説明

WRN媒介性テロメア開始型細胞シグナル伝達の調節

WRNの調節因子の使用が、記載される。WRNのアクチベーターが、成長停止、アポトーシス、または増殖性老化を誘導するために使用され得る。一方、WRNのインヒビターは、成長停止、アポトーシス、または増殖性老化を低減するために使用され得る。WRNの調節因子を同定するための方法もまた、記載される。本出願において、WRNの調節因子をスクリーニングするための方法が、提供される。この方法は、(a)WRNを発現する細胞を提供する工程;(b)候補調節因子を、上記調節因子が上記細胞によって取り込まれる条件下で、上記細胞と接触させる工程;および(c)DNA損傷応答経路の活性化と関連する上記細胞の特性を測定する工程;を包含し、コントロールと比較した上記特性の変化は、WRNの調節因子を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.発明の分野)
本発明は、シグナル伝達経路の調節に関する。より具体的には、本発明は、テロメア開始型の老化、アポトーシス、日焼け、および他のDNA損傷応答の調節に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
(2.関連技術の説明)
ヒトにおける癌の頻度は、人口が加齢するにつれて先進国で増加している。診断時にある種の型の癌および疾患病期について、罹患率および死亡率は、広汎な研究にも関わらず、近年顕著に改善していない。癌の進行の間に、腫瘍細胞は、負の調節制御(老化に対する抵抗性およびアポトーシスが挙げられる)(正常細胞とその組織特異的環境との相互作用がどのように調節されるかについての重要な局面である)からますます独立している。
【0003】
細胞老化は、癌に対する重要な防御であることが示唆されている。広汎な証拠は、進行性テロメア短縮(染色体の3’末端を複製不能なことによって引き起こされる)または他の何らかの形態のテロメア機能不全を、老化と関連付ける。生殖系列細胞およびほとんどの癌細胞において、不死性は、テロメラーゼ(TTAGGG反復を染色体端部の3’末端に付加する酵素複合体である)によるテロメアの長さの維持と関連する。テロメア(TTAGGGのタンデム反復)は、ループ構造で終端し、このループ構造は、近傍のテロメア二重鎖DNA内に差し込まれ、かつテロメア反復結合因子(TRF)(特にTRF2)によって安定化される、約150塩基〜約300塩基の3’一本鎖突出を備える。ドミナントネガティブ形態のTRF2(TRF2DN)の異所性発現は、一次線維芽細胞、線維肉腫細胞、および他のある種の細胞型において、テロメアループ構造を破壊し、その3’突出を露出させてDNA損傷応答を引き起こし、その後、老化を引き起こす。
【0004】
老化はまた、過度のDNA損傷または特定のオンコジーンの過剰発現によって、実際には促進され得る。テロメラーゼ逆転写酵素触媒サブユニット(TERT)(これは、テロメラーゼの長さを触媒的に維持するかまたは構築する)の異所性発現は、ある種のヒト細胞型のその後の不死化によって老化を回避し得る。このことは、複製的老化のテロメラーゼ依存性機構を強く示唆する。さらに、悪性疾患細胞は、一般的に、TERTを発現し、かつ/またはその細胞が老化応答を回避するのを可能にする変異を含んで通常の老化細胞よりも短いテロメラーゼをしばしば有するにも関わらず、無限に増殖する。しかし、ある種の腫瘍細胞は、種々の抗癌剤に応答して老化する。このことは、不死の獲得は、DNA損傷に対するこの基本的な細胞応答の喪失を必ずしも意味しないことを示す。
【0005】
ヒト細胞における老化は、p53経路およびpRb経路に大きく依存する。腫瘍サプレッサーp53は、種々の刺激(例えば、DNA損傷、転写調節不全もしくは複製調節不全、オンコジーン形質転換、およびある種の化学療法剤により引き起こされる微小管の調節不全)を細胞増殖の停止もしくはアポトーシスへと変換することによって、細胞ストレス応答において重要な役割を果たす。活性化された場合、p53は、細胞増殖の停止またはプログラムされた自殺細胞死(アポトーシス)を引き起こす。このことは、次に、ゲノムの安定性のための重要な制御機構として作用する。詳細には、p53は、遺伝的に損傷した細胞を細胞集団から排除することによってゲノムの安定性を制御する。従って、p53の主要な機能のうちの1つは、腫瘍形成を防止することである。
【0006】
インタクトな腫瘍サプレッサーpRb経路もまた、腫瘍形成の防止に寄与する。野生型p53を含まないpRb−/−腫瘍細胞において、pRbの導入は、老化を誘導する。子宮頚部癌細胞は、しばしば、野生型p53遺伝子およびpRb遺伝子を保持するが、HPV E6タンパク質およびHPV E7タンパク質は、それぞれ、p53経路およびpRb経路を阻害する。ウイルスE2タンパク質の異所性発言は、EPV E6遺伝子およびEPV E7遺伝子の転写を抑制し、子宮頚部癌細胞における迅速かつ顕著な廊下応答を誘導する。このこともまた、癌細胞老化におけるp53およびpRbの重要な役割を確認する。
【0007】
p53経路またはpRB経路のみを抑制することは、線維芽細胞が複製的老化を回避するためには十分ではない。実際には、SV40 T抗原でトランスフェクトされているか、またはアデノウイルスE1A+E1Bの組み合わせもしくはHPV E6+E7の組み合わせで形質導入されている(これらは、p53経路およびpRB経路の両方を抑制する)、ヒト線維芽細胞は、長期寿命を有し、複製的老化を免れる。
【0008】
DNAにおける二本鎖破壊は、哺乳動物細胞に対して非常に細胞傷害性である。高度に保存されたMRN複合性は、真核生物における二本鎖破壊の修復に関与する。MRN複合体は、二本鎖破壊部位に、その形成直後に付着する。このMRN複合体はまた、細胞周期のS期の間に、テロメア反復結合因子(TRF)と会合したテロメアへと移動する。
【0009】
MRN複合体は、Mre11、Rad50およびNBS(p95)からなる。Mre11は、Mre11/p95/Rad50複合体の一部として、細胞周期のS期の間にテロメアと会合する。Mre11は、DNA鎖の3’末端に対して優先性を有するエキソヌクレアーゼである。Mre11の活性は、Rad50(これは、ATPアーゼである)との相互作用に依存性であると考えられる。Nbs1は、MRN複合体の核局在化および二本鎖破壊部位におけるMRN複合体のアセンブリに関与すると考えられる。
【0010】
ヴェルナー症候群において変異しているタンパク質であるWRNタンパク質は、MRN複合体と相互作用することが公知である(Chengら、2004,Vol.2004)。ヴェルナー症候群は、早期老化、悪性疾患増加、およびゲノムの不安定性によって特徴付けられる、常染色体劣性障害である。WRNは、ヘリカーゼドメインおよび3’→5’エキソヌクレアーゼドメインの両方を含む、核タンパク質である(非特許文献1)。現在まで、ヴェルナー症候群において同定されたすべての変異は、このタンパク質のCOOH末端から核局在化シグナルを排除するWRN短縮である(Oshima,J.2002)。従って、ヴェルナー症候群におけるWRN変異は、WRNタンパク質が核内のこのタンパク質の作用部位に到達することを妨げることによって、機能的ヌル表現型を生じると考えられる。ヴェルナー症候群患者由来の細胞は、ベースラインおよびDNA損傷後の両方で、欠失レベルおよびトランスロケーションレベルの増加を示す。このことは、WRNタンパク質が、DNAの修復、複製および組換えに関与することを示唆する(非特許文献2)。ヴェルナー症候群細胞はまた、年齢が一致するコントロールと比較して早期に老化し(非特許文献3)、そしてまた、加速されたテロメア短縮を示す(非特許文献4)。
【0011】
MRN複合体との相互作用に加えて、WRNは、DNA損傷応答およびDNA修復/複製に関与する他のタンパク質(DNA−PK/Ku(非特許文献5)、p53(非特許文献6)、早期加齢症候群であるブルーム症候群において変異するヘリカーゼ(非特許文献7))と相互作用することが公知である。さらに、WRNは、テロメア反復結合因子2であるTRF2と相互作用する。この相互作用は、WRNエキソヌクレアーゼの特異性を変化させて、テロメアDNAの3’→5’消化を促進する(非特許文献8;非特許文献9)。まとめると、これらのデータは、DNA代謝およびテロメア維持におけるWRNの重要な役割を示す。しかし、これらの経路におけるWRNの正確な役割は、理解されていない。
【0012】
癌は、代表的には、非常に毒性のある治療(例えば、化学療法および放射線療法)により処置される。これは、すべての増殖性細胞(正常細胞であろうと、悪性疾患細胞であろうと)を同等に損傷させる。そのような処置の副作用としては、リンパ系に対する重篤な損傷、造血系に対する重篤な損傷、および腸上皮に対する重篤な損傷、ならびに毛髪喪失が挙げられる。より安全かつ有効な癌治療の必要性(特に、正常であるが増殖性である細胞よりも悪性疾患細胞を優先的に標的とすることによってこれらの副作用のうちのいくつかまたはすべてを回避する代替的治療についての必要性)が、存在し続けている。
【非特許文献1】Oshima,J.,Bioessays(2002)22,894〜901
【非特許文献2】Opreskoら、Carcinogenesis(2003)24,791〜802
【非特許文献3】Martinら、Lab Invest(1970)23,86〜92
【非特許文献4】Schulzら、Hum Genet(1996)97,750〜4
【非特許文献5】Karmakarら、Nucleic Acids Res(2002)30,3583〜91
【非特許文献6】Broshら、J Biol Chem(2001)276,35093〜102
【非特許文献7】von Kobbeら、J Biol Chem(2002)277、22035〜44
【非特許文献8】Machweら、Oncogene(2004)23、149〜56
【非特許文献9】Opreskoら、J Biol Chem(2002)277、41110〜9
