説明

めっき付着量測定装置

【課題】従来のめっき付着量測定装置は、金属板の端部の位置を検出した後に付着量計ヘッドを変位させる必要があるので、測定に要する時間が長くなり、めっき付着量の調整精度が低くなっている。
【解決手段】本発明によるめっき付着量測定装置は、第1及び第2対向検出センサ3A,3Bが金属板1の幅方向1Wに沿って互いに離間して配置され、金属板1の幅方向1Wに関して第1対向検出センサ3Aと第2対向検出センサ3Bとの間に付着量計ヘッド4が配置される構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板に付着しためっきの量を測定するめっき付着量測定装置に関し、特に、第1及び第2対向検出センサが金属板の幅方向に沿って互いに離間して配置され、金属板の幅方向に関して第1対向検出センサと第2対向検出センサとの間に付着量計ヘッドが配置されることで、めっき付着量の測定に要する時間を短縮でき、めっき付着量の調整精度を向上できるようにするための新規な改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種のめっき付着量測定装置としては、例えば特許文献1等に示されている構成が挙げられる。図5は、従来のめっき付着量測定装置を示す平面図である。図において、例えば亜鉛めっきが施された鋼板等の金属板1は、ライン方向1Lに沿って搬送されている。この金属板1の表面には、センサ体2が対向されている。このセンサ体2は、周知の駆動手段によって、金属板1の幅方向1Wに沿って変位可能に設けられている。
【0003】
センサ体2には、対向検出センサ3Aと、付着量計ヘッド4とが設けられている。対向検出センサ3Aは、例えばレーザ光の投光部及び受光部等から構成され、幅方向1Wに沿って変位される際に金属板1に対向しているか否かを検出するものである。後述するように、対向検出センサ3Aが出力する信号は、幅方向1Wに沿う金属板1の第1及び第2端部1a,1bの位置を検出するために利用される。
【0004】
付着量計ヘッド4は、例えばX線付着量計等から構成され、金属板1に付着しためっきの量を測定するものである。具体的には、付着量計ヘッド4は、オペレーション位置OP、センタ位置CN、及びドライブ位置DRでめっき付着量を測定するものである。オペレーション位置OP及びドライブ位置DRは、第1及び第2端部1a,1bから所定距離だけ内方に移動した位置である。センタ位置CNは、幅方向1Wに沿う金属板1の中心位置である。
【0005】
センサ体2には、コンピュータ等からなる制御手段5が接続されている。制御手段5は、幅方向1Wに沿うセンサ体2の変位を制御するとともに、対向検出センサ3Aからの信号に基づいて第1及び第2端部1a,1bの位置を検出する。また、制御手段5は、検出した第1及び第2端部1a,1bの位置に基づいて付着量計ヘッド4の測定動作を制御する。
【0006】
すなわち、制御手段5は、センサ体2を幅方向1Wに沿って変位させつつ、対向検出センサ3Aに金属板1が対向しているか否かを判定し、対向検出センサ3Aに金属板1が対向していないと判定した場合に、第1端部1aの位置を検出する。
【0007】
また、制御手段5は、第1端部1aを検出した後に、センサ体2の変位方向を逆転させて、センサ体2をオペレーション位置OPまで変位させる。制御手段5は、センサ体2がオペレーション位置OPまで変位された際に、オペレーション位置OPでのめっき付着量測定を付着量計ヘッド4に実施させる。
【0008】
さらに、制御手段5は、オペレーション位置OPでのめっき付着量測定が終了した後に、センサ体2をセンタ位置CNまで変位させて、センタ位置CNでのめっき付着量測定を付着量計ヘッド4に実施させる。センタ位置CNは、金属板1の幅の情報から特定される。幅の情報は、初期値もしくは直前に検出した第1及び第2端部1a,1bの位置から得られる。なお、初回時、すなわち第1及び第2端部1a,1bの位置の初期値を得る前は、オペレーション位置OPでのめっき付着量測定が終了した後に、所定の設定距離だけセンサ体2を変位させて、その位置でめっき付着量測定が実施される。
【0009】
さらにまた、制御手段5は、センタ位置CNでのめっき付着量測定が終了した後に、センサ体2を幅方向1Wに沿って変位させつつ、対向検出センサ3Aに金属板1が対向しているか否かを判定し、対向検出センサ3Aに金属板1が対向していないと判定した場合に、第2端部1bの位置を検出する。制御手段5は、第2端部1bを検出した後に、センサ体2をドライブ位置DRまで変位させて、ドライブ位置DRでのめっき付着量測定を付着量計ヘッド4に実施させる。
