説明

X線画像診断装置

【課題】 オートポジショニング機能の高機能化を図ること。
【解決手段】 被検体を間にしてX線管2とX線検出器3とを対向するように保持するアーム1を備え、このアームが前記被検体の体軸周りに回転可能であるとともに、前記被検体の体軸方向に沿って傾動可能なX線画像診断装置において、任意に操作された前記アームの動作軌跡を記録するメモリ8dと、このメモリに記録されている前記アームの動作軌跡を復元するシステム制御器10を具備した。
これにより、術者が予めアームを移動させた軌跡を再現する形でアームを位置決めしてX線撮影を可能にするので、アームの動きに無駄がなく、スピーディにポジショニンクを達成させることがきる。よって、被検体への負担を軽減し診断のスループットを向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線画像診断装置に係り、特にX線画像診断装置が備えているオートポジショニング機能に関する。
【背景技術】
【0002】
X線画像診断装置は、X線管からのX線を例えばイメージインテンシファイアおよびテレビカメラから成るX線検出器で検出してX線画像を得、これをモニタに表示して観察できるようになっている。この場合被検体は寝台に載せられており、この寝台を挟むようにX線管とX線検出器とが、C字型に形成された保持装置(通常、Cアームと称される。)の両端に保持される。そして、このCアームの角度を3次元的に変えることによって、被検体に対するX線の照射角度を変え、検査対象となっている部位が見易くなるようにしてX線撮影が行われる。
【0003】
ところで、X線画像診断装置による被検体のルーチン検査では、被検体をどの方向から観察すべきか(すなわち、どの方向のX線画像を撮影すべきか)が、複数の観察方向として予め定まっている。例えば、心臓疾患が疑われる被検体に対するルーチン検査としては、左冠状動脈、右冠状動脈および左心室に対して造影剤を注入してX線撮影を行う。そして、それぞれの部位を撮影するに当って、各部位の形状などから、最も効果的に観察できる方向も凡そ定められている。従って、ルーチン検査では、これらの最適な観察方向(すなわち、撮影方向)を再現するために、その都度、Cアームを駆動してX線管とX線検出器との被検体に対する位置(ポジション)を決める操作(以下、この操作をポジショニングと称する。)が必要となる。
【0004】
このような被検体に対するX線管とX線検出器のポジショニングを容易にするために、X線画像診断装置にはオートポジショニング機能が備えられている。このオートポジショニング機能は、被検体に対するX線管とX線検出器とのとるべきポジションに関するデータ(以下、ポジショニング情報と称する。)を、一般にCアームの被検体の体軸周りに対する回転角度と体軸方向に沿った傾き角度、およびX線検出器の位置(X線管の焦点からX線検出器の入射面までの距離)で表わしている。すなわち、例えば番号と登録ポジションとを対応付けて予めX線画像診断装置内に登録しておき、番号を入力するだけで、登録したポジションを呼び出してそのポジションへX線管とX線検出器とを移動させるという仕組みである。
【0005】
そして、X線画像診断装置はルーチン検査のみではなく、一般の診断用としても使用される。さらに多くの医師や技師などの術者によって使用され、術者によっても最適と考える撮影方向が微妙に異なっていることがある。そのため、登録ポジションの数が多大となり、複数の観察方向に対応する登録番号を各術者が覚えていられないという問題が生じ、術者が多くなるほど煩雑になって混乱を招くことになるので、所望のX線撮影方向を再現させるオートポジショニング機能として、登録したポジショニング情報を一覧表示し、その中から各術者が所望とする撮影方向を選択することにより、ワンタッチでポジショニングを可能とするものも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−289885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、術者が所望とする撮影方向を選択した場合のオートポジショニング機能の動作は、先ずCアームを現在位置から基準位置へ一旦戻し、その後選択された所望の位置へと移動させることになる。そのため、例えば、現在位置と目標位置とが回転角度で+10度しか違っていなかったとしても、一旦基準位置へ戻しそれから現在位置+10度の位置へと進める動作となる。従って、術者が新たなポジションを設定してスタート操作をしたときに、術者はCアームが+10度進むものと思っていたにも拘わらず、基準位置へ戻るため、術者の想定した方向とは逆の方向へCアームが動き始めて驚かされることもしばしばあった。
【0007】