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、WRNの調節因子をスクリーニングするための細胞ベースの方法に関し、この方法は、候補調節因子を、細胞と、その調節因子がその細胞によって取り込まれる条件下で接触させる工程;およびDNA損傷応答経路の活性化と関連するその細胞の特性(細胞増殖、細胞生存、細胞形態、SA−β−Gal活性、p53のリン酸化、p95のリン酸化、ATMのリン酸化、H2AXのリン酸化、S期停止の誘導、およびアポトーシスの誘導が挙げられるが、これらに限定はされない)を測定する工程;を包含する。調節因子は、コントロールと比較してこれらの特性を変化させることによって、同定され得る。上記候補調節因子は、WRNに特異的に結合する因子であり得る。WRNは、エキソヌクレアーゼ活性を有し得る、WRNフラグメント、WRNホモログ、WRNアナログ、またはWRN改変体として、発現され得る。
【0014】
本発明はまた、WRNに特異的に結合する因子をスクリーニングするためのインビトロ方法に関する。この方法は、WRNを候補因子と接触させる工程;およびその候補因子がWRNに特異的に結合するか否かを決定する工程;を包含する。WRNは、固体支持体に結合しているものであり得る。あるいは、上記候補因子は、固体支持体に結合しているものであり得る。
【0015】
本発明はまた、WRNの調節因子をスクリーニングするためのインビトロ方法に関する。この方法は、WRNを、WRNについての核酸基質の存在下で候補因子と接触させる工程;およびその基質の加水分解を測定する工程;を包含する。調節因子は、コントロールと比較した上記基質の加水分解を変化させることによって、同定され得る。上記核酸基質は、(TTAGGG)と少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有するオリゴヌクレオチドであり得、n=1〜20である。あるいは、上記核酸基質は、(TTAGGG)と少なくとも50%のヌクレオチド配列同一性を有するオリゴヌクレオチドであり得、n=1〜20である。上記基質核酸の加水分解は、UV吸収、標識オリゴのゲル分析、または沈殿不能なヌクレオチド塩基の回収によって、測定され得る。
【0016】
本発明はまた、DNA損傷の調節因子をスクリーニングするための細胞ベースの方法に関する。この方法は、候補調節因子を、WRNを発現する細胞と、その調節因子がその細胞によって取り込まれる条件下で、オリゴヌクレオチドの存在下で接触させる工程;およびDNA損傷応答経路の活性化と関連するその細胞の特性(細胞増殖、細胞生存、細胞形態、老化関連性β−ガラクトシダーゼ(SA−β−Gal)活性、p53のリン酸化、p95のリン酸化、ATMのリン酸化、H2AXのリン酸化、S期停止の誘導、およびアポトーシスの誘導が挙げられるが、これらに限定はされない)を測定する工程;を包含する。調節因子は、コントロールと比較した上記基質の加水分解を変化させることによって、同定され得る。上記オリゴヌクレオチドは、(TTAGGG)と少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有し得、n=1〜20である。上記オリゴヌクレオチドは、(TTAGGG)と少なくとも50%のヌクレオチド配列同一性を有し得、n=1〜20である。WRNは、エキソヌクレアーゼ活性を有し得る、WRNフラグメント、WRNホモログ、WRNアナログ、またはWRN改変体として、発現され得る。
【0017】
上記の細胞ベースのスクリーニング方法において使用される細胞は、癌細胞であり得る。記載される細胞ベースのスクリーニング方法において使用される細胞は、テロメラーゼ逆転写酵素またはALT経路によって、テロメアを維持し得る。上記のインビトロスクリーニング方法および細胞ベースのスクリーニング方法において記載される候補調節因子および因子は、糖質、単糖、オリゴ糖、多糖、アミノ酸、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂質、レチノイド、ステロイド、糖ペプチド、糖タンパク質、プロテオグリカンまたは低分子量有機分子であり得る。
【0018】
本発明はまた、WRNのアクチベーターを含む組成物の使用に関する。上記アクチベーターは、癌を処置するため、アポトーシスを誘導するため、細胞老化を誘導するため、日焼け促進を阻害するため、細胞分化を促進するため、または免疫抑制を促進するために、使用され得る。上記アクチベーターは、WRNのオリゴヌクレオチドアクチベーターであり得、これは、(TTAGGG)と少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有し得、n=1〜20である。上記アクチベーターはまた、WRNのオリゴヌクレオチドアクチベーターであり得、これは、(TTAGGG)と少なくとも50%のヌクレオチド配列同一性を有し得、n=1〜20である。最初の3’ヌクレオチド結合のうちの約1個〜約10個が、3’→5’ヌクレアーゼによって加水分解可能であり得る。
【0019】
本発明はまた、WRNのインヒビターを含む組成物の使用に関する。上記インヒビターは、アポトーシスを阻害するため、細胞老化を阻害するため、増殖を促進するため、日焼けを阻害するため、細胞分化を阻害するため、または癌処置の副作用を低減するために、使用され得る。上記組成物は、化学療法または電離放射線と組合わせて与えられ得る。上記インヒビターは、WRNのオリゴヌクレオチドインヒビターであり得、これは、(TTAGGG)と少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有し得、n=1〜20である。上記インヒビターはまた、WRNのオリゴヌクレオチドインヒビターであり得、これは、(TTAGGG)と少なくとも50%のヌクレオチド配列同一性を有し得、n=1〜20である。最初の3’ヌクレオチド結合のうちの約1個〜約10個が、3’→5’ヌクレアーゼによって加水分解可能であり得る。
【0020】
本発明また、(TTAGGG)と少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有するオリゴヌクレオチドと、少なくとも1つの加水分解不可能なヌクレオチド間結合とを含む、組成物に関する。最初の3’ヌクレオチド結合のうちの1個〜約10個は、3’→5’ヌクレアーゼ(例えば、WRN)によって加水分解可能であり得る。上記オリゴヌクレオチドは、TTAGGGと少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有し得る。上記オリゴヌクレオチドはまた、TTAGGGと少なくとも50%のヌクレオチド配列同一性を有し得る。上記オリゴヌクレオチドはまた、配列GTTAGGGTTAGを有し得る。上記の加水分解不可能な結合は、ホスホロチオエート結合であり得る。上記オリゴヌクレオチドは、PNAであり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(発明の詳細な説明)
本発明は、WRNが、3’テロメア突出部配列の加水分解によって開始されるDNA損傷様シグナル伝達に関与するという発見に基づいている。テロメア配列の加水分解は、DNA損傷(細胞老化、日焼け、およびアポトーシスが挙げられるが、これらに限定はされない)に対する防御細胞応答のために重要なシグナル伝達カスケードを開始する。本明細書および同時係属中の国際特許出願番号PCT/US2004/00819(これは、その全体が参考として援用される)において示されるように、3’末端においてヌクレアーゼ消化に対してブロックされているT−オリゴは、DNA損傷応答を刺激するその能力を失う。WRNがDNA複製およびDNA修復ならびにテロメア維持に関与する3’→5’ヌクレアーゼであることを考慮すると、WRNは、T−オリゴの核「センサー」であり得る。
【0022】
理論によって拘束はされないが、本発明者らは、DNA損傷(例えば、UV照射、DNAに対する酸化的損傷)、またはDNAに対する発癌性付加物の生成、または加齢に関連するテロメアの短縮が、テロメアループを不安定にし、TTAGGG反復を有する3’突出部配列を露出させると考える。次いで、テロメア関連タンパク質が、配列依存様式で上記突出部に付着し、単独でかまたは複合体の一部として、WRNに対する「アンカー」として作用する。WRNは、次に、3’末端からテロメア突出部を加水分解し始める。これは、さらなるシグナルカスケードを導き、最終的には、細胞周期の停止、遺伝子誘導、アポトーシス、および/または老化という生物学的終点に導く。本明細書において提示されるデータは、WRNタンパク質が、単独でかまたは複合体(例えば、Mre11/Rad50/p95(Nbs1)複合体)の一部として、T−オリゴを「感知し」そして分解し、ATMキナーゼおよびDNA−PKキナーゼの活性化と、その後の下流基質のリン酸化をもたらす(図12)ことを、示唆する。
【0023】
提唱されるシグナル伝達経路におけるWRNの役割に基づいて、WRNは、DNA損傷の存在にもテロメアループ破壊の存在にも関わらず、DNA損傷応答経路を活性化すると予期される。同様に、WRNのインヒビターは、DNA損傷の存在下またはテロメアループ破壊の存在下でさえ、上記シグナル伝達経路を開始すると予期される。
【0024】
本発明の製品、組成物および方法を開示し説明する前に、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定的であることを意図するものではないことが、理解されるべきである。本明細書および添付された特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、その文脈がそうではないと明瞭に示さない限り、複数の参照物を含むことが、注意されなければならない。
【0025】
本出願全体にわたって、特許または文献が参照される場合、これらの刊行物の開示全体が、本発明が属する分野の技術水準を完全に説明するために本明細書によって本出願中に参考として援用される。
【0026】
(1.定義)
