しみの付いた布地を処理するための方法
みのついた布地を処理するための方法この方法は、しみ処理流体を含む接触基材を準備する工程を含む。接触基材は、約5マイクロメートル未満の直径を有するマイクロファイバーを含む。しみ処理流体は界面活性剤を含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
衣類のしみの処理。
【背景技術】
【0002】
多くの消費者は、観劇の前の外食時に発生するなど、家から出たときに衣類に付いたしみを経験する。衣類のしみを付けて人前に出ることは、着用している人には恥ずかしいことであり得る。このようなしみが家で発生するような場合には、着用者は、別の衣装を選ぶことができるであろうし、又はしみをしみ処理システムにより効果的に処理することができるかもしれない。家から出ると、選択肢は制限されるであろう。
【0003】
現時点では、しみ処理流体を放出して、しみのスクラブに使用可能なペン及びワイプなどのしみ処理システムが存在する。このペンは、普通の描画用マーカーのような形状となされていることが多く、かさばるために、一部の消費者は、財布を持っているときにこのようなペンを持ち歩くのみとされる。しかしながら、財布を持ち歩かない場合には、消費者は、しみ処理システム無しの場合に発生するしみに対して弱い。
【0004】
しみを処理するためのワイプを持ち歩いている場合には、消費者は、ワイプを握り、しみをスクラブすることができる。ワイプは、色あせを生じない漂白剤及び界面活性剤の配合物を含むことができる。これらの配合物の一部は、消費者が好まない悪臭を有する可能性がある。ワイプの取扱いにより、このような悪臭は、消費者の皮膚に移って、着用者が用いた香料とぶつかり合うこともある。更に、一部の消費者は、石鹸のような感触を有する濡れたワイプを握る感触を好まないこともある。
【0005】
しみ処理の1つの方法は、しみの離散的な特性を考慮し、それぞれの要素に対して有効な処理戦略を特定することである。例えば、1つの方法は、除去可能なものは除去し、除去不能なものは漂白することである。しみ、特に脂性のしみを布地から除去することは挑戦的である可能性がある。界面活性剤をしみに塗布することは脂性のしみの処理の役に立つことができる。消費者がしみをスクラブしながらファイバーウェブに圧力を加えると、ファイバーウェブのファイバーの間の隙間の空間に貯えられている界面活性剤は、布地に送達可能である。あるいは、ペンのヘッドがペンの中に押し込まれて、しみ処理流体を放出する、ペン型構造物から界面活性剤を布地に送達することができる。布地からのしみの脱離を助けるために、スクレーパー、ファイバーウェブ、又はブラッシュを使用して、しみを除去することができる。この方法の開発者は、しみ処理流体を最適化することにより効力の改善を追求してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの制約を念頭に置いて、コンパクトで、持ち運びに便利なしみ処理器具を求める継続的な、まだ取り組まれてないニーズが存在する。
【0007】
更に、消費者がしみ処理流体を手に触れずにしみ処理器具を使用することを可能とさせるしみ処理システムを求める、継続的な、まだ取り組まれていないニーズが存在する。
【0008】
更に、しみ処理流体のしみまでの送達を助ける手段の一部が、しみの布地からしみ処理システムの少なくとも一部までの移動を助けることもできるしみ処理システムを求める、継続的な、まだ取り組まれていないニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
しみの付いた布地を処理するための方法であって、しみ処理流体を含む、約5マイクロメートル未満の直径を有するマイクロファイバーを含む接触基材を準備する工程;接触基材をしみの付いた布地と接触させ、しみ処理流体をしみの付いた布地に移行させる工程;及びしみの付いた布地を接触基材によりラビングする工程を含む工程を含む、方法。しみ処理流体は、しみ処理流体の0.001%〜約99.99重量%の界面活性剤を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パッケージが第1の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの切欠き斜視図。
【図2】図1に表示した、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの断面概略図。
【図3】第1の面40がビューワーに示された、図1に図示した、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの底面斜視概略図。
【図4】パッケージが第2の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの概略図。
【図5】パッケージが第2の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの概略図。
【図6】しみの付いた布地を処理するためのパッケージの側面概略図。
【図7】パッケージが第2の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージ。
【図8】パッケージが第2の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージ。
【図9】しみの付いた布地を処理するためのパッケージの側面概略図。
【図10】しみの付いた布地を処理するためのパッケージの側面概略図。
【図11】パッケージが接触基材を欠くパッケージの実施形態。
【図12】第1のしみ処理流体及び第2のしみ処理流体を分注することができるパッケージを提供する、パッケージの別の実施形態の切欠き透視図。
【図13】剥離型保護材により被覆されたパッケージの概略図。
【図14】剥離型保護材により被覆されたパッケージの別の実施形態の概略図。
【図15】δH及びδPがビューワーに示された、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するハンセン空間球状容積の一部の図。
【図16】δD及びδPがビューワーに示された、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するハンセン空間球状容積の一部の図。
【図17】タコグリース吸収(g/g)対試験対象の各接触基材と試験対象のタコグリースとの間の相対エネルギー差のグラフ。
【図18】試験対象の接触基材に対してハンセン空間(δH及びδP軸が示されている)中でハンセン溶解度パラメーターの場所を示すグラフ。
【図19】試験対象の接触基材に対してハンセン空間(δD及びδP軸が示されている)中でハンセン溶解度パラメーターの場所を図示するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「連結された」は、第1の部材が、第2の部材に直接又は間接に取り付けられている又は接続され、ここでは第1の部材が第2の部材に直接又は間接に取り付けられている又は接続されている中間の部材に、取り付けられている若しくは接続されている状態を指す。
【0012】
図1に布地のしみを処理するためのパッケージ10の切欠き図を示す。パッケージ10は、長方形、正方形、円、卵形、三角形、五角形、六角形、台形、又は任意の他の人間工学的に好ましい形状を含む、任意の概ね平面的な形状を有してもよい。パッケージ10の平面的な形状は、貯蔵に便利で、使用前及び使用時にしっかり握るのに容易なパッケージ10を提供することができる。パッケージ10は、支持体層20の面内に長さ方向L及び幅方向Wを有することができ、長さ方向L及び幅方向Wに直交してZ方向を有することができる。パッケージ10の寸法は、長さ方向L及び幅方向Wにおいてパッケージが、普通の札入れサイズのクレジットカード又は札入れサイズの写真の、又はそれよりも小さい平面的な寸法を有するようなものであることができる。
【0013】
パッケージ10は支持体層20を有することができる。支持体層20は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は他のポリマー材料などの薄いプラスチック材料を含む任意の好適に剛性のある材料から作製可能である。支持体層20は、貯蔵及び輸送時にパッケージ10を実質的に平らな形に維持するのに充分に剛直であることができる。ある実施形態では、パッケージ10は、札入れ、財布、おむつ袋、又はポケットに便利に適合するようなサイズ及び寸法とされる。
【0014】
支持体層20は、第2の面30と反対側の第1の面40を有し、第1の面はパッケージ10の底面に向いている。支持体層20は脆弱線130を有する。支持体層20の第1の面40は脆弱線130を有することができる。脆弱線130は、支持体層20を充分な曲げモーメントにかけた場合、支持体層20が脆弱線130に沿って破壊するのを可能にすることができる。支持体層20は第1の弾性限界を有することができる。
【0015】
脆弱線130は、充分な曲げモーメントを脆弱線130周辺に加えたとき、支持体層20中に制御された破壊をもたらす任意の数の構造体であることができる。脆弱線130は、折り線、壊れやすい部分、打ち抜き穴、スリット、アパーチャ、及びこれらの組み合せからなる群から選択され得る。パッケージ10が使用前の状態にあるとき、支持体層20の構造は、脆弱線130にわたって構造完全性を有することができる。折り線は、支持体層20を構造的に弱化する、引っ掻き、溝、圧縮部分、又は他の構造であることができる。壊れやすい部分は、支持体層20を構造的に弱化して、歪みを加えたとき制御可能なように破壊される脆弱線130を作る一連の引っ掻き又は圧縮部分であることができる。脆弱線130は、支持体層20中の打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴であることができる。支持体層20を穿刺して、打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴を形成することにより、打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴を形成することができる。脆弱線130は、支持体層20から材料を選択的に除去することにより形成される、アパーチャであることができる。脆弱線130は、支持体層20を切断することにより形成される、スリットであることができる。使用においては、支持体層20を脆弱線130の周りに折り畳んだとき、脆弱線130を破裂させることができる。
【0016】
このような構造を使用する場合、このような構造、又は他の構造を使用するとしても、例えば、折り線の深さ、打ち抜き穴の間隔、アパーチャの寸法、スリットの寸法により、脆弱線の破壊に必要とされる曲げモーメントの大きさを制御することができる。折り線を使用する場合、折り線は、Z方向で測定した厚さの支持体層20の約8%〜約10%だけ支持体層20の中に入り込むことができる。使用される場合、折り線は、支持体層20の厚さの約15%未満だけ支持体層20の中に入り込むことができる。
【0017】
脆弱線130は、図1に示すように支持体層20の縁の間で延在することができる。脆弱線130は、支持体層20の縁の間で部分的に延在することができる。
【0018】
支持体層20は、硬質スチレン、箔、BAREX(BP Chemicals Inc.(Naperville,IL,USA)から入手可能)、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、及び前出の材料の共押し出し物及び積層物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される材料であることができる。支持体層20の厚さは、約2mm未満であることができ、可能性としては約1mm未満であることができ、可能性としては約0.1mm〜約0.5mmであることができる。支持体層は、約3cm〜約10cmの間の長さ及び約2cm〜約6cmの間の幅を有することができる。より大きな支持体層20を、家庭での使用に設計されたパッケージ10に使用してもよい。支持体層20は、Glenroy,Inc.(Menomonee Falls,WI,USA)から入手可能な、耐衝撃性スチレンの0.381mmの厚さの層、0.019mmの厚さの層の低密度ポリエチレン及び被覆ポリエステルフィルムの0.0122の厚さの層の積層物であることができ、被覆ポリエステルフィルムは、パッケージ10の外面に向けて配置されている。
【0019】
パッケージ10は、脆弱線130の近位で支持体層20の第1の面40に連結された接触基材200を有することができる。パッケージ10の使用時に、接触基材200を処理対象の布地と強制的に接触させることができる。パッケージ10の底部は、使用中は処理対象の布地に向けて配置されるパッケージ10の面であると考えられる。
【0020】
被覆層50を第2の面30に連結され、対向することができる。被覆層50はポリマーフィルムであり、第2の弾性限界を有することができる。第2の弾性限界は、第1の弾性限界よりも大きくてもよい。言い換えれば、支持体層20を破壊する歪みは、被覆層50を破壊する歪みよりも小さくてもよい。被覆層50は、一方の層が支持体層20の外に向いたエタノールビニルアルコールフィルムなどのバリア層であり、他方の層が線状低密度ポリエチレンフィルムである、共押し出しフィルムであることができる。被覆層50は、一方の層が支持体層20の外に向いたポリビニルアルコールフィルム(可能性としては、エチレン及びビニルアセテートのコポリマーであるEVAフィルム)などのバリア層であり、他方の層が線状低密度ポリエチレンフィルムである、共押し出しフィルムであることができる。被覆層50は、Glenroy,Inc.(Menomonee Falls,WI,USA)から入手可能な高強度ポリエチレンフィルムの0.0508mmの厚さの層であることができる。被覆層50は、Glenroy,Inc.(Menomonee Falls,WI,USA)から入手可能な高強度ポリエチレンフィルムの0.0508mmの厚さの層及び中密度ポリエチレンフィルムの0.019mmの厚さの層の積層物であってもよく、被覆層50は、中密度ポリエチレン層が支持体層20の方に向くように、配向される。
【0021】
被覆層50は伝達部分60を有することができる。伝達部分60を、支持体層20中で脆弱線130と実質的に整列させることができる。伝達部分60は、パッケージ20を使用するときに被覆層50から量を計る開口をもたらす、任意の数の構造体であることができる。伝達部分60は、折り線、壊れやすい部分、打ち抜き穴、スリット、アパーチャ、及びこれらの組み合せからなる群から選択され得る。パッケージ10が使用前の状態にあるときは、伝達部分60は液体不透過性であることができる。折り線は、被覆層50を構造的に弱化する、引っ掻き、溝、又は圧縮部分であることができる。壊れやすい部分は、被覆層を構造的に弱化して、歪みを加えたとき伝達部分60を破壊可能とせしめる、一連の引っ掻き、又は圧縮部分であることができる。伝達部分60は、被覆層50を穿刺して、打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴を作り出す、打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴であることができる。伝達部分60は、被覆層50から材料を選択的に除去することにより形成される、アパーチャであることができる。伝達部分60は、被覆層50を切断するか又は引き裂くことにより形成されるスリットであることができる。被覆層は1つ以上の伝達部分60を有することができる。例えば、被覆層50中に少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ以上の伝達部分60が存在することができる。複数の伝達部分60は、しみ処理流体300を接触基材200により広く分配するのに実用的であることができる。脆弱線130を、支持体層20の第1の面40の上、支持体層20第2の面30の上、支持体層20の第1の面40及び第2の面30の両方の上に設けることができる。脆弱線130は、支持体層20の構造の内部又は支持体層20の表面の上の物理的及び/又は化学的な不連続部であることができる。
【0022】
被覆層50の周辺縁を支持体層20に連結することができる。支持体層20の第2の面30に対向する被覆層50の一部分の表面の約75%超が支持体層20の第2の面30に連結されているということにおいて、被覆層50を、支持体層20実質的に連続的に連結することができる。支持体層20の第2の面30に対向する被覆層50の一部分の全表面を、支持体層20の第2の面に連結され得る。
【0023】
パッケージ10は、それらの間にパウチ80を形成するために、被覆層50と連結されたパウチ層70を含んでもよく、パウチ80は、パウチ層70と被覆層50との間の閉じた容積により定義される。パウチ層70は支持体層20に直接に連結されて、パウチをその間に形成することができる。パウチ80はしみ処理流体300を含むことができる。パウチ層70を被覆層50にヒートシールすることができる。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、化学的接着、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を取り付けるための任意の既知の方法を使用して、パウチ層70は被覆層50に連結され得る。
【0024】
パウチ層70はブローフィルム又はキャストフィルムであることができる。パウチ層70は、液体不透過性であることができ、パウチ層70の浸透又は破壊の防止に充分に耐久性であることができる。パウチ層70及び被覆層50も、パウチ80内に含まれるしみ処理流体300と化学的に適合性であることができる。すなわち、被覆層50及びパウチ層70は、パッケージが製造されたときから、パッケージ10がしみ処理に使用されたときまでの化学的及び機械的安定性を提供する長い期間、その中に含まれるしみ処理流体300及び外部環境に対して実質的に不活性であることができる。パウチ80は、ある容積のしみ処理流体300を含むことができる。
【0025】
パウチ層70は、単一層又は多数層の積層物であることができる。パウチ層70は箔を含むことができる。パウチ層70は、12μmの厚さのシート材料の層、接着剤層、及び0.06mmの厚さの線状低密度ポリエチレンの層であることができる。パウチ層70は白色であることができる。パウチ層70にデザイン、使用方法、又は装飾的な外観を印刷又は他の方法で貼り付けることができる。パウチ層70は透明であることができる。パウチ層70は、12μmの厚さの金属蒸着ポリエチレンテレフタレートシート材料の層、接着剤層、及び線状低密度ポリエチレンの層であることができる。パウチ層70は、12μmの厚さの銀又はアルミニウム箔の層、接着剤、0.009mmの厚さの銀又はアルミニウム箔、及び0.05mmの線状低密度ポリエチレンシート材料であることができる。パウチ層70は、Glenroy,Inc.(Menomonee Falls,WI,USA)から入手可能な0.058mmの厚さの高強度ポリエチレンフィルム層、0.0191mmの厚さの耐薬品性フィルム(CRC−1)、0.007mmの厚さの箔層、0.0191mmの厚さの低密度ポリエチレンフィルム、及び0.0122mmの厚さの被覆ポリエステルの積層体であってもよく、パウチ70は、被覆されたポリエステルの層が前述の支持体層20から離して向けられるように配向される。
【0026】
1つの実施形態では、パウチ層70を支持体層20と連結して、パウチ80をその間に形成することができる。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、化学的接着、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を取り付けるための任意の既知の方法を使用して、パウチ層70は支持体層20に連結され得る。
【0027】
図1で図示したパッケージ10の断面を図2に示す。図2に示すように、支持体層20の第2の面30は、脆弱線130の反対側の面上に第1の平面領域22及び第2の平面領域24を有する。図2に示すように、伝達部分60は、脆弱線130と実質的に整列することができる。支持体層20が壊されると、パウチ80は、接触基材200と流体連通し、しみ処理流体300は、脆弱線130に近位の伝達部分60及び支持体層20中の割れ目から接触基材200の中に流れ込む。被覆層50は、支持体層20と又は支持体層20の周辺内で同一の拡がりを持つことができる。被覆層50は、支持体層20の周辺と少なくとも同一の拡がりを持つことができる。
【0028】
パッケージ10の底面図を図3に図示する。図3に示すように、支持体層20が破壊されたとき、パウチ80内からのしみ処理流体300を支持体層20中の割れ目から接触基材200の中に輸送することができるように、脆弱線130を、接触基材200と少なくとも部分的に空間的に整列させることができる。図3に示すように、脆弱線は、支持体層20の縁の間で部分的に延在することができる。
【0029】
パッケージ10は、支持体層20の第1の平面領域22及び第2の平面領域24がお互いに実質的に面内にある、第1の位置を有することができる。図4に示すように、パッケージ10を、第1の平面領域22及び第2の平面領域24が実質的に角度の付いた状態で対向する関係にある、第2の位置に遷位することができる。実質的に角度の付いた状態で対向する関係にあるとは、第1の平面領域22及び第2の平面領域24が、支持体層20の第2の面30上で第1の平面領域22と第2の平面領域24との間で測定した内角βが約90度未満で、お互いに配設されているという意味である。
【0030】
第1の位置では、第1の平面領域22及び第2の平面領域24の少なくとも一部はお互いに一体であることができる。支持体層20は、脆弱線130にわたって少なくとも部分的に無傷であることができる。第2の位置では、支持体層20の少なくとも一部は、脆弱線130にわたって不連続であることができる。第2の位置では、支持体層20を、パウチ80が接触基材200と流体連通になるように、脆弱線130に近位で、又は脆弱線130に沿って壊すことができる。
