説明

のぼり旗のほつれ防止シート

【課題】のぼり旗のコーナー部に取り付けることで、のぼり旗繊維のほつれを未然に防止することができると共に、のぼり旗のコーナー部の色や文字・絵柄等が隠れて全体の外観を損なわないようにする。
【解決手段】のぼり旗Pのコーナー部Lのほつれを防止するために当該コーナー部Lに取り付けるのぼり旗Pのほつれ防止シート1であって、該ほつれ防止シート1を、透視性を有するフィルムによって形成し、この片面に、粘着剤層2を介して剥離シート3を貼着して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の商店、あるいは街頭での広告宣伝等として使用されるのぼり旗のコーナー部に取り付けられてのぼり旗繊維のほつれを未然に防止できるようにしたのぼり旗のほつれ防止シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、繊維で形成されたのぼり旗Pは、旗竿Qに対してループ形成材による複数のチチSによって取り付けられているのであるが、こののぼり旗Pが取り付けられている旗竿Qを屋外の所定の場所に設置した際には、のぼり旗P自体が例えば強風や日光等によって晒されるため、のぼり旗Pの外縁下側のコーナー部Lが特にほつれ易いものである(図5参照)。
【0003】
このため、従来では、例えば平織600デニールの繊維生地にPVCパッキング仕様による直角三角形状のほつれ防止シートをミシン掛けによってのぼり旗Pの外縁下側のコーナー部Lに縫着していた。
【0004】
また、のぼり旗Pのコーナー部Lのほつれを防止するための他の従来の方法としては、のぼり旗Pの外縁垂直部分と下側水平部分とをL字状に三つ折りして縫製する所謂L字三つ巻き方式を採用することで、このコーナー部Lを含む外縁垂直部分と下側水平部分との全体を補強する構成としていた。
【特許文献1】特に無し
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術においては、ほつれ防止シートをミシン掛けによってコーナー部に縫着するため、手間と時間が掛かり、しかもほつれ防止シート自体は繊維生地にPVCパッキング仕様による不透視性材料によって形成さているため、のぼり旗のコーナー部の色や文字・絵柄等が隠されてしまう上に、のぼり旗全体の見栄えが悪くなる。
【0006】
また、のぼり旗の外縁垂直部分と下側水平部分とをL字状に三つ折りして縫製する所謂L字三つ巻き方式では、のぼり旗自体の製作に手間と時間が掛かり、且つ作業性も低下する。特に、ほつれ易い部分はのぼり旗の外縁下側コーナー部のみであるのに、のぼり旗の外縁垂直部分と下側水平部分との全てをL字状に三つ折りして縫製するのでは無駄が多過ぎる。さらに、当該コーナー部の縫製が解け、その後ほつれる等の問題点がある上に、のぼり旗全体の見栄えが悪くなる点も前記同様である。
【0007】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、各種の商店、あるいは街頭での広告宣伝等として使用されるのぼり旗のコーナー部に取り付けられることで例えば強風や日光等に晒されてものぼり旗繊維のほつれを未然に防止でき、また、のぼり旗のコーナー部を含む全体が透視できるようにすることでのぼり旗のコーナー部の色や文字・絵柄等が隠されてしまうことなく、のぼり旗全体の見栄えを良好にし、のぼり旗としての機能を向上させると共に、のぼり旗のコーナー部に対する取り付けがワンタッチ操作で簡単且つ確実に行われ、しかも、のぼり旗全体の外観を損なわないように取り
付けられるものとしたのぼり旗のほつれ防止シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、のぼり旗のコーナー部のほつれを防止するために当該コーナー部に取り付けられるのぼり旗のほつれ防止シートであって、該ほつれ防止シートを、透視性を有するフィルムによって形成し、この片面に、粘着剤層を介して剥離シートを貼着してなることを特徴とする。
【0009】
のぼり旗のコーナー部のほつれを防止するために当該コーナー部に取り付けられるのぼり旗のほつれ防止シートであって、該ほつれ防止シートを、加熱圧着による融着でもって透視性を現出可能としたラミネートによるホットメルトフィルムによって形成し、この片面に、粘着剤層を介して剥離シートを貼着してなることを特徴とする。
【0010】
ほつれ防止シートは、面幅の大きな1枚の剥離シートの片面に粘着剤層を介して、透視性を有する複数のフィルム、または加熱圧着による融着でもって透視性を現出可能としたラミネートによる複数のホットメルトフィルムを連続して貼着してなる。
【0011】