本明細書で使用される場合、用語「アクチベーター」とは、タンパク質を活性化するかまたはタンパク質の活性を増加する、任意の物質を意味する。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「投与する」とは、ある調節因子の投薬量を説明するために用いられた場合、その因子の1回の投与または複数回の投与を意味する。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「アナログ」とは、ペプチドまたはポリペプチドに関して使用された場合、1つ以上の非標準アミノ酸、または従来のアミノ酸セットからの構造的変化を有し、好ましくは、少なくとも1種の生物学的活性を保持する、ペプチドもしくはポリペプチドを意味し;オリゴヌクレオチドに関して使用された場合、ホスホジエステルヌクレオチド間結合以外の1つ以上のヌクレオチド間結合を有し、好ましくは、少なくとも1種の生物学的活性を保持する、オリゴヌクレオチドを意味する。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「抗体」とは、クラスIgG、IgM、IgA、IgD、もしくはIgE、またはそれらのフラグメントもしくは誘導体(Fab、F(ab’)、Fdを含む)、および単鎖抗体、ディアボディ(diabody)、二重特異性(bispecific)抗体、二官能性(bifunctional)抗体およびその誘導体を意味する。上記抗体は、所望されるエピトープまたはそのエピトープ由来の配列に対して十分な結合特異性を示す、モノクローン抗体、ポリクローン抗体、アフィニティ精製抗体またはそれらの混合物であってもよい。上記抗体は、キメラ抗体でもよい。上記抗体は、当該分野で公知の1種以上の化学物質部分、ペプチド部分またはポリペプチド部分の付着によって誘導体化され得る。上記抗体は、化学物質部分と結合体化され得る。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アポトーシス」とは、細胞質の細胞小器官の完全性を保た状態での細胞体積の連続的な縮小;光学顕微鏡もしくは電子顕微鏡で観察した場合のクロマチンの凝縮(すなわち核凝縮);および/または遠心沈降アッセイで決定した場合のヌクレオソームサイズ分画フラグメントへのDNA切断を含むがそれらに限定されない、ある形式の細胞死を意味する。食細胞による無傷の細胞フラグメント(アポトーシス体)の飲み込みを伴って細胞の膜完全性が失われた場合(例えば、膜小胞形成)に、細胞死が生じる。
【0031】
本明細書で使用される場合、用語「生物学的活性」とは、ペプチドもしくはポリペプチドのアナログ、誘導体、フラグメント、ホモログ、または改変体に関して使用される場合、そのアナログ、誘導体、フラグメント、ホモログ、または改変体が、そのペプチドもしくはポリペプチドの少なくとも1つの活性(特異的抗体によって結合される能力が挙げられるが、これには限定されない)を保持することを意味し;WRNに関して使用される場合、ヘリカーゼ活性、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性、およびMRN複合体と相互作用するに能力が挙げられるが、これらには限定されず;オリゴヌクレオチドのアナログ、誘導体、フラグメント、ホモログ、または改変体に関して使用される場合、そのアナログ、誘導体、フラグメント、ホモログ、または改変体が、Maniatisら、Molecular Cloning(A Laboratory Manual),Cold Spring Harbor Laboratory,1982(その内容は、本明細書において参考として援用される)によって記載されるようなストリンジェントな条件下で上記オリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることを意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「癌の処置」とは、当該分野で公知である任意の癌処置(化学療法および放射線療法が挙げられるが、これらに限定はされない)を意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「との組み合わせ」とは、調節因子の投与を説明するために使用された場合、その調節因子が、さらなる処置の前、さらなる処置と共に、もしくはさらなる処置の後、またはそれらの組み合わせで、投与され得ることを意味する。
【0034】
本明細書で使用される場合、用語「誘導体」とは、ペプチドまたはポリペプチドに関して使用される場合、一次構造(アミノ酸またはアミノ酸アナログ)以外が異なるペプチドまたはポリペプチドを意味し、好ましくは少なくとも1種の生物学的活性を保持する。例えば、ペプチドの誘導体またはポリペプチドの誘導体は、翻訳後修飾の一形式であるグリコシル化されていることによって、異なり得る。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは、異種系中での発現に起因するグリコシル化パターンを示し得る。少なくとも1種の生物活性が保持される場合、これらのペプチドまたはポリペプチドは、本発明による誘導体である。他の誘導体としては、共有結合で修飾されたN末端もしくはC末端を有する融合ペプチドもしくは融合ポリペプチド;PEG化ペプチドまたはPEG化ポリペプチド;脂質部分と会合したペプチドまたは脂質部分と会合したポリペプチド;アルキル化ペプチドまたはアルキル化ポリペプチド、アミノ酸側鎖官能基を介して他のペプチド、ポリペプチドまたは化学物質に結合した、ペプチドまたはポリペプチド;および当該分野で理解されるさらなる改変が挙げられるが、それらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用される場合、用語「フラグメント」とは、ペプチドまたはポリペプチドに関して使用される場合、好ましくは約5アミノ酸長〜約300アミノ酸長、より好ましくは約8アミノ酸長〜約50アミノ酸長であり、任意のペプチドフラグメントもしくはポリペプチドフラグメントを意味し、好ましくは少なくとも1種の生物学的活性を保持する;オリゴヌクレオチドに関して使用される場合、好ましくは約2ヌクレオチド長〜約250ヌクレオチド長、より好ましくは約2ヌクレオチド長〜約20ヌクレオチド長である、任意のオリゴヌクレオチドフラグメントを意味し、好ましくは少なくとも1種の生物学的活性を保持する。ペプチドフラグメントまたはポリペプチドフラグメントの代表的な例は、8アミノ酸長、9アミノ酸長、10アミノ酸長、11アミノ酸長、12アミノ酸長、13アミノ酸長、14アミノ酸長、15アミノ酸長、16アミノ酸長、17アミノ酸長、18アミノ酸長、19アミノ酸長、20アミノ酸長、21アミノ酸長、22アミノ酸長、23アミノ酸長、24アミノ酸長、25アミノ酸長、26アミノ酸長、27アミノ酸長、28アミノ酸長、29アミノ酸長、30アミノ酸長、32アミノ酸長、32アミノ酸長、33アミノ酸長、34アミノ酸長、35アミノ酸長、36アミノ酸長、37アミノ酸長、38アミノ酸長、39アミノ酸長、40アミノ酸長、41アミノ酸長、42アミノ酸長、43アミノ酸長、44アミノ酸長、45アミノ酸長、46アミノ酸長、47アミノ酸長、48アミノ酸長、49アミノ酸長、または50アミノ酸長である。オリゴヌクレオチドフラグメントの代表的な例は、2ヌクレオチド長、3ヌクレオチド長、4ヌクレオチド長、5ヌクレオチド長、6ヌクレオチド長、7ヌクレオチド長、8ヌクレオチド長、9ヌクレオチド長、10ヌクレオチド長、11ヌクレオチド長、12ヌクレオチド長、13ヌクレオチド長、14ヌクレオチド長、15ヌクレオチド長、16ヌクレオチド長、17ヌクレオチド長、18ヌクレオチド長、19ヌクレオチド長または20ヌクレオチド長である。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「ホモログ」とは、ペプチドまたはポリペプチドに関して使用される場合、共通の進化的祖先を共有するか、それらに対し少なくとも50%同一性を有するペプチドまたはポリペプチドを意味し、好ましくは少なくとも1種の生物学的活性を保持し;オリゴヌクレオチドに関して使用される場合、共通の進化的祖先を共有するか、それに対し少なくとも50%同一性を有するオリゴヌクレオチドを意味し、好ましくは少なくとも1種の生物学的活性を有する。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「阻害する」とは、タンパク質の活性に言及する場合、その酵素の活性を阻害、抑制、抑止または除去することを意味する。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「処置する」または「処置」とは、哺乳動物をある状態から保護することに言及する場合、その状態を防止、抑制、抑止または除去することを意味する。その状態を防止することには、その状態を発症する前に本発明の組成物を哺乳度物に投与することが含まれる。その状態を抑制することには、その状態の誘発後であるがその臨床症状が現れる前に、哺乳動物に本発明の組成物を投与することが含まれる。その状態を抑止することには、その状態が悪化することを低減するかまたは防止するように、その状態の臨床症状が現れた後に本発明の組成物を哺乳動物に投与することが含まれる。その状態を除去することには、哺乳動物がその状態をもはや発症しないように、臨床状態が現れた後に本発明の組成物を投与することが含まれる。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「改変体」とは、ペプチドまたはポリペプチドに関して使用される場合、アミノ酸の挿入、欠失または保存的置換によってアミノ酸配列が異なり、かつ少なくとも1種の生物活性を保持する、ペプチドまたはポリペプチドを意味し;オリゴヌクレオチドに関して使用される場合、ヌクレオチドの挿入、欠失または保存的置換によってヌクレオチド配列が異なり、かつ少なくとも1種の生物活性を保持する、オリゴヌクレオチドを意味する。
【0040】
(2.調節因子)
(a.WRNの調節因子)
