TLR9の合成アゴニスト
本発明は、トール様受容体(TLR)媒介免疫応答の調節に有用な合成化学組成物に関する。特に、本発明は、固有のサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすトール様受容体9(TLR9)のアゴニストに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年1月30日に出願された米国仮出願第61/148,527号、および2009年10月29日に出願された第61/280,065号の優先権の利益を主張し、その開示は、本明細書に参照として明示的に組込まれる。
【0002】
本発明の背景
技術分野
本発明は、トール様受容体(TLR)媒介性免疫応答の調節に有用な合成化学組成物に関する。特に、本発明は、固有のサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすトール様受容体9(TLR9)のアゴニストに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の概要
トール様受容体(TLR)は多くの免疫系細胞上に存在し、先天性免疫応答に関与することが示されている(Hornung, V. et al., (2002) J. Immunol. 168:4531-4537)。脊椎動物において、このファミリーは、細菌、真菌、寄生生物、およびウィルスからの病原体関連分子パターンを認識することで知られる、TLR1からTLR11と呼ばれる11のタンパク質からなる(Poltorak, a. et al. (1998) Science 282:2085-2088; Underhill, D.M., et al. (1999) Nature 401:811-815; Hayashi, F. et. al (2001) Nature 410:1099-1103; Zhang, D. et al. (2004) Science 303:1522-1526; Meier, A. et al. (2003) Cell. Microbiol. 5:561-570; Campos, M.A. et al. (2001) J. Immunol. 167: 416-423; Hoebe, K. et al. (2003) Nature 424: 743-748; Lund, J. (2003) J. Exp. Med. 198:513-520; Heil, F. et al. (2004) Science 303:1526-1529; Diebold, S.S., et al. (2004) Science 303:1529-1531; Hornung, V. et al. (2004) J. Immunol. 173:5935-5943)。
【0004】
TLRは、脊椎動物が、外来性分子を認識し、それに対する免疫応答を開始するための鍵となる手段であり、先天性免疫応答および適応免疫応答を結びつけるための手段を提供する(Akira, S et al. (2001) Nature Immunol. 2:675-680; Medzhitov, R. (2001) Nature Rev. Immunol. 1:135-145)。いくつかのTLRは、細胞外病原体を検出し、それに対する応答を開始するために細胞表面に位置し、別のTLRは、細胞内病原体を検出し、それに対する応答を開始するために細胞内に位置する。
【0005】
TLR9は、細菌性DNA中および合成オリゴヌクレオチド中の非メチル化CpGモチーフを認識することが知られている(Hemmi, H. et al. (2000) Nature 408:740-745)。CpG含有ホスホロチオアートオリゴヌクレオチドの別の修飾もまた、TLR9を介した免疫応答の調節物質として働くためのその能力に影響し得る(例えばZhao et al., Biochem. Pharmacol. (1996) 51:173-182; Zhao et al. (1996) Biochem Pharmacol. 52:1537-1544; Zhao et al. (1997) Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 7:495-502; Zhao et al (1999) Bioorg. Med. Chem. Lett. 9:3453-3458; Zhao et al. (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:1051-1054; Yu, D. et al. (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:2585-2588; Yu, D. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. Lett. 11:2263-2267; and Kandimalla, E. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:807-813参照)。TLR9の天然に存在するアゴニストは、抗腫瘍活性(例えば腫瘍成長および血管新生)を産生し、効果的な抗癌応答(例えば抗白血病)をもたらすことが示されている(Smith, J.B. and Wickstrom, E. (1998) J.Natl. Cancer Inst. 90:1146-1154)。加えて、TLR9アゴニストは他の知られた抗腫瘍化合物(例えばセツキシマブ、イリノテカン)と相乗的に働くことが示されている(Vincenzo, D., et al. (2006) Clin. Cancer Res. 12(2):577-583)。
【0006】
あるTLR9アゴニストは、コアCpRジヌクレオチドを含む3’−3’結合DNA構造を含み、ここでRは修飾グアノシンである(米国特許第7,276,489号)。加えて、特定の化学的修飾は、免疫応答の特異な調節を起こす特定のオリゴヌクレオチドアナログの調製を可能にする。とくに、構造活性相関研究は、免疫応答の特定の調節を起こす合成モチーフおよび新規DNAベース化合物の同定を可能にし、これらの調節は非メチル化CpGジヌクレオチドによって起こるものとは異なる(Kandimalla, E. et al. (2005) Proc. Natl. Acad. Sci. U S A 102:6925-6930. Kandimalla, E. et al. (2003) Proc. Nat. Acad. Sci. U S A 100:14303-14308; Cong, Y. et al. (2003) Biochem Biophys Res. Commun.310:1133-1139; Kandimalla, E. et al. (2003) Biochem. Biophys. Res. Commun. 306:948-953; Kandimalla, E. et al. (2003) Nucleic Acids Res. 31:2393-2400; Yu, D. et al. (2003) Bioorg. Med. Chem.11:459-464; Bhagat, L. et al. (2003) Biochem. Biophys. Res. Commun.300:853-861; Yu, D. et al. (2002) Nucleic Acids Res.30:4460-4469; Yu, D. et al. (2002) J. Med. Chem.45:4540-4548. Yu, D. et al. (2002) Biochem. Biophys. Res. Commun.297:83-90; Kandimalla. E. et al. (2002) Bioconjug. Chem.13:966-974; Yu, D. et al. (2002) Nucleic Acids Res. 30:1613-1619; Yu, D. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:2803-2808; Yu, D. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. Lett. 11:2263-2267; Kandimalla, E. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:807-813; Yu, D. et al. (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:2585-2588;およびPutta, M. et al. (2006) Nucleic Acids Res. 34:3231-3238)。
【0007】
異なる疾患状態または条件を、サイトカインおよび/またはケモカインの異なるプロファイルで最適に処置し得る。したがって、本分野において、かかる「カスタムチューンされた(custom-tuned)」応答を提供するための新規オリゴヌクレオチドアナログ化合物に対するニーズが存在する。特に、本分野において、特異的で固有の化学的修飾を有し、特異な免疫応答活性化プロファイルを提供するTLR9アゴニストに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0008】
発明の簡単な概要
発明者らは、驚くべきことに、コアCpRジヌクレオチドに隣接する核酸配列、ヌクレオチド間の結合またはオリゴヌクレオチドに接続するリンカーを独自に修飾することが、in vitroおよびin vivoサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすTLR9の新規アゴニストを産生することを発見した。CpR含有オリゴヌクレオチドに対するサイトカインおよびケモカイン応答を「カスタムチューン(custom-tune)」するこの能力は、様々な疾患状態を、疾患特異的およびさらには患者特異的なやり方で、予防および/または処置する能力を提供する。
【0009】
したがって、本発明は、とりわけ、アゴニストとしてのTLR9との相互作用を通じて個別に特異な免疫応答プロファイルを提供する、新規なオリゴヌクレオチドベース化合物を提供する。本発明によるTLR9アゴニストは、特定のおよび固有の化学的修飾によって特徴付けられ、それによりその特異な免疫応答活性化プロファイルを提供する。
【0010】
本発明によるTLR9アゴニストは、様々な細胞型ならびに様々なin vitroおよびin vivo研究モデルにおいて免疫応答を誘導し、各アゴニストは特異な免疫応答プロファイルを提供する。本発明のTLR9アゴニストはまた、単独で、他の薬剤と組み合わせてもしくは共投与されるか、またはワクチンとして用いられる抗原のアジュバントとしてのどちらかにおいて、様々な疾患の予防および/または処置に有用である。これらはまた、免疫系の研究のための、かつ人間およびマウスなどの様々な動物種の免疫系の比較のための道具として有用である。
【0011】
したがって、第1の側面において、本発明は、TLR9のオリゴヌクレオチドベースのアゴニスト(「化合物」)を提供する。
【0012】
第2の側面において、本発明は、本発明のオリゴヌクレオチドベースTLR9アゴニストおよびその薬学的に許容可能な担体を含む医薬製剤を提供する。
【0013】
第3の側面において、本発明は、ワクチンを提供する。この側面のワクチンは、本発明の医薬製剤を含み、さらに抗原を含む。
【0014】
第4の側面において、本発明は、対象、特にはヒトにおいてTLR9媒介免疫応答を起こす方法を提供し、かかる方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを対象に投与することを含む。
【0015】
第5の側面において、本発明は、疾患または障害を有する患者を治療的に処置する方法を提供し、かかる方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを患者に投与することを含む。
【0016】
第6の態様において、本発明は、疾患または障害を予防する方法を提供し、かかる方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを疾患または障害を発症する危険性がある患者に投与することを含む。
【0017】
第7の態様において、本発明は、癌細胞を電離放射線に対して増感する方法を提供する。本発明のこの側面によると、本方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを患者に投与すること、および電離放射線で患者を処置することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の免疫調節化合物のリニア合成のための合成スキームである。DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチル。本発明の全ての免疫調節化合物を例1に従って合成した。
【0019】
【図2A】図2Aは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド0(PBS/培地)、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図2Aは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図2B】図2Bは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド0(PBS/培地)、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図2Bは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0020】
【図3A】図3Aは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図3Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図3B】図3Bは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図3Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0021】
【図4A】図4Aは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)からのIFN−γ濃度を描写したものである。簡潔には、pDCを新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、10μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4B】図4Bは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)からのIFN−γ濃度を描写したものである。簡潔には、pDCを新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、10μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0022】
【図5A】図5Aは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、0、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、3H−チミジンで6〜8時間パルスした。3H−チミジンの取り込みを、液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図5Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図5B】図5Bは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、0、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、3H−チミジンで6〜8時間パルスした。3H−チミジンの取り込みを、液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図5Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0023】
【図6A】図6Aは、下記例5にしたがって処置されたC57BL/6マウスにおける血清IL−12誘導を描写したものである。簡潔には、1mg/kg用量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図6Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こし、それが様々な疾患に応用されるであろうことをより一般的に示している。
【図6B】図6Bは、下記例5にしたがって処置されたC57BL/6マウスにおける血清IL−12誘導を描写したものである。簡潔には、1mg/kg用量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図6Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こし、それが様々な疾患に応用されるであろうことをより一般的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、アゴニストとしてのTLR9との相互作用を通して独立して特異な免疫応答プロファイルを提供する、新規なオリゴヌクレオチドベース化合物を提供する。本発明のTLR9アゴニストは、固有の化学的修飾によって特徴付けられ、それにより特異な免疫応答活性化プロファイルを提供する。
【0025】
本発明のTLR9アゴニストは、様々な細胞型および様々なin vivoおよびin vitro実験モデルにおいて免疫応答を誘導し、各々のアゴニストは特異な免疫応答プロファイルを提供する。このように、これらは免疫システムの研究のための、ならびにヒトおよびマウスなど、様々な動物種の免疫システムを比較するためのツールとして有用である。本発明のTLR9アゴニストはまた、単独で、他の薬剤と組み合わせて投与されるもしくは共投与されるか、またはワクチンとして用いられる抗原のアジュバントとして投与されるかのどちらかにおいて、様々な疾患の予防および/または処置にも有用である。
【0026】
本発明の目的、その様々な特徴、ならびにその発明自体は、以下の用語が生得的意味を有する添付の図面と共に以下の記載を読むことで、より完全に理解されるだろう。
【0027】
「2’−置換ヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」という語は、一般的に、ペントースまたはアラビノース部分の2’位のヒドロキシル基が置換されて2’−置換または2’−O−置換リボヌクレオシドを産生するヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含む。ある態様において、かかる置換は、1〜6の飽和または不飽和炭素原子を含む低級ヒドロカルビル基によって、ハロゲン原子によって、または6〜10の炭素原子を含むアリール基によってなされ、ここでかかるヒドロカルビルまたはアリール基は非置換であってよく、または例えばハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、カルボキシル、カルボアルコキシ、もしくはアミノ基によって置換されていてよい。2’−O−置換リボヌクレオシドまたは2’−O−置換アラビノシドの例は、限定されずに、2’−アミノ、2’−フルオロ、2’−アリル、2’−O−アルキルおよび2’−プロパルギルリボヌクレオシドまたはアラビノシド、2’−O−メチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メチルアラビノシドおよび2’−O−メトキシエトキシリボヌクレオシドまたは2’−O−メトキシエトキシアラビノシドを含む。
【0028】
指向的に用いられた場合、「3’」という語は一般的に、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの別の領域または位置から(オリゴヌクレオチドの3’位置へ)の同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの3’の領域または位置をいう。
【0029】
指向的に用いられた場合、「5’」という語は一般的に、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの別の領域または位置から(オリゴヌクレオチドの5’位置へ)の同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5’の領域または位置をいう。
【0030】
