説明

ほのかなハーブ風味の水の調合品及びその製法

ほのかなハーブ風味の飲料水、とりわけ、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水の方法及び調合品を提供する。この調合品は、予め規定されている飲料水基準を満たす水を含む。さらに、この調合品は、1種又は複数種のハーブ原料を含む。さらにまた、この調合品は、調合品を安定化させることによりその保存寿命を長期化するためにローズマリーの精油を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水の分野、より詳細には容器入り飲料水の分野、さらに詳細には、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水の調製及び調合に関する。さらに、本発明の水は、健康効果を提供することも可能である。
【背景技術】
【0002】
清潔な水(clean water)はヒトの健康にとって不可欠であり、世界の多くの地域では、その供給が限られている。ヒトの摂取に適した水は、飲料水又は飲用水と呼ばれる。明確に飲用として作られてはいないが、調理用に使用した場合にヒトにとって有害でない水は、安全水(safe water)と呼ばれる。
【0003】
天然資源としての水は、特定の場所ではますます不足してきており、その入手可能性は、社会的にも経済的にも大きな懸案事項である。しかし、自らの健康を維持し、水が原因で起きる疾患を回避するために安全水を飲むことの知識及び重要性から、人々が安全な飲料水を使用する傾向は増加している。安全水を入手するには、人々は容器入り飲料水を選択する。容器入り飲料水は、特定の基準、すなわち物理的、化学的及び微生物学的なパラメーターに関する基準に適合していなければならない。容器入り飲料水は、通常、任意の入手源の飲用水に由来し、それを1種又は複数種の処理、すなわち、デカンテーション、濾過、濾過の組合せ、曝気、膜フィルター、深層フィルター、カートリッジフィルターを用いた濾過、活性炭濾過、脱ミネラル化及び再ミネラル化、逆浸透、オゾン化、紫外線処理に供してから容器詰めする。容器入り飲料水は、飲料水中で有害な汚染が起きないレベルに殺菌されている。こうした水は、水の安全性又は適合性を損なわないレベルに微生物の数を減らす化学薬品及び物理的方法の1つにより殺菌されることがある。その過程で、水はその本来の味及び風味を失う。
【0004】
風味を向上させた安全な容器入り飲料水を人々に提供するために、革新的な風味の容器入り飲料水が数多く作り出されてきた。風味の例としては、ベリー風味、フルーツ風味、ライム風味、スパイス風味などが挙げられる。このような風味は、1種又は複数種の人工甘味料、天然甘味料、ビタミン、ミネラル、繊維、スパイスの煎じ汁、酸味料及び乳化剤を用いて補うこともある。しかしながら、このような風味付きの容器入り飲料水は、飲み水だけでなくさらに何らかの健康上の利益も人々に提供するまでには至っていない。これに対し、ハーブは、人々に健康上の利益を提供することが知られている。ここでいう健康上の利益は、完全な健康上の利益、部分的な健康上の利益又は心理学的な健康上の利益の形態であってよい。多くのハーブ飲料は、ハーブの性質を有する健康飲料を具体的に探そうとしている人々の層に向けて商品を提供する市場では入手可能である。ところが、このことにより、ハーブ製品の使用は健康上の問題に悩む人々のみに限定されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の流れから見れば、よりよい味及び風味を水に与えるだけでなくさらに健康上の利益も人々に提供する、というこの問題に対処できる飲料水の調合品、とりわけ容器入りの飲料水の調合品には需要がある。さらに、ハーブの利点をより多くの人々に提供できるとともに、普通の飲料水の代用品として役立ち得る容器入り飲料水の調合品に対する需要もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一般には飲料水であり容器詰めできるほのかなハーブ風味の水の調合品及びそのための方法を提供する。ほのかなハーブ風味のこの飲料水は、飲み水だけでなくさらに健康上の利益も人々に提供する目的にかなう。さらに、ほのかなハーブ風味のこの飲料水は、風味を付けずに処理した飲料水より良好な味及び風味を提供する。この飲料水は、容器詰めできる。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水の調合品は、においの特徴を除く、予め規定されている飲料水基準を満たす水を含む。この調合品は、1種又は複数種のハーブ原料をさらに含む。さらに、この調合品は、調合品を安定化させるためにローズマリーを含む。別の実施形態では、この調合品は、ローズマリーの精油を含む。
【0008】
1種又は複数種のハーブ原料は、1L当たり最大5×10−2mlの濃度の精油、最大20%[w/w]の濃度のフレッシュハーブ、最大10%[w/w]の濃度の乾燥ハーブ、最大10%[w/w]の濃度の天日乾燥ハーブ及び1L当たり最大5×10−2mlの濃度のハーブエキスを含む群から選択できる。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、ハーブ原料は、ベチバー、ハッカ、ローズマリー、オキムム、アジョワン、ゼラニウム、パルマローザ、セロリ、サルビア、タイム、コリアンダー、カルダモン、シナモン、クローブ、ショウガ、パチョリ、ウイキョウ、ラベンダー、レモン、ライム、オレンジ、ジャスミン、カモミール、ナツメグ、クミンなどを含む群から選択してよい。
【0010】
この調合品は、二酸化炭素をさらに含んでよく、この調合品は二酸化炭素で炭酸化されていてよい。
【0011】
この調合品は、1L当たり1×10−5g〜2×10−1gの濃度範囲の人工甘味剤及び最大1.46×10−1Mの濃度範囲の天然甘味剤を含む群から選択できる1種又は複数種の甘味剤をさらに含んでよい。
【0012】
人工甘味剤は、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセサルフェームカリウム、ネオテーム及びD−タガトースを含む群から選択できる。
【0013】
天然甘味剤は、ショ糖、キシリトール、ソルビトール等のポリオール、マンニトール、マルチトール、転化糖、蜂蜜及びステビオシド類のハーブ系甘味料を含む群から選択できる。
【0014】
