説明

β−2−アドレナリン受容体作動性ベンゾチアゾロンの組み合わせ剤

本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその塩である第一活性成分、および非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR受容体)アゴニスト;抗酸化剤;CCR1アンタゴニスト;ケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない);コルチコステロイド;CRTh2アンタゴニスト;DP1アンタゴニスト;ヒストン脱アセチル化酵素誘導剤;IKK2阻害剤;COX阻害剤;リポキシゲナーゼ阻害剤;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;MPO阻害剤;臭化アクリジニウム、グリコピロレート、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドもしくは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミドであるムスカリンアンタゴニスト;p38阻害剤;PDE阻害剤;PPARγアゴニスト;プロテアーゼ阻害剤;スタチン;トロンボキサンアンタゴニスト;血管拡張剤;またはENAC遮断薬(上皮性ナトリウムチャネル遮断薬);から選択される第二活性成分を含んでなる医薬品;ならびに呼吸器疾患の処置におけるその使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または喘息)の処置における使用のための、2つまたはそれ以上の薬学的に活性な物質の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
肺の必須機能は、汚染物質、微生物、アレルゲン、および発癌物質を含め、非常に環境に暴露される壊れやすい構造を必要とする。ライフスタイルの選択と遺伝的組成との相互作用から結果的に生ずる宿主因子は、この暴露に対する反応に影響を及ぼす。肺に対する損傷または感染は、広範囲の呼吸器系疾患(または呼吸器疾患)を引き起こし得る。これらの疾患の多くは、公衆衛生上、非常に重要である。呼吸器疾患には、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、職業性肺疾患、肺癌、結核、線維症、塵肺症、肺炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息が含まれる。
【0003】
これらのうち、最も一般的な呼吸器疾患は喘息である。喘息は、一般的に、間欠性気道閉塞から生ずる臨床症状を伴う気道の炎症性障害として定義される。それは、喘鳴、呼吸困難および咳の発作により臨床的に特徴付けられる。それは、有病率および重症度を増大させるような慢性無能力化障害である。先進国人口における子供15%および大人5%が喘息を患っていると概算される。従って、治療は、普通の生活を可能にするよう、症状をコントロールすると同時に、原因となっている炎症を処置するための基盤を提供することを目的とするものでなければならない。
【0004】
COPDは、正常な呼吸を妨げ得る肺疾患の大きなグループを示す用語である。現在の臨床ガイドラインは、COPDを完全に可逆的ではない気流制限により特徴付けられる疾患状態として定義する。気流制限は、通常、進行性であって、かつ、有毒粒子およびガスに対する肺の異常な炎症反応と関連する。少なくとも西欧諸国において、そのような粒子およびガスの最も重要な寄与原因はタバコの煙である。COPD患者は、咳、息切れ、および痰の過剰産生を含め、様々な症状を呈し;そのような症状は、好中球、マクロファージ、および上皮細胞を含め、多数の細胞コンパートメントの機能不全から生ずる。COPDにより包含される2つの最も重要な状態は、慢性気管支炎および肺気腫である。
【0005】
慢性気管支炎は、粘液の産生増大および他の変化を引き起こす、長期にわたる気管支炎症である。患者の症状は、咳および痰の喀出である。慢性気管支炎は、より頻繁で重症な呼吸器感染症、気管支の狭窄および閉塞、呼吸困難および能力障害をもたらし得る。
【0006】
肺気腫は、肺胞および/または最小気管支末端に影響を与える慢性肺疾患である。肺はその弾力性を失うことから、これらの肺領域は拡張されるようになる。これらの拡張領域は、淀んだ空気を閉じ込めて、それを新鮮な空気と有効に交換しない。このことは、結果的に呼吸困難を招いて、結果的に血液への酸素供給不足を招き得る。肺気腫を持つ患者における主症状は息切れである。
【0007】
呼吸器疾患の処置において使用される治療薬には、コルチコステロイドが含まれる。コルチコステロイド(グルココルチコステロイドまたはグルココルチコイドとしてもまた知られている)は、強力な抗炎症薬である。それらの正確な作用機序は明らかになっていないが、コルチコステロイド処置の最終結果は、気管支粘膜下層への炎症性細胞の数、活性および活動における減少であり、気道反応性の減少をもたらす。コルチコステロイドはまた、気管支上皮層の脱落、血管透過性、および粘液分泌の軽減も引き起こし得る。コルチコステロイド処置は重要な利益を与え得るが、これらの薬剤の有効性は、とりわけCOPDにおいて、決して満足なものとはいえないことが多い。さらにまた、ステロイドの使用は治療効果をもたらし得るが、ステロイドを低用量で使用して、定期的投与と関連し得る望ましくない副作用の発生および重症度を最小限に抑えることができるのが望ましい。最近の研究はまた、呼吸器疾患を患っている患者間でのステロイド耐性獲得の問題も強調している。例えば、喘息をもつタバコ喫煙者は、短期間の吸入コルチコステロイド療法には非感受性であるが、喫煙者と非喫煙者との間の反応の相違は、高用量の吸入コルチコステロイドで軽減されるように見えることが見い出されている(Tomlinsonら, Thorax 2005;60:282-287)。
【0008】
呼吸器疾患の処置において使用される治療薬のさらなる群は、気管支拡張剤である。気管支拡張剤を使用して、気管支平滑筋を弛緩させ、気道閉塞を軽減し、肺過膨脹を軽減して、息切れを減少させることにより、呼吸器疾患の症状を緩和することができる。臨床使用における気管支拡張剤のタイプには、βアドレナリン受容体アゴニスト、ムスカリン受容体アンタゴニストおよびメチルキサンチンが含まれる。気管支拡張剤は主に症状軽減のために処方されて、それらが呼吸器疾患の自然経過を変えるとは考えられない。
【0009】
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドならびにその二塩酸塩および二臭化水素酸塩は、β2アドレナリン受容体アゴニストであって、PCT/SE2006/000927(WO 2007/018461として公開されている、実施例7、15および16を参照)に開示されている。該化合物およびその塩は、アドレナリン作動性α1D、アドレナリン作動性β1およびドーパミンD2活性に関して、少なくとも10倍のβ2アドレナリン受容体アゴニズム選択性を示す。
【0010】
βアドレナリン受容体アゴニストおよびコルチコステロイドを含んでなる組み合わせ製品が入手可能である。そのような製品の1つは、ブデソニドおよびフマル酸ホルモテロールの組み合わせ(シンビコート(Symbicort)(商標)という商品名でアストラゼネカ(AstraZeneca)により販売されている)であり、これは、喘息およびCOPDをコントロールして、多くの患者における生活の質を改善するのに有効であることが証明されている。
【0011】
喘息およびCOPDといったような呼吸器疾患の複雑さを考えると、どんなメディエーターでも単独で本疾患を満足に処置し得ることは到底不可能である。さらにまた、βアドレナリン受容体アゴニストおよびコルチコステロイドを使用する組み合わせ処置は有意な患者利益をもたらすが、喘息およびCOPDといったような呼吸器疾患に対する新たな治療に関して、特に疾患を緩和する可能性をもつ治療に関して、医学的必要性が残存するままである。
【発明の概要】
【0012】
従って、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその塩である第一活性成分、および
非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR受容体)アゴニスト;
抗酸化剤;
CCR1アンタゴニスト;
ケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない);
コルチコステロイド;
CRTh2アンタゴニスト;
DP1アンタゴニスト;
ヒストン脱アセチル化酵素誘導剤;
IKK2阻害剤;
COX阻害剤;
リポキシゲナーゼ阻害剤;
ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;
MPO阻害剤;
臭化アクリジニウム、グリコピロレート(例えば、R,R−、R,S−、S,R−、またはS,S−グリコピロニウムブロミド)、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドもしくは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミドであるムスカリンアンタゴニスト;
p38阻害剤;
PDE阻害剤;
PPARγアゴニスト;
プロテアーゼ阻害剤;
スタチン;
トロンボキサンアンタゴニスト;
血管拡張剤;または
ENAC遮断薬(上皮性ナトリウムチャネル遮断薬);
から選択される第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0013】
特定の一態様において、本発明は、第一および第二活性成分が経口投与に(例えば、肺および/または気道への送達に)適当な形態である医薬品を提供する。
【0014】
本発明の医薬品は、第一活性成分および第二活性成分を含んでなり、またそれは、第三活性成分を含んでなり得る。第三活性成分は、第二活性成分のリストから選択され得るが、普通、異なる作用機序を有するであろう。そこで、例えば、第二活性成分がムスカリンアンタゴニストであれば、第三活性成分は、非ステロイド性グルココルチコステロイド受容体アゴニスト、コルチコステロイド、CCR1アンタゴニストまたはPDE4阻害剤であるのがよい。
【0015】
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドの適当な塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩(例えば、二臭化水素酸塩)、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、重硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、マロン酸塩、キシナホ酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、ニコチン酸塩、サッカリン酸塩、アジピン酸塩、ギ酸塩、グルコール酸塩、L−乳酸塩、D−乳酸塩、アスパラギン酸塩、リンゴ酸塩、L−酒石酸塩、D−酒石酸塩、ステアリン酸塩、2−フロ酸塩、3−フロ酸塩、ナパジシル酸塩(ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩またはナフタレン−1−(スルホン酸)−5−スルホン酸塩)、エジシル酸塩(エタン−1,2−ジスルホン酸塩またはエタン−1−(スルホン酸)−2−スルホン酸塩)、イセチオン酸塩(2−ビトロキシエチルスルホン酸塩)、2−メシチレンスルホン酸塩または2−ナフタレンスルホン酸塩である。
【0016】
一態様において、本発明は、第一活性成分がN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である医薬品を提供する。
【0017】
第一および第二活性成分は、同時に(単一医薬製剤で{すなわち、活性成分が混合状態にある}、または分離製剤によってのいずれかで)、または分離医薬製剤によって連続してもしくは個別に投与することができる。
【0018】
非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR)アゴニストは、例えば、WO 2006/046916に開示されている化合物である。
【0019】
抗酸化剤は、例えば、アロプリノール、エルドステイン、マンニトール、N−アセチルシステインコリンエステル、N−アセチルシステインエチルエステル、N−アセチルシステイン、N−アセチルシステインアミドまたはナイアシンである。
【0020】
CCR1アンタゴニストは、例えば、WO 2001/062728もしくはWO 2001/098273に開示されている化合物、またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、(ヘミ)フマル酸塩、安息香酸塩、フロ酸塩またはコハク酸塩);BX471((2R)−1−[[2−[(アミノカルボニル)アミノ]−4−クロロフェノキシ]アセチル]−4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−2−メチルピペラジン 一塩酸塩)またはCCX634である。
【0021】
そしてまた、CCR1アンタゴニストは、例えば、WO 2001/062728またはWO 2001/098273に開示されている化合物[例えば、N−(2−{(2S)−3−[{(3R)−1−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−ピロリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}−4−フルオロフェニル)アセトアミド、N−(2−{(2S)−3−[{(3S)−1−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−ピロリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}−4−フルオロフェニル)アセトアミド、N−(2−{(2S)−3−[1−{(4−クロロベンゾイル)−4−ピペリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、(2−{[(2S)−3−{[(2R,5S)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(3S,4R)−1−(4−クロロベンジル)−3−メチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(3R,4R)−1−(4−クロロベンジル)−3−メチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(2R,4S,5S)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(2R,4R,5S)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(2S,4R,5R)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(2S,4S,5R)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)プロパン酸メチル、N−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ)−4−クロロフェニル]アセトアミド、N−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシフェニル]アセトアミド、N−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−フルオロフェニル]アセトアミド、N−5−クロロ−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシフェニル]アセトアミド、N−5−クロロ−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシフェニル]プロパンアミド、(2−{[(2S)−3−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)メタンスルホン酸、N−5−クロロ−(2−{(2S)−3−[1−{(4−クロロベンジル)−4−ピペリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}−4−ヒドロキシフェニル)−N’−シクロプロピル−尿素、N−(2−{(2S)−3−[1−{(4−クロロベンジル)−4−ピペリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}フェニル)−N’−エチル−尿素、(2S)−1−(2−エチルフェノキシ)−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]プロパン−2−オール、(2S)−1−[2−(ヒドロキシエチル)フェノキシ]−2−メチル−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]プロパン−2−オール、2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ベンズアルデヒド、2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ)−N−シクロプロピルベンズアミド、2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ安息香酸メチル、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシ安息香酸、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、N−(2−{[(2S)−3−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−{[(2S)−3−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、N−[2−({(2S)−3−[(2R)−5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロリジン]−1’−イル]−2−ヒドロキシプロピル}オキシ)−4−ヒドロキシフェニル]アセトアミド、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)尿素、4−フルオロ−2−{[(2S)−3−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}安息香酸、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)尿素、N−(2−{[(2S)−2−アミノ−3−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)プロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−[(2S)−3−(5−クロロスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロポキシ]ベンズアルデヒド、(αS)−5−クロロ−α−[[2−(2−ヒドロキシエチル)フェノキシ]メチル]−スピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