説明

ω−3脂肪酸富化飲料

本発明は、一定量のω−3脂肪酸(n−3 PUFA)がある飲料組成物と、飲料組成物を製造する方法とに関する。具体的には、飲料組成物は、一定量のn−3 PUFAによって改善された栄養価を与える一定量のステアリドン酸(SDA)富化ダイズ油を含んでなるが、典型的な飲料組成物と関連付けられている口当たり、風味、臭い、およびその他の官能的特性を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、一定量の多価不飽和脂肪酸を有する飲料組成物、およびこのような組成物を製造する方法に関する。さらに具体的には、本発明は、一定量のステアリドン酸(SDA)富化ダイズ油を含んでなる飲料組成物と、この組成物を製造する方法とに関する。本飲料組成物は、一定量のω−3多価不飽和脂肪酸(n−3 PUFA)を有する飲料を製造するためのSDA富化ダイズ油の使用を通じて、栄養価が改善される。
【背景技術】
【0002】
最近の食事療法研究は、身体機能および健康改善にとって、特定タイプの脂肪が有益であることを提案した。食餌性脂肪の使用は、多様な治療的および予防的な健康上の利点と関連付けられている。最近の研究は、n−3 PUFA、特にエイコサペンタエン酸(EPA;20:5、n−3)およびドコサヘキサエン酸(DHA;22:6、n−3)などのω−3長鎖多価不飽和脂肪酸(n−3 LCPUFA)に富んだ食物の消費が、血漿トリグリセリドと血圧の低下、および血小板凝集と炎症の減少など、いくつかのマーカーにプラス効果を及ぼすことによって、心血管系死亡を低下させることを実証している。典型的に、n−3 LCPUFAをはじめとするn−3 PUFAは、植物または海産原料に由来する。脂肪性の魚に見られる海産油は、EPAやDHAなどのn−3 PUFAの重要な食事由来供給源である。脂肪性の魚はこれらのω−3脂肪酸の最良の起源でありうる一方、多くの人は、このような魚介類の味を好まず、このような魚介類を容易に入手できず、またはこのような魚介類を買う余裕がない。一解決法は、食餌をタラ肝油または魚油カプセルで栄養補給することであるが、多くの人々は大きなカプセル(それぞれ約1g)を摂取するのは困難と感じるので、この解決法の服薬遵守は限定的である。別の解決法は、n−3 PUFAに富む魚油を直接、食物および飲料に添加することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
後者のアプローチの難題は、脂質酸化の結果として生じる不快な魚の風味または魚の臭気を与えることなく、n−3 PUFAの利点を提供することである。目下、どちらもα−リノレン酸(ALA;18:3 n−3)を提供する全脂肪粉末としてまたは油として使用される亜麻に由来する、そして魚油などの海産原料に由来する、またはこの場合は典型的にDHAである、発酵によって生成される陸生藻類に由来する、一定量のn−3 PUFAを含む飲料が市場に見られる。これらの成分は顕著な量のn−3 PUFAをもたらすが、これらのn−3 PUFA源は不快な異臭(亜麻仁油)を生じ、または典型的に不安定であり、特に迅速な酸化を被りやすい。したがってこれらの起源からのn−3 PUFAを含有する現行の製品では含有レベルは非常に低く、より高い食餌性使用レベルで見られる所望の健康への影響を有するには、一般に不十分である。飲料組成物が耐えなくてはならない一般に高い温度とその他の極端な加工条件のため、海産または藻類由来源に見られる不安定なn−3 PUFAは、飲料組成物を開発/加工/保存する際に、高度に望ましくない魚または塗料様の異臭および臭気を生じる。したがって生理学的に著な量のn−3 PUFAを含み、飲料組成物に含めた際に、最終飲料製品中で魚臭または許容できない風味または臭気を生じない方法と、結果として得られる飲料組成物とに対する必要性がある。
【0004】
さらにn−3 PUFAを含有する、特定の植物由来食品または栄養補給剤を摂取することが可能である。これらの植物由来n−3 PUFAは、α−リノレン酸(ALA;18:3、n−3)からなることが多い。ALAは酸化を被りやすく、それは塗料臭の悪臭をもたらす。さらにALAのn−3 LCPUFA(具体的にはEPA)への生物変換は、比較的非効率的である。したがってn−3 LCPUFAへの素早い転換、ならびに食物中での良好な酸化安定性の利点を提供するn−3 PUFAの形態に対する必要性がある。さらにn−3 LCPUFAに容易に代謝される一定量の安定したn−3 PUFAを含める方法と、得られる飲料に対する必要性がある。前述したように、植物由来のn−3 PUFA(ALA)もまた酸化を被りやすく、極端な加工段階および加工環境に曝された場合、不快な塗料臭と味覚を与え得る。したがって一定量のn−3 PUFAを含み、安定しており、加工段階中、輸送中、および/または消費前の保存中のn−3−PUFAの酸化に起因する、魚臭または塗料臭または味覚を与えない方法と、スムージー、乳飲料、ジュースおよびその他の飲料などの得られる飲料組成物に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一定量のステアリドン酸(SDA)富化ダイズ油を含む飲料組成物である。SDA富化ダイズ油は、飲料に組み込まれると、その他のn−3 PUFA源と比較して、クリーンな風味、より長い貯蔵寿命安定性、最小の酸化、極端な加工条件に曝された際の安定性、および改善された栄養価を提供する、n−3 PUFAを含有する。さらにSDA富化ダイズ油を添加した飲料組成物は、ダイズ油などの従来の油からできた製品と比較して、同様の味覚、口当たり、臭気、および風味、および官能的特性を有するが、栄養価が増大している。
【0006】
さらに飲料製品は、レシチンなどの一定量の安定剤を含んでもよい。飲料中に組み込むために、その他のリン脂質または抗酸化剤などのその他の安定剤をSDA富化ダイズ油と組み合わせ得る。安定剤の組み込みは、ダイズ油などの従来の油からできた製品と比較して、同様の味覚、口当たり、臭気、風味、および官能特性を有するが、栄養価は増大し、保存および貯蔵性はさらに改善されている飲料組成物を生じる。
【0007】
さらに飲料組成物は、ダイズタンパク質、エンドウ豆タンパク質、乳タンパク質、米タンパク質、コラーゲン、およびそれらの組み合わせなどの一定量のタンパク質を含んでもよい。タンパク質を含有する飲料組成物は、安定剤を含んでもよい。
【0008】
本発明はまた、SDA富化ダイズ油と安定剤を使用して、典型的な飲料組成物と比較して改善された栄養価を有するが、同様の味覚、口当たり、臭気、風味、および官能特性を有する飲料組成物を製造する方法も対象とする。
【0009】
本発明は、消費者にとって特定の栄養的で有益な性質を有し、保存および貯蔵性が改善された飲料組成物のための、加工、組成物、最終製品、およびSDA富化ダイズ油を使用する方法を実証する。しかし飲料組成物はまた、消費者によって所望される典型的な飲料組成物中に形成されるのと同様の味覚、口当たり、臭い、および風味も有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】0時における、ダイズ油およびSDA油ベースのイチゴ乳飲料組成物の風味、テクスチャ、および後味の差の感覚性プロファイリングを図示する。黒の破線は、識別閾レベルを示す。
【図2】25℃で6ヶ月保存時における、ダイズ油およびSDA油ベースのイチゴ乳飲料組成物の風味、テクスチャ、および後味の差の感覚性プロファイリングを図示する。黒の破線は、識別閾レベルを示す。
【図3】37℃で6ヶ月保存時における、ダイズ油およびSDA油ベースのイチゴ乳飲料組成物の風味、テクスチャ、および後味の差の感覚性プロファイリングを図示する。黒の破線は、識別閾レベルを示す。
【図4】25℃で4ヶ月保存時における、ダイズ油およびSDA油を用いて調製されたイチゴ乳飲料組成物の消費者受容評価を要約する。
【図5】25℃で6ヶ月保存時における、ダイズ油およびSDA油を用いて調製されたイチゴ乳飲料組成物の消費者受容評価を要約する。
【図6】ダイズ油およびSDA油ベースのプレーン豆乳のSQSスコアを図示する。
【図7】ダイズ油およびSDA油添加ミックスベリースムージーのSQSスコアを図示する。
【図8】0時における、ダイズ油およびSDA油ベースの臨床栄養飲料の風味およびテクスチャの差の感覚性プロファイリングを図示する。黒の破線は、識別閾レベルを示す。
【図9】4ヶ月時における、ダイズ油およびSDA油ベースの臨床栄養飲料の風味およびテクスチャの差の感覚性プロファイリングを図示する。黒の破線は、識別閾レベルを示す。
【図10】ダイズ油およびSDA油を用いて調製された臨床栄養飲料の消費者受容評価を要約する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、健康を改善するために消費者によって消費される、栄養価が増大している飲料組成物を製造する方法に関する。さらに本発明は、一定量のn−3 PUFAを含むが、消費者が所望する飲料組成物に典型的な口当たり、風味、臭い、およびその他の官能的特性を保持する、栄養価が増大している飲料組成物に関する。
【0012】
飲料組成物中でのPUFA、特にn−3 PUFAの使用は、典型的にそれらの酸化安定性の欠如によって制限される。特定の飲料製品が被らなくてはならない加工条件は、n−3 PUFAを容易に酸化させて飲料中に異臭を生じさせる。混合、加工、および包装段階において、そして保存、輸送、および貯蔵寿命中に酸化安定性のn−3 PUFAの一種を使用することで、典型的な飲料組成物が持つ口当たり、風味、臭い、およびその他の特徴を保持するだけでなく、栄養価が増大している飲料組成物が製造される。
【0013】
(I)組成物
本発明の一態様は、一定量のn−3 PUFAを含んでなる飲料組成物である。n−3 PUFAは、SDA富化ダイズ油の使用を通じて飲料組成物に組み込まれる。一実施態様では、SDA富化ダイズ油は、国際公開第2008/085840号パンフレットおよび国際公開第2008/085841号パンフレットに記載されるものなどの高レベルのステアリドン酸(SDA)を生成するように改変されたダイズから得られる。ダイズは、米国特許出願公開第2006/0111578号明細書および米国特許出願公開第2006/0111254号明細書に記載される方法と一致する抽出方法に従って処理し得る。別の実施態様では、シャゼンムラサキ(Echium)種およびカシス油などであるが、これに限定されるものではない、SDAが増大しているその他の植物原料から得られる油を使用し得る。
【0014】
別の実施態様では、SDA富化ダイズからのダイズ粉、または製造業で知られているその他の工程を通じて強化されたSDA富化ダイズ粉を使用し得る。SDA富化ダイズ粉は製造業で知られている典型的な工程に従って製造され、飲料組成物の製造中に富化ダイズ粉を使用して、現行のダイズ粉またはその他の穀物粉および成分を置換して、所望の栄養特性がありながら、典型的な飲料組成物の口当たり、風味、臭い、およびその他の官能的特性をなおも保持する飲料組成物が製造される。
