説明

オゾン液生成装置及びオゾン液生成方法

【課題】 オゾン液生成装置において、気液分離器の内圧が気液混合器のガス吸込圧力を超えることにより、気液分離器から気液混合器へオゾン液が逆流することを防ぐオゾン液生成装置及びオゾン液生成方法を実現する。
【解決手段】 オゾンガスを発生するオゾン発生手段と、前記オゾンガスと液体を混合し、オゾン液を生成する気液混合手段と、前記オゾン液を気液分離する貯液槽と、外部からの気体を導入する気体吸込手段と、前記貯液槽内の圧力を検知する気体圧力検出手段と、前記気液混合手段への気体吸込圧力を検出する吸込圧力検出手段と、前記気体圧力または吸込圧力を制御する圧力制御手段を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン液を生成するオゾン液生成装置およびオゾン液生成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オゾン液生成装置は、オゾン発生器と気液混合器を備え、オゾン発生器で発生させたオゾンガスを水などの液体と混合させ、オゾン液を生成している。オゾン液生成装置には、大きく分けて非循環型と循環型がある。非循環型オゾン液生成装置は、オゾン発生器で発生させたオゾンガスを水などの液体と混合させ、オゾン液を生成するとともに、水などの液体に溶け込めずに残ったオゾンガスは、一旦保存槽などの密閉容器内部にストックされ、ガス分解してから外部に排出されるか、あるいはオゾンフィルタなどを通じて人体に影響がない程度のオゾン濃度にしてから外部に排出される。
【0003】
一方、特許文献1に示されるような循環型のオゾン水生成装置は、オゾン水を生成した際に、水などの液体に溶け込めずに残ったオゾンガスを回収して、再度オゾン発生器に送り、この排オゾンガスを用いてさらに濃度の高いオゾンガスを生成する方式である。オゾン発生器で発生させた大部分のオゾンガスは、水に対して溶解しきれないため、非循環型オゾン液生成装置では、オゾン液生成の効率が悪かった点を、循環型とすることで、オゾンガスの利用効率を高めることが出来る。
【0004】
図8は、特許文献1に示されたオゾン水生成装置800の全体構成を示すブロック図である。オゾン発生器801と気液混合器802と気体と液体に気液分離する機能を有する密封タンク803と、密封タンク803とオゾン発生器801とを接続するガス返送路804とを備え、密封タンク803によって分離されたオゾンガスを、ガス返送路804を介して除湿器805を経由して、オゾン発生器801に供給する。このため、排ガスに含まれる未溶解のオゾンガスを再利用することが可能である。
【0005】
また、一定時間、オゾン水の生成を続けると、気体が水に溶解してオゾン水生成装置の外部へ導出されるため、密封タンク803内の気体の体積が減少してしまう。そこで、密閉タンク803内の気体の減少量を検知できるレベルスイッチと、酸素ボンベからオゾン発生器801へ酸素の供給を制御する制御回路を設け、酸素の補充を行うことで、安定したオゾン水の生成を継続させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−207892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に示されるオゾン水生成装置800を含む一般のオゾン水生成装置においては、密閉タンク803内のオゾン液量の増減により、密閉タンク803内のオゾン水の水位が上下すると、密閉タンク803の内圧が変化する。例えば水位が上昇する原因としては、気液混合器802から密閉タンク803へ送液されるオゾン水の量が過剰になる場合や密閉タンク803の排水口806からの排水が滞り、排水が少なくなる場合、あるいはこれら両方の原因が考えられる。ここで、貯水タンク803の水位が上昇すると、貯水タンク803の内圧が上がるため、気液混合器802から密閉タンク803へ送液される際の流速が弱くなり、気液混合器のガス吸込圧力が下がってしまう。このことにより、密閉タンク803から気液混合器802へオゾン水が逆流し、逆流したオゾン水がオゾン発生器801へ浸水するため、濃度の高いオゾン水であればあるほど、オゾン発生器801が酸化されて劣化してしまう虞がある。また、オゾン水が逆流することで、本来必要とするオゾン水の排出に支障を来たす可能性もある。