説明

せん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手および配筋構造

【課題】 継手配置部におけるせん断補強筋のかぶり厚確保のためのコンクリート断面の増大が回避できて、コンクリート使用量の大幅な削減が行え、またせん断補強筋の施工性の良いせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手を提供する。
【解決手段】 この機械式鉄筋継手は、互いに接続される一対の鉄筋4,4の端部が両端から挿入されて両鉄筋4,4を相互に接続する筒状の継手本体2と、この継手本体2の外周面に設けられたフック3とを有する。このフック3は、開口部分3aが継手本体2の長手方向に向き、継手本体3と直交する方向のせん断補強筋5を支持可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、柱や梁の主筋の接続等に用いられるせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手、およびこの機械式鉄筋継手を用いた柱や梁等の鉄筋コンクリート体の配筋構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート造の柱や梁では、図9に柱の断面例を示すように、複数本の主筋51を鉄筋コンクリート体50の外周部に配置し、主筋51の配列を取り巻くように、環状のせん断補強筋52が設けられる(例えば、特許文献1)。各主筋51は、鉄筋コンクリート体50の一部の長さの鉄筋を鉄筋継手53により接続したものされる。鉄筋継手には、重ね継手、ガス圧接継手、機械式継手などの各種の形式のものがあるが、ねじ式鉄筋継手等の機械式鉄筋継手が、施工性の面で優れている。図10は、鉄筋継手53として機械式鉄筋継手を用いた例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−88349号公報
【特許文献2】特開2004−300836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
せん断補強筋52は、その支持のために、主筋51の配列の外周を取り巻くように設けられる。図10のように機械式の鉄筋継手53を設けた場合も、主筋51の配列の外周を取り巻くように設けられる。しかし、機械式の鉄筋継手53は、主筋51に対して外径が1.5〜2倍程度あり、大きなものである。そのため、機械式鉄筋継手53の外周を取り巻くせん断補強筋52のコンクリートの有効かぶり厚を確保しようとした場合、柱の強度設計による設計寸法に対して、機械式鉄筋継手53が鉄筋径よりも大きくなる分だけプラスして柱断面を大きくしなければならなかった。
【0005】
このため、柱や梁に機械式鉄筋継手53を用いる場合、設計寸法よりも断面形状が大きくなる分だけ、使用コンクリート量が増えるうえ、断面寸法の増大による室内空間の狭まりが生じるという問題がある。鉄筋コンクリート梁の場合も、柱と同様な問題がある。
【0006】
この発明の目的は、継手配置部におけるせん断補強筋のかぶり厚確保のためのコンクリート断面の増大が回避できて、コンクリート使用量の大幅な削減が行え、またせん断補強筋の施工性の良いせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手、およびこれを用いた配筋構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手は、互いに接続される一対の鉄筋の端部が両端から挿入されて両鉄筋を相互に接続する筒状の継手本体と、この継手本体の外周面の一部に突出して設けられたフックとを有し、このフックは、開口部分が継手本体の長手方向に向き、前記継手本体と直交する方向のせん断補強筋を支持可能としたことを特徴とする。
この構成によると、せん断補強筋をフックで支持できるため、鉄筋継手の配置部分において、主筋となる鉄筋に対して柱や梁等のコンクリート体の内側にせん断補強筋を配置することができる。そのため、鉄筋継手の配置部分のせん断補強筋が、他の部分のせん断補強筋よりもコンクリート表面側に位置することがなく、鉄筋継手配置部分におけるせん断補強筋のかぶり厚確保のためにコンクリート体の断面を大きくすることが不要となる。したがって、コンクリート使用量の削減が行え、建物全体ではコンクリート使用量の大幅な削減となる。また、せん断補強筋はフックに引っ掛けるだけで良く、せん断補強筋の施工性が良い。
【0008】
このせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手は、ねじ式であっても、グラウト注入式であっても良い。すなわち、この発明において、前記継手本体は、内部に雌ねじ部を有し、両側の鉄筋の端部に設けられた雄ねじ部を螺合させて両側の鉄筋を相互に接続するものであってもよい。また、前記継手本体は、内部にグラウトが充填されてこのグラウトの硬化によって両側の鉄筋を相互に接続するものであっても良い。