「約」という語は、一般的に、正確な数が重要でないことを意味する。したがって、オリゴヌクレオチド中のヌクレオシド残基の数は重要ではなく、1または2少ないヌクレオシド残基の数または1から数個の追加のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記のそれぞれの態様の等価物であると意図される。
【0031】
「気道炎症」という語は一般的に、限定することなく、ぜんそくを含むアレルゲンに起因する気道の炎症を含む。
【0032】
「アレルゲン」という語は一般的に、抗原または分子、通常はタンパク質、の抗原部分をいい、これは対象への曝露によってアレルギー反応を引き起こす。典型的には、対象は、例えば膨疹および発赤試験(wheal and flare test)または当該技術分野において知られたあらゆる方法によって示されたように、アレルゲンに対してアレルギー性である。分子は、たとえ対象の小さなサブセットのみが分子への曝露によってアレルギー性(例えばIgE)免疫応答を示した場合でも、アレルゲンといわれる。
【0033】
「アレルギー」という語は一般的に、限定することなく、食物アレルギー、呼吸器アレルギーおよび皮膚アレルギーを含む。
【0034】
「抗原」という語は一般的に、抗体またはT細胞もしくはB細胞抗原受容体によって認識され、選択的に結合され、特定の免疫応答を誘発する基質のことをいう。抗原は、これに限定するものではないが、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸およびそれらの組み合わせを含んでよい。抗原は天然または合成であってよく、一般的に抗原特異的な免疫応答を誘導する。
【0035】
「癌」という語は一般的に、限定することなく、異常なまたは制御されていない細胞増殖および/または分裂に起因する、あらゆる悪性増殖または腫瘍をいう。癌はヒトおよび/または動物で起こり得、あらゆるおよび全ての組織において生じ得る。本発明によるがんを有する患者の処置は、異常なまたは制御されていない細胞増殖および/または分裂が影響を受けるように、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含んでよい。
【0036】
「担体」という語は一般的に、あらゆる賦形剤、希釈剤、充填材、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、油脂、脂質、脂質含有ベシクル、マイクロスフェア、リポソーム被包、または医薬製剤に用いられることが当業者に周知の他の材料を包含する。担体、賦形剤または希釈剤の特性は、特定の用途についての投与ルートに依存するであろうことが理解されるだろう。これらの材料を含有する薬学的に許容可能な製剤の調製は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990などに記載されている。
【0037】
「薬学的に許容可能な」または「生理学的に許容可能な」という語は一般的に、本発明の化合物の有効性を妨害せず、細胞、細胞カルチャー、組織または生物体などの生物システムに適合する材料のことをいう。好ましくは、生物システムは、脊椎動物などの生きている生物体である。
【0038】
「共投与」または「共投与された」という語は一般的に、少なくとも2つの異なる基質を、免疫応答を調節するために、十分に近い時間で投与することをいう。いくつかの好ましい態様において、共投与は、少なくとも二つの異なる基質の同時投与をいう。
【0039】
「薬学的に有効な量」という語は一般的に、有益な結果などの所望の生物学的効果に影響するのに十分な量をいう。したがって「薬学的に有効な量」は投与される背景に依存し得る。薬学的に有効な量は、1または2以上の予防的または治療的投与において投与されてよい。
【0040】
「組み合わせて」という語は一般的に、患者の処置過程において、本発明の化合物ならびに、疾患および病態を処置するのに有用な別の剤を投与することを意味する。かかる投与は、同時投与、ならびに数秒から数日までの間隔、数時間から数日までの間隔、または数時間の間隔で時間的に間隔が置かれた順番を含む、あらゆる順番で行われてよい。かかる組合せ治療はまた、単なる本発明の化合物および/または独立して他の剤の単一投与以上のものを含んでよい。本発明の化合物および他の剤の投与は、同一または異なるルートによってよい。
【0041】
「対象」または「患者」という語は一般的に、ヒトなどの哺乳動物をいう。哺乳動物は一般的に、これに限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、畜牛、ウシ、ブタ、ヒツジおよびウサギを含む。
【0042】
「キナーゼ阻害剤」という語は一般的に、細胞において、リン酸化依存性細胞シグナリング経路および/または細胞増殖経路を拮抗または阻害する分子をいう。キナーゼ阻害剤は天然または合成であってよく、経口治療として投与される可能性を有する小分子を含んでよい。キナーゼ阻害剤は、標的キナーゼ分子の活性化を速やかにおよび特異的に阻害する能力を有する。プロテインキナーゼは、1つにはそれらが広範なシグナリングおよび増殖経路を制御し、多くの異なるタンパク質を含むことから、魅力的な薬剤標的である。このようにそれらは、癌、循環器疾患、炎症性障害、糖尿病、黄斑変性症、神経障害を含む、キナーゼシグナリングが関与する疾患の治療に大きな可能性を有する。キナーゼ阻害剤の例は、これらに限定されるわけではないが、エルロチニブ塩酸塩(Tarceva(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、ソラフェニブトシル酸塩(Nexavar(登録商標))、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent(登録商標))、ダサチニブ(Sprycel(商標))、バンデタニブ(Zactima(商標))、ラパチニブ(Tykerb(商標))、テムシロリムス(Toricel(登録商標))、およびイマチニブメシル酸塩(Gleevec(登録商標))を含む。
【0043】
「哺乳動物」という語は明示的に、限定することなくヒトを含む、温血の、脊椎動物を含むことを意図する。
【0044】
「修飾ヌクレオシド」という語は一般的に、修飾複素環式塩基、修飾糖部分、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むヌクレオシドをいう。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシドは、本明細書に記載されたように、非天然ピリミジンまたはプリンヌクレオシドである。本発明の目的のため、「修飾ヌクレオシド」、「ピリミジン」または「プリンアナログ」あるいは「非天然のピリミジンまたはプリン」という語は互換的に用いることができ、非天然の塩基および/または非天然の糖部分を含むヌクレオシドをいう。本発明の目的のため、塩基は、それがグアニン、シトシン、アデニン、チミンまたはウラシルでない場合、非天然であると考えられる。
【0045】
「調節」または「調節的」という語は一般的に、応答における増加またはTLR−9媒介性応答における質的な相違などの変化をいう。
【0046】
「リンカー」という語は一般的に、糖、塩基または骨格を介して、共有または非共有結合を通じてオリゴヌクレオチドに取り付け可能なあらゆる部分をいう。リンカーは2または3以上のヌクレオシドを取り付けるために用いることができ、またはオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端ヌクレオチドに取り付けることができる。本発明のある態様において、かかるリンカーは非ヌクレオチドリンカーである
【0047】
「非ヌクレオチドリンカー」という語は一般的に、共有または非共有結合を通じてオリゴヌクレオチドに取り付け可能な、ヌクレオチド結合以外の化学的部分をいう。好ましくは、かかる非ヌクレオチドリンカーは、約2オングストロームから約200オングストロームの長さであり、シスまたはトランス配置のどちらかであってよい。
【0048】
「ヌクレオチド結合」という語は一般的に、隣接するヌクレオシド間のリン原子および帯電した、または中性の基(例えばホスホジエステル、ホスホロチオアート、ホスホロジオアート、またはアルキルホスホネート)からなる、2つのヌクレオチドをそれらの糖を介して(例えば3’−3’、2’−3’、2’−5’、3’−5’)結びつける化学的結合をいう。
【0049】
「オリゴヌクレオチドベース化合物」という語は、複数の結合したヌクレオシドユニットから形成されるポリヌクレオシドをいう。ヌクレオシドユニットはウィルス、細菌、細胞片、siRNAまたはマイクロRNAの一部であってよく、またはそれらの一部にしてもよい。かかるオリゴヌクレオチドはまた、ゲノムDNAまたはcDNAを含む既存の核酸源から得ることもできるが、好ましくは合成法により産生される。好ましい態様において、各ヌクレオシド単位は、複素環式塩基およびペントフラノシル、トレハロース、アラビノース、2’−デオキシ−2’−置換ヌクレオシド、2’−デオキシ−2’−置換アラビノース、2’−O−置換アラビノースまたはヘキソース糖基を含む。ヌクレオシド残基は、多くの知られたヌクレオシド間結合によって、お互いに組み合わされることができる。かかるヌクレオシド間結合は、限定することなく、ホスホジエステル、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、アルキルホスホナート、アルキルホスホノチオアート、ホスホトリエステル、ホスホロアミダート、シロキサン、カルボナート、カルボアルコキシ、アセトアミダート、カルバマート、モルホリノ、ボラノ、チオエーテル、架橋ホスホロアミダート、架橋メチレンホスホナート、架橋ホスホロチオアート、およびスルホンヌクレオシド間結合を含む。「オリゴヌクレオチドベース化合物」という語もまた、1または2以上の立体特異的ヌクレオシド間結合(例えば、(RP)−または(SP)−ホスホロチオアート、アルキルホスホナート、またはホスホトリエステル結合)を有するポリヌクレオシドを包含する。本明細書で使用された場合、「オリゴヌクレオチド」および「ジヌクレオチド」は明示的に、結合がリン酸基を含もうと含まなかろうと、あらゆるかかるヌクレオシド間結合を有するポリヌクレオシドおよびジヌクレオシドを含むことを意図する。ある好ましい態様において、これらのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオアートまたはホスホロジチオアート結合、あるいはそれらの組み合わせである。
【0050】
用語「ペプチド」は、該ペプチドがハプテンであろうと無かろうと、例えば抗体産生またはサイトカイン活性など、生物学的応答に影響するのに十分な長さおよび組成を有するアミノ酸オリゴマーを一般的にいう。用語「ペプチド」は、修飾アミノ酸(天然または非天然であるかどうかにかかわらず)を含んでもよく、かかる修飾は、これに限定されるものではないが、リン酸化、グリコシル化、PEG化、脂質化(lipidization)およびメチル化を含む。
【0051】
「TLR9アゴニスト」という語は一般的に、TLR9によって媒介される免疫刺激を増強、誘導または調節することができるオリゴヌクレオチドベースの化合物をいう。
【0052】
「処置」という語は一般的に、症状の緩和、または疾患の進行を遅らせるかまたは改善することを含み得る、有益な、または所望の結果を得ることを意図したアプローチをいう。
【0053】
第一の側面において、本発明は、TLR9のオリゴヌクレオチドベースのアゴニスト(「化合物」)を提供する。本発明のあるTLR9アゴニストを、下の表Iに示す。この表において、オリゴヌクレオチドベースのTLR9アゴニストは全て、別に指示のある場合を除き、ホスホロチオアート(PS)結合を有する。しかし当業者は、ホスホジエステル(PO)結合、またはPS結合とPO結合の組み合わせも用いることができることを、認識する。別に指示のある場合を除き、全てのヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチドである。
【0054】
【表1】
【0055】
表IからのTLR9アゴニストを、例2の記載のようにして、TLR9を発現するHEK293細胞において免疫刺激活性について試験した。下の図2は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、投与後18時間においてそれらのTLR9媒介性NF−κB活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、NF−κB活性を増加または減少できることを示す。
【0056】
表IからのTLR9アゴニストを、例3の記載のようにして、ヒトPBMC中のIL−12、IL−10、IL−8、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、IL−1Rα、IL−2RおよびMCP−1アッセイにおいて免疫刺激活性について試験した。図3に示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、ヒトPBMCにおけるTLR9媒介性IL−12、IL−10、IL−8、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、IL−1Rα、IL−2Rおよび/またはMCP−1活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、IL−12、IL−10、IL−8、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、IL−1Rα、IL−2RおよびMCP−1活性を増加または減少できることを示す。
【0057】
表IからのTLR9アゴニストを、例3の記載のようにして、ヒトpDC中のIL−12、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1βおよびTNFαアッセイにおいて免疫刺激活性について試験した。図4Aおよび5Bに示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、ヒトpDCにおけるTLR9媒介性免疫活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、IL−12、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1βおよびTNFα活性を増加または減少できることを示す。
【0058】
表IからのTLR9アゴニストを、例4の記載のようにして、ヒトB細胞増殖アッセイにおいて免疫刺激活性について試験した。図5に示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、TLR9媒介性B細胞増殖活性を変化させること、および、この活性化プロファイルは、化学修飾に依存して用量依存性となり得ることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、B細胞増殖を調節できることを示す。
【0059】
表IからのTLR9アゴニストを、例5の記載のようにして、C57B1/6およびマウス中のin vivo免疫刺激活性について試験した。図6に示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、マウスモデルにおけるTLR9媒介性免疫活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、in vivoサイトカインおよび/またはケモカイン濃度を変化させることができることを示し、これは多くの疾患における用途を見出すだろう。
【0060】
上記したように、本発明は、第1の側面において、オリゴヌクレオチドベースのTLR9合成アゴニストを提供する。塩基、糖、リンケージ、またはリンカーに対する一定の化学修飾に基づき、TLR9のアゴニストは、接触可能5’末端を保持しつつ、他のTLR9アゴニスト分子と会合しおよび/または重複した場合に、増加した安定性を有することができる。
【0061】
いくつかの態様において、非ヌクレオチドリンカーは、これに限定されるものではないが、1,2,4−ブタントリオール、シス、トランス−1,3,5−シクロヘキサントリオール、1,3,5−ペンタントリオールまたは2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを含んでもよい。
【化1】
【0062】
第2の側面において、本発明は、本発明によるオリゴヌクレオチドベースのTLR9アゴニスト(「化合物」)および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0063】
活性化合物は、薬学的に許容し得る担体または希釈剤中に、処置される患者に重篤な毒性効果を及ぼすことなく、薬学的に有効な量で患者に送達されるのに十分な量で、含有される。薬学的に許容し得る誘導体の有効な用量範囲は、送達される親化合物の重量、または当業者に知られた他の方法に基づき算出することができる。誘導体それ自体が活性を示す場合は、有効用量は誘導体の重量を用いて、または当業者に既知の他の手段により、上記のようにして推定可能である。
【0064】
第3の側面において、本発明はワクチンを提供する。この側面によるワクチンは、本発明の医薬製剤を含み、さらに抗原を含む。抗原とは、特異的免疫応答を誘発する分子である。かかる抗原は、限定することなく、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質および複合体またはこれらの任意のものの組合せを含む。あらゆるかかる抗原は、任意に免疫原性タンパク質またはペプチドに連結してもよく、その例は例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、コレラ毒素Bサブユニット、またはあらゆる他の免疫原性担体タンパク質である。
【0065】
本発明によるワクチンはさらに、あらゆる過剰なアジュバントをさらに含んでよく、その例は限定なく、フロイント完全アジュバント、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、モノホスホリル脂質A(MPL)、ミョウバン、およびQS−21を含むサポニン、イミキモド、R848、TLRアゴニストまたはこれらの組合せを含む。
【0066】
第4の側面において、本発明は、対象においてTLR9媒介性免疫応答を引き起こすための方法を提供し、かかる方法は、対象に対し、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含む。いくつかの態様において、対象はヒトである。好ましい態様において、化合物、医薬製剤またはワクチンは、免疫刺激を必要とする対象に投与される。特定の好ましい態様において、対象はヒトである。
【0067】
本発明のこの側面による方法において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンの投与は任意の好適な経路により行うことができ、これには、限定することなく、非経口、経口、腫瘍内、舌下、経皮、局所、経鼻、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、粘膜、膣、あるいは遺伝子銃、経皮パッチまたは点眼もしくは口腔洗浄の形態によるものを含む。化合物、医薬製剤またはワクチンの投与は、既知の手順を用いて、疾患の症状または代理マーカーを低減するのに有効な用量と期間で、行うことができる。全身投与の場合、化合物、医薬製剤またはワクチンは、本発明の化合物の約0.0001マイクロモル〜約10マイクロモルの血中レベルを達成するのに十分な用量で投与するのが好ましい。局所投与の場合、これよりはるかに低い濃度が有効であり得、またはるかに高い濃度が重篤な毒性効果なしに耐容され得る。好ましくは、本発明による化合物の総用量は1日約0.001mg/患者〜1日約200mg/体重1kgまでの範囲である。本発明の1または2種以上の治療組成物の治療有効量を、同時に、または連続して、対象に対して1つの処置エピソードとして投与することが望ましい場合もある。
【0068】
ある好ましい態様においては、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンは他の剤と共投与または組み合わせて投与され、これらの剤は限定することなく、化学療法剤、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA分子、アプタマー、リボザイム、標的治療薬(targeted therapeutics)、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチン、および/または免疫応答の特異性もしくは強さを増強するためのアジュバント、放射性同位体、ならびに電離放射線を含む。
【0069】
