説明

X線画像診断装置

【課題】X線画像診断装置において、オートポジショニング機能を使いながら、効果的に効率よく被検体Pの検査及び治療を実施すること。
【解決手段】X線画像診断装置は、Cアームの所要の位置座標を登録する登録部61と、登録された位置座標までのCアームのスライド軌道を床面に投影した軌道面を算出する軌道面演算部65と、軌道面に一致する提示面を算出する提示面演算部66と、提示面を照射するようにレーザ光源33に指示する照射制御部67と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井走行式Cアーム又は床走行式Cアームを備えたX線画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
循環器X線診断システムとしてのX線画像診断装置は、カテーテルを用いた治療(IVR:interventional radiology)をサポートする装置として利用されている。冠状動脈の狭窄性疾患に対するカテーテルを用いた治療(PCI:percutaneous coronary intervention)や検査では、下肢動脈の狭窄性疾患を併発している場合があるため、一連の冠状動脈造影や治療の後に、下肢動脈の造影確認が行なわれる場合がある。
【0003】
さらに、外科手術室に天井走行式のCアームを備えたX線画像診断装置を設置することで、血管外科医と循環器内科医が協働して循環器疾患の治療が行なえる環境も実現している。これにより、患者を外科手術室とカテーテル検査室との間で移動させる必要がなくなり、よりスピーディな治療を可能にしている。このようなシステムはHybrid ORシステムと呼ばれている。
【0004】
医者が治療を行ないながらX線撮影を行なうために使用して好適で、治療内容に応じて作業し易い高さに患者を配置させることができる技術が開示されている。
【0005】
Hybrid ORシステムでは、外科医による施術中は、循環器X線診断システムの天井走行式Cアームを、施術の邪魔にならない位置座標及び鉛直回転角度にセットしている。一方、循環器内科医による施術に際し、天井走行式Cアームを、当該位置座標及び鉛直回転角度から、被検体Pの撮影を直ちに開始可能とする位置座標及び鉛直軸回転角度に移動させる必要がある。天井走行式Cアームを移動させる場合、制御すべき機構の移動軸が多いため、手動操作を行なうことは容易ではない。そこで、番号入力等の簡単な操作によって予め登録されている施術の邪魔にならない位置座標及び鉛直回転角度と、被検体Pの撮影を直ちに開始可能とする位置座標及び鉛直軸回転角度とに自動で行なえるオートポジショニング機能が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−160263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、オートポジショニング機能によると、外科手術室内に存在する機器や医療スタッフとの衝突を避けるため、天井走行式Cアームの周囲を確認しながら、少しずつ天井走行式Cアームの移動操作を行なうことになり、手間と時間がかかっていた。また、システムに不慣れな医療スタッフが移動操作を行なう場合、天井走行式Cアームが次にどちらの方向に動くのか的確に把握できないので、オペレータの意図しない方向へ天井走行式Cアームが動いてしまい、室内の機器等への衝突の可能性も生じ易かった。
【0008】
このような危険を回避するため、時間はかかるものの、あえてオートポジショニング機能を使わずに、オペレータの意図した方向に天井走行式Cアームを移動できる手動操作を行なう場合もあり、オペレータの作業負担が大きかった。
【0009】
Hybrid ORシステムに限らず、循環器X線診断システムにおいても、例えばバイプレーンシステムのLateral側への移動等、検査や治療の状況に応じて、天井走行式Cアームや床走行式Cアームの移動が必要な場合に、同様な問題が発生し得る。
【0010】
本発明は、上述のような事情を考慮してなされたもので、効果的に効率よく被検体Pの検査及び治療を実施できるX線画像診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るX線画像診断装置は、上述した課題を解決するために、X線を照射するX線照射手段と、前記X線を受像する受像手段と、前記X線照射手段及び前記受像手段を対向するように支持し、室内を水平方向にスライド可能な支持手段と、前記支持手段の所要の位置座標を登録する登録手段と、前記登録された位置座標までの前記支持手段のスライド軌道を算出する演算手段と、前記スライドによって前記支持手段が前記登録された位置座標に至るまで、前記スライド軌道を提示する提示手段と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るX線画像診断装置によると、効果的に効率よく被検体Pの検査及び治療を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態のX線画像診断装置のハードウェア構成を示す概略図。
【図2】本実施形態のX線画像診断装置における保持装置の外観構成を示す斜視図。
【図3】本実施形態のX線画像診断装置の機能を示すブロック図。
【図4】(a)乃至(e)は、動作指示受付時のCアームが、登録された位置座標までスライドされ、登録された鉛直軸回転角度まで鉛直軸回転される過程を模式的に示す上面図。
【図5】(a),(b)は、図4に示すCアームのスライド及び鉛直軸回転の組み合わせ動作と、照射制御部によって算出される軌道面に対する照射方法との関係を示すタイムチャート。
【図6】(a)乃至(e)は、図5(a)に示す第1タイムチャートを用いる場合の提示面の推移を示す模式的な上面図。
【図7】(a)乃至(e)は、図6に示す提示面の推移の変形例を模式的に示す上面図。
【図8】(a)乃至(e)は、図6に示す提示面の推移の変形例を模式的に示す上面図。
【図9】図6に示す提示面の推移の変形例を模式的に示す上面図。
【図10】(a)乃至(e)は、図5(b)に示す第2タイムチャートを用いる場合の提示面の推移を示す模式的な上面図。
【図11】(a)乃至(e)は、図10に示す提示面の推移の変形例を示す模式的な上面図。
【図12】(a)乃至(e)は、図10に示す提示面の推移の変形例を示す模式的な上面図。
【図13】本実施形態のX線画像診断装置の動作を示すフローチャート。
【図14】(a)乃至(e)は、提示面を含む表示画面の例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るX線画像診断装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施形態のX線画像診断装置のハードウェア構成を示す概略図である。図2は、本実施形態のX線画像診断装置における保持装置の外観構成を示す斜視図である。
【0016】
図1及び図2は、本実施形態の天井走行式Cアームを備えるX線画像診断装置10を示す。X線画像診断装置10は、大きくは、保持装置11及びDF(digital fluorography)装置12から構成される。保持装置11及びDF装置12は、一般的には、外科手術室(検査・治療室)に設置される。なお、本発明に係るX線画像診断装置は、天井走行式Cアームを備えるX線画像診断装置10に限定されるものではなく、床走行式Cアームを備えるX線画像診断装置であってもよい。
【0017】
保持装置11は、スライド機構21、鉛直軸回転機構23、懸垂アーム24、Cアーム回転機構25、Cアーム26、X線照射装置27、受像装置28、寝台29、コントローラ30、高電圧供給装置31、駆動制御部32、及びレーザ光源33を設ける。
【0018】
スライド機構21は、Z軸方向レール211、X軸方向レール212、及び台車213を設ける。スライド機構21は、駆動制御部32を介したコントローラ30による制御によって、鉛直軸回転機構23、懸垂アーム24、Cアーム回転機構25、Cアーム26、X線照射装置27、及び受像装置28を一体として水平方向にスライドさせる。
