めっき方法及びめっき装置
【課題】基板とアノードとの間に抵抗体を設置したFace Down方式のめっき装置であっても、基板の被めっき面に気泡が入り込むことなく被めっき面全体を確実にめっき液に接触させて均一なめっきが行えるめっき方法及びめっき装置を提供すること。
【解決手段】下向きにした基板Wの被めっき面W1と、基板Wの下方に設置したアノード20との間にめっき液Qを介在した状態で基板Wとアノード20間に電圧を印加することで、被めっき面W1にめっきを行う。アノード20の上部に抵抗体30を設置して抵抗体30の上までめっき液Qを満たし、抵抗体30の上面に沿って抵抗体30の外周から中心の方向へ向かってめっき液Qを流すことにより抵抗体30上面の中央にめっき液Qの盛り上がりを作り、この状態で下向きにした基板Wを降下させることによりめっき液Qに浸漬させて、被めっき面W1と抵抗体30上面の間の隙間をめっき液で満たす。
【解決手段】下向きにした基板Wの被めっき面W1と、基板Wの下方に設置したアノード20との間にめっき液Qを介在した状態で基板Wとアノード20間に電圧を印加することで、被めっき面W1にめっきを行う。アノード20の上部に抵抗体30を設置して抵抗体30の上までめっき液Qを満たし、抵抗体30の上面に沿って抵抗体30の外周から中心の方向へ向かってめっき液Qを流すことにより抵抗体30上面の中央にめっき液Qの盛り上がりを作り、この状態で下向きにした基板Wを降下させることによりめっき液Qに浸漬させて、被めっき面W1と抵抗体30上面の間の隙間をめっき液で満たす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板等の基板の被めっき面にめっき液を供給し、この基板の被めっき面に回路パターン配線等を形成するのに用いて好適なめっき方法及びめっき装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように、基板の被めっき面を下向き(Face Down)にしてこの被めっき面を処理するめっき装置がある。また特許文献1に記載のめっき装置では、基板の被めっき面に均一なめっきを施すために基板とアノードとの間に抵抗体(含浸材)を設置している。
【0003】
被めっき面が下向きの基板にめっき処理を施す場合、めっきセル内に保持しためっき液に対して基板をその上から降下させることによってめっき液と基板の被めっき面とを接触させている。そして基板の被めっき面とめっき液面とが平行になるように基板を降下させると、基板とめっき液との接触面に気泡が入り込む恐れがあり、この気泡によって基板とめっき液が接触しない部分が生じ、基板の被めっき面に均一なめっきができないという問題があった。また抵抗体の設置により、めっき処理時の通電の際に抵抗体が発熱し、めっき液温度が上昇するという問題もあった。
【0004】
このため従来なされている気泡除去方法は、めっきセル内のめっき液を上向きの(めっきセル下部から液面に向かう)噴流によってめっき液中央面を盛り上げることにより、接液時に基板下面に溜まる気泡を基板の外側に押し流して除去していた。しかしながら上述のように、アノードと基板との間に抵抗体を配置した場合、抵抗体によってめっきセル下部からめっき液面に向かう噴流が遮断され、めっき液の盛り上がりを形成することができない。従って従来、Face Down方式のめっき装置では、抵抗体を設置する方法でめっきを行うことは困難であった。また抵抗体を使用してめっき膜厚の面内均一性を向上するためには、抵抗体を通過する電流経路以外の電流経路を遮断した上で、抵抗体と基板の間隔を5mm以下の狭い隙間にする必要があるが、その狭い隙間に抵抗体発熱に対する温度調整のためのめっき液を満遍なくよどむことなく流すことは困難であった。
【特許文献1】特開2005−2455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、基板とアノードとの間に抵抗体を設置したFace Down方式のめっき装置であっても、基板の被めっき面に気泡が入り込むことなく被めっき面全体を確実にめっき液に接触させて均一なめっきが行え、また容易にめっき液温度の調整が行なえるめっき方法及びめっき装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の発明は、下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、前記アノードの上部に抵抗体を設置して抵抗体の上までめっき液を満たし、前記抵抗体の上面に沿って抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流すことにより抵抗体上面の中央にめっき液の盛り上がりを作り、この状態で下向きにした前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面の間の隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法にある。即ち本発明では、めっき液を流す方向を、めっきセルの下部から上部ではなく、抵抗体上面に沿って横向きで、抵抗体中心に向かって噴射することにより、めっき液が抵抗体中央でぶつかり合って液面を盛り上げるようにした。
【0007】
本願請求項2に記載の発明は、下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、アノードの上部に上面が平面または凸型の形状を有する抵抗体を設置して抵抗体の上までめっき液を満たし、前記抵抗体の上昇によって凸形状となるめっき液面に前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面からなる隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法にある。
【0008】
本願請求項3に記載の発明は、下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、アノードの上部に上面が平面または凸型の形状を有する抵抗体を設置するとともにアノードと抵抗体とを収納しためっきセルの上までめっき液を満たし、前記めっきセルの上昇によって凸形状となるめっき液面に前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面からなる隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法にある。
【0009】
本願請求項4に記載の発明は、めっきセルと、めっきセル内に配置されるアノードと、アノードの上部に配置される抵抗体と、アノードと抵抗体の間にめっき液を供給する第一のめっき液供給手段及びアノードと抵抗体の間に供給されためっき液を排出する第一のめっき液排出手段と、抵抗体の上面にめっき液を供給する第二のめっき液供給手段及び抵抗体の上面に供給されためっき液を排出する第二のめっき液排出手段と、めっき液を循環するめっき液循環機構と、めっき液を冷却するめっき液冷却機構と、基板をその被めっき面を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダと、アノードと基板の間の電気経路のうち抵抗体を経由しない電気経路を遮断するシールとを具備し、基板保持ホルダに保持した基板の被めっき面を抵抗体上面のめっき液に接液し、基板の被めっき面のめっきを行うことを特徴とするめっき装置にある。
【0010】
本願請求項5に記載の発明は、前記抵抗体の上面にめっき液を供給する第二のめっき液供給手段を、前記抵抗体の上面に沿って前記抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流す構成とすることにより、前記抵抗体上面の中央にめっき液の盛り上がりを作ることを特徴とする請求項4記載のめっき装置にある。
【0011】
本願請求項6に記載の発明は、前記抵抗体の上面の形状が平面または凸型であって、前記抵抗体を上下方向に移動する機構を具備することを特徴とする請求項4記載のめっき装置にある。
【0012】
本願請求項7に記載の発明は、前記めっきセルに設置された抵抗体の上面の形状が平面または凸型であって、前記めっきセルがめっき槽内に配置され、前記めっきセルを上下方向に移動する機構を具備することを特徴とする請求項4記載のめっき装置にある。
【0013】
本願請求項8に記載の発明は、前記アノードの上部に複数の前記抵抗体を具備することを特徴とする請求項5又は6又は7記載のめっき装置にある。
【発明の効果】
【0014】
本願請求項1に記載の発明によれば、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板を降下させてめっき液と接触させる際に、基板の中央部直下のめっき液面を盛り上がらせることができ、最初に基板中央部とめっき液を接触させ、次いで基板外周に向かって接触面を広げることで、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を接触させて均一なめっきを行うことができる。さらに抵抗体の設置によって、今まで以上にめっき膜厚の面内均一性の向上を図ることができる。
また抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流す構成としたので、例え基板と抵抗体の隙間の寸法が小さく(例えば5mm以下)て流路抵抗によりめっき液の流れ易い場所と流れにくい場所が生じてめっき液がよどみ易い状態でも、前記狭い隙間に確実にめっき液を流し込むことができ、基板全面にわたってよどむことなくめっき液を流通させることができる。なおめっき液をよどみなく流通することによってめっき液温度の調整が可能となる。
【0015】
本願請求項2,3に記載の発明によれば、抵抗体を上昇させることによって、本願請求項1に記載の発明のような噴流によらずに、めっき液の盛り上がりを作ることが可能となる。これによって本願請求項1に記載の発明と同様に、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を確実に接触させて均一なめっきを行うことができる。さらに抵抗体の設置によって、今まで以上にめっき膜厚の面内均一性の向上を図ることができる。
なお本願請求項2に記載の発明のように抵抗体のみを上下動させた場合、電流リーク防止のために抵抗体とめっきセルの間に設置したシールが擦れて劣化する可能性があるが、本願請求項3に記載の発明によれば、抵抗体とめっきセルを一体として上下動させるので、前記シールの劣化を防止できる。
【0016】
本願請求項4に記載の発明によれば、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置することによって、今まで以上のめっき膜厚の面内均一性の向上を図ることができる。まためっき液供給手段とめっき液排出手段とめっき液循環機構とめっき液冷却機構とによってめっき液を循環・冷却するので、めっき液温度の調整が容易に行える。またシールを設けたので、シールとめっきセルの間からの電流のリークが防止できる。また抵抗体を境としてアノード側のめっき液と基板側のめっき液とを分離することができるので、抵抗体以外の電流の経路を遮断することができる。
【0017】
本願請求項5に記載の発明によれば、基板を降下させてめっき液と接触させる際に、最初に基板中央部とめっき液を接触させ、次いで基板外周に向かって接触面を広げることができ、Face方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を確実に接触させて均一なめっきを行うことができる。
また抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流す構成としたので、例え基板と抵抗体の隙間の寸法が小さく(例えば5mm以下)て流路抵抗によりめっき液の流れ易い場所と流れにくい場所が生じてめっき液がよどみ易い状態でも、前記狭い隙間に確実にめっき液を流し込むことができ、基板全面にわたってよどむことなくめっき液を流通させることができる。
【0018】
本願請求項6に記載の発明によれば、抵抗体を上昇させることによって、めっき液Qの盛り上がりを作ることが可能となる。これによって本願請求項5に記載の発明と同様に、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を確実に接触させて均一なめっきを行うことができる。
【0019】
本願請求項7に記載の発明によれば、めっきセルと共に抵抗体を上昇させることによって、めっき液Qの盛り上がりを作ることが可能となる。これによって本願請求項5に記載の発明と同様に、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を確実に接触させて均一なめっきを行うことができる。
なお本願請求項6に記載の発明のように抵抗体のみを上下動させた場合、電流リーク防止のために抵抗体とめっきセルの間に設置したシールが擦れて劣化する可能性があるが、本願請求項7に記載の発明によれば、抵抗体とめっきセルを一体として上下動させるので、前記シールの劣化を防止できる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、抵抗体の数を増やすことによってアノードと基板間の抵抗が増加し、シート抵抗の高い基板に対しても良好なめっき膜厚の面内均一性を確保することができる。また抵抗体を複数に分割することによって抵抗体を冷却する効率を上げることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態にかかるめっき装置1−1の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−1は、めっき液Qを保持するめっきセル10と、めっきセル10内に設置されるアノード20と、アノード20の上部に配置される抵抗体30と、めっきセル10内にめっき液Qを供給して抵抗体30の上までめっき液Qを充填するめっき液供給手段(めっき液供給管40とめっき液噴出供給機構41からなる第一、第二のめっき液供給手段)と、抵抗体30の下部および上部のめっき液Qをそれぞれ排出するめっき液排出手段(第一、第二のめっき液排出手段、以下「めっき液排出管」という)80と、めっき液Qを循環するめっき液循環機構120と、めっき液を冷却するめっき液冷却機構140と、基板Wをその被めっき面W1を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダ60と、アノード20と基板Wの間の電気経路のうち前記抵抗体30を経由しない電気経路を遮断するシール90とを具備して構成されている。以下各構成部品について説明する。
【0022】
めっきセル10は箱型の容器であり、その内部にめっき液Qを充填保持する構造に構成されている。アノード20は前記めっきセル10内の下部にその面が水平になるように設置されている。この実施形態ではアノード20として不溶解アノードを用いている。
【0023】
抵抗体30は板状であり、その外周が前記めっきセル10の内周に沿う形状に形成されている。この実施形態では板状のセラミック製の多孔質体を用いており、具体的には気孔率30%以下の多孔質構造体であり、炭化ケイ素、表面を酸化処理した炭化ケイ素、アルミナ又はプラスチックの1つ、又はそれらの組み合わせ等によって構成されている。多孔質セラミック自体は絶縁体であるが、その内部にめっき液を複雑に入り込ませ、厚さ方向にかなり長い経路を辿らせることでめっき液Qの電気伝導率より小さい電気伝導率を有する抵抗体を構成している。
【0024】
抵抗体30の外周には、アノード20と基板Wの間の電気経路のうち抵抗体30を経由しない電気経路を遮断するリング状のシール90が取り付けられている。シール90は抵抗体30に密着し、抵抗体30とめっきセル10の間に配置される。シール90とめっきセル10は互いに相対的に動くことができるが、シール90とめっきセル10の間からは電流のリークがない。シール90の1例としては、抵抗体30の周囲に樹脂をコーティングすることが挙げられる。樹脂が多孔質体の抵抗体30表面の気孔に入り込むことにより抵抗体30に密着し、抵抗体30とシール90の間からリークする電流を遮断することができる。
【0025】
めっき液供給管40は、めっきセル10の抵抗体30を設置したその下側に複数本接続され、めっき液Qをめっきセル10内に供給するものである。めっき液噴出供給機構41は、めっきセル10の側壁の抵抗体30を設置したその上側に複数本(この実施形態では8本)、略等間隔に抵抗体30を囲むように設置され、めっき液Qを抵抗体30の上面に沿って(ほぼ水平に)、且つ抵抗体30(めっきセル10)の外周から中心の方向へ向けて噴出して流すように設置されている。めっき液噴出供給機構41から噴射されるめっき液Qの流速は、前記めっき液供給管40から吐出されるめっき液Qの流速よりも早くなるようにする。めっき液排出管80は、めっきセル10の底面と、めっきセル10の抵抗体30より上側の側面とにそれぞれ接続され、前記めっきセル10内の抵抗体30の下部と上部のめっき液Qをそれぞれ排出するものである。
【0026】
めっき液循環機構120はめっきセル10内のめっき液Qを循環するものであり、めっき液を保持しておくめっき液槽121と、めっき液槽121のめっき液を前記めっきセル10の抵抗体30の上部側と下部側にそれぞれ供給・循環するように接続される配管123a,123bと、これら配管123a,123b中にそれぞれ設置されるポンプP1,P2及びフィルタF1,F2及び流量計124a,124bとを具備して構成されている。配管123aの両端部は、それぞれめっき液噴出供給機構41とめっきセル10側面のめっき液排出管80に接続され、配管123bの両端部はそれぞれめっき液供給管40とめっきセル10底面のめっき液排出管80に接続されている。そしてめっき液槽121において、めっきセル10の抵抗体30の上部側と下部側にそれぞれ供給・循環されるめっき液は分離されており、従って抵抗体30上面と基板Wとの間のめっき液Qと、抵抗体30下面とめっきセル10との間のめっき液Qとはそれぞれ独立に循環するように構成されている。
