説明

X線異物検出装置

【課題】遮蔽扉の開閉を容易にし、且つ清掃時に洗浄水やゴミなどの滞留をなくし、清掃性を向上させる。
【解決手段】筐体2と、X線発生器21と、筐体2の前面側に突出するとともにX線検出器22を備えた搬送部8と、筐体2の前面側から取り付け取り外しが可能な搬送ベルト13と、検査領域Pを覆う前面板5の周縁に縁板6が立設された遮蔽扉4とを備えたX線異物検出装置1において、遮蔽扉4は、開状態のときに前方に向かって下り斜面した下り傾斜部5aと、下り傾斜部5aから連続して上り傾斜した上り傾斜部5bとを有し、水抜き孔10が上り傾斜部5aと下り傾斜部5bの境界に設けられ、筐体2は、筐体2の前面に突設され、遮蔽扉4が閉状態のときに水抜き孔10を塞ぐためにこの孔10に嵌入する閉塞部材15を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物にX線を照射したときのX線の透過量から被検査物中の異物を検出するX線異物検出装置に係り、特に、清掃を好適に行うことができるX線異物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば肉、魚、加工食品、医薬品などの被検査物中の異物(金属、ガラス、石、合成樹脂など)を検出するためにX線異物検出装置が用いられている。この種のX線異物検出装置は、筐体上部にX線発生部が設けられ、X線発生部の下方にX線検出部が設けられ、X線発生部から照射されたX線をX線検出部にて受ける構成となっている。また、筐体には、X線発生部とX線検出部の間で被検査物を搬送する搬送手段が設けられている。搬送手段は、その搬送方向の上流側と下流側にそれぞれローラを有し、このローラ間に略環状の搬送ベルトが掛け回されたものであり、いずれか一方のローラが駆動モータに連結され、駆動モータがローラを介して搬送ベルトを周回させて被検査物を搬送することができる。
【0003】
図7に示すように、X線異物検出装置100には、筐体101内からのX線の漏洩を防ぐために筐体101の前面に遮蔽扉102が設けられている。図7では、遮蔽扉102は、筐体101の前面において、その基部に設けられた軸103を中心として回動し、開閉自在に設けられている。
【0004】
下記特許文献1に開示されるX線異物検出装置は、遮蔽扉の先端部における縁板に切欠きが形成され、この切欠きを介して水抜きすることで洗浄水やゴミを取り除くことができる。なお、遮蔽扉が閉状態のときには、閉塞部材によって切欠きを塞いでいる。
【特許文献1】特許第3577297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のX線異物検出装置には、搬送手段を載せるためや、X線検出器を収納するための筐体下部構造部分が存在しており、この筐体下部構造部分に遮蔽板の回動軸となるヒンジの固定箇所が設けられていた。このため、遮蔽扉の大きさが大きくなるとともに、重量も重くなり、扉の開閉が困難なものであった。また、筐体下部は構造的に複雑であるため、この部分の清掃性が損なわれていた。
【0006】
そこで本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、遮蔽扉を容易に開閉することができ、清掃時に搬送ベルトの取り付けや取り外しを容易に行うとともに、遮蔽板から水抜きすることで洗浄水やゴミなどの滞留をなくし、従来よりも清掃性が向上して衛生的なX線異物検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のX線異物検出装置は、筐体2と、
前記筐体2内に設けられたX線発生器21と、
前記X線発生器21から検査領域P中の被検査物Wに照射されたX線の透過量を検出するX線検出器22を内部に備え、前記筐体2の前面側に突出して設けられた搬送部8と、
前記搬送部8に掛け回され、前記被検査物Wを前記筐体2の一側面から前記検査領域Pを通過させて他側面に搬送するとともに前記筐体2の前面側から取り付け取り外しが可能な搬送ベルト13と、
前記X線発生器21から照射されたX線を遮蔽するために前記検査領域Pを覆う前面板5と、該前面板5の周縁に立設された縁板6とを有する遮蔽扉4と、
を備え、前記被検査物W中の異物の有無を検出するX線異物検出装置1において、