この調合品は、4.2×10−7M〜8.9×10−4Mの濃度範囲の食卓塩、最大8.9×10−4Mの濃度の岩塩、最大8.9×10−4Mの濃度の栄養上重要なミネラル塩及び4.2×10−7M〜8.9×10−4Mの濃度範囲の植物塩を含む群から選択できる、1種又は複数種の塩をさらに含んでよい。
【0015】
この調合品は、人工着色剤、ハーブ系着色剤及び天然着色剤を含む群から選択できる1種又は複数種の着色剤をさらに含んでよい。
【0016】
この調合品は、1L当たり最大1×10−1gの濃度の天然乳化剤、1L当たり最大1×10−1gの濃度の食品乳化剤及び最大0.5%v/vの濃度の人工乳化剤を含む群から選択できる、1L当たり最大1×10−1gの濃度の1種又は複数種の乳化剤をさらに含んでよい。
【0017】
この調合品は、イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS,Fructo-Oligo-Saccharide)、耐性マルトデキストリン、耐性デキストリン、難消化性デキストリン及び耐性デンプンを含む群から選択される、水にプレバイオティック活性(pre-biotic activity)を付与するための1種又は複数種のプレバイオティックス(pre-biotics)をさらに含んでよい。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、ほのかなハーブ風味の飲料水の調合品は、においの特徴を除く、予め規定されている飲料水基準を満たす水を含む。ほのかなハーブ風味のこの飲料水は、容器詰めできる。この調合品は、ローズマリーをさらに含む。この調合品は、ローズマリーの精油を含むことができる。この調合品は、ベチバー、ゼラニウム、パルマローザ及びパチョリからなる群から選択される1種又は複数種の精油をさらに含む。さらに、この調合品は、調合品を安定化させるために、1種又は複数種の抗酸化剤を含む。
【0019】
1種又は複数種の抗酸化剤は、1L当たり最大2×10−1gの濃度の人工抗酸化剤、1L当たり最大2×10−1mlの濃度の天然抗酸化剤及び1L当たり最大2×10−1mlの濃度のハーブ系抗酸化剤を含む群から選択できる。
【0020】
1種又は複数種の抗酸化剤は、ローズマリー、クローブ、バジル、シナモン、コリアンダー、ミント、サルビア及びウイキョウの精油を含む群から選択でき、その特徴を表1に示す。
【0021】
この調合品は、二酸化炭素をさらに含んでよく、この調合品は二酸化炭素で炭酸化されていてよい。
【0022】
この調合品は、1L当たり1×10−5g〜2×10−1gの濃度の人工甘味剤及び最大1.46×10−1Mの濃度範囲の天然甘味剤を含む群から選択できる1種又は複数種の甘味剤をさらに含んでよい。
【0023】
人工甘味剤は、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセサルフェームカリウム、ネオテーム、D‐タガトースを含む群から選択できる。
【0024】
天然甘味剤は、ショ糖、キシリトール、ソルビトール等のポリオール、マンニトール、マルチトール、転化糖、蜂蜜及びステビオシド類のハーブ系甘味料を含む群から選択できる。
【0025】
この調合品は、4.2×10−7M〜8.9×10−4Mの濃度範囲の食卓塩、最大8.9×10−4Mの濃度範囲の岩塩、ゼロ〜8の濃度範囲の栄養上重要なミネラル塩を含む群から選択できる、1種又は複数種の塩をさらに含んでよい。この調合品は、人工着色剤、ハーブ系着色剤及び天然着色剤を含む群から選択できる1種又は複数種の着色剤をさらに含んでよい。
【0026】
この調合品は、1L当たり最大1×10−1gの濃度範囲の天然乳化剤、1L当たり最大1×10−1gの濃度範囲の食品乳化剤及び最大0.5%v/vの濃度範囲の人工乳化剤を含む群から選択できる、1種又は複数種の乳化剤をさらに含んでよい。
【0027】
この調合品は、イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、耐性マルトデキストリン、耐性デキストリン、難消化性デキストリン及び耐性デンプンを含む群から選択される、水にプレバイオティック活性を付与するための1種又は複数種のプレバイオティックスをさらに含んでよい。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、ほのかなハーブ風味の飲料水の調合品を調製する方法が提供される。この方法は、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水の調合品を調製する方法であってよい。予め規定されている飲料水基準を満たす水を入手する。その後、1種又は複数種のハーブ原料を所要濃度でこの水に加える。さらに、調合品を安定化させるために、この水にローズマリーを加える。ローズマリーは、調合品を安定化させるために、ローズマリーの精油の形態で水に加えてよい。次に、均一な調合品を得るためにこの水を混合する。上述の水は、複数の無菌容器の中に詰めることができる。
【0029】
本発明の一実施形態では、この方法は、以下のステップを含む、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水の調合品を調製する方法であってよい:a)予め規定されている飲料水基準を満たす水を入手するステップ、b)1種又は複数種のハーブ原料を所要濃度でこの水に加えるステップ、c)調合品を安定化させるために、ローズマリーの精油をこの水に加えるステップ、d)均一な調合品を得るためにこの水を混合するステップ、及びe)混合により得られたこの水を、複数の無菌容器の中に詰めるステップ。
【0030】
この方法は、容器入り飲料水を炭酸化することをさらに含んでよい。
【0031】
この方法は、1種又は複数種の甘味剤を加えることをさらに含んでよい。
【0032】
この方法は、1種又は複数種の塩を加えることをさらに含んでよい。
【0033】
この方法は、1種又は複数種の着色剤を加えることをさらに含んでよい。
【0034】
この方法は、1種又は複数種の乳化剤を加えることをさらに含んでよい。
【0035】
この方法は、1種又は複数種のプレバイオティックスを加えることをさらに含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】ベチバーと組み合わせたローズマリーが官能特性の向上に及ぼす相乗効果を示すグラフである。
【図2】ローズマリーと別の精油との組合せがこの調合品の安定性の向上に及ぼす相乗効果を示すグラフである。