【0015】
別の実施態様では、飲料組成物はリン脂質をさらに含んで被酸化性材料を安定化させ、ひいてはその酸化を低下させてもよい。リン脂質は、主鎖、アルコールに付着する負に帯電したリン酸基、および少なくとも1つの脂肪酸を含んでなる。2つの脂肪酸を含んでなるグリセロール主鎖を有するリン脂質は、グリセロリン脂質と称される。グリセロリン脂質の例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、およびジホスファチジルグリセロール(すなわちカルジオリピン)が挙げられる。スフィンゴシン主鎖を有するリン脂質は、スフィンゴミエリンと称される。エステル結合を通じてリン脂質の主鎖に付着する脂肪酸は、長さが12〜22個の炭素である傾向があり、不飽和であってもよい。例えばリン脂質は、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2、n−6)、およびα−リノレン酸(18:3、n−3)を含有してもよい。リン脂質の2つの脂肪酸は、例えばジパルミトイルホスファチジルコリン、1−ステアリオイル−2−ミリストイルホスファチジルコリン、または1−パルミトイル−2−リノレオイルエタノールアミンなどのように、同一であってもまたは異なっていてもよい。
【0016】
一実施態様では、リン脂質は、ジステアロイルホスファチジルコリンなどの単一精製リン脂質であってもよい。別の実施態様では、リン脂質は、ホスファチジルコリン混合物などの精製リン脂質の混合物であってもよい。なおも別の実施態様では、リン脂質は、ホスファチジルコリンとホスファチジルイノシトールの混合物、またはホスファチジルコリンとホスファチジルエタノールアミンの混合物など、異なるタイプの精製リン脂質の混合物であってもよい。
【0017】
代案の実施態様では、リン脂質は、レシチンなどのリン脂質の複合混合物であってもよい。レシチンはほぼ全ての生きている生物に見られる。レシチンの商業的供給源としては、ダイズ、米、ヒマワリ種子、鶏卵卵黄、乳脂肪、ウシ脳、ウシ心臓、および藻類が挙げられる。その粗製形態では、レシチンは、リン脂質、糖脂質、トリグリセリド、ステロールと、少量の脂肪酸、炭水化物、およびスフィンゴ脂質の複合混合物である。ダイズレシチンは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、およびホスファチジン酸に富む。レシチンは、それが本質的にリン脂質の純粋混合物であるように、脱油され加工されていてもよい。レシチンは、リン脂質をより水溶性にするように変性されていてもよい。変性としては、ヒドロキシル化、アセチル化、およびその中で脂肪酸の1つがホスホリパーゼ酵素によって除去され水酸基で置換される酵素処理が挙げられる。別の実施態様では、レシチンはSDA富化ダイズからの油製造の副産物として製造し得て、したがってレシチン部分がSDA富化ダイズ油と共に使用される製品が製造される。
【0018】
さらに別の代案の実施態様では、リン脂質は、Solae,LLC(St.Louis,MO)によって商品名SOLEC(登録商標)の下に製造されるダイズレシチンであってもよい。ダイズレシチンは、約97%のリン脂質を含有する乾燥脱油非酵素変性調製品であるSOLEC(登録商標)Fであってもよい。ダイズレシチンは、約97%のリン脂質を含有する乾燥脱油酵素変性調製品であるSOLEC(登録商標)8160であってもよい。ダイズレシチン約97%のリン脂質を含有する乾燥脱油ヒドロキシル化調製品であるSOLEC(登録商標)8120であってもよい。ダイズレシチンは、約97%のリン脂質を含有する乾燥脱油耐熱性調製品であるSOLEC(登録商標)8140であってもよい。ダイズレシチンは、約97%のリン脂質を含有する顆粒形態の乾燥脱油調製品であるSOLEC(登録商標)Rであってもよい。
【0019】
リン脂質とSDA富化ダイズ油の比率は、SDA富化ダイズ油とリン脂質調製品の性質に応じて変動する。特にリン脂質濃度は、SDA富化ダイズ油の酸化を防止するのに十分な量である。リン脂質濃度は、一般にSDA富化ダイズ油の0.1重量%未満〜約65重量%の範囲である。一実施態様では、リン脂質濃度は、SDA富化ダイズ油の約2重量%〜約50重量%の範囲であってもよい。別の実施態様では、リン脂質濃度は、SDA富化ダイズ油の約2重量%〜約10重量%の範囲であってもよい。代案の実施態様では、リン脂質濃度は、SDA富化ダイズ油の約10重量%〜約20重量%の範囲であってもよい。さらに別の実施態様では、リン脂質濃度は、被酸化性材料の約20重量%〜約30重量%の範囲であってもよい。なおも別の実施態様では、リン脂質濃度は、SDA富化ダイズ油の約30重量%〜約40重量%の範囲であってもよい。別の代案の実施態様では、リン脂質濃度は、SDA富化ダイズ油の約40重量%〜約50重量%の範囲であってもよい。別の実施態様では、リン脂質濃度は、SDA富化ダイズ油の約15重量%〜約35重量%の範囲であってもよい。別の実施態様では、リン脂質濃度は、SDA富化ダイズ油の約25重量%〜約30重量%の範囲であってもよい。
【0020】
飲料組成物は、リン脂質でもレシチンでもない少なくとも1つの追加的抗酸化剤を含んでなってもよい。追加的抗酸化剤は、SDA富化ダイズ油をさらに安定化してもよい。抗酸化剤は、天然または合成であってもよい。適切な抗酸化剤としては、アスコルビン酸およびその塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー、N−アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、o−、m−またはp−アミノ安息香酸(oはアントラニル酸であり、pはPABAである)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、コーヒー酸、カンタキサンチン、α−カロテン、β−カロテン、β−カロテン、β−アポ−カロテン酸、カルノソール、カルバクロール、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸およびその塩、クローブ抽出物、コーヒー豆抽出物、p−クマル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリノキ抽出物、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド(例えばカテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン(EGC)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、ポリフェノールエピガロカテキン−3−ガラート)、フラボン(例えばアピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えばダチセチン、ミリセチン、ダエンフェロ)、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアナ抽出物、グルコン酸、グリシン、グアヤクゴム、ヘスペレチン、α−ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、N−ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシトリロソール、ヒドロキシ尿素、乳酸およびその塩、レシチン、レシチンシトラート;R−α−リポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5−メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、モノグリセリドシトラート;クエン酸モノイソプロピル;モリン、β−ナフトフラボン、ノルジヒドログアヤレチン酸(NDGA)、オクチル没食子酸、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、ホスフェート、フィチン酸、フィチルユビクロメル、ピメント抽出物、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、trans−レスベラトロール、米糠抽出物、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、セージ抽出物、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリング酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(すなわちα−、β−、γ−、およびδ−トコフェロール)、トコトリエノール(すなわちα−、β−、γ−、およびδ−トコトリエノール)、チロソール、バニル酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール(すなわちIonox 100)、2,4−(トリス−3’,5’−bi−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−メシチレン(すなわちIonox 330)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンKおよび誘導体、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。好ましい抗酸化剤としては、トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸、およびローズマリー抽出物が挙げられる。追加的抗酸化剤または抗酸化剤組み合わせの濃度は約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.01重量%〜約1重量%の範囲であってもよい。
【0021】
飲料組成物は、ダイズタンパク質、エンドウ豆タンパク質、乳タンパク質、米タンパク質、コラーゲン、およびそれらの組み合わせなどの一定量のタンパク質を含んでもよい。タンパク質を含有する飲料組成物もまた、安定剤を含んでもよい。
【0022】
(II)使用法および組成物を形成するためのプロセス
n−3 PUFA富化飲料組成物の製造は、飲料組成物中の成分として使用される一定量の典型的なダイズ油をSDA富化ダイズ油で置換することによって達成される。別の実施態様では、SDA富化ダイズ油は、用途中の既存の脂肪の一部または全部を置換し得て、または自然に低脂肪の製品、またはそのように調合された製品にさらに添加し得る。一実施態様では、SDA富化ダイズ油は、所望の飲料を製造するのに使用される全脂肪またはダイズ油を置換する。代案の実施態様では、SDA富化ダイズ油は飲料中で使用される一定量の脂肪またはダイズ油を置換して、製造業で推奨される十分な量のn−3 PUFAを含有する最終製品が製造される。ω−3研究コミュニティ内の一般コンセンサスでは、消費者は約400〜500mg/日のEPA/DHA当量を摂取することとされている(Harris et al.,(2009)J.Nutr.139:804S819S)。典型的に消費者は1日4回、100mg/1食分を摂取して、最終的に400mg/日を摂取する。