【0010】
この後、センタ位置CN、オペレーション位置OPでのめっき付着量測定が実施される。すなわち、センサ体2が幅方向1Wに沿って往復されながら、周期的にめっき付着量測定が実施される。めっき付着量の測定結果は、例えばガスワイピングノズルからのガス吹付け量の制御等のめっき付着量の調整に利用される。
【0011】
【特許文献1】特開平10−273765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような従来のめっき付着量測定装置では、幅方向1Wに関して対向検出センサ3Aと付着量計ヘッド4とが同じ位置に配置されているので、第1又は第2端部1a,1bを検出した後に、オペレーション位置OP又はドライブ位置DRまで付着量計ヘッド4を変位させる必要があり、測定に要する時間が長くなっている。このため、測定結果をめっき付着量制御にフィードバックできる間隔が延び、めっき付着量の調整精度が低くなる。
【0013】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、めっき付着量の測定に要する時間を短縮でき、めっき付着量の調整精度を向上できるめっき付着量測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るめっき付着量測定装置は、金属板の幅方向に沿って変位可能に設けられたセンサ体と、前記センサ体に設けられ、前記幅方向に沿って変位される際に前記金属板に対向しているか否かを検出する対向検出手段と、前記センサ体に設けられ、対向する前記金属板に付着しためっきの量を測定する付着量計ヘッドと、前記センサ体に接続され、前記幅方向に沿う前記センサ体の変位を制御するとともに、前記幅方向に沿う前記金属板の第1及び第2端部の位置を前記対向検出手段からの信号に基づいて検出し、検出した前記第1及び第2端部の位置に基づいて前記付着量計ヘッドの測定動作を制御する制御手段とを備え、前記対向検出手段は、前記幅方向に沿って互いに離間して配置された第1及び第2対向検出センサを含み、前記付着量計ヘッドは、前記幅方向に関して前記第1対向検出センサと前記第2対向検出センサとの間に配置されている。
また、前記制御手段は、前記金属板の幅の情報を記憶しており、前記第1及び第2対向検出センサの現在の位置と前記幅の情報とに基づいて、前記第1及び第2対向検出センサと前記第1及び第2端部との離間距離を求め、前記離間距離が所定値以下の場合は第1速度で前記センサ体を変位させ、前記離間距離が所定値よりも大きい場合は前記第1速度よりも速い第2速度で前記センサ体を変位させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のめっき付着量測定装置によれば、第1及び第2対向検出センサが金属板の幅方向に沿って互いに離間して配置され、金属板の幅方向に関して第1対向検出センサと第2対向検出センサとの間に付着量計ヘッドが配置されるので、端部が検出される際に付着量計ヘッドを測定位置に位置させることができる。これにより、付着量計ヘッドを測定位置まで変位させる時間を省略でき、めっき付着量の測定に要する時間を短縮でき、めっき付着量の調整精度を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による連続溶融亜鉛めっき設備を概略的に示す構成図である。図において、鋼板等の金属板1は、亜鉛ポット10内に溜められた溶融亜鉛11に浸漬されている。この溶融亜鉛11に浸漬された金属板1は、シンクロール12によって搬送方向が反転されて、溶融亜鉛11から引き上げられる。亜鉛ポット10の上方には、ガスワイピングノズル13が配置されており、ガスワイピングノズル13から金属板1にガスが吹き付けられることで、金属板1に付着する亜鉛めっきの量が調整される。
【0017】
上方に引き上げられた金属板1は、空冷設備(図示しない)によって冷却されながら搬送されるとともに、ウォータクエンチ14に導入される。ウォータクエンチ14は金属板1を水冷するものであり、ウォータクエンチ14を通過した金属板1は、ブライドルロール設備15に導入される。ブライドルロール設備15の近傍には、金属板1の表側及び裏側の面に対向するように、一対のめっき付着量測定装置16が配置されている。めっき付着量測定装置16は、金属板1に付着しためっきの量を測定するものであり、この測定結果は、ガスワイピングノズル13からのガス吹付け量の制御等に利用される。
