すべり軸受および角度センサ
【課題】回り止め突起の分断によって防爆すきの機能が損なわれないようにする。
【解決手段】スリーブ2の外周面2bにスリーブ2の厚み方向に窪ませた凹部2b1,2b2を設け、この凹部2b1,2b2の底面から一体的に突出させて、回り止め突起21’,22’を形成する。回り止め突起21’,22’の凹部2b1,2b2との結合部(分断箇所)は、分断され易いようにくびれた形状とする。これにより、回転軸5とスリーブ2とが固着し、回り止め突起21’,22’が分断され、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリでケース3の内周面3aが傷つけられることがなく、防爆すきh2の機能が損なわれる虞がなくなる。
【解決手段】スリーブ2の外周面2bにスリーブ2の厚み方向に窪ませた凹部2b1,2b2を設け、この凹部2b1,2b2の底面から一体的に突出させて、回り止め突起21’,22’を形成する。回り止め突起21’,22’の凹部2b1,2b2との結合部(分断箇所)は、分断され易いようにくびれた形状とする。これにより、回転軸5とスリーブ2とが固着し、回り止め突起21’,22’が分断され、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリでケース3の内周面3aが傷つけられることがなく、防爆すきh2の機能が損なわれる虞がなくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、すべり接触によって回転軸を軸支するすべり軸受およびこのすべり軸受を用いた角度センサに関するものである
【背景技術】
【0002】
従来より、化学プラント等においては、その流量プロセスに用いられる調節弁に対してポジショナを設け、このポジショナによって調節弁の開度を制御するようにしている。このポジショナは、上位装置から送られてくる設定開度と調節弁からフィードバックされてくる実開度との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御信号として生成する制御演算部と、この制御演算部が生成した制御信号を空気圧信号に変換する電空変換部と、この電空変換部からの空気圧信号を増幅し出力空気圧として調節弁の操作器に供給する空気圧信号増幅部(パイロットリレー)とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このポジショナでは、調節弁の実開度を弁軸の変位量として検出する変位検出部として角度センサが用いられており、この角度センサはフィードバックレバーを介して弁軸の変位量に応じて回転する回転軸を有している。この角度センサの回転軸の回転角度に応じた電気信号が実開度を示す信号として制御演算部にフィードバックされる。
【0004】
図10に特許文献2に示された角度センサの構成を示す。図10(a)は正面から見た断面図、図10(b)は側面から見た断面図である。この角度センサ1は、円筒状の軸受用シリンダ(以下、スリーブと呼ぶ)2を収納固定したケース3内に、ヨーク4を固定した回転軸5をその下側から収納して、回転軸5の上端をケース3上面の貫通孔6から突出させ、さらに磁気センサ7を取り付けた蓋8によってケース3下面の開口9を塞いで構成されている。
【0005】
回転軸5に固定されたヨーク4内には磁石保持部材10および2つの永久磁石11,12が収納されており、磁気センサ7は支持台13の上面に固定されている。なお、14はケース3の上面に突出した回転軸5のリング溝に取り付けられた係止リングであり、15はヨーク4とスリーブ2との間に挿入されたリングである。
【0006】
この角度センサ1において、回転軸5は、スリーブ2の内周面2aを軸受面として、ヨーク4と一体となって回転する。これにより、磁気センサ7の表面における磁石11,12が作る磁力線の方向が変化し、磁気センサ7の出力抵抗値が変化して、回転軸5の回転角度に応じた電気信号が生成される。
【0007】
この角度センサ1では、回転軸5がスリーブ2の内周面2aにオイルレスで軸支されている。このため、角度センサ1の使用に伴い、回転軸5の外周面5aとスリーブ2の内周面2aとの間で摩擦による摩耗が生じ、その摩耗粉が回転軸5とスリーブ2との隙間に溜まって行き、やがてその摩耗粉によって回転軸5とスリーブ2とが固着し、回転軸5が回転不能となり、メンテナンスが必要となる。
【0008】
この角度センサ1において、スリーブ2をケース3に固定せずに、ケース3に対して相対的に回転可能な構成とすると、回転軸5とスリーブ2とが固着したとしても、この固着した回転軸5とスリーブ2とが一体となってケース3の内周面3aを軸受面として回転することになり、スリーブ2とケース3とが固着するまで、メンテナンスの時期を延ばすことが可能となる。このような軸受構造は例えば特許文献3などに示されている。
【0009】
図11に特許文献3に示された軸受構造を図10に示した角度センサ1に採用した場合の軸受部の平面断面図を示す。この軸受構造では、回転軸5の外周面5aとケース3の内周面3aとの間にスリーブ2を遊挿し、スリーブ2の外周面2bにスリーブ2のケース3に対する相対的な回転を規制する突起(以下、回り止め突起と呼ぶ)21,22を設けている。この例では、ケース3に切欠溝3b,3cを形成し、この切欠溝3b,3cにスリーブ2の外周面2bに設けた回り止め突起21,22を係合させることにより、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転を規制させている。
【0010】
このような軸受構造とすると、回転軸5とスリーブ2とが固着し、この固着した回転軸5とスリーブ2とが一体となって回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブ2の外周面2bに設けられた回り止め突起21,22がその根元部で分断される。これにより、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転の規制が解除され、回転軸5とスリーブ2とが一体となってケース3の内周面3aを軸受面として回転する。
【0011】
なお、分断された回り止め突起21,22は、ケース3の切欠溝3b,3cを通して、ケース3の外側に脱落する。また、この例において、回り止め突起22は回り止め突起21よりも長くされ、その先端部にケース3の外側に位置する標識部22bが設けられている。回り止め突起22が分断されると、それまでケース3の外側に位置していた標識部22bが無くなることから、この標識部22bの有無を目視によって確認することによって、回転軸5とスリーブ2とが固着したことを知ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実開昭62−28118号公報
【特許文献2】特開平11−83422号公報
【特許文献3】実開昭63−119929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ポジショナは爆発の虞がある雰囲気中で使用される場合がある。この場合、ポジショナは防爆構造を有していなければならない。
【0014】
例えば、図11に示した軸受構造を採用した角度センサを単体で防爆構造とする場合、回転軸5の外周面5aとスリーブ2の内周面2aとの隙間h1およびスリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間h2をTIIS(産業安全技術協会)で規定されたd(隙間)×I(奥行)の防爆すきとする。例えば、d=0.15mm以下、I=12.5mm以上とした場合、回転軸5の両側に位置する隙間h1の合計(スリーブ2の内径と回転軸5の外径との差)を0.15mm以下とし、スリーブ2の両側に位置する隙間h2の合計(ケース1の内径とスリーブ2の外径との差)を0.15mm以下とする必要があり、スリーブ2,ケース3および回転軸5としては耐摩耗性の高い材料(剛性の高い材料)を使用する必要がある。
