATRAの用量応答効果の代表例。
【図9】SNORF25を発現している卵母細胞でのATRによるCFTRの刺激を示した図。先にSNORF25受容体mRNAとCFTRを注入した卵母細胞からの電圧クランプ記録図(図9A)、及び、対照(CFTRのみ)卵母細胞(図9B)からの電圧クランプ記録。エピネフリン(1μM)の投与は、B2アドレナリン作動性受容体(B2AR)およびCFTR(図9C)を発現している他の卵母細胞において、同様の電流を引き起こす。保持電位はすべての記録に対して−70mVであった。
【図10】対照(CFTRのみ)卵母細胞(n=16)およびSNORF25およびCFTRをコードするmRNAを注入した卵母細胞(n=17)でのATRA(10μM)で刺激した平均電流振幅を示す図。
【発明の詳細な記述】
【0066】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を含む組換え核酸であって、前記ほ乳類受容体をコードする核酸は、
(a)ヒトSNORF25受容体をコードし、かつプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるヒトSNORF25受容体をコードする核酸の配列と同一の配列を持つ核酸、または
(b)ヒトSNORF25受容体をコードし、かつプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるヒトSNORF25受容体をコードする核酸の配列と同一の配列を持つ核酸
と高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする組換え核酸を提供する。
【0067】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を含む組換え核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、図1A〜1B(配列番号:1)に示した最も短いオープンリーディングフレームによってコードされるヒトSNORF25受容体の配列と同一のアミノ酸配列を含む組換え核酸を提供する。
【0068】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を含む組換え核酸であって、前記ラットSNORF25受容体は、図3A〜3B(配列番号:3)に示した最も短いオープンリーディングフレームによってコードされるラットSNORF25受容体の配列と同一のアミノ酸配列を含む組換え核酸を提供する。
【0069】
プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25、およびプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25は両方とも、International Recognition of the Deposit of Microorganisms for the Purposes of Patent Procedureによるブタベスト条約の条項によりアメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection,ATCC)、10801 University Bivd.,Manassas,Virginia 20110−2209,U.S.A.に1998年11月24日に寄託され、それぞれATCC登録番号第203495号、および第203494号が与えられた。
【0070】
ハイブリダイゼーション法は当業者に周知である。本発明の目的のために、高いストリンジェンシー条件下におけるハイブリダイゼーションは、50%ホルムアミド、5×SSC、7mM Tris、1×デンハーツ(Denhardt’s)、25μg/mlサケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション緩衝液中、40℃にて行い;0.1×SSC、0.1%SDS中、50℃にて洗浄するハイブリダイゼーションを意味する。
【0071】
本明細書を通して、以下の標準略語を特定のヌクレオチド塩基を示すために使用する。
【0072】
A=アデニン
G=グアニン
C=シトシン
T=チミン
M=アデニンまたはシトシン
R=アデニンまたはグアニン
W=アデニンまたはチミン
S=シトシンまたはグアニン
Y=シトシンまたはチミン
K=グアニンまたはチミン
V=アデニン、シトシンまたはグアニン(チミンではない)
H=アデニン、シトシンまたはチミン(シトシンではない)
B=シトシン、グアニンまたはチミン(アデニンではない)
N=アデニン、シトシン、グアニンまたはチミン(またはイノシンなどの他の修飾された塩基)
I=イノシン
さらに、「アゴニスト」の用語は、本発明の任意のポリペプチドの活性を増加させる任意のペプチド、または非ペプチジル化合物を示すために、本明細書を通して使用される。「アンタゴニスト」の用語は、本発明の任意のポリペプチドの活性を減少させる任意のペプチド、または非ペプチジル化合物を示すために、本明細書を通して使用される。
【0073】
さらに、本明細書で使用されるように、「薬学的に許容可能なキャリア」の用語は、任意の標準的な薬学的に許容可能なキャリアを意味する。例には、リン酸緩衝食塩水、生理学的食塩水、水、および油/水エマルジョンなどのエマルジョンが含まれるが、限定されない。
【0074】
ほ乳類SNORF25受容体遺伝子はイントロンを含み、さらに付加的なイントロンがコードまたは非コード領域に存在する可能性がある。さらに、mRNAのスプライスされた形態が、一般に定義された開始メチオニンの上流またはコード領域内のどちらかにおいて、さらなるアミノ酸をコードする可能性がある。さらに、他のエキソンの存在、および使用の可能性があり、これにより前記mRNAは、エキソンを含む領域内で異なるアミノ酸をコードする可能性がある。さらに、単一のアミノ酸置換が、発現されたタンパク質のアミノ酸配列が本来の遺伝子によってコードされたものと異なるようなRNA編集の機構を介して生じる可能性がある(Burnsら、1996、Chuら、1996)。そのような変異体は、本来の遺伝子によってコードされたポリペプチドとは異なった薬学的特性を示す可能性がある。
【0075】
本発明は、本明細書で開示したほ乳類SNORF25受容体のスプライスバリアントを提供する。本発明はさらに、選択的(alternate)翻訳開始部位、および選択的(alternate)スプライスされたか、または編集された、本発明にしたがったSNORF25受容体をコードする核酸のバリアントを提供する。
【0076】
本発明はまた、本明細書で開示したSNORF25受容体の天然に存在する対立バリアントをコードする核酸を含む組換え核酸を企図する。
【0077】
また本発明の核酸は、ヒトSNORF25受容体遺伝子の核酸類似体を含む。このヒトSNORF25受容体遺伝子は、図1A〜1Bに示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれる核酸配列を含む。ヒトSNORF25受容体遺伝子の核酸類似体は、一以上の核酸塩基の同一性または位置に関して、本明細書に記載されたヒトSNORF25受容体遺伝子と異なり(図1A〜1Bで示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる全長の核酸塩基よりも少なく含む欠失類似体)、図1A〜1Bで示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる一以上の核酸塩基が他の核酸によって置換される置換類似体、核酸配列の末端または中央部分に一以上の核酸塩基が添加される添加類似体)、これらのヒトSNORF25受容体遺伝子は、図1A〜1Bで示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる核酸配列によってコードされたタンパク質のいくつか、またはすべての特性を共有するタンパク質をコードする。本発明の一つの態様において、前記核酸類似体は、図2A〜2Bに示したか、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる核酸配列によってコードされるものと同一のアミノ酸配列を持つタンパク質をコードする。もう一つの態様において、前記核酸類似体は図2A〜2Bで示したか、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)に含まれる核酸によってコードされたアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を持っているタンパク質をコードする。さらなる態様において、前記核酸類似体によってコードされたタンパク質は、図2A〜2Bで示したアミノ酸配列を持つ受容体タンパク質の機能と同様の機能を有する。もう一つの態様において、前記核酸類似体によってコードされたタンパク質の機能は、図2A〜2Bに示されたアミノ酸配列を持つ受容体タンパク質の機能とは異なる。もう一つの態様において、前記核酸配列の変化は、タンパク質の膜貫通(TM)領域内で起こる。さらなる態様において、前記核酸配列の変化はTM領域の外側で起こる。
【0078】
また本発明の核酸は、ラットSNORF25受容体遺伝子の核酸類似体を含む。このラットSNORF25受容体遺伝子は、図3A〜3Bに示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれる核酸配列を含む。ラットSNORF25受容体遺伝子の核酸類似体は、一以上の核酸塩基の同一性または位置に関して、本明細書に記載されたラットSNORF25受容体遺伝子と異なり(図3A〜3Bで示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる全長の核酸塩基よりも少なく含む欠失類似体)、図3A〜3Bで示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる一以上の核酸塩基が他の核酸によって置換される置換類似体、核酸配列の末端または中央部分に一以上の核酸塩基が添加される添加類似体)、これらのヒトSNORF25受容体遺伝子は、図3A〜3Bで示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる核酸配列によってコードされたタンパク質のいくつか、またはすべての特性を共有するタンパク質をコードする。本発明の一つの態様において、前記核酸類似体は、図4A〜4Bに示したか、プラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる核酸配列によってコードされるものと同一のアミノ酸配列を持つタンパク質をコードする。もう一つの態様において、前記核酸類似体は図4A〜4Bで示したか、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれる核酸によってコードされたアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を持っているタンパク質をコードする。さらなる態様において、前記核酸類似体によってコードされたタンパク質は、図4A〜4Bで示したアミノ酸配列を持つ受容体タンパク質の機能と同様の機能を有する。もう一つの態様において、前記核酸類似体によってコードされたタンパク質の機能は、図4A〜4Bに示されたアミノ酸配列を持つ受容体タンパク質の機能とは異なる。もう一つの態様において、前記核酸配列の変化は、タンパク質の膜貫通(TM)領域内で起こる。さらなる態様において、前記核酸配列の変化はTM領域の外側で起こる。
【0079】
本発明は、上述した単離した核酸であって、前記核酸はDNAである核酸を提供する。一態様において、前記DNAはcDNAである。もう一つの態様において、前記DNAはゲノムDNAである。またもう一つの態様において、前記核酸はRNAである。核酸分子の作製および操作の方法は、本技術分野において周知である。
【0080】
本発明はさらに、本明細書で記述した任意のポリペプチドをコードするDNAに関して、縮重した核酸を提供する。一態様において、核酸は図1A〜1B(配列番号:1)に示したヌクレオチド配列、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるヌクレオチド配列に関して縮重したヌクレオチド配列、すなわち同一のアミノ酸配列に翻訳されるヌクレオチド配列を含む。
【0081】
本発明はさらに、本明細書で記述した任意のポリペプチドをコードするDNAに関して縮重した核酸を提供する。態様において、核酸は図3A〜3B(配列番号:3)に示したヌクレオチド配列またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるヌクレオチド配列に関して縮重したヌクレオチド配列、すなわち同一のアミノ酸配列に翻訳されるヌクレオチド配列を含む。
【0082】
本発明はまた、本発明にしたがったポリペプチドの物とは異なるが、表現系に変化は起こさないであろうアミノ酸配列をコードするDNAおよびcDNAを包含する。あるいは、本発明はまた、本発明にしたがったDNA、cDNAおよびRNAとハイブリダイゼーションするDNA、cDNAおよびRNAも包含する。ハイブリダイゼーション方法は当業者に周知である。
【0083】
また本発明にしたがった核酸は、抗原性ポリペプチドのポリペプチド類似体、断片、または、誘導体をコードする核酸分子を含む。これらの核酸分子は、一以上のアミノ酸残基の同一性または位置に関して、天然に存在する型とは異なり(タンパク質を特定する残基の全長より短い欠失類似体、特定された一以上の核酸塩基が他の核酸によって置換される置換類似体、ポリペプチドの末端または中央部分に一以上の核酸塩基が添加される添加類似体)、天然に存在する型のいくつか、またはすべての特性を共有する。これらの分子には、選択された非ほ乳類宿主に発現するために「好ましい」コドンの挿入;制限エンドヌクレアーゼ酵素によって開裂するための部位の供給;および簡単に発現ベクターを構築することを容易にする、付加的な開始、終止、または中間DNA配列の供給、が含まれる。ポリペプチド類似体の作製は、当業者に周知である(Spurney,R.F.ら(1997)、Fong,T.M.ら(1995)、Underwood,D.J.ら(1994)、Graziano,M.P.ら(1996)、Guan X.M.ら(1995))。
【0084】
本発明にしたがった修飾ポリペプチドは、本技術分野で周知の、たとえば本明細書で開示したものを使用して一過性に、または安定に、どちらかで細胞にトランスフェクトしてもよい。本発明はまた、修飾ポリペプチド(ポリペプチドは一過性または安定細胞株のどちらかで発現される)を使用した結合アッセイを提供する。本発明はさらに、本明細書に記載された結合アッセイなどの結合アッセイにおいて、修飾ポリペプチドを使用して同定された化合物を提供する。
【0085】
本明細書で記載され、請求された核酸は、ポリペプチドのアミノ酸配列に関してそれらが提供する情報として、およびさまざまな組換え技術によってポリペプチドを大規模に合成するための産物として有用である。本核酸分子は、新規クローニングおよび発現ベクター、形質転換されおよびトランスフェクトされた真核および原核細胞宿主、並びにポリペプチドおよび関連産物の発現が可能な宿主細胞などを培養増殖するための新規で有用な方法を作成するために有用である。
【0086】
本発明はまた、図1A〜1B(配列番号:1)に示した核酸配列によってコードされる、またはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされるSNORF25受容体の種相同体をコードする単離された核酸を提供する。一つの態様において、前記核酸は、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたSNORF25受容体が有するものと本質的に同一のアミノ酸配列を有するほ乳類SNORF25受容体の相同体をコードする。もう一つの態様において、前記核酸は、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたSNORF25受容体と75%より高いアミノ酸の一致性、好ましくはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたSNORF25受容体と85%より高いアミノ酸の一致性、最も好ましくはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたSNORF25受容体と95%より高いアミノ酸の一致性を有するほ乳類SNORF25受容体相同体をコードする。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体相同体は、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して70%より高い核酸の一致性、好ましくはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して80%より高い核酸の一致性、より好ましくはプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して90%より高い核酸の一致性を有する。種相同体を単離し、精製するための方法の例は、他に記載されている。(たとえば米国特許第5,602,024号、第WO94/14957号、第WO97/26853号、第WO98/15570号)。
【0087】
また本発明は、図3A〜3B(配列番号:3)に示した、核酸配列によってコードされる、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされるSNORF25受容体の種相同体をコードする単離された核酸を提供する。一つの態様において、前記核酸は、本質的にプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたSNORF25受容体が有するものと本質的に同一のアミノ酸配列を有するほ乳類SNORF25受容体の相同体をコードする。もう一つの態様において、前記核酸は、プラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたSNORF25受容体と75%より高いアミノ酸の一致性、好ましくはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたSNORF25受容体と85%より高いアミノ酸の一致性、最も好ましくはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたSNORF25受容体と95%より高いアミノ酸の一致性を有するほ乳類SNORF25受容体動動物をコードする。もう一つの態様において、ほ乳類SNORF25受容体相同体は、プラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して70%より高い核酸の一致性、好ましくはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して80%より高い核酸の一致性、より好ましくはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)内に含まれるSNORF25受容体遺伝子に対して90%より高い核酸の一致性を有する。
【0088】
本発明は、修飾されたほ乳類SNORF25受容体をコードする単離された核酸を提供する。この核酸は第三細胞内領域にアミノ酸欠失、置換または添加を有することにより、ほ乳類SNORF25受容体とは異なる。
【0089】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードする単離した核酸を提供する。一つの態様において、前記核酸はDNAである。もう一つの態様において、前記DNAはcDNAである。もう一つの態様において、前記DNAはゲノムDNAである。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ヒトSNORF25受容体はプラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたものと同一のアミノ酸配列を有する。もう一つの態様において、前記ヒトSNORF25受容体は、図2A〜2B(配列番号:2)に示したアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する。
【0090】
一態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様においてラットSNORF25受容体はプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたものと同一のアミノ酸配列を持つ。もう一つの態様において、前記ラットSNORF25受容体は、図4A〜4B(配列番号:4)に示したアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を持つ。
【0091】
本発明は、精製されたほ乳類SNORF25受容体タンパク質を提供する。一つの態様において、前記SNORF25受容体タンパク質は、ヒトSNORF25受容体タンパク質である。さらなる態様において、前記SNORF25受容体タンパク質は、ラットSNORF25受容体タンパク質である。
【0092】
本発明は、本発明にしたがった核酸を含むベクターを提供する。本発明はさらに、その発現が可能なように、前記受容体をコードする核酸に動作可能に連結された核酸を細胞内(前記細胞は細菌、両生類、酵母、昆虫またはほ乳類細胞である)で発現するために必要な調節エレメントを含む、細胞内で発現するために適応されたベクターを提供する。一つの態様において、前記ベクターはバキュロウイルスである。もう一つの態様において、前記ベクターはプラスミドである。
【0093】
本発明は、pEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)と命名されたプラスミドを提供する。本発明はまた、pcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)と命名されたプラスミドを提供する。
【0094】
本発明はさらに、修飾された非翻訳配列を含む任意のベクターまたはプラスミドを提供する。これらは、望ましい宿主細胞に発現するために、または結合または機能アッセイにおいて使用するために有益である。たとえば、さまざまな長さの非翻訳配列を有するベクターまたはプラスミドは、使用した宿主細胞に依存して、異なる量のポリペプチドを発現するであろう。一態様において、前記ベクターまたはプラスミドは、ポリペプチドのコード配列および宿主細胞で発現するために必要な調節エレメントを含む。
【0095】
本発明は、本発明にしたがったベクターを含む細胞を提供する。一つの態様において、前記細胞は非ほ乳類細胞である。一つの態様において、前記非ほ乳類細胞は、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞、またはアフリカツメガエルメラニン保有細胞である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、細胞はCOS−7細胞、293ヒト胚腎臓細胞、NIH−3T3細胞、LM(tk−)細胞、マウスY1細胞、またはCHO細胞である。もう一つの態様において、前記細胞は昆虫細胞である。もう一つの態様において、昆虫細胞はSf9細胞、Sf21細胞、またはTrichoplusia ni 5B−4細胞である。
【0096】
本発明は、本発明にしたがって細胞から単離された膜プレパレーションを提供する。
【0097】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、前記プローブは、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)、またはプラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)に含まれるほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸の二本鎖の一本に存在する独特の配列と相補的な配列を有するプローブを提供する。
【0098】
本発明はさらに、少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図1A-1B(配列番号1)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブを提供する。本発明はまた、少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図3A-3B(配列番号3)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブを提供する。一つの態様において、前記核酸はDNAである。もう一つの態様において、前記核酸はRNAである。
【0099】
本明細書で使用するものとして、「特異的にハイブリズする」の用語は、その核酸自身に相補的な核酸配列を認識し、かつ相補的な塩基対との間で水素結合を介して二重らせん部分を形成する核酸分子の能力を意味する。
【0100】
本発明にしたがった核酸は、他の種から相同性のある核酸を得るための、および試料中に相補的な配列を有する核酸の存在することを検出するためのプローブとして使用してよい。
【0101】
また前記核酸は、その核酸がコードする受容体をトランスフェクトした細胞内に発現するために使用してもよい。
【0102】
さらなる修飾をされずに天然に存在するか、または適切な点変異導入、欠失などの後であるか、いずれかであるSNORF25によってコードされる持続的に活性な受容体を使用することにより、in vivoでアンタゴニストをスクリーニングすること、および内因性リガンドについて先行知識を持たずに、受容体SNORF25に起因する役割を担うためのにこのようなアンタゴニストを使用することが可能になる。
【0103】
前記核酸の使用はさらに、受容体の多様性の可能性、およびSNORF25がメンバーである受容体ファミリー内に多数のサブタイプが存在することの解明を可能にする。
【0104】
最後に、数ある中で、慢性および急性炎症、関節炎、自己免疫疾患、移植拒絶、移植片対宿主疾患、細菌性、真菌性、原虫およびウイルス感染、敗血症、AIDS、痛み、不安、鬱病、分裂病、痴呆、精神遅延、記憶喪失、てんかんを含む精神病性および神経学的障害、神経学的障害、運動神経障害、呼吸障害、喘息、肥満、過食症、糖尿病、食欲不振を含む食事/体重障害、悪心、高血圧、低血圧、血管および心臓血管障害、虚血、発作、癌、腫瘍、尿失禁、性/生殖障害、日周期障害、腎臓障害、骨粗鬆症を含む骨疾患、良性前立腺肥大症、胃消化管障害、鼻うっ血、乾癬のような皮膚障害、アレルギー、パーキンソン病、アルツハイマー病、急性心不全、アンギナ障害、せん妄、ハンティングトン病またはギレズ デラ ツレット症候群のような運動障害、などのさまざまな病態生理学的な症状を治療するため、およびそのような症状を診断するアッセイする薬剤を設計するための貴重なツールとして、本発明が役に立つ可能性があると考えられる。また本受容体は、化学予防のための薬剤を設計するための貴重なツールとして、役に立つ可能性がある。
【0105】
前記受容体が細胞表面上に発現している細胞を得るために、細胞、たとえばほ乳類細胞に、このような核酸をトランスフェクトする方法は、本技術分野において周知である(たとえば、米国特許第5,053,337号、第5,155,218号、第5,360,735号、第5,472,866号、第5,476,782号、第5,516,653号、第5,545,549号、第5,556,753号、第5,595,880号、第5,602,024号、第5,639,652号、第5,652,113号、第5,661,024号、第5,766,879号、第5,786,155号および第5,786,157号を参照のこと。前記開示は、その全文が本明細書内に参考文献にて援用される。)。