−1’−エタノール、(αS)−5−クロロ−α−[[2−(ヒドロキシメチル)フェノキシ]メチル]−スピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−1’−エタノール、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−(4−{アセチルアミノ}フェノキシ)酢酸、5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−(4−{アセチルアミノ}フェノキシ)酢酸、{2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−[(メチルアミノ)カルボニル]フェノキシ}酢酸、2−{2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−[(メチルアミノ)カルボニル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸、(2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−{[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}フェノキシ)酢酸、5−クロロ−2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(シアノメトキシ)安息香酸、2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−5−クロロ−4−(2,2−ジフルオロエトキシ)安息香酸、5−クロロ−2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)安息香酸、N−(2−{3−[5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル]プロポキシ}フェニル)アセトアミド、3−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)プロパン酸メチル、N−(2−{[(2S)−3−({スピロ[インドール−2,4’−ピペリジン]−3(1H)−オン}−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、もしくは(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)メタンスルホン酸、またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、先に記載したような(塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、(ヘミ)フマル酸塩、安息香酸塩、フロ酸塩またはコハク酸塩))];BX471((2R)−1−[[2−[(アミノカルボニル)アミノ]−4−クロロフェノキシ]アセチル]−4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−2−メチルピペラジン 一塩酸塩);またはCCX634である。
【0022】
そしてまた、CCR1アンタゴニストは、例えば、N−{2−[((2S)−3−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)オキシ]−4−ヒドロキシフェニル}アセトアミド(WO 2003/051839を参照)、もしくは2−{2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−[(メチルアミノ)カルボニル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸(PCT公開番号 WO 2008/010765を参照)、またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、(ヘミ)フマル酸塩、安息香酸塩、フロ酸塩またはコハク酸塩)である。
【0023】
ケモカインアンタゴニスト(CCR1アンタゴニスト以外)は、例えば、656933(N−(2−ブロモフェニル)−N’−(4−シアノ−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−7−イル)尿素)、766994(4−({[({[(2R)−4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アミノ)カルボニル]アミノ}メチル)ベンズアミド)、CCX−282、CCX−915、シアノビリン N、E−921、INCB−003284、INCB−9471、マラビロック、MLN−3701、MLN−3897、T−487(N−{1−[3−(4−エトキシフェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル]エチル}−N−(ピリジン−3−イルメチル)−2−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセトアミド)またはビクリビロックである。
【0024】
コルチコステロイドは、例えば、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アメロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸ブチキソコート、シクレソニド、プロピオン酸クロベタゾール、脱イソブチリルシクレソニド(Desisobutyrylciclesonide)、ジクロ酢酸エチプレドノール(Etiprednol dicloacetate)、フルオシノロンアセトニド、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、エタボン酸ロテプレドノール(局所)またはフロ酸モメタゾンである。
【0025】
CRTh2アンタゴニストは、例えば、WO 2004/106302またはWO 2005/018529からの化合物である。
【0026】
DP1アンタゴニストは、例えば、L888839またはMK0525である。
【0027】
ヒストン脱アセチル化酵素誘導剤は、例えば、ADC4022、アミノフィリン、メチルキサンチンまたはテオフィリンである。
【0028】
IKK2阻害剤は、例えば、2−{[2−(2−メチルアミノ−ピリミジン−4−イル)−1H−インドール−5−カルボニル]アミノ}−3−(フェニル−ピリジン−2−イル−アミノ)プロピオン酸である。
【0029】
COX阻害剤は、例えば、セレコキシブ、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、イブプロフェン、インドメタシン、メロキシカム、ニメスリド、OC1768、OC2125、OC2184、OC499、OCD9101、パレコキシブナトリウム、ピセタノール、ピロキシカム、ロフェコキシブまたはバルデコキシブである。
【0030】
リポキシゲナーゼ阻害剤は、例えば、アジュレム酸、ダルブフェロン、メシル酸ダルブフェロン(Darbufelone mesilate)、デクスイブブロフェンリジン(Dexibuprofen lysine)(一水和物)、エタロシブナトリウム、リコフェロン、リナゾラスト、ロナパレン、マソプロコール、MN−001、テポキサリン、UCB−35440、ベリフラポン(Veliflapon)、ZD−2138、ZD−4007またはジロートン((±)−1−(1−ベンゾ[b]チエン−2−イルエチル)−1−ヒドロキシ尿素)である。
【0031】
ロイコトリエン受容体アンタゴニストは、例えば、アブルカスト、イラルカスト(CGP 45715A)、モンテルカスト、モンテルカストナトリウム、オンタゾラスト、プランルカスト、プランルカスト水和物(一Na塩)、ベルルカスト(MK−679)またはザフィルルカストである。
【0032】
ムスカリンアンタゴニストは、臭化アクリジニウム、グリコピロレート(例えば、R,R−、R,S−、S,R−、またはS,S−グリコピロニウムブロミド)、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド(WO 01/04118を参照)、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドまたは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミド(WO 01/04118を参照)である。本発明の一態様において、ムスカリンアンタゴニストは、臭化アクリジニウム、グリコピロレート(例えば、R,R−、R,S−、S,R−、またはS,S−グリコピロニウムブロミド)、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピンまたは臭化チオトロピウムである。
【0033】
MPO阻害剤は、例えば、ヒドロキサム酸誘導体(N−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−フェニル−4−[[(4−プロパン−2−イルフェニル)スルホニルアミノ]メチル]ピペリジン−1−カルボキサミド)、ピセタノールまたはリスベラトロールである。
【0034】
p38阻害剤は、例えば、WO 2005/042502、681323、856553からの化合物、AMG548(2−[[(2S)−2−アミノ−3−フェニルプロピル]アミノ]−3−メチル−5−(2−ナフタレニル)−6−(4−ピリジニル)−4(3H)−ピリミジノン)、アレイ(Array)−797、ドラマピモド、KC−706、PH 797804、R1503、SC−80036、SCIO469、6−クロロ−5−[[(2S,5R)−4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−2,5−ジメチル(domethyl)−1−ピペラジニル]カルボニル]−N,N,1−トリメチル−α−オキソ−1H−インドール−3−アセトアミド、VX702またはVX745(5−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(フェニルチオ)−6H−ピリミド[1,6−b]ピリダジン−6−オン)である。
【0035】
PDE阻害剤:例えば、PDE4阻害剤は、例えば、256066、アロフィリン(Arofylline)(3−(4−クロロフェニル)−3,7−ジヒドロ−1−プロピル−1H−プリン−2,6−ジオン)、AWD 12−281(N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−5−ヒドロキシ−α−オキソ−1H−インドール−3−アセトアミド)、BAY19−8004(バイエル(Bayer))、CDC−801(カルジーン(Calgene))、セルジーン(Celgene)の化合物((βR)−β−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−プロパンアミド)、シロミラスト(シス−4−シアノ−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサンカルボン酸)、日本の協和発酵工業株式会社(Kyowa Hakko Kogyo Co. Ltd.)からのWO 2006/098353における化合物である2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−1−(7−メトキシスピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]−4−イル)エタノン(CAS番号 185406−34−2)、ファイザー(Pfizer)からの化合物(2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−[シス−4−[(2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾイル)アミノ]シクロヘキシル]−3−ピリジンカルボキサミド)、ファイザーからの化合物(2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−[シス−4−[[2−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ベンゾイル]アミノ]シクロヘキシル]−3−ピリジンカルボキサミド)、CT2820、GPD−1116、イブジラスト、IC 485、KF 31334、KW−4490(協和発酵工業)、リリミラスト([2−(2,4−ジクロロベンゾイル)−6−[(メチルスルホニル)オキシ]−3−ベンゾフラニル]尿素)、メルク(Merck)の化合物(N−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−[3−(3−ピリジニルエチニル)フェニル]−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド)、オグレミラスト(N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−(ジフルオロメトキシ)−8−[(メチルスルホニル)アミノ]−1−ジベンゾフランカルボキサミド)、ONO6126、ORG 20241(4−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−2−チアゾールカルボキシミドアミド)、PD189659/PD168787(パーク・デービス(Parke-Davis))、ペントキシフィリン(3,7−ジヒドロ−3,7−ジメチル−1−(5−オキソヘキシル)−1H−プリン−2,6−ジオン)、ファイザーの化合物(5−フルオロ−N−[4−[(2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾイル)アミノ]シクロヘキシル]−2−(チアン−4−イルオキシ)ピリジン−3−カルボキサミド)、ファイザーのUK 500,001、ピクラミラスト(3−(シクロペンチルオキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−メトキシベンズアミド)、PLX−369(WO 2006/026754)、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド)、SCH 351591(N−(3,5−ジクロロ−1−オキシド−4−ピリジニル)−8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−5−キノリンカルボキサミド)、SelCID(商標) CC−10004(カルジーン)、T−440(田辺(Tanabe))、テトミラスト(6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)−4−チアゾリル]−2−ピリジンカルボン酸)、トフィミラスト(9−シクロペンチル−7−エチル−6,9−ジヒドロ−3−(2−チエニル)−5H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン)、TPI 1100、UCB 101333−3(N,2−ジシクロプロピル−6−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)−5−メチル−4−ピリミジンアミン)、V−11294A(ナップ(Napp))、VM554/VM565(バーナリス(Vernalis))もしくはザルダベリン(6−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル]−3(2H)−ピリダジノン)であり;またはPDE5阻害剤は、例えば、γ−グルタミル[s−(2−ヨードベンジル)システイニル]グリシン、タダラフィル、バルデナフィル、シルデナフィル、4−フェニル−メチルアミノ−6−クロロ−2−(1−イミダゾリル)キナゾリン、4−フェニル−メチルアミノ−6−クロロ−2−(3−ピリジル)キナゾリン、1,3−ジメチル−6−(2−プロポキシ−5−メタンスルホニルアミドフェニル)−1,5−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オンもしくは1−シクロペンチル−3−エチル−6−(3−エトキシ−4−ピリジル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オンである。
【0036】
PPARγアゴニストは、例えば、ピオグリタゾン、塩酸ピオグリタゾン、マレイン酸ロシグリタゾン、マレイン酸ロシグリタゾン((−)−エナンチオマー、遊離塩基)、マレイン酸ロシグリタゾン/塩酸メトホルミンまたはテサグリタザル(Tesaglitizar)である。
【0037】
プロテアーゼ阻害剤は、例えば、α1−アンチトリプシンプロテイナーゼ阻害剤、EPI−HNE4、UT−77、ZD−0892、またはWO 2006/004532、WO 2005/026123、WO 2002/074767もしくはWO 2002/074751からの化合物;またはTACE阻害剤(例えば、DPC−333、Sch−709156またはドキシサイクリン)である。
【0038】
スタチンは、例えば、アトルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンまたはシンバスタチンである。
【0039】
トロンボキサンアンタゴニストは、例えば、ラマトロバンまたはセラトロダストである。
【0040】
血管拡張剤は、例えば、A−306552、アンブリセンタン、アボセンタン、BMS−248360、BMS−346567、BMS−465149、BMS−509701、ボセンタン、BSF−302146(アンブリセンタン)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、ダグルトリル、ダルセンタン、ファンドセンタンカリウム、ファスジル、イロプロスト、KC−12615(ダグルトリル)、KC−12792 2AB(ダグルトリル)、リポソームトレプロスチニル(Liposomal treprostinil)、PS−433540、シタクスセンタンナトリウム(Sitaxsentan sodium)、フェルラ酸ナトリウム(Sodium Ferulate)、TBC−11241(シタクスセンタン)、TBC−3214(N−(2−アセチル−4,6−ジメチルフェニル)−3−[[(4−クロロ−3−メチル−5−イソキサゾリル)アミノ]スルホニル]−2−チオフェンカルボキサミド)、TBC−3711、トラピジル、トレプロスチニルジエタノールアミンまたはトレプロスチニルナトリウムである。
【0041】
ENAC(上皮性ナトリウムチャネル遮断薬)は、例えば、アミロライド、ベンザミル、トリアムテレン、552−02、PSA14984、PSA25569、PSA23682またはAER002である。
【0042】
先の活性成分は全て、溶媒和物、例えば、水和物の形態であり得る。
【0043】
特定の一態様において、本発明は、第一および第二活性成分を混合状態で含んでなる医薬品を提供する。あるいはまた、該医薬品は、例えば、第一活性成分の製剤および第二活性成分の製剤、また場合により、それを必要とする患者への該製剤の同時、連続または個別投与に関する指示書を含んでなるキットであり得る。
【0044】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、および
非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR受容体)アゴニスト;