【0023】
飲料組成物は、一般に所望の最終製品次第で形成される。飲料組成物は、典型的に使用される脂肪または油成分が、SDA富化ダイズ油によって部分的にまたは完全に置換されること以外は、標準産業レシピに従って製造される。使用されるSDA富化ダイズ油の量は1%〜100%で変動し、最終製品と、最終製品中で所望されるn−3 PUFの栄養価または量に左右される。一実施態様では、典型的な飲料組成物中で使用される脂肪または油の5%がSDA富化ダイズ油で置換される。別の実施態様では、典型的な飲料組成物中で使用される脂肪または油の10%がSDA富化ダイズ油で置換される。別の実施態様では、典型的な飲料組成物中で使用される脂肪または油の25%がSDA富化ダイズ油で置換される。別の実施態様では、典型的な飲料組成物中で使用される脂肪または油の50%がSDA富化ダイズ油で置換される。別の実施態様では、典型的な飲料組成物中で使用される脂肪または油の75%がSDA富化ダイズ油で置換される。別の実施態様では、典型的な飲料組成物中で使用される脂肪または油の90%がSDA富化ダイズ油で置換される。別の実施態様では、典型的な飲料組成物中で使用される脂肪または油の95%がSDA富化ダイズ油で置換される。別の実施態様では、典型的な飲料組成物中で使用される脂肪または油の100%がSDA富化ダイズ油で置換される。
【0024】
別の実施態様では、リン脂質などの一定量の安定剤が飲料組成物に添加される。一実施態様ではリン脂質はレシチンであり、SDA富化ダイズ油と組み合わせられ、飲料組成物中のレシチン濃度は、SDA富化ダイズ油の0.1重量%未満〜約65重量%、より典型的にはDA富化ダイズ油の約15重量%〜約35重量%である。別の実施態様では、飲料組成物中のレシチン濃度はSDA富化ダイズ油の約25重量%〜約30重量%である。別の実施態様では飲料組成物中で典型的に使用される脂肪または油に加えて、一定量のSDA富化ダイズ油を添加し得る。
【0025】
さらなる実施態様では、一定量のタンパク質が飲料組成物に添加される。タンパク質は、ダイズタンパク質、エンドウ豆タンパク質、乳タンパク質、米タンパク質、コラーゲン、およびそれらの組み合わせをはじめとするが、これに限定されるものではない、飲料中で機能することが知られているあらゆるタンパク質であり得る。飲料に組み込み得るダイズタンパク質としては、ダイズタンパク質単離物、ダイズタンパク質濃縮物、ダイズ粉、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
別の実施態様では、飲料組成物は、pH範囲が2未満から8を超える飲料を作り出す量の成分(塩基性または酸性)を含む。塩基性または酸性成分は、目下製造業で使用されているあらゆる食品等級成分であり得る。一定量のSDA富化ダイズ油およびリン脂質を含めた後、次に飲料混合物を典型的な製造業のレシピに従って加工して、飲料組成物を製造する。
【0027】
(III)食品
本発明のさらなる態様は、n−3 PUFAが組み込まれて栄養価が増大された飲料組成物であり、それは典型的な飲料組成物の口当たり、風味、臭い、およびその他の官能的特性を保持する。飲料組成物は所望の最終製品に応じて変動するが、乳製品、果物、ダイズ、野菜、およびその他の飲料製品を限定的でなく含み得る。飲料は、濁った飲料、透明な飲料、または実質的に透明な飲料であり得る。
【0028】
一実施態様では、飲料は、食事代替飲料、プロテインシェーク、チャイ飲料、乳製品ベース飲料、飲むヨーグルト、豆乳ベースクリーム、スムージー、コーヒーベース飲料、非乳製品ベース炭酸飲料(ソーダ水および炭酸水など)、栄養補給飲料、医療栄養飲料、小児科栄養飲料、臨床栄養用液体、アルコールベースクリームリキュール、または体重管理飲料などの実質的に濁った飲料であってもよい。
【0029】
別の実施態様では、飲料は即席(RTD)飲料であってもよい。飲料の非限定的例は、ジュース飲料、ボトル入り飲料水、果実フレーバー飲料、炭酸飲料、等張飲料、エネルギー飲料、スポーツドリンク、栄養補給飲料、体重管理飲料、RTD酸性飲料、RTD中性飲料、またはアルコールベース果実飲料などの実質的に透明な飲料を含み得る。別の実施態様では、飲料は、乳製品とジュースベース製品との組み合わせであり得る。別の実施態様では飲料は、ダイズとジュースベース製品との組み合わせであり得る。さらなる実施態様では、飲料は、ダイズと乳製品ベース製品との組み合わせであり得る。
【0030】
別の実施態様では、製品は乾燥配合飲料または粉末であってもよい。乾燥配合飲料は、2〜8のpH範囲を有する。
【0031】
別の実施態様では、飲料組成物は、豆乳飲料、豆乳ジュース元気回復飲料、豆乳ミルクセーキ飲料または豆乳スムージー飲料をはじめとするが、これに限定されるものではない、冷蔵液体飲料または常温保存可能液体飲料であり得る。飲料は、そのタンパク質の15%〜100%がダイズに由来し、8オンスの1回量あたり14グラム以下のダイズタンパク質を含有し、および/または10種類未満のビタミンまたはミネラルで強化されている。ダイズ飲料はまた、製造業で典型的に使用されるあらゆる追加的成分を含んでもよい。
【0032】
飲料組成物中の食用材料としては、果汁、砂糖、ミルク、脱脂粉乳、カゼイネート、ダイズタンパク質濃縮物、ダイズタンパク質単離物、乳清タンパク質濃縮物、乳清タンパク質単離物、単離乳タンパク質、チョコレート、ココア粉末、コーヒー、茶、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。飲料組成物は、甘味料(グルコース、スクロース、果糖、マルトデキストリン、スクラロース、コーンシロップ、蜂蜜、メープルシロップ、ステビアなど)、着香剤(例えば果実フレーバー、チョコレート風味、バニラ風味など)、乳化または増粘剤(例えばレシチン、カラゲナン、セルロースガム、セルロースゲル、デンプン、アラビアゴム、キサンタンガムなど);安定剤、脂質材料(例えばカノーラ油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、脂肪粉末など)、保存料(例えばソルビン酸カリウム、ソルビン酸など)、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムなど)、着色剤、ビタミン、ミネラル、プロバイオティクス、ω−3脂肪酸、ステロール、繊維、およびそれらの組み合わせをさらに含んでなってもよい。
【0033】
定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語を下で定義する。
【0034】
「従来の飲料」という用語は、SDA富化ダイズ油を含有しない飲料を指す。
【0035】
「N−3 PUFA」という用語は、ω−3多価不飽和脂肪酸を指し、ω−3長鎖多価不飽和脂肪酸およびn−3 LCPUFAを含む。
【0036】
「ステアリドン酸富化ダイズ油」、「SDA富化ダイズ油」、および「SDA油」という用語は、ステアリドン酸で強化されたダイズ油を指す。
【0037】
「ミルク」という用語は、動物性ミルク、植物性ミルク、およびナッツミルクを指す。動物性ミルクは、メスの哺乳類の乳腺によって分泌される白色の流体であり、カゼイン、アルブミン、乳糖、および無機塩の溶液に懸濁された脂肪微小球からなる。動物性ミルクとしては、牛、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ラクダ、ラクダ科動物、ヤク、水牛からのミルクが挙げられるが、これに限定されるものではない。植物性ミルクは、ダイズおよびその他の植物に由来するミルクをはじめとするがこれに限定されるものではない、特定植物に見られるジュースまたは樹液である。ナッツミルクは、種子を潰して、典型的に水である液体と混ぜ合わせて作られるエマルジョンである。ミルクのために使用し得るナッツとしては、アーモンドおよびカシューが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0038】
「乳タンパク質」という用語は、当該技術分野で知られているあらゆる手段によってミルクから抽出されるあらゆる画分をはじめとする、上で定義されるミルク中に含有されるあらゆるタンパク質を指す。乳タンパク質は、乳タンパク質のあらゆる組み合わせをさらに含む。
【0039】
「SQS」という用語は、対照サンプルと試験サンプル間の定性的差分および定量的方向差分の双方を提供するようにデザインされた、対照との差の試験手順である。SQS尺度は1〜5に及び、整数のみを使用する。5は対照との一致であり、サンプルは、外観、香り、風味、およびテクスチャにおいて、対照と実質的に同一の官能的特性を有する。いかなる差も有意でなく、対照との注意深い並列比較なしには気付かれない。4は対照とわずかに異なり、サンプルが対照との1つまたは複数の「わずかな」差を有することを示す。しかしこれらの差は、対照との並列比較でなければ気付かれないかもしれない。対照との中程度の差が3であり、サンプルは対照との複数の「中程度の」差の1つを有する。これらの差は対照との1回の並列比較において気付かれる。2はサンプルが対照と極めて異なることを示唆し、サンプルは対照からの1つまたは複数の「極端な」差を有する。これらの差は、たとえ対照との並列比較でなくとも気付かれる。1は不合格であり、サンプルはそれを対照と異ならせる明らかな欠陥を有する。これは、酸化/劣化の匂い(例えば塗料臭または劣化タンパク質)から汚染物質(例えばジアセチル)に及び得る。
【0040】
以下の例は、本発明の好ましい実施態様を実証するために含まれる。続く実施例で開示される技術は、本発明の実施において良好に機能することが発明者らによって発見された技術を代表することが、当業者によって理解されるであろう。しかし当業者は、本開示に照らして、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、類似または同様の結果をなおも得ながら、開示される特定の実施態様に多数の変更を加え得ることを理解し、したがって応用例で記載されまたは示される全ての事柄は、制限的でなく例証的な意味で解釈される。
【実施例】
【0041】
実施例1.イチゴ乳飲料
以下の実施例は、一定量のSDA富化ダイズ油を含有するイチゴ乳飲料を製造する方法に関する。
【0042】
以下の工程に従って、イチゴ乳飲料を製造した。以下の表は、最終製品重量による百分率と実際の使用量を含めた、成分と使用量の一覧である。
【0043】
【表1】