【0019】
Z軸方向レール211は、Z軸方向(天板29の長軸方向)に延設され、天井に支持される。
【0020】
X軸方向レール212は、X軸方向(天板29の短軸方向)に延設され、その両端のローラ(図示しない)を介してZ軸方向レール211に支持される。X軸方向レール212は、駆動制御部32を介したコントローラ30による制御によって、Z軸方向レール211上をZ軸方向に移動される。
【0021】
台車213は、ローラ(図示しない)を介してX軸方向レール212に支持される。台車213は、駆動制御部32を介したコントローラ30による制御によって、X軸方向レール212上をX軸方向に移動される。
【0022】
台車213を支持するX軸方向レール212がZ軸方向レール211上をZ軸方向に移動可能であり、台車213がX軸方向レール212上をX軸方向に移動可能であるので、台車213は、検査室内を、水平方向(X軸方向及びZ軸方向)に移動可能である。
【0023】
鉛直軸回転機構23は、台車213に回転可能に支持される。鉛直軸回転機構23は、駆動制御部32を介したコントローラ30による制御によって、懸垂アーム24、Cアーム回転機構25、Cアーム26、X線照射装置27、及び受像装置28を一体として鉛直軸回転方向T1(図2に図示)に回転させる。
【0024】
懸垂アーム24は、鉛直軸回転機構23によって支持される。
【0025】
Cアーム回転機構25は、懸垂アーム24に回転可能に支持される。Cアーム回転機構25は、駆動制御部32を介したコントローラ30による制御によって、Cアーム26、X線照射装置27、及び受像装置28を一体として懸垂アーム24に対する回転方向T2(図2に図示)に回転させる。
【0026】
Cアーム26は、Cアーム回転機構25によって支持され、X線照射装置27と受像装置28とを、被検体Pを中心に対向配置させる。Cアーム26の背面又は側面にはレール(図示しない)が設けられ、Cアーム回転機構25とCアーム26とによって挟み込まれる当該レールを介してCアーム26は、駆動制御部32を介したコントローラ30による制御によって、X線照射装置27、及び受像装置28を一体としてCアーム26の円弧方向T3(図2に図示)に円弧動させる。
【0027】
X線照射装置27は、Cアーム26の一端に設けられる。X線照射装置27は、駆動制御部32を介したコントローラ30による制御によって、前後動が可能なように設けられる。X線照射装置27は、高電圧供給装置31から高電圧電力の供給を受けて、高電圧電力の条件に応じて被検体Pの所定部位に向かってX線を照射する。X線照射装置27は、X線の出射側に、複数枚の鉛羽で構成されるX線照射野絞りや、シリコンゴム等で形成されハレーションを防止するために所定量の照射X線を減衰させる補償フィルタ等を設ける。
【0028】
受像装置28は、Cアーム26の他端であってX線照射装置27の出射側に設けられる。受像装置28は、駆動制御部32を介したコントローラ30による制御によって、前後動が可能なように設けられる。受像装置28は、受像装置28は、I.I.(image intensifier)−TV系であり、大きくは、I.I.28a、TVカメラ28b及びA/D(analog to degital)変換回路28cを備える。I.I.28aは、被検体Pを透過したX線及び直接入射されるX線を可視光に変換し、さらに、光−電子−光変換の過程で輝度の倍増を行なって感度のよい投影データを形成させる。TVカメラ28bは、CCD(charge coupled device)撮像素子を用いて光学的な投影データを電気信号に変換する。A/D変換回路28cは、TVカメラ28bから出力された時系列的なアナログ信号(ビデオ信号)をデジタル信号に変換する。
【0029】
なお、受像装置28は、平面検出器(FPD:flat panel detector)を含むものであってもよい。受像装置28が平面検出器を含む場合、受像装置28は、2D状に配列された検出素子によりX線を検出して電気信号に変換する。
【0030】
寝台29は、床面に支持され、天板(カテーテルテーブル)29aを支持する。寝台29は、駆動制御部32を介したコントローラ30による制御によって、天板29aを水平(X、Z軸方向)動、上下(Y軸方向)動及びローリングさせる。天板29aは、被検体Pを載置可能である。なお、保持装置11は、X線照射装置27が天板29aの下方に位置するアンダーチューブタイプである場合を説明するが、X線照射装置27が天板29aの上方に位置するオーバーチューブタイプである場合であってもよい。
【0031】
コントローラ30は、図示しないCPU(central processing unit)及びメモリを含んでいる。コントローラ30は、高電圧供給装置31、駆動制御部32、及びレーザ光源33,33´等の動作を制御する。
【0032】
高電圧供給装置31は、コントローラ30の制御に従って、X線照射装置27に高電圧電力を供給可能である。
【0033】
駆動制御部32は、コントローラ30の制御に従って、スライド機構21、鉛直軸回転機構23、Cアーム回転機構25、Cアーム26、X線照射装置27、受像装置28、及び寝台29の天板29aをそれぞれ駆動可能である。
【0034】
レーザ光源33は、スライド機構21による台車213のスライドに伴うCアーム26のスライド軌道と、鉛直軸回転機構23の鉛直軸回転に伴うCアーム26の鉛直軸回転軌道とを提示するものである。レーザ光源33は、例えば、Cアーム26の下端(アンダーチューブタイプである場合はX線照射装置27側の下端)であって、Cアーム26を上方から見た場合におけるCアーム26の長軸A(図6(a)に図示)上に備えられる。レーザ光源33は、Cアーム26のスライド軌道と、Cアーム26の鉛直軸回転軌道とを床面に投影した軌道面Cを対象としたオペレータへのCアーム軌道の提示面L(提示面Lは軌道面Cと同一か、又は軌道面Cに含まれる)に対してレーザ光を照射する。また、レーザ光源33は、Cアーム26の上方端(アンダーチューブタイプである場合は受像装置28側端)に備えられる。その場合、レーザ光源33は、Cアーム26のスライド軌道と、Cアーム26の鉛直軸回転軌道とを天井面に投影した軌道面を対象としたオペレータへのCアーム軌道の提示面に対してレーザ光を照射する。
【0035】
なお、X線画像診断装置10は、レーザ光源33と共に又はレーザ光源33に換えて、懸垂アーム24にレーザ光源33´を設けることもできる。その場合、レーザ光源33´は、Cアーム26のスライド軌道と、Cアーム26の鉛直軸回転軌道とを床面に投影した軌道面C´を対象としたオペレータへのCアーム軌道の提示面L´(提示面L´は軌道面C´と同一か、又は軌道面C´に含まれる)に対してレーザ光を照射する。軌道面Cの具体的な算出方法、軌道面Cを対象とした提示面Lの算出方法については後述する。以下、X線画像診断装置10がレーザ光源33のみを備えるものとして説明する。
【0036】
DF装置12は、コンピュータをベースとして構成されており、病院基幹のLAN(local area network)等のネットワークNと相互通信可能である。DF装置12は、大きくは、プロセッサとしてのCPU41、メモリ42、HDD(hard disc drive)43、入力装置44、通信制御装置45、投影データ記憶部51、画像処理回路52、画像データ記憶部53、及び表示装置54等のハードウェアから構成される。CPU41は、共通信号伝送路としてのバスを介して、DF装置12を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、DF装置12は、記録媒体用のドライブ(図示しない)を具備する場合もある。
【0037】
CPU41は、医師及び技師等のオペレータによって入力装置44が操作等されることにより指令が入力されると、メモリ42に記憶しているプログラムを実行する。又は、CPU41は、HDD43に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送され通信制御装置45で受信されてHDD43にインストールされたプログラム、又は記録媒体用のドライブ(図示しない)に装着された記録媒体から読み出されてHDD43にインストールされたプログラムを、メモリ42にロードして実行する。
