説明

UV活性化イメージを持つ溶接アーク衣服及びUV放射を検出する方法

溶接用備品及び溶接操作の際にUV放射曝露を検出するためのシステムが開示される。前記溶接用備品は電気溶接アークにより生成されるUV放射へ曝露される表面を有し、UV放射への曝露がない場合の第1のイメージと、電気溶接アークにより生成されるUV放射への曝露の後にのみ可視的となるUV活性化色素から形成される第2のイメージを含む。システムは、第1の状態と少なくとも第2の状態を持つUV曝露インジケータを含み、UV放射への曝露を可逆的に又は可視的に示し続けるように適合されるUV活性化色素を含む。可視的に示すことには、シンボル、ロゴ、イメージ、テキスト又は他の装飾的又は情報的デザインを望むように組み合わせることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶接用備品に関し、より具体的には電気溶接アークからのUV放射により活性化されるイメージを有する溶接衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接は、種々の製品及び構造物の製造及び建設において1つの重要なプロセスである。溶接の応用は広く、世界中で使用されている。例えば船舶、建築物、車両及びパイプラインなどが挙げられる。溶接は種々の場所で実施される。例えば固定された溶接作業位置を持つ工場で又はポータブル溶接装置による現場においてなどが挙げられる。
【0003】
手動又は半自動化溶接においては、ユーザ/操作者(即ちウェルダー、溶接者)は溶接を行うために溶接装置に面する。例えば、電気アーク溶接に於いては、前記溶接者は手動で溶接ロッド又は溶接ワイヤを位置づけ、及び溶接位置でアークを生成する熱を生成させる。このタイプの溶接では、溶接位置から電極の空間は生成されるアークに関連し、及び基板と溶接ロッド又はワイヤ金属の最適融解/融合の達成に依存する。かかる溶接の品質は、しばしば直接溶接者の熟練度に依存する。
【0004】
電気アーク溶接は紫外線(UV)放射を生じることが知られている。電気溶接アークで発生するUV放射は太陽光により日焼けと同様の傷害を起こす恐れがある。UV放射はまた、眼の刺激であって、「溶接者の眼」又は「アークアイ」として知られる状態を引き起こすことも知られている。電気アーク溶接の際に発生するUV放射の強度は、多くのファクタに依存し、例えばプロセスタイプ、溶接パラメータ、電極及び基板金属材料、フラックス及び前記基板のコーティング又はメッキなどに依存する。さらにとりわけ、チップサイズ、シールドガス及びフィラー金属成分などが発生するUVの量に影響を与える。さらに、UV放射の直接曝露に加えて、UV放射の放射は溶接環境に共通の表面から反射され、例えば塗装されていない金属及びコンクリート床などから反射され、これが間接曝露となる。さらにUV放射の効果は累積的であり、繰り返し曝露されることは網膜傷害及びその他の健康傷害の原因となり得る。
【0005】
UV放射は通常3つのバンドに分けられ、UV−A、UV−B及びUV−Cであり、これは波長が小さくなる順である。自然太陽光はこれら3つのすべてのバンドの主UV放射の放射源であるが、UV−Cは実質的にオゾン層で吸収されている。一般にUV−Aは波長が320から380ナノメートル;UV−Bが波長290から320ナノメートル;及びUV−Cが波長200から290ナノメートルを有する。波長が短かくなるほど、UVの放射の生物学的影響は強くなる。電気アーク溶接プロセスは3つ全てのバンドでUV放射を生じ、実質的にはUV−Cバンドの上端での放射である。
【0006】
これまで種々の方法及び装置が、電気アークにより生じるUV放射から溶接者をシールドするために使用されてきた。例えば、溶接ヘルメット、ジャケット及び手袋などであり、これらを装着することで溶接者の眼及び身体にUV放射が到達することから実質的に防止する。溶接環境では、他の者もまた通常個人的保護装置を装着する。例えばUV放射曝露を制限するための安全メガネである。
【0007】
溶接アーク周りで作業する者のUV放射曝露の程度は大きく変動し、しばしば正確には知られていない。近くの人への不要な曝露を制限するために、種々のタイプのカーテン及びシールドが設けられ溶接者を隔てている。
しかし、塗装されていない金属、コンクリート及びその他の表面からのUV放射反射に対しては溶接操作のシールド効果は限定的である。溶接操作はまた、通路、廊下及び他の者が曝露を避けるために作業する領域から離れて設けられているが、しかしながらこれは、溶接操作が狭い領域で実行される場合にはしばしば実用的なことではない。UV曝露を回避する他の技術はまた、溶接環境周りに警告サインを提示してUV曝露の危険性を強調することが挙げられる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は溶接用備品に関し、前記溶接用備品は、溶接操作の間に電気溶接により発生するUV放射の存在を可視的に示す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記溶接用備品には、例えば、溶接ヘルメット、溶接ジャケット、溶接シャツ、ハードハット、クロススカルキャップ、ボールキャップスタイルハット、安全メガネ、手袋、バッジ、作業ブーツ、ベルト及び装飾品などが、その他の溶接環境で使用される備品に加えて挙げられる。前記可視的に示すことは、第1のイメージと第2のイメージとの間の遷移であり得る。及び前記移行は永久的又は可逆的であり得る。前記溶接備品には、溶接ヘルメット、溶接ジャケット、手袋、安全メガネ、インジケータバッジ又はその他の溶接備品を含む。1以上のUV活性化色素、染料又はインクは、前記溶接アークからのUV放射の存在を示すように適用される。理解されるべきことは、この出願で使用される用語「UV活性化色素」には、UV活性化色素、染料、インク及びその他の類似の物質や装置を含むことである。UV曝露インジケータはまた、第1の状態と第2の状態を持ち、前記可視的インジケータは前記第1及び少なくとも第2の状態間の移行である。種々のシンボル、ロゴ、テキスト又はその他の装飾的又は情報的デザインも、UV放射の存在又は不存在を示すために適用され得る。