【0106】
また、このようなトランスフェクトされた細胞は、SNORF25受容体に結合する化合物、並びにこのような細胞において機能的応答を活性化するか、または活性化を阻害する化合物を得るために、化合物をテストし、および化合物ライブラリーをスクリーニングするために使用してよく、したがってin vivoでそのようになる可能性がある(たとえば、米国特許第5,053,337号、第5,155,218号、第5,360,735号、第5,472,866号、第5,476,782号、第5,516,653号、第5,545,549号、第5,556,753号、第5,595,880号、第5,602,024号、第5,639,652号、第5,652,113号、第5,661,024号、第5,766,879号、第5,786,155号および第5,786,157号を参照のこと。前記開示は、その全文が本明細書内に参考文献にて援用される。)。
【0107】
本発明はさらに、ほ乳類受容体をコードする核酸によってコードされたほ乳類受容体に結合可能な抗体を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類受容体はヒト受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類受容体はラット受容体である。本発明はまた、ほ乳類受容体に対する抗体の結合を競合的に阻害することができる薬剤を提供する。一つの態様において、前記抗体はモノクローナル抗体または抗血清である。
【0108】
SNORF25受容体に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、核酸プローブ、トランスジェニック動物を調製し、使用する方法は本技術分野において周知ある(たとえば、米国特許第5,053,337号、第5,155,218号、第5,360,735号、第5,472,866号、第5,476,782号、第5,516,653号、第5,545,549号、第5,556,753号、第5,595,880号、第5,602,024号、第5,639,652号、第5,652,113号、第5,661,024号、第5,766,879号、第5,786,155号および第5,786,157号を参照のこと。前記開示は、その全文が本明細書内に参考文献にて援用される。)。
【0109】
本発明はまた、ほ乳類SNORF25受容体をコードするRNAの翻訳を防ぐために、このようなRNAと特異的にハイブリダイズすることができる配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体をコードするゲノムDNAの転写を防ぐために、このようなゲノムDNAと特異的にハイブリダイズすることができる配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。一つの態様において、前記オリゴヌクレオチドは化学的に修飾されたヌクレオチド、またはヌクレオチド類似体を含む。
【0110】
本発明は、本発明による核酸によってコードされたほ乳類SNORF25受容体に結合することが可能な抗体を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0111】
さらに、本発明は、ほ乳類SNORF25受容体に対する、本発明による抗体の結合を競合的に阻害することができる抗体を提供する。一つの態様において、前記抗体はモノクローナル抗体または抗血清である。
【0112】
本発明はまたさらに、
(a)細胞膜を通過することが可能で、かつほ乳類SNORF25受容体の発現を減少するために有効な量の、請求項36に記載のオリゴヌクレオチドと、
(b)細胞膜を通過することが可能な薬学的に許容可能なキャリア、
とを含む医薬組成物を提供する。
【0113】
一つの態様において、前記オリゴヌクレオチドは、mRNAを不活性化する基質と結合する。もう一つの態様において、前記mRNAを不活性化する基質はリボザイムである。もう一つの態様において、前記薬学的に許容可能なキャリアは、細胞のほ乳類SNORF25受容体と結合する構造物を含み、前記受容体は該構造物と結合した後に、前記細胞に取り込まれることが可能な医薬組成物である。もう一つの態様において、前記薬学的に許容可能なキャリアは、選択した細胞タイプに特異的なほ乳類SNORF25受容体に結合することが可能である。
【0114】
本発明はまた、医薬組成物であって、リガンドとヒトSNORF25受容体の結合をブロックするために有効な、本発明による抗体のある量、および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物を提供する。
【0115】
本発明はさらに、本発明によるほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAを発現しているトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。本発明は、天然のほ乳類SNORF25受容体をノックアウトする相同組換えを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。本発明はさらに、トランスジェニック非ヒトほ乳類であって、そのゲノムは、請求項1に記載のほ乳類のSNORF25受容体をコードするDNAに相補的なアンチセンスDNAを含み、該アンチセンスDNAは、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAと相補的で、かつほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAとハイブリダイズするアンチセンスmRNAに転写されるようにゲノム内に配置されることにより、mRNAの転写、および受容体の発現を減少させるトランスジェニック非ヒトほ乳類を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAは、さらに、誘導可能なプロモーターを含む。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAは、さらに、組織特異的調節成分を含む。もう一つの態様において、トランスジェニック非ヒトほ乳類は、マウスである。
【0116】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードして、かつその細胞表面に発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、結合および検出に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法を提供する。本発明はさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、前記SNORF25受容体をコードし、かつ細胞表面に前記SNORF25受容体を発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)の膜プレパレーションを、結合に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法を提供する。
【0117】
一つの態様において、ほ乳類SNORF25受容体はヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、ほ乳類SNORF25受容体は本質的に、プラスミドpEXJT3T7−hSNORF25(ATCC登録番号第203495号)によってコードされたヒトSNORF25受容体と同様のアミノ酸配列を持つ。もう一つの態様において、ほ乳類SNORF25受容体は本質的に図2A〜2B(配列番号:2)で示したのと同様のアミノ酸配列を持つ。もう一つの態様において、ほ乳類のSNORF25受容体は、図2A〜2B(配列番号:2)で示したアミノ酸配列を持つ。
【0118】
もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、プラスミドpcDNA3.1−rSNORF25(ATCC登録番号第203494号)によってコードされたラットSNORF25受容体と本質的に同様のアミノ酸配列を有する。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、図4A〜4B(配列番号:4)で示した配列と本質的に同様のアミノ酸配列を有する。もう一つの態様において、前記ほ乳類のSNORF25受容体は、図4A〜4B(配列番号:4)で示したアミノ酸配列を有する。
【0119】
一つの態様において、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない。一つの態様において、前記細胞は昆虫細胞である。一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記細胞は非ニューロン起源である。もう一つの態様において、前記非ニューロン細胞はCOS−7細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である。もう一つの態様において、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない化合物である。本発明は本発明の前記工程によって同定された化合物を提供する。
【0120】
本発明はまたさらに、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法を提供する。
【0121】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をその細胞表面に発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)から調製した膜試料を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法を提供する。
【0122】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体はヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記細胞は昆虫細胞である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記細胞は非ニューロン起源である。もう一つの態様において、非ニューロン細胞はCOS−7細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である。もう一つの態様において、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない。本発明は本発明の前記工程によって同定された化合物を提供する。
【0123】
本発明は、さらにほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞と、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合することが既知である化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、工程(a)の試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが公知でない化合物を接触させることと;
(c) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下における化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(d) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体との結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法を提供する。
【0124】
本発明は、さらにほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞から調整した膜試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知の前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下での前記化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体の結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法提供する。
【0125】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記ほ乳類細胞は、非ニューロン起源である。さらなる態様において、非ニューロン細胞はCOS−7細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、LM(tk−)細胞、CHO細胞、マウスY1細胞、またはNIH−3T3細胞である。
【0126】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAの存在を検出することによってほ乳類SNORF25受容体の発現を検出する方法であって、細胞から総mRNAを得ることと、そのようにして得たmRNAを本発明による核酸プローブと、ハイブリダイズ条件下で接触させることと、該プローブとハイブリダイズしたmRNAを検出することにより、前記細胞によるほ乳類SNORF25受容体の発現を検出することとを含む方法を提供する。
【0127】
本発明は、細胞表面のほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法であって、細胞と本発明による抗体とを、抗体と受容体の結合に適した条件下で接触させることと、前記細胞に結合した前記抗体の存在を測定することにより、細胞表面におけるほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法を提供する。
【0128】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体活性が、ほ乳類SNORF25受容体の発現を調節する誘導可能なプロモーターの使用によって変更される、本発明によるトランスジェニック非ヒトほ乳類を作製することを含む方法を提供する。
【0129】
本発明は、さらに、ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、異なった量のほ乳類SNORF25受容体をそれぞれに発現する本発明によるトランスジェニック非ヒトほ乳類集団を作製することを含む方法を提供する。
【0130】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少によって軽減される異常を軽減することが可能なアンタゴニストを同定する方法であって、本発明によるトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として前記トランスジェニック非ヒトほ乳類に表れる身体的および行動的異常を軽減するかどうかを測定することを含み、前記異常の軽減によって前記化合物を前記アンタゴニストとして同定する方法を提供する。
【0131】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。本発明は、本発明に方法によって同定されたアンタゴニストを提供する。本発明は、本発明によるアンタゴニストを含む組成物、例えば薬学的組成物およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを提供する。本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、本発明による医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法を提供する。
【0132】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性を増加することによって軽減される患者の異常を軽減することが可能なアゴニストを同定する方法であって、本発明によるトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記トランスジェニック非ヒトほ乳類にほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として表れる身体的および行動的異常を、前記化合物が軽減するかどうかを測定することを含み、異常の軽減により前記化合物をアゴニストとして同定する方法を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。本発明は、本発明によって同定されたアゴニストを提供する。本発明は、本発明によって同定されたアゴニストを含む組成物、例えば薬学的組成物およびキャリア、たとえば薬学的に許容可能なキャリアを提供する。
【0133】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、本発明による医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法を提供する。
【0134】
本発明は、ほ乳類対立遺伝子に特有な活性に関連した疾患に対する疾病素質を診断する方法であって、
(a) 前記疾患に罹患した患者のDNAを得ることと;
(b) 制限酵素で前記DNAの制限消化を行うことと;
(c) サイズゲル上で電気泳動により、生じたDNA断片を分離することと;
(d) ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸分子の配列に含まれる独特な配列と特異的にハイブリダイズすることが可能で、かつ検出可能なマーカーでラベルされた核酸プローブと、生じたゲルとを接触させることと;
(e) 請求項1に記載のほ乳類SNORF251受容体をコードするDNAにハイブリダイズしたラベルされたバンドを検出して、前記疾患に罹患した患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンを作りだすことと;
(f) 工程(a)〜(e)によって得られる診断用のDNAを調整することと;
(g) 工程(e)の前記疾患に罹患した患者に特有なDNAの独特なバンドパターンと、工程(f)で得られた診断用のDNAとを比較して、パターンが同じか異なるかを測定することにより、パターンが同じであれば前記疾患の質病素質ありと診断することを含む方法を提供する。
【0135】
一つの態様において、前記疾患は、特定のほ乳類対立遺伝子の活性に関連する疾患である。
【0136】
本発明はまた、本発明に従って精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体を発現する細胞を培養することと;
(b) 前記細胞から、前記ほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(c) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を精製すること、
を含む方法を提供する。
【0137】
本発明は、本発明に従って精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を適切なベクターに挿入することと;
(b) 生じたベクターを適切な宿主細胞に導入することと;
(c) 生じた細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の産生を可能にする適切な条件下に置くことと;
(d) 前記そのように産生されたほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(e) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を単離すること、および/または精製すること、
を含む方法を提供する。
【0138】
本発明は、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストかどうかを決定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体の活性のいかなる増加をも検出することにより、前記化合物がSNORF25受容体のアゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法を提供する。
【0139】
本発明は、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストかどうかを測定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少を検出することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法を提供する。
【0140】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0141】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の本発明に従った方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、たとえば薬学的組成物を提供する。一つ態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストが既知でない。
【0142】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に効果的な量の本発明に従った方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、たとえば薬学的組成物を提供する。一つ態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストが既知でない。
【0143】
本発明はさらに、化合物が、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ活性化するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物の存在下、および非存在下で前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物の存在下で前記二次メッセンジャー応答が変化することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体を活性化していることが示される方法を提供する。
【0144】
一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は、塩素イオンチャンネルの活性化を含み、前記二次メッセンジャーの変化は内部塩素電流のレベルの増加である。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は、細胞内カルシウムレベルの変化を含み、前記二次メッセンジャーの変化は細胞内カルシウムの測定の増加である。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は、イノシトールリン酸の放出を含み、前記二次メッセンジャーの変化はイノシトールリン酸レベルの増加である。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答にはアラキドン酸の放出を含み、前記二次メッセンジャーの変化はアラキドン酸濃度の増加である。またもう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答には、GTPγSリガンドの結合が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化はGTPγSリガンドの結合の増加である。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答には、MAPキナーゼの活性化が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化はMAPキナーゼ活性の増加である。さらなる態様において、前記二次メッセンジャー応答には、cAMPの蓄積が含まれ、前記二次メッセンジャー応答の変化はcAMP蓄積の増加である。
【0145】
本発明は、化合物がほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ阻害するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、ほ乳類SNORF25受容体の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知な前記化合物および第二の化合物の両者と接触させ、これとは別に第二の化合物のみの存在下、および第二の化合物と前記化合物の両者の存在下で、前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における前記二次メッセンジャー応答の変化が、前記第二の化合物のみの存在下の場合より少ないことによって、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが示される方法。
【0146】
一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は塩素イオンチャンネルの活性化を含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少ししか内部塩素電流レベルを増加しないことである。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答は細胞内カルシウムレベルの変化を含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少し細胞内カルシウムレベルの測定を増加しないことである。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答はイノシトールリン酸の放出を含み前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少ししかイノシトールリン酸レベルを増加しないことである。
【0147】
一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答にはMAPキナーゼの活性化が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化は、第二の化学化合物のみが存在するときよりも前記化合物と第二の化学化合物両方が存在するときのMAPキナーゼのレベルの増加が少ないことである。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答にはcAMPレベルの変化が含まれ、前記二次メッセンジャー応答の変化は、第二の化学化合物のみが存在するときよりも前記化合物と第二の化学化合物両方が存在するときのcAMPのレベルの変化が少ないことである。もう一つの態様において、前記二次メッセンジャー応答にはアラキドン酸の放出が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化は、第二の化学化合物のみが存在するときよりも前記化合物と第二の化学化合物両方が存在するときのアラキドン酸のレベルの増加が少ないことである。さらなる態様において、前記二次メッセンジャー応答にはGTPγSリガンド結合が含まれ、前記二次メッセンジャーの変化は、第二の化学化合物のみが存在するときよりも前記化合物と第二の化学化合物両方が存在するときのGTPγSリガンド結合のレベルの増加が少ないことである。