【図3】ゼラニウムと組み合わせたローズマリーが官能特性の向上に及ぼす相乗効果を示すグラフである。
【図4】パルマローザと組み合わせたローズマリーが官能特性の向上に及ぼす相乗効果を示すグラフである。
【図5】パチョリと組み合わせたローズマリーが官能特性の向上に及ぼす相乗効果を示すグラフである。
【図6】メントールミントと組み合わせたローズマリーが官能特性の向上に及ぼす相乗効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明によるほのかなハーブ風味の飲料水、とりわけ、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水の入手及び調合についての特定の方法を詳細に記載する前に、本発明は、主に、ほのかなハーブ風味の飲料水の調合に関する方法のステップと調合品の原料との組合せにあることに注意されたい。とりわけ、ほのかなハーブ風味のこの飲料水は、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水であってよい。
【0038】
本明細書では、「第1の」及び「第2の」などの関係語は、ある実体又は行為を別の実体又は行為と単に区別するために使用されることがあり、こうした複数の実体又は行為間に、何らかの実際のそうした関係又は順序が必要とされたり意味されたりするものでは必ずしもない。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、又はそれ以外にも任意のその変化形の用語は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、成分又は装置が、そうした要素のみを含むのではなく、そのようなプロセス、方法、物品又は装置に明確に掲載されたり内在されていない他の要素を含んでもよいように、非排他的な包含に該当することを意図している。「〜を含む(comprises a)」で始まる要素は、さらに条件を付けられなくても、その要素を含むプロセス、方法、物品又は装置中に追加的な同一要素が存在することを妨げない。
【0039】
これから本発明の実施形態に言及するが、その1つ又は複数の例を以下に記載する。各例は、本発明の限定としてではなく、本発明の説明のために提供するものである。事実、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明において多様な改変及び変形がなされ得ることは当業者には自明であろう。例えば、一実施形態の一部として例示又は記述された特徴を別の実施形態に使用して、さらなる別の実施形態を生み出すことができる。したがって、添付の特許請求の範囲及びそれに相当するものの範囲内で生じるような改変及び変形を本発明が包含することを意図している。本発明の他の目的、特徴及び態様は、以下の詳細な説明中に開示されているか、又はその説明から自明である。当業者には、本論考が例示的な実施形態のみの説明であり、本発明のより広い態様の限定として意図されたものではなく、そうしたより広い態様は、例示的に構成したものの中に包含されることを理解されたい。
【0040】
本発明を実践して、ほのかなハーブ風味の飲料水を調製できる。とりわけ、本発明を実践して、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水を調製できる。本発明の一実施形態では、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水の調合のために必要な水は、1つ又は複数の入手源から入手する。そうした1つ又は複数の入手源の例としては、湧水、井戸水、河川水、精製水、被圧地下水、フッ素添加水、地下水、処理した水、都市用水、鉱泉水、発泡水及び滅菌水が挙げられる。
【0041】
さらに、予め規定されている飲料水基準が複数存在する。予め規定されている飲料水基準の例としては、世界保健機関(WHO,World Health Organization)に定められたガイドライン、インド規格局(BIS,Bureau of Indian Standards)の容器入り飲料水についての基準、欧州連合(EU,European Union)の飲料水基準、及び米国環境保護庁(US EPA,United States Environment Protection Agency)により定められたガイドラインが挙げられる。1つ又は複数の入手源から入手した水は、次いで物理的及び化学的な手段により処理されて、予め規定されている飲料水基準を満たす水になる。処理の例としては、デカンテーション、濾過、濾過の組合せ、曝気、膜フィルター、深層フィルター、カートリッジフィルターを用いた濾過、活性炭濾過、脱ミネラル化及び再ミネラル化、逆浸透、オゾン化、紫外線処理などが挙げられる。
【0042】
水は、飲料水中で有害な汚染が起こらないようなレベルに殺菌する。水は、水の安全性及び適合性を損なわないレベルに微生物数を減らすために化学薬品及び物理的方法の1つ又は複数を用いて殺菌してよい。この容器入り飲料水は、予め規定されている基準、すなわち物理的、化学的及び微生物学的なパラメーターに関する基準に適合しなければならない。
【0043】
本発明の一実施形態では、予め規定されている飲料水基準を満たす水を、次いでローズマリー及び1種又は複数種のハーブ原料と混合する。とりわけ、予め規定されている飲料水基準を満たす水を、次いでローズマリーの精油及び1種又は複数種のハーブ原料と混合してよい。ハーブ原料を水の中に加えると、健康上プラスの効果がある可能性がある。ハーブ原料は、精油(濃度範囲:1L当たり最大5×10−2ml)、フレッシュハーブ(濃度範囲:最大20%[w/w])、乾燥ハーブ(濃度範囲:最大10%[w/w])、天日乾燥ハーブ(濃度範囲:最大10%[w/w])及びハーブエキス(濃度範囲:最大6%v/v)の1つ又は複数の形態で加えてよい。水の風味付けに使用できるハーブ原料の例は、ベチバー(ベチベリア・ジザノイデス(Vetiveria zizanoides))、ハッカ種(メンタ・ピペリタ(Mentha piperita)、メンタ・アルベンシス(Mentha arvensis)、メンタ・スピカータ(Mentha spicata)及びメンタ・シトラータ(Mentha citrata))、ローズマリー(ロスマリヌス・オフィキナリス(Rosemarinus officinalis))、オキムム種(オキムム・サンクトゥム(Ocimum sanctum)、オキムム・バシリクム(Ocimum basilicum))、アジョワン(カルム・コプティクム(Carum copticum))、ゼラニウム種(ペラルゴニウム・グラベオレンス(Pelargonium graveolens))、パルマローザ(キンボポゴン・マルティニー(Cymbopogon martinii))、セロリシード、サルビア種、タイム(ティムス・ウルガリス(Thymus vulgaris))、コリアンダーシード、カルダモン(エレッタリア・カルダモムム(Elettaria cardamomum)、シナモンリーフ又はシナモンバーク、オレガノ、クローブ(エウゲニア・カリオフィラータ(Eugenia caryophyllata))、ショウガ(ジンジベル・オフィキナーレ(Zinziber officinale))、パチョリ(ポゴステモン・カブリン(Pogostemon cablin))などである。精油の詳細を表1に示す。
