説明

WNT遺伝子の発現を抑制するための核酸化合物およびその使用

本開示は、WNT1、WNT2、またはWNT3A遺伝子の発現を低下または停止させる能力を持つ、部分二重鎖リボ核酸分子(mdRNA)を提供する。本開示のmdRNAは、組み合わさって、ニックまたはギャップによって離された少なくとも2つの非重複二本鎖領域を形成する少なくとも3本の鎖を含み、1本の鎖はWNT1、WNT2、またはWNT3A mRNAに相補的である。さらに、部分二重鎖は、5‐メチルウリジンである少なくとも1つのウリジン、ロックされた核酸であるヌクレオシド、または任意選択的に他の修飾、およびこれらの任意の組み合わせを有し得る。細胞において、または対象において、WNT1、WNT2、またはWNT3A遺伝子の発現を低下させ、WNT1、WNT2、またはWNT3A関連疾患を治療する方法も、提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分二重鎖リボ核酸(mdRNA)分子であって、ウイングレスタイプMMTV(マウス乳癌ウイルス)統合部位ファミリー、配列番号1158に記載される(WNT)メンバー1 mRNA、配列番号1390に記載されるヒトWNT2 mRNA、または配列番号1615に記載されるヒトWNT3A mRNAに相補的である15〜40ヌクレオチド長の第1の鎖と、前記第1の鎖の非重複領域にそれぞれが相補的である第2の鎖および第3の鎖と、を含み、前記第2の鎖および第3の鎖は、前記第1の鎖とアニーリングして最大10ヌクレオチド離間した少なくとも2つの二本鎖領域を形成することができ、それによって前記第2の鎖と前記第3の鎖との間にギャップが形成される、mdRNA分子。
【請求項2】
前記第1の鎖は15〜25ヌクレオチド長または26〜40ヌクレオチド長である、請求項1に記載のmdRNA分子。
【請求項3】
前記ギャップはニックであるか、または前記ギャップは、前記第1の鎖にアニーリングすると前記第2および第3の鎖によって形成される前記二本鎖領域の間に位置する前記第1の鎖内に、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを含む、請求項1に記載のmdRNA分子。
【請求項4】
前記mdRNA分子の少なくとも1つのウリジンは、5−メチルウリジン、2−チオリボチミジン、または2’−O−メチル−5−メチルウリジンである、請求項1に記載のmdRNA分子。
【請求項5】
前記mdRNA分子は、少なくとも1つのロックされた核酸(LNA)分子、デオキシヌクレオチド、Gクランプ、2’糖修飾、修飾されたヌクレオシド間結合、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載のmdRNA分子。
【請求項6】
前記mdRNA分子は、前記ギャップの一部ではない1〜4個のヌクレオチドを含む少なくとも1つの3’オーバーハングを含有するか、または前記mdRNAは、前記mdRNAの一端もしくは両端に平滑末端を有する、請求項1に記載のmdRNA分子。
【請求項7】
前記第3の鎖はヒドロキシルまたはリン酸塩を含む5’末端を含む、請求項1に記載のmdRNA分子。
【請求項8】
mdRNA分子であって、配列番号1158に記載されるヒトWNT1 mRNA、配列番号1390に記載されるWNT2 mRNA、または配列番号1615に記載されるWNT3A mRNAに相補的である15〜40ヌクレオチド長の第1の鎖と、前記第1の鎖の非重複領域にそれぞれが相補的である第2の鎖および第3の鎖と、を含み、前記第2の鎖および第3の鎖は、前記第1の鎖とアニーリングして最大10ヌクレオチド離間した少なくとも2つの二本鎖領域を形成することができ、それによって前記第2の鎖と前記第3の鎖との間にギャップが形成され、前記mdRNAの少なくとも1つのピリミジンは、式IまたはIIに従うピリミジンヌクレオシドを含み、