【0027】
めっき液冷却機構140はめっき液Qを冷却するものであり、前記めっき液槽121とめっき液の冷却装置145との間を配管141によってめっき液が循環するように接続し、配管141に設けたポンプ147によってめっき液槽121内のめっき液を所定温度に冷却制御するように構成されている。この実施形態ではめっきセル10の抵抗体30の上部側と下部側にそれぞれ供給・循環されるめっき液Qの温度が同一になるように冷却制御しているが、場合に応じてそれぞれ独立に異なる温度になるように制御しても良い。また基板Wとアノード20間にはめっき電源160が接続されている。
【0028】
次にめっき装置1−1の動作を説明する。図2はめっき装置1−1の動作説明図(図2では説明に必要な部材のみ示している)である。まず図1において、めっき液循環機構120のポンプP1,P2を駆動することで、めっき液供給管40とめっき液噴出供給機構41からめっきセル10内にめっき液Qを供給し、循環させる。その際めっき液冷却機構140を駆動することで、抵抗体30の上部のめっき液Qの温度が所定の管理温度範囲(管理値範囲)内に入るようにめっき液温を制御する。この実施形態の前記管理値範囲は20〜28℃とした。
【0029】
このとき抵抗体30の周囲に設置した複数(8本)のめっき液噴出供給機構41から抵抗体30の上面に沿って抵抗体30の中心に向かって噴出されるめっき液Q(図11参照)により、抵抗体30の中央にめっき液Qの盛り上がりが生じる。この状態で図2(a)に示すように、基板保持ホルダ60に被めっき面W1を下向きにして取り付けた基板Wを降下することにより、図2(b)に示すように、めっき液Qを最初に基板Wの中央部に接触させ、さらに基板Wを降下することによりめっき液Qとの接触面を基板Wの外周へと広げる。そして図2(c)に示すように、基板Wの被めっき面W1全体と抵抗体30の上面との間をめっき液Qで満たした状態とすることにより、基板Wの被めっき面W1全体にめっき液Qを供給する。このように基板Wを降下させてめっき液Qと接触させる際に、基板Wの中央部直下のめっき液面を盛り上がらせることにより、最初に基板W中央部とめっき液が接触し、次いで基板外周に向かって接触面が広がるようにしたので、基板Wの被めっき面W1とめっき液Qとの接液面に気泡が入り込むことがなくなり、被めっき面W1の全面に確実にめっき液Qを接液させることができる。
【0030】
また基板Wの被めっき面W1の抵抗(シート抵抗)が大きいような場合、その影響を受けてめっき膜が基板W中央部よりも外周部の方が厚くなるが、本実施形態の場合、基板中央からめっき液Qを接液するので、例えば接液にかかる時間をコントロールし、液面を盛り上げている間、基板Wの中央のみに接液させめっきを行うことによって基板中央へめっきを行うことができ、めっき膜厚の面内均一性をより向上させることができる。
【0031】
またこの実施形態においては、めっき液循環機構120によってめっき液Qを循環することとしたので、めっき液冷却機構140によるめっき液温度の調整が可能になった。そしてめっき液冷却機構140によって抵抗体30上部のめっき液温度が所定の管理温度範囲内に入るようにめっき液温度を制御したので、良好なめっきを行うことが可能となった。即ち、配線の微細化に伴なって基板W(シード層等)の抵抗は今後ますます大きくなる。シード層等の抵抗の高い基板Wに均一にめっきするには抵抗体30の抵抗を大きくすれば良い。しかしながら抵抗体30の抵抗を増大させると、通電時の抵抗体30の発熱量が大きくなる。また抵抗体30は基板Wの近傍(めっき液Qを介して5mm以下の距離)に配置されるため、抵抗体30の発熱による液温上昇がめっき膜質へ与える影響が大きい(めっき液Qの温度が高くなるとめっき液Qに含まれる添加剤が失活し、めっきの良好な光沢性および膜厚均一性が得られなくなる)。そこで、基板Wと抵抗体30間に供給されるめっき液Qの液温や、抵抗体30の下面とめっきセル10との間に供給されるめっき液Qの液温を調整することにより、基板Wと抵抗体30間の隙間S1のめっき液Qの液温が管理温度範囲内になるようにし、良好なめっきが行えるようにしたのである。
【0032】
なお図2(c)に示す基板W下降時の基板Wと抵抗体30との隙間S1は、5mm以下の狭い寸法とした。この寸法としたのは、下記する図19で説明するように、めっき膜厚の均一性には、ばらつき(相対標準偏差)2%以下が要求されているが、図19より、ばらつきを2%以内に抑えるためには、抵抗体30と基板Wの離間距離を5mm以下にする必要があるからである。一方抵抗体30と基板Wの離間距離を5mm以下の狭い寸法にすると、例えば直径300mmの円形で幅5mm以下の狭い隙間S1にめっき液Qを流すこととなるが、流路抵抗によりめっき液Qの流れ易い場所と流れにくい場所が生じるため、めっき液Qをよどむことなく満遍に流通させることは困難である。そこでこの実施形態においては、基板Wの外周から中心に向かう方向にめっき液を供給することにより、基板Wと抵抗体30の狭い隙間S1に確実にめっき液Qを流し込むこととし、基板Wの被めっき面W1全面にわたってよどむことなくめっき液Qを流通させることとした。
【0033】
ところでアノード20と基板Wの間に抵抗体30を設置してめっきを行う場合、抵抗体30以外の電流経路を遮断する必要がある。これは基板Wの被めっき面W1上の電流密度を均一化してめっき膜厚の均一化を図るためである。しかしながら抵抗体30上面と基板Wの間に形成される隙間S1と抵抗体30下面とめっきセル10から形成される領域S2(図2(c)参照)に同一のめっき液Qを循環した場合、電流がめっき液Qを介して抵抗体30を通さずにアノード20から基板Wに流れる場合がある。そこで本実施形態では、めっき液循環機構120によってめっき液Qを隙間S1と領域S2にそれぞれ独立に循環させ、またシール90を取り付けることによって、抵抗体30を境としてアノード20側のメッキ液Qと基板W側のめっき液Qとを分離し、抵抗体30以外の電流の経路を遮断している。
【0034】
〔第2実施形態〕
図3は本発明の第2実施形態にかかるめっき装置1−2の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−2において、前記図1に示すめっき装置1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1に示すめっき装置1−1と同じである。このめっき装置1−2において前記めっき装置1−1と相違する点は、抵抗体30を複数個、上下方向に所定間隔毎に設置し、各抵抗体30の間の隙間にもめっき液Qを供給するためのめっき液供給手段(めっき液供給管)40とめっき液Qを排出するためのめっき液排出手段(めっき液排出管)80を設置した点である。また図示は省略しているが、最も上部の抵抗体30の上面側のめっき液Qを排出するためのめっき液排出管も第1実施形態と同様に取り付けられている。各抵抗体30の外周にはそれぞれシール90が取り付けられている。なお図3では、図1に示しためっき液循環機構120とめっき液冷却機構140の記載を省略している。
【0035】
このように抵抗体30の数を増やせば、アノード20と基板W間の抵抗が増加し、シート抵抗の高い基板Wに対しても良好なめっき膜厚の面内均一性を確保することができる。また抵抗体30を複数に分割しているので、抵抗体30を冷却する効率を上げることができる。なおこのめっき装置1−2の動作は、前記第1実施形態のめっき装置1−1の動作と同じである。
【0036】
〔第3実施形態〕
図4は本発明の第3実施形態にかかるめっき装置1−3の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−3において、前記図1に示すめっき装置1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1に示すめっき装置1−1と同じである。このめっき装置1−3において前記めっき装置1−1と相違する点は、アノード20の上部に上面が凸型の形状(略球面形状)を有する抵抗体(凸型抵抗体)35を設置してこの抵抗体35を上下動自在にした点と、この抵抗体35を上下動自在とするためにその中央下面にロッド37を設けてこのロッド37をアノード20とめっきセル10の底面とに貫通させて外部の図示しない上下駆動機構に接続した点と、前記抵抗体35の上部にめっき液Qを供給するめっき液噴出供給機構41の代りに抵抗体35の下部にめっき液Qを供給するめっき液供給管40と同じめっき液供給管40を取り付けた点とである。なおこの図には、抵抗体35の上部にめっき液Qを排出するめっき液排出管80が図示されている。またこの実施形態の抵抗体35の下面の形状は凹型となっている。また抵抗体35の上下動と基板Wの上下動は、それぞれが独立して制御される機構となっている。
