説明

たるみ抑制剤の水性組成物

本発明は、たるみ抑制剤と水とを含有する、少なくとも1つの尿素基を含むたるみ抑制剤の水性組成物であって、たるみ抑制剤がA)少なくとも1つの親水性ポリイソシアネートを、B)第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミン、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノエーテルならびにそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ−官能性化合物と水相で反応させることによって得られる組成物に関する。本発明はまた、たるみ抑制剤の水性組成物を含有するコーティング組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素含有たるみ抑制剤(sagging control agent)の水性組成物、ならびに当該たるみ抑制剤の水性組成物を含有する自動車および工業用コーティングのための向上したレオロジー性能のコーティング組成物に関する。本発明はまた、尿素含有たるみ抑制剤の水性組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペイントおよびコーティングの基本的な要件は、それらがよく流れるが、ランしてはならないことである。良好な流れは、コーティングの表面が表面張力の影響下に均一で平滑な表面を形成するのを可能にするのに十分に長い時間、粘度が十分に低く保たれることを必要とする。しかしながら、コーティングがこのように「オープン」のままであるとき、剪断力の影響のために液だれが垂直面上で起こるかもしれない。液だれを防ぐため、粘度は、薄いコーティングが流れるのを止めるためにできるだけ高くなければならない。これは、コーティングの粘度が塗布中および塗布直後には−良好な流れを確実にするために−比較的低く、そして−液だれを防ぐために−その後は比較的高くなければならないことを意味する。液だれなしに良好な流れを得るために、レオロジー添加剤、例えば、たるみ抑制剤がコーティング材料に添加される。
【0003】
コーティング組成物中のたるみ抑制剤(SCA)は周知である。これらは、例えば、低分子で半結晶性の尿素ベースの有機化合物であることができ、それらはまた沈降防止剤としても機能することができ、かかる化合物は低い剪断速度/応力で高い粘度をペイントに与える。
【0004】
これらのSCAは、溶剤型の高固形分および中間固形分コーティング組成物において特に公知であり、かつ、記載されている。
【0005】
例えば、米国特許第4,311,622号明細書は、バインダーならびにジイソシアネートとモノアミンまたはヒドロキシモノアミンとの反応生成物である、SCAから製造されたチキソトロピックコーティング組成物を開示している。ジイソシアネートとモノアミンとの反応は、不活性溶媒の存在下に、および好ましくはバインダーの存在下に実施される。
【0006】
同様に、EP−A−0 198 519号明細書は、ジイソシアネートと第一級アミン基およびエーテル基を含有するモノ−またはジアミンとの反応生成物である、SCAを含むチキソトロピックコーティング組成物を開示している。さらに、欧州特許第192 304号明細書は、ジイソシアネートからのイソシアヌレート三量体と少なくとも1つの第一級アミン基を有するアミンとの反応生成物である、SCAを含むチキソトロピックコーティング組成物を開示している。それらのSCAは、有機溶媒の存在下におよび溶剤型バインダー調合物の存在下に製造される。バインダーの存在は、剪断下での制御された結晶化過程に達して活性な尿素粒子網状構造を形成し得るために必要とされる。SCAは高い固形分含有率を有する溶剤型コーティング組成物での使用に好適である。なぜならばそれらがたるみに特に敏感であるからである。
【0007】
ますます厳しくなる環境法律を背景にして、水性ペイントが車両塗装をはじめとする、様々な分野の用途でここ数年ますます重要になってきた。水溶性または水分散性バインダーが水性ペイントの生産のために提供されている。加えてそれらの水性ペイントはまた、添加剤、例えば、水性コーティング組成物での使用に特に適合する、かつ、水性組成物中へ入れられるときに水性組成物中の有機溶剤の含有率を著しく増加させないSCAを必要とする。
【0008】
それ故、一方では、所望のレオロジーおよび光学的特性/外観を示し、そして、他方では、非常に少量の有機共溶剤を含有するにすぎない、たるみ抑制剤の水性組成物およびそれらのたるみ抑制剤を含有するチキソトロピック水性コーティング組成物に対するニーズがあった。たるみ抑制剤のこの水性組成物は、水性の色−および/または効果−付与ベースコートにおよびプライマーにだけでなく、水性の顔料入りトップコートおよび透明なクリアコートにも普遍的に適用できるものとする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水と少なくとも1つの尿素基を含有する少なくとも1つのたるみ抑制剤とを含む、たるみ抑制剤の水性組成物であって、
たるみ抑制剤が
A)少なくとも2つのイソシアネート基を有する、少なくとも1つの親水性ポリイソシアネート、
B)第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミン、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノエーテルならびにそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ−官能性化合物、ならびに
C)任意成分である、アミノ−官能性化合物B)以外の少なくとも1つのアミノ−官能性化合物
を含む成分を水相で反応させることによって得られる組成物に関する。
【0010】
本発明はまた、以下の工程:
I)水相を提供する工程と、
II)水相で
A)少なくとも2つのイソシアネート基を有する、少なくとも1つの親水性ポリイソシアネート、
B)第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミン、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノエーテルならびにそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ−官能性化合物、ならびに
C)任意成分である、アミノ−官能性化合物B)以外の少なくとも1つのアミノ−官能性化合物
を含む成分を反応させる工程と
を含む、たるみ抑制剤の水性組成物の製造方法に関する。
【0011】
本発明はまた、上記のようなたるみ抑制剤の水性組成物を含む水性コーティング組成物に関する。
【0012】
特に本発明は、
a)少なくとも1つの水希釈可能なバインダー、
b)任意成分である少なくとも1つの架橋剤、
c)水、
d)任意成分である通常のコーティング添加剤、顔料、フィラーおよび/または有機溶剤、ならびに
e)水と少なくとも1つの尿素基を含有する少なくとも1つのたるみ抑制剤とを含むたるみ抑制剤の水性組成物と
を含む水性コーティング組成物であって、
たるみ抑制剤が
A)少なくとも2つのイソシアネート基を有する、少なくとも1つの親水性ポリイソシアネート、
B)第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミン、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノエーテルならびにそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ−官能性化合物、ならびに