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、オゾン液(=オゾン水)生成装置において、気液分離器(背景技術における密閉タンク)から気液混合器へオゾン液が逆流することを防ぐオゾン液生成装置及びオゾン液生成方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るオゾン液発生装置は、オゾンガスを発生するオゾン発生手段と、前記オゾンガスと液体を混合し、オゾン液を生成する気液混合手段と、前記オゾン液を気液分離する気液分離手段と、外部からの気体を導入する気体吸込手段と、前記気液混合手段への気体吸込圧力を検出する吸込圧力検出手段と、前記気液分離手段の内圧を制御する圧力制御手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、前記圧力制御手段は、前記気体吸込圧力が負圧になるように前記気液分離手段の内圧を制御することを特徴としてもよい。また、前記圧力制御手段は、前記気体吸込圧力が所定の値よりも大きくなるように前記気液分離手段の内圧を制御することを特徴としてもよい。
【0011】
また、前記圧力制御手段は、前記気液分離手段から排出されるオゾン液の排水量を制御することを特徴としてもよい。前記圧力制御手段は、前記気液混合手段への給水量を制御することを特徴としてもよい。
【0012】
また、前記オゾン液生成装置は、前記気液分離手段の内圧を検知する気体圧力検出手段をさらに備えることを特徴としてもよい。また、前記圧力制御手段は、前記気体圧力が前記気体吸込圧力よりも大きい場合に前記気液分離手段の内圧を制御することを特徴としてもよい。
【0013】
また、前記オゾン液生成装置は、前記オゾン発生手段と前記気液混合手段と前記気液混合手段との間に気体を循環させる循環経路を備えることを特徴としてもよい。
【0014】
本発明に係るオゾン液生成方法は、オゾンガスを発生させるオゾンガス発生工程と、前記オゾンガスと液体を混合し、気液混合手段にてオゾン液を生成する気液混合工程と、前記オゾン液を気液分離手段にて気液分離する気液分離工程と、前記気液混合手段への気体吸込圧力を検出する吸込圧力検出工程と、前記気液分離手段の内圧を制御する圧力制御工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、オゾン液生成装置において、気液分離器から気液混合器へオゾン液が逆流することを防ぐオゾン液生成装置及びオゾン液生成方法を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1に係るオゾン液生成装置の概略図である。
【図2】実施形態1に係る気液混合部の概略図である。
【図3】実施形態1に係る圧送部を備えた配管に接続された気液混合部の概略図である。
【図4】実施形態1に係る排水制御のフローチャートである。
【図5】実施形態2に係るオゾン液生成装置の概略図である。
【図6】実施形態3に係るオゾン液生成装置の概略図である。
【図7】実施形態3に係る排水制御のフローチャートである。
【図8】従来技術におけるオゾン液生成装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0018】
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係るオゾン液生成装置100の概略図である。本実施形態では循環型のオゾン液生成装置を例に挙げて説明するが、非循環型のオゾン液生成装置についても、適用が可能である。
【0019】
オゾン液生成装置100には、オゾンガスを発生するオゾン発生器101と、液体とオゾンガスを混合する気液混合部102と、液体を貯液するとともに、気体と液体を分離する気液分離手段としての貯液槽103とオゾン液生成装置100の外部から気体を導入する気体導入手段105、そして、これら装置間に気体または液体を循環させるために、経路a、b、cとからなる循環経路Aが設けられている。
【0020】
オゾン発生器101は、空気または酸素などの気体を導入する経路aと接続された導入口106と、金属などの電極により形成され、導入された空気や酸素を材料にオゾンガスを発生するオゾン発生電極と、オゾンガスを導出する導出口107を備えている。導入口106より導入された酸素または空気に含まれる酸素の一部などからオゾンガスが生成され、導出口107から導出される。ここで、オゾン発生器101は、導入される空気や酸素などの気体からオゾンガスを生成する構成であれば、一般的なオゾン発生器を用いることが可能である。
【0021】