【0038】
メモリ42は、ROM(read only memory)及びRAM(random access memory)等の要素を兼ね備える構成をもつ記憶装置である。メモリ42は、IPL(initial program loading)、BIOS(basic input/output system)のデータを記憶したり、CPU41のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いたりする。
【0039】
HDD43は、磁性体を塗布又は蒸着した金属のHD(hard disk)が着脱不能で内蔵されている構成をもつ記憶装置である。HDD43は、DF装置12にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(operating system)等も含まれる)や、データを記憶する。また、OSに、検査実施者に対する情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力装置37aによって行なうことができるGUI(graphical user interface)を提供させることもできる。
【0040】
入力装置44としては、オペレータによって操作が可能なキーボード及びマウス等が挙げられ、操作に従った入力信号がCPU41に送られる。入力装置44は、大きくは、メインコンソール及びシステムコンソールによって構成される。
【0041】
通信制御装置45は、各規格に応じた通信制御を行なう。通信制御装置45は、電話回線を通じてネットワークNに接続することができる機能を有している。DF装置12は、通信制御装置45を介してネットワークN網に接続することができる。
【0042】
投影データ記憶部51は、CPU41の制御によって、保持装置11のA/D変換回路28cから出力された投影データを記憶する。
【0043】
画像処理回路52は、CPU41の制御によって、投影データ記憶部51に記憶される投影データに対して対数変換処理(LOG処理)行なって必要に応じて加算処理して、透視画像及び撮影画像(DA画像)のデータを生成する。また、画像処理回路52は、画像データ記憶部53に記憶される透視画像及び撮影画像に対して画像処理を施す。画像処理としては、データに対する拡大/階調/空間フィルタ処理や、時系列に蓄積されたデータの最小値/最大値トレース処理、及びノイズを除去するための加算処理等が挙げられる。なお、画像処理回路52による画像処理後のデータは、表示装置54に出力されると共に、画像データ記憶部53等の記憶装置に記憶される。
【0044】
画像データ記憶部53は、CPU41の制御によって、画像処理回路52から出力された透視画像及び撮影画像をデータとして記憶する。
【0045】
表示装置54は、CPU41の制御によって、画像処理回路52によって生成される透視画像及び撮影画像のデータに、患者名等の検査情報(パラメータの文字情報及び目盛等)を合成し、合成信号をD/A(digital to analog)変換後、ビデオ信号として表示する。表示装置54は、画像処理回路52から出力される透視画像及び撮影画像をライブ表示するライブモニタや、画像処理回路52から出力される撮影画像を静止画像表示、また、動画再生表示する参照モニタや、FOV(field of view)切り替えのためのデータ等、主に保持装置11の制御を行なうためのデータを表示するシステムモニタ等を含む。
【0046】
図3は、本実施形態のX線画像診断装置の機能を示すブロック図である。
【0047】
図1に示すコントローラ30(又はCPU41)がプログラムを実行することによって、図3に示すように、X線画像診断装置10は、登録部61、動作指示受付部62、第1移動制御部63、第2移動制御部64、軌道面演算部65、提示面演算部66、及び照射制御部67として機能する。なお、各部61乃至67は、X線画像診断装置10の機能として備えられるものとして説明するが、各部61乃至67の全部又は一部は、X線画像診断装置10にハードウェアとして備えられるものであってもよい。
【0048】
登録部61は、予め、Cアーム26(台車213)の所要の位置座標(X,Z軸座標)と、所要の鉛直軸回転角度とを登録する機能を有する。例えば、登録部61は、外科医が天板29a上の被検体Pに対して施術する際に施術の邪魔にならない、天板29aから離れた外科手術室内の位置座標及び鉛直軸回転角度を登録する。また、例えば、登録部61は、循環器内科医が天板29a上の被検体Pに対して施術する際に、天板29a上の被検体Pの撮影を直ちに開始可能とする位置座標及び鉛直軸回転角度を登録する。
【0049】
登録部61による登録は、例えば、Cアーム26のスライドとCアーム26の鉛直軸回転とをオペレータが実際に行ないながら入力装置44を用いて登録指示を行なうことによって行なわれる。登録部61は、Cアーム26の所要の位置座標及び所要の鉛直軸回転角度をコントローラ30のメモリ等の記憶装置に登録する。
【0050】
動作指示受付部62は、登録部61によって登録された位置座標及び鉛直軸回転角度までのCアーム26の動作指示を入力装置44から受付ける機能を有する。
【0051】
第1移動制御部63は、駆動制御部32を制御して、動作指示受付部62による動作指示受付時における台車213、X線照射装置27、及び受像装置28が一直線上に並ぶようにCアーム26を回転方向T2及び円弧方向T3に移動させる機能を有する。
【0052】
第2移動制御部64は、駆動制御部32を制御してスライド機構21を駆動させることで、Cアーム26を、登録部61によって登録された位置座標までスライドさせる一方、駆動制御部32を制御して鉛直軸回転機構23を駆動させることで、Cアーム26を、登録部61に登録された鉛直軸回転角度まで回転させる機能を有する。第2移動制御部64は、入力装置44を介したオペレータからの簡単な入力(例えば、番号入力)を介して、オペレータからの移動指示が有効な間(例えば、トリガスイッチを押している間)だけCアーム26のスライド及び鉛直軸回転を実行させればよい。なお、第2移動制御部64によるCアーム26のスライド及び鉛直軸回転の動作順は問わない。また、第2移動制御部64によるCアーム26のスライド及び鉛直軸回転は、同時には動作しないものとする。
【0053】
図4は、動作指示受付時のCアーム26が、登録された位置座標までスライドされ、登録された鉛直軸回転角度まで鉛直軸回転される過程を模式的に示す上面図である。
【0054】
図4(a)は、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された(鉛直軸回転終了時の)位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図4(a)に示すように、動作指示受付時の状態におけるCアーム26の位置座標及び鉛直軸回転角度は、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度と異なっている。
【0055】
図4(b)は、図4(a)の後であり動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。を示す。図4(b)に示すように、スライド途中時におけるCアーム26の位置座標は、図4(a)に示す動作指示受付時におけるCアーム26の位置座標から、登録された位置座標までの間にある。
【0056】
図4(c)は、図4(b)の後でありスライド終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図4(c)に示すように、スライド終了時におけるCアーム26の位置座標は、登録された位置座標に一致する。
【0057】