式中、
およびRは、それぞれ独立して−H、−OH、−OCH、−OCHOCHCH、−OCHCHOCH、ハロゲン、置換もしくは未置換のC−C10アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルキルスルホニルアミノ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロアルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、置換もしくは未置換のC−C10アルケニル、置換もしくは未置換の−O−アリル、−O−CHCH=CH、−O−CH=CHCH、置換もしくは未置換のC−C10アルキニル、カルバモイル、カルバミル、カルボキシ、カルボニルアミノ、置換もしくは未置換のアリール、置換もしくは未置換のアラルキル、−NH、−NO、−C≡N、またはヘテロシクロ基であり、
およびRは、それぞれ独立してヒドロキシル、保護ヒドロキシル、リン酸塩、またはヌクレオシド間の結合基であり、
およびRは、独立してOまたはSである、mdRNA分子。
【請求項9】
前記第1の鎖は15〜25ヌクレオチド長または26〜40ヌクレオチド長である、請求項8に記載のmdRNA分子。
【請求項10】
前記ギャップはニックであるか、または前記ギャップは、前記第1の鎖にアニーリングすると前記第2および第3の鎖によって形成される前記二本鎖領域の間に位置する前記第1の鎖内に、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを含む、請求項8に記載のmdRNA分子。
【請求項11】
少なくとも1つのヌクレオシドは式Iに従い、式中、Rはメチルであり、Rは−OHまたは−O−メチルである、請求項8に記載のmdRNA分子。
【請求項12】
少なくとも1つのRは、2’−O−(C−C)アルキル、2’−O−メチル、2’−OCHOCHCH、2’−OCHCHOCH、2’−O−アリル、および2’−フルオロから構成される群から選択される、請求項8に記載のmdRNA分子。
【請求項13】
前記mdRNA分子の少なくとも1つのウリジンは、5−メチルウリジン、2−チオリボチミジン、または2’−O−メチル−5−メチルウリジンである、請求項8に記載のmdRNA分子。
【請求項14】
前記mdRNA分子は、少なくとも1つのLNA、デオキシヌクレオチド、Gクランプ、2’糖修飾、修飾されたヌクレオシド間結合、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項8に記載のmdRNA分子。
【請求項15】
前記mdRNAは、前記ギャップの一部ではない1〜4個のヌクレオチドを含む、少なくとも1つの3’オーバーハングを含有するか、または前記mdRNA分子は、前記mdRNA分子の一端もしくは両端に平滑末端を有する、請求項8に記載のmdRNA分子。
【請求項16】
mdRNA分子であって、配列番号1158に記載されるヒトWNT1 mRNA、配列番号1390に記載されるWNT2 mRNA、または配列番号1615に記載されるWNT3A mRNAに相補的である第1の鎖と、前記第1の鎖の非重複領域にそれぞれが相補的である第2の鎖および第3の鎖と、を含み、前記第2の鎖および第3の鎖は、前記第1の鎖とアニーリングして最大10ヌクレオチド離間した少なくとも2つの二本鎖領域を形成することができ、それによって前記第2の鎖と前記第3の鎖との間にギャップが形成され、合わせた二本鎖領域は合計で約15塩基対〜約40塩基対である、mdRNA分子。
【請求項17】
前記第1の鎖は15〜25ヌクレオチド長または26〜40ヌクレオチド長である、請求項16に記載のmdRNA分子。
【請求項18】
前記ギャップはニックであるか、または前記ギャップは、前記第1の鎖にアニーリングすると前記第2および第3の鎖によって形成される前記二本鎖領域の間に位置する前記第1の鎖内に、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを含む、請求項16に記載のmdRNA分子。
【請求項19】
前記mdRNA分子の少なくとも1つのウリジンは、5−メチルウリジン、2−チオリボチミジン、または2’−O−メチル−5−メチルウリジンである、請求項16に記載のmdRNA分子。
【請求項20】
前記第1の鎖は19〜23ヌクレオチド長であり、配列番号1159〜1389のうちのいずれか1つに記載されるヒトWNT1核酸配列、または配列番号1391〜1614のうちのいずれか1つに記載されるヒトWNT2核酸配列、または配列番号1616〜1901のうちのいずれか1つに記載されるヒトWNT3A核酸配列に相補的である、請求項1に記載のmdRNA分子。
【請求項21】
前記第1の鎖は25〜29ヌクレオチド長であり、配列番号1159〜1389のうちのいずれか1つに記載されるヒトWNT1核酸配列、または配列番号1391〜1614のうちのいずれか1つに記載されるヒトWNT2核酸配列、または配列番号1616〜1901のうちのいずれか1つに記載されるヒトWNT3A核酸配列に相補的である、請求項1に記載のmdRNA分子。
【請求項22】
ヒトWNT1、WNT2、またはWNT3A遺伝子の発現を低下させるための方法であって、請求項1〜21のうちのいずれか1項に記載のmdRNA分子を、WNT1、WNT2、またはWNT3A遺伝子を発現する細胞に投与するステップを含み、前記mdRNA分子は、前記細胞中のWNT1、WNT2、またはWNT3A遺伝子の発現を低下させる、方法。
【請求項23】
前記細胞はヒトである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
代謝性疾患の治療において使用するための薬物を製造するための、先行する請求項のうちのいずれか1項に定義されるmdRNAの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−519913(P2010−519913A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551886(P2009−551886)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/055649
【国際公開番号】WO2008/109518
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(507328184)エムディーアールエヌエー,インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】