【0031】
パッケージ10が第1の位置にあるときは、パッケージ10を、ポケット、札入れのポケット、財布のポケット、又はダッシュボードの小物入れ中で簡便に持ち歩くことができる。パッケージ10の概ね平らな性状は、かさ高でなく、簡便に収蔵可能な形状をもたらす。
【0032】
図4に示すように、第2の位置では、伝達部分60は流体透過性であることができる。伝達部分60は、例えば、被覆層50中にスリットを入れた結果として流体透過性であることができる。図4に示すように、伝達部分60は、若干延伸して開いた状態とすることができる、スリットであることができる。第2の位置では、第1の平面領域22と第2の平面領域24との間で測定して約45度未満の内角βで、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を配設する。伝達部分60は、被覆層50を通る流体連通をもたらす、さまざまな実施形態を有することができる。第2の位置では、約10度未満の内角β、あるいは約5度未満の内角β、あるいは約1度未満の内角βで、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を配設することができる。第2の位置では、約0度と約5度との間の内角βで第1の平面領域22及び第2の平面領域24を配設することができる。
【0033】
第2の位置では、パウチ80は、折り畳み可能であり、第1の平面領域22及び第2の平面領域24から加えられる圧力によって、パウチ80内に含まれているしみ処理流体300を押し出すことができる。第1の平面領域22及び第2の平面領域24をより近接した角度の付いた状態で対向する関係まで動かすと、パウチ80内に含まれているしみ処理流体300のより多くを、搾り出すか又は押し出すことができる。使用者が有効な搾り出し力を加えると、第1の平面領域22及び第2の平面領域24がお互いに加圧されて、しみ処理流体300を、パウチ80から伝達部分60経由で接触基材200の中に押し出す。折り畳まれた支持体層20は、処理対象の布地のしみの上で接触基材200(存在する場合には)を往復ラビングするときに、パッケージ10の使用者が握るのに好都合な握り構造を提供することができる。
【0034】
第2の位置では、折り畳まれた支持体層20によりもたらされる握り構造によって、消費者は、しみ処理流体300又は接触基材200に手を触れずに、しみの処理にパッケージ10を有効に使用することができるようになる。更に、このような握り構造は、消費者が激しく往復ラビングすることができる、しっかりした構造体を提供することができ、それにより接触基材が存在しない場合には、接触基材200又は壊した支持体層20の縁をしみに押し付けてラビングできる。
【0035】
被覆層50の第2の弾性限界は、支持体層20の第1の弾性限界よりも大きいことができる。このような設計物は、一緒に連結された被覆層50及び支持体層20を歪ませたとき、支持体層20が被覆層50の前に壊れることができる、機械的な構造物を提供することができる。支持体層20を壊すと、被覆層50が、パッケージ10の構造完全性を維持することができ、しみ処理流体300が伝達部分60から流入可能なように、被覆層50の伝達部分60が、被覆層50により結合状態を保つことができるために、このような構成物は望ましいものであることができる。伝達部分60は、制御された流体流れをその中に提供する形状を有することができる。
【0036】
支持体層20を脆弱線130の周りに曲げて、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を実質的に対向する関係まで移動し、それにより支持体層の一部分を脆弱線130にわたって不連続とせしめることにより、パッケージ10を用いてしみの付いた布地を処理することができる。使用者が第1の平面領域22及び第2の平面領域24をお互いに押し付けるとき、しみ処理流体300は、脆弱線130にわたって不連続である支持体層20の一部分から接触基材200に分注される。支持体層20を例えば図5に示す方法に類似の方法で握られ、使用者はしみの付いた布地を接触基材200によりラビングする。
【0037】
より多くの接触基材200をしみの付いた布地と接触させるためには、図6に示すように、接触基材200を1つ以上のヒンジ100により支持体層20に連結することができる。ヒンジ付きの構造を使用することにより、支持体層20を脆弱線130の周りに曲げる又は折り畳んだときでも、接触基材を比較的平らに保つことができる。各ヒンジ100は可撓性材料から形成され、それによって可変距離を支持体層20と接触基材200との間で規定することが可能となる。各ヒンジ100を、第1の面40に部分的に連結し、接触基材200に部分的に連結することができる。支持体層20がしみの処理に使用される前に平面条件にあるときは、関連するヒンジ100での一回の曲げ又は多数回の折り畳みにより、各ヒンジ100を閉じることができる。各ヒンジ100を閉じたとき、接触基材200を支持体層20と対向する関係とすることができ、コンパクトなパッケージ10をもたらすことができる。パッケージを第1の位置から第2の位置まで遷位する前にほぼ平面的な形状を有するように、折り畳まれた可撓性材料片から各ヒンジ100を作製することができる。
【0038】
図7に示すように、支持体層20を壊し、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を実質的に角度の付いた状態で対向する関係まで動かすことにより、パッケージ10を第1の位置から第2の位置まで遷位させたとき、各ヒンジ100を開いて、接触基材200の一部分を支持体層から間隔をあけるようにすることができる。パッケージが第2の位置にあるとき、各ヒンジ100は、図7に示すように断面において概ね「U」又は「V」形状を有することができる。このような構造は、パッケージ10の他の構成要素中のしみ処理流体300の蓄積を制限しながら、しみ処理流体300をパウチ80から接触基材200まで流す、導管を提供することができる。各ヒンジ100は、一方が支持体層20に連結され、一方が接触基材200に連結されている、2つの脚を有すると考えられる。接触基材200に連結されている各ヒンジ100の脚は、支持体層に対向する接触基材200の面の約90%以上がヒンジ100に連結されているということにおいて、接触基材200と実質的に同一の拡がりを持つことができる。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、各ヒンジ100の脚を、接触基材200又は支持体層20に連結することができる。より耐久性のあるパッケージ10を提供するためには、各ヒンジ100を連結するための方法は、しみ処理流体300と化学的適合性であることができる。各ヒンジ100は、3Mから入手可能な3M 3560などの、ポリプロピレンをベースとするテープであることができる。
【0039】
各ヒンジ100は、接触基材200の一体の延長物であり、図8に図示するように接触基材200と同一の構成材料を含むことができる。このような構造は、パッケージ10の形成に組立を要する部品数を減らすことにより、製造を容易とすることもできる。
【0040】
図9に示すように、基盤層110が接触基材200と支持体層20との間に存在し、並びにヒンジ100(存在するならば)が基盤層110に連結されるように、基盤層110を接触基材200及び支持体層20に連結することができる。接触基材200をしみの付いた布地に対して激しくラビングするとき、基盤層110は、パッケージ10の増強された構造安定性をもたらすことができる。基盤層110は、例えば、流体透過性材料のウェブ、又は長さ方向L及び幅方向Wで接触基材200とほぼ同一の拡がりを持つものであるか、又は接触基材200内で横方向に同一の拡がりを持つものである、脆弱線130の近位で選択的に流体透過性とされた材料であることができる。基盤層110は、長さ方向L及び幅方向Wで接触基材200と同一の拡がりを持つものである、流体透過性材料のウェブであることができる。
【0041】
限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、基盤層110を各ヒンジ100により支持体層20に連結することができる。同様に、限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、基盤層110を接触基材200に直接に連結することができる。基盤層110を、1つ以上の中間層により接触基材200に連結することができる。基盤層110は、多孔質フィルム、スリットフィルム、穴開きフィルム、不織布、織布、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料のウェブであることができる。基盤層110は、高密度ポリエチレンをベースとする基材のDelStar Technologies,Incから入手可能な18g/m2の坪量を有し、0.12mmの厚さのDELNET AC 530−NAT−Eなどのポリエチレンをベースとする材料であることができる。
【0042】
ある実施形態では、図10に示すように、分配層120を、例えば、接触基材200と対向する関係及び支持体層20と接触基材200との間で配設することができる。分配層120は、長さ方向L及び幅方向Wで接触基材200の中に及び/又は接触基材200中でしみ処理流体300を広範に分配させることができる。処理対象の布地へのしみ処理流体300の送達を促進するために、分配層120は、パウチ80中に含まれるしみ処理流体300の容積よりも小さい、自由吸収能力を有することができる。分配層120は、炭化水素をベースとするファイバー材料を含むことができる。分配層120は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、レイヨン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるファイバー材料を含むことができる。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、分配層120を接触基材200に連結することができる。分配層120はニードルパンチされたファイバー材料であることができる。分配層120は、150g/m2の坪量を有する、ポリプロピレンのニードルパンチされた不織布であることができる。坪量は、単位面積当たりの重量に対する標準試験方法のEDANA標準試験WSP 130.1(05)に従って、0.0001gの精度の秤りを用いて1cm×1cmの試料について定量可能である。坪量は、5個の試料を一体化し、かつ一体化された重量/面積から平均を計算することに基づいて求められる。分配層120及び基盤層110は複合材料であることができる。DelStar Technologies,Inc.により作製された複合基材のSTRATEX 5.0NP5−Eは、分配層120及び基盤層110の両方を含む単一の製品を提供することができる。この分配層120は1.5mmの厚さであることができる。分配層の厚さを、不織布厚さ(30.5〜99)のEDANA推奨試験方法に従って定量することができる。
【0043】
分配層120の自由吸収能力を次のように測定する。必要とされる器具は、約120mm×120mmのISO 565に従った公称2mmのメッシュサイズステンレススチール試験篩及び試験試料と共に細目金網を入れた皿を含む。皿は、20mmの試験液体深さが可能な、充分な容積のものでなければならない。試験液体は、蒸留水中の10%ドデシル硫酸ナトリウム溶液である。好適な秤量ガラス及びカバーを使用する。プラス・マイナス0.01gの精度を有する秤り及びストップウオッチも必要である。
【0044】
試験を室温25.0±0.2℃及び相対湿度50±5%の実験室中で行う。全ての器具及び試料を試験環境中で2時間平衡化する。過剰な蒸発を防止するために、試験皿をカバーする。構造物を圧縮したり又は他の方法で擾乱を加えないように注意しながら、重量1.00±0.05グラムの分配層120の代表的な長方形試料を、分配層材料から切り出す。試料の幅で割った長さは2未満でなければならず、長さは試料の長い方の面である。個々の分配層120がこのような試験片の作製に充分な寸法のものでない場合には、1つ以上のパッケージ10からの1つ以上の分配層120を一体化して、必要とされる重量及びアスペクト比の長方形試験片のスタックを準備することができる。それぞれの試験片、又は試験片のスタックを、0.01gの精度を有する秤りで秤量する。試験片(又はスタック)を細目金網上に置き、好適なクリップにより幅縁に沿って(すなわち、材料平面中の短い方の寸法に沿った材料の縁の1mm以内で)固定する。ワイヤメッシュ及び取り付けた試料を、試験液体の中に斜めの角度で、試料を上に向けて導入する。沈めたならば、細目金網を試験液体表面の20mm下に水平に置く。皿が平らな底面を有し、試験流体が20mmの深さであれば、これは好都合に行われる。60プラス・マイナス1秒後、細目金網及び試験片(又はスタック)を試験液体から取り出し、自由にぶらさげて、120プラス・マイナス3秒間液を切る。液切り工程時クリップが試料の頂部の水平縁にくるように、試料を向ける。液切り後、試験片(又はスタック)を、試験片又はスタックから流体を絞らずに細目金網から分離する。次いで、試験片(又はスタック)の重量を±0.1グラム内で計量する。濡らす前の試験片又はスタックの重量と濡らした後の試験片又はスタックの重量との差は、材料1グラム当たりに吸収される流体のグラム数での材料の自由吸収能力である。これは、1g/cm3を試験液体の密度として使用することにより、材料1グラム当たり吸収される流体の容積に変換される。自由吸収能力は、この手順に従って行われる5回の測定値の平均として得られる。5回の測定の各組に対して新しく条件付けした試験液体を使用する。
【0045】
図11に示すようにパッケージ10が接触基材200を欠くパッケージ10の実施形態も意図されている。支持体層20を脆弱線130に沿って壊すことにより、パッケージ10を第2の位置で位置決めすると、しみ処理流体300は、支持体層20中に作られた不連続部から流れることができる。言い換えれば、第2の位置で、パウチ80は、支持体層の第1の面40と流体連通となることができる。第2の位置で、しみ処理流体300を、脆弱線130にわたって不連続である支持体層20の一部分から排除することができる。このような実施形態では、しみ処理流体300は、ゲルであって、しみ処理流体300の塗布の改善された制御をもたらすことができる。流体を処理対象の布地に塗布したとき又はその後で、支持体層20の壊された縁を処理対象の布地に往復してこすり付け、それによりしみ処理流体300をしみに塗布及び分配し、並びに潜在的にはしみの集塊/小球を除去し、しみを漂白し、及び/又は布地を増白することができる。
【0046】
図11に図示したパッケージ10を使用することにより、支持体層20を脆弱線130の周りに曲げて、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を実質的に対向する関係に移動して、支持体層の一部分が脆弱線130にわたって不連続となるようにせしめることによって、しみの付いた布地を処理することができる。使用者が第1の平面領域22及び第2の平面領域24を相互に押し付けるにつれて、しみ処理流体300は、脆弱線130にわたって不連続である、支持体層20の一部分から支持体層20の第1の面40に分注される。使用者は、支持体層20を例えば図5に示す方法に類似の方法で握り、脆弱線130にわたって不連続である、支持体層20の一部分によりしみの付いた布地をラビングする。
【0047】
図12は、第1のしみ処理流体301及び第2のしみ処理流体302を分注することができるパッケージを提供する、パッケージ10の別の実施形態の切欠き透視図である。この構造は、好ましい相互作用をするか、又は異なるタイプのしみに対して処理効果をもたらす2つの材料が分注可能であるということにおいて実用的であることもできる。例えば、第1のしみ処理流体301が疎水性のグリースしみの有効な処理をもたらし、第2のしみ処理流体302が、例えば漂白により親水性のワインしみの有効な処理をもたらしてもよい。第1のしみ処理流体301が洗剤であり、第2のしみ処理流体302が漂白剤化合物であってもよい。このような構造は、安定でないか又は長期間一緒に収蔵すると効力を失う、しみ処理流体成分に有利である。このような構造は、異なる局所的な条件(例えば、pH)下で最適な効力を有する、しみ処理流体成分に有利である。パウチ層70を、支持体層20と、又は被覆層50(存在するならば)に連結して、第1のパウチ81及び第2のパウチ82を形成することができる。第1のパウチ81及び第2のパウチ82を、分離部分83により分離することができる。分離部分83を、脆弱線130に平行に、概ね脆弱線130に直交して整列させることができるか、又は他の方法で脆弱線130と概ね整列させることができる。第1のパウチ81は、第1のしみ処理流体301を含むことができ、第2のパウチ82は第2のしみ処理組成物302を含むことができる。分離部分83の一部分は、脆弱線130の一部分を横切ることができる。
【0048】
例えば、図13及び14に示すように、パッケージ10を剥離型保護材400により被覆することができる。支持体層20の第1の面40を、剥離型保護材400により少なくとも部分的に被覆することができる。剥離型保護材400は、支持体層20の周りを包み、接触基材200を実質的に被覆するラップ、パッケージ10を少なくとも部分に包むスリップ裏打ち材、パッケージ10を包むエンベロープ、パッケージ10を包む密封されたパケット、及び支持体層20に剥離可能なように連結された剥離細片からなる群から選択可能である。接触基材200は、支持体層20の第1の面40から離れて向いている、接触基材200の表面の約75%以上が被覆される場合には、実質的に被覆されていると考えられる。保護材400は、例えば、フィルム、紙、ファイバー質不織布、箔、又はパッケージ10を含む、このような保護材400に使用する前に発生するかもしれない摩耗及び引き裂きに耐えることができる、任意の他の好適な耐久性のある材料から構成可能である。保護材400は、札入れ、財布、ポケット、おむつ袋、ダッシュボード小物入れ、又は使用前にパッケージ10を置いた他のこのような場所中でパッケージ10が持ち運びされることによるパッケージ10への損傷を制限し得る。保護材400を、支持体層20の第1の面40に接着剤により剥離可能なように連結してもよい。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、保護材400を支持体層20に剥離可能なように連結してもよい。
【0049】
パッケージ10は、米国特許第7,506,762(B2)号で開示されているものなどの、分注パッケージであることができる。パッケージ10は、米国出願公開特許第2009/0074502(A1)号で開示されているものなどの、分注パッケージであることができる。
【0050】
1つの実施形態では、接触基材200は、2.2デニールのファイバー直径、51mmのファイバー長さ、及び60g/m2の坪量を有する、コード020と称される、ES Fibervisions/Chissoからのポリプロピレン/ポリエチレン70/30の中空16セグメント化パイマイクロファイバーであることができる。1つの実施形態では、接触基材は、発泡体、ファイバー材料、フィルム、ブラシ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択可能である。理論により拘束されるのではないが、処理対象の布地に粗表面を与える接触基材200は、粗表面が布地からしみの除去を促進することができるために、しみ処理を改善することができると考えられる。接触基材200は、Kinsei Seishi Co.,Ltd.(Kochi−shi,Japan)から入手可能な、Product ID:MF−60PEPであることができる。
【0051】
マイクロファイバーを含む接触基材200は、有効なしみ除去をもたらすことができる。理論により拘束されるのではないが、マイクロファイバーは、接触基材を構成するファイバーの間に大きいファイバーからなる接触基材200よりも脂性材料を効果的に保持する能力がある、より小さい隙間空間をもたらすと考えられる。1つの実施形態では、接触基材200は、約0.1マイクロメートルと約5マイクロメートルとの間の直径を有する、マイクロファイバーを含むことができる。1つの実施形態では、接触基材200は、約5マイクロメートル未満の直径を有する、マイクロファイバーを含むことができる。マイクロファイバーは、このようなマイクロファイバーの形成時に生じる鋭いファイバー縁を有する、刻み目付きパイマイクロファイバーであることができる。マイクロファイバーは、ステープルファイバー又は連続スプリットファイバーであることができる。マイクロファイバーは、スプリットポリプロピレン−ポリエチレンマイクロファイバーであることができる。
【0052】
接触基材200は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、レイヨン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択可能である。このようなファイバーのタイプは、恐らくその分子構成によりしみの浮き上がりをもたらすと考えられる。マイクロファイバーは上述のように実用的であり、接触基材は、マイクロファイバーを含む不織布、マイクロファイバーを含む織布、マイクロファイバーを含むループ状の織布、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0053】
