X線コンピュータトモグラフィ装置
【課題】本発明の目的は、照射線量調整をX線のパルス幅制御により実現すること。
【解決手段】X線コンピュータトモグラフィ装置は、X線を発生するX線管10と、被検体を透過したX線を検出するためのX線検出器23と、X線検出器からX線信号を繰り返し収集するデータ収集部24と、発生されたX線をパルスX線に変換するためにX線管と被検体との間に配置され、シャッタ開期間と閉期間との比率が可変に構成されたシャッタ機構部22と、収集したX線信号に基づいて画像データを再構成する再構成部36と、シャッタ開期間と閉期間との比率を変化させるためにシャッタ機構部を制御するシャッタシフトコントローラ41とを具備する。
【解決手段】X線コンピュータトモグラフィ装置は、X線を発生するX線管10と、被検体を透過したX線を検出するためのX線検出器23と、X線検出器からX線信号を繰り返し収集するデータ収集部24と、発生されたX線をパルスX線に変換するためにX線管と被検体との間に配置され、シャッタ開期間と閉期間との比率が可変に構成されたシャッタ機構部22と、収集したX線信号に基づいて画像データを再構成する再構成部36と、シャッタ開期間と閉期間との比率を変化させるためにシャッタ機構部を制御するシャッタシフトコントローラ41とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線コンピュータトモグラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のX線コンピュータ断層撮影装置では、連続X線が主流である。X線を連続的に被検体に照射しながら、データ収集が一定周期で繰り返される。データ収集サイクルは、大まかに電荷蓄積期間、信号電荷読出し期間、電荷リセット期間から構成される。原理的には、電荷蓄積期間内に照射されるX線に限りデータに反映される。従って、被曝低減にとっては、X線を連続的ではなく、電荷蓄積期間に同期させてパルス状のX線を被検体に照射することが有効である。しかし、スキャン時間が0.5秒又はそれ以下の超高速スキャンが主流となっている現在では、高電圧発生装置の負荷が大きく、採用されていない。また、短いパルスのX線を作ろうとすると、パルスの立ち上がりの部分で低エネルギーのX線が発生するために表面被曝線量を増加してしまうという欠点がある。
【0003】
従って、特許第2704084号明細書、特許第2768932号明細書、特許第3394038号明細書、特開平10−295681号公報に記載されるように、管電流制御により照射線量調整を行っているのが現状である。
【特許文献1】特許第2704084号明細書
【特許文献2】特許第2768932号明細書
【特許文献3】特許第3394038号明細書
【特許文献4】特開平10−295681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、照射線量調整をX線のパルス幅制御により実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるX線コンピュータトモグラフィ装置は、X線を発生するX線管と、被検体を透過したX線を検出するためのX線検出器と、前記X線検出器からX線信号を繰り返し収集する収集部と、前記発生されたX線をパルスX線に変換するために前記X線管と前記被検体との間に配置され、シャッタ開期間と閉期間との比率が可変に構成されたシャッタ機構部と、前記収集したX線信号に基づいて画像データを再構成する再構成部と、前記シャッタ開期間と閉期間との比率を変化させるために前記シャッタ機構部を制御する制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、照射線量調整をX線のパルス幅制御により実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明によるX線コンピュータ断層撮影装置の実施の形態を説明する。なお、X線コンピュータ断層撮影装置には、X線管とX線検出器とが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転方式と、リング上に多数のX線検出器が配置され、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転方式と、複数のX線管がリング上に配置され、複数のX線検出器も同様にリング上に配置された固定/固定方式等様々な方式があり、いずれの方式でも本発明を適用可能である。回転/回転方式に関して、一対のX線管とX線検出器とが回転フレームに搭載された一管球型と、X線管とX線検出器との対が回転フレームに複数搭載されたいわゆる多管球型とがあるが、いずれの型でも本発明を適用可能である。X線検出器に関して、被検体を透過したX線をシンチレータ等の蛍光体で光に変換してからフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とがあるが、本発明はいずれの形を採用してもよい。
【0008】
図1に、本実施の形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示している。ガントリ1には、略円環形状の回転フレーム12が収容される。回転機構18は、回転フレーム12を回転軸Rまわりに回転自在に支持するとともに、その駆動系統を備えている。回転フレーム12には、X線管10と、X線管10のX線焦点を中心として円弧状に配列された複数のX線検出素子を有する多チャンネル型のX線検出器23とが、寝台2の天板2a上に載置された被検体を挟んで対向して取り付けられている。高電圧発生器21は、X線管10の陰極と陽極間に高電圧を印加するとともに、陰極フィラメントにフィラメント加熱電流を供給するために設けられている。
【0009】
X線管10は、X線遮蔽性の高い重金属製のハウジングに収容されている。そのハウジングの一部分は開けられ、そこにX線透過性の高い材料でX線放射窓が埋め込まれている。ハウジングのX線放射窓に対応する部分にはコリメータ11が取り付けられている。X線放射窓から放射するX線は、コリメータ11により所定形状に成形される。なお、説明の便宜上、回転フレーム12の回転中心軸をZ軸と規定して、回転フレーム12の回転とともにZ軸まわりに回転する直交3軸の回転座標系を定義する。X軸は、陰極で発生した電子ビームが衝突するX線管10内陽極ターゲット上のスポット(X線焦点)の中心と、X線検出器23の素子配列中心とを結ぶ線、つまりコリメータ11から放射される円錐又は角錐形のX線ビームの中心線に既定する。
【0010】
シャッタ機構22は、コリメータ11と被検体との間に配置され、実際にはコリメータ11の射出口に取り付けられる。シャッタ機構22は、X線管10により連続的に発生されたX線を、一定の周期で繰り返されるパルスX線に変換する機能を有する。シャッタ機構22は、また、パルスX線の周期を一定に維持したまま、パルス幅(パルス継続時間ともいう)を変化させる機能を有する。以下、シャッタ機構22の構造について詳細に説明する。
【0011】
シャッタ機構22は、図2に示すように、X線遮蔽性の高い鉛に代表される重金属板を剛性の高い鉄等の板で補強した円盤状のシャッタディスク25を備える。シャッタディスク25は、その面がX線の中心軸に対して略垂直になるように配置される。シャッタ機構22は、シャッタディスク25とともに、図示しないが、シャッタディスク回転機構を有する。シャッタディスク回転機構は、シャッタディスク25をその円板中心線を回転軸として回転自在に支持する構造とともに、シャッタディスク25を一定速度で回転駆動する駆動系統を備える。シャッタディスク25の回転軸はX軸と略平行に設けられる。シャッタディスク25の回転速度は、データ収集装置24のデータ収集サイクルに応じた速度に決められている。