【0037】
次にめっき装置1−3の動作を説明する。図5はめっき装置1−3の動作説明図である。まず図4において、各めっき液供給管40からめっきセル10内の抵抗体35の上下にそれぞれ所定温度に制御されためっき液Qを供給して抵抗体35の上下にめっき液Qを満たしそれぞれ独立に循環させる。
【0038】
そして図4,図5(a)に示すように抵抗体35を上昇させるとめっき液面は凸型となる。この状態を維持したまま図5(b)に示すように抵抗体35を上昇させ、同時に基板保持ホルダ60に取り付けた基板Wを降下することにより、めっき液Qを最初に被めっき面W1の中央部に接触させる。さらに抵抗体35の上昇と基板Wの降下をそれぞれ独立に制御することにより、めっき液Qと被めっき面W1との接触面を被めっき面W1の外周へと広げ、図5(c)に示すように被めっき面W1全体と抵抗体35の上面との間をめっき液Qで満たした状態とすることにより、基板Wの被めっき面W1にめっき液Qを供給する。このように構成しても、前記第1実施形態と同様に、基板Wの被めっき面W1全体とめっき液Qとの接液面に気泡が入り込むことがなくなり、被めっき面W1の全面に確実にメッキ液Qを接液させることができる。特にこの実施形態のように、抵抗体35の上昇と基板Wの降下とを独立に制御すれば、基板Wの被めっき面W1とめっき液Qの接液するタイミングや接液の状態を調整することができ、より確実に接液時の気泡の除去を行うことができ、好適である。また第1実施形態と同様に、基板Wの被めっき面W1の抵抗(シート抵抗)が大きいような場合でも、例えば接液にかかる時間をコントロールし、液面を盛り上げている間、基板Wの中央のみに接液させめっきを行うことによって基板中央へめっきを行うことで、めっき膜厚の面内均一性をより向上させることができる。また第1実施形態と同様に、めっき液Qを循環することとしたので、めっき液冷却機構140(図1参照)によるめっき液温度の調整が容易になり、良好なめっきを行うことができる。
【0039】
なおこの実施形態に用いた抵抗体35は、その上面が凸型、下面が凹型であるが、抵抗体35の上面形状を平面、また下面形状を平面としても良い。
【0040】
〔第4実施形態〕
図6は本発明の第4実施形態にかかるめっき装置1−4の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−4において、前記図4に示すめっき装置1−3と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図4に示すめっき装置1−3と同じである。このめっき装置1−4において前記めっき装置1−3と相違する点は、上面が凸型の形状(略球面形状)を有する抵抗体35を複数個、上下方向に所定間隔毎に設置し、各抵抗体35の間の隙間にもめっき液Qを供給するためのめっき液供給手段(めっき液供給管)40とめっき液Qを排出するためのめっき液排出手段(めっき液排出管)80を設置した点である。各抵抗体35の外周にはそれぞれシール90が取り付けられている。また図6では、図1に示しためっき液循環機構120とめっき液冷却機構140の記載を省略している。
【0041】
このように抵抗体35の数を増やせば、アノード20と基板W間の抵抗が増加し、シート抵抗の高い基板Wに対しても良好なめっき膜厚の面内均一性を確保することができる。また抵抗体35を複数に分割しているので、抵抗体35を冷却する効率を上げることができる。なおこのめっき装置1−4の動作は、前記第3実施形態のめっき装置1−3の動作と同じである。
【0042】
〔第5実施形態〕
図7は本発明の第5実施形態にかかるめっき装置1−5の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−5において、前記図4に示すめっき装置1−3と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図4に示すめっき装置1−3と同じである。このめっき装置1−5において前記めっき装置1−3と相違する点は、アノード20の上部に上面が凸型の形状(略球面形状)を有する抵抗体35を設置しためっきセル10をめっき槽15の中に配置した点と、このめっきセル10を上下動自在にした点と、このめっきセル10を上下動自在とするためにその中央下面にロッド39を設けてこのロッド39をめっき槽15の底面に貫通させて外部の図示しない上下駆動機構に接続した点と、前記めっきセル10内部とめっき槽15内部にそれぞれめっき液Qを供給・排出するめっき液供給管40及びめっき液排出管80を取り付けた点とである。
【0043】
次にめっき装置1−5の動作を説明する。図8はめっき装置1−5の動作説明図である。即ち図7において、各めっき液供給管40からめっきセル10及びめっき槽15内に所定温度に制御されためっき液Qを供給してめっきセル10の上までめっき液Qを満たしそれぞれ独立に循環させる。
【0044】
そして図7,図8(a)に示すように抵抗体35と一体のめっきセル10を上昇させるとめっき液面は凸型となる。この状態を維持したまま図8(b)に示すようにめっきセル10及び抵抗体35を上昇させ、同時に基板保持ホルダ60に取り付けた基板Wを降下することにより、めっき液Qを最初に被めっき面W1の中央部に接触させる。さらにめっきセル10及び抵抗体35の上昇と基板Wの降下をそれぞれ独立に制御することにより、めっき液Qと被めっき面W1との接触面を被めっき面W1の外周へと広げ、図8(c)に示すように被めっき面W1全体と抵抗体35の上面との間をめっき液Qで満たした状態とすることにより、基板Wの被めっき面W1にめっき液Qを供給する。このように構成しても、前記第3実施形態と同様に、基板Wの被めっき面W1全体とめっき液Qとの接液面に気泡が入り込むことがなくなり、被めっき面W1の全面に確実にメッキ液Qを接液させることができる。特にこの実施形態のように、めっきセル10の上昇と基板Wの降下とを独立に制御すれば、基板Wの被めっき面W1とめっき液Qの接液するタイミングや接液の状態を調整することができ、より確実に接液時の気泡の除去を行うことができ、好適である。また第3実施形態と同様に、基板Wの被めっき面W1の抵抗(シート抵抗)が大きいような場合でも、例えば接液にかかる時間をコントロールし、液面を盛り上げている間、基板Wの中央のみに接液させめっきを行うことによって基板中央へめっきを行うことで、めっき膜厚の面内均一性をより向上させることができる。また第3実施形態と同様に、めっき液Qを循環することとしたので、めっき液冷却機構140(図1参照)によるめっき液温度の調整が容易になり、良好なめっきを行うことができる。
【0045】
なお前記第3実施形態のように抵抗体35のみを上下動させた場合、電流リーク防止のために抵抗体35とめっきセル10の間に設置したシール90が擦れて劣化する可能性があるが、本実施形態によれば、抵抗体35とめっきセル10を一体として上下動させるので、前記シール90の劣化が防止できる。
【0046】
〔第6実施形態〕
図9は本発明の第6実施形態にかかるめっき装置1−6の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−6において、前記図7に示すめっき装置1−5と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図7に示すめっき装置1−5と同じである。このめっき装置1−6において前記めっき装置1−5と相違する点は、上面が凸型の形状(略球面形状)を有する抵抗体35を複数個、上下方向に所定間隔毎にめっきセル10内に設置し、各抵抗体35の間の隙間にもめっき液Qを供給するための図示しないめっき液供給手段(めっき液供給管)とめっき液Qを排出するための図示しないめっき液排出手段(めっき液排出管)を設置した点である。各抵抗体35の外周とめっきセル10の内周面の間にはそれぞれシール90が取り付けられている。また図9では、図1に示しためっき液循環機構120とめっき液冷却機構140の記載を省略している。
【0047】
このように抵抗体35の数を増やせば、アノード20と基板W間の抵抗が増加し、シート抵抗の高い基板Wに対しても良好なめっき膜厚の面内均一性を確保することができる。また抵抗体35を複数に分割しているので、抵抗体35を冷却する効率を上げることができる。なおこのめっき装置1−6の動作は、前記第5実施形態のめっき装置1−5の動作と同じである。
【0048】
〔第7実施形態〕