気液混合部102は、オゾン液生成装置100の外部から水などの液体を導入する導入口108と、経路bに接続され、オゾンガスや空気などの気体を導入する導入口109と、経路cと接続され、気体と液体を混合した気液混合体を導出する導出口110とを備えている。導入口108から導入された水などの液体は、導入口109から導入された空気やオゾンガスなどの気体と混合され、導出口110からオゾン液などの気液混合体として導出される。気液混合部102の内部または近傍には気液混合部102にオゾンガスや空気などの気体を吸い込む気体吸込圧力を検出する吸込圧力検出手段としての吸込圧力センサ202が設けられている。ここで気体吸込圧力とは、気液混合部に気体が吸い込まれる力をいう。
【0022】
ここで、気液混合体とは、液体に気体が溶解した液体、または、液体に気体が気泡として含まれた液体を示し、オゾン液とは、液体にオゾンガスが溶け込んだオゾン溶液または、液体にオゾンガスが気泡として混合されるオゾンバブル液が含まれる。また、オゾンガスが混合される液体は、水や農耕用の溶媒として利用される栽培養液や医療用の溶媒として利用される溶液などである。
【0023】
次に、気液混合部102の一例について図2を用いて説明する。図2はベンチュリー型の気液混合部102の概略説明図である。ベンチュリー型の気液混合部102は、液体が導入される導入口108と導入口108と連通した導入経路21と、導入経路21に連通し、導入経路21に比べて小さな径を有する連通経路22と、連通経路22と連通し、連通経路22に比べて大きな径を有する導出経路23と、導出経路23に連通された導出口110を備え、導出口110から液体が導出される。また、連通経路22は、経路の途中に開設して設けられた導入口109を備え、経路bを介してオゾン発生器101と接続されている。ここで、開設とは、配管の側面に穴などを設けることを示し、穴として配管に開設された開設口は、他の配管と連通させて接続させることが可能である。なお、穴の形状は、丸、楕円、多角形など適宜、自由に設計して構わない。
【0024】
導入口108から液体を導入すると、導入経路21を通り連通経路22に到達した液体は、導入経路21に比べ細い管に導入されるため、ベルヌーイの定理に知られるように、流速が増加し静圧が減少する。この結果、流動する液体の静圧は負圧になり、経路bを介して連通経路22へ向かい気体が吸引される。その後、導入された気体と液体が混合され、気液混合体として導出経路23と連通された導出口110から導出される。ここで、オゾン発生器101により、オゾンガスを発生して導入されている場合、導入される液体とオゾンガスが混合され、オゾン液が生成される。ここで、気液混合部の一実施形態として、図2のベンチュリー型の気液混合部を用いて説明したが、気体の自吸が可能な気液混合部であれば、他の構成の気液混合部を用いても構わない。
【0025】
次に、気液混合部の他の構成例について説明する。図3は、経路bまたは経路aに圧送部を備え、気体の自吸が不可能な気液混合部102と接続した概略説明図である。図3(a)は圧送部119を備えた経路bと接続された気液混合部の構成例である。図3(b)は圧送部119を備えた経路aと接続された気液混合部の構成例である。
【0026】
圧送部119はポンプなどにより形成され、配管を介して気液混合部102に向かって気体を流動させることができる。また、配管に設けられる圧送部119の能力は、気液混合部102に対して気体を圧送する必要があるため、気液混合部102から圧送部119へかかる圧力よりも高い圧送能力を備えたものを配置する。
【0027】
このため、図3(a)、(b)のいずれの構成も自吸力がないタイプの気液混合部を配置した場合にも、自吸力がある気液混合部と同様に、循環経路Aを介して気液混合部102に気体を導入し、導入口108から導入される液体と混合することが可能となる。
【0028】
貯液槽103は液体や気体が貯蔵できる密封可能な容器などからなる。経路cに接続され液体を導入する導入口111と、オゾン液生成装置100の外部へ水やオゾン液などの液体を導出する排水口112と、吸込圧力センサ202で検知された気体吸込圧力に基づき、導出する液体量を調整して貯液槽103の内圧を制御する圧力制御手段としての排水制御手段104と、経路aに接続され、空気やオゾンガスなどの気体を導出する気体導出口113とを備える。吸込圧力センサ202と排水制御手段104の仕組みについては後に詳述する。
【0029】