【0044】
成分を合わせて以下のステップに従って処理し、イチゴ乳飲料を製造した。
A.カラゲナンを砂糖と1:10の比率で合わせた。
B.カラゲナン/砂糖混合物をミルクと混合し(ミルクは27℃(81°F)に加熱した)、混合物を高剪断速度で10〜15分間混合した。
C.残りの砂糖、赤色色素、およびイチゴ風味をスラリーに添加して、10分間混合した。
D.混合物に油を添加して、5分間混合した。
E.次に混合物を70℃(158°F)に予熱した。
F.予熱した混合物を142℃(288°F)で4秒間、超高温(UHT)処理した。
G.溶液を2500psi(172bar)および500psi(35bar)の二段階で均質化し、次に15℃(59°F)以下に放冷した。
H.最後に、冷却した溶液を無菌工程によって容器に満たし包装した。
【0045】
結果はn−3 PUFAの量が増大されているが、目下市販されている典型的なイチゴ乳飲料製品の味覚、構成、香り、および口当たりを保持するイチゴ乳飲料組成物であった。したがってSDA富化ダイズ油を含有する飲料組成物の官能的特性は、従来の飲料組成物の官能的特性に匹敵した。製品は、1食分あたり375mgのSDAの目標に対して、1食分250mLあたり410mgのn−3 PUFAを送達した。
【0046】
実施例2.イチゴ乳飲料組成物の感覚性プロファイリング
6ヶ月間の加速貯蔵寿命にわたり、イチゴ乳飲料組成物に対して感覚性記述的分析を実施した。ダイズ油およびSDA油イチゴ乳飲料組成物の属性の差を理解するために、0時および6ヶ月時(25℃および37℃で保存)に試験を実施した。0時および6ヶ月時に、7人のパネリスト(全パネリストは、Sensory Spectrum(商標)記述的プロファイリング法の訓練を受けていた)が、19の風味属性、8つのテクスチャ属性、および3つの後味属性についてサンプルを評価した。属性は各サンプル中で、0=なし/該当せず、および15=非常に強い/高い、の15ポイントの尺度で評価した。風味属性の定義を表2に示し、テクスチャ属性の定義を表3に示す。
【0047】
イチゴ乳飲料組成物を振盪し、4個の250mLテトラパックをピッチャーに注いで撹拌し、次に2オンスのイチゴ乳飲料組成物を蓋付き3オンスSolo(登録商標)カップ(Solo Cup Company,Lake Forest,IL)に注いだ。サンプルを二連で単項的に提示した。
【0048】
分散分析(ANOVA)を使用してデータを分析し、製品および複製効果を試験した。ANOVAの結果が有意であれば、チューキーのHSD t−検定を使用して平均値の多重比較を実施した。特に断りのない限り、全ての差は95%信頼水準で有意であった。風味属性では、平均値<1.0は、パネリストの全員がサンプル中の属性を感知したのではないことを示唆する。2.0の値は、全ての風味属性について識別閾と見なされ、それはパネリストが属性を検出しなおも同定できる最小レベルであった。
【0049】
【表2−1】