【0015】
しかしながら、図11に示した軸受構造では、スリーブ2の外周面2bに、その外周面2b上から一体的に突出させて、回り止め突起21,22を形成している。この場合、スリーブ2および回り止め突起21,22は剛性の高い材料であるから、回り止め突起21,22が分断されたときに、図12に示すように、その破断面がスリーブ2の外周面2bにバリ21a,22aとして残り、このバリ21a,22aによってケース3の内周面3aが傷つけられ、スリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間h2が拡がり、防爆すきとしての機能が損なわれる可能性がある。
【0016】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、回り止め突起の分断によって、防爆すきの機能が損なわれる虞のないすべり軸受および角度センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するために、本願の請求項1に係る発明(第1発明)は、回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されるスリーブからなるすべり軸受において、回転軸の外周面に第1の防爆すきを介して対向する第1の軸受面と、ケースの内周面に第2の防爆すきを介して対向する第2の軸受面と、第2の軸受面に設けられスリーブをケースに対して相対的に回転させる力を受けたときに分断されてスリーブのケースに対する相対的な回転の規制を解除する回り止め突起とを備え、回り止め突起は、分断される箇所が第2の軸受面よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明において、回転軸は、ケースに対するスリーブの相対的な回転が規制された状態で、スリーブの内周面(第1の軸受面)を軸受面として回転する。ここで、回転軸とスリーブとが固着し、この固着した回転軸とスリーブとが一体となって回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブの外周面(第2の軸受面)に設けられた回り止め突起が分断される。これにより、スリーブのケースに対する相対的な回転の規制が解除され、回転軸とスリーブとが一体となってケースの内周面を軸受面として回転する。
【0019】
このすべり軸受において、回り止め突起は、分断される箇所がスリーブの外周面(第2の軸受面)よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられている。このため、回り止め突起が分断されたときに、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリはスリーブの外周面よりもスリーブの厚み方向に窪んだ位置に残されるものとなる。したがって、その残されたバリがケースの内周面を傷つけることがなく、そのまま回転を続けても、スリーブの外周面とケースの内周面との間の防爆すき(第2の防爆すき)の機能が損なわれることはない。
【0020】
また、本願の請求項2に係る発明(第2発明)は、回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されるスリーブからなるすべり軸受において、回転軸の外周面に第1の防爆すきを介して対向する第1の軸受面と、ケースの内周面に第2の防爆すきを介して対向する第2の軸受面と、第1の軸受面に設けられスリーブを回転軸に対して相対的に回転させる力を受けたときに分断されてスリーブの回転軸に対する相対的な回転の規制を解除する回り止め突起とを備え、回り止め突起は、分断される箇所が第1の軸受面よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられていることを特徴とする。
【0021】
この発明において、回転軸は、回転軸に対するスリーブの相対的な回転が規制された状態で、ケースの内周面を軸受面としてスリーブと一体となって回転する。ここで、ケースとスリーブとが固着し、この固着したケースとスリーブとが一体となって回転軸に対して相対的に回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブの内周面(第1の軸受面)に設けられた回り止め突起が分断される。これにより、スリーブの回転軸に対する相対的な回転の規制が解除され、スリーブの内周面を軸受面として回転軸が回転する。
【0022】
このすべり軸受において、回り止め突起は、分断される箇所がスリーブの内周面(第1の軸受面)よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられている。このため、回り止め突起が分断されたときに、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリはスリーブの内周面よりもスリーブの厚み方向に窪んだ位置に残されるものとなる。したがって、その残されたバリが回転軸の外周面を傷つけることがなく、そのまま回転を続けても、スリーブの内周面と回転軸の外周面との間の防爆すき(第1の防爆すき)の機能が損なわれることはない。
【0023】
本発明(第1、第2発明)において、回り止め突起は、スリーブと一体的に形成されていてもよく、別体として形成されていてもよい。回り止め突起をスリーブと別体として形成する場合には、回り止め突起の分断される箇所をスリーブの厚み方向に窪ませた位置に接合させる。この場合、回り止め突起のスリーブへの接合は、接着剤や溶着によって行うようにする。回り止め突起を溶着する場合、スリーブよりも剛性の低い材料を用いるようにして、スリーブとの接合面できれいに分断されるようにするとよい。
【0024】
また、本発明(第1、第2発明)において、回り止め突起が分断されたことを検知して警報を発する警報部を設けるようにしてもよい。例えば、リードスイッチや近接スイッチ等を設け、回り止め突起の分断を検知して、警報を発するようにする。
【0025】
また、本発明(第1、第2発明)のすべり軸受は、回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されて用いられるが、その用途は回転軸の回転角度を検出する角度センサに限られるものではない。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、第1発明では、スリーブの第2の軸受面(スリーブの外周面)に回り止め突起を設け、この回り止め突起の分断される箇所を第2の軸受面よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けるようにしたので、回り止め突起が分断されたときに、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリがケースの内周面を傷つけることがなく、また、第2発明では、スリーブの第1の軸受面(スリーブの内周面)に回り止め突起を設け、この回り止め突起の分断される箇所を第1の軸受面よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けるようにしたので、回り止め突起が分断されたときに、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリが回転軸の外周面を傷つけることがなく、回り止め突起の分断によって、防爆すきの機能が損なわれる虞がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るすべり軸受けを用いた角度センサの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】この角度センサの軸受部の平面断面図である。
