説明

ふるい、破砕又は混合バケット

【課題】ふるい、破砕又は混合バケットのフレームプレートとシャフトとの間の間隙への材料による直接圧力を泥除けによって防止すること。
【解決手段】バケットは、底板(1)と、側壁(2)と、バケットの後部に設けられた、軸の周りを回転可能な加工ドラム(3)とを備える。バケット内には、加工ドラム(3)のパワートランスミッションおよび軸受用のケース(4)が設けられ、ケース(4)はドラム(3)の軸受ハウジング(6)を取り付け可能なフレームプレート(5)によって画定されている。フレームプレート(5)および内壁(2)、あるいはその一方の内側には、泥よけ(10)が取り付けられている。泥よけ(10)は加工ドラム(3)のシャフトの間でシャフトの導出部に隣接して延在している。泥よけ(10)は加工ドラム(3)のシャフトを受けるための切欠き部(11)を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削装置又はバケットローダのバケットとして形成された、ふるい、破砕又は混合バケットに関するものである。このバケットは、底板と、側壁と、バケットの後部に設けられた、軸の周りを回転可能な加工ドラムと、加工ドラムのパワートランスミッションおよび軸受用のケースと、を備えている。前記加工ドラムは回転と共にバケット内の材料をふるい、破砕又は混合すると同時に、ふるわれた、破砕された又は混合された材料を加工ドラムの間から、あるいは加工ドラムを介してバケットの外へ送り出す。さらに、前記ケースは、ドラムの軸受ハウジングを取り付け可能なフレームプレートによって画定されている。
【背景技術】
【0002】
この種のバケットは本出願人による下記特許文献1に開示されている。前述および他の公知のバケットにおいては回転シャフトとフレームとの間に形成された間隙内に摩耗が生じるという問題がある。バケット内では材料によって連続的に新たな摩耗材料がこの間隙の中に押し込まれ、ついには軸受に損傷が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開パンフレットWO01/58595
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は上述の間隙への材料による直接圧力を防ぐ構造を用いてこの問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は本発明に係るバケットを用いることにより達成される。このバケットの特徴は添付の請求項1に開示されている。
【0006】
この解決策は耐磨耗鋼製の泥よけを別に設けることにより実現されている。本発明の好ましい態様では、泥よけは加工ドラムのエンドフランジと共に使用される。この泥よけが、フレームとシャフトとの間にある間隙への材料による直接圧力を防ぎ、本発明の好ましい態様では、エンドフランジと共に入り組んだ構造を形成している。したがって、封止される部分にはちりによる応力がかかるだけである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明に係るバケットを一部開放して一番上の加工ドラムを取り除いた状態で、後方から見た斜視図である。
【図2】図2は、図1の拡大詳細図である。
【図3】図3は、図1のバケットを正面から斜めに見た図である。
【図4】図4は、加工ドラムのない状態の図1と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、添付の図面を参照して本発明の一例を詳細に説明する。
【0009】
本発明に係るバケットは掘削装置又はバケットローダのバケットとして固定可能であり、バケットの上側には固定するための締結ラグ8を備えている。
【0010】
バケットは、底板1と、側壁2と、バケットの後部に設けられた、軸の周りを回転可能な加工ドラム3とを備えており、加工ドラム3は、回転と共にバケット内の材料をふるい、破砕又は混合すると同時に、ふるわれた、破砕された又は混合された材料を加工ドラム3の間から、あるいは加工ドラム3を介してバケットの外へ送り出す。加工ドラム3のフランジ間には図示しない異なる種類の破砕歯が取り付けられてもよい。
【0011】
側壁2の後部には、加工ドラム3のパワートランスミッションおよび軸受用のケース4が取り付けられている。本実施例では、ケース4はフレームプレート5によってバケットの内部から切り離されている。フレームプレート5には加工ドラム3の軸受ハウジング6を取り付け可能である。本実施例では、フレームプレート5は、側壁2から直接延在しており、側壁2と同じプレート材料から成っている。