【0010】
また、勾配状態を持つUV曝露インジケータを持つ溶接操作の間の積算UV放射を検出するためのシステムが開示される。UV放射曝露はまた、溶接システム及びUV曝露インジケータを与えることで検出され、かつUV曝露インジケータをモニタしつつUV放射を生成するための溶接システムを操作し、既定のUV曝露レベルが示された後は溶接操作を止める。
【0011】
当業者には以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付図面から、本発明の開示の種々の側面が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、溶接環境の模式図である。
【図2】図2は、溶接ヘルメットの斜視図である。
【図3】図3は、UV放射に曝露された後の溶接ヘルメットの斜視図である。
【図4】図4は、UV放射に曝露された後の他の溶接ヘルメットの斜視図である。
【図5A】図5Aは、他の溶接ヘルメットの斜視図である。
【図5B】図5Bは、他の溶接ヘルメットの斜視図である。
【図6A】図6Aは、安全メガネの斜視図である。
【図6B】図6Bは、他の安全メガネの斜視図である。
【図7A】図7Aは、他の溶接ジャケットの斜視図である。
【図7B】図7Bは、他の溶接ジャケットの斜視図である。
【図8A】図8Aは、UVインジケータバッジの斜視図である。
【図8B】図8Bは、UVインジケータバッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には溶接環境10が示される。溶接環境10は、溶接ヘルメット12、溶接システム14、溶接ガン16及びワークピース18を含む。溶接環境はまた、例えば、スティック電極ホルダ、TIGトーチ又はその他の適切な電気アーク溶接のために使用される装置などを含む。ワークピース18は一般的に、溶接作業領域20を定め、ここで溶接ガンが溶接を行うために用いられる。種々のタイプの例示的溶接が、例えばシールドメタルアーク溶接(SMAW)、ガスメタルアーク溶接(GMAW)(例えばMIG溶接)及びガスタングステンアーク溶接(GTAW)(例えばTIG溶接)などが溶接環境で実施され得る。
【0014】
溶接システム14は、溶接電流及び電圧生成のための装置、前記溶接電流及び電圧を制御するための溶接制御システム及び前記溶接電流及び電圧を監視するためのモニターシステムを含む。前記モニターシステムは又、種々のその他の操作パラメータをモニタする。例えば、限定されるものではないが、溶接ワイヤ供給速度、溶接ワイヤの残り、操作者に望まれる全てのタイプのフィードバック及びすべてのその他の操作パラメータが挙げられる。
【0015】
図1から7には溶接用備品が開示され、前記1つの溶接用備品は、溶接操作の間に電気アーク溶接へ曝露される表面を含み、前記表面が第1のイメージと第2のイメージを含み、前記第1のイメージが、前記電気溶接アークへ曝露されずに前記溶接備品の前記表面上で可視的であり、及び前記第2のイメージが、前記溶接操作の間に前記電気溶接アークにより発生されるUV放射へ曝露された後でのみ、前記表面上のUV活性化色素から形成され可視的である。前記溶接備品は、溶接ヘルメット、溶接ジャケット、溶接シャツ、安全メガネ、手袋、バッジ、作業ブーツ、ベルト又は装飾品、又はUV放射が曝露される表面を有する溶接環境で使用又は装着される全ての他の適切な備品であり得る。
【0016】
操作の間に、溶接システム14は、溶接ガン16とワークピース18との間に電気溶接アークを生成するように操作する。他の例では、溶接システム14は、スチィック電極ホルダ、GTAW又はTIGトーチ又はその他の溶接装置と、ワークピース18との間に電気溶接アークを生成し得る。それぞれの例では、電気溶接アークは、UV、可視及び赤外スペクトルに放射を含む電磁波を生成する。電気溶接アークにより生成されるUV放射は、UV−A、UV−B及びUV−Cバンドの放射を含み得る。しばしば、前記電気溶接アークで生成されるUV放射は、約200と290ナノメートルの間の波長UV−Cに集中する。このUV放射はさらに、約260と280ナノメートル波長に集中し得る。
【0017】
溶接用備品は、前記溶接用備品の表面上に、電気溶接アークに曝露されずに第1のイメージを有し得る。例えば、前記第1のイメージは、ロゴ、シンボル、テキスト又はその他の装飾的又は情報的デザインであり得る。又は、前記第1のイメージは、前記溶接用備品の装飾されていない表面であり得る。例えば、溶接ヘルメット12の外側表面22上の会社のロゴなどの第1のイメージであり得る。
【0018】
溶接用備品はまた、溶接用備品の表面上にUV活性化色素から形成される第2のイメージを持ち、この第2のイメージは、溶接操作の間に電気溶接アークにより発生したUV放射への曝露の後にのみ可視的となるものである。前記第2のイメージはまた、ロゴ、シンボル、テキスト又はその他の装飾的、情報的な望ましいデザインであり得る。例えば、前記第1のイメージは、UV放射の存在を示す警告シンボルであり得る。又は少なくとも既定の量のUV放射への曝露を示す警告であり得る。他の例では、前記第2のイメージは、溶接用備品の提供者を表す装飾デザインであり得る。
【0019】
図2から4には、外側表面22を持つ溶接ヘルメット12が示され、視点24が示されている。溶接ヘルメット12は、溶接者の頭と眼を、電気溶接アーク及び電気溶接アークにより発生するUV放射からシールドすることができる。溶接ヘルメット12はまた、溶接者から、通常溶接環境で遭遇する熱、スパーク及びその他の危険から保護することができる。溶接ヘルメット12の外側表面は溶接の際に電気溶接アークへ曝露される。
【0020】
図2に示されるように、溶接ヘルメットの装飾されていない表面である外側表面22は、第1のイメージを有する。外側表面22はまたUV活性化色素からの第2のイメージを持つ。第2のイメージは、図3で示されるような警告シンボル26であり得る。第2のイメージは、図4で示されるような会社のロゴ28であり得る。第2のイメージが、望む種々のデザインから選択され得ることは明らかである。