CCR1アンタゴニスト;
ケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない);
コルチコステロイド;
IKK2阻害剤;
臭化アクリジニウム、グリコピロレート(例えば、R,R−、R,S−、S,R−、またはS,S−グリコピロニウムブロミド)、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドもしくは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミドであるムスカリンアンタゴニスト;
p38阻害剤;または
PDE阻害剤;
から選択される第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0045】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、および非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR)アゴニスト、例えば、WO 2006/046916に開示されている化合物である第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0046】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびCCR1アンタゴニスト、例えば、WO 2001/062728もしくはWO 2001/098273に開示されている化合物、またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、(ヘミ)フマル酸塩、安息香酸塩、フロ酸塩またはコハク酸塩);BX471((2R)−1−[[2−[(アミノカルボニル)アミノ]−4−クロロフェノキシ]アセチル]−4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−2−メチルピペラジン 一塩酸塩)またはCCX634である第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0047】
さらに別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびCCR1アンタゴニスト、例えば、WO 2001/062728またはWO 2001/098273に開示されている化合物[例えば、N−(2−{(2S)−3−[{(3R)−1−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−ピロリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}−4−フルオロフェニル)アセトアミド、N−(2−{(2S)−3−[{(3S)−1−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−ピロリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}−4−フルオロフェニル)アセトアミド、N−(2−{(2S)−3−[1−{(4−クロロベンゾイル)−4−ピペリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、(2−{[(2S)−3−{[(2R,5S)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(3S,4R)−1−(4−クロロベンジル)−3−メチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(3R,4R)−1−(4−クロロベンジル)−3−メチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(2R,4S,5S)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(2R,4R,5S)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(2S,4R,5R)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[(2S,4S,5R)−1−(4−クロロベンジル)−2,5−ジメチルピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)酢酸、(2−{[(2S)−3−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)プロパン酸メチル、N−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ)−4−クロロフェニル]アセトアミド、N−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシフェニル]アセトアミド、N−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−フルオロフェニル]アセトアミド、N−5−クロロ−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシフェニル]アセトアミド、N−5−クロロ−[2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシフェニル]プロパンアミド、(2−{[(2S)−3−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)メタンスルホン酸、N−5−クロロ−(2−{(2S)−3−[1−{(4−クロロベンジル)−4−ピペリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}−4−ヒドロキシフェニル)−N’−シクロプロピル−尿素、N−(2−{(2S)−3−[1−{(4−クロロベンジル)−4−ピペリジニル}アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ}フェニル)−N’−エチル−尿素、(2S)−1−(2−エチルフェノキシ)−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]プロパン−2−オール、(2S)−1−[2−(ヒドロキシエチル)フェノキシ]−2−メチル−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]プロパン−2−オール、2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ベンズアルデヒド、2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ)−N−シクロプロピルベンズアミド、2−({2S}−3−[(1−[4−クロロベンジル]−4−ピペリジニル)アミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ安息香酸メチル、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシ安息香酸、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、N−(2−{[(2S)−3−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−{[(2S)−3−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、N−[2−({(2S)−3−[(2R)−5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,3’−ピロリジン]−1’−イル]−2−ヒドロキシプロピル}オキシ)−4−ヒドロキシフェニル]アセトアミド、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)尿素、4−フルオロ−2−{[(2S)−3−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}安息香酸、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)尿素、N−(2−{[(2S)−2−アミノ−3−(5−フルオロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)プロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−[(2S)−3−(5−クロロスピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロポキシ]ベンズアルデヒド、(αS)−5−クロロ−α−[[2−(2−ヒドロキシエチル)フェノキシ]メチル]−スピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−1’−エタノール、(αS)−5−クロロ−α−[[2−(ヒドロキシメチル)フェノキシ]メチル]−スピロ[ベンゾフラン−2(3H),4’−ピペリジン]−1’−エタノール、N−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−(4−{アセチルアミノ}フェノキシ)酢酸、5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−(4−{アセチルアミノ}フェノキシ)酢酸、{2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−[(メチルアミノ)カルボニル]フェノキシ}酢酸、2−{2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−[(メチルアミノ)カルボニル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸、(2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−{[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]カルボニル}フェノキシ)酢酸、5−クロロ−2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(シアノメトキシ)安息香酸、2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−5−クロロ−4−(2,2−ジフルオロエトキシ)安息香酸、5−クロロ−2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)安息香酸、N−(2−{3−[5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル]プロポキシ}フェニル)アセトアミド、3−(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)プロパン酸メチル、N−(2−{[(2S)−3−({スピロ[インドール−2,4’−ピペリジン]−3(1H)−オン}−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、もしくは(2−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−フルオロフェニル)メタンスルホン酸、またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、先に記載したような(塩酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、(ヘミ)フマル酸塩、安息香酸塩、フロ酸塩またはコハク酸塩))];BX471((2R)−1−[[2−[(アミノカルボニル)アミノ]−4−クロロフェノキシ]アセチル]−4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−2−メチルピペラジン 一塩酸塩);またはCCX634である第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0048】
別の態様において、CCR1アンタゴニストは、N−{2−[((2S)−3−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)オキシ]−4−ヒドロキシフェニル}アセトアミド、もしくは2−{2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−[(メチルアミノ)カルボニル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、(ヘミ)フマル酸塩、安息香酸塩、フロ酸塩またはコハク酸塩)である。例えば、安息香酸塩としてのN−{2−[((2S)−3−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)オキシ]−4−ヒドロキシフェニル}アセトアミド、または遊離酸としての2−{2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−[(メチルアミノ)カルボニル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸である。
【0049】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない)、例えば、656933(N−(2−ブロモフェニル)−N’−(4−シアノ−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−7−イル)尿素)、766994(4−({[({[(2R)−4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アミノ)カルボニル]アミノ}メチル)ベンズアミド)、CCX−282、CCX−915、シアノビリン N、E−921、INCB−003284、INCB−9471、マラビロック、MLN−3701、MLN−3897、T−487(N−{1−[3−(4−エトキシフェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル]エチル}−N−(ピリジン−3−イルメチル)−2−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセトアミド)またはビクリビロックである第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0050】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびコルチコステロイド、例えば、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アメロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸ブチキソコート、シクレソニド、プロピオン酸クロベタゾール、脱イソブチリルシクレソニド(Desisobutyrylciclesonide)、ジクロ酢酸エチプレドノール(Etiprednol dicloacetate)、フルオシノロンアセトニド、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、エタボン酸ロテプレドノール(局所)またはフロ酸モメタゾンである第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0051】
本発明の一実施態様において、コルチコステロイドは、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、フロ酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾンまたはブチキソコートプロピオン酸エステルから選択する。
【0052】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびコルチコステロイド、例えば、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンまたはプロピオン酸フルチカゾンである第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0053】
本発明の一実施態様において、コルチコステロイドはブデソニドである。ブデソニドおよびその製造は、例えば、Arzneimittel-Forschung (1979), 29 (11), 1687-1690、ドイツ特許第2,323,215号および米国特許第3,929,768号に記載されている。現在利用可能なブデソニド製剤は、‘エントコート(商標)’という商品名で販売されている。
【0054】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびIKK2阻害剤、例えば、2−{[2−(2−メチルアミノ−ピリミジン−4−イル)−1H−インドール−5−カルボニル]アミノ}−3−(フェニル−ピリジン−2−イル−アミノ)プロピオン酸である第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0055】
さらに別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびムスカリンアンタゴニスト、例えば、臭化アクリジニウム、グリコピロレート(例えば、R,R−、R,S−、S,R−、またはS,S−グリコピロニウムブロミド)、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド(WO 01/04118を参照)、もしくは3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドまたは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミド(WO 01/04118を参照)である第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。本発明の一態様において、ムスカリンアンタゴニストは、臭化アクリジニウム、グリコピロレート(例えば、R,R−、R,S−、S,R−、またはS,S−グリコピロニウムブロミド)、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピンまたは臭化チオトロピウムである。
【0056】
さらに別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびムスカリンアンタゴニスト、例えば、臭化アクリジニウム、グリコピロレート(例えば、R,R−、R,S−、S,R−、またはS,S−グリコピロニウムブロミド)、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピンまたは臭化チオトロピウムである第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0057】
本発明の一態様において、ムスカリン受容体アンタゴニストは、長時間作用型ムスカリン受容体アンタゴニスト、すなわち、12時間以上持続する活性をもつムスカリン受容体アンタゴニストである。長時間作用型ムスカリン受容体アンタゴニストの例には、臭化チオトロピウムが含まれる。