【0012】
加工ドラム3はエンドフランジ9を有している。エンドフランジ9は、軸受ハウジング6に対してフレームプレート5の反対側に位置し、かつフレームプレート5に隣接している。エンドフランジ9は各加工ドラム3と共に回転する。つまり、エンドフランジ9は加工ドラム3のシャフトに取り付けられている。
【0013】
フレームプレート5および内壁2、あるいはその一方の内側には、泥よけ10が取り付けられている。この泥よけ10がエンドフランジ9のすぐ隣まで延在しているため、各エンドフランジ9の少なくとも一部はフレームプレート5と泥よけ10との間にとどまるようになる。泥よけ10は、加工された材料がエンドフランジ9とフレームプレート5との間にある間隙を通過するように誘導する。
【0014】
本実施例では、泥よけ10は加工ドラムの軸方向を横断する方向に設けられた保護プレート10で構成されている。この保護プレート10はエンドフランジ9を一部覆って延在している。泥よけ10は加工ドラム3のシャフトを受けるための切欠き部11を有している。切欠き部すなわちスロット11によって、泥よけ10は加工ドラムのシャフトを取り外すことなく交換可能である。同時に、この構造には材料が流れる方向の後方側に向かって隙間が設けられており、泥よけ10とフレームプレート5との間を通過する材料はその隙間から簡単に除去される。
【符号の説明】
【0015】
1 底板
2 側壁、又は内壁
3 加工ドラム
4 ケース
5 フレームプレート
6 軸受ハウジング
8 締結ラグ
9 エンドフランジ
10 泥よけ、又は保護プレート
11 切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削装置又はバケットローダのバケットとして形成された、ふるい、破砕又は混合バケットであって、底板(1)と、側壁(2)と、前記バケットの後部に設けられた軸の周りを回転可能な加工ドラム(3)と、前記加工ドラム(3)のパワートランスミッションおよび軸受用のケース(4)と、を備え、前記加工ドラム(3)は、回転と共に前記バケット内の材料をふるい、破砕又は混合すると同時に、ふるわれた、破砕された又は混合された材料を前記加工ドラム(3)の間から、あるいは前記加工ドラム(3)を介して前記バケットの外へ送り出し、前記ケース(4)は前記加工ドラム(3)の軸受ハウジング(6)を取り付け可能なフレームプレート(5)によって画定されており、前記フレームプレート(5)および前記側壁(2)、あるいはその一方の内側には、前記加工ドラム(3)のシャフトの間で前記シャフトの導出部に隣接して延在する泥よけ(10)が取り付けられ、前記泥よけ(10)は前記加工ドラム(3)のシャフトを受けるための切欠き部(11)を有していることを特徴とする、ふるい、破砕又は混合バケット。
【請求項2】
前記加工ドラム(3)は、前記軸受ハウジング(6)に対して前記フレームプレート(5)の反対側に位置し、かつ前記フレームプレート(5)に隣接しているエンドフランジ(9)を含み、前記エンドフランジ(9)は前記加工ドラム(3)のシャフトに取り付けられて各加工ドラム(3)と共に回転し、前記泥よけ(10)は前記エンドフランジ(9)のすぐ隣まで延在しており、各エンドフランジ(9)の少なくとも一部は前記フレームプレート(5)と前記泥よけ(10)との間にとどまり、加工された材料が前記エンドフランジ(9)と前記フレームプレート(5)との間にある間隙を通過するように誘導することを特徴とする、請求項1に記載のバケット。
【請求項3】
前記泥よけ(10)は前記加工ドラム(3)の軸方向を横断する方向に設けられたプレート(10)で構成されており、前記プレートは前記エンドフランジ(9)を一部覆って延在していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−180695(P2010−180695A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20394(P2010−20394)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(510000415)
【氏名又は名称原語表記】Allu Finland Oy
【Fターム(参考)】