【0012】
シャッタディスク25には、少なくとも一つの開口部26が開けられている。開口部26は、円周方向の開口率が半径方向に関して変化する形状を有する。開口率とは、開口部26の数をnとしたとき、円周の長さの1/nに対する一つの開口部26の円周方向の長さの比率を表しており、開口部26が円周方向に長ければ開口率は高くなり、逆に開口部26が円周方向に短ければ開口率は低くなる。開口率の変化に応じて、シャッタ開期間と閉期間との比率が変化する。開口部26の形状の具体例を図3に示している。この例では円周方向に一定周期(90°)で4つの開口部26が形成されている。開口部26の数は4に限定する必要はない。
【0013】
各開口部26は、ディスク25の中心Oから半径r1までの範囲では開口率1.0の開口幅を有する。つまり、この範囲では、4つの開口部26は連結される。各開口部26は、半径r1からr2までの範囲では開口率0.7の開口幅を有し、半径r2からr3までの範囲では開口率0.3の開口幅を有する。このように開口率がディスク26の半径方向に関して段階的に変化するように開口部26が形成されている。段階数は図3の例では“3”であるが、2段階であってもよいし、4段階以上任意の段数に設定されることに制約はない。
【0014】
このような構成によると、ディスク25に対するX線の照射位置がディスク25の中心Oから半径r1までの範囲内に調整されているとき、X線に対するシャッター効果は発揮されず、従来同様に、電荷蓄積期間、信号電荷読出し期間、電荷リセット期間から構成されるデータ収集サイクルの全期間にわたってX線は被検体に照射される。ディスク25に対するX線の照射位置が半径r1から半径r2までの範囲内に調整されているとき、データ収集サイクルの70%の期間に限りX線が被検体に照射される。ディスク25に対するX線の照射位置が半径r2から半径r3までの範囲内に調整されているとき、データ収集サイクルの30%の期間に限りX線が被検体に照射される。つまり、図3の形状を有するディスク25にはその中心から外周に向かってシャッター効果が段階的に高くなるように開口部26が形成されている。
【0015】
図4には、開口部26の形状の他の具体例を示している。この例でも円周方向に一定周期(90°)で4つの開口部26が形成されている。この例でも、開口部26の数は4に限定する必要はない。各開口部26は、ディスク25の中心Oから半径r1までの範囲では開口率1.0の開口幅を有する。つまり、この範囲では、4つの開口部26は連結される。各開口部26は、半径r1からr2までの範囲では開口率が1.0から0.3に至るまで連続的に低下する開口幅を有する。このような構成により、開口部26の開口率は、ディスク26の半径方向に関して連続的に無段階で変化する。つまり、図4の形状を有するディスク25にはその中心から外周に向かってシャッター効果が無段階で高くなるように開口部26が形成されている。
【0016】
図12には、他の構造のシャッタ機構22を示している。このシャッタ機構22は、スタックされる2枚のシャッタディスク25−1,25−2を有する。シャッタディスク25−1,25−2にはそれぞれ開口部26−1,26−2が形成されている。開口部26−1,26−2は、円周方向の開口率が半径方向に関して一定の形状を有する。一方のシャッタディスク25−1に対する他方のシャッタディスク25−2の角度差は可変である。この角度差を変えることにより、開口部26−1,26−2の合成により形成される開口部の開口率が変化する。シャッタ機構22は、一方のシャッタディスク25−1に対する他方のシャッタディスク25−2の角度差を変化させるための機構を装備している。また、シャッタ機構22は、シャッタディスク25−1とシャッタディスク25−2との間の設定された角度差を維持したままで、シャッタディスク25−1とシャッタディスク25−2とを同じ方向に同じ速度で回転するための機構を装備している。
【0017】
シャッタディスク回転機構には、図3の形状のシャッタディスク25と図4の形状のシャッタディスク25とのいずれかが装備される。シャッタディスク回転機構は、シャッタディスク25を着脱する機構を備え、図3の形状のシャッタディスク25と図4の形状のシャッタディスク25とを任意に選択的に装着するようにしてもよい。
【0018】
シャッタシフト機構19は、図3,図4に矢印で示すように、シャッタディスク25をシャッタディスク回転機構とともにその半径方向(Z軸に平行)に前後に移動自在(シフト自在)に支持する構造と、シャッタディスク25とシャッタディスク回転機構のシフトを駆動する駆動系統を備える。X線管10及びコリメータ11はフレーム12に対して固定されているので、シャッタディスク25をシフトすることにより、図5、図6に示すように、シャッタディスク25上に照射するX線スポットの中心位置はシャッタディスク25の半径方向に沿って移動する。この移動により、高電圧発生器21の負荷を軽減させてX線を連続的に発生させながら、被検体への連続的なX線の照射と被検体へのパルスX線の照射とを切り替えることができ、またそのパルスX線のパルス幅を変化させることができる。
【0019】
キャビネット3は、システム全体の動作を制御するシステムコントローラ29、スキャンコントローラ30、データ収集装置24で収集されたX線信号(ディジタルの投影データ)を補正するための前処理ユニット34、投影データを記憶し、また再構成された画像データを記憶するためのデータ記憶装置35、投影データに基づいて画像データを再構成する再構成ユニット36、表示プロセッサ37、ディスプレイ38、マウス及びキーボードを含む入力器39、シャッタシフト機構19によるシャッタディスク25のシフトを制御するためのシャッタシフトコントローラ41、データ収集装置24のデータ収集トリガを発生するためのトリガ発生部42を備えている。トリガ発生部42は、シャッタディスク25が微小角度回転するごとにロータリエンコーダ20から出力されるパルスをカウントし、カウント数が基準値に達したタイミングでトリガを発生する。基準値は、シャッタディスク25の開口部26の周期、例えば90°に相当する数に既定されている。それによりシャッタディスク25の回転に伴う被検体へのパルスX線の照射のタイミングに対してデータ収集サイクルを同期させことができる。
【0020】
次に本実施の形態の動作を説明する。まず、データ収集動作として、上述したようにデータ収集装置24は、トリガ発生器42から一定の周期で繰り返し出力されるトリガに従って、X線検出器23からX線信号を収集するためのデータ収集サイクルを繰り返す。データ収集サイクルには、電荷蓄積期間と電荷読出し期間とリセット期間とが含まれる。電荷蓄積期間内に発生した電荷は各検出素子に対応するキャパシタに蓄積され、電荷読出し期間において電流信号として各検出素子からデータ収集装置24に読み出され、電圧信号に変換され、増幅され、さらにディジタルデータに変換される。キャパシタは次のデータ収集サイクル前にリセット期間においてリセットされる。ここではトリガから次のトリガまでの期間を、ビュー期間と称する。スキャンとは、X線管10が被検体の周囲を1枚の断層画像データの再構成に要する360度又は(180°+ファン角)回転する間に投影データを収集する動作として定義され、連続回転ではスキャンが繰り返し実行される。
【0021】