【0021】
第1のイメージは溶接用備品の表面上のUV活性化色素から形成される。第2のイメージを形成するUV活性化色素は、溶接用備品の表面を形成する材料に組み込まれることができる。または、UV活性化色素は、溶接用備品の表面に適用され得る。又は、UV活性化色素はUV活性化曝露インジケータ内に導入されて、これを溶接用備品の表面に、バッジ、ステッカ又はその他の同等な装置へ付設され得る。
【0022】
UV活性化色素又は染料は、一般に、UV放射により色又は状態が変更される物質として説明され得る。UV活性化色素は、ホトクロミック、光変化性及び光活性化色素として参照されている。ここで使用される用語「UV活性化色素」とは、UV放射に曝露されると色又は状態が変化する物質を表すものとする。種々のUV活性化色素が知られており市販されており、これらは本発明で使用するために含まれる。UV放射に対応するが、自然太陽光又は人工光の存在では安定な色素は、例えばNohrらの米国特許番号第6054256又はRibiらの米国特許出願公開公報第2008/0296513に開示される。UV活性化色素は、UV放射の特定の波長に応じて選択され得る。例えば、UV色素は、波長が200と290ナノメートルの間に応じて選択され得る。他の例では、UV活性化色素は、波長が260と280ナノメートルの間に応じて選択され得る。UV活性化色素と非活性化色素との組み合わせも望ましい特性を与えるために使用され得る。これらの色素及び他の知られたUV色素活性化色素は本発明の開示に適用され得るものである。
【0023】
Nohrらの米国特許番号第6054256に記載されるように、1つのUV活性化色素は、消去可能/変更可能非可逆的紫外線吸収体であり、紫外線放射トランソーバ/変更可能分子含有複合体により例示されるものであり、前記変更可能な色素はマラカイトグリーン又はビクトリアピュアブルーBO(基本ブルー7)(Victoria Pure Blue BO(Basic Blue7))であり及び前記紫外線吸収トランソーバがIRGACURE184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)であり、前記分子含有物がβシクロデキストリンである。
【0024】
さらなる例は、Nohrらの米国特許番号第6054256に開示されており、限定されるものではないが、変化可能な色素には、マラカイトグリーンカルビノール塩基{4−(ジメチルアミノ)−a−[4−(ジメチルアミノ)フェニール]−a−フェニールベンゼン−メタノール}、マラカイトグリーンカルビノール塩化水素{N−4−[[4−(ジメチルアミノ)フェニール]フェニールメチレン]−2、5−シクロヘキシルジエン−1−イリデン]−N−メチル−メタンアミニウムクロリド又はビス[p−(ジメトルアミノ)フェニール]フェニールメチリウムクロリド}、及びマラカイトグリーンオキサレート{N−4−[[4−(ジメチルアミノ)フェニール]フェニールメチレン]−2、5−シクロヘキシルジエン−1−イリデン]−N−メチルメタンアミニウムクロリド又はビス[p−(ジメチルアミノ)フェニール]フェニールメチリウムオキサレート}などのトリアリールアミン色素;シアニンブラック、クリソイジン[ブラックオレンジ2;4−(フェニールアゾ)−1、3−ベンゼンジアミンモノヒドロクロリド]、ビクトリアピュアブルーBO、ビクトリアピュアブルーB、塩基性フクシン及びβ−ナフトールオレンジなどのモノアゾ色素;メチレングリーン、塩化亜鉛二塩[3、7−ビス(ジメチルアミノ)−6−ニトロフェノチアジ−5−ニウムクロリド、塩化亜鉛二塩]などのチアジン色素;ルミクローム(7、8−ジメチルアロキサジン);ルシファイエローCH{6−アミノ−2−[(ヒドラジノカルボニル)アミノ]−2、3−ジヒロド−1、3−ジオキソ−1H−ベンズ[de]イソキノリン−5、8−ジスルフォン酸ジリチウム塩}などのオキサジン色素などのナフタルイミド色素;ジャニスグリーンB{3−(ジエチルアミノ)−7−[[4−(ジメチルアミノ)フェニール]アゾ]−5−フェニールフェナジニウムクロリド}などのアジン色素;インドシアニングリーン{カージオグリーン又はフォックスグリーン;2−[7−[1、3−ジヒドロ−1、1−ジメチル−3−(4−スルフォブチル)−2H−ベンズ[e]インドール−2−イリデン]−1、3、5−ヘプタトリエニル]−1、1−ジメチル−3−(4−スルフォブチル)1H−ベンズ[e]インソリウムヒドロキシド内部塩ナトリウム塩}などのシアニン色素;インジゴ{インジゴブルー又はバットブルー1;2−(1、3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドール−2−イリデン)−1、2−ジヒドロ−3H−インドール−3−オン}などのインジゴ色素;7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン(4−メチルウンベリフェロン);ヘキスト33258[ビスベンズイミド又は2−(4−ヒドロキシフェニール)−5−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2、5−ビ−1H−ベンズイミダゾールトリヒドロクロリドペンタハイドレート]などのクマリン色素などのベンズイミダゾール色素;ヘマトキシリン{ナチュラルブラック1;7、11b−ジヒドロベンズ[b]インデノール[1、2−d]ピラン−3、4、6a、9、10(6H)−ペントール}などのパラキノイダル色素;フルオレセインアミン(5−アミノフルオレセイン);ジアゾレッドRC(アゾ酸ジアゾNo.10又はファストレッドRCなどの塩ジアゾニウム塩色素;2−メトキシ−5−クロロベンゼンジアゾニウムクロリド塩化亜鉛二塩)などのフォルオレセイン色素;ファストブルーBB塩(アゾ酸ジアゾNo.20;4−ベンゾイルアミノ−2、5−ジエトキシベンゼンジアゾニウムクロリド、塩化亜鉛二塩)などのアゾ酸ジアゾ色素;ディスパースイエロー9[N−(2、4−ジニトロフェノール)−1、4−フェニレンジミン又はソルベントオレンジ53]などのフェニレンジアミン色素;ディスパースオレンジ13[ソルベントオレンジ52;1−フェニールアゾ−4−(4−ヒドロキシフェニールアゾ)ナフタレン]などのジアゾ色素;ディスパースブルー3[セリトンファストブルーFFR;1−メチルアミノ−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−9、10−アントラキノン]、ディスパースブルー14[セリトンファストブルーB;1、4−ビス(メチルアミノ)−9、10−アントラキノン]及びアリザリンブルーブラックB(モーダンブラック13)などのアントラキノン色素;ダイレクトブルー71{ベンゾライトブルーFFL又はシリウスライトブルーBRR;3−[(4−[(4−[(6−アミノ−1−ヒドロキシ−3−スルフォ−2−ナフタレニル)アゾ]−6−スルフォ−1−ナフタレニル)アゾ]−1−ナフタレニル)アゾ]−1、5−ナフタレンジスルフォン酸4ナトリウム塩}などのトリスアゾ色素;2、7−ジクロロフルオロセイン; 3、6−ジアミノアクリジンヘミスルフェート(プロフラビン)などのキサンテン色素などのプロフラビン色素;クレゾールレッド(o−クレゾールスルフォナフタレン)などのスルフォンナフタレン色素;銅フタロシニン{ピグメントブルー15;(SP−4−1)−[29H、31H−フラロシアナート(2−)−N29、N30、N31、N32]銅}などのフタロシアニン色素; トランス−.β.−カロテン(フードオレンジ5)などのカロテノイド色素;カラミン、カラミン酸 (7−a−D−グルコピラノシル−9、10−ジヒドロ−3、5、6、8−テトラヒドロキシ−1−メチル−9、10−ジオキソ−2−アントラセンカルボン酸)のアルミニウム又はカルシウム−アルミニウムレーキなどのカラミン酸色素;アズレA[3−アミノ−7−(ジメチルアミノ)フェノチアジ−5ニウムクロリド又は7−(ジメチルアミノ)−3−イミノ−3H−フェノチアジン塩酸] などのアズレ色素;及びアクリジンオレンジ[ベーシックオレンジ14;3、8−ビス(ジメチルアミノ)アクリジン塩酸、塩化亜鉛二塩]及びアクリフラビン(アクリフラビンニュートラル;3、6−アクリジンジアミンとの3、6−ジアミノ−10−メチルアクリジニウムクロリド混合物などのアクリジン色素、が挙げられる。
【0025】
Nohrらの米国特許番号第6054256には、非可逆的紫外線照射トランソーバが記載され、それには例えば、限定されるものではないが、フタロイルグリシン−2959、DARCUR2959及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニールケトン(“HCPK”)(IRGACURE184、Ciba−Geigy)などの他の光反応剤などの安定化剤;α、α−ジメトキシ−α−ヒドロキシアセトフェノン(DAROCUR1173、Merck);1−(4−イソプロピルフェニール)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン(DAROCUR1116、Merck);1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニール]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン(DAROCUR2959、Merck);ポリ[2ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニール]プロパン−1−オン](ESACURE KIP、Fratelli Lamberti);ベンゾイン(2−ヒドロキシ−1、2−ジフェニールエタノン)(ESACURE BO、Fratelli Lamberti);ベンゾインエチルエーテル(2−エトキシ−1、2−ジフェニールエタノン)(DAITOCURE EE、Siber Hegner);ベンゾインイソプロピルエーテル(2−イソプロピル−1、2−ジフェニルエタノン)(VICURE 30、Stauffer);ベノゾイン−ブチルエーテル(2−ブトキシ−1、2−ジフェニルエタノン)(ESACURE EB1、Fratelli Lamberti);ベンゾインブチルエーテル(TRIGONAL 14、Akzo)混合物;ベンゾインイソ−ブチルエーテル(2−イソブトキシ−l12−ジフェニールエタノン)(VICURE10、Stauffer);ベンゾインn−ブチルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル(ESACURE EB3、ESACURE EB4、Fratelli Lamberti)混合物;ベンジルジメチルケタル(2、2−ジメトキシ−1、2−ジフェニールエタノン)(“BDK”)(IRGACURE 651、Ciba−Geigy);2、2−ジエトキシ−1、2−ジフェニールエタノン(UVATONE8302、Upjohn);α、α−ジエトキシアセトフェノン(2、2−ジエトキシ−1−フェニール−エタノン)(“DEAP”、Upjohn)、(DEAP、Rahn);及びα、α−ジ−(n−ブトキシ)−アセトフェノン(2、2−ジブトキシル−1−フェニールエタノン)(UVATONE 8301、Upjohn)が挙げられる。
【0026】