【表2−2】

【0050】
【表3−1】

【表3−2】

【0051】
表4に示す0時において、ダイズ油およびSDA油イチゴ乳飲料組成物の間には検出可能な差があった。0時では、ダイズ油イチゴ乳飲料組成物は、池臭、初期粘度、および10粘度(10 Viscosity)がより高かった(図1)。
【0052】
0時では、ダイズ油およびSDA油イチゴ乳飲料組成物の双方の魚臭/池臭は識別閾(2.0)未満であった。したがって消費者は、サンプル中のこれらの芳香を検出できないであろう。
【0053】
表5に示す25℃で6ヶ月保存時に、ダイズ油およびSDA油イチゴ乳飲料組成物の間には検出可能な差があった。25℃で6ヶ月時保存には、ダイズ油イチゴ乳飲料組成物は、厚紙/ウッディ香、過熟/焦がした果物香、および化学臭がより高かった(図2)。このサンプルはまた魚臭/池臭も有したが、識別閾(2.0)未満であった。
【0054】
25℃で6ヶ月保存時に、SDA油サンプルは、総合的風味影響力、初期粘度、および10粘度(10 Viscosity)がより高かった(図2)。このサンプルはまた、いかなる魚臭/池臭も有さなかった。
【0055】
表6に示す37℃で6ヶ月保存時に、ダイズ油およびSDA油イチゴ乳飲料組成物の間には検出可能な差があった。37℃で6ヶ月保存時に、ダイズ油イチゴ乳飲料組成物はバニラ/バニリン香がより高かった(図3)。このサンプルはまた灰の香りも有したが、魚臭/池臭さはなかった。
【0056】
37℃で6ヶ月保存時に、SDA油イチゴ乳飲料組成物は基本的甘味がより高かった(図3)。このサンプルにはまた、いかなる魚臭/池臭もなかった。さらに25℃および37℃双方での6ヶ月の貯蔵寿命の終わりに、酸化を示唆する塗料臭などの異臭はなかった。
【0057】
【表4】

