説明

α−アミノアセタール類の脱アセタール化法

本発明は、N−保護α−アミノアルデヒド類を、それに対応するN保護α−アミノアセタール類のアセタール官能基をギ酸を用いて脱アセタール化することによって製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−保護α−アミノアルデヒド類に対応するN−保護α―アミノアセタール類のアセタール官能基域の脱アセタール化によって、N−保護α−アミノアルデヒド類を製造する方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、光学的に活性なα−アミノアセタール類に対応する光学的に活性なα−アミノアルデヒド類を得るために、光学的な安定性を維持しながら、鏡像体過剰率を著しく損失させることなく、光学的に活性なα−アミノアセタール類のアセタール官能基を脱アセタール化する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
α−アミノアセタール類、及び特に光学活性アミノアセタール類は、アセタール官能基の脱アセタール化による、光学活性α−アミノアルデヒド類の直接の前駆体として非常に有利な化合物である。
【0004】
光学活性α−アミノアルデヒド類は、生物学的に活性な生成物の全合成におけるキラル反応物として通常使用される化合物である。しかしながら、この種の生成物は、市場から容易に入手することができない。
【0005】
これは、一方では、α−アミノアルデヒド類が、制限された光学的安定性及び化学的安定性を有し、そのためにそれらを合成するのを困難にする化合物であるからである。具体的には、これら生成物の安定性は、反応媒体の性質及び保管温度に依存するが、アミン官能基の保護基の性質に特に依存する。これら化合物は、それらの合成中及びそれらが関連する反応中における安定性を高めさせるためにN−保護形態でしか利用できない。この点について、保護基の性質の選択は必須である。
【0006】
他方では、最も頻繁に説明されているα−アミノアルデヒド類の製造のための合成経路は、出発反応物(ワインレブアミド(Weinreb amide)の中間体形成、カルボン酸官能基又はそれに相当するエステル類の選択的な部分還元、又はβ−アミノアルコール類への完全な還元および部分的な再酸化)としてα−アミノ酸を使用する。これらの製造方法は、産業的使用を制限する反応条件、高価な反応物などのような様々な欠点を示す。これら合成における主要な制約は、出発反応物の限定された入手可能性、すなわち、天然のα−アミノ酸の限定された入手可能性である。
【0007】
ラセミ体又は光学活性体のN−保護α−アミノアセタール類を、N−保護α−アミノアルデヒド類の前駆体として使用することによって、上述の多数の問題を克服することができるであろう。
【0008】
3モル当量のヨウ化トリメチルシリルを有するN−Boc−α−アミノアセタール類上のアセタール官能基の脱アセタール化段階が、S.E. Denmark等のSynlett.、1993年、5、359−361(非特許文献1、S.E. Denmark et al., Synlett., 1993, 5, 359−361)に記載されている。しかしながら、試験した生成物のほとんどで光学活性の損失が観察される。
【0009】
同様に、K.R. Muralidharan等の、Tetrahedron Lett.、1994年、35、7489−7492(非特許文献2、K.R. Muralidharan et al., Tetrahedron Lett., 1994, 35, 7489−7492)は、光学活性のN−ベンジルオキシカルボニル−α−アミノアルデヒド類を得るために、水性DMSO中でキラルN−ベンジルオキシカルボニル−α−アミノアセタール類のアセタール官能基を脱アセタール化した。脱アセタール化は、ラセミ化を起こすことなく、限定された操作条件下(水性DMSO中での還流、フラッシュカラムでの精製)で行われる。
【0010】
そのため、光学活性アミノアセタール類のアセタール官能基の脱アセタール化によって光学活性α−アミノアルデヒド類を得るための従来技術で述べられた操作条件は、産業規模でこれら生成物を得るには満足のいくものではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】S.E. Denmark等のSynlett.、1993年、5、359−361(S.E. Denmark et al., Synlett., 1993, 5, 359−361)
【非特許文献2】K.R. Muralidharan等の、Tetrahedron Lett.、1994年、35、7489−7492(K.R. Muralidharan et al., Tetrahedron Lett., 1994, 35, 7489−7492)
【非特許文献3】“有機合成における保護基の作用”第3版、John Wileyとその息子、第531−540頁(the work Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons, pages 531−540)
【非特許文献4】“ヘテロ環式化合物”(1962年)、3425、J. Chem. Soc.、1957年、2146−2158、J. Med. Chem.、1987年、30(1)、150−156及びJ. Org. Chem.、1981年、46(8)、1575−1585(heterocyclic Compounds, (1962), 3425, J. Chem. Soc., 1957, 2146−2158, J. Med. Chem., 1987, 30(1), 150−156 and J. Org. Chem., 1981, 46(8), 1575−1585)
【非特許文献5】生物有機&医療化学通信、2002年、12(4)、701−704(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2002, 12(4), 701−704)
【非特許文献6】ヘテロ環化学学会誌、1978年、15(4)、665−670(Journal of heterocyclic Chemistry, 1978, 15(4), 665−670 and EP 3 672 42)
【非特許文献7】テトラヒドロン通信、2000年、41(32)、6131−6135(非特許文献7、Tetrahedron Lett., 2000, 41(32), 6131−6135)
【非特許文献8】SAMP/RAMP法(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., (1993), 32(3), 418−421
【非特許文献9】テトラヒドロン(1974年)、30(23/24)、4233−4237(Tetrahedron (1974), 30(23/24), 4233−4237)
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第98/22496号パンフレット
【特許文献2】フランス国特許第2843112号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第367242号明細書
【特許文献4】国際公開第9614857号パンフレット
【特許文献5】欧州特許出願公開第249349号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第374647号明細書
【特許文献7】国際公開第2005087721号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、解決するべき技術な課題は、アミン官能基の保護を維持しながら、そして適当ならば、光学活性α−アミノアセタール類の場合に光学活性を維持しながら、ラセミ体又は光学活性体のN−保護α−アミノアルデヒド類に対応するα−アミノアセタール類からN−保護α−アミノアルデヒド類を製造するための産業的に使用可能な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
アミン官能基のための特定の保護基の選択と適当な脱アセタール化剤との組み合わせによって、穏やかな条件下でのアセタール官能基の脱アセタール化を、一方では鏡像体過剰率を著しく損失させることなく、そして他方ではアミン官能基を脱保護することなく行うことができ、それにより、安定な化合物を得ることが可能となる。
【0015】
確かに、アミン官能基のためのその他の保護基、例えば、ベンジル基又はtert−ブトキシカルボニル(t−Boc)基の使用ではこの結果が得られないことが見出されている。
【0016】
従って、本発明の主題は、第一の局面によれば、以下の段階を含むラセミ体又は光学活性体のN保護−α−アミノアルデヒド類の製造方法である。
【0017】
次の一般式(I)のアリールアルキルオキシカルボニル基で、対応するα−アミノアセタール類のアミン官能基を保護すること、
【0018】
【化1】

【0019】
(式中、
Rは、水素、フェニル基、又は直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基を表し、
Arは、一つ又はより多くのハロゲンで場合により置換された、フェニル基、ナフチル基、又はアントリル基、フェニル基、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はメチルスルフィニル基を示す)、及び
ギ酸を用いて、上記N−保護α−アミノアセタール類のアセタール官能基を脱アセタール化すること。
【0020】
好ましくは、Arはフェニル基を表し、Rは水素を表す。
【0021】
“直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル”という用語は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基を意味するものと解される。
【0022】
“直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルコキシ”という用語は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、又はヘキソキシ基を意味するものと解される。
【0023】
“ハロゲン”という用語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味するものと解される。
【0024】
一般式(I)のアリールアルコキシカルボニル基の例としては、ベンジルオキシカルボニル、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−エトキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキシ−カルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボニル、4−メチルスルフィニル−ベンジルオキシカルボニル、9−アントリルメチルオキシカルボニル、又はジフェニルメチルオキシカルボニルを挙げることができる。
【0025】
好ましい態様によれば、上記一般式(I)のアリールアルキルオキシカルボニル基は、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基である。
【0026】
本発明による第一の代替的な方法よれば、次式(II)で表されるラセミ体であるN−保護α−アミノアセタール類が使用される。
【0027】
【化2】