また、基準位置へ戻る動作が入るために、目標位置へ到達するまでの時間が遅くなるので、被検体への負担が多くなり診断のスループットを低下させることにもなっていた。さらに、目標位置への動作軌跡上に干渉物があるような場合には、それを回避するための減速動作に時間がかかり、このことも目標位置へ到達するまでの時間を遅らせる要因となっていた。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、被検体に照射するX線を発生するX線管と、このX線管を保持する保持手段と、この保持手段の動作軌跡を記録する記憶手段と、この記憶手段に記憶された動作軌跡に基づいて、前記保持手段を移動させる移動制御手段とを備えたことを特徴とするX線画像診断装置である。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のX線画像診断装置において、前記保持手段の動作軌跡の記憶を操作者が任意に指示する指示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のX線画像診断装置において、前記記憶手段は、前記保持手段の複数位置への動作軌跡を記憶し、前記移動制御手段は、前記保持手段を前記複数の位置への動作軌跡を記憶されている順に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上記課題を解決するための手段の項にも示したとおり、本発明の特許請求の範囲に記載する各請求項の発明によれば、次のような効果を奏する。
【0013】
請求項1および請求項2に記載の発明によれば、オートポジショニング機能の高機能化が達成できる。すなわち、術者が予めアームを移動させた軌跡を再現する形でアームを位置決めしてX線撮影を可能にするので、アームの動きに無駄がなく、スピーディにポジショニンクを達成させることがきる。よって、被検体への負担を軽減し診断のスループットを向上させることができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、複数位置に対してもアームを術者の思い通りに移動させその移動軌跡を記録し、その後その移動軌跡を復元することによって、アームを複数位置に順次移動させることにより、アームに無駄のない動きを与えるので、X線管やX線検出器の目標位置へ到達するまでの時間を短縮することができる。よって、被検体への負担を軽減し診断のスループットを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るX線画像診断装置の実施の形態について、図1ないし図5を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明に係るX線画像診断装置の、一実施の形態の概略的な構成を示した系統図である。
【0017】
このX線画像診断装置には、例えばC字型に形成されたアーム1が設けられており、その両端部に、X線管2とX線検出器3とが対向するように保持されている。そしてX線管2とX線検出器3の間に被検体を位置させるように、被検体を寝載するための寝台天板4aを有する寝台4が配置される。またアーム1は、支持器5に支持されており、その支持軸(図示せず)を中心として寝台天板4aの周りを回転可能であり、さらにアーム1は図示しないスライド機構によって湾曲方向に沿って傾斜可能となっている。さらに、X線検出器3はX線管2の方向に対して進退可能となっている。
【0018】
なお、X線検出器3は、例えばガラス基板上に形成されるスイッチング素子や容量を、X線を電荷などに変換する光導電膜などで覆うようにした半導体アレイで形成されるフラットパネル型放射線検出器(Flat Panel Detector:FPD)或いは、X線像をイメージインテンシファイア(Image Intensifier:以下、I.I.と略称する。)により可視光像に変換し、I.I.の出力蛍光面に形成された可視光像の透過量を制御する光学系を介して前記可視光像をテレビカメラで撮影する形式のものなどである。
【0019】
X線管2には、X線管2から所望のX線を発生させるために管電圧、管電流、X線パルス幅などの出力条件を制御するX線発生装置6が接続されている。またX線検出器3は、その出力信号や制御信号の授受をX線検出器インターフェース7との間で行なうようにされている。そして、X線検出器インターフェース7は画像処理装置8に入力インターフェース8aを介して画像信号を供出し、画像処理装置8はモニタ9に接続されている。
【0020】