本発明は、WRN活性の調節因子に関する。上記調節因子は、WRN活性を誘導または増加し得る。上記調節因子はまた、WRN活性を阻害または減少し得る。上記調節因子は、人工的に合成された化合物であっても、または天然起源化合物であってもよい。上記調節因子は、低分子量化合物、オリゴヌクレオチド、ポリペプチドもしくはペプチド、またはそれらのフラグメント、アナログ、ホモログ、改変体または誘導体であり得る。
【0041】
オリゴヌクレオチド調節因子は、(TTAGGG)(n=約1〜約20)と少なくとも約33%〜約100%または少なくとも50%〜約100%のヌクレオチド配列同一性を有するオリゴヌクレオチドであり得る。本明細書中で使用される場合、「(TTAGGG)」とは、核酸配列同一性の比較に関して使用される場合、参照核酸を指す。配列分析は、そのオリゴヌクレオチドと参照核酸とのアライメントを実施すること、そしてそのアライメントにおける同じヌクレオチドの数(a)を、そのオリゴヌクレオチドの塩基対の総数(b)で除算することによって、算出される。例えば、上記オリゴヌクレオチドは、配列GTTAGGGTTAGを有する11bpであり得、これは、(TTAGGG)と>91%の配列同一性を有する。
【0042】
上記オリゴヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖、またはその組み合わせを含むがそれらには限定されない、形態であり得る。上記オリゴヌクレオチドは、好ましくは約2ヌクレオチド〜約2000ヌクレオチド、より好ましくは約2ヌクレオチド〜約200ヌクレオチドの、一本鎖3’末端を含む。上記オリゴヌクレオチドはまた、ESTであってもよい。上記オリゴヌクレオチドのアナログ、誘導体、フラグメント、ホモログまたは改変体もまた、具体的に企図される。
【0043】
実施例において示されるように、本発明の特定のオリゴヌクレオチドは、細胞における増殖の阻害およびアポトーシスの誘導を引き起こしたが、一方、本発明の他のオリゴヌクレオチドは、成長停止の阻害およびアポトーシスの阻害を引き起こす。上記オリゴヌクレオチドの活性のこの違いは、加水分解可能な3’ヌクレオチド間結合の数に依存性であった。加水分解可能な3’ヌクレオチド間結合の数を変えることにより、上記オリゴヌクレオチドの効果が、変化した。
【0044】
理論に制約されないが、本発明者らは、上記オリゴヌクレオチドが、WRN複合体により認識され、3’エキソヌクレアーゼWRNにとっての基質として作用すると考える。その推論の結果は、加水分解不可能な3’ヌクレオチド間結合を含む基質オリゴヌクレオチドが、WRNのアンタゴニストまたはインヒビターとして作用するということである。WRN活性のレベルを決定する他の因子としては、加水分解不可能な3’ヌクレオチド間結合の全濃度、塩基配列およびG含有量が挙げられるが、それらに限定されない。
【0045】
ヌクレオチド間結合は、(i)その結合が生理学的条件下でWRNにより加水分解可能であるホスホジエステル結合またはそのアナログである場合、および(ii)その3’側にあるすべてのヌクレオチド間結合もまた加水分解可能である場合、本発明の目的のためには、加水分解可能であると考えられる。ヌクレオチド間結合は、その3’側にある加水分解可能なヌクレオチド間結合の数に関わらず、その結合が生理学的条件下でWRNによって加水分解不可能である場合、加水分解不可能であると考えられる。加水分解不可能なヌクレオチド間結合の代表例としては、ホスホロチオエート結合およびペプチド核酸結合(PNA)が挙げられるが、それらには限定されない。
【0046】
本発明のある実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、加水分解可能なヌクレオチド間結合を含む。上記オリゴヌクレオチドは、約1個〜約200個の加水分解可能なヌクレオチド間結合を含み得る。上記オリゴヌクレオチドはまた、約0個〜約199個の加水分解不可能なヌクレオチド間結合を含み得る。
【0047】
別の実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、加水分解不可能なヌクレオチド間結合を含む。上記オリゴヌクレオチドは、約1個〜約200個の加水分解不可能なヌクレオチド間結合を含み得る。上記オリゴヌクレオチドはまた、加水分解可能なヌクレオチド間結合を含み得る。上記オリゴヌクレオチドは、約0個〜約5個の加水分解可能なヌクレオチド間結合を含む。好ましいオリゴヌクレオチドは、本明細書中に記載されるT−オリゴ、および本明細書に参考として援用される2002年4月12日に出願された同時係属中の米国特許出願第10/122,630号に記載されるT−オリゴである。
【0048】
(b.DNA損傷経路の調節因子)
本発明はまた、DNA損傷経路の調節因子に関する。上記調節因子は、DNA損傷経路を誘発し得る。この調節因子は、また、DNA損傷経路を阻害し得る。上記調節因子は、人工的に合成した化合物、または天然起源の化合物であり得る。上記調節因子は、低分子量化合物、ポリペプチド、もしくはペプチド、またはそれらのアナログ、ホモログ、改変体もしくは誘導体であり得る。
【0049】
(3.組成物)
本発明はまた、上記のような調節因子を含む組成物に関する。上記組成物は、WRNアクチベーターを含み得る。上記組成物はまた、WRNインヒビターを含み得る。上記組成物はまた、1種よりも多くの本発明の調節因子を含み得る。上記組成物はまた。さらなる治療剤と共に1種以上の調節因子を含み得る。
【0050】
本発明の一実施形態では、上記組成物は、本発明のオリゴヌクレオチドを含む。上記オリゴヌクレオチドは、加水分解可能なヌクレオチド間結合もしくは加水分解不可能なヌクレオチド間結合、またはその組み合わせを含み得る。好ましい実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、WRNのアクチベーターである。別の好ましい実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、WRNのインヒビターである。上記のように、上記オリゴヌクレオチドの活性は、加水分解可能なヌクレオチド間結合の全濃度に基づき、WRNを誘導または阻害するように調節され得る。
【0051】
(a.処方)
本発明の組成物は、従来の方法で処方された錠剤またはロゼンジの形態であり得る。例えば、経口投与用の錠剤およびカプセルは、従来の賦形剤(結合剤、充填剤、潤滑剤、崩壊剤および湿潤剤が挙げられるがそれらに限定されない)を含み得る。結合剤としては、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプン漿剤およびポリビニルピロリドンが挙げられるが、これらに限定はされない。充填剤としては、ラクトース、糖、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウムおよびソルビトールが挙げられるが、これらに限定はされない。潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコールおよびシリカが挙げられるが、これらに限定はされない。崩壊剤としては、ジャガイモデンプンおよびナトリウムデンプングリコレートが挙げられるが、これらに限定はされない。湿潤剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムが挙げられるが、これに限定はされない。錠剤は、当該分野で周知の方法に従ってコーティングされ得る。
【0052】
本発明の組成物はまた、液体処方物(水性または油性の懸濁物、溶液、エマルジョン、シロップおよびエリキシルが挙げられるがそれらに限定はされない)であり得る。上記組成物はまた、使用前に水または他の適切なビヒクルで構成するための乾燥製品として処方され得る。このような液体処方物は、添加剤(懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクルおよび保存剤が挙げられるがそれらに限定はされない)を含み得る。懸濁剤としては、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、および硬化食用脂が挙げられるが、これらに限定はされない。乳化剤としては、レシチン、ソルビタンモノオレエートおよびアカシアが挙げられるが、これらに限定はされない。非水性ビヒクルとしては、食用油、アーモンド油、分別ココナッツ油、油性エステル、プロピレングリコールおよびエチルアルコールが挙げられるが、これらに限定はされない。保存剤としては、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、およびソルビン酸が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0053】
本発明の組成物は、坐剤としても処方され得、坐剤基剤(ココアバターまたはグリセリドが挙げられるがそれらに限定はされない)を含み得る。本発明の組成物はまた、吸入用に処方され得る。これは、乾燥粉末としてかまたは噴霧剤(例えば、ジクロロジフルオロメタンまたはトリクロロフルオロメタン)を用いるエアゾルの形態で投与され得る形態(溶液、懸濁液またはエマルジョンが挙げられるが、それらに限定はされない)であり得る。本発明の組成物はまた、水性ビヒクルまたは非水性ビヒクルを含む、経皮処方物(クリーム、軟膏、ローション、ペースト、薬物添加硬膏、パッチまたは膜が挙げられるがそれらに限定はされない)として処方されえる。
【0054】
本発明の組成物はまた、注射または連続注入が挙げられ得るがそれらに限定されない方法による非経口投与用に、処方され得る。注射用の処方物は、油性ビヒクルまたは水性ビヒクル中の、懸濁物、溶液、またはエマルジョンの形態であり得、処方剤(懸濁剤、安定化剤および分散剤が挙げられるがそれらに限定はされない)を含み得る。上記組成物は、適切なビヒクル(発熱物質を含まない滅菌無水が挙げられるがそれに限定はされない)で再構成するための粉末の形態で提供され得る。
【0055】