Rabiらの米国特許出願公開公報第2008/0296513にはホトクロミック試薬のいくつかの例が開示されており、ジイン(共役ジアセチレン)を含み、特に少なくとも8炭素数で約36以下の炭素数、より通常は約12から3炭素数の酸、エステル、ウレタン、アミド、ニトリル又はアルコールモノマを含む。これらのアセチレン基は通常は末端炭素が少なくとも1つの炭素で置換され得る。ジインの官能基の種々の誘導体は、具体的な処方において使用されるために前記ジインの性質を変化させるように作用する。Rabiらの米国特許出願公開公報第2008/0296513に記載のように、透明のUV活性化塗料/ポリッシュは、モノマ10、12−ペンタコサジイン酸(PDA)を透明な市販ネールポリッシュフィニッシュ剤(例えばOrly Snap、Orly International、Inc.から入手される、エチルアセテート、ブチルアセテート、イソプロピルアルコール、ニトロセルロース、ジブチルフタレート、ポリビニルブチラル、エトクリレンから製造される、D&Cレッド#6バリウムレーキ、D&Cバイオレット#29)へ、又は市販クリアコート塗料へ、最終濃度が100PDA/mlポリッシュ/塗料/フィニッシュとなるように添加することで調製できる。PDAモノマは透明になるまで混合された。その後薄フィルムをUV放射に曝露される表面に適用した。またRabiらの米国特許出願公開公報第2008/0296513には、スチックオンセンサタブが記載され、これは透明テープステッカ(即ち1/4インチ(0.635cm))直径の円形で、アクリル系接着ラベルダイカットで作られ、便宜上剥離紙が付されている)であり、約200ミクロンのコーティング厚さで100mgのPDA/mlクロロホルム溶液でコーティングされたものである。
【0027】
例えば1つの非制限的な例として、UV色素の適切なホトクロームはスピロオキサジンである。オキサジンのスピロ型は、無色ロイコ色素であり、sp混成「スピロ」により分離されたオキサジンと他の芳香族部分との共役系である。UV光で照射されると、スピロ炭素とオキサジン間の結合が切れて開環し、スピロ炭素がsp混成炭素となり平面となり、芳香族部が回転してそのπ軌道が残りの分子と整列し、共役系が形成されて可視光の光子を吸収することが可能となり、その結果色が見えることとなる。UV源が除かれると、分子はゆっくりと緩和して基底状態となし、炭素−酸素結合が再形成され、スピロ炭素がsp混成軌道にもどり、分子は無色に戻る。この例は可逆的色変化を示す。
【0028】
他の非限定的例示において、適切なUVは、Havensらの米国特許番号第7598331に開示されるような、UV−Cの既定の量曝露されると色変化が起こるUV感受性組成物である。前記UV−C感受性組成物はハロゲン化ポリマを含み、例えばポリビニリデンクロリドであり、これはUV放射に曝露されると酸を生成し、pH感受性色素を生成する。UV−Cに曝露されると、前記ハロゲン化ポリマは分解し塩酸を生成する。前記pH感受性色素は、系中で塩酸(HCl)が増加する結果として色を変化させる。この組成物はまた、酸除去組成部及び/又は希釈剤を含み、系中に生成される塩酸の量を制御することができる。UV−C曝露から遊離されるHClの量は選択的に制御でき、色の変化を望ましいUV−C量で生じさせることができる。この例は一方向的な色変化である。
【0029】
Havesnらの米国特許番号第7598331に記載されるように、前記ハロゲン化ポリマには、ポリビニルクロリド(PBC)、ポリビニリデンクロリド(PVDC)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマ、クロル化ゴム、及びそれらのコポリマが含まれ、場合により、前記ハロゲン化ポリマはまた、ほとんど又は全くハロゲンを含まない1以上のポリマと組み合わせることもできる。pH感受性色素には、ブロモフェノールブルー、フェノールレッド、チモールブルー、エチルオレンジ、m−クレゾールパープル、ニューフクシン、p−メチルレッド、リサミングリーン、アニリンブルー、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、エチルバイオレット、ブリリアントグリーン、オーラロカイトグリーンオキサレート、メチルグリーン、クレゾールレッド、キナルレッド、パラメチルレッド、ブロモチモールブルー、メタニルイエロー、オレンジIV、フェニールアゾアニリン、エリスロシンB、ベンゾパープリン4B、コンゴレッド、メチルオレンジ、レザズリン、メチルレッド、アリザリンレッド、ブロモクレゾールパープル、クロロフェノールレッド又は複数の色変化のためのこれらの色素の混合物が挙げられる。
【0030】
さらに非限定的例示において、UV色素は「ジアリールエテン」であり得る。ジアリールエテンは一般的には熱力学的には安定である。ジアリールエテンは、6π電子環化反応により形成されるが、同様な熱的変化は立体障害のため不可能である。いくつかの他のホトクロミック色素は、結晶性粉末の外観を持つが、色変化を達成するためにそれらは溶媒又は適切な媒体中に分散される必要がある。しかしいくつかのジアリールエテンは異性化に際してほとんど形状の変化を必要としないため、それは結晶形を維持したまま状態間を変化させることができるという有利な点を持つ。
【0031】
さらに、前記UV色素は、Spectrachrome(R)結晶(Del Sol、L.C.の米国登録商標番号第2531301)であり得る。
【0032】
溶接操作の間、電気溶接アークはUV放射を生成して溶接用備品の表面に到達する。
前記溶接用備品の表面上の第2のイメージを形成するUV活性化色素は、UV放射に応じて、第2のイメージを生じてUV放射が存在することを知らせる。前記溶接備品上に第2のイメージが見え、存在することは、溶接者及びその他の溶接操作付近の作業者に、UV放射が存在し適切な注意が適用されるべきであることを警告する。前記第1のイメージ及び第2のイメージは、UV放射の存在をハイライトするために選択されるか、その他の理由で選択され得る。
【0033】
他の実施態様は種々のその他の溶接用備品を含む。例えば図5A及びBを参照して、他の溶接ヘルメット12が示されている。溶接ヘルメット12は図5Aに示されるように、電気溶接アークに曝露されずに可視的な第1のイメージを持つ。溶接ヘルメット12は図5Bに示されるようにUV活性化色素から形成される第2のイメージ60を含む。図5Aを及びBに示されるように、第1及び第2のイメージは重ってもよい。また、第1及び第2のイメージは溶接用備品の表面で組み合わせたイメージを形成してもよい。この第1と第2のイメージの組み合わせは、溶接用備品に適用される際に、種々のロゴ、シンボル、テキスト及びその他の装飾的デザインとなり得る。
【0034】