図4(d)は、図4(c)の後であり鉛直軸回転途中時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図4(d)に示すように、鉛直軸回転途中時におけるCアーム26の鉛直軸回転角度は、図4(c)に示すスライド終了時におけるCアーム26の鉛直軸回転角度から、登録された鉛直軸回転角度までの間にある。
【0058】
図4(e)は、図4(d)の後であり鉛直軸回転終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図4(e)に示すように、鉛直軸回転終了時におけるCアーム26の鉛直軸回転角度は、登録された鉛直軸回転角度に一致する。よって、図4(a)乃至図4(e)によると、動作指示受付時におけるCアーム26の位置座標からCアーム26がスライドされ、動作指示受付時におけるCアーム26の鉛直軸回転角度からCアーム26が鉛直軸回転されることで、Cアーム26は、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度に一致することになる。
【0059】
図3に示す軌道面演算部65は、動作指示受付部62によって動作指示を受付けると、動作指示受付時から、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度までCアーム26が動作する場合のCアーム26(Cアーム26を上方から見た場合におけるCアーム26の長軸)の軌道を算出し、Cアーム26の軌道を床面に投影した軌道面C(スライドに基づく軌道面C1,鉛直軸回転に基づく軌道面C2)を算出する機能を有する。なお、軌道面演算部65は、Cアーム26の軌道に基づく軌道面Cを算出するものとするが、その場合に限定されるものではない。例えば、軌道面演算部65は、懸垂アーム24及びCアーム26の軌道に基づく軌道面を算出してもよい。
【0060】
提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出された軌道面Cを対象として、Cアーム26の移動軌道をオペレータに提示する機能を有する。例えば、提示面演算部66は、レーザ光源33からレーザ光を照射させる照射面として、提示面Lを演算する。
【0061】
照射制御部67は、提示面演算部66によって算出された提示面Lにレーザ光源33からレーザ光を照射させる機能を有する。
【0062】
図5は、図4に示すCアーム26のスライド及び鉛直軸回転の組み合わせ動作と、軌道面C及び提示面Lの算出のタイミングとの関係を示すタイムチャートである。
【0063】
図5(a)は、軌道面C1を対象とする提示面Lと、軌道面C2を対象とする提示面Lとをそれぞれ算出する場合の第1タイムチャートを示す。図5(a)に示すように第1タイムチャートでは、動作指示受付部62が動作指示を受付けると、第1移動制御部63によってCアーム26が回転方向T2及び円弧方向T3に移動される間に軌道面演算部65は、図4(a)乃至図4(c)に示す動作指示受付時からスライド終了時までの矩形の軌道面C1を算出する。他方、軌道面演算部65は、図4(c)乃至図4(e)に示すスライド終了時から鉛直軸回転終了時までの、鉛直軸回転の中心としてのX線照射装置27を中心とする扇状の軌道面C2を算出する。軌道面演算部65によって軌道面C1,C2が算出されると、照射制御部67は、軌道面C1の算出後からスライド終了時までの間、軌道面C1を対象として算出された提示面Lに対してレーザ光源33からレーザ光を照射させる。他方、照射制御部66は、スライド終了時から鉛直軸回転終了時までの間、軌道面C2を対象として算出された提示面Lに対してレーザ光源33からレーザ光を照射させる。
【0064】
図5(b)は、軌道面C1,C2を対象とする提示面Lを算出する場合の第2タイムチャートを示す。図5(b)に示すように、動作指示受付部62が動作指示を受付けると、第1移動制御部63によってCアーム26が回転方向T2及び円弧方向T3に移動される間に軌道面演算部65は、図4(a)乃至図4(e)に示す動作指示受付時から鉛直軸回転終了時までの軌道面C(軌道面C1,C2)を算出する。軌道面演算部65によって軌道面Cが算出されると、照射制御部67は、軌道面Sの算出後から鉛直軸回転終了時までの間、軌道面Cを対象として算出された提示面Lに対してレーザ光源33からレーザ光を照射させる。
【0065】
図6は、図5(a)に示す第1タイムチャートを用いる場合の提示面の推移を示す模式的な上面図である。
【0066】
図6(a)は、図4(a)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された(鉛直軸回転終了時の)位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図6(a)に示すように、動作指示受付時(軌道面C1の算出後)の提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面C1に一致する提示面Lを算出する。動作指示受付時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面C1に一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0067】
図6(b)は、図4(b)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図6(b)に示すように、スライド途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面演算部65によって算出される軌道面C1に一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0068】
図6(c)は、図4(c)と同様に、スライド終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図6(c)に示すように、スライド終了時の提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面C2に一致する提示面Lを算出する。スライド途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面C1を対象とする照射を軌道面C2を対象とする照射に切り替え、軌道面C2に一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0069】
図6(d)は、図4(d)と同様に、鉛直軸回転途中時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図6(d)に示すように、鉛直軸回転途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面演算部65によって算出される軌道面C2に一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0070】
図6(e)は、図4(e)と同様に、鉛直軸回転終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図6(e)に示すように、鉛直軸回転終了時のCアーム26は、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度となり移動が終了するので、鉛直軸回転終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、レーザ光の照射を停止させる。
【0071】
なお、図6(a)乃至図6(e)では、軌道面C1,S2と提示面Lとをそれぞれ常に一致させる場合を説明したがその場合に限定されるものではない。変形例について、図7乃至図9を用いて説明する。
【0072】
図7は、図6に示す提示面の推移の変形例を模式的に示す上面図である。
【0073】