【0018】
なお、めっき付着量測定装置16が配置される位置はウォータクエンチ14の直後でも良いが、より好ましくは亜鉛ポット10にできるだけ近い場所が良い。ガスワイピングノズル13からウォータクエンチ14の間の冷却装置と干渉しない位置(図1において点線で示す領域)であれば任意の位置に取り付けることができ、亜鉛ポット10に近いほど、コイル長手方向の測定結果フィードバックが早くなる。
【0019】
次に、図2は、図1のめっき付着量測定装置16を示す平面図である。めっき付着量測定装置16には、センサ体2と制御手段5とが設けられている。センサ体2は、金属板1の表面に対向されており、周知の駆動手段によって、金属板1の幅方向1Wに沿って変位可能に設けられている。
【0020】
センサ体2には、第1及び第2対向検出センサ3A,3Bからなる対向検出手段3と、付着量計ヘッド4とが設けられている。第1及び第2対向検出センサ3A,3Bは、幅方向1Wに沿って互いに離間して配置されている。これら第1及び第2対向検出センサ3A,3Bは、例えばレーザ光の投光部及び受光部等から構成され、幅方向1Wに沿って変位される際に金属板1に対向しているか否かを検出するものである。後述するように、第1対向検出センサ3Aが出力する信号は、幅方向1Wに沿う金属板1の第1端部1aの位置を検出するために利用され、第2対向検出センサ3Bが出力する信号は、幅方向1Wに沿う金属板1の第2端部1bの位置を検出するために利用される。
【0021】
付着量計ヘッド4は、例えばX線付着量計等から構成され、金属板1の表面に付着しためっきの量を測定するものである。具体的には、付着量計ヘッド4は、オペレーション位置OP、センタ位置CN、及びドライブ位置DRでめっき付着量を測定するものである。オペレーション位置OP及びドライブ位置DRは、第1及び第2端部1a,1bから所定距離だけ内方に移動した位置である。センタ位置CNは、幅方向1Wに沿う金属板1の中心位置である。
【0022】
付着量計ヘッド4は、幅方向1Wに関して第1対向検出センサ3Aと第2対向検出センサ3Bとの間に配置されている。具体的には、付着量計ヘッド4は、第1対向検出センサ3Aが金属板1に対して非対向となるときにオペレーション位置OPに位置し、第2対向検出センサ3Bが金属板1に対して非対向となるときにドライブ位置DRに位置するように配置されている。なお、図2に示すように、ライン方向1Lに関する付着量計ヘッド4の配置位置は、ライン方向1Lに関する第1及び第2対向検出センサ3A,3Bの配置位置からずれていてよい。
【0023】
センサ体2には、コンピュータ等からなる制御手段5が接続されている。制御手段5は、第1及び第2対向検出センサ3A,3Bからの信号に基づいて第1及び第2端部1a,1bの位置を検出するとともに、検出した第1及び第2端部1a,1bの位置に基づいて、付着量計ヘッド4の測定動作を制御する。
【0024】
すなわち、制御手段5は、センサ体2を幅方向1Wに沿って変位させつつ、第1対向検出センサ3Aに金属板1が対向しているか否かを判定し、第1対向検出センサ3Aに金属板1が対向していないと判定した場合に、第1端部1aの位置を検出する。
【0025】
ここで、幅方向1Wに関して第1対向検出センサ3Aと第2対向検出センサ3Bとの間に付着量計ヘッド4が配置されているので、第1端部1aの位置が検出された際には、付着量計ヘッド4がオペレーション位置OPに位置されている。
制御手段5は、第1端部1aを検出した際に、オペレーション位置OPでのめっき付着量測定を付着量計ヘッド4に実施させる。
【0026】
さらに、制御手段5は、オペレーション位置OPでのめっき付着量測定が終了した後に、センサ体2をセンタ位置CNまで変位させ、センタ位置CNでのめっき付着量測定を付着量計ヘッド4に実施させる。センタ位置CNは、金属板1の幅の情報から特定される。幅の情報は、初期値もしくは直前に検出した第1及び第2端部1a,1bの位置から得られる。なお、初回時、すなわち第1及び第2端部1a,1bの位置の初期値を得る前は、オペレーション位置OPでのめっき付着量測定が終了した後に、所定の設定距離だけセンサ体2を変位させて、その位置でめっき付着量測定が実施される。
【0027】
なお、幅の情報は、予め制御手段5に記録させておいてもよい。これにより、第1及び第2端部1a,1bの位置の初期値を得る前であっても、オペレーション位置OPでのめっき付着量測定が終了した後に、センサ体2をセンタ位置CNに変位させ、センタ位置CNでのめっき付着量測定を実施できる。
【0028】
