説明

USBホスト装置

【課題】スイッチが設置されていないUSBデバイスに対してもその消費電力を確実に低減することのできるUSBホスト装置を提供する。
【解決手段】USBホスト装置10の全体制御部14は、複数のUSBポート11のそれぞれから送られてくる信号に基づき、USBデバイス20が装着されているUSBポート11の位置を確認すると共にUSBポート11に装着されているUSBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されているか否かを確認する。そして、全体制御部14から電源制御部13へ信号が送られることで、電源制御部13は、USBデバイス20が装着されていないUSBポート11とリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20が装着されているUSBポート11へ定期的に電力を供給し、リモート・ウェイク・アップ機能が搭載されたUSBデバイス20が装着されているUSBポート11へ電力を供給し続ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBデバイスの装着を可能とするUSBホスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、USB(Universal Serial Bus)を用いてデータの転送を行うためのUSBデバイスが知られている。そして、このUSBデバイスをUSBデバイスの装着を可能とするホストに装着すると、ホストがUSBデバイスが装着されたことを検知し、ホストからUSBデバイスへの電力供給が開始されてホストとUSBデバイスとの間で通信が行われる。また、USBデバイスがホストに装着されている間は、ホストからUSBデバイスへ常に電力が供給される。このため、ホストとUSBデバイスとの間で通信が行われていないときにおけるホストからUSBデバイスへの電力供給が無駄なものとなり、ホストの消費電力が大きくなるという問題がある。
【0003】
そこで、この問題を解決するため、ホストからUSBデバイスへの電力供給を制御するためのスイッチが設置されたUSBデバイスが提案されている(特許文献1参照)。このUSBデバイスは、ホストに接続されるUSBコネクタとシリアル・インターフェース・エンジン(SIE)とを2本の信号線(D+とD−)と2本の電源線(5Vの電力を供給する5V電源線とグランド線)とによって接続することで構成されるとともに、2本の電源線のうちの5V電源線に5V電源線の接続/切断を切り換えるスイッチが設置されている。そして、このスイッチがOFFのときは、USBコネクタとSIEとを接続する5V電源線が切断されているため、ホストからUSBデバイスへの電力供給が停止される。また、このスイッチがOFFからONに切り換わると、USBコネクタとSIEとを接続する5V電源線が接続され、ホストからUSBデバイスへの電力供給が開始される。
【0004】
このように、USBデバイスがホストに装着された状態において、このUSBデバイスを使用するときにはスイッチをONにするとともにこのUSBデバイスを使用しないときにはスイッチをOFFにすることで、USBデバイスを使用しないときにホストからUSBデバイスへの電力供給が停止されるため、ホストの消費電力が低減される。
【特許文献1】特開2000−105638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ホストの消費電力が低減されるのは、上述のようなスイッチが設置されているUSBデバイスをホストに装着したときのみである。すなわち、USBデバイスの種類としては、スイッチが設置されているものの他に、従来のようにスイッチが設置されていないものもあり、このスイッチが設置されていないUSBデバイスをホストに装着すると、このUSBデバイスがホストに装着されている間はホストからUSBデバイスに常に電力が供給される。従って、スイッチが設置されていないUSBデバイスに対してホストの消費電力を低減させることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スイッチが設置されていないUSBデバイスに対してもその消費電力を確実に低減することのできるUSBホスト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のUSBホスト装置は、USBデバイスを装着するためのUSBポートを備え、前記USBポートを介して前記USBポートに装着された前記USBデバイスに電力を供給することによって前記USBデバイスとの間で通信を行うUSBホスト装置において、前記USBポートへの前記USBデバイスの装着の有無を確認する全体制御部と、前記全体制御部から送られてくる制御信号に基づき前記USBポートを介して前記USBデバイスに供給する電力を制御する電源制御部と、を備え、前記全体制御部から送られてくる制御信号に基づき、前記電源制御部が前記USBポートに装着された前記USBデバイスに前記USBポートを介して供給する電力を制御することを特徴とする。
【0008】
このような構成のUSBホスト装置では、USBポートにUSBデバイスが装着されると、USBデバイスが装着されていることを示す検知信号がUSBポートから全体制御部に送信される。よって、全体制御部は、USBポートから送られてくる検知信号に基づき、USBポートにUSBデバイスが装着されたことを確認する。また、全体制御部から電源制御部へ制御信号が送信されることによって、電源制御部がUSBポートに装着されたUSBデバイスにUSBポートを介して供給する電力を制御する。すなわち、USBホスト装置からUSBデバイスに供給される電力をUSBデバイス側で制御するのではなく、USBホスト装置がUSBデバイスに供給する電力を制御する。
【0009】