【0058】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、および臭化チオトロピウムである第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0059】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびp38阻害剤、例えば、WO 2005/042502、681323、856553からの化合物、AMG548(2−[[(2S)−2−アミノ−3−フェニルプロピル]アミノ]−3−メチル−5−(2−ナフタレニル)−6−(4−ピリジニル)−4(3H)−ピリミジノン)、アレイ(Array)−797、ドラマピモド、KC−706、PH 797804、R1503、SC−80036、SCIO469、6−クロロ−5−[[(2S,5R)−4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−2,5−ジメチル(domethyl)−1−ピペラジニル]カルボニル]−N,N,1−トリメチル−α−オキソ−1H−インドール−3−アセトアミド、VX702またはVX745(5−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(フェニルチオ)−6H−ピリミド[1,6−b]ピリダジン−6−オン)である第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0060】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびPDE阻害剤:例えば、PDE4阻害剤{例えば、256066、アロフィリン(3−(4−クロロフェニル)−3,7−ジヒドロ−1−プロピル−1H−プリン−2,6−ジオン)、AWD 12−281(N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−5−ヒドロキシ−α−オキソ−1H−インドール−3−アセトアミド)、BAY19−8004(バイエル)、CDC−801(カルジーン)、セルジーンの化合物((βR)−β−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−プロパンアミド)、シロミラスト(シス−4−シアノ−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサンカルボン酸)、日本の協和発酵工業株式会社からのWO 2006/098353における化合物である2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−1−(7−メトキシスピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]−4−イル)エタノン(CAS番号 185406−34−2)、ファイザーからの化合物(2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−[シス−4−[(2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾイル)アミノ]シクロヘキシル]−3−ピリジンカルボキサミド)、ファイザーからの化合物(2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−[シス−4−[[2−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ベンゾイル]アミノ]シクロヘキシル]−3−ピリジンカルボキサミド)、CT2820、GPD−1116、イブジラスト、IC 485、KF 31334、KW−4490(協和発酵工業)、リリミラスト([2−(2,4−ジクロロベンゾイル)−6−[(メチルスルホニル)オキシ]−3−ベンゾフラニル]尿素)、メルクの化合物(N−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−[3−(3−ピリジニルエチニル)フェニル]−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド)、オグレミラスト(N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−(ジフルオロメトキシ)−8−[(メチルスルホニル)アミノ]−1−ジベンゾフランカルボキサミド)、ONO6126、ORG 20241(4−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−2−チアゾールカルボキシミドアミド)、PD189659/PD168787(パーク・デービス)、ペントキシフィリン(3,7−ジヒドロ−3,7−ジメチル−1−(5−オキソヘキシル)−1H−プリン−2,6−ジオン)、ファイザーの化合物(5−フルオロ−N−[4−[(2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾイル)アミノ]シクロヘキシル]−2−(チアン−4−イルオキシ)ピリジン−3−カルボキサミド)、ファイザーのUK 500,001、ピクラミラスト(3−(シクロペンチルオキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−メトキシベンズアミド)、PLX−369(WO 2006/026754)、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド)、SCH 351591(N−(3,5−ジクロロ−1−オキシド−4−ピリジニル)−8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−5−キノリンカルボキサミド)、SelCID(商標) CC−10004(カルジーン)、T−440(田辺)、テトミラスト(6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)−4−チアゾリル]−2−ピリジンカルボン酸)、トフィミラスト(9−シクロペンチル−7−エチル−6,9−ジヒドロ−3−(2−チエニル)−5H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン)、TPI 1100、UCB 101333−3(N,2−ジシクロプロピル−6−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)−5−メチル−4−ピリミジンアミン)、V−11294A(ナップ)、VM554/VM565(バーナリス)もしくはザルダベリン(6−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル]−3(2H)−ピリダジノン);またはPDE5阻害剤、例えば、γ−グルタミル[s−(2−ヨードベンジル)システイニル]グリシン、タダラフィル、バルデナフィル、シルデナフィル、4−フェニル−メチルアミノ−6−クロロ−2−(1−イミダゾリル)キナゾリン、4−フェニル−メチルアミノ−6−クロロ−2−(3−ピリジル)キナゾリン、1,3−ジメチル−6−(2−プロポキシ−5−メタンスルホニルアミドフェニル)−1,5−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オンもしくは1−シクロペンチル−3−エチル−6−(3−エトキシ−4−ピリジル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン}である第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0061】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびPDE4阻害剤、例えば、256066、アロフィリン(3−(4−クロロフェニル)−3,7−ジヒドロ−1−プロピル−1H−プリン−2,6−ジオン)、AWD 12−281(N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−5−ヒドロキシ−α−オキソ−1H−インドール−3−アセトアミド)、BAY19−8004(バイエル)、CDC−801(カルジーン)、セルジーンの化合物((βR)−β−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−プロパンアミド)、シロミラスト(シス−4−シアノ−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサンカルボン酸)、日本の協和発酵工業株式会社からのWO 2006/098353における化合物である2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−1−(7−メトキシスピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]−4−イル)エタノン(CAS番号 185406−34−2)、ファイザーからの化合物(2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−[シス−4−[(2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾイル)アミノ]シクロヘキシル]−3−ピリジンカルボキサミド)、ファイザーからの化合物(2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−[シス−4−[[2−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ベンゾイル]アミノ]シクロヘキシル]−3−ピリジンカルボキサミド)、CT2820、GPD−1116、イブジラスト、IC 485、KF 31334、KW−4490(協和発酵工業)、リリミラスト([2−(2,4−ジクロロベンゾイル)−6−[(メチルスルホニル)オキシ]−3−ベンゾフラニル]尿素)、メルクの化合物(N−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−[3−(3−ピリジニルエチニル)フェニル]−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド)、オグレミラスト(N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−(ジフルオロメトキシ)−8−[(メチルスルホニル)アミノ]−1−ジベンゾフランカルボキサミド)、ONO6126、ORG 20241(4−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−2−チアゾールカルボキシミドアミド)、PD189659/PD168787(パーク・デービス)、ペントキシフィリン(3,7−ジヒドロ−3,7−ジメチル−1−(5−オキソヘキシル)−1H−プリン−2,6−ジオン)、ファイザーの化合物(5−フルオロ−N−[4−[(2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾイル)アミノ]シクロヘキシル]−2−(チアン−4−イルオキシ)ピリジン−3−カルボキサミド)、ファイザーのUK 500,001、ピクラミラスト(3−(シクロペンチルオキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−メトキシベンズアミド)、PLX−369(WO 2006/026754)、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド)、SCH 351591(N−(3,5−ジクロロ−1−オキシド−4−ピリジニル)−8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−5−キノリンカルボキサミド)、SelCID(商標) CC−10004(カルジーン)、T−440(田辺)、テトミラスト(6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)−4−チアゾリル]−2−ピリジンカルボン酸)、トフィミラスト(9−シクロペンチル−7−エチル−6,9−ジヒドロ−3−(2−チエニル)−5H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン)、TPI 1100、UCB 101333−3(N,2−ジシクロプロピル−6−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)−5−メチル−4−ピリミジンアミン)、V−11294A(ナップ)、VM554/VM565(バーナリス)もしくはザルダベリン(6−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル]−3(2H)−ピリダジノン)である第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0062】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびPDE4阻害剤、例えば、AWD 12−281(N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−5−ヒドロキシ−α−オキソ−1H−インドール−3−アセトアミド)またはロフルミラストである第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0063】
別の態様において、本発明は、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、およびロフルミラストである第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品を提供する。
【0064】
本発明の医薬品の第一活性成分および第二活性成分を同時に、連続してまたは個別に投与して、呼吸器疾患を処置することができる。同時にという語は、活性成分が混合状態にある、またはそれらが同一吸入器の個別チャンバー内に存在し得ることを意味する。連続してのという語は、いずれかの順序で活性成分の一方を投与した直後に他方を投与することを意味する。それらは、たとえ個別に投与してもなお所望の効果を有するが、この方法で投与する場合は、それらを、一方を投与した直後に他方を投与するのではなく、一般的には4時間あけずに、好都合には2時間あけずに、より好都合には30分あけずに、そして最も好都合には10分あけずに、例えば10分未満で投与する。
【0065】
本発明の活性成分は、錠剤、カプセル剤、ピル剤、粉末剤、水性または油性溶液剤または懸濁液剤、エマルション剤、および無菌注射用水性または油性溶液剤または懸濁液剤といったような、従来の全身投薬形態を使用して、経口または非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内または関節内)投与により投与され得る。該活性成分は、溶液剤、懸濁液剤、エアロゾル剤または乾燥粉末製剤の形態での経口投与によって、肺および/または気道へと送達され得る。これらの投薬形態には、通常、例えば、アジュバント、担体、結合剤、滑沢剤、希釈剤、安定化剤、緩衝剤、乳化剤、粘度調節剤、界面活性剤、保存料、香味料または着色料から選択され得る、1つまたはそれ以上の薬学的に許容され得る成分が含まれるであろう。当業者には理解される通り、活性成分を投与する最も適切な方法は、多数の要因に依存する。
【0066】
別の実施態様において、第一および第二活性成分は、単一医薬組成物(すなわち、第一および第二活性成分が混合状態にある)によって投与される。従って、本発明はさらに、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩である第一活性成分、および先に定義したような第二活性成分を、混合状態で含んでなる医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、場合により、薬学的に許容され得るアジュバント、希釈剤または担体をさらに含んでなる。
【0067】
本発明の医薬組成物は、第一活性成分を第二活性成分および薬学的に許容され得るアジュバント、希釈剤または担体と混合することにより製造され得る。従って、本発明のさらなる態様において、第一および第二活性成分ならびに薬学的に許容され得るアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含んでなる、医薬組成物の製造方法を提供する。
【0068】
本発明に従って投与する各々の活性成分の治療用量は、使用される特定の活性成分、活性成分が投与されるべき方法、そして処置すべき状態または障害に依存して変化するであろうことが理解されるであろう。
【0069】
本発明の一実施態様において、第一活性成分は、吸入によって投与される。吸入によって投与される場合、第一活性成分の用量は、一般的に、0.1マイクログラム(μg)〜5000μg、0.1〜1000μg、0.1〜500μg、0.1〜100μg、0.1〜50μg、0.1〜5μg、5〜5000μg、5〜1000μg、5〜500μg、5〜100μg、5〜50μg、5〜10μg、10〜5000μg、10〜1000μg、10〜500μg、10〜100μg、10〜50μg、20〜5000μg、20〜1000μg、20〜500μg、20〜100μg、20〜50μg、50〜5000μg、50〜1000μg、50〜500μg、50〜100μg、100〜5000μg、100〜1000μgまたは100〜500μgの範囲内である。該用量は、一般的には1日1〜4回、好都合には1日1回または2回、そして最も好都合には1日1回投与される。
【0070】
本発明の一実施態様において、第二活性成分は、吸入により投与される。吸入によって投与される場合、第二活性成分の用量は、一般的に、0.1マイクログラム(μg)〜5000μg、0.1〜1000μg、0.1〜500μg、0.1〜100μg、0.1〜50μg、0.1〜5μg、5〜5000μg、5〜1000μg、5〜500μg、5〜100μg、5〜50μg、5〜10μg、10〜5000μg、10〜1000μg、10〜500μg、10〜100μg、10〜50μg、20〜5000μg、20〜1000μg、20〜500μg、20〜100μg、20〜50μg、50〜5000μg、50〜1000μg、50〜500μg、50〜100μg、100〜5000μg、100〜1000μgまたは100〜500μgの範囲内である。該用量は、一般的には1日1〜4回、好都合には1日1回または2回、そして最も好都合には1日1回投与される。
【0071】
別の実施態様において、本発明は、第一活性成分:第二活性成分のモル比が1:1000〜1000:1、例えば、1:100〜100:1、例えば、1:50〜50:1、例えば、1:20〜20:1である医薬品を提供する。
【0072】
一実施態様において、本発明は、先に定義した第一活性成分、および先に定義した第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品であって、各々の活性成分が吸入投与のために製剤化される医薬品を提供する。この実施態様のさらなる態様において、該医薬品は、第一および第二活性成分を混合状態で含んでなる医薬組成物の形態であって、この組成物は、吸入投与のために製剤化される。
【0073】