【図3】この角度センサの軸受部においてすべり軸受け(スリーブ)の外周面に設けられた回り止め突起が分断され場合の平面断面図である。
【図4】この角度センサで用いられるすべり軸受の変形例を示す図である。
【図5】この角度センサで用いられるすべり軸受の別の変形例を示す図である。
【図6】この発明に係るすべり軸受けを用いた角度センサの他の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】この角度センサの軸受部の平面断面図である。
【図8】この角度センサの軸受部においてすべり軸受け(スリーブ)の外周面に設けられた回り止め突起が分断され場合の平面断面図である。
【図9】この角度センサで用いられるすべり軸受の変形例を示す図である。
【図10】特許文献2に示された角度センサの構成を示す図である。
【図11】特許文献3に示された軸受構造を特許文献2に示された角度センサに採用した場合の軸受部の平面断面図である。
【図12】この角度センサの軸受部においてすべり軸受け(スリーブ)の外周面に設けられた回り止め突起が分断され場合の平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1にこの発明に係るすべり軸受けを用いた角度センサの一実施の形態を示す。図1(a)は正面から見た断面図、図1(b)は側面から見た断面図である。同図において、図10と同一符号は図10を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。なお、この角度センサは、第1発明に係るすべり軸受を用いた例(実施の形態1)である。
【0029】
この角度センサ100において、すべり軸受を構成するスリーブ(軸受用シリンダ)2は、回転軸5の外周面5aとケース3の内周面3aとの間に遊挿されており、スリーブ2の内周面(第1の軸受面)2aが回転軸5の外周面5aに隙間h1を介して対向し、スリーブ2の外周面(第2の軸受面)2bがケース3の内周面3aに隙間h2を介して対向している。隙間h1,h2はTIISで規定された防爆すきとされ、スリーブ2,ケース3および回転軸5としては耐摩耗性の高い材料(剛性の高い材料)が使用されている。
【0030】
この角度センサ100において、スリーブ2の外周面2bには、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転を規制する回り止め突起21’,22’が一体的に形成されている。図2にこの角度センサ100の軸受部の平面断面図を示す。この図は従来の軸受構造を示した図11の平面断面図に対応する。
【0031】
図2と図11とを比較して分かるように、この実施の形態では、スリーブ2の外周面2bにスリーブ2の厚み方向に窪ませた凹部2b1,2b2を設け、この凹部2b1,2b2の底面から一体的に突出させて、回り止め突起21’,22’を形成している。回り止め突起21’,22’の凹部2b1,2b2との結合部(分断箇所)は、分断され易いようにくびれた形状とされている。
【0032】
なお、ケース3に切欠溝3b,3cを形成し、この切欠溝3b,3cにスリーブ2に設けた回り止め突起21’,22’を係合させることにより、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転を規制させている点は、図11に示した軸受構造と同じである。また、回り止め突起22’を回り止め突起21’よりも長くし、その先端部にケース3の外側に位置する標識部22b’を設けている点も、図11に示した軸受構造と同じである。
【0033】
この角度センサ100において、回転軸5は、ケース3に対するスリーブ2の相対的な回転が規制された状態で、スリーブ2の内周面2aを軸受面として回転する。ここで、回転軸5とスリーブ2とが固着し、この固着した回転軸5とスリーブ2とが一体となって回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブ2の外周面2bに設けられた回り止め突起21’,22’が根元部で分断される。これにより、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転の規制が解除され、回転軸5とスリーブ2とが一体となってケース3の内周面3aを軸受面として回転する。
【0034】
この角度センサ100で用いられるすべり軸受において、回り止め突起21’,22’は、スリーブ2の外周面2bの凹部2b1,2b2との結合部(分断箇所)で分断される。このため、回り止め突起21’,22’が分断されたときに、その破断面がバリ21a’,22a’として残ったとしても(図3参照)、そのバリ21a’,22a’はスリーブ2の外周面2bよりもスリーブ2の厚み方向に窪んだ位置に残されるものとなる。
【0035】
したがって、この角度センサ100において、回り止め突起21’,22’の分断によって残されたバリ21a’,22a’がケース3の内周面3aを傷つけることがなく、そのまま回転を続けても、スリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの間の防爆すきh2の機能が損なわれることはない。
【0036】
なお、分断された回り止め突起21’,22’は、ケース3の切欠溝3b,3cを通して、ケース3の外側に脱落する。また、回り止め突起22’が分断されると、それまでケース3の外側に位置していた標識部22b’が無くなることから、この標識部22b’の有無を目視によって確認することによって、回転軸5とスリーブ2とが固着したことを知ることが可能となる。
【0037】
図4にこの角度センサ100で用いられるすべり軸受の変形例を示す。この例では、スリーブ2の外周面2bに、凹部2b1を120゜間隔で形成し、この凹部2b1に回り止め突起21’を設けている。すなわち、図2に示した構造において、周り止め突起22をなくし、回り止め突起21’を120゜間隔で3箇所設けた構成としている。なお、この構成において、回り止め突起21’を1箇所としたり、さらに多くの回り止め突起21’を設けるようにしたりしてもよい。
【0038】
図5にこの角度センサ100で用いられるすべり軸受の別の変形例を示す。この例では、回り止め突起21’の高さを低くし、その上端面をケース3の内周面3aに圧接させている。この場合、スリーブ2の外周面2bに設ける凹部2b1は、スリーブ2の軸方向に下端部まで貫かれた帯状の溝とする。これにより、回り止め突起21’が分断された場合、分断された回り止め突起21’が凹部2b1の帯状の溝に沿って脱落する。なお、この場合、スリーブ2の下端部には、分断された回り止め突起21’がスリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間から出るように、ケース3との間に空間を設けるようにする。このようにすると、ケース3に切欠溝3bを設けなくてもよくなり、ケース3の加工工数が削減される。
【0039】
〔実施の形態2〕
図6にこの発明に係るすべり軸受けを用いた角度センサの他の実施の形態の構成を示す。図6(a)は正面から見た断面図、図6(b)は側面から見た断面図である。同図において、図10と同一符号は図10を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。なお、この角度センサは、第2発明に係るすべり軸受を用いた例(実施の形態2)である。
【0040】
この角度センサ200においても、実施の形態1と同様、すべり軸受を構成するスリーブ(軸受用シリンダ)2は、回転軸5の外周面5aとケース3の内周面3aとの間に遊挿されており、スリーブ2の内周面(第1の軸受面)2aが回転軸5の外周面5aに隙間h1を介して対向し、スリーブ2の外周面(第2の軸受面)2bがケース3の内周面3aに隙間h2を介して対向している。隙間h1,h2はTIISで規定された防爆すきとされ、スリーブ2,ケース3および回転軸5としては耐摩耗性の高い材料(剛性の高い材料)が使用されている。