【0148】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記細胞は昆虫細胞である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である。もう一つの態様において、前記非ニューロン細胞はCOS−7細胞、CHO細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である。もう一つの態様において、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない。
【0149】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の本発明に従った方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、例えば薬学的組成物を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストが既知でない。
【0150】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性を低下させるために効果的な量の本発明に従った方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリア、例えば薬学的に許容可能なキャリアとを含む組成物、例えば薬学的組成物を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストが既知でない。
【0151】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する化合物を同定する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で、前記ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない前記複数の化合物と接触させることと;
(b) 一以上の前記化合物の存在下で、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性が増加するかどうかを測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれるいずれかの化合物が、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加するかを別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する各化合物を同定すること、
を含む方法を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0152】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞と前記複数の化合物とを、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で接触させることと;
(b) 前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量が、一以上の前記化合物の存在下で減少されるかどうかを、このような一以上の化合物の非存在下における前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量と比較して、決定することと;もしそうならば、
(c) このようなそれぞれの化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害するかどうかを、前記複数の化合物に含まれるそれぞれの化合物について、別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する、このような複数の化合物に含まれる何れかの化合物を同定すること、
を含む方法を提供する。
【0153】
一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。さらなる態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記細胞はほ乳類細胞である。もう一つの態様において、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である。さらなる態様において、前記非ニューロン細胞はCOS−7細胞、293ヒト胎児腎臓細胞、LM(tk−)細胞、またはNIH−3T3細胞である。
【0154】
本発明はまた、ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に有効な量の、本発明に従った方法によって同定された化合物、およびキャリアたとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物、たとえば医薬組成物を提供する。
【0155】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に有効な量の、本発明に従った方法によって同定された化合物、およびキャリアたとえば薬学的に許容可能なキャリアを含む組成物、たとえば医薬組成物を提供する。
【0156】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アゴニストである化合物を投与することを含む方法を提供する。一つの態様において、前記異常は、ステロイドホルモン障害、エピネフリン放出障害、胃腸管障害、心臓血管障害、電解質バランス障害、高血圧、糖尿病、呼吸障害、喘息、生殖機能障害、免疫障害、内分泌障害、筋骨格障害、神経内分泌障害、認識障害、記憶障害、体性感覚および神経伝達障害、運動協調障害、知覚統合障害、ドーパミン機能障害、食欲不振または肥満のような食欲障害、感覚伝達障害、嗅覚障害、自律神経系障害、痛み、精神病行動、感情障害、偏頭痛、癌、増殖疾患、傷治癒、組織再生、血液凝固関連障害、発達障害または虚血再灌流傷関連疾患の調節である。
【0157】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストである化合物を投与することを含む方法提供する。一つの態様において、前記異常は、ステロイドホルモン障害、エピネフリン放出障害、胃腸管障害、心臓血管障害、電解質バランス障害、高血圧、糖尿病、呼吸障害、喘息、生殖機能障害、免疫障害、内分泌障害、筋骨格障害、神経内分泌障害、認識障害、記憶障害、体性感覚および神経伝達障害、運動協調障害、知覚統合障害、ドーパミン機能障害、食欲不振または肥満のような食欲障害、感覚伝達障害、嗅覚障害、自律神経系障害、痛み、精神病行動、感情障害、偏頭痛、癌、増殖疾患、傷治癒、組織再生、血液凝固関連障害、発達障害または虚血再灌流傷関連疾患の調節である。
【0158】
本発明は、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、本発明に従った方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規構造のおよび機能的な、その類似体もしくは相同体を合成することを含む方法を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0159】
本発明は、組成物を調製する方法であって、キャリア並びに薬学的に有効な量の本発明に従った方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法を提供する。一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ヒトSNORF25受容体である。もう一つの態様において、前記ほ乳類SNORF25受容体は、ラットSNORF25受容体である。
【0160】
従って、いったん標的受容体のサブタイプの遺伝子がクローン化されたならば、それは前記標的受容体サブタイプをその表面上に発現するレシピエント細胞内に配置される。次いで、標的ヒト受容体サブタイプの単一集団を発現しているこの細胞を増殖させ、細胞株の樹立させる。薬物発見系を構成するこの細胞株を、2つの異なる型のアッセイで使用する:結合アッセイおよび機能性アッセイである。結合アッセイにおいて、特定の薬物発見プログラムの標的である受容体サブタイプと、副作用に関連する可能性のある他の受容体サブタイプの両方の化合物の親和性を測定する。これらの測定により、化合物の効力、並びに化合物が他の受容体サブタイプよりも標的受容体サブタイプ対して有する選択性の程度を予測することができる。結合アッセイから得たデータにより、適切であれば、化学者は最適な治療効果のために、一以上の関連性のあるサブタイプに近づけるかまたは遠ざけて化合物を設計することもできる。機能性アッセイにおいては、化合物に対する受容体サブタイプの応答の性質を測定する。機能性アッセイからのデータは、化合物が受容体サブタイプの活性を阻害するために働いているのか、促進するために働いているのかを示し、したがって薬理学者は、それらの最終的な標的ヒト受容体サブタイプにおいて迅速に化合物を評価することができ、化学者は、現存している薬物より有効であり、重度な副作用がより少なく本質的にはほとんどないであろう薬物を合理的に設計することができる、。
【0161】
受容体サブタイプ選択的な化合物を設計すること、および合成することへのアプローチは周知であり、伝統的な医薬化学、およびより新しいコンビナトリアルケミストリーの技術が含まれ、その両方がコンピュータ補助による分子モデリングによって支持される。このようなアプローチによって、化学者および薬理学者は、標的とした受容体サブタイプの構造、並びに受容体サブタイプに結合するおよび/または活性化するまたは活性化を阻害すると決定された化合物に対する知識を使用して、これらの受容体サブタイプにおいて活性を有する可能性のある構造を設計し、かつ合成する。
【0162】
コンビナトリアルケミストリーは、化学構築ブロックの様々な組合せを用いて組み立てることによって、さまざまな新規の化合物を自動化合成することが含まれる。コンビナトリアルケミストリーを使用することにより、化合物を合成する工程は非常に加速した。得られた化合物の配列(アレイ)はライブラリーと呼ばれ、目的の受容体に対して十分なレベルの活性を示す化合物(「リード化合物」)をスクリーニングするために使用される。コンビナトリアルケミストリーを使用して、目的の標的受容体に非常に偏っていると予想される化合物の「特定化(focused)」ライブラリーを合成することが可能である。
【0163】
いったんリード化合物が同定されたならば、コンビナトリアルケミストリーまたは伝統的な医薬化学またはそれ以外のいずれかを使用することによって、化学構造と、生物学的または機能的活性との関係を容易に理解するために、さまざまな相同体および類似体が調製される。これらの研究は、構造活性の関係を明確にする。この関係は、効力、選択性および薬物動力学的特性が改善された薬剤を設計するために使用される。また、リードを最適化するために、コンビナトリアルケミストリーを使用して、さまざまな構造が迅速に作製される。一つずつ化合物の合成することを含む伝統的な医薬化学は、さらに精製するため、および自動化技術によって利用できない化合物を作製するために使用される。いったんこのような薬剤が限定されたならば、製薬および化学工業において利用されている標準的な製造技術を使用して、前記産物をスケールアップする。
【0164】
本発明は、以下の実験の詳細によって、より理解されるであろう。しかしながら、特定の方法および考察される結果が、上記特許請求の範囲がより完全に記載されるように、本発明を単に例示しただけであることは当業者にすぐに理解されるであろう。
【実施例】
【0165】
材料と方法
cDNAの混合オリゴヌクレオチドプライムド増幅(MOPAC)
cDNAの混合オリゴヌクレオチド増幅(MOPAC)を、ラットゲノムDNA、GH1細胞株およびRin14b細胞株から単離したmRNAから逆転写したcDNAを含むいくつかのDNAテンプレートに対して実施した。MOPAC反応はTaq DNAポリメラーゼ(Boehringer−Mannheim,Indianapolis、IN)、および以下の縮重オリゴヌクレオチド、ガラニン、ソマトスタチン、および阿片受容体ファミリーのの第3膜貫通領域に基づいて設計されたJAB55、およびガラニン受容体ファミリーの第7膜貫通領域に基づいて設計されたTL1020を用いて実施した。
【0166】
MOPAC PCR反応の条件は以下のように行った。94℃で3分間保持、94℃で1分間、44℃で1分45秒間、72℃で2分間を10サイクル、94℃で1分間、49℃で1分45秒間、72℃で2分間を30サイクル、アガロースゲル電気泳動の準備ができるまで4℃で保持。
【0167】
前記産物を1%アガロースTAEゲル上で泳動し、予想される大きさ(〜500〜600bp)のバンドをゲルから切り出し、QIAQUICKゲル抽出キット(QIAGEN,Chatsworth,CA)を用いて精製して、TAクローニングベクター(Invitrogen,San Diego,CA)内にサブクローン化した。白色の(挿入物を含んだ)コロニーを取り上げ、以下のプロトコルを用いてpCR2.1ベクタープライマーのJAB1およびJAB2を用いたPCRにかけた。94℃で3分間保持、94℃で1分間、68℃で1分45秒間、68℃で2分間を35サイクル、精製の準備ができるまで4℃で保持。PCR産物をイソプロパノール沈殿(10μl PCR産物、18μl 低TE、10.5μl 2M NaClO4、21.5μl イソプロパノール)によって精製し、ABI Big DyeサイクルシークエンシングプロトコルおよびABI 377シークエンサー(ABI,Foster City,CA)を用いて配列を決定した。後にSNORF25と命名した、これらのPCR産物の1つは、データベース検索に基づいて新規のGタンパク質結合受容体様配列であり、他の既知のGタンパク質結合受容体との相同性を持つと決定された(既知の受容体ドーパミンD1、β−アドレナリン作動性2bおよび5−HT1fに対して−29%同一、5−HT4l受容体に対して34%同一)。
【0168】
5’および3’RACE
SNORF25の全長コード配列を決定するために、5’/3’cDNA末端急速増幅(RACE)のためのクローンテックマラソンcDNAアンプリフィケーション(Clontech Marathon cDNA Amplification)キット(Clontech,Palo Alto,CA)を使用した。Rin14b細胞由来のトータルRNAをファストトラックmRNAアイソレーションキット(FastTrack mRNA Isolation Kit)(Invitrogen)を用いてPolyA+選択した。5’RACEのためには、上述したPCR断片(SNORF25)の推定第5膜貫通領域に由来するリバースプライマーであるプライマーJAB73を用いて、1μgのpolyA+ RNAから二本鎖cDNAを合成した。アドバンテージクレンタックポリメラーゼ(Advantage Klentaq Polymerase)(Clontech,Palo Alto,CA)を用いて、マラソンcDNAアンプリフィケーションプロトコルにしたがって、アダプターのライゲーションおよびネスティッドPCRを実施した。供給業者のアダプタープライマー1(Adaptor Primer 1)と上述したPCR断片の第5膜貫通領域の5’末端に由来するリバースプライマーであるJAB71を用いて、ライゲーションされたcDNAの50倍希釈に対して第一PCRを実施した。アダプタープライマー2(Adaptor Primer 2)と第四膜間通領域のすぐ下流のリバースプライマーであるJAB69を用いて、この第一PCR反応液の1μlを再び増幅した。PCRの条件は、94℃で1分間、94℃で15秒間、72℃で1分30秒間を5サイクル、94℃で15秒間および70℃で1分30秒間を5サイクル、94℃で15秒間、68℃で1分30秒間を22サイクル、68℃で5分間保持し、および解析の準備ができるまで4℃に保持した。ネスティッドPCR由来の600bp断片をQIAQUICKキットを用いて1%アガロースTAEゲルから単離して、上述したようにABI377シークエンサーおよびBigDyeターミネーターサイクルシークエンシングを用いて配列決定した。ウイスコンシンパッケージ(Wisconsin Package)(GCG,Genetics Computer Group,Madison,WI)を用いてシーケンスした。
【0169】
3’RACEのためには、二本鎖cDNAをマラソンcDNAアンプリフィケーションキット(Clontech)に付属するcDNA合成プライマーCDSを用いて、1μgのpolyA+ RNAより合成した。3’RACE反応のPCR条件は、上述したMOPACからの新規PCR断片の第5と第6膜貫通領域の間に位置する配列に由来するフォワードプライマーであるJAB74およびJAB72を、それぞれJAB71およびJAB73の代わりに使用することを除いて、5’RACE反応と同様である。ネスティッドPCR由来の1.4kb断片をQIAQUICKゲル精製キット(QIAGEN)を用いて1%アガロースTAEゲルより単離して、上記のようにシーケンスした。
【0170】
本受容体配列の全長コード配列を決定した後に、全コード領域を、エクスパンド ロング PCR(Expand Long PCR)システム(Boehringer−Mannheim)を用いて、Rin14b細胞株cDNA、およびラットゲノムDNAから増幅した。この反応のためのプライマーは、それぞれ5’(JAB86)および3’(JAB84)プライマーの5’末端にBamHIおよびHindIII制限部位を組み込んだSNORF25の5’および3’非翻訳領域に特異的である。次いで、この反応由来の産物をBamHIおよびHindIIIによって消化し、発現ベクターpcDNA3.1(−)のBamHI/HindIII部位内にサブクローン化し、ベクター−および遺伝子−特異的プライマーを用いて両方向をシーケンスした。Rin14b−クローン化SNORF25産物由来の二本鎖配列は、ラットゲノムDNAから増幅した同様の遺伝子の配列と一致した。pcDNA3.1(−)内のラットSNORF25のこの受容体/発現ベクター構築物を、pcDNA3.1−rSNORF25と名付けた。
【0171】
SNORF25のヒト相同体の相同性クローニング
SNORF25のヒト相同体をクローン化するために、ラットSNORF25配列の第2(BB426)および第5(BB427)膜貫通領域(TMs)に基づいて2つのオリゴヌクレオチドを設計し、ヒトゲノムコスミドライブラリー(Clontech)をプローブするために使用した。両方のプライマーをα32P−dATPおよび末端トランスフェラーゼ(Promega,Madison,WI)によって末端標識化した。中程度にストリンジェントな条件下:37.5%ホルムアミド、5×SSC(1×SSCは0.15M 塩化ナトリウム、0.015M クエン酸ナトリウムである)、1×デンハート(Denhardt’s)溶液(0.02%ポリビニルピロリドン、0.02%フィコール(Ficoll)、0.02%ウシ胎児アルブミン)、7mM Tris、および25μg/ml超音波処理サケ精子DNA、においてハイブリダイゼーションを行った。濾液を20分間室温にて、2×SSC/0.1%硫酸ドデシルナトリウムを含む緩衝液中で3回、0.1×SSC/0.1%硫酸ドデシルナトリウムを含む緩衝液中で20分間2回洗浄し、−70℃にて、増感スクリーンの存在下でコダック バイオマックス MS(Kodak BioMax MS)フィルムに露光した。
【0172】
プローブとハイブリダイゼーションしたコスミドクローンを拾い、プレートに画線し、個々の陽性コロニーを確認して、単離するために同一の条件下で同一のプローブを用いて二回選別した。陽性コロニー由来のコスミドDNAをBamHIとHindIIIにて消化し、アガロースゲル上で電気泳動し、ニトロセルロースに写し、32P−標識化BB426でプローブした。前記プローブとハイブリダイズしたクローン#45a(COS4ライブラリー)由来のおよそ1.9kbの断片を、pEXJT3T7(ストラタジーン(Stratagene))のBamHI/HindIII部位内にサブクローン化し(pcEXV(ミラー アンド ジャーマン(Miller and German)、1986)をBstXIおよび他のさらなる制限部位、並びにT3、T7プロモーターを含むように改変した岡山およびベルグ(Okayama and Berg)発現ベクターである)、上述のように両方の鎖をシーケンスした。このベクター内のヒトSNORF25受容体構築物をpEXJT3T7−hSNORF25と名付けた。ヒトSNORF25は、GCGソフトウェアを用いて解析し、ヒトSNORF25の全長配列を含み、ラット受容体と80%アミノ酸同一性および83%ヌクレオチド同一性を持つことをむことを確認した。
【0173】
オリゴヌクレオチドプライマー
以下は、これらの受容体のクローニングに使用したプライマーとその関連配列のリストである。
【0174】
JAB55:5’−TBDSYVYIGAYMGITAYVTKG−3’(配列番号:5)
TL1020:5’−GAIRSIARIGMRTAIAYIAKIGGRTT−3’(配列番号:6)
JAB1:5’−TTATGCTTCCGGCTCGTATGTTGTG−3’(配列番号:7)
JAB2:5’−ATGTGCTGCAAGGCGATTTAAGTTGGG−3’(配列番号:8)
JAB69:5’−TGGTCTGCTGGAATATGGAG−3’(配列番号:9)
JAB71:5’−CTTGGGTGAAACACAGCAAAGAAGG−3’(配列番号:10)
JAB72:5’−ATGGAACATGCAGGAGCCATGGTTGG−3’(配列番号:11)
JAB73:5’−AAGACAAAGAGGAGCACAGCTGGG−3’(配列番号:12)
JAB74:5’−GCTCAAGATTGCCTCTGTGCACAG−3’(配列番号:13)
JAB84:5’−ATCTATAAGCTTAGGCACTTGGAAACATCCATTCC−3’(配列番号:14)
JAB86:5’−ATCTATGGATCCTGTGAGAATCTGAGCTCAAGACCC−3’(配列番号:15)
BB426:5’−TTCACCTTAAATCTGGCCGTGGCTGATACCTTGATTGGCGTGGCTATTTCTGGGCTAG−3’(配列番号:16)
BB427:5’−GCTGTGTTTCACCCAAGGTTTGTGCTGACCCTCTCCTGTGCTGGCTTCTTCCCAGCTGTGC−3’(配列番号:17)
SNORF25受容体cDNAの他の種の相同体の単離
他の種に由来するSNORF25受容体cDNAをコードする核酸配列を、標準的分子生物学技術および以下で記述したものなどのアプローチをしようして単離できるであろう。
【0175】
アプローチ#1:ゲノムクローンを単離するために、対象の種から作製されたゲノムライブラリー(例えばコスミド、ファージ、P1、BAC、YAC)を、その配列が図1A〜1Bおよび3A〜3Bに示されたヒトまたはラットSNORF25受容体の断片に対応する32P−標識されたオリゴヌクレオチドでスクリーニングすればよい。全長配列は、このゲノムクローンのシークエンスすることによって得ることができる。1以上のイントロンが遺伝子内に存在する場合、イントロンのない全長遺伝子は、標準的な分子生物学技術を用いてcDNAより得ることができる。例えば、5’UTで設計されたフォワードPCRプライマー、および3’UTで設計されたリバースPCRプライマーを使用して、全長、イントロンのない受容体をcDNAから増幅してもよい。ほ乳類発現ベクター内にこの遺伝子をサブクローンするために、標準的な分子生物学的技術が使用できる。
【0176】
アプローチ#2:標準的な分子生物学技術を使用して、図1A〜1Bおよび3A〜3Bに示された配列の断片に対応する32P−標識化オリゴヌクレオチドプローブを用いて、ストリンジェンシーを減少させた条件下でハイブリダイゼーションすることによって市販されている対象の種のcDNAファージライブラリーをスクリーニングするために使用してよい。ラムダライブラリーに由来するプラーク精製クローンを得ることによって、全長SNORF25受容体を単離し、次いでクローンを直接DNAシークエンスにかけてもよい。あるいは、部分的種相同的配列に対して設計したプライマーを使用してライブラリープールをPCR増幅することにより、cDNAプラスミドライブラリーをスクリーニングするために、標準の分子生物学技術が使用できるであろう。全長クローンは、32Pオリゴヌクレオチドプローブに陽性なプールのコロニーを拾って、サザンハイブリダイゼーションすることによって単離すればよい。
【0177】
アプローチ#3:3’および5’RACEを、SNORF25の付加的な配列を含むSNORF25を発現している対象の種に由来するcDNAからPCR産物を作製するために使用してもよい。次いで、これらのRACE PCR産物をシーケンスして、付加的な配列を決定してよい。次いで、この新規の配列を5’UT内のフォワードPCRプライマーに、3’UT内の3’リバースPCRプライマーを設計するために使用する。次いで、これらのプライマーはcDNAから全長SNORF25クローンを増幅するのに使用される。
【0178】
他の種の例には、マウス、イヌ、サル、ハムスターおよびモルモットが限定はしないが含まれる。
【0179】
宿主細胞
異種性に発現しているタンパク質を研究するために、広範囲の様々な宿主細胞を使用できる。これらの細胞には、Cos−7、CHO、LM(tk−)、HEK293などのようなほ乳類細胞株、Sf9、Sf21などの昆虫細胞株、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞のような両生類細胞、多彩な酵母株、多彩な細菌株細胞などが含まれるが、限定されない。これらの細胞タイプのそれぞれに対する培養条件は特異的であり、当業者に公知である。SNORF25受容体を発現するために使用した細胞はCos−7とチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)であった。
【0180】
補充物を含むDMEM(10%ウシ胎児血清、4mM グルタミン、100ユニット/ml ペニシリン/100μg/ml ストレプトマイシンを含むダルベッコ変法イーグル培地)中、150mmプレート内で、37℃、5%CO2にてCos−7細胞を増殖させる。Cos−7細胞のストックプレートをトリプシン処理し、3〜4日毎に1:6に分割する。
【0181】
補給物(10%ウシ胎児血清、4mM L−グルタミンおよび100ユニット/ml ペニシリン/100μg/ml ストレプトマイシン)を含むHAMのF−12培地にて、150mmプレート上で、37℃、5%CO2にてCHO細胞を増殖させる。CHO細胞のストックプレートをトリプシン処理し、3〜4日毎に1:8に分割する。
【0182】
一過性発現
研究するためのタンパク質をコードするDNAは、リン酸カルシウムを介して、DEAE−デキストランを介して、リポソームを介して、ウイルスを介して、エレクトロポレーションを介してねおよびマイクロインジェクション伝送のような様々な方法によって、さまざまなほ乳類、昆虫、両生類、酵母、細菌および他の細胞株に一過性に発現させることができる。これらの方法は、それぞれDNA、細胞株、および本質的に使用するアッセイのタイプに依存している多彩な実験的パラメータの最適化を必要とする可能性がある。SNORF25 cDNAをさまざまな細胞株に一過性にトランスフェクトするために、エレクトロポレーション法を使用した。
【0183】