本発明の活性成分は、溶液剤、懸濁液剤、エアロゾル剤または乾燥粉末(例えば、凝集または規則混合物)製剤の形態での肺および/または気道への吸入による経口投与によって、好都合に送達される。例えば、定量吸入装置を使用して、適当な噴霧剤に、そしてエタノールといったような付加的賦形剤、界面活性剤、滑沢剤または安定化剤と共にまたは無しで分散させた活性成分が投与され得る。例えば、加圧定量吸入器(pMDI)中、適当な噴霧剤には、炭化水素、クロロフルオロカーボンもしくはヒドロフルオロアルカン(例えば、ヘプタフルオロアルカン)噴霧剤、またはそのような噴霧剤のいずれかの混合物が含まれる。好ましい噴霧剤は、P134aおよびP227であり、これらは各々、単独で使用してもよいし、または他の別の噴霧剤および/または界面活性剤および/または他の賦形剤と組み合わせて使用してもよい。ネブライザーで投与される水性懸濁液剤、または好ましくは溶液剤もまた、単回用量または複数回用量のいずれかの製剤として、適当なpHおよび/または浸透圧調整を行いまたは行わずに使用され得る。乾燥粉末を送達するのに適当な装置は、タービュヘイラー(商標)である。
【0074】
本発明の医薬品は、例えば、投与時に吸入器のマウスピースもしくは患者の口のいずれかまたはその両方で活性成分を混合するよう、吸入器の個別チャンバー内に第一および第二活性成分が入っている吸入器によって(同時使用の場合);または第一および第二活性成分が個別の吸入器内に存在する場合、個別の吸入器によって(個別または連続使用の場合)投与され得るか;または吸入器が患者に供給される時点で、第一および第二活性成分が吸入器内で混合状態にある(同時使用の場合)。
【0075】
乾燥粉末吸入器を使用して、活性成分を単独で投与してもよいし、または薬学的に許容され得る担体(例えば、ラクトース)と組み合わせて投与してもよく、後者の場合、微粉化粉末として、または規則混合物としてのいずれかで投与するのがよい。該乾燥粉末吸入器は、単回用量であってもよいし、または複数回用量であってもよく、そして乾燥粉末または粉末含有カプセルを利用し得る。
【0076】
定量吸入器、ネブライザーおよび乾燥粉末吸入装置は周知であって、様々なそのような装置が利用可能である。
【0077】
本発明の医薬品を使用して、間欠性および持続性の両方の、そして全重症度の、気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬物誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発性を含む)およびダスト誘発性喘息が含まれる喘息、ならびに気道過敏症の他の原因;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎、ならびに慢性気管支炎が含まれる気管支炎;肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;特発性線維化性肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗腫瘍療法、ならびに結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染症を含め、慢性感染症が併発する線維症が含まれる肺線維症;肺移植の合併症;肺血管系の血管炎性および血栓性障害、ならびに肺高血圧症;気道の炎症および分泌状態と関連した慢性咳、ならびに医原性咳の処置が含まれる鎮咳活性;薬物性鼻炎が含まれる急性および慢性鼻炎、ならびに血管運動性鼻炎;神経性鼻炎(花粉症)が含まれる通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻ポリープ症;風邪が含まれる急性ウイルス感染症、ならびに呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染症を含め、気道の閉塞性疾患といったような気道の疾患を処置することができる。
【0078】
従って、本発明はさらに、治療における同時、連続または個別使用のための、本発明による医薬品を提供する。
【0079】
本発明はさらに、呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患、喘息、鼻炎、肺気腫または気管支炎(例えば、慢性閉塞性肺疾患または喘息;例えば、慢性閉塞性肺疾患)の処置のための薬物の製造における、本発明による医薬品の使用を提供する。
【0080】
本発明はまたさらに、呼吸器疾患を処置する方法であって、それを必要とする患者に、
(a)先に定義した第一活性成分の治療上有効な用量;および
(b)先に定義した第二活性成分の治療上有効な用量;
を同時に、連続してまたは個別に投与することを含んでなる方法を提供する。
【0081】
さらなる態様において、本発明は、呼吸器疾患、特に慢性閉塞性肺疾患、喘息、鼻炎、肺気腫または気管支炎(例えば、慢性閉塞性肺疾患または喘息;例えば、慢性閉塞性肺疾患)の処置に関して先に記載した医薬品、キットまたは組成物の使用を提供する。
【0082】
本明細書の文脈において、“治療”という用語には、そうではないという具体的な指示がない限り、“予防”もまた含まれる。“治療の”および“治療上”という用語は、適宜解釈されるべきである。予防は、問題となっている状態または障害の以前のエピソードを患っている人々、または他の点でその危険性が増大していると考えられる人々の処置にとりわけ関連があると期待される。ある特定の状態または障害を発症する危険性がある人々には、一般的に、その状態もしくは障害の家族歴を有する人々、またはその状態もしくは障害をとりわけ発症しやすいことが遺伝子検査もしくはスクリーニングにより確認されている人々が含まれる。
【0083】
一般的な製造方法
そこで、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩に関する製造方法(製造1および2)、そしてまた、この化合物(以下のアッセイおよび表1において化合物Aと呼ぶ)の活性を示すアッセイおよびデータを続ける。
【0084】
以下のアッセイにおいて:
化合物Xは、安息香酸塩としてのN−{2−[((2S)−3−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)オキシ]−4−ヒドロキシフェニル}アセトアミドであり;そして
化合物Wは、遊離酸としての2−{2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−[(メチルアミノ)カルボニル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸である。
【0085】
H NMRスペクトルをバリアン(Varian)のInova 400MHzまたはバリアンのMercury−VX 300MHz機器で記録した。クロロホルム−d(δ 7.27ppm)、ジメチルスルホキシド−d 2.50ppm)、アセトニトリル−d 1.95ppm)またはメタノール−d 3.31ppm)の中心ピークを内部標準として使用した。シリカゲル(0.040−0.063mm、メルク)を使用して、カラムクロマトグラフィーを行った。特に指定のない限り、出発物質は市販されていた。溶媒および市販試薬は全て、研究室グレードのものであって、受け取ったまま使用した。
【0086】
次の方法をLC/MS分析に使用した:
機器 アジレント(Agilent) 1100;カラム ウォーターズ(Waters)のSymmetry 2.1×30mm;質量 APCI;流量 0.7ml/分;波長 254nm;溶媒A:水+0.1% TFA;溶媒B:アセトニトリル+0.1% TFA;グラジエント 15−95%/B 8分、95%B 1分。
【0087】
分析用クロマトグラフィーを、粒径が3.5μmであり、アセトニトリル/水/0.1% トリフルオロ酢酸を移動相として、5%〜95% アセトニトリルのグラジエントにおいて8分間にわたり0.7ml/分の流量で用いる、Symmetry C18−カラム、2.1×30mmで操作した。
【0088】
実施例において使用する略語および用語は、次の意味を有する:
SCX:スルホン酸吸着剤での固相抽出;
HPLC:高速液体クロマトグラフィー;
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド。
【0089】
製造1
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩
【化1】

【0090】
a)3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸tert−ブチル
1−ナフタレンエタノール(10g)を水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(トリトン B(Triton B)(商標);メタノール中の40% 溶液0.9mL)で処理して、その結果得られた混合物を減圧下に30分間撹拌した。次いで、その混合物を0℃まで冷却して、アクリル酸tert−ブチル(8.19g)で処理した。その結果得られた混合物を室温まで徐々に温めて、一晩撹拌した。その後、その粗製混合物を酸化アルミニウム(30g)へと吸収させて、ジエチルエーテル(200mL)で溶出した。有機物を濃縮して、粗製物質(16.6g)を得て、これを1:8のジエチルエーテル:ヘキサンで溶出するフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製して、副題の化合物(12.83g)を得た。
H NMR(CDCl)δ 8.05(dd, 1H), 7.84(dd, 1H), 7.72(dd, 1H), 7.54−7.34(m, 4H), 3.81−3.69(m, 4H), 3.35(t, 2H), 2.52−2.47(m, 2H), 1.45(s, 9H)。
【0091】
b)3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸
3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸tert−ブチル(6.19g)をジクロロメタン(30mL)に取って、トリフルオロ酢酸(5mL)で処理した。その結果得られた溶液を室温で2時間撹拌し、トリフルオロ酢酸1mLをさらに加えて、その溶液を一晩撹拌した。その混合物を濃縮し、2M 水酸化ナトリウム溶液(30mL)に取って、エーテル(2×20mL)で洗浄した。その後、(1M 塩酸を使用して)水層を酸性化して、エーテル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、減圧下に濃縮して、副題の化合物(5.66g)を透明な油として得た。
H NMR(CDCl)δ 8.05(bs, 1H), 7.85(bs, 1H), 7.74(bs, 1H), 7.50−7.38(m, 4H), 3.84−3.75(bm, 4H), 3.39(bs, 2H), 2.65(bs, 2H)。
【0092】
c)N−(2−ジエチルアミノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド
ジクロロメタン(10mL)中の3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸(0.53g)の溶液に、塩化オキサリル(0.33g)を滴加し、ジメチルホルムアミド(1滴)を加えて、室温で1時間撹拌し続けた。その後、その混合物を濃縮し、ジクロロメタン(10mL)に再び溶解させて、ジクロロメタン(10mL)中の2−(2−ジエチルアミノエチルアミノ)エタノール(0.35g)およびジイソプロピルエチルアミン(0.56g)の溶液に滴加した。その結果得られた混合物を室温で1時間撹拌し、希釈し(ジクロロメタン、50mL)、水(2×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濃縮して、粗製生成物(0.91g)を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中、5−7%のメタノールで溶出する)により精製して、副題の化合物0.63gを得た。
H NMR(CDCl)δ 8.05(d, 1H), 7.85(d, 1H), 7.73(d, 1H), 7.52−7.47(m, 2H), 7.42−7.35(m, 2H), 3.84−3.78(m, 6H), 3.72−3.70(m, 1/2H), 3.45−3.35(m, 6H), 2.79−2.77(m, 1+1/2H), 2.62−2.58(m, 2H), 2.54−2.49(m, 4H), 1.04−1.01(m, 6H)。
【0093】
d)N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド
ジクロロメタン(10mL)中の塩化オキサリル(0.079g)の溶液に、ジクロロメタン(1mL)中のジメチルスルホキシド(0.097g)の溶液を−78℃で加えた。その反応物を15分間撹拌した後、ジクロロメタン(1mL+1mL 洗浄)中のN−(2−ジエチルアミノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.22g)の溶液を加えて、その反応混合物をさらに15分間撹拌した。トリエチルアミン(0.29g)を加えて、その反応物を1時間かけて室温まで温め、その後、その混合物を希釈し(ジクロロメタン30mL)、有機物を重炭酸ナトリウム(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、減圧下に濃縮して、副題の化合物(0.21g)を得た。
【0094】
その粗製生成物をメタノール(10mL)に溶解して、7−(2−アミノエチル)−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール(benthiazol)−2(3H)−オン 塩酸塩(Organic Process Research & Development 2004, 8(4), 628-642に概要が述べられた手順により製造した;0.131g)を酢酸(0.1mL)および水(0.1mL)と共に加えた。室温で30分間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.020g)を加えて、その反応混合物を一晩撹拌した。アンモニア(メタノール中の7N、1mL)を加えて、その混合物を濃縮した。その粗製残留物を、ジクロロメタン中、1%のアンモニア;5%−7%のメタノールで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。その粗製生成物を次の段階で直接使用した。
【0095】
e)N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩
【化2】

N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.052g)をエタノール(1.5mL)に溶解して、48% 臭化水素酸(21μl)で処理した。白色固体の二臭化水素酸塩(0.058g)を濾過により集めた。
MS:APCI(+ve) 579(M+1)。
H NMR δ(DMSO) 11.78−11.71(m, 1H), 10.11−10.06(m, 1H), 9.51−9.43(m, 0.33H), 9.21−9.13(m, 0.66H), 8.75−8.66(m, 1H), 8.59−8.51(m, 1H), 8.06(d, 1H), 7.95−7.90(m, 1H), 7.79(d, 1H), 7.60−7.48(m, 2H), 7.47−7.39(m, 2H), 6.87(t, 1H), 6.76(dd, 1H), 3.78−3.53(m, 10H), 3.25−3.09(m, 10H), 2.91−2.80(m, 2H), 2.73−2.61(m, 2H), 1.26−1.15(m, 6H)。NMRは、298Kで約2:1の回転異性体の混合物を示す。
【0096】
製造2
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩
【化3】

【0097】
a)N’−(2,2−ジメトキシエチル)−N,N−ジエチル−エタン−1,2−ジアミン
【化4】

メタノール(500mL)中のN,N−ジエチル−エチレンジアミン(150g)の溶液を10−15℃にてグリオキサールジメチルアセタール(水中の60重量% 溶液、225g)で迅速に滴下処理した。添加が完了した後、その溶液を15℃まで、次いで、22℃まで温めて、この温度で16時間放置した。その反応混合物を5% パラジウム炭素(ジョンソン−マッセイ(Johnson-Matthey)タイプ 38H ペースト、15g)で処理して、GC/MSにより判断して反応が完了となるまで、6バールで水素化した。触媒を濾過により取り除いて、濾液を蒸発乾固させ(トルエン共沸混合物、2.5L)、副題の化合物196.2gを得た。
H NMR(CDCl):4.48(t, 1H), 3.39(s, 6H), 2.75(d, 2H), 2.69(t, 2H), 2.57−2.48(m, 6H), 1.01(ts, 6H)。
【0098】
b)N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド
【化5】

ジクロロメタン(2.1L)およびDMF(0.5mL)中の3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパン酸(389g)(実施例7の段階b))の溶液に、塩化オキサリル(151mL)を45分かけて滴加した。その反応混合物をさらに16時間撹拌した。その後、その混合物を濃縮し、DCM(1.7L)に再び溶解させて、DCM(1.7L)中のN’−(2,2−ジメトキシエチル)−N,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミン(325g)およびイソプロピルジエチルアミン(551mL)の溶液に0℃で1.75時間かけて滴加した。その結果得られた混合物を室温で3時間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5×1L)、水(1.5L)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮して、副題の化合物650gを得た。
m/e 431(M+H, 100%)
【0099】
c)N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミド
【化6】

DCM(270mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2,2−ジメトキシエチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(93g)の溶液を0℃にてトリフルオロ酢酸(270mL)で1.5時間かけて滴下処理した。添加後、その反応混合物を室温まで温めて、さらに1時間撹拌した。その反応混合物を濃縮して、残留物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1800mL、注意)に注ぎ込んだ。水性混合物をDCM(4×400mL)で抽出して、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、濃縮した。残留物を次の反応で直接使用した。
【0100】
d)N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二臭化水素酸塩
【化7】