理論により拘束されるのではないが、グリース又はオイルを含む布地しみに対して接触基材200のハンセン溶解度パラメーターは、接触基材200がこのようなしみを試験対象の布地から浮き上がらせる能力を示すものであると考えられる。表題「Hansen Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」(by Charles M.Hansen、CRC Press,Taylor & Francis Group LLC発行(Boca Raton,Florida,United States of America))なる書は、ハンセン溶解度パラメーターに関する論文である。特定の分子に対して、3つのハンセン溶解度パラメーター:δD、δP、及びδHがある。ここで、δDはモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギー分散成分であり、δPはモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分であり、δHはモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分である。3つのパラメーターは、ハンセン空間と呼ばれる三次元空間中の点の座標と考えられることができる。
【0054】
しみ処理の文脈において、接触基材200がグリース又はオイルしみを布地から浮き上がさせる能力は、布地から除去されるべきグリース又はオイルしみ、及び接触基材200のハンセン溶解度パラメーターに依存すると考えられる。しみの浮き上がりは、接触基材200のハンセン溶解度パラメーターが、ハンセン空間において処理対象のグリース又はオイルしみのハンセン溶解度パラメーターに近位にある場合にもたらされると考えられる。処理対象の接触基材200及びしみのハンセン溶解度パラメーターがそのような関連にある場合には、しみ及び接触基材200は、しみの付いた布地から接触基材200にしみを移行させることができるのに充分なようにお互いに分子的に類似していると考えられる。
【0055】
接触基材200に対するハンセン溶解度パラメーターは、2010年1月7日現在http://www.hansen−solubility.com/から入手可能な、HSPiPバージョン2.0ソフトウエアを用いて求められる。接触基材200の各構成成分のポリマー分子に対するハンセン溶解度パラメーターは、改良SMILES表記法を用いてモノマー単位及び付着点を特定することにより、HSPiP中のポリマーHSP予測ツールを用いて求められる。繰り返し単位1を使用する。ハンセン溶解度パラメーターのいずれかがHSPiPバージョン2.0によりゼロ未満であると予測される場合には、このようなパラメーターはゼロの値を有すると決められる。
【0056】
2つ以上の異なる分子を含む接触基材200に対しては、ハンセン溶解度パラメーターは、構成成分分子の重み付けした重量分率基準で次のように計算される:
【数1】
式中、xは計算対象の特定のハンセン溶解度パラメーターに依存して、D、P、又はHであり、iは構成成分分子の番号識別子であり、φは構成成分分子の重量分率である。2つ以上の異なる分子を含む接触基材の200のハンセン溶解度パラメーターを求めるためのこのような方法は、コア/シース構造を有するファイバーの場合のように、浮き上がらせるべきしみに対する異なる分子の空間的な関係が、しみ除去にどのように影響を及ぼすかを要因として含めることができない。
【0057】
「Hansen Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」により報告されているラード及びオリーブオイル、又はタコグリースと同一のハンセン空間の一般的な領域の中又は近傍に存在するハンセン溶解度パラメーターを有する接触基材200は、接触基材200として使用可能である。このような接触基材200は、ハンセン空間中でグリース及びオイルから遠いハンセン溶解度パラメーターを有する接触基材200と比較して、改善されたしみ浮き上がり性をもたらす能力があり得る。
【0058】
図15及び16は、関心対象のハンセン空間の三次元表示を提供すると解釈可能である。図16及び17に図示されている実の円弧は、δD、δP、及びδHが正であるハンセン空間の球状容積の縁の一部を表す。例えば、図15は、δH及びδPがビューワーに示されているハンセン空間の側面図と考えることができ、図16は、δD及びδPがビューワーに示されている、ハンセン空間の上面図であると考えることができる。図15及び16は、関心対象のハンセン空間の三次元表示を提供すると解釈可能である。図15及び16に図示されている実の円弧は、δD、δP、及びδHが正であるハンセン空間球状容積の縁の部分を表す。
【0059】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。本明細書で使用するとき、ハンセン空間球状容積は、ハンセン空間球状容積が、「Hansen Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」でハンセン空間として記述されているものの外側に延在するように、負のハンセン溶解度パラメーターを含むと考えられる。すなわち、ハンセン空間球状容積は、ハンセン空間の外側にあるδD、δP、又はδHの負の値を含み、これは正であるδD,δP、又はδHの値に限定される。そのようなものとして、例えば、ハンセン空間の球状容積の一部内に含まれ、正であるδD、δP、又はδHの値を有する接触基材200が対象となることができるということが理解可能である。
【0060】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料であることができる。
【0061】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0062】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるが、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外側に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0063】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるが、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外側に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0064】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約25000MPa3/2、又は約20000MPa3/2、又は約15000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0065】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約25000MPa3/2、又は約20000MPa3/2、又は約15000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0066】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約25000MPa3/2、約20000MPa3/2、又は約15000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるが、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0067】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約25000MPa3/2、又は約20000MPa3/2、又は約15000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるが、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外側に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0068】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0069】
他の実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約9000MPa3/2、あるいは約8500MPa3/2、あるいは約8000MPa3/2、あるいは約6000MPa3/2、あるいは約4000MPa3/2、あるいは約3000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0070】
他の実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにこれらの定義されたハンセン空間球状容積のそれぞれに対してδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約9000MPa3/2、あるいは約8500MPa3/2、あるいは約8000MPa3/2、あるいは約6000MPa3/2、あるいは約4000MPa3/2、あるいは約3000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0071】
他の実施形態では、接触基材200は、正であり、[(δD−18MPa1/2)2+(δP−1MPa1/2)2+(δH−3MPa1/2)2]1/2が約13MPa1/2未満である、ハンセン溶解度パラメーターδD、δP、及びδHを有するファイバー材料を含むことができる。別の実施形態では、接触基材200は、正であり、[(δD−18MPa1/2)2+(δP−1MPa1/2)2+(δH−3MPa1/2)2]1/2が約11MPa1/2未満、あるいは約9MPa1/2未満、あるいは7MPa1/2未満、あるいは約5MPa1/2未満のハンセン溶解度パラメーターδD、δP、及びδHを有するファイバー基材を含むことができる。
【0072】
別の実施形態では、接触基材200は、正でありδDがモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分であり、δPがモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分であり、及びδHがモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分であり、[(δD−18MPa1/2)2+(δP−1MPa1/2)2+(δH−3MPa1/2)2]1/2が約13MPa1/2未満であり、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、ハンセン溶解度パラメーターδD、δP、及びδHを有するファイバー材料を含むことができる。
【0073】
他の実施形態では、接触基材200は、正であり、[(δD−18MPa1/2)2+(δP−1MPa1/2)2+(δH−3MPa1/2)2]1/2が約11MPa1/2未満、あるいは約9MPa1/2未満、あるいは7MPa1/2未満、あるいは約5MPa1/2未満であり、並びにこれらの実施形態のそれぞれに対してδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、ハンセン溶解度パラメーターδD、δP、及びδHを有するファイバー材料を含むことができる。
【0074】
理論により拘束されるのではないが、記述される接触基材200が、しみ処理流体300をしみの付いた布地まで送達し、可能性としては歪み成分を偶発的に獲得するように機能するのみならず、接触基材200それ自身が、処理対象のしみから遠いハンセン溶解度パラメーターを有する接触基材200と比較して、接触基材200のハンセン溶解度パラメーターに近位のハンセン空間に在るハンセン溶解度パラメーターを有するしみの改善された除去をもたらすこともできると考えられる。
【0075】
しみ処理流体300の組成物は、米国特許第6,846,332号で開示されている、キレート化剤、ラジカル掃去剤及び好ましくは漂白剤を含有する組成物などのしみ処理用の当該分野で既知のものであってよい。
【0076】
しみ処理流体300の組成物は水性又は非水性であることができる。1つの実施形態では、組成物は、0%〜約99.99重量%、あるいは約70%〜約99.99重量%、あるいは約90%〜約99.9重量%、あるいは約94.0%〜約99.0重量の水を含み、それゆえ、水溶液であることができる。
【0077】
しみ処理流体300の組成物は、漂白剤、界面活性剤、溶剤、キレート化剤、ラジカル掃去剤、及びこれらの混合物などの追加の成分を含むことができる。
【0078】
しみ処理流体300の組成物は、組成物の約0.001重量%〜約99.99重量%、あるいは約0重量%〜約15重量%、あるいは約0.001重量%〜約7重量%の漂白剤を含むことができる。1つの実施形態では、漂白剤は、ペルオキシド漂白剤(N,N−フタロイルアミノペルオキシカプロン酸又は他のペルオキシ酸などの)、過酸化水素、及びこれらの混合物からなる群から選択可能である。1つの実施形態では、しみ処理流体300の組成物は、組成物の約0.5%〜約3重量%の過酸化水素を含むことができる。過酸化水素以外のペルオキシド源が本発明では使用可能である。洗剤技術で既知の比較用の過酸、過塩、過漂白剤、金属触媒等が使用可能である。
【0079】
しみ処理流体300の組成物は、組成物の約0.001%〜約99.99重量%、あるいは約0.05%〜約5重量%、約0.05%〜約2重量%の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。特定の例には、エトキシル化アルコール又はプロポキシル化、エトキシル化アルコール及びこれらの硫酸塩、又はアルキルフェノール、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、NaAES、NH4AES、アルキル四級アンモニウム塩、アミンオキシド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0080】
エトキシル化C10〜C16アルコール、例えばNEODOL 23−6.5、低分子量アルキル/アリールアミン、アルキル/アリールポリアミン、又はこれらの組み合わせなどの非イオン性界面活性剤を、組成物中で使用してもよい。本明細書でクリーナーとして、及び水性組成物の安定化に使用され得るアルキル硫酸塩界面活性剤は、式CH3(CH2)x(CHOSO3−M+)CH3及びCH3(CH2)y(CHOSO3−M+)CH2CH3(式中、x及び(y+1)は、少なくとも7、好ましくは少なくとも9の整数であり、Mは水可溶化カチオン、特にナトリウム、カリウム、及びマグネシウムである)のC8〜C18一級(「AS」;好ましくはC10〜C14、ナトリウム塩)、並びに分岐鎖及びランダムC10〜C20アルキル硫酸塩、及びC10〜C18第2のアリール(2,3)アルキル硫酸塩並びにオレオイル硫酸塩などの不飽和硫酸塩である。本明細書で使用されるアルキルエトキシ硫酸塩(AES)界面活性剤は、式R(EO)xSO3Z(式中、RはC10〜C16アルキルであり、EOは−CH2CH2−O−であり、xは1〜10であって、例えば、(EO)2.5、(EO)6.5等と平均として便宜的に表される混合物を含むことができ、及びZはナトリウム、アンモニウム、カリウム、又はマグネシウム(MgAES)などのカチオンである)を有すると便宜的に表される。加えて、好適な対イオンが限定ではないが塩酸塩及びアルキル硫酸塩を含むことができる四級アルキルアンモニウム化合物などの界面活性剤。C8〜C16アルキルアミンオキシド界面活性剤も使用することができる。
【0081】
しみ処理流体300の組成物は、組成物の0%〜約99.99重量%、あるいは約0%〜約20重量%、あるいは0%〜約10重量%の非水性溶剤を含んでもよい。本明細書で有用な溶剤には、ブトキシプロポキシプロパノール(BPP)、ベンジルアルコール、シクロヘキサンジメチルアミン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びプロピレングリコールフェニルエーテルなどのグリコールエーテル、又は本明細書で述べられている他の溶剤が挙げられる。1つの実施形態では、溶剤は有機溶剤である。1つの実施形態では、組成物は、約等量の異性体の混合物として商用量で入手可能な、約1%〜約4%のBPPを含む。
【0082】
他の有用な溶剤は、トルエンスルホン酸ナトリウム及びクメンスルホン酸ナトリウムなどのヒドロトロープ、エタノール及びイソプロパノールなどの短鎖アルコール等である。これらは、単なる溶剤として又は他の溶剤との組み合わせで組成物中に存在することができる。
【0083】
溶剤:界面活性剤の重量比は、約10:1〜約1:1の範囲にあることができる。1つの実施形態では、組成物は、2%のグリコールエーテル及びジエチレングリコール溶剤の混合物及び0.3%のラウリル硫酸ナトリウムを含む。
【0084】
しみ処理流体300の組成物はキレート化剤を含んでもよい。組成物は、全組成物の約5重量%までのキレート化剤、又はこれらの混合物を含むことができる。1つの実施形態では、組成物は、しみ処理流体の約0.001%〜約1.5重量%、あるいは約0.001%〜約0.5重量%、あるいは約0.001%〜約5重量%のキレート化剤を含む。
【0085】
キレート化剤は、当該分野で既知の任意のものを含むことができ、ホスホネートキレート化剤、アミノカルボン酸塩キレート化剤、他のカルボン酸塩キレート化剤、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸、多官能基置換芳香族キレート化剤、クエン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0086】
1つの実施形態では、キレート化剤は、アミノアミノトリ(メチレンホスホン酸)、ジ−エチレン−トリアミノ−ペンタ酢酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ベンゼンジスルホン酸、1−ヒドロキシエタンジホスホネート、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸、及びこれらの混合物であることができる。
【0087】
本明細書での組成物は、このような材料が適合性であるか、又は好適な配合がされているならば、組成物の化学的安定性を改善するために有機安定剤も含んでもよい。組み込む場合には、有機安定剤を、組成物の約0.001%〜約5.0重量%、あるいは約0.001%〜約0.5重量%のレベルで使用することができる。
【0088】
しみ処理流体300の組成物は、ラジカル掃去剤又はその混合物を含んでもよい。ラジカル掃去剤は、組成物の約10重量%までの範囲の量で組成物中に存在することができる。1つの実施形態では、組成物は、組成物の約0.001%〜約0.5重量%のラジカル掃去剤を含む。
【0089】
本明細書で有用なラジカル掃去剤には、周知の置換モノ及びジヒドロキシベンゼン、並びにそれらの類似体、アルキル及びアリールカルボキシレート、並びにそれらの混合物が挙げられる。特定の例には3,4,5−トリメトキシ安息香酸(TMBA)及びテトラブチルエチリデンビスフェノールが挙げられる。
【0090】
しみ処理流体300の組成物は、少量のさまざまな任意の成分を含んでもよく、それには酵素、保存剤、帯電防止剤、酸化防止剤/安定剤、芳香剤香料、悪臭吸収成分(シクロデキストリンなどの)、漂白剤活性剤、ビルダー、ポリマー型汚れ放出剤、分散性ポリマー、油吸収性ポリマー;曇り防止剤及び/又は腐食防止剤、染料、充填剤、殺菌剤、ヒドロトロープ剤、ソルボトロープ剤、酵素安定剤、可溶化剤、粘土汚れ除去剤/再付着防止剤、布地柔軟剤、染料移行防止剤、増白剤、漂白剤触媒、静電コントロール剤、増粘剤等が挙げられる。使用する場合には、このような任意の成分は、組成物の0.0001%〜10重量%、あるいは0.01%〜2重量%を含むことができる。
【0091】
特定の配合物のクリーニング効力を最大とするためにこの配合物のpHを選択することができる。過酸化水素が配合物中に存在する場合には、pHを3と6との間に維持しなければならない。過酸化水素が存在しない場合には、pHを高くすることができる。所望のpHを維持するために緩衝剤、例えばクエン酸を使用してもよい。
【0092】
1つの実施形態では、このような布地表面上のしみを処理した後、布地表面上に目に見える残渣を僅かしか残さないように、しみ処理流体300の組成物を配合することができる。したがって、しみ処理流体300の組成物は、さまざまなポリアクリル酸塩をベースとする乳化剤、ポリマー型帯電防止剤、無機ビルダー塩及び他の残渣形成性材料を、組成物の約0.1重量%〜約0.3重量%の低レベルを除いて実質的に含まないことがあり、好ましくは0%のこのような材料(%は、本明細書で使用するとき、100%活性物の重量%を表す)を含む。同じように、しみ処理流体300の組成物中で使用される水は、蒸留、脱イオン、又は他の方法で残渣形成性材料を含まないようにすることができる。
【0093】
1つの実施形態では、しみ処理流体300の組成物を液体の布地処理組成物として配合することができる。1つの代替の実施形態では、これらをゲルとして提供してもよい。
【0094】
しみ処理流体300の組成物の理論的実施例
しみ処理流体300−実施例1
【表1】
【0095】
しみ処理流体300−実施例2
【表2】
【0096】
しみ処理流体300−実施例3 & 4
【表3】
【0097】
しみ処理流体300−実施例5
【表4】
【0098】
しみ処理流体300−実施例6〜12
【表5】
【0099】
1つの実施形態では、しみ処理流体300は、95.05重量%の蒸留水、0.34重量%のラウリル硫酸ナトリウム、1.68重量%のアミンオキシド、1.5重量%のグリコールエーテルPPh、0.2重量%のEDDS、0.21重量%のクエン酸、1.00重量%の過酸化水素、0.02重量の香料を含むことができる。1つの実施形態では、しみ処理流体300は、96.04750重量%の蒸留水、0.90重量%のラウリル硫酸ナトリウム、0.15重量%の硫酸マグネシウム溶液、0.30重量%のアミンオキシド、1.5重量%のグリコールエーテルPPh、0.0025重量%のEDDS、0.08重量%のクエン酸、1.00重量%の過酸化水素、0.02重量%の香料を含むことができる。
【0100】