【0041】
この角度センサ200において、スリーブ2の内周面2aには、スリーブ2の回転軸5に対する相対的な回転を規制する回り止め突起23,24が一体的に形成されている。図7にこの角度センサ200の軸受部の平面断面図を示す。
【0042】
図7を参照して分かるように、この実施の形態では、スリーブ2の内周面2aにスリーブ2の厚み方向に窪ませた凹部2a1,2a2を設け、この凹部2a1,2a2の底面から一体的に突出させて、回り止め突起23,24を形成している。回り止め突起23,24と凹部2a1,2a2との結合部(分断箇所)は、分断され易いようにくびれた形状とされている。また、回転軸5の外周面5aに切欠溝5b,5cを形成し、この切欠溝5b,5cにスリーブ2に設けた回り止め突起23,24を係合させることにより、スリーブ2の回転軸5に対する相対的な回転を規制させている。
【0043】
なお、この実施の形態において、スリーブ2の内周面2aに設けられた凹部2a1,2a2は、スリーブ2の軸方向に下端部まで貫かれた帯状の溝とされている。また、回転軸5の外周面5aに設けられた切欠溝5b,5cは、回転軸5の軸方向に上端部から下端部まで貫かれた帯状の溝とされている。また、スリーブ2の下端部には、分断された回り止め突起23,24がスリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間から出るように、ケース3との間に空間(図示せず)が設けられている。
【0044】
この角度センサ200において、回転軸5は、回転軸5に対するスリーブ2の相対的な回転が規制された状態で、ケース3の内周面3aを軸受面としてスリーブ2と一体となって回転する。ここで、ケース3とスリーブ2とが固着し、この固着したケース3とスリーブ2とが一体となって回転軸5に対して相対的に回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブ2の内周面2aに設けられた回り止め突起23,24が分断される。これにより、スリーブ2の回転軸5に対する相対的な回転の規制が解除され、スリーブ2の内周面2aを軸受面として回転軸5が回転する。
【0045】
この角度センサ200で用いられるすべり軸受において、回り止め突起23,24は、スリーブ2の内周面2aの凹部2a1,2a2との結合部(分断箇所)で分断される。このため、回り止め突起23,24が分断されたときに、その破断面がバリ23a,24aとして残ったとしても(図8参照)、そのバリ23a,24aはスリーブ2の内周面2aよりもスリーブ2の厚み方向に窪んだ位置に残されるものとなる。
【0046】
したがって、この角度センサ200において、回り止め突起23,24の分断によって残されたバリ23a,24aが回転軸5の外周面5aを傷つけることがなく、スリーブ2の内周面2aと回転軸5の外周面5aとの間の防爆すきh1の機能が損なわれることはない。
【0047】
なお、分断された回り止め突起23,24は、スリーブ2の内周面2aの凹部2a1,2a2および回転軸3の切欠溝5b,5cの帯状の溝に沿って脱落し、スリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間から、スリーブ2の下端部とケース3との間に設けられた空間へと出て行く。
【0048】
図9にこの角度センサ200で用いられるすべり軸受の変形例を示す。この例では、回り止め突起23,24の高さを低くし、その上端面を回転軸5の外周面5aに圧接させている。このようにすると、回転軸5に切欠溝5b,5cを設けなくてもよくなり、回転軸5の加工工数が削減される。
【0049】
なお、上述した実施の形態1では、スリーブ2の外周面2bに回り止め突起21’,22’を一体的に形成するようにしたが、別体として形成するようにしてもよい。この場合、回り止め突起21’,22’の先端をスリーブ2の外周面2bに形成された凹部2b1,2b2の底面に接合させるようにする。この場合、回り止め突起21’,22’のスリーブ2への接合は、接着剤や溶着によって行うようにする。回り止め突起21’,22’を溶着する場合、スリーブ2よりも剛性の低い材料を用いるようにして、スリーブ2との接合面できれいに分断されるようにするとよい。実施の形態2でも同様であり、スリーブ2の内周面2aに設ける回り止め突起23,24を別体とし、接合するようにしてもよい。
【0050】
また、実施の形態1において、回り止め突起21’,22’が分断されたことを検知して警報を発する警報部を設けるようにしてもよい。例えば、リードスイッチや近接スイッチ等を設け、回り止め突起21’や22’の分断を検知して、警報を発するようにする。これにより、標識部22b’の有無を目視で確認することなく、回転軸5とスリーブ2とが固着したことを知ることが可能となる。このような方式とすれば、図4や図5に示した軸受構造でも、回転軸5とスリーブ2とが固着したことを知ることが可能となる。実施の形態2においても同様である。
【0051】
また、上述した実施の形態1,2において、スリーブ2としては、耐摩耗性の高い材料を用いるが、例えば、焼結金属、含油焼結金属、樹脂など成形可能な材料の使用が考えられる。
【0052】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術的範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0053】
2…軸受用シリンダ(スリーブ)、2a…内周面、2a1,2a2…凹部、2b…外周面、2b1,2b2…凹部、3…ケース、3a…内周面、3b,3c…切欠溝、4…ヨーク、5…回転軸、5a…外周面、5b,5c…切欠溝、6…貫通孔、7…磁気センサ、8…蓋、9…開口、10…磁石保持部材、11,12…永久磁石、13…支持台、14…係止リング、15…リング、21’,22’,23,24…周り止め突起、21a’22a’,23a,24a…バリ、22b…標識部、h1,h2…隙間(防爆すき)、100,200…角度センサ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、すべり接触によって回転軸を軸支するすべり軸受およびこのすべり軸受を用いた角度センサに関するものである
【背景技術】
【0002】
従来より、化学プラント等においては、その流量プロセスに用いられる調節弁に対してポジショナを設け、このポジショナによって調節弁の開度を制御するようにしている。このポジショナは、上位装置から送られてくる設定開度と調節弁からフィードバックされてくる実開度との偏差を求め、この偏差に応じた電気信号を制御信号として生成する制御演算部と、この制御演算部が生成した制御信号を空気圧信号に変換する電空変換部と、この電空変換部からの空気圧信号を増幅し出力空気圧として調節弁の操作器に供給する空気圧信号増幅部(パイロットリレー)とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このポジショナでは、調節弁の実開度を弁軸の変位量として検出する変位検出部として角度センサが用いられており、この角度センサはフィードバックレバーを介して弁軸の変位量に応じて回転する回転軸を有している。この角度センサの回転軸の回転角度に応じた電気信号が実開度を示す信号として制御演算部にフィードバックされる。
【0004】
図10に特許文献2に示された角度センサの構成を示す。図10(a)は正面から見た断面図、図10(b)は側面から見た断面図である。この角度センサ1は、円筒状の軸受用シリンダ(以下、スリーブと呼ぶ)2を収納固定したケース3内に、ヨーク4を固定した回転軸5をその下側から収納して、回転軸5の上端をケース3上面の貫通孔6から突出させ、さらに磁気センサ7を取り付けた蓋8によってケース3下面の開口9を塞いで構成されている。
