ZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法
【課題】ZnS蛍光体を用いた中性子イメージ検出器において、計数率特性を維持したままガンマ線感度の低減を図る。
【解決手段】中性子用シンチレータとしてZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用い、この検出シートの背後に64本の波長シフトファイバ束をおき、その下面に直交して64本の波長シフトファイバを配置し、縦軸と横軸の波長シフトファイバ束とする。波長シフトファイバ束はそれぞれ64チャンネル光電子増倍管に接続される。マルチアノード光電子増倍管から出力された信号は高速アンプと波高弁別器で10倍に増幅し、波高弁別する。その後、AND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路及びOR回路から構成される回路を用いて、ガンマ線と認識した場合には中性子信号を無効とする。その場合にも、XとYの出力信号のうち少なくとも1つの信号が所定のゲート時間内に計数される場合には中性子信号として計数する。
【解決手段】中性子用シンチレータとしてZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用い、この検出シートの背後に64本の波長シフトファイバ束をおき、その下面に直交して64本の波長シフトファイバを配置し、縦軸と横軸の波長シフトファイバ束とする。波長シフトファイバ束はそれぞれ64チャンネル光電子増倍管に接続される。マルチアノード光電子増倍管から出力された信号は高速アンプと波高弁別器で10倍に増幅し、波高弁別する。その後、AND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路及びOR回路から構成される回路を用いて、ガンマ線と認識した場合には中性子信号を無効とする。その場合にも、XとYの出力信号のうち少なくとも1つの信号が所定のゲート時間内に計数される場合には中性子信号として計数する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中性子検出体としてZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
中性子線量計測や中性子散乱実験に使用される中性子検出器あるいは中性子イメージ検出器としては、3He検出管あるいは位置敏感型3He検出管が用いられてきた。これらの検出管はガンマ線感度を低くくすることができるが、計数率特性が最大で10Kcpsが限界である。
【0003】
計数率特性を向上した中性子検出器としては、ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートを用いた中性子検出器あるいは中性子イメージ検出器が使用されてきた。また、ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートと波長シフトファイバを用いた高分解能中性子イメージ検出器が開発された。
【0004】
しかし、ガンマ線感度は3He検出管あるいは位置敏感型3He検出管と比較すると計数率特性を良い状態を保持したままでは十分低減する事ができなかった。ガンマ線感度を低減するためには図17の従来の信号処理例に示すように大きな時定数で積分する必要があり、計数率特性が低下することが理由である。
【0005】
また、10Bを中性子コンバータとしてプラスチックシンチレータに入れた中性子検出器が、最近が開発されゼロクロッシング法とチャージ比較法を用いたガンマ線弁別が試みられた(非特許文献1参照)。しかし、複雑な回路構成を必要としているため、本発明の最終的目的である多チャンネルの2次元中性子検出器には適用することがなかなか困難である。
【非特許文献1】Nucl. Instr. And Methods, A484(2002)342-350
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
J−PARC等の大強度陽子加速器を用いた大強度パルス中性子源の建設が進んでおり、パルス中性子の強度および発生する中性子エネルギー範囲が広がるにつれ、高位置分解能を維持したまま高計数率に対応し、検出器を飽和させることなく、二次元中性子イメージを読み出すことが可能な中性子イメージ検出器の開発が不可欠となっている。特に、パルス中性子の強度も強くなるに従い、バックグラウンドとなるガンマ線強度も強くなる。
【0007】
以上の条件下で使用するために必要な中性子検出器あるいは二次元中性子検出器の性能としては、まず高強度のパルス中性子に対応可能でかつガンマ線感度の低いものが要求される。
【0008】
また、ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートと直交した波長シフトファイバ束を用いた高分解能二次元中性子検出器の場合、波長シフトファイバ自身がガンマ線センサとなりZnS蛍光体とほぼ同じ蛍光信号を出力するため、ガンマ線感度が上ってしまうという問題があった。
【0009】
このため、中性子が入射した際、6Liあるいは10B中性子コンバータ内で発生する粒子線をZnS蛍光体に入射させて中性子を検出するシンチレーション中性子検出器において、従来は、ZnS蛍光体の粒子線に対する蛍光寿命とガンマ線に対する蛍光寿命とが異なることを信号の積分することによりガンマ線の検出感度の低減を図ってきたが、計数率特性が犠牲にされていた。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ZnS蛍光体を用いた中性子イメージ検出器において、計数率特性を維持したままガンマ線感度の低減を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、中性子が入射した際、6Liあるいは10B中性子コンバータ内で発生する粒子線をZnS蛍光体に入射させて中性子を検出するシンチレーション中性子検出器において、ZnS蛍光体の粒子線に対する蛍光寿命とガンマ線に対する蛍光寿命とが異なることを利用して、中性子を検出する際妨害となるガンマ線を除去する方法を考案した。
【0012】
このため、本発明においては、ZnS蛍光体から放出され蛍光を基本的にフオトン(光子)計数する事により中性子とガンマ線を弁別する方法を提供し、計数率特性を維持したままガンマ線感度を低減する。
【0013】
ZnS蛍光体のガンマ線に対する特性として、その蛍光寿命が非常に短く光電子増倍管から出力される信号は20ns以下のパルス幅を持つ。一方、中性子がZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータと組み合わせた中性子検出シートに入射した場合、発生したアルファ線等の粒子線はZnS蛍光体を発光させて蛍光寿命となる1μs以上の間フォトン信号を1つ以上放出する。基本的には以上のフォトン信号とその発生するタイミングの差を利用して電子回路により中性子とガンマ線を弁別する。
【0014】
また、ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートと直交した波長シフトファイバ束を用いた高分解能二次元中性子検出器の場合、波長シフトファイバ自身がガンマ線センサとなりZnS蛍光体とほぼ同じ蛍光信号を出力するためガンマ線感度が上ってしまうという問題に対しても、ガンマ線に起因して発生する信号がZnS蛍光体により発生するガンマ線信号とほぼ同じあるので上記と同様にガンマ線を弁別できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ZnS蛍光体を用いた中性子イメージ検出器において、計数率特性を維持したままガンマ線感度の低減を図ることが可能となる。
【実施例】
【0016】
(実施例1)
実施例1として、最初に、本発明によるZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法と従来方法との基本的な差を図1と従来例の図17をもとにして比較しながら述べる。ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器においては、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命が1μs以上であり、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命が20ns以下と非常に短い、という差を利用して、従来はガンマ線感度を低減するために大きな時定数で積分し、その後波高弁別回路によりパルス波高の差を利用して中性子/ガンマ線の弁別を行ってきた。このため、計数率特性が低下した。また、積分回路等のアナログ回路が必要なため多チャンネル化する場合に小型化が困難でありかつコストもかかった。
【0017】
一方、図1に示す本発明の弁別方法では、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命とが異なることを利用して中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定する。ガンマ線の場合は20ns以下の非常に早いパルスが2個の光電子増倍管(XとYとして表示)からのデジタル信号として取り出される。中性子についてはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として図に示すようなデジタル信号列として取り出される。ガンマ線弁別は、時間の遅滞がないため、XとYの2つの信号を20nsないし40nsの時間幅で同時計測することにより弁別できる。中性子の検出は、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅、実施例では1μsで同時計測し中性子信号とする。しかし、先のガンマ線の場合も同時計測していることから、ガンマ線信号が有効な場合にはこの中性子信号を無効とする回路を用意する。また、ガンマ線信号と認識した場合でもその間に中性子が同時に入射し信号を出す場合もあることから、ガンマ線信号を用いてZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅1μsから先に設定した20から40nsを差し引いた時間(960ないし980ns)のゲート信号を作製し、XとYからのフオトン(光子)に基づくパルス信号のうち少なくとも1つのフオトン(光子)に基づくパルス信号がそのゲート時間の間に計数した場合に再度中性子信号として計数する。
【0018】