本発明の組成物はまた、移植または筋肉内注射によって投与され得る蓄積調製物として処方され得る。上記組成物は、適切なポリマー材料または疎水性材料を用いて(例えば、受容可能な油中のエマルジョンとして)か、イオン交換樹脂を用いてか、または難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)、処方され得る。
【0056】
本発明の組成物はまた、リポソーム調製物として処方してもよい。上記リポソーム調製物は、対象となる細胞または角質層に侵入し、細胞膜と融合して、リポソームの内容物をその細胞内に送達する、リポソームを含み得る。例えば、Yaroshの米国特許第5,077,211号、Redziniakらの米国特許第4,621,023号、またはRedziniakらの米国特許第4,508,703号に記載されたようなリポソームが、使用され得る。皮膚の状態を標的とすることが意図される本発明の組成物は、哺乳動物の皮膚をUVまたは酸化的損傷を生じる因子に曝露する前、曝露中または曝露した後に、投与され得る。他の適切な処方物は、ニオソームを使用し得る。ニオソームは、リポソームに似た脂質ビヒクルであり、その膜は、非イオン性脂質からほぼなり、そのうちのある形態は、角質を通って化合物を輸送するために有効である。
【0057】
(4.処置法)
(a.WRNアクチベーター)
WRNの活性を誘導または増加する本発明の調節因子は、単独でかまたは他の処置と組み合わせて、成長停止の不全に関連する状態、アポトーシスの不全に関連する状態または増殖老化の不全に関連する状態を処置するために使用され得る。このような状態の代表例としては、過剰増殖疾患(例えば、癌、および正常範囲を超える細胞の良性成長(例えば、乾癬もしくは線維芽細胞過形成性廃痕およびケロイドにおけるケラチノサイト、または特定の自己免疫障害の場合における特定のリンパ球サブセット))が挙げられるが、これに限定はされない。これらの方法で処置される癌の形式は、様々な形態で認められ、例えば身体の種々の細胞型および器官において生じる(例えば、子宮頚部癌、リンパ腫、骨肉腫、メラノーマ、および皮膚に生じる他の癌、および白血病)。上記治療が向けられる癌細胞の型には、乳房、肝臓、前立腺、膵臓、卵巣、膀胱、子宮、結腸、脳、食道、胃および胸腺がある。上記調節因子はまた、日焼け促進を阻害するため、細胞分化を促進するため、および免疫抑制のために、使用され得る。
【0058】
本発明の一実施形態では、加水分解可能なヌクレオチド間結合を含む本発明のオリゴヌクレオチドが、成長停止の不全に関連する状態、アポトーシスの不全に関連する状態または増殖老化の不全に関連する状態を処置するために、そのような処置を必要とする患者に上記オリゴヌクレオチドを投与することにより、使用される。上記オリゴヌクレオチドはまた、加水分解不可能なヌクレオチド間結合を含み得る。上記で議論したように、上記オリゴヌクレオチドの活性が、加水分解可能なヌクレオチド間結合の全濃度に基づいて、成長停止またはアポトーシスを誘導するように調節され得る。上記オリゴヌクレオチドは、本発明の調節因子または他の処置と組み合わせて投与され得る。
【0059】
好ましい実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、子宮頚部癌、リンパ腫、骨肉種、メラノーマ、皮膚癌、白血病、乳癌、肺癌、肝臓癌、前立腺癌、膵臓癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮癌、結腸癌、脳腫瘍、食道癌、胃癌および胸腺癌からなる群より選択される癌を処置するために使用される。
【0060】
T−オリゴは、TNF−αおよびIL10(免疫抑制の公知の調節因子である)のアップレギュレーションを介して、マウスモデルにおけるUV照射と同等に有効にアレルギー性接触過敏症の誘導または誘発を防止することが可能である。従って、WRNの局所アクチベーターまたは全身アクチベーターは、例えば、リンパ球媒介皮膚疾患(例えば、乾癬または湿疹)ならびにリンパ球媒介全身疾患(例えば、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス)、および多くの他の疾患の処置における、ステロイド療法を置換し得る。
【0061】
(b.WRNのインヒビター)
WRNの活性を阻害または減少する本発明の調節因子は、単独でかまたは他の処置と組み合わせて、成長停止に関連する状態、アポトーシスに関連する状態または増殖老化に関連する状態を処置するために使用され得る。このような状態の代表例としては、UV照射への曝露、ならびに正常組織に対する癌処置(例えば、化学療法および放射線療法)の副作用、または日光に曝露された正常皮膚における日焼け応答阻害の促進が挙げられるが、それらに限定はされない。上記調節因子はまた、細胞分化を阻害するためにも使用され得る。
【0062】
別の実施形態では、加水分解不可能なヌクレオチド間結合を含む本発明のオリゴヌクレオチドは、成長停止に関連する状態またはアポトーシスに関連する状態を処置するために、上記オリゴヌクレオチドをそのような処置を必要とする患者に投与することによって使用される。上記オリゴヌクレオチドはまた、加水分解可能なヌクレオチド間結合も含み得る。上記に議論したように、上記オリゴヌクレオチドの活性は、加水分解可能なヌクレオチド間結合の全濃度に基づき、成長停止を阻害するためまたはアポトーシスを阻害するために使用され得る。上記オリゴヌクレオチドは、本発明の調節因子または他の処置と組み合わせて投与され得る。
【0063】
好ましい実施形態では、上記オリゴヌクレオチドは、UV光線への曝露、および癌処置(例えば、化学療法および放射線療法)の副作用からなる群より選択される状態を処置するために使用される。
【0064】
(c.投与)
本発明の組成物は、任意の様式(経口投与、非経口投与、舌下投与、経皮投与、直腸投与、経粘膜投与、局所投与、吸入、口腔内投与、またそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない)で投与され得る。非経口投与としては、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、髄腔内投与、および関節内投与が挙げられるが、それらに限定はされない。
【0065】
(d.投薬量)
治療において使用するために必要な上記組成物の治療有効量は、処置する状態の性質、活性を必要とする時間の長さ、ならびに患者の年齢および状態によって変化し、最終的には、担当医によって決定される。しかしながら、一般に、成人の処置のために用いられる用量は、典型的には、1日あたり0.001mg/kg〜200mg/kgの範囲である。その用量は、1日当たり約1μg/kg〜約100μg/kgであり得る。望ましい用量は、通常は、単回投与で投与され得るか、適切な間隔で複数回投与(例えば、1日あたり2回、3回、4回またはそれ以上の分割投与)として、投与され得る。複数回投与が、しばしば望ましいか、または必要とされる。
【0066】
調節因子の投薬量は、任意の投薬量(約1μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約75μg/kg、約100μg/kg、約125μg/kg、約150μg/kg、約175μg/kg、約200μg/kg、約225μg/kg、約250μg/kg、約275μg/kg、約300μg/kg、約325μg/kg、約350μg/kg、約375μg/kg、約400μg/kg、約425μg/kg、約450μg/kg、約475μg/kg、約500μg/kg、約525μg/kg、約550μg/kg、約575μg/kg、約600μg/kg、約625μg/kg、約650μg/kg、約675μg/kg、約700μg/kg、約725μg/kg、約750μg/kg、約775μg/kg、約800μg/kg、約825μg/kg、約850μg/kg、約875μg/kg、約900μg/kg、約925μg/kg、約950μg/kg、約975μg/kgまたは1mg/kgが挙げられるが、それらに限定はされない)であり得る。
【0067】
(5.スクリーニング方法)
本発明はまた、WRN活性の調節因子を同定するスクリーニング方法に関する。さらに、本発明は、DNA損傷経路の調節因子を同定するスクリーニング方法に関する。上記スクリーニング方法は、種々の形態(インビトロアッセイ、細胞ベースアッセイ、遺伝的アッセイおよびインビボアッセイが挙げられるが、これらに限定はされない)で実施され得る。
【0068】
WRN調節因子は、WRNに特異的に結合する基質をスクリーニングすることにより同定され得る。特異的結合基質が、多数の標準的方法(免疫沈澱およびアフィニティークロマトグラフィーが挙げられるがそれらに限定はされない)を用いて、当業者によってインビトロで同定され得る。また、特異的結合基質はまた、多数の標準的方法(酵母ツーハイブリッドおよびファージディスプレイが挙げられるがそれらに限定はされない)を使用して当業者によって遺伝的スクリーニングを用いて同定され得る。また、特異的結合基質はまた、高スループット方法(WRNをチップ(例えば、ガラス、プラスチックまたはシリコン)に付着させることが挙げられるがそれに限定はされない)を用いてを同定され得る。
【0069】
WRN調節因子はまた、WRNの活性を調節する基質をインビトロでスクリーニングすることにより、同定され得る。調節因子は、予期される調節因子とWRNを接触させること、およびその予期される調節因子がWRNの活性を変化させるかどうかを決定することにより、同定され得る。WRNの活性は、WRNの核酸基質の加水分解を測定することにより測定され得る。核酸基質の加水分解は、UV吸収の測定、および好ましくは標識オリゴのゲル分析、または非沈殿性ヌクレオチド塩基の回収が挙げられるがそれらに限定はされない方法により、測定され得る。
【0070】