前記ほつれ防止シートは、のぼり旗のコーナー部を覆うよう直角三角形シート状もしくは四角形シート状に成形されてなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるほつれ防止シートは、各種の商店、あるいは街頭での広告宣伝等として使用されるのぼり旗のコーナー部に取り付けられることで、例えば強風や日光等に晒されてものぼり旗繊維のほつれを未然に防止でき、また、のぼり旗のコーナー部を含む全体が透視できるため、のぼり旗のコーナー部の色や文字・絵柄等が隠されてしまうことなく、のぼり旗全体の見栄えを良好にし、のぼり旗としての機能を向上させることができ、さらに、のぼり旗のコーナー部に対する取り付けがワンタッチ操作で簡単且つ確実に行われ、しかものぼり旗全体の外観を損なわないように取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明に係るのぼり旗のほつれ防止シートを実施するための最良の一形態を詳細に説明する。
本発明に係るほつれ防止シート1は、図1に示すように、旗竿Qに対してループ形成材による複数のチチSによって取り付けられている矩形面状ののぼり旗Pの四隅、特に外縁下側におけるコーナー部Lに取り付けられることで例えば強風や日光等に晒された際ののぼり旗Pの繊維のほつれを未然に防止できる補強材となって構成されている。
【0014】
すなわち、ほつれ防止シート1は、図2(a)に示すように、透視性を有する合成樹脂である例えばポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のフィルムシート素材を、上記のぼり旗Pのコーナー部Lに取り付け可能な大きさである例えば直角を挟む縦横の長さが約55mm程度の直角三角形シート状のコーナーフィルムとなって形成してある。そして、このフィルムシート素材の片面には、粘着剤層2を介して前記フィルムシート素材と同形・同大の紙材等による直角三角形シート状の剥離シート3を貼着してある。
【0015】
このほつれ防止シート1を、のぼり旗Pのコーナー部Lへ取り付ける場合には、図2(b)に示すように、ほつれ防止シート1から剥離シート3を剥がして、粘着剤層2を露出させておき、この粘着剤層2の露出面をコーナー部Lに貼着する。
【0016】
尚、のぼり旗Pの二隅または三隅、あるいは四隅のコーナー部Lの全てにほつれ防止シート1を取り付けても良く、またほつれ防止シート1の形状も直角三角形シート状とは限らず、例えば四角形シート状に形成されていても良い。ほつれ防止シート1のサイズも上述の長さに限定されるものではないことは勿論である。
【0017】
また、ほつれ防止シート1のフィルムシート素材として、加熱圧着によって融着した際に、透視性を現出可能としたラミネートによるホットメルトフィルムを採用しても良い。そして、このフィルムシート素材の片面には、粘着剤層2を介して、紙材等による剥離シート3を貼着してある。
【0018】
このラミネートによるホットメルトフィルムは、透視性フィルムと不透視性フィルムとを合体して成形され、通常時は不透視性であるが、片面を加熱することで不透視性フィルムが溶融して透視性フィルムが露出するように構成されている。このように加工してなる透視性フィルムによってほつれ防止シート1を作ることができる。
【0019】
このホットメルトフィルムとは、水や溶剤を全く含まない室温で固体である100%不揮発性の熱可塑性材料からなる接着性樹脂と定義されている。すなわち、素材がフィルム状の接着剤であって、熱によって溶ける(ホットメルト)性質で特に液状の接着剤を塗ることができない素材の加工等に使われる。
【0020】
そして、一般にホットメルトフィルムは例えば溶剤法・熱溶融法・押出法等によって製造される。通常は押出塗布加工機とコーターとの2つの部分よりなる押出成形機によって製造される。すなわち、ホットメルト組成物を溶融ブレンドし、ペレット化した後に押出機ホッパーへ投入し、再押出してフィルム化する方法と、溶融ブレンドと押出機とを組み合わせてペレット化工程を省略した直接フィルム化する方法とがある。また、ホットメルトのフィルム化は、溶融したホットメルトをダイスから流出させてフィルム状に加工する冷却ロール法による成形方法が一般的である。この他、被着体に直接ラミネートしてフィルムを形成したり、あるいは離型紙上に塗布した後に被着体へ転写、あるいはロール状フィルムをほどいて被着体に加熱または加圧方法により転写したりする方法もある。
【0021】
また、上記したほつれ防止シート1は、図3(a)および図3(b)に示すように、例えば帯状に形成された面幅の大きな1枚の剥離シート3の片面に、粘着剤層2を介して、複数の三角形のコーナーフィルムを連続して貼着させた構成にしても良い。このとき、透視性を有する通常の合成樹脂であるフィルムシート素材、あるいは加熱圧着による融着でもって透視性を現出可能としたラミネートによるホットメルトフィルムが三角形のコーナーフィルムとして形成されている。