本発明のこの側面による方法は、ヒトまたは動物の疾患の予防的または治療的処置に有用である。例えば、本方法は、ヒトの成人および小児ならびに獣医学の用途に有用である。本方法はまた、免疫系のモデル研究にも有用である。
【0070】
第5の側面において、本発明は、疾患または障害を有する患者を治療的に処置するための方法を提供し、かかる方法は、患者に対し、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含む。種々の態様において、処置される疾患または障害は、癌、感染性疾患、気道炎症、炎症性障害、アレルギー、ぜん息、または病原体もしくはアレルゲンにより引き起こされる障害である。病原体は例えば、細菌、寄生生物、真菌、ウィルス、ウィロイド、およびプリオンを含む。投与は、本発明の第4の側面において記載されたようにして実施する。
【0071】
第6の側面において、本発明は、疾患または障害を予防するための方法を提供し、かかる方法は、該疾患または障害を発症するリスクが高い患者に対し、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含む。種々の態様において、予防される疾患または障害は、癌、自己免疫障害、気道炎症、炎症性障害、感染性疾患、アレルギー、ぜん息、または病原体により引き起こされる疾患である。病原体は、限定することなく、細菌、寄生生物、真菌、ウィルス、ウィロイド、およびプリオンを含む。投与は、本発明の第4の側面において記載されたようにして実施する。疾患または障害を発症するリスクが高い患者は、一般的に、疾患または障害の1または2以上の病原因子もしくは原因となる条件にさらされてきた、または、さらされるであろう患者、ならびに/あるいは疾患または障害についての遺伝的素因を有する患者である。
【0072】
第7の態様において、本発明は、癌細胞を電離放射線に対して増感する方法を提供する。本発明のこの側面による本方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを、電離放射線と組み合わせて患者に投与することを含む。ある好ましい態様において、電離放射線を約1.56Gy/分で投与する。ある好ましい態様において、週に2回または週に4回の約3Gyの放射線で放射線療法を施す。代替的な態様において、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを、最初の日(0日目)に患者に投与して、その2日後(2日目)、4日後(4日目)、および9日後(9日目)に、約3Gyの放射線で放射線療法を患者に施す。ある態様において、化合物または医薬製剤での前処置は、γ−照射の約2時間〜約6時間前である。
【0073】
本発明のあらゆる方法において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンは、疾患または状態を予防または処置するのに有用であり、かつ本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンの免疫刺激効果を無効にしないような他の剤と共投与または組み合わせて、投与することができる。本発明のあらゆる方法において、疾患または病態を予防または処置するのに有用な他の剤は、限定することなく、ワクチン、抗原、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA分子、アプタマー、リボザイム、標的治療薬、TLRアゴニスト、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチン、および/または免疫応答の特異性もしくは強さを増強するためのアジュバント、または、共刺激性分子であって、例えばサイトカイン、ケモカイン、タンパク質リガンド、トランス活性化因子、ペプチド、および修飾アミノ酸を含むペプチドなどを含む。例えば、癌の予防および/または処置において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを、化学治療化合物、モノクローナル抗体、放射性同位体、または電離放射線と共投与または組み合わせて投与できることが意図される。
【0074】
本発明による方法において用いられる好ましい化学治療剤は、限定することなく、ゲムシタビン、メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、糖非含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、パクリタキセル、フラジリン(fragyline)、メグラミン(Meglamine)GLA、バルルビシン、カルムスチン(carmustaine)およびポリフェプロサン(poliferposan)、MMI270、BAY 12−9566、RASファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメトレキソール(Lometexol)、グラモレック(Glamolec)、CI−994、TNP−470、Hycamtin(登録商標)/トポテカン、PKC412、バルスポダール/PSC833、Novantrone(登録商標)/ミトロキサントロン(Mitroxantrone)、メタレット(Metaret)/スラミン、バスチマスタット、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、インセル(Incel)/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マリマスタット(Marmistat)、BB2516/マリマスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レモナール DP 2202、FK 317、ピシバニール/OK−432、AD 32/バルルビシン、Metastron(登録商標)/ストロンチウム誘導体、テモダール/テモゾロミド、エバセト(Evacet)/リポソーム化ドキソルビシン、イエウタキサン(Yewtaxan)/パクリタキセル、Taxol(登録商標)/パクリタキセル、ゼローダ(Xeload)/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス(Cyclopax)/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU−077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS−182751/経口白金、UFTTM(テガフール/ウラシル)、Ergamisol(登録商標)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FU増強剤、カンプト/レバミゾール、Camptosar(登録商標)/イリノテカン、トミュデックス(Tumodex)/ラルチトレキセド(Ralitrexed)、Leustatin(登録商標)/クラドリビン、パクセクス(Paxex)/パクリタキセル、Doxil(登録商標)/リポソーム化ドキソルビシン、ケリックス(Caelyx)/リポソーム化ドキソルビシン、Fludara(登録商標)/フルダラビン、ファルモルビシン(Pharmarubicin)/エピルビシン、DepoCyt(登録商標)/シタラビン、ZD1839、LU 79553/ビス−ナフタルイミド、LU 103793/ドラスタチン(Dolastain)、カエティクス(Caetyx)/リポソーム化ドキソルビシン、Gemzar(登録商標)/ゲムシタビン、ZD 0473(Anormed(登録商標))、YM 116、ヨウ素種(Iodine seeds)、CDK4およびCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォサミド(Dexifosamide)、Ifex(登録商標)/イフォスファミド、Mesnex(登録商標)/メスナ、Vumon(登録商標)/テニポシド、Paraplatin(登録商標)/カルボプラチン、プランチノール(Plantinol)/シスプラチン、ベペシド/エトポシド、ZD 9331、Taxotere(登録商標)/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサンアナログ、ニトロソウレア、メルファラン(melphelan)およびシクロフォスファミドなどのアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロランブシル(Chlorombucil)、塩酸シタラビン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド(VP16−213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−FU)、フルタミド、ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド)、イフォスファミド、インターフェロンアルファ−2a、アルファ−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH−放出因子アナログ)、ロムスチン(CCNU)、塩酸メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ、ミトタン(o,p’−DDD)、塩酸ミトキサントロン、オクトレオチド、プリカマイシン、塩酸プロカルバジン、ストレプトゾシン、クエン酸タモキシフェン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m−AMSA)、アザシチジン、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(メチル−GAG;メチルグリオキサールビス−グアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(2’デオキシコホルマイシン)、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(VM−26)、または硫酸ビンデシンを含む。好ましいモノクローナル抗体は、これに限定するものではないが、Panorex(登録商標)(Glaxo-Welcome)、Rituxan(登録商標)(IDEC/Genentech/Hoffman la Roche)、Mylotarg(登録商標)(Wyeth)、Campath(登録商標)(Millennium)、Zevalin(登録商標)(IDEC and Schering AG)、Bexxar(登録商標)(Corixa/GSK)、Erbitux(登録商標)(Imclone/BMS)、Avastin(登録商標)(Genentech)および Herceptin(登録商標)(Genentech/Hoffman la Roche)を含む。
【0075】
代替的に、疾患または病態を予防または処置するのに有用な剤は、抗原またはアレルゲンをコードするDNAベクターを含むことができる。これらの態様において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンは、アジュバントとして様々に作用し得、および/または直接的な免疫調節効果を産生し得る。
【0076】
本明細書中で引用される特許および刊行物は、技術分野における知識レベルを反映し、ここにその全体が参考文献として組み込まれる。これらの特許および刊行物の教示と、本明細書の教示との間の任意の矛盾は、後者を支持するように解決されるべきである。当業者は、日常的な実験以上のものを用いることなく、本明細書に記載された特定の物質および手順の、多数の同等物を認識し、または確認することができるであろう。
【0077】
以下の例は、本発明を実行および実施する例示的な様式を説明するが、同様の結果を得るために代替的な方法を利用してもよいので、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0078】
例1:
免疫刺激部分を含有するオリゴヌクレオチドベース化合物の合成
本発明の化学的実体は、1μmolから0.1mMのスケールで、自動化DNA合成機(OligoPilot II, AKTA, (Amersham)および/またはExpedite 8909 (Applied Biosystem))を用いて、図1に概説したリニア合成またはパラレル合成手順にしたがって合成した。
【0079】
5’−DMT dA、dG、dCおよびTホスホロアミダイトは、Proligo(Boulder, CO)から購入した。5’−DMT 7−デアザdGおよびaraGホスホロアミダイトはChemgenes(Wilmington, MA)から得た。DiDMT−グリセロールリンカー固体支持体はChemgenesから得た。1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンアミダイトはGlen Research(Sterlin, VA)から得、2’−O−メチルリボヌクレオシドアミダイトはPromega(Obispo, CA)から得た。本発明の全ての化合物は、ホスホロチオアート骨格修飾であった。
【0080】
全てのヌクレオシドホスホラミダイトは31Pおよび1H NMRスペクトルで特定した。修飾ヌクレオシドは、供給者によって推奨された通常のカップリングサイクルを用いて特定の部位に組込まれた。合成の後、化合物を濃水酸化アンモニウムを用いて脱保護および逆相HPLCによって精製、脱トリチル化、続いて透析した。ナトリウム塩の形態としての精製化合物を、使用の前に凍結乾燥した。純度はCGEおよびMALDI−TOF MSによって試験した。エンドトキシンレベルをLAL試験によって決定し、1.0EU/mgであった。
【0081】
例2:
細胞培養条件および試薬
マウスTLR9を発現するHEK293またはHEK293XL細胞(Invivogen, San Diego, CA)を48ウェルプレート中の250μl/ウェルの10%加熱不活性化FBS添加DMEM中で、5%CO2インキュベーターに入れて培養した。80%コンフルエンス時点で、培養物を、SEAP(分泌型ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ)レポータープラスミド(pNifty2−Seap)(Invivogen)400ng/mlで、4μl/mlのリポフェクタミン(Invitrogen, Carlsbad, CA)の存在下、培養培地中で一時的にトランスフェクトした。プラスミドDNAおよびリポフェクタミンを、血清フリーの培地中で個別に希釈し、室温で5分インキュベートした。インキュベートの後、希釈DNAおよびリポフェクタミンを混合し、混合物を室温で20分インキュベートした。100ngのプラスミドDNAおよび1μlのリポフェクタミンを含有するDNA/リポフェクタミン混合物25μlのアリコートを、細胞培養プレートの各ウェルに添加し、培養を4時間継続した。
【0082】
マウスTLR9を発現するHEK293細胞中の、表Iからの免疫調節化合物によるサイトカイン誘導
トランスフェクション後、培地を新鮮な培養培地と取り替え、表Iからのそれぞれの免疫調節化合物を、0、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/mlの濃度で培地に添加し、培養を18時間継続した。化合物処理の最後に、NF−κBのレベルを、製造者のプロトコル(Invitrogen)にしたがってSEAP(分泌型ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。簡潔には、30μlの培養上清をを各処置物から採取し、p−ニトロフィニルホスフェート基質とともにインキュベートし、発生した黄色を405nmでプレートリーダーで計測した(Putta MR et al., Nucleic Acids Res., 2006, 34:3231-8)。
【0083】
例3:
表Iからの免疫調節化合物による、ヒトPBMC、pDCおよびマウス脾臓細胞におけるサイトカイン誘導
ヒトPBMCの単離
新しく収集した健康なボランティアの血液(CBR Laboratories, Boston, MA)からの末梢血単核細胞(PBMC)を、フィコール密度勾配遠心分離法(Histopaque-107, Sigma)により単離した。
【0084】
ヒトpDCの単離
ヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)を、新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCを、製造者の使用説明書にしたがってBDCA4細胞単離キット(Miltenyi Biotec)を用いた陽性選択により単離した。
【0085】
ヒトPBMCを、48ウェルプレートに5×106細胞/mlでプレートした。ヒトpDCを、96ウェルディシュに1×106細胞/mlでプレートした。DPBS(pH7.4;Mediatech)中に溶解した表Iのそれぞれの免疫調節化合物を、細胞培養物に、0、0.1、0.3、1.0、3.0または10μg/ml加えた。細胞を次に37℃で24時間インキュベーションし、上清をLuminex Multiplex用またはELISAアッセイ用に収集した。ある実験においては、IFN−α、IL−6および/またはIL−12のレベルを、サンドイッチELISAで測定した。サイトカイン抗体および標準を含む必要な試薬は、PharMingenから購入した。
【0086】
サイトカインLuminex Multiplex
ある実験においては、培養物上清中のIL−1Rα、IL−6、IL−10、IL−12、IFN−α、IFN−γ、MIP−1α、MIP−β、MCP−1およびIL−12p40p70のレベルを、Luminex Multiplexアッセイにより測定した;これは、Luminex 100装置上でBiosource製ヒトマルチプレクスサイトカインアッセイキットを用いて実施し、データをApplied Cytometry Systems(Sacramento, CA)が供給するStarStationソフトウェアを用いて解析した。
【0087】
ヒト免疫細胞の活性化
ヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)を新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、50μg/mlの表Iからのそれぞれの免疫調節化合物またはコントロールとともに24時間培養した。細胞を蛍光物質抱合Abs(CD123、CD80、CD86)で染色し、データをFC500 MPLサイトメーターで採取した。CD123+細胞におけるCD80およびCD86平均蛍光強度を、FlowJoソフトウェアを用いて分析し、PBSコントロールに対する変化倍率として表現した。
【0088】
ヒト骨髄樹状細胞(mDC)を新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、50μg/mlの表Iからのそれぞれの免疫調節化合物またはコントロールとともに24時間培養した。細胞を蛍光物質抱合Abs(CD11c、CD80、CD40)で染色し、データをFC500 MPLサイトメーターで採取した。CD11c+細胞におけるCD80およびCD40平均蛍光強度を、FlowJoソフトウェアを用いて分析し、PBSコントロールに対する変化倍率として表現した。
【0089】
例4:
表Iからの免疫調節化合物の存在下でのヒトB細胞増殖
ヒトB細胞を、PBMCから、製造業者の指示に従ってCD19 Cell Isolation Kit(Mitenyi Biotec, Auburn, CA)を用いた陽性選択により単離した。
アッセイに用いた培養培地は、1.5mMのグルタミンを補ったRPMI1640培地、1mMのピルビン酸ナトリウム、0.1mMの非必須アミノ酸、50μMの2−メルカプトエタノール、100IU/mlのペニシリン−ストレプトマイシン混合物および10%の熱非活性化ウシ胎仔血清からなる。
全体で1ml当たり0.5×106のB細胞(すなわち、1×105/200μl/ウェル)を、96ウェルの平底プレートで、表Iからのそれぞれの免疫調節化合物の異なる濃度で、3連で(in triplicate)、全68時間刺激した。68時間後、細胞を、1ウェル当たり、20μlのRPMI1640培地(血清なし)中の0.75μCiの[3H]−チミジン(1Ci=37GBq;Perkin Elmer Life Sciences)でパルスし、6〜8時間後に収穫した。次にプレートを細胞収穫器により収穫し、放射性混入物を標準の液体シンチレーション技術により決定した。いくつかのケースでは、対応する[3H]−T(cpm)を増殖指数に変換し、これを用いて報告した。
【0090】
例5:
TLR9アゴニスト化合物で処置されたマウスモデルにおけるin vivoサイトカイン分泌