接触基材200は淡く着色した少なくとも1つの面を有することができる。淡く着色した接触基材200は、処理対象のしみの処理対象の布地からの効果的に浮き上がり、及び接触基材200への移行の指示物として機能することができる。接触基材200がしみを捕捉すると、接触基材の色は濃くなる傾向がある。しみが生じる可能性のあるレストランなどの暗い照明の場所で見えにくいことがある、模様付きの布地上のしみに対しては、使用時に濃くなる淡く着色した接触基材200を有することは、接触基材の使用者が除去対象のしみをモニターする助けとなることができる。
【0101】
接触基材200は約80超のL*値を有することができる。接触基材200は約85超のL*値を有することができる。接触基材200は約90超のL*値を有することができる。接触基材200は約95超のL*値を有することができる。接触基材200は、約90超のL*値及び約−5と約5との間のa*値及び約−5と約5との間のb*値を有することができる。
【0102】
接触基材200の色を、反射率分光光度計により色L*、a*、及びb*値に従って測定する。接触基材200が支持体層20に連結されている場合には、接触基材200のL*、a*、及びb*値を、支持体層20から離れて向いている接触基材200の面の上で測定する。
【0103】
Hunter Associates Laboratory(Reston,Va)から入手したHunter Lab LabScan XE反射分光光度計を使用して、反射色を測定する。接触基材200を、18℃と24℃(65°Fと75°F)との間の外周温度、及び50%と80%との間の相対湿度で試験する。
【0104】
分光光度計をCIELab色スケールに設定し、D65照明を用いる。観察者を10°に設定し、モードを45/0°に設定する。エリアビューを0.318cm(0.125”)に設定し、ポートサイズを0.51cm(0.20”)に設定する。分光光度計を較正してから、供給業者から機器と共に供給される黒色のガラス及び白色の参照用タイルを用いてサンプルを分析する。較正をLabScan XEユーザーズマニュアル、マニュアルバージョン1.1(2001年8月、A60−1010−862)に記載されているように製造業者の取扱説明書に従って実施する。参照用タイル又はサンプルのクリーニングが必要な場合、エンボス加工、ローション、又は光沢剤を含まないティッシュ(例えば、Puffsティッシュ)のみを使用する。支持体層20の第1の面40から離れて対向する接触基材200上の任意の試料点を選択することができる。
【0105】
接触基材200を分光光度計の試料ポートにかぶせて置き、白色クランプ円板を接触基材200の後ろに置く。接触基材は実質的に平らな条件で、皺のないものであることとする。
【0106】
接触基材を取り外し、置き直して、接触基材の色を少なくとも3回読み取る。2つの試料点が重なり合わないように、接触基材の異なる領域において各読み取りを行うこととする。読み取り値を平均して、L*、a*、及びb*の報告値を得る。
【0107】
本明細書で記述されるようなパッケージ10を、しみの付いた布地を処理するための方法で使用することができる。この方法の工程は、支持体層20を脆弱線130の周りで曲げて、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を実質的に対向する関係に動かすことによって、支持体層20の一部分が脆弱線130にわたって不連続になるようにする工程を含む。しみ処理流体300を、脆弱線130にわたって不連続である支持体層20の一部分から支持体層20の第1の面40に分注することができる。次いで、使用者は、支持体層20を握り、しみの付いた布地を脆弱線130にわたって不連続である支持体層20の一部分によりラビングする。この方法の一部として、接触基材200がパッケージ10の一部であるならば、しみ処理流体300を、脆弱線130に近位の支持体層20の第1の面40に連結された流体透過性の接触基材200に分注する。分配層120が存在するならば、しみ処理流体300を分配層120から接触基材200に輸送することができる。
【0108】
しみの付いた布地は、しみ処理流体300を含む接触基材200を準備する工程であって、接触基材200は、約5マイクロメートル未満の直径を有するマイクロファイバーを含む、工程と、接触基材200をしみの付いた布地と接触させ、しみ処理流体300をしみの付いた布地に移させる工程と、しみの付いた布地を接触基材200によりラビングする工程と、を含み、しみ処理流体300は、しみ処理流体300の約0.001%〜約99.99重量%の界面活性剤を含む、しみの付いた布地を処理するための方法により、処理可能である。接触基材200は、本明細書で記述する接触基材200の実施形態のいずれかであることができる。しみ拭き用具を使用して、接触基材200が支持体層20に連結されている方法を実施することができる。支持体層20は、使用者がしみを接触基材200により拭くときに使用者に対して握りを提供することができる。しみの付いた布地を接触基材によりラビングする工程は、接触基材200に連結された支持体層20により補助され得る。しみ拭き用具は支持体層20であることができる。しみ拭き用具は、接触基材200と操作可能なように係合され、人間の手で握るための大きさ及び寸法の剛体であることができる。
【0109】
この方法は、パッケージ10の使用者が衣装を着ているときに、衣装上で実施可能である。しみの付いた布地は繊維質の織布又は不織布ウェブであることができる。例えば、しみの付いた布地は衣装の一部であることができる。1つの実施形態では、この方法を使用して、布地上のグリース又はオイルしみを処理することができる。
【0110】
表1に示すさまざまな接触基材に対するタコグリースしみ除去を測定する試験を行った。
【表6】
【0111】
A.単一の10cm平方試料の重量基準で計算した坪量
6位置のNu−Martindale摩耗試験機を用いて、しみ除去試験を行った。試験したしみの付いた布地は、Testfabrics,Inc.(West Pittiston,PA,USA)から入手可能な、漂白、シルケット加工、櫛梳き加工した木綿ブロードの140mm直径の試料であった。3.1gのドデシル硫酸ナトリウム(SLS)溶液及び0.94gのアミンオキシド(AO)溶液を、96.37gの脱イオン水に添加して、しみ除去の試験の目的で0.9%のAO、0.3% SLS溶液とすることにより、しみ処理流体を作製し、接触基材をしみ処理流体により濡らした。試験した接触基材は38mmの直径を有していた。
【0112】
試験した接触基材及び木綿ブロード布試料を、試験前に一定の温度(21±1℃(70±2°F))及び湿度(65%±2%相対湿度)(CTCH)で少なくとも8時間平衡化した。平衡化期間の後、試験した各接触基材の初期重量を測定した。
【0113】
Empirical Manufacturing Company(Cincinnati,OH,USA)から入手し、水浴中で45℃〜50℃(113°F〜122°F)の間まで加熱し、ピペットの中に吸引した標準のタコグリースを、CTCH中でピペットを用いて綿ブロード試料に塗布した。次いで、ピペットを用いて、1ミリリットルの標準のタコグリースを各接触基材に塗布した。それぞれの綿ブロード試料に塗布したタコグリースの重量は0.2850+/−0.0250gであった。タコグリースを綿ブロード試料に塗布した後タコグリースでしみを付けた綿ブロード試料を10分間冷却した。
【0114】
綿ブロード試料及び接触基材を、Nu−Martindale摩耗試験機の個別の摩耗位置に固定した。Nu−Martindale摩耗試験機の各位置は、単一の綿ブロード試料の単一の接触基材による摩耗をもたらす。12kPa(1.4ポンド)のおもりを使用して、摩耗時に応力を加える基材に法線力(処理表面に垂直な)を加えた。試験において使用される摩耗サイクル数は500であった。
【0115】
摩耗後、綿ブロード試料及び接触基材を、摩耗試験機から取り外し、CTCH室中で少なくとも8時間平衡化した。平衡化期間後、綿ブロード試料及び接触基材の重量を個別に測定した。摩耗後の接触基材の最終重量から接触基材の初期重量を差し引くことにより、接触基材により集められたタコグリースの重量を求めた。しみ処理流体中の非水成分の重量が小さく、接触基材に初めに塗布されたしみ処理流体の一部が恐らく綿ブロード試料に移行されるために、摩耗試験及び摩耗試験後の平衡化期間の後に接触基材上に残存するしみ処理流体の任意の成分の重量は、無視し得ると仮定した。接触基材のしみ処理能力を、接触基材の重量当たりの取得タコグリースの重量として定義されるタコグリース吸収の形で定量化した。
【0116】
「Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」(by Charles M.Hansen,Hansen、CRC Press、Taylor & Francis Group LLC発行(Boca Raton,Florida,United Statesof America))に記述されている方法に一部基づく多溶剤法を用いて、タコグリースのハンセン溶解度パラメーターを測定した。タコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターを、δD=17.62MPa1/2、δP=1.06MPa1/2、δH=3.06MPa1/2であると求めた。ハンセン空間中のタコグリースに対する球の半径Rを、R=5.9MPa1/2であると求めた。
【0117】
タコグリースの肉眼的な溶解の度合いを、5mLの所定の溶剤を試験管中で0.5gのタコグリースにガラスピペットにより添加し、10秒間渦流を形成することにより点数付けした。透明−分離無し−全部溶解と記述されている結果には評点1を与えた。濁り有り−分離無し、と記述されている結果には評点2を与えた。濁り有り−分離有りと記述されている結果には評点3を与えた。若干濁り有り−分離有りと記述されている結果には評点4を与えた。若干ヘーズ有り−分離有りと記述されている結果には評点5を与えた。透明−分離有りと記述されている結果には評点6を与えた。これらの特性評価は「Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition」の付属書類A、表A.3に説明され、異なる溶剤−溶質系に対するものと示されている尺度に概ね対応するように選択された。
【0118】
表2は、タコグリースに作用している溶剤に対する観察されたタコグリースの肉眼による溶解の評点のリストである。
【表7】
【0119】
評点1は、タコグリースが評点付けされた溶剤中で可溶であるということを示すと考えられた。評点2〜6は、タコグリースが評点付けされた溶剤中で不溶であるということを示すと考えられた。使用された溶剤のハンセン溶解度パラメーターをHSPiPソフトウエアに入れた。
【0120】
HSPiPソフトウエアの最良適合法を使用して、タコグリースが可溶である溶剤がタコグリースが不溶である溶剤から分離するように、タコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターの解を同定した。解は、ハンセン空間中でタコグリースが可溶である溶剤を含み、かつタコグリースが不溶である溶剤を含まない球である。タコグリースが可溶であるか又は不溶であるかに基づく溶剤を分割する制約に合致することができる球が潜在的には無数に存在し、並びにソフトウエア中ではランダムな方法を使用して解を同定するので最良適合法は、唯一解を与えない。最良適合法の多数回の実行を行って、ハンセン空間中でのタコグリースの球に対する潜在的な最小半径を同定した。
【0121】
次いで、最良適合法の多数回の実行後の球の潜在的な最小半径を、半径に対するスタートの見積もりとして選択して、タコグリースが可溶である溶剤を含み、かつタコグリースが不溶である溶剤を含まない、ハンセン空間中での球の半径をよりよく定義した。
【0122】
次いで、半径に対するスタートの見積もりを反復して、タコグリースが可溶である溶剤のグリースが不溶である溶剤からの分離をなお可能とさせるハンセン溶解度パラメーターに対する解が可能である最小半径を求めた。半径に対するスタートの見積もりから出発する反復工程の5回の実行を行って、最小半径を求めた。ハンセン溶解度パラメーター及び半径に対するスタートの見積もりから出発する反復から得られる半径を、タコグリースが可溶である溶剤を含む最小の半径であるとして記録した。
【0123】
上述の最良適合の工程を、タコグリースが可溶である溶剤に最近接してタコグリースが不溶である溶剤は、タコグリースが可溶である溶剤であると考えられる条件に対して繰り返した。このような解析は、タコグリースが可溶である溶剤に加えてタコグリースが可溶である溶剤に最近接してタコグリースが不溶である溶剤を含む最大の球を同定した。これらのハンセン溶解度パラメーター及び半径を、タコグリースが可溶である溶剤を含む最大の半径であるとして記録した。
【0124】
最小の球及び最大の球に対するハンセン溶解度パラメーターを平均し、これらの平均したパラメーターを、タコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターを記述するものとして記録した。この方法により求められたハンセン溶解度パラメーター及び半径は、最小の球の平均の周辺を超えた及び最大の球の平均内の周辺を有する球を記述するものである。
【0125】
上述のHSPiPバージョン2.0のソフトウエアを用いて、試験した接触基材に対して表2に示したハンセン溶解度パラメーターを求めた。「Hansen Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」(by Charles M. Hansen、published by CRC Press,Taylor & Francis Group LLC発行(Boca Raton,Florida,United Statesof America))に与えられている相対的なエネルギー差の式を用いて、試験した各接触基材とタコグリースとの間の相対的なエネルギー差を計算した:
【数2】
式中、17.62、1.06、及び3.06の値は、それぞれ、実験的に求められたdδD MPa1/2、δP MPa1/2、及びδH MPa1/2である。相対的なエネルギー差が、試験したタコグリースに対してδD、δP、及びδHのみを基準に計算されるように、1MPa1/2の値を有するようにRを設定した。
【表8】
【0126】
A.試験した試料の数
タコグリース吸収対試験した各接触基材とタコグリースとの間の相対的なエネルギー差のグラフ、REDを図17に示す。図17に示すように、接触基材とタコグリースとの間の相対的なエネルギー差が減少するに従って、タコグリース吸収は吸収する傾向にある。図17中の誤差のバーは、グリース吸収の測定値のプラス・マイナス1の標準偏差を表す。似た材料は似た材料を溶解するという溶解度に関する基本的な挙動が、接触基材を構成するファイバーに対してしみを構成する分子に対する親和性を少なくとも部分的に記述するために、このような応答は生じると考えられる。相対的に高いタコグリース吸収を有する接触基材は、グリース又はオイルのしみを布地から接触基材に移行させるのに有効である。
【0127】
図18及び19は、表2に示す接触基材に対するハンセン溶解度パラメーターのハンセン空間中の場所、及び試験したタコグリースに対するδD、δP、及びδHの場所(図18及び19中でTGと標識)を図示する。図18及び19は、対象となる可能性のある、ハンセン空間の一部分の三次元図示を提供する。図18は、δH及びδPがビューワーに示されている、ハンセン空間の側面図であり、図19は、δD及びδPがビューワーに示されている、ハンセン空間の上面図である。図18及び19の各々の中に図示されている実の円弧は、図に示すようにδD、δP、及びδHが正であり、ハンセン空間球状容積の中心が、18MPa1/2のδD、1MPa1/2のδP、及び3MPa1/2のδHに位置し、並びにハンセン空間球状容積が、10000MPa3/2又は34000MPa3/2である、ハンセン空間球状容積の縁の一部である。図18及び19中に図示するように、接触基材と試験したタコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターとの間で13未満の相対的なエネルギー差を有する試験した接触基材(δD=17.62MPa1/2、δP=1.08MPa1/2、(δH=3.06MPa1/2)Rは1MPa1/2に等しいと設定)は、図18及び19に図示するように、18MPa1/2のδD、1MPa1/2のδP、及び3MPa1/2のδHに中心を持つ、10000MPa3/2のハンセン空間球状容積内にある。更に、図18及び19中に図示するように、接触基材と試験したタコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターとの間で20未満の相対的なエネルギー差を有する試験した接触基材(Rは1MPa1/2に等しいと設定)は、図18及び19に図示するように、18MPa1/2のδD、1MPa1/2のδP、及び3MPa1/2のδHに中心を有する、34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内にある。
【0128】
特に指示のない限り、本明細書で使用される全ての百分率及び比率は、全組成物の重量を基準とし、かつ全ての測定は25℃にて行われる。1角度は、完全回転の1/360に等しい大きさの角度指標の平面単位である。
【0129】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他のさまざまな変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【0130】
引用される全ての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【技術分野】
【0001】
衣類のしみの処理。
【背景技術】
【0002】
多くの消費者は、観劇の前の外食時に発生するなど、家から出たときに衣類に付いたしみを経験する。衣類のしみを付けて人前に出ることは、着用している人には恥ずかしいことであり得る。このようなしみが家で発生するような場合には、着用者は、別の衣装を選ぶことができるであろうし、又はしみをしみ処理システムにより効果的に処理することができるかもしれない。家から出ると、選択肢は制限されるであろう。
【0003】
現時点では、しみ処理流体を放出して、しみのスクラブに使用可能なペン及びワイプなどのしみ処理システムが存在する。このペンは、普通の描画用マーカーのような形状となされていることが多く、かさばるために、一部の消費者は、財布を持っているときにこのようなペンを持ち歩くのみとされる。しかしながら、財布を持ち歩かない場合には、消費者は、しみ処理システム無しの場合に発生するしみに対して弱い。
【0004】
しみを処理するためのワイプを持ち歩いている場合には、消費者は、ワイプを握り、しみをスクラブすることができる。ワイプは、色あせを生じない漂白剤及び界面活性剤の配合物を含むことができる。これらの配合物の一部は、消費者が好まない悪臭を有する可能性がある。ワイプの取扱いにより、このような悪臭は、消費者の皮膚に移って、着用者が用いた香料とぶつかり合うこともある。更に、一部の消費者は、石鹸のような感触を有する濡れたワイプを握る感触を好まないこともある。
【0005】
しみ処理の1つの方法は、しみの離散的な特性を考慮し、それぞれの要素に対して有効な処理戦略を特定することである。例えば、1つの方法は、除去可能なものは除去し、除去不能なものは漂白することである。しみ、特に脂性のしみを布地から除去することは挑戦的である可能性がある。界面活性剤をしみに塗布することは脂性のしみの処理の役に立つことができる。消費者がしみをスクラブしながらファイバーウェブに圧力を加えると、ファイバーウェブのファイバーの間の隙間の空間に貯えられている界面活性剤は、布地に送達可能である。あるいは、ペンのヘッドがペンの中に押し込まれて、しみ処理流体を放出する、ペン型構造物から界面活性剤を布地に送達することができる。布地からのしみの脱離を助けるために、スクレーパー、ファイバーウェブ、又はブラッシュを使用して、しみを除去することができる。この方法の開発者は、しみ処理流体を最適化することにより効力の改善を追求してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの制約を念頭に置いて、コンパクトで、持ち運びに便利なしみ処理器具を求める継続的な、まだ取り組まれてないニーズが存在する。
【0007】
更に、消費者がしみ処理流体を手に触れずにしみ処理器具を使用することを可能とさせるしみ処理システムを求める、継続的な、まだ取り組まれていないニーズが存在する。
【0008】
更に、しみ処理流体のしみまでの送達を助ける手段の一部が、しみの布地からしみ処理システムの少なくとも一部までの移動を助けることもできるしみ処理システムを求める、継続的な、まだ取り組まれていないニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
しみの付いた布地を処理するための方法であって、しみ処理流体を含む、約5マイクロメートル未満の直径を有するマイクロファイバーを含む接触基材を準備する工程;接触基材をしみの付いた布地と接触させ、しみ処理流体をしみの付いた布地に移行させる工程;及びしみの付いた布地を接触基材によりラビングする工程を含む工程を含む、方法。しみ処理流体は、しみ処理流体の0.001%〜約99.99重量%の界面活性剤を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】パッケージが第1の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの切欠き斜視図。
【図2】図1に表示した、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの断面概略図。
【図3】第1の面40がビューワーに示された、図1に図示した、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの底面斜視概略図。
【図4】パッケージが第2の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの概略図。