図10は本発明の第7実施形態にかかるめっき装置1−7の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−7において、前記図1に示すめっき装置1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1に示すめっき装置1−1と同じである。このめっき装置1−7において前記めっき装置1−1と相違する点は、めっき液噴出供給機構41を、めっき装置1−1のようにめっきセル10の外周側壁に設置する代わりに、めっきセル10の外周側壁上部(抵抗体30を設置したその上側)に複数本(この実施形態では8本)、略等間隔に抵抗体30を囲むように設置し、めっき液Qを抵抗体30の上面に沿って、且つ抵抗体30(めっきセル10)の外周から中心の方向へ向けて図11に示すようにめっき液を噴出して流すように設置している点である。また図10では、図1に示しためっき液循環機構120とめっき液冷却機構140の記載を省略している。このめっき装置1−7の動作は、前記第1実施形態のめっき装置1−1の動作と同じである。
【0049】
<実施例1>
図1に示すめっき装置1−1を用い、抵抗体30として上述した多孔質体を、アノード20として不溶解アノードを使用した。めっき液Qは、硫酸銅、硫酸、塩素および添加剤を用いて調製した。基板Wはシード層が厚さ50nmのCuである直径300mmシリコンウェーハを用いた。そして図1の様に基板Wを基板保持ホルダ60に被めっき面W1が下になるように取り付けた。このとき基板Wはめっき液Qの外部にある。めっき液Qを図11に示すように8方向の周囲から抵抗体30の上面に沿って中央に向かって噴出供給した。このとき抵抗体30の中央部において、めっき液Qの液面は泉が湧くように盛り上がっている。次に、基板保持ホルダ60に取り付けた基板Wをめっき液Qに降下し、基板Wをめっき液Qに浸漬させた(前記図2(a)〜(c)参照)。この状態で、めっき膜の厚さが500nmとなるようにめっき電源160によりめっき電流を供給し、めっきを行ったところ、図12に示すように均一なめっき膜が得られた。
【0050】
なお本願発明者は、さらに前記めっき装置1−1において、基板Wと抵抗体30の離間距離を1mm程度から9mm程度まで変更して上記方法でめっきを行い、めっき膜のばらつき(相対標準偏差)について測定した。その結果を図19に示す。めっき膜厚の均一性には、ばらつき(相対標準偏差)2%以下が要求されているが、図19より、ばらつきを2%以内に抑えるためには、抵抗体30と基板Wの離間距離を5mm以下にするのが好適であることがわかった。
【0051】
<実施例2>
図10に示すめっき装置1−7を用い、抵抗体30として上述した多孔質体を、アノード20として不溶解アノードを使用した。めっき液Qは、硫酸銅、硫酸、塩素および添加剤を用いて調製した。基板Wはシード層が厚さ50nmのCuである直径300mmシリコンウェーハを用いた。そして図10の様に基板Wを基板保持ホルダ60に被めっき面W1が下になるように取り付けた。このとき基板Wはめっき液Qの外部にある。めっき液Qを図11に示すようにめっきセル10上端の8方向から抵抗体30の上面に沿って中央に向かって噴出供給した。このとき抵抗体30の中央部において、めっき液Qの液面は泉が湧くように盛り上がっている。次に、基板保持ホルダ60に取り付けた基板Wをめっき液Qに降下し、前記実施例1と同様にして基板Wをめっき液Qに浸漬させた。この状態で、めっき膜の厚さが500nmとなるようにめっき電源160によりめっき電流を供給し、めっきを行ったところ、図13に示すように均一なめっき膜が得られた。
【0052】
<比較例1>
図14は比較例1に用いるめっき装置300の概略構成図である。同図に示すめっき装置300は、めっき液Qを保持するめっきセル310と、めっきセル310内に設置されるアノード320と、アノード320の上部に配置される抵抗体330と、基板Wをその被めっき面W1を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダ360と、前記アノード320と前記基板Wの間の電気経路のうち前記抵抗体330を経由しない電気経路を遮断するシール390とを具備し、さらに図示はしないがめっきセル310内にめっき液Qを供給して抵抗体330の上部と下部とにめっき液Qを充填するめっき液供給手段と、抵抗体330の上部および下部のめっき液Qを排出するめっき液排出手段と、めっき液Qを循環するめっき液循環機構と、めっき液を冷却するめっき液冷却機構とを具備している。そして抵抗体330として多孔質体を用い、アノード320として不溶解アノードを使用し、めっき液Qとして硫酸銅、硫酸、塩素および添加剤を調製したものを用い、基板Wとしてシード層が厚さ50nmのCuである直径300mmシリコンウェーハを用いた。図14の様に基板Wを基板保持ホルダ360に被めっき面W1が下になるように取り付けた。このとき基板Wはめっき液Qの外部にある。次に、基板保持ホルダ360に取り付けた基板Wを液面が水平状態となっているめっき液Qに降下し、基板Wをめっき液Qに浸漬させた。基板Wをめっき液Qに浸漬させた状態で、めっき膜の厚さが500nmとなるようにめっき電源370によりめっき電流を供給してめっきを行ったところ、図15に示すように、基板Wとめっき液Qの接触面に気泡が入り込むことによる不均一なめっき膜となった。
【0053】
<比較例2>
図16は比較例2に用いるめっき装置350の概略構成図である。同図に示すめっき装置350は、めっき液Qを保持するめっきセル10と、めっきセル10内に設置されるアノード20と、アノード20の上部に配置される抵抗体30と、めっきセル10内にめっき液Qを供給して抵抗体30の下部と上部にそれぞれめっき液Qを充填するめっき液供給手段(めっき液供給管)40と、抵抗体30の上部および下部のめっき液Qを排出するめっき液排出手段(めっき液排出管)80と、基板Wをその被めっき面W1を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダ60と、前記アノード20と前記基板Wの間の電気経路のうち前記抵抗体30を経由しない電気経路を遮断するシール90とを具備し、さらに図示しないめっき液Qを循環するめっき液循環機構と、めっき液を冷却するめっき液冷却機構と、を具備して構成されている。
【0054】
そして抵抗体30に多孔質体を、アノード20に不溶解アノードを使用し、めっき液Qは、硫酸銅、硫酸、塩素および添加剤を用いて調製したものを使用した。また基板Wはシード層が厚さ50nmのCuである直径300mmシリコンウェーハを用いた。基板Wを基板保持ホルダ60に被めっき面W1が下になるように取り付けてめっき液Qに浸漬させた。めっき液供給管40,40より20℃に調整しためっき液Qをそれぞれ抵抗体30の上下に供給し、めっき液排出管80,80よりめっき液Qをそれぞれ回収することによりめっき液Qをそれぞれ独立に循環させてめっき処理した。このときの抵抗体30の上部におけるめっき液循環時のめっき液Qの流し方として、図17に示すように、抵抗体30上面に沿って一方向に流す方法(図17(a))と、抵抗体30の中心方向に流す方法(図17(b))と、めっき液循環をしない方法(即ち抵抗体30上面のめっき液Qを静止した状態)とでめっきを行った。そしてそれぞれの場合について、基板Wと抵抗体30の間の隙間部分のめっき液温度の経時変化を測定した。その結果を図18に示す。同図に示すように、めっき液Qを循環しない場合はめっき液温が時間と共に上昇したのに対して、循環した場合は何れのめっき液Qの流し方の場合でもめっき液温を常に一定に保つことができた。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】めっき装置1−1の概略構成図である。
【図2】めっき装置1−1の動作説明図である。
【図3】めっき装置1−2の概略構成図である。
【図4】めっき装置1−3の概略構成図である。
【図5】めっき装置1−3の動作説明図である。
【図6】めっき装置1−4の概略構成図である。
【図7】めっき装置1−5の概略構成図である。
【図8】めっき装置1−5の動作説明図である。
【図9】めっき装置1−6の概略構成図である。
【図10】めっき装置1−7の概略構成図である。
【図11】めっき装置1−1,1−7におけるめっき液の噴出方向を示す図である。
【図12】めっき膜厚の均一性の測定結果を示す図である。
【図13】めっき膜厚の均一性の測定結果を示す図である。
【図14】めっき装置300の概略構成図である。
【図15】めっき膜厚の均一性の測定結果を示す図である。
【図16】めっき装置350の概略構成図である。
【図17】抵抗体30上部のめっき液Qの流し方を示す図である。
【図18】めっき液循環の有無によるめっき液温の経時変化を示す図である。
【図19】基板Wと抵抗体30の離間距離とめっき膜のばらつきの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1−1 めっき装置
W 基板
W1 被めっき面
Q めっき液
10 めっきセル
20 アノード
30 抵抗体
40 めっき液供給管(めっき液供給手段)
41 めっき液噴出供給機構(めっき液供給手段)
80 めっき液排出管(めっき液排出手段)
120 めっき液循環機構
140 めっき液冷却機構
60 基板保持ホルダ
90 シール
1−2 めっき装置
1−3 めっき装置