実施例1の構成を図2に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に2mmの空間をあけ直径1mmの光ファイバを配置し、4本配置し各2本ずつ2個の光電子増倍管に接続する。接続する際シンチレータの発光強度が強いためメルスグリオ製5%減光フィルタを用いて減光しフォトン計数を可能とする。光ファイバの長さは1mである。光電子増倍管として浜松ホトニクス製R580をバイアス電圧1100Vで用いる。光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製高速アンプPM−AMP(No.18)で10倍に増幅し、その後豊伸電子製波高弁別器8ch−discri.(No.19)で波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図2に示すAND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路及びOR回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。
【0019】
なお、本発明は、光ファイバを用いてコーディングし一次元あるいは二次元シンチレーション検出器としての応用が主となることから光電子増倍管を2本用いることに対してのコストのアップはこの場合考慮する必要はない。
【0020】
(実施例2)
実施例2として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図3を参照しながら述べる。
【0021】
図3に示す本発明の弁別方法では、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命とが異なることを利用して中性子を検出する際に障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定する。ガンマ線の場合は20ns以下の非常に早いパルスが2個の光電子増倍管(XとYとして表示)からのデジタル信号として取り出される。中性子についてはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として図3に示すようなデジタル信号列として取り出される。ガンマ線弁別は、ガンマ線の場合時間の遅滞がなくXチャネルとYチャネルの2つの信号が20nsの時間幅で生成されるため、Xチャネルについて40nsの遅延を遅延回路で行った後ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅でXチャネルとYチャネルを同時計測するとガンマ線については基本的に同時計測が行われない。
【0022】
実施例2の構成を図4に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に2mmの空間をあけ直径1mmの光ファイバを配置し、4本配置し各2本ずつ2個の光電子増倍管に接続する。接続する際シンチレータの発光強度が強いためメルスグリオ製5%減光フィルタを用いて減光しフォトン計数を可能とする。光ファイバの長さは1mである。光電子増倍管として浜松ホトニクス製R580をバイアス電圧1100Vで用いる。光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製高速アンプPM−AMP(No.18)で10倍に増幅し、その後豊伸電子製波高弁別器8ch−discri.(No.19)で波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図4に示すAND回路と遅延回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的な動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。遅延時間としては余裕を持たせるため40nsとし、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅としては1μsを用いる。
【0023】
本発明の方法では、中性子の検出ロスがほとんどなく、適用しない場合に対して99%以上の検出効率を有する。
【0024】
なお、本発明は、光ファイバを用いてコーディングし一次元あるいは二次元シンチレーション検出器としての応用が主となることから光電子増倍管を2本用いることに対してのコストのアップはこの場合考慮する必要はない。
【0025】
(実施例3)
実施例3として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図5を参照しながら述べる。図5に示す本発明の弁別方法では、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命とが異なることを利用して中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定する。ガンマ線の場合は20ns以下の非常に早いパルスが2個の光電子増倍管(XとYとして表示)からのデジタル信号として取り出される。中性子についてはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として図5に示すようなデジタル信号列として取り出される。ガンマ線の弁別は、最初にガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をガンマ線信号の可能性があるため使用せず、中性子の場合にはそのあとZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅のフオトン(光子)に基づくパルス信号が来るので、蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製する。その後、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、中性子信号として両者とも同時計測信号が計数された場合に、最終的に中性子信号とする。
【0026】
実施例3の構成を図6に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に2mmの空間をあけ直径1mmの光ファイバを配置し、4本配置し各2本ずつ2個の光電子増倍管に接続する。接続する際シンチレータの発光強度が強いためメルスグリオ製5%減光フィルタを用いて減光しフォトン計数を可能とする。光ファイバの長さは1mである。光電子増倍管として浜松ホトニクス製R580をバイアス電圧1100Vで用いる。光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製高速アンプPM−AMP(No.18)で10倍に増幅し、その後豊伸電子製波高弁別器8ch−discri.(No.19)で波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図6に示すAND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅としては1μsを用いる。
【0027】
なお、本発明は、光ファイバを用いてコーディングし一次元あるいは二次元シンチレーション検出器としての応用が主となることから光電子増倍管を2本用いることに対してのコストのアップはこの場合考慮する必要はない。
【0028】
(実施例4)
実施例4として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図7を参照しながら述べる。
【0029】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器においては、実施例1で述べたガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光と共に、波長シフトファイバがガンマ線に感度があるためガンマ線が検出された場合障害となる。このため、ガンマ線が波長シフトファイバ入った場合に発生する蛍光の蛍光寿命が20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳して20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測される。しかし、この信号はZnS蛍光体にガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光寿命が20ns以下の蛍光と同じ過程でガンマ線弁別を行うことができる。
【0030】
実施例4の構成を図8に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。中性子検出シートの面積は32mmx32mmであり、厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に0.5mmx05mmの64本の波長シフトファイバ束をおき、その下面に直交して64本の波長シフトファイバを配置し、縦軸と横軸の波長シフトファイバ束とし二次元シンチレーション検出素子を構成する。波長シフトファイバ束はそれぞれ64チャンネル光電子増倍管に接続される。波長シフトファイバとしては米国バイクロン社製BCF−92MCを用いた。64チャンネル光電子増倍管としては浜松ホトニクス製64チャンネルマルチアノード光電子増倍管H7546Bを2本用いる。バイアス電圧としては、950Vを印加する。マルチアノード光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製64チャネルアンプディスクリ(高速アンプPM−AMP(No.18)と波高弁別器8ch−discri.(No.19)と同じ回路構成)で10倍に増幅し、波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図8に示すAND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路及びOR回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。
【0031】
本ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器について、60Coガンマ線源を用いてガンマ線感度の特製試験を行った結果、中性子/ガンマ線弁別を行う前が9.0x10−5で、本発明の中性子/ガンマ線弁別を行った場合、5.4x10−6となり15分の1となった。
【0032】
(実施例5)
実施例5として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図9を参照しながら述べる。
【0033】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器においては、実施例1で述べたガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光と共に、波長シフトファイバがガンマ線に感度があるためガンマ線が検出された場合障害となる。このため、ガンマ線が波長シフトファイバ入った場合に発生する蛍光の蛍光寿命が20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳して20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測される。しかし、この信号はZnS蛍光体にガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光寿命が20ns以下の蛍光と同じ過程であることから、ガンマ線弁別は、ガンマ線の場合時間の遅滞がなくXチャネルとYチャネルの2つの信号が20nsの時間幅で生成されるため、Xチャネルについて40nsの遅延を遅延回路で行った後ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅でXチャネルとYチャネルを同時計測するとガンマ線については基本的に同時計測が行われない。