【0044】
ハーブは、潜在的な薬理効果及び健康増進にプラスの多様な効果を有することが広く知られ、実証されている。例えば、オレガノ油は、消化異常を治療するのに有用である。多様なハーブエキス及び精油は、疾患特異的な条件下で用いられ、その慣例的な用途は非常に限られている。
【0045】
精油の形態のローズマリーは、1L当たり最大1×10−1ml、好ましくは1L当たり1×10−4ml〜1L当たり1×10−2ml、より好ましくは1L当たり1×10−3ml〜1L当たり1×10−2mlの濃度で水の中に加える。ローズマリーを加えると、調合品が安定化する。ローズマリーの精油を加えると、調合品が安定化する。その調合品の保存期間を決定する目的で、この調合品の保存期間に到達する試験を実施した。許容される嗜好性を有する精油を含む予め標準化した処理品を、単独で、及びローズマリーの精油と組み合わせて試験用に選択した。単一の精油を予め標準化した濃度で含む調合品を対照とし、ローズマリーと組み合わせた、許容される嗜好性を有する個別の精油を処理品とした。多様な風味の最終調合品を1LのPETボトルに入れ、観察用として十分な数のボトルを周囲条件下で保管した。使用した個別の精油は、ベチバー(ベチベリア・ジザノイデス)、メントールミント(メンタ・アルベンシス)、ゼラニウム(ペラルゴニウム・グラベオレンス)、パルマローザ(キンボポゴン・マルティニー)、パチョリ(ポゴステモン・カブリン)、オキムム種(オキムム・サンクトゥム/オキムム・バシリクム)、レモン、オレンジ、ショウガ、カルダモン、ペパーミント、シナモンであった。この試験の結果を表2(エクセルシート)及び本明細書に添付の図1〜6に示す。
【0046】
定期的に、15日間隔で、専門家パネルにより試料の官能プロファイルを、その官能品質(許容される/許容されない)について評価した。試料は、何らかの増殖、色及び透明度などのその物理的状態についての目視観察にも供し、化学分析の一部としてpH測定結果を記録した。調合品のpH値は、6.24〜7.70の範囲、平均値6.62であった。
【0047】
観察の過程で、嗜好性を付与するためにいくつかの個別の精油を使用した対照試料において、一例では75日の保管期間の後に、別の例では105日の期間の後に、いくつかの綿状の白い紐/塊が生じていることを認めた。対照試料においては、風味プロファイルが低下し、その風味の香りに影響が及ぶ傾向も認められた。一方、処理品、すなわちローズマリーの精油と組み合わせたものについては、そのような異常は一切認められなかった。したがって、ローズマリーの組合せ、とりわけ所定の濃度でのローズマリーの精油と他の精油との組合せが、品質を良好に維持する保存寿命を向上させるだけでなく、この調合品の官能特性を向上させる上でも相乗作用があることが見出されたことは明らかである。保存寿命の向上及び官能特性の向上は両方とも、本発明が提供できる、有益で予期せぬ驚くべき技術的効果の例である。
【0048】
このようにして、本発明者らは、本発明によるハーブ飲料水の調合品、とりわけローズマリーの精油をベチバー、ゼラニウム、パチョリ又はメントールミントの精油などの別の精油と組み合わせて含む調合品が、表2及び図1〜6からわかるようにそれぞれの対照と比較して保存寿命が顕著に向上していることを示した。
【0049】
加えて、前記のハーブ飲料水の調合品は、表2及び図1〜6からわかるように、それぞれの対照と比較して顕著に向上した官能特性及び顕著に向上した全体的な許容性も示している。
【0050】
本発明の別の実施形態では、ローズマリーの精油と、ベチバー、ゼラニウム、パルマローザ及びパチョリからなる群から選択される他の精油とを水に加える。ローズマリーの精油は、1L当たり最大1×10−1ml、好ましくは1L当たり1×10−4ml〜1L当たり1×10−2ml、より好ましくは1L当たり1×10−3ml〜1L当たり1×10−2mlの濃度で加えてよい。他の精油は、1L当たり最大5×10−1ml、好ましくは1L当たり1×10−4ml〜1L当たり5×10−2ml、より好ましくは1L当たり1×10−3ml〜1L当たり5×10−2mlの濃度で加えてよい。
【0051】
本発明によるハーブ水の調合品は、健康上の利益を提供できる。本発明によるハーブ水の調合品の健康上の効果は、完全な健康上の利益、部分的な健康上の利益、香りがよいという利益又は心理学的な健康上の利益の形態であってよい。本発明で使用するハーブ原料は、ハーブ水に治療的な価値を与えることができる。
【0052】
本発明によるハーブ水の調合品は、不快又は病理的な状態又は疾患の症状を緩和できる。本発明によるハーブ水の調合品は、医療用途のものであってもよい。本発明によるハーブ水の調合品は、医薬として使用できる。本発明によるハーブ水の調合品は、いくつかの不快又は病理的な状態又は疾患の治療において使用できる。
【0053】
本発明によるハーブ水の調合品は、主に経口投与用であるが、限定はされない。本発明によるハーブ水の調合品は、局所投与用であってもよい。
【0054】
本発明の一実施形態では、ベチバーの精油を含む本発明によるハーブ飲料水の調合品は、赤血球(RBC,red blood cell)の産生の刺激に役立つ可能性があり、貧血の治療において有益である可能性がある。
【0055】
別の実施形態では、ゼラニウムの精油を含む本発明によるハーブ飲料水の調合品は、のぼせ、寝汗及び気分変動といった一部の更年期症状並びに咽喉感染症の軽減に役立つ可能性がある。
【0056】