C57BL/6マウス、5〜6週齢、をTaconic Farms, Germantown, NYから得、Idera PharmaceuticalのIACUC認可動物プロトコルにしたがって維持した。マウス(n=3)に、表Iからのそれぞれの免疫調節化合物0.25または1.0mg/kg(単一投与量)皮下注射した。免疫調節化合物の投与2時間後に血清を後眼窩出血により採取し、IL−12、IL−10、IL−6、IP−10、KC、MCP1MIG、MIP−1αおよびTNF−α濃度をサンドイッチELISAまたはLuminex multiplexアッセイによって決定した。結果を図6に示し、新規化学組成物を含む免疫調節化合物のin vivo投与が、固有のサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを実証する。サイトカインおよびケモカイン抗体および標準を含むすべての試薬は、PharMingen(San Diego, CA)から購入した。
【0091】
例6:
オリゴヌクレオチドによる放射線増感
LNCaP、PC−3、MCF−7、MDA−MB−468、またはPANC−1の異種移植モデルを、確立された手順を用いて確立する(例えばWang, H.., Nan, L.., Yu, D., Agrawal, S. and Zhang, R., Clin. Cancer Res., 7: 3613-3624 (2001), Wang, H., Wang, S., Nan, L., Yu, D., Agrawal, S.and Zhang, R., IntI. J. Oncol., 20: 745-752 (2002), Prasad, G., Wang, H., Agrawal, S. and Zhang, R. Anticancer Res., 22: 107-116(2002), Wang, H., Nan, L., Yu, D., Lindsey, J.R., Agrawal, S. and Zhang, R., Mol. Med., 8: 184-198 (2002), Wang, H., Yu, D., Agrawal, S. and Zhang, R., Prostate, 54: 194-205 (2003)を参照)。簡潔には、MCF−7、MDA−MB−468、およびPANC−1モデルでは、雌の無胸腺ヌードマウス(nu/nu、4−6週齢)を用いる。LNCaPでは、in vivoモデルの雄SCIDマウス(4−6週齢)を用い、雄の無胸腺ヌードマウス(nu/nu、4−6週齢)をPC−3モデルに用いる。すべてのマウスを、Frederick Cancer Research and Development Center(Frederick, MD, USA)から入手する。培養細胞を無血清培地で洗浄し、同培地で再懸濁する。この懸濁液(5×106細胞、0.2ml マウス)をマウスの左鼠径部に注入する。BMMxを、1:1(LNCaP)または1:5(PC−3、MCF−7、MDA−MB−468、またはPANC−1)の割合で、注入前にこの懸濁液と混ぜ合わせる。マウスを、一般的な臨床観察によって、ならびに体重および腫瘍成長によって監視する。腫瘍成長は、腫瘍の長い直径および短い直径を測定することで、ノギスを用いて記録する。腫瘍質量(グラム)を式:1/2a×b2を用いて計算し、ここで、「a」および「b」は、それぞれ長い直径および短い直径(cm)である。
【0092】
LNCaP、PC−3、MCF−7、MDA−MB−468、またはPANC−1の異種移植を有するマウスを、複数の治療群およびコントロール群(5匹/群)に無作為に分ける。滅菌生理食塩水(0.9%NaCl)に溶解したイムノマーまたは不活性イムノマーコントロールを、腹腔内(i.p.)注射(容量、5〜l/g体重)によって5回/週、25mg/kgの用量で与える。放射線群のマウスを、70〜100マイクロリットルのケタミン(20mg/ml)およびキシラジン(20mg/ml)の混合液(1:6.7比)で最初に麻酔し、腫瘍のみが放射線ビームにさらされるように特別に設計された鉛遮蔽下に配置する。γ照射を、60CO Picker unit照射機(JL Shepard Co., Glendale, CA, USA)によって投与する(1.56Gy/分)。動物は、3Gyの放射線を、週に2回(LNCaP)、週に4回(PC−3)、または2、4および9日目の3回(MCF−7、MDA−MB468およびP ANC−l)のいずれかを受ける。オリゴ/放射線併用群のマウスは、照射4時間前にオリゴで前処置する。
【0093】
不活性イムノマーコントロールは、生理食塩水で処置したコントロールと同様に、腫瘍成長に影響を及ぼさないであろうことが予想される。イムノマー化合物単独は、放射線単独がそうであろうように、抗腫瘍活性を示すであろう。放射線と併用するイムノマー化合物は、いずれかの処置単独と比べて、改善されたまたは相乗的な抗腫瘍活性を示すであろう。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年1月30日に出願された米国仮出願第61/148,527号、および2009年10月29日に出願された第61/280,065号の優先権の利益を主張し、その開示は、本明細書に参照として明示的に組込まれる。
【0002】
本発明の背景
技術分野
本発明は、トール様受容体(TLR)媒介性免疫応答の調節に有用な合成化学組成物に関する。特に、本発明は、固有のサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすトール様受容体9(TLR9)のアゴニストに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の概要
トール様受容体(TLR)は多くの免疫系細胞上に存在し、先天性免疫応答に関与することが示されている(Hornung, V. et al., (2002) J. Immunol. 168:4531-4537)。脊椎動物において、このファミリーは、細菌、真菌、寄生生物、およびウィルスからの病原体関連分子パターンを認識することで知られる、TLR1からTLR11と呼ばれる11のタンパク質からなる(Poltorak, a. et al. (1998) Science 282:2085-2088; Underhill, D.M., et al. (1999) Nature 401:811-815; Hayashi, F. et. al (2001) Nature 410:1099-1103; Zhang, D. et al. (2004) Science 303:1522-1526; Meier, A. et al. (2003) Cell. Microbiol. 5:561-570; Campos, M.A. et al. (2001) J. Immunol. 167: 416-423; Hoebe, K. et al. (2003) Nature 424: 743-748; Lund, J. (2003) J. Exp. Med. 198:513-520; Heil, F. et al. (2004) Science 303:1526-1529; Diebold, S.S., et al. (2004) Science 303:1529-1531; Hornung, V. et al. (2004) J. Immunol. 173:5935-5943)。
【0004】
TLRは、脊椎動物が、外来性分子を認識し、それに対する免疫応答を開始するための鍵となる手段であり、先天性免疫応答および適応免疫応答を結びつけるための手段を提供する(Akira, S et al. (2001) Nature Immunol. 2:675-680; Medzhitov, R. (2001) Nature Rev. Immunol. 1:135-145)。いくつかのTLRは、細胞外病原体を検出し、それに対する応答を開始するために細胞表面に位置し、別のTLRは、細胞内病原体を検出し、それに対する応答を開始するために細胞内に位置する。
【0005】
TLR9は、細菌性DNA中および合成オリゴヌクレオチド中の非メチル化CpGモチーフを認識することが知られている(Hemmi, H. et al. (2000) Nature 408:740-745)。CpG含有ホスホロチオアートオリゴヌクレオチドの別の修飾もまた、TLR9を介した免疫応答の調節物質として働くためのその能力に影響し得る(例えばZhao et al., Biochem. Pharmacol. (1996) 51:173-182; Zhao et al. (1996) Biochem Pharmacol. 52:1537-1544; Zhao et al. (1997) Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 7:495-502; Zhao et al (1999) Bioorg. Med. Chem. Lett. 9:3453-3458; Zhao et al. (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:1051-1054; Yu, D. et al. (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:2585-2588; Yu, D. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. Lett. 11:2263-2267; and Kandimalla, E. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:807-813参照)。TLR9の天然に存在するアゴニストは、抗腫瘍活性(例えば腫瘍成長および血管新生)を産生し、効果的な抗癌応答(例えば抗白血病)をもたらすことが示されている(Smith, J.B. and Wickstrom, E. (1998) J.Natl. Cancer Inst. 90:1146-1154)。加えて、TLR9アゴニストは他の知られた抗腫瘍化合物(例えばセツキシマブ、イリノテカン)と相乗的に働くことが示されている(Vincenzo, D., et al. (2006) Clin. Cancer Res. 12(2):577-583)。
【0006】
あるTLR9アゴニストは、コアCpRジヌクレオチドを含む3’−3’結合DNA構造を含み、ここでRは修飾グアノシンである(米国特許第7,276,489号)。加えて、特定の化学的修飾は、免疫応答の特異な調節を起こす特定のオリゴヌクレオチドアナログの調製を可能にする。とくに、構造活性相関研究は、免疫応答の特定の調節を起こす合成モチーフおよび新規DNAベース化合物の同定を可能にし、これらの調節は非メチル化CpGジヌクレオチドによって起こるものとは異なる(Kandimalla, E. et al. (2005) Proc. Natl. Acad. Sci. U S A 102:6925-6930. Kandimalla, E. et al. (2003) Proc. Nat. Acad. Sci. U S A 100:14303-14308; Cong, Y. et al. (2003) Biochem Biophys Res. Commun.310:1133-1139; Kandimalla, E. et al. (2003) Biochem. Biophys. Res. Commun. 306:948-953; Kandimalla, E. et al. (2003) Nucleic Acids Res. 31:2393-2400; Yu, D. et al. (2003) Bioorg. Med. Chem.11:459-464; Bhagat, L. et al. (2003) Biochem. Biophys. Res. Commun.300:853-861; Yu, D. et al. (2002) Nucleic Acids Res.30:4460-4469; Yu, D. et al. (2002) J. Med. Chem.45:4540-4548. Yu, D. et al. (2002) Biochem. Biophys. Res. Commun.297:83-90; Kandimalla. E. et al. (2002) Bioconjug. Chem.13:966-974; Yu, D. et al. (2002) Nucleic Acids Res. 30:1613-1619; Yu, D. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:2803-2808; Yu, D. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. Lett. 11:2263-2267; Kandimalla, E. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:807-813; Yu, D. et al. (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:2585-2588;およびPutta, M. et al. (2006) Nucleic Acids Res. 34:3231-3238)。
【0007】
異なる疾患状態または条件を、サイトカインおよび/またはケモカインの異なるプロファイルで最適に処置し得る。したがって、本分野において、かかる「カスタムチューンされた(custom-tuned)」応答を提供するための新規オリゴヌクレオチドアナログ化合物に対するニーズが存在する。特に、本分野において、特異的で固有の化学的修飾を有し、特異な免疫応答活性化プロファイルを提供するTLR9アゴニストに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0008】
発明の簡単な概要
発明者らは、驚くべきことに、コアCpRジヌクレオチドに隣接する核酸配列、ヌクレオチド間の結合またはオリゴヌクレオチドに接続するリンカーを独自に修飾することが、in vitroおよびin vivoサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすTLR9の新規アゴニストを産生することを発見した。CpR含有オリゴヌクレオチドに対するサイトカインおよびケモカイン応答を「カスタムチューン(custom-tune)」するこの能力は、様々な疾患状態を、疾患特異的およびさらには患者特異的なやり方で、予防および/または処置する能力を提供する。
【0009】
したがって、本発明は、とりわけ、アゴニストとしてのTLR9との相互作用を通じて個別に特異な免疫応答プロファイルを提供する、新規なオリゴヌクレオチドベース化合物を提供する。本発明によるTLR9アゴニストは、特定のおよび固有の化学的修飾によって特徴付けられ、それによりその特異な免疫応答活性化プロファイルを提供する。
【0010】
本発明によるTLR9アゴニストは、様々な細胞型ならびに様々なin vitroおよびin vivo研究モデルにおいて免疫応答を誘導し、各アゴニストは特異な免疫応答プロファイルを提供する。本発明のTLR9アゴニストはまた、単独で、他の薬剤と組み合わせてもしくは共投与されるか、またはワクチンとして用いられる抗原のアジュバントとしてのどちらかにおいて、様々な疾患の予防および/または処置に有用である。これらはまた、免疫系の研究のための、かつ人間およびマウスなどの様々な動物種の免疫系の比較のための道具として有用である。
【0011】
したがって、第1の側面において、本発明は、TLR9のオリゴヌクレオチドベースのアゴニスト(「化合物」)を提供する。
【0012】
第2の側面において、本発明は、本発明のオリゴヌクレオチドベースTLR9アゴニストおよびその薬学的に許容可能な担体を含む医薬製剤を提供する。
【0013】
第3の側面において、本発明は、ワクチンを提供する。この側面のワクチンは、本発明の医薬製剤を含み、さらに抗原を含む。
【0014】
第4の側面において、本発明は、対象、特にはヒトにおいてTLR9媒介免疫応答を起こす方法を提供し、かかる方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを対象に投与することを含む。
【0015】
第5の側面において、本発明は、疾患または障害を有する患者を治療的に処置する方法を提供し、かかる方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを患者に投与することを含む。
【0016】
第6の態様において、本発明は、疾患または障害を予防する方法を提供し、かかる方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを疾患または障害を発症する危険性がある患者に投与することを含む。
【0017】
第7の態様において、本発明は、癌細胞を電離放射線に対して増感する方法を提供する。本発明のこの側面によると、本方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを患者に投与すること、および電離放射線で患者を処置することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の免疫調節化合物のリニア合成のための合成スキームである。DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチル。本発明の全ての免疫調節化合物を例1に従って合成した。
【0019】
【図2A】図2Aは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド0(PBS/培地)、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図2Aは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図2B】図2Bは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド0(PBS/培地)、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図2Bは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0020】
【図3A】図3Aは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図3Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図3B】図3Bは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図3Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0021】
【図4A】図4Aは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)からのIFN−γ濃度を描写したものである。簡潔には、pDCを新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、10μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4B】図4Bは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)からのIFN−γ濃度を描写したものである。簡潔には、pDCを新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、10μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0022】
【図5A】図5Aは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、0、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、3H−チミジンで6〜8時間パルスした。3H−チミジンの取り込みを、液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図5Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図5B】図5Bは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、0、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlの本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、3H−チミジンで6〜8時間パルスした。3H−チミジンの取り込みを、液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図5Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0023】