前記遮蔽扉4は、前記搬送部8の前面に回動自在に取り付けられ、開状態のときに前記搬送部8から前方に向かって下り斜面となるように形成された下り傾斜部5aと、該下り傾斜部5aから連続して上り傾斜となるように形成された上り傾斜部5bとを有する前面板5を備え、前記遮蔽扉4が開状態のときに水抜きのための水抜き孔10が前記前面板5の前記上り傾斜部5aと前記下り傾斜部5bの境界付近に設けられ、
前記筐体2は、該筐体2の前面に突設され、前記遮蔽扉4が閉状態のときに前記遮蔽扉4の前記水抜き孔10と係合して該水抜き孔10を塞ぐための前端面15aを有する閉塞部材15を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項2記載のX線異物検出装置は、前記搬送部8が、前記遮蔽扉4の基端縁板6aと先端縁板6bとが略水平となるように保持する保持部9を前面に備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項3記載のX線異物検出装置は、前記遮蔽扉4は、前記水抜き孔10が前記前面板5の前記下り傾斜部5aと前記上り傾斜部5bとの両方にわたって形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載のX線異物検出装置は、前記遮蔽扉4の前記前面板5における前記水抜き孔10の外周部に受け部11が設けられ、
前記閉塞部材15の前記前端面15a付近に該閉塞部材15の軸方向と略直交するとともに、該閉塞部材15の軸周りに回動する突起部17が設けられ、
前記遮蔽扉4が閉状態のときに前記突起部17が前記閉塞部材15の軸周りに回動して前記受け部11に嵌入することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるX線異物検出装置によれば、遮蔽扉を小さく形成することができ、遮蔽扉の開閉が容易となるとともに、清掃時などに遮蔽扉を開状態としたときに遮蔽扉が略水平に保持されるため、搬送ベルトの取り付けや取り外しが容易となる。これに加えて、遮蔽扉の前面板が水抜き孔に向かって下り傾斜となるため、清掃時には洗浄水やゴミが水抜き孔に向かって流れ、水抜き孔から外部に流出して遮蔽扉に洗浄水やゴミが滞留しなくなる。これにより、清掃性が向上して衛生的となる。また、遮蔽扉が閉状態のときには、水抜き孔は閉塞部材によって塞がれているため、水抜き孔からX線が漏洩することはなく、安全性を十分に確保することができる。
【0012】
また、遮蔽扉が閉状態のときに、閉塞部材の突起部が遮蔽扉の受け部に嵌入することで、遮蔽扉が開かないようにロックすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1(a)は本発明によるX線異物検出装置の遮蔽扉が閉状態のときを示す側面(一部断面)図、(b)は同開状態のときを示す側面(一部断面)図、図2は遮蔽扉を示す斜視図、図3(a),(b)は閉塞部材により水抜き孔を塞ぐ状態を示す斜視図である。
【0014】
この実施の形態のX線異物検出装置は、生産ラインの一部に設けられ、例えば肉、魚、加工食品、医薬品などの被検査物にX線発生器からX線を照射して、そのX線透過量をX線検出器で検出して被検査物中に異物(金属、ガラス、石、合成樹脂材など)が混入しているか否かを検出するものである。
【0015】
図1に示すように、この実施の形態のX線異物検出装置1は、本体となる箱型の筐体2を備えている。筐体2は、四本の脚部3によって設置面上に支持されている。さらに、筐体2は、その内部から有害な量のX線が外部に漏洩しないように放射線防護材を用いて形成されている。また、筐体2の前面の一部及び両側面の一部は開放され、被検査物Wを搬送しながらX線を照射して検査するための検査領域P備え、筐体2の前面には検査領域Pの前面開口を遮蔽するための遮蔽扉4が設けられている。
【0016】
図1に示すように、遮蔽扉4は、筐体2の検査領域P(筐体2の前面開口)を覆うための前面板5と、前面板5の周縁に立設されている縁板6とを備えている。また、縁板6は、前面板5に対して略直交して設けられており、遮蔽扉4が閉状態のときに、筐体2の検査領域P(筐体2の前面開口)からX線が漏洩することを防止するものである。さらに、遮蔽扉4は、その基端縁板6(6a)に設けられた回動軸となるヒンジ部7を介して筐体2の後述する搬送部8の前面に回動自在に取り付けられ、検査領域Pを遮蔽するために閉じたり、清掃やメンテナンスのために開けたりする。そして、(a)に示すように、遮蔽扉4が閉状態のときには、この扉4は略直立して筐体2の前面開口を遮蔽し、(b)に示すように、遮蔽扉4が開状態のときには、この扉4の基端縁板6aは、搬送部8の前面に設けられたヒンジ部7の下方に設けられている保持部9に当接し、基端縁板6aと遮蔽扉4の先端側の先端縁板6(6b)とが略水平姿勢に保持されるようになる。