導入口111より導入された液体は、貯液槽103の下層に導入され、貯液槽103の上層には空気やオゾンガスなどの気体が貯蔵される。貯液槽103は、気体と液体を分離することが可能であり、気液分離手段としての役割を担う。ここで、密封可能な容器とは物理的に密封された空間ではなく、気体が液体により閉じ込められた空間をもつ容器が含まれる。容器内に気体を封止することができれば、常時、排水口112から水が導出されていても密封状態として表現する。貯液槽103の形状は、円筒や多角柱や多角錐や円錐形状などの一般的な形状に形成させてよい。また、貯液槽103の大きさは設計に応じて、適宜、調整することが可能であり、配管の一部を広げて貯液槽を形成させても構わない。
【0030】
例えば、貯液槽103は、オゾン液を貯液槽103の導入口111から導入する場合、オゾン液に気泡として含まれていたオゾンガスや空気などの気体が幾分か分離され、貯液槽103の上層に貯蔵され、貯液槽103の下層に液体にオゾンガスが溶解したオゾン液が貯液される。また、気体導出口113は、貯液槽103に設けられた排水口112の位置より、重力方向に対して高い位置に設けられ、気液分離されたオゾンガスは経路aを通じて排出される。なお、貯液槽103には、気体導出口113の開閉を制御する開閉制御手段が備えられていてもよい。
【0031】
循環経路Aはホースやパイプなどからなる配管系から形成され、オゾン発生器101の導出口107と気液混合部102の導入口109との間を接続する経路bと、気液混合部102の導出口110と貯液槽103の導入口111との間を接続する経路cと、貯液槽103の気体導出口113とオゾン発生器101の導入口106との間を接続する経路aから構成されている。経路aは、その途中に開設して設けられた開設口114を備え、オゾン液生成装置100の外部から内部への気体の導入を制御する気体導入手段105と接続されている。
【0032】
気体導入手段105は、第1の逆止弁115が設けられた経路dにより構成され、経路dの一方は、経路aの経路の途中に開設して設けられた開設口114と連通して接続され、もう一方は大気または酸素や空気を貯蔵したガスボンベなどと連通した外部口116が形成されている。ここで、逆止弁とは、気体や液体などの流体が流動する配管などに取り付けられ、流体がある方向から逆方向への流れを止めるための制御弁である。逆止弁が設けられた配管は流体を一方向にのみ流動させることが可能となる。このため、第1の逆止弁115が設けられた経路dは、外部口116から経路bへの一方向にのみ気体を流動させるため、循環経路から外部への気体の解放を防止する。
【0033】
なお、気体導入手段105は、オゾン液生成装置100の外部から内部へ気体の導入が可能な手段であればよく、開設口114に配管を介さず、逆止弁を備えた構成としても構わない。また、逆止弁の換わりにオゾン液生成器100への導入を制御可能な開閉バルブや電子的に制御が可能な電磁バルブ等により構成してもよい。
【0034】
また、経路dにはオゾンガスを還元する機能を有するオゾンフィルタ117を設けてもよい。オゾンフィルタ117はフィルタを通るオゾンガスを分解することが可能なため、外部口116から気体を安全に開放することができる。このため、第1の逆止弁115がオゾンガスに腐食されて破損した場合にも、オゾン液生成装置100の内部のオゾンガスが外部空間に漏れ出すのを防ぐことができる。なお、オゾンフィルタ117はオゾン分解触媒を格子状に構成した紙やアルミニウム付着させたものなど一般的なオゾンフィルタを配置する。
【0035】
また、経路aは貯液槽103の気体導出口113と開設口114との間に第2の逆止弁118を設けてもよい。第2の逆止弁118は、気体導出口113から開設口114へ向かって気体が流動するように設けられているため、外部口116から導入される気体が経路aを介して貯液槽103の気体導出口113から侵入することを防止する。
【0036】
次に、吸込圧力センサ202と排水制御手段104の仕組みについて説明する。吸込圧力センサ202は、気液混合部102の内部または近傍に設けられ、気液混合部102にオゾンガスや空気などの気体を吸い込む気体吸込圧力を検出する吸込圧力検出手段として機能する。排水制御手段104は、貯液槽103の内部または、排水口112近傍に設けられ、吸込圧力センサ202で検知された吸込圧力に基づき、導出する液体量を調整して貯液槽103の内圧を制御する圧力制御手段として機能する。つまり、排水制御手段104は、排水を制御することにより貯液槽103内の内圧を一定範囲に保つように自動的に調整する内圧調整手段としての役割を担い、吸込圧力センサ202によって検知された気体吸込圧力が生じるように、あるいはあらかじめ定められた所定値より少ないときに弁を開く状態となり、所定値を超えるときに弁を絞る状態へと切り換わるように設計されている。