C)任意成分である、アミノ−官能性化合物B)以外の少なくとも1つのアミノ−官能性化合物
を含む成分を水相で反応させることによって得られる組成物に関する。
【0013】
好ましくはたるみ抑制剤の水性組成物は、水性コーティング組成物が水性コーティング組成物の総量を基準として、0.1〜30.0重量%、より好ましくは0.5〜20.0重量%のたるみ抑制剤を含有するような量で使用される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のこれらのおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読むことから、当業者によって、より容易に理解されるであろう。明確にするために、別個の実施形態との関連で上におよび下に記載される本発明のそれらのある種の特徴はまた、単一の実施形態の組み合わせで提供されてもよいことが理解されるべきである。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態との関連で記載される本発明の様々な特徴はまた、別々にまたは任意の下位の組み合わせで提供されてもよい。加えて、単数形での言及はまた、文脈が明確に別なふうに述べない限り、複数形を含んでもよい(例えば、「a」および「an」は1つ、または1つ以上を意味してもよい)。
【0015】
ここでおよび本明細書以下に用いられるところでは用語(メタ)アクリルはメタクリルおよび/またはアクリルを意味すると解釈されるべきである。
【0016】
特に明記しない限り、本明細書で言及される全ての分子量(数および重量平均分子量の両方)は、標準としてポリスチレン、そして液相としてテトラヒドロフランを使用してGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定される。
【0017】
短い用語SCAがここでおよび本明細書で以下にたるみ抑制剤に対して用いられるものとする。
【0018】
水性コーティング組成物は、コーティング組成物を製造するおよび/または塗布するときに水が溶剤またはうすめ液として使用される、コーティング組成物である。通常、水性コーティング組成物は、コーティング組成物の総量を基準として、20〜80重量%の水と、任意に、コーティング組成物の総量を基準として、15重量%以下、好ましくは、10重量%未満の有機溶剤とを含有してもよい。
【0019】
水相は、水または、混合物が最大50重量%の有機溶剤を含有する、水と少なくとも1つの有機溶剤との混合物を意味する。好ましくは、水相は70〜100重量%の水を含有する。
【0020】
SCAの水性組成物は、少なくとも1つの親水性ポリイソシアネートA)と少なくとも1つのアミノ−官能性化合物B)と任意成分である少なくとも1つのアミノ−官能性化合物C)とを水相で、特に水中で反応させることによって製造される。それは、バインダーの存在下に、またはいかなるバインダーも不存在下に製造することができる。
【0021】
SCAの水性組成物は、少なくとも1つのSCA、水および任意成分でる有機溶剤を含む。加えてSCAの水性組成物は、通常のコーティング添加剤、顔料およびフィラーならびに、必要ならば、少なくとも1つのバインダー、特に少なくとも1つの水希釈可能なバインダーを含有することができる。
【0022】
一実施形態でSCAの水性組成物は、少なくとも1つのSCA、水ならびに任意成分である通常のコーティング添加剤、顔料、フィラーおよび/または有機溶剤からなり、バインダーを含まない。
【0023】
水相で、特に水中で直接レオロジー活性なSCAを製造すること、およびバインダーの不存在下にもまたそれらを製造することが可能であることは驚くべきであり、明らかではなかった。水相で直接に本発明に従ってSCAを製造するときに、十分なレオロジー性能の安定な水性組成物を達成することもまた驚くべきであった。先行技術に開示される組成物をベースとする、例えば、ジイソシアネートとベンジルアミンとの標準SCAをベースとするSCAは、バインダーの存在下でもバインダーの不存在下でも、水相で直接製造することはできなかった。先行技術の組成物がレオロジー応答を全く持たなかったか、不満足に分散された尿素粒子に満ちた組成物が得られたかのどちらかであった。
【0024】
SCAをいかなるバインダーも不存在下に水相で別々に製造できることは本発明の利点である。これは、コーティング組成物の組成から独立した、特に水性コーティング組成物のバインダー/架橋剤システムから独立した、全く異なる水性コーティング組成物中へ加えることができる別個の添加物としてSCAの水性組成物を使用することを可能にする。
【0025】
さらなる実施形態でSCAの水性組成物は、少なくとも1つのSCA、水、少なくとも1つのバインダー、特に少なくとも1つの水希釈可能なバインダーならびに任意成分である通常のコーティング添加剤、顔料、フィラーおよび/または有機溶剤を含む。これはまた、水性コーティング組成物中へ別々に加えることができる、別個の添加物としてSCAの水性組成物を使用することを可能にする。しかしながら、SCAの水性組成物中に存在するバインダーが水性コーティング組成物のバインダー/架橋剤システムと相溶性であることが確実にされなければならない。
【0026】
SCAの水性組成物中に存在するバインダーは、単一バインダー、バインダーの組み合わせ、架橋剤、架橋剤の組み合わせまたは少なくとも1つのバインダーと少なくとも1つの架橋剤との組み合わせであることができる。
【0027】
単純化のために用語「バインダー」(SCAの水性組成物中に存在する)は、以下ではバインダー、バインダーの組み合わせ、架橋剤、架橋剤の組み合わせまたは少なくとも1つのバインダーと少なくとも1つの架橋剤との組み合わせを意味するものとする。
【0028】
本発明のSCAの水性組成物は好ましくは、SCAの水性組成物の総量を基準として、0.1〜10重量%の少なくとも1つのSCA、特に好ましくは0.5〜4.0重量%の少なくとも1つのSCAを含む。
【0029】
特に本発明のSCAの水性組成物は好ましくは、全ての成分の総量が合計100重量%になる、0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜4.0重量%のSCA、99.9〜20重量%、特に好ましくは99.5〜30重量%の水ならびに任意選択的に0〜70重量%、特に好ましくは0〜50重量%のバインダー、コーティング添加剤、顔料、フィラーおよび/または有機溶剤を含む。
【0030】
製造がバインダーの存在下に、特に水希釈可能なバインダーの存在下に実施される場合、バインダーは、SCAの水性組成物の総量を基準として例えば10〜70重量%の、好ましくは20〜60重量%の量でSCAの水性組成物中に存在する。
【0031】
SCAは、少なくとも2つの遊離のイソシアネート基を有する少なくとも1つの親水性ポリイソシアネートA)を、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミン、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノエーテルならびにそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ−官能性化合物B)と反応させることによって製造される。
【0032】