【0028】
(式中、
及びRは、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基を表すか、あるいはR及びRは結合して、置換されていないか、又は4位及び/又は5位において一つ又はより多くの直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基で置換されている1,3−ジオキソラン−2−イル基、又は置換されていないか、又は4位及び/又は5位及び/又は6位において一つ又はより多くの直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基で置換されている1,3−ジオキサン−2−イル基を形成し、
は、水素;直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基;C−C12アルケニル基;C−C12アルキニル基;C−C10シクロアルキル基;C−C10シクロアルケニル基;シクロアルキルアルキル基(この基の中で、シクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである);3〜10個の原子を含むヘテロシクロアルキル基;ヘテロシクロアルキルアルキル基(この基の中で、ヘテロシクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである);単環式、二環式、又は三環式C−C14アリール基;5〜14個の原子を含むヘテロアリール基;アリールアルキル基もしくはヘテロアリールアルキル基(これらの基の中で、アリール基、ヘテロアリール基及びアルキル基は上記で定義した通りである);C(=O)R基(式中、Rは、上記で定義したような直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいはRは、OR基(式中、Rは、水素、上記で定義した通りのC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基を表す)を表すか、あるいは、Rは、NHR基(式中、Rは、水素、上記で定義したような直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基を表す)を表す);上記の全てのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキルアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基もしくはヘテロアリールアルキル基は置換されていないか又は置換されており;
Pは、上記で定義した式(I)の基を表す)、
そして、アセタール官能基は、次の式(III)で表されるラセミ体のN−保護α−アミノアルデヒド類を得るために、ギ酸を用いて脱アセタール化される。
【0029】
【化3】

【0030】
(式中、R及びPは上記で定義した通りである)。
【0031】
好ましくは、式(II)の化合物が使用され、該式中、
及びRは、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基、特にメチルもしくはエチルを表し;
は、置換されているか又は置換されていない直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基;置換されているか又は置換されていない単環式、二環式、又は三環式C−C14アリール基、好ましくはフェニル基;置換されているか又は置換されていないアリールアルキル基(この基の中で、アリール基及びアルキル基は上記で定義した通りであり、好ましくはベンジルである);置換されているか又は置換されていないC−C10シクロアルキル基、好ましくはシクロヘキシル基;シクロアルキルアルキル基(この式の中で、シクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りであり、好ましくはシクロブチルメチル基)から選択される基を表し;
Pは、Cbzを表す。
【0032】
あるいは、本発明による方法は、式(R)−(III)及び式(S)−(III)で表される光学活性N−保護α−アミノアルデヒド類を、対応する式(R)−(II)及び式(S)−(II)で表される光学活性N−保護αアミノアセタール類から良好な反応収量及び良好な光学純度で得るのに使用できる。
【0033】
この代替的方法によれば、次式(R)−(II)又は(S)−(II)で表される光学活性体のN−保護α−アミノアセタール類が使用され、
【0034】
【化4】

【0035】
(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味し、
、R及びPは上述の式(II)で定義した通りであり、
は、Hを除いて上記と同じ値である)、
そして、次の式(R)−(III)又は(S)−(III)で表される光学活性体のN−保護α−アミノアルデヒド類を得るために、アセタール官能基がギ酸を用いて脱アセタール化される。
【0036】
【化5】

【0037】
(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素原子であることを意味し、
及びPは上記で定義した通りである。)。
【0038】
好ましくは、式(R)−(II)又は式(S)−(II)の化合物が使用される。式中、
及びRは、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基、特にメチル又はエチルを表し;
は、置換されているか又は置換されていない直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基;置換されているか又は置換されていない単環式、二環式、又は三環式C−C14アリール基、好ましくはフェニル基;置換されているか又は置換されていないアリールアルキル基(この基の中で、アリール基及びアルキル基は上記で定義した通りである)、好ましくはベンジル;置換されているか又は置換されていないC−C10シクロアルキル基、好ましくはシクロヘキシル基;シクロアルキルアルキル基(この基の中で、シクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである)、好ましくはシクロブチルメチル基、から選択される基を表し;
PはCbzを表す。
【0039】
別の代替的な方法によれば、本発明の方法は、対応する式(R)−(IV)及び式(S)−(IV)で表される光学活性N−保護α−アミノアセタール類から、それの光学安定性が維持されながら、良好な反応収量及び良好な光学純度を有する、式(R)−(V)及び式(S)−(V)で表される光学活性N−保護α−アミノアルデヒド類を得るためにしようすることができる。
【0040】
この代替的な方法によれば、以下の式(R)−(IV)又は式(S)−(IV)で表される光学活性体のN−保護α−アミノアセタール類が使用される。
【0041】
【化6】

【0042】
(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味し、
、R及びPは、上記式(II)について定義した通りであり、
は、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基;C−C12アルケニル基;C−C12アルキニル基;C−C10シクロアルキル基;C−C10シクロアルケニル基;シクロアルキルアルキル基(この式の中で、シクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りある);3〜10個の原子を含むヘテロシクロアルキル基;ヘテロシクロアルキルアルキル基(この基の中で、ヘテロシクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである);アリールアルキル基(この基の中で、単環式、二環式、又は三環式アリール基はC−C14アリール基であり、そしてアルキル基は上記で定義した通りである);ヘテロアリールアルキル基(この基の中で、ヘテロアリール基は5〜14個の原子を含み、そしてアルキル基は上記で定義した通りである);上記全てのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキルアルキル基、アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基は置換または非置換である)。
そして、以下の式(R)−(V)又は式(S)−(V)で表される光学活性体のN−保護α−アミノアルデヒド類を得るために、ギ酸を用いてアセタール官能基が脱アセタール化される。
【0043】
【化7】