このため、排水制御手段104は、貯液槽103に貯液された貯液量が一定量を上回ると排水口112を絞る状態から開く状態へ切り換え、オゾン液の水位が上がって貯液槽103の内圧が上がることを防ぎ、貯液槽103の貯液の水位が一定量を上回ることを防止する。このような構成とすることで、貯液槽103の内圧が上がりすぎて、気液混合部102から貯液槽103へ送液される際の流速が弱くなり、気液混合器のガス吸込圧力が弱まり、貯液槽103から気液混合部102に向けてオゾン液が逆流することを防ぐことが出来る。
【0037】
なお、排水制御手段104にあらかじめ定められる気体吸込圧力の所定値は、貯液槽103から気液混合部102へのオゾン液の逆流がなくなる数値を適宜設定すればよい。あるいは、常に負圧となるように設定する方法でも構わない。
【0038】
図4は、本実施形態におけるオゾン液生成装置100の圧力制御のフローチャートである。本フローチャートに基づき、圧力制御の工程について説明する。なお、フローチャートにおけるSは、各工程のステップを表す。
【0039】
まず、S401において、オゾン液生成装置100のスイッチがONされ、装置のスタートが指示されると、S402において、オゾン発生器101により発生したオゾンガスが気液混合部102に導入される。このオゾンガスと気液混合部102に導入された液体が混合され、オゾン液生成が行われ、貯液槽103に送られる。
【0040】
次にS403において気液混合部102の気体吸込圧力が吸込圧力センサ202により検知される。次に、S404において、排水制御手段104があらかじめ設定された所定値Pと吸込圧力センサ202が検知した気体吸込圧力Qとを比較する。
【0041】
ここで、気体吸込圧力Qが所定値P以下の場合は、S405において、排水制御手段104が排水口112を絞った状態から開く状態へ切り換え、排水口112からオゾン液を排出する。その後、S406において、目視または機械的にオゾン液が必要量に達したかどうかを判定し、オゾン液が必要量に達している場合は、S407にてオゾン液生成装置100の稼動をストップし、オゾン液精製を停止する。オゾン液が必要量に達していない場合は、再びS403にて吸込圧力センサ202で気体吸込圧力を検知する。
【0042】
一方、S404において、気体吸込圧力Qが所定値Pよりも大きい場合は、S408において、排水制御手段104が排水口112を開いた状態から絞る状態へ切り換える。その後再びS403にて吸込圧力センサ202で気体吸込圧力を検知する。
【0043】
このような方法により、貯液槽103に貯液される貯液量が増加し、貯液槽103の内圧が増加した場合でも、貯液槽103の貯液量を一定の範囲に調整することが可能であるため、貯液槽103の内圧が上がりすぎて、気液混合部102から貯液槽103へ送液される際の流速が弱くなり、気液混合器のガス吸込圧力が弱まり、貯液槽103から気液混合部102に向けてオゾン液が逆流することを防ぐことが出来る。また、オゾン液の逆流により、オゾン発生器101が劣化するのを防ぐことが出来る。
【0044】
<実施形態2>
以下、本発明に係る実施形態2について図5に基づいて説明する。本実施形態では、圧力制御手段として給水制御手段204を用いる点が実施形態1とは異なる。
【0045】
図5は、本実施形態に係るオゾン液生成装置100aの概略図である。オゾン液生成装置100aにおいて、気液混合部102の内部または、外部から水などの液体を導入する導入口108近傍に給水制御手段204が設けられている。
【0046】
吸込圧力センサ202は、気液混合部102の内部または近傍に設けられ、気液混合部102にオゾンガスや空気などの気体を吸い込む気体吸込圧力を検出する吸込圧力検出手段として機能する。給水制御手段204は、吸込圧力センサ202で検知された吸込圧力に基づき、導入する液体量を調整して気液混合部で生成されるオゾン液の量を制御し、貯液槽103へ送液されるオゾン液の量および流速を制御することで、貯液槽103の内圧を制御する圧力制御手段として機能する。つまり、給水制御手段204は、給水を制御することにより、貯液槽103内の内圧を一定範囲に保つように自動的に調整する内圧調整手段としての役割を担い、吸込圧力センサ202によって検知された気体吸込圧力が、あらかじめ定められた所定値より少ないときに弁を開く状態となり、所定値を超えるときに弁を絞る状態へと切り換わるように設計されている。