Cos−7細胞に適用したようなエレクトロポレーション法の典型的なプロトコルは、以下に記述する。トランスフェクションに使用する細胞をトランスフェクションの24時間前に分割し、トランスフェクション時にサブコンフルエントなフラスコを用意する。細胞をトリプシン処理によって回収し、その増殖培地内に再び懸濁して計数する。5×106細胞を300μlのDMEMに懸濁させ、エレクトロポレーションキュベット内に入れる。8μgの受容体DNA+8μgの必要な任意の追加DNA(例えばGタンパク質発現ベクター、レポーター構築物、抗生物質抵抗性マーカー、モックベクターなど)を細胞懸濁液に添加し、キュベットをバイオラッド ジーン パルサー(BioRad Gene Pulser)に入れ、電気パルスを与える(ジーン パルサー設定:0.25kV 電圧、950μF 電気容量)。パルスの後、800μlの完全DMEMをそれぞれのキュベットに加え、懸濁液を滅菌チューブに移した。それぞれのチューブに、最終濃度が1×105細胞/100μlとなるまで完全培地を加える。次いで実施するアッセイのタイプに依存して必要なように細胞をプレートにまく。
【0184】
安定発現
異種性DNAを宿主細胞内に安定に組み込むことができ、これにより細胞に外来タンパク質を永久に発現させることになる。DNAを細胞内に運搬する方法は、一過性発現に関して上述したものと同様であるが、標的とした宿主細胞に薬物抵抗性を与えるための補助遺伝子を共トランスフェクションすることが必要である。その結果得られる薬物抵抗性は、DNAを取り込んだ細胞を選択し、保持するために活用することができる。利用可能な抵抗性遺伝子の種類には、ネオマイシン、カナマイシンおよびハイグロマイシンを含むが、限定しない。本発明の受容体に関する研究を目的として、異種性受容体タンパク質の安定発現は一般的に、CHO、HEK293、LM(tk−)などを含むほ乳類で実施するが、限定する必要はない。
【0185】
さらに、前記受容体に対する核酸配列を天然に持ち、発現する野生細胞株を、受容体の補完を遺伝子工学的に作製する必要なしに使用してよい。
【0186】
膜プレパレーション
本発明にしたがった受容体タンパク質を発現する細胞膜は、リガンド結合アッセイ、GTP−γ−S結合アッセイなどを含むアッセイ型に関して有用であるが、限定しない。そのような細胞膜を調製するための特性は、いくつかの場合、次のアッセイの特性によって決めてもよいが、しかし一般的には、全細胞の回収および氷冷緩衝液(たとえば20mM Tris−HCl、5mM EDTA、pH7.4)中の調音波処理による細胞ペレットの粉砕を含む。得られた未精製細胞溶解物を、4℃において200×gで5分間の低速遠心することによって細胞残骸を除去する。次いで除去された上清を40,000×gにて20分間、4℃で遠心し、氷冷緩衝液中に再び懸濁すること、および高速遠心工程を繰り返すことによって、得られた膜ペレットを洗浄する。最終洗浄膜ペレットをアッセイ緩衝液に再び懸濁する。牛血清アルブミンを標準として使用してBradford(1976)法によって、タンパク質濃度を決定する。膜は、すぐに使用するか、または後で使用するために凍結してよい。
【0187】
バキュウロウイルスの作製
pBlueBacIIIの、存在する制限部位またはポリペプチドのコード領域に対して5’および3’の配列内に作製した部位内に、本明細書で開示したヒト受容体をコードするDNAのコード領域をサブクローン化してよい。バキュウロウイルスを作製するために、0.5μgのウイルスDNA(BaculoGold)および3μgのポリペプチドをコードするDNA構造物を(「バキュロウイルス発現ベクターシステム:手順および方法マニュアル(Baculovirus Expression Vector System:Procedures and Methods Manual)」にて)Pharmingenによって概略されたように、リン酸カルシウム共沈殿法によって2×106のスポドテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)昆虫Sf9細胞内に共トランスフェクトしてよい。次いで細胞を27℃にて5日間インキュベートする。
【0188】
共トランスフェクトプレートの上清を遠心によって回収し、組換えウイルスプラークを精製してもよい。ウイルスストックを調整するため、およびウイルスストックのタイターを調べるために、細胞にウイルスを感染させる手順はファーミンゲンのマニュアルに記述されたものである。
【0189】
標識化リガンド結合アッセイ
例えば標識化リガンド結合アッセイによって、前記受容体対するリガンドをスクリーニングするために、本発明にしたがった受容体を発現している細胞を使用してよい。いったんリガンドが同定されたならば、同一のアッセイを、さまざまな治療的目的のために使用してよい受容体のアゴニストまたはアンタゴニストを同定するのに使用してよい。
【0190】
1つの実施様態において、標識化リガンドは、多重ウェルマイクロタイタープレート内で受容体を発現している膜プレパレーションまたは昆虫細胞のどちらかと、非標識化化合物、および結合緩衝液を共に接触させて配置する。別の平衡結合アッセイで最適であると決定した時間、および温度において、結合反応混合液をインキュベートする。細胞ハーベスターを使用してGF/Bフィルターを通す濾過によって、または直接結合リガンドを測定することによって、反応を停止させる。リガンドが3H、14C、125I、35S、32P、33Pなどの放射活性アイソトープで標識化されている場合、結合リガンドを液体シンチレーション計数、シンチレーション近似、または放射活性アイソトープを検出するための任意の他の方法を用いることにより検出してもよい。リガンドが蛍光化合物で標識されている場合、結合標識化リガンドは、蛍光強度、時間分解蛍光、蛍光極性、蛍光伝送、または蛍光相関分光測定などの方法によって測定してよいが、限定はしない。この方法において、受容体と結合するアゴニストまたはアンタゴニスト化合物は、受容体を発現している膜タンパク質または昆虫細胞と標識化リガンドの結合を阻害することにより同定されるであろう。非特異的結合は、高濃度の非標識化リガンド(例えば100〜1000×KD)の存在下における膜タンパク質をインキュベーションした後に残っている標識化リガンドの量として定義する。平衡飽和結合アッセイでは、標識化化合物の濃度を増加させて膜プレパレーションまたは受容体をトランスフェクトした昆虫細胞をインキュベートし、標識化リガンドの結合親和性を測定する。非標識化化合物の結合親和性は、多様な濃度の置換リガンドの存在下において標識化化合物の濃度を固定して使用する、平衡競合結合アッセイによって決定してよい。
【0191】
機能性アッセイ
SNORF25受容体DNAを発現している細胞を、機能性アッセイを使用してSNORF25受容体に対するリガンドをスクリーニングするために使用してよい。いったんリガンドが同定されたならば、さまざまな治療目的のために使用されるであろう受容体のアゴニストまたはアンタゴニストを同定するために、同一のアッセイを使用してもよい。GPCRの過剰発現が結果として細胞内シグナル伝達経路の競合的活性化となりうることは、当業者に周知である。同様の方法で、上述したような任意の細胞株におけるSNORF25受容体の過剰発現が、以下に記述した機能的応答を活性化することができ、ここに記述したアッセイのどれもが、SNORF25受容体のアゴニストおよびアンタゴニストリガンド両方をスクリーニングするために使用できる。
【0192】
SNORF25受容体リガンドの存在をスクリーニングするために、広範囲のアッセイを使用できる。これらのアッセイは、たとえば総イノシトールリン酸の蓄積、cAMPレベル、細胞内カルシウム流動、およびカリウム電流などの店頭的な測定から;これらの同じ二次メッセンジャーを測定する(より高い処理量となるように修飾または適合された)系まで;代謝変化、分化、細胞分裂/増殖などの受容体の活性化により生じるより一般的な細胞事象をレポートする細胞に基づいたアッセイまで範囲が及ぶ。このようなアッセイに関するいくつかの記述を以下に示す。
【0193】
環状AMP(cAMP)アッセイ
受容体を介した刺激または環状AMP(cAMP)形成の阻害は、受容体を発現している細胞内でアッセイしてもよい。細胞を96ウェルプレートまたは他の容器に入れ、プロテアーゼ阻害剤カクテル(たとえば、典型的な阻害剤カクテルは、2μg/ml アプロチニン、0.5mg/ml ロイペプチンおよび10μg/ml ホスホラミドンを含む)の存在下、または非存在下において、5mM チオフィリンんどのホスホジエステラーゼ阻害剤を含むHEPES緩衝食塩水(NaCl(150mM)、CaCl2(1mM)、KCl(5mM)、グルコース(10mM))などの緩衝液内で、20分間37℃、5%CO2内でプレインキュベートする。試験化合物を10mM ホルスコリンと共にまたはなしで添加して、さらに10分間、37℃でインキュベートする。次いで培地を吸い取り、100mM HClの添加または他の方法によって反応を停止させる。プレートを4℃にて15分間保存し、停止溶液内のcAMP含量を放射免疫アッセイによって測定する。放射活性は、データ変換ソフトウェアを備えたガンマ計数器を使用して定量してよい。受容体に対するアッセイを最適化するため、またはcAMPの検出方法を変更するために、特定の改変を実施してもよい。
【0194】
アラキドン酸放出アッセイ
受容体を発現している細胞を96ウェルプレートまたは他の容器内にまき、補充物を含む培地内で3日間増殖させる。3H−アラキドン酸(特異的活性=0.75μCi/ml)をそれぞれのウェルに100μL量で伝送し、試料を37℃、5%CO2にて18時間インキュベートする。標識化された細胞を培地で3回洗浄する。次いでウェルを培地で満たし、総容量250μLでの試験化合物または緩衝液を添加して、アッセイを開始する。細胞を30分間、37℃、5%CO2にてインキュベートする。上清をマイクロタイタープレートに移し、乾燥するまで75℃にて、吸引オーブン内で蒸発させる。次いで試料を25μLの滅菌水に溶解し、かつ再び懸濁させる。シンチラント(300μL)をそれぞれのウェルに添加して、試料をトリラックス(Trilux)プレート測定器内で3Hを計測する。データを非線形回帰およびGraphPAD Prismパッケージ(San Diego,CA)で利用可能な統計学的技術を用いて解析する。
【0195】
イノシトールリン酸アッセイ
SNORF25受容体を介したイノシトールリン酸(IP)二次メッセンジャー経路の活性化は、IP産物を放射分析測定することによって査定できる。
【0196】
96ウェルマイクロプレート形式のアッセイにおいて、細胞を70,000細胞/ウェルの密度でおき、24時間インキュベートする。次いで0.5μCiの[3H]−ミオ−イノシトールで37℃、5%CO2にて一晩、細胞を標識化する。アッセイの直前に培地を取り除き、90μLの10mM LiCl含有PBSに置き換える。次いでプレートを37℃で15分間、5%CO2にてインキュベートする。インキュベーションの後、細胞をアゴニスト(10μl/ウェル、10×濃度)で30分間、37℃、5%CO2にて感作する。100μLの50%v/v トリクロロ酢酸の添加して感作を終了させ、続いて30分以上の間の4℃でのインキュベーションする。総IPsをイオン交換クロマトグラフィーにて溶解物から単離する。簡単には、溶解したウェルの含有物を、Dowex AG1−X8(200〜400メッシュ、フォーマット形態)を含むマルチスクリーン HV(Multiscreen HV)フィルタープレート(ミリポア(Millipore))に移す。それぞれのウェルに対して100μLのDowex AG1−X8懸濁液(50%v/v、水:樹脂)を加えて、フィルタープレートを調製する。フィルタープレートをバキュームマニホルド上に置いて、樹脂ベットを洗浄または溶出する。まず200μlの5mM ミオ−イノシトールでそれぞれのウェルを2回洗浄する。総[3H]リン酸イノシトールを75μlの1.2Mギ酸アンモニウム/0.1M ギ酸溶液で96ウェルプレートに溶出する。200μLのシンチレーションカクテルをそれぞれのウェルに加え、放射活性を液体シンチレーション計数管にて測定する。
【0197】
細胞内カルシウム流動アッセイ
細胞内遊離カルシウム濃度は、蛍光指示色素Fura−2/AM(Bushら、1991)を使用して微量分光蛍光計によって測定しうる。カバーガラス挿入物を含む35mm培養ディッシュ上に、受容体を発現している細胞をまき、一晩接着させる。次いで細胞をHBSにて洗浄し、100μLのFura−2/AM(10μM)で20〜40分間ロードする。細胞をHBSで洗浄してFura−2/AM溶液を除去した後、細胞をHBSで10〜20分間平衡化する。次いで細胞をライツ フルオバート FS(Leitz Fluovert FS)顕微鏡の40×対物レンズ下で視覚化し、励起波長を340nM〜380nMの間で変化させて510nMで蛍光放出を測定する。生の蛍光データを標準カルシウム濃度曲線およびソフトウェア解析技術を用いてカルシウム濃度に変換する。
【0198】
他の方法において、細胞内カルシウムの測定はまた、96−ウェル(またはそれ以上)形式にて他のカルシウム感受性指示薬で実施でき、そのような指示薬の好ましい例は、エクオリン、フルオ−3(Fluo−3)、フルオ−4、フルオ−5、カルシウム グリーン−1(Calcium Green−1)、オレゴン グリーン(Oregon Green)、および488BAPTAである。受容体をアゴニストリガンドで活性化した後、細胞内カルシウム濃度の変化によって誘発される放射を照度計、または蛍光イメージャーによって測定してもよく、この好ましい例は、蛍光イメージャープレートリーダー(FLIPR)である。
【0199】
対象の受容体を発現する細胞を、80,000〜150,000細胞/ウェルの密度で透き通った平底黒色壁96ウェルプレート(Costar)上にプレートし、5%CO2、37℃にて48時間インキュベートさせる。培養液を吸引し、100μlのフルオ−3色素を含むローディング緩衝液をそれぞれのウェルに添加する。ローディング培地は、ハンクスBSS(フェノールレッドなし)(Gibco)、20mM HEPES(Sigma)、0.1または1%BSA(シグマ)、色素/プルロン酸混合液(たとえば、1mM Fluo−3、AM(Molecular Probes)および10%プルロン酸(Molecular Probes)を使用直前に混合する)、および2.5mMプロベネシッド(シグマ)(新鮮に調製する)を含む。細胞を5%CO2、37℃にて約1時間インキュベートする。
【0200】
色素ローディングインキュベーションの間、化合物プレートを調製する。化合物を洗浄緩衝液(ハンクスBSS(フェノールレッドなし)、20mM HEPES、2.5mM プロベネシッド)中に4×最終濃度まで希釈し、透き通ったv底プレート(Nunc)内に分液する。インキュベーションに続いて、過剰な色素を取り除くために細胞を洗浄する。穏やかに細胞を洗浄するためにDenleyプレート洗浄機を4回使用し、それぞれのウェルに100μlの最終容量の洗浄緩衝液を残す。細胞プレートをFLIPRの中心トレーにおき、化合物プレートをFLIPRの右トレーにおく。実験のためにFLIPRソフトウェアを準備し、実験を行い、データを回収する。次いでエクセル表計算プログラムを用いてデータを解析する。
【0201】
アンタゴニストリガンドは、アゴニストリガンドによって誘発されたシグナルの阻害によって同定する。
【0202】
GTPγS機能性アッセイ
受容体を発現する細胞由来の膜を、プロテアーゼ阻害剤(たとえば0.1%バシトラシン)の存在下または非存在下において、アッセイ緩衝液(たとえば、50m MTris、100mM NaCl、5mM MgCl2、10μM GDP、pH7.4)中に懸濁させる。膜を氷上で20分間インキュベートし、96−ウェル ミリポア(Millipore)マイクロタイターGF/Cフィルタープレートに移し、GTPγ35S(たとえば、250,000cpm/試料、特異的活性−1000Ci/mmol)プラスまたはマイナス非標識GTPγS(最終濃度=100μM)と混合する。最終膜タンパク質濃度=90μg/ml。試料を室温にて30分間、試験化合物の存在または非存在下でインキュベートし、次いでミリポアバキュームマニホールドで濾過し、冷(4℃)アッセイ緩衝液にて3回洗浄する。試料をフィルタープレートに回収し、シンチラントで処理し、トリラックス(Trilux)(Wallac)液体シンチレーション計数管で35Sを計測する。受容体膜プレパレーションが適切に作製された外来発現系、すなわち受容体を高レベルで発現する結果となる、および/または高い代謝率を持つG−タンパク質(GDPのGTPへの変換のため)を発現する発現系に由来する場合、最適な結果がえられることが予測される。GTPγSアッセイは当業者に周知であり、Tianら(1994)またはLazareno and Birdsall(1993)などに記述された上記方法の変法を使用してもよいと思われる。
【0203】
微小生理学的測定アッセイ
細胞代謝は、(多重メッセンジャー経路による受容体活性化を含む)広範囲の細胞事象に複雑に関わっているので、細胞代謝の微小生理学的測定を使用により、原則として、受容体のシグナル伝達系路の特性に関わらず、任意の受容体の活性化によって生じる細胞の活性化に対する一般的なアッセイが提供される。
【0204】
一過性受容体発現、細胞プレパレーション、および微小生理学的測定記録に関する一般的なガイドラインは他(Salon,J.A.およびOwicki,J.A.,1996)に記載されている。一般的に、受容体を発現する細胞を回収し、実験の24時間前に、3×105細胞あたり微小生理学的測定計カプセルとして完全培地中にまく。培地を記録の16時間前に無血清培地に置き換えて、多種類かつ病気を定義する血清因子による非特異的代謝刺激を最小化する。実験の日に、細胞カプセルを微小生理学的測定計に移し、記録培地(0.1%脂肪酸なしBSAを含む低緩衝RPMI 1640、重炭素酸なし、血清なし(Molecular Devices Corporation,Sunnyvale,CA)中で平衡化し、その間、基準代謝活性の基準線測定を確立する。
【0205】
標準記録プロトコルは、酸性化の速度測定を行う際に、30秒間の流速中断を含む2分間の総ポンプサイクルを使用し、100μl/分流速により特定する。リガンド感作は、最初の感作後速度測定を行う直前に、試料に1分20秒間曝露することを含み、続いて試料を合計5分20秒間の曝露する2回のさらなるポンプサイクルを含む。一般的に、一次スクリーニングにおける薬物は、10μM最終濃度にて細胞に提示する。次いで、活性な化合物の濃度依存性を試験するための実験の経過観察は、閾値から最大レベルまでの範囲における応答を作製するのに必要な量を超える薬物濃度範囲で、細胞を連続的に感作することにより行われる。次いでリガンド試料を洗い流し、報告された酸性化速度を、感作直前に観察した基準線速度に対するピーク応答の増加割合として表す。
【0206】
MAPキナーゼアッセイ
MAPキナーゼ(マイトジェン活性化キナーゼ)を、受容体の活性化を評価するためにモニターしてよい。MAPキナーゼは、細胞内で多数の経路によって活性化される。活性化の初期様式には、ras/raf/MEK/MAPキナーゼ経路が含まれる。成長因子(チロシンキナーゼ)受容体は、SHC/Grb−2/SOS/rasを介してこの経路内に入る。Gi共役受容体はまた、rasを活性化することが知られており、その後MAPキナーゼの活性化を産出することが知られている。ホスホリパーゼC(Gq/Gll−共役のような)を活性化する受容体は、ホスファチジルイノシトールを加水分解した結果としてジアシルグリセロール(DAG)を産出する。DAGは、次にMAPキナーゼをリン酸化するタンパク質キナーゼCを活性化する。
【0207】
MAPキナーゼ活性化は、さまざまなアプローチによって検出できる。1つのアプローチは、リン酸化されていない(不活性)、またはリン酸化されている(活性)かいずれかをリン酸化状態を評価することに基づく。リン酸化されたタンパク質はSDS−PAGEにおいて、よりゆっくりした移動度を持つので、ウエスタンブロッティングを用いて未刺激タンパク質と比較できる。あるいは、リン酸化タンパク質に特異的な抗体が入手可能であり(New England Biolabs)、リン酸化されたキナーゼの増加を検出するために使用できる。他の方法では、細胞を試験化合物で刺激し、次いでLaemmli緩衝液で抽出する。可溶性画分をSDS−PAGEゲルにのせ、電気泳動によってニトロセルロース、またはImmbilonにタンパク質を転写する。標準的なウエスタンブロッティング技術によって免疫活性バンドを検出する。可視または化学蛍光シグナルをフィルム上に記録し、濃度計によって定量してよい。
【0208】
他のアプローチは、リン酸化アッセイを介したMAPキナーゼ活性の評価に基づく。細胞を試験化合物で刺激し、可溶性抽出物を調製する。ガンマ−32P−ATP、ATP再生成系、およびインスリンまたはPHAS−Iによって調節される熱および酸に安定なリン酸化タンパク質などのMAPキナーゼに特異的な基質と共に、抽出物を30℃で10分間インキュベートする。
【0209】
H3PO4の添加によって反応を停止し、試料を氷に移した。一部分をWhatman PB1 クロマトグラフィー紙(リン酸化タンパク質を保持する)上にスポットした。クロマトグラフィー紙を洗浄し、液体シンチレーション計数管で32Pを計数する。あるいは、細胞抽出物をガンマ−32P−ATP、ATP再生成系、ストレプトアビジンによってフィルター支持体に結合させたビオチン化ミエリン塩基性タンパク質と共にインキュベートする。ミエリン塩基性タンパク質は活性化したMAPキナーゼの基質である。リン酸化反応を30℃で10分間実施する。次いでミエリン塩基性タンパク質を保持するフィルターを通して抽出物を吸引した。フィルターを洗浄し、液体シンチレーション計数管にて32Pを計数する。
【0210】
細胞増殖アッセイ
前記受容体の受容体活性化は、分裂促進または増殖応答を引き起こす可能性がある。これは、3H−チミジン取り込みを介してモニタできる。培養した細胞を3H−チミジンと共にインキュベートすると、チミジンは核内に移動し、そこでチミジン三リン酸にリン酸化される。次いでヌクレオチド三リン酸は、細胞増殖の速度に比例した速度で細胞のDNAに取り込まれる。一般的に、細胞は1〜3日間、培養液中で増殖させる。24時間血清を取り除くことによって細胞を静止させる。次いで分裂促進剤を培地に加える。24時間後、1〜10μCi/mlの範囲の特異的活性の3H−チミジンとともに、細胞を2〜6時間インキュベートする。回収手順は、トリプシン処理、およびTCAと前インキュベーションして、またはせずにGF/Cフィルターで濾過することによって細胞をトラップして、可溶性チミジンを抽出することを含んでもよい。フィルターをシンチラントで処理し、液体シンチレーション計数管によって3Hに関して計数する。あるいは、接着細胞をMeOHまたはTCAで固定てし、水で洗浄し、0.05%デオキシクロレート/0.1N NaOHで可溶化する。可溶性抽出物をシンチレーションバイアルに移し、液体シンチレーション計数管にて3Hに関して計数する。
【0211】
あるいは、受容体をトランスフェクトするのに使用した細胞株に発現された内因性または外因性遺伝子産物の発現を測定することによって、細胞増殖をアッセイすることができる。この測定は、蛍光強度、酵素的活性、免疫応答性、DNAハイブリット形成、ポリメラーゼ連鎖反応など方法によって検出できるが、限定されない。
【0212】
乱交雑二次メッセンジャーアッセイ
前記細胞の任意の与えられた受容体における多くの異なったシグナル伝達のいずれを通常使用するかを、推測的に、およびGPCR配列に基づいただけで予測することは不可能である。しかしながら、乱交雑なGαサブユニットを使用することにより、事前に選択された経路を介して、機能的分類の異なった受容体にシグナルを誘導することは可能である。たとえば、Gα15またはGα16のような乱交雑Giサブユニット、またはGαqzのようなキメラGαサブユニット、GPCR(これらは特異的なシグナル伝達(たとえばGs、Gi、Gq、G0など)を介して結合することが通常好まれるであろう)は、これらを内因性に供給する細胞に基づいた受容体アッセイ系を提供することによって、乱交雑なGαサブユニットによって限定された経路を介して結合して、アゴニスト活性化において、そのサブユニットの経路に付随する二次メッセンジャーを産出するることが可能である。Gα15、Gα16および/またはGαqzの場合、Gq経路の活性化および二次メッセンジャーIP3の産出は、これを含むかもしれない。同様の戦略および材料を使用することにより、たとえばCa++、cAMPおよびK+電流などの他の二次メッセンジャーを産出している経路を介した受容体シグナル伝達に偏らせることが可能である(Milligan,1999)。
【0213】
外因的に供給したGαサブユニットと受容体の乱交雑な相互作用は、可能性のあるそれぞれのシグナル伝達経路に対して異なるアッセイを実施する必要性を減らし、受容体活性化における機能的なシグナルを検出する機会を増加させる。
【0214】
アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞の電流を記録するための方法
アフリカツメガエル(Xenopus laevis)より卵母細胞を回収し、すでに記述したようにmRNA転写物を注入する(Quick and Lester,1994、Smithら、1997)。本発明の試験受容体およびGαサブユニットRNA転写物は、遺伝子の完全コード領域を含む直線化したプラスミド、またはPCR産物からT7ポリメラーゼ(「メッセージ マシーン(Message Machine)」 Ambion)を用いて合成する。卵母細胞に10ngの合成受容体RNAを注入し、17℃にて3〜8日間インキュベートする。結合してCa++で活性化されたCl−電流を観察するために、記録する3〜8時間前に卵母細胞に500pgの乱交雑なGαサブユニットmRNAを注入する。1〜2MOhmの抵抗を持つ3M KCl充填ガラスマイクロ電極を使用して、二電極電流クランプ(Axon Instruments Inc.)が実施される。他に特定しない限り、卵母細胞は−80mVの保持電位で電圧固定する。記録の間、96mM NaCl、2mM KCl、1.8mM CaCl2、1mM MgCl2および5mM HEPES,pH7.5(ND96)を含む連続的に流れる(1〜3ml/分)培地中に卵母細胞を浸す。薬物を、卵母細胞から0.5mmの距離に固定された10μlのガラスキャピラリーチューブによる局所散布によって、または連続した重力供給散布ラインからスイッチングすることによって、いずれかによって供給される。
【0215】
受容体mRNAと、G−タンパク質で活性化される内向整流チャネル(GIRK1およびGIRK4、米国特許第5,734,021号および第5,728,535号、またはGIRK1およびGIRK2)の遺伝子をコードする合成mRNAとの混合物、または任意の他の好ましい組合せ(たとえばInanobeら、1999を参照のこと)を他の卵母細胞に注入してもよい。G−タンパク質内向整流K+(GIRK)チャネル1、2および4(GIRK1、GIRK2およびGIRK4)をコードする遺伝子は、適切な5’および3’プライマーを駆使するために、公表されている配列を用いたPCRによって得てもよい(Kuboら、1993、Dascalら、1993、Krapivinskyら、1995および1995b)。ヒト心臓または脳cDNAを、適切なプライマーと共にテンプレートとして使用してよい。
【0216】
アフリカツメガエル卵母細胞においてGPCRsを外因性に発現することは、アゴニスト刺激によって活性化されるシグナル伝達系路を同定するために広く使用されてきた(Gundersenら、1983、Takahashiら、1987)。SNORF25受容体に対するmRNAが先に注入された卵母細胞に、ND96溶液中の試験化合物を添加して、約−80mVの保持電位における内向電流を観察することによって、ホスホリパーゼC(PLC)経路の活性化をアッセイする。−25mVで逆転し、Ca++で活性化されたCl−チャネルに他の特性を示す電流が出現することにより、PLCの受容体活性化およびIP3および細胞内Ca++の放出が示される。このような活性化は、GqまたはG11と結合するGPCRsによって示される。
【0217】
GPCR刺激によるCa++で活性化されたCl−電流に、G−タンパク質のGi/0クラスが関与することを、Gi/o G−タンパク質を不活性化する毒素であるPTXを使用して評価する。卵母細胞に25ngのPTX/卵母細胞を注入して、SNORF25受容体によってCa++で活性化されたCl−電流が調節されることを2〜5時間連続的に評価する。
【0218】