親水性ポリイソシアネートは、ポリイソシアネートが水分散性であることに気を付ける、親水性基で、特に化学的に組み入れられた親水性基で変性された任意のポリイソシアネートを意味する。ポリイソシアネートを変性するために用いられるべき親水性基は、イオン性、特にアニオン性の親水性基および/または非イオン性の親水性基であることができる。アニオン性変性は、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基および/またはホスホン酸基もしくはリン酸基をポリイソシアネートへ組み入れることによって得られてもよい。非イオン性変性は、例えば、ポリエチレンオキシド単位を組み入れることによって得られてもよい。イオン性、特にアニオン性および非イオン性の親水性基での混合変性もまた可能である。
【0033】
イオン的に変性されたポリイソシアネートは、中和剤でのイオン性基の部分または完全中和によって水分散性または水可溶性形態へ変換することができる。アニオン性基は塩基で中和することができる。塩基性中和剤の例は、第三級アミン、特にトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルブチルアミン、N−メチルモルホリンなどの、イソシアネート基といかなる官能性反応もしない第三級アミンだけでなく水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムである。
【0034】
本発明に使用されるべき親水性ポリイソシアネートの例は、欧州特許第443 138号明細書(化学的に固定されたカルボキシル基を有する)、欧州特許第510 438号明細書(化学的に固定されたカルボキシル基およびある含有率のエチレンオキシド単位を有する)、欧州特許第548 669号明細書(0.5〜500ミリ当量のカルボキシル基を含有するイソシアナトカルボン酸)ならびに欧州特許第1 287 052号明細書(変性ポリイソシアネートはポリイソシアネートと2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸および/または3−(シクロヘキシルアミノ)−プロパンスルホン酸との反応によって得られる)に記載されている。
【0035】
一般に本発明に使用されるべき親水性ポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物は、少なくとも2.0、例えば2.0〜4.0のNCO官能性によって特徴付けられる。親水性ポリイソシアネートは、それらを水溶性または水分散性にするのに十分な量の親水性基、ポリイソシアネート固形分基準で例えば1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%のイオン性および/または非イオン性の親水性基を含有する。
【0036】
本発明の親水性ポリイソシアネートの基盤として、上述の官能性を有する任意の脂肪族、芳香脂肪族、脂環族または芳香族ポリイソシアネートを使用することができる。ポリイソシアネートは通常、3〜40個、好ましくは4〜20個の炭素原子を含有する。対称ジイソシアネートおよび/またはかかるジイソシアネートのオリゴマー、例えばかかる対称ジイソシアネートの三量体を使用することが好ましい。対称の脂肪族または脂環族ジイソシアネートおよび/またはかかるジイソシアネートのオリゴマー、例えばかかる対称ジイソシアネートの三量体が好ましくは使用される。言及されてもよいジイソシアネートの好適な例は下記である:テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ジメチル−2,4−ジ(ジイソシアナトメチル)ベンゼン、1,5−ジメチル−2,4−ジ(ジイソシアナトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4−ジ(ジイソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジ(ジイソシアナトメチル)ベンゼンおよびイソホロンジイソシアネート。それらのジイソシアネートのオリゴマー、例えば、ウレチジオン、イソシアヌレートおよびビウレット類似体などの、ジイソシアネートの二量体および/または三量体誘導体もまた使用することができる。ポリイソシアネートはまた、カルボジイミド、アロファネート、ウレタンおよび尿素基を含有してもよい。ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートのオリゴマーが好ましく、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネートのイソシアヌレート三量体が特に好ましい。
【0037】
一般にポリイソシアネートは、単独でまたは組み合わせて使用することができる。ポリイソシアネートは、それらをSCAに使用する前に、モル過剰のイソシアネート基を用いて、それらを例えばOH官能性ポリエステルなどのOH官能性化合物および/またはポリウレタン前駆体と反応させることによって変性することができる。
【0038】
通常ポリイソシアネートは、ポリイソシアネートを製造するときに親水性基で変性される。これは、例えば上述の参考文献に記載される通りに行うことができる。親水性ポリイソシアネートはまた、例えば商品名Bayhydur(登録商標)2570およびDesmophene XP 2410でBayerから、または、例えばRhodiaから同等製品で商業的に入手可能である。
【0039】
しかし、ポリイソシアネート上で水相での水分散性基のその場形成もまた可能である。ポリイソシアネート上の水分散性基は、例えばイソシアネート基の少なくとも一部とイソシアネート基と反応性の基を有するポリエチレンオキシド誘導体(例えばヒドロキシル末端ポリアルキレングリコール)とのおよび/またはヒドロキシル、メルカプトおよび/またはアミノ酸との反応によってその場で形成することができる。
【0040】
上述の化合物での、例えばカルボン酸、スルホン酸および/またはホスホン酸基での通常の疎水性ポリイソシアネート(すなわち、特に親水性化されていないポリイソシアネート)のその場親水性化は、ポリイソシアネートをアミン化合物B)と反応させる直前に水相でポリイソシアネート成分A)に官能性化合物を加えることによって行うことができる。親水性化のために使用することができるアミノおよび酸官能性化合物は、アミノカルボン酸、アミノスルホン酸およびアミノホスホン酸である。好適なアミノモノカルボン酸の例はグリシン(アミノ酢酸)、アミノプロピオン酸、4−アミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、6−ベンゾイルアミノ−2−クロロカプロン酸、オキサルル酸、アニリド酢酸、2−ヒドロキシ−カルバゾール−カルボン酸−3、2−エチルアミノ−安息香酸、N−2(2−カルボキシフェニル)−アミノ酢酸、N−フェニルアミノ酢酸、3,4−ジアミノ−安息香酸および5−(4’−アミノベンゾイルアミノ)−2−アミノ安息香酸、サルコシン、メチオニン、アルファ−アラニン、ベータ−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、システイン、ヒスチジン、リジンである。好適なアミノジカルボン酸の例は5−アミノベンゼン−ジカルボン酸、アスパラギン酸およびグルタミン酸である。
【0041】