図6A及び6Bを参照して、フレーム32とレンズ34を持つ安全メガネ30が示される。示されるような安全ネガネは、溶接操作が行われている建物、建造物及び修理サイトで又はその周りで共通に必要とされる。安全メガネはまた、1以上のUV曝露インジケータ36を含む。図6Aに示されるように、UV曝露インジケータ36はレンズ34上に設けることもできる。又はUV曝露インジケータはフレーム32の上に設けることができる。1つの実施態様で、前記フレーム32全体がUV曝露インジケータであり得る。UV放射に曝露されると、UV放射に曝露インジケータ36が色変更し又は可視的にUV放射の存在を示す。図6Bに示されるように、前記インジケータは暗くされたインジケータ38であり得る。UV曝露インジケータは、既に説明したUV曝露活性化色素から、又はそれを含んで形成され得る。1つの実施態様で、インジケータはレンズ34の外側に設けられ得る。他の実施態様では、インジケータはレンズ34の内側に設けられ得る。レンズの内側に設けられることは、眼に到達するUV放射に対してよりよいインジケータと成り得る。溶接環境10内の又はその周りの人と同様に安全メガネ30を装着する人もまた、UV曝露インジケータ36によるUV放射の存在を警告され得る。
【0035】
他の実施態様では、図7A及び7Bに示されるように、UV曝露インジケータを含む溶接ジャケット40が示される。溶接ジャケット40は、電気溶接アーク及び電気溶接アークにより発生するUV放射に曝露される。曝露されると、インジケータは第1のイメージから第2のイメージへ変更される。図7Bに示されるように、第2のイメージは、溶接操作が進行中であることを示すメッセージであり得る。そのような例には、UV感受性が、前記メッセージ44が自然太陽光と反対に主にアーク溶接により発生するようなUV−Cバンドにより主に活性化される場合も含まれる。
かかる例は太陽光の下で太陽光に曝露され得る溶接環境において使用され得る。
【0036】
また、溶接操作の間に電気溶接アークを生成するように適合された溶接システムを含む溶接の際に、UV放射曝露を検出するためのシステムが提供され、前記システムが、塩基電気溶接アークがUV放射を生成し;UV曝露インジケータを持つ溶接用備品を含み;及び前記UV曝露インジケータが少なくとも第1の状態と第2の状態を有し、前記UV曝露インジケータが、前記溶接操作の際に前記電気溶接アークにより生成されるUV放射へ曝露される際に可逆的可視的インジケータを与えるように適合されるUV放射活性化色素を含み、前記可視化インジケータが、前記溶接操作の際に前記電気溶接アークにより生成されるUV放射へ曝露される際に、前記UV曝露インジケータの前記第1の状態から少なくとも前記第2の状態へ移る、ものである。
【0037】
前記説明されたように、溶接環境10では、溶接システム14は、溶接ガン16又はその他の溶接装置及びワークピース18との間で電気溶接アークを生成し得る。ここで前記電気溶接アークはUV放射を生成する。図2から4を参照して、溶接ヘルメット12などの溶接用備品はUV曝露インジケータを持ち得る。UV曝露インジケータは溶接ヘルメット12の外側表面22の一部分であり得る。又は、UV曝露インジケータは、別の部品であってよく、例えば接着剤付きのバッジであって、溶接用備品に付され得る。
【0038】
UV曝露インジケータは少なくとも第1の状態と第2の状態を有する。図2を参照して、UV曝露インジケータの第1の状態は、溶接ヘルメット12の非装飾外側表面22であり得る。第2の状態は、図3及び4に示されるように、UV放射に曝露された後、溶接ヘルメット12の外側表面に現れるシンボル26又はロゴ28であり得る。同様に図5A及び5Bに示されるように、第1の状態は第1のイメージ58であり、第2の状態が、第1のイメージ58と共に表示される第2のイメージ60であり得る。
【0039】
UV曝露インジケータは、UV放射への曝露に際して可逆的な可視化インジケータを提供し得る。例えば、溶接ヘルメット12のUV曝露インジケータ部分は、UV放射の存在下で第1のイメージ58から第2のイメージ60へ移行することができ、かつUV放射が存在しなくなればそれに従って第2のイメージ60から第1のイメージ58へ移行して戻ることができる。種々のUV放射活性化色素が知られおり、それらはUV放射に可逆的に対応するものであり、上で説明したUV活性化色素を含む。UV活性化色素は、前記第2の状態の望ましい保持性を与えるように選択され得る。例えば、第2の状態は、少なくとも2、3、5、10又は15分間又は電気溶接アークが止まってからUV放射曝露後の適切な時間間隔、持続され得る。
【0040】
例として図8A及び8Bを参照して、UV、曝露インジケータはまた、UV放射曝露の強度により複数の状態を持ち得る。1つの例では、UV曝露インジケータは、UV曝露インジケータとして作用し、1以上のUV活性化色素を含む勾配部分52を含むバッジ50であり得る。この勾配部分52はUV放射の既定の強度の曝露に際して第1及び第2の状態間へ移行し得る。前記勾配部分52はUV放射のより大きい強度に曝露される際に第の状態3及び1以上の追加の状態へ移行し得る。例えば図8Bは、活性化部分54及び前記勾配部分52の非活性化部分56を持つバッジ50を示す。示されるように、勾配部分52は、UV放射の既定の強度にそれぞれ応じて別々の部分に分割され得る。しかし別々の部分は必要ではなく、実質的に連続的な変化を持つ勾配部分52も含まれる。
【0041】
UV曝露インジケータの第1の状態から第2の状態への移行は、可視スペクトルの色の変化などの可視的インジケータを含み得る。色の変化は、異なる色の間の変化、又は単一の色の異なる明るさの間の変化を含み得る。既に説明されたように、第2の状態は、ロゴ、シンボル、テキスト又は他の装飾的又は情報的デザインを含み得る。UV曝露インジケータは、溶接ヘルメットに組み込まれ得る。そこではUV曝露インジケータは溶接ヘルメットの外側表面に組み込まれる。ここで記載されるUV曝露インジケータはまた、溶接ヘルメットの内部表面に組み込まれ、溶接操作の間の溶接ヘルメット内部へのUV放射の進入を示し得る。かかるUV放射の進入は、溶接ヘルメットの欠陥を示し、UV放射からの溶接者の眼と頭の保護効果の減少を示す。