【0034】
実施例5の構成を図10に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。中性子検出シートの面積は32mmx32mmであり、厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に0.5mmx05mmの64本の波長シフトファイバ束をおき、その下面に直交して64本の波長シフトファイバを配置し、縦軸と横軸の波長シフトファイバ束とし二次元シンチレーション検出素子を構成する。波長シフトファイバ束はそれぞれ64チャンネル光電子増倍管に接続される。波長シフトファイバとしては米国バイクロン社製BCF−92MCを用いた。64チャンネル光電子増倍管としては浜松ホトニクス製64チャンネルマルチアノード光電子増倍管H7546Bを2本用いる。バイアス電圧としては、950Vを印加する。マルチアノード光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製64チャネルアンプディスクリ(高速アンプPM−AMP(No.18)と波高弁別器8ch−discri.(No.19)と同じ回路構成)で10倍に増幅し、波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図10に示すAND回路と遅延回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。
【0035】
本ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器について、60Coガンマ線源を用いてガンマ線感度の特製試験を行った結果、中性子/ガンマ線弁別を行う前が9.0x10−5で、本発明の中性子/ガンマ線弁別を行った場合、3.6x10−5となり2.5分の1となった。
【0036】
(実施例6)
実施例6として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図11を参照しながら述べる。
【0037】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器においては、実施例1で述べたガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光と共に、波長シフトファイバがガンマ線に感度があるためガンマ線が検出された場合障害となる。このため、ガンマ線が波長シフトファイバ入った場合に発生する蛍光の蛍光寿命が20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳して20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測される。しかし、この信号はZnS蛍光体にガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光寿命が20ns以下の蛍光と同じ過程であることから、ガンマ線の弁別は、最初にガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をガンマ線信号の可能性があるため使用せず、中性子の場合にはそのあとZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅のフオトン(光子)に基づくパルス信号が来るので、蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製する。その後、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、中性子信号として両者とも同時計測信号が計数された場合に、最終的に中性子信号とする。
【0038】
実施例6の構成を図12に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。中性子検出シートの面積は32mmx32mmであり、厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に0.5mmx05mmの64本の波長シフトファイバ束をおき、その下面に直交して64本の波長シフトファイバを配置し、縦軸と横軸の波長シフトファイバ束とし二次元シンチレーション検出素子を構成する。波長シフトファイバ束はそれぞれ64チャンネル光電子増倍管に接続される。波長シフトファイバとしては米国バイクロン社製BCF−92MCを用いた。64チャンネル光電子増倍管としては浜松ホトニクス製64チャンネルマルチアノード光電子増倍管H7546Bを2本用いる。バイアス電圧としては、950Vを印加する。マルチアノード光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製64チャネルアンプディスクリ(高速アンプPM−AMP(No.18)と波高弁別器8ch−discri.(No.19)と同じ回路構成)で10倍に増幅し、波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図12に示すAND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅としては1μsを用いる。
【0039】
本ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器について、60Coガンマ線源を用いてガンマ線感度の特製試験を行った結果、中性子/ガンマ線弁別を行う前が9.0x10−5で、本発明の中性子/ガンマ線弁別を行った場合、3.0x10−7となり300分の1となった。
【0040】
(実施例7)
実施例7として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図13を参照しながら述べる。図13に示す本発明の弁別方法では、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命とが異なることを利用して中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を1個の光電子増倍管を用いて測定する。ガンマ線の場合は20ns以下の非常に早いパルスが光電子増倍管からのデジタル信号として1つだけ取り出される。中性子についてはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として図13に示すようなデジタル信号列として取り出される。ガンマ線弁別は、ガンマ線の信号が20nsの時間幅で1個生成するだけのため、計数回路を用いて一定時間計測し2個以上の信号が計測された時にガンマ線信号を弁別し中性子信号として計数する。
【0041】
実施例7の構成を図14に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6Li中性子検出シートを用いる。厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に2mmの空間をあけ直径1mmの光ファイバを配置し、2本の光ファイバを光電子増倍管に接続する。接続する際シンチレータの発光強度が強いためメルスグリオ製5%減光フィルタを用いて減光しフォトン計数を可能とする。光ファイバの長さは1mである。光電子増倍管として浜松ホトニクス製R580をバイアス電圧1100Vで用いる。光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製高速アンプPM−AMP(No.18)で10倍に増幅し、その後豊伸電子製波高弁別器8ch−discri.(No.19)で波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図14に示す計数回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。計数回路での計数時間は、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅としては1μsを用いる。
【0042】
(実施例8)
実施例8として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図15を参照しながら述べる。
【0043】
ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定する場合、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測する。この時、光電子増倍管からのアナログ信号を高速増幅器で増幅し、その後波高弁別器でデジタル化する。このデジタル化信号を実施例では50MHzのクロックを持つFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いていてサンプリングする。サンプリング周期は、50MHzのクロックの場合20nsなので十分サンプリング可能である。その後サンプリングで得た信号はクロックと同期したモードを用いて実施例で述べた信号処理を行うことによりシンチレーション中性子検出器及び二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別が可能となる。
【0044】
(実施例9)
実施例9として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図16を参照しながら述べる。
【0045】
ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定する場合、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測する。この時、光電子増倍管からのアナログ信号を高速増幅器で増幅し、その後波高弁別器でデジタル化する。このデジタル化信号を実施例では50MHzのクロックを持つFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いていてサンプリングする。サンプリングする場合に、図16に示すように中性子の入射によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命に従って20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)が重畳して連続した波形となって出力された場合に、連続した波形をクロックに基づいてサンプリングする。このようなサンプリングする事によりこれまで1つの信号として扱われていたフォトン信号を実際の数に近くなる2個以上のパルス信号列として取り出すことが可能となる。