【図5】パッケージが第2の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージの概略図。
【図6】しみの付いた布地を処理するためのパッケージの側面概略図。
【図7】パッケージが第2の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージ。
【図8】パッケージが第2の位置にある、しみの付いた布地を処理するためのパッケージ。
【図9】しみの付いた布地を処理するためのパッケージの側面概略図。
【図10】しみの付いた布地を処理するためのパッケージの側面概略図。
【図11】パッケージが接触基材を欠くパッケージの実施形態。
【図12】第1のしみ処理流体及び第2のしみ処理流体を分注することができるパッケージを提供する、パッケージの別の実施形態の切欠き透視図。
【図13】剥離型保護材により被覆されたパッケージの概略図。
【図14】剥離型保護材により被覆されたパッケージの別の実施形態の概略図。
【図15】δH及びδPがビューワーに示された、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するハンセン空間球状容積の一部の図。
【図16】δD及びδPがビューワーに示された、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するハンセン空間球状容積の一部の図。
【図17】タコグリース吸収(g/g)対試験対象の各接触基材と試験対象のタコグリースとの間の相対エネルギー差のグラフ。
【図18】試験対象の接触基材に対してハンセン空間(δH及びδP軸が示されている)中でハンセン溶解度パラメーターの場所を示すグラフ。
【図19】試験対象の接触基材に対してハンセン空間(δD及びδP軸が示されている)中でハンセン溶解度パラメーターの場所を図示するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「連結された」は、第1の部材が、第2の部材に直接又は間接に取り付けられている又は接続され、ここでは第1の部材が第2の部材に直接又は間接に取り付けられている又は接続されている中間の部材に、取り付けられている若しくは接続されている状態を指す。
【0012】
図1に布地のしみを処理するためのパッケージ10の切欠き図を示す。パッケージ10は、長方形、正方形、円、卵形、三角形、五角形、六角形、台形、又は任意の他の人間工学的に好ましい形状を含む、任意の概ね平面的な形状を有してもよい。パッケージ10の平面的な形状は、貯蔵に便利で、使用前及び使用時にしっかり握るのに容易なパッケージ10を提供することができる。パッケージ10は、支持体層20の面内に長さ方向L及び幅方向Wを有することができ、長さ方向L及び幅方向Wに直交してZ方向を有することができる。パッケージ10の寸法は、長さ方向L及び幅方向Wにおいてパッケージが、普通の札入れサイズのクレジットカード又は札入れサイズの写真の、又はそれよりも小さい平面的な寸法を有するようなものであることができる。
【0013】
パッケージ10は支持体層20を有することができる。支持体層20は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は他のポリマー材料などの薄いプラスチック材料を含む任意の好適に剛性のある材料から作製可能である。支持体層20は、貯蔵及び輸送時にパッケージ10を実質的に平らな形に維持するのに充分に剛直であることができる。ある実施形態では、パッケージ10は、札入れ、財布、おむつ袋、又はポケットに便利に適合するようなサイズ及び寸法とされる。
【0014】
支持体層20は、第2の面30と反対側の第1の面40を有し、第1の面はパッケージ10の底面に向いている。支持体層20は脆弱線130を有する。支持体層20の第1の面40は脆弱線130を有することができる。脆弱線130は、支持体層20を充分な曲げモーメントにかけた場合、支持体層20が脆弱線130に沿って破壊するのを可能にすることができる。支持体層20は第1の弾性限界を有することができる。
【0015】
脆弱線130は、充分な曲げモーメントを脆弱線130周辺に加えたとき、支持体層20中に制御された破壊をもたらす任意の数の構造体であることができる。脆弱線130は、折り線、壊れやすい部分、打ち抜き穴、スリット、アパーチャ、及びこれらの組み合せからなる群から選択され得る。パッケージ10が使用前の状態にあるとき、支持体層20の構造は、脆弱線130にわたって構造完全性を有することができる。折り線は、支持体層20を構造的に弱化する、引っ掻き、溝、圧縮部分、又は他の構造であることができる。壊れやすい部分は、支持体層20を構造的に弱化して、歪みを加えたとき制御可能なように破壊される脆弱線130を作る一連の引っ掻き又は圧縮部分であることができる。脆弱線130は、支持体層20中の打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴であることができる。支持体層20を穿刺して、打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴を形成することにより、打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴を形成することができる。脆弱線130は、支持体層20から材料を選択的に除去することにより形成される、アパーチャであることができる。脆弱線130は、支持体層20を切断することにより形成される、スリットであることができる。使用においては、支持体層20を脆弱線130の周りに折り畳んだとき、脆弱線130を破裂させることができる。
【0016】
このような構造を使用する場合、このような構造、又は他の構造を使用するとしても、例えば、折り線の深さ、打ち抜き穴の間隔、アパーチャの寸法、スリットの寸法により、脆弱線の破壊に必要とされる曲げモーメントの大きさを制御することができる。折り線を使用する場合、折り線は、Z方向で測定した厚さの支持体層20の約8%〜約10%だけ支持体層20の中に入り込むことができる。使用される場合、折り線は、支持体層20の厚さの約15%未満だけ支持体層20の中に入り込むことができる。
【0017】
脆弱線130は、図1に示すように支持体層20の縁の間で延在することができる。脆弱線130は、支持体層20の縁の間で部分的に延在することができる。
【0018】
支持体層20は、硬質スチレン、箔、BAREX(BP Chemicals Inc.(Naperville,IL,USA)から入手可能)、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、及び前出の材料の共押し出し物及び積層物、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される材料であることができる。支持体層20の厚さは、約2mm未満であることができ、可能性としては約1mm未満であることができ、可能性としては約0.1mm〜約0.5mmであることができる。支持体層は、約3cm〜約10cmの間の長さ及び約2cm〜約6cmの間の幅を有することができる。より大きな支持体層20を、家庭での使用に設計されたパッケージ10に使用してもよい。支持体層20は、Glenroy,Inc.(Menomonee Falls,WI,USA)から入手可能な、耐衝撃性スチレンの0.381mmの厚さの層、0.019mmの厚さの層の低密度ポリエチレン及び被覆ポリエステルフィルムの0.0122の厚さの層の積層物であることができ、被覆ポリエステルフィルムは、パッケージ10の外面に向けて配置されている。
【0019】
パッケージ10は、脆弱線130の近位で支持体層20の第1の面40に連結された接触基材200を有することができる。パッケージ10の使用時に、接触基材200を処理対象の布地と強制的に接触させることができる。パッケージ10の底部は、使用中は処理対象の布地に向けて配置されるパッケージ10の面であると考えられる。
【0020】
被覆層50を第2の面30に連結され、対向することができる。被覆層50はポリマーフィルムであり、第2の弾性限界を有することができる。第2の弾性限界は、第1の弾性限界よりも大きくてもよい。言い換えれば、支持体層20を破壊する歪みは、被覆層50を破壊する歪みよりも小さくてもよい。被覆層50は、一方の層が支持体層20の外に向いたエタノールビニルアルコールフィルムなどのバリア層であり、他方の層が線状低密度ポリエチレンフィルムである、共押し出しフィルムであることができる。被覆層50は、一方の層が支持体層20の外に向いたポリビニルアルコールフィルム(可能性としては、エチレン及びビニルアセテートのコポリマーであるEVAフィルム)などのバリア層であり、他方の層が線状低密度ポリエチレンフィルムである、共押し出しフィルムであることができる。被覆層50は、Glenroy,Inc.(Menomonee Falls,WI,USA)から入手可能な高強度ポリエチレンフィルムの0.0508mmの厚さの層であることができる。被覆層50は、Glenroy,Inc.(Menomonee Falls,WI,USA)から入手可能な高強度ポリエチレンフィルムの0.0508mmの厚さの層及び中密度ポリエチレンフィルムの0.019mmの厚さの層の積層物であってもよく、被覆層50は、中密度ポリエチレン層が支持体層20の方に向くように、配向される。
【0021】
被覆層50は伝達部分60を有することができる。伝達部分60を、支持体層20中で脆弱線130と実質的に整列させることができる。伝達部分60は、パッケージ20を使用するときに被覆層50から量を計る開口をもたらす、任意の数の構造体であることができる。伝達部分60は、折り線、壊れやすい部分、打ち抜き穴、スリット、アパーチャ、及びこれらの組み合せからなる群から選択され得る。パッケージ10が使用前の状態にあるときは、伝達部分60は液体不透過性であることができる。折り線は、被覆層50を構造的に弱化する、引っ掻き、溝、又は圧縮部分であることができる。壊れやすい部分は、被覆層を構造的に弱化して、歪みを加えたとき伝達部分60を破壊可能とせしめる、一連の引っ掻き、又は圧縮部分であることができる。伝達部分60は、被覆層50を穿刺して、打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴を作り出す、打ち抜き穴又は一連の打ち抜き穴であることができる。伝達部分60は、被覆層50から材料を選択的に除去することにより形成される、アパーチャであることができる。伝達部分60は、被覆層50を切断するか又は引き裂くことにより形成されるスリットであることができる。被覆層は1つ以上の伝達部分60を有することができる。例えば、被覆層50中に少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ以上の伝達部分60が存在することができる。複数の伝達部分60は、しみ処理流体300を接触基材200により広く分配するのに実用的であることができる。脆弱線130を、支持体層20の第1の面40の上、支持体層20第2の面30の上、支持体層20の第1の面40及び第2の面30の両方の上に設けることができる。脆弱線130は、支持体層20の構造の内部又は支持体層20の表面の上の物理的及び/又は化学的な不連続部であることができる。
【0022】
被覆層50の周辺縁を支持体層20に連結することができる。支持体層20の第2の面30に対向する被覆層50の一部分の表面の約75%超が支持体層20の第2の面30に連結されているということにおいて、被覆層50を、支持体層20実質的に連続的に連結することができる。支持体層20の第2の面30に対向する被覆層50の一部分の全表面を、支持体層20の第2の面に連結され得る。
【0023】
パッケージ10は、それらの間にパウチ80を形成するために、被覆層50と連結されたパウチ層70を含んでもよく、パウチ80は、パウチ層70と被覆層50との間の閉じた容積により定義される。パウチ層70は支持体層20に直接に連結されて、パウチをその間に形成することができる。パウチ80はしみ処理流体300を含むことができる。パウチ層70を被覆層50にヒートシールすることができる。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、化学的接着、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を取り付けるための任意の既知の方法を使用して、パウチ層70は被覆層50に連結され得る。
【0024】
パウチ層70はブローフィルム又はキャストフィルムであることができる。パウチ層70は、液体不透過性であることができ、パウチ層70の浸透又は破壊の防止に充分に耐久性であることができる。パウチ層70及び被覆層50も、パウチ80内に含まれるしみ処理流体300と化学的に適合性であることができる。すなわち、被覆層50及びパウチ層70は、パッケージが製造されたときから、パッケージ10がしみ処理に使用されたときまでの化学的及び機械的安定性を提供する長い期間、その中に含まれるしみ処理流体300及び外部環境に対して実質的に不活性であることができる。パウチ80は、ある容積のしみ処理流体300を含むことができる。
【0025】
パウチ層70は、単一層又は多数層の積層物であることができる。パウチ層70は箔を含むことができる。パウチ層70は、12μmの厚さのシート材料の層、接着剤層、及び0.06mmの厚さの線状低密度ポリエチレンの層であることができる。パウチ層70は白色であることができる。パウチ層70にデザイン、使用方法、又は装飾的な外観を印刷又は他の方法で貼り付けることができる。パウチ層70は透明であることができる。パウチ層70は、12μmの厚さの金属蒸着ポリエチレンテレフタレートシート材料の層、接着剤層、及び線状低密度ポリエチレンの層であることができる。パウチ層70は、12μmの厚さの銀又はアルミニウム箔の層、接着剤、0.009mmの厚さの銀又はアルミニウム箔、及び0.05mmの線状低密度ポリエチレンシート材料であることができる。パウチ層70は、Glenroy,Inc.(Menomonee Falls,WI,USA)から入手可能な0.058mmの厚さの高強度ポリエチレンフィルム層、0.0191mmの厚さの耐薬品性フィルム(CRC−1)、0.007mmの厚さの箔層、0.0191mmの厚さの低密度ポリエチレンフィルム、及び0.0122mmの厚さの被覆ポリエステルの積層体であってもよく、パウチ70は、被覆されたポリエステルの層が前述の支持体層20から離して向けられるように配向される。
【0026】
1つの実施形態では、パウチ層70を支持体層20と連結して、パウチ80をその間に形成することができる。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、化学的接着、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を取り付けるための任意の既知の方法を使用して、パウチ層70は支持体層20に連結され得る。
【0027】
図1で図示したパッケージ10の断面を図2に示す。図2に示すように、支持体層20の第2の面30は、脆弱線130の反対側の面上に第1の平面領域22及び第2の平面領域24を有する。図2に示すように、伝達部分60は、脆弱線130と実質的に整列することができる。支持体層20が壊されると、パウチ80は、接触基材200と流体連通し、しみ処理流体300は、脆弱線130に近位の伝達部分60及び支持体層20中の割れ目から接触基材200の中に流れ込む。被覆層50は、支持体層20と又は支持体層20の周辺内で同一の拡がりを持つことができる。被覆層50は、支持体層20の周辺と少なくとも同一の拡がりを持つことができる。
【0028】
パッケージ10の底面図を図3に図示する。図3に示すように、支持体層20が破壊されたとき、パウチ80内からのしみ処理流体300を支持体層20中の割れ目から接触基材200の中に輸送することができるように、脆弱線130を、接触基材200と少なくとも部分的に空間的に整列させることができる。図3に示すように、脆弱線は、支持体層20の縁の間で部分的に延在することができる。
【0029】
パッケージ10は、支持体層20の第1の平面領域22及び第2の平面領域24がお互いに実質的に面内にある、第1の位置を有することができる。図4に示すように、パッケージ10を、第1の平面領域22及び第2の平面領域24が実質的に角度の付いた状態で対向する関係にある、第2の位置に遷位することができる。実質的に角度の付いた状態で対向する関係にあるとは、第1の平面領域22及び第2の平面領域24が、支持体層20の第2の面30上で第1の平面領域22と第2の平面領域24との間で測定した内角βが約90度未満で、お互いに配設されているという意味である。
【0030】
第1の位置では、第1の平面領域22及び第2の平面領域24の少なくとも一部はお互いに一体であることができる。支持体層20は、脆弱線130にわたって少なくとも部分的に無傷であることができる。第2の位置では、支持体層20の少なくとも一部は、脆弱線130にわたって不連続であることができる。第2の位置では、支持体層20を、パウチ80が接触基材200と流体連通になるように、脆弱線130に近位で、又は脆弱線130に沿って壊すことができる。
【0031】
パッケージ10が第1の位置にあるときは、パッケージ10を、ポケット、札入れのポケット、財布のポケット、又はダッシュボードの小物入れ中で簡便に持ち歩くことができる。パッケージ10の概ね平らな性状は、かさ高でなく、簡便に収蔵可能な形状をもたらす。
【0032】
図4に示すように、第2の位置では、伝達部分60は流体透過性であることができる。伝達部分60は、例えば、被覆層50中にスリットを入れた結果として流体透過性であることができる。図4に示すように、伝達部分60は、若干延伸して開いた状態とすることができる、スリットであることができる。第2の位置では、第1の平面領域22と第2の平面領域24との間で測定して約45度未満の内角βで、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を配設する。伝達部分60は、被覆層50を通る流体連通をもたらす、さまざまな実施形態を有することができる。第2の位置では、約10度未満の内角β、あるいは約5度未満の内角β、あるいは約1度未満の内角βで、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を配設することができる。第2の位置では、約0度と約5度との間の内角βで第1の平面領域22及び第2の平面領域24を配設することができる。
【0033】
第2の位置では、パウチ80は、折り畳み可能であり、第1の平面領域22及び第2の平面領域24から加えられる圧力によって、パウチ80内に含まれているしみ処理流体300を押し出すことができる。第1の平面領域22及び第2の平面領域24をより近接した角度の付いた状態で対向する関係まで動かすと、パウチ80内に含まれているしみ処理流体300のより多くを、搾り出すか又は押し出すことができる。使用者が有効な搾り出し力を加えると、第1の平面領域22及び第2の平面領域24がお互いに加圧されて、しみ処理流体300を、パウチ80から伝達部分60経由で接触基材200の中に押し出す。折り畳まれた支持体層20は、処理対象の布地のしみの上で接触基材200(存在する場合には)を往復ラビングするときに、パッケージ10の使用者が握るのに好都合な握り構造を提供することができる。
【0034】
第2の位置では、折り畳まれた支持体層20によりもたらされる握り構造によって、消費者は、しみ処理流体300又は接触基材200に手を触れずに、しみの処理にパッケージ10を有効に使用することができるようになる。更に、このような握り構造は、消費者が激しく往復ラビングすることができる、しっかりした構造体を提供することができ、それにより接触基材が存在しない場合には、接触基材200又は壊した支持体層20の縁をしみに押し付けてラビングできる。
【0035】
被覆層50の第2の弾性限界は、支持体層20の第1の弾性限界よりも大きいことができる。このような設計物は、一緒に連結された被覆層50及び支持体層20を歪ませたとき、支持体層20が被覆層50の前に壊れることができる、機械的な構造物を提供することができる。支持体層20を壊すと、被覆層50が、パッケージ10の構造完全性を維持することができ、しみ処理流体300が伝達部分60から流入可能なように、被覆層50の伝達部分60が、被覆層50により結合状態を保つことができるために、このような構成物は望ましいものであることができる。伝達部分60は、制御された流体流れをその中に提供する形状を有することができる。
【0036】
支持体層20を脆弱線130の周りに曲げて、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を実質的に対向する関係まで移動し、それにより支持体層の一部分を脆弱線130にわたって不連続とせしめることにより、パッケージ10を用いてしみの付いた布地を処理することができる。使用者が第1の平面領域22及び第2の平面領域24をお互いに押し付けるとき、しみ処理流体300は、脆弱線130にわたって不連続である支持体層20の一部分から接触基材200に分注される。支持体層20を例えば図5に示す方法に類似の方法で握られ、使用者はしみの付いた布地を接触基材200によりラビングする。
【0037】
より多くの接触基材200をしみの付いた布地と接触させるためには、図6に示すように、接触基材200を1つ以上のヒンジ100により支持体層20に連結することができる。ヒンジ付きの構造を使用することにより、支持体層20を脆弱線130の周りに曲げる又は折り畳んだときでも、接触基材を比較的平らに保つことができる。各ヒンジ100は可撓性材料から形成され、それによって可変距離を支持体層20と接触基材200との間で規定することが可能となる。各ヒンジ100を、第1の面40に部分的に連結し、接触基材200に部分的に連結することができる。支持体層20がしみの処理に使用される前に平面条件にあるときは、関連するヒンジ100での一回の曲げ又は多数回の折り畳みにより、各ヒンジ100を閉じることができる。各ヒンジ100を閉じたとき、接触基材200を支持体層20と対向する関係とすることができ、コンパクトなパッケージ10をもたらすことができる。パッケージを第1の位置から第2の位置まで遷位する前にほぼ平面的な形状を有するように、折り畳まれた可撓性材料片から各ヒンジ100を作製することができる。