上述のようにシャッタディスク25の回転により連続X線をパルスX線に変換するようにしたので、パルスX線の周期変動を抑えてその安定化を図ることができる。さらに、シャッタディスク25のシフトにより、連続X線からパルスX線への切り替え、さらにパルス幅変更の高速化を高精度で実現している。このような優位性により、本実施の形態では、スキャンごと、さらにはスキャン期間中にあっても、連続X線からパルスX線への切り替え、さらにパルス幅の変更を可能としている。
【0022】
図7は本実施の形態によるスキャンごとにパルスX線のパルス幅を変更する動作をタイムチャートで示している。なお、以下の説明ではシャッタディスク25は図3の構造を有するものとして説明する。シャッタディスク25の回転速度は、トリガから次のトリガまでのビュー期間の時間長に従って調整される。つまり、シャッタディスク25の開口部26が、トリガ周期と同じ周期で、シャッタディスク25上のX線照射位置に到来するように、シャッタディスク25に形成された開口部26の数をnとすると、シャッタディスク25が角度(360°/n)を回転するのに要する時間が、トリガの周期(ビュー期間)に一致するようにシャッタディスク25の回転速度がロータリーエンコーダ20の出力パルスに基づいてスキャンコントローラ30により制御されている。また、シャッタディスク25の回転によるシャッタ開期間の始期にトリガが同期して立ち上がるように、トリガ発生器42はロータリーエンコーダ20の出力パルスに基づいてトリガパルスを時間的にシフトする。
【0023】
また、全てのスキャンにわたって、高電圧発生器21からX線管10には一定振幅の管電圧が継続的に印加される。また、全てのスキャンにわたって、X線管10に一定振幅の管電流が継続的に流れるように一定振幅でフィラメント過熱電流が継続的に供給される。それにより全てのスキャンにわたって、X線管10から一定の線質且つ一定の線量でX線が連続的に発生される。
【0024】
連続スキャン中のあるスキャン期間#1では、シャッタシフトコントローラ41の制御のもと、シャッタディスク25に対するコリメータ11からのX線の照射位置が例えばシャッタディスク25の半径r1から半径r2までの範囲内に収まるように、シャッタディスク25の位置がシャッタシフト機構19によりに調整されている。それにより、ビュー期間の70%に相当するパルス幅を有するパルスX線が、トリガ周期に等価な周期で被検体に繰り返し照射される。
【0025】
次のスキャン期間#2では、シャッタディスク25に対するコリメータ11からのX線の照射位置がシャッタディスク25の半径r2から半径r3までの範囲内に収まるように、シャッタディスク25の位置がシャッタシフト機構19によりシフトされる。それにより、パルス幅は変化し、ビュー期間の30%に相当するパルス幅を有するパルスX線が、トリガ周期に等価な周期で被検体に繰り返し照射される。
【0026】
スキャンごとのパルス幅の変更は、例えばマルチスライススキャンやヘリカルスキャン等の連続スキャン中に被検体のスキャン位置が変化する方式のスキャンにおいて有効である。被検体のX線減衰量はスキャン部位によって変動する。X線減衰量の低い部位に、X線減衰量の高い部位と同等の線量でX線を照射することは被曝低減の観点からは好ましくない。スキャン部位の移動に応じて、スキャンごとにパルス幅を変化させることで、そのような不要な被曝を回避することができる。
【0027】
操作者が入力器39を介して手動操作により任意タイミングでパルスX線のパルス幅を変化させるようにしてもよいし、事前のスキャン計画時に取得されたスキャノグラムのデータに基づいて複数のスキャン位置に対してそれぞれ好適なパルス幅をシャッタシフトコントローラ41において予め決定し、それに応じてパルスX線のパルス幅を自動的に変化させるようにしてもよい。さらに、連続スキャン中に、1つ又はそれ以上前のスキャンにおいて収集した投影データに基づいてシャッタシフトコントローラ41においてパルス幅を決定し、それに応じてパルスX線のパルス幅をダイナミックに変化させるようにしてもよい。このようにパルス幅の変化方法は任意である。
【0028】
図8には本実施の形態によるスキャン期間中にパルスX線のパルス幅を変更する動作をタイムチャートで示している。スキャン期間内の当初では、シャッタシフトコントローラ41の制御のもと、シャッタディスク25に対するコリメータ11からのX線の照射位置が例えばシャッタディスク25の半径r1から半径r2までの範囲内に収まるように、シャッタディスク25の位置がシャッタシフト機構19によりに調整されている。それにより、ビュー期間の70%に相当するパルス幅を有するパルスX線が、トリガ周期に等価な周期で被検体に繰り返し照射される。
【0029】
同じスキャン期間内のある時点で、シャッタディスク25に対するコリメータ11からのX線の照射位置がシャッタディスク25の半径r2から半径r3までの範囲内に収まるように、シャッタディスク25の位置がシャッタシフト機構19によりシフトされる。それにより、パルス幅は変化し、ビュー期間の30%に相当するパルス幅を有するパルスX線が、トリガ周期に等価な周期で被検体に繰り返し照射される。
【0030】
図7の例と同様に、操作者が入力器39を介して手動操作により任意タイミングでパルスX線のパルス幅を変化させるようにしてもよいし、事前のスキャン計画時に多方向から取得されたスキャノグラムのデータに基づいて複数の角度に対してそれぞれ好適なパルス幅をシャッタシフトコントローラ41において予め決定し、それに応じてパルスX線のパルス幅を自動的に変化させるようにしてもよい。さらに、連続スキャン中に、半回転前、1回転前、又は数回転前の時点で収集した投影データに基づいてシャッタシフトコントローラ41においてパルス幅を決定し、それに応じてパルスX線のパルス幅をダイナミックに変化させるようにしてもよい。このようにパルス幅の変化方法は任意である。
【0031】
スキャン期間中のパルス幅の変更は、例えばシングルスライススキャン、マルチスライススキャン、ヘリカルスキャン等の全てのスキャンにおいて、被曝低減効果を発揮できる。特に、マルチスライススキャン、ヘリカルスキャンにおいて、上記図7の方式と併用することにより、その効果はさらに向上する。
【0032】
上述の説明では、シャッタディスク25の回転によるシャッタ開期間の始期にトリガが同期して立ち上がるように、トリガ発生器42はロータリーエンコーダ20の出力パルスに基づいてトリガパルスを時間的にシフトする。しかし、図9、図10に示すように、シャッタディスク25の回転によるシャッタ開期間の中心に、ビュー期間又は電荷蓄積期間の中心が一致するように、又はシャッタ開期間の始期から、シャッタ開期間に応じた遅れ時間経過後にビュー期間が開始するように、トリガパルスの時間的なシフト量をシャッタディスク25の位置に応じて変化させることようにしてもよい。それによると、シャッタディスク25の回転ぶれ等に起因する被検体へのX線照射期間が電荷蓄積期間から部分的に外れるという事態を効果的に防止することができる。
【0033】
以上のように、本実施の形態によると、シャッタ機構により連続X線をパルスX線に変換することで、不要な被曝を回避することができる。さらにパルス幅の変化を可能としたことで、被曝低減効果を必要に応じて促進させることができる。また、次のような効果も奏することができる。上述したように投影データは電荷蓄積期間内にX線入射に伴って発生した電荷量を反映している。電荷蓄積期間にもX線管10は回転継続しているので、図11(a)に示すように、X線焦点はその回転方向に沿って仮想的に拡大する。X線焦点が拡大すると、空間分解能が劣化することは周知のとおりである。従来では、被曝低減のために管電流制御により連続X線の線量を低下させることで対応していた。そのため空間分解能の劣化は依然として残存するものであった。本実施の形態では、被曝低減効果を、空間分解能の向上とともに実現し得るものである。本実施の形態では、線量一定のもとでパルス幅制御により必要に応じた被曝低減を実現している。従って、図11(b)に示すように、従来と同じ電荷蓄積期間であっても、X線の照射期間は短縮される。そのX線の照射期間短縮に伴って、X線焦点の仮想的な拡大は抑えられ、空間分解能の劣化は抑えられ得る。
【0034】
本実施の形態は、X線管とX線検出器との対が回転フレームに複数搭載されたいわゆる多管球型にも適用可能である。例えば、X線管とX線検出器とが回転フレームに3つずつ搭載された場合、3つのX線管に3つのシャッタ機構22がそれぞれ装備される。相互に散乱線が影響しあうことを避けるために、スキャンコントローラ30は、3つのシャッタ機構22の開期間が重ならないように3つのシャッタ機構22のディスク25の回転位相を制御する(図13参照)。初期的には、開期間は、3つのシャッタ機構22の交互周期よりも短く設定されている。それにより開期間が多少ずれたとしても、3つのシャッタ機構22の開期間が重ならないことが保証されうる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るX線コンピュータトモグラフィ装置の構成を示す図。
【図2】図1のシャッタ機構の配置を示す図。
【図3】図2のシャッタディスクの平面図。
【図4】図2のシャッタディスクのシフトを示す図。
【図5】図2のシャッタディスクの他の構造を示す平面図。
【図6】図5のシャッタディスクのシフトを示す図。
【図7】図1のシャッタシフトコントローラによるスキャンごとのシャッタ開期間の変化を示す図。
【図8】図1のシャッタシフトコントローラによるスキャン期間中のシャッタ開期間の変化を示す図。
【図9】図1のトリガ発生部によるトリガシフト機能を図7と比較して示す示す図。
【図10】図1のトリガ発生部によるトリガシフト機能を図8と比較して示す示す図。
【図11】本実施の形態により被曝低減とともに奏される仮想焦点のサイズダウン効果を示す図。
【図12】図1のシャッタ機構の他の構造を示す平面図。
【図13】多管球型X線CTに装備される複数のシャッタ機構に対する図1のシャッタシフトコントローラの制御を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1…ガントリ、2…寝台、2a…天板、10…X線管、11…コリメータ、12…回転フレーム、18…回転機構、19…シャッタシフト機構、20…ロータリエンコーダ、21…高電圧発生器、22…シャッタ機構、23…多チャンネル型X線検出器、24…データ収集装置、25…シャッタディスク、26…開口部、29…システムコントローラ、30…スキャンコントローラ、34…前処理ユニット、35…データ記憶装置、36…再構成ユニット、37…表示プロセッサ、38…ディスプレイ、39…入力器、41…シャッタシフトコントローラ、42…トリガ発生部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線コンピュータトモグラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のX線コンピュータ断層撮影装置では、連続X線が主流である。X線を連続的に被検体に照射しながら、データ収集が一定周期で繰り返される。データ収集サイクルは、大まかに電荷蓄積期間、信号電荷読出し期間、電荷リセット期間から構成される。原理的には、電荷蓄積期間内に照射されるX線に限りデータに反映される。従って、被曝低減にとっては、X線を連続的ではなく、電荷蓄積期間に同期させてパルス状のX線を被検体に照射することが有効である。しかし、スキャン時間が0.5秒又はそれ以下の超高速スキャンが主流となっている現在では、高電圧発生装置の負荷が大きく、採用されていない。また、短いパルスのX線を作ろうとすると、パルスの立ち上がりの部分で低エネルギーのX線が発生するために表面被曝線量を増加してしまうという欠点がある。
【0003】
従って、特許第2704084号明細書、特許第2768932号明細書、特許第3394038号明細書、特開平10−295681号公報に記載されるように、管電流制御により照射線量調整を行っているのが現状である。
【特許文献1】特許第2704084号明細書
【特許文献2】特許第2768932号明細書
【特許文献3】特許第3394038号明細書
【特許文献4】特開平10−295681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、照射線量調整をX線のパルス幅制御により実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるX線コンピュータトモグラフィ装置は、X線を発生するX線管と、被検体を透過したX線を検出するためのX線検出器と、前記X線検出器からX線信号を繰り返し収集する収集部と、前記発生されたX線をパルスX線に変換するために前記X線管と前記被検体との間に配置され、シャッタ開期間と閉期間との比率が可変に構成されたシャッタ機構部と、前記収集したX線信号に基づいて画像データを再構成する再構成部と、前記シャッタ開期間と閉期間との比率を変化させるために前記シャッタ機構部を制御する制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、照射線量調整をX線のパルス幅制御により実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明によるX線コンピュータ断層撮影装置の実施の形態を説明する。なお、X線コンピュータ断層撮影装置には、X線管とX線検出器とが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転方式と、リング上に多数のX線検出器が配置され、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転方式と、複数のX線管がリング上に配置され、複数のX線検出器も同様にリング上に配置された固定/固定方式等様々な方式があり、いずれの方式でも本発明を適用可能である。回転/回転方式に関して、一対のX線管とX線検出器とが回転フレームに搭載された一管球型と、X線管とX線検出器との対が回転フレームに複数搭載されたいわゆる多管球型とがあるが、いずれの型でも本発明を適用可能である。X線検出器に関して、被検体を透過したX線をシンチレータ等の蛍光体で光に変換してからフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とがあるが、本発明はいずれの形を採用してもよい。
【0008】
図1に、本実施の形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示している。ガントリ1には、略円環形状の回転フレーム12が収容される。回転機構18は、回転フレーム12を回転軸Rまわりに回転自在に支持するとともに、その駆動系統を備えている。回転フレーム12には、X線管10と、X線管10のX線焦点を中心として円弧状に配列された複数のX線検出素子を有する多チャンネル型のX線検出器23とが、寝台2の天板2a上に載置された被検体を挟んで対向して取り付けられている。高電圧発生器21は、X線管10の陰極と陽極間に高電圧を印加するとともに、陰極フィラメントにフィラメント加熱電流を供給するために設けられている。
【0009】