【0017】
さらに、図2に示すように、遮蔽扉4の前面板5には、所定位置(この実施の形態では、前面板5の上部中央)に円形の水抜き孔10が設けられている。また、前面板5の裏面側における水抜き孔10の外周部には、略矩形の箱状の受け部11が設けられている。受け部11の上面、及び水抜き孔10に近接する側面は開放されている。さらに、前面板5は、遮蔽扉4が開状態のときに、搬送部8から前方に向かって緩やかな下り傾斜となるように形成された下り傾斜部5aと、下り傾斜部5aから連続して急な上り傾斜となるように形成された上り傾斜部5bとで構成されている。また、前面板5は、その中央から左右方向の縁板6に向かって上り傾斜となるように形成され、中央に水が集まるようになっている。したがって、遮蔽扉4が閉状態のときには、筐体2の前面側にやや膨らんだ形状となっている。そして、水抜き孔10は、前面板5の下り傾斜部5aと上り傾斜部5bの境界付近に設けられている。この実施の形態では、孔(水抜き孔10)が下り傾斜部5aと上り傾斜部5bとの両方にわたって形成されている。なお、下り傾斜部5aと上り傾斜部5bの傾斜の度合は逆であってもよく、遮蔽扉4が開状態のときに、前面板5には、搬送部8から前方に向かって急な下り傾斜部5aが形成され、下り傾斜部5aから連続して緩やかな上り傾斜部5bが形成されていてもよい。また、図2中の符号12は遮蔽扉4の把手部である。
【0018】
前述した搬送部8は、図1に示すように、検査領域Pの下部に設けられ、且つ筐体2の前面側に突出するように設けられている。この搬送部8は箱型をなしており、内部に後述するX線検出器が配設される。また、搬送部8の搬送手段として、図示しないベルトコンベアを備えている。ベルトコンベアは、被検査物Wの搬送方向の上流側と下流側にそれぞれローラが設けられており、このローラに略環状の搬送ベルト13が掛け回されてなる。また、ローラのうちのいずれか一方は、図示しない駆動モータに連結されており、駆動モータの駆動によってローラが回転し、ローラの回転によって搬送ベルト13が周回して被検査物Wを筐体2の検査領域Pにおける一側面から他側面へ搬送する。また、搬送部8の上面は、搬送ベルト13を支持するための支持面14として被検査物Wの重量を支えている。
【0019】
さらに、搬送ベルト13は、筐体2の前面から取り付けや取り外しが可能である。その際には、図1(a)に示すように、遮蔽扉4を開状態とし、遮蔽扉4が略水平姿勢に保持されているために筐体2の前面側からまっすぐに押し込んだり、引き出したりするだけの簡単な作業を行うだけでよい。なお、ベルトコンベアごと筐体2に取り付けたり、筐体2から取り外したりする場合も同様の作業となる。
【0020】
図1に示すように、筐体2の前面には、筐体2の前面側に略水平に突出している閉塞部材15が設けられている。閉塞部材15は、この実施の形態では、略円柱状に形成されている。また、閉塞部材15の前端面15aは、前記水抜き孔10に隙間なく嵌入可能な径に形成されている。
【0021】
図3に示すように、閉塞部材15の前端面15aには、摘み部16が設けられている。さらに、閉塞部材15の側周面の前端面15a付近には、略矩形ブロック状の突起部17が設けられている。この突起部17は、閉塞部材15の軸方向と略直交して突出している。また、閉塞部材15は、その軸周りに回動可能に設けられている。したがって、(a)に示すように、遮蔽扉4が開状態のときには、突起部17を上方に位置させておき、(b)に示すように、遮蔽扉4が閉状態のときに摘み部16を回して突起部17を軸周りに回動させることで、突起部17は前面板5の受け部11に嵌入し、遮蔽扉4を閉状態にしてロックする。
【0022】