細胞内cAMPの上昇は、卵母細胞内に嚢胞性線維症膜伝導性レギュレーター(CFTR)(そのCl−選択的な孔が、タンパク質キナーゼAによるリン酸化に応答して開く(Rioedan,1993))が発現することよってモニターできる。卵母細胞に発現するRNA転写物を調製するために、CFTR遺伝子の公表された配列(Riordan,1993)に由来する5’および3’プライマーを使用したPCRによりテンプレートを作製した。5’プライマーは、T7ポリメラーゼをコードする配列を含んでいたため、転写物はクローニングせずにPCR産物から直接、作製されるであろう。10〜15ngのSNORF25のmRNAに加えて10ngのCFTR mRNAを卵母細胞に注入した。18℃にて、2〜3日間のインキュベーションした後に、ND96中で電気生理学的記録を行った。1〜2MOhmの抵抗を持つ3M KCl充填ガラスマイクロ電極を持つデュアル電極電圧クランプ(Axon Instruments Inc.)の下で電流を記録する。他に特定しない限り、卵母細胞は−80mVの保持電位に電圧固定する。記録の間、96mM NaCl、2mM KCl、1.8mM CaCl2、1mM MgCl2および5mM HEPES,pH7.5(ND96)を含む連続的に流れる(1〜3ml/分)培地中に卵母細胞を浸す。薬物を、卵母細胞から0.5mmの距離に固定された10μlのガラスキャピラリーチューブによる局所散布によって、または連続した重力供給散布ラインからスイッチングすることによって、いずれかによって供給される。
【0219】
Gタンパク質GiおよびGoの活性化は、内向整流K+(カリウム)チャネル(GIRKs)の活性を測定することでモニタできる。活性は、ほ乳類受容体+GIRKサブユニットをコードするmRNAを共注入した卵母細胞でモニターしてもよい。GIRK遺伝子産物は、共−集合して、GiまたはGoと結合する多くのGPCRによって活性化される(すなわち刺激される)ことが知られている(Kuboら、1993、Dascalら、1993)Gタンパク質活性化カリウムチャネルを形成する。ほ乳類受容体+GIRKサブユニットを発現している卵母細胞では、49mMのK+を含む上昇K+溶液中のK+電流を測定することによって、試験化合物に対する応答性をが試験される。
【0220】
ヒトおよびラットSNORF25をコードするmRNAの局在
方法:蛍光遺伝子プローブのリアルタイム検出を用いた定量的RT−PCR
SNORF25ラットおよびヒトRNAの局在を特徴づけるために、蛍光遺伝子プローブおよびヒト、ラット組織から抽出したmRNAのパネルを用いた定量性RT−PCRを使用した。
【0221】
本アッセイは、従来のPCR増幅における2種のオリゴヌクレオチド、並びにオリゴヌクレオチドの5’末端がレポーターで、および3’末端がクエンサーで標識された第3の特異的オリゴヌクレオチドプローブを利用する。本発明において、FAM(6−カルボキシフルオレセイン)およびJOE(6−カルボキシ−4,5−ジクロロ−2,7−ジメチオキシフルオレセイン)が利用した二種のレポーターであり、TAMRA(6−カルボキシ−4,7,2,7’−テトラメチルローダミン)がクエンサーである。増幅が進行することにより、標識したオリゴヌクレオチドプローブが、増幅に使用した2種のオリゴヌクレオチド間の遺伝子配列とハイブリダイゼーションする。標識化プローブを開裂させるために、Taq、またはrTth温度安定DNAポリメラーゼのヌクレアーゼ活性を利用する。これは、レポーターからクエンサーを引き離し、生成したアンプリコンの量に直接的に比例する蛍光シグナルを生成する。この標識化プローブは、高い程度で特異性を付与する。標識化プローブがハイブリダイズしないので、非特異的増幅は検出されない。すべての実験を、PE7700 シークエンス検出系(Sequence Detection System)(Perkin Elmer,Foster City,CA)で実施した。
【0222】
定量性RT−PCR
SNORF25をコードするRNAを検出するために、組織から抽出したmRNAで定量的RT−PCRを行った。rTth温度安定DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)を用いて、50μl容量で逆転写およびPCR反応を実施した。以下の配列を持つプライマーを使用した:
SNOR25 ヒト
フォワードプライマー:
SNORF25−765F
5’−CCTCTACCTAGTGCTGGAACGG−3’(配列番号:18)
リバースプライマー:
SNORF25−868R
5’−GCTGCAGTCGCACCTCCT−3’(配列番号:19)
蛍光オリゴヌクレオチドプローブ:
SNORF25−814T
5’(6−FAM)−TCCCTGCTCAACCCACTCATCTATGCCTATT−(TAMRA)3’(配列番号:20)
SNORF25 ラット
フォワードプライマー:
SNORF25−231F
5’−GTGTAGCCTTCGGATGGCA−−3’(配列番号:21)
リバースプライマー:
SNORF25−329R
5’−GGCTGCTTAATGGCCAGGTAC−3’(配列番号:22)
蛍光オリゴヌクレオチドプローブ:
SNORF25−278T
5’(6−FAM)−TCCTCACGGTCATGCTGATTGCCCTTT−(TAMRA)3’(配列番号:23)
これらのプライマー対を使用し、アンプリコンの長さは、ヒトSNORF25では104bp、ラットSNORF25では99bpである。それぞれのRT−PCR反応には50ngのmRNAが含んだ。オリゴヌクレオチド濃度は:フォワードおよびリバースプライマーが500nM、蛍光プローブが200nMであった。各反応液中の試薬の濃度は、300μM dGTP、dATP、dCTP、600μM UTP、3.0mM Mn(OAc)2、50mM ビシン(Bicine)、115mM 酢酸カリウム、8%ユニット ウラシルN−グリコシラーゼであった。RT−PCR反応のための緩衝液も、受動参照として使用した蛍石を含んだ(ROX:Perkin Elmer特許登録受動参照I)。(mRNAおよびオリゴヌクレオチドを除く)RT−PCRに関するすべての試薬はPerkin Elmer(Foster City,CA)より得た。反応は、以下の温度循環器特性を用いて実施した。50℃で2分間、60℃で30秒間、95℃で5分間、続いて94℃で20秒間、62℃で1分間を40サイクル。
【0223】
PCR反応に対するポジティブコントロールは、プラスミド構築物に由来する標的配列の増幅からなった。定量のための標準曲線は、プラスミドベクター内のヒトSNORF25遺伝子、または膵臓から抽出したRNAを増幅のためのテンプレートとして使用いて構築した。ネガティブコントロールはmRNAブランク、並びにプライマーとmRNAブランクからなった。mRNAがゲノムDNAに混入していないことを確認するために、Taq DNAポリメラーゼを用いた逆転をせずに、RCR反応を行った。RNAの完全性を、シクロフィリンまたはグリセルアルデヒド 3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)をコードするmRNAを増幅することによって査定した。逆転写およびPCR増幅に続いて、データをPerkin Elmer配列検出ソフトウェアを用いて解析した。それぞれのウェルからの蛍光シグナルを、内部受動参照を用いて正規化し、データを標準曲線に当てはめ、SNORF25 mRNA発現の相対的量を得た。
【0224】
結果と考察
SNORF25の全長配列のクローニング
GH1細胞およびRin14b細胞を含む様々な組織から調整したゲノムDNAおよびcDNAを、ガラ二ン、ソマトスタチン、およびオピオイド受容体ファミリーのメンバーの第三膜貫通領域、およびガラニン受容体ファミリーのメンバーの第七膜貫通領域に基づいて設計した2つの縮重プライマーを用いたMOPAK PCRにかけた。この反応による3つの産物は、いずれの向きでも(前方向または逆方向)同一のクローンであった。このクローンは、Genbank、SwissProtPlus、GSS、EST、またはSTSデータベースでは見いだせない新規配列であることが分かった。それは他の既知Gタンパク質結合受容体と有意な相同性を含んでいた(既知受容体領域D1、ベータ−アドレナリン作用性2bおよび5−HT1Fと−29%の同一性、5−HT受容体と34%の同一性)。この受容体配列は後にSNORF25と命名され、上記の方法の節に記載のように5’および3’のcDNA末端の急速増幅(RACE)のプライマーを設計するために用いた。5’RACE反応は、第一膜貫通領域、およびコザックコンセンサス配列(ACCATGG)に囲まれた推定インフレームの開始メチオニンをコードする配列を通して配列情報を与えた。
【0225】
3’RACE反応では、アガロースゲル電気泳動によって、600bpのバンドを得た。このバンドをTAクローニングキット内にサブクローニングし、単離したコロニーの配列を決定した。これらの産物の配列は、第七膜貫通領域をコードする領域の下流にインフレームの終止コドンが存在することを明らかにした。SNORF25のコード配列全体の大きさは、1005bpであり、335のアミノ酸からなるタンパク質をコードすると決定された。2つのプライマー、JAB86とJAB84は、Expand Long PCR系を用いて、Rin14b細胞系cDNAおよびラットゲノムDNA由来のコード配列全体を増幅するために使用した。この反応のためのプライマーは、5’および3’プライマーそれぞれの5’末端に組み込まれたBamHIおよびHindIII制限部位を持つSNORF25の5’および3’非翻訳領域に特異的であった。これらの反応産物をpcDNA3.1(−)にサブクローン化し、配列を決定したところ、Rin14bクローンおよびゲノムクローンの配列が同一であることが分かり、ラットSNORF25を含むベクター構築物をpcDNA3.1−rSNORF25と命名した。
【0226】
全長クローンのアミノ酸配列の疎水性(Kyte−Doolittle)分析では、7つの疎水性領域が存在することを示し、それはGタンパク質結合受容体の7つの膜貫通領域と一致する。予想される7つの膜貫通領域を図4に示す。ラットSNORF25ヌクレオチドおよびペプチド配列とGenbank、EMBL、およびSwissProtPlusデータベースに含まれる配列との比較により、この受容体のアミノ酸配列がヒスタミン、アデノシン、セロトニン、ベータアドレナリン作用性、およびドーパミン受容体ファミリーに最も関連性があることを示し、これらの受容体は全体にわたり25−30%一致性の示しす。N−およびC−末端は比較的短く、アデノシン受容体ファミリーにより似ている。しかしながら、膜貫通領域の解析では、この受容体が、他のGPCRの膜貫通領域内と有意な程度の同一性を共有することを示す。SNORF25の全ての膜貫通領域と、GPCR膜貫通領域の総合的なリストとの同時比較では、SNORF25の膜貫通領域が、ベータアドレナリン作用性受容体1および2とそれぞれ31%および32%、並びに5−HTおよび5−HT58受容体とそれぞれ32%および36.6%の最も高い程度で同一性を持つことを示唆しうる。膜貫通領域をFASTA検索により個々に分析すると、SNORF25は、様々な既知Gタンパク質結合受容体とかなりの類似性を示す。
【0227】
SNORF25のヒト相同体をクローン化するために、ラットSNORF25の第二および第五膜貫通領域に基づいて設計した標識化オリゴヌクレオチドプローブを用いて、ヒトゲノムコスミドライブラリーをストリンジェントな培地でスクリーニングした。およそ225,000のスクリーニングされたコロニーの中から、2つのコロニーをプローブとハイブリダイゼーションさせた。それぞれのコロニーを単離、解析後、これらの2つのコロニーがSNORF25のヒト相同体を含む同一のコスミドであると決定した。このコスミドのいくつかの制限切断物によるサザンブロット解析、およびその後の陽性バンドのシーケンスにより、このコスミドのBamHI/HindIII切断物が、このヒトクローンの全長コード配列を含む1.9kbの断片として得られたことが示された。pEXJT3T7ベクターのBamHI/HindIII部位にサブクローン化したヒト受容体の構築物は、pEXJT3T7−hSNORF25と命名した。ヒトSNORF25は、ラットSNORF25に対して80%のDNA一致性および83%のアミノ酸一致性を示した。ラット受容体と同様に、ヒトSNORF25のタンパク質コード領域は、1005ヌクレオチド(図1A〜1B)であり、335のアミノ酸からなるタンパク質をコードする(図2A〜2B)。ラットSNORF25のDNAおよびアミノ酸配列はそれぞれ図3A〜3Bおよび4A〜4Bに示す。
【0228】
GenEMBL、SwissProtPlus、EST,STS、およびGSSデータベースの検索により、ヒトSNORF25もまた固有の新規配列であることが確かめられた。ラットSNORF25との一致性の他に、アデノシン2a、5−HT4L、5−HT4S、5−HT6、および5−HT7、ドーパミンD1およびD3、そしてソマトスタチン5受容体と全体で28〜30%の一致性を共有する。また、アデノシンA1、ヒスタミンH1および2、ベータアドレナリン作用性1、およびソマトスタチン2および3受容体と25−26%の一致性を持つ。ヒトSNORF25の全ての膜貫通領域と、GPCR膜貫通領域の総合的なリストを同時に比較することにより、ヒトSNORF25の膜貫通領域がベータ1および2アドレナリン作用性受容体(それぞれ29%および32%)および5−HT4に対して最も高い程度の一致性を持つことが示唆されうる。ヒトSNORF25の個々の膜貫通領域は、他のいくつかのGタンパク質結合受容体に由来する膜貫通領域と有意な一致性を持つ。
【0229】
ラットおよびヒト両方のSNORF25は、それらのアミノ酸配列中にいくつかの潜在的タンパク質キナーゼC(PKC)リン酸化モチーフを持つ。どちらの受容体においても、スレオニン73、セリン79、およびセリン309が潜在的PKCリン酸化部位である。ヒト受容体は、セリン214にさらなる推定PKCリン酸化部位を持つ(それはラットSNORF25ではプロリンである)。両方の受容体が、セリン329に潜在的カゼインキナーゼII(CKII)リン酸化部位を共有する。またヒトSNORF25は、さらに2つの潜在的CKIIリン酸化部位、スレオニン217およびセリン331を持ち、それらはラット受容体には存在しない。逆に、ラットSNORF25はチロシン323に潜在的チロシンリン酸化部位を持ち、それはヒト受容体には存在しない。
【0230】
SNORF25トランスフェクト細胞のcAMP応答
エレクトロポレーションを用いて、CHO細胞内にSNORF25 cDNAを含む発現ベクター(pcDNA)をトランスフェクトした。プレーティングした後、これらのリガンドの受容体とSNORF25の相同性(上記参照)に基づいて、その他の物質中にヒスタミン、アデノシン、セロトニン、ノルエピネフリン、およびドーパミンなどの在来の神経伝達物質のいくつかを含むリガンドライブラリーで前記トランスフェクタントを感作し、上記のモックがトランスフェクトされた細胞がcAMPまたはIP放出を刺激する能力を試験した。興味深いことに、SNORF25トランスフェクト細胞の基礎cAMPレベルは、モックがトランスフェクトされた細胞よりも有意に高かった(>10倍)(図5)。この観察結果は、SNORF25受容体が機能的にcAMP刺激経路に結合しうることを示唆する。試験したリガンドの中で、全トランスレチノイン酸(ATRA)だけが、モックがトランスフェクトされたCHO細胞中においてこれらの要素に影響を与えずに、SNORF25トランスフェクト細胞のcAMPを有意に増加させたが、IP放出は増加させなかった。ATRA濃度10μMで起こった応答(上記基礎の2〜5倍)は、アデニルシクラーゼの強力な直接的刺激物質であるホルスコリンによって産生されるものに匹敵する(図6)(n=3)。
【0231】
モックおよびSNORF25がトランスフェクトされたCos−7細胞におけるホルスコリンに対する応答は、ほとんど同一であることから(図6)、SNORF25を発現する細胞において観察されたATRAに対する増強された最大応答(モックDNAトランスフェクト細胞に比べて)が、細胞密度または細胞固有の性質が変化したためではないことが示唆される。ATRAに近い類似体である全トランスレチノール(ビタミンA1)は、10μMでcAMPを増加させなかった(図6)。
【0232】
続く実験では、Cos−7細胞においても観察されたので、ATRAで誘導されるcAMP形成の増加が、宿主細胞に依存しないことを実証された(n=3)(図7)。全トランスレチノイン酸が、ドーパミンD1、D5、セロトニン5−HT4および5−HT6受容体を含むほかの既知シクラーゼ刺激性受容体がトランスフェクトされたCos−7細胞において、何の応答も起こさなかったことから、ATRAで観察された応答が、SNORF25トランスフェクト細胞に特有であることを示している(図7)。
【0233】
Cos−7細胞におけるATRAに対するcAMP応答は、EC50値がおよそ0.2〜1μMであり、およびEmaxがおよそ200〜300%であり濃度依存的である(図8)。
【0234】
SNORF25を発現するアフリカツメガエル(Xenopus)の卵細胞におけるカルシウムで活性化されるCI−流動の活性化
細胞内cAMPの増加は、嚢胞性繊維症膜貫通伝導性レギュレーター(CFTR)(タンパク質キナーゼAによるリン酸化に応答して、そのCI−選択的な孔が開く)の発現により卵細胞中で観測することができる(Riordan,1993)。従って、SNORF25をコードするmRNA、およびCFTRをコードするmRNAを共に注入した卵細胞において、SNORF25の活性を試験した。これらの卵母細胞39個のうち17個において、10μMの全トランスレチノイン酸の投与に応答して、内部CI−の流動(105±20nA)が測定された(図9A〜9Cおよび10を参照のこと)。
【0235】
CFTRチャンネルをコードするmRNAのみを注入した他の卵細胞では、そのような流動が観察されなかったので、この応答はSNORF25の発現に特異的であった。β2−アドレナリン作用性受容体(B2AR)を注入した卵細胞において、同様の流動が観察されたが(図9C参照)、SNORF25発現卵細胞により生じる流動は大体2〜3倍遅く、少なかった。全トランスレチノイン酸は、CFTR欠損卵細胞におけるCl−流動を刺激しないことから、Gq−を介したホスホリパーゼC経路が活性化されなかったことを示している。GPCR結合GiおよびGoをホスホリパーゼC経路に結合させることができるキメラGタンパク質を発現する卵細胞においても、応答は引き起こされなかった。総合すると、これらの観察結果は、SNORF25が全トランスレチノイン酸に結合し、(おそらくGsの活性化を経由して)cAMPの産生を刺激するGPCRをコードするという仮説が支持される。
【0236】
他の系において、全トランスレチノイン酸は、いくつかの核受容体の1つを刺激する(背景を参照のこと)。これにより1以上の遺伝子の転写が増強される。卵母細胞におけるSNORF25の発現は、通常の非注入卵細胞には存在しない、全トランスレチノイン酸の核受容体(刺激された時に、cAMPの増大を生じる)を発現させる。この場合、レチノイン酸は必ずしもSNORF25受容体に結合しないが、レチノイン酸の既知または新規核受容体に作用するであろう。このようなレチノイン酸が間接的に作用する機構は、なぜリガンドが卵細胞の6群のうち3群でCFTR応答を誘発しなかったか(39の卵細胞中17)、またなぜB2アドレナリン作用性受容体などのよく特徴づけられたGPCRの活性化によって、応答が引き起こされた条件下で観察されるものよりもCFTRの活性化速度が2〜3倍遅かったかを説明しうる(図9C)。それにもかかわらず、レチノイン酸によるCFTRの活性化の遅延は約10秒でのオーダーであり、核受容体の活性化は、一般的に数分から数時間の範囲である。したがって、我々は、レチノイン酸活性化の間接的機構を除外できないが、SNORF25を発現する卵細胞の応答における相対的に急速な開始が、そのような機構があり得ないことを示唆している。
【0237】
ヒトSNORF25をコードするmRNAの検出
多数の組織(表1に一覧してある)からmRNAを単離し、記載したように分析した。
【0238】
蛍光遺伝子プローブを用いた定量的RT−PCRにより、アッセイしたほとんどの組織で、ヒトSNORF25をコードするmRNAが発現していることが実証された(表1)。ヒトSNORF25 mRNAの最高レベルは、膵臓、胃、小腸および胎児の肝臓で見られ、他の場所ではそれよりも低いレベルであった。ほとんどの神経系の構成体では末梢の器官に比べSNORF25 mRNAの発現が少なかった。
【0239】
SNORF25発現の最高レベルは膵臓で見られた。膵臓は、様々な普遍的活性物質(インスリンなど)を分泌しており、このことはSNORF25が、内分泌機構を経由しうる多様な代謝機能の調節に役割を果たしている可能性を示唆している。SNORF25は、ラットインスリノーマ細胞株においても発現していることから、膵臓においてSNORF25が発現していることに不思議はない。この発見は、肝臓におけるSNORF25 mRNAの検出、並びにグルコースレベルの調節および糖尿病において役割をはたす可能性を示す。
【0240】
SNORF25 mRNAが高レベルである他の組織は、胃と小腸である。これらの組織構造に分布することは、胃腸内の運動性または吸収に関する機能と一致する。現時点では、SNORF25 mRNAが平滑筋に局在するのか、または粘膜/粘膜下層に局在するのかは分からない。
【0241】
非常に低いレベルで検出されたが、視床および海馬構造(CNSの中で最もレベルが高い部位)を含むCNSの多様な領域、およびその他の機能的で多様な領域に、SNORF25 mRNAが存在することにより、この受容体の広い調節機能、または局所的機能性が示される。
【0242】
ヒトSNORF25 mRNAは、発生時に調節されていると思われる。胎児の肝臓におけるmRNAのレベルは、成人膵臓の測定値とほぼ等しい(83%)。しかしながら、成人の組織では、膵臓で見られた量の1%以下に低下している。発生を通じて、SNORF25mRNAの甚大な変化は、肝臓の成熟における役割、または発生中のグルコース要求量/レベルを調節する役割があることを意味している。この増加に対する時間経過は調査されておらず、この受容体の機能を理解することが重要だと思われる。
【0243】
要約すると、SNORF25受容体mRNAの分布は、中枢神経系はもちろん、多様な器官系、内分泌機構を含む広範な調節機能に関係する。
【0244】
ラットSNORF25をコードするmRNAの検出
ヒトSNORF25 mRNAの限定された分布と違って、ラットにおけるSNORF25 mRNAは、広く分布している。ラットとヒトの分布における一つの著しい違いは、ラット中枢神経系で検出される高レベルのSNORF25 mRNAである。ヒトでは、最高濃度のSNORF25 mRNAは、膵臓でみられ、CNS構造では、非常に低いレベルであった。ラットでは、最高レベルのSNORF25 mRNAが海馬構造でみられ、次いで大脳皮質、小脳、視床下部、脈絡脈叢および骨髄において、高レベルに検出された。SNORF25 mRNAはまた、背根および三叉神経節においても検出された。SNORF25 mRNAは、ラット膵臓、およびその他の末梢器官において検出されたが、CNSにおけるレベルよりもはるかに低いレベルで存在する。
【0245】
ラットSNORF25は、アッセイしたほとんどの組織で検出された。膵臓に加え、肺、結腸、十二指腸、卵巣、腎臓および副腎においてもかなりの量で発現した。表2に示すように、その他の組織でも少ない量で検出された。
【0246】
要約すると、ラットSNORF25受容体mRNAの広い分布は、中枢神経系はもちろん、多様な器官系、内分泌機構を含む広い調節機構を意味している。ヒトとラットで見られる分布パターンの違いは、ラットではこの受容体がヒトと比較して異なった役割を持つ可能性を示唆している。
【表1】
【表2】
【参照文献】
【0247】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほ乳類SNORF25受容体をコードする単離された核酸。
【請求項2】
前記核酸がDNAである請求項1に記載の核酸。
【請求項3】
前記DNAがcDNAである請求項2に記載の核酸。
【請求項4】
前記DNAがゲノムDNAである請求項2に記載の核酸。
【請求項5】
前記核酸がRNAである請求項1に記載の核酸。
【請求項6】
前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF25受容体である請求項1に記載の核酸。
【請求項7】
請求項6に記載の核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)によってコードされるアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する核酸。
【請求項8】
請求項6に記載の核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、図2A-2B(配列番号2)に示されたアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する核酸。
【請求項9】
前記ほ乳類SNORF25受容体が、ラットSNORF25受容体である請求項1に記載の核酸。
【請求項10】
請求項9に記載の核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、プラスミドpcDNA3.1-SNORF25(ATCC登録番号203494)によってコードされる配列とアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する核酸。
【請求項11】
請求項9に記載の核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、図4A-4B(配列番号4)に示されたアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する核酸。
【請求項12】
精製されたほ乳類SNORF25受容体タンパク質。
【請求項13】
前記ほ乳類SNORF25受容体タンパク質が、ヒトSNORF25受容体タンパク質である、請求項9に記載の精製されたほ乳類SNORF25受容体タンパク質。
【請求項14】
前記ほ乳類SNORF25受容体タンパク質が、ラットSNORF25受容体タンパク質である、請求項9に記載の精製されたほ乳類SNORF25受容体タンパク質。
【請求項15】
請求項1に記載の核酸を含むベクター。
【請求項16】
請求項6に記載の核酸を含むベクター。
【請求項17】
細胞での発現のために適合された請求項15または16に記載のベクターであって、前記受容体をコードする核酸と動作可能に結合されてその発現を可能にする、細胞内で前記核酸を発現させるために必要な調節エレメントを含み、前記細胞が細菌、両生類、酵母、昆虫、またはほ乳類細胞であるベクター。
【請求項18】
前記ベクターがバキュウロウイルスである請求項17に記載のベクター。
【請求項19】
前記ベクターがプラスミドである請求項15に記載のベクター。
【請求項20】
pEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)と命名された請求項19に記載のプラスミド。
【請求項21】
pcDNA3.1-SNORF25(ATCC登録番号203494)と命名された請求項20に記載のプラスミド。
【請求項22】
請求項18に記載のベクターを含む細胞。
【請求項23】
前記細胞が非ほ乳類細胞である請求項22に記載の細胞。
【請求項24】
前記非ほ乳類細胞細胞がゼノパス卵母細胞またはゼノパスメラニン保有細胞である、請求項23に記載の細胞。
【請求項25】
前記細胞がほ乳類細胞である請求項22に記載の細胞。
【請求項26】
請求項25に記載のほ乳類細胞であって、前記細胞がCOS-7、293ヒト腎胚細胞、NIH−3T3細胞、LM(tk−)細胞、マウスY1細胞、またはCHO細胞である細胞。
【請求項27】
前記細胞が昆虫細胞である請求項27に記載の細胞。