WRNの調節因子は、細胞ベースアッセイにおいてWRNの活性を調節する基質をスクリーニングすることにより、同定され得る。DNA損傷経路の調節因子が、同様に同定され得る。調節因子は、疑わしい調節因子と細胞を接触させること、およびその疑わしい調節因子がアポトーシスレベル、老化、p53リン酸化、p95リン酸化、ATMリン酸化、H2AXリン酸化、S期停止の誘導、またはアポトーシス誘導を変化させるかどうかを測定することによって、同定され得る。その候補調節因子は、上記で議論したように、WRNと特異的に結合する物質であり得る。アポトーシスの調節は、FACS分析におけるサブG/Gピークのサイズの測定、TUNELアッセイ、DNAラダーアッセイ、アネキシンアッセイ、またはELISAアッセイが挙げられるがそれらに限定はされない方法によって、測定され得る。老化の調節は、老化関連性β−ガラクトシダーゼ活性を測定することによって、または細胞収量増加不全もしくはpRbリン酸化不全またはマイトジェン刺激後のH−チミジン取り込み不全を測定することによって、測定され得る。p53活性の調節は、p53プロモーター駆動性CATまたはルシフェラーゼ構築物読み出しにより、またはp53調節性遺伝子生成物(例えば、p21)の誘導により、ゲルシフトアッセイによってセリン15またはセリン37におけるp53リン酸化を測定することによって、測定され得る。p95活性の調節は、ウェスタンブロット分析におけるp95バンドの移動により、またはS期停止を検出するためのFACS分析により、セリン343におけるp95リン酸化を測定することによって、測定され得る。WRN調節因子はまた、インビボ腫瘍形成を調節する物質をスクリーニングすることによって、同定され得る。
【0071】
任意の細胞が、細胞ベースアッセイにおいて使用され得る。好ましくは、本発明とともに使用するための細胞としては、哺乳動物細胞が挙げられ、より好ましくはヒト細胞および非ヒト霊長類細胞が挙げられる。適切な細胞の代表例としては、1次(正常)ヒト皮膚線維芽細胞、上皮ケラチノサイト、メラノサイト、および対応する不死化細胞株または形質転換細胞株;ならびに一次マウス細胞株、不死化マウス細胞株、または形質転換マウス細胞株が挙げられるがそれらに限定はされない。タンパク質リン酸化の量は、当該分野で標準的な技術(比色分析、発色分析、蛍光分析およびウェスタンブロットが挙げられるがそれらに限定はされない)によって測定され得る。
【0072】
予期される調節因子が細胞に(例えば、混合によって)添加される条件は、アポトーシスまたはシグナル伝達を妨害する他の調節化合物が基本的に存在しない場合に、その細胞がアポトーシスもシグナル伝達も行わない条件である。有効な条件としては、細胞成長を可能にする適切な培地条件、温度条件、pH条件、および酸素条件が挙げられるが、これらに限定はされない。適切な培地は、代表的には、増殖因子、ならびに同化可能な炭素源、同化可能な窒素源および同化可能なリン源、ならびに適切な塩、ミネラル、金属、および他の栄養物(例えば、ビタミン)を含む、固体培地または液体培地であり、この培地としては、細胞がアポトーシスまたはシグナル伝達を示し得るように細胞が培養され得る有効な培地が挙げられる。例えば、哺乳動物細胞にとって、上記培地は、10%ウシ胎仔血清を含むDulbecco改変Eagle培地である。
【0073】
細胞は、種々の容器(組織培養フラスコ、試験管、マイクロタイターディッシュ、およびペトリ皿が挙げられるがそれらに限定はされない)中で培養され得る。培養は、その細胞に対して適切な温度、pHおよび二酸化炭素含有量で行われる。このような培養条件もまた、当業者の範囲内にある。
【0074】
予期される調節因子を上記細胞に添加するための方法としては、エレクトロポーレーション、マイクロインジェクション、細胞発現(すなわち、発現系(裸の核酸、組換えウイルス、レトロウイルス発現ベクター、およびアデノウイルス発現が挙げられる)を用いる)、上記培地への上記因子の添加、イオン対形成因子の使用、および細胞を透過性にするための界面活性剤の使用が挙げられる。
【0075】
候補調節因子は、天然に存在する分子(例えば、糖質、単糖、オリゴ糖、多糖、アミノ酸、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド(DNAおよびDNAフラグメント、RNAおよびRNAフラグメントなどを包含する)、脂質、レチノイド、ステロイド、糖ペプチド、糖タンパク質、プロテオグリカンなど);または天然に存在する分子のアナログもしくは誘導体(例えば、ペプチド模倣物);ならびに天然に存在しない分子(例えば、「低分子」有機化合物であり得る。用語「低分子有機化合物」とは、一般的に分子量約1000未満、好ましくは約500未満を有する、有機化合物を指す。
【0076】
候補調節因子は、任意の手段(コンビナトリアル化学技術、発酵法、植物抽出手順および細胞抽出手順が挙げられるがそれらに限定はされない)によって調製または取得されるライブラリー(すなわち、化合物のコレクション)中に存在し得る。コンビナトリアルライブラリーの作成法は、当該分野で周知である。例えば、E.R.Felder、Chimia、1994、48、512−541;Gallopら、J.Med.Chem.1994、37、1233−1251;R.A.Houghten、Trend Genet.1993、9、235−239;Houghtonら、Nature、199、354、84−86;Lamら、Nature、1991、354、82−84;Carellら、Chem.Biol.1995、3、171−183;Maddenら、Perspectives in Drug Discovery and Design、2、269−282;Cwirlaら、Biochemistry、1990、87、6378−6382;Brennerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1992、89、5381−5383;Gordonら、J.Med.Chem.1994、37、1385−1401;Leblら、Biopolymers、1995、37、177−198;およびそれらの中に引用された参考文献を参照のこと。
【0077】
本発明は、以下の非限定的実施例によって示される複数の局面を有する。
【実施例】
【0078】
(実施例1)
(オリゴヌクレオチドがアポトーシスを誘発し得る)
テロメア突出部反復配列(TTAGGG;配列番号1)と相同なオリゴヌクレオチド、配列(11mer−1:pGTTAGGGTTAG;配列番号2)のオリゴヌクレオチド、この配列と相補的なオリゴヌクレオチド(11mer−2:pCTAACCCTAAC;配列番号3)、およびテロメア配列とは無関係のオリゴヌクレオチド(11mer−3:pGATCGATCGAT;配列番号4)を、テロメア破壊に応答してアポトーシスを行うと報告されているヒトT細胞株であるJurkat細胞の培養物に添加した。コントロール細胞についての25%〜30%と比較して、40μMの配列番号2で処理した細胞のうちの50%が、48時間以内に、S期に蓄積し(p<0.0003、対応のないt検定、図1A〜1Dを参照のこと)、72時間までに、コントロールの2%〜3%と比較して、これらの細胞のうちの13%は、サブG/G DNAの含有量によって決定した場合にアポトーシス性であった(p<0.0007、対応のないt検定、図1E〜図1Hを参照のこと)。96時間の時点では、コントロールの3%〜5%と比較して、11mer−1処理細胞のうちの20±3%がアポトーシス性であった(p<0.0001、対応のないt検定)。その奇妙な効果の説明として11mer−1の優先的な取込みを排除するために、Jurkat細胞を、フルオレセインホスホロアミダイトで3’末端にて標識したオリゴヌクレオチドで処理し、次いで、共焦点顕微鏡分析およびFACS分析に供した。上記細胞の蛍光強度は、4時間目および24時間目に、すべての処理の後で同じであった。ウェスタン分析は、11mer−1添加の24時間後までp53の増加を示したが、11mer−2でも11mer−3でも増加せず、E2F1転写因子のレベルが同時に増加した。このE2F1転写因子は、アポトーシスの誘導においてp53と協同すること、ヒト線維芽細胞においてp53依存性様式で老化表現型を誘導すること、およびS期チェックポイントを調節することが、知られている。
【0079】
(実施例2)
(テロメア突出部ホモログである11mer−1のホスホロチオエートバージョンは、アポトーシスを誘導しない)
JurkatヒトT細胞の培養物を、希釈剤、11mer−1(配列番号1)またはホスホロチオエート11mer−1(11mer−1−S)のいずれかで96時間処理し、その後、収集してFACS分析用に処理した。2種類の濃度の上記オリゴヌクレオチド(0.4μM(図2A〜図2C)および40μM(図2D〜図2F))を試験した。0.4μMでは、上記オリゴヌクレオチドのいずれも、Jurkat細胞の予期された指数関数的に成長する細胞周期プロフィールに影響を及ぼさなかった。40μMでは、11mer−1は、サブG/Gピークにより示される広範なアポトーシスを誘導したが、11mer−1−Sは、何の影響も有さなかった。
【0080】
(実施例3)
(11mer−1のホスホロチオエートバージョンは、ホスフェート骨格11mer−1によるS期停止の誘導をブロックする)
ケラチノサイト株の培養物(SSC12F、100,000細胞/38cm)を、11mer−1(配列番号2)のみで、または漸増濃度の11mer−1−Sの存在下において11mer−1で、48時間処理した。実施例1において先に示したように、11mer−1は、FACS(Becton−Dickinson FacScan)によって示されるようにS期停止を誘導した。コントロールである希釈剤処理細胞の26%と比較して、その細胞のうちの43%がS期にあった。しかしながら、漸増濃度のホスホロチオエート11mer−1をこれらの培養物に添加した場合、それよりも少ない細胞しか停止しなかった(図3A〜図3D)。この停止の完全な阻害が、11mer−1:11mer−1−Sの比が2:1である場合に見られた。11mer−1−S自体は、S期停止を誘導しなかった。
【0081】
(実施例4)
(テロメアオリゴヌクレオチドのホスホロチオエート型は、構成的色素沈着およびUV誘導性色素沈着を誘導し、メラニン生成を刺激しない)