【0005】
回転軸5に固定されたヨーク4内には磁石保持部材10および2つの永久磁石11,12が収納されており、磁気センサ7は支持台13の上面に固定されている。なお、14はケース3の上面に突出した回転軸5のリング溝に取り付けられた係止リングであり、15はヨーク4とスリーブ2との間に挿入されたリングである。
【0006】
この角度センサ1において、回転軸5は、スリーブ2の内周面2aを軸受面として、ヨーク4と一体となって回転する。これにより、磁気センサ7の表面における磁石11,12が作る磁力線の方向が変化し、磁気センサ7の出力抵抗値が変化して、回転軸5の回転角度に応じた電気信号が生成される。
【0007】
この角度センサ1では、回転軸5がスリーブ2の内周面2aにオイルレスで軸支されている。このため、角度センサ1の使用に伴い、回転軸5の外周面5aとスリーブ2の内周面2aとの間で摩擦による摩耗が生じ、その摩耗粉が回転軸5とスリーブ2との隙間に溜まって行き、やがてその摩耗粉によって回転軸5とスリーブ2とが固着し、回転軸5が回転不能となり、メンテナンスが必要となる。
【0008】
この角度センサ1において、スリーブ2をケース3に固定せずに、ケース3に対して相対的に回転可能な構成とすると、回転軸5とスリーブ2とが固着したとしても、この固着した回転軸5とスリーブ2とが一体となってケース3の内周面3aを軸受面として回転することになり、スリーブ2とケース3とが固着するまで、メンテナンスの時期を延ばすことが可能となる。このような軸受構造は例えば特許文献3などに示されている。
【0009】
図11に特許文献3に示された軸受構造を図10に示した角度センサ1に採用した場合の軸受部の平面断面図を示す。この軸受構造では、回転軸5の外周面5aとケース3の内周面3aとの間にスリーブ2を遊挿し、スリーブ2の外周面2bにスリーブ2のケース3に対する相対的な回転を規制する突起(以下、回り止め突起と呼ぶ)21,22を設けている。この例では、ケース3に切欠溝3b,3cを形成し、この切欠溝3b,3cにスリーブ2の外周面2bに設けた回り止め突起21,22を係合させることにより、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転を規制させている。
【0010】
このような軸受構造とすると、回転軸5とスリーブ2とが固着し、この固着した回転軸5とスリーブ2とが一体となって回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブ2の外周面2bに設けられた回り止め突起21,22がその根元部で分断される。これにより、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転の規制が解除され、回転軸5とスリーブ2とが一体となってケース3の内周面3aを軸受面として回転する。
【0011】
なお、分断された回り止め突起21,22は、ケース3の切欠溝3b,3cを通して、ケース3の外側に脱落する。また、この例において、回り止め突起22は回り止め突起21よりも長くされ、その先端部にケース3の外側に位置する標識部22bが設けられている。回り止め突起22が分断されると、それまでケース3の外側に位置していた標識部22bが無くなることから、この標識部22bの有無を目視によって確認することによって、回転軸5とスリーブ2とが固着したことを知ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実開昭62−28118号公報
【特許文献2】特開平11−83422号公報
【特許文献3】実開昭63−119929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ポジショナは爆発の虞がある雰囲気中で使用される場合がある。この場合、ポジショナは防爆構造を有していなければならない。
【0014】
例えば、図11に示した軸受構造を採用した角度センサを単体で防爆構造とする場合、回転軸5の外周面5aとスリーブ2の内周面2aとの隙間h1およびスリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間h2をTIIS(産業安全技術協会)で規定されたd(隙間)×I(奥行)の防爆すきとする。例えば、d=0.15mm以下、I=12.5mm以上とした場合、回転軸5の両側に位置する隙間h1の合計(スリーブ2の内径と回転軸5の外径との差)を0.15mm以下とし、スリーブ2の両側に位置する隙間h2の合計(ケース1の内径とスリーブ2の外径との差)を0.15mm以下とする必要があり、スリーブ2,ケース3および回転軸5としては耐摩耗性の高い材料(剛性の高い材料)を使用する必要がある。
【0015】
しかしながら、図11に示した軸受構造では、スリーブ2の外周面2bに、その外周面2b上から一体的に突出させて、回り止め突起21,22を形成している。この場合、スリーブ2および回り止め突起21,22は剛性の高い材料であるから、回り止め突起21,22が分断されたときに、図12に示すように、その破断面がスリーブ2の外周面2bにバリ21a,22aとして残り、このバリ21a,22aによってケース3の内周面3aが傷つけられ、スリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間h2が拡がり、防爆すきとしての機能が損なわれる可能性がある。
【0016】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、回り止め突起の分断によって、防爆すきの機能が損なわれる虞のないすべり軸受および角度センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するために、本願の請求項1に係る発明(第1発明)は、回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されるスリーブからなるすべり軸受において、回転軸の外周面に第1の防爆すきを介して対向する第1の軸受面と、ケースの内周面に第2の防爆すきを介して対向する第2の軸受面と、第2の軸受面に設けられスリーブをケースに対して相対的に回転させる力を受けたときに分断されてスリーブのケースに対する相対的な回転の規制を解除する回り止め突起とを備え、回り止め突起は、分断される箇所が第2の軸受面よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明において、回転軸は、ケースに対するスリーブの相対的な回転が規制された状態で、スリーブの内周面(第1の軸受面)を軸受面として回転する。ここで、回転軸とスリーブとが固着し、この固着した回転軸とスリーブとが一体となって回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブの外周面(第2の軸受面)に設けられた回り止め突起が分断される。これにより、スリーブのケースに対する相対的な回転の規制が解除され、回転軸とスリーブとが一体となってケースの内周面を軸受面として回転する。
【0019】
このすべり軸受において、回り止め突起は、分断される箇所がスリーブの外周面(第2の軸受面)よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられている。このため、回り止め突起が分断されたときに、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリはスリーブの外周面よりもスリーブの厚み方向に窪んだ位置に残されるものとなる。したがって、その残されたバリがケースの内周面を傷つけることがなく、そのまま回転を続けても、スリーブの外周面とケースの内周面との間の防爆すき(第2の防爆すき)の機能が損なわれることはない。