X線管10は、X線遮蔽性の高い重金属製のハウジングに収容されている。そのハウジングの一部分は開けられ、そこにX線透過性の高い材料でX線放射窓が埋め込まれている。ハウジングのX線放射窓に対応する部分にはコリメータ11が取り付けられている。X線放射窓から放射するX線は、コリメータ11により所定形状に成形される。なお、説明の便宜上、回転フレーム12の回転中心軸をZ軸と規定して、回転フレーム12の回転とともにZ軸まわりに回転する直交3軸の回転座標系を定義する。X軸は、陰極で発生した電子ビームが衝突するX線管10内陽極ターゲット上のスポット(X線焦点)の中心と、X線検出器23の素子配列中心とを結ぶ線、つまりコリメータ11から放射される円錐又は角錐形のX線ビームの中心線に既定する。
【0010】
シャッタ機構22は、コリメータ11と被検体との間に配置され、実際にはコリメータ11の射出口に取り付けられる。シャッタ機構22は、X線管10により連続的に発生されたX線を、一定の周期で繰り返されるパルスX線に変換する機能を有する。シャッタ機構22は、また、パルスX線の周期を一定に維持したまま、パルス幅(パルス継続時間ともいう)を変化させる機能を有する。以下、シャッタ機構22の構造について詳細に説明する。
【0011】
シャッタ機構22は、図2に示すように、X線遮蔽性の高い鉛に代表される重金属板を剛性の高い鉄等の板で補強した円盤状のシャッタディスク25を備える。シャッタディスク25は、その面がX線の中心軸に対して略垂直になるように配置される。シャッタ機構22は、シャッタディスク25とともに、図示しないが、シャッタディスク回転機構を有する。シャッタディスク回転機構は、シャッタディスク25をその円板中心線を回転軸として回転自在に支持する構造とともに、シャッタディスク25を一定速度で回転駆動する駆動系統を備える。シャッタディスク25の回転軸はX軸と略平行に設けられる。シャッタディスク25の回転速度は、データ収集装置24のデータ収集サイクルに応じた速度に決められている。
【0012】
シャッタディスク25には、少なくとも一つの開口部26が開けられている。開口部26は、円周方向の開口率が半径方向に関して変化する形状を有する。開口率とは、開口部26の数をnとしたとき、円周の長さの1/nに対する一つの開口部26の円周方向の長さの比率を表しており、開口部26が円周方向に長ければ開口率は高くなり、逆に開口部26が円周方向に短ければ開口率は低くなる。開口率の変化に応じて、シャッタ開期間と閉期間との比率が変化する。開口部26の形状の具体例を図3に示している。この例では円周方向に一定周期(90°)で4つの開口部26が形成されている。開口部26の数は4に限定する必要はない。
【0013】
各開口部26は、ディスク25の中心Oから半径r1までの範囲では開口率1.0の開口幅を有する。つまり、この範囲では、4つの開口部26は連結される。各開口部26は、半径r1からr2までの範囲では開口率0.7の開口幅を有し、半径r2からr3までの範囲では開口率0.3の開口幅を有する。このように開口率がディスク26の半径方向に関して段階的に変化するように開口部26が形成されている。段階数は図3の例では“3”であるが、2段階であってもよいし、4段階以上任意の段数に設定されることに制約はない。
【0014】
このような構成によると、ディスク25に対するX線の照射位置がディスク25の中心Oから半径r1までの範囲内に調整されているとき、X線に対するシャッター効果は発揮されず、従来同様に、電荷蓄積期間、信号電荷読出し期間、電荷リセット期間から構成されるデータ収集サイクルの全期間にわたってX線は被検体に照射される。ディスク25に対するX線の照射位置が半径r1から半径r2までの範囲内に調整されているとき、データ収集サイクルの70%の期間に限りX線が被検体に照射される。ディスク25に対するX線の照射位置が半径r2から半径r3までの範囲内に調整されているとき、データ収集サイクルの30%の期間に限りX線が被検体に照射される。つまり、図3の形状を有するディスク25にはその中心から外周に向かってシャッター効果が段階的に高くなるように開口部26が形成されている。
【0015】
図4には、開口部26の形状の他の具体例を示している。この例でも円周方向に一定周期(90°)で4つの開口部26が形成されている。この例でも、開口部26の数は4に限定する必要はない。各開口部26は、ディスク25の中心Oから半径r1までの範囲では開口率1.0の開口幅を有する。つまり、この範囲では、4つの開口部26は連結される。各開口部26は、半径r1からr2までの範囲では開口率が1.0から0.3に至るまで連続的に低下する開口幅を有する。このような構成により、開口部26の開口率は、ディスク26の半径方向に関して連続的に無段階で変化する。つまり、図4の形状を有するディスク25にはその中心から外周に向かってシャッター効果が無段階で高くなるように開口部26が形成されている。
【0016】
図12には、他の構造のシャッタ機構22を示している。このシャッタ機構22は、スタックされる2枚のシャッタディスク25−1,25−2を有する。シャッタディスク25−1,25−2にはそれぞれ開口部26−1,26−2が形成されている。開口部26−1,26−2は、円周方向の開口率が半径方向に関して一定の形状を有する。一方のシャッタディスク25−1に対する他方のシャッタディスク25−2の角度差は可変である。この角度差を変えることにより、開口部26−1,26−2の合成により形成される開口部の開口率が変化する。シャッタ機構22は、一方のシャッタディスク25−1に対する他方のシャッタディスク25−2の角度差を変化させるための機構を装備している。また、シャッタ機構22は、シャッタディスク25−1とシャッタディスク25−2との間の設定された角度差を維持したままで、シャッタディスク25−1とシャッタディスク25−2とを同じ方向に同じ速度で回転するための機構を装備している。
【0017】
シャッタディスク回転機構には、図3の形状のシャッタディスク25と図4の形状のシャッタディスク25とのいずれかが装備される。シャッタディスク回転機構は、シャッタディスク25を着脱する機構を備え、図3の形状のシャッタディスク25と図4の形状のシャッタディスク25とを任意に選択的に装着するようにしてもよい。
【0018】
シャッタシフト機構19は、図3,図4に矢印で示すように、シャッタディスク25をシャッタディスク回転機構とともにその半径方向(Z軸に平行)に前後に移動自在(シフト自在)に支持する構造と、シャッタディスク25とシャッタディスク回転機構のシフトを駆動する駆動系統を備える。X線管10及びコリメータ11はフレーム12に対して固定されているので、シャッタディスク25をシフトすることにより、図5、図6に示すように、シャッタディスク25上に照射するX線スポットの中心位置はシャッタディスク25の半径方向に沿って移動する。この移動により、高電圧発生器21の負荷を軽減させてX線を連続的に発生させながら、被検体への連続的なX線の照射と被検体へのパルスX線の照射とを切り替えることができ、またそのパルスX線のパルス幅を変化させることができる。
【0019】