別の実施形態では、パルマローザの精油を含む本発明によるハーブ飲料水の調合品は、解熱剤として作用する可能性があり、すなわち、この調合品は発熱の緩和に役立つ可能性がある。
【0057】
別の実施形態では、パチョリの精油を含む本発明によるハーブ飲料水の調合品は、不安及びうつの軽減に役立つ可能性があり、さらに、高血圧の治療用に使用することもできる。
【0058】
本発明の一実施形態では、調合品を安定化させるために、水に抗酸化剤を加えてもよい。抗酸化剤は、ハーブ水を長期間保存できるように、ハーブ水の保存寿命を長期化するために加える。抗酸化剤の例としては、ローズマリー、クローブ、バジル、シナモン、コリアンダー、ミント、サルビア、ウイキョウ、及びそれらの精油が挙げられる。抗酸化剤は、1L当たり最大2×10−1gの濃度の人工抗酸化剤、1L当たり最大2×10−1gの濃度範囲の天然抗酸化剤及び1L当たり最大2×10−1gのハーブ系抗酸化剤を含む群から選択できる。ローズマリー、とりわけローズマリーの精油は、抗酸化性を有するハーブ原料である。原料としてのローズマリー、とりわけローズマリーの精油は、水の保存寿命に関していえば、水に安定性をもたらす。ローズマリーの精油を含有する水の保存寿命を試験したところ6カ月であった。
【0059】
本発明の別の実施形態では、水に加えるハーブ原料の量は、水の嗜好性が高まり生物学的に有効であるような量であってよい。生物学的に有効とは、ハーブ原料と混合された後の飲料水がヒトにとって健康上プラスの効果を有することを意味する。本発明によるハーブ水の調合品の健康上プラスの効果は、完全な健康上の利益、部分的な健康上の利益、香りがよいという利益又は心理学的な健康上の利益の形態であってよい。ハーブ原料は、精油、フレッシュハーブ、乾燥ハーブ、天日乾燥ハーブ又はハーブエキスの形態で加えてよい。
【0060】
ハーブ原料と水との混合は、1種又は複数種の混合法により行ってよい。混合法の例としては、機械的撹拌手段、超音波技術、ソニケーター、工業用の高せん断ホモジナイザー、ブレンドシステムなどを用いる方法が挙げられる。
【0061】
本発明の一実施形態では、ハーブ水に添加剤を加えてよい。添加剤は、ハーブ水の嗜好性を高め、保存性を高め、又、ミネラルを含ませるために加えてよい。添加剤の例としては、甘味剤、抗酸化剤、塩、二酸化炭素及び乳化剤を挙げ得る。製品仕様を表1に示す。甘味剤は、水の味を向上させるために加える。甘味剤は、人工甘味剤又は天然甘味剤であってよい。本発明の一実施形態では、1L当たり最大2×10−1gの濃度の人工甘味剤を水に加える。人工甘味料は、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセサルフェームカリウム、ネオテーム、Dタガトースなどであってよい。本発明の別の実施形態では、最大1.46×10−1Mの濃度の天然甘味剤を水に加える。天然甘味剤は、ショ糖、キシリトール、ソルビトール等のポリオール、マンニトール、マルチトール、転化糖、蜂蜜、ステビオシド類のハーブ系甘味料などであってよい。こうした甘味剤により、砂糖又はその同等物と同様の強さの甘みが得られる。
【0062】
必須ミネラルを供給するために、水に塩を加えてもよい。塩の種類としては、4.2×10−7M〜8.9×10−4Mの濃度範囲の食卓塩、最大8.9×10−4Mの濃度の岩塩、最大8.9×10−4Mの濃度の栄養上重要なミネラル塩及び4.2×10−7M〜8.9×10−4Mの濃度範囲の植物塩を挙げ得る。
【0063】
均一な乳化がもたらされるように、水に乳化剤を加えてもよい。乳化剤の種類としては、1L当たり最大1×10−1gの濃度の天然乳化剤、1L当たり最大1×10−1gの濃度範囲の食品乳化剤及び最大0.5%v/vの濃度の人工乳化剤を挙げ得る。乳化剤の例としては、ヤシ油、菜種油、大豆油、ヒマワリ油から作られた乳化剤、脂肪酸及びポリオールの部分エステル、アカシアゴム、アラビアゴム、エステルゴム、アルコール、大豆レシチン、キサンタンゴム、ホエータンパク質濃縮物、ショ糖エステル、ポリグリセロールエステル、ポリソルベート、モノグリセリド、スクロースアセテートイソブチレートなどが挙げられる。美観的な価値を与えるために水に着色剤を加えてもよい。着色剤の例としては、人工着色剤、ハーブ系着色剤、天然着色剤などを挙げ得る。
【0064】
【表1】
























【0065】
本発明の一実施形態では、水にプレバイオティック活性を付与するために、プレバイオティックスを水に加えてよい。プレバイオティックスは、大腸内の限られた数の細菌の増殖及び/又は活性を選択的に刺激することにより、宿主に有益な影響を与え得る難消化性の食物成分と定義される。プレバイオティックスの例としては、イヌリン、FOS、耐性マルトデキストリン、耐性デキストリン、難消化性デキストリン及び耐性デンプンが挙げられる。
【0066】
本発明の一実施形態では、ハーブ原料及び添加剤を水と混合した後、その水を無菌容器中に詰めることができる。無菌容器の例としては、無菌のボトル、無菌の缶、無菌の広口瓶、無菌のパック、無菌の水入れ、無菌のボウル、無菌の釜、無菌のフラスク、無菌のドラム缶、無菌の桶及び無菌のグラスが挙げられる。
【0067】
以下に記載の実施例を参照することにより、本発明をよりよく理解できる。
【0068】
飲料水の製造、とりわけ容器入り飲料水の製造に関する方法には、以下の厳しい基準及び安全性プロトコールが含まれる。飲料水の安全性基準を確保するために、濾過、濾過の組合せ、曝気、膜フィルター、深層フィルター、カートリッジフィルターを用いた濾過、活性炭濾過、脱ミネラル化及び再ミネラル化、逆浸透、オゾン化並びに紫外線照射などの物理化学的な処理に従う。
【0069】
特定の容量のステンレス鋼の混合タンク中に水1リットルを取り込む。次に、この水をローズマリー油と混合する。本発明の一実施形態では、ローズマリー油は、水に対し1×10−3ml/リットル〜1×10−2ml/リットルの濃度範囲で存在してよい。本発明の一実施形態では、水は、最大5×10−1ml/リットルの他の精油/含油樹脂とさらに混合してよい。他の精油は、ベチバー(ベチベリア・ジザノイデス)、ハッカ種(メンタ・ピペリタ/メンタ・アルベンシス/メンタ・スピカータ及びメンタ・シトラータ)、ローズマリー(ロスマリヌス・オフィキナリス)、オキムム種(オキムム・サンクトゥム/オキムム・バシリクム)、コレウス(コレウス・フォルスコリー(Coleus forskolii))、アジョワン(カルム・コプティクム)、ゼラニウム種(ペラルゴニウム・グラベオレンス)、パルマローザ(キンボポゴン・マルティニー)、セロリシード、サルビア種、タイム(ティムス・ウルガリス)、コリアンダーシード、カルダモン(エレッタリア・カルダモムム)、シナモンリーフ/バーク、クローブ(エウゲニア・カリオフィラータ)、ショウガ(ジンジベル・オフィキナーレ)、パチョリ(ポゴステモン・カブリン)、ウイキョウ、ラベンダー、レモン、ライム、オレンジ、ジャスミン、カモミール、ナツメグ、クミンなどであってよい。