【0058】
【表5】

【0059】
【表6】

【0060】
実施例3.イチゴ乳飲料組成物の受容性
ダイズ油およびSDA油の感覚性等価を評価するために、ダイズ油およびSDA油イチゴ乳飲料組成物に基づく消費者受容性を分析した。6ヶ月間の加速貯蔵寿命にわたって、ダイズ油およびSDA油イチゴ乳飲料組成物の間で受容性評価を比較した。受容性は、25℃で4ヶ月および6ヶ月時に実施した。
【0061】
4ヶ月時のサンプルは、イチゴ乳飲料組成物の試飲をいとわない40人の消費者によって評価された。6ヶ月時のサンプルは、イチゴ乳飲料組成物の試飲をいとわない57人の消費者によって評価された。判定者は9ポイントの快不快受容性尺度を使用した。快不快尺度の範囲は、1が極めて嫌い〜9が極めて好きであり、総合的好み、色の好み、風味の好み、口当たりの好み、テクスチャの好み、および後味の好みのために使用された。
【0062】
消費者は、蓋付き3オンスカップに注がれた2オンスの各サンプルを評価した。サンプルは提供時まで冷蔵した。サンプルを逐次単項的提示により(1つずつ)提供した。
【0063】
データはチューキーの有意差(HSD)検定を使用した平均距離を用いて、分散分析(ANOVA)を使用して分析し、パネリストおよびサンプル効果を計上した。
【0064】
25℃で4ヶ月保存時には、総合的好み、風味の好み、口当たりの好み、濃さの好み、および後味の好みにおいて、ダイズ油およびSDA油イチゴ乳飲料組成物の間に有意差はなかった(図4)。
【0065】
25℃で4ヶ月保存時には、色の好みにおいて、ダイズ油の平均スコアはSDA油と比較して顕著により高かった(図4)。しかしこの差は、SDA油イチゴ乳飲料組成物の総合的好みには影響しなかった。
【0066】
25℃で6ヶ月保存時には、総合的好み、色の好み、風味の好み、口当たりの好み、濃さの好み、および後味の好みにおいて、ダイズ油およびSDA油イチゴ乳飲料組成物の間に有意差はなかった(図5)。
【0067】
実施例4.バニラ豆乳
以下の例は、一定量のSDA富化ダイズ油を含有するバニラ豆乳を製造する方法に関する。
【0068】
以下の工程に従って、バニラ豆乳を製造した。表7は、最終製品重量による百分率と実際の使用量を含めた、成分と使用量の一覧を示す。
【0069】
【表7】

【0070】
以下の工程に従って成分を合わせて加工し、豆乳を製造した。
A.Groen Steam Jacketed Kettleに水を入れ、容器を混合して撹拌しながら60℃(140°F)に加熱した;
B.クエン酸カリウム一水和物を水に分散させ、1分間混合した;
C.SUPRO(登録商標)Plusを水に添加し、温度を77℃(170°F)に上昇させながら中速から高速で10分間分散させた;
D.低速で5分間連続的に混合しながら、カラゲナン、グラニュー糖、マルトデキストリン、および塩をタンパク質スラリーに添加した;
E.次に油をスラリーに添加し、均質になるまで約3分間緩慢に混合した;
F.バニラ香味料を連続的に撹拌しながら添加した;
G.pHをチェックして、それが確実に7.0〜7.2の範囲であるようにした;
H.次に混合物を72℃(162°F)に加熱して、2500(172バール)および500psi(35バール)の2段階で均質化した;
I.次に混合物を104℃(220°F)に予熱して、141℃(286°F)で6秒間UHT処理した;
J.次に製品を冷却し、滅菌容器に無菌的に充填した;
K.次に充填した容器を冷水浴に入れて、約10℃(50°F)に冷却した;
L.冷却後、容器にラベルを付けて冷蔵した。
【0071】
結果は、n−3 PUFAの量が増大しているが、目下市販されている典型的な豆乳製品の味覚、構造、香り、および口当たりを保持している豆乳組成物であった。製品は、1食分あたり375mgのSDAの目標に対して、250mLの1食分あたり375mgのSDAの形態で、相当量のn−3 PUFAを送達する。
【0072】
実施例5.プレーン豆乳の感覚性SQS
プレーン豆乳中のダイズ油およびSDA油の属性の差を理解するために、プレーン豆乳に対してSolae定性的スクリーニング(SQS)を実施した。プレーン豆乳に対するSQS法について訓練された9人のパネリストが、13の風味属性についてサンプルを評価した。風味属性の定義を表8に示す。SQS尺度を使用して、対照(ダイズ油)サンプルとの差の程度が測定された。
【0073】
2オンスのサンプルを蓋付き3オンスカップに注いだ。パネリストは標準試飲法を使用して、手順に従って対照(ダイズ油)サンプルを最初に試飲し、次に試験サンプル(SDA油)を試飲して、対照(ダイズ油)サンプルとの差を評価した。プレーン豆乳のSQS投票を表9に示す。
【0074】
9人のパネリスト全員からのデータを平均して、ダイズ油およびSDA油プレーン豆乳の間に差があるかどうかを判定した。
【0075】
【表8−1】

【表8−2】

【0076】
【表9】

【0077】
SDA油プレーン豆乳は正常な製品変動内であり(図6)、表10に示すダイズ油プレーン豆乳は、SDA油プレーン豆乳と同一のSQSスコアを有した。
【0078】
【表10】

【0079】
実施例6.ミックスベリースムージー
以下の実施例は、一定量のSDA富化ダイズ油を含有するミックスベリースムージーを製造する方法に関する。
【0080】
以下の工程に従って、ミックスベリースムージーを製造した。表11は、最終製品重量による百分率と実際の使用量を含めた、成分と使用量の一覧である。
【0081】
【表11】