無水NMP(216mL)中の7−(2−アミノ−エチル)−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾール−2−オン 塩酸塩(53g)の懸濁液を60℃まで加熱して、メタノール(102mL)中のNaOH(8.2g)の溶液で一度に処理した。その明橙色の懸濁液を室温まで冷却して、ジクロロメタン(475mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]−N−(2−オキソエチル)プロパンアミドの溶液で20分かけて滴下処理した。その反応物を25分間撹拌し続けておいた。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(91.5g)を20分かけて少しずつ加えて、その混合物をさらに50分間撹拌した。その反応混合物を水(1.8L)に注ぎ込んで、その酸性溶液(pH5)をtert−ブチルメチルエーテル(TBME)(3×500mL)で洗浄した。水相を固形炭酸カリウムの添加によりpH8まで塩基性化して、ジクロロメタン(3×750mL)で抽出した;合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、濃縮して、暗色の油を得た。これをエタノール(200mL)に溶解して、48% 水性臭化水素酸(73mL)を加えた。その溶液を30分間ねかせた後、蒸発乾固させた。残留物をエタノール(560mL)でトリチュレートした;その結果として生ずる固体を濾過により集めて、減圧下に50℃で乾燥させた。その粘着性固体を沸騰エタノール(100mL)に懸濁させて、熱いうちに濾過した。集めた固体を減圧下に50℃で乾燥させた。この物質をエタノール/水(3:1、500mL)から再結晶化させた。一晩放置した後、その結果として生ずる固体を濾過により集めて、氷冷エタノール(75mL)で洗浄した。減圧下に50℃で24時間乾燥させて、標記化合物57gを得た。
【0101】
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドの別の塩は、溶媒中、適当な酸をN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドと混合することにより製造され得る。以下に例を挙げる。
【0102】
製造3
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド クエン酸塩
メタノール(5mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.5g)の溶液に、クエン酸(248.96mg)を加えた。直ちに、透明な溶液が不透明になって、橙色の油が沈降した。この混合物を外部温度60℃で加熱すると、透明な溶液になり、次いで、これを室温まで冷却して、48時間撹拌した。その結果得られた沈澱を濾過により集めて、メタノール(1mL)およびジエチルエーテル(1mL)で洗浄した。次いで、その固体を減圧下に室温で4時間乾燥させて、標記化合物(0.3g)を得た。
H NMR(400MHz, DMSO, 90℃)δ 8.06(d, 1H), 7.88(d, 1H), 7.75(d, 1H), 7.50(m, 2H), 7.39(m, 2H), 6.82(d, 1H), 6.72(d, 1H), 3.75(t, 2H), 3.70(t, 2H), 3.6−3.3(陽子数は測定できなかった), 3.28(t, 2H), 3.1−2.4(陽子数は測定できなかった), 0.99(br, 6H)。
【0103】
製造4
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二トシル酸塩
メタノール(10mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(1g)の溶液に、p−トルエンスルホン酸 一水和物(667.33mg)を一度に加えると、透明な溶液が生じた。これを室温で30分間撹拌した後、溶媒を減圧下に除去した。残留物をジエチルエーテル(20mL)中で室温にて16時間撹拌した後、溶媒を除去して、メチル t−ブチルエーテル(20mL)を加えた。次いで、この混合物を室温で16時間撹拌した後、その結果得られた固体を濾過により集めて、メチル t−ブチルエーテル(5mL)で洗浄した。標記化合物を減圧下に室温で16時間乾燥させると、標記化合物(1.18g)が固体として残った。
H NMR(400MHz, DMSO, 90℃)δ 11.35(1H, br), 8.05(d, 1H), 7.88(d, 1H), 7.76(d, 1H), 7.51(m, 6H), 7.40(m, 2H), 7.09(d, 4H), 6.83(d, 1H), 6.74(d, 1H), 3.77(t, 2H), 3.72(t, 2H), 3.64(br, 4H), 3.4−3.0(陽子数は測定できなかった), 2.85(m, 2H), 2.64(t, 2H), 2.28(s, 6H), 1.22(t, 6H)。
【0104】
製造5
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド リン酸塩 2.5水和物
メタノール(10mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(1g)の溶液に、リン酸(199.19mg)を加えると、ゴム質が生じた。その混合物を還流温度まで加熱して、撹拌し続けて、流動性固体を得た。その懸濁液を室温まで徐々に冷却した後、濾過して、ケークをメタノール(2mL)で洗浄した。標記化合物(0.93g)をフィルター上で乾燥させた。
H NMR(400MHz, DMSO, 90℃)δ 8.05(d, 1H), 7.87(d, 1H), 7.74(m, 1H), 7.48(m, 2H), 7.38(m, 2H), 6.78(d, 1H), 6.68(d, 1H), 3.73(t, 2H), 3.67(t, 2H), 3.31(m, 陽子数は測定できなかった), 3.26(t, 2H), 2.8−2.3(陽子数は測定できなかった), 0.94(t, 6H)。
【0105】
製造6
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二キシナホ酸塩 二水和物
メタノール(3mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.5g)の溶液に、メタノール(3mL)中の1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(328.42mg)の懸濁液を加えて、その結果得られた混合物を還流温度まで加熱した後、室温まで冷却して、16時間撹拌した。標記化合物を濾過し、メタノール(1mL)で洗浄して、減圧下に室温で1時間乾燥させた(0.47g)。
H NMR(400MHz, DMSO, 90℃)δ 8.24(d, 2H), 8.04(d, 1H), 7.87(d, 1H), 7.75(m, 5H), 7.50(m, 4H), 7.40(m, 4H), 7.11(d, 2H), 6.83(d, 1H), 6.73(d, 1H), 3.75(t, 2H), 3.70(t, 2H), 3.6−3.3(m, 4H), 3.26(t, 2H), 2.6−3.1(陽子数は測定できなかった), 2.59(t, 2H), 1.05(br, 6H)。
【0106】
製造7
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 二キシナホ酸塩 2.5水和物
二水和物の多形A(製造6)20mgを水(0.5ml)中で一週間スラリー化した。その結果得られた懸濁液を遠心分離して、上清を固形物質から分離し、後者をドラフト内で一晩風乾させておいた。
【0107】
製造8
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 硫酸塩
メタノール(2.5mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.25g)の溶液に、濃硫酸(23.98μL)を滴加した。その混合物を室温で20分間撹拌した後、外部温度60℃で加熱し、次いで、冷却して室温に戻した。次いで、メチル t−ブチルエーテル(0.5mL)を加えて、その混合物を外部温度60℃で加熱した後、室温とした。メタノールを使用して、その混合物を別のフラスコに移して、その混合物を溶解した後、溶媒を減圧下に除去した。残留物にメチル t−ブチルエーテル(10mL)を加えて、その混合物を室温で16時間撹拌した。標記化合物を濾過により集めて、フィルター上で乾燥させた(0.24g)。
H NMR(400MHz, DMSO, 90℃)δ 8.05(m, 1H), 7.88(m, 1H), 7.75(m, 1H), 7.50(m, 2H), 7.38(m, 2H), 6.85(m, 1H), 6.73(m, 1H), 3.74(m, 4H), 3.58−3.40(m, 陽子数は測定できなかった), 3.28(t, 2H), 3.03−2.73(m, 陽子数は測定できなかった), 2.60(t, 2H), 1.09(s, 6H)。
【0108】
製造9
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 一安息香酸塩
メタノール(2.5mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.25g)の溶液に、安息香酸(52.75mg)を一度に加えると、透明な溶液が生じた。これを室温で1時間撹拌した後、溶媒を減圧下に除去した。残留物をアセトニトリル(5mL)中で室温にて16時間撹拌した後、溶媒を除去して、メチル t−ブチルエーテル(10mL)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した後、標記化合物を濾過により集めた。標記化合物を固体として単離した。
H NMR(400MHz, DMSO, 90℃)δ 8.04(m, 1H), 7.94(m, 2H), 7.87(m, 1H), 7.73(m, 1H), 7.57−7.34(m, 7H), 6.84−6.68(m, 2H), 3.80−3.54(m, 6H), 3.30(m, 水との重複により確立され得なかった), 2.78−2.37(m, 陽子数は測定できなかった), 0.91(m, 6H)。
【0109】
製造10
結晶形態としてのN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 一安息香酸塩
製造9からの固形一安息香酸塩20mgをプロパン−2−オール1mlに溶解した。その結果得られた溶液をドラフト内で室温にて徐々に蒸発させておくと、オフホワイト色の固体が残った。
【0110】
製造11
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 一フマル酸塩
メタノール(2mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.84g)の溶液に、フマル酸(168.31mg)を加えると、不透明な混合物が生じた。その混合物を外部温度60℃で温めた後、室温まで冷却して、16時間撹拌した。蒸発乾固させた後、標記化合物を泡状物質として得た。
H NMR(400MHz, DMSO, 90℃)δ 8.05(m, 1H), 7.87(m, 1H), 7.74(m, 1H), 7.49(m, 2H), 7.38(m, 2H), 6.80(m, 1H), 6.70(m, 1H), 6.58(s, 2H), 3.78−3.53(m, 6H), 3.36−3.19(m, 陽子数は測定できなかった), 2.82−2.40(m, 陽子数は測定できなかった), 0.96−0.86(m, 6H)。
【0111】
製造12
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド 一ベシル酸塩
メタノール(5.8mL)中のN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド(0.58g)の溶液に、ベンゼンスルホン酸(158.51mg)を加えると、透明な溶液が生じた。その混合物を室温で1時間撹拌した。蒸発乾固させた後、標記化合物を固体として得た。
H NMR(400MHz, DMSO, 90℃)δ 8.05(d, 1H), 7.88(d, 1H), 7.75(m, 1H), 7.64(m, 2H), 7.50(m, 2H), 7.40(m, 2H), 7.28(m, 3H), 6.83(m, 1H), 6.73(m, 1H), 3.77−3.35(m, 陽子数は測定できなかった), 3.28(t, 2H), 3.01−2.47(m, 陽子数は測定できなかった), 1.05(br, 6H)。
【0112】
アドレナリン作動性β2媒介性cAMP産生
細胞調製
37℃、5% COでの225cmのフラスコインキュベーター中、H292細胞を、10%(v/v)FBS(ウシ胎仔血清)および2mM L−グルタミンを含むRPMI培地で培養した。
【0113】
実験方法
アキュターゼ(Accutase)(商標)細胞分離溶液での15分間の処理により、接着H292細胞を組織培養フラスコから取り除いた。37℃、5% COでの加湿インキュベーター中、フラスコを15分間インキュベートした。分離した細胞をRPMI培地(10%(v/v)FBSおよび2mM L−グルタミンを含む)に0.05×10細胞/mLの割合で再懸濁させた。100μL中の5000個の細胞を、組織培養処置した96ウェルプレートの各々のウェルに加えて、37℃、5% COでの加湿インキュベーター中、その細胞を一晩インキュベートした。培地を取り除いて、細胞をアッセイ緩衝液100μLで2回洗浄して、アッセイ緩衝液(10mM HEPES pH7.4および5mM グルコースを含むHBSS溶液)50μLで置き換えた。細胞を室温で20分間静止させた後、ロリプラム(2.4%(v/v)ジメチルスルホキシドを含むアッセイ緩衝液で作られた1.2mM)25μLを加えた。細胞をロリプラムと共に10分間インキュベートした後、化合物Aを加えて、細胞を室温で60分間インキュベートした。アッセイにおける最終ロリプラム濃度は300μMであって、最終ビヒクル濃度は1.6%(v/v)ジメチルスルホキシドであった。上清を除去し、アッセイ緩衝液100μLで一度洗浄して、溶解緩衝液50μLで置き換えることにより、その反応を停止させた。細胞単層を−80℃で30分間(または一晩)凍結させた。
【0114】
アルファスクリーン(AlphaScreen)(商標)のcAMP検出
アルファスクリーン(商標)法を使用して、細胞溶解物におけるcAMP(環状アデノシン一リン酸)濃度を測定した。凍結させた細胞プレートをプレートシェーカーで20分間解凍した後、細胞溶解物10μLを96ウェルの白色プレートに移した。ビオチン化cAMPと共に予めインキュベートしておいた混合アルファスクリーン(商標)検出ビーズ40μLを各々のウェルに加えて、そのプレートを暗所において室温で10時間インキュベートした。エン・ビジョン(En Vision) 分光光度計(パーキンエルマー社(Perkin-Elmer Inc.))を製造業者の推奨設定で使用して、アルファスクリーン(商標)シグナルを測定した。標準cAMP濃度を使用しての同様の実験で測定した検量線を参照することにより、cAMP濃度を測定した。化合物Aに関する濃度反応曲線を作成して、データを4つのパラメーターのロジスティック方程式に当てはめて、pEC50および固有活性の両方を測定した。固有活性は、各々の実験でホルモテロールに関して測定された最大活性と比較した割合として表した。化合物Aに関する結果は表1である。
【0115】
選択性アッセイ
アドレナリン作動性α1D
膜調製
膜を、組み換えヒトα1受容体を発現するヒト肺腎臓293(HEK293)細胞から調製した。これらをアッセイ緩衝液(50mM HEPES、1mM EDTA、0.1% ゼラチン、pH7.4)で希釈して、最大特異的結合と最小特異的結合との間に明瞭なウィンドウを呈する最終膜濃度を与えた。
【0116】
実験方法
アッセイをU底の96ウェルのポリプロピレンプレートで行った。各々の試験ウェルに、[H]−プラゾシン10μL(最終濃度0.3nM)および化合物A10μL(10倍の最終濃度)を加えた。各々のアッセイプレートに関して、8つの複製をビヒクル10μL(アッセイ緩衝液中の10%(v/v)DMSO;最大結合を定義する)またはBMY7378 10μL(最終濃度10μM;非特異的結合(NSB)を定義する)の存在下における[H]−プラゾシン結合について得た。次いで、膜を加えて、最終容量100μLとした。そのプレートを室温で2時間インキュベートした後、96ウェルプレートのトムテック(Tomtec)細胞ハーベスターを使用して、アッセイ緩衝液に予め1時間浸しておいたPEI被覆GF/B フィルタープレートへと濾過した。洗浄緩衝液(50mM HEPES、1mM EDTA、pH7.4)250μLでの5回の洗浄を4℃で行って、非結合放射能を取り除いた。そのプレートを乾燥させた後、パッカード(Packard)のプレートシーラーを使用して、下部からシールして、マイクロ・シンチ−O(MicroScint-O)(50μL)を各々のウェルに加えた。そのプレートをシールして(トップシール(TopSeal) A)、3分の計数プロトコルを使用して、フィルターに結合した放射能をシンチレーションカウンター(トップカウント(TopCount)、パッカード・バイオサイエンス(Packard BioScience))で測定した。
【0117】
平均NSBを平均最大結合から差し引くことにより、全特異的結合(B)を測定した。NSB値もまた、他の全てのウェルから得られた値から差し引いた。これらのデータをBのパーセントとして表した。典型的には、0.1nM〜10μMの範囲での連続希釈を使用して、化合物の濃度−効果曲線([H]−プラゾシン結合の阻害)を測定した。データを4つのパラメーターのロジスティック方程式に当てはめて、化合物の効力を測定し、これをpIC50([H]−プラゾシン結合の50%阻害をもたらす負の対数モル濃度)として表した。結果を以下の表1に示す。
【0118】
アドレナリン作動性β1
膜調製
組み換えヒトアドレナリン作動性β1受容体を含む膜をユーロスクリーン(Euroscreen)から得た。これらをアッセイ緩衝液(50mM HEPES、1mM EDTA、120mM NaCl、0.1% ゼラチン、pH7.4)で希釈して、最大特異的結合と最小特異的結合との間に明瞭なウィンドウを呈する最終膜濃度を与えた。
【0119】
実験方法
アッセイをU底の96ウェルのポリプロピレンプレートで行った。各々の試験ウェルに、[125I]−ヨードシアノピンドロール10μL(最終濃度0.036nM)および化合物A10μL(10倍の最終濃度)を加えた。各々のアッセイプレートに関して、8つの複製をビヒクル10μL(アッセイ緩衝液中の10%(v/v)DMSO;最大結合を定義する)またはプロプラノロール10μL(最終濃度10μM;非特異的結合(NSB)を定義する)の存在下における[125I]−ヨードシアノピンドロール結合について得た。次いで、膜を加えて、最終容量100μLとした。そのプレートを室温で2時間インキュベートした後、96ウェルプレートのトムテック細胞ハーベスターを使用して、アッセイ緩衝液に予め1時間浸しておいたPEI被覆GF/B フィルタープレートへと濾過した。洗浄緩衝液(50mM HEPES、1mM EDTA、120mM NaCl、pH7.4)250μLでの5回の洗浄を4℃で行って、非結合放射能を取り除いた。そのプレートを乾燥させた後、パッカードのプレートシーラーを使用して、下部からシールして、マイクロ・シンチ−O(50μL)を各々のウェルに加えた。そのプレートをシールして(トップシール A)、3分の計数プロトコルを使用して、フィルターに結合した放射能をシンチレーションカウンター(トップカウント、パッカード・バイオサイエンス)で測定した。