また、このように構成されたUSBホスト装置において、前記全体制御部が、前記USBポートに装着された前記USBデバイスにデータの転送要求を行うリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されているか否かを確認する機能を有しており、前記全体制御部が前記USBポートに装着された前記USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないことを確認したときに、前記電源制御部がリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていない前記USBデバイスに前記USBポートを介して定期的に電力を供給するとともに、前記全体制御部が前記USBポートに装着された前記USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを確認したときに、前記電源制御部がリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されている前記USBデバイスに前記USBポートを介して電力を供給し続ける。
【0010】
このような構成のUSBホスト装置において、電源制御部からUSBポートを介してUSBデバイスに電力が供給されたとき、USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていれば、USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号がUSBポートを介して全体制御部に送信される。よって、全体制御部は、USBデバイスから送られてくる信号に基づき、USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを確認する。そして、このリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されたUSBデバイスに継続して電力を供給する旨の制御信号が全体制御部から電源制御部へ送信されることによって、電源制御部がUSBポートに装着されたUSBデバイスにUSBポートを介して電力を供給し続ける。
【0011】
一方、電源制御部からUSBポートを介してUSBデバイスに電力が供給されたとき、USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていなければ、USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号がUSBデバイスから送信されない。よって、全体制御部は、USBデバイスから信号が送られてこなければ、USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないことを確認する。そして、このリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイスに定期的に電力を供給する旨の制御信号が全体制御部から電源制御部へ送信されることによって、電源制御部がUSBポートに装着されたUSBデバイスにUSBポートを介して定期的に電力を供給する。
【0012】
また、上述のUSBホスト装置において、前記電源制御部がリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていない前記USBデバイスに定期的に電力を供給しているとき、当該USBデバイスに前記USBポートを介して電力が供給され、前記全体制御部と当該USBデバイスとの間で通信が行われることによって前記全体制御部が当該USBデバイスがデータの転送を要求していることを確認すると、前記電源制御部が当該USBデバイスに前記USBポートを介して電力を供給し続けるように前記電源制御部の電力供給動作が切り換わるようにしても構わない。
【0013】
このような構成のUSBホスト装置では、電源制御部からリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイスにUSBポートを介して電力が供給されたときに、全体制御部とUSBデバイスとの間で通信が行われる。そして、全体制御部がUSBデバイスがデータの転送を要求していることを確認すると、このデータの転送を要求しているUSBデバイスに電力を継続して供給する旨の制御信号が全体制御部から電源制御部へ送信されることによって、電源制御部がこのデータの転送を要求しているUSBデバイスにUSBポートを介して電力を供給し続ける。
【0014】
一方、全体制御部とリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイスとの間で通信が行われることによって、全体制御部がリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイスがデータの転送を要求していないことを確認すると、電源制御部がこのデータの転送を要求してないUSBデバイスにUSBポートを介して定期的に電力を供給する。
【0015】
また、上述のそれぞれのUSBホスト装置において、前記全体制御部が前記USBポートに前記USBデバイスが装着されていないことを確認したときに、前記電源制御部が前記USBデバイスが装着されていない前記USBポートに定期的に電力を供給するものとしても構わない。
【0016】
このような構成のUSBホスト装置では、USBポートにUSBデバイスが装着されないと、USBポートにUSBデバイスが装着されたことを示す検知信号がUSBポートから送信されない。よって全体制御部は、USBポートから検知信号が送られてこなければ、USBポートにUSBデバイスが装着されていないことを確認する。そして、USBデバイスが装着されていないUSBポートに定期的に電力を供給する旨の制御信号が全体制御部から電源制御部へ送信されることによって、電源制御部がUSBデバイスが装着されていないUSBポートに定期的に電力を供給する。