35 抵抗体(凸型抵抗体)
37 ロッド
1−4 めっき装置
1−5 めっき装置
15 めっき槽
39 ロッド
1−6 めっき装置
1−7 めっき装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板等の基板の被めっき面にめっき液を供給し、この基板の被めっき面に回路パターン配線等を形成するのに用いて好適なめっき方法及びめっき装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように、基板の被めっき面を下向き(Face Down)にしてこの被めっき面を処理するめっき装置がある。また特許文献1に記載のめっき装置では、基板の被めっき面に均一なめっきを施すために基板とアノードとの間に抵抗体(含浸材)を設置している。
【0003】
被めっき面が下向きの基板にめっき処理を施す場合、めっきセル内に保持しためっき液に対して基板をその上から降下させることによってめっき液と基板の被めっき面とを接触させている。そして基板の被めっき面とめっき液面とが平行になるように基板を降下させると、基板とめっき液との接触面に気泡が入り込む恐れがあり、この気泡によって基板とめっき液が接触しない部分が生じ、基板の被めっき面に均一なめっきができないという問題があった。また抵抗体の設置により、めっき処理時の通電の際に抵抗体が発熱し、めっき液温度が上昇するという問題もあった。
【0004】
このため従来なされている気泡除去方法は、めっきセル内のめっき液を上向きの(めっきセル下部から液面に向かう)噴流によってめっき液中央面を盛り上げることにより、接液時に基板下面に溜まる気泡を基板の外側に押し流して除去していた。しかしながら上述のように、アノードと基板との間に抵抗体を配置した場合、抵抗体によってめっきセル下部からめっき液面に向かう噴流が遮断され、めっき液の盛り上がりを形成することができない。従って従来、Face Down方式のめっき装置では、抵抗体を設置する方法でめっきを行うことは困難であった。また抵抗体を使用してめっき膜厚の面内均一性を向上するためには、抵抗体を通過する電流経路以外の電流経路を遮断した上で、抵抗体と基板の間隔を5mm以下の狭い隙間にする必要があるが、その狭い隙間に抵抗体発熱に対する温度調整のためのめっき液を満遍なくよどむことなく流すことは困難であった。
【特許文献1】特開2005−2455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、基板とアノードとの間に抵抗体を設置したFace Down方式のめっき装置であっても、基板の被めっき面に気泡が入り込むことなく被めっき面全体を確実にめっき液に接触させて均一なめっきが行え、また容易にめっき液温度の調整が行なえるめっき方法及びめっき装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の発明は、下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、前記アノードの上部に抵抗体を設置して抵抗体の上までめっき液を満たし、前記抵抗体の上面に沿って抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流すことにより抵抗体上面の中央にめっき液の盛り上がりを作り、この状態で下向きにした前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面の間の隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法にある。即ち本発明では、めっき液を流す方向を、めっきセルの下部から上部ではなく、抵抗体上面に沿って横向きで、抵抗体中心に向かって噴射することにより、めっき液が抵抗体中央でぶつかり合って液面を盛り上げるようにした。
【0007】
本願請求項2に記載の発明は、下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、アノードの上部に上面が平面または凸型の形状を有する抵抗体を設置して抵抗体の上までめっき液を満たし、前記抵抗体の上昇によって凸形状となるめっき液面に前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面からなる隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法にある。
【0008】
本願請求項3に記載の発明は、下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、アノードの上部に上面が平面または凸型の形状を有する抵抗体を設置するとともにアノードと抵抗体とを収納しためっきセルの上までめっき液を満たし、前記めっきセルの上昇によって凸形状となるめっき液面に前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面からなる隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法にある。
【0009】
本願請求項4に記載の発明は、めっきセルと、めっきセル内に配置されるアノードと、アノードの上部に配置される抵抗体と、アノードと抵抗体の間にめっき液を供給する第一のめっき液供給手段及びアノードと抵抗体の間に供給されためっき液を排出する第一のめっき液排出手段と、抵抗体の上面にめっき液を供給する第二のめっき液供給手段及び抵抗体の上面に供給されためっき液を排出する第二のめっき液排出手段と、めっき液を循環するめっき液循環機構と、めっき液を冷却するめっき液冷却機構と、基板をその被めっき面を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダと、アノードと基板の間の電気経路のうち抵抗体を経由しない電気経路を遮断するシールとを具備し、基板保持ホルダに保持した基板の被めっき面を抵抗体上面のめっき液に接液し、基板の被めっき面のめっきを行うことを特徴とするめっき装置にある。
【0010】
本願請求項5に記載の発明は、前記抵抗体の上面にめっき液を供給する第二のめっき液供給手段を、前記抵抗体の上面に沿って前記抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流す構成とすることにより、前記抵抗体上面の中央にめっき液の盛り上がりを作ることを特徴とする請求項4記載のめっき装置にある。
【0011】
本願請求項6に記載の発明は、前記抵抗体の上面の形状が平面または凸型であって、前記抵抗体を上下方向に移動する機構を具備することを特徴とする請求項4記載のめっき装置にある。
【0012】
本願請求項7に記載の発明は、前記めっきセルに設置された抵抗体の上面の形状が平面または凸型であって、前記めっきセルがめっき槽内に配置され、前記めっきセルを上下方向に移動する機構を具備することを特徴とする請求項4記載のめっき装置にある。
【0013】
本願請求項8に記載の発明は、前記アノードの上部に複数の前記抵抗体を具備することを特徴とする請求項5又は6又は7記載のめっき装置にある。
【発明の効果】
【0014】
本願請求項1に記載の発明によれば、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板を降下させてめっき液と接触させる際に、基板の中央部直下のめっき液面を盛り上がらせることができ、最初に基板中央部とめっき液を接触させ、次いで基板外周に向かって接触面を広げることで、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を接触させて均一なめっきを行うことができる。さらに抵抗体の設置によって、今まで以上にめっき膜厚の面内均一性の向上を図ることができる。
また抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流す構成としたので、例え基板と抵抗体の隙間の寸法が小さく(例えば5mm以下)て流路抵抗によりめっき液の流れ易い場所と流れにくい場所が生じてめっき液がよどみ易い状態でも、前記狭い隙間に確実にめっき液を流し込むことができ、基板全面にわたってよどむことなくめっき液を流通させることができる。なおめっき液をよどみなく流通することによってめっき液温度の調整が可能となる。
【0015】
本願請求項2,3に記載の発明によれば、抵抗体を上昇させることによって、本願請求項1に記載の発明のような噴流によらずに、めっき液の盛り上がりを作ることが可能となる。これによって本願請求項1に記載の発明と同様に、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を確実に接触させて均一なめっきを行うことができる。さらに抵抗体の設置によって、今まで以上にめっき膜厚の面内均一性の向上を図ることができる。