【0070】
均一な乳濁液を得るために、アカシアゴム(1×10−5g〜5×10−2g/L)、アラビアゴム(1×10−5g〜5×10−2g/L)、大豆レシチン(1×10−5g〜5×10−2g/L)、キサンタンゴム(1×10−5g〜1×10−1g/L)、ポリソルベート(最大0.5%v/v)などの多様な乳化剤を用いて、また、機械的な撹拌装置、超音波ソニケーター、工業用の高せん断ホモジナイザーなどの乳化装置及び通常のブレンドシステムを用いて、この水を徹底的に混合する。このような全ての装置においては、無菌状態を維持する。上述の各乳化装置について、水を最低30分間〜2時間ブレンドする。乳濁液が適切にブレンドされていることを、定期的に(15分の頻度で)水試料を抜き取ってそれを官能評価することにより判断する。一旦乳濁液を調製したら、適当な装置を用いて、無菌状態に維持したボトル充填ラインに混合済み製品を移動させる。
【0071】
本発明の一実施形態では、最終製品の風味プロファイルは、最低3つの混合設備を用いて達成できる。個々の設備は、単一の風味又は特定の混合された風味の組合せを調製するために使用できる。本発明の別の実施形態では、少量のエチルアルコール、次いで水を用いてタンクを徹底的に洗浄してから、このタンクを乾熱処理に供する。風味の一切の混ざり合い/汚染を避けるために、異なるボトル詰めプラントを有する混合タンクに合流する別々の配管を使用する。
【0072】
本発明の一実施形態では、嗜好性の高い甘さを誘導するために、水をショ糖と混合してよい。
【0073】
本発明の別の実施形態では、水は、食卓塩又は栄養上重要なミネラル塩とさらに混合してよい。水を食卓塩と混合した後、均一な乳濁液を得るために、この水をアカシアゴムと混合してよい。
【0074】
本発明の別の実施形態では、ハーブ原料の美観的な価値を提供するために、適当な着色剤を水に加えてよい。
【0075】
本発明の別の実施形態では、二酸化炭素を用いて水を炭酸化してよい。
【0076】
本発明の別の実施形態では、ほのかなハーブ風味のこの水は、最少量の可溶性繊維を供給して腸内の菌叢を増やすようにプレバイオティック成分を導入するために、イヌリン、FOS、耐性マルトデキストリン、耐性デキストリン、難消化性デキストリンなどのプレバイオティック剤で強化してよい。
【0077】
次いで、複数の無菌容器中に水を詰めてよい。
【0078】
上述の方法に従い、本発明の飲料調合品を製造、とりわけ本発明の容器入り飲料調合品を製造するために、以下の濃度の、異なる原料を使用した。
【実施例1】
【0079】
水:予め規定されている基準を満たす湧水から得た1リットル。
ハーブ原料:ローズマリー 濃度範囲は1リットル当たり1×10−3ml〜1リットル当たり1×10−2ml。
他のハーブ原料:パルマローザの精油 1リットル当たりゼロ〜2.5×10−2ml。
乳化剤:アカシアゴム/アラビアゴム 1リットル当たり1×10−5g〜5×10−2g、又はポリソルベート 最大0.5%v/v。
【実施例2】
【0080】
水:予め規定されている基準を満たす湧水から得た1リットル
ハーブ原料:ローズマリー 濃度範囲は1リットル当たり1×10−3ml〜1リットル当たり1×10−2ml。
他のハーブ原料:パルマローザの精油 1リットル当たり2.5×10−2ml。
乳化剤:アカシアゴム/アラビアゴム 1リットル当たり1×10−5g〜5×10−2g、又はポリソルベート ゼロ〜0.5%v/v。
甘味料:ショ糖 2.92×10−5M〜1.46×10−1M。
【実施例3】
【0081】
水:予め規定されている基準を満たす湧水から得た1リットル
ハーブ原料:ローズマリー 濃度範囲は1リットル当たり1×10−3ml〜1リットル当たり1×10−1ml。
他のハーブ原料:ベチバー(ベチベリア・ジザノイデス)の精油、特徴は表2に示すとおり 濃度は1リットル当たり1×10−3〜5×10−2mlの範囲である。
乳化剤:大豆レシチン 1リットル当たり1×10−5g〜5×10−2g。
食卓塩:塩化ナトリウム/植物塩 4.2×10−7M〜8.9×10−4M。
【実施例4】
【0082】
水:予め規定されている基準を満たす湧水から得た1リットル。
ハーブ原料:ローズマリー 濃度範囲は1リットル当たり1×10−3ml〜1リットル当たり1×10−1ml。
他のハーブ原料:オキムム種(オキムム・サンクトゥム/オキムム・バシリクム)、特徴は表2に示すとおり 濃度は1リットル当たり5×10−1ml。
乳化剤:ポリソルベート 最大0.5%v/v。
甘味料:アスパルテーム 嗜好性の高い甘さを誘導するために1×10−5g〜1.8×10−1g。
【実施例5】
【0083】
水:予め規定されている基準を満たす湧水から得た1リットル。
ローズマリー油:濃度は1リットル当たり1×10−4ml〜1リットル当たり1×10−2mlの範囲である。
他のハーブ原料:オキムム種(オキムム・サンクトゥム/オキムム・バシリクム) 濃度は1リットル当たり最大5×10−1mlの範囲である。
乳化剤:アラビアゴム 1リットル当たり1×10−5g〜5×10−2g。
プレバイオティックス:1リットル当たりイヌリン又はFOS又は耐性デンプン1〜5g。
【実施例6】
【0084】
水:予め規定されている基準を満たす湧水から得た1リットル。
ローズマリー油:濃度は1リットル当たり1×10−4ml〜1リットル当たり1×10−2mlの範囲である。
他のハーブ原料:レモン/オレンジの天然精油 濃度は1リットル当たり5×10−1mlの範囲である。
食卓塩:塩化ナトリウム 4.2×10−7M〜8.9×10−4M。
酸味料:クエン酸2.3×10−3M〜7.3×10−3M及びリンゴ酸3×10−4M〜9×10−4M。
乳化剤:アラビアゴム 1リットル当たり1×10−5g〜5×10−2g。
【0085】
上述の実施例に加え、本発明の多様な実施形態では、この飲料水を調製するため、とりわけ容器入り飲料水を調製するために、以下の原料を使用してもよい。
人工甘味料:
スクラロース:嗜好性の高い甘さを誘導するために1リットル当たり1×10−5g〜6.3×10−2g。
アスパルテーム:嗜好性の高い甘さを誘導するために1×10−5g〜1.8×10−1g。
乳化剤(天然乳化剤及び食品乳化剤):ホエータンパク質濃縮物 1リットル当たり0.01mg〜100mg
乳化剤(人工乳化剤):ポリソルベート 最大0.5%v/v。
酸味料:クエン酸2.3M×10−3〜7.3×10−3M及びリンゴ酸3×10−4M〜9×10−4M。
【0086】
本発明の多様な実施形態では、より長い期間、この容器入り飲料水の調合品を保存するために、1種又は複数種の抗酸化剤を加えてよい。抗酸化剤の例としては、人工抗酸化剤、天然抗酸化剤及びハーブ系抗酸化剤を挙げ得る。
【0087】
本発明で使用されるハーブ原料は、この飲料水に治療的価値を与えることができる。例えば、トゥルシー植物は、多くの薬理作用を有する。トゥルシーの葉は、神経強壮薬であり、記憶力も高める。この葉は、カタル性の膿及び気管支からの痰の除去を促進する。この葉は、胃を強くし、症状緩和のための大量の発汗を誘発する。さらに、トゥルシーの葉は、多くの熱に特異的である。したがって、本発明は、ハーブ原料がトゥルシー植物の葉を含むことができる、本質的に上述のようなハーブ飲料も含む。とりわけ、このようなハーブ水のハーブ原料は、トゥルシー植物の精油を含むことができる。
【0088】
上述のことを考慮して、ほのかなハーブ風味の飲料水、とりわけそうした、ほのかなハーブ風味の容器入り飲料水は、飲み水と同時に健康上の利益を人々に提供する目的にかない得ると結論付けることができる。また、本発明によるほのかなハーブ風味の飲料水、とりわけ本発明による容器入り飲料水は、風味を付けずに処理した飲料水より良好な味及び風味を提供する。ハーブ原料は、水と混合されているので、より多くの人の手にわたることが可能で、人々にとって有益になる可能性がある。事実、この飲料水は、普通の飲料水の代用品としても役立ち得る。さらに、本発明によるほのかなハーブ風味の飲料水は、例えばモクテル、カクテル、シャーベットなどを作るといった、普通の飲料水としての他の多様な目的のために使用することもできる。
【0089】
ここまでの明細書において、本発明の特定の実施形態を記載してきた。しかし、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱せずに多様な改変及び変更がなされ得ることは当業者には理解される。したがって、本明細書は、限定的な意味ではなく例証的な意味で受け取られるべきであり、そのような全ての改変は本発明の範囲内に含まれることを意図している。問題に対する利益、利点、解決策、及び、何らかの利益、利点若しくは解決策を生じさせ又はそれらがより顕著になる原因となり得る一切の要素(複数も)は、任意又は全ての特許請求の範囲の決定的に重要な、必要な、若しくは必須の特徴又は要素として解釈されるべきではない。本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ規定され、そこには本出願の審査期間中になされる補正があればその補正、及び、交付された場合にそれら特許請求の範囲に相当する全てのものが含まれる。
【0090】
本明細書に含まれている例証的な実施例中に詳細を記した本発明における実施例は、精油として入手可能なハーブ原料を用いて記載してある。しかし、このような実施例を使用したことは、ハーブ原料のそうした特定の形態及び精油のそうした特定の濃度に本発明を限定することであると解釈されるべきではない。
【0091】
【表2】

























【特許請求の範囲】
【請求項1】
相乗的に安定化されたハーブ水であって、
a.予め規定されている飲料水基準を満たす水と、
b.1種又は複数種のハーブ原料と、
c.1種又は複数種の添加剤及び1種又は複数種の抗酸化剤を共に含んでいてもよい、安定化のための1×10−4ml/L〜1×10−1ml/Lの濃度範囲のローズマリーの精油と
を含む、ハーブ水。
【請求項2】
ハーブ原料が、薬理効果を有するハーブ及びプラスの健康効果を誘導するハーブを含む群から選択される、請求項1に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項3】
ハーブ原料が、最大5×10−1ml/Lの濃度範囲の精油、最大20%w/wの濃度範囲のフレッシュハーブ、最大10%w/wの濃度範囲の乾燥ハーブ、最大10%w/wの濃度範囲の天日乾燥ハーブ及び最大6%v/vの濃度範囲のハーブエキスを含む群から選択される、請求項1に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項4】
ハーブが、ベチバー、ハッカ、オキムム、アジョワン、ゼラニウム、パルマローザ、セロリ、サルビア、タイム、コリアンダー、カルダモン、シナモン、クローブ、ショウガ、パチョリ、ウイキョウ、ラベンダー、レモン、ライム、オレンジ、ジャスミン、カモミール、ナツメグ、クミン及びその組合せを含む群から選択される、請求項3に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項5】
ローズマリーの精油が、好ましくは1×10−4ml/L〜1×10−2ml/Lの範囲である、請求項1に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項6】
添加剤が、甘味剤、二酸化炭素、着色剤、塩、乳化剤及びプレバイオティックス及びそれらの組合せを含む群から選択される、請求項1に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項7】
甘味剤が、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセサルフェームカリウム、ネオテーム、D‐タガトースなどの人工甘味剤、及びショ糖、キシリトール、ソルビトール等のポリオール、マンニトール、マルチトール、転化糖、蜂蜜、ステビオシド類のハーブ系甘味料などの天然甘味剤、並びにその組合せを含む群から選択される、請求項6に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項8】
人工甘味剤が、1.0×10−5g/L〜2.0×10−1g/Lの範囲の濃度で使用され、かつ天然甘味剤が、最大1.46×10−1Mの濃度範囲で使用される、請求項7に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項9】