【0017】
このように、電源制御部からUSBデバイスが装着されていないUSBポートに定期的に電力を供給することによって、このUSBデバイスが装着されていないUSBポートにUSBデバイスが装着されたときに、USBポートにUSBデバイスが装着されたことを示す検知信号がUSBポートから全体制御部に送信される。よって、全体制御部は、この検知信号に基づき、USBポートにUSBデバイスが装着されたことを確認する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、USBデバイスにスイッチ等を設置することによってUSBデバイスに供給する電力をUSBデバイス側で制御するのではなく、USBホスト装置の全体制御部から送られてくる制御信号に基づきUSBホスト装置の電源制御部がUSBデバイスに供給する電力を制御することで、スイッチが設置されていないUSBデバイスに対してもUSBホスト装置の消費電力を確実に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
《発明の実施形態》
図1に示すように、本実施形態のUSBホスト装置10(例えば、パーソナルコンピュータなど)は、複数のUSBデバイス20の装着を可能とするものであり、複数のUSBデバイス20のそれぞれが装着されるとともに各USBデバイス20との信号の送受信を行う各USBポート11と、複数のUSBポート11のそれぞれに接続される各USBインターフェース12と、複数のUSBインターフェース12のそれぞれに接続されるとともに各USBインターフェース12を介して各USBポート11から各USBデバイス20に供給する電力を制御する電源制御部13と、複数のUSBインターフェース12のそれぞれから送られてくる信号に基づき電源制御部13へ異なる種類の制御信号を送信することによってこの電源制御部13から各USBインターフェース12を介して各USBポート11に供給する電力を制御するとともに各USBデバイス20と通信を行う全体制御部14と、を備えている。
【0021】
そして、図1に示すように、このUSBホスト装置10では、USBホスト装置10の電源がONとなり、このUSBホスト装置10への電力供給が開始されたときに、全体制御部14から電源制御部13に制御信号が送信されることによって、この電源制御部13から各USBインターフェース12を介して各USBポート11に電力が供給される。このとき、USBポート11に装着されているUSBデバイス20があれば、USBデバイス20が装着されているUSBポート11からUSBデバイス20に電力が供給されるとともに、USBデバイス20が装着されていることを示す検知信号がUSBデバイス20が装着されているUSBポート11から各USBインターフェース12を介して全体制御部14に送信される。
【0022】
よって、全体制御部14は、USBデバイス20が装着されているUSBポート11から各USBインターフェース12を介して送られてくる検知信号に基づき、USBデバイス20が装着されているUSBポート11の位置を確認する。
【0023】
また、USBデバイス20が装着されているUSBポート11からUSBデバイス20に電力が供給されたとき、USBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていれば、このUSBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号が、各USBデバイス20から各USBポート11及び各USBインターフェース12を介して全体制御部14に送信される。そして、全体制御部14は、リモート・ウェイク・アップ機能が搭載されたUSBデバイス20から送られてくる信号に基づき、このUSBデバイス20が装着されたUSBポート11の位置を確認する。
【0024】
尚、USBデバイス20に搭載されるリモート・ウェイク・アップ機能とは、USBホスト装置10のUSBポート11にUSBデバイス20を装着したときに、USBデバイス20がUSBホスト装置10からの指示を待たずにUSBホスト装置10に対してデータの転送要求を行う機能を意味する。
【0025】
一方、USBデバイス20が装着されているUSBポート11からUSBデバイス20に電力が供給されたとき、USBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていなければ、リモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20から全体制御部14へ信号が送信されない。
【0026】
よって、全体制御部14は、USBデバイス20が装着されているUSBポート11から送られてくる検知信号に基づき確認されたUSBデバイス20が装着されているUSBポート11の位置と、各USBデバイス20から各USBポート11を介して送られてくるUSBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号に基づき確認されたリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されたUSBデバイス20が装着されているUSBポート11の位置と、に基づき、リモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20が装着されたUSBポート11の位置を確認する。
【0027】
そして、全体制御部14が、リモート・ウェイク・アップ機能が搭載されたUSBデバイス20が装着されているUSBポート11の位置を確認した後、リモート・ウェイク・アップ機能が搭載されたUSBデバイス20に電力を供給し続ける旨の制御信号を電源制御部13に送信することによって、電源制御部13が、各USBインターフェース12及び各USBポート11を介してこのリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されたUSBデバイス20に電力を供給し続ける。