好適なアミノスルホン酸についての例は、3−(2−アミノエチルアミノ)プロパンスルホン酸、3−シクロヘキシルアミノプロパン−1−スルホン酸、2−シクロヘキシルアミノエタンスルホン酸、3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、タウリン、メチルタウリン、ブチルタウリン、1−ヒドラジン−ジスルホン酸、スルファニル酸、N−フェニル−アミノメタン−スルホン酸、4,6−ジクロロアニリン−スルホン酸−2、フェニレンジアミン−1,3−ジスルホン酸−4,6、N−アセチルナフチルアミン−1−スルホン酸−3、ナフチルアミン−1−スルホン酸、ナフチルアミン−2−スルホン酸、ナフチルアミン−ジスルホン酸、ナフチルアミン−トリスルホン酸、4,4’−ジ−(p−アミノ−ベンゾイル−アミノ)−ジフェニル尿素−ジスルホン酸−3,3’、フェニル−ヒドラジン−ジスルホン酸−2,5、2,3−ジメチル−4−アミノアゾベンゼン−ジスルホン酸−4’,5、カルバゾール−ジスルホン酸−2,7、3−アミノ−安息香酸−1−スルホン酸−5、3−アミノ−トルエン−N−メタン−スルホン酸、4,6−ジアミノベンゼン−ジスルホン酸−1,3、2,4−ジアミノ−トルエン−スルホン酸−5、4,4’−ジアミノ−ジフェニル−ジスルホン酸−2,2’、2−アミノフェノール−スルホン酸−2、2−アミノ−アニソール−N−メタンスルホン酸および2−アミノ−ジフェニルアミン−スルホン酸である。
【0042】
通常の疎水性ポリイソシアネートのその場親水性化は、同じ出願者の欧州特許第1704928号明細書および欧州特許第1671990号明細書に詳細に記載されている。
【0043】
SCAの製造での親水性ポリイソシアネートの使用は不可欠である。非親水性ポリイソシアネート、すなわち、親水性基で特に変性されていないまたはその場で親水性基で変性されない通常の従来のポリイソシアネートを使用するとき、SCAの安定な、シードを含まない水性組成物を得ることは可能ではない。
【0044】
本発明によるSCAの製造に使用されるべき第2成分は、成分B)、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミン、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノエーテルならびにそれらの混合物からなる群から選択されたアミノ−官能性化合物である。化合物B)は、SCAの安定な水性組成物を提供するために不可欠である。
【0045】
例えば、上述の構造要件を満たす全てのヒドロキシ官能性脂肪族および/または芳香脂肪族モノ−およびポリアミンを成分B)として使用することができる。モノ−およびポリアミンは、例えば61〜5000の分子量(Mn)を有する。好適な成分B)の例は、1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子のアルカノールアミン、アルキルアルカノールアミンおよび/またはアリールアルカノールアミンである。好適なヒドロキシ−モノアミンは、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、5−アミノペンタノールなどの、モノヒドロキシ−モノアミンおよびトリス−ヒドロキシメチルアミノメタン、2−エチル−2−アミノ−1,3−ジヒドロキシプロパンなどの、ポリヒドロキシ−モノアミンである。さらに、ヒドロキシ−ジアミン、例えば、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−(3−アミノプロピル)プロパノールアミンが成分B)として使用されてもよい。
【0046】
第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノエーテルもまた成分B)として使用されてもよい。好適なアミノエーテルは(シクロ)アルコキシ(シクロ)アルキルモノ−およびジアミンである。エーテルアミンは一般に55個以下の炭素原子、好ましくは1〜24個、より好ましくは1〜12個の炭素原子を含有する。エーテルアミンの好適な例は、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシ−1−プロピルアミン、3−エトキシ−1−プロピルアミン、1−メトキシメチルプロピルアミン、1,1−ジメトキシ−2−プロピルアミン、3−エトキシ−1−プロピルアミン、3−ブトキシ−1−プロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)−1−プロピルアミン、3−トリデシルオキシプロピルアミン、3−ステアリルオキシプロピルアミンなどの、アルコキシエチルアミン、アルコキシプロピルアミン、p−メトキシベンジルアミン、3,4−ジメトキシベンジルアミン、p−メトキシフェニルエチルアミン、3,4−ジメトキシフェニル−エチルアミン、9−フェノキシ−4,7−ジオキサノン−1−アミン、2−メチル−4−メトキシアニリン、2,5−ジメトキシ−アニリン、フルフリルアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、2−(4−モルホリニル)エチルアミン、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、2,2’−アミノエトキシエタノール、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、4,9−ジオキサデカン−1,12−ジアミン、7−メチル−4,10−ジオキサトリデカン−1,13−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミンである。
【0047】
エーテルアミンのさらに好適な例は、Huntsman製の商品名Jeffamine(登録商標)で公知のより高分子量のポリエーテルアミンである。
【0048】
アミノ−官能性化合物B)は、単独でまたは互いに組み合わせて使用されてもよい。それらはまた、親水性ポリイソシアネートA)のイソシアネート官能基の少なくとも1つがアミン化合物Bのアミノ基で変性されたという条件で、アミノ−官能性化合物B)以外の少なくとも1つの追加のアミノ−官能性化合物C)と組み合わせて使用することができる。それらの追加のアミンは例えば70〜5000の分子量(Mn)を有する。アミンC)は、少なくとも1つの第一級および/または第二級アミノ基を有するアミンであることができる。アミン化合物C)の例は、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのジアルカノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、イミダゾール、4(5)−ニトロイミダゾール、2−または4−メチルイミダゾールピペラジン、N−エチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンモルホリン、2,6−ジメチルモルホリンヘキサメチレンイミン、ピペリジンピロリジンおよびN−メチルエタノールアミンである。
【0049】
第一級アミンと例えばエポキシ誘導体との反応生成物もまた使用することができる。
【0050】
SCAの製造のためのポリイソシアネートA)、アミノ−官能性化合物B)および任意成分であるアミノ−官能性化合物C)の間の反応で、ポリイソシアネートかアミン化合物かのどちらかが一般に化学量論量に対して過剰に用いられてもよい。好ましくはモル比NCO:NH/NH2は約1であるが、過剰のNCOかNH/NH2かのどちらかを特殊な目的のために必要ならば用いることができる。例えば、アミノ−官能性化合物B)およびC)のアミノ基対ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル比は0.7〜1.5の範囲にあってもよいが、好ましくは1:1であるべきである。
【0051】
追加のアミンC)は、成分B)およびC)とポリイソシアネートA)との反応生成物が擬塑性であり、水中で安定であるという点において選ばれなければならない。擬塑性は、それぞれが水中3重量%のSCAの組成で測定されて、300rpmでの反応生成物(SCA)の高剪断粘度が3rpmでの粘度より少なくとも5倍低いことを意味する。
【0052】