【0046】
サンプリングで得た信号はクロックと同期したモードを用いて実施例で述べた信号処理を行うことによりシンチレーション中性子検出器及び二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別が可能となる。
【産業上の利用の可能性】
【0047】
本発明によれば、ZnS蛍光体を用いたシンチレータと波長シフトファイバとを組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器にも対応可能としていることから、J−PARCなどの大強度陽子加速器を用いたパルス中性子を使用し飛行時間法(TOF)を適用した中性子散乱等による物性物理研究や構造生物学の研究の進展に寄与することが大きい。
【0048】
また、中性子源として原子炉を用いた同種の研究にも利用できる。さらに、今後発展が見込まれるITER等の核融合における強ガンマ線環境下での中性子計測にも利用できる
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例1に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図2】実施例1に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図3】実施例2に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図4】実施例2に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図5】実施例3に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図6】実施例3に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図7】実施例4に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図8】実施例4に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図9】実施例5に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図10】実施例5に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図11】実施例6に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図12】実施例6に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図13】実施例7に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図14】実施例7に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図15】実施例8に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図16】実施例9に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図17】従来例に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、中性子検出体としてZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
中性子線量計測や中性子散乱実験に使用される中性子検出器あるいは中性子イメージ検出器としては、3He検出管あるいは位置敏感型3He検出管が用いられてきた。これらの検出管はガンマ線感度を低くくすることができるが、計数率特性が最大で10Kcpsが限界である。
【0003】
計数率特性を向上した中性子検出器としては、ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートを用いた中性子検出器あるいは中性子イメージ検出器が使用されてきた。また、ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートと波長シフトファイバを用いた高分解能中性子イメージ検出器が開発された。
【0004】
しかし、ガンマ線感度は3He検出管あるいは位置敏感型3He検出管と比較すると計数率特性を良い状態を保持したままでは十分低減する事ができなかった。ガンマ線感度を低減するためには図17の従来の信号処理例に示すように大きな時定数で積分する必要があり、計数率特性が低下することが理由である。
【0005】
また、10Bを中性子コンバータとしてプラスチックシンチレータに入れた中性子検出器が、最近が開発されゼロクロッシング法とチャージ比較法を用いたガンマ線弁別が試みられた(非特許文献1参照)。しかし、複雑な回路構成を必要としているため、本発明の最終的目的である多チャンネルの2次元中性子検出器には適用することがなかなか困難である。
【非特許文献1】Nucl. Instr. And Methods, A484(2002)342-350
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
J−PARC等の大強度陽子加速器を用いた大強度パルス中性子源の建設が進んでおり、パルス中性子の強度および発生する中性子エネルギー範囲が広がるにつれ、高位置分解能を維持したまま高計数率に対応し、検出器を飽和させることなく、二次元中性子イメージを読み出すことが可能な中性子イメージ検出器の開発が不可欠となっている。特に、パルス中性子の強度も強くなるに従い、バックグラウンドとなるガンマ線強度も強くなる。
【0007】
以上の条件下で使用するために必要な中性子検出器あるいは二次元中性子検出器の性能としては、まず高強度のパルス中性子に対応可能でかつガンマ線感度の低いものが要求される。
【0008】
また、ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートと直交した波長シフトファイバ束を用いた高分解能二次元中性子検出器の場合、波長シフトファイバ自身がガンマ線センサとなりZnS蛍光体とほぼ同じ蛍光信号を出力するため、ガンマ線感度が上ってしまうという問題があった。
【0009】
このため、中性子が入射した際、6Liあるいは10B中性子コンバータ内で発生する粒子線をZnS蛍光体に入射させて中性子を検出するシンチレーション中性子検出器において、従来は、ZnS蛍光体の粒子線に対する蛍光寿命とガンマ線に対する蛍光寿命とが異なることを信号の積分することによりガンマ線の検出感度の低減を図ってきたが、計数率特性が犠牲にされていた。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ZnS蛍光体を用いた中性子イメージ検出器において、計数率特性を維持したままガンマ線感度の低減を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、中性子が入射した際、6Liあるいは10B中性子コンバータ内で発生する粒子線をZnS蛍光体に入射させて中性子を検出するシンチレーション中性子検出器において、ZnS蛍光体の粒子線に対する蛍光寿命とガンマ線に対する蛍光寿命とが異なることを利用して、中性子を検出する際妨害となるガンマ線を除去する方法を考案した。
【0012】
このため、本発明においては、ZnS蛍光体から放出され蛍光を基本的にフオトン(光子)計数する事により中性子とガンマ線を弁別する方法を提供し、計数率特性を維持したままガンマ線感度を低減する。
【0013】
ZnS蛍光体のガンマ線に対する特性として、その蛍光寿命が非常に短く光電子増倍管から出力される信号は20ns以下のパルス幅を持つ。一方、中性子がZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータと組み合わせた中性子検出シートに入射した場合、発生したアルファ線等の粒子線はZnS蛍光体を発光させて蛍光寿命となる1μs以上の間フォトン信号を1つ以上放出する。基本的には以上のフォトン信号とその発生するタイミングの差を利用して電子回路により中性子とガンマ線を弁別する。
【0014】
また、ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータを混合した中性子検出シートと直交した波長シフトファイバ束を用いた高分解能二次元中性子検出器の場合、波長シフトファイバ自身がガンマ線センサとなりZnS蛍光体とほぼ同じ蛍光信号を出力するためガンマ線感度が上ってしまうという問題に対しても、ガンマ線に起因して発生する信号がZnS蛍光体により発生するガンマ線信号とほぼ同じあるので上記と同様にガンマ線を弁別できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ZnS蛍光体を用いた中性子イメージ検出器において、計数率特性を維持したままガンマ線感度の低減を図ることが可能となる。
【実施例】
【0016】
(実施例1)
実施例1として、最初に、本発明によるZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法と従来方法との基本的な差を図1と従来例の図17をもとにして比較しながら述べる。ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器においては、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命が1μs以上であり、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命が20ns以下と非常に短い、という差を利用して、従来はガンマ線感度を低減するために大きな時定数で積分し、その後波高弁別回路によりパルス波高の差を利用して中性子/ガンマ線の弁別を行ってきた。このため、計数率特性が低下した。また、積分回路等のアナログ回路が必要なため多チャンネル化する場合に小型化が困難でありかつコストもかかった。
【0017】