【0028】
また、全体制御部14が、リモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20が装着されているUSBポート11の位置を確認した後、リモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20に定期的に電力を供給する旨の制御信号を電源制御部13に送信することによって、電源制御部13が、各USBインターフェース12及び各USBポート11を介してこのリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20に定期的に電力を供給する。
【0029】
このように、電源制御部13がリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20に定期的に電力を供給するようにすることで、このリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20に電力が供給されたときに、全体制御部14とこのリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20との間で通信が行われる。そして、全体制御部14は、このリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20にデータの転送を行う必要があるか否かを確認する。
【0030】
この結果、全体制御部14において、このリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20が全体制御部14に対してデータの転送を要求していることが確認されると、データの転送を要求しているUSBデバイス20に電力を供給し続ける旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信されることによって、電源制御部13が各USBインターフェース12及び各USBポート11を介してデータの転送を要求しているUSBデバイス20に電力を供給し続ける。
【0031】
尚、この定期的とは、ユーザがUSBホスト装置10を使用する上で利便性を損なわない程度の期間であればよく、全体制御部14が各USBポート11から各USBインターフェース12を介して送られてくる信号に基づき各USBポート11へのUSBデバイス20の挿抜検知や各USBポート11に装着されたUSBデバイス20のステータスの獲得を行うのに100msec程度の時間を要するため、例えば、1秒間に1回の割合とする。
【0032】
また、USBホスト装置10の電源をONにした後、電源制御部13から各USBインターフェース12を介して各USBポート11に電力が供給されたときに、USBデバイス20が装着されていることを示す検知信号が各USBポート11から各USBインターフェース12を介して全体制御部14に送信されず、全体制御部14が各USBポート11にUSBデバイス20が装着されていないことを確認すると、USBデバイス20が装着されていないUSBポート11に定期的(例えば、1秒間に1回の割合)に電力を供給する旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信されることによって、電源制御部13が各USBインターフェース12を介してUSBデバイス20が装着されていないUSBポート11に定期的に電力を供給する。
【0033】
このように、電源制御部13から各USBインターフェース12を介してUSBデバイス20が装着されていないUSBポート11に定期的に電力を供給することによって、このUSBデバイス20が装着されていないUSBポート11にUSBデバイス20が装着されたときに、どのUSBポート11にUSBデバイス20が装着されたかを全体制御部14において確認することができる。
【0034】
すなわち、図2に示すように、USBホスト装置10に4つのUSBポート11a,11b,11c,11dが設置されており、これらのUSBポート11a,11b,11c,11dのうちのUSBポート11a,11dにUSBデバイス20a,20dが装着されており、また、USBポート11aに装着されたUSBデバイス20aにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されているとともにUSBポート11dに装着されたUSBデバイス20dにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていない場合を想定する。
【0035】
このとき、USBホスト装置10の電源がONとなり、電源制御部13から4つのUSBポート11a,11b,11c,11dのそれぞれに電力が供給されると、USBポート11aからUSBデバイス20aに電力が供給されるとともにUSBポート11dからUSBデバイス20dに電力が供給される。
【0036】
そして、全体制御部14は、USBポート11aから送られてくる検知信号に基づきUSBポート11aにUSBデバイス20aが装着されていることを確認するとともにUSBポート11dから送られてくる検知信号に基づきUSBポート11dにUSBデバイス20dが装着されていることを確認する。
【0037】
また、全体制御部14は、USBデバイス20aからUSBポート11aを介して送られてくるUSBデバイス20aにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号に基づきUSBデバイス20aにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを確認するとともに、USBデバイス20dからリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号が送られてこないため、USBデバイス20dにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないことを確認する。