【0082】
以下の工程に従って成分を合わせて加工し、ミックスベリースムージーを製造した。
A.最初に安定剤部分用の水の部分を混合容器に入れて、水を撹拌して安定剤部分を製造した;
B.水を44℃(111°F)に加熱した;
C.ペクチンを砂糖の一部と混合して混合物を緩慢に水に添加し、高混合速度に設定したGroen Steam Jacketed Kettleを用いて5分間水和させた;
D.次にクエン酸を混合物に添加した;
E.豆乳用の水の部分をHobartミキサーに入れて容器を混合し、水を撹拌して豆乳部分を製造した;
F.次に水を44℃(111°F)に加熱した;
G.SUPRO(登録商標)XT 219Dを水に添加して、良好に分散するまで撹拌した;
H.次にクエン酸カリウム、レシチン、塩、および油を混合物に添加して撹拌した;
I.次により大型の蒸気ジャケット付き混合容器内で、豆乳部分と安定剤部分を合わせた;
J.次に果物ピューレ、色素、および香味料を混合物に添加して均一になるまで混合し、次にpH測定を行ってpHが確実に4.2±0.2の範囲であるようにした;
K.次に混合物を70℃(160°F)に加熱して、2500psi(172バール)および500psi(35バール)の2段階で均質化した;
L.混合物を107℃(224°F)で19秒間熱処理した;
M.次に製品を冷却し、滅菌容器に無菌的に充填した;
N.次に充填した容器を冷水浴に入れて、約10℃(50°F)に冷却した;
O.冷却後、容器にラベルを付けて冷蔵した。
【0083】
結果は、n−3 PUFAの量が増大しているが、目下市販されている典型的なミックスベリースムージー製品の味覚、構造、香り、および口当たりを保持しているミックスベリースムージー組成物であった。製品は、1食分あたり375mgのSDAの目標に対して、250mLの1食分あたり375mgのSDAの形態で、相当量のn−3 PUFAを送達する。
【0084】
実施例7.ミックスベリースムージーの感覚性SQS
ミックスベリースムージー中のダイズ油およびSDA油の属性の差を理解するために、ミックスベリースムージーに対してSQSを実施した。ミックスベリースムージーに対するSQS法について訓練された6人のパネリストが、13の風味属性についてサンプルを評価した。風味属性の定義を表12に示す。SQS尺度を使用して、対照(ダイズ油)サンプルとの差の程度が測定された。
【0085】
2オンスのサンプルを蓋付き3オンスカップに注いだ。パネリストは標準試飲法を使用して、手順に従って対照(ダイズ油)サンプルを最初に試飲し、次に試験サンプル(SDA油)を試飲して、対照サンプルとの差を評価した。ミックスベリースムージーのSQS投票を表13に示す。
【0086】
6人のパネリスト全員からのデータを平均して、ダイズ油およびSDA油ミックスベリースムージーの間に差があるかどうかを判定した。
【0087】
【表12】

【0088】
【表13】

【0089】
表14のSQSスコアによって示されるように、SDA油ミックスベリースムージーは、対照サンプルのダイズ油ミックスベリースムージーとわずかに異なった(図7)。
【0090】
【表14】

【0091】
実施例8 臨床栄養飲料
以下の実施例は、一定量のSDA富化ダイズ油を含有する臨床栄養飲料を製造する方法に関する。
【0092】
以下の工程に従って、臨床栄養飲料を製造した。表15は、最終製品重量による百分率と実際の使用量を含めた、成分と使用量の一覧を示す。
【0093】
【表15】

【0094】
以下の工程に従って成分を加工し、臨床栄養飲料を製造した。
A.蒸留水を19ガロンタンクに入れた。クエン酸ナトリウムおよびクエン酸カリウムを撹拌しながら蒸留水に添加して、混合物を60℃(140°F)に加熱した;
B.SUPRO(登録商標)1611を混合物に添加して65℃〜70℃(149°F〜158°F)に加熱し、15分間水和してタンパク質スラリーを形成した;
C.タンパク質スラリーを2500psi(172バール)および500psi(35バール)の2段階で均質化し、タンクに戻した;
D.砂糖の一部、セルロースゲル、およびカラゲナンを共に乾式混合し、次に均質化タンパク質スラリーに添加して10分間混合した;
E.タンパク質スラリーを60℃(140°F)に加熱し、次にカゼイネートからなる混合物を残りの砂糖と共に添加し、得られたタンパク質スラリーを10分間水和した;
F.残る炭水化物およびミネラルをタンパク質スラリーに添加して、5分間混合した;
G.タンパク質スラリーとは別に、油およびレシチンを共に混合して60℃(140°F)に加熱し、次にタンパク質スラリーに添加して5分間混合した;
H.ビタミンプレミックスおよび香料をタンパク質スラリーに添加して、2分間混合した;
I.次に飲料を3000psi(207バール)および500psi(35バール)の2段階で均質化し、144℃(292°F)のUHT工程を5秒間かけて通過させた;
J.飲料を21℃〜32℃(70°F〜90°F)で缶に集め、1/2インチのヘッドスペースを缶内に残した。次に製品を121℃(250°F)で7分間レトルトして滅菌した。
【0095】
得られたのは、n−3 PUFAの量が増大しているが、目下市販されている典型的な臨床栄養飲料製品の味覚、構造、香り、および口当たりを保持している臨床栄養飲料組成物であった。製品は、1食分あたり375mgのSDAである目標に対して、253gの1食分あたり472mgのSDAである相当量のn−3 PUAを送達する。
【0096】
実施例9.臨床栄養飲料のプロファイリング
貯蔵寿命中に、臨床栄養飲料に対する感覚性記述的分析を実施した。臨床栄養飲料中のダイズ油およびSDA油の属性の差を理解するために、試験を0時および4ヶ月時(25℃で保存)に実施した。0時には8人のパネリストが、4ヶ月時には6人のパネリストがいた。パネリストは全員が、Sensory Spectrum(商標)記述的プロファイリング法について訓練された。パネリストは、19の風味属性、8つのテクスチャ属性、および3つの後味属性についてサンプルを評価した。属性は、各サンプル中で、0=なし/非適用、および15=非常に強い/高い、の15ポイント尺度で評価した。風味属性の定義を表16に示し、テクスチャ属性の定義を表3に示す。
【0097】
臨床栄養飲料を振盪して、次に2オンスのサンプルを蓋付き3オンスカップに注いだ。サンプルを二連で単項的に提示した。
【0098】
分散分析(ANOVA)を使用してデータを分析し、製品および複製効果を試験した。ANOVAの結果が有意であれば、チューキーのHSD t−検定を使用して平均値の多重比較を実施した。特に断りのない限り、全ての差は95%信頼水準で有意であった。風味属性では、平均値<1.0は、パネリストの全員がサンプル中の属性を感知したのではないことを示唆する。2.0の値は、全ての風味属性について識別閾と見なされ、それはパネリストが属性を検出しなおも同定できる最小レベルであった。
【0099】
【表16−1】