【0038】
図7に示すように、支持体層20を壊し、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を実質的に角度の付いた状態で対向する関係まで動かすことにより、パッケージ10を第1の位置から第2の位置まで遷位させたとき、各ヒンジ100を開いて、接触基材200の一部分を支持体層から間隔をあけるようにすることができる。パッケージが第2の位置にあるとき、各ヒンジ100は、図7に示すように断面において概ね「U」又は「V」形状を有することができる。このような構造は、パッケージ10の他の構成要素中のしみ処理流体300の蓄積を制限しながら、しみ処理流体300をパウチ80から接触基材200まで流す、導管を提供することができる。各ヒンジ100は、一方が支持体層20に連結され、一方が接触基材200に連結されている、2つの脚を有すると考えられる。接触基材200に連結されている各ヒンジ100の脚は、支持体層に対向する接触基材200の面の約90%以上がヒンジ100に連結されているということにおいて、接触基材200と実質的に同一の拡がりを持つことができる。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、各ヒンジ100の脚を、接触基材200又は支持体層20に連結することができる。より耐久性のあるパッケージ10を提供するためには、各ヒンジ100を連結するための方法は、しみ処理流体300と化学的適合性であることができる。各ヒンジ100は、3Mから入手可能な3M 3560などの、ポリプロピレンをベースとするテープであることができる。
【0039】
各ヒンジ100は、接触基材200の一体の延長物であり、図8に図示するように接触基材200と同一の構成材料を含むことができる。このような構造は、パッケージ10の形成に組立を要する部品数を減らすことにより、製造を容易とすることもできる。
【0040】
図9に示すように、基盤層110が接触基材200と支持体層20との間に存在し、並びにヒンジ100(存在するならば)が基盤層110に連結されるように、基盤層110を接触基材200及び支持体層20に連結することができる。接触基材200をしみの付いた布地に対して激しくラビングするとき、基盤層110は、パッケージ10の増強された構造安定性をもたらすことができる。基盤層110は、例えば、流体透過性材料のウェブ、又は長さ方向L及び幅方向Wで接触基材200とほぼ同一の拡がりを持つものであるか、又は接触基材200内で横方向に同一の拡がりを持つものである、脆弱線130の近位で選択的に流体透過性とされた材料であることができる。基盤層110は、長さ方向L及び幅方向Wで接触基材200と同一の拡がりを持つものである、流体透過性材料のウェブであることができる。
【0041】
限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、基盤層110を各ヒンジ100により支持体層20に連結することができる。同様に、限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、基盤層110を接触基材200に直接に連結することができる。基盤層110を、1つ以上の中間層により接触基材200に連結することができる。基盤層110は、多孔質フィルム、スリットフィルム、穴開きフィルム、不織布、織布、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料のウェブであることができる。基盤層110は、高密度ポリエチレンをベースとする基材のDelStar Technologies,Incから入手可能な18g/m2の坪量を有し、0.12mmの厚さのDELNET AC 530−NAT−Eなどのポリエチレンをベースとする材料であることができる。
【0042】
ある実施形態では、図10に示すように、分配層120を、例えば、接触基材200と対向する関係及び支持体層20と接触基材200との間で配設することができる。分配層120は、長さ方向L及び幅方向Wで接触基材200の中に及び/又は接触基材200中でしみ処理流体300を広範に分配させることができる。処理対象の布地へのしみ処理流体300の送達を促進するために、分配層120は、パウチ80中に含まれるしみ処理流体300の容積よりも小さい、自由吸収能力を有することができる。分配層120は、炭化水素をベースとするファイバー材料を含むことができる。分配層120は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、レイヨン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるファイバー材料を含むことができる。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、分配層120を接触基材200に連結することができる。分配層120はニードルパンチされたファイバー材料であることができる。分配層120は、150g/m2の坪量を有する、ポリプロピレンのニードルパンチされた不織布であることができる。坪量は、単位面積当たりの重量に対する標準試験方法のEDANA標準試験WSP 130.1(05)に従って、0.0001gの精度の秤りを用いて1cm×1cmの試料について定量可能である。坪量は、5個の試料を一体化し、かつ一体化された重量/面積から平均を計算することに基づいて求められる。分配層120及び基盤層110は複合材料であることができる。DelStar Technologies,Inc.により作製された複合基材のSTRATEX 5.0NP5−Eは、分配層120及び基盤層110の両方を含む単一の製品を提供することができる。この分配層120は1.5mmの厚さであることができる。分配層の厚さを、不織布厚さ(30.5〜99)のEDANA推奨試験方法に従って定量することができる。
【0043】
分配層120の自由吸収能力を次のように測定する。必要とされる器具は、約120mm×120mmのISO 565に従った公称2mmのメッシュサイズステンレススチール試験篩及び試験試料と共に細目金網を入れた皿を含む。皿は、20mmの試験液体深さが可能な、充分な容積のものでなければならない。試験液体は、蒸留水中の10%ドデシル硫酸ナトリウム溶液である。好適な秤量ガラス及びカバーを使用する。プラス・マイナス0.01gの精度を有する秤り及びストップウオッチも必要である。
【0044】
試験を室温25.0±0.2℃及び相対湿度50±5%の実験室中で行う。全ての器具及び試料を試験環境中で2時間平衡化する。過剰な蒸発を防止するために、試験皿をカバーする。構造物を圧縮したり又は他の方法で擾乱を加えないように注意しながら、重量1.00±0.05グラムの分配層120の代表的な長方形試料を、分配層材料から切り出す。試料の幅で割った長さは2未満でなければならず、長さは試料の長い方の面である。個々の分配層120がこのような試験片の作製に充分な寸法のものでない場合には、1つ以上のパッケージ10からの1つ以上の分配層120を一体化して、必要とされる重量及びアスペクト比の長方形試験片のスタックを準備することができる。それぞれの試験片、又は試験片のスタックを、0.01gの精度を有する秤りで秤量する。試験片(又はスタック)を細目金網上に置き、好適なクリップにより幅縁に沿って(すなわち、材料平面中の短い方の寸法に沿った材料の縁の1mm以内で)固定する。ワイヤメッシュ及び取り付けた試料を、試験液体の中に斜めの角度で、試料を上に向けて導入する。沈めたならば、細目金網を試験液体表面の20mm下に水平に置く。皿が平らな底面を有し、試験流体が20mmの深さであれば、これは好都合に行われる。60プラス・マイナス1秒後、細目金網及び試験片(又はスタック)を試験液体から取り出し、自由にぶらさげて、120プラス・マイナス3秒間液を切る。液切り工程時クリップが試料の頂部の水平縁にくるように、試料を向ける。液切り後、試験片(又はスタック)を、試験片又はスタックから流体を絞らずに細目金網から分離する。次いで、試験片(又はスタック)の重量を±0.1グラム内で計量する。濡らす前の試験片又はスタックの重量と濡らした後の試験片又はスタックの重量との差は、材料1グラム当たりに吸収される流体のグラム数での材料の自由吸収能力である。これは、1g/cm3を試験液体の密度として使用することにより、材料1グラム当たり吸収される流体の容積に変換される。自由吸収能力は、この手順に従って行われる5回の測定値の平均として得られる。5回の測定の各組に対して新しく条件付けした試験液体を使用する。
【0045】
図11に示すようにパッケージ10が接触基材200を欠くパッケージ10の実施形態も意図されている。支持体層20を脆弱線130に沿って壊すことにより、パッケージ10を第2の位置で位置決めすると、しみ処理流体300は、支持体層20中に作られた不連続部から流れることができる。言い換えれば、第2の位置で、パウチ80は、支持体層の第1の面40と流体連通となることができる。第2の位置で、しみ処理流体300を、脆弱線130にわたって不連続である支持体層20の一部分から排除することができる。このような実施形態では、しみ処理流体300は、ゲルであって、しみ処理流体300の塗布の改善された制御をもたらすことができる。流体を処理対象の布地に塗布したとき又はその後で、支持体層20の壊された縁を処理対象の布地に往復してこすり付け、それによりしみ処理流体300をしみに塗布及び分配し、並びに潜在的にはしみの集塊/小球を除去し、しみを漂白し、及び/又は布地を増白することができる。
【0046】
図11に図示したパッケージ10を使用することにより、支持体層20を脆弱線130の周りに曲げて、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を実質的に対向する関係に移動して、支持体層の一部分が脆弱線130にわたって不連続となるようにせしめることによって、しみの付いた布地を処理することができる。使用者が第1の平面領域22及び第2の平面領域24を相互に押し付けるにつれて、しみ処理流体300は、脆弱線130にわたって不連続である、支持体層20の一部分から支持体層20の第1の面40に分注される。使用者は、支持体層20を例えば図5に示す方法に類似の方法で握り、脆弱線130にわたって不連続である、支持体層20の一部分によりしみの付いた布地をラビングする。
【0047】
図12は、第1のしみ処理流体301及び第2のしみ処理流体302を分注することができるパッケージを提供する、パッケージ10の別の実施形態の切欠き透視図である。この構造は、好ましい相互作用をするか、又は異なるタイプのしみに対して処理効果をもたらす2つの材料が分注可能であるということにおいて実用的であることもできる。例えば、第1のしみ処理流体301が疎水性のグリースしみの有効な処理をもたらし、第2のしみ処理流体302が、例えば漂白により親水性のワインしみの有効な処理をもたらしてもよい。第1のしみ処理流体301が洗剤であり、第2のしみ処理流体302が漂白剤化合物であってもよい。このような構造は、安定でないか又は長期間一緒に収蔵すると効力を失う、しみ処理流体成分に有利である。このような構造は、異なる局所的な条件(例えば、pH)下で最適な効力を有する、しみ処理流体成分に有利である。パウチ層70を、支持体層20と、又は被覆層50(存在するならば)に連結して、第1のパウチ81及び第2のパウチ82を形成することができる。第1のパウチ81及び第2のパウチ82を、分離部分83により分離することができる。分離部分83を、脆弱線130に平行に、概ね脆弱線130に直交して整列させることができるか、又は他の方法で脆弱線130と概ね整列させることができる。第1のパウチ81は、第1のしみ処理流体301を含むことができ、第2のパウチ82は第2のしみ処理組成物302を含むことができる。分離部分83の一部分は、脆弱線130の一部分を横切ることができる。
【0048】
例えば、図13及び14に示すように、パッケージ10を剥離型保護材400により被覆することができる。支持体層20の第1の面40を、剥離型保護材400により少なくとも部分的に被覆することができる。剥離型保護材400は、支持体層20の周りを包み、接触基材200を実質的に被覆するラップ、パッケージ10を少なくとも部分に包むスリップ裏打ち材、パッケージ10を包むエンベロープ、パッケージ10を包む密封されたパケット、及び支持体層20に剥離可能なように連結された剥離細片からなる群から選択可能である。接触基材200は、支持体層20の第1の面40から離れて向いている、接触基材200の表面の約75%以上が被覆される場合には、実質的に被覆されていると考えられる。保護材400は、例えば、フィルム、紙、ファイバー質不織布、箔、又はパッケージ10を含む、このような保護材400に使用する前に発生するかもしれない摩耗及び引き裂きに耐えることができる、任意の他の好適な耐久性のある材料から構成可能である。保護材400は、札入れ、財布、ポケット、おむつ袋、ダッシュボード小物入れ、又は使用前にパッケージ10を置いた他のこのような場所中でパッケージ10が持ち運びされることによるパッケージ10への損傷を制限し得る。保護材400を、支持体層20の第1の面40に接着剤により剥離可能なように連結してもよい。限定ではないが、接着剤、のり、超音波接合、熱接着、及び融解接合を含む、2つの材料を結合するための任意の既知の方法を用いて、保護材400を支持体層20に剥離可能なように連結してもよい。
【0049】
パッケージ10は、米国特許第7,506,762(B2)号で開示されているものなどの、分注パッケージであることができる。パッケージ10は、米国出願公開特許第2009/0074502(A1)号で開示されているものなどの、分注パッケージであることができる。
【0050】
1つの実施形態では、接触基材200は、2.2デニールのファイバー直径、51mmのファイバー長さ、及び60g/m2の坪量を有する、コード020と称される、ES Fibervisions/Chissoからのポリプロピレン/ポリエチレン70/30の中空16セグメント化パイマイクロファイバーであることができる。1つの実施形態では、接触基材は、発泡体、ファイバー材料、フィルム、ブラシ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択可能である。理論により拘束されるのではないが、処理対象の布地に粗表面を与える接触基材200は、粗表面が布地からしみの除去を促進することができるために、しみ処理を改善することができると考えられる。接触基材200は、Kinsei Seishi Co.,Ltd.(Kochi−shi,Japan)から入手可能な、Product ID:MF−60PEPであることができる。
【0051】
マイクロファイバーを含む接触基材200は、有効なしみ除去をもたらすことができる。理論により拘束されるのではないが、マイクロファイバーは、接触基材を構成するファイバーの間に大きいファイバーからなる接触基材200よりも脂性材料を効果的に保持する能力がある、より小さい隙間空間をもたらすと考えられる。1つの実施形態では、接触基材200は、約0.1マイクロメートルと約5マイクロメートルとの間の直径を有する、マイクロファイバーを含むことができる。1つの実施形態では、接触基材200は、約5マイクロメートル未満の直径を有する、マイクロファイバーを含むことができる。マイクロファイバーは、このようなマイクロファイバーの形成時に生じる鋭いファイバー縁を有する、刻み目付きパイマイクロファイバーであることができる。マイクロファイバーは、ステープルファイバー又は連続スプリットファイバーであることができる。マイクロファイバーは、スプリットポリプロピレン−ポリエチレンマイクロファイバーであることができる。
【0052】
接触基材200は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、レイヨン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択可能である。このようなファイバーのタイプは、恐らくその分子構成によりしみの浮き上がりをもたらすと考えられる。マイクロファイバーは上述のように実用的であり、接触基材は、マイクロファイバーを含む不織布、マイクロファイバーを含む織布、マイクロファイバーを含むループ状の織布、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0053】
理論により拘束されるのではないが、グリース又はオイルを含む布地しみに対して接触基材200のハンセン溶解度パラメーターは、接触基材200がこのようなしみを試験対象の布地から浮き上がらせる能力を示すものであると考えられる。表題「Hansen Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」(by Charles M.Hansen、CRC Press,Taylor & Francis Group LLC発行(Boca Raton,Florida,United States of America))なる書は、ハンセン溶解度パラメーターに関する論文である。特定の分子に対して、3つのハンセン溶解度パラメーター:δD、δP、及びδHがある。ここで、δDはモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギー分散成分であり、δPはモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分であり、δHはモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分である。3つのパラメーターは、ハンセン空間と呼ばれる三次元空間中の点の座標と考えられることができる。
【0054】
しみ処理の文脈において、接触基材200がグリース又はオイルしみを布地から浮き上がさせる能力は、布地から除去されるべきグリース又はオイルしみ、及び接触基材200のハンセン溶解度パラメーターに依存すると考えられる。しみの浮き上がりは、接触基材200のハンセン溶解度パラメーターが、ハンセン空間において処理対象のグリース又はオイルしみのハンセン溶解度パラメーターに近位にある場合にもたらされると考えられる。処理対象の接触基材200及びしみのハンセン溶解度パラメーターがそのような関連にある場合には、しみ及び接触基材200は、しみの付いた布地から接触基材200にしみを移行させることができるのに充分なようにお互いに分子的に類似していると考えられる。
【0055】
接触基材200に対するハンセン溶解度パラメーターは、2010年1月7日現在http://www.hansen−solubility.com/から入手可能な、HSPiPバージョン2.0ソフトウエアを用いて求められる。接触基材200の各構成成分のポリマー分子に対するハンセン溶解度パラメーターは、改良SMILES表記法を用いてモノマー単位及び付着点を特定することにより、HSPiP中のポリマーHSP予測ツールを用いて求められる。繰り返し単位1を使用する。ハンセン溶解度パラメーターのいずれかがHSPiPバージョン2.0によりゼロ未満であると予測される場合には、このようなパラメーターはゼロの値を有すると決められる。
【0056】
2つ以上の異なる分子を含む接触基材200に対しては、ハンセン溶解度パラメーターは、構成成分分子の重み付けした重量分率基準で次のように計算される:
【数1】
式中、xは計算対象の特定のハンセン溶解度パラメーターに依存して、D、P、又はHであり、iは構成成分分子の番号識別子であり、φは構成成分分子の重量分率である。2つ以上の異なる分子を含む接触基材の200のハンセン溶解度パラメーターを求めるためのこのような方法は、コア/シース構造を有するファイバーの場合のように、浮き上がらせるべきしみに対する異なる分子の空間的な関係が、しみ除去にどのように影響を及ぼすかを要因として含めることができない。
【0057】
「Hansen Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」により報告されているラード及びオリーブオイル、又はタコグリースと同一のハンセン空間の一般的な領域の中又は近傍に存在するハンセン溶解度パラメーターを有する接触基材200は、接触基材200として使用可能である。このような接触基材200は、ハンセン空間中でグリース及びオイルから遠いハンセン溶解度パラメーターを有する接触基材200と比較して、改善されたしみ浮き上がり性をもたらす能力があり得る。
【0058】
図15及び16は、関心対象のハンセン空間の三次元表示を提供すると解釈可能である。図16及び17に図示されている実の円弧は、δD、δP、及びδHが正であるハンセン空間の球状容積の縁の一部を表す。例えば、図15は、δH及びδPがビューワーに示されているハンセン空間の側面図と考えることができ、図16は、δD及びδPがビューワーに示されている、ハンセン空間の上面図であると考えることができる。図15及び16は、関心対象のハンセン空間の三次元表示を提供すると解釈可能である。図15及び16に図示されている実の円弧は、δD、δP、及びδHが正であるハンセン空間球状容積の縁の部分を表す。
【0059】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。本明細書で使用するとき、ハンセン空間球状容積は、ハンセン空間球状容積が、「Hansen Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」でハンセン空間として記述されているものの外側に延在するように、負のハンセン溶解度パラメーターを含むと考えられる。すなわち、ハンセン空間球状容積は、ハンセン空間の外側にあるδD、δP、又はδHの負の値を含み、これは正であるδD,δP、又はδHの値に限定される。そのようなものとして、例えば、ハンセン空間の球状容積の一部内に含まれ、正であるδD、δP、又はδHの値を有する接触基材200が対象となることができるということが理解可能である。