図7(a)は、図4(a)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された(鉛直軸回転終了時の)位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図7(a)に示すように、動作指示受付時(軌道面C1の算出後)の提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面C1に一致する提示面Lを算出する。動作指示受付時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面C1に一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0074】
図7(b)は、図4(b)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図7(b)に示すように、スライド途中時の提示面演算部66は、軌道面C1のうち、スライド途中時からスライド終了時までの軌道面部分としての提示面Lを算出する。スライド途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面C1の一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0075】
図7(c)は、図4(c)と同様に、スライド終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図7(c)に示すように、スライド終了時の提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面C2に一致する提示面Lを算出する。スライド終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、レーザ光源33を制御して、軌道面C1を対象とする照射を軌道面C2を対象とする照射に切り替え、軌道面C2に一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0076】
図7(d)は、図4(d)と同様に、鉛直軸回転途中時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図7(d)に示すように、鉛直軸回転途中時の提示面演算部66は、軌道面C2のうち、鉛直軸回転途中時から鉛直軸回転終了時までの軌道面部分としての提示面Lを算出する。鉛直軸回転途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面C2の一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0077】
図7(e)は、図4(e)と同様に、鉛直軸回転終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図7(e)に示すように、鉛直軸回転終了時のCアーム26は、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度となり移動が終了するので、鉛直軸回転終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、レーザ光の照射を停止させる。
【0078】
図8は、図6に示す提示面の推移の変形例を模式的に示す上面図である。
【0079】
図8(a)は、図4(a)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された(鉛直軸回転終了時の)位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図8(a)に示すように、動作指示受付時(軌道面C1の算出後)の提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面C1のうち、動作指示受付時から一定期間経過後までの軌道面部分としての提示面Lを算出する。動作指示受付時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面C1の一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0080】
図8(b)は、図4(b)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図8(b)に示すように、スライド途中時の提示面演算部66は、軌道面C1のうち、スライド途中時から一定期間経過後までの軌道面部分としての提示面Lを算出する。スライド途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面C1の一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0081】
図8(c)は、図4(c)と同様に、スライド終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図8(c)に示すように、スライド終了時の提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面C2のうち、スライド終了時から一定期間経過後までの軌道面部分としての提示面Lを算出する。スライド終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面C1を対象とする照射を軌道面C2を対象とする照射に切り替え、軌道面C2の一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0082】
図8(d)は、図4(d)と同様に、鉛直軸回転途中時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図8(d)に示すように、鉛直軸回転途中時の提示面演算部66は、軌道面C2のうち、鉛直軸回転途中時から一定期間経過後までの軌道面部分としての提示面Lを算出する。鉛直軸回転途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面C2の一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0083】
図8(e)は、図4(e)と同様に、鉛直軸回転終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図8(e)に示すように、鉛直軸回転終了時のCアーム26は、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度となり移動が終了するので、鉛直軸回転終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、レーザ光の照射を停止させる。
【0084】
図9は、図6に示す提示面の推移の変形例を模式的に示す上面図である。
【0085】
図9の上段に示すように、提示面演算部66が、図6に示す軌道面C1(図7,図8に示す軌道面C1の軌道面部分)を、Cアーム26に近い方から順に矩形の提示面L1,L2,L3に分割することで、照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、提示面L1から提示面L3にかけてサイクリックにレーザ光を照射させる。また、図9の下段に示すように、提示面演算部66が、図6に示す軌道面C2(図7,図8に示す軌道面C2の軌道面部分)を、Cアーム26に近い方から順に扇状の提示面L1,L2,L3に分割することで、照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、提示面L1から提示面L3にかけてサイクリックにレーザ光を照射させる。図9に示すサイクリック照射によると、Cアーム26の動作の進行方向が、オペレータにとってより明確になる効果がある。
【0086】
図10は、図5(b)に示す第2タイムチャートを用いる場合の提示面の推移を示す模式的な上面図である。
【0087】