【表16−2】

【0100】
表17に示す0時において、ダイズ油およびSDA油臨床栄養飲料の間には検出可能な差があった。0時には、ダイズ油臨床栄養飲料は動物臭がより高かった(図8)。このサンプルはまた、ビタミン臭、穀物臭、泥臭、および魚臭/池臭も有した。
【0101】
0時において、SDA油臨床栄養飲料は、甘い芳香複合体、魚臭/池臭複合体、魚臭、甘い基本的味覚、初期粘度、および10粘度(10 Viscosity)がより高かった(図8)。このサンプルはまた、ビタミン臭および穀物臭も有した。
【0102】
0時におけるダイズ油およびSDA油臨床栄養飲料双方の魚臭/池臭は識別閾(2.0)未満であり、消費者はサンプル中のこれらの芳香を検出しないであろう。
【0103】
表18に示す4ヶ月時において、ダイズ油およびSDA油臨床栄養飲料の間には、検出可能な差があった。4ヶ月時には、ダイズ油臨床栄養飲料は厚紙/ウッディ香(図9)がより高かった。このサンプルには、魚臭/池臭はなかった。
【0104】
4ヶ月時には、SDA油臨床栄養飲料は、総合的風味影響力、甘い芳香複合体、カラメル化芳香、バニラ/バニリン香、甘い基本的味覚、塩基本的味覚、初期粘度、10粘度(10 Viscosity)、および総合的後味がより高かった(図9)。このサンプルにもまた、魚臭/池臭はなかった。さらにこのサンプルの貯蔵寿命の終わりに、酸化を示唆する塗料臭などの異臭はなかった。
【0105】
【表17】

【0106】
【表18】

【0107】
実施例10.臨床栄養飲料の感覚的受容性
ダイズ油およびSDA油の感覚的同等性を評価するために、臨床栄養飲料についてダイズ油およびSDA油ベースの消費者受容性を分析した。貯蔵寿命にわたり、ダイズ油およびSDA油臨床栄養飲料の間で受容性評価を比較した。受容性は25℃で4ヶ月時に実施された。
【0108】
バニラ風味臨床栄養飲料の試飲をいとわない60人の消費者によって、4ヶ月時のサンプルが評価された。パネリストは、9ポイントの快不快受容性尺度を使用した。快不快尺度の範囲は1が極めて嫌い〜9が極めて好きであり、総合的好み、色の好み、風味の好み、口当たりの好み、テクスチャの好み、および後味の好みのために使用された。
【0109】
消費者は、蓋付き3オンスカップに注がれた2オンスの各サンプルを評価した。サンプルは提供時まで冷蔵した。サンプルを逐次単項的提示により(1つずつ)提供した。
【0110】
データはチューキーの有意差(HSD)検定を使用した平均距離を用いて、分散分析(ANOVA)を使用して分析し、パネリストおよびサンプル効果を計上した。
【0111】
25℃で4ヶ月保存時には、総合的好み、色の好み、風味の好み、および後味の好みにおいて、ダイズ油およびSDA油を含有する臨床栄養飲料の間に有意差はなかった(図10)。
【0112】
SDA油を含有する臨床栄養飲料の平均スコアは、口当たりの好みおよび後味の好が、ダイズ油を含有する臨床栄養飲料と比較して顕著により高かった(図10)。
【0113】
本発明を例示的実施態様との関連で説明したが、説明を読めば当業者には、その様々な修正が明白であるものと理解される。したがって本明細書で開示される発明は、添付の特許請求の範囲に入る修正を含むことが意図されるものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定量のSDA富化ダイズ油を含んでなる飲料組成物。
【請求項2】
安定剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の飲料組成物。
【請求項3】
前記安定剤がリン脂質またはリン脂質の組み合わせである、請求項2に記載の飲料組成物。
【請求項4】
前記安定剤が、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ジホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルコリン、1−ステアリオイル−2−ミリストイルホスファチジルコリン、または1−パルミトイル−2−リノレオイルエタノールアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載の飲料組成物。
【請求項5】
前記安定剤が、前記SDA富化ダイズ油の約0.1重量%〜約65重量%の範囲である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項6】
タンパク質をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項7】
前記タンパク質が、ダイズタンパク質、エンドウ豆タンパク質、乳タンパク質、米タンパク質、コラーゲン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の飲料組成物。
【請求項8】
食事代替飲料、プロテインシェーク、乳製品ベースの飲料、スムージー、コーヒーベースの飲料、栄養補給飲料、臨床栄養液、体重管理飲料、茶ベースの飲料、チャイ、アルコール飲料、スポーツ栄養飲料、エナジードリンク、乳飲料、実質的に透明な飲料、ジュース飲料、ダイズ飲料、ボトル入り飲料水、果実フレーバー飲料、炭酸飲料、等張飲料、即席酸性飲料、即席中性飲料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項9】
前記SDA富化ダイズ油が、SDA富化ダイズ油、SDA富化非脱脂ダイズ粉、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の飲料組成物。
【請求項10】
アスコルビン酸およびその塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー、N−アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、o−、m−またはp−アミノ安息香酸(oはアントラニル酸であり、pはPABAである)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、コーヒー酸、カンタキサンチン、α−カロテン、β−カロテン、β−アポ−カロテン酸、カルノソール、カルバクロール、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸およびその塩、クローブ抽出物、コーヒー豆抽出物、p−クマル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリノキ抽出物、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド(例えばカテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン(EGC)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、ポリフェノールエピガロカテキン−3−ガラート)、フラボン(例えばアピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール(例えばダチセチン、ミリセチン、ダエンフェロ)、フラバノン、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアナ抽出物、グルコン酸、グリシン、グアヤクゴム、ヘスペレチン、α−ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキノン、N−ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシトリロソール、ヒドロキシ尿素、乳酸およびその塩、レシチン、レシチンシトラート;R−α−リポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5−メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、モノグリセリドシトラート;クエン酸モノイソプロピル;モリン、β−ナフトフラボン、ノルジヒドログアヤレチン酸(NDGA)、オクチル没食子酸、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、ホスフェート、フィチン酸、フィチルユビクロメル、ピメント抽出物、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、trans−レスベラトロール、米糠抽出物、ローズマリー抽出物、ロスマリン酸、セージ抽出物、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリング酸、酒石酸、チモール、トコフェロール(すなわちα−、β−、γ−、およびδ−トコフェロール)、トコトリエノール(すなわちα−、β−、γ−、およびδ−トコトリエノール)、チロソール、バニル酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール(すなわちIonox 100)、2,4−(トリス−3’,5’−bi−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−メシチレン(すなわちIonox 330)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンKおよび誘導体、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される二次抗酸化剤をさらに含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項11】
前記飲料組成物が、トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される二次抗酸化剤を含んでなる、請求項1に記載の飲料組成物。
【請求項12】
前記飲料組成物の官能的特性が従来の飲料の官能的特性に匹敵する、請求項1に記載の飲料組成物。
【請求項13】
a.SDA富化ダイズ油を飲料ミックスに添加するステップと;
b.前記SDA富化ダイズ油および飲料ミックスを混合して、飲料組成物を形成するステップ
を含んでなる、SDA富化ダイズ油を使用して飲料組成物を形成する方法。
【請求項14】
前記SDA富化ダイズ油が、前記飲料組成物中で必要とされる脂肪または油の約1%〜約100%を構成する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
安定剤が前記飲料組成物に添加される、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記二次抗酸化剤が、前記SDA富化ダイズ油の0.001重量%〜約5重量%の範囲の量で添加される、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−531915(P2012−531915A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518587(P2012−518587)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040469
【国際公開番号】WO2011/002805
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(504140299)ソレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (42)
【Fターム(参考)】