【0020】
また、本願の請求項2に係る発明(第2発明)は、回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されるスリーブからなるすべり軸受において、回転軸の外周面に第1の防爆すきを介して対向する第1の軸受面と、ケースの内周面に第2の防爆すきを介して対向する第2の軸受面と、第1の軸受面に設けられスリーブを回転軸に対して相対的に回転させる力を受けたときに分断されてスリーブの回転軸に対する相対的な回転の規制を解除する回り止め突起とを備え、回り止め突起は、分断される箇所が第1の軸受面よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられていることを特徴とする。
【0021】
この発明において、回転軸は、回転軸に対するスリーブの相対的な回転が規制された状態で、ケースの内周面を軸受面としてスリーブと一体となって回転する。ここで、ケースとスリーブとが固着し、この固着したケースとスリーブとが一体となって回転軸に対して相対的に回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブの内周面(第1の軸受面)に設けられた回り止め突起が分断される。これにより、スリーブの回転軸に対する相対的な回転の規制が解除され、スリーブの内周面を軸受面として回転軸が回転する。
【0022】
このすべり軸受において、回り止め突起は、分断される箇所がスリーブの内周面(第1の軸受面)よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられている。このため、回り止め突起が分断されたときに、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリはスリーブの内周面よりもスリーブの厚み方向に窪んだ位置に残されるものとなる。したがって、その残されたバリが回転軸の外周面を傷つけることがなく、そのまま回転を続けても、スリーブの内周面と回転軸の外周面との間の防爆すき(第1の防爆すき)の機能が損なわれることはない。
【0023】
本発明(第1、第2発明)において、回り止め突起は、スリーブと一体的に形成されていてもよく、別体として形成されていてもよい。回り止め突起をスリーブと別体として形成する場合には、回り止め突起の分断される箇所をスリーブの厚み方向に窪ませた位置に接合させる。この場合、回り止め突起のスリーブへの接合は、接着剤や溶着によって行うようにする。回り止め突起を溶着する場合、スリーブよりも剛性の低い材料を用いるようにして、スリーブとの接合面できれいに分断されるようにするとよい。
【0024】
また、本発明(第1、第2発明)において、回り止め突起が分断されたことを検知して警報を発する警報部を設けるようにしてもよい。例えば、リードスイッチや近接スイッチ等を設け、回り止め突起の分断を検知して、警報を発するようにする。
【0025】
また、本発明(第1、第2発明)のすべり軸受は、回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されて用いられるが、その用途は回転軸の回転角度を検出する角度センサに限られるものではない。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、第1発明では、スリーブの第2の軸受面(スリーブの外周面)に回り止め突起を設け、この回り止め突起の分断される箇所を第2の軸受面よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けるようにしたので、回り止め突起が分断されたときに、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリがケースの内周面を傷つけることがなく、また、第2発明では、スリーブの第1の軸受面(スリーブの内周面)に回り止め突起を設け、この回り止め突起の分断される箇所を第1の軸受面よりもスリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けるようにしたので、回り止め突起が分断されたときに、その破断面がバリとして残ったとしても、そのバリが回転軸の外周面を傷つけることがなく、回り止め突起の分断によって、防爆すきの機能が損なわれる虞がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るすべり軸受けを用いた角度センサの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】この角度センサの軸受部の平面断面図である。
【図3】この角度センサの軸受部においてすべり軸受け(スリーブ)の外周面に設けられた回り止め突起が分断され場合の平面断面図である。
【図4】この角度センサで用いられるすべり軸受の変形例を示す図である。
【図5】この角度センサで用いられるすべり軸受の別の変形例を示す図である。
【図6】この発明に係るすべり軸受けを用いた角度センサの他の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】この角度センサの軸受部の平面断面図である。
【図8】この角度センサの軸受部においてすべり軸受け(スリーブ)の外周面に設けられた回り止め突起が分断され場合の平面断面図である。
【図9】この角度センサで用いられるすべり軸受の変形例を示す図である。
【図10】特許文献2に示された角度センサの構成を示す図である。
【図11】特許文献3に示された軸受構造を特許文献2に示された角度センサに採用した場合の軸受部の平面断面図である。
【図12】この角度センサの軸受部においてすべり軸受け(スリーブ)の外周面に設けられた回り止め突起が分断され場合の平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1にこの発明に係るすべり軸受けを用いた角度センサの一実施の形態を示す。図1(a)は正面から見た断面図、図1(b)は側面から見た断面図である。同図において、図10と同一符号は図10を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。なお、この角度センサは、第1発明に係るすべり軸受を用いた例(実施の形態1)である。
【0029】
この角度センサ100において、すべり軸受を構成するスリーブ(軸受用シリンダ)2は、回転軸5の外周面5aとケース3の内周面3aとの間に遊挿されており、スリーブ2の内周面(第1の軸受面)2aが回転軸5の外周面5aに隙間h1を介して対向し、スリーブ2の外周面(第2の軸受面)2bがケース3の内周面3aに隙間h2を介して対向している。隙間h1,h2はTIISで規定された防爆すきとされ、スリーブ2,ケース3および回転軸5としては耐摩耗性の高い材料(剛性の高い材料)が使用されている。
【0030】
この角度センサ100において、スリーブ2の外周面2bには、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転を規制する回り止め突起21’,22’が一体的に形成されている。図2にこの角度センサ100の軸受部の平面断面図を示す。この図は従来の軸受構造を示した図11の平面断面図に対応する。
【0031】
図2と図11とを比較して分かるように、この実施の形態では、スリーブ2の外周面2bにスリーブ2の厚み方向に窪ませた凹部2b1,2b2を設け、この凹部2b1,2b2の底面から一体的に突出させて、回り止め突起21’,22’を形成している。回り止め突起21’,22’の凹部2b1,2b2との結合部(分断箇所)は、分断され易いようにくびれた形状とされている。
【0032】