ここから、この実施の形態の光学系について説明する。筐体2内には、X線発生器21が設けられ、筐体2の搬送部8内には前述したX線検出器22が設けられている。X線発生器21は、筐体2の上部に設けられ、金属製の箱内にX線を発生させるX線管が絶縁油に浸漬されてなり、ベルトコンベア(搬送ベルト13)によって搬送されてきた被検査物Wに向けてX線を照射する。なお、X線発生器21から照射されるX線の態様は、搬送方向と直交する面状となり、その面は下向きに拡がる略三角形状となっている(図1(a)参照)。
【0023】
X線検出器22は、筐体2の下部に設けられ、搬送ベルト13の搬送面を挟んでX線発生器21と対向配置されている。X線検出器22は、図示しないが、フォトダイオードと、フォトダイオード上に配設されたシンチレータからなる多数の受光素子が搬送方向と直交する方向に一列に配設されたラインセンサを備えている。
【0024】
このような構成では、搬送ベルト13に搬送される被検査物Wに対してX線発生器22からX線が照射され、このX線照射に伴って被検査物Wを透過してくるX線がX線検出器22のシンチレータで光に変換される。シンチレータで変換された光はフォトダイオードで受光され、更に電気信号に変換されて外部コンピュータなどに出力される。そして、このX線検出器22からの出力と予め設定された各種異物ごとの判別用の閾値とを比較し、その結果に基づいて被検査物Wに混入している異物が検出されるようになる。
【0025】
上述した実施の形態によれば、遮蔽扉4を小さく形成することができ、遮蔽扉4の開閉が容易となるとともに、清掃時などに遮蔽扉4を開状態としたときに遮蔽扉4が保持部9によって略水平に保持されるため、搬送ベルト13の取り付けや取り外しが容易となる。これにより、清掃時やメンテナンス時における作業性が向上する。これに加えて、遮蔽扉4の前面板5の下り傾斜部5aと上り傾斜部5bの境界付近に水抜き孔10があることで、清掃時には洗浄水やゴミが水抜き孔10に向かって流れ、水抜き孔10から外部に流出して遮蔽扉4に洗浄水やゴミが滞留しなくなる。これにより、清掃性が向上して衛生的となる。また、遮蔽扉4が閉状態のときには、水抜き孔10は閉塞部材15の前端面15aによって塞がれているため、水抜き孔10からX線が漏洩することはなく、安全性を十分に確保することができる。
【0026】
さらに、略円柱状の閉塞部材15が嵌入して水抜き孔10を塞ぐため、閉塞部材15を必要最低限の大きさとすることができる。
【0027】
また、遮蔽扉4が閉状態のときに、閉塞部材15の突起部17が遮蔽扉4の受け部11に嵌入することで、遮蔽扉4が開かないようにロックすることができる。
【0028】
なお、上述した実施の形態では、閉塞部材15の前端面15aの摘み部17を手動で回して遮蔽扉4をロックしているが、図4に示すように、閉塞部材15Aの基端側がアクチュエータ(電磁ソレノイドなど)30に接続されている構成としてもよい。このような構成によれば、電磁ソレノイド30のON/OFFによるロッド31の伸縮で閉塞部材15Aを軸周りに回動することができ、遮蔽扉4を自動でロックすることができるようになる。
【0029】
また、図5に示すように、閉塞部材15Bにキーシリンダ40が内蔵されている構成としてもよい。このような構成によれば、遮蔽扉4をロックすることができるとともに、このロックにもキーが必要となることで、本来の作業者以外の解錠ができなくなる。これにより、第三者による遮蔽扉4の不正開放を防ぐことが可能となる。なお、図5の構成では、突起部17は、キーシリンダ40に設けられており、閉塞部材15Bの外枠に突起部17の回動方向に沿って形成されている孔41に沿って移動する。
【0030】
さらに、上述した実施の形態では、閉塞部材15の前端部15aが嵌入することで水抜き孔10を塞いでいるが、その他にも図6に示すようなものがある。(a)に示すのは、水抜き孔10の径に対して閉塞部材15Cが大径に形成されている例である。また、(b)に示すのは、閉塞部材15Dの前端部に板材50が設けられている例である。さらに、(c)に示すのは、水抜き孔10が複数設けられている場合に、一つの閉塞部材15Eによって全部の水抜き孔10を塞いでいる例である。なお、(c)のように水抜き孔10が複数設けられている場合には、各水抜き孔10に対応して複数の閉塞部材が設けられていてもよい。
【0031】