上記のような寝台4、支持器5、X線発生装置6、X線制御器インターフェース7、画像処理装置8などの各コンポーネントは、CPUを含むシステム制御部10によって有機的に制御されて、被検体に対して所望の位置でのX線撮影を実行したりX線撮影によって取得したX線画像をモニタ9に表示したりする。そのため、システム制御部10には術者が適宜設定値や指示内容などを入力するためのキーボードやマウス、ジョイスティックなどを備えた操作部11が接続されている。なお、寝台4にも操作部を設けて、寝台天板4aの上下動や水平動などを操作するとともに、システム制御部10を介して支持器5の動作を制御できるようにしてもよい。
【0021】
なお、画像処理装置8には、システム制御器10との間で制御信号の授受を行なうX線/支持器制御インターフェース8b、画像信号を加算したりサブトラクション処理を施したりする演算部8c、生の画像データや処理後の画像データおよびポジショニング情報などを保存するメモリ8dやハードディスク装置8e、画像データをビデオ信号に変換するビデオ部8fなどを有し、これらはバスライン8gを介して相互に接続されている。
【0022】
また、ポジショニング情報は、被検体のX線透過像を得るための撮影方向や被検体に対してX線管2とX線検出器3とのとるべきポジションを示しており、一般にアーム1の、被検体の体軸周りに対する回転角度と体軸方向に沿ったアーム1の傾き角度、さらにX線検出器3の位置で表される。例えば、代表的な4つの撮影方向として、LAO(Left Anterior Oblique view:第2斜位)、CAU(Caudal view:頭尾方向)、RAO(Right Anterior Oblique view:第1斜位)、CRA (Cranial view:尾頭方向)があり、X線検出器3の位置はX線管2の焦点からX線検出器3の入射面までの距離SID(Source image distance)で表される。
【0023】
ただしこれらに限定されるものではなく、アーム1に対する寝台天板4aの位置や寝台4の高さなども必要な情報となる。さらに、例えば支持器5が床に据置く型のものではなく、天井走行型の場合には、天井横手動、天井長手動なども位置情報として必要な情報となる。
【0024】
次に、このように構成された本発明に係るX線画像診断装置の実施例1の動作を、図2および図3を参照して説明する。
【0025】
図2は、術者によってアーム1を現在位置から所望とするポジションへ移動させる際の、その移動軌跡の記録方法を示したフローチャートであり、先ずこの動作について説明する。
【0026】
すなわち、ステップ1として、術者は操作部11から、現在位置から移動させるアーム1の移動経路の記録を開始する旨のトリガー信号を入力する。このトリガー信号はシステム制御部10へ伝達され、現在位置のデータとして、例えばRAO、CRA、SIDなどをメモリ8dに記録する。次にステップ2として、操作部11のジョイスティックなどによって、術者がアーム1を所望とするポジションへ移動させることにより、その軌跡が順次メモリ8dに記録される。
【0027】
この場合、アーム1の動きは術者の望む位置として、LAO/RAO方向だけの動きであったり、CAU/CRA方向だけの動きであったり、或いは両者の組み合わされた方向であったりすることになるが、いずれにしても術者の操作したアーム1の軌跡を忠実に記録することになる。そして、アーム1が術者の望む位置に達したら、ステップ3として、術者は操作部11から、記録を終了する旨のトリガー信号を入力する。これにより、一連の動きが終了する。
【0028】
なお、アーム1が到達した所望位置で、その後X線管2からX線を曝射して、被検体の所望の観察部位をX線透視像として観察したり、X線撮影を実施したりすることができることは言うまでもない。また、具体的にアームの動作軌跡を記録する方法としては、記録開始のトリガー信号が入力された後、記録終了のトリガー信号が入力されるまでの間のアームを回転させるモータの回転運動のログを記録しておく、あるいは記録開始のトリガー信号が入力された後、記録終了のトリガー信号が入力されるまでにアームが動いた位置をポテンショメータ等で記録しておく、などがある。
【0029】
次に、上記のようにして記録されたアーム1の動きを復元する場合の手順を、図3に示したフローチャートを参照して説明する。
【0030】
すなわち、ステップ11として、術者は操作部11から、メモリ8dに記録されているアーム1の移動経路の復元を開始する旨のトリガー信号を入力する。よって、このトリガー信号はシステム制御部10へ伝達され、移動経路の復元指示であることが認識されると、ステップ12として、メモリ8dに記録されているアーム1の軌跡が順次読み出される。そして、メモリ8dから読み出されたその情報は、システム制御部10を介して支持器5へ伝達され、その情報に従ってアーム1が駆動される。そして、アーム1がLAO/RAO、CAU/CRAの所定の位置に達し、さらにSIDなども含めて全ての位置が指定された位置に達したことが確認されると、ステップ13として復元が完了したと判断されて、メモリ8dからの情報の読み出しを停止する。よって、この位置でX線透視像を観察したり、X線撮影を実施したりすることになる。そして、X線撮影などを終了すれば、術者は操作部11から復元完了信号を入力して、復元動作を完了させる(ステップ13)。