【0060】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料であることができる。
【0061】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0062】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるが、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外側に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0063】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるが、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外側に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0064】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約25000MPa3/2、又は約20000MPa3/2、又は約15000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0065】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約25000MPa3/2、又は約20000MPa3/2、又は約15000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれ、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0066】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約25000MPa3/2、約20000MPa3/2、又は約15000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるが、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0067】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約25000MPa3/2、又は約20000MPa3/2、又は約15000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるが、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外側に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0068】
1つの実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約10000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0069】
他の実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、約9000MPa3/2、あるいは約8500MPa3/2、あるいは約8000MPa3/2、あるいは約6000MPa3/2、あるいは約4000MPa3/2、あるいは約3000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0070】
他の実施形態では、接触基材200は、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持ち、並びにこれらの定義されたハンセン空間球状容積のそれぞれに対してδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、約9000MPa3/2、あるいは約8500MPa3/2、あるいは約8000MPa3/2、あるいは約6000MPa3/2、あるいは約4000MPa3/2、あるいは約3000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料を含むことができる。
【0071】
他の実施形態では、接触基材200は、正であり、[(δD−18MPa1/2)2+(δP−1MPa1/2)2+(δH−3MPa1/2)2]1/2が約13MPa1/2未満である、ハンセン溶解度パラメーターδD、δP、及びδHを有するファイバー材料を含むことができる。別の実施形態では、接触基材200は、正であり、[(δD−18MPa1/2)2+(δP−1MPa1/2)2+(δH−3MPa1/2)2]1/2が約11MPa1/2未満、あるいは約9MPa1/2未満、あるいは7MPa1/2未満、あるいは約5MPa1/2未満のハンセン溶解度パラメーターδD、δP、及びδHを有するファイバー基材を含むことができる。
【0072】
別の実施形態では、接触基材200は、正でありδDがモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分であり、δPがモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分であり、及びδHがモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分であり、[(δD−18MPa1/2)2+(δP−1MPa1/2)2+(δH−3MPa1/2)2]1/2が約13MPa1/2未満であり、並びにδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、ハンセン溶解度パラメーターδD、δP、及びδHを有するファイバー材料を含むことができる。
【0073】
他の実施形態では、接触基材200は、正であり、[(δD−18MPa1/2)2+(δP−1MPa1/2)2+(δH−3MPa1/2)2]1/2が約11MPa1/2未満、あるいは約9MPa1/2未満、あるいは7MPa1/2未満、あるいは約5MPa1/2未満であり、並びにこれらの実施形態のそれぞれに対してδDが約15MPa1/2と約20MPa1/2との間にある、ハンセン溶解度パラメーターδD、δP、及びδHを有するファイバー材料を含むことができる。
【0074】
理論により拘束されるのではないが、記述される接触基材200が、しみ処理流体300をしみの付いた布地まで送達し、可能性としては歪み成分を偶発的に獲得するように機能するのみならず、接触基材200それ自身が、処理対象のしみから遠いハンセン溶解度パラメーターを有する接触基材200と比較して、接触基材200のハンセン溶解度パラメーターに近位のハンセン空間に在るハンセン溶解度パラメーターを有するしみの改善された除去をもたらすこともできると考えられる。
【0075】
しみ処理流体300の組成物は、米国特許第6,846,332号で開示されている、キレート化剤、ラジカル掃去剤及び好ましくは漂白剤を含有する組成物などのしみ処理用の当該分野で既知のものであってよい。
【0076】
しみ処理流体300の組成物は水性又は非水性であることができる。1つの実施形態では、組成物は、0%〜約99.99重量%、あるいは約70%〜約99.99重量%、あるいは約90%〜約99.9重量%、あるいは約94.0%〜約99.0重量の水を含み、それゆえ、水溶液であることができる。
【0077】
しみ処理流体300の組成物は、漂白剤、界面活性剤、溶剤、キレート化剤、ラジカル掃去剤、及びこれらの混合物などの追加の成分を含むことができる。
【0078】
しみ処理流体300の組成物は、組成物の約0.001重量%〜約99.99重量%、あるいは約0重量%〜約15重量%、あるいは約0.001重量%〜約7重量%の漂白剤を含むことができる。1つの実施形態では、漂白剤は、ペルオキシド漂白剤(N,N−フタロイルアミノペルオキシカプロン酸又は他のペルオキシ酸などの)、過酸化水素、及びこれらの混合物からなる群から選択可能である。1つの実施形態では、しみ処理流体300の組成物は、組成物の約0.5%〜約3重量%の過酸化水素を含むことができる。過酸化水素以外のペルオキシド源が本発明では使用可能である。洗剤技術で既知の比較用の過酸、過塩、過漂白剤、金属触媒等が使用可能である。
【0079】
しみ処理流体300の組成物は、組成物の約0.001%〜約99.99重量%、あるいは約0.05%〜約5重量%、約0.05%〜約2重量%の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。特定の例には、エトキシル化アルコール又はプロポキシル化、エトキシル化アルコール及びこれらの硫酸塩、又はアルキルフェノール、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、NaAES、NH4AES、アルキル四級アンモニウム塩、アミンオキシド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0080】
エトキシル化C10〜C16アルコール、例えばNEODOL 23−6.5、低分子量アルキル/アリールアミン、アルキル/アリールポリアミン、又はこれらの組み合わせなどの非イオン性界面活性剤を、組成物中で使用してもよい。本明細書でクリーナーとして、及び水性組成物の安定化に使用され得るアルキル硫酸塩界面活性剤は、式CH3(CH2)x(CHOSO3−M+)CH3及びCH3(CH2)y(CHOSO3−M+)CH2CH3(式中、x及び(y+1)は、少なくとも7、好ましくは少なくとも9の整数であり、Mは水可溶化カチオン、特にナトリウム、カリウム、及びマグネシウムである)のC8〜C18一級(「AS」;好ましくはC10〜C14、ナトリウム塩)、並びに分岐鎖及びランダムC10〜C20アルキル硫酸塩、及びC10〜C18第2のアリール(2,3)アルキル硫酸塩並びにオレオイル硫酸塩などの不飽和硫酸塩である。本明細書で使用されるアルキルエトキシ硫酸塩(AES)界面活性剤は、式R(EO)xSO3Z(式中、RはC10〜C16アルキルであり、EOは−CH2CH2−O−であり、xは1〜10であって、例えば、(EO)2.5、(EO)6.5等と平均として便宜的に表される混合物を含むことができ、及びZはナトリウム、アンモニウム、カリウム、又はマグネシウム(MgAES)などのカチオンである)を有すると便宜的に表される。加えて、好適な対イオンが限定ではないが塩酸塩及びアルキル硫酸塩を含むことができる四級アルキルアンモニウム化合物などの界面活性剤。C8〜C16アルキルアミンオキシド界面活性剤も使用することができる。
【0081】
しみ処理流体300の組成物は、組成物の0%〜約99.99重量%、あるいは約0%〜約20重量%、あるいは0%〜約10重量%の非水性溶剤を含んでもよい。本明細書で有用な溶剤には、ブトキシプロポキシプロパノール(BPP)、ベンジルアルコール、シクロヘキサンジメチルアミン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びプロピレングリコールフェニルエーテルなどのグリコールエーテル、又は本明細書で述べられている他の溶剤が挙げられる。1つの実施形態では、溶剤は有機溶剤である。1つの実施形態では、組成物は、約等量の異性体の混合物として商用量で入手可能な、約1%〜約4%のBPPを含む。
【0082】
他の有用な溶剤は、トルエンスルホン酸ナトリウム及びクメンスルホン酸ナトリウムなどのヒドロトロープ、エタノール及びイソプロパノールなどの短鎖アルコール等である。これらは、単なる溶剤として又は他の溶剤との組み合わせで組成物中に存在することができる。
【0083】
溶剤:界面活性剤の重量比は、約10:1〜約1:1の範囲にあることができる。1つの実施形態では、組成物は、2%のグリコールエーテル及びジエチレングリコール溶剤の混合物及び0.3%のラウリル硫酸ナトリウムを含む。
【0084】
しみ処理流体300の組成物はキレート化剤を含んでもよい。組成物は、全組成物の約5重量%までのキレート化剤、又はこれらの混合物を含むことができる。1つの実施形態では、組成物は、しみ処理流体の約0.001%〜約1.5重量%、あるいは約0.001%〜約0.5重量%、あるいは約0.001%〜約5重量%のキレート化剤を含む。
【0085】
キレート化剤は、当該分野で既知の任意のものを含むことができ、ホスホネートキレート化剤、アミノカルボン酸塩キレート化剤、他のカルボン酸塩キレート化剤、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸、多官能基置換芳香族キレート化剤、クエン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0086】
1つの実施形態では、キレート化剤は、アミノアミノトリ(メチレンホスホン酸)、ジ−エチレン−トリアミノ−ペンタ酢酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ベンゼンジスルホン酸、1−ヒドロキシエタンジホスホネート、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸、及びこれらの混合物であることができる。
【0087】
本明細書での組成物は、このような材料が適合性であるか、又は好適な配合がされているならば、組成物の化学的安定性を改善するために有機安定剤も含んでもよい。組み込む場合には、有機安定剤を、組成物の約0.001%〜約5.0重量%、あるいは約0.001%〜約0.5重量%のレベルで使用することができる。
【0088】
しみ処理流体300の組成物は、ラジカル掃去剤又はその混合物を含んでもよい。ラジカル掃去剤は、組成物の約10重量%までの範囲の量で組成物中に存在することができる。1つの実施形態では、組成物は、組成物の約0.001%〜約0.5重量%のラジカル掃去剤を含む。
【0089】
本明細書で有用なラジカル掃去剤には、周知の置換モノ及びジヒドロキシベンゼン、並びにそれらの類似体、アルキル及びアリールカルボキシレート、並びにそれらの混合物が挙げられる。特定の例には3,4,5−トリメトキシ安息香酸(TMBA)及びテトラブチルエチリデンビスフェノールが挙げられる。
【0090】
しみ処理流体300の組成物は、少量のさまざまな任意の成分を含んでもよく、それには酵素、保存剤、帯電防止剤、酸化防止剤/安定剤、芳香剤香料、悪臭吸収成分(シクロデキストリンなどの)、漂白剤活性剤、ビルダー、ポリマー型汚れ放出剤、分散性ポリマー、油吸収性ポリマー;曇り防止剤及び/又は腐食防止剤、染料、充填剤、殺菌剤、ヒドロトロープ剤、ソルボトロープ剤、酵素安定剤、可溶化剤、粘土汚れ除去剤/再付着防止剤、布地柔軟剤、染料移行防止剤、増白剤、漂白剤触媒、静電コントロール剤、増粘剤等が挙げられる。使用する場合には、このような任意の成分は、組成物の0.0001%〜10重量%、あるいは0.01%〜2重量%を含むことができる。
【0091】
特定の配合物のクリーニング効力を最大とするためにこの配合物のpHを選択することができる。過酸化水素が配合物中に存在する場合には、pHを3と6との間に維持しなければならない。過酸化水素が存在しない場合には、pHを高くすることができる。所望のpHを維持するために緩衝剤、例えばクエン酸を使用してもよい。
【0092】
1つの実施形態では、このような布地表面上のしみを処理した後、布地表面上に目に見える残渣を僅かしか残さないように、しみ処理流体300の組成物を配合することができる。したがって、しみ処理流体300の組成物は、さまざまなポリアクリル酸塩をベースとする乳化剤、ポリマー型帯電防止剤、無機ビルダー塩及び他の残渣形成性材料を、組成物の約0.1重量%〜約0.3重量%の低レベルを除いて実質的に含まないことがあり、好ましくは0%のこのような材料(%は、本明細書で使用するとき、100%活性物の重量%を表す)を含む。同じように、しみ処理流体300の組成物中で使用される水は、蒸留、脱イオン、又は他の方法で残渣形成性材料を含まないようにすることができる。
【0093】
1つの実施形態では、しみ処理流体300の組成物を液体の布地処理組成物として配合することができる。1つの代替の実施形態では、これらをゲルとして提供してもよい。
【0094】
しみ処理流体300の組成物の理論的実施例
しみ処理流体300−実施例1
【表1】
【0095】
しみ処理流体300−実施例2
【表2】
【0096】
しみ処理流体300−実施例3 & 4
【表3】
【0097】
しみ処理流体300−実施例5
【表4】
【0098】
しみ処理流体300−実施例6〜12
【表5】
【0099】
1つの実施形態では、しみ処理流体300は、95.05重量%の蒸留水、0.34重量%のラウリル硫酸ナトリウム、1.68重量%のアミンオキシド、1.5重量%のグリコールエーテルPPh、0.2重量%のEDDS、0.21重量%のクエン酸、1.00重量%の過酸化水素、0.02重量の香料を含むことができる。1つの実施形態では、しみ処理流体300は、96.04750重量%の蒸留水、0.90重量%のラウリル硫酸ナトリウム、0.15重量%の硫酸マグネシウム溶液、0.30重量%のアミンオキシド、1.5重量%のグリコールエーテルPPh、0.0025重量%のEDDS、0.08重量%のクエン酸、1.00重量%の過酸化水素、0.02重量%の香料を含むことができる。
【0100】
接触基材200は淡く着色した少なくとも1つの面を有することができる。淡く着色した接触基材200は、処理対象のしみの処理対象の布地からの効果的に浮き上がり、及び接触基材200への移行の指示物として機能することができる。接触基材200がしみを捕捉すると、接触基材の色は濃くなる傾向がある。しみが生じる可能性のあるレストランなどの暗い照明の場所で見えにくいことがある、模様付きの布地上のしみに対しては、使用時に濃くなる淡く着色した接触基材200を有することは、接触基材の使用者が除去対象のしみをモニターする助けとなることができる。
【0101】
接触基材200は約80超のL*値を有することができる。接触基材200は約85超のL*値を有することができる。接触基材200は約90超のL*値を有することができる。接触基材200は約95超のL*値を有することができる。接触基材200は、約90超のL*値及び約−5と約5との間のa*値及び約−5と約5との間のb*値を有することができる。
【0102】
接触基材200の色を、反射率分光光度計により色L*、a*、及びb*値に従って測定する。接触基材200が支持体層20に連結されている場合には、接触基材200のL*、a*、及びb*値を、支持体層20から離れて向いている接触基材200の面の上で測定する。
【0103】
Hunter Associates Laboratory(Reston,Va)から入手したHunter Lab LabScan XE反射分光光度計を使用して、反射色を測定する。接触基材200を、18℃と24℃(65°Fと75°F)との間の外周温度、及び50%と80%との間の相対湿度で試験する。
【0104】
分光光度計をCIELab色スケールに設定し、D65照明を用いる。観察者を10°に設定し、モードを45/0°に設定する。エリアビューを0.318cm(0.125”)に設定し、ポートサイズを0.51cm(0.20”)に設定する。分光光度計を較正してから、供給業者から機器と共に供給される黒色のガラス及び白色の参照用タイルを用いてサンプルを分析する。較正をLabScan XEユーザーズマニュアル、マニュアルバージョン1.1(2001年8月、A60−1010−862)に記載されているように製造業者の取扱説明書に従って実施する。参照用タイル又はサンプルのクリーニングが必要な場合、エンボス加工、ローション、又は光沢剤を含まないティッシュ(例えば、Puffsティッシュ)のみを使用する。支持体層20の第1の面40から離れて対向する接触基材200上の任意の試料点を選択することができる。
【0105】
接触基材200を分光光度計の試料ポートにかぶせて置き、白色クランプ円板を接触基材200の後ろに置く。接触基材は実質的に平らな条件で、皺のないものであることとする。
【0106】
接触基材を取り外し、置き直して、接触基材の色を少なくとも3回読み取る。2つの試料点が重なり合わないように、接触基材の異なる領域において各読み取りを行うこととする。読み取り値を平均して、L*、a*、及びb*の報告値を得る。
【0107】
本明細書で記述されるようなパッケージ10を、しみの付いた布地を処理するための方法で使用することができる。この方法の工程は、支持体層20を脆弱線130の周りで曲げて、第1の平面領域22及び第2の平面領域24を実質的に対向する関係に動かすことによって、支持体層20の一部分が脆弱線130にわたって不連続になるようにする工程を含む。しみ処理流体300を、脆弱線130にわたって不連続である支持体層20の一部分から支持体層20の第1の面40に分注することができる。次いで、使用者は、支持体層20を握り、しみの付いた布地を脆弱線130にわたって不連続である支持体層20の一部分によりラビングする。この方法の一部として、接触基材200がパッケージ10の一部であるならば、しみ処理流体300を、脆弱線130に近位の支持体層20の第1の面40に連結された流体透過性の接触基材200に分注する。分配層120が存在するならば、しみ処理流体300を分配層120から接触基材200に輸送することができる。
【0108】
しみの付いた布地は、しみ処理流体300を含む接触基材200を準備する工程であって、接触基材200は、約5マイクロメートル未満の直径を有するマイクロファイバーを含む、工程と、接触基材200をしみの付いた布地と接触させ、しみ処理流体300をしみの付いた布地に移させる工程と、しみの付いた布地を接触基材200によりラビングする工程と、を含み、しみ処理流体300は、しみ処理流体300の約0.001%〜約99.99重量%の界面活性剤を含む、しみの付いた布地を処理するための方法により、処理可能である。接触基材200は、本明細書で記述する接触基材200の実施形態のいずれかであることができる。しみ拭き用具を使用して、接触基材200が支持体層20に連結されている方法を実施することができる。支持体層20は、使用者がしみを接触基材200により拭くときに使用者に対して握りを提供することができる。しみの付いた布地を接触基材によりラビングする工程は、接触基材200に連結された支持体層20により補助され得る。しみ拭き用具は支持体層20であることができる。しみ拭き用具は、接触基材200と操作可能なように係合され、人間の手で握るための大きさ及び寸法の剛体であることができる。