図10(a)は、図4(a)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された(鉛直軸回転終了時の)位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図10(a)に示すように、動作指示受付時(軌道面Cの算出後)の提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面Cに一致する提示面Lを算出する。動作指示受付時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cに一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0088】
図10(b)は、図4(b)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図10(b)に示すように、スライド途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cに一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0089】
図10(c)は、図4(c)と同様に、スライド終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図10(c)に示すように、スライド終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cに一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0090】
図10(d)は、図4(d)と同様に、鉛直軸回転途中時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図10(d)に示すように、鉛直軸回転途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cに一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0091】
図10(e)は、図4(e)と同様に、鉛直軸回転終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図10(e)に示すように、鉛直軸回転終了時のCアーム26は、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度となり移動が終了するので、鉛直軸回転終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、レーザ光の照射を停止させる。
【0092】
なお、図10(a)乃至図10(e)では、軌道面Cと提示面Lとを常に一致させる場合を説明したがその場合に限定されるものではない。変形例について、図11及び図12を用いて説明する。
【0093】
図11は、図10に示す提示面の推移の変形例を模式的に示す上面図である。
【0094】
図11(a)は、図4(a)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された(鉛直軸回転終了時の)位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図11(a)に示すように、動作指示受付時(軌道面Cの算出後)の提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面Cに一致する提示面Lを算出する。動作指示受付時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cに一致する提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0095】
図11(b)は、図4(b)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図11(b)に示すように、スライド途中時の提示面演算部66は、軌道面Cのうち、スライド途中時から鉛直軸回転終了時までの軌道面部分(軌道面C1の一部及び軌道面C2の全部)としての提示面Lを算出する。スライド途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cの一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0096】
図11(c)は、図4(c)と同様に、スライド終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図11(c)に示すように、スライド終了時の提示面演算部66は、軌道面Cのうち、スライド終了時から鉛直軸回転終了時までの軌道面部分(軌道面C2の全部)としての提示面Lを算出する。スライド終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cの一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0097】
図11(d)は、図4(d)と同様に、鉛直軸回転途中時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図11(d)に示すように、鉛直軸回転途中時の提示面演算部66は、軌道面Cのうち、鉛直軸回転途中時から鉛直軸回転終了時までの軌道面部分(軌道面C2の一部)としての提示面Lを算出する。鉛直軸回転途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cの一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0098】
図11(e)は、図4(e)と同様に、鉛直軸回転終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図11(e)に示すように、鉛直軸回転終了時のCアーム26は、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度となり移動が終了するので、鉛直軸回転終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、レーザ光の照射を停止させる。
【0099】
図12は、図10に示す提示面の推移の変形例を模式的に示す上面図である。
【0100】
図12(a)は、図4(a)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された(鉛直軸回転終了時の)位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図12(a)に示すように、動作指示受付時(軌道面Cの算出後)の提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面Cのうち、動作指示受付時から一定期間経過後までの軌道面部分(軌道面C1の一部)としての提示面Lを算出する。動作指示受付時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cの一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0101】
図12(b)は、図4(b)と同様に、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図12(b)に示すように、スライド途中時の提示面演算部66は、軌道面Cのうち、スライド途中時から一定期間経過後までの軌道面部分(軌道面C1の一部及び軌道面C2の一部)としての提示面Lを算出する。スライド途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cの一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0102】