追加のアミンC)を使用するとき、アミン化合物B)および他のアミン化合物C)の比が、安定であるレオロジー的に活性な尿素反応生成物を生じさせるように、親水性ポリイソシアネートの少なくとも1つのNCO基がアミン化合物B)と反応し、そして残りが他のアミン化合物C)と反応することが確実にされなければならない。この比は、アミン化合物B)および他のアミン化合物C)の正確な構造に依存する。組成物での他のアミン化合物C)の使用は、最終ペイント組成物でのバインダーとの改善された相溶性につながり、所望のレオロジー側面(例えばチキソトロピー対擬塑性)の最適化を助ける。
【0053】
単純化のために用語アミノ−官能性化合物B)は本明細書では以下、アミノ−官能性化合物B)および任意成分である少なくとも1つの追加のアミノ−官能性化合物C)を意味するものとする。
【0054】
本発明によればSCAは成分A)およびB)を直接水相で、好ましくは直接水中で反応させることによって製造される。成分A)とB)との間の反応は、0〜95℃の範囲で、好ましくは10〜40℃の範囲で実施することができる。
【0055】
成分A)とB)との間の反応は、アミノ−官能性化合物B)またはポリイソシアネートA)が水相に加えられ、次に他の成分が加えられ、そして混合されるという点において実施されてもよい。両成分はまた、混合し、次に混合物として水相に加えることができる。ポリイソシアネートと水との反応ができる限り少なく起こることを確実にしなければならない。
【0056】
必要ならば、ポリイソシアネートA)および/またはアミン化合物B)の添加は、1段階または数段階で行われてもよい。
【0057】
一般に成分A)とB)との反応は、例えば、上記などの、任意の適宜選ばれた方法で組み合わせられてもよいが、好ましくは、ポリイソシアネートA)はアミノ−官能性化合物B)に加えられるべきである、すなわち、アミノ−官能性化合物B)が水相と混合され、その次にポリイソシアネートA)が水相に加えられることが好ましい。好ましくは、ポリイソシアネートA)は、例えば撹拌しながら、アミノ−官能性化合物B)含有水相への速いまたは制御された添加によって加えられる。
【0058】
たとえ好ましくなくても、アミン化合物B)はポリイソシアネート含有水相に加えることができる。アミン化合物B)およびポリイソシアネートA)はまた、水相に同時に加えることもできる。
【0059】
SCAを含有する水性組成物は例えば、100〜100000cps、好ましくは500〜10000cpsの粘度を有する。粘度は本明細書で用いるところでは、出発粘度、すなわち、添加剤および顔料などの、さらなる任意成分の添加前の水性組成物の粘度である。粘度は2〜20rpmでBrookfieldによって測定される。SCAを含有する最終水性組成物はレオロジー的に活性であり、それは高剪断粘度が低剪断粘度より実質的に低いことを意味する。高剪断粘度とは、粘度が300rpmより上の剪断速度または相当する剪断応力で測定されることを意味する。SCAを含有する最終水性組成物に加えられる応力を停止することおよび低い剪断速度(1rpm未満)または低い剪断応力に切り替えることによって、粘度は、全く即座に(擬塑性挙動)か、ゆっくり(チキソトロピック挙動)かのどちらかで増加する。アミン化合物B)およびC)、親水性ポリイソシアネートA)および任意の存在するバインダーの選択が最終レオロジー側面を決定する。
【0060】
水相でのSCAの構築反応の完了後に、通常のコーティング添加剤、顔料、フィラーおよび最終的に少量の有機溶剤などの、最終水性コーティング組成物の他の原料を加えることもまた可能である。
【0061】
成分A)とB)との反応がバインダー、好ましくは水希釈可能なバインダーの存在下に実施される場合、反応は、500cpsより大きい、より好ましくは1000cps以上の粘度を有する水希釈可能なバインダーの水性分散系で実施される。粘度の上限は、例えば、30,000cpsであることができる。水希釈可能なバインダーa)の水性分散系の粘度に好ましい範囲は500より大きい〜30,000であり、より好ましい範囲は1000〜10,000cpsである。粘度は2〜20rpmでBrookfieldによって測定される。粘度は本明細書で用いるところでは、水性分散系の出発粘度、すなわち、成分A)および/またはB)の添加前の水希釈可能なバインダーの水性分散系の粘度である。SCAが500cps未満の粘度を有する水希釈可能なバインダーの水性分散系中で製造される場合、塊およびシードありの不安定なSCA組成物が生じる。水希釈可能なバインダーの水性分散系の所望の粘度は、水希釈可能なバインダーそれ自体の水性分散系に由来してもよいし、または通常の増粘剤を水希釈可能なバインダーの水性分散系に加えることによって達成されてもよい。通常の増粘剤は、例えば、アルカリ膨潤性増粘剤、会合性増粘剤、シリカおよびベントナイトである。
【0062】
水希釈可能なバインダーの水性分散系は、例えば、10重量%〜65重量%の固形分含有率を有してもよい。
【0063】
しかしながら、水希釈可能なバインダーの存在下にSCAを製造するときにバインダーの官能基がポリイソシアネートA)およびアミン化合物B)と反応しないことが確実にされなければならない。前記バインダーは、例えば水性コーティング組成物に使用されるバインダーであってもよい。それらのバインダーは下により詳細に記載される。
【0064】
本発明はまた、上記のSCAの水性組成物を含有する水性コーティング組成物に関する。SCAの水性組成物を含有する水性コーティング組成物は好ましくは、コーティング組成物の総量を基準として、0.1〜30重量%固形分、特に好ましくは0.5〜10重量%固形分のSCAを含む。
【0065】
一実施形態で本水性コーティング組成物は好ましくは、
10〜90重量%固形分の少なくとも1つの水希釈可能なバインダーa)、
0〜70重量%固形分の少なくとも1つの硬化剤b)、
30〜60重量%の水c)、
0〜70重量%固形分の通常のコーティング添加剤、顔料、増量剤および/または有機溶剤d)ならびに
水性コーティング組成物が、コーティング組成物の総量を基準として、0.1〜30重量%固形分のSCAを含有するような量の、上に定義されたような少なくとも1つのSCAの水性組成物e)
を含み、成分a)〜e)の重量%が合計100%になる。
【0066】
本発明によるコーティング組成物の成分a)は、適切な架橋剤との架橋反応に好適な官能基を含有してもよい水希釈可能なバインダーを含む。
【0067】
使用することができる水希釈可能なバインダーは、いかなる特定の制限も受けない。例えば、自動車および工業用コーティングの分野で、水性コーティング組成物を製造するために通常使用される全ての水希釈可能なバインダーは、バインダー成分a)として使用することができる。バインダーの製造方法だけでなくそれらの水希釈可能なバインダーは当業者に公知であり、様々な特許および他の文書に詳細に開示されている。水希釈可能なバインダーの例は、ポリウレタン(尿素)樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、アルキッド樹脂、セルロースエステル、メラミン樹脂およびそれらから誘導される任意のハブリッドバインダーである。ハブリッドバインダーは、特に、ポリウレタン(尿素)樹脂、ポリエステル樹脂および(メタ)アクリル共重合体樹脂の中から選択された、少なくとも2つのバインダーの組み合わせを含み、ここで、少なくとも2つが存在するバインダーは共有結合でおよび/または相互貫入樹脂分子の形態で一緒に結合する。
【0068】