S91マウスメラノーマの培養物(100,000細胞/38cm)を、100μMのpTpTもしくはホスホロチオエートpTpT(図4)、または40μMの11mer−1もしくはホスホロチオエート11mer−1(11mer−1−S)(図5)で6日間処理し、その後、収集し、計数し、メラニン含有量をアッセイした。pTpTおよび11mer−1は、これらの細胞においてメラニン生成を刺激したが(それぞれ、図4および図5)、pTspTおよび11mer−1−Sは、刺激しなかった(それぞれ、図4および図5)。さらに、pTspT(図4)および11mer−1−S(図5)は、これらの細胞における構成的色素沈着を減少した。このことは、テロメア修復/複製中にこの配列に慢性的に曝露すると、メラニン生成に対する定常的な低レベルのシグナルを提供し、このシグナルがpTspTおよび11mer−1−Sによってブロックされることを示唆している。
【0082】
(実施例5)
(ホスホロチオエートpTspTは、UV誘発性メラニン生成を阻害する)
S91細胞の二連培養物(100,000細胞/39cm)を、偽照射したか、またはリサーチラジオメータ(モデルIL1700A、International Light、Nweburyport、MA)を用いて285±5nmで計測して、1kWキセノンアークソーラーシミュレーター(XMN1000−21、Optical Radiation、Azuza、CA)からの5mJ/cmの日光シミュレート光で照射した。その後、2枚の偽照射プレートに、100μMのpTspTを補充し、2つの照射培養物も、同様にpTspTで処理した。1週間後、細胞を集めて計数し、そしてその細胞ペレットを1NのNaOH中に溶解することおよび475nmでの光学濃度を測定することによって、メラニン含量について分析した。UV照射により、これらの細胞中のメラニン含有量は、2倍になった。しかしながら、この応答は、pTspTを添加することによって、ブロックされた(図6)。さらに、図4および図5に示したデータと同様に、これらの細胞の構成的色素沈着が、偽照射培養物においてpTspTにより減少した。
【0083】
(実施例6)
(活性には、T−オリゴの加水分解が必要である)
配列番号2に基づくオリゴヌクレオチドを、合成した。オリゴヌクレオチド1は、完全にホスホロチオエート骨格を用いて合成した。オリゴヌクレオチド2は、各末端に2個のホスホロチオエート骨格を有し、中央の他の結合は、ホスホジエステル結合であった。オリゴヌクレオチド3は、5’末端に2個のホスホロチオエート結合を有し(ブロックした5’末端)、オリゴヌクレオチド4は、3’末端に2個のホスホロチオエート結合を有し(ブロックした3’末端)、残りの結合は、ホスホジエステル結合であった。図7を参照のこと。
【0084】
これらのオリゴヌクレオチドを、正常な新生児線維芽細胞の培養物に添加した。48時間後、細胞を収集して、ウェスタンブロットによりp53セリン15のリン酸化およびp95/Nbs1のリン酸化を分析した。他の培養物を、上記オリゴヌクレオチドの存在下で1週間放置し、次いで、老化関連β−ガラクトシダーゼ活性(SA−β−Gal)について染色した。β−ガラクトシダーゼ陽性細胞を、計数し、全細胞のパーセントとして表した(図8)。
【0085】
ヌクレアーゼが接近可能な3’末端を有するオリゴヌクレオチドは、「初期」応答(例えば、p53リン酸化およびp95/Nbs1リン酸化)を刺激する際に、最も有効であった。しかしながら、ヌクレアーゼが接近可能な5’末端を有するオリゴヌクレオチドもまた、1週間後に老化表現型を誘導し得るが、48時間目には上記リン酸化反応を誘導しない。このことは、3’→5’ヌクレアーゼ感受性が老化を誘導する際の活性のために好ましいことを示唆している。
【0086】
(実施例7)
(WRNタンパク質レベルのダウンレギュレーションは、T−オリゴの応答をブロックする)
正常ヒト新生児線維芽細胞を、50pmolのWRN siRNAまたはコントロールである緑色蛍光タンパク質(GFP)に対する50pmolのsiRNAで2日間連続して処理した。2回目のsiRNA処理の1日後に、代表的培養物をウェスタン部ロット分析のために収集して、上記タンパク質を除去することにおけるWRN siRNAの有効性を評価した。また、この時点で、WRN siRNA処理培養物またはGFP siRNA処理培養物の二連培養物に、40μM T−オリゴ(11mer−1;配列番号2)または等量の希釈剤のいずれかを与えた。すべての条件からの細胞を、T−オリゴ添加または希釈剤添加の1日後もしくは2日後に収集し、セリン15におけるp53リン酸化またはヒストンH2AXリン酸化(両方とも、充分に記載されたDNA損傷応答である(Lambertら、1998、J Biol Chem 273,33048〜53;Burmaら、2001、J Biol Chem 276、42462〜7))についてウェスタンブロットによって分析した。また、コントロールとして、偽照射細胞または10Gy電離放射線照射細胞(IR)に由来する細胞溶解物を、含めた。それらのブロットを、WRN特異的抗体、p53ホスホセリン15特異的抗体、およびホスホH2AX特異的抗体を用いてプロービングした。図9において示されるデータは、WRNの「ノックダウン」は、0日目(T−オリゴ処理の日)にWRNレベル、ならびにp53およびH2AXのリン酸化をT−オリゴが誘導する能力を劇的に低下させた。
【0087】
(実施例8)
(DNA−PKは、T−オリゴの効果を媒介する)
正常な新生児線維芽細胞を、40μM T−オリゴまたは等体積の希釈剤で、4時間、6時間、8時間、16時間、24時間、または48時間処理し、その後収集し、ATMホスホセリン1981に対する抗体を使用するウェスタンブロットによって分析した。図10は、線維芽細胞におけるT−オリゴ処理が、ATMマーカー(370kDa)の上で移動する見かけの分子量450kDaのタンパク質のリン酸化をもたらすことを示す。このリン酸化タンパク質は、ATM関連性DNA依存性プロテインキナーゼの触媒サブユニット(DNA−PKCS)と同時に移動することが示された。これは、非常に相同なATMタンパク質に対して惹起された抗体と結合することが、合理的に予期される。
【0088】
DNA−PKCSは、T−オリゴ処理の後に生じることが示唆されるように、活性化された場合に自己リン酸化し(Dingら、2003、Mol Cell Biol 23、5836〜48)、そしてまたヘテロダイマーKuタンパク質(DNA−PK複合体の一部)を介してWRNと会合するので、線維芽細胞を、セリン37(DNA−PKによりリン酸化されることが示されている部位)(Leesら、1992、Mol Cell Biol 12、5041〜9)におけるp53リン酸化について分析した。新生児線維芽細胞を、上記のように処理し、セリン37においてリン酸化されたp53に対する抗体を使用して同様に分析した。ウェスタンブロットは、p53のセリン37が、T−オリゴ処理に応答してリン酸化されることを示した(図11)。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1A〜図1Hは、希釈剤(図1Aおよび図1E);40μM 11mer−1 pGTAGGGTTAG(配列番号2)(図1Bおよび図1F);40μM 11mer−2 pCTAACCCTAAC(配列番号3)(図1Cおよび図1G);40μM 11mer−3 pGATCGATCGAT(配列番号4)(図1Dおよび図1H)で処理した、ヨウ化プロピジウム染色したJurkat細胞のFACS分析を示す。Jurkat細胞は、分析前に48時間(図1A〜図1D)または72時間(図1E〜図1H)、上記試薬を用いて処理された。
【図2】図2A〜図2Fは、細胞に以下を添加することについての、蛍光活性化細胞ソーティングの結果を示すプロフィールである:図2A、希釈剤;図2B、0.4μM 11mer−1;図2C、0.4μM 11mer−1−S;図2D、希釈剤;図2E、40μM 11mer−1;図2F、40μM 11mer−1−S。
【図3】図3A〜図3Gは、細胞に以下を添加することについての、蛍光活性化細胞ソーティングの結果を示すプロフィールである:図3A、希釈剤;図3B、10μM 11mer−1;図3C、10μM 11mer−1および1μM 11mer−S;図3D、10μM 11マーおよび5μM 11mer−1−S;図3E、10μM 11mer−1および10μM 11mer−1−S;図3F、20μM 11mer−1−S;図3G、10μM 11mer−1−S。
【図4】図4は、希釈剤、pTpT、またはpTspTで処理された、細胞のメラニン含量(pg/細胞)を示す棒グラフである。
【図5】図5は、希釈剤、11mer−1、または11mer−1−Sで処理された、細胞のメラニン含量(pg/細胞)を示す棒グラフである。
【図6】図6は、偽(照射なし、オリゴヌクレオチドなし)処理された細胞、または紫外線(UV)で処理された細胞、または照射していないがpTspTを与えられた細胞、またはUVで照射されpTspTを与えられた細胞の、メラニン含量(pg/細胞)を示す棒グラフである。
【図7】図7は、ホスホロチオエート結合を用いて合成された配列番号2のヌクレオチド配列のオリゴヌクレオチドの図である。
【図8】図8は、正常新生児ヒト線維芽細胞の培養物において老化を引き起こすことにおける、図7に示されるホスホロチオエートオリゴヌクレオチド1、2、3、および4の効果を試験する結果(β−ガラクトシダーゼ活性について染色陽性の細胞によって示される)を示す棒グラフである。オリゴヌクレオチド「11−1」は、ホスホジエステル結合を全体的に用いて合成された配列番号2で処理された線維芽細胞培養物を示す。「Dil」は、オリゴヌクレオチドを含まない希釈剤で処理された線維芽細胞培養物を示す。