【0031】
このように、本発明によれば、術者が予めアーム1を移動させた軌跡を忠実に再現する形でアーム1を位置決めするので、アーム1の動きに無駄がなく、スピーディにポジショニンクを達成させることがきる。
【実施例2】
【0032】
次に、本発明の実施例2について説明する。
【0033】
例えば、ルーチン検査では、被検体の観察部位に応じて複数の観察方向が予めほぼ定まっているので、アーム1を先ずA位置に置いてX線画像を撮影し、次にアーム1をB位置に移動させてX線画像を撮影し、さらにアーム1をC位置に移動させてX線画像を撮影するように、幾つかのポジションを連続的に順次移動させるような場合の動作形態を、図4および図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0034】
アーム1の動作軌跡の記録方法が図4に示されている。すなわち、ステップ21として、術者が操作部11から、アーム1の移動経路の記録を開始する旨のトリガー信号を入力する。このトリガー信号はシステム制御部10へ伝達され、現在位置のデータとして、例えばRAO、CRA、SIDなどをメモリ8dに記録する。次にステップ22として、操作部11のジョイスティックなどによって、アーム1を所望とするAポジションへ移動させる。これにより、その軌跡が順次メモリ8dに記録される。そして、ステップ23として、A位置を所定の停止位置であることをメモリ8dに記録する。ここで必要があれば、術者はA位置において、X線管2からX線を曝射して、被検体の所望の観察部位をX線透視像として観察したり、X線撮影を実施したりしてもよい。
【0035】
A位置がアーム1の停止位置として記録されたら、次に術者は、ステップ24として、操作部11のジョイスティックなどを操作して、A位置からB位置へアーム1を移動させる。このときも、術者が所望とするBポジションへ移動させたアーム1の軌跡が順次メモリ8dに記録される。ただし、現在位置はA位置として分かっているので、現在位置のデータを改めて取得する必要はない。そして、B位置に達したら、ステップ25として、B位置を所定の停止位置であることをメモリ8dに記録する。なお術者は、ここでもX線管2からX線を曝射して、被検体の所望の観察部位をX線透視像として観察したり、X線撮影を実施したりしてもよい。
【0036】
さらに、B位置がアーム1の停止位置として記録されたら、次に、ステップ26として、術者は操作部11のジョイスティックなどによって、B位置からC位置へアーム1を移動させる。このときも、術者が移動させたアーム1のCポジションへの移動軌跡が順次メモリ8dに記録される、ただし、現在位置はB位置として分かっているので、現在位置のデータを改めて取得する必要はない。そして、C位置に達したら、ステップ27として、C位置を所定の停止位置であることをメモリ8dに記録する。なお術者は、ここでもX線管2からX線を曝射して、被検体の所望の観察部位をX線透視像として観察したり、X線撮影を実施したりしてもよい。
【0037】
そして、C位置がアーム1の停止位置として記録されたら、ステップ28として、術者は操作部11から、アーム1の移動軌跡の記録を終了する旨のトリガー信号を入力する。これにより、一連の動きが終了する。
【0038】
このように記録されたアーム1の動きを復元する場合の手順が、図5に示されているので、次に復元手順について説明する。
【0039】
先ずステップ31として、術者は操作部11から、記録されているアーム1の移動経路の復元を開始する旨のトリガー信号を入力する。よって、このトリガー信号はシステム制御部10へ伝達され、移動経路の復元指示であることが認識されると、メモリ8dに記録されているアーム1の移動軌跡が順次読み出され、メモリ8dから読み出されたその情報は、システム制御部10を介して支持器5へ伝達され、その情報に従ってアーム1を駆動することになる。すなわち、ステップ32として、アーム1を指定されたAポジションへ移動させ、A位置に達したらアーム1を停止させる。ここで術者は、X線管2からX線を曝射して、被検体の所望の観察部位をX線透視像として観察したり、X線撮影を実施したりする(ステップ33)。
【0040】