【0044】
(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味し、
及びPは上記で定義した通りである。)。
【0045】
好ましくは、式(R)−(IV)又は式(S)−(IV)の化合物が使用され、式中、
及びRは、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基、特にメチル基又はエチル基を表し;
は、置換されているか又は置換されていない直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基;アリールアルキル基(この基の中で、アリール基及びアルキル基は上記で定義した通りある)、好ましくはベンジル基;置換されているか又は置換されていないC−C10シクロアルキル基、好ましくはシクロヘキシル基;シクロアルキルアルキル基(この式の中で、シクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである)、好ましくはシクロブチルメチル基から選択される基を表し;
PはCbzを表す。
【0046】
本発明において、“光学安定性が維持される”という表現は、星印*を付した不斉炭素における鏡像体過剰率が著しく損失することのない、特におおよそ5%の損失まで、就中、特には(測定誤差内で)鏡像体過剰率の損失が全くないことを意味する。
【0047】
基、R基、R基、R基及びR基における任意の置換基は、独立して、ハロゲン、OH基、NO基、NH基、SH基、COH基、CN基、SOH基、CF基、アルコキシカルボニル基(又はアルキル−O−CO−基)、アミド基、アルキル−N−CO−基、アルキレンジオキシ基(又は−O−アルキレン−O−基)、アルキルスルフィニル基(又はアルキル−SO−基)、アルキルスルホニル基(又はアルキル−SO−基)、アルキルスルホニルカルバモイル基(又はアルキル−SO−NH−C(=O)−基)、アルキルチオ基(又はアルキル−S−基)、−O−シクロアルキル基、アシル基、(又はr−CO−基)、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アリールアルキルアミノ基、オキソ基(場合により、環状又は非環状ケタールの形態で保護されている)、ホルミル基(場合により、環状又は非環状アセタールの形態で保護されている)、アリールオキシ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基から選択することができる。
【0048】
式(II)、式(III)、式(IV)又は式(V)で表される生成物及びそれらの置換基において、上記の基は以下の意味を有する。
【0049】
ハロゲン基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味し;
アルキル基は、直鎖状もしくは分岐状のC−C12の基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基又はドデシル基を意味し、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基が好ましい;
アルケニル基は、直鎖状もしくは分岐状のC−C12基、例えば、エテニル基又はビニル基、プロペニル基又はアリル基、1−プロペニル基、n−ブテニル基、イソブテニル基、3−メチルブテ−2−エニル基、n−ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基又はデセニル基を意味し、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルケニル基が好ましい;
アルキニル基は、直鎖状もしくは分岐状のC−C12基、例えば、エチニル基、プロピニル基又はプロパルギル基、ブチニル基、n−ブチニル基、イソブチニル基、3−メチルブチ−2−イニル基、ペンチニル基又はヘキシニル基を意味し、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキニル基が好ましい;
アルコキシ基は、直鎖状もしくは分岐状のC−C12基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基(直鎖、第二又は第三)、ペントキシ基、ヘキソキシ基又はヘプトキシ基を意味し、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルコキシ基が好ましい;
シクロアルキル基は、単環式又は二環式のC−C10炭素環式基、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基を意味し;
シクロアルケニル基は、少なくとも一つの二重結合を含む単環式又は二環式のC−C10炭素環式基、例えば、シクロブテニル基、シクロペンテニル基又はシクロヘキセニル基を意味し;
シクロアルキルアルキル基は、そのシクロアルキル基及びアルキル基が上記で示した意味を有し、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロプロピルエチル基又はシクロヘキシルエチル基を意味し;
−アリール基は、不飽和の単環式、二環式又は三環式のC−C14炭素環式基、例えば、フェニル基、ナフチル基、インデニル基又はアントラセニル基を意味し、特にフェニル基を意味し;
−アリールアルキル基は、そのアリール基及びアルキル基が上述の意味を有する基を意味し、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、2−フェニルエチル基又はナフチルメチル基を意味し;
−ヘテロシクロアルキル基は、3〜10個の原子を含む単環式又は二環式の炭素環式基であり、ここで該基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される一つ又はより多くの同一又は異なるヘテロ原子が介在し、例えば、ジオキソラニル基、ジオキサニル基、ジチオラニル基、チオキソラニル基、オキシラニル基、ピペラジニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、モルホリニリル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基又はチアゾリジニル基を意味し;
−ヘテロシクロアルキルアルキル基は、ヘテロシクロアルキル基及びアルキル基が上述の意味を有する基を意味し;
−ヘテロアリール基は、不飽和又は部分的に飽和の単環式、二環式、又は三環式の炭素環式基であって、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される一つ又はより多くの同一の又は異なるヘテロ原子が介在し、5〜14個の原子を含むものを意味し、例えば、フリル基(例えば、2−フリル基)、チエニル基(例えば、2−チエニル基又は3−チエニル基)、ピロリル基、ジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、3−又は4−イソキサゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基(例えば、2−又は3−又は4−ピリジル基)、ピリミジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、テトラゾリル基、ベンゾチエニル基(例えば、3−ベンゾチエニル基)、ベンゾフラニル基、インドリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、クロマニル基又はナフチリジニル基を意味し;
−ヘテロアリールアルキル基は、ヘテロアリール基及びアルキル基が上述の意味を有する基を意味し;
−アルキル−O−CO−基は、アルキル基が上述の意味を有する直鎖状もしくは分岐状のC−C12基を意味し;
アルキレン基は、直鎖状もしくは分岐状の二価のC−C炭化水素基、例えば、メチレン、エチレンプロピレン及びイソプロピレンを意味し;
O−アルキレン−O−基は、アルキレン基が上述の意味を有する直鎖状もしくは分岐状のC−C基を意味し;
アルキル−SO−基は、アルキル基が上述の意味を有する直鎖状もしくは分岐状のC−C12基を意味し;
アルキル−SO−基は、アルキル基が上述の意味を有する直鎖状もしくは分岐状のC−C12基を意味し;
アルキルスルホニルカルバモイル基は、アルキル基が上述の意味を有する直鎖状もしくは分岐状のC−C12基を意味し;
アルキルチオ基は、アルキル基が上述の意味を有する直鎖状もしくは分岐状のC−C12基、例えばメチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ及びヘプチルチオを意味し;
−O−シクロアルキル基は、シクロアルキル基が上述の意味を有する基を意味し;
r−CO−基は、rがアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であって、これらの基が上述の値を有する直鎖状もしくは分岐状のC−C12基、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、バレリル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基及びクロトノイル基を意味し;
アシルオキシ基は、アシル基が上述の意味を有するアシル−O−基、例えばアセトキシ及びプロピオニルオキシを意味し;
アシルアミノ基は、アシル基が上述の意味を有するアシル−N−基、例えばアセトアミドを意味し;
アルキル−N−CO−基は、アルキル基が上述の意味を有する基を意味し;
アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基又はアリールアルキルアミノ基は、アルキル基及びアリール基が上述の意味を有する基を意味し;
アリールオキシ基は、アリール基が上述の意味を有するアリール−O−基、例えば、フェノキシ又はナフチルオキシを意味し;
アリールチオ基は、アリール基が上述の意味を有するアリール−S−基、例えば、フェニルチオ又はナフチルチオを意味し;
ヘテロアリールチオ基は、ヘテロアリール基が上述の意味を有するヘテロアリール−S−基、例えばチオフェンチオ基を意味する。
【0050】
アミン官能基をP基、より特別にはベンジルオキシカルボニル(Cbz)基で保護する段階は、文献、例えば“有機合成における保護基の作用”第3版、John Wileyとその息子、第531−540頁(非特許文献3、the work Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons, pages 531−540)に開示された方法を適用又は採用することによって行うことができる。この反応は、一般に、クロロギ酸エステル、例えば1〜1.5モル当量、好ましくは等モル量のクロロギ酸ベンジルと、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムのような塩基1〜1.5モル当量、好ましくは1.2モル当量の存在下で、不活性溶媒又は不活性溶媒の混合物、好ましくは二相媒体、例えばトルエン/水又はメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)/水中で、−15℃〜周囲温度の温度で、1時間〜24時間行われる。
【0051】
ギ酸による脱アセタール化段階は、以下の好ましい条件の下で行うことができる。
− ギ酸は、1〜30モル当量、好ましくは20〜25当量の割合で用いられる;
− 脱アセタール化は、ギ酸に対して0.01〜01重量当量、好ましくは0.05重量当量の水の存在下で任意に行われる;
− 温度は0〜50℃、好ましくは周囲温度〜40℃である;
− 圧力は、大気圧〜40kPaである;
− 時間は、1時間〜24時間である。
【0052】
本発明の方法で出発材料として使用されるラセミのα−アミノアセタール類は、文献に記載の方法を採用することによって、例えば、提示目的で、“ヘテロ環式化合物”(1962年)、3425、J. Chem. Soc.、1957年、2146−2158、J. Med. Chem.、1987年、30(1)、150−156及びJ. Org. Chem.、1981年、46(8)、1575−1585(非特許文献4、heterocyclic Compounds, (1962), 3425, J. Chem. Soc., 1957, 2146−2158, J. Med. Chem., 1987, 30(1), 150−156 and J. Org. Chem., 1981, 46(8), 1575−1585)に記載されるようなα−ハロゲン化アセタール類からのアミン化によって調製することができる。それらはまた、生物有機&医療化学通信、2002年、12(4)、701−704(非特許文献5、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2002, 12(4), 701−704)及び国際公開第98/22496号パンフレット(特許文献1)に説明されるように、α−アミノ酸から、ワインレブアミドの形成、還元、及びアセタール化によって得ることもできる。
【0053】
フランス国特許第2843112号明細書(特許文献2)は、有機金属化合物のアミノトリアゾール誘導体へ付加により、ラセミの又は光学活性のα−アミノアセタール類を得ることを可能とすることを開示している。
【0054】
ヘテロ環化学学会誌、1978年、15(4)、665−670(非特許文献6、Journal of heterocyclic Chemistry, 1978, 15(4), 665−670)及び欧州特許出願公開第367242号明細書(特許文献3)に開示されているα−ケトアセタール類のオキシム誘導体類の還元もまた、ラセミのα−アミノアセタール類を得るのを可能にする。
【0055】
光学活性α−アミノアセタール類はまた、文献において公知の方法を採用し、例えば、テトラヒドロン通信、2000年、41(32)、6131−6135(非特許文献7、Tetrahedron Lett., 2000, 41(32), 6131−6135)、国際公開第9822496号パンフレット(特許文献1)及び国際公開第9614857号パンフレット(特許文献4)に開示されているような、α−アミノ酸類からのワインレブアミドの形成、水素化での還元、及びアセタール化によって、あるいは、テトラヒドロン通信、2000年、41(32)、6131−6135(非特許文献7、Tetrahedron Lett., 2000, 41(32), 6131−6135)、欧州特許出願公開第291234号明細書(特許文献4)及び欧州特許出願公開第249349号明細書(特許文献5)に開示されているように、α−アミノ酸類から、還元によりアルコールをもたらし、再酸化によりアルデヒドを得、そしてアセタール化することによって得ることもできる。
【0056】
欧州特許出願公開第374647号明細書(特許文献6)に開示された光学活性イミン類の不斉還元も使用できる。また、SAMP/RAMP法(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., (1993), 32(3), 418−421(非特許文献8))など、不斉の誘導によるその他の方法や、キラルアミノトリアゾール類の使用(フランス国特許第2843112号明細書(特許文献7))もまた開示されている。
【0057】
一般に、公知の光学活性α−アミノアセタールの製造方法のいずれも、例えば、特にテトラヒドロン(1974年)、30(23/24)、4233−4237(非特許文献9、Tetrahedron (1974), 30(23/24), 4233−4237)に開示されているローゼンムント還元法など、本発明に適している。
【0058】
式(II)、式R−(II)、式S−(II)、式(III)、式R−(III)又は式S−(III)の化合物は、薬理学的活性を有する生成物の調製に使用することができる。これらの化合物は、例えば、国際公開第2005087721号パンフレット(特許文献7)に開示されるSCH−503034プロテアーゼ阻害剤の調製において特別に使用されるものであり、10.10(2−カルバモイル−1−シクロブチルメチル−2−ヒドロキシエチルカルバミン酸のtert−ブチルエステル)又は10.11(3−アミノ−4−シクロブチル−2−ヒドロキシブチルアミドヒドロクロリド)の中間体の調製において非常に特別に使用されるものである。
【0059】
薬理学的活性を有する生成物の調製における、上記で定義したラセミ体の式(II)の、又は光学活性体の式(R)−(II)もしくは(S)−(II)のN−保護α−アミノアセタールの使用、
【0060】
【化8】