なお、ケース3に切欠溝3b,3cを形成し、この切欠溝3b,3cにスリーブ2に設けた回り止め突起21’,22’を係合させることにより、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転を規制させている点は、図11に示した軸受構造と同じである。また、回り止め突起22’を回り止め突起21’よりも長くし、その先端部にケース3の外側に位置する標識部22b’を設けている点も、図11に示した軸受構造と同じである。
【0033】
この角度センサ100において、回転軸5は、ケース3に対するスリーブ2の相対的な回転が規制された状態で、スリーブ2の内周面2aを軸受面として回転する。ここで、回転軸5とスリーブ2とが固着し、この固着した回転軸5とスリーブ2とが一体となって回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブ2の外周面2bに設けられた回り止め突起21’,22’が根元部で分断される。これにより、スリーブ2のケース3に対する相対的な回転の規制が解除され、回転軸5とスリーブ2とが一体となってケース3の内周面3aを軸受面として回転する。
【0034】
この角度センサ100で用いられるすべり軸受において、回り止め突起21’,22’は、スリーブ2の外周面2bの凹部2b1,2b2との結合部(分断箇所)で分断される。このため、回り止め突起21’,22’が分断されたときに、その破断面がバリ21a’,22a’として残ったとしても(図3参照)、そのバリ21a’,22a’はスリーブ2の外周面2bよりもスリーブ2の厚み方向に窪んだ位置に残されるものとなる。
【0035】
したがって、この角度センサ100において、回り止め突起21’,22’の分断によって残されたバリ21a’,22a’がケース3の内周面3aを傷つけることがなく、そのまま回転を続けても、スリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの間の防爆すきh2の機能が損なわれることはない。
【0036】
なお、分断された回り止め突起21’,22’は、ケース3の切欠溝3b,3cを通して、ケース3の外側に脱落する。また、回り止め突起22’が分断されると、それまでケース3の外側に位置していた標識部22b’が無くなることから、この標識部22b’の有無を目視によって確認することによって、回転軸5とスリーブ2とが固着したことを知ることが可能となる。
【0037】
図4にこの角度センサ100で用いられるすべり軸受の変形例を示す。この例では、スリーブ2の外周面2bに、凹部2b1を120゜間隔で形成し、この凹部2b1に回り止め突起21’を設けている。すなわち、図2に示した構造において、周り止め突起22をなくし、回り止め突起21’を120゜間隔で3箇所設けた構成としている。なお、この構成において、回り止め突起21’を1箇所としたり、さらに多くの回り止め突起21’を設けるようにしたりしてもよい。
【0038】
図5にこの角度センサ100で用いられるすべり軸受の別の変形例を示す。この例では、回り止め突起21’の高さを低くし、その上端面をケース3の内周面3aに圧接させている。この場合、スリーブ2の外周面2bに設ける凹部2b1は、スリーブ2の軸方向に下端部まで貫かれた帯状の溝とする。これにより、回り止め突起21’が分断された場合、分断された回り止め突起21’が凹部2b1の帯状の溝に沿って脱落する。なお、この場合、スリーブ2の下端部には、分断された回り止め突起21’がスリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間から出るように、ケース3との間に空間を設けるようにする。このようにすると、ケース3に切欠溝3bを設けなくてもよくなり、ケース3の加工工数が削減される。
【0039】
〔実施の形態2〕
図6にこの発明に係るすべり軸受けを用いた角度センサの他の実施の形態の構成を示す。図6(a)は正面から見た断面図、図6(b)は側面から見た断面図である。同図において、図10と同一符号は図10を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。なお、この角度センサは、第2発明に係るすべり軸受を用いた例(実施の形態2)である。
【0040】
この角度センサ200においても、実施の形態1と同様、すべり軸受を構成するスリーブ(軸受用シリンダ)2は、回転軸5の外周面5aとケース3の内周面3aとの間に遊挿されており、スリーブ2の内周面(第1の軸受面)2aが回転軸5の外周面5aに隙間h1を介して対向し、スリーブ2の外周面(第2の軸受面)2bがケース3の内周面3aに隙間h2を介して対向している。隙間h1,h2はTIISで規定された防爆すきとされ、スリーブ2,ケース3および回転軸5としては耐摩耗性の高い材料(剛性の高い材料)が使用されている。
【0041】
この角度センサ200において、スリーブ2の内周面2aには、スリーブ2の回転軸5に対する相対的な回転を規制する回り止め突起23,24が一体的に形成されている。図7にこの角度センサ200の軸受部の平面断面図を示す。
【0042】
図7を参照して分かるように、この実施の形態では、スリーブ2の内周面2aにスリーブ2の厚み方向に窪ませた凹部2a1,2a2を設け、この凹部2a1,2a2の底面から一体的に突出させて、回り止め突起23,24を形成している。回り止め突起23,24と凹部2a1,2a2との結合部(分断箇所)は、分断され易いようにくびれた形状とされている。また、回転軸5の外周面5aに切欠溝5b,5cを形成し、この切欠溝5b,5cにスリーブ2に設けた回り止め突起23,24を係合させることにより、スリーブ2の回転軸5に対する相対的な回転を規制させている。
【0043】
なお、この実施の形態において、スリーブ2の内周面2aに設けられた凹部2a1,2a2は、スリーブ2の軸方向に下端部まで貫かれた帯状の溝とされている。また、回転軸5の外周面5aに設けられた切欠溝5b,5cは、回転軸5の軸方向に上端部から下端部まで貫かれた帯状の溝とされている。また、スリーブ2の下端部には、分断された回り止め突起23,24がスリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間から出るように、ケース3との間に空間(図示せず)が設けられている。
【0044】
この角度センサ200において、回転軸5は、回転軸5に対するスリーブ2の相対的な回転が規制された状態で、ケース3の内周面3aを軸受面としてスリーブ2と一体となって回転する。ここで、ケース3とスリーブ2とが固着し、この固着したケース3とスリーブ2とが一体となって回転軸5に対して相対的に回転しようとすると、この時の回転力を受けて、スリーブ2の内周面2aに設けられた回り止め突起23,24が分断される。これにより、スリーブ2の回転軸5に対する相対的な回転の規制が解除され、スリーブ2の内周面2aを軸受面として回転軸5が回転する。
【0045】
この角度センサ200で用いられるすべり軸受において、回り止め突起23,24は、スリーブ2の内周面2aの凹部2a1,2a2との結合部(分断箇所)で分断される。このため、回り止め突起23,24が分断されたときに、その破断面がバリ23a,24aとして残ったとしても(図8参照)、そのバリ23a,24aはスリーブ2の内周面2aよりもスリーブ2の厚み方向に窪んだ位置に残されるものとなる。
【0046】
したがって、この角度センサ200において、回り止め突起23,24の分断によって残されたバリ23a,24aが回転軸5の外周面5aを傷つけることがなく、スリーブ2の内周面2aと回転軸5の外周面5aとの間の防爆すきh1の機能が損なわれることはない。
【0047】
なお、分断された回り止め突起23,24は、スリーブ2の内周面2aの凹部2a1,2a2および回転軸3の切欠溝5b,5cの帯状の溝に沿って脱落し、スリーブ2の外周面2bとケース3の内周面3aとの隙間から、スリーブ2の下端部とケース3との間に設けられた空間へと出て行く。