A位置でのX線透視像の観察やX線撮影を終了すると術者は、操作部11から撮影終了信号を入力する(ステップ34)。これを受けてステップ35として、メモリ8dからアーム1の次の移動軌跡を示すデータが読み出され、支持器5へ伝達される。よってアーム1がA位置からB位置へ移動させられる。そして、B位置に達したらアーム1を停止させる。ここで術者は、X線管2からX線を曝射して、被検体の所望の観察部位をX線透視像として観察したり、X線撮影を実施したりする(ステップ36)。
【0041】
B位置でのX線透視像の観察やX線撮影を終了すると術者は、操作部11から撮影終了信号を入力する(ステップ37)。これを受けてステップ38として、メモリ8dからアーム1の次の移動軌跡を示すデータが読み出され、支持器5へ伝達される。よってアーム1がB位置からC位置へ移動させられる。そして、C位置に達したらアーム1を停止させる。ここで術者は、X線管2からX線を曝射して、被検体の所望の観察部位をX線透視像として観察したり、X線撮影を実施したりする(ステップ39)。
【0042】
C位置でのX線透視像の観察やX線撮影を終了すると術者は、操作部11から復元完了信号を入力する(ステップ40)。よって、メモリ8dからの情報の読み出しが停止され、これにより、一連の動作が終了する。
【0043】
以上詳述したように本発明によれば、オートポジショニング機能の高機能化が達成できる。すなわち、術者の思い通りにアーム1を移動させその移動軌跡を記録し、その後その移動軌跡を復元することによって、アーム1に無駄のない動きを与えるので、X線管やX線検出器の目標位置へ到達するまでの時間を短縮することができる。よって、被検体への負担を軽減し診断のスループットを向上させることができる。
【0044】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されることなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々の形態での実施が可能である。例えば、X線管2とX線検出器3とを保持する保持手段として、Cアームを例として記載したが、これ以外のオメガアームなどの保持手段を用いてもよい。また、アーム1を所望のポジションへ移動させる手段として、操作部11のジョイスティックを用いるものとして説明したが、数値を入力することにより、アーム1の動作軌跡を定めてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係るX線画像診断装置の一実施形態の概略構成を示した系統図である。(実施例1、実施例2)
【図2】実施例1におけるアームの移動軌跡の記録方法を説明するために示したフローチャートである。(実施例1)
【図3】実施例1における記録されたアームの移動軌跡の復元方法を説明するために示したフローチャートである。(実施例1)
【図4】実施例2におけるアームの移動軌跡の記録方法を説明するために示したフローチャートである。(実施例2)
【図5】実施例2における記録されたアームの移動軌跡の復元方法を説明するために示したフローチャートである。(実施例2)
【符号の説明】
【0046】
1 アーム
2 X線管
3 X線検出器
4 寝台
4a 寝台天板
5 支持器
6 X線発生装置
7 X線制御器インターフェース
8 画像処理装置
8a 入力インターフェース
8b X線/支持器制御インターフェース
8c 演算部
8d メモリ
8e ハードディスク装置
8f ビデオ部
8g バスライン
9 モニタ
10 システム制御部
11 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に照射するX線を発生するX線管と、
このX線管を保持する保持手段と、
この保持手段の動作軌跡を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された動作軌跡に基づいて、前記保持手段を移動させる移動制御手段と
を備えたことを特徴とするX線画像診断装置。
【請求項2】
前記保持手段の動作軌跡の記憶を操作者が任意に指示する指示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のX線画像診断装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記保持手段の複数位置への動作軌跡を記憶し、前記移動制御手段は、前記保持手段を前記複数の位置への動作軌跡を記憶されている順に移動させることを特徴とする請求項1記載のX線画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−25893(P2006−25893A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205426(P2004−205426)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】