【0061】
【化9】

【0062】
及び、上記で定義したラセミ体の式(III)の、又は光学活性の式(R)−(III)もしくは(S)−(III)のN−保護α−アミノアルデヒド(Rの定義におけるシクロアルキルアルキル基を除く)の使用は、本発明の後に続く局面を表している。
【0063】
従って、本発明は後に続く別の局面によれば、上記で定義した式(II)、式(R)−(II)又は式(S)−(II)(式中、R及びR、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、好ましくは、メチル基を表し、Pは、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基を表し、そしてRは、シクロアルキルアルキル基(シクロアルキル基がC−C10シクロアルキル基であり、そして直鎖状もしくは分岐状のアルキル基がC−C12アルキル基、好ましくはシクロブチルメチル基である)を表す)で表される化合物にも関する。
【0064】
以下の実施例は、本発明を限定しない方法で例示するものである。
【0065】
核磁気共鳴(NMR)分析は、標準的な重水素化溶媒(CDCl、d−DMSO等)中でBruecker AC200デバイス(Bruecker AC200 device)上で行った。ガスクロマトグラフィ(GC)分析は、クロムパックカラム(Chrompack column)(30 m/CP−SIL 8 CB−low bleed MS/1μm/0.25 mm)(FID検出)を用いてバリアン3900デバイス(Varian 3900 device)で、分析法:T°injector 250℃/T°detector 300℃/炉プログラミング:80℃、1分間、その後15℃/分、300℃まで、かつ300℃に維持、に従って行った。
【実施例】
【0066】
実施例1
ベンジル1−イソブチル−2,2−ジメトキシエチルカルバメート
(式II:R=R=メチル;R=イソブチル;P=Cbz)
磁気撹拌器、滴下ロート、及び温度計を備えた100mlの三口フラスコ中で、5gの1−イソブチル−2,2−ジメトキシエチルアミン(31mmol、1モル当量)を、炭酸カリウム(2.6g、18mmol、0.6モル当量)の存在下で、MTBE(25g)/HO(15g)混合物中に溶解させる。媒体を、0℃〜5℃の温度に置く。クロロギ酸ベンジル(5.2g、31mmol、1モル当量)のMTBE(10g)中溶液を、この反応媒体に滴下して添加する。添加の最後で、媒体を30分間0〜5℃の温度に維持し、次いでゆっくりと20〜25℃の温度に戻す。媒体はこの温度で撹拌され続け、反応における変化がGC分析で監視される。
【0067】
反応媒体は、沈殿によって分離され、有機相は濃縮される。8.85gのベンジル1−イソブチル−2,2−ジメトキシエチルカルバメートが得られる。(無色の油、粗収量=97%)
【0068】
実験上の式:C1625NO
モル質量:295.38g・mol−1
GC分析:t=18.1分
NMR(200MHz/CDCl):
H NMR: σ 0.84 (m, 6H, CH), 1.27 (m, 2H, CH), 1.59 (m, 1H, CH), 3.34 (s, 6H, CH), 3.8 (m, 1H, CH), 4.1 (distorted s, 1H, CH), 4.75 (d, 1H, NH), 5.03 (s, 2H, CH)及び7.1−7.3 (m, 5H, Haromatic)ppm
13C NMR: σ 21.82 (CH), 23.6 (CH), 24.59 (CH), 38.5 (CH), 50.8 (CH), 56.01 (CH), 56.16 (CH), 66.73 (CH), 106.63 (CH), 128.05−128.54−128.79 (CHaromatic), 136.72 (Caromatic)及び156.37 (C=O)ppm
【0069】
実施例2
式(II)(式中、
=R=メチル又はエチル
=ベンジル、イソブチル、フェニル、4−メチルベンジル、2−フェニルエチル、シクロヘキシル又は−CH−COEt
P=Cbz)
の化合物の調製
還流凝縮器、滴下ロート、磁気撹拌器、及び温度計を備えた50mlの三口フラスコ中で、式(II)のN−保護α−アミノアセタール(0.005モル、1当量)に対応するα−アミノアセタールを、炭酸カリウム(0.003モル、0.6モル当量)の存在下に、トルエン又はMTBE(4g)/HO(3g)混合物中に溶解する。媒体は、0〜5℃の温度に置かれる。クロロギ酸ベンジル(0.005モル、1モル当量)のトルエン又はMTBE(1g)中溶液を、この反応媒体に滴下して添加する。添加の最後で、媒体を30分間0〜5℃の温度に維持し、次いでゆっくりと20〜25℃の温度に戻し、この温度で撹拌し続ける。
【0070】
反応媒体は沈殿によって分離され、有機相が濃縮される。期待生成物が、粗収量70%〜定量で得られる。
【0071】
ベンジル1−ベンジル−2,2−ジメトキシエチルカルバメート(白色固体)
実験上の式:C1923NO
モル質量:329.40g・mol−1
GC分析:t=25.1分
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: σ 2.8 (m, 2H, CH), 3.31 (s, 3H, CH), 3.35 (s, 3H, CH), 4.05 (m, 2H, CH), 4.95 (m, 3H, CH and NH), 5.03 (s, 2H, CH)及び7.0−7.35 (m, 10H, Haromatic)ppm
13C NMR: σ 36.13 (CH), 53.5 (CH), 55.69 (CH), 55.8 (CH), 66.67 (CH), 104.9 (CH), 126.45−129.39 (CHaromatic), 136.7−137.9 (Caromatic)及び156.13 (C=O)ppm
【0072】
ベンジル1−フェニル−2,2−ジメトキシエチルカルバメート(白色固体)
実験上の式:C1821NO
モル質量:315.37g・mol−1
GC分析:t=22.8分
NMR(200 MHz/CDCl
H NMR: σ 3.25 (s, 3H, CH), 3.32 (s, 3H, CH), 4.3 (distorted d, 1H, CH), 4.8 (distorted d, 1H, CH), 5 (s, 2H, CH), 5.6 (distorted d, 1H, NH)及び7.0−7.25 (m, 10H, Haromatic)ppm
13C NMR: σ 55.5 (CH), 57 (CH), 67 (CH), 106 (CH), 127−129 (CHaromatic), 136−138 (Caromatic)及び156 (C=O)ppm
融点:m.p.=71℃
【0073】
ベンジル1−(4−メチルベンジル)−2,2−ジメトキシエチルカルバメート(白色固体)
実験上の式:C2025NO
モル質量:343.43g・mol−1
GC分析:t=26.4分
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: σ 2.2 (s, 3H, CH), 2.77 (m, 2H, CH), 3.28 (s, 3H, CH), 3.32 (s, 3H, CH), 4 (m, 1H, CH), 4.08 (distorted d, 1H, CH), 4.58 (s, 1H, NH), 4.95 (s, 2H, CH)及び7.1−7.3 (m, 9H, Haromatic)ppm
13C NMR (DEPT 135): σ 20.88 (CH), 35.5 (CH), 53.4 (CH), 55.4 (CH), 55.5 (CH), 66.4 (CH), 104.6 (CH)及び126.8−129.1 (CHaromatic)ppm
融点:m.p.=80℃
【0074】
ベンジル1−(2−フェニルエチル)−2,2−ジメトキシエチルカルバメート(白色固体)
実験上の式:C2025NO
モル質量:343.43g・mol−1
GC分析:t=27.4分
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: σ 1.7 (m, 1H, AB syst, CH), 1.9 (m, 1H, AB syst, CH), 2.7 (m, 2H, CH), 3.4 (s, 6H, CH), 3.85 (m, 1H, CH), 4.21 (d, 1H, J=3.2 Hz, CH), 5 (d, 1H, NH), 5.15 (s, 2H, CH)及び7.1−7.5 (m, 10H, Haromatic)ppm
13C NMR: σ 31.55 (CH), 32.2 (CH), 52.5 (CH), 55.9 (CH), 56.07 (CH), 66.9 (CH), 106.2 (CH), 125.9−128.7 (CHaromatic), 136.6及び141.9 (Caromatic) and 156.4 (C=O)ppm
融点:m.p.=73℃
【0075】
ベンジル1−シクロヘキシル−2,2−ジメトキシエチルカルバメート(無色油)
実験上の式:C1827NO
モル質量:321.42g・mol−1
GC分析:t=22.7分
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: σ 0.9−1.6 (m, 11H, CH+CH), 3.3 (s, 3H, CH), 3.32 (s, 3H, CH), 3.6 (m, 1H, CH), 4.21 (d, 1H, J=2.2 Hz, CH), 4.86 (d, 1H, NH), 5.0 (m, 2H, CH)及び7.1−7.4 (m, 5H, Haromatic)ppm