一方、図1に示す本発明の弁別方法では、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命とが異なることを利用して中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定する。ガンマ線の場合は20ns以下の非常に早いパルスが2個の光電子増倍管(XとYとして表示)からのデジタル信号として取り出される。中性子についてはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として図に示すようなデジタル信号列として取り出される。ガンマ線弁別は、時間の遅滞がないため、XとYの2つの信号を20nsないし40nsの時間幅で同時計測することにより弁別できる。中性子の検出は、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅、実施例では1μsで同時計測し中性子信号とする。しかし、先のガンマ線の場合も同時計測していることから、ガンマ線信号が有効な場合にはこの中性子信号を無効とする回路を用意する。また、ガンマ線信号と認識した場合でもその間に中性子が同時に入射し信号を出す場合もあることから、ガンマ線信号を用いてZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅1μsから先に設定した20から40nsを差し引いた時間(960ないし980ns)のゲート信号を作製し、XとYからのフオトン(光子)に基づくパルス信号のうち少なくとも1つのフオトン(光子)に基づくパルス信号がそのゲート時間の間に計数した場合に再度中性子信号として計数する。
【0018】
実施例1の構成を図2に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に2mmの空間をあけ直径1mmの光ファイバを配置し、4本配置し各2本ずつ2個の光電子増倍管に接続する。接続する際シンチレータの発光強度が強いためメルスグリオ製5%減光フィルタを用いて減光しフォトン計数を可能とする。光ファイバの長さは1mである。光電子増倍管として浜松ホトニクス製R580をバイアス電圧1100Vで用いる。光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製高速アンプPM−AMP(No.18)で10倍に増幅し、その後豊伸電子製波高弁別器8ch−discri.(No.19)で波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図2に示すAND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路及びOR回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。
【0019】
なお、本発明は、光ファイバを用いてコーディングし一次元あるいは二次元シンチレーション検出器としての応用が主となることから光電子増倍管を2本用いることに対してのコストのアップはこの場合考慮する必要はない。
【0020】
(実施例2)
実施例2として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図3を参照しながら述べる。
【0021】
図3に示す本発明の弁別方法では、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命とが異なることを利用して中性子を検出する際に障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定する。ガンマ線の場合は20ns以下の非常に早いパルスが2個の光電子増倍管(XとYとして表示)からのデジタル信号として取り出される。中性子についてはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として図3に示すようなデジタル信号列として取り出される。ガンマ線弁別は、ガンマ線の場合時間の遅滞がなくXチャネルとYチャネルの2つの信号が20nsの時間幅で生成されるため、Xチャネルについて40nsの遅延を遅延回路で行った後ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅でXチャネルとYチャネルを同時計測するとガンマ線については基本的に同時計測が行われない。
【0022】
実施例2の構成を図4に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に2mmの空間をあけ直径1mmの光ファイバを配置し、4本配置し各2本ずつ2個の光電子増倍管に接続する。接続する際シンチレータの発光強度が強いためメルスグリオ製5%減光フィルタを用いて減光しフォトン計数を可能とする。光ファイバの長さは1mである。光電子増倍管として浜松ホトニクス製R580をバイアス電圧1100Vで用いる。光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製高速アンプPM−AMP(No.18)で10倍に増幅し、その後豊伸電子製波高弁別器8ch−discri.(No.19)で波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図4に示すAND回路と遅延回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的な動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。遅延時間としては余裕を持たせるため40nsとし、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅としては1μsを用いる。
【0023】
本発明の方法では、中性子の検出ロスがほとんどなく、適用しない場合に対して99%以上の検出効率を有する。
【0024】
なお、本発明は、光ファイバを用いてコーディングし一次元あるいは二次元シンチレーション検出器としての応用が主となることから光電子増倍管を2本用いることに対してのコストのアップはこの場合考慮する必要はない。
【0025】
(実施例3)
実施例3として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図5を参照しながら述べる。図5に示す本発明の弁別方法では、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命とが異なることを利用して中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定する。ガンマ線の場合は20ns以下の非常に早いパルスが2個の光電子増倍管(XとYとして表示)からのデジタル信号として取り出される。中性子についてはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として図5に示すようなデジタル信号列として取り出される。ガンマ線の弁別は、最初にガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をガンマ線信号の可能性があるため使用せず、中性子の場合にはそのあとZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅のフオトン(光子)に基づくパルス信号が来るので、蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製する。その後、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、中性子信号として両者とも同時計測信号が計数された場合に、最終的に中性子信号とする。
【0026】
実施例3の構成を図6に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に2mmの空間をあけ直径1mmの光ファイバを配置し、4本配置し各2本ずつ2個の光電子増倍管に接続する。接続する際シンチレータの発光強度が強いためメルスグリオ製5%減光フィルタを用いて減光しフォトン計数を可能とする。光ファイバの長さは1mである。光電子増倍管として浜松ホトニクス製R580をバイアス電圧1100Vで用いる。光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製高速アンプPM−AMP(No.18)で10倍に増幅し、その後豊伸電子製波高弁別器8ch−discri.(No.19)で波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図6に示すAND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅としては1μsを用いる。
【0027】
なお、本発明は、光ファイバを用いてコーディングし一次元あるいは二次元シンチレーション検出器としての応用が主となることから光電子増倍管を2本用いることに対してのコストのアップはこの場合考慮する必要はない。
【0028】
(実施例4)
実施例4として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図7を参照しながら述べる。
【0029】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器においては、実施例1で述べたガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光と共に、波長シフトファイバがガンマ線に感度があるためガンマ線が検出された場合障害となる。このため、ガンマ線が波長シフトファイバ入った場合に発生する蛍光の蛍光寿命が20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳して20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測される。しかし、この信号はZnS蛍光体にガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光寿命が20ns以下の蛍光と同じ過程でガンマ線弁別を行うことができる。
【0030】
実施例4の構成を図8に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。中性子検出シートの面積は32mmx32mmであり、厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に0.5mmx05mmの64本の波長シフトファイバ束をおき、その下面に直交して64本の波長シフトファイバを配置し、縦軸と横軸の波長シフトファイバ束とし二次元シンチレーション検出素子を構成する。波長シフトファイバ束はそれぞれ64チャンネル光電子増倍管に接続される。波長シフトファイバとしては米国バイクロン社製BCF−92MCを用いた。64チャンネル光電子増倍管としては浜松ホトニクス製64チャンネルマルチアノード光電子増倍管H7546Bを2本用いる。バイアス電圧としては、950Vを印加する。マルチアノード光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製64チャネルアンプディスクリ(高速アンプPM−AMP(No.18)と波高弁別器8ch−discri.(No.19)と同じ回路構成)で10倍に増幅し、波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図8に示すAND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路及びOR回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。