【図6A】図6Aは、下記例5にしたがって処置されたC57BL/6マウスにおける血清IL−12誘導を描写したものである。簡潔には、1mg/kg用量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図6Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こし、それが様々な疾患に応用されるであろうことをより一般的に示している。
【図6B】図6Bは、下記例5にしたがって処置されたC57BL/6マウスにおける血清IL−12誘導を描写したものである。簡潔には、1mg/kg用量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図6Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こし、それが様々な疾患に応用されるであろうことをより一般的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、アゴニストとしてのTLR9との相互作用を通して独立して特異な免疫応答プロファイルを提供する、新規なオリゴヌクレオチドベース化合物を提供する。本発明のTLR9アゴニストは、固有の化学的修飾によって特徴付けられ、それにより特異な免疫応答活性化プロファイルを提供する。
【0025】
本発明のTLR9アゴニストは、様々な細胞型および様々なin vivoおよびin vitro実験モデルにおいて免疫応答を誘導し、各々のアゴニストは特異な免疫応答プロファイルを提供する。このように、これらは免疫システムの研究のための、ならびにヒトおよびマウスなど、様々な動物種の免疫システムを比較するためのツールとして有用である。本発明のTLR9アゴニストはまた、単独で、他の薬剤と組み合わせて投与されるもしくは共投与されるか、またはワクチンとして用いられる抗原のアジュバントとして投与されるかのどちらかにおいて、様々な疾患の予防および/または処置にも有用である。
【0026】
本発明の目的、その様々な特徴、ならびにその発明自体は、以下の用語が生得的意味を有する添付の図面と共に以下の記載を読むことで、より完全に理解されるだろう。
【0027】
「2’−置換ヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」という語は、一般的に、ペントースまたはアラビノース部分の2’位のヒドロキシル基が置換されて2’−置換または2’−O−置換リボヌクレオシドを産生するヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含む。ある態様において、かかる置換は、1〜6の飽和または不飽和炭素原子を含む低級ヒドロカルビル基によって、ハロゲン原子によって、または6〜10の炭素原子を含むアリール基によってなされ、ここでかかるヒドロカルビルまたはアリール基は非置換であってよく、または例えばハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、カルボキシル、カルボアルコキシ、もしくはアミノ基によって置換されていてよい。2’−O−置換リボヌクレオシドまたは2’−O−置換アラビノシドの例は、限定されずに、2’−アミノ、2’−フルオロ、2’−アリル、2’−O−アルキルおよび2’−プロパルギルリボヌクレオシドまたはアラビノシド、2’−O−メチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メチルアラビノシドおよび2’−O−メトキシエトキシリボヌクレオシドまたは2’−O−メトキシエトキシアラビノシドを含む。
【0028】
指向的に用いられた場合、「3’」という語は一般的に、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの別の領域または位置から(オリゴヌクレオチドの3’位置へ)の同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの3’の領域または位置をいう。
【0029】
指向的に用いられた場合、「5’」という語は一般的に、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの別の領域または位置から(オリゴヌクレオチドの5’位置へ)の同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5’の領域または位置をいう。
【0030】
「約」という語は、一般的に、正確な数が重要でないことを意味する。したがって、オリゴヌクレオチド中のヌクレオシド残基の数は重要ではなく、1または2少ないヌクレオシド残基の数または1から数個の追加のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記のそれぞれの態様の等価物であると意図される。
【0031】
「気道炎症」という語は一般的に、限定することなく、ぜんそくを含むアレルゲンに起因する気道の炎症を含む。
【0032】
「アレルゲン」という語は一般的に、抗原または分子、通常はタンパク質、の抗原部分をいい、これは対象への曝露によってアレルギー反応を引き起こす。典型的には、対象は、例えば膨疹および発赤試験(wheal and flare test)または当該技術分野において知られたあらゆる方法によって示されたように、アレルゲンに対してアレルギー性である。分子は、たとえ対象の小さなサブセットのみが分子への曝露によってアレルギー性(例えばIgE)免疫応答を示した場合でも、アレルゲンといわれる。
【0033】
「アレルギー」という語は一般的に、限定することなく、食物アレルギー、呼吸器アレルギーおよび皮膚アレルギーを含む。
【0034】
「抗原」という語は一般的に、抗体またはT細胞もしくはB細胞抗原受容体によって認識され、選択的に結合され、特定の免疫応答を誘発する基質のことをいう。抗原は、これに限定するものではないが、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸およびそれらの組み合わせを含んでよい。抗原は天然または合成であってよく、一般的に抗原特異的な免疫応答を誘導する。
【0035】
「癌」という語は一般的に、限定することなく、異常なまたは制御されていない細胞増殖および/または分裂に起因する、あらゆる悪性増殖または腫瘍をいう。癌はヒトおよび/または動物で起こり得、あらゆるおよび全ての組織において生じ得る。本発明によるがんを有する患者の処置は、異常なまたは制御されていない細胞増殖および/または分裂が影響を受けるように、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含んでよい。
【0036】
「担体」という語は一般的に、あらゆる賦形剤、希釈剤、充填材、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、油脂、脂質、脂質含有ベシクル、マイクロスフェア、リポソーム被包、または医薬製剤に用いられることが当業者に周知の他の材料を包含する。担体、賦形剤または希釈剤の特性は、特定の用途についての投与ルートに依存するであろうことが理解されるだろう。これらの材料を含有する薬学的に許容可能な製剤の調製は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990などに記載されている。
【0037】
「薬学的に許容可能な」または「生理学的に許容可能な」という語は一般的に、本発明の化合物の有効性を妨害せず、細胞、細胞カルチャー、組織または生物体などの生物システムに適合する材料のことをいう。好ましくは、生物システムは、脊椎動物などの生きている生物体である。
【0038】
「共投与」または「共投与された」という語は一般的に、少なくとも2つの異なる基質を、免疫応答を調節するために、十分に近い時間で投与することをいう。いくつかの好ましい態様において、共投与は、少なくとも二つの異なる基質の同時投与をいう。
【0039】
「薬学的に有効な量」という語は一般的に、有益な結果などの所望の生物学的効果に影響するのに十分な量をいう。したがって「薬学的に有効な量」は投与される背景に依存し得る。薬学的に有効な量は、1または2以上の予防的または治療的投与において投与されてよい。
【0040】
「組み合わせて」という語は一般的に、患者の処置過程において、本発明の化合物ならびに、疾患および病態を処置するのに有用な別の剤を投与することを意味する。かかる投与は、同時投与、ならびに数秒から数日までの間隔、数時間から数日までの間隔、または数時間の間隔で時間的に間隔が置かれた順番を含む、あらゆる順番で行われてよい。かかる組合せ治療はまた、単なる本発明の化合物および/または独立して他の剤の単一投与以上のものを含んでよい。本発明の化合物および他の剤の投与は、同一または異なるルートによってよい。
【0041】
「対象」または「患者」という語は一般的に、ヒトなどの哺乳動物をいう。哺乳動物は一般的に、これに限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、畜牛、ウシ、ブタ、ヒツジおよびウサギを含む。
【0042】
「キナーゼ阻害剤」という語は一般的に、細胞において、リン酸化依存性細胞シグナリング経路および/または細胞増殖経路を拮抗または阻害する分子をいう。キナーゼ阻害剤は天然または合成であってよく、経口治療として投与される可能性を有する小分子を含んでよい。キナーゼ阻害剤は、標的キナーゼ分子の活性化を速やかにおよび特異的に阻害する能力を有する。プロテインキナーゼは、1つにはそれらが広範なシグナリングおよび増殖経路を制御し、多くの異なるタンパク質を含むことから、魅力的な薬剤標的である。このようにそれらは、癌、循環器疾患、炎症性障害、糖尿病、黄斑変性症、神経障害を含む、キナーゼシグナリングが関与する疾患の治療に大きな可能性を有する。キナーゼ阻害剤の例は、これらに限定されるわけではないが、エルロチニブ塩酸塩(Tarceva(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、ソラフェニブトシル酸塩(Nexavar(登録商標))、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent(登録商標))、ダサチニブ(Sprycel(商標))、バンデタニブ(Zactima(商標))、ラパチニブ(Tykerb(商標))、テムシロリムス(Toricel(登録商標))、およびイマチニブメシル酸塩(Gleevec(登録商標))を含む。
【0043】
「哺乳動物」という語は明示的に、限定することなくヒトを含む、温血の、脊椎動物を含むことを意図する。
【0044】
「修飾ヌクレオシド」という語は一般的に、修飾複素環式塩基、修飾糖部分、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むヌクレオシドをいう。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシドは、本明細書に記載されたように、非天然ピリミジンまたはプリンヌクレオシドである。本発明の目的のため、「修飾ヌクレオシド」、「ピリミジン」または「プリンアナログ」あるいは「非天然のピリミジンまたはプリン」という語は互換的に用いることができ、非天然の塩基および/または非天然の糖部分を含むヌクレオシドをいう。本発明の目的のため、塩基は、それがグアニン、シトシン、アデニン、チミンまたはウラシルでない場合、非天然であると考えられる。
【0045】
「調節」または「調節的」という語は一般的に、応答における増加またはTLR−9媒介性応答における質的な相違などの変化をいう。
【0046】
「リンカー」という語は一般的に、糖、塩基または骨格を介して、共有または非共有結合を通じてオリゴヌクレオチドに取り付け可能なあらゆる部分をいう。リンカーは2または3以上のヌクレオシドを取り付けるために用いることができ、またはオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端ヌクレオチドに取り付けることができる。本発明のある態様において、かかるリンカーは非ヌクレオチドリンカーである
【0047】
「非ヌクレオチドリンカー」という語は一般的に、共有または非共有結合を通じてオリゴヌクレオチドに取り付け可能な、ヌクレオチド結合以外の化学的部分をいう。好ましくは、かかる非ヌクレオチドリンカーは、約2オングストロームから約200オングストロームの長さであり、シスまたはトランス配置のどちらかであってよい。
【0048】
「ヌクレオチド結合」という語は一般的に、隣接するヌクレオシド間のリン原子および帯電した、または中性の基(例えばホスホジエステル、ホスホロチオアート、ホスホロジオアート、またはアルキルホスホネート)からなる、2つのヌクレオチドをそれらの糖を介して(例えば3’−3’、2’−3’、2’−5’、3’−5’)結びつける化学的結合をいう。
【0049】
「オリゴヌクレオチドベース化合物」という語は、複数の結合したヌクレオシドユニットから形成されるポリヌクレオシドをいう。ヌクレオシドユニットはウィルス、細菌、細胞片、siRNAまたはマイクロRNAの一部であってよく、またはそれらの一部にしてもよい。かかるオリゴヌクレオチドはまた、ゲノムDNAまたはcDNAを含む既存の核酸源から得ることもできるが、好ましくは合成法により産生される。好ましい態様において、各ヌクレオシド単位は、複素環式塩基およびペントフラノシル、トレハロース、アラビノース、2’−デオキシ−2’−置換ヌクレオシド、2’−デオキシ−2’−置換アラビノース、2’−O−置換アラビノースまたはヘキソース糖基を含む。ヌクレオシド残基は、多くの知られたヌクレオシド間結合によって、お互いに組み合わされることができる。かかるヌクレオシド間結合は、限定することなく、ホスホジエステル、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、アルキルホスホナート、アルキルホスホノチオアート、ホスホトリエステル、ホスホロアミダート、シロキサン、カルボナート、カルボアルコキシ、アセトアミダート、カルバマート、モルホリノ、ボラノ、チオエーテル、架橋ホスホロアミダート、架橋メチレンホスホナート、架橋ホスホロチオアート、およびスルホンヌクレオシド間結合を含む。「オリゴヌクレオチドベース化合物」という語もまた、1または2以上の立体特異的ヌクレオシド間結合(例えば、(RP)−または(SP)−ホスホロチオアート、アルキルホスホナート、またはホスホトリエステル結合)を有するポリヌクレオシドを包含する。本明細書で使用された場合、「オリゴヌクレオチド」および「ジヌクレオチド」は明示的に、結合がリン酸基を含もうと含まなかろうと、あらゆるかかるヌクレオシド間結合を有するポリヌクレオシドおよびジヌクレオシドを含むことを意図する。ある好ましい態様において、これらのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオアートまたはホスホロジチオアート結合、あるいはそれらの組み合わせである。
【0050】
用語「ペプチド」は、該ペプチドがハプテンであろうと無かろうと、例えば抗体産生またはサイトカイン活性など、生物学的応答に影響するのに十分な長さおよび組成を有するアミノ酸オリゴマーを一般的にいう。用語「ペプチド」は、修飾アミノ酸(天然または非天然であるかどうかにかかわらず)を含んでもよく、かかる修飾は、これに限定されるものではないが、リン酸化、グリコシル化、PEG化、脂質化(lipidization)およびメチル化を含む。
【0051】
「TLR9アゴニスト」という語は一般的に、TLR9によって媒介される免疫刺激を増強、誘導または調節することができるオリゴヌクレオチドベースの化合物をいう。
【0052】
「処置」という語は一般的に、症状の緩和、または疾患の進行を遅らせるかまたは改善することを含み得る、有益な、または所望の結果を得ることを意図したアプローチをいう。
【0053】
第一の側面において、本発明は、TLR9のオリゴヌクレオチドベースのアゴニスト(「化合物」)を提供する。本発明のあるTLR9アゴニストを、下の表Iに示す。この表において、オリゴヌクレオチドベースのTLR9アゴニストは全て、別に指示のある場合を除き、ホスホロチオアート(PS)結合を有する。しかし当業者は、ホスホジエステル(PO)結合、またはPS結合とPO結合の組み合わせも用いることができることを、認識する。別に指示のある場合を除き、全てのヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチドである。
【0054】
【表1】
【0055】
表IからのTLR9アゴニストを、例2の記載のようにして、TLR9を発現するHEK293細胞において免疫刺激活性について試験した。下の図2は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、投与後18時間においてそれらのTLR9媒介性NF−κB活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、NF−κB活性を増加または減少できることを示す。
【0056】
表IからのTLR9アゴニストを、例3の記載のようにして、ヒトPBMC中のIL−12、IL−10、IL−8、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、IL−1Rα、IL−2RおよびMCP−1アッセイにおいて免疫刺激活性について試験した。図3に示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、ヒトPBMCにおけるTLR9媒介性IL−12、IL−10、IL−8、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、IL−1Rα、IL−2Rおよび/またはMCP−1活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、IL−12、IL−10、IL−8、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、IL−1Rα、IL−2RおよびMCP−1活性を増加または減少できることを示す。
【0057】
表IからのTLR9アゴニストを、例3の記載のようにして、ヒトpDC中のIL−12、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1βおよびTNFαアッセイにおいて免疫刺激活性について試験した。図4Aおよび5Bに示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、ヒトpDCにおけるTLR9媒介性免疫活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、IL−12、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1βおよびTNFα活性を増加または減少できることを示す。
【0058】
表IからのTLR9アゴニストを、例4の記載のようにして、ヒトB細胞増殖アッセイにおいて免疫刺激活性について試験した。図5に示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、TLR9媒介性B細胞増殖活性を変化させること、および、この活性化プロファイルは、化学修飾に依存して用量依存性となり得ることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、B細胞増殖を調節できることを示す。
【0059】
表IからのTLR9アゴニストを、例5の記載のようにして、C57B1/6およびマウス中のin vivo免疫刺激活性について試験した。図6に示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、マウスモデルにおけるTLR9媒介性免疫活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、in vivoサイトカインおよび/またはケモカイン濃度を変化させることができることを示し、これは多くの疾患における用途を見出すだろう。
【0060】
上記したように、本発明は、第1の側面において、オリゴヌクレオチドベースのTLR9合成アゴニストを提供する。塩基、糖、リンケージ、またはリンカーに対する一定の化学修飾に基づき、TLR9のアゴニストは、接触可能5’末端を保持しつつ、他のTLR9アゴニスト分子と会合しおよび/または重複した場合に、増加した安定性を有することができる。
【0061】
いくつかの態様において、非ヌクレオチドリンカーは、これに限定されるものではないが、1,2,4−ブタントリオール、シス、トランス−1,3,5−シクロヘキサントリオール、1,3,5−ペンタントリオールまたは2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールを含んでもよい。
【化1】
【0062】