13C NMR: σ 26.07−26.18−26.32−28.5−30.2 (CH), 39.0 (CH), 54.94 (CH), 55.15 (CH), 56.46 (CH), 66.65 (CH), 104.35 (CH), 127.95−128.43 (CHaromatic), 136.75 (Caromatic)及び156.76 (C=O)ppm
【0076】
エチル3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4−ジエトキシブチラート
実験上の式:C1827NO
モル質量:353.42g・mol−1
GC分析:t=20.7分
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: σ 1−1.3 (m, 9H, CH), 2.6 (m, 2H, CH), 3.6 (m, 4H, CH), 4.15 (m, 3H, CH+CH), 4.5 (d, 1H, CH), 5.1 (s, 2H, CH), 5.35 (d, 1H, NH)及び7.2−7.5 (m, 5H, CHaromatic)ppm
13C NMR(DEPT 135): σ 13.95 (CH), 14.99 (CH), 15.03 (CH), 34.4 (CH), 50.1 (CH), 60.4 (CH), 63.4 (CH), 63.85 (CH), 66.55 (CH), 102.2 (CH)及び128.29−127.9 (CHaromatic)ppm
【0077】
エチル3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4−ジメトキシブチラート
実験上の式:C1623NO
モル質量:325.36g・mol−1
GC分析:t=20.06分
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: d 1.2 (t, 3H, CH), 2.55 (m, 2H, CH), 3.4 (s, 6H, CH), 4.15 (m, 3H, CH+CH), 4.35 (m, 1H, CH), 5.1 (s, 2H, CH), 5.3 (d, 1H, NH)及び7.2−7.5 (m, 5H, CHaromatic)ppm
13C NMR (DEPT 135): d 13.1 (CH), 33.5 (CH), 48.6 (CH), 54.3 (CH), 54.9 (CH), 59.6 (CH), 65.8 (CH), 103.8 (CH)及び127.06−127.47 (CHaromatic)ppm
【0078】
実施例3
ベンジル1−ベンジル−2−オキソエチルカルバメート
(式(III):R=ベンジル、P=Cbz)
9.3gのN−Cbz−1−ベンジル−2,2−ジメトキシエチルアミン(0.028モル、1モル当量)、32.5gの98%ギ酸(0.70モル、25モル当量)及び1.7gの水を、磁気撹拌器と還流凝縮器を備えた100mlの丸底フラスコに仕込む。媒体は、20〜25℃の温度で8時間撹拌が継続される。
【0079】
25gのHO及び60gのMTBEを反応媒体に添加する。沈殿による分離を行い、そして残存する微量のギ酸(4.25ml)の全てを除去するために、有機相を4.25gのHOで、その後10%KCO水溶液で洗浄する。有機相はMgSOで乾燥され、濃縮される。7.8gの1−ベンジル−2−オキソエチルカルバミン酸のベンジルエステルが得られる(定量的粗収量)。
実験上の式:C1717NO
モル質量:283.33g・mol−1
GC分析:t=23.5分
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: σ 3.05 (d, 2H, CH), 4.3 (m, 1H, CH), 5.05 (s, 2H, CH), 5.4 (s, 1H, NH), 7.1−7.6 (m, 10H, Haromatic)及び9.5 (s, 1H, CHO)ppm
13C NMR (DEPT 135): σ 35.8 (CH), 61.5 (CH), 67.5 (CH), 127.6−129.7 (CHaromatic)及び199.3 (CHO)ppm
【0080】
実施例4
ベンジル1−イソブチル−2−オキソエチルカルバメート
(式(III):R=イソブチル、P=Cbz)
10.9gのN−Cbz−1−イソブチル−2,2−ジメトキシエチルアミン(0.037モル、1モル当量)、34.1gの98%ギ酸(0.74モル、20モル当量)及び2.3gの水を、磁気撹拌器と還流凝縮器を備えた100mlの丸底フラスコ中に仕込む。媒体は、20〜25℃の温度で4時間撹拌が継続される。
【0081】
25gのHOと60gのMTBEを反応媒体に添加する。沈殿による分離を行い、残存する微量のギ酸(4.25ml)の全てを除去するために、有機相を4.20gのHOで、その後10%KCO水溶液で洗浄し、ついで、有機相をMgSOで乾燥させて、濃縮させる。9.2gの1−イソブチル−2−オキソエチルカルバミン酸のベンジルエステルが得られる(定量的粗収量)。
実験上の式:C1419NO
モル質量:249.31g・mol−1
GC分析:t=17.4分
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: d 0.9 (m, 6H, CH), 1.45−1.8 (m, 3H, CH+CH), 4.4 (m, 1H, CH), 5.15 (s, 2H, CH), 5.25 (s, 1H, NH), 7.2−7.5 (s, 5H, Haromatic)及び9.6 (s, 1H, CHO)ppm
13C NMR: d 21.97 (CH), 23.1 (CH), 24.7 (CH), 38.2 (CH), 58.9 (CH), 67.2 (CH), 128.2−128.8 (CHaromatic)及び136.2 (Caromatic), 156.3 (C=O)及び199.7 (CHO)ppm
【0082】
実施例5
ベンジル1−シクロブチルメチル−2,2−ジメトキシエチルカルバメート
(式(II):R=R=メチル、R=シクロブチルメチル、P=Cbz)
還流凝縮器、滴下ロート、磁気撹拌器、及び温度計を備えた250mlの三口フラスコ中で、1−シクロブチルメチル−2,2−ジメトキシエチルアミン(13.05g、0.075モル、1モル当量)を、炭酸カリウム(6.22g、0.045モル、0.6モル当量)の存在下でMTBE(35g)/HO(25g)混合物中に溶解する。媒体は、低温浴中に置く。クロロギ酸ベンジルの(12.79g、0.075モル、1モル当量)のMTBE(10g)中の溶液を、この反応媒体に滴下して添加する。添加の最後には、媒体は低温浴中で保持され、撹拌しながらゆっくりと周囲温度へ戻される。
【0083】
沈殿による反応媒体の分離後、水性相をMTBEで抽出し、有機相をHOで洗浄し、その後MgSO上で乾燥させる。有機相の濃縮後、21.05gの期待生成物が、91%の収量で得られる。
実験上の式:C1725NO
モル質量:307.39g・mol−1
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: σ 1.4−2.2 (m, 8H, CH), 2.34 (m, 1H, CH), 3.4 (s, 3H, CH), 3.41 (s, 3H, CH), 3.75 (m, 1H, CH), 4.15 (distorted d, 1H, CH), 4.8 (distorted d, 1H, NH), 5.1 (s, 2H, CH)及び7.25−7.4 (m, 5H, Haromatic)ppm
13C NMR: σ 18.55 (CH), 28.47 (CH), 28.6 (CH), 32.95 (CH), 36.56 (CH), 51.2 (CH), 55.77 (CH), 55.94 (CH), 66.6 (CH), 106.1 (CH), 127.97−128.42−128.52 (CHaromatic), 136.6 (Caromatic)及び156.1 (C=O)ppm
【0084】
実施例6
ベンジル1−シクロブチルメチル−2−オキソエチルカルバメート
(式(III):R=シクロブチルメチル、P=Cbz)
磁気撹拌器、滴下ロート、温度計及び還流凝縮器を備えた250mlの丸底フラスコ中で、N−Cbz−1−シクロブチルメチル−2,2−ジメトキシエチルアミン(11g、0.035モル、1モル当量)を、95%ギ酸水溶液(41.17g、0.89モル、25モル当量;2.16gのHO)中に導入する。媒体を周囲温度で2時間40分(2h40)撹拌し続ける。
【0085】
40gのHOと80gのMTBEを反応媒体に添加する。沈殿による分離を行い、有機相をKCO溶液(150gのHO中に73g)で数回、そしてHOで洗浄する。有機相はMgSO上で乾燥されて、濃縮される。8.2gの期待生成物が得られ、収量は90%である。
実験上の式:C1519NO
モル質量:261.32g・mol−1
NMR(200MHz/CDCl
H NMR: σ 1.4−2.1 (m, 8H, CH), 2.3 (m, 1H, CH), 4.15 (m, 1H, CH), 5.05 (s, 2H, CH), 5.25 (d, 1H, NH), 7.2−7.4 (m, 5H, Haromatic)及び9.47 (s, 1H, CHO)ppm
13C NMR: σ 18.4 (CH), 28.58 (CH), 28.65 (CH), 32.27 (CH), 36.2 (CH), 59.4 (CH), 67 (CH), 128.05−128.7 (CHaromatic), 136.12 (Caromatic), 155.91 (C=O)及び199.2 (CHO)ppm
【0086】
実施例7
脱アセタール化後の光学安定性の分析
この分析を行うために、以下のスキームに従って、式(S)−(IV)(式中、R=R=エチル、R=−CH−COEt、及びP=Cbzである)の光学活性α−アミノアセタールを脱アセタール化して、それに対応するN−保護α−アミノアルデヒドとし、その後これを再アセタール化する。
【0087】
【化10】