なお本願請求項2に記載の発明のように抵抗体のみを上下動させた場合、電流リーク防止のために抵抗体とめっきセルの間に設置したシールが擦れて劣化する可能性があるが、本願請求項3に記載の発明によれば、抵抗体とめっきセルを一体として上下動させるので、前記シールの劣化を防止できる。
【0016】
本願請求項4に記載の発明によれば、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置することによって、今まで以上のめっき膜厚の面内均一性の向上を図ることができる。まためっき液供給手段とめっき液排出手段とめっき液循環機構とめっき液冷却機構とによってめっき液を循環・冷却するので、めっき液温度の調整が容易に行える。またシールを設けたので、シールとめっきセルの間からの電流のリークが防止できる。また抵抗体を境としてアノード側のめっき液と基板側のめっき液とを分離することができるので、抵抗体以外の電流の経路を遮断することができる。
【0017】
本願請求項5に記載の発明によれば、基板を降下させてめっき液と接触させる際に、最初に基板中央部とめっき液を接触させ、次いで基板外周に向かって接触面を広げることができ、Face方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を確実に接触させて均一なめっきを行うことができる。
また抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流す構成としたので、例え基板と抵抗体の隙間の寸法が小さく(例えば5mm以下)て流路抵抗によりめっき液の流れ易い場所と流れにくい場所が生じてめっき液がよどみ易い状態でも、前記狭い隙間に確実にめっき液を流し込むことができ、基板全面にわたってよどむことなくめっき液を流通させることができる。
【0018】
本願請求項6に記載の発明によれば、抵抗体を上昇させることによって、めっき液Qの盛り上がりを作ることが可能となる。これによって本願請求項5に記載の発明と同様に、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を確実に接触させて均一なめっきを行うことができる。
【0019】
本願請求項7に記載の発明によれば、めっきセルと共に抵抗体を上昇させることによって、めっき液Qの盛り上がりを作ることが可能となる。これによって本願請求項5に記載の発明と同様に、Face Down方式のめっき装置に抵抗体を設置しても、基板とめっき液との間に気泡が入り込むことなく、基板とめっき液を確実に接触させて均一なめっきを行うことができる。
なお本願請求項6に記載の発明のように抵抗体のみを上下動させた場合、電流リーク防止のために抵抗体とめっきセルの間に設置したシールが擦れて劣化する可能性があるが、本願請求項7に記載の発明によれば、抵抗体とめっきセルを一体として上下動させるので、前記シールの劣化を防止できる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、抵抗体の数を増やすことによってアノードと基板間の抵抗が増加し、シート抵抗の高い基板に対しても良好なめっき膜厚の面内均一性を確保することができる。また抵抗体を複数に分割することによって抵抗体を冷却する効率を上げることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態にかかるめっき装置1−1の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−1は、めっき液Qを保持するめっきセル10と、めっきセル10内に設置されるアノード20と、アノード20の上部に配置される抵抗体30と、めっきセル10内にめっき液Qを供給して抵抗体30の上までめっき液Qを充填するめっき液供給手段(めっき液供給管40とめっき液噴出供給機構41からなる第一、第二のめっき液供給手段)と、抵抗体30の下部および上部のめっき液Qをそれぞれ排出するめっき液排出手段(第一、第二のめっき液排出手段、以下「めっき液排出管」という)80と、めっき液Qを循環するめっき液循環機構120と、めっき液を冷却するめっき液冷却機構140と、基板Wをその被めっき面W1を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダ60と、アノード20と基板Wの間の電気経路のうち前記抵抗体30を経由しない電気経路を遮断するシール90とを具備して構成されている。以下各構成部品について説明する。
【0022】
めっきセル10は箱型の容器であり、その内部にめっき液Qを充填保持する構造に構成されている。アノード20は前記めっきセル10内の下部にその面が水平になるように設置されている。この実施形態ではアノード20として不溶解アノードを用いている。
【0023】
抵抗体30は板状であり、その外周が前記めっきセル10の内周に沿う形状に形成されている。この実施形態では板状のセラミック製の多孔質体を用いており、具体的には気孔率30%以下の多孔質構造体であり、炭化ケイ素、表面を酸化処理した炭化ケイ素、アルミナ又はプラスチックの1つ、又はそれらの組み合わせ等によって構成されている。多孔質セラミック自体は絶縁体であるが、その内部にめっき液を複雑に入り込ませ、厚さ方向にかなり長い経路を辿らせることでめっき液Qの電気伝導率より小さい電気伝導率を有する抵抗体を構成している。
【0024】
抵抗体30の外周には、アノード20と基板Wの間の電気経路のうち抵抗体30を経由しない電気経路を遮断するリング状のシール90が取り付けられている。シール90は抵抗体30に密着し、抵抗体30とめっきセル10の間に配置される。シール90とめっきセル10は互いに相対的に動くことができるが、シール90とめっきセル10の間からは電流のリークがない。シール90の1例としては、抵抗体30の周囲に樹脂をコーティングすることが挙げられる。樹脂が多孔質体の抵抗体30表面の気孔に入り込むことにより抵抗体30に密着し、抵抗体30とシール90の間からリークする電流を遮断することができる。
【0025】
めっき液供給管40は、めっきセル10の抵抗体30を設置したその下側に複数本接続され、めっき液Qをめっきセル10内に供給するものである。めっき液噴出供給機構41は、めっきセル10の側壁の抵抗体30を設置したその上側に複数本(この実施形態では8本)、略等間隔に抵抗体30を囲むように設置され、めっき液Qを抵抗体30の上面に沿って(ほぼ水平に)、且つ抵抗体30(めっきセル10)の外周から中心の方向へ向けて噴出して流すように設置されている。めっき液噴出供給機構41から噴射されるめっき液Qの流速は、前記めっき液供給管40から吐出されるめっき液Qの流速よりも早くなるようにする。めっき液排出管80は、めっきセル10の底面と、めっきセル10の抵抗体30より上側の側面とにそれぞれ接続され、前記めっきセル10内の抵抗体30の下部と上部のめっき液Qをそれぞれ排出するものである。
【0026】
めっき液循環機構120はめっきセル10内のめっき液Qを循環するものであり、めっき液を保持しておくめっき液槽121と、めっき液槽121のめっき液を前記めっきセル10の抵抗体30の上部側と下部側にそれぞれ供給・循環するように接続される配管123a,123bと、これら配管123a,123b中にそれぞれ設置されるポンプP1,P2及びフィルタF1,F2及び流量計124a,124bとを具備して構成されている。配管123aの両端部は、それぞれめっき液噴出供給機構41とめっきセル10側面のめっき液排出管80に接続され、配管123bの両端部はそれぞれめっき液供給管40とめっきセル10底面のめっき液排出管80に接続されている。そしてめっき液槽121において、めっきセル10の抵抗体30の上部側と下部側にそれぞれ供給・循環されるめっき液は分離されており、従って抵抗体30上面と基板Wとの間のめっき液Qと、抵抗体30下面とめっきセル10との間のめっき液Qとはそれぞれ独立に循環するように構成されている。
【0027】
めっき液冷却機構140はめっき液Qを冷却するものであり、前記めっき液槽121とめっき液の冷却装置145との間を配管141によってめっき液が循環するように接続し、配管141に設けたポンプ147によってめっき液槽121内のめっき液を所定温度に冷却制御するように構成されている。この実施形態ではめっきセル10の抵抗体30の上部側と下部側にそれぞれ供給・循環されるめっき液Qの温度が同一になるように冷却制御しているが、場合に応じてそれぞれ独立に異なる温度になるように制御しても良い。また基板Wとアノード20間にはめっき電源160が接続されている。
【0028】
次にめっき装置1−1の動作を説明する。図2はめっき装置1−1の動作説明図(図2では説明に必要な部材のみ示している)である。まず図1において、めっき液循環機構120のポンプP1,P2を駆動することで、めっき液供給管40とめっき液噴出供給機構41からめっきセル10内にめっき液Qを供給し、循環させる。その際めっき液冷却機構140を駆動することで、抵抗体30の上部のめっき液Qの温度が所定の管理温度範囲(管理値範囲)内に入るようにめっき液温を制御する。この実施形態の前記管理値範囲は20〜28℃とした。