【0120】
平均NSBを平均最大結合から差し引くことにより、全特異的結合(B)を測定した。NSB値もまた、他の全てのウェルから得られた値から差し引いた。これらのデータをBのパーセントとして表した。典型的には、0.1nM〜10μMの範囲での連続希釈を使用して、化合物の濃度−効果曲線([125I]−ヨードシアノピンドロール結合の阻害)を測定した。データを4つのパラメーターのロジスティック方程式に当てはめて、化合物の効力を測定し、これをpIC50([125I]−ヨードシアノピンドロール結合の50%阻害をもたらす負の対数モル濃度)として表した。結果を以下の表1に示す。
【0121】
ドーパミンD2
膜調製
組み換えヒトドーパミンサブタイプD2受容体を含む膜をパーキンエルマーから得た。これらをアッセイ緩衝液(50mM HEPES、1mM EDTA、120mM NaCl、0.1% ゼラチン、pH7.4)で希釈して、最大特異的結合と最小特異的結合との間に明瞭なウィンドウを呈する最終膜濃度を与えた。
【0122】
実験方法
アッセイをU底の96ウェルのポリプロピレンプレートで行った。各々の試験ウェルに、[H]−スピペロン30μL(最終濃度0.16nM)および化合物A30μL(10倍の最終濃度)を加えた。各々のアッセイプレートに関して、8つの複製をビヒクル30μL(アッセイ緩衝液中の10%(v/v)DMSO;最大結合を定義する)またはハロペリドール30μL(最終濃度10μM;非特異的結合(NSB)を定義する)の存在下における[H]−スピペロン結合について得た。次いで、膜を加えて、最終容量300μLとした。そのプレートを室温で2時間インキュベートした後、96ウェルプレートのトムテック細胞ハーベスターを使用して、アッセイ緩衝液に予め1時間浸しておいたPEI被覆GF/B フィルタープレートへと濾過した。洗浄緩衝液(50mM HEPES、1mM EDTA、120mM NaCl、pH7.4)250μLでの5回の洗浄を4℃で行って、非結合放射能を取り除いた。そのプレートを乾燥させた後、パッカードのプレートシーラーを使用して、下部からシールして、マイクロ・シンチ−O(50μL)を各々のウェルに加えた。そのプレートをシールして(トップシール A)、3分の計数プロトコルを使用して、フィルターに結合した放射能をシンチレーションカウンター(トップカウント、パッカード・バイオサイエンス)で測定した。
【0123】
平均NSBを平均最大結合から差し引くことにより、全特異的結合(B)を測定した。NSB値もまた、他の全てのウェルから得られた値から差し引いた。これらのデータをBのパーセントとして表した。典型的には、0.1nM〜10μMの範囲での連続希釈を使用して、化合物の濃度−効果曲線([H]−スピペロン結合の阻害)を測定した。データを4つのパラメーターのロジスティック方程式に当てはめて、化合物の効力を測定し、これをpIC50([H]−スピペロン結合の50%阻害をもたらす負の対数モル濃度)として表した。化合物Aに関する結果を表1に示す。
【0124】
【表1】

【0125】
ここで、本発明は、次の説明に役立つ実施例を参照することにより、さらに説明されるであろう。幾つかの実施例は、次の図面を引用する。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】LPS負荷(10μg/kg)後のCRL:CDラットにおけるLPS誘発性肺胞内好中球増加。LPS負荷の30分前に、ビヒクル、化合物A(0.2μg/kg)、ブデソニド(0.1μg/kg)、または化合物A(0.2μg/kg)およびブデソニド(0.1μg/kg)の組み合わせをラットに投与した。
【図2】LPS負荷(10μg/kg)後のCRL:CDラットにおけるLPS誘発性肺胞内好中球増加。LPS負荷の30分前に、ビヒクル、化合物A(0.1μg/kg)、化合物X(30μg/kg)、または化合物A(0.1μg/kg)および化合物X(30μg/kg)の組み合わせをラットに投与した。
【図3】LPS負荷(10μg/kg)後のCRL:CDラットにおけるLPS誘発性肺胞内好中球増加。LPS負荷の30分前に、ビヒクル、化合物A(0.1μg/kg)、化合物W(3ng/kg)、または化合物A(0.1μg/kg)および化合物W(3ng/kg)の組み合わせをラットに投与した。
【図4】モルモットにおけるヒスタミン誘発性気管支収縮。ヒスタミン負荷の2時間前に、ビヒクル、1μg/kgおよび27μg/kgの化合物A、1mg/kgのロフルミラスト、または1μg/kgの化合物Aおよび1mg/kgのロフルミラストの組み合わせのいずれかをモルモットに投与した。
【図5】モルモットにおけるメタコリン誘発性気管支収縮。メタコリン負荷の2時間前に、ビヒクル、1μg/kgおよび27μg/kgの化合物A、0.03μg/kgの臭化チオトロピウム、または1μg/kgの化合物Aおよび0.03μg/kgの臭化チオトロピウムの組み合わせのいずれかをモルモットに投与した。
【図6】インビトロでのモルモットの気管における、ロフルミラスト(1μM)、化合物A(3nM)、およびロフルミラスト(1μM)の存在下での化合物A(3nM)に関する作用発現時間。
【図7】化合物Aの濃度増加の存在下における、ロフルミラスト(30nM)によるPBMCでのLPS誘発性TNFα産生の最大阻害。
【実施例1】
【0127】
実施例1
CRL:CDラットにおけるリポ多糖(LPS)での気管内負荷後の肺胞内好中球遊走に対する化合物活性の評価
CRL:CDラットにおけるLPS負荷は、好中球の肺への流入を引き起こす。回復可能なガス麻酔(酸素中、5% イソフルラン)の下、気管内用量10μg/kgのLPSでの負荷の30分前に、ビヒクル(0.05M リン酸塩、0.1% トゥイーン(Tween) 80、0.6% 生理食塩水、pH6)または化合物を気管内経路によってラットに投与した。
【0128】
LPS負荷の4時間後に、ラット(250−400g)をペントバルビタールナトリウム1mLで安楽死させた。気管切開を行って、カニューレを挿入した。次いで、アイソトン(Isoton)3mLを室温で使用して、気道を洗浄した。アイソトン(ベックマン・コールター(BeckmanCoulter)、ハイ・ウィコム、イギリス)を気道内に10秒間入れたままにしておいた後、取り除いた。炎症細胞を含む気管支肺胞上皮洗浄(BAL)液を15mLの遠心管に入れて、氷上で保持した。この工程を3回繰り返した。BAL液の一定分量を取り除いて、炎症細胞をシスメックス(Sysmex)(シスメックス・ユーケー(Sysmex UK)、ミルトン・ケインズ)で計数した。好中球が100万/動物単位で発現した(平均±標準誤差平均)。
【0129】
化合物Aおよびブデソニドの組み合わせ:
ビヒクル、化合物A(0.2μg/kg)、ブデソニド(0.1μg/kg)、または化合物A(0.2μg/kg)およびブデソニド(0.1μg/kg)の組み合わせをラットに投与した。化合物 ビヒクル/生理食塩水グループでの好中球レベルは、0.61±0.11 100万/動物(n=8)であり、そして化合物 ビヒクル/LPS負荷グループでは、14±1.6 100万/動物(n=20)であった。LPS負荷の30分前の化合物Aの0.2μg/kgでの気管内投与は、45%の好中球増加阻害(7.8±0.71 100万/動物、n=20)をもたらした。ブデソニド(0.1μg/kg)は、51%の阻害(7.1±0.77 100万/動物、n=19)をもたらし、そして化合物A(0.2μg/kg)およびブデソニド(0.1μg/kg)の組み合わせは、55%のLPS誘発性好中球増加阻害(6.6±0.63 100万/動物、n=19)をもたらした(図1)。
【0130】
化合物Aおよび化合物Xの組み合わせ:
ビヒクル、0.1μg/kgの化合物A、30μg/kgの化合物X、または化合物A(0.1μg/kg)および化合物X(30μg/kg)の組み合わせをラットに投与した。化合物 ビヒクル/生理食塩水グループでの好中球レベルは、0.35±0.08 100万/動物(n=4)であり、そして化合物 ビヒクル/LPS負荷グループでは、12±1.7 100万/動物(n=10)であった。LPS負荷の30分前の化合物Aの0.1μg/kgでの気管内投与は、26%の好中球増加阻害(9.1±1.1 100万/動物、n=10)をもたらした。化合物X(30μg/kg)は、30%の阻害(8.5±0.75 100万/動物、n=10)をもたらし、そして化合物A(0.1μg/kg)および化合物X(30μg/kg)の組み合わせは、36%のLPS誘発性好中球増加阻害(7.9±0.97 100万/動物、n=10)をもたらした(図2)。
【0131】
化合物Aおよび化合物Wの組み合わせ:
ビヒクル、0.1μg/kgの化合物A、3ng/kgの化合物W、または化合物A(0.1μg/kg)および化合物W(3ng/kg)の組み合わせをラットに投与した。化合物 ビヒクル/生理食塩水グループでの好中球レベルは、0.68±0.12 100万/動物(n=4)であり、そして化合物 ビヒクル/LPS負荷グループでは、11±1.8 100万/動物(n=10)であった。LPS負荷の30分前の化合物Aの0.1μg/kgでの気管内投与は、43%の好中球増加阻害(5.0±0.70 100万/動物、n=10)をもたらした。化合物W(3ng/kg)は、56%の阻害(6.3±1.1 100万/動物、n=10)をもたらし、そして化合物A(0.1μg/kg)および化合物W(3ng/kg)の組み合わせは、70%のLPS誘発性好中球増加阻害(3.6±0.55 100万/動物、n=10)をもたらした(図3)。
【実施例2】
【0132】
実施例2
モルモットにおけるリポ多糖(LPS)でのエアロゾル負荷後の肺胞内好中球遊走に対する化合物活性の評価
雄のダンキン−ハートレイ種(Dunkin-Hartley)モルモット(300−600g)を、円筒形エアロゾルチャンバーの周囲にランダムに取り付けられたモルモット保持コーンに面する開口部に入れる。モルモットを負荷コーン内に拘束して、1グループにつき、0.9% 生理食塩水中、0.1−30μg/mlの濃度で、ビヒクルまたはLPSのエアロゾルに暴露する。1カラムにつき2つのジェットネブライザーを12L/mの流量で使用して、エアロゾルを発生させる。負荷薬剤10mlを各々のネブライザーに入れる。あるいはまた、動物に0.1−10μg/kgの気管内用量を投与する。実験プロトコルに従って、これを8回まで繰り返す。
【0133】
実験プロトコルによる負荷の前および後の様々な時点で、適当な経路および頻度により、ビヒクル、標準化合物または試験化合物をモルモットに投与する。試験化合物グループは、異なる用量での同一化合物もしくは異なる化合物の単回用量またはその2つの組み合わせのいずれかであり得る。試験化合物を、腹腔内、静脈内もしくは皮下注射により、または吸入もしくは気管内投与により与える。負荷したモルモットを負荷後4時間−24時間で過量麻酔(0.5ml ユーサタール(Euthetal) 腹腔内)により屠殺する。次いで、肺を洗浄する。気管を暴露し、そしてルアーフィッティングカニューレ(橙色=サイズ 8FG)を使用してカニューレを挿入した後、肺をハンクス緩衝塩溶液(HBSS、EDTA不含有)の一定分量3×5mlで洗浄する。胸部を優しくマッサージしながら洗浄を行って、肺における液体の適当な撹拌を確実なものとする。洗浄液を15mlの円錐形ポリプロピレン遠心管へと回収し、BAL液の一定分量を取り除いて、シスメックス(シスメックス・ユーケー、ミルトン・ケインズ)で計数する。BAL液の一定分量100μlを、700rpmで5分間操作するシャンドン(Shandon)のサイトスピン(Cytospin) 3におけるサイトスピン漏斗へと加えることにより、サイトスピンスライドを作成する。ライト−ギムザ(Wright-Giemsa)染色を使用して、スライドをヘマ−テック(Hema-Tek)−2000 自動スライド染色装置で染色して、典型的には、200個の細胞を顕微鏡下で計数する。細胞を、好酸球、好中球および単核細胞(単球、マクロファージおよびリンパ球が含まれる単核細胞)に分類して、総数のパーセンテージとして表す。
【実施例3】
【0134】
実施例3
マウスにおけるリポ多糖(LPS)でのエアロゾル負荷後の肺胞内好中球遊走に対する化合物活性の評価
雄のC57BL/6/JまたはBALB/C マウス(20−35g)を20匹までのグループ単位でパースペクス(Perspex)の暴露ボックスに入れて、0.3mg/ml LPSまたは0.9% w/v 生理食塩水のいずれかのエアロゾルに暴露する。LPS(シグマ(Sigma)、大腸菌(E.Coli)、参照(Ref) L−3755、血清型 026:B6、ロット番号 111k4078)を0.9% w/v 生理食塩水中で作成する。12L/分(各々のネブライザーに関して6L/分)の流量で操作する2つのジェットネブライザーを15分間使用して、エアロゾルを発生させる。あるいはまた、動物に0.1−10μg/kgの気管内用量を投与する。これを8回まで繰り返すのがよい。
【0135】
実験プロトコルによる負荷の前および後の様々な時点で、適当な経路および頻度により、ビヒクル、標準化合物または試験化合物をマウスに投与する。試験化合物グループは、異なる用量での同一化合物もしくは異なる化合物の単回用量またはその2つの組み合わせのいずれかであり得る。試験化合物を、腹腔内、静脈内もしくは皮下注射により、または吸入もしくは気管内投与により与える。
【0136】
マウスをLPS負荷後1−24時間にて過量のユーサタール(Euthatal)(腹腔内、30分)で屠殺する。循環が停止してしまった場合、気道にカニューレ(ポルテクス(Portex) 静脈内カニューレ)を挿入して、気道をアイソトン II(ベックマン・コールター 参照(Ref) 8448011 ロット番号 25775)3×0.3mlで洗浄する。サイトスピンに関しては、サーモシャンドン(ThermoShandon)のサイトスピン 3または4型を700rpmで5分間使用して、BALF100μlをサイトスピン漏斗およびスパンに加える。ライト−ギムザ染色を使用して、スライド上の細胞をヘマ−テック−2000 自動スライド染色装置で染色して、差次的細胞計数を行って、好酸球、好中球およびリンパ単核細胞(単球、マクロファージおよびリンパ球が含まれる)を区別する。典型的には、1スライドにつき200個の細胞を計数して、各々の細胞型を総数のパーセンテージとして表す。シスメックス(シスメックス・ユーケー、ミルトン・ケインズ)を使用して、BALFの総白血球数を測定する。
【実施例4】
【0137】
実施例4
麻酔したモルモットにおける肺機能の評価
雄のダンキン−ハートレイ種モルモット(300−600g)の体重を測定して、回復可能なガス麻酔(酸素中、5% ハロタン)の下、ビヒクル(0.05M リン酸塩、0.1% トゥイーン 80、0.6% 生理食塩水、pH6)または化合物を気管内経路によって投与した。ヒスタミンまたはメタコリン投与の2時間前に、化合物またはビヒクルを動物に投与した。
【0138】
最初の気管支収縮剤投与の約30分前に、モルモットをペントバルビタール(60mg/mLの溶液の1mL/kg 腹腔内)で麻酔した。気管にカニューレを挿入して、一定容積の呼吸ポンプ(ハーバード(Harvard)のげっ歯類用人工呼吸器(Rodent Ventilator) 683型)を60呼吸/分の割合および5ml/kgの一回換気量で使用して、動物に人工呼吸した。ヒスタミン、メタコリンまたは維持麻酔薬(ペントバルビタール溶液0.1mL、60mg/mL、必要に応じて)の投与のために、頸静脈にカニューレを挿入した。
【0139】
気道抵抗を測定するために、動物をフレキシベント・システム(Flexivent System)(SCIREQ、モントリオール、カナダ)に移した。動物に5mL/kgの一回換気量にて60呼吸/分で人工呼吸した(擬正弦曲線の人工呼吸パターン)。2−3cmHOの呼気終末陽圧を適用した。フレキシベントの“スナップショット”設備(1秒間、1Hz 周波数)を使用して、気道抵抗を測定した。安定した基準抵抗値が得られたら、動物にヒスタミンまたはメタコリンを頸静脈カテーテルによって約4分間隔にて漸増用量(0.5、1、2、3および5μg/kg、静脈内)で投与した。各々に気管支収縮剤を投与した後、ピーク抵抗値を記録した。肺機能測定が終了した後、モルモットをペントバルビタールナトリウム(ユーサタール)約1.0mLの静脈内投与で安楽死させた。化合物によりもたらされた気管支保護のパーセンテージを気管支収縮剤の各々の用量で次のように計算した。
【数1】

ここで、Rveh変化 %は、ビヒクル処置グループにおける気道抵抗での変化の最大パーセンテージの平均である。報告した結果は、5μg/kgのヒスタミンまたはメタコリン後に測定したものであって、気管支保護のパーセンテージ(平均±標準誤差平均)として表した。
【0140】
化合物Aおよびロフルミラストの組み合わせ:
ビヒクル、1および27μg/kgの化合物A、1mg/kgのロフルミラスト、または1μg/kgの化合物Aおよび1mg/kgのロフルミラストの組み合わせを気管内経路によってモルモットに投与した。ヒスタミンの漸増静脈内用量(0.5、1、2、3および5μg/kg)の投与は、ビヒクル投与の2時間後に、0.5μg/kgで140±36%〜5μg/kgで1100±161%の範囲にわたり、ビヒクル処置動物において用量関連の気管支収縮を引き起こした(n=9)。1mg/kgでのロフルミラストの気管内投与は、35%のヒスタミン誘発性気管支収縮阻害(695±177%の気管支収縮増加;n=8)をもたらした。化合物A(1および27μg/kg)の気管内投与は、49および87%のヒスタミン誘発性気管支収縮阻害(各々、544±60および140±36%の気管支収縮増加;各々、n=8および6)をもたらした。ロフルミラスト(1mg/kg)および化合物A(1μg/kg)の組み合わせは、55%のヒスタミン誘発性気管支収縮阻害(480±128%の気管支収縮増加;n=8)をもたらした(図4)。
【0141】
化合物Aおよび臭化チオトロピウムの組み合わせ:
ビヒクル、1および27μg/kgの化合物A、0.03μg/kgの臭化チオトロピウム、または1μg/kgの化合物Aおよび0.03μg/kgの臭化チオトロピウムの組み合わせを気管内経路によってモルモットに投与した。メタコリンの漸増静脈内用量(0.5、1、2、3および5μg/kg)の投与は、ビヒクル投与の2時間後に、0.5μg/kgで7.8±4.1%〜5μg/kgで1898±211%の範囲にわたり、ビヒクル処置動物において用量関連の気管支収縮を引き起こした(n=9)。0.03μg/kgでの臭化チオトロピウムの気管内投与は、13%のメタコリン誘発性気管支収縮阻害(1656±269%の抵抗増加;n=8)をもたらした。化合物A(1および27μg/kg)の気管内投与は、15および82%のメタコリン誘発性気管支収縮阻害(各々、1619±235および347±71%の抵抗増加;各々、n=8および6)をもたらした。臭化チオトロピウム(0.03μg/kg)および化合物A(1μg/kg)の組み合わせは、43%のメタコリン誘発性気管支収縮阻害(1087±123%の抵抗増加;n=8)をもたらした(図5)。
【実施例5】
【0142】
実施例5
オボアルブミン感作ブラウンノルウェー(Brown Norway)ラットにおける抗原誘発性好酸球増加に対する化合物の評価