このため、給水制御手段204は、貯液槽103に貯液された貯液量が一定量を上回ると導入口108を開いた状態から絞る状態へ切り換え、気液混合部102でのオゾン液の生成を減少させ、気液混合部102から貯液槽103へのオゾン液の送液を減らしてオゾン液の水位が上がって貯液槽103の内圧が一定以上に上がることを防止する。このような構成とすることで、貯液槽103の内圧が上がりすぎて、気液混合部102から貯液槽103へ送液される際の流速が弱くなり、気液混合器のガス吸込圧力が弱まり、貯液槽103から気液混合部102に向けてオゾン液が逆流することを防ぐことが出来る。また、オゾン液の逆流により、オゾン発生器101が劣化するのを防ぐことが出来る。
【0047】
<実施形態3>
以下、本発明に係る実施形態3について図6に基づいて説明する。本実施形態では、気液分離手段の内圧(以下、気体圧力と記す。)を検知する気体圧力検出手段をさらに備える点が実施形態1及び実施形態2とは異なる。
【0048】
図6は、本実施形態に係るオゾン液生成装置100bの概略図である。オゾン液生成装置100bにおいて、排水制御手段104は、気液混合部102の内部または、水などの液体を導出する排水口112近傍に設けられている。
【0049】
吸込圧力センサ202は、気液混合部102の内部または近傍に設けられ、気液混合部102にオゾンガスや空気などの気体を吸い込む気体吸込圧力を検出する吸込圧力検出手段として機能する。気体圧力検出手段としての気体圧力センサ203は、貯水槽103に設けられ、気液分離手段である貯液槽103の内圧を検知する。排水制御手段104は、吸込圧力センサ102で検知された気体吸込圧力、及び気体圧力センサ203で検知された貯液槽103の気体圧力に基づき、導出する液体量を調整して貯液槽103の内圧を制御する圧力制御手段として機能する。つまり、排水制御手段104は、排水を制御することにより、貯液槽103内の内圧を一定範囲に保つように自動的に調整する圧力制御手段としての役割を担い、吸込圧力センサ102で検知された気体吸込圧力と気体圧力センサ203で検知された貯液槽103の気体圧力を比較し、気体吸込圧力が気体圧力よりも小さい場合に、弁を開く状態となり、その逆の場合は、弁を絞る状態へと切り換わるように設計されている。このため、排水制御手段104は、貯液槽103に貯液された貯液量が一定量を上回ると排水口112を絞った状態から開く状態へ切り換え、オゾン液の水位が上がって貯液槽103の内圧が一定以上に上がることを防止する。このような構成とすることで、貯液槽103の内圧が上がりすぎて、気液混合部102から貯液槽103へのオゾン液の水流が弱くなることにより、気液混合部102の気体吸込圧力が弱まり、貯液槽103から気液混合部102に向けてオゾン液が逆流することを防ぐことが出来る。また、オゾン液の逆流により、オゾン発生器101が劣化するのを防ぐことが出来る。
【0050】
図7は、本実施形態におけるオゾン液生成装置100bの圧力制御のフローチャートである。本フローチャートに基づき、圧力制御の工程について説明する。
【0051】
まず、S701において、オゾン液生成装置100bのスイッチがONされ、装置のスタートが指示されると、S702において、オゾン発生器101により発生したオゾンガスが気液混合部102に導入される。このオゾンガスと気液混合部102に導入された液体が混合され、オゾン液生成が行われ、貯液槽103に送られる。
【0052】
次にS703において気液混合部102の気体吸込圧力Pが吸込圧力センサ202により、また、貯液槽103の気体圧力Qが気体圧力センサ203により検知される。次に、S704において、排水制御手段104が気体吸込圧力Pと気体圧力Qを比較する。
【0053】
ここで、気体吸込圧力Pが気体圧力Q以下の場合は、S705において、排水制御手段104が排水口112を絞った状態から開く状態へ切り換え、排水口112からオゾン液を排出する。その後、S706において、目視または機械的にオゾン液が必要量に達したかどうかを判定し、オゾン液が必要量に達している場合は、S707にてオゾン液生成装置100bの稼動をストップし、オゾン液精製を停止する。オゾン液が必要量に達していない場合は、再びS703にて吸込圧力センサ202で気体吸込圧力を、また気体圧力センサ203で気体圧力を検知する。
【0054】
一方、S704において、気体吸込圧力Pが気体圧力Qよりも大きい場合は、S708において、排水制御手段104が排水口112を開いた状態から絞る状態へ切り換える。その後再びS703にて吸込圧力センサ202で気体吸込圧力を、また気体圧力センサ203で気体圧力を検知する。