水希釈可能なバインダーa)は、非官能性または反応性樹脂を含んでもよい。バインダーは物理的に乾燥性で、自己架橋性または外部架橋性であってもよい。架橋は例えば、イオンおよび/またはラジカル重合、重縮合および/または重付加反応によって起こってもよい。化学的に架橋可能なバインダーシステムは、架橋可能な官能基を含有する。好適な官能基は、例えば、ヒドロキシル基、ブロックトヒドロキシル基、ブロックトイソシアネート基、アセトアセチル基、不飽和基、例えば、(メタ)アクリロイル基およびアリル基、エポキシド基、カルボキシル基、カーバメートアミン基およびブロックトアミン基である。
【0069】
架橋可能な調合物の場合に水希釈可能なバインダーは、オリゴマーおよび/またはポリマー化合物および/または例えば、500〜500,000g/モルの、好ましくは1100〜300,000g/モルの数平均分子量Mnの、明確な構造の化合物である。それらはまた、500,000g/モルより大きい数平均分子量Mnで、または非架橋可能な調合物の場合には不明確な分子量のミクロゲルの形態で、例えばポリウレタンおよび/またはアクリルミクロゲルとして存在してもよく、それは例えば水希釈型ベースコートに使用することができる。かかる調合物で他のバインダーが存在することができる。
【0070】
バインダーa)の十分な水希釈性を確実にするため、これらのバインダーは、それらを親水性にするために好適な方法で変性される。バインダーa)はイオン的に(アニオン的におよび/またはカチオン的に)および/または非イオン的に変性されてもよい。アニオン性および/または非イオン性変性が好ましい。アニオン性変性は、例えば、少なくとも部分的に中和されているカルボキシル基またはスルホン酸基を組み入れることによって得られてもよい。アニオン性基は塩基で中和される。非イオン性変性は、例えば、ポリエチレンオキシド単位を組み入れることによって得られてもよい。あるいはまた、またはそれに加えて、水希釈性を外部乳化剤によって得ることも可能である。
【0071】
本発明によるコーティング組成物は任意選択的に、バインダー成分a)の反応性官能基と架橋反応に入ることができる、少なくとも1つの架橋剤b)を含んでもよい。使用することができる架橋剤は、いかなる特定の制限も受けない。例えば、自動車および工業用コーティングの分野で、水性コーティング組成物を製造するために通常使用される全ての架橋剤は、成分b)として使用することができる。架橋剤の製造方法だけでなくそれらの架橋剤も当業者に公知であり、様々な特許および他の文書に詳細に開示されている。バインダー成分A)の反応性官能基のタイプに依存して、例えば、以下の架橋剤が使用されてもよい:遊離のイソシアネート基を有するまたは少なくとも部分的にブロックされたイソシアネート基を有するポリイソシアネート、ポリエポキシド、ポリアセタール、ポリ酸無水物、ポリカルボン酸化合物、アルコシキシラン化合物、ポリアミン、カーバメート官能性樹脂およびアミン/ホルムアルデヒド縮合樹脂、例えば、メラミン樹脂。
【0072】
バインダー/架橋剤の好ましい組み合わせは、ヒドロキシ官能性バインダー/ポリイソシアネート、ヒドロキシ官能性バインダー/ブロックトポリイソシアネートおよび/またはメラミン樹脂である。
【0073】
ヒドロキシル基を有するバインダーは、例えば、水性コーティング組成物の調合に使用される、ポリウレタン化学から当業者に知られる、ポリウレタン、(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル、ポリエーテルおよびそれらのハブリッドである。それらはそれぞれ、個々にまたは互いに組み合わせて使用されてもよい。
【0074】
バインダー成分a)および架橋剤b)は、成分a)の反応性官能基対架橋剤b)の相当する反応性基の当量比が例えば、5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは1.5:1〜1:1.5であり得るような割合で使用される。
【0075】
コーティング組成物はまた、顔料および/またはフィラーを含有することができる。ペイントに使用される有機または無機タイプの全ての色および/または特殊効果付与顔料が顔料に好適である。無機または有機カラー顔料の例は、二酸化チタン、微粉化二酸化チタン、酸化鉄顔料、カーボンブラック、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドンまたはピリロピロール顔料である。特殊効果顔料の例は、例えばアルミニウムまたは銅からの金属顔料、例えば、二酸化チタンでコートされたアルミニウム、被覆雲母、グラファイト効果顔料などの干渉顔料である。フィラーの例は、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、タルカム、ケイ酸アルミニウムおよびケイ酸マグネシウムである。
【0076】
本コーティング組成物はまた通常の添加剤を含有することができる。これらの添加剤は、ペイント産業で通常使用される添加剤である。かかる添加剤の例は、例えば、ベンゾトリアゾールおよびHALS化合物をベースとする光安定剤、本発明に従って製造されるSCAとは異なるレオロジー添加剤、架橋したポリカルボン酸またはポリウレタンなどの、増粘剤、消泡剤、湿潤剤および架橋反応用の触媒である。添加剤は、当業者におなじみの通常の量で加えられる。
【0077】
本コーティング組成物は、例えば、30〜60重量%の水、および多分少量の、例えば、全体コーティング組成物を基準として15重量%以下、好ましくは10重量%未満の有機溶剤を含有する。有機溶剤は、コーティング技法で通常使用される溶剤である。これらは、バインダーの製造に由来してもよいし、または別個に加えられる。好適な溶剤の例は、一価もしくは多価アルコール、例えば、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール;グリコールエーテルまたはエステル、例えば、それぞれC1〜C6アルキルで、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、エトキシプロパノール、ブチルグリコール;グリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、N−メチルピロリドンおよびケトン、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン;芳香族もしくは脂肪族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、または直鎖もしくは分岐脂肪族C6〜C12炭化水素である。有機溶剤が存在する場合、水混和性有機溶剤が好ましい。
【0078】
本発明による水性コーティング組成物は、通常の水性コーティング組成物、例えば、水性ベースコートまたは水性クリアコートが公知の方法で製造され、そしてSCA含有水性組成物がコーティング組成物の製造中にまたはコーティング組成物の製造後に添加物として加えられるという点において製造することができる。一般に、SCAの水性組成物は、水性コーティング組成物の他の原料と、例えば、水性バインダー、通常のコーティング添加剤、例えば、増粘剤、顔料、フィラーとおよび/または、好ましくないとしても、有機溶剤とさえ混合することができる。
【0079】
SCA含有水性分散系がコーティング組成物の製造後に加えられるとき、それは、別個のモジュラーコンポーメントとして、例えばモジュラー混合システム、例えば、幾つかの混合ペイントを含む、数多くの異なる色のコーティング組成物を調合するための混合システムのコンポーネントとして加えられてもよい。SCA含有水性組成物が長期間安定で、かつ、多くの相当するペイント系と非常に相溶性であることが本明細書では有利であることが分かる。それはまた、水性コーティング組成物へ容易に組み入れられ、所望のレオロジー特性をコーティング組成物に与えるかもしれない。加えてSCA含有水性組成物は、例えば顔料入りベースコートおよびプライマーにおいて、顔料の、例えばアルミニウムフレークおよび他の顔料のならびにフィラーの耐沈降性を向上させる。