図12(c)は、図4(c)と同様に、スライド終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図12(c)に示すように、スライド終了時の提示面演算部66は、軌道面Cのうち、スライド終了時から一定期間経過後までの軌道面部分(軌道面C2の一部)としての提示面Lを算出する。スライド終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cの一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0103】
図12(d)は、図4(d)と同様に、鉛直軸回転途中時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図12(d)に示すように、鉛直軸回転途中時の提示面演算部66は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cのうち、鉛直軸回転途中時から一定期間経過後までの軌道面部分(軌道面C2の一部)としての提示面Lを算出する。鉛直軸回転途中時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、軌道面Cの一部としての提示面Lに向けてレーザ光を連続的又は断続的に照射させる。
【0104】
図12(e)は、図4(e)と同様に、鉛直軸回転終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)とを示す。図12(e)に示すように、鉛直軸回転終了時のCアーム26は、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度となり移動が終了するので、鉛直軸回転終了時の照射制御部67は、レーザ光源33を制御して、レーザ光の照射を停止させる。
【0105】
続いて、本実施形態のX線画像診断装置10における図7に示す動作を、図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0106】
まず、X線画像診断装置10は、入力装置44を介したオペレータの操作によって、Cアーム26の所要の位置座標及び所要の鉛直軸回転角度をそれぞれ登録する(ステップST1)。
【0107】
次いで、X線画像診断装置10は、入力装置44を介したオペレータの操作によって、ステップST1によって登録された位置座標及び鉛直軸回転角度までのCアーム26の動作指示を受付ける(ステップST2)。
【0108】
ステップST2によってCアーム26の動作指示を受け付けると、X線画像診断装置10は、動作指示受付時における台車213、X線照射装置27、及び受像装置28が一直線上に並ぶようにCアーム26を回転方向T2及び円弧方向T3に移動させる(ステップST3)。
【0109】
次いで、X線画像診断装置10は、登録された位置座標までCアーム26をスライドさせる場合のCアーム26の軌道を床面に投影した軌道面C1を算出し、登録された鉛直軸回転角度までCアーム26を鉛直軸回転させる場合のCアーム26の軌道を床面に投影した軌道面C2を算出する(ステップST4)。
【0110】
次いで、X線画像診断装置10は、登録された鉛直軸回転角度までのCアーム26の鉛直軸回転に先立って、登録された位置座標までCアーム26をスライドさせるか否かを判断する(ステップST5)。ステップST5の判断にてYES、すなわち、Cアーム26の鉛直軸回転に先立って、Cアーム26をスライドさせると判断する場合、X線画像診断装置10は、レーザ光源33を制御して、ステップST4によって算出された軌道面C1のうち、動作指示受付時とスライド終了時との間のリアルタイムから一定期間経過後までの軌道面部分を照射させ、軌道面C1の一部に提示面Lを形成する(ステップST6)。
【0111】
次いで、X線画像診断装置10は、スライド機構21を駆動させ台車213をスライドさせることでCアーム26をスライドさせる(ステップST7)。X線画像診断装置10は、スライドされたCアーム26が、登録された位置座標と一致し、スライド終了時であるか否かを判断する(ステップST8)。ステップST8の判断にてYES、すなわち、X線画像診断装置10は、スライド終了時であると判断する場合、X線画像診断装置10は、レーザ光源33を制御して、ステップST4によって算出された軌道面C2のうち、スライド終了時と鉛直軸回転終了時との間のリアルタイムから一定期間経過後までの軌道面部分を照射させ、軌道面C2の一部に提示面Lを形成する(ステップST9)。
【0112】
次いで、X線画像診断装置10は、鉛直軸回転機構23を駆動させCアーム26を鉛直軸回転させる(ステップST10)。X線画像診断装置10は、鉛直軸回転されたCアーム26が、登録された鉛直軸回転角度と一致し、鉛直軸回転終了時であるか否かを判断する(ステップST11)。ステップST11の判断にてYES、すなわち、X線画像診断装置10は、鉛直軸回転終了時であると判断する場合、X線画像診断装置10は、Cアーム26が、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度となり移動を終了すると判断し、鉛直軸回転終了時においてレーザ光の照射を停止させ(ステップST12)、動作を終了する。
【0113】
一方、ステップST5の判断にてNO、すなわち、Cアーム26の鉛直軸回転に先立って、Cアーム26をスライドさせないと判断する場合、X線画像診断装置10は、レーザ光源33を制御して、ステップST4によって算出された軌道面C2のうち、動作指示受付時と鉛直軸回転終了時との間のリアルタイムから一定期間経過後までの軌道面部分を照射させ、軌道面C2の一部に提示面Lを形成する(ステップST13)。
【0114】
次いで、X線画像診断装置10は、鉛直軸回転機構23を駆動させCアーム26を鉛直軸回転させる(ステップST14)。X線画像診断装置10は、鉛直軸回転されたCアーム26が、登録された鉛直軸回転角度と一致し、鉛直軸回転終了時であるか否かを判断する(ステップST15)。ステップST15の判断にてYES、すなわち、X線画像診断装置10は、鉛直軸回転終了時であると判断する場合、X線画像診断装置10は、レーザ光源33を制御して、ステップST4によって算出された軌道面C1のうち、鉛直軸回転終了時とスライド終了時との間のリアルタイムから一定期間経過後までの軌道面部分を照射させ、軌道面C1の一部に提示面Lを形成する(ステップST16)。
【0115】
次いで、X線画像診断装置10は、スライド機構21を駆動させ台車213をスライドさせることでCアーム26をスライドさせる(ステップST17)。X線画像診断装置10は、スライドされたCアーム26が、登録された位置座標と一致し、スライド終了時であるか否かを判断する(ステップST18)。ステップST18の判断にてYES、すなわち、X線画像診断装置10は、スライド終了時であると判断する場合、X線画像診断装置10は、Cアーム26が、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度となり移動を終了すると判断し、レーザ光の照射を停止させ(ステップST12)、動作を終了する。
【0116】
ステップST8,ST18の判断にてNO、すなわち、すなわち、X線画像診断装置10は、スライド終了時でないと判断する場合、X線画像診断装置10は、レーザ光源33を制御して、ステップST4によって算出された軌道面C1のうち、次のリアルタイムから一定期間経過後までの軌道面部分を照射させ、軌道面C1の一部に提示面Lを形成する(ステップST6,ST16)。
【0117】
ステップST11,ST15の判断にてNO、すなわち、すなわち、X線画像診断装置10は、鉛直軸回転終了時でないと判断する場合、X線画像診断装置10は、レーザ光源33を制御して、ステップST4によって算出された軌道面C2のうち、次のリアルタイムから一定期間経過後までの軌道面部分を照射させ、軌道面C2の一部に提示面Lを形成する(ステップST9,ST13)。