キャビネット3は、システム全体の動作を制御するシステムコントローラ29、スキャンコントローラ30、データ収集装置24で収集されたX線信号(ディジタルの投影データ)を補正するための前処理ユニット34、投影データを記憶し、また再構成された画像データを記憶するためのデータ記憶装置35、投影データに基づいて画像データを再構成する再構成ユニット36、表示プロセッサ37、ディスプレイ38、マウス及びキーボードを含む入力器39、シャッタシフト機構19によるシャッタディスク25のシフトを制御するためのシャッタシフトコントローラ41、データ収集装置24のデータ収集トリガを発生するためのトリガ発生部42を備えている。トリガ発生部42は、シャッタディスク25が微小角度回転するごとにロータリエンコーダ20から出力されるパルスをカウントし、カウント数が基準値に達したタイミングでトリガを発生する。基準値は、シャッタディスク25の開口部26の周期、例えば90°に相当する数に既定されている。それによりシャッタディスク25の回転に伴う被検体へのパルスX線の照射のタイミングに対してデータ収集サイクルを同期させことができる。
【0020】
次に本実施の形態の動作を説明する。まず、データ収集動作として、上述したようにデータ収集装置24は、トリガ発生器42から一定の周期で繰り返し出力されるトリガに従って、X線検出器23からX線信号を収集するためのデータ収集サイクルを繰り返す。データ収集サイクルには、電荷蓄積期間と電荷読出し期間とリセット期間とが含まれる。電荷蓄積期間内に発生した電荷は各検出素子に対応するキャパシタに蓄積され、電荷読出し期間において電流信号として各検出素子からデータ収集装置24に読み出され、電圧信号に変換され、増幅され、さらにディジタルデータに変換される。キャパシタは次のデータ収集サイクル前にリセット期間においてリセットされる。ここではトリガから次のトリガまでの期間を、ビュー期間と称する。スキャンとは、X線管10が被検体の周囲を1枚の断層画像データの再構成に要する360度又は(180°+ファン角)回転する間に投影データを収集する動作として定義され、連続回転ではスキャンが繰り返し実行される。
【0021】
上述のようにシャッタディスク25の回転により連続X線をパルスX線に変換するようにしたので、パルスX線の周期変動を抑えてその安定化を図ることができる。さらに、シャッタディスク25のシフトにより、連続X線からパルスX線への切り替え、さらにパルス幅変更の高速化を高精度で実現している。このような優位性により、本実施の形態では、スキャンごと、さらにはスキャン期間中にあっても、連続X線からパルスX線への切り替え、さらにパルス幅の変更を可能としている。
【0022】
図7は本実施の形態によるスキャンごとにパルスX線のパルス幅を変更する動作をタイムチャートで示している。なお、以下の説明ではシャッタディスク25は図3の構造を有するものとして説明する。シャッタディスク25の回転速度は、トリガから次のトリガまでのビュー期間の時間長に従って調整される。つまり、シャッタディスク25の開口部26が、トリガ周期と同じ周期で、シャッタディスク25上のX線照射位置に到来するように、シャッタディスク25に形成された開口部26の数をnとすると、シャッタディスク25が角度(360°/n)を回転するのに要する時間が、トリガの周期(ビュー期間)に一致するようにシャッタディスク25の回転速度がロータリーエンコーダ20の出力パルスに基づいてスキャンコントローラ30により制御されている。また、シャッタディスク25の回転によるシャッタ開期間の始期にトリガが同期して立ち上がるように、トリガ発生器42はロータリーエンコーダ20の出力パルスに基づいてトリガパルスを時間的にシフトする。
【0023】
また、全てのスキャンにわたって、高電圧発生器21からX線管10には一定振幅の管電圧が継続的に印加される。また、全てのスキャンにわたって、X線管10に一定振幅の管電流が継続的に流れるように一定振幅でフィラメント過熱電流が継続的に供給される。それにより全てのスキャンにわたって、X線管10から一定の線質且つ一定の線量でX線が連続的に発生される。
【0024】
連続スキャン中のあるスキャン期間#1では、シャッタシフトコントローラ41の制御のもと、シャッタディスク25に対するコリメータ11からのX線の照射位置が例えばシャッタディスク25の半径r1から半径r2までの範囲内に収まるように、シャッタディスク25の位置がシャッタシフト機構19によりに調整されている。それにより、ビュー期間の70%に相当するパルス幅を有するパルスX線が、トリガ周期に等価な周期で被検体に繰り返し照射される。
【0025】
次のスキャン期間#2では、シャッタディスク25に対するコリメータ11からのX線の照射位置がシャッタディスク25の半径r2から半径r3までの範囲内に収まるように、シャッタディスク25の位置がシャッタシフト機構19によりシフトされる。それにより、パルス幅は変化し、ビュー期間の30%に相当するパルス幅を有するパルスX線が、トリガ周期に等価な周期で被検体に繰り返し照射される。
【0026】
スキャンごとのパルス幅の変更は、例えばマルチスライススキャンやヘリカルスキャン等の連続スキャン中に被検体のスキャン位置が変化する方式のスキャンにおいて有効である。被検体のX線減衰量はスキャン部位によって変動する。X線減衰量の低い部位に、X線減衰量の高い部位と同等の線量でX線を照射することは被曝低減の観点からは好ましくない。スキャン部位の移動に応じて、スキャンごとにパルス幅を変化させることで、そのような不要な被曝を回避することができる。
【0027】
操作者が入力器39を介して手動操作により任意タイミングでパルスX線のパルス幅を変化させるようにしてもよいし、事前のスキャン計画時に取得されたスキャノグラムのデータに基づいて複数のスキャン位置に対してそれぞれ好適なパルス幅をシャッタシフトコントローラ41において予め決定し、それに応じてパルスX線のパルス幅を自動的に変化させるようにしてもよい。さらに、連続スキャン中に、1つ又はそれ以上前のスキャンにおいて収集した投影データに基づいてシャッタシフトコントローラ41においてパルス幅を決定し、それに応じてパルスX線のパルス幅をダイナミックに変化させるようにしてもよい。このようにパルス幅の変化方法は任意である。
【0028】
図8には本実施の形態によるスキャン期間中にパルスX線のパルス幅を変更する動作をタイムチャートで示している。スキャン期間内の当初では、シャッタシフトコントローラ41の制御のもと、シャッタディスク25に対するコリメータ11からのX線の照射位置が例えばシャッタディスク25の半径r1から半径r2までの範囲内に収まるように、シャッタディスク25の位置がシャッタシフト機構19によりに調整されている。それにより、ビュー期間の70%に相当するパルス幅を有するパルスX線が、トリガ周期に等価な周期で被検体に繰り返し照射される。
【0029】
同じスキャン期間内のある時点で、シャッタディスク25に対するコリメータ11からのX線の照射位置がシャッタディスク25の半径r2から半径r3までの範囲内に収まるように、シャッタディスク25の位置がシャッタシフト機構19によりシフトされる。それにより、パルス幅は変化し、ビュー期間の30%に相当するパルス幅を有するパルスX線が、トリガ周期に等価な周期で被検体に繰り返し照射される。
【0030】
図7の例と同様に、操作者が入力器39を介して手動操作により任意タイミングでパルスX線のパルス幅を変化させるようにしてもよいし、事前のスキャン計画時に多方向から取得されたスキャノグラムのデータに基づいて複数の角度に対してそれぞれ好適なパルス幅をシャッタシフトコントローラ41において予め決定し、それに応じてパルスX線のパルス幅を自動的に変化させるようにしてもよい。さらに、連続スキャン中に、半回転前、1回転前、又は数回転前の時点で収集した投影データに基づいてシャッタシフトコントローラ41においてパルス幅を決定し、それに応じてパルスX線のパルス幅をダイナミックに変化させるようにしてもよい。このようにパルス幅の変化方法は任意である。
【0031】