【0038】
そして、USBデバイス20aに常に電力を供給するとともにUSBデバイス20dに定期的に電力を供給する旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信されることによって、電源制御部13は、USBポート11aを介してUSBデバイス20aに常に電力を供給するとともにUSBポート11dを介してUSBデバイス20dに定期的に電力を供給する。
【0039】
また、電源制御部13がUSBデバイス20dに定期的に電力を供給しているとき、このUSBデバイス20dにUSBポート11dを介して電力が供給されると、全体制御部14とUSBデバイス20dとの間で通信が行われる。そして、全体制御部14は、このUSBデバイス20dにデータの転送を行う必要があるか否かを確認する。
【0040】
この結果、全体制御部14において、USBデバイス20dが全体制御部14に対してデータの転送を要求していることが確認されると、USBデバイス20dに電力を供給し続ける旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信されることによって、電源制御部13がUSBポート11dを介してUSBデバイス20dに電力を供給し続ける。
【0041】
一方、全体制御部14において、USBデバイス20dが全体制御部14に対してデータの転送を要求していないことが確認されると、電源制御部13がUSBポート11dを介してUSBデバイス20dに定期的に電力を供給する。
【0042】
そして、電源制御部13がUSBデバイス20が装着されていないUSBポート11b,11cに定期的に電力を供給しているとき、図3に示すように、USBポート11bにUSBデバイス20bが装着されると、電源制御部13がUSBポート11b,11cに電力を供給したときに、USBポート11bからこのUSBポート11bに装着されたUSBデバイス20bに電力が供給される。
【0043】
続いて、全体制御部14は、USBデバイス20bが装着されたUSBポート11bから送られてくるUSBポート11bにUSBデバイス20bが装着されたことを示す検知信号に基づき、USBデバイス20が装着されたUSBポート11がUSBポート11bであることを確認する。
【0044】
また、USBポート11bからUSBデバイス20bに電力が供給されたときにこのUSBデバイス20bからUSBポート11bを介してリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号が全体制御部14に送られてくると、全体制御部14がUSBポート11bに装着されたUSBデバイス20bにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを確認する。或いは、USBポート11bからUSBデバイス20bに電力が供給されたときにこのUSBデバイス20bからリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号が全体制御部14に送られてこないと、全体制御部14がUSBポート11bに装着されたUSBデバイス20bにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないことを確認する。
【0045】
このように構成されたUSBホスト装置10の動作を図1に示すブロック図および図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。尚、上述したUSBホスト装置10の動作と重複する部分については、その詳細な説明を省略する。また、以下では、USBホスト装置10にUSBポート11が1つだけ設置されている場合のUSBホスト装置20の動作について説明するが、USBホスト装置20に複数のUSBポート11が設置されている場合には、複数のUSBポート11のそれぞれに対してUSBホスト装置10にUSBポート11が1つだけ設置されている場合と同様の動作が行われるものとする。
【0046】
まず、ユーザがUSBホスト装置10の電源をONにすると、USBホスト装置10の全体制御部14と電源制御部13とに電力が供給される(ステップS11)。続いて、全体制御部14から電源制御部13へ信号が送信されることによって、電源制御部13からUSBインターフェース12を介してUSBホスト装置10のUSBポート11に電力が供給される。このとき、USBホスト装置10のUSBポート11にUSBデバイス20が装着されていれば、このUSBポート11に装着されたUSBデバイス20にこのUSBポート11から電力が供給される。
【0047】
次に、全体制御部14において、USBホスト装置10のUSBポート11にUSBデバイス20が装着されているか否かの確認が行われる(ステップS12)。そして、USBホスト装置10のUSBポート11にUSBデバイス20が装着されていれば、USBデバイス20が装着されていることを示す検知信号がこのUSBポート11からUSBインターフェース12を介して全体制御部14に送信され、全体制御部14において、このUSBポート11にUSBデバイス20が装着されていることが確認される(ステップS12でYes)。続いて、全体制御部14は、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されたUSBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されているか否かを確認する(ステップS13)。
【0048】