さらにまた、制御手段5は、センタ位置CNでのめっき付着量測定が終了した後に、センサ体2を幅方向1Wに沿って変位させつつ、第2対向検出センサ3Bに金属板1が対向しているか否かを判定し、第2対向検出センサ3Bに金属板1が対向していないと判定した場合に、第2端部1bの位置を検出する。
【0029】
ここで、幅方向1Wに関して第1対向検出センサ3Aと第2対向検出センサ3Bとの間に付着量計ヘッド4が配置されているので、第2端部1bの位置が検出された際には、付着量計ヘッド4がドライブ位置DRに位置されている。
制御手段5は、第2端部1bを検出した際に、ドライブ位置DRでのめっき付着量測定を付着量計ヘッド4に実施させる。
【0030】
この後、センタ位置CN、オペレーション位置OPでのめっき付着量測定が実施される。すなわち、センサ体2が幅方向1Wに沿って往復されながら、周期的にめっき付着量測定が実施される。
【0031】
次に、作用について説明する。図3は図2のめっき付着量測定装置16によって得られる測定時間短縮を示す説明図である。図3の(a),(b)では、横軸を時間とし、縦軸を幅方向1Wに関する付着量計ヘッド4の位置とすることで、付着量計ヘッド4の軌跡を示している。図3の(a)は実施の形態1の付着量計ヘッド4の軌跡を示し、図3の(b)は従来装置の付着量計ヘッド4の軌跡を示している。なお、ここで説明する従来装置とは、図5に示す構成の装置である。
【0032】
図3において、T1は、センタ位置CNでの測定が終了してからオペレーション位置OPでの測定が開始されるまでの第1準備時間を示し、T2は、オペレーション位置OPでの測定時間を示し、T3は、オペレーション位置OPでの測定が終了してからセンタ位置CNでの測定が開始されるまでの第2準備時間を示している。
【0033】
図3の(b)に示すように、従来装置の第1準備時間T1には、第1端部1aの位置を検出するために付着量計ヘッド4を変位させるサーチ時間T4と、第1端部1aの位置を検出した後に付着量計ヘッド4をオペレーション位置OPまで変位させるためのセット時間T5が含まれている。セット時間T5が必要とされるのは、幅方向1Wに関して対向検出センサ3Aと付着量計ヘッド4とが同じ位置に配置されているためのである(図5参照)。
【0034】
これに対して、実施の形態のめっき付着量測定装置16では、幅方向1Wに関して第1対向検出センサ3Aと第2対向検出センサ3Bとの間に付着量計ヘッド4が配置されているので、第1端部1aの位置が検出された際に付着量計ヘッド4がオペレーション位置OPに位置している。従って、図3の(a)に示すように、第1端部1aの位置が検出された際に、オペレーション位置OPでの測定が直ぐさま開始される。
【0035】
これにより、実施の形態のめっき付着量測定装置16では、セット時間T5を省略でき、測定に要する時間、すなわちセンタ位置CNでの測定が終了してからオペレーション位置OPでの測定が終了されるまでの時間(T1+T2)を短縮できる。従って、めっき付着量の調整に測定結果をフィードバックできる間隔も短くでき、めっき付着量の調整精度を向上できる。
【0036】
なお、図3では、センタ位置CNでの測定が終了してからオペレーション位置OPでの測定が終了されるまでの時間(T1+T2)を短縮する旨を表しているが、センタ位置CNでの測定が終了してからドライブ位置DRでの測定が終了されるまでの時間についても、同様に短縮される。
【0037】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2によるめっき付着量測定装置によって得られる測定時間短縮を示す説明図である。なお、実施の形態2のめっき付着量測定装置の全体としての構成は、実施の形態1の構成と同様であるので、構成の説明に図2を援用する。
【0038】
図4の(a)は実施の形態2の付着量計ヘッド4の軌跡を示し、図4の(b)は実施の形態1の付着量計ヘッド4の軌跡を示している。図4の(b)に示すように、実施の形態1の構成では、第1端部1aを検出するまでの間(センタ位置CNからオペレーション位置OPまで付着量計ヘッド4を変位させる間)の速度が低速S1とされている。これは、従来装置のように付着量計ヘッド4を高速S2で変位させると(図3の(b)参照)、センサ体2の慣性によって、付着量計ヘッド4をオペレーション位置OPで停止させることができず、位置ずれが生じる可能性があるためである。なお、従来装置では、第1端部1aを検出してから付着量計ヘッド4をオペレーション位置OPに戻す際に位置ずれを修正できるので、第1端部1aを検出するまでの間の速度を高速S2としている。