スキャン期間中のパルス幅の変更は、例えばシングルスライススキャン、マルチスライススキャン、ヘリカルスキャン等の全てのスキャンにおいて、被曝低減効果を発揮できる。特に、マルチスライススキャン、ヘリカルスキャンにおいて、上記図7の方式と併用することにより、その効果はさらに向上する。
【0032】
上述の説明では、シャッタディスク25の回転によるシャッタ開期間の始期にトリガが同期して立ち上がるように、トリガ発生器42はロータリーエンコーダ20の出力パルスに基づいてトリガパルスを時間的にシフトする。しかし、図9、図10に示すように、シャッタディスク25の回転によるシャッタ開期間の中心に、ビュー期間又は電荷蓄積期間の中心が一致するように、又はシャッタ開期間の始期から、シャッタ開期間に応じた遅れ時間経過後にビュー期間が開始するように、トリガパルスの時間的なシフト量をシャッタディスク25の位置に応じて変化させることようにしてもよい。それによると、シャッタディスク25の回転ぶれ等に起因する被検体へのX線照射期間が電荷蓄積期間から部分的に外れるという事態を効果的に防止することができる。
【0033】
以上のように、本実施の形態によると、シャッタ機構により連続X線をパルスX線に変換することで、不要な被曝を回避することができる。さらにパルス幅の変化を可能としたことで、被曝低減効果を必要に応じて促進させることができる。また、次のような効果も奏することができる。上述したように投影データは電荷蓄積期間内にX線入射に伴って発生した電荷量を反映している。電荷蓄積期間にもX線管10は回転継続しているので、図11(a)に示すように、X線焦点はその回転方向に沿って仮想的に拡大する。X線焦点が拡大すると、空間分解能が劣化することは周知のとおりである。従来では、被曝低減のために管電流制御により連続X線の線量を低下させることで対応していた。そのため空間分解能の劣化は依然として残存するものであった。本実施の形態では、被曝低減効果を、空間分解能の向上とともに実現し得るものである。本実施の形態では、線量一定のもとでパルス幅制御により必要に応じた被曝低減を実現している。従って、図11(b)に示すように、従来と同じ電荷蓄積期間であっても、X線の照射期間は短縮される。そのX線の照射期間短縮に伴って、X線焦点の仮想的な拡大は抑えられ、空間分解能の劣化は抑えられ得る。
【0034】
本実施の形態は、X線管とX線検出器との対が回転フレームに複数搭載されたいわゆる多管球型にも適用可能である。例えば、X線管とX線検出器とが回転フレームに3つずつ搭載された場合、3つのX線管に3つのシャッタ機構22がそれぞれ装備される。相互に散乱線が影響しあうことを避けるために、スキャンコントローラ30は、3つのシャッタ機構22の開期間が重ならないように3つのシャッタ機構22のディスク25の回転位相を制御する(図13参照)。初期的には、開期間は、3つのシャッタ機構22の交互周期よりも短く設定されている。それにより開期間が多少ずれたとしても、3つのシャッタ機構22の開期間が重ならないことが保証されうる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るX線コンピュータトモグラフィ装置の構成を示す図。
【図2】図1のシャッタ機構の配置を示す図。
【図3】図2のシャッタディスクの平面図。
【図4】図2のシャッタディスクのシフトを示す図。
【図5】図2のシャッタディスクの他の構造を示す平面図。
【図6】図5のシャッタディスクのシフトを示す図。
【図7】図1のシャッタシフトコントローラによるスキャンごとのシャッタ開期間の変化を示す図。
【図8】図1のシャッタシフトコントローラによるスキャン期間中のシャッタ開期間の変化を示す図。
【図9】図1のトリガ発生部によるトリガシフト機能を図7と比較して示す示す図。
【図10】図1のトリガ発生部によるトリガシフト機能を図8と比較して示す示す図。
【図11】本実施の形態により被曝低減とともに奏される仮想焦点のサイズダウン効果を示す図。
【図12】図1のシャッタ機構の他の構造を示す平面図。
【図13】多管球型X線CTに装備される複数のシャッタ機構に対する図1のシャッタシフトコントローラの制御を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1…ガントリ、2…寝台、2a…天板、10…X線管、11…コリメータ、12…回転フレーム、18…回転機構、19…シャッタシフト機構、20…ロータリエンコーダ、21…高電圧発生器、22…シャッタ機構、23…多チャンネル型X線検出器、24…データ収集装置、25…シャッタディスク、26…開口部、29…システムコントローラ、30…スキャンコントローラ、34…前処理ユニット、35…データ記憶装置、36…再構成ユニット、37…表示プロセッサ、38…ディスプレイ、39…入力器、41…シャッタシフトコントローラ、42…トリガ発生部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生するX線管と、
被検体を透過したX線を検出するためのX線検出器と、
前記X線検出器からX線信号を繰り返し収集する収集部と、
前記発生されたX線をパルスX線に変換するために前記X線管と前記被検体との間に配置され、シャッタ開期間と閉期間との比率が可変に構成されたシャッタ機構部と、
前記収集したX線信号に基づいて画像データを再構成する再構成部と、
前記シャッタ開期間と閉期間との比率を変化させるために前記シャッタ機構部を制御する制御部とを具備するX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記シャッタ開期間と閉期間との比率をヘリカルスキャン中に動的に変化させるものであることを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記被検体のスキャノグラムデータに基づいて複数のスライス位置に対して個別に前記シャッタ開期間と閉期間との比率を計算することを特徴とする請求項2記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記計算された比率に従って前記シャッタ機構部を制御することを特徴とする請求項3記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項5】
前記シャッタ機構は、前記X線の中心軸に対して略垂直に配置され、円周方向の開口率が半径方向に関して変化するよう形成された少なくとも一つの開口部を有する円盤状のX線遮蔽板を有することを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項6】
前記開口部は、前記開口率が半径方向に関して段階的に変化するよう形成されていることを特徴とする請求項5記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項7】
前記開口部は、前記開口率が半径方向に関して連続的に変化するよう形成されていることを特徴とする請求項5記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項8】
前記シャッタ機構は、前記X線遮蔽板を軸回転する回転機構と、前記X線遮蔽板を前記回転機構とともに前記X線遮蔽板の半径方向に移動する移動機構とを有することを特徴とする請求項5記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記X線遮蔽板を半径方向に移動させて前記比率を変化させるために前記移動機構を制御することを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項10】