一方、電源制御部13からUSBインターフェース12を介してUSBホスト装置10のUSBポート11に電力が供給されたとき、このUSBポート11にUSBデバイス20が装着されていなければ、このUSBポート11においてUSBデバイス20の装着が検知されない。このため、USBデバイス20が装着されていることを示す検知信号がUSBホスト装置10のUSBポート11から全体制御部14へ送信されない。よって、このとき、全体制御部14は、USBホスト装置10のUSBポート11にUSBデバイス20が装着されていないことを確認する(ステップS12でNo)。
【0049】
そして、全体制御部14がUSBホスト装置10のUSBポート11にUSBデバイス20が装着されていないことを確認すると、USBデバイス20が装着されていないこのUSBポート11に定期的に電力を供給する旨の制御信号が、全体制御部14から電源制御部13に送信される。よって、電源制御部13が、USBデバイス20が装着されていないUSBホスト装置10のUSBポート11に、USBインターフェース12を介して定期的に電力を供給する(ステップS14)。
【0050】
これにより、USBホスト装置10のUSBポート11にUSBデバイス20が装着されると、電源制御部13がこのUSBポート11に電力を供給したときに、このUSBポート11からUSBデバイス20に電力が供給される。そして、全体制御部14は、USBデバイス20が装着されたUSBホスト装置10のUSBポート11から送られてくる、このUSBポート11にUSBデバイス20が装着されたことを示す検知信号に基づき、このUSBポート11にUSBデバイス20が装着されたことを確認する。
【0051】
また、ステップS13において、USBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号がUSBデバイス20からUSBホスト装置10のUSBポート11及びUSBインターフェース12を介して全体制御部14に送られてくると、全体制御部14は、このUSBポート11に装着されたUSBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていると判断する(ステップS13でYes)。そして、このリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されたUSBデバイス20に継続して電力を供給する旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信されることによって、電源制御部13が、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されたUSBデバイス20への電力供給をUSBインターフェース12及びこのUSBポート11を介して継続して行う(ステップS15)。
【0052】
続いて、全体制御部14において、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されたUSBデバイス20がこのUSBポート11から抜かれたか否かの確認が行われる(ステップS16)。
【0053】
そして、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されたUSBデバイス12に電源制御部13から電力が継続して供給されているとき(ステップS15参照)、USBデバイス20がこのUSBポート11から抜かれると、このUSBポート11からUSBデバイス20が抜かれたことを示す検知信号が、このUSBポート11からUSBインターフェース12を介して全体制御部14に送信される。
【0054】
そして、全体制御部14が、USBホスト装置10のUSBポート11からUSBデバイス20が抜かれたことを示す検知信号に基づき、このUSBポート11からUSBデバイス20が抜かれたことを確認すると(ステップS16でYes)、USBデバイス20が抜かれたこのUSBポート11に定期的に電力を供給する旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信される。よって、電源制御部13が、USBデバイス20が抜かれたUSBホスト装置10のUSBポート11に、USBインターフェース12を介して定期的に電力を供給する(ステップS17)。
【0055】
これにより、USBホスト装置10のUSBポート11にUSBデバイス20が装着されると、電源制御部13がこのUSBポート11に電力を供給したときに、このUSBポート11からUSBデバイス20に電力が供給される。そして、全体制御部14は、USBデバイス20が装着されたUSBホスト装置10のUSBポート11から送られてくる、このUSBポート11にUSBデバイス20が装着されたことを示す検知信号に基づき、このUSBポート11にUSBデバイス20が装着されたことを確認する。
【0056】
一方、全体制御部14において、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されたUSBデバイス20がこのUSBポート11から抜かれたことが確認されないと、即ち、USBデバイス20がこのUSBポート11に装着されたままであると(ステップS16でNo)、電源制御部13がこのUSBポート11に装着されたUSBデバイス20にUSBインターフェース12及びUSBポート11を介して電力を供給し続ける(ステップS15参照)。
【0057】