【請求項28】
請求項27に記載の細胞であって、前記昆虫細胞が、Sf9細胞、Sf21細胞、またはTrichoplusia ni 5B-4細胞である細胞。
【請求項29】
請求項22、23、25、26、27、または28のいずれか一項に記載の細胞から単離された膜プレパレーション。
【請求項30】
ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、前記プローブは、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)に含まれるほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸の二本鎖の一本に存在する独特の配列と相補的な配列を有するプローブ。
【請求項31】
少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、プラスミドpcDNA3.1-SNORF25(ATCC登録番号203494)に含まれるほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸の二本鎖の一本に存在する独特の配列と相補的な配列を有するプローブ。
【請求項32】
少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図1A-1B(配列番号1)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブ。
【請求項33】
少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図3A-3B(配列番号3)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブ。
【請求項34】
前記核酸がDNAである、請求項32または33に記載の核酸プローブ。
【請求項35】
前記核酸がRNAである、請求項32または33に記載の核酸プローブ。
【請求項36】
前記RNAの転写を阻害するために、請求項5に記載のRNAと特異的にハイブリダイズすることが可能な配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項37】
前記ゲノムDNAの転写を阻害するために、請求項5に記載のゲノムDNAと特異的にハイブリダイズすることが可能な配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項38】
請求項36または37に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、化学的に修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチド。
【請求項39】
請求項1に記載の核酸によってコードされるほ乳類SNORF25受容体に結合することが可能な抗体。
【請求項40】
請求項39に記載の抗体であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF25受容体またはラットSNORF25受容体である抗体。
【請求項41】
請求項39の抗体とほ乳類SNORF25受容体との結合を、競合的に阻害することが可能な薬剤。
【請求項42】
前記抗体がモノクローナル抗体、または抗血清である請求項39に記載の抗体。
【請求項43】
(a)細胞膜を通過することが可能で、かつほ乳類SNORF25受容体の発現を減少するために有効な量の、請求項36に記載のオリゴヌクレオチドと、
(b)細胞膜を通過することが可能な薬学的に許容可能なキャリア、
とを含む医薬組成物。
【請求項44】
請求項43に記載の医薬組成物であって、前記オリゴヌクレオチドがmRNAを不活性化する物質と結合された医薬組成物。
【請求項45】
請求項44に記載の医薬組成物であって、前記mRNAを不活性化する物質がリボザイムである医薬組成物。
【請求項46】
請求項44に記載の医薬組成物であって、前記薬学的に許容可能なキャリアは、細胞のほ乳類SNORF25受容体と結合する構造物を含み、前記受容体は該構造物と結合した後に、前記細胞に取り込まれることが可能な医薬組成物。
【請求項47】
請求項44に記載の医薬組成物であって、前記薬学的に許容可能なキャリアは、選択された細胞タイプに特異的なほ乳類SNORF25受容体と結合することが可能である医薬組成物。
【請求項48】
リガンドとヒトSNORF25受容体の結合をブロックするために有効な請求項39に記載の抗体のある量、および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物。
【請求項49】
請求項1に記載のほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAを発現するトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項50】
天然のほ乳類SNORF25受容体をノックアウトする相同組換えを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項51】
トランスジェニック非ヒトほ乳類であって、そのゲノムは、請求項1に記載のほ乳類のSNORF25受容体をコードするDNAに相補的なアンチセンスDNAを含み、該アンチセンスDNAは、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAと相補的で、かつほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAとハイブリダイズするアンチセンスmRNAに転写されるようにゲノム内に配置されることにより、mRNAの転写、および受容体の発現を減少させるトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項52】
請求項49または50に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類であって、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが、さらに誘導可能なプロモーターを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項53】
請求項49または50に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類であって、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが、さらに組織特異的調節エレメントを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項54】
前記トランスジェニック非ヒトほ乳類がマウスである、請求項49、50、または51に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項55】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードして、かつその細胞表面に発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、結合および検出に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法。
【請求項56】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、前記SNORF25受容体をコードし、かつ細胞表面に前記SNORF25受容体を発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)の膜プレパレーションを、結合に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法。
【請求項57】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF25受容体である方法。
【請求項58】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)によってコードされるヒトSNORF25受容体と実質的に同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項59】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、図2A-2B(配列番号2)に示される配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項60】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、図2A-2B(配列番号2)に示される配列と同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項61】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ラットSNORF25受容体である方法。
【請求項62】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、プラスミドpcDNA3.1-SNORF25(ATCC登録番号203494)によってコードされるヒトSNORF25受容体と実質的に同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項63】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、図4A-4B(配列番号4)に示される配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項64】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、図4A-4B(配列番号4)に示される配列と同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項65】
請求項55または56に記載の方法であって、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない方法。
【請求項66】
請求項65に記載の方法によって同定された化合物。
【請求項67】
請求項55または56に記載の方法であって、前記細胞が昆虫細胞である方法。
【請求項68】
請求項55または56に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類細胞である方法。
【請求項69】
請求項68に記載の方法であって、前記細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項70】
請求項69に記載の方法であって、前記非ニューロン細胞が、COS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である方法。
【請求項71】
請求項68に記載の方法であって、前記化合物が、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない化合物である方法。
【請求項72】
請求項71の方法によって同定された化合物。
【請求項73】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法。
【請求項74】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をその細胞表面に発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)から調製した膜試料を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法。
【請求項75】
請求項73または74に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF251受容体である方法。
【請求項76】
請求項73または74に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がラットSNORF251受容体である方法。
【請求項77】
請求項73または74に記載の方法であって、前記細胞が昆虫細胞である方法。
【請求項78】
請求項73または74に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類細胞である方法。
【請求項79】
請求項77に記載の方法であって、前記細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項80】
請求項79に記載の方法であって、前記非ニューロン細胞がCOS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である方法。
【請求項81】
請求項80に記載の方法であって、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない化合物である方法。
【請求項82】
請求項81の方法によって同定された化合物。
【請求項83】
ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞と、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合することが既知である化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、工程(a)の試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが公知でない化合物を接触させることと;
(c) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下における化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(d) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体との結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法。
【請求項84】
ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞から調整した膜試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知の前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下での前記化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体の結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法。
【請求項85】
請求項83または84に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF251受容体である方法。
【請求項86】
請求項83または84に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がラットSNORF252受容体である方法。
【請求項87】
請求項83または84に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類細胞である方法。
【請求項88】
請求項87に記載の方法であって、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項89】
請求項88に記載の方法であって、前記非ニューロン細胞がCOS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、LM(tk−)細胞、CHO細胞、マウスY1細胞、又NIH−3T3細胞、である方法。
【請求項90】
ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAの存在を検出することによってほ乳類SNORF25受容体の発現を検出する方法であって、細胞から総mRNAを得ることと、そのようにして得たmRNAを請求項30、31、32、または33のいずれかに記載の核酸プローブと、ハイブリダイズ条件下で接触させることと、該プローブとハイブリダイズしたmRNAを検出することにより、前記細胞によるほ乳類SNORF25受容体の発現を検出することとを含む方法。
【請求項91】
細胞表面のほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法であって、細胞と請求項39に記載の抗体とを、抗体と受容体の結合に適した条件下で接触させることと、前記細胞に結合した前記抗体の存在を測定することにより、細胞表面におけるほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法。
【請求項92】
ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体活性が、ほ乳類SNORF25受容体の発現を調節する誘導可能なプロモーターの使用によって変更される、請求項49に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類を作製することを含む方法。
【請求項93】
ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、異なった量のほ乳類SNORF25受容体をそれぞれに発現する請求項49に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類集団を作製することを含む方法。
【請求項94】
ほ乳類SNORF25受容体活性の減少によって軽減される異常を軽減することが可能なアンタゴニストを同定する方法であって、請求項49、50、または51に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として前記トランスジェニック非ヒトほ乳類に表れる身体的および行動的異常を軽減するかどうかを測定することを含み、前記異常の軽減によって前記化合物を前記アンタゴニストとして同定する方法。
【請求項95】
請求項94に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項96】
請求項94に記載の方法によって同定されたアンタゴニスト。
【請求項97】
請求項96のアンタゴニストおよびキャリアとを含む組成物。
【請求項98】
ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、請求項97に記載の医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法。
【請求項99】
ほ乳類SNORF25受容体活性を増加することによって軽減される患者の異常を軽減することが可能なアゴニストを同定する方法であって、請求項49、50、または51に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記トランスジェニック非ヒトほ乳類にほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として表れる身体的および行動的異常を、前記化合物が軽減するかどうかを測定することを含み、異常の軽減により前記化合物をアゴニストとして同定する方法。
【請求項100】
請求項99に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項101】
請求項99に記載の方法によって同定されたアゴニスト。
【請求項102】
請求項101に記載の方法によって同定されたアゴニストおよびキャリアを含む組成物。
【請求項103】
ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、請求項102に記載の医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法。
【請求項104】
ほ乳類対立遺伝子に特有な活性に関連した疾患に対する疾病素質を診断する方法であって、
(a) 前記疾患に罹患した患者のDNAを得ることと;
(b) 制限酵素で前記DNAの制限消化を行うことと;
(c) サイズゲル上で電気泳動により、生じたDNA断片を分離することと;
(d) ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸分子の配列に含まれる独特な配列と特異的にハイブリダイズすることが可能で、かつ検出可能なマーカーでラベルされた核酸プローブと、生じたゲルとを接触させることと;
(e) 請求項1に記載のほ乳類SNORF251受容体をコードするDNAにハイブリダイズしたラベルされたバンドを検出して、前記疾患に罹患した患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンを作りだすことと;
(f) 工程(a)〜(e)によって得られる診断用のDNAを調整することと;
(g) 工程(e)の前記疾患に罹患した患者に特有なDNAの独特なバンドパターンと、工程(f)で得られた診断用のDNAとを比較して、パターンが同じか異なるかを測定することにより、パターンが同じであれば前記疾患の質病素質ありと診断することを含む方法。
【請求項105】
請求項104に記載の方法であって、特定のほ乳類対立遺伝子の活性に関連する疾患を診断する方法。
【請求項106】
請求項12に記載の精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体を発現する細胞を培養することと;
(b) 前記細胞から、前記ほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(c) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を精製すること、
を含む方法。
【請求項107】
請求項12に記載の精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を適切なベクターに挿入することと;
(b) 生じたベクターを適切な宿主細胞に導入することと;
(c) 生じた細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の産生を可能にする適切な条件下に置くことと;
(d) 前記そのように産生されたほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(e) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を単離すること、および/または精製すること、
を含む方法。
【請求項108】
化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストかどうかを決定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体の活性のいかなる増加をも検出することにより、前記化合物がSNORF25受容体のアゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法。
【請求項109】
化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストかどうかを測定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少を検出することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法。
【請求項110】
請求項108または109に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項111】
ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の請求項108に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリアとを含む組成物。
【請求項112】
請求項111に記載の組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストが既知でない組成物。
【請求項113】
ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に効果的な量の請求項109に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリアとを含む組成物。
【請求項114】
請求項113に記載の組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストが既知でない組成物。
【請求項115】
化合物が、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ活性化するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物の存在下、および非存在下で前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物の存在下で前記二次メッセンジャー応答が変化することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体を活性化していることが示される方法。
【請求項116】
請求項115に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は、塩素イオンチャンネルの活性化を含み、前記二次メッセンジャーの変化は内部塩素電流のレベルの増加である方法。
【請求項117】
請求項115に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は、細胞内カルシウムレベルの変化を含み、前記二次メッセンジャーの変化は細胞内カルシウムの測定の増加である方法。
【請求項118】
請求項115に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は、イノシトールリン酸の放出を含み、前記二次メッセンジャーの変化はイノシトールリン酸レベルの増加である方法。
【請求項119】
化合物がほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ阻害するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、ほ乳類SNORF25受容体の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知な前記化合物および第二の化合物の両者と接触させ、これとは別に第二の化合物のみの存在下、および第二の化合物と前記化合物の両者の存在下で、前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における前記二次メッセンジャー応答の変化が、前記第二の化合物のみの存在下の場合より少ないことによって、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが示される方法。
【請求項120】
請求項119に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は塩素イオンチャンネルの活性化を含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少ししか内部塩素電流レベルを増加しない方法。
【請求項121】