前記被検体の体格を入力する入力部をさらに備え、前記制御部は前記入力された被検体の体格に基づいて前記X線遮蔽板を移動させることを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記被検体のスキャノグラムデータに基づいて前記移動機構を制御することを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項12】
前記制御部は、半回転又はその整数倍の角度回転前のX線信号に基づいて前記X線遮蔽板を移動させることを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項13】
前記X線遮蔽板の回転を検出するための検出部と、前記検出部の出力に基づいて前記X線信号の収集を促すためのトリガを発生するトリガ発生部とをさらに備えることを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項14】
前記トリガ発生部は、前記X線のパルス幅が少なくとも前記周期の中に入るようにトリガを発生することを特徴とする請求項13記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項15】
前記シャッタ機構は、スタックされる少なくとも一つの開口部を有する角度差可変の円盤状の複数のX線遮蔽板と、前記複数のX線遮蔽板を回転する回転機構とを有することを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項16】
X線を発生するX線管と、
被検体を透過したX線を検出するためのX線検出器と、
前記X線検出器からX線信号を繰り返し収集する収集部と、
シャッタ開期間と閉期間との比率をヘリカルスキャン中に動的に変化させるために前記X線管と前記被検体との間に配置されるシャッタ機構部と、
前記収集したX線信号に基づいて画像データを再構成する再構成部とを具備するX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項1】
X線を発生するX線管と、
被検体を透過したX線を検出するためのX線検出器と、
前記X線検出器からX線信号を繰り返し収集する収集部と、
前記発生されたX線をパルスX線に変換するために前記X線管と前記被検体との間に配置され、シャッタ開期間と閉期間との比率が可変に構成されたシャッタ機構部と、
前記収集したX線信号に基づいて画像データを再構成する再構成部と、
前記シャッタ開期間と閉期間との比率を変化させるために前記シャッタ機構部を制御する制御部とを具備するX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記シャッタ開期間と閉期間との比率をヘリカルスキャン中に動的に変化させるものであることを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記被検体のスキャノグラムデータに基づいて複数のスライス位置に対して個別に前記シャッタ開期間と閉期間との比率を計算することを特徴とする請求項2記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記計算された比率に従って前記シャッタ機構部を制御することを特徴とする請求項3記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項5】
前記シャッタ機構は、前記X線の中心軸に対して略垂直に配置され、円周方向の開口率が半径方向に関して変化するよう形成された少なくとも一つの開口部を有する円盤状のX線遮蔽板を有することを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項6】
前記開口部は、前記開口率が半径方向に関して段階的に変化するよう形成されていることを特徴とする請求項5記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項7】
前記開口部は、前記開口率が半径方向に関して連続的に変化するよう形成されていることを特徴とする請求項5記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項8】
前記シャッタ機構は、前記X線遮蔽板を軸回転する回転機構と、前記X線遮蔽板を前記回転機構とともに前記X線遮蔽板の半径方向に移動する移動機構とを有することを特徴とする請求項5記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記X線遮蔽板を半径方向に移動させて前記比率を変化させるために前記移動機構を制御することを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項10】
前記被検体の体格を入力する入力部をさらに備え、前記制御部は前記入力された被検体の体格に基づいて前記X線遮蔽板を移動させることを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記被検体のスキャノグラムデータに基づいて前記移動機構を制御することを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項12】
前記制御部は、半回転又はその整数倍の角度回転前のX線信号に基づいて前記X線遮蔽板を移動させることを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項13】
前記X線遮蔽板の回転を検出するための検出部と、前記検出部の出力に基づいて前記X線信号の収集を促すためのトリガを発生するトリガ発生部とをさらに備えることを特徴とする請求項8記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項14】
前記トリガ発生部は、前記X線のパルス幅が少なくとも前記周期の中に入るようにトリガを発生することを特徴とする請求項13記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項15】
前記シャッタ機構は、スタックされる少なくとも一つの開口部を有する角度差可変の円盤状の複数のX線遮蔽板と、前記複数のX線遮蔽板を回転する回転機構とを有することを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータトモグラフィ装置。
【請求項16】
X線を発生するX線管と、
被検体を透過したX線を検出するためのX線検出器と、
前記X線検出器からX線信号を繰り返し収集する収集部と、
シャッタ開期間と閉期間との比率をヘリカルスキャン中に動的に変化させるために前記X線管と前記被検体との間に配置されるシャッタ機構部と、
前記収集したX線信号に基づいて画像データを再構成する再構成部とを具備するX線コンピュータトモグラフィ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−20675(P2006−20675A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198871(P2004−198871)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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