【0022】
この剥離シート3上でのコーナーフィルムの連続した配列形態は、図3(a)に示すように、2枚のコーナーフィルムの斜面同士を合致させて正方形とした状態で、剥離シート3上で1列となって互いに隣接して配置させたり、あるいは、図3(b)に示すように、2枚のコーナーフィルムの斜面同士を合致させて正方形とした状態の4枚を、面幅の大きな正方形の剥離シート3上で正方形状に隣接配置させたりしているが、このような配列形態は本発明を何等拘束するものではなく、他の如何なる配列形態であっても良いことは勿論である。
【0023】
次に、本構成によるほつれ防止シート1の取付方法について説明する。
このほつれ防止シート1をのぼり旗Pの外縁下側におけるコーナー部Lに取り付ける場合には、図2(b)に示すように、先ず、ほつれ防止シート1から剥離シート3を剥がしてからのぼり旗Pの外縁下側におけるコーナー部Lの直角部分と、ほつれ防止シート1の直角部分とを合致した状態にして粘着剤層2を圧着させる。
【0024】
また、ラミネートによるホットメルトフィルムによって形成してなる直角三角形シート状のほつれ防止シート1の場合は、図4(a)に示すように、ほつれ防止シート1から剥離シート3を剥がして粘着剤層2を露出させ、この粘着剤層2の面をのぼり旗Pのコーナー部Lにあてがって圧着する。このとき、のぼり旗Pの外縁下側におけるコーナー部Lの直角部分と、ほつれ防止シート1の直角部分とを合致した状態にする。
【0025】
そして、図4(b)に示すように、コーナー部Lをアイロン台Mの上に載せて、その上からコーナー部Lに例えばアイロンR等で加熱圧着することで、ほつれ防止シート1はのぼり旗Pのコーナー部Lに融着されて全体が透視可能な状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明を実施するための最良の形態におけるのぼり旗へのほつれ防止シートの使用状態を示す一部切欠正面図である。
【図2】同じくほつれ防止シートの一例を示し、(a)は全体斜視図、(b)は取り付け状態を示す一部切欠斜視図である。
【図3】ほつれ防止シートの他の例を示し、(a)は剥離シート上で1列に配置させた斜視図、(b)は剥離シート上で正方形状に配置させた斜視図である。
【図4】同じくのぼり旗へのほつれ防止シートの取付方法を示し、(a)はほつれ防止シートをのぼり旗のコーナー部に配置させた状態の一部切欠斜視図、(b)はその上からコーナー部を加熱圧着する状態の一部切欠斜視図である。
【図5】従来におけるのぼり旗のコーナー部のほつれ状態を示す一部切欠正面図である。
【符号の説明】
【0027】
P のぼり旗
Q 旗竿
R アイロン
L コーナー部
M アイロン台
S チチ
1 ほつれ防止シート
2 粘着剤層
3 剥離シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
のぼり旗のコーナー部のほつれを防止するために当該コーナー部に取り付けられるのぼり旗のほつれ防止シートであって、該ほつれ防止シートを、透視性を有するフィルムによって形成し、この片面に、粘着剤層を介して剥離シートを貼着してなることを特徴とするのぼり旗のほつれ防止シート。
【請求項2】
のぼり旗のコーナー部のほつれを防止するために当該コーナー部に取り付けられるのぼり旗のほつれ防止シートであって、該ほつれ防止シートを、加熱圧着による融着でもって透視性を現出可能としたラミネートによるホットメルトフィルムによって形成し、この片面に、粘着剤層を介して剥離シートを貼着してなることを特徴とするのぼり旗のほつれ防止シート。
【請求項3】
ほつれ防止シートは、面幅の大きな1枚の剥離シートの片面に粘着剤層を介して、透視性を有する複数のフィルム、または加熱圧着による融着でもって透視性を現出可能としたラミネートによる複数のホットメルトフィルムを連続して貼着してなる請求項1または2記載ののぼり旗のほつれ防止シート。
【請求項4】
前記ほつれ防止シートは、のぼり旗のコーナー部を覆うよう直角三角形シート状もしくは四角形シート状に成形されてなる請求項1乃至3のいずれか記載ののぼり旗のほつれ防止シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−116024(P2009−116024A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288579(P2007−288579)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(507149833)株式会社エスピー・アトリエ (3)
【Fターム(参考)】