請求項119に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は細胞内カルシウムレベルの変化を含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少し細胞内カルシウムレベルの測定を増加しない方法。
【請求項122】
請求項119に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答はイノシトールリン酸の放出を含み前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少ししかイノシトールリン酸レベルを増加しない方法。
【請求項123】
請求項115、116、117、118、119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項124】
請求項115、116、117、118、119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法であって、前記細胞が昆虫細胞である方法。
【請求項125】
請求項115、116、117、118、119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類細胞である方法。
【請求項126】
請求項125に記載の方法であって、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項127】
請求項126に記載の方法であって、前記非ニューロン細胞がCOS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である方法。
【請求項128】
請求項115、116、117、118、119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法であって、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない方法。
【請求項129】
請求項128に記載の方法によって決定される化合物。
【請求項130】
ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の請求項115、116、117、または118のいずれか一項に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリアとを含む組成物。
【請求項131】
請求項130に記載の組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストが既知でない組成物。
【請求項132】
ほ乳類SNORF25受容体活性を低下させるために効果的な量の請求項119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリアとを含む組成物。
【請求項133】
請求項132に記載の組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストが既知でない組成物。
【請求項134】
ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する化合物を同定する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で、前記ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない前記複数の化合物と接触させることと;
(b) 一以上の前記化合物の存在下で、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性が増加するかどうかを測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれるいずれかの化合物が、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加するかを別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する各化合物を同定すること、
を含む方法。
【請求項135】
請求項134に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体およびラットSNORF251受容体である方法。
【請求項136】
ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞と前記複数の化合物とを、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で接触させることと;
(b) 前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量が、一以上の前記化合物の存在下で減少されるかどうかを、このような一以上の化合物の非存在下における前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量と比較して、決定することと;もしそうならば、
(c) このようなそれぞれの化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害するかどうかを、前記複数の化合物に含まれるそれぞれの化合物について、別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する、このような複数の化合物に含まれる何れかの化合物を同定すること、
を含む方法。
【請求項137】
請求項136に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF251受容体である方法。
【請求項138】
請求項134、135、136、または137のいずれか一項に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類である方法。
【請求項139】
請求項138に記載の方法であって、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項140】
請求項139に記載の方法であって、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源であるがCOS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、またはLM(tk−)細胞である方法。
【請求項141】
ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に有効な量の、請求項134または135に記載の方法によって同定された化合物、およびキャリアを含む組成物。
【請求項142】
ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に有効な量の、請求項136または137に記載の方法によって同定された化合物、およびキャリアを含む組成物。
【請求項143】
ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アゴニストである化合物を投与することを含む方法。
【請求項144】
ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストである化合物を投与することを含む方法。
【請求項145】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、請求項55、56、73、74、83、または84のいずれか一項に記載の方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規構造のおよび機能的な、その類似体もしくは相同体を合成することを含む方法。
【請求項146】
請求項145に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項147】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、請求項108、115、または134のいずれか一項に記載の方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体または相同体を合成することを含む方法。
【請求項148】
請求項147に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項149】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、請求項109、119、または156のいずれか一項に記載の方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体または相同体を合成することを含む方法。
【請求項150】
請求項149に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項151】
組成物を調製する方法であって、キャリア並びに薬学的に有効な量の請求項55、56、73、74、83、もしくは84のいずれか一項に記載の方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法。
【請求項152】
請求項151に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項153】
組成物を調製する方法であって、キャリア並びに薬学的に有効な量の請求項108、115、もしくは134のいずれか一項に記載の方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法。
【請求項154】
請求項153に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項155】
組成物を調製する方法であって、キャリア並びに薬学的に有効な量の請求項109、119、もしくは136のいずれか一項に記載の方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法。
【請求項156】
請求項155に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項1】
ほ乳類SNORF25受容体をコードする単離された核酸。
【請求項2】
前記核酸がDNAである請求項1に記載の核酸。
【請求項3】
前記DNAがcDNAである請求項2に記載の核酸。
【請求項4】
前記DNAがゲノムDNAである請求項2に記載の核酸。
【請求項5】
前記核酸がRNAである請求項1に記載の核酸。
【請求項6】
前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF25受容体である請求項1に記載の核酸。
【請求項7】
請求項6に記載の核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)によってコードされるアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する核酸。
【請求項8】
請求項6に記載の核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、図2A-2B(配列番号2)に示されたアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する核酸。
【請求項9】
前記ほ乳類SNORF25受容体が、ラットSNORF25受容体である請求項1に記載の核酸。
【請求項10】
請求項9に記載の核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、プラスミドpcDNA3.1-SNORF25(ATCC登録番号203494)によってコードされる配列とアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する核酸。
【請求項11】
請求項9に記載の核酸であって、前記ヒトSNORF25受容体は、図4A-4B(配列番号4)に示されたアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する核酸。
【請求項12】
精製されたほ乳類SNORF25受容体タンパク質。
【請求項13】
前記ほ乳類SNORF25受容体タンパク質が、ヒトSNORF25受容体タンパク質である、請求項9に記載の精製されたほ乳類SNORF25受容体タンパク質。
【請求項14】
前記ほ乳類SNORF25受容体タンパク質が、ラットSNORF25受容体タンパク質である、請求項9に記載の精製されたほ乳類SNORF25受容体タンパク質。
【請求項15】
請求項1に記載の核酸を含むベクター。
【請求項16】
請求項6に記載の核酸を含むベクター。
【請求項17】
細胞での発現のために適合された請求項15または16に記載のベクターであって、前記受容体をコードする核酸と動作可能に結合されてその発現を可能にする、細胞内で前記核酸を発現させるために必要な調節エレメントを含み、前記細胞が細菌、両生類、酵母、昆虫、またはほ乳類細胞であるベクター。
【請求項18】
前記ベクターがバキュウロウイルスである請求項17に記載のベクター。
【請求項19】
前記ベクターがプラスミドである請求項15に記載のベクター。
【請求項20】
pEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)と命名された請求項19に記載のプラスミド。
【請求項21】
pcDNA3.1-SNORF25(ATCC登録番号203494)と命名された請求項20に記載のプラスミド。
【請求項22】
請求項18に記載のベクターを含む細胞。
【請求項23】
前記細胞が非ほ乳類細胞である請求項22に記載の細胞。
【請求項24】
前記非ほ乳類細胞細胞がゼノパス卵母細胞またはゼノパスメラニン保有細胞である、請求項23に記載の細胞。
【請求項25】
前記細胞がほ乳類細胞である請求項22に記載の細胞。
【請求項26】
請求項25に記載のほ乳類細胞であって、前記細胞がCOS-7、293ヒト腎胚細胞、NIH−3T3細胞、LM(tk−)細胞、マウスY1細胞、またはCHO細胞である細胞。
【請求項27】
前記細胞が昆虫細胞である請求項27に記載の細胞。
【請求項28】
請求項27に記載の細胞であって、前記昆虫細胞が、Sf9細胞、Sf21細胞、またはTrichoplusia ni 5B-4細胞である細胞。
【請求項29】
請求項22、23、25、26、27、または28のいずれか一項に記載の細胞から単離された膜プレパレーション。
【請求項30】
ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、前記プローブは、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)に含まれるほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸の二本鎖の一本に存在する独特の配列と相補的な配列を有するプローブ。
【請求項31】
少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、プラスミドpcDNA3.1-SNORF25(ATCC登録番号203494)に含まれるほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸の二本鎖の一本に存在する独特の配列と相補的な配列を有するプローブ。
【請求項32】
少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図1A-1B(配列番号1)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブ。
【請求項33】
少なくとも15ヌクレオチドを含む核酸プローブであって、ほ乳類SNORF25をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、前記プローブは、
(a)図3A-3B(配列番号3)、または
(b)その逆向きの相補鎖、
に存在する独特の配列に相補的な配列を有するプローブ。
【請求項34】
前記核酸がDNAである、請求項32または33に記載の核酸プローブ。
【請求項35】
前記核酸がRNAである、請求項32または33に記載の核酸プローブ。
【請求項36】
前記RNAの転写を阻害するために、請求項5に記載のRNAと特異的にハイブリダイズすることが可能な配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項37】
前記ゲノムDNAの転写を阻害するために、請求項5に記載のゲノムDNAと特異的にハイブリダイズすることが可能な配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項38】
請求項36または37に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、化学的に修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチド。
【請求項39】
請求項1に記載の核酸によってコードされるほ乳類SNORF25受容体に結合することが可能な抗体。
【請求項40】
請求項39に記載の抗体であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF25受容体またはラットSNORF25受容体である抗体。
【請求項41】
請求項39の抗体とほ乳類SNORF25受容体との結合を、競合的に阻害することが可能な薬剤。
【請求項42】
前記抗体がモノクローナル抗体、または抗血清である請求項39に記載の抗体。
【請求項43】
(a)細胞膜を通過することが可能で、かつほ乳類SNORF25受容体の発現を減少するために有効な量の、請求項36に記載のオリゴヌクレオチドと、
(b)細胞膜を通過することが可能な薬学的に許容可能なキャリア、
とを含む医薬組成物。
【請求項44】
請求項43に記載の医薬組成物であって、前記オリゴヌクレオチドがmRNAを不活性化する物質と結合された医薬組成物。
【請求項45】
請求項44に記載の医薬組成物であって、前記mRNAを不活性化する物質がリボザイムである医薬組成物。
【請求項46】
請求項44に記載の医薬組成物であって、前記薬学的に許容可能なキャリアは、細胞のほ乳類SNORF25受容体と結合する構造物を含み、前記受容体は該構造物と結合した後に、前記細胞に取り込まれることが可能な医薬組成物。
【請求項47】
請求項44に記載の医薬組成物であって、前記薬学的に許容可能なキャリアは、選択された細胞タイプに特異的なほ乳類SNORF25受容体と結合することが可能である医薬組成物。
【請求項48】
リガンドとヒトSNORF25受容体の結合をブロックするために有効な請求項39に記載の抗体のある量、および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物。
【請求項49】
請求項1に記載のほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAを発現するトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項50】
天然のほ乳類SNORF25受容体をノックアウトする相同組換えを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項51】
トランスジェニック非ヒトほ乳類であって、そのゲノムは、請求項1に記載のほ乳類のSNORF25受容体をコードするDNAに相補的なアンチセンスDNAを含み、該アンチセンスDNAは、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAと相補的で、かつほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAとハイブリダイズするアンチセンスmRNAに転写されるようにゲノム内に配置されることにより、mRNAの転写、および受容体の発現を減少させるトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項52】
請求項49または50に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類であって、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが、さらに誘導可能なプロモーターを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項53】
請求項49または50に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類であって、前記ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが、さらに組織特異的調節エレメントを含むトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項54】
前記トランスジェニック非ヒトほ乳類がマウスである、請求項49、50、または51に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類。
【請求項55】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードして、かつその細胞表面に発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、結合および検出に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法。
【請求項56】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための方法であって、前記SNORF25受容体をコードし、かつ細胞表面に前記SNORF25受容体を発現するDNAを含有する細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)の膜プレパレーションを、結合に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物とほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含む方法。
【請求項57】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF25受容体である方法。
【請求項58】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、プラスミドpEXJT3T7-hSNORF25(ATCC登録番号203495)によってコードされるヒトSNORF25受容体と実質的に同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項59】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、図2A-2B(配列番号2)に示される配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項60】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、図2A-2B(配列番号2)に示される配列と同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項61】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ラットSNORF25受容体である方法。
【請求項62】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、プラスミドpcDNA3.1-SNORF25(ATCC登録番号203494)によってコードされるヒトSNORF25受容体と実質的に同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項63】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、図4A-4B(配列番号4)に示される配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項64】
請求項55または56に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、図4A-4B(配列番号4)に示される配列と同じアミノ酸配列を有する方法。
【請求項65】
請求項55または56に記載の方法であって、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない方法。
【請求項66】
請求項65に記載の方法によって同定された化合物。
【請求項67】
請求項55または56に記載の方法であって、前記細胞が昆虫細胞である方法。
【請求項68】
請求項55または56に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類細胞である方法。
【請求項69】
請求項68に記載の方法であって、前記細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項70】
請求項69に記載の方法であって、前記非ニューロン細胞が、COS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である方法。
【請求項71】
請求項68に記載の方法であって、前記化合物が、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない化合物である方法。
【請求項72】
請求項71の方法によって同定された化合物。
【請求項73】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法。
【請求項74】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定するための競合的結合を含む方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をその細胞表面に発現している細胞(このような細胞は通常はほ乳類SNORF25受容体を発現しない)から調製した膜試料を、前記化合物および受容体と結合することが既知である第二の化合物の両者と、両化合物の結合に適した条件下で接触させ、またこれとは別に前記第二の化合物のみと接触させることと、前記化合物と前記ほ乳類SNORF25受容体の特異的な結合を検出することとを含み、前記化合物の存在下で、前記第二の化合物とほ乳類SNORF25受容体との結合が減少することによって、前記化合物が前記ほ乳類SNORF25受容体に結合したことが示される方法。
【請求項75】
請求項73または74に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF251受容体である方法。
【請求項76】
請求項73または74に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がラットSNORF251受容体である方法。
【請求項77】
請求項73または74に記載の方法であって、前記細胞が昆虫細胞である方法。
【請求項78】
請求項73または74に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類細胞である方法。
【請求項79】
請求項77に記載の方法であって、前記細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項80】