【0088】
鏡像異性体の純度(enantiomeric purity)を、再アセタール化後に得られた光学活性N保護α−アミノアセタールについて測定する。鏡像異性体の純度は、所望する鏡像体の非所望の鏡像体に対する過剰の割合に相当する鏡像体過剰率によって測定される。
【0089】
この率は、以下の等式のいずれかに従って計算される。
%ee.(R)=([R]−[S]/[R]+[S])×100
%ee.(S)=([S]−[R]/[R]+[S])×100
式中、
−%ee.(R)は、R異性体の鏡像体過剰率を表し、
−%ee.(S)は、S異性体の鏡像体過剰率を表し、
−[R]は、R異性体の濃度を表し、そして
−[S]は、S異性体の濃度を表す。
【0090】
磁気撹拌器と還流凝縮器を備えた50mlの丸底フラスコ中で、エチル(S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ)−4,4−ジエトキシブチラート(鏡像異性体の純度=98%ee、キラルHPLCによる測定)(1モル当量)を、95%ギ酸水溶液(25モル当量)中に導入する。媒体を周囲温度で2〜5時間撹拌し続ける。
【0091】
OとMTBEを反応媒体に添加する。沈殿による分離を行い、残存するわずかなギ酸の全てを除去するために有機相をHOで数回、その後10%KCO水溶液で洗浄し、次いでMgSO上で乾燥して濃縮する。残滓を冷蔵庫中で一晩保管し、その後、周囲温度で無水EtOH中、約1.8モル当量のCH(OEt)と0.1モル当量のパラトルエンスルホン酸(PTSA)の存在下で24時間撹拌する。
【0092】
Oを添加し、その混合物をEtOH中で濃縮し、次いでPTSAをKCOで中和し、そしてMTBEを用いて抽出をする。有機相を濃縮する。残滓をキラルHPLCで分析する:アセタール官能基の脱アセタール化段階中に測定可能なラセミ化が存在しないことを示す、鏡像異性体の純度98%eeが得られる。
キラルHPLC分析:Chiralcel OD−H、ヘキサン/イソプロパノール(95/5)、1ml/分、UV検出254nm及び偏光計
【0093】
実施例8
下記のスキームで示されるように、一方では式(R)−(V)又は式(S)−(V)のN−保護α−アミノアルデヒド類が再アセタール化されて、相当する式(R)−(IVb)又は式(S)−(IVb)のα−アミノアセタールを生じさせ、他方では式(R)−(V)又は式(S)−(V)のN−保護α−アミノアルデヒド類が、それに対応する式(R)−(VI)又は式(S)−(VI)のα−アミノアルコール類に転化される、ギ酸によるアセタール官能基の脱アセタール化の反応中に得られる、式(S)−(V)又は式(R)−(V)(式中、R、R及びRは以下の表1に定義される)で表される光学活性α−アミノアルデヒド類の光学安定性を調べる。
【0094】
【化11】