【0118】
ステップST2によって、外科医が天板29a上の被検体Pに対して施術する際に施術の邪魔にならない位置座標及び鉛直軸回転角度までのCアーム26の動作指示を受付けると、X線画像診断装置10は、ステップST12による動作の終了後、次のステップST2によるCアーム26の動作指示受付待機状態となる。一方、ステップST2によって、天板29a上の被検体Pの撮影を直ちに開始可能とする位置座標及び鉛直軸回転角度までのCアーム26の動作指示を受付けると、X線画像診断装置10は、ステップST12による動作の終了後、透視画像及び撮影画像の収集を開始する。
【0119】
また、図3に示す提示面演算部66は、軌道面C,C1,C2を基に算出した提示面Lを、Cアーム26と共に表示装置54に表示することもできる。
【0120】
図14は、提示面Lを含む表示画面の例を模式的に示す図である。
【0121】
図14(a)は、動作指示受付時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された(鉛直軸回転終了時の)位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、軌道面演算部65によって算出される軌道面C1に一致する提示面Lとの表示画面を示す。図14(a)に示すように、動作指示受付時(軌道面C1の算出後)において提示面演算部66は、軌道面演算部65によって算出される軌道面C1に一致する提示面Lを算出する。動作指示受付時において表示装置54は、動作指示受付時におけるCアーム26と、軌道面C1に一致する提示面Lとを模式的に表示する。
【0122】
図14(b)は、スライド途中時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、軌道面C1に一致する提示面Lとの表示画面を示す、図14(b)に示すように、スライド途中時において表示装置54は、スライド途中時におけるCアーム26と、軌道面演算部65によって算出される軌道面C1に一致する提示面Lとを模式的に表示する。
【0123】
図14(c)は、スライド終了時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、軌道面演算部65によって算出される軌道面C2に一致する提示面Lとの表示画面を示す。図14(c)に示すように、スライド途中時において表示装置54は、軌道面C1を対象とする表示を軌道面C2を対象とする表示に切り替え、軌道面C2に一致する提示面Lと、スライド終了時におけるCアーム26とを模式的に表示する。
【0124】
図14(d)は、鉛直軸回転途中時の位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)と、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(破線)と、軌道面演算部65によって算出される軌道面C2に一致する提示面Lとの表示画面を示す。図14(d)に示すように、鉛直軸回転途中時において表示装置54は、鉛直軸回転途中時におけるCアーム26と、軌道面演算部65によって算出される軌道面C2に一致する提示面Lとを模式的に表示する。
【0125】
図14(e)は、登録された位置座標及び鉛直軸回転角度であるCアーム26(実線)の表示画面を示す。図14(e)に示すように、鉛直軸回転終了時において表示装置54は、スライド終了時におけるCアーム26のみを模式的に表示する。
【0126】
なお、図14(a)乃至図14(e)では、軌道面C1,S2と提示面Lとをそれぞれ常に一致させる場合を説明したがその場合に限定されるものではない。
【0127】
本実施形態のX線画像診断装置10によると、Cアーム26が今後移動する軌道をオペレータに提示面Lとして提示することで、オペレータにとって軌道上の障害物の移動の必要性が明確となる。特に、レーザ光源33が提示面Lを照射することで、Cアーム26の移動経路上に障害物が存在している場合は、レーザ光が障害物に直接照射されるので、軌道上の障害物の移動の必要性が明確となる。よって、X線画像診断装置10によると、外科手術室内に存在する機器や医療スタッフとの衝突を避けながらオートポジショニング機能を使うことができるので、効果的に効率よく被検体Pの検査及び治療を実施できる。
【符号の説明】
【0128】
10 X線画像診断装置
11 保持装置
12 DF装置
21 スライド機構
211 Z軸方向レール
212 X軸方向レール
213 台車
23 鉛直軸回転機構
24 懸垂アーム
26 Cアーム
26 Cアーム回転機構
27 X線照射装置
28 受像装置
30 コントローラ
44 入力装置
54 表示装置
61 登録部
62 動作指示受付部
63 第1移動制御部
64 第2移動制御部
65 軌道面演算部
66 提示面演算部
67 照射制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を照射するX線照射手段と、
前記X線を受像する受像手段と、
前記X線照射手段及び前記受像手段を対向するように支持し、室内を水平方向にスライド可能な支持手段と、
前記支持手段の所要の位置座標を登録する登録手段と、
前記登録された位置座標までの前記支持手段のスライド軌道を算出する演算手段と、
前記スライドによって前記支持手段が前記登録された位置座標に至るまで、前記スライド軌道を提示する提示手段と、
を有することを特徴とするX線画像診断装置。
【請求項2】
前記登録手段は、鉛直軸回転可能な前記支持手段の所要の鉛直軸回転角度を登録し、
前記演算手段は、前記スライド軌道と、前記登録された鉛直軸回転角度までの前記支持手段の鉛直軸回転軌道とを算出し、
前記提示手段は、前記支持手段が前記登録された位置座標までスライドされ、かつ、前記支持手段が前記登録された鉛直軸回転角度まで鉛直軸回転する際、前記スライド軌道及び前記鉛直軸回転軌道のうち少なくとも一方を提示する構成とすることを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項3】
前記提示手段は、前記支持手段に備えられ、前記スライド軌道及び前記鉛直軸回転軌道が投影された床面又は天井面上にレーザ光を照射する構成とすることを特徴とする請求項2に記載のX線画像診断装置。
【請求項4】
前記提示手段は、前記支持手段と、前記スライド軌道及び前記鉛直軸回転軌道とを、前記室内に設置したモニタ上に表示する構成とすることを特徴とする請求項2に記載のX線画像診断装置。
【請求項5】
前記提示手段は、前記スライド中に、前記スライド軌道のみを提示し、前記鉛直軸回転中に、前記鉛直軸回転軌道のみを提示する構成とすることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載のX線画像診断装置。
【請求項6】
前記提示手段は、前記スライド中に、前記支持手段のリアルタイムの位置座標から前記登録された位置座標に至るまでの前記スライド軌道のみを提示する一方、前記鉛直軸回転中に、リアルタイムの鉛直軸回転角度から前記登録された鉛直軸回転角度に至るまでの前記鉛直軸回転軌道のみを提示する構成とすることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載のX線画像診断装置。
【請求項7】
前記提示手段は、前記スライド中に、前記支持手段のリアルタイムの位置座標から一定時間経過後までに含まれる前記スライド軌道を提示する一方、前記鉛直軸回転中に、前記支持手段のリアルタイムの鉛直軸回転角度から一定時間経過後までに含まれる前記鉛直軸回転軌道を提示する構成とすることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載のX線画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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