【図9】図9は、T−オリゴがp53のリン酸化およびH2AXのリン酸化を誘導する能力が、WRNをノックダウンすることによって低減されることを示す。T−オリゴ処理日におけるWRNタンパク質レベルが、「0時間」で示される。T−オリゴ(40μM,T)または希釈剤(D)が、添加され、そしてウェスタン分析のために24時間後または48時間後に細胞が収集された。コントロール線維芽細胞は、偽処理(IR,−)であるか、または10GlyのIRで照射された(IR,+)かいずれかをされ、1時間後に収集された。そのウェスタンブロットが、WRN認識抗体、p53ホスホセリン15認識抗体、またはホスホH2AX認識抗体でプローブされた。
【図10】図10は、T−オリゴが、ATM関連DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA−PK)触媒サブユニット(DNA−PKCS)のリン酸化をもたらすことを示す。ATMの位置およびDNA−PKCSの位置が、示されている。偽処理線維芽細胞および照射済み(10Gly IR)線維芽細胞が、コントロールとして含められた。
【図11】図11は、p53のセリン37が、T−オリゴ処理に応答してリン酸化されることを示す。
【図12】図12は、露出したテロメア突出部およびT−オリゴをWRNタンパク質が「感知し」、ATMおよびDNA−PKの活性化をもたらし、p53および他の基質のリン酸化をもたらす、あり得る機構を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
WRNの調節因子をスクリーニングするための方法であって、該方法は、
(a)WRNを発現する細胞を提供する工程;
(b)候補調節因子を、該調節因子が該細胞によって取り込まれる条件下で、該細胞と接触させる工程;および
(c)DNA損傷応答経路の活性化と関連する該細胞の特性を測定する工程;
を包含し、コントロールと比較した該特性の変化は、WRNの調節因子を示す、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記候補調節因子は、WRNに特異的に結合する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記細胞の特性は、細胞増殖、細胞生存、細胞形態、SA−β−Gal活性、p53のリン酸化、p95のリン酸化、ATMのリン酸化、H2AXのリン酸化、S期停止の誘導、およびアポトーシスの誘導からなる群より選択される、方法。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれかに記載の方法であって、前記細胞は癌細胞である、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記候補調節因子は、糖質、単糖、オリゴ糖、多糖、アミノ酸、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂質、レチノイド、ステロイド、糖ペプチド、糖タンパク質、プロテオグリカン、および有機低分子からなる群より選択される、方法。
【請求項6】
WRNに特異的に結合する因子をスクリーニングするための方法であって、該方法は、
(a)WRNを候補因子と接触させる工程;および
(b)候補因子がWRNに特異的に結合するか否かを決定する工程;
を包含する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、WRNは固体支持体に結合している、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、前記候補因子は固体支持体に結合している、方法。
【請求項9】
WRNの調節因子をスクリーニングするための方法であって、該方法は、
(a)WRNを、WRNについての核酸基質の存在下でインビトロで候補因子と接触させる工程;および
(b)該基質の加水分解を測定する工程であって、それによってコントロールと比較して該基質の加水分解を変化させることによって調節因子が同定される、工程;
を包含する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記核酸基質は、(TTAGGG)と少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有するオリゴヌクレオチドであり、n=1〜20である、方法。
【請求項11】
癌を処置するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのアクチベーターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項12】
アポトーシスを誘導するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのアクチベーターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項13】
細胞老化を誘導するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのアクチベーターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項14】
日焼けを促進するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのアクチベーターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項15】
細胞分化を促進するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのアクチベーターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項16】
免疫抑制を促進するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのアクチベーターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項17】
請求項11〜16のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記アクチベーターは、(TTAGGG)と少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有する、WRNのオリゴヌクレオチドアクチベーターであり、少なくとも最初のx個の3’ヌクレオチド結合は、3’→5’ヌクレアーゼによって加水分解可能であり、n=1〜20であり、xは約1〜約10である、方法。
【請求項18】
アポトーシスを阻害するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのインヒビターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項19】
細胞老化を阻害するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのインヒビターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項20】
成長を促進するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのインヒビターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項21】
日焼けを阻害するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのインヒビターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項22】
細胞分化を阻害するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのインヒビターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項23】
癌処置の副作用を低減するための方法であって、該方法は、
そのような処置を必要とする被験体に対して、WRNのインヒビターを含む組成物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記組成物は、化学療法または電離放射線と組み合わせて与えられる、方法。
【請求項25】
請求項18〜24のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記インヒビターは、(TTAGGG)と少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有する、WRNのオリゴヌクレオチドインヒビターであり、少なくとも最初のx個の3’ヌクレオチド結合は、3’→5’ヌクレアーゼによって加水分解可能であり、n=1〜20であり、xは約1〜約10である、方法。
【請求項26】
(TTAGGG)と少なくとも33%のヌクレオチド配列同一性を有するオリゴヌクレオチドと、少なくとも1つの加水分解不可能なヌクレオチド間結合とを含む、組成物であって、少なくとも最初のx個の3’ヌクレオチド結合は、3’→5’ヌクレアーゼによって加水分解可能であり、n=1〜20であり、xは約1〜約10である、組成物。
【請求項27】
請求項26に記載の組成物であって、前記3’→5’ヌクレアーゼは、WRNである、組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−537758(P2007−537758A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527438(P2007−527438)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/017553
【国際公開番号】WO2005/113764
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(595094600)トラスティーズ オブ ボストン ユニバーシティ (37)
【Fターム(参考)】