【0042】
UV曝露インジケータの他のデザインもまた可能である。例えば、UV活性化色素を含むUV曝露インジケータは、ステッカなどの接着剤バッキングを持つ機材上に形成され、溶接操作近くにいる人に着用される衣服に適用され得る。かかるインジケータは、特に溶接環境で作業することに慣れていない訪問者又は顧客のためにUV曝露をモニタするための簡便な手段を提供し得るものである。UV曝露インジケータは、10から400ナノメートルの波長を持つUV放射に対応し得る。又は、UV曝露インジケータは、200から290ナノメートルの範囲の波長を持つUV放射に対応し得る。
【0043】
また、溶接操作の際に積算UV放射曝露を検出するためのシステムが提供され、溶接操作の際に電気溶接アークを生成するように適合される溶接システムを含み、前記電気溶接アークはUV活性化放射を生成し;UV曝露インジケータを持つ溶接用備品;及び勾配状態を持つUV曝露インジケータを含み、前記UVインジケータが、前記電気溶接アークにより生成されるUV放射に曝露される際に可視的インジケータを与えるように適合されるUVインジケータ活性化色素を含み、前記可視的インジケータが、前記溶接操作の間に電気溶接アークにより生成されるUVインジケータ放射に曝露される際の積算UV曝露を示すための勾配状態間の移行である。
【0044】
上で説明されたように、バッジ50は、勾配状態間の移行によりUV曝露のレベルを示すように適合された勾配部分52を含み得る。UV活性化色素は、UV活性化放射への曝露に際し非可逆的変化を与えることが知られている。かかる色素は、光変化性又は光活性と参照されかつまた市販されている。ここで使用されるUV活性化色素はまた、これらのタイプの色素として参照され得る。
【0045】
勾配部分52は、積算UV放射曝露を示すための状態間の移行に対応するように適合され得る。勾配部分52のそれぞれの区分は、UV放射曝露の既定のレベルについて移行するように選択され得る。溶接環境で又は近くで作業する人は、従って彼らの積算UV放射曝露をモニタすることができ、かかる曝露の効果に対して安全確保のための適切な防御又は保護手段を取ることができる。
【0046】
溶接操作の間にUV放射曝露を検出するための方法が提供され、溶接操作の際に電気溶接アークを生成するように適合される溶接システムを提供し;少なくとも第1の状態及び第2の状態を持つUV曝露インジケータを提供し、前記UV曝露インジケータが、前記電気溶接アークにより生成されるUV曝露放射への曝露を可視的に示すことを与えるように適用されるUV放射活性化色素を含み、前記可視的に示すことが、前記UV曝露インジケータの前記第1の状態から少なくとも第2の状態への移行であり;前記電気溶接アークを生成するための溶接システムの操作が、UV放射を生成し、前記UV曝露インジケータを、少なくとも前記第1の状態と前記第2の状態の間の移行を前記電気溶接アークからのUV放射への曝露を示すようにされ;及びUV曝露インジケータをモニタし、及び既定のUV曝露レベルが前記UV曝露インジケータ上に示された後に前記溶接操作を止める。
【0047】
上で説明したように、UV曝露インジケータは、UV放射の存在を示しかつUV放射放射の強度を示すように適合され得る。ある状況では、既定のUV放射レベルがUV曝露インジケータにより示されるように存在する場合、溶接操作を中止することが望まれ得る。または、カーテンやシールドなどの追加の保護手段が、溶接環境でのUV放射レベルが既定のレベルを超える場合に要求され得る。溶接操作の間にUV放射曝露を検出するための方法は、従って溶接者の情報を提供することができることであり、溶接環境内の他の人が、適切な注意措置が取られることを保証することができる。
【0048】
また、溶接操作の間に積算UV放射曝露を検出するための方法が提供され、溶接操作の間に電気溶接アークを生成するように適合される溶接システムを提供し、前記電気溶接アークがUV放射を生成することができ;勾配状態を含むUV曝露インジケータを提供し、前記UV曝露インジケータが、前記電気溶接アークにより生成されるUV放射への曝露について可視的に示すことを与えるように適合されるUV曝露活性化色素を含み、前記可視的に示すことが、積算UV曝露を示す勾配状態間の移行であり;UV放射を生成する前記電気溶接アークを生成するように前記溶接システムを操作し、前記UV放射インジケータを、前記電気溶接アークからUV放射への曝露を示す勾配状態間に移行させ;及び前記UV曝露インジケータをモニタし、及び積算UV曝露の既定レベルが前記UV曝露インジケータに示された後に溶接操作を停止する。
【0049】
ここまでいくつかの実施態様が説明されたが、理解されるべきことは、種々の変更がなされ得ること、均等物がまた本発明の本質又は範囲から外れることなく置換され得る、ということである。さらに、多くの変法は、具体的な条件又は材料を本発明の本質又は範囲から離れることなく開示の教示により採用され得る。
【符号の説明】
【0050】
10 溶接環境
12 溶接ヘルメット
14 溶接システム
16 溶接ガン
18 ワークピース
20 溶接作業領域
22 外部表面
24 観点
26 警告シンボル
28 会社ロゴ
30 安全メガネ
32 フレーム
34 レンズ
36 UV曝露インジケータ
38 暗くされたインジケータ
40 溶接ジャケット
42 UV曝露インジケータ
44 メッセージ
50 バッジ
52 勾配部分
54 活性化部分
56 不活性化部分
58 第1のイメージ
60 第2のイメージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接用備品であり、前記備品は:
溶接操作の間の電気溶接アークへ曝露される表面を持ち、前記表面が第1のイメージと第2のイメージを持ち、
前記第1のイメージが、前記電気溶接アークへ曝露されることなく前記溶接用備品の表面上に可視的であり、及び
前記第2のイメージが、前記表面上のUV曝露活性化色素から形成され、かつ前記溶接操作の間に前記電気溶接アークにより生成されるUV放射へ曝露された後のみ可視的になる、溶接用備品。