第2の側面において、本発明は、本発明によるオリゴヌクレオチドベースのTLR9アゴニスト(「化合物」)および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0063】
活性化合物は、薬学的に許容し得る担体または希釈剤中に、処置される患者に重篤な毒性効果を及ぼすことなく、薬学的に有効な量で患者に送達されるのに十分な量で、含有される。薬学的に許容し得る誘導体の有効な用量範囲は、送達される親化合物の重量、または当業者に知られた他の方法に基づき算出することができる。誘導体それ自体が活性を示す場合は、有効用量は誘導体の重量を用いて、または当業者に既知の他の手段により、上記のようにして推定可能である。
【0064】
第3の側面において、本発明はワクチンを提供する。この側面によるワクチンは、本発明の医薬製剤を含み、さらに抗原を含む。抗原とは、特異的免疫応答を誘発する分子である。かかる抗原は、限定することなく、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質および複合体またはこれらの任意のものの組合せを含む。あらゆるかかる抗原は、任意に免疫原性タンパク質またはペプチドに連結してもよく、その例は例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、コレラ毒素Bサブユニット、またはあらゆる他の免疫原性担体タンパク質である。
【0065】
本発明によるワクチンはさらに、あらゆる過剰なアジュバントをさらに含んでよく、その例は限定なく、フロイント完全アジュバント、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、モノホスホリル脂質A(MPL)、ミョウバン、およびQS−21を含むサポニン、イミキモド、R848、TLRアゴニストまたはこれらの組合せを含む。
【0066】
第4の側面において、本発明は、対象においてTLR9媒介性免疫応答を引き起こすための方法を提供し、かかる方法は、対象に対し、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含む。いくつかの態様において、対象はヒトである。好ましい態様において、化合物、医薬製剤またはワクチンは、免疫刺激を必要とする対象に投与される。特定の好ましい態様において、対象はヒトである。
【0067】
本発明のこの側面による方法において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンの投与は任意の好適な経路により行うことができ、これには、限定することなく、非経口、経口、腫瘍内、舌下、経皮、局所、経鼻、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、粘膜、膣、あるいは遺伝子銃、経皮パッチまたは点眼もしくは口腔洗浄の形態によるものを含む。化合物、医薬製剤またはワクチンの投与は、既知の手順を用いて、疾患の症状または代理マーカーを低減するのに有効な用量と期間で、行うことができる。全身投与の場合、化合物、医薬製剤またはワクチンは、本発明の化合物の約0.0001マイクロモル〜約10マイクロモルの血中レベルを達成するのに十分な用量で投与するのが好ましい。局所投与の場合、これよりはるかに低い濃度が有効であり得、またはるかに高い濃度が重篤な毒性効果なしに耐容され得る。好ましくは、本発明による化合物の総用量は1日約0.001mg/患者〜1日約200mg/体重1kgまでの範囲である。本発明の1または2種以上の治療組成物の治療有効量を、同時に、または連続して、対象に対して1つの処置エピソードとして投与することが望ましい場合もある。
【0068】
ある好ましい態様においては、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンは他の剤と共投与または組み合わせて投与され、これらの剤は限定することなく、化学療法剤、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA分子、アプタマー、リボザイム、標的治療薬(targeted therapeutics)、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチン、および/または免疫応答の特異性もしくは強さを増強するためのアジュバント、放射性同位体、ならびに電離放射線を含む。
【0069】
本発明のこの側面による方法は、ヒトまたは動物の疾患の予防的または治療的処置に有用である。例えば、本方法は、ヒトの成人および小児ならびに獣医学の用途に有用である。本方法はまた、免疫系のモデル研究にも有用である。
【0070】
第5の側面において、本発明は、疾患または障害を有する患者を治療的に処置するための方法を提供し、かかる方法は、患者に対し、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含む。種々の態様において、処置される疾患または障害は、癌、感染性疾患、気道炎症、炎症性障害、アレルギー、ぜん息、または病原体もしくはアレルゲンにより引き起こされる障害である。病原体は例えば、細菌、寄生生物、真菌、ウィルス、ウィロイド、およびプリオンを含む。投与は、本発明の第4の側面において記載されたようにして実施する。
【0071】
第6の側面において、本発明は、疾患または障害を予防するための方法を提供し、かかる方法は、該疾患または障害を発症するリスクが高い患者に対し、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含む。種々の態様において、予防される疾患または障害は、癌、自己免疫障害、気道炎症、炎症性障害、感染性疾患、アレルギー、ぜん息、または病原体により引き起こされる疾患である。病原体は、限定することなく、細菌、寄生生物、真菌、ウィルス、ウィロイド、およびプリオンを含む。投与は、本発明の第4の側面において記載されたようにして実施する。疾患または障害を発症するリスクが高い患者は、一般的に、疾患または障害の1または2以上の病原因子もしくは原因となる条件にさらされてきた、または、さらされるであろう患者、ならびに/あるいは疾患または障害についての遺伝的素因を有する患者である。
【0072】
第7の態様において、本発明は、癌細胞を電離放射線に対して増感する方法を提供する。本発明のこの側面による本方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを、電離放射線と組み合わせて患者に投与することを含む。ある好ましい態様において、電離放射線を約1.56Gy/分で投与する。ある好ましい態様において、週に2回または週に4回の約3Gyの放射線で放射線療法を施す。代替的な態様において、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを、最初の日(0日目)に患者に投与して、その2日後(2日目)、4日後(4日目)、および9日後(9日目)に、約3Gyの放射線で放射線療法を患者に施す。ある態様において、化合物または医薬製剤での前処置は、γ−照射の約2時間〜約6時間前である。
【0073】
本発明のあらゆる方法において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンは、疾患または状態を予防または処置するのに有用であり、かつ本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンの免疫刺激効果を無効にしないような他の剤と共投与または組み合わせて、投与することができる。本発明のあらゆる方法において、疾患または病態を予防または処置するのに有用な他の剤は、限定することなく、ワクチン、抗原、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA分子、アプタマー、リボザイム、標的治療薬、TLRアゴニスト、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチン、および/または免疫応答の特異性もしくは強さを増強するためのアジュバント、または、共刺激性分子であって、例えばサイトカイン、ケモカイン、タンパク質リガンド、トランス活性化因子、ペプチド、および修飾アミノ酸を含むペプチドなどを含む。例えば、癌の予防および/または処置において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを、化学治療化合物、モノクローナル抗体、放射性同位体、または電離放射線と共投与または組み合わせて投与できることが意図される。
【0074】
本発明による方法において用いられる好ましい化学治療剤は、限定することなく、ゲムシタビン、メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、糖非含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、パクリタキセル、フラジリン(fragyline)、メグラミン(Meglamine)GLA、バルルビシン、カルムスチン(carmustaine)およびポリフェプロサン(poliferposan)、MMI270、BAY 12−9566、RASファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメトレキソール(Lometexol)、グラモレック(Glamolec)、CI−994、TNP−470、Hycamtin(登録商標)/トポテカン、PKC412、バルスポダール/PSC833、Novantrone(登録商標)/ミトロキサントロン(Mitroxantrone)、メタレット(Metaret)/スラミン、バスチマスタット、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、インセル(Incel)/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マリマスタット(Marmistat)、BB2516/マリマスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レモナール DP 2202、FK 317、ピシバニール/OK−432、AD 32/バルルビシン、Metastron(登録商標)/ストロンチウム誘導体、テモダール/テモゾロミド、エバセト(Evacet)/リポソーム化ドキソルビシン、イエウタキサン(Yewtaxan)/パクリタキセル、Taxol(登録商標)/パクリタキセル、ゼローダ(Xeload)/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス(Cyclopax)/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU−077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS−182751/経口白金、UFTTM(テガフール/ウラシル)、Ergamisol(登録商標)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FU増強剤、カンプト/レバミゾール、Camptosar(登録商標)/イリノテカン、トミュデックス(Tumodex)/ラルチトレキセド(Ralitrexed)、Leustatin(登録商標)/クラドリビン、パクセクス(Paxex)/パクリタキセル、Doxil(登録商標)/リポソーム化ドキソルビシン、ケリックス(Caelyx)/リポソーム化ドキソルビシン、Fludara(登録商標)/フルダラビン、ファルモルビシン(Pharmarubicin)/エピルビシン、DepoCyt(登録商標)/シタラビン、ZD1839、LU 79553/ビス−ナフタルイミド、LU 103793/ドラスタチン(Dolastain)、カエティクス(Caetyx)/リポソーム化ドキソルビシン、Gemzar(登録商標)/ゲムシタビン、ZD 0473(Anormed(登録商標))、YM 116、ヨウ素種(Iodine seeds)、CDK4およびCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォサミド(Dexifosamide)、Ifex(登録商標)/イフォスファミド、Mesnex(登録商標)/メスナ、Vumon(登録商標)/テニポシド、Paraplatin(登録商標)/カルボプラチン、プランチノール(Plantinol)/シスプラチン、ベペシド/エトポシド、ZD 9331、Taxotere(登録商標)/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサンアナログ、ニトロソウレア、メルファラン(melphelan)およびシクロフォスファミドなどのアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロランブシル(Chlorombucil)、塩酸シタラビン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド(VP16−213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−FU)、フルタミド、ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド)、イフォスファミド、インターフェロンアルファ−2a、アルファ−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH−放出因子アナログ)、ロムスチン(CCNU)、塩酸メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ、ミトタン(o,p’−DDD)、塩酸ミトキサントロン、オクトレオチド、プリカマイシン、塩酸プロカルバジン、ストレプトゾシン、クエン酸タモキシフェン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m−AMSA)、アザシチジン、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(メチル−GAG;メチルグリオキサールビス−グアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(2’デオキシコホルマイシン)、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(VM−26)、または硫酸ビンデシンを含む。好ましいモノクローナル抗体は、これに限定するものではないが、Panorex(登録商標)(Glaxo-Welcome)、Rituxan(登録商標)(IDEC/Genentech/Hoffman la Roche)、Mylotarg(登録商標)(Wyeth)、Campath(登録商標)(Millennium)、Zevalin(登録商標)(IDEC and Schering AG)、Bexxar(登録商標)(Corixa/GSK)、Erbitux(登録商標)(Imclone/BMS)、Avastin(登録商標)(Genentech)および Herceptin(登録商標)(Genentech/Hoffman la Roche)を含む。
【0075】
代替的に、疾患または病態を予防または処置するのに有用な剤は、抗原またはアレルゲンをコードするDNAベクターを含むことができる。これらの態様において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンは、アジュバントとして様々に作用し得、および/または直接的な免疫調節効果を産生し得る。
【0076】
本明細書中で引用される特許および刊行物は、技術分野における知識レベルを反映し、ここにその全体が参考文献として組み込まれる。これらの特許および刊行物の教示と、本明細書の教示との間の任意の矛盾は、後者を支持するように解決されるべきである。当業者は、日常的な実験以上のものを用いることなく、本明細書に記載された特定の物質および手順の、多数の同等物を認識し、または確認することができるであろう。
【0077】
以下の例は、本発明を実行および実施する例示的な様式を説明するが、同様の結果を得るために代替的な方法を利用してもよいので、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0078】
例1:
免疫刺激部分を含有するオリゴヌクレオチドベース化合物の合成
本発明の化学的実体は、1μmolから0.1mMのスケールで、自動化DNA合成機(OligoPilot II, AKTA, (Amersham)および/またはExpedite 8909 (Applied Biosystem))を用いて、図1に概説したリニア合成またはパラレル合成手順にしたがって合成した。
【0079】
5’−DMT dA、dG、dCおよびTホスホロアミダイトは、Proligo(Boulder, CO)から購入した。5’−DMT 7−デアザdGおよびaraGホスホロアミダイトはChemgenes(Wilmington, MA)から得た。DiDMT−グリセロールリンカー固体支持体はChemgenesから得た。1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンアミダイトはGlen Research(Sterlin, VA)から得、2’−O−メチルリボヌクレオシドアミダイトはPromega(Obispo, CA)から得た。本発明の全ての化合物は、ホスホロチオアート骨格修飾であった。
【0080】
全てのヌクレオシドホスホラミダイトは31Pおよび1H NMRスペクトルで特定した。修飾ヌクレオシドは、供給者によって推奨された通常のカップリングサイクルを用いて特定の部位に組込まれた。合成の後、化合物を濃水酸化アンモニウムを用いて脱保護および逆相HPLCによって精製、脱トリチル化、続いて透析した。ナトリウム塩の形態としての精製化合物を、使用の前に凍結乾燥した。純度はCGEおよびMALDI−TOF MSによって試験した。エンドトキシンレベルをLAL試験によって決定し、1.0EU/mgであった。
【0081】
例2:
細胞培養条件および試薬
マウスTLR9を発現するHEK293またはHEK293XL細胞(Invivogen, San Diego, CA)を48ウェルプレート中の250μl/ウェルの10%加熱不活性化FBS添加DMEM中で、5%CO2インキュベーターに入れて培養した。80%コンフルエンス時点で、培養物を、SEAP(分泌型ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ)レポータープラスミド(pNifty2−Seap)(Invivogen)400ng/mlで、4μl/mlのリポフェクタミン(Invitrogen, Carlsbad, CA)の存在下、培養培地中で一時的にトランスフェクトした。プラスミドDNAおよびリポフェクタミンを、血清フリーの培地中で個別に希釈し、室温で5分インキュベートした。インキュベートの後、希釈DNAおよびリポフェクタミンを混合し、混合物を室温で20分インキュベートした。100ngのプラスミドDNAおよび1μlのリポフェクタミンを含有するDNA/リポフェクタミン混合物25μlのアリコートを、細胞培養プレートの各ウェルに添加し、培養を4時間継続した。
【0082】
マウスTLR9を発現するHEK293細胞中の、表Iからの免疫調節化合物によるサイトカイン誘導
トランスフェクション後、培地を新鮮な培養培地と取り替え、表Iからのそれぞれの免疫調節化合物を、0、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/mlの濃度で培地に添加し、培養を18時間継続した。化合物処理の最後に、NF−κBのレベルを、製造者のプロトコル(Invitrogen)にしたがってSEAP(分泌型ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。簡潔には、30μlの培養上清をを各処置物から採取し、p−ニトロフィニルホスフェート基質とともにインキュベートし、発生した黄色を405nmでプレートリーダーで計測した(Putta MR et al., Nucleic Acids Res., 2006, 34:3231-8)。
【0083】
例3:
表Iからの免疫調節化合物による、ヒトPBMC、pDCおよびマウス脾臓細胞におけるサイトカイン誘導
ヒトPBMCの単離
新しく収集した健康なボランティアの血液(CBR Laboratories, Boston, MA)からの末梢血単核細胞(PBMC)を、フィコール密度勾配遠心分離法(Histopaque-107, Sigma)により単離した。
【0084】
ヒトpDCの単離
ヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)を、新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCを、製造者の使用説明書にしたがってBDCA4細胞単離キット(Miltenyi Biotec)を用いた陽性選択により単離した。