【0095】
得られる結果を以下の表1で報告する。
【0096】
【表1】

ee[IV]:鏡像異性体の純度、キラルHPLCにより測定、
ee[IVb]:鏡像異性体の純度、(V)の再アセタール化段階により(IVb)を得た後のキラルHPLCにより測定、
ee[VI]:鏡像異性体の純度、(V)の還元段階によってアミノアルコール(VI)を得た後のキラルHPLCにより測定。
【0097】
キラルHPLC分析
Chiralcel OD−H、ヘキサン/イソプロパノール(90/10又は95/5)、1ml/分、UV検出254nm及び偏光計、
Chiralpak AD、ヘキサン/イソプロパノール(90/10)、1ml/分、UV検出254nm及び偏光計。
【0098】
この結果は、アセタール官能基の脱アセタール化の反応中に得られる式(S)−(V)又は式(R)−(V)で表される光学活性α−アミノアルデヒド類の光学安定性を示している。
【0099】
例9(比較例)
ベンジルを保護基として用いるアセタール官能基の脱アセタール化の試験をアミン官能基について行った。
【0100】
1gのN,N−ジベンジル−1−メチル−2,2−ジメトキシエチルアミン(3.3mmol、1モル当量)、及び2.4gのHO中の17.6gのギ酸を、温度計、還流凝縮器、及び磁気撹拌器を備えた50mlの三口フラスコ中に仕込む。媒体を、周囲温度で5日間撹拌状態で放置する(GCではいずれの変化も記録されなかった)。媒体を9時間40℃で加熱する。
【0101】
出発材料はもとのままである。
【0102】
この結果は、ベンジル保護基を用いる場合、ギ酸でのアセタール官能基の脱アセタール化が不可能であることを示している。
【0103】
例10(比較例)
tert−ブチルオキシカルボニル(tBoc)基を保護基としてアミン官能基に対して用いる、アセタール官能基の脱アセタール化の試験を行った。
【0104】
1gのtert−ブチル1−メチル−2,2−ジメトキシエチルカルバメート(4.5mmol、1モル当量)及び1.7mlのギ酸を、温度計、還流凝縮器、及び磁気撹拌器を備えた50mlの三口フラスコ中に仕込む。媒体を周囲温度で30時間撹拌状態で放置する。
【0105】
出発材料はもとのままである。
【0106】
この結果は、tBoc保護基を用いる場合、ギ酸でのアセタール官能基の脱アセタール化が不可能であることを示している。
【0107】
例11(比較例)
Cbz基をアミン官能基の保護基として、そして酢酸を脱アセタール化剤として用いる、アセタール官能基の脱アセタール化の試験を行った。
【0108】
0.25gのベンジル1−ベンジル−2,2−ジメトキシエチルカルバメート(0.76mmol、1モル当量)及び1.25gの95%酢酸水溶液を、温度計、還流凝縮器及び磁気撹拌器を備えた50mlの二口フラスコ中に仕込む。媒体を周囲温度で24時間撹拌状態で放置する。
【0109】
出発材料はもとのままである(GCで監視)。
【0110】
続いて、媒体は連続して40〜80℃の温度で8時間撹拌状態で放置される。出発材料はもとのままである。
【0111】
還流で5時間後、出発材料は分解する。
【0112】
この結果は、酢酸を脱アセタール化剤として用いて、アミン官能基に対するCbz保護基を有するアセタール官能基を脱アセタール化することが不可能であることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラセミ体もしくは光学活性体のN−保護α−アミノアルデヒド類の製造方法であって、
該方法が、下記の段階、すなわち、
− 対応するα−アミノアセタール類のアミン官能基を、下記の一般式(I)で表されるアリールアルキルオキシカルボニル基で保護すること、
【化1】

(式中、
Rは、水素、フェニル基又は直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基を表し、
Arは、場合により1個又は2個以上のハロゲン、フェニル基、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はメチルスルホニル基によって置換されている、フェニル基、ナフチル基又はアントリル基を表す。)及び
− ギ酸を用いて前記のN−保護α−アミノアセタール類のアセタール官能基を脱アセタール化すること、
を含むことを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
前記アリールアルキルオキシカルボニル基が、ベンジルオキシカルボニル、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチル−ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−エトキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシ−カルボニル、3−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボニル、4−メチルスルフィニルベンジルオキシカルボニル、9−アントリルメチルオキシカルボニル、及びジフェニルメチルオキシカルボニルから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
次の式(II)で表されるラセミ体のN−保護α−アミノアセタール類を使用し、
【化2】

(式中、
及びRは、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基を表すか、あるいはR及びRは結合して、置換されていないか又は1個又は2個以上の直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基によって4位及び/又は5位が置換されている1,3−ジオキソラン−2−イル基を形成するか、又は置換されていないか又は1個又は2個以上の直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基によって4位及び/又は5位及び/又は6位が置換されている1,3−ジオサン−2−イル基を形成し;
は、水素;直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基;C−C12アルケニル基;C−C12アルキニル基;C−C10シクロアルキル基;C−C10シクロアルケニル基;シクロアルキルアルキル基(ここで、シクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである);3〜10個の原子を有するヘテロシクロアルキル基;ヘテロシクロアルキルアルキル基(ここで、ヘテロシクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである);単環式、二環式又は三環式のC−C14アリール基;5〜14個の原子を有するヘテロアリール基;アリールアルキル基もしくはヘテロアリールアルキル基(ここでアリール基、ヘテロアリール基及びアルキル基は上記で定義した通りである);C(=O)R基(式中、Rは、上記で定義したような、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、3〜10個の原子を有するヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表すか、あるいはRは、OR基(式中、Rは、上記で定義されるような水素、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)を表すか、あるいはRは、NHR基(式中、Rは、上記で定義されるような水素、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)を表し;上記全てのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキルアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基は、置換されていないか又は置換されており;
Pは、請求項1で定義された式(I)の基を示す)、
そして、次の式(III)で表されるラセミ体のN−保護α−アミノアルデヒド類を得るために、ギ酸を用いてアセタール官能基を脱アセタール化することを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
【化3】

(式中、R及びPは上記で定義された通りである。)
【請求項4】
次の式(R)−(II)又は(S)−(II)で表される光学活性体のN−保護α−アミノアセタール類が使用され、
【化4】