ねじ式とした場合は、グラウト注入式に比べて、硬化養生の時間が不要で、施工期間が短縮できる。グラウト注入式とした場合は、継手本体内への鉄筋の挿入量の調整等によって、鉄筋長さの誤差の吸収が行え、また継手本体の開口径と鉄筋径との差により、両側の鉄筋の芯ずれを吸収できる。ねじ式とグラウト注入式のいずれであっても、筒状の継手本体があるため、上記フックを設けることが可能である。
【0009】
この発明の鉄筋コンクリート体の配筋構造は、柱または梁からなる長尺形状の鉄筋コンクリート体の配筋構造であって、この鉄筋コンクリート体の長手方向に延びる複数本の主筋と、前記鉄筋コンクリート体の長手方向の複数箇所に設けられた環状のせん断補強筋とでなり、前記各主筋が、この発明の上記いずれかの構成のせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手により接続される。これら各機械式鉄筋継手は、前記フックが鉄筋コンクリート体の内側に向けられ、前記機械式鉄筋継手の長さ範囲内にあるせん断補強筋は、前記機械式鉄筋継手よりも鉄筋コンクリート体の内側に配置されて各機械式鉄筋継手の前記フックに引っ掛け状態に支持される。
このように、鉄筋継手のフックにせん断補強筋を支持させることにより、せん断補強筋の支持上の問題を生じることなく、鉄筋継手の内側にせん断補強筋を配置することができる。鉄筋継手の内側にせん断補強筋を配置するため、鉄筋継手配置部分におけるせん断補強筋のかぶり厚確保のためにコンクリート体の断面を大きくすることが不要となる。したがって、コンクリート使用量の削減が行え、建物全体ではコンクリート使用量の大幅な削減となる。
【発明の効果】
【0010】
この発明のせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手は、互いに接続される一対の鉄筋の端部が両端から挿入されて両鉄筋を相互に接続する筒状の継手本体と、この継手本体の外周面の一部に突出して設けられたフックとを有し、このフックは、開口部分が継手本体の長手方向に向き、前記継手本体と直交する方向のせん断補強筋を支持可能としたため、継手配置部におけるせん断補強筋のかぶり厚確保のためのコンクリート断面の増大が回避できて、コンクリート使用量の大幅な削減を行うことができ、またせん断補強筋の施工性に優れる。
【0011】
この発明の鉄筋コンクリート体の配筋構造は、柱または梁からなる長尺形状の鉄筋コンクリート体の配筋構造であって、この鉄筋コンクリート体の長手方向に延びる複数本の主筋と、前記鉄筋コンクリート体の長手方向の複数箇所に設けられた環状のせん断補強筋とでなり、前記各主筋が、この発明のせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手により接続され、これら各機械式鉄筋継手は、前記フックが鉄筋コンクリート体の内側に向けられ、前記機械式鉄筋継手の長さ範囲内にあるせん断補強筋は、前記機械式鉄筋継手よりも鉄筋コンクリート体の内側に配置されて各機械式鉄筋継手の前記フックに引っ掛け状態に支持されたため、継手配置部におけるせん断補強筋のかぶり厚確保のためのコンクリート断面の増大が回避できて、コンクリート使用量の大幅な削減を行うことができ、またせん断補強筋の施工性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一実施形態に係る柱用としたせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手を示す正面図および平面図である。
【図2】ねじ式とした同機械式鉄筋継手と鉄筋との接続状態を示す断面図である。
【図3】グラウト注入式とした同機械式鉄筋継手と鉄筋との接続状態を示す断面図である。
【図4】(A)〜(C)は、フック個数をそれぞれ変えた各機械式鉄筋継手の例を示す正面図および平面図である。
【図5】同機械式鉄筋継手を用いた柱の縦断面図および横断面図である。
【図6】梁用としたせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手の各例を示す正面図および側面図である。
【図7】同機械式鉄筋継手を用いた梁の縦断面図および横断面図である。
【図8】同梁の応力伝達モデルの説明図である。
【図9】従来の柱の断面図である。
【図10】従来の機械式鉄筋継手の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。図1は、柱用のせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手の例を示す。この機械式鉄筋継手1は、鋼製の筒状の継手本体2と、この継手本体2の外周面の一部に突出して設けられたフック3とを有する。継手本体2は、互いに接続される鉄筋4,4の端部が両端から挿入されて両鉄筋4,4を相互に接続するものである。フック3は、開口部分3aが継手本体2の長手方向に向き、継手本体2と直交する方向のせん断補強筋5を、継手本体2の外周面との間に挟み込み状態に支持可能な形状および強度としたものである。フック3は、継手本体2と一体構造に製造されるか、または継手本体2に剛に固定されたものである。フック3は、機械式鉄筋継手1を柱や梁等のコンクリート体に埋め込んで使用した場合、せん断補強筋5から作用する力で損傷を生じない強度を有するものとする。フック3の形状は、例えばL字形の側面形状とされるが、応力を分散させるために丸みを持たせた断面形状とし、かつ基端側に近づくに従って厚くなり、かつ幅が広くなるようにすることが好ましい。また、上記L字形の側面形状は、直角に折れ曲がる形状でも良いが、継手本体2から延びる立ち上がり部分が傾斜し、鈍角で折れ曲がって先端側部分に続く形状としてある。