【0085】
ヒトPBMCを、48ウェルプレートに5×106細胞/mlでプレートした。ヒトpDCを、96ウェルディシュに1×106細胞/mlでプレートした。DPBS(pH7.4;Mediatech)中に溶解した表Iのそれぞれの免疫調節化合物を、細胞培養物に、0、0.1、0.3、1.0、3.0または10μg/ml加えた。細胞を次に37℃で24時間インキュベーションし、上清をLuminex Multiplex用またはELISAアッセイ用に収集した。ある実験においては、IFN−α、IL−6および/またはIL−12のレベルを、サンドイッチELISAで測定した。サイトカイン抗体および標準を含む必要な試薬は、PharMingenから購入した。
【0086】
サイトカインLuminex Multiplex
ある実験においては、培養物上清中のIL−1Rα、IL−6、IL−10、IL−12、IFN−α、IFN−γ、MIP−1α、MIP−β、MCP−1およびIL−12p40p70のレベルを、Luminex Multiplexアッセイにより測定した;これは、Luminex 100装置上でBiosource製ヒトマルチプレクスサイトカインアッセイキットを用いて実施し、データをApplied Cytometry Systems(Sacramento, CA)が供給するStarStationソフトウェアを用いて解析した。
【0087】
ヒト免疫細胞の活性化
ヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)を新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、50μg/mlの表Iからのそれぞれの免疫調節化合物またはコントロールとともに24時間培養した。細胞を蛍光物質抱合Abs(CD123、CD80、CD86)で染色し、データをFC500 MPLサイトメーターで採取した。CD123+細胞におけるCD80およびCD86平均蛍光強度を、FlowJoソフトウェアを用いて分析し、PBSコントロールに対する変化倍率として表現した。
【0088】
ヒト骨髄樹状細胞(mDC)を新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、50μg/mlの表Iからのそれぞれの免疫調節化合物またはコントロールとともに24時間培養した。細胞を蛍光物質抱合Abs(CD11c、CD80、CD40)で染色し、データをFC500 MPLサイトメーターで採取した。CD11c+細胞におけるCD80およびCD40平均蛍光強度を、FlowJoソフトウェアを用いて分析し、PBSコントロールに対する変化倍率として表現した。
【0089】
例4:
表Iからの免疫調節化合物の存在下でのヒトB細胞増殖
ヒトB細胞を、PBMCから、製造業者の指示に従ってCD19 Cell Isolation Kit(Mitenyi Biotec, Auburn, CA)を用いた陽性選択により単離した。
アッセイに用いた培養培地は、1.5mMのグルタミンを補ったRPMI1640培地、1mMのピルビン酸ナトリウム、0.1mMの非必須アミノ酸、50μMの2−メルカプトエタノール、100IU/mlのペニシリン−ストレプトマイシン混合物および10%の熱非活性化ウシ胎仔血清からなる。
全体で1ml当たり0.5×106のB細胞(すなわち、1×105/200μl/ウェル)を、96ウェルの平底プレートで、表Iからのそれぞれの免疫調節化合物の異なる濃度で、3連で(in triplicate)、全68時間刺激した。68時間後、細胞を、1ウェル当たり、20μlのRPMI1640培地(血清なし)中の0.75μCiの[3H]−チミジン(1Ci=37GBq;Perkin Elmer Life Sciences)でパルスし、6〜8時間後に収穫した。次にプレートを細胞収穫器により収穫し、放射性混入物を標準の液体シンチレーション技術により決定した。いくつかのケースでは、対応する[3H]−T(cpm)を増殖指数に変換し、これを用いて報告した。
【0090】
例5:
TLR9アゴニスト化合物で処置されたマウスモデルにおけるin vivoサイトカイン分泌
C57BL/6マウス、5〜6週齢、をTaconic Farms, Germantown, NYから得、Idera PharmaceuticalのIACUC認可動物プロトコルにしたがって維持した。マウス(n=3)に、表Iからのそれぞれの免疫調節化合物0.25または1.0mg/kg(単一投与量)皮下注射した。免疫調節化合物の投与2時間後に血清を後眼窩出血により採取し、IL−12、IL−10、IL−6、IP−10、KC、MCP1MIG、MIP−1αおよびTNF−α濃度をサンドイッチELISAまたはLuminex multiplexアッセイによって決定した。結果を図6に示し、新規化学組成物を含む免疫調節化合物のin vivo投与が、固有のサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを実証する。サイトカインおよびケモカイン抗体および標準を含むすべての試薬は、PharMingen(San Diego, CA)から購入した。
【0091】
例6:
オリゴヌクレオチドによる放射線増感
LNCaP、PC−3、MCF−7、MDA−MB−468、またはPANC−1の異種移植モデルを、確立された手順を用いて確立する(例えばWang, H.., Nan, L.., Yu, D., Agrawal, S. and Zhang, R., Clin. Cancer Res., 7: 3613-3624 (2001), Wang, H., Wang, S., Nan, L., Yu, D., Agrawal, S.and Zhang, R., IntI. J. Oncol., 20: 745-752 (2002), Prasad, G., Wang, H., Agrawal, S. and Zhang, R. Anticancer Res., 22: 107-116(2002), Wang, H., Nan, L., Yu, D., Lindsey, J.R., Agrawal, S. and Zhang, R., Mol. Med., 8: 184-198 (2002), Wang, H., Yu, D., Agrawal, S. and Zhang, R., Prostate, 54: 194-205 (2003)を参照)。簡潔には、MCF−7、MDA−MB−468、およびPANC−1モデルでは、雌の無胸腺ヌードマウス(nu/nu、4−6週齢)を用いる。LNCaPでは、in vivoモデルの雄SCIDマウス(4−6週齢)を用い、雄の無胸腺ヌードマウス(nu/nu、4−6週齢)をPC−3モデルに用いる。すべてのマウスを、Frederick Cancer Research and Development Center(Frederick, MD, USA)から入手する。培養細胞を無血清培地で洗浄し、同培地で再懸濁する。この懸濁液(5×106細胞、0.2ml マウス)をマウスの左鼠径部に注入する。BMMxを、1:1(LNCaP)または1:5(PC−3、MCF−7、MDA−MB−468、またはPANC−1)の割合で、注入前にこの懸濁液と混ぜ合わせる。マウスを、一般的な臨床観察によって、ならびに体重および腫瘍成長によって監視する。腫瘍成長は、腫瘍の長い直径および短い直径を測定することで、ノギスを用いて記録する。腫瘍質量(グラム)を式:1/2a×b2を用いて計算し、ここで、「a」および「b」は、それぞれ長い直径および短い直径(cm)である。
【0092】
LNCaP、PC−3、MCF−7、MDA−MB−468、またはPANC−1の異種移植を有するマウスを、複数の治療群およびコントロール群(5匹/群)に無作為に分ける。滅菌生理食塩水(0.9%NaCl)に溶解したイムノマーまたは不活性イムノマーコントロールを、腹腔内(i.p.)注射(容量、5〜l/g体重)によって5回/週、25mg/kgの用量で与える。放射線群のマウスを、70〜100マイクロリットルのケタミン(20mg/ml)およびキシラジン(20mg/ml)の混合液(1:6.7比)で最初に麻酔し、腫瘍のみが放射線ビームにさらされるように特別に設計された鉛遮蔽下に配置する。γ照射を、60CO Picker unit照射機(JL Shepard Co., Glendale, CA, USA)によって投与する(1.56Gy/分)。動物は、3Gyの放射線を、週に2回(LNCaP)、週に4回(PC−3)、または2、4および9日目の3回(MCF−7、MDA−MB468およびP ANC−l)のいずれかを受ける。オリゴ/放射線併用群のマウスは、照射4時間前にオリゴで前処置する。
【0093】
不活性イムノマーコントロールは、生理食塩水で処置したコントロールと同様に、腫瘍成長に影響を及ぼさないであろうことが予想される。イムノマー化合物単独は、放射線単独がそうであろうように、抗腫瘍活性を示すであろう。放射線と併用するイムノマー化合物は、いずれかの処置単独と比べて、改善されたまたは相乗的な抗腫瘍活性を示すであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16および17から選択される配列を有するオリゴヌクレオチドベースの化合物を含む免疫調節化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の免疫調節化合物および生理学的に許容可能な担体を含む、組成物。
【請求項3】
対象において免疫応答を起こす方法であって、該方法が、薬学的に有効な量の請求項1に記載の化合物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
免疫応答の調節が有益な疾患または障害を有する対象を治療的に処置する方法であって、かかる方法が、薬学的に有効な量の請求項1に記載の化合物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
疾患または障害が、癌、気道炎症、炎症性障害、感染性疾患、皮膚障害、アレルギー、ぜんそくまたは病原体もしくはアレルゲンに起因する疾患である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
1または2以上の化学療法化合物、標的治療剤、ワクチン、アジュバント、抗原、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA分子、アプタマー、リボザイム、TLRアゴニスト、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、DNAワクチン、アジュバント、共刺激性分子、放射性同位体もしくは電離放射線、またはそれらの組み合わせを投与することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
抗体が、Panorex(登録商標)(Glaxo-Welcome)、Rituxan(登録商標)(IDEC/Genentech/Hoffman la Roche)、Mylotarg(登録商標)(Wyeth)、Campath(登録商標)(Millennium)、Zevalin(登録商標)(IDEC and Schering AG)、Bexxar(登録商標)(Corixa/GSK)、Erbitux(登録商標)(Imclone/BMS)、Avastin(登録商標)(Genentech)および Herceptin(登録商標)(Genentech/Hoffman la Roche)から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
化学療法剤が、ゲムシタビン、メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、糖非含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、パクリタキセル、フラジリン、メグラミンGLA、バルルビシン、カルムスチンおよびポリフェプロサン、MMI270、BAY 12−9566、RASファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメトレキソール、グラモレック、CI−994、TNP−470、Hycamtin(登録商標)/トポテカン、PKC412、バルスポダール/PSC833、Novantrone(登録商標)/ミトロキサントロン、メタレット/スラミン、バスチマスタット、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、インセル/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マリマスタット、BB2516/マリマスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レモナール DP 2202、FK 317、ピシバニール/OK−432、AD 32/バルルビシン、Metastron(登録商標)/ストロンチウム誘導体、テモダール/テモゾロミド、エバセト/リポソーム化ドキソルビシン、イエウタキサン/パクリタキセル、Taxol(登録商標)/パクリタキセル、ゼローダ/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU−077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS−182751/経口白金、UFTTM(テガフール/ウラシル)、Ergamisol(登録商標)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FU増強剤、カンプト/レバミゾール、Camptosar(登録商標)/イリノテカン、トミュデックス/ラルチトレキセド、Leustatin(登録商標)/クラドリビン、パクセクス/パクリタキセル、Doxil(登録商標)/リポソーム化ドキソルビシン、ケリックス/リポソーム化ドキソルビシン、Fludara(登録商標)/フルダラビン、ファルモルビシン/エピルビシン、DepoCyt(登録商標)/シタラビン、ZD1839、LU 79553/ビス−ナフタルイミド、LU 103793/ドラスタチン、カエティクス/リポソーム化ドキソルビシン、Gemzar(登録商標)/ゲムシタビン、ZD 0473(Anormed(登録商標))、YM 116、ヨウ素種(Iodine seeds)、CDK4およびCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォスファミド、Ifex(登録商標)/イフォスファミド、Mesnex(登録商標)/メスナ、Vumon(登録商標)/テニポシド、Paraplatin(登録商標)/カルボプラチン、プランチノール/シスプラチン、ベペシド/エトポシド、ZD 9331、Taxotere(登録商標)/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサンアナログ、ニトロソウレア、メルファランおよびシクロフォスファミドなどのアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロランブシル、塩酸シタラビン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド(VP16−213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−FU)、フルタミド、ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド)、イフォスファミド、インターフェロンアルファ−2a、アルファ−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH−放出因子アナログ)、ロムスチン(CCNU)、塩酸メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ、ミトタン(o,p’−DDD)、塩酸ミトキサントロン、オクトレオチド、プリカマイシン、塩酸プロカルバジン、ストレプトゾシン、クエン酸タモキシフェン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m−AMSA)、アザシチジン、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(メチル−GAG;メチルグリオキサールビス−グアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(2’デオキシコホルマイシン)、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(VM−26)、および硫酸ビンデシンから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
免疫応答の調節が有益な疾患または障害を発症するリスクが高い対象を予防的に処置する方法であって、かかる方法が、薬学的に有効な量の請求項1に記載の化合物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項10】
疾患または障害が、癌、自己免疫障害、気道炎症、炎症性障害、感染性疾患、皮膚障害、アレルギー、ぜんそくまたは対象中の病原体もしくはアレルゲンに起因する疾患である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1または2以上の化学療法化合物、標的治療剤、ワクチン、アジュバント、抗原、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA分子、アプタマー、リボザイム、TLRアゴニスト、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、DNAワクチン、アジュバント、共刺激性分子、放射性同位体もしくは電離放射線、またはそれらの組み合わせを投与することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
抗体が、Panorex(登録商標)(Glaxo-Welcome)、Rituxan(登録商標)(IDEC/Genentech/Hoffman la Roche)、Mylotarg(登録商標)(Wyeth)、Campath(登録商標)(Millennium)、Zevalin(登録商標)(IDEC and Schering AG)、Bexxar(登録商標)(Corixa/GSK)、Erbitux(登録商標)(Imclone/BMS)、Avastin(登録商標)(Genentech)および Herceptin(登録商標)(Genentech/Hoffman la Roche)から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