【0080】
透明か顔料入りかどちらのコーティング組成物も製造することができる。それ故、本発明によるコーティング組成物はクリアコートとしての使用に好適であるが、通常の顔料で着色させ、無地または効果トップコート、カラーおよび/または特殊効果−付与ベースコートまたはシーラー、プライマーもしくはプライマーサーフェーサーなどの下塗として使用することができる。それらは、基材の単一コートでまたは多層コーティング内で基材をコートするために使用することができる。本水性コーティング組成物は、単一成分水性コーティング組成物または2つ以上の別々に貯蔵された成分を混合することによって製造できる水性コーティング組成物を含んでもよい。
【0081】
本発明によれば、コーティング組成物は、公知の方法を用いて、特に、吹き付け塗布によって塗布することができる。得られたコーティング組成物は、室温で硬化させるかまたはより高い温度で、例えば、80℃以下、好ましくは20〜60℃で押し進めることができる。しかしながら、それらは、例えば、80〜160℃のより高い温度で硬化させることさえできる。硬化温度は、水性コーティング組成物の使用の分野だけでなく硬化化学にも依存する。
【0082】
本発明によれば、コーティング組成物は、自動車および工業用コーティングに好適である。自動車用コーティング部門で、本コーティングは、トラック、バスおよび貨車などの、大きな車両および輸送機関車両をコートするためだけでなく、車両生産ライン塗装ならびに車両および車両部品塗り替えの両方のために使用することができる。車両生産ライン塗装については、例えば、80〜140℃、好ましくは110〜130℃のベーキング温度が用いされる。塗り替えについては、例えば、20〜80℃、特に、20〜60℃の硬化温度が用いられる。
【0083】
本発明によれば、水性コーティング組成物へ容易に組み入れることができる、SCAの安定な水性コーティング組成物が提供される。親水性ポリイソシアネートA)およびアミノ−官能性化合物B)をベースとするSCAの水性組成物は、例えば適切な塗布粘度および得られたコーティングの良好な外観を確実にするために大量の有機溶剤を使用するという要件なしに水性コーティング組成物へ組み入れることができる。SCAおよびその結果として本発明に従って製造されたSCAの水性組成物は、最終水性コーティング組成物の成分と優れた相溶性を示す。そのように製造された水性コーティング組成物は、向上したレオロジー性能、すなわち、塗布された組成物の改善されたたるみを示す。得られたコーティングは良好な流れおよびランする低い傾向を示す。それらは、ピンホール、たるみおよびクレーターなどの、表面欠陥を含まない。さらに、無色透明なクリアコートは、本発明によるSCAの水性組成物を使用して製造することができる。
【0084】
本出願に明記される様々な範囲の数値の使用は、特にはっきりと明記しない限り、あたかも述べられる範囲内の最小値および最大値が両方とも単語「約」に先行されるかのように近似値として述べられる。このように、述べられる範囲の上および下へのわずかな変動は、範囲内の値と実質的に同じ結果を達成するために用いることができる。また、これらの範囲の開示は、最大値と最小値との間のあらゆる値を含む、範囲の最小終点および最大終点を含む連続範囲として意図される。
【0085】
本発明は、以下の実施例に言及することによりさらに説明される。全ての部および百分率は、特に明記しない限り重量基準である。
【実施例】
【0086】
SCAの水性組成物の製造(本発明による)
実施例1
高速撹拌機(Cowlessディスク)を備えた反応器中で、897.5部の水を室温で22.9部のエタノールアミンと混合した。高剪断下に、77.1部のBayhydur XP 2570(Bayer製のスルホン酸基で変性された1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからの100%固形分トリイソシアヌレート)をできるだけ速く加え、2.5部のエトキシプロパノールでのリンス工程がそれに続いた。混合物を15分間保持した。
【0087】
シードを本質的に含まない、非常に粘稠なチキソトロピック分散系が得られた。
【0088】
実施例2
高速撹拌機(Cowlessディスク)を備えた反応器中で、897.5部の水を室温で20部のエタノールアミンと混合した。高剪断下に、80部のBayhydur 3100(Bayer製のメトキシポリエチレンオキシドで変性された1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからの100%固形分トリイソシアヌレート)をできるだけ速く加え、2.5部のエトキシプロパノールでのリンス工程がそれに続いた。混合物を15分間保持した。
【0089】
シードを本質的に含まない、非常に粘稠なチキソトロピック分散系が得られた。
【0090】
実施例3
高速撹拌機(Cowlessディスク)を備えた反応器中で、897.5部の水を室温で30.3部の3−メトキシプロピルアミンと混合した。高剪断下に、69.7部のBayhydur XP 2570(Bayer製のスルホン酸基で変性された1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからの100%固形分トリイソシアヌレート)をできるだけ速く加え、2.5部のエトキシプロパノールでのリンス工程がそれに続いた。混合物を15分間保持した。
【0091】
シードを本質的に含まない、非常に粘稠なチキソトロピック分散系が得られた。
【0092】
SCAの水性比較組成物の製造
比較例1
高速撹拌機(Cowlessディスク)を備えた反応器中で、897.5部の水を室温で37.1部のトリスヒドロキシメチルアミノメタン(Dow−Angus)と混合した。高剪断下に、62.9部のBayhydur XP 2570(Bayer製のスルホン酸基で変性された1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからの100%固形分トリイソシアヌレート)をできるだけ速く加え、2.5部のエトキシプロパノールでのリンス工程がそれに続いた。混合物を15分間保持した。
【0093】
沈降に対して安定ではない液体様の分散形が得られた。
【0094】
SCA反応生成物は塊/大きな結晶として沈降した。
【0095】
比較例2
高速撹拌機(Cowlessディスク)を備えた反応器中で、897.5部の水を室温で36.7部の2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール(Dow−Angus)と混合した。高剪断下に、63.3部のBayhydur XP 2570(Bayer製のスルホン酸基で変性された1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからの100%固形分トリイソシアヌレート)をできるだけ速く加え、2.5部のエトキシプロパノールでのリンス工程がそれに続いた。混合物を15分間保持した。
【0096】
沈降に対して安定ではない液体様の分散形が得られた。
【0097】
比較例3
高速撹拌機(Cowlessディスク)を備えた反応器中で、897.5部の水を室温で34.3部のベンジルアミンと混合した。高剪断下に、65.7部のBayhydur XP 2570(Bayer製のスルホン酸基で変性された1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからの100%固形分トリイソシアヌレート)をできるだけ速く加え、2.5部のエトキシプロパノールでのリンス工程がそれに続いた。混合物を15分間保持した。