【0048】
図9にこの角度センサ200で用いられるすべり軸受の変形例を示す。この例では、回り止め突起23,24の高さを低くし、その上端面を回転軸5の外周面5aに圧接させている。このようにすると、回転軸5に切欠溝5b,5cを設けなくてもよくなり、回転軸5の加工工数が削減される。
【0049】
なお、上述した実施の形態1では、スリーブ2の外周面2bに回り止め突起21’,22’を一体的に形成するようにしたが、別体として形成するようにしてもよい。この場合、回り止め突起21’,22’の先端をスリーブ2の外周面2bに形成された凹部2b1,2b2の底面に接合させるようにする。この場合、回り止め突起21’,22’のスリーブ2への接合は、接着剤や溶着によって行うようにする。回り止め突起21’,22’を溶着する場合、スリーブ2よりも剛性の低い材料を用いるようにして、スリーブ2との接合面できれいに分断されるようにするとよい。実施の形態2でも同様であり、スリーブ2の内周面2aに設ける回り止め突起23,24を別体とし、接合するようにしてもよい。
【0050】
また、実施の形態1において、回り止め突起21’,22’が分断されたことを検知して警報を発する警報部を設けるようにしてもよい。例えば、リードスイッチや近接スイッチ等を設け、回り止め突起21’や22’の分断を検知して、警報を発するようにする。これにより、標識部22b’の有無を目視で確認することなく、回転軸5とスリーブ2とが固着したことを知ることが可能となる。このような方式とすれば、図4や図5に示した軸受構造でも、回転軸5とスリーブ2とが固着したことを知ることが可能となる。実施の形態2においても同様である。
【0051】
また、上述した実施の形態1,2において、スリーブ2としては、耐摩耗性の高い材料を用いるが、例えば、焼結金属、含油焼結金属、樹脂など成形可能な材料の使用が考えられる。
【0052】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術的範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0053】
2…軸受用シリンダ(スリーブ)、2a…内周面、2a1,2a2…凹部、2b…外周面、2b1,2b2…凹部、3…ケース、3a…内周面、3b,3c…切欠溝、4…ヨーク、5…回転軸、5a…外周面、5b,5c…切欠溝、6…貫通孔、7…磁気センサ、8…蓋、9…開口、10…磁石保持部材、11,12…永久磁石、13…支持台、14…係止リング、15…リング、21’,22’,23,24…周り止め突起、21a’22a’,23a,24a…バリ、22b…標識部、h1,h2…隙間(防爆すき)、100,200…角度センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されるスリーブからなるすべり軸受において、
前記回転軸の外周面に第1の防爆すきを介して対向する第1の軸受面と、
前記ケースの内周面に第2の防爆すきを介して対向する第2の軸受面と、
前記第2の軸受面に設けられ前記スリーブを前記ケースに対して相対的に回転させる力を受けたときに分断されて前記スリーブの前記ケースに対する相対的な回転の規制を解除する回り止め突起とを備え、
前記回り止め突起は、
前記分断される箇所が前記第2の軸受面よりも前記スリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられている
ことを特徴とするすべり軸受。
【請求項2】
回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されるスリーブからなるすべり軸受において、
前記回転軸の外周面に第1の防爆すきを介して対向する第1の軸受面と、
前記ケースの内周面に第2の防爆すきを介して対向する第2の軸受面と、
前記第1の軸受面に設けられ前記スリーブを前記回転軸に対して相対的に回転させる力を受けたときに分断されて前記スリーブの前記回転軸に対する相対的な回転の規制を解除する回り止め突起とを備え、
前記回り止め突起は、
前記分断される箇所が前記第1の軸受面よりも前記スリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられている
ことを特徴とするすべり軸受。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたすべり軸受において、
前記回り止め突起は、前記分断される箇所が前記スリーブの厚み方向に窪ませた位置に接合されている
ことを特徴とするすべり軸受。
【請求項4】
請求項1又は2に記載されたすべり軸受において、
前記回り止め突起が分断されたことを検知して警報を発する警報部
を備えることを特徴とするすべり軸受。
【請求項5】
回転軸の回転角度を検出する角度センサにおいて、
前記回転軸の外周面とケースの内周面との間に請求項1および請求項2の何れか1項に記載されたすべり軸受が遊挿されている
ことを特徴とする角度センサ。
【請求項1】
回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されるスリーブからなるすべり軸受において、
前記回転軸の外周面に第1の防爆すきを介して対向する第1の軸受面と、
前記ケースの内周面に第2の防爆すきを介して対向する第2の軸受面と、
前記第2の軸受面に設けられ前記スリーブを前記ケースに対して相対的に回転させる力を受けたときに分断されて前記スリーブの前記ケースに対する相対的な回転の規制を解除する回り止め突起とを備え、
前記回り止め突起は、
前記分断される箇所が前記第2の軸受面よりも前記スリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられている
ことを特徴とするすべり軸受。
【請求項2】
回転軸の外周面とケースの内周面との間に遊挿されるスリーブからなるすべり軸受において、
前記回転軸の外周面に第1の防爆すきを介して対向する第1の軸受面と、
前記ケースの内周面に第2の防爆すきを介して対向する第2の軸受面と、
前記第1の軸受面に設けられ前記スリーブを前記回転軸に対して相対的に回転させる力を受けたときに分断されて前記スリーブの前記回転軸に対する相対的な回転の規制を解除する回り止め突起とを備え、
前記回り止め突起は、
前記分断される箇所が前記第1の軸受面よりも前記スリーブの厚み方向に窪ませた位置に設けられている
ことを特徴とするすべり軸受。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたすべり軸受において、
前記回り止め突起は、前記分断される箇所が前記スリーブの厚み方向に窪ませた位置に接合されている
ことを特徴とするすべり軸受。
【請求項4】
請求項1又は2に記載されたすべり軸受において、
前記回り止め突起が分断されたことを検知して警報を発する警報部
を備えることを特徴とするすべり軸受。
【請求項5】
回転軸の回転角度を検出する角度センサにおいて、
前記回転軸の外周面とケースの内周面との間に請求項1および請求項2の何れか1項に記載されたすべり軸受が遊挿されている
ことを特徴とする角度センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−104453(P2013−104453A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247193(P2011−247193)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】
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