(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味し、
及びRは、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基を表すか、あるいはR及びRは結合して、置換されていないか又は1個又は2個以上の直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基で4位及び/又は5位が置換されている1,3−ジオキソラン−2−イル基、又は置換されていないか又は1個又は2個以上の直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基で4位及び/又は5位及び/又は6位が置換されている1,3−ジオサン−2−イル基を形成し;
は、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基;C−C12アルケニル基;C−C12アルキニル基;C−C10シクロアルキル基;C−C10シクロアルケニル基;シクロアルキルアルキル基(ここで、シクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである);3〜10個の原子を有するヘテロシクロアルキル基;ヘテロシクロアルキルアルキル基(ここで、ヘテロシクロアルキル基とアルキル基は上記で定義した通りである);単環式、二環式、又は三環式のC−C14アリール基;5〜14個の原子を有するヘテロアリール基;アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基(ここで、アリール基、ヘテロアリール基及びアルキル基は、上記で定義した通りである);C(=O)R基(式中、Rは、上記で定義されたような、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表すか、あるいはRはOR基(式中、Rは、上記で定義したような、水素、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)を表すか、あるいはRは、NHR基(式中、Rは、上記で定義したような、水素、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)を表す);上記全てのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキルアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、又はヘテロアリールアルキル基は置換されていないか又は置換されており;
Pは、請求項1で定義されるような式(I)の基を表す)、
そして、次の式(R)−(III)又は式(S)−(III)で表される光学活性体のN−保護α−アミノアルデヒド類を得るために、ギ酸を用いてアセタール官能基を脱アセタール化することを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
【化5】

(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味し、
及びPは上記で定義した通りである。)
【請求項5】
次の式(R)−(IV)又は(S)−(IV)で表される光学活性体のN−保護α−アミノアセタール類を使用し、
【化6】

(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味し、
及びRは、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基を表すか、あるいは、R及びRは結合して、置換されていないか又は1個又は2個以上の直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基で4位及び/又は5位が置換されている1,3−ジオキソラン−2−イル基、又は置換されていないか又は1個又は2個以上の直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基で4位及び/又は5位及び/又は6位が置換されている1,3−ジオサン−2−イル基を形成し、
−Rは、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基;C−C12アルケニル基、C−C12アルキニル基;C−C10シクロアルキル基;C−C10シクロアルケニル基;シクロアルキルアルキル基(ここで、シクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである);3〜10個の原子を有するヘテロシクロアルキル基;ヘテロシクロアルキルアルキル基(ここで、ヘテロシクロアルキル基及びアルキル基は、上記で定義した通りである);アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基(ここで、ヘテロアリール基は5〜14個の原子を有し、単環式、二環式又は三環式の基はC−C14アリール基であり、そしてアルキル基は上記で定義した通りである)を表し;上記全てのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキルアルキル基、アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基は、置換されていないか又は置換されていおり;
Pは、請求項1で定義されるような式(I)の基を示す)、
そして、次の式(R)−(V)又は(S)−(V)で表される光学活性体のN−保護α−アミノアルデヒド類を得るために、ギ酸を用いてアセタール官能基を脱アセタール化することを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
【化7】

(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味し、
及びPは上記で定義した通りである。)
【請求項6】
前記の脱アセタール化段階において、ギ酸が1〜30モル当量、好ましくは20〜25モル当量の割合で使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記の脱アセタール化段階が、ギ酸に対して0.01〜0.1重量当量、好ましくは0.05重量当量の量の水の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
薬理学的活性を有する製品の製造における、次の式(II)で表されるラセミ体、
【化8】

(式中、
及びRは、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基を表すか、あるいはR及びRは結合して、置換されていないか又は1個又は2個以上の直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基で4位及び/又は5位が置換されている1,3−ジオキソラン−2−イル基、又は置換されていないか又は1個又は2個以上の直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル置換基で4位及び/又は5位及び/又は6位が置換されている1,3−ジオサン−2−イル基を形成し;
は、水素;直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基;C−C12アルケニル基;C−C12アルキニル基;C−C10シクロアルキル基;C−C10シクロアルケニル基;シクロアルキルアルキル基(ここで、シクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである);3〜10個の原子を有するヘテロシクロアルキル基;ヘテロシクロアルキルアルキル基(ここで、ヘテロシクロアルキル基及びアルキル基は、上記で定義した通りである);単環式、二環式又は三環式のC−C14アリール基;5〜14個の原子を有するヘテロアリール基;アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基(ここで、アリール基、ヘテロアリール基及びアルキル基は上記で定義した通りである);C(=O)R基(式中、Rは、上記で定義したような直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示すか、あるいはRは、OR基(式中、Rは、上記で定義したような水素、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)を示すか、あるいはRは、NHR基(式中、Rは、上記で定義したような水素、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)を表し;上記全てのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキルアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基は、置換されていないか又は置換されており;
Pは、下記の式(I)で表される基、
【化9】

(式中、
Rは、水素、フェニル基又は直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基、
Arは、ハロゲン、フェニル、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はメチルスルフィニル基の1個又は2個以上で場合により置換されたフェニル基、ナフチル基又はアントリル基を表す)を表す)、
あるいは、次の式(R)−(II)又は式(S)−(II)で表される、光学活性体のN−保護α−アミノアセタールの使用。
【化10】

(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味し、
、R及びPは上記で定義した通りであり、
は、Hを除き、上記で定義した通りである)。
【請求項9】
薬理学的活性を有する製品の製造における次の式(III)で表されるラセミ体、
【化11】

(式中、
は、水素;直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基;C−C12アルケニル基;C−C12アルキニル基;C−C10シクロアルキル基;C−C10シクロアルケニル基;3〜10個の原子を含むヘテロシクロアルキル基;ヘテロシクロアルキルアルキル基(ここで、ヘテロシクロアルキル基及びアルキル基は上記で定義した通りである);単環式、二環式又は三環式のC−C14アリール基;5〜14個の原子を有するヘテロアリール基;アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基(ここで、アリール基、ヘテロアリール基及びアルキル基は上記で定義した通りである);C(=O)R基(式中、Rは、上記で定義したような直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表すか、あるいはRは、OR基(式中、Rは、上記で定義したような水素、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)を表すか、あるいはRは、NHR基(式中、Rは、上記で定義したような水素、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)を表し;上記全てのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキルアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基又はヘテロアリールアルキル基は置換されていないか又は置換されており;
Pは、次の式(I)で表される基、
【化12】

(式中、
Rは、水素、フェニル基又は直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル基を表し、
Arは、ハロゲン、フェニル、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルキル、直鎖状もしくは分岐状のC−Cアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はメチルスルフィニル基の1個又は2個以上で場合により置換されているフェニル基、ナフチル基又はアントリル基を表す)を表す)、
あるいは、次の式(R)−(III)又は(S)−(III)で表される光学活性体のN保護α−アミノアルデヒドの使用。
【化13】

(式中、
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味し、
Pは上記で定義した通りであり、
−Rは、Hを除き、上記で定義した通りである)。
【請求項10】
次の式(II)、(R)−(II)又は(S)−(II)で表される化合物。
【化14】

(式中、
及びRは、同一か又は異なっていて、直鎖状もしくは分岐状のC−C12アルキル基を表し;
は、シクロアルキル基がC−C10シクロアルキル基であり、そして直鎖状もしくは分岐状のアルキル基がC−C12アルキル基である、シクロアルキルアルキル基を表し;
Pは、ベンジルオキシカルボニル基を表し、そして
星印*は、その炭素原子が不斉炭素であることを意味する。)

【公表番号】特表2010−523615(P2010−523615A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502489(P2010−502489)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053899
【国際公開番号】WO2008/125486
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(509281726)クラリアント・スペシャルティ・ファイン・ケミカルズ(フランス) (3)
【Fターム(参考)】