化学療法剤が、ゲムシタビン、メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、糖非含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、パクリタキセル、フラジリン、メグラミンGLA、バルルビシン、カルムスチンおよびポリフェプロサン、MMI270、BAY 12−9566、RASファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメトレキソール、グラモレック、CI−994、TNP−470、Hycamtin(登録商標)/トポテカン、PKC412、バルスポダール/PSC833、Novantrone(登録商標)/ミトロキサントロン、メタレット/スラミン、バスチマスタット、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、インセル/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マリマスタット、BB2516/マリマスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レモナール DP 2202、FK 317、ピシバニール/OK−432、AD 32/バルルビシン、Metastron(登録商標)/ストロンチウム誘導体、テモダール/テモゾロミド、エバセト/リポソーム化ドキソルビシン、イエウタキサン/パクリタキセル、Taxol(登録商標)/パクリタキセル、ゼローダ/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU−077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS−182751/経口白金、UFTTM(テガフール/ウラシル)、Ergamisol(登録商標)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FU増強剤、カンプト/レバミゾール、Camptosar(登録商標)/イリノテカン、トミュデックス/ラルチトレキセド、Leustatin(登録商標)/クラドリビン、パクセクス/パクリタキセル、Doxil(登録商標)/リポソーム化ドキソルビシン、ケリックス/リポソーム化ドキソルビシン、Fludara(登録商標)/フルダラビン、ファルモルビシン/エピルビシン、DepoCyt(登録商標)/シタラビン、ZD1839、LU 79553/ビス−ナフタルイミド、LU 103793/ドラスタチン、カエティクス/リポソーム化ドキソルビシン、Gemzar(登録商標)/ゲムシタビン、ZD 0473(Anormed(登録商標))、YM 116、ヨウ素種、CDK4およびCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォスファミド、Ifex(登録商標)/イフォスファミド、Mesnex(登録商標)/メスナ、Vumon(登録商標)/テニポシド、Paraplatin(登録商標)/カルボプラチン、プランチノール/シスプラチン、ベペシド/エトポシド、ZD 9331、Taxotere(登録商標)/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサンアナログ、ニトロソウレア、メルファランおよびシクロフォスファミドなどのアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロランブシル、塩酸シタラビン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド(VP16−213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−FU)、フルタミド、ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド)、イフォスファミド、インターフェロンアルファ−2a、アルファ−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH−放出因子アナログ)、ロムスチン(CCNU)、塩酸メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ、ミトタン(o,p’−DDD)、塩酸ミトキサントロン、オクトレオチド、プリカマイシン、塩酸プロカルバジン、ストレプトゾシン、クエン酸タモキシフェン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m−AMSA)、アザシチジン、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(メチル−GAG;メチルグリオキサールビス−グアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(2’デオキシコホルマイシン)、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(VM−26)、および硫酸ビンデシンから選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物を電離放射線と組み合わせて、腫瘍を有する哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における癌を治療する方法。
【請求項15】
0日目に請求項1に記載の化合物を投与し、2、4、おび9日目に約3Gy放射線の放射線を投与する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
電離放射線での処置の約1時間から約4日前に化合物を投与する、請求項14に記載の方法。
【請求項1】
配列番号1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16および17から選択される配列を有するオリゴヌクレオチドベースの化合物を含む免疫調節化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の免疫調節化合物および生理学的に許容可能な担体を含む、組成物。
【請求項3】
対象において免疫応答を起こす方法であって、該方法が、薬学的に有効な量の請求項1に記載の化合物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
免疫応答の調節が有益な疾患または障害を有する対象を治療的に処置する方法であって、かかる方法が、薬学的に有効な量の請求項1に記載の化合物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
疾患または障害が、癌、気道炎症、炎症性障害、感染性疾患、皮膚障害、アレルギー、ぜんそくまたは病原体もしくはアレルゲンに起因する疾患である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
1または2以上の化学療法化合物、標的治療剤、ワクチン、アジュバント、抗原、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA分子、アプタマー、リボザイム、TLRアゴニスト、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、DNAワクチン、アジュバント、共刺激性分子、放射性同位体もしくは電離放射線、またはそれらの組み合わせを投与することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
抗体が、Panorex(登録商標)(Glaxo-Welcome)、Rituxan(登録商標)(IDEC/Genentech/Hoffman la Roche)、Mylotarg(登録商標)(Wyeth)、Campath(登録商標)(Millennium)、Zevalin(登録商標)(IDEC and Schering AG)、Bexxar(登録商標)(Corixa/GSK)、Erbitux(登録商標)(Imclone/BMS)、Avastin(登録商標)(Genentech)および Herceptin(登録商標)(Genentech/Hoffman la Roche)から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
化学療法剤が、ゲムシタビン、メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、糖非含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、パクリタキセル、フラジリン、メグラミンGLA、バルルビシン、カルムスチンおよびポリフェプロサン、MMI270、BAY 12−9566、RASファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメトレキソール、グラモレック、CI−994、TNP−470、Hycamtin(登録商標)/トポテカン、PKC412、バルスポダール/PSC833、Novantrone(登録商標)/ミトロキサントロン、メタレット/スラミン、バスチマスタット、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、インセル/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マリマスタット、BB2516/マリマスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レモナール DP 2202、FK 317、ピシバニール/OK−432、AD 32/バルルビシン、Metastron(登録商標)/ストロンチウム誘導体、テモダール/テモゾロミド、エバセト/リポソーム化ドキソルビシン、イエウタキサン/パクリタキセル、Taxol(登録商標)/パクリタキセル、ゼローダ/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU−077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS−182751/経口白金、UFTTM(テガフール/ウラシル)、Ergamisol(登録商標)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FU増強剤、カンプト/レバミゾール、Camptosar(登録商標)/イリノテカン、トミュデックス/ラルチトレキセド、Leustatin(登録商標)/クラドリビン、パクセクス/パクリタキセル、Doxil(登録商標)/リポソーム化ドキソルビシン、ケリックス/リポソーム化ドキソルビシン、Fludara(登録商標)/フルダラビン、ファルモルビシン/エピルビシン、DepoCyt(登録商標)/シタラビン、ZD1839、LU 79553/ビス−ナフタルイミド、LU 103793/ドラスタチン、カエティクス/リポソーム化ドキソルビシン、Gemzar(登録商標)/ゲムシタビン、ZD 0473(Anormed(登録商標))、YM 116、ヨウ素種(Iodine seeds)、CDK4およびCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォスファミド、Ifex(登録商標)/イフォスファミド、Mesnex(登録商標)/メスナ、Vumon(登録商標)/テニポシド、Paraplatin(登録商標)/カルボプラチン、プランチノール/シスプラチン、ベペシド/エトポシド、ZD 9331、Taxotere(登録商標)/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサンアナログ、ニトロソウレア、メルファランおよびシクロフォスファミドなどのアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロランブシル、塩酸シタラビン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド(VP16−213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−FU)、フルタミド、ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド)、イフォスファミド、インターフェロンアルファ−2a、アルファ−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH−放出因子アナログ)、ロムスチン(CCNU)、塩酸メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ、ミトタン(o,p’−DDD)、塩酸ミトキサントロン、オクトレオチド、プリカマイシン、塩酸プロカルバジン、ストレプトゾシン、クエン酸タモキシフェン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m−AMSA)、アザシチジン、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(メチル−GAG;メチルグリオキサールビス−グアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(2’デオキシコホルマイシン)、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(VM−26)、および硫酸ビンデシンから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
免疫応答の調節が有益な疾患または障害を発症するリスクが高い対象を予防的に処置する方法であって、かかる方法が、薬学的に有効な量の請求項1に記載の化合物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項10】
疾患または障害が、癌、自己免疫障害、気道炎症、炎症性障害、感染性疾患、皮膚障害、アレルギー、ぜんそくまたは対象中の病原体もしくはアレルゲンに起因する疾患である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1または2以上の化学療法化合物、標的治療剤、ワクチン、アジュバント、抗原、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA分子、アプタマー、リボザイム、TLRアゴニスト、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、DNAワクチン、アジュバント、共刺激性分子、放射性同位体もしくは電離放射線、またはそれらの組み合わせを投与することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
抗体が、Panorex(登録商標)(Glaxo-Welcome)、Rituxan(登録商標)(IDEC/Genentech/Hoffman la Roche)、Mylotarg(登録商標)(Wyeth)、Campath(登録商標)(Millennium)、Zevalin(登録商標)(IDEC and Schering AG)、Bexxar(登録商標)(Corixa/GSK)、Erbitux(登録商標)(Imclone/BMS)、Avastin(登録商標)(Genentech)および Herceptin(登録商標)(Genentech/Hoffman la Roche)から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
化学療法剤が、ゲムシタビン、メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、糖非含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、パクリタキセル、フラジリン、メグラミンGLA、バルルビシン、カルムスチンおよびポリフェプロサン、MMI270、BAY 12−9566、RASファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメトレキソール、グラモレック、CI−994、TNP−470、Hycamtin(登録商標)/トポテカン、PKC412、バルスポダール/PSC833、Novantrone(登録商標)/ミトロキサントロン、メタレット/スラミン、バスチマスタット、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、インセル/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マリマスタット、BB2516/マリマスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レモナール DP 2202、FK 317、ピシバニール/OK−432、AD 32/バルルビシン、Metastron(登録商標)/ストロンチウム誘導体、テモダール/テモゾロミド、エバセト/リポソーム化ドキソルビシン、イエウタキサン/パクリタキセル、Taxol(登録商標)/パクリタキセル、ゼローダ/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU−077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS−182751/経口白金、UFTTM(テガフール/ウラシル)、Ergamisol(登録商標)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FU増強剤、カンプト/レバミゾール、Camptosar(登録商標)/イリノテカン、トミュデックス/ラルチトレキセド、Leustatin(登録商標)/クラドリビン、パクセクス/パクリタキセル、Doxil(登録商標)/リポソーム化ドキソルビシン、ケリックス/リポソーム化ドキソルビシン、Fludara(登録商標)/フルダラビン、ファルモルビシン/エピルビシン、DepoCyt(登録商標)/シタラビン、ZD1839、LU 79553/ビス−ナフタルイミド、LU 103793/ドラスタチン、カエティクス/リポソーム化ドキソルビシン、Gemzar(登録商標)/ゲムシタビン、ZD 0473(Anormed(登録商標))、YM 116、ヨウ素種、CDK4およびCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォスファミド、Ifex(登録商標)/イフォスファミド、Mesnex(登録商標)/メスナ、Vumon(登録商標)/テニポシド、Paraplatin(登録商標)/カルボプラチン、プランチノール/シスプラチン、ベペシド/エトポシド、ZD 9331、Taxotere(登録商標)/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサンアナログ、ニトロソウレア、メルファランおよびシクロフォスファミドなどのアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロランブシル、塩酸シタラビン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド(VP16−213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−FU)、フルタミド、ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド)、イフォスファミド、インターフェロンアルファ−2a、アルファ−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH−放出因子アナログ)、ロムスチン(CCNU)、塩酸メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ、ミトタン(o,p’−DDD)、塩酸ミトキサントロン、オクトレオチド、プリカマイシン、塩酸プロカルバジン、ストレプトゾシン、クエン酸タモキシフェン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m−AMSA)、アザシチジン、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(メチル−GAG;メチルグリオキサールビス−グアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(2’デオキシコホルマイシン)、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(VM−26)、および硫酸ビンデシンから選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物を電離放射線と組み合わせて、腫瘍を有する哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における癌を治療する方法。
【請求項15】
0日目に請求項1に記載の化合物を投与し、2、4、おび9日目に約3Gy放射線の放射線を投与する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
電離放射線での処置の約1時間から約4日前に化合物を投与する、請求項14に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【公表番号】特表2012−516352(P2012−516352A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548300(P2011−548300)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/022416
【国際公開番号】WO2010/088395
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(398032717)イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】Idera Pharmaceuticals, Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/022416
【国際公開番号】WO2010/088395
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(398032717)イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】Idera Pharmaceuticals, Inc.
【Fターム(参考)】
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