【0014】
フック3は、図1の例では、継手本体2に対して長手方向に並べて2個設けているが、フック3の配置個数は、図4(A)に示すように1個であっても、同図(C)のように3個であっても、また4以上であっても良い。一般的には、継手本体2の外径が大きくなるに従って、フック3の個数を増やすのが良い。フック3の配置個数や位置は、柱等に使用した場合に、せん断補強筋5の間隔を確保されるように、継手本体2にバランス良く配置する。各フック3の向く方向は、互いに同じ方向とする。
【0015】
また、柱に使用する機械式鉄筋継手1では、図4(A)〜(C)のように下端部分にフック3を配置し、上端にはフック3を配置しないのが良い。上端にフック3を配置しないのは、上端付近には継手部分以外の一般部分と同様にせん断補強筋5を配置できるためである。なお、補強のために、継手本体2の両端にフック3を配置しても良い。
【0016】
継手本体2は、ねじ式であっても、グラウト注入式であっても良い。図2の例は、ねじ式とした例であり、継手本体2の内周面に雌ねじ部2aが形成されている。両側の鉄筋4,4は、端部に雄ねじ部4aを形成したものであり、各鉄筋4,4の雄ねじ部4aを継手本体2の雌ねじ部2aに螺合させることで、両側の鉄筋4,4が継手本体2を介して互いに接続される。雌ねじ部2aは、両側の鉄筋4,4の雄ねじ部4aが螺合する部分を、互いに逆ねじとしたものであっても、また共に順ねじとしたものであっても良い。鉄筋2の雄ねじ部4aは、ねじ加工した別部品を鉄筋4の端部に圧接等で接合したものであっても、鉄筋4の端部を拡径加工してその拡径加工部分にねじ加工したものであっても良い。図示の例は、別部品を接合して雄ねじ部4aとしている。なお、鉄筋4は、図2のように軸方向および円周方向の突条4bを有する異形鉄筋であるが、他の各図では突条4bの図示を省略してある。
【0017】
図3は、グラウト注入式とした例である。この例では、継手本体2は、両端を除く中間部分の内径が、継手本体2内に差し込まれた鉄筋との間に充填用の隙間を有する径とされる。この隙間にグラウト6を注入し、硬化させることにより、両側の鉄筋4,4がグラウト6および継手本体2を介して相互に接続される。継手本体2には、両端にグラウト6の注入用、および注入時の空気抜き用の穴7,8が設けてある。
【0018】
継手本体2を図2のようなねじ式とした場合は、グラウト注入式に比べて、硬化養生の時間が不要で、施工期間が短縮できる。図3のようなグラウト注入式とした場合は、継手本体内への鉄筋4の挿入量の調整等によって、鉄筋長さの誤差の吸収が行え、また継手本体2の端部の開口径と鉄筋径との差により、両側の鉄筋4,4の芯ずれを吸収できる。ねじ式とグラウト注入式のいずれであっても、筒状の継手本体2があるため、上記フック3を設けることが可能である。
【0019】
図5は、図1の機械式鉄筋継手1を用いた鉄筋コンクリート体である柱11の配筋構造を示す。この柱11は、断面形状が正方形状であって、その4辺に沿うように、コンクリート13の断面の外周部に複数本の主筋12が配筋されている。図示の例では、1辺に5本の主筋12が配筋され、角部の主筋12は隣合う2辺に共通とされている。各主筋12は、図1のように、鉄筋4,4を機械式鉄筋継手1で接続したものである。各機械式鉄筋継手1は、フック3が柱断面の内側を向くように配置される。具体的には、四側の各柱外面に対して反対側を向くように各フック3が向けられ、角部の機械式鉄筋継手1はフック3が柱断面の対角線方向の向くように設けられている。
【0020】
せん断補強筋5は、機械式鉄筋継手1の存在する部位以外である一般部分では、主筋12の配列を取り巻くように環状に設けられている。機械式鉄筋継手1の存在する箇所においては、環状のせん断補強筋5が、主筋12の配列の内側に設けられ、各機械式鉄筋継手1のフック3に支持されている。また、機械式鉄筋継手1の上端に接するかまたは接する程度に近接した位置に、一般部分と同様に、主筋12の配列を取り巻くようにせん断補強筋5が配筋されている。
【0021】
この構成の機械式鉄筋継手1および柱の配筋構造によると、せん断補強筋5をフック3で支持できるため、鉄筋継手1の配置部分において、主筋12に対して柱11の内側にせん断補強筋5を配置することができる。そのため、鉄筋継手1の配置部分のせん断補強筋5が、他の部分のせん断補強筋5よりもコンクリート表面側に位置することがなく、鉄筋継手1の配置部分におけるせん断補強筋5のかぶり厚確保のために柱断面を大きくすることが不要となる。したがって、コンクリート使用量の削減が行え、建物全体ではコンクリート使用量の大幅な削減となる。また、機械式鉄筋継手1自体が主筋12に対して大径のものであるため、機械式鉄筋継手1が十分な支圧抵抗要素となり、せん断補強筋5が引っ張り抵抗することで、抵抗機構を構成し、抵抗する。さらに、せん断補強筋5はフック3に引っ掛けるだけで良く、せん断補強筋5の施工性が良い。