請求項79に記載の方法であって、前記非ニューロン細胞がCOS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である方法。
【請求項81】
請求項80に記載の方法であって、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない化合物である方法。
【請求項82】
請求項81の方法によって同定された化合物。
【請求項83】
ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞と、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合することが既知である化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、工程(a)の試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが公知でない化合物を接触させることと;
(c) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下における化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(d) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体との結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法。
【請求項84】
ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知である化合物の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、発現している細胞から調整した膜試料と、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない化合物を接触させることと;
(b) ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知の前記化合物の結合が、前記複数の化合物のいずれかの化合物の存在下で減少されるかどうかを、前記複数の化合物の非存在下での前記化合物の結合と比較して測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれる各化合物と、ほ乳類SNORF25受容体の結合を別々に測定することにより、ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する化合物を同定することと、
を含む方法。
【請求項85】
請求項83または84に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF251受容体である方法。
【請求項86】
請求項83または84に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がラットSNORF252受容体である方法。
【請求項87】
請求項83または84に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類細胞である方法。
【請求項88】
請求項87に記載の方法であって、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項89】
請求項88に記載の方法であって、前記非ニューロン細胞がCOS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、LM(tk−)細胞、CHO細胞、マウスY1細胞、又NIH−3T3細胞、である方法。
【請求項90】
ほ乳類SNORF25受容体をコードするmRNAの存在を検出することによってほ乳類SNORF25受容体の発現を検出する方法であって、細胞から総mRNAを得ることと、そのようにして得たmRNAを請求項30、31、32、または33のいずれかに記載の核酸プローブと、ハイブリダイズ条件下で接触させることと、該プローブとハイブリダイズしたmRNAを検出することにより、前記細胞によるほ乳類SNORF25受容体の発現を検出することとを含む方法。
【請求項91】
細胞表面のほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法であって、細胞と請求項39に記載の抗体とを、抗体と受容体の結合に適した条件下で接触させることと、前記細胞に結合した前記抗体の存在を測定することにより、細胞表面におけるほ乳類SNORF25受容体の存在を検出する方法。
【請求項92】
ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、ほ乳類SNORF25受容体活性が、ほ乳類SNORF25受容体の発現を調節する誘導可能なプロモーターの使用によって変更される、請求項49に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類を作製することを含む方法。
【請求項93】
ほ乳類SNORF25受容体の活性レベルの変化による生理的効果を測定するための方法であって、異なった量のほ乳類SNORF25受容体をそれぞれに発現する請求項49に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類集団を作製することを含む方法。
【請求項94】
ほ乳類SNORF25受容体活性の減少によって軽減される異常を軽減することが可能なアンタゴニストを同定する方法であって、請求項49、50、または51に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として前記トランスジェニック非ヒトほ乳類に表れる身体的および行動的異常を軽減するかどうかを測定することを含み、前記異常の軽減によって前記化合物を前記アンタゴニストとして同定する方法。
【請求項95】
請求項94に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項96】
請求項94に記載の方法によって同定されたアンタゴニスト。
【請求項97】
請求項96のアンタゴニストおよびキャリアとを含む組成物。
【請求項98】
ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、請求項97に記載の医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法。
【請求項99】
ほ乳類SNORF25受容体活性を増加することによって軽減される患者の異常を軽減することが可能なアゴニストを同定する方法であって、請求項49、50、または51に記載のトランスジェニック非ヒトほ乳類に化合物を投薬することと、前記トランスジェニック非ヒトほ乳類にほ乳類SNORF25受容体の過剰活性の結果として表れる身体的および行動的異常を、前記化合物が軽減するかどうかを測定することを含み、異常の軽減により前記化合物をアゴニストとして同定する方法。
【請求項100】
請求項99に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項101】
請求項99に記載の方法によって同定されたアゴニスト。
【請求項102】
請求項101に記載の方法によって同定されたアゴニストおよびキャリアを含む組成物。
【請求項103】
ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、請求項102に記載の医薬組成物の有効量を患者に投与することにより、前記異常を治療することを含む方法。
【請求項104】
ほ乳類対立遺伝子に特有な活性に関連した疾患に対する疾病素質を診断する方法であって、
(a) 前記疾患に罹患した患者のDNAを得ることと;
(b) 制限酵素で前記DNAの制限消化を行うことと;
(c) サイズゲル上で電気泳動により、生じたDNA断片を分離することと;
(d) ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸分子の配列に含まれる独特な配列と特異的にハイブリダイズすることが可能で、かつ検出可能なマーカーでラベルされた核酸プローブと、生じたゲルとを接触させることと;
(e) 請求項1に記載のほ乳類SNORF251受容体をコードするDNAにハイブリダイズしたラベルされたバンドを検出して、前記疾患に罹患した患者のDNAに特異的な独特のバンドパターンを作りだすことと;
(f) 工程(a)〜(e)によって得られる診断用のDNAを調整することと;
(g) 工程(e)の前記疾患に罹患した患者に特有なDNAの独特なバンドパターンと、工程(f)で得られた診断用のDNAとを比較して、パターンが同じか異なるかを測定することにより、パターンが同じであれば前記疾患の質病素質ありと診断することを含む方法。
【請求項105】
請求項104に記載の方法であって、特定のほ乳類対立遺伝子の活性に関連する疾患を診断する方法。
【請求項106】
請求項12に記載の精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体を発現する細胞を培養することと;
(b) 前記細胞から、前記ほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(c) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を精製すること、
を含む方法。
【請求項107】
請求項12に記載の精製されたほ乳類SNORF25受容体を調製する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体をコードする核酸を適切なベクターに挿入することと;
(b) 生じたベクターを適切な宿主細胞に導入することと;
(c) 生じた細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の産生を可能にする適切な条件下に置くことと;
(d) 前記そのように産生されたほ乳類SNORF25受容体を回収することと;
(e) そのように回収されたほ乳類SNORF25受容体を単離すること、および/または精製すること、
を含む方法。
【請求項108】
化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストかどうかを決定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体の活性のいかなる増加をも検出することにより、前記化合物がSNORF25受容体のアゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法。
【請求項109】
化合物が、ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストかどうかを測定する方法であって、ほ乳類SNORF25受容体をコードするDNAが形質導入され、かつ発現している細胞を、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件で前記化合物と接触させることと、ほ乳類SNORF25受容体活性の減少を検出することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストであるかどうかを決定することとを含む方法。
【請求項110】
請求項108または109に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項111】
ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の請求項108に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリアとを含む組成物。
【請求項112】
請求項111に記載の組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストが既知でない組成物。
【請求項113】
ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に効果的な量の請求項109に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリアとを含む組成物。
【請求項114】
請求項113に記載の組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストが既知でない組成物。
【請求項115】
化合物が、ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ活性化するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現しない)を、ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で前記化合物と接触させることと、前記化合物の存在下、および非存在下で前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物の存在下で前記二次メッセンジャー応答が変化することにより、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体を活性化していることが示される方法。
【請求項116】
請求項115に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は、塩素イオンチャンネルの活性化を含み、前記二次メッセンジャーの変化は内部塩素電流のレベルの増加である方法。
【請求項117】
請求項115に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は、細胞内カルシウムレベルの変化を含み、前記二次メッセンジャーの変化は細胞内カルシウムの測定の増加である方法。
【請求項118】
請求項115に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は、イノシトールリン酸の放出を含み、前記二次メッセンジャーの変化はイノシトールリン酸レベルの増加である方法。
【請求項119】
化合物がほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合し、かつ阻害するかどうかを決定する方法であって、二次メッセンジャー応答を生じ、かつその細胞表面にほ乳類SNORF25受容体を発現している細胞(このような細胞は通常ほ乳類SNORF25受容体を発現していない)を、ほ乳類SNORF25受容体の結合に適した条件下で、ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知な前記化合物および第二の化合物の両者と接触させ、これとは別に第二の化合物のみの存在下、および第二の化合物と前記化合物の両者の存在下で、前記二次メッセンジャー応答を測定することを含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における前記二次メッセンジャー応答の変化が、前記第二の化合物のみの存在下の場合より少ないことによって、前記化合物がほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが示される方法。
【請求項120】
請求項119に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は塩素イオンチャンネルの活性化を含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少ししか内部塩素電流レベルを増加しない方法。
【請求項121】
請求項119に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答は細胞内カルシウムレベルの変化を含み、前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少し細胞内カルシウムレベルの測定を増加しない方法。
【請求項122】
請求項119に記載の方法であって、前記二次メッセンジャー応答はイノシトールリン酸の放出を含み前記化合物および前記第二の化合物の両者の存在下における二次メッセンジャー応答の変化は、前記第二の化合物のみの存在下の場合よりも少ししかイノシトールリン酸レベルを増加しない方法。
【請求項123】
請求項115、116、117、118、119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項124】
請求項115、116、117、118、119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法であって、前記細胞が昆虫細胞である方法。
【請求項125】
請求項115、116、117、118、119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類細胞である方法。
【請求項126】
請求項125に記載の方法であって、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項127】
請求項126に記載の方法であって、前記非ニューロン細胞がCOS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、マウスY1細胞、またはLM(tk−)細胞である方法。
【請求項128】
請求項115、116、117、118、119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法であって、前記化合物は、ほ乳類SNORF25受容体と結合することが既知でない方法。
【請求項129】
請求項128に記載の方法によって決定される化合物。
【請求項130】
ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に効果的な量の請求項115、116、117、または118のいずれか一項に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アゴニストと、キャリアとを含む組成物。
【請求項131】
請求項130に記載の組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体のアゴニストが既知でない組成物。
【請求項132】
ほ乳類SNORF25受容体活性を低下させるために効果的な量の請求項119、120、121、または122のいずれか一項に記載の方法によって決定されたほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストと、キャリアとを含む組成物。
【請求項133】
請求項132に記載の組成物であって、前記ほ乳類SNORF25受容体のアンタゴニストが既知でない組成物。
【請求項134】
ほ乳類SNORF25受容体を活性化することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する化合物を同定する方法であって、
(a) 前記ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞を、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で、前記ほ乳類SNORF25受容体に特異的に結合することが既知でない前記複数の化合物と接触させることと;
(b) 一以上の前記化合物の存在下で、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性が増加するかどうかを測定することと;もしそうならば、
(c) 前記複数の化合物に含まれるいずれかの化合物が、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加するかを別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体を活性化する各化合物を同定すること、
を含む方法。
【請求項135】
請求項134に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体およびラットSNORF251受容体である方法。
【請求項136】
ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害することが既知でない複数の化合物をスクリーニングして、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する化合物を同定する方法であって、
(a) ほ乳類SNORF25受容体が形質導入され、かつ発現している細胞と前記複数の化合物とを、既知のほ乳類SNORF25受容体アゴニストの存在下において、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化に適した条件下で接触させることと;
(b) 前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量が、一以上の前記化合物の存在下で減少されるかどうかを、このような一以上の化合物の非存在下における前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化の範囲または量と比較して、決定することと;もしそうならば、
(c) このようなそれぞれの化合物が、ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害するかどうかを、前記複数の化合物に含まれるそれぞれの化合物について、別々に測定することによって、前記ほ乳類SNORF25受容体の活性化を阻害する、このような複数の化合物に含まれる何れかの化合物を同定すること、
を含む方法。
【請求項137】
請求項136に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体がヒトSNORF251受容体である方法。
【請求項138】
請求項134、135、136、または137のいずれか一項に記載の方法であって、前記細胞がほ乳類である方法。
【請求項139】
請求項138に記載の方法であって、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源である方法。
【請求項140】
請求項139に記載の方法であって、前記ほ乳類細胞が非ニューロン起源であるがCOS-7細胞、293ヒト腎胚細胞、CHO細胞、NIH−3T3細胞、またはLM(tk−)細胞である方法。
【請求項141】
ほ乳類SNORF25受容体活性の増加に有効な量の、請求項134または135に記載の方法によって同定された化合物、およびキャリアを含む組成物。
【請求項142】
ほ乳類SNORF25受容体活性の減少に有効な量の、請求項136または137に記載の方法によって同定された化合物、およびキャリアを含む組成物。
【請求項143】
ほ乳類SNORF25受容体の活性を増加することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アゴニストである化合物を投与することを含む方法。
【請求項144】
ほ乳類SNORF25受容体の活性を減少することによって軽減される患者の異常を治療する方法であって、前記患者に対して、前記異常の治療に有効な量のほ乳類SNORF25受容体アンタゴニストである化合物を投与することを含む方法。
【請求項145】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、請求項55、56、73、74、83、または84のいずれか一項に記載の方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規構造のおよび機能的な、その類似体もしくは相同体を合成することを含む方法。
【請求項146】
請求項145に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項147】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、請求項108、115、または134のいずれか一項に記載の方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体または相同体を合成することを含む方法。
【請求項148】
請求項147に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項149】
ほ乳類SNORF25受容体と特異的に結合する物質の組成物を製造する方法であって、請求項109、119、または156のいずれか一項に記載の方法を使用して化合物を同定することと、次に前記化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体または相同体を合成することを含む方法。
【請求項150】
請求項149に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項151】
組成物を調製する方法であって、キャリア並びに薬学的に有効な量の請求項55、56、73、74、83、もしくは84のいずれか一項に記載の方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法。
【請求項152】
請求項151に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項153】
組成物を調製する方法であって、キャリア並びに薬学的に有効な量の請求項108、115、もしくは134のいずれか一項に記載の方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法。
【請求項154】
請求項153に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【請求項155】
組成物を調製する方法であって、キャリア並びに薬学的に有効な量の請求項109、119、もしくは136のいずれか一項に記載の方法によって同定される化合物、または新規な構造のおよび機能的な、その類似体もしくは類似体を混合することを含む方法。
【請求項156】
請求項155に記載の方法であって、前記ほ乳類SNORF25受容体が、ヒトSNORF251受容体またはラットSNORF251受容体である方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−63457(P2010−63457A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−212252(P2009−212252)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【分割の表示】特願2000−601126(P2000−601126)の分割
【原出願日】平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願人】(598066503)ハー・ルンドベック・アクティーゼルスカブ (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212252(P2009−212252)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【分割の表示】特願2000−601126(P2000−601126)の分割
【原出願日】平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願人】(598066503)ハー・ルンドベック・アクティーゼルスカブ (6)
【Fターム(参考)】
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