また、ステップS13において、USBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを示す信号がUSBデバイス20から全体制御部14に送られて来ないと、全体制御部14は、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されたUSBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないと判断する(ステップS13でNo)。そして、リモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20に定期的に電力を供給する旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信されることによって、電源制御部13が、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されたUSBデバイス20に、USBインターフェース12及びこのUSBポート11を介して定期的に電力を供給する(ステップS18)。
【0058】
続いて、全体制御部14は、このリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20にデータの転送を行う必要があるか否かを確認する(ステップS19)。このとき、電源制御部13からこのリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20にUSBインターフェース12及びUSBホスト装置10のUSBポート11を介して電力が供給され、全体制御部14とUSBデバイス20との間で通信が行われることによって全体制御部14がこのUSBデバイス20がデータの転送を要求していることを確認すると(ステップS19でYes)、このデータの転送を要求しているUSBデバイス20に継続して電力を供給する旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信される。よって、電源制御部13が、このデータの転送を要求しているUSBデバイス20にUSBインターフェース12及びUSBホスト装置10のUSBポート11を介して電力を供給し続ける(ステップS20)。
【0059】
その後、全体制御部14において、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されたUSBデバイス20がこのUSBポート11から抜かれたか否かの確認が行われる(ステップS21)。
【0060】
一方、ステップS19において、電源制御部13からこのリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないUSBデバイス20にUSBインターフェース12及びUSBホスト装置10のUSBポート11を介して電力が供給され、全体制御部14とUSBデバイス20との間で通信が行われることによって全体制御部14がこのUSBデバイス20がデータの転送を要求していないことを確認すると(ステップS19でNo)、電源制御部13がこのデータの転送を要求していないUSBデバイス20にUSBインターフェース12及びUSBホスト装置10のUSBポート11を介して定期的に電力を供給する(ステップS18参照)。
【0061】
また、全体制御部14に対してデータの転送を要求しているUSBデバイス20に電源制御部13からUSBインターフェース12及びUSBホスト装置10のUSBポート11を介して電力が供給されているとき(ステップS20参照)、このUSBポート11に装着されたUSBデバイス20がこのUSBポート11から抜かれると、このUSBポート11からUSBデバイス20が抜かれたことを示す検知信号が、このUSBポート11からUSBインターフェース12を介して全体制御部14に送信される。
【0062】
そして、全体制御部14が、USBホスト装置10のUSBポート11からUSBデバイス20が抜かれたことを示す検知信号に基づき、このUSBポート11からUSBデバイス20が抜かれたことを確認すると(ステップS21でYes)、USBデバイス20が抜かれたこのUSBポート11に定期的に電力を供給する旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信される。よって、電源制御部13が、USBデバイス20が抜かれたUSBホスト装置10のUSBポート11に、USBインターフェース12を介して定期的に電力を供給する(ステップS17)。
【0063】
一方、全体制御部14において、データの転送を要求しているUSBデバイス20がUSBホスト装置10のUSBポート11から抜かれたことが確認されないと、即ち、USBデバイス20がこのUSBポート11に装着されたままであると(ステップS21でNo)、次に、全体制御部14において、全体制御部14とUSBデバイス20との間の通信が終了したか否かの確認が行われる(ステップS22)。
【0064】
そして、全体制御部14が、全体制御部14とUSBデバイス20との間の通信が終了したことを確認すると(ステップS22でYes)、USBデバイス20に定期的に電力を供給する旨の制御信号が全体制御部14から電源制御部13に送信されることによって、電源制御部13が、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されるUSBデバイス20にUSBインターフェース12及びこのUSBポート11を介して定期的に電力を供給する(ステップS18参照)。
【0065】
一方、全体制御部14が、全体制御部14とUSBデバイス20との間の通信が終了していないことを確認すると(ステップS22でNo)、電源制御部13が、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されるUSBデバイス20にUSBインターフェース12及びこのUSBポート11を介して電力を供給し続ける(ステップS20参照)。
【0066】
また、USBホスト装置10のUSBポート11に装着されたUSBデバイス20に電源制御部13から定期的に電力が供給されているとき(ステップS17参照)、全体制御部14においてUSBホスト装置10の電源をOFFにするか否か確認が行われる(ステップS23)。
【0067】