研究0日目、ブラウンノルウェーラットに、生理食塩水0.4mL中の水酸化アルミニウム100mgに吸着させたオボアルブミン500μgの皮下注射を2つの異なる部位に1部位につき約0.2mL与える。感作後14日および15日目、そのラットに、エアロゾル化したオボアルブミンを15分間負荷する。そのラットを10匹のグループ単位でアクリルボックス(内寸法 幅320mm×深さ320mm×高さ195mm、容積20L)に入れる。0.9% 生理食塩水中の10mg/mLのオボアルブミン8mL、または0.9% 生理食塩水単独を2つのジェットネブライザー(サイドストリーム(Sidestream)(商標)、プロファイル・レスピレイトリー・システムズ社(Profile Respiratory Systems Ltd.))の各々に入れる。圧縮空気を各々のネブライザーに6L/分で通過させて、ネブライザーのアウトプットをラットを含むボックスへと通す。
【0143】
実験プロトコルによる負荷の前および後の様々な時点で、適当な経路によって、ビヒクル、標準化合物または試験化合物をラットに投与する。負荷後の様々な時点で、ラットをペントバルビタールナトリウム(ユーサタール)0.5mLの腹腔内投与で安楽死させる。気管切開を行って、気管にカニューレを挿入する。次いで、無菌PBS3mLを室温で使用して、気道を洗浄する。PBSを気道内に10秒間入れたままにしておいた後、取り除く。細胞を含むPBSを氷上の15mLの遠心管に入れる。この工程を3回繰り返す。回収した最終容量を記録する。BAL液の一定分量を取り除いて、シスメックス(シスメックス・ユーケー、ミルトン・ケインズ)を使用して計数する。
【0144】
BAL液の一定分量100μlを、700rpmで5分間操作するシャンドンのサイトスピン 3におけるサイトスピン漏斗へと加えることにより、サイトスピンスライドを作成する。ライト−ギムザ染色を使用して、スライドをヘマ−テック−2000 自動スライド染色装置で染色して、典型的には、200個の細胞を顕微鏡下で計数する。細胞を、好酸球、好中球および単核細胞に分類する。単核細胞には、単球、マクロファージおよびリンパ球が含まれる。
【実施例6】
【0145】
実施例6
オボアルブミン感作マウスにおける抗原誘発性好酸球増加に対する化合物の評価
20−25gの雄のBALB/cマウスを、生理食塩水0.3ml中の水酸化アルミニウムゲル混合物(フィッシャー・サイエンティフィック・ユーケー(Fisher Scientific UK))1mgに吸着させたグレードVのオボアルブミン(シグマ)100μgの腹腔内投与によりオボアルブミンに感作する。必要ならば、感作後最低2週間は、マスウグループに化合物を予め投与しておく。次いで、詳しく記した研究プロトコル通り、彼らに試験化合物またはビヒクル0.25mLを1−8日間毎日投与する。
【0146】
1−8日の各日、投与後1時間は、マウスをパースペクスのチャンバー(20×11×11cm、最高10匹のマウス/チャンバー)に入れて、20mg/ml オボアルブミンのエアロゾル負荷を36分間(18分間で8ml、続いて、18分間でもう8ml)投与する。デビルビス(DeVilbiss)のジェットネブライザーを6L/分の流量で使用して、エアロゾル送達を成し遂げる。最終用量の24時間後、マウスをユーサタール0.2mlの腹腔内投与で屠殺して、差次的細胞計数分析のために血液試料を(EDTA管に)採取し、1cmに切断した桃色のルアーマウント(pink luer mount)のポルテクスのカニューレを使用して、気管にカニューレを挿入して、アイソトン II 1mlの洗浄液を3回使用して、肺を洗浄する。サイトスピンに関しては、サーモシャンドンのサイトスピン 3または4型を700rpmで5分間使用して、BALF100μlをサイトスピン漏斗およびスパンに加える。ライト−ギムザ染色を使用して、スライド上の細胞をヘマ−テック−2000 自動スライド染色装置で染色して、差次的細胞計数を行って、好酸球、好中球およびリンパ単核細胞(単球、マクロファージおよびリンパ球が含まれる)を区別する。典型的には、1スライドにつき200個の細胞を計数して、各々の細胞型を総数のパーセンテージとして表す。シスメックス(シスメックス・ユーケー、ミルトン・ケインズ)を使用して、BALFの総白血球数を測定する。
【実施例7】
【0147】
実施例7
マウスにおける急性煙暴露後の肺機能およびBAL−好中球増加に対する化合物の効果についての評価
BALB/cまたはC57BL6/Jマウスは、主流煙(50分/タバコ12本)および新鮮な空気への全身暴露を1−9日間に1日1回または2回受ける。実験プロトコルによる負荷の前および後の様々な時点で、適当な経路によって、ビヒクル、標準化合物または試験化合物をマウスに投与する。実験の最終日に、マウスをユーサタール0.2mlの腹腔内投与で屠殺して、(先に記載したように)白血球細胞浸潤の分析のために気管支肺胞洗浄液を得るか、またはフレキシベント・システム(SCIREQ、モントリオール、カナダ)を使用して、肺機能を評価するかのいずれかである。あるいはまた、強制操作システム(forced manoeuvres system)(EMMS)を使用して、肺機能を測定する。
【0148】
マウスをペントバルビタール(1mL/kgの投与量での1/10 希釈 腹腔内投与)で麻酔する。気管にカニューレを挿入して、動物をフレキシベント・システムに移し、ここでは、気道抵抗を測定するために、彼らに150呼吸/分の割合および10ml/kgの一回換気量で人工呼吸する(擬−正弦曲線の人工呼吸パターン)。フレキシベントの“スナップショット”設備(1秒間、1Hz 周波数)を使用して、気道抵抗を測定する。肺機能測定が終了した後、マウスをペントバルビタールナトリウム(ユーサタール)約0.5mLの静脈内投与で安楽死させる。
【実施例8】
【0149】
実施例8
モルモットから単離した気管輪標本における気管支拡張活性の評価:作用発現測定
モルモット(300−500g)を頸椎脱臼により屠殺して、気管を単離した。その気管を幅が2−3体節の軟骨輪に切断して、37℃にて5% CO、95% Oで満たした、修正クレブス液(mM;NaCl 90;NaHCO 45;KCl 5;MgSO・7HO 0.5;NaHPO・2HO 1;CaCl 2.25;グルコース 10;pH 7.4)が入った10mlの器官浴に懸垂させた。等尺性張力の測定のために、気管輪を等尺性張力トランスデューサーに貼付した。組織を洗浄して、各々の組織に1gの張力をかけた。その環をメタコリン(1μM)で収縮させた。収縮がプラトーに達したら、ビヒクル(蒸留したHO中の0.01% DMSO)、化合物A(3nM)、ロフルミラスト(1μM)、または化合物A(3nM)およびロフルミラスト(1μM)の組み合わせを加えて、反応がプラトーに達するまで、その組織を放置した。チャート4 ソフトウェア(エー・ディー・インスツルメンツ(ADInstruments)、シャルルグローブ(Charlgrove)、イギリス)を使用して、データを集めた。気管支拡張剤の最大効果の90%に達するまでの時間(作用発現時間)を測定して、分単位(平均±標準誤差平均)で表した。
【0150】
3nMでの化合物Aに関する作用発現時間は16±3.0分であった。ロフルミラスト(1μM)の存在下、化合物A(3nM)に関する作用発現時間は5.7±1.0分であって、ロフルミラストに関する作用発現時間は26±1.4分であった(n=4;図6)。
【実施例9】
【0151】
実施例9
ヒト末梢血単核細胞におけるリポ多糖(LPS)誘発性TNFα産生の阻害
ヒト単離末梢血単核細胞(PBMC)を、ロフルミラスト(30nM)単独と共に、また化合物A(3pM−300nM)の存在下に、37℃で20時間予めインキュベートしておくことにより、LPS刺激TNFα産生の化合物誘発性阻害を測定した。次いで、その細胞をLPS(1μg/mL)と共に37℃で4時間インキュベートして、TNFα産生を誘発した。インキュベーション期間の終わりに、プレートを遠心分離して(300g、10分)、培養上清100μLを分析して、蛍光関連免疫吸着アッセイ(Flourescence-linked immunosorbance assay)(FLISA)のアッセイキット(アール・アンド・ディー・システムズ(R&D Systems))を使用して、放出されたTNFαを定量化した。蛍光レベルをFMATプレートリーダーで読み取った。非線形曲線当てはめルーチンにおいて4つのパラメーターのロジスティック方程式を使用して、阻害曲線を当てはめて、活性をpIC50(平均±標準誤差平均)として表した。
【0152】
ロフルミラスト(30nM)は、70±4.1%のLPS誘発性TNFα産生阻害をもたらした。3、30および300nMの化合物Aの存在下、TNFα産生の最大阻害は、各々、82±2.3%、92±0.40%および92±2.1%(n=3)であった(図7)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその塩である第一活性成分、および
非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR受容体)アゴニスト;
抗酸化剤;
CCR1アンタゴニスト;
ケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない);
コルチコステロイド;
CRTh2アンタゴニスト;
DP1アンタゴニスト;
ヒストン脱アセチル化酵素誘導剤;
IKK2阻害剤;
COX阻害剤;
リポキシゲナーゼ阻害剤;
ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;
MPO阻害剤;
臭化アクリジニウム、グリコピロレート、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドもしくは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミドであるムスカリンアンタゴニスト;
p38阻害剤;
PDE阻害剤;
PPARγアゴニスト;
プロテアーゼ阻害剤;
スタチン;
トロンボキサンアンタゴニスト;
血管拡張剤;または
ENAC遮断薬(上皮性ナトリウムチャネル遮断薬);
から選択される第二活性成分を組み合わせて含んでなる医薬品。
【請求項2】
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその塩である第一活性成分の製剤;
非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR受容体)アゴニスト;抗酸化剤;CCR1アンタゴニスト;ケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない);コルチコステロイド;CRTh2アンタゴニスト;DP1アンタゴニスト;ヒストン脱アセチル化酵素誘導剤;IKK2阻害剤;COX阻害剤;リポキシゲナーゼ阻害剤;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;MPO阻害剤;臭化アクリジニウム、グリコピロレート、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドもしくは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミドであるムスカリンアンタゴニスト;p38阻害剤;PDE阻害剤;PPARγアゴニスト;プロテアーゼ阻害剤;スタチン;トロンボキサンアンタゴニスト;血管拡張剤;またはENAC遮断薬(上皮性ナトリウムチャネル遮断薬);から選択される第二活性成分の製剤;また場合により、
それを必要とする患者への該製剤の同時、連続または個別投与に関する指示書;
を含んでなるキット。
【請求項3】
N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその塩である第一活性成分;
非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR受容体)アゴニスト;抗酸化剤;CCR1アンタゴニスト;ケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない);コルチコステロイド;CRTh2アンタゴニスト;DP1アンタゴニスト;ヒストン脱アセチル化酵素誘導剤;IKK2阻害剤;COX阻害剤;リポキシゲナーゼ阻害剤;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;MPO阻害剤;臭化アクリジニウム、グリコピロレート、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドもしくは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミドであるムスカリンアンタゴニスト;p38阻害剤;PDE阻害剤;PPARγアゴニスト;プロテアーゼ阻害剤;スタチン;トロンボキサンアンタゴニスト;血管拡張剤;またはENAC遮断薬(上皮性ナトリウムチャネル遮断薬);から選択される第二活性成分;および
薬学的に許容され得る補助剤、希釈剤または担体;
を混合状態で含んでなる医薬組成物。
【請求項4】
呼吸器疾患を処置する方法であって、それを必要とする患者に、
(a)N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその塩である第一活性成分の治療上有効な用量;
(b)非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR受容体)アゴニスト;抗酸化剤;CCR1アンタゴニスト;ケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない);コルチコステロイド;CRTh2アンタゴニスト;DP1アンタゴニスト;ヒストン脱アセチル化酵素誘導剤;IKK2阻害剤;COX阻害剤;リポキシゲナーゼ阻害剤;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;MPO阻害剤;臭化アクリジニウム、グリコピロレート、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドもしくは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミドであるムスカリンアンタゴニスト;p38阻害剤;PDE阻害剤;PPARγアゴニスト;プロテアーゼ阻害剤;スタチン;トロンボキサンアンタゴニスト;血管拡張剤;またはENAC遮断薬(上皮性ナトリウムチャネル遮断薬);から選択される第二活性成分の治療上有効な用量;
を同時に、連続してまたは個別に投与することを含んでなる方法。
【請求項5】
第二活性成分を、
非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR受容体)アゴニスト;
CCR1アンタゴニスト;
ケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない);
コルチコステロイド;
IKK2阻害剤;
臭化アクリジニウム、グリコピロレート、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドもしくは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミドであるムスカリンアンタゴニスト;
p38阻害剤;または
PDE阻害剤;
から選択する、請求項1、2、3または4に記載の医薬品、キットもしくは組成物または方法。
【請求項6】
第一活性成分が、塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、重硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、マロン酸塩、キシナホ酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、ニコチン酸塩、サッカリン酸塩、アジピン酸塩、ギ酸塩、グルコール酸塩、L−乳酸塩、D−乳酸塩、アスパラギン酸塩、リンゴ酸塩、L−酒石酸塩、D−酒石酸塩、ステアリン酸塩、2−フロ酸塩、3−フロ酸塩、ナパジシル酸塩(ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩またはナフタレン−1−(スルホン酸)−5−スルホン酸塩)、エジシル酸塩(エタン−1,2−ジスルホン酸塩またはエタン−1−(スルホン酸)−2−スルホン酸塩)、イセチオン酸塩(2−ビトロキシエチルスルホン酸塩)、2−メシチレンスルホン酸塩または2−ナフタレンスルホン酸塩といった塩の形態である、請求項1、2、3、4または5に記載の医薬品、キットもしくは組成物または方法。
【請求項7】
第一活性成分が二臭化水素酸塩といった塩の形態である、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬品、キットもしくは組成物または方法。
【請求項8】
第二活性成分が、臭化アクリジニウム、グリコピロレート、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チオトロピウム、3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド、3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミドまたは(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(actane)ブロミドといったムスカリンアンタゴニストである、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬品、キットもしくは組成物または方法。
【請求項9】
第二活性成分が臭化チオトロピウムである、請求項1〜8のいずれかに記載の医薬品、キットもしくは組成物または方法。
【請求項10】
第二活性成分がCCR1アンタゴニストである、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬品、キットもしくは組成物または方法。
【請求項11】
第二活性成分がコルチコステロイドである、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬品、キットもしくは組成物または方法。
【請求項12】
第二活性成分がPDE4阻害剤である、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬品、キットもしくは組成物または方法。
【請求項13】
治療における、請求項1〜3または5〜12に記載の医薬品、キットまたは組成物の使用。
【請求項14】
呼吸器疾患の処置のための薬物の製造における、請求項1〜3または5〜12に記載の医薬品、キットまたは組成物の使用。
【請求項15】
呼吸器疾患の処置のための、請求項1〜3または5〜12に記載の医薬品、キットまたは組成物の使用。
【請求項16】
呼吸器疾患が、慢性閉塞性肺疾患、喘息、鼻炎、肺気腫または気管支炎である、請求項14または15に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−518056(P2010−518056A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548730(P2009−548730)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000386
【国際公開番号】WO2008/096111
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】