【0031】
本ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器について、60Coガンマ線源を用いてガンマ線感度の特製試験を行った結果、中性子/ガンマ線弁別を行う前が9.0x10−5で、本発明の中性子/ガンマ線弁別を行った場合、5.4x10−6となり15分の1となった。
【0032】
(実施例5)
実施例5として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図9を参照しながら述べる。
【0033】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器においては、実施例1で述べたガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光と共に、波長シフトファイバがガンマ線に感度があるためガンマ線が検出された場合障害となる。このため、ガンマ線が波長シフトファイバ入った場合に発生する蛍光の蛍光寿命が20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳して20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測される。しかし、この信号はZnS蛍光体にガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光寿命が20ns以下の蛍光と同じ過程であることから、ガンマ線弁別は、ガンマ線の場合時間の遅滞がなくXチャネルとYチャネルの2つの信号が20nsの時間幅で生成されるため、Xチャネルについて40nsの遅延を遅延回路で行った後ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅でXチャネルとYチャネルを同時計測するとガンマ線については基本的に同時計測が行われない。
【0034】
実施例5の構成を図10に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。中性子検出シートの面積は32mmx32mmであり、厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に0.5mmx05mmの64本の波長シフトファイバ束をおき、その下面に直交して64本の波長シフトファイバを配置し、縦軸と横軸の波長シフトファイバ束とし二次元シンチレーション検出素子を構成する。波長シフトファイバ束はそれぞれ64チャンネル光電子増倍管に接続される。波長シフトファイバとしては米国バイクロン社製BCF−92MCを用いた。64チャンネル光電子増倍管としては浜松ホトニクス製64チャンネルマルチアノード光電子増倍管H7546Bを2本用いる。バイアス電圧としては、950Vを印加する。マルチアノード光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製64チャネルアンプディスクリ(高速アンプPM−AMP(No.18)と波高弁別器8ch−discri.(No.19)と同じ回路構成)で10倍に増幅し、波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図10に示すAND回路と遅延回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。
【0035】
本ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器について、60Coガンマ線源を用いてガンマ線感度の特製試験を行った結果、中性子/ガンマ線弁別を行う前が9.0x10−5で、本発明の中性子/ガンマ線弁別を行った場合、3.6x10−5となり2.5分の1となった。
【0036】
(実施例6)
実施例6として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図11を参照しながら述べる。
【0037】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器においては、実施例1で述べたガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光と共に、波長シフトファイバがガンマ線に感度があるためガンマ線が検出された場合障害となる。このため、ガンマ線が波長シフトファイバ入った場合に発生する蛍光の蛍光寿命が20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳して20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測される。しかし、この信号はZnS蛍光体にガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光寿命が20ns以下の蛍光と同じ過程であることから、ガンマ線の弁別は、最初にガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をガンマ線信号の可能性があるため使用せず、中性子の場合にはそのあとZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅のフオトン(光子)に基づくパルス信号が来るので、蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製する。その後、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、中性子信号として両者とも同時計測信号が計数された場合に、最終的に中性子信号とする。
【0038】
実施例6の構成を図12に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6LiF中性子検出シートを用いる。中性子検出シートの面積は32mmx32mmであり、厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に0.5mmx05mmの64本の波長シフトファイバ束をおき、その下面に直交して64本の波長シフトファイバを配置し、縦軸と横軸の波長シフトファイバ束とし二次元シンチレーション検出素子を構成する。波長シフトファイバ束はそれぞれ64チャンネル光電子増倍管に接続される。波長シフトファイバとしては米国バイクロン社製BCF−92MCを用いた。64チャンネル光電子増倍管としては浜松ホトニクス製64チャンネルマルチアノード光電子増倍管H7546Bを2本用いる。バイアス電圧としては、950Vを印加する。マルチアノード光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製64チャネルアンプディスクリ(高速アンプPM−AMP(No.18)と波高弁別器8ch−discri.(No.19)と同じ回路構成)で10倍に増幅し、波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図12に示すAND回路、ゲート時間発生回路、ゲート回路から構成される特製回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅としては1μsを用いる。
【0039】
本ZnS蛍光体と6LiF中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器について、60Coガンマ線源を用いてガンマ線感度の特製試験を行った結果、中性子/ガンマ線弁別を行う前が9.0x10−5で、本発明の中性子/ガンマ線弁別を行った場合、3.0x10−7となり300分の1となった。
【0040】
(実施例7)
実施例7として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図13を参照しながら述べる。図13に示す本発明の弁別方法では、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命とが異なることを利用して中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を1個の光電子増倍管を用いて測定する。ガンマ線の場合は20ns以下の非常に早いパルスが光電子増倍管からのデジタル信号として1つだけ取り出される。中性子についてはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した確率で20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として図13に示すようなデジタル信号列として取り出される。ガンマ線弁別は、ガンマ線の信号が20nsの時間幅で1個生成するだけのため、計数回路を用いて一定時間計測し2個以上の信号が計測された時にガンマ線信号を弁別し中性子信号として計数する。
【0041】
実施例7の構成を図14に示す検出器の構成図をもとに説明する。中性子用シンチレータとしては英国AST社製ZnS:Ag/6Li中性子検出シートを用いる。厚さは0.4mmである。この検出シートの背後に2mmの空間をあけ直径1mmの光ファイバを配置し、2本の光ファイバを光電子増倍管に接続する。接続する際シンチレータの発光強度が強いためメルスグリオ製5%減光フィルタを用いて減光しフォトン計数を可能とする。光ファイバの長さは1mである。光電子増倍管として浜松ホトニクス製R580をバイアス電圧1100Vで用いる。光電子増倍管から出力された信号は豊伸電子製高速アンプPM−AMP(No.18)で10倍に増幅し、その後豊伸電子製波高弁別器8ch−discri.(No.19)で波高弁別する。弁別レベルは150mVである。その後、図14に示す計数回路を用いて前記した基本的動作説明に基づいた信号処理を行い中性子信号として出力する。計数回路での計数時間は、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅としては1μsを用いる。
【0042】
(実施例8)
実施例8として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図15を参照しながら述べる。
【0043】
ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定する場合、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測する。この時、光電子増倍管からのアナログ信号を高速増幅器で増幅し、その後波高弁別器でデジタル化する。このデジタル化信号を実施例では50MHzのクロックを持つFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いていてサンプリングする。サンプリング周期は、50MHzのクロックの場合20nsなので十分サンプリング可能である。その後サンプリングで得た信号はクロックと同期したモードを用いて実施例で述べた信号処理を行うことによりシンチレーション中性子検出器及び二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別が可能となる。