そして、全体制御部14がUSBホスト装置10の電源がOFFになることを確認すると(ステップS23でYes)、処理を終了する。一方、全体制御部14がUSBホスト装置10の電源がONのままであることを確認すると(ステップS23でNo)、ステップS12に戻って全体制御部14がUSBホスト装置10のUSBポート11にUSBデバイス20が装着されているか否かの確認を行うとともに、ステップS13からステップS22までの動作が繰り返し行われる。
【0068】
このように、本実施形態では、USBホスト装置10のUSBポート11へのUSBデバイス20の装着の有無や、このUSBポート11に装着されたUSBデバイス20にリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されているか否かを全体制御部14において判断し、この判断結果に応じて電源制御部13からUSBデバイス20に供給する電力を制御することによって、USBデバイス20に対するUSBホスト装置10の消費電力を低減するようにしている。
【0069】
従って、本実施形態によれば、USBデバイス20にスイッチ等を設置することによってUSBデバイス20側でUSBデバイス20に供給する電力を制御するのではなく、USBホスト装置10の全体制御部14から送られてくる信号に基づきUSBホスト装置10の電源制御部13がUSBデバイス20に供給する電力を制御することで、スイッチが設置されていないUSBデバイス20に対してもUSBホスト装置10の消費電力を確実に低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上説明したように、本発明は、USBデバイスの装着を可能とするUSBホスト装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係るUSBホスト装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るUSBホスト装置において、第1,第4のUSBポートにUSBデバイスが装着された状態を示す図である。
【図3】本発明に係るUSBホスト装置において、第2のUSBポートにUSBデバイスが装着された状態を示す図である。
【図4】本発明に係るUSBホスト装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
10 USBホスト装置
11 USBポート
11a 第1のUSBポート
11b 第2のUSBポート
11c 第3のUSBポート
11d 第4のUSBポート
12 USBインターフェース
13 電源制御部
14 全体制御部
20 USBデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBデバイスを装着するためのUSBポートを備え、前記USBポートを介して前記USBポートに装着された前記USBデバイスに電力を供給することによって前記USBデバイスとの間で通信を行うUSBホスト装置において、
前記USBポートへの前記USBデバイスの装着の有無を確認する全体制御部と、
前記全体制御部から送られてくる制御信号に基づき前記USBポートを介して前記USBデバイスに供給する電力を制御する電源制御部と、を備え、
前記全体制御部から送られてくる制御信号に基づき、前記電源制御部が前記USBポートに装着された前記USBデバイスに前記USBポートを介して供給する電力を制御することを特徴とするUSBホスト装置。
【請求項2】
前記全体制御部が、前記USBポートに装着された前記USBデバイスにデータの転送要求を行うリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されているか否かを確認する機能を有しており、
前記全体制御部が前記USBポートに装着された前記USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていないことを確認したときに、前記電源制御部がリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていない前記USBデバイスに前記USBポートを介して定期的に電力を供給するとともに、
前記全体制御部が前記USBポートに装着された前記USBデバイスにリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていることを確認したときに、前記電源制御部がリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されている前記USBデバイスに前記USBポートを介して電力を供給し続けることを特徴とする請求項1に記載のUSBホスト装置。
【請求項3】
前記電源制御部がリモート・ウェイク・アップ機能が搭載されていない前記USBデバイスに定期的に電力を供給しているとき、当該USBデバイスに前記USBポートを介して電力が供給され、前記全体制御部と当該USBデバイスとの間で通信が行われることによって前記全体制御部が当該USBデバイスがデータの転送を要求していることを確認すると、前記電源制御部が当該USBデバイスに前記USBポートを介して電力を供給し続けるように前記電源制御部の電力供給動作が切り換わることを特徴とする請求項2に記載のUSBホスト装置。
【請求項4】
前記全体制御部が前記USBポートに前記USBデバイスが装着されていないことを確認したときに、前記電源制御部が前記USBデバイスが装着されていない前記USBポートに定期的に電力を供給することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のUSBホスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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