また、水抜き孔10が二つの傾斜部5a,5bの境界、つまり、下り傾斜部5aと上り傾斜部5bとの両方にわたって形成されている場合は、閉塞部材15の前端面15aの形状を前面板5の内側形状にあわせて形成するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)本発明によるX線異物検出装置の遮蔽扉が閉状態のときを示す側面図(一部断面)である。 (b)本発明によるX線異物検出装置の遮蔽扉が開状態のときを示す側面図(一部断面)である。
【図2】本発明によるX線異物検出装置の遮蔽扉を示す斜視図である。
【図3】(a),(b)本発明によるX線異物検出装置の閉塞部材の動作を示す斜視図である。
【図4】(a),(b)本発明によるX線異物検出装置の閉塞部材の他の実施の形態の動作を示す斜視図である。
【図5】(a),(b)本発明によるX線異物検出装置の閉塞部材の他の実施の形態の動作を示す斜視図である。
【図6】(a)〜(c)本発明によるX線異物検出装置の閉塞部材及び水抜き孔の他の実施の形態の動作を示す側面(一部断面)図である。
【図7】従来のX線異物検出装置を示す側面(一部断面)図である。
【符号の説明】
【0033】
1…X線異物検出装置
2…筐体
4…遮蔽扉
5…前面板
6…縁板
6a…基端縁板
6b…先端縁板
8…搬送部
10…水抜き孔
11…受け部
13…搬送ベルト
15…閉塞部材
15a…前端面
17…突起部
21…X線発生器
22…X線検出器
P…検査領域
W…被検査物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(2)と、
前記筐体内に設けられたX線発生器(21)と、
前記X線発生器から検査領域(P)中の被検査物(W)に照射されたX線の透過量を検出するX線検出器(22)を内部に備え、前記筐体の前面側に突出して設けられた搬送部(8)と、
前記搬送部に掛け回され、前記被検査物を前記筐体の一側面から前記検査領域を通過させて他側面に搬送するとともに前記筐体の前面側から取り付け取り外しが可能な搬送ベルト(13)と、
前記X線発生器から照射されたX線を遮蔽するために前記検査領域を覆う前面板(5)と、該前面板の周縁に立設された縁板(6)とを有する遮蔽扉(4)と、
を備え、前記被検査物中の異物の有無を検出するX線異物検出装置(1)において、
前記遮蔽扉は、前記搬送部の前面に回動自在に取り付けられ、開状態のときに前記搬送部から前方に向かって下り斜面となるように形成された下り傾斜部(5a)と、該下り傾斜部から連続して上り傾斜となるように形成された上り傾斜部(5b)とを有する前面板を備え、前記遮蔽扉が開状態のときに水抜きのための水抜き孔(10)が前記前面板の前記上り傾斜部と前記下り傾斜部の境界付近に設けられ、
前記筐体は、該筐体の前面に突設され、前記遮蔽扉が閉状態のときに前記遮蔽扉の前記水抜き孔と係合して該水抜き孔を塞ぐための前端面(15a)を有する閉塞部材(15)を備えたことを特徴とするX線異物検出装置。
【請求項2】
前記搬送部(8)が、前記遮蔽扉(4)の基端縁板(6a)と先端縁板(6b)とが略水平となるように保持する保持部(9)を前面に備えたことを特徴とする請求項1記載のX線異物検出装置。
【請求項3】
前記遮蔽扉(4)は、前記水抜き孔(10)が前記前面板(5)の前記下り傾斜部(5a)と前記上り傾斜部(5b)との両方にわたって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のX線異物検出装置。
【請求項4】
前記遮蔽扉(4)の前記前面板(5)における前記水抜き孔(10)の外周部に受け部(11)が設けられ、
前記閉塞部材(15)の前記前端面(15a)付近に該閉塞部材の軸方向と略直交するとともに、該閉塞部材の軸周りに回動する突起部(17)が設けられ、
前記遮蔽扉が閉状態のときに前記突起部が前記閉塞部材の軸周りに回動して前記受け部に嵌入することを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載のX線異物検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−222662(P2009−222662A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69684(P2008−69684)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】