【請求項2】
請求項に記載の溶接用備品であり、前記溶接用備品が、溶接ヘルメット、溶接ジャケット、ハードハット、クロススカルキャップ、溶接ヘルメットを含むボールキャップ、溶接シャツ、安全メガメ、手袋、バッジ、ワークブーツ、ベルト及び装飾品を含む群から選択される、溶接用備品。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載の溶接用備品であり、前記UV活性化色素が、200と290ナノメートルの間の波長を持つUV放射曝露に対応する、溶接用備品。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶接用備品であり、前記表面上のUV活性化色素から形成される第2のイメージが、前記溶接操作の間の電気溶接アークにより生成されるUV放射への曝露から回避された後可逆的に非可視的になる、溶接用備品。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶接用備品であり、前記表面にUV活性化色素から形成される前記第2のイメージが、前記溶接操作の間に電気溶接アークにより生成されるUV放射の規定の量へ曝露された後のみ、可視的となる、溶接用備品。
【請求項6】
溶接操作の間にUV放射を検出するためのシステムであり、前記システムが:
溶接操作の際に電気溶接アークを生成するように適合される溶接システムを含み、前記電気溶接アークがUV放射を生成し;
特に請求項1乃至5に記載の溶接用備品を含み、UV曝露インジケータなどのUV曝露を検出するための手段を含み;及び
前記UV曝露を示すための手段が、少なくとも第1の状態及び第2の状態を有し、かつUV活性化色素などの、前記溶接操作の際に電気溶接アークにより生成されるUV放射への曝露を可視的に示すための手段を含む、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであり、可視的に示すことが、前記第1の状態から、前記溶接の際に電気溶接アークにより生成されるUV放射への曝露の際にUV曝露インジケータの少なくとも前記第2の状態への移行である、システム。
【請求項8】
請求項6又は7のいずれか1項に記載のシステムであり、前記可視的に示すことが、前記可視スペクトルの色変化である、システム。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載のシステムであり、前記第2の状態がシンボルを含む、システム。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1項に記載のシステムであり、前記溶接用備品が溶接ヘルメトであり、前記UV曝露インジケータが、前記溶接ヘルメットの表面に組み込まれ及び/又は前記UV曝露インジケータが前記溶接ヘルメットの外側表面に組み込まれており及び/又は前記曝露インジケータが、前記溶接ヘルメットの内側表面上に組み込まれて、前記溶接操作の際に前記溶接ヘルメット内部へUV放射が進入していることを示す、システム。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載のシステムであり、前記UV曝露インジケータが、前記溶接操作の近くの人に着用される衣服の部品に適用されるように適合されたステッカである、システム。
【請求項12】
請求項6乃至11のいずれか1項に記載のシステムであり、前記UV、活性化色素がUV放射の規定の量の曝露を可視的に示すことを提供するように適合され;前記UV放射が、波長範囲10から400ナノメートルの放射を有し;及び/又は前記UV放射が200から290ナノメートルの波長範囲を持つ、システム。
【請求項13】
請求項6乃至12のいずれか1項に記載のシステムであり、前記可視的に示すことが可逆的であり、及び/又は前記可視的に示すことが、UV放射への曝露の後少なくとも2分間は持続される、システム。
【請求項14】
請求項6乃至13のいずれか1項に記載のシステムであり、前記UV曝露インジケータが勾配状態を有し、前記可視的に示すことが、前記溶接操作の際に電気溶接アークにより生成されるUV放射への蓄積された曝露を示す勾配状態の間の移行である、システム。
【請求項15】
溶接操作の際にUV曝露放射曝露を検出するための方法であり、前記方法が:
特に請求項6乃至14のいずれか1項に記載の溶接システムを有し、溶接操作の際の電気溶接アークを生成するように適合され、前記電気溶接アークがUV放射を生成することができ;
少なくとも第1の状態と第2に状態を持つUV放射曝露インジケータを有し、前記UV曝露インジケータが、電気溶接アークにより生成されるUV放射へ曝露されると可視的に示すように適合されるUV曝露活性化色素を含み、前記可視的に示すことが、前記第1の状態から、前記UV曝露インジケータの少なくとも第2の状態への移行であり;
前記溶接システムを操作して電気溶接アークを生成させてUV放射を生成させ、前記UV曝露インジケータを、少なくとも前記第1の状態と電気溶接アークからのUV放射への曝露を示す前記第2の状態との間へ移行させ;及び
前記UV曝露インジケータをモニタし、及び規定のUV曝露が前記UV曝露インジケータで示された後に前記溶接操作を止める、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2013−510724(P2013−510724A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538431(P2012−538431)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002908
【国際公開番号】WO2011/058431
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(510202156)リンカーン グローバル,インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】