【0044】
(実施例9)
実施例9として、ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法について図16を参照しながら述べる。
【0045】
ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定する場合、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測する。この時、光電子増倍管からのアナログ信号を高速増幅器で増幅し、その後波高弁別器でデジタル化する。このデジタル化信号を実施例では50MHzのクロックを持つFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いていてサンプリングする。サンプリングする場合に、図16に示すように中性子の入射によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命に従って20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)が重畳して連続した波形となって出力された場合に、連続した波形をクロックに基づいてサンプリングする。このようなサンプリングする事によりこれまで1つの信号として扱われていたフォトン信号を実際の数に近くなる2個以上のパルス信号列として取り出すことが可能となる。
【0046】
サンプリングで得た信号はクロックと同期したモードを用いて実施例で述べた信号処理を行うことによりシンチレーション中性子検出器及び二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別が可能となる。
【産業上の利用の可能性】
【0047】
本発明によれば、ZnS蛍光体を用いたシンチレータと波長シフトファイバとを組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器にも対応可能としていることから、J−PARCなどの大強度陽子加速器を用いたパルス中性子を使用し飛行時間法(TOF)を適用した中性子散乱等による物性物理研究や構造生物学の研究の進展に寄与することが大きい。
【0048】
また、中性子源として原子炉を用いた同種の研究にも利用できる。さらに、今後発展が見込まれるITER等の核融合における強ガンマ線環境下での中性子計測にも利用できる
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例1に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図2】実施例1に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図3】実施例2に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図4】実施例2に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図5】実施例3に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図6】実施例3に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図7】実施例4に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図8】実施例4に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図9】実施例5に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図10】実施例5に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図11】実施例6に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図12】実施例6に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図13】実施例7に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図14】実施例7に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する構成図である。
【図15】実施例8に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図16】実施例9に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を説明する図である。
【図17】従来例に係るZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号をZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測し中性子信号する共に、平行して時間幅20nsから40nsの時間幅で同時計測を行い、同時計測信号が得られた場合には、先に蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測して得られた中性子信号を無効とし、次にこの同時計測信号を用いてZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅から先に設定した20から40nsを差し引いた時間のゲート信号を作製し、2つの光電子増倍管からのフオトン(光子)に基づくパルス信号のうち少なくとも1つのフオトン(光子)に基づくパルス信号をそのゲート時間の間に計数した場合に再度中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項2】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されたパルス信号の内片方の信号のみを20nsから40ns遅延した後、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測を行い、同時計測信号を計数した場合に、中性子信号することを特徴とするZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子・ガンマ線弁別方法。
【請求項3】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をもとにZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製し、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、両者とも同時計測信号が計数された場合に、中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項4】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測すると同時に、波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号をZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測し中性子信号する共に、平行して時間幅20nsから40nsの時間幅で同時計測を行い、同時計測信号が得られた場合には、先に蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測して得られた中性子信号を無効とし、次にこの同時計測信号を用いてZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅から先に設定した20から40nsを差し引いた時間のゲート信号を作製し、2つの光電子増倍管からのフオトン(光子)に基づくパルス信号のうち少なくとも1つのフオトン(光子)に基づくパルス信号をそのゲート時間の間に計数した場合に再度中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項5】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測すると同時に、波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されたパルス信号の内片方の信号のみを20nsから40ns遅延した後、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測を行い、同時計測信号を計数した場合に、中性子信号することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子・ガンマ線弁別方法。
【請求項6】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測すると同時に、波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をもとにZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製し、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、両者とも同時計測信号が計数された場合に、中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項7】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、計数回路を用いて、ガンマ線が入射した場合には、20ns以下の時間幅を持つパルス信号が必ず1個のみ計数されるのに対し、中性子が入射した場合にはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅内に、フォトンパルス信号があらかじめ設定した2個以上の設定値に到達した際に発生する信号を中性子信号として検出することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載のZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法において、前記ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、波長シフトファイバを蛍光検出に用いる場合に波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測する場合に、光電子増倍管からのアナログ信号を波高弁別器でデジタル化した後50MHzないし200MHzのクロックを用いてこれらの信号をサンプリングし、サンプリングした後は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の信号処理をクロックと同期したモードで行うことによりガンマ線信号を弁別し、中性子信号として検出することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項9】