【0022】
図6ないし図8は、梁に適用した例を示す。図6(A)〜(C)は、各径の機械式鉄筋継手1の例を示す。梁用とする場合、機械式鉄筋継手1のフック3は、継手本体2の両端に設置しない。これは、両端の直ぐ近くに、通常のせん断補強筋5を配置できるためである。なお、両端に補強のためにフック3を配置しても良い。また、フック3の配置個数については、柱用と同様に、せん断補強筋5の間隔を確保し、継手部分にバランス配置する。一般的には、継手本体2が大径となるに従い、フック3の個数を増やす。
【0023】
継手本体2は、図2や図3に示す機械式またはグラウト注入式とされている。梁用の機械式鉄筋継手1におけるその他の構成は、前記の柱用の鉄筋継手2と同様である。
【0024】
図7は、図6(B)の機械式鉄筋継手1を用いた鉄筋コンクリート体である梁21の配筋構造を示す。この梁21は、断面形状が上下に長い長方形形状であって、そのコンクリート13の上辺と下辺に沿うように、複数本の主筋12が配筋されている。図示の例では、1辺に3本の主筋12が配筋されている。各主筋12は、図1のように、鉄筋4,4を機械式鉄筋継手1で接続したものである。各機械式鉄筋継手1は、フック3が柱断面の内側を向くように配置される。具体的には、上辺の各機械式鉄筋継手1はフック3が下向きとなるように、下辺の各機械式鉄筋継手1はフック3が上向きとなるように設けられている。
【0025】
せん断補強筋5は、機械式鉄筋継手1の存在する部位以外である一般部分では、主筋12の配列を取り巻くように環状に設けられている。機械式鉄筋継手1の存在する箇所では、環状のせん断補強筋5が、主筋12の配列の内側に設けられ、各機械式鉄筋継手1のフック3に支持されている。また、機械式鉄筋継手1の両端にそれぞれ接するかまたは接する程度に近接した位置に、一般部分と同様に、主筋12の配列を取り巻くようにせん断補強筋5が配筋されている。
【0026】
この構成の梁用の機械式鉄筋継手1および梁21の配筋構造によると、柱用の機械式鉄筋継手1で説明したと同様に、継手配置部におけるせん断補強筋5のかぶり厚確保のためのコンクリート断面の増大が回避できて、コンクリート使用量の大幅な削減が行え、またせん断補強筋5の施工性にも優れる。
【0027】
図8は応力伝達モデルを示す。同図に示すように、梁21のコンクリートに生じた圧縮束が機械式鉄筋継手1を押し広げる力Cとなり、継手部からフック3を介してせん断補強筋5に引っ張り力を生じさせ、主筋12と共に抵抗する。
【符号の説明】
【0028】
1…機械式鉄筋継手
2…継手本体
2a…雌ねじ部
3…フック
3a…開口部分
4…鉄筋
4a…雄ねじ部
5…せん断補強筋
11…柱
12…主筋
21…梁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続される一対の鉄筋の端部が両端から挿入されて両鉄筋を相互に接続する筒状の継手本体と、この継手本体の外周面の一部に突出して設けられたフックとを有し、このフックは、開口部分が継手本体の長手方向に向き、前記継手本体と直交する方向のせん断補強筋を支持可能としたせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手。
【請求項2】
請求項1において、前記継手本体は、内部に雌ねじ部を有し、両側の鉄筋の端部に設けられた雄ねじ部を螺合させて両側の鉄筋を相互に接続するものであるせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手。
【請求項3】
請求項1において、前記継手本体は、内部にグラウトが充填されてこのグラウトの硬化によって両側の鉄筋を相互に接続するものであるせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手。
【請求項4】
柱または梁からなる長尺形状の鉄筋コンクリート体の配筋構造であって、この鉄筋コンクリート体の長手方向に延びる複数本の主筋と、前記鉄筋コンクリート体の長手方向の複数箇所に設けられた環状のせん断補強筋とでなり、前記各主筋が、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のせん断補強筋支持機能付きの機械式鉄筋継手により接続され、これら各機械式鉄筋継手は、前記フックが鉄筋コンクリート体の内側に向けられ、前記機械式鉄筋継手の長さ範囲内にあるせん断補強筋は、前記機械式鉄筋継手よりも鉄筋コンクリート体の内側に配置されて各機械式鉄筋継手の前記フックに引っ掛け状態に支持されたことを特徴とする鉄筋コンクリート体の配筋構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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