【0109】
この方法は、パッケージ10の使用者が衣装を着ているときに、衣装上で実施可能である。しみの付いた布地は繊維質の織布又は不織布ウェブであることができる。例えば、しみの付いた布地は衣装の一部であることができる。1つの実施形態では、この方法を使用して、布地上のグリース又はオイルしみを処理することができる。
【0110】
表1に示すさまざまな接触基材に対するタコグリースしみ除去を測定する試験を行った。
【表6】
【0111】
A.単一の10cm平方試料の重量基準で計算した坪量
6位置のNu−Martindale摩耗試験機を用いて、しみ除去試験を行った。試験したしみの付いた布地は、Testfabrics,Inc.(West Pittiston,PA,USA)から入手可能な、漂白、シルケット加工、櫛梳き加工した木綿ブロードの140mm直径の試料であった。3.1gのドデシル硫酸ナトリウム(SLS)溶液及び0.94gのアミンオキシド(AO)溶液を、96.37gの脱イオン水に添加して、しみ除去の試験の目的で0.9%のAO、0.3% SLS溶液とすることにより、しみ処理流体を作製し、接触基材をしみ処理流体により濡らした。試験した接触基材は38mmの直径を有していた。
【0112】
試験した接触基材及び木綿ブロード布試料を、試験前に一定の温度(21±1℃(70±2°F))及び湿度(65%±2%相対湿度)(CTCH)で少なくとも8時間平衡化した。平衡化期間の後、試験した各接触基材の初期重量を測定した。
【0113】
Empirical Manufacturing Company(Cincinnati,OH,USA)から入手し、水浴中で45℃〜50℃(113°F〜122°F)の間まで加熱し、ピペットの中に吸引した標準のタコグリースを、CTCH中でピペットを用いて綿ブロード試料に塗布した。次いで、ピペットを用いて、1ミリリットルの標準のタコグリースを各接触基材に塗布した。それぞれの綿ブロード試料に塗布したタコグリースの重量は0.2850+/−0.0250gであった。タコグリースを綿ブロード試料に塗布した後タコグリースでしみを付けた綿ブロード試料を10分間冷却した。
【0114】
綿ブロード試料及び接触基材を、Nu−Martindale摩耗試験機の個別の摩耗位置に固定した。Nu−Martindale摩耗試験機の各位置は、単一の綿ブロード試料の単一の接触基材による摩耗をもたらす。12kPa(1.4ポンド)のおもりを使用して、摩耗時に応力を加える基材に法線力(処理表面に垂直な)を加えた。試験において使用される摩耗サイクル数は500であった。
【0115】
摩耗後、綿ブロード試料及び接触基材を、摩耗試験機から取り外し、CTCH室中で少なくとも8時間平衡化した。平衡化期間後、綿ブロード試料及び接触基材の重量を個別に測定した。摩耗後の接触基材の最終重量から接触基材の初期重量を差し引くことにより、接触基材により集められたタコグリースの重量を求めた。しみ処理流体中の非水成分の重量が小さく、接触基材に初めに塗布されたしみ処理流体の一部が恐らく綿ブロード試料に移行されるために、摩耗試験及び摩耗試験後の平衡化期間の後に接触基材上に残存するしみ処理流体の任意の成分の重量は、無視し得ると仮定した。接触基材のしみ処理能力を、接触基材の重量当たりの取得タコグリースの重量として定義されるタコグリース吸収の形で定量化した。
【0116】
「Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」(by Charles M.Hansen,Hansen、CRC Press、Taylor & Francis Group LLC発行(Boca Raton,Florida,United Statesof America))に記述されている方法に一部基づく多溶剤法を用いて、タコグリースのハンセン溶解度パラメーターを測定した。タコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターを、δD=17.62MPa1/2、δP=1.06MPa1/2、δH=3.06MPa1/2であると求めた。ハンセン空間中のタコグリースに対する球の半径Rを、R=5.9MPa1/2であると求めた。
【0117】
タコグリースの肉眼的な溶解の度合いを、5mLの所定の溶剤を試験管中で0.5gのタコグリースにガラスピペットにより添加し、10秒間渦流を形成することにより点数付けした。透明−分離無し−全部溶解と記述されている結果には評点1を与えた。濁り有り−分離無し、と記述されている結果には評点2を与えた。濁り有り−分離有りと記述されている結果には評点3を与えた。若干濁り有り−分離有りと記述されている結果には評点4を与えた。若干ヘーズ有り−分離有りと記述されている結果には評点5を与えた。透明−分離有りと記述されている結果には評点6を与えた。これらの特性評価は「Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition」の付属書類A、表A.3に説明され、異なる溶剤−溶質系に対するものと示されている尺度に概ね対応するように選択された。
【0118】
表2は、タコグリースに作用している溶剤に対する観察されたタコグリースの肉眼による溶解の評点のリストである。
【表7】
【0119】
評点1は、タコグリースが評点付けされた溶剤中で可溶であるということを示すと考えられた。評点2〜6は、タコグリースが評点付けされた溶剤中で不溶であるということを示すと考えられた。使用された溶剤のハンセン溶解度パラメーターをHSPiPソフトウエアに入れた。
【0120】
HSPiPソフトウエアの最良適合法を使用して、タコグリースが可溶である溶剤がタコグリースが不溶である溶剤から分離するように、タコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターの解を同定した。解は、ハンセン空間中でタコグリースが可溶である溶剤を含み、かつタコグリースが不溶である溶剤を含まない球である。タコグリースが可溶であるか又は不溶であるかに基づく溶剤を分割する制約に合致することができる球が潜在的には無数に存在し、並びにソフトウエア中ではランダムな方法を使用して解を同定するので最良適合法は、唯一解を与えない。最良適合法の多数回の実行を行って、ハンセン空間中でのタコグリースの球に対する潜在的な最小半径を同定した。
【0121】
次いで、最良適合法の多数回の実行後の球の潜在的な最小半径を、半径に対するスタートの見積もりとして選択して、タコグリースが可溶である溶剤を含み、かつタコグリースが不溶である溶剤を含まない、ハンセン空間中での球の半径をよりよく定義した。
【0122】
次いで、半径に対するスタートの見積もりを反復して、タコグリースが可溶である溶剤のグリースが不溶である溶剤からの分離をなお可能とさせるハンセン溶解度パラメーターに対する解が可能である最小半径を求めた。半径に対するスタートの見積もりから出発する反復工程の5回の実行を行って、最小半径を求めた。ハンセン溶解度パラメーター及び半径に対するスタートの見積もりから出発する反復から得られる半径を、タコグリースが可溶である溶剤を含む最小の半径であるとして記録した。
【0123】
上述の最良適合の工程を、タコグリースが可溶である溶剤に最近接してタコグリースが不溶である溶剤は、タコグリースが可溶である溶剤であると考えられる条件に対して繰り返した。このような解析は、タコグリースが可溶である溶剤に加えてタコグリースが可溶である溶剤に最近接してタコグリースが不溶である溶剤を含む最大の球を同定した。これらのハンセン溶解度パラメーター及び半径を、タコグリースが可溶である溶剤を含む最大の半径であるとして記録した。
【0124】
最小の球及び最大の球に対するハンセン溶解度パラメーターを平均し、これらの平均したパラメーターを、タコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターを記述するものとして記録した。この方法により求められたハンセン溶解度パラメーター及び半径は、最小の球の平均の周辺を超えた及び最大の球の平均内の周辺を有する球を記述するものである。
【0125】
上述のHSPiPバージョン2.0のソフトウエアを用いて、試験した接触基材に対して表2に示したハンセン溶解度パラメーターを求めた。「Hansen Solubility Parameters A User’s Handbook,Second Edition,2007」(by Charles M. Hansen、published by CRC Press,Taylor & Francis Group LLC発行(Boca Raton,Florida,United Statesof America))に与えられている相対的なエネルギー差の式を用いて、試験した各接触基材とタコグリースとの間の相対的なエネルギー差を計算した:
【数2】
式中、17.62、1.06、及び3.06の値は、それぞれ、実験的に求められたdδD MPa1/2、δP MPa1/2、及びδH MPa1/2である。相対的なエネルギー差が、試験したタコグリースに対してδD、δP、及びδHのみを基準に計算されるように、1MPa1/2の値を有するようにRを設定した。
【表8】
【0126】
A.試験した試料の数
タコグリース吸収対試験した各接触基材とタコグリースとの間の相対的なエネルギー差のグラフ、REDを図17に示す。図17に示すように、接触基材とタコグリースとの間の相対的なエネルギー差が減少するに従って、タコグリース吸収は吸収する傾向にある。図17中の誤差のバーは、グリース吸収の測定値のプラス・マイナス1の標準偏差を表す。似た材料は似た材料を溶解するという溶解度に関する基本的な挙動が、接触基材を構成するファイバーに対してしみを構成する分子に対する親和性を少なくとも部分的に記述するために、このような応答は生じると考えられる。相対的に高いタコグリース吸収を有する接触基材は、グリース又はオイルのしみを布地から接触基材に移行させるのに有効である。
【0127】
図18及び19は、表2に示す接触基材に対するハンセン溶解度パラメーターのハンセン空間中の場所、及び試験したタコグリースに対するδD、δP、及びδHの場所(図18及び19中でTGと標識)を図示する。図18及び19は、対象となる可能性のある、ハンセン空間の一部分の三次元図示を提供する。図18は、δH及びδPがビューワーに示されている、ハンセン空間の側面図であり、図19は、δD及びδPがビューワーに示されている、ハンセン空間の上面図である。図18及び19の各々の中に図示されている実の円弧は、図に示すようにδD、δP、及びδHが正であり、ハンセン空間球状容積の中心が、18MPa1/2のδD、1MPa1/2のδP、及び3MPa1/2のδHに位置し、並びにハンセン空間球状容積が、10000MPa3/2又は34000MPa3/2である、ハンセン空間球状容積の縁の一部である。図18及び19中に図示するように、接触基材と試験したタコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターとの間で13未満の相対的なエネルギー差を有する試験した接触基材(δD=17.62MPa1/2、δP=1.08MPa1/2、(δH=3.06MPa1/2)Rは1MPa1/2に等しいと設定)は、図18及び19に図示するように、18MPa1/2のδD、1MPa1/2のδP、及び3MPa1/2のδHに中心を持つ、10000MPa3/2のハンセン空間球状容積内にある。更に、図18及び19中に図示するように、接触基材と試験したタコグリースに対するハンセン溶解度パラメーターとの間で20未満の相対的なエネルギー差を有する試験した接触基材(Rは1MPa1/2に等しいと設定)は、図18及び19に図示するように、18MPa1/2のδD、1MPa1/2のδP、及び3MPa1/2のδHに中心を有する、34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内にある。
【0128】
特に指示のない限り、本明細書で使用される全ての百分率及び比率は、全組成物の重量を基準とし、かつ全ての測定は25℃にて行われる。1角度は、完全回転の1/360に等しい大きさの角度指標の平面単位である。
【0129】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他のさまざまな変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【0130】
引用される全ての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
しみの付いた布地を処理するための方法であって、
しみ処理流体(300)を含む接触基材(200)を準備する工程であって、前記接触基材は、約5マイクロメートル未満の直径を有するマイクロファイバーを含む、工程と、
前記接触基材を前記しみの付いた布地と接触させ、前記しみ処理流体を前記しみの付いた布地に移行させる工程と、
前記しみの付いた布地を前記接触基材によりラビングする工程と、を含み、
前記しみ処理流体が、前記しみ処理流体の0.001%〜約99.99重量%の界面活性剤を含む、方法。
【請求項2】
前記接触基材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、レイヨン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるファイバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接触基材が、マイクロファイバーを含む不織布、マイクロファイバーを含む織布、マイクロファイバーを含むループ状の織布、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記マイクロファイバーが、刻み目付きパイマイクロファイバーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記マイクロファイバーが、ステープルマイクロファイバー又は連続スプリットファイバーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記マイクロファイバーが、スプリットポリプロピレン−ポリエチレンファイバーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記接触基材が、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料である、方法。
【請求項8】
前記接触基材が、10000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記接触基材が、10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外側のハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの前記分散成分δDが、約15MPa1/2と20MPa1/2との間にある、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記しみの付いた布地を前記接触基材によりラビングする工程が、前記接触基材に連結された支持体層(20)により補助される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記接触基材が、反射率計により測定して、80超のL*値を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記しみ処理流体が、前記しみ処理流体の0.05%〜5重量%の前記界面活性剤を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記しみ処理流体が、前記しみ処理流体の0.001%〜7重量%の漂白剤を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記しみ処理流体が、
a)前記しみ処理流体の0.05%〜5重量%の前記界面活性剤、
b)前記しみ処理流体の0.001%〜7重量%の漂白剤、
c)前記しみ処理流体の0.001%〜5重量%のキレート剤、及び
d)香料を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項1】
しみの付いた布地を処理するための方法であって、
しみ処理流体(300)を含む接触基材(200)を準備する工程であって、前記接触基材は、約5マイクロメートル未満の直径を有するマイクロファイバーを含む、工程と、
前記接触基材を前記しみの付いた布地と接触させ、前記しみ処理流体を前記しみの付いた布地に移行させる工程と、
前記しみの付いた布地を前記接触基材によりラビングする工程と、を含み、
前記しみ処理流体が、前記しみ処理流体の0.001%〜約99.99重量%の界面活性剤を含む、方法。
【請求項2】
前記接触基材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、レイヨン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるファイバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接触基材が、マイクロファイバーを含む不織布、マイクロファイバーを含む織布、マイクロファイバーを含むループ状の織布、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記マイクロファイバーが、刻み目付きパイマイクロファイバーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記マイクロファイバーが、ステープルマイクロファイバー又は連続スプリットファイバーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記マイクロファイバーが、スプリットポリプロピレン−ポリエチレンファイバーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記接触基材が、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの分散成分δD約18MPa1/2、モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの極性成分δP約1MPa1/2、及びモル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの結合エネルギー成分δH約3MPa1/2に中心を持つ、34000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれる、正であるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料である、方法。
【請求項8】
前記接触基材が、10000MPa3/2のハンセン空間球状容積内に含まれるハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記接触基材が、10000MPa3/2のハンセン空間球状容積の外側のハンセン溶解度パラメーターを有するファイバー材料である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
モル容積当たりの分子間の相互作用エネルギーの前記分散成分δDが、約15MPa1/2と20MPa1/2との間にある、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記しみの付いた布地を前記接触基材によりラビングする工程が、前記接触基材に連結された支持体層(20)により補助される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記接触基材が、反射率計により測定して、80超のL*値を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記しみ処理流体が、前記しみ処理流体の0.05%〜5重量%の前記界面活性剤を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記しみ処理流体が、前記しみ処理流体の0.001%〜7重量%の漂白剤を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記しみ処理流体が、
a)前記しみ処理流体の0.05%〜5重量%の前記界面活性剤、
b)前記しみ処理流体の0.001%〜7重量%の漂白剤、
c)前記しみ処理流体の0.001%〜5重量%のキレート剤、及び
d)香料を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のパッケージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2013−517058(P2013−517058A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549061(P2012−549061)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2011/021081
【国際公開番号】WO2011/088176
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2011/021081
【国際公開番号】WO2011/088176
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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