請求項8記載のZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法において、光電子増倍管からのアナログ信号を波高弁別器でデジタル化した後50MHzないし200MHzのクロックを用いてこれらの信号をサンプリングする場合に、中性子の入射によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命に従って20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)が重畳して連続した波形となって出力された場合に、サン連続した波形をクロックに基づいてサンプリングし、2個以上のパルス信号列として取り出し、前記信号処理をクロックと同期したモードで行うことによりガンマ線信号を弁別し、中性子信号として検出することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項1】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号をZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測し中性子信号する共に、平行して時間幅20nsから40nsの時間幅で同時計測を行い、同時計測信号が得られた場合には、先に蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測して得られた中性子信号を無効とし、次にこの同時計測信号を用いてZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅から先に設定した20から40nsを差し引いた時間のゲート信号を作製し、2つの光電子増倍管からのフオトン(光子)に基づくパルス信号のうち少なくとも1つのフオトン(光子)に基づくパルス信号をそのゲート時間の間に計数した場合に再度中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項2】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されたパルス信号の内片方の信号のみを20nsから40ns遅延した後、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測を行い、同時計測信号を計数した場合に、中性子信号することを特徴とするZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子・ガンマ線弁別方法。
【請求項3】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をもとにZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製し、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、両者とも同時計測信号が計数された場合に、中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いたシンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項4】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測すると同時に、波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号をZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測し中性子信号する共に、平行して時間幅20nsから40nsの時間幅で同時計測を行い、同時計測信号が得られた場合には、先に蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測して得られた中性子信号を無効とし、次にこの同時計測信号を用いてZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅から先に設定した20から40nsを差し引いた時間のゲート信号を作製し、2つの光電子増倍管からのフオトン(光子)に基づくパルス信号のうち少なくとも1つのフオトン(光子)に基づくパルス信号をそのゲート時間の間に計数した場合に再度中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項5】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測すると同時に、波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されたパルス信号の内片方の信号のみを20nsから40ns遅延した後、ZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅で同時計測を行い、同時計測信号を計数した場合に、中性子信号することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子・ガンマ線弁別方法。
【請求項6】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータと直交した2つの波長シフトファイバ束を組み合わせた二次元シンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を2個の光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測すると同時に、波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、2個の光電子増倍管から出力されるパルス信号について、それぞれ最初に来たパルス信号をもとにZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅のゲート信号を作製し、それぞれのゲート信号を使って次にくるパルス信号と同時計測し、両者とも同時計測信号が計数された場合に、中性子信号とすることを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項7】
ZnS蛍光体と6Liあるいは10B中性子コンバータとを混合した中性子用シンチレータを用いたシンチレーション中性子検出器において、中性子が中性子用シンチレータに入射した際6Liあるいは10Bから発生する粒子線によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命と、ガンマ線が入射した際中性子用シンチレータから放出される蛍光の蛍光寿命と、が異なることを利用して、中性子を検出する際障害となるガンマ線を弁別する場合に、ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、計数回路を用いて、ガンマ線が入射した場合には、20ns以下の時間幅を持つパルス信号が必ず1個のみ計数されるのに対し、中性子が入射した場合にはZnS蛍光体の蛍光寿命に対応した時間幅内に、フォトンパルス信号があらかじめ設定した2個以上の設定値に到達した際に発生する信号を中性子信号として検出することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載のZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法において、前記ZnS蛍光体から放出された中性子に対する蛍光及びガンマ線に対する蛍光を光電子増倍管を用いて測定し、中性子に対しては20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)に基づくパルス信号として計測し、ガンマ線に対しては蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測し、波長シフトファイバを蛍光検出に用いる場合に波長シフトファイバにガンマ線が入った場合に波長シフトファイバの蛍光寿命である20ns以下の時間幅の中にフオトン(光子)が重畳した信号として20ns以下の時間幅を持つパルス信号として計測する場合に、光電子増倍管からのアナログ信号を波高弁別器でデジタル化した後50MHzないし200MHzのクロックを用いてこれらの信号をサンプリングし、サンプリングした後は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の信号処理をクロックと同期したモードで行うことによりガンマ線信号を弁別し、中性子信号として検出することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【請求項9】
請求項8記載のZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法において、光電子増倍管からのアナログ信号を波高弁別器でデジタル化した後50MHzないし200MHzのクロックを用いてこれらの信号をサンプリングする場合に、中性子の入射によりZnS蛍光体から放出される蛍光の蛍光寿命に従って20ns以下の時間幅を持つフオトン(光子)が重畳して連続した波形となって出力された場合に、サン連続した波形をクロックに基づいてサンプリングし、2個以上のパルス信号列として取り出し、前記信号処理をクロックと同期したモードで行うことによりガンマ線信号を弁別し、中性子信号として検出することを特徴とするZnS蛍光体を用いた二次元シンチレーション中性子検出器の中性子/ガンマ線弁別方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図8】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図8】
【図10】
【公開番号】特開2008−111677(P2008−111677A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293314(P2006−293314)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】
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