【0039】
これに対して、図4の(a)に示すように、センタ位置CNからオペレーション位置OPまで付着量計ヘッド4を変位させる際の速度が低速S1(第1速度)と高速S2(第2速度)とで切り替えられている。すなわち、実施の形態2の制御手段5は、センタ位置CNでの測定が終了した後に、第1対向検出センサ3Aの現在の位置と幅の情報とに基づいて、第1対向検出センサ3Aと第1端部1aとの離間距離を求める。また、制御手段5は、離間距離が所定値以下の場合は低速S1でセンサ体2を変位させ、離間距離が所定値よりも大きい場合は高速S2でセンサ体2を変位させる。
【0040】
これにより、慣性によって位置ずれが生じる可能性を低減しつつ、オペレーション位置OPを検出するまでの時間を短縮でき、めっき付着量の調整精度をさらに向上できる。
【0041】
なお、図4では、センタ位置CNでの測定が終了してからオペレーション位置OPでの測定が終了されるまでの時間を短縮する旨を表しているが、センタ位置CNでの測定が終了してからドライブ位置DRでの測定が終了されるまでの時間についても、同様に短縮される。すなわち、制御手段5は、第2対向検出センサ3Bと第2端部1bとの離間距離についても同様に求め、この離間距離に基づいて変位速度を低速S1と高速S2とで切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態1による連続溶融亜鉛めっき設備を概略的に示す構成図である。
【図2】図1のめっき付着量測定装置を示す平面図である。
【図3】図2のめっき付着量測定装置によって得られる測定時間短縮を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態2によるめっき付着量測定装置によって得られる測定時間短縮を示す説明図である。
【図5】従来のめっき付着量測定装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 金属板
1a,1b 第1及び第2端部
1W 幅方向
2 センサ体
3 対向検出手段
3A,3B 第1及び第2対向検出センサ
4 付着量計ヘッド
5 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板(1)の幅方向(1W)に沿って変位可能に設けられたセンサ体(2)と、
前記センサ体(2)に設けられ、前記幅方向(1W)に沿って変位される際に前記金属板(1)に対向しているか否かを検出する対向検出手段(3)と、
前記センサ体(2)に設けられ、対向する前記金属板(1)に付着しためっきの量を測定する付着量計ヘッド(4)と、
前記センサ体(2)に接続され、前記幅方向(1W)に沿う前記センサ体(2)の変位を制御するとともに、前記幅方向(1W)に沿う前記金属板(1)の第1及び第2端部(1a,1b)の位置を前記対向検出手段(3)からの信号に基づいて検出し、検出した前記第1及び第2端部(1a,1b)の位置に基づいて前記付着量計ヘッド(4)の測定動作を制御する制御手段(5)と
を備え、
前記対向検出手段(3)は、前記幅方向(1W)に沿って互いに離間して配置された第1及び第2対向検出センサ(3A,3B)を含み、
前記付着量計ヘッド(4)は、前記幅方向(1W)に関して前記第1対向検出センサ(3A)と前記第2対向検出センサ(3B)との間に配置されている
ことを特徴とするめっき付着量測定装置。
【請求項2】
前記制御手段(5)は、前記金属板(1)の幅の情報を記憶しており、前記第1及び第2対向検出センサ(3A,3B)の現在の位置と前記幅の情報とに基づいて、前記第1及び第2対向検出センサ(3A,3B)と前記第1及び第2端部(1a,1b)との離間距離を求め、前記離間距離が所定値以下の場合は第1速度(S1)で前記センサ体(2)を変位させ、前記離間距離が所定値よりも大きい場合は前記第1速度(S1)よりも速い第2速度(S2)で前記センサ体(2)を変位させることを特徴とする請求項1記載のめっき付着量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−132953(P2010−132953A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308647(P2008−308647)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000004581)日新製鋼株式会社 (1,178)
【Fターム(参考)】