塩が、4.2×10−7M〜8.9×10−4Mの濃度範囲の食卓塩、最大5.25×10−2g/Lの濃度範囲の岩塩、最大8.9×10−4Mの濃度範囲の栄養上重要なミネラル塩及び4.2×10−7M〜8.9×10−4Mの濃度範囲の植物塩を含む群から選択される、請求項6に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項10】
着色剤が、人工着色剤、ハーブ系着色剤及び天然着色剤を含む群から選択される、請求項6に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項11】
乳化剤が、最大1×10−1g/Lの濃度範囲の天然乳化剤、最大1×10−1g/Lの濃度範囲の食品乳化剤及び最大0.5%v/vの濃度範囲の人工乳化剤を含む群から選択される、請求項6に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項12】
プレバイオティックスが、イヌリン、FOS、耐性マルトデキストリン、耐性デキストリン、難消化性デキストリン及び耐性デンプンを含む群から選択される、請求項6に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項13】
抗酸化剤が、最大2×10−1g/Lの濃度範囲の人工抗酸化剤、最大2×10−1ml/Lの濃度範囲の天然抗酸化剤及び最大2×10−1ml/Lの濃度範囲のハーブ系抗酸化剤を含む群から選択される、請求項1に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項14】
ハーブ系抗酸化剤が、クローブ、バジル、シナモン、コリアンダー、ミント、サルビア、ウイキョウ及びその組合せの精油を含む群から選択される、請求項13に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項15】
栄養分及び健康上の利益を提供する経口投与に有用である、請求項1に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項16】
複数の無菌容器中に詰められる、請求項1に記載の相乗的に安定化されたハーブ水。
【請求項17】
相乗的に安定化されたハーブ水を調製する方法であって、
a.予め規定されている飲料水基準を満たす水に1種又は複数種のハーブ原料を加えるステップと、
b.ローズマリーの精油を1×10−4ml/L〜1×10−1ml/Lの濃度範囲でステップ(a)の前記水に加えるステップと、
c.相乗的に安定化されたハーブ水を得るために、1種又は複数種の添加剤及び1種又は複数種の抗酸化剤を任意で加えるステップと
を含む方法。
【請求項18】
ハーブ原料が、最大5×10−1ml/Lの濃度範囲の精油、最大20%w/wの濃度範囲のフレッシュハーブ、最大10%w/wの濃度範囲の乾燥ハーブ、最大10%w/wの濃度範囲の天日乾燥ハーブ及び最大6%v/vの濃度範囲のハーブエキスを含む群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ローズマリーの精油が、1×10−4ml/L〜1×10−1ml/Lの濃度範囲、好ましくは1×10−3ml/L〜1×10−2ml/Lの範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
添加剤が、甘味剤、二酸化炭素、着色剤、塩、乳化剤及びプレバイオティックス及びそれらの組合せを含む群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
甘味剤が、1.0×10−5g/L〜2.0×10−1g/Lの濃度範囲の人工甘味剤及び最大1.46×10−1Mの濃度範囲の天然甘味剤を含む群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
塩が、4.2×10−7M〜8.9×10−4Mの濃度範囲の食卓塩、最大8.9×10−4Mの濃度範囲の岩塩、最大8.9×10−4Mの濃度範囲の栄養上重要なミネラル塩及び4.2×10−7M〜8.9×10−4Mの濃度範囲の植物塩を含む群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
着色剤が、人工着色剤、ハーブ系着色剤及び天然着色剤を含む群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
乳化剤が、最大1×10−1g/Lの濃度範囲の天然乳化剤、最大1×10−1g/Lの濃度範囲の食品乳化剤及び最大0.5%v/vの濃度範囲の人工乳化剤を含む群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
プレバイオティックスが、イヌリン、FOS、耐性マルトデキストリン、耐性デキストリン、難消化性デキストリン及び耐性デンプンを含む群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
ハーブ原料、ローズマリーの油、添加剤及び抗酸化剤を、機械的撹拌手段、超音波技術、工業用の高せん断ホモジナイザー及びブレンドシステムを含む群から選択される手段を用いて混合する、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
ハーブ原料、ローズマリーの油、添加剤及び抗酸化剤を、約30分間〜2時間混合する、請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−501546(P2010−501546A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525173(P2009−525173)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/IN2007/000287
【国際公開番号】WO2008/023387
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(509039116)センチュリー バイオロジカルズ プライベート リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CENTURY BIOLOGICALS PRIVATE LIMITED
【Fターム(参考)】