【0055】
このような方法により、貯液槽103の内圧が上がりすぎて、気液混合部102から貯液槽103へのオゾン液の水流が弱くなることにより、気液混合部102の気体吸込圧力が弱まり、貯液槽103から気液混合部102に向けてオゾン液が逆流することを防ぐことが出来る。また、オゾン液の逆流により、オゾン発生器101が劣化するのを防ぐことが出来る。
【0056】
以上のような構成とすることにより、オゾン液生成装置において、気体吸込圧力が弱まり、貯液槽から気液混合部に向けてオゾン液が逆流することを防ぐことが出来る。また、オゾン液の逆流により、オゾン発生器が劣化するのを防ぐことが出来るオゾン液生成装置及びオゾン液生成方法を実現することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係るオゾン液生成装置は、従来からオゾン液の利用されている分野に用いられるオゾン液生成装置に有効に利用することが出来る。
【符号の説明】
【0058】
21 導入経路
22 連通経路
23 導出経路
100、100a、100b オゾン液生成装置
101 オゾン発生器
102 気液混合部
103 貯液槽
104 排水制御手段
204 給水制御手段
105 気体導入手段
106、108、109、111 導入口
107、110 導出口
112 排水口
113 気体導出口
114 開設口
115 第1の逆止弁
116 外部口
117 オゾンフィルタ
118 第2の逆止弁
202 吸込圧力センサ
203 気体圧力センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンガスを発生するオゾン発生手段と、
前記オゾンガスと液体を混合し、オゾン液を生成する気液混合手段と、
前記オゾン液を気液分離する気液分離手段と、
外部からの気体を導入する気体吸込手段と、
前記気液混合手段への気体吸込圧力を検出する吸込圧力検出手段と、
前記気液分離手段の内圧を制御する圧力制御手段を備えたことを特徴とするオゾン液生成装置。
【請求項2】
前記圧力制御手段は、前記気体吸込圧力が生じるように前記気液分離手段の内圧を制御することを特徴とする請求項1記載のオゾン液生成装置。
【請求項3】
前記圧力制御手段は、前記気体吸込圧力が所定の値よりも大きくなるように前記気液分離手段の内圧を制御することを特徴とする請求項2記載のオゾン液生成装置。
【請求項4】
前記圧力制御手段は、前記気液分離手段から排出されるオゾン液の排水量を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のオゾン液生成装置。
【請求項5】
前記圧力制御手段は、前記気液混合手段への給水量を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のオゾン液生成装置。
【請求項6】
前記オゾン液生成装置は、前記気液分離手段の内圧を検知する気体圧力検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のオゾン液生成装置。
【請求項7】
前記圧力制御手段は、前記気体圧力が前記気体吸込圧力よりも大きい場合に前記気液分離手段の内圧を制御することを特徴とする請求項6記載のオゾン液生成装置。
【請求項8】
前記オゾン液生成装置は、前記オゾン発生手段と前記気液混合手段と前記気液混合手段との間に気体を循環させる循環経路を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のオゾン液生成装置。
【請求項9】
オゾンガスを発生させるオゾンガス発生工程と、
前記オゾンガスと液体を混合し、気液混合手段にてオゾン液を生成する気液混合工程と、
前記オゾン液を気液分離手段にて気液分離する気液分離工程と、
前記気液混合手段への気体吸込圧力を検出する吸込圧力検出工程と、
前記気液分離手段の内圧を制御する圧力制御工程を含むことを特徴とするオゾン液生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−94710(P2013−94710A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238128(P2011−238128)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】