【0098】
沈降に対して安定ではない液体様の分散形が得られた。
【0099】
比較例4
高速撹拌機(Cowlessディスク)を備えた反応器中で、897.5部の水を室温で33.9部のジエタノールアミンと混合した。高剪断下に、66.1部のBayhydur XP 2570(Bayer製のスルホン酸基で変性された1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからの100%固形分トリイソシアヌレート)をできるだけ速く加え、2.5部のエトキシプロパノールでのリンス工程がそれに続いた。混合物を15分間保持した。
【0100】
沈降に対して安定ではない液体様の分散形が得られた。
【0101】
比較例5
高速撹拌機(Cowlessディスク)を備えた反応器中で、897.5部の水を室温で30.3部の2−アミノ−1−ブタノール(Dow−Angus)と混合した。高剪断下に、69.7部のBayhydur XP 2570(Bayer製のスルホン酸基で変性された1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートからの100%固形分トリイソシアヌレート)をできるだけ速く加え、2.5部のエトキシプロパノールでのリンス工程がそれに続いた。混合物を15分間保持した。
【0102】
沈降に対して安定ではない液体様の分散物が得られた。
【0103】
クリアコートの製造
実施例1〜3のSCAの水性組成物を商業的に入手可能な水性2成分クリアコート(ヒドロキシル官能性(メタ)アクリル共重合体およびポリイソシアネート硬化剤を含有する)へ、該ヒドロキシルおよびイソシアネート成分を混合した後に組み入れた。このクリアコートを、通常のプライマーサーフェーサーおよび水希釈型の顔料入りベースコートでプレコートした金属シートに塗布し、60℃で30分硬化させた。
【0104】
そのように得られた無色透明クリアコートは、向上したレオロジー特性を示した。塗布コーティングは、良好な流れおよびランする低い傾向を示した。得られたコーティングはまた、優れた外観を示した、すなわちそれらはピンホール、たるみおよびクレーターなどの、表面欠陥を含まなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と少なくとも1つの尿素基を含有する少なくとも1つのたるみ抑制剤とを含むたるみ抑制剤の水性組成物であって、前記たるみ抑制剤が、
A)少なくとも2つのイソシアネート基を有する、少なくとも1つの親水性ポリイソシアネート、
B)第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミン、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノエーテルならびにそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ−官能性化合物、ならびに
C)任意成分である、アミノ−官能性化合物B)以外の少なくとも1つのアミノ−官能性化合物
を含む成分を水相で反応させることによって得られる水性組成物。
【請求項2】
たるみ抑制剤の前記水性組成物の総量を基準として、0.1〜10重量%の前記少なくとも1つのたるみ抑制剤を含む、請求項1に記載の水性組成物。
【請求項3】
0.1〜10重量%の前記たるみ抑制剤、99.9〜20重量%の水、ならびに0〜70重量%の少なくとも1つのバインダー、コーティング添加剤、顔料、フィラーおよび/または有機溶剤を含み、ここで、前記たるみ抑制剤、水および前記の任意成分である少なくとも1つのバインダー、コーティング添加剤、顔料、フィラーおよび/または有機溶剤の総量が100重量%になる、請求項1〜2のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項4】
前記たるみ抑制剤が、少なくとも1つのバインダーの存在下に水相で成分A)、B)および任意成分C)を反応させることによって得られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項5】
水性組成物の総量を基準として、10〜70重量%の前記少なくとも1つのバインダーを含む、請求項4に記載の水性組成物。
【請求項6】
成分A)が、少なくとも1つのアニオン性および/または非イオン性の親水性基で変性されたポリイソシアネートである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項7】
成分A)が、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、エチレンオキシド基ならびにそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つの官能基で変性されたポリイソシアネートである、請求項6に記載の水性組成物。
【請求項8】
成分A)が、対称ジイソシアネートおよび/またはかかる対称ジイソシアネートのオリゴマーである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のたるみ抑制剤の水性組成物を含む、水性コーティング組成物。
【請求項10】
a)少なくとも1つの水希釈可能なバインダー、
b)任意成分である少なくとも1つの架橋剤、
c)水、
d)任意成分である通常のコーティング添加剤、顔料および/または有機溶剤、ならびに
e)水性コーティング組成物がコーティング組成物の総量を基準として0.1〜30重量%固形分のたるみ抑制剤を含有するような量のたるみ抑制剤の前記水性組成物
を含む、請求項9に記載の水性コーティング組成物。
【請求項11】
コーティング組成物の総量を基準として、0.5〜10重量%固形分のたるみ抑制剤を含む、請求項10に記載の水性コーティング組成物。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載のコーティング組成物を含むクリアコーティング組成物。
【請求項13】
請求項9〜11のいずれか一項に記載のコーティング組成物と少なくとも1つの顔料とを含む顔料入りコーティング組成物。
【請求項14】
I)水相を提供する工程と、
II)前記水相で
A)少なくとも2つのイソシアネート基を有する、少なくとも1つの親水性ポリイソシアネート、
B)第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミン、第一級炭素原子上に少なくとも1つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミノエーテルならびにそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ−官能性化合物、ならびに
C)任意成分である、アミノ−官能性化合物B)以外の少なくとも1つのアミノ−官能性化合物
を含む成分を反応させる工程と
を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のたるみ抑制剤の水性組成物の製造方法。

【公表番号】特表2010−502817(P2010−502817A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527384(P2009−527384)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/019312
【国際公開番号】WO2008/030437
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】