【0029】
このとき抵抗体30の周囲に設置した複数(8本)のめっき液噴出供給機構41から抵抗体30の上面に沿って抵抗体30の中心に向かって噴出されるめっき液Q(図11参照)により、抵抗体30の中央にめっき液Qの盛り上がりが生じる。この状態で図2(a)に示すように、基板保持ホルダ60に被めっき面W1を下向きにして取り付けた基板Wを降下することにより、図2(b)に示すように、めっき液Qを最初に基板Wの中央部に接触させ、さらに基板Wを降下することによりめっき液Qとの接触面を基板Wの外周へと広げる。そして図2(c)に示すように、基板Wの被めっき面W1全体と抵抗体30の上面との間をめっき液Qで満たした状態とすることにより、基板Wの被めっき面W1全体にめっき液Qを供給する。このように基板Wを降下させてめっき液Qと接触させる際に、基板Wの中央部直下のめっき液面を盛り上がらせることにより、最初に基板W中央部とめっき液が接触し、次いで基板外周に向かって接触面が広がるようにしたので、基板Wの被めっき面W1とめっき液Qとの接液面に気泡が入り込むことがなくなり、被めっき面W1の全面に確実にめっき液Qを接液させることができる。
【0030】
また基板Wの被めっき面W1の抵抗(シート抵抗)が大きいような場合、その影響を受けてめっき膜が基板W中央部よりも外周部の方が厚くなるが、本実施形態の場合、基板中央からめっき液Qを接液するので、例えば接液にかかる時間をコントロールし、液面を盛り上げている間、基板Wの中央のみに接液させめっきを行うことによって基板中央へめっきを行うことができ、めっき膜厚の面内均一性をより向上させることができる。
【0031】
またこの実施形態においては、めっき液循環機構120によってめっき液Qを循環することとしたので、めっき液冷却機構140によるめっき液温度の調整が可能になった。そしてめっき液冷却機構140によって抵抗体30上部のめっき液温度が所定の管理温度範囲内に入るようにめっき液温度を制御したので、良好なめっきを行うことが可能となった。即ち、配線の微細化に伴なって基板W(シード層等)の抵抗は今後ますます大きくなる。シード層等の抵抗の高い基板Wに均一にめっきするには抵抗体30の抵抗を大きくすれば良い。しかしながら抵抗体30の抵抗を増大させると、通電時の抵抗体30の発熱量が大きくなる。また抵抗体30は基板Wの近傍(めっき液Qを介して5mm以下の距離)に配置されるため、抵抗体30の発熱による液温上昇がめっき膜質へ与える影響が大きい(めっき液Qの温度が高くなるとめっき液Qに含まれる添加剤が失活し、めっきの良好な光沢性および膜厚均一性が得られなくなる)。そこで、基板Wと抵抗体30間に供給されるめっき液Qの液温や、抵抗体30の下面とめっきセル10との間に供給されるめっき液Qの液温を調整することにより、基板Wと抵抗体30間の隙間S1のめっき液Qの液温が管理温度範囲内になるようにし、良好なめっきが行えるようにしたのである。
【0032】
なお図2(c)に示す基板W下降時の基板Wと抵抗体30との隙間S1は、5mm以下の狭い寸法とした。この寸法としたのは、下記する図19で説明するように、めっき膜厚の均一性には、ばらつき(相対標準偏差)2%以下が要求されているが、図19より、ばらつきを2%以内に抑えるためには、抵抗体30と基板Wの離間距離を5mm以下にする必要があるからである。一方抵抗体30と基板Wの離間距離を5mm以下の狭い寸法にすると、例えば直径300mmの円形で幅5mm以下の狭い隙間S1にめっき液Qを流すこととなるが、流路抵抗によりめっき液Qの流れ易い場所と流れにくい場所が生じるため、めっき液Qをよどむことなく満遍に流通させることは困難である。そこでこの実施形態においては、基板Wの外周から中心に向かう方向にめっき液を供給することにより、基板Wと抵抗体30の狭い隙間S1に確実にめっき液Qを流し込むこととし、基板Wの被めっき面W1全面にわたってよどむことなくめっき液Qを流通させることとした。
【0033】
ところでアノード20と基板Wの間に抵抗体30を設置してめっきを行う場合、抵抗体30以外の電流経路を遮断する必要がある。これは基板Wの被めっき面W1上の電流密度を均一化してめっき膜厚の均一化を図るためである。しかしながら抵抗体30上面と基板Wの間に形成される隙間S1と抵抗体30下面とめっきセル10から形成される領域S2(図2(c)参照)に同一のめっき液Qを循環した場合、電流がめっき液Qを介して抵抗体30を通さずにアノード20から基板Wに流れる場合がある。そこで本実施形態では、めっき液循環機構120によってめっき液Qを隙間S1と領域S2にそれぞれ独立に循環させ、またシール90を取り付けることによって、抵抗体30を境としてアノード20側のメッキ液Qと基板W側のめっき液Qとを分離し、抵抗体30以外の電流の経路を遮断している。
【0034】
〔第2実施形態〕
図3は本発明の第2実施形態にかかるめっき装置1−2の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−2において、前記図1に示すめっき装置1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1に示すめっき装置1−1と同じである。このめっき装置1−2において前記めっき装置1−1と相違する点は、抵抗体30を複数個、上下方向に所定間隔毎に設置し、各抵抗体30の間の隙間にもめっき液Qを供給するためのめっき液供給手段(めっき液供給管)40とめっき液Qを排出するためのめっき液排出手段(めっき液排出管)80を設置した点である。また図示は省略しているが、最も上部の抵抗体30の上面側のめっき液Qを排出するためのめっき液排出管も第1実施形態と同様に取り付けられている。各抵抗体30の外周にはそれぞれシール90が取り付けられている。なお図3では、図1に示しためっき液循環機構120とめっき液冷却機構140の記載を省略している。
【0035】
このように抵抗体30の数を増やせば、アノード20と基板W間の抵抗が増加し、シート抵抗の高い基板Wに対しても良好なめっき膜厚の面内均一性を確保することができる。また抵抗体30を複数に分割しているので、抵抗体30を冷却する効率を上げることができる。なおこのめっき装置1−2の動作は、前記第1実施形態のめっき装置1−1の動作と同じである。
【0036】
〔第3実施形態〕
図4は本発明の第3実施形態にかかるめっき装置1−3の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−3において、前記図1に示すめっき装置1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1に示すめっき装置1−1と同じである。このめっき装置1−3において前記めっき装置1−1と相違する点は、アノード20の上部に上面が凸型の形状(略球面形状)を有する抵抗体(凸型抵抗体)35を設置してこの抵抗体35を上下動自在にした点と、この抵抗体35を上下動自在とするためにその中央下面にロッド37を設けてこのロッド37をアノード20とめっきセル10の底面とに貫通させて外部の図示しない上下駆動機構に接続した点と、前記抵抗体35の上部にめっき液Qを供給するめっき液噴出供給機構41の代りに抵抗体35の下部にめっき液Qを供給するめっき液供給管40と同じめっき液供給管40を取り付けた点とである。なおこの図には、抵抗体35の上部にめっき液Qを排出するめっき液排出管80が図示されている。またこの実施形態の抵抗体35の下面の形状は凹型となっている。また抵抗体35の上下動と基板Wの上下動は、それぞれが独立して制御される機構となっている。
【0037】
次にめっき装置1−3の動作を説明する。図5はめっき装置1−3の動作説明図である。まず図4において、各めっき液供給管40からめっきセル10内の抵抗体35の上下にそれぞれ所定温度に制御されためっき液Qを供給して抵抗体35の上下にめっき液Qを満たしそれぞれ独立に循環させる。
【0038】
そして図4,図5(a)に示すように抵抗体35を上昇させるとめっき液面は凸型となる。この状態を維持したまま図5(b)に示すように抵抗体35を上昇させ、同時に基板保持ホルダ60に取り付けた基板Wを降下することにより、めっき液Qを最初に被めっき面W1の中央部に接触させる。さらに抵抗体35の上昇と基板Wの降下をそれぞれ独立に制御することにより、めっき液Qと被めっき面W1との接触面を被めっき面W1の外周へと広げ、図5(c)に示すように被めっき面W1全体と抵抗体35の上面との間をめっき液Qで満たした状態とすることにより、基板Wの被めっき面W1にめっき液Qを供給する。このように構成しても、前記第1実施形態と同様に、基板Wの被めっき面W1全体とめっき液Qとの接液面に気泡が入り込むことがなくなり、被めっき面W1の全面に確実にメッキ液Qを接液させることができる。特にこの実施形態のように、抵抗体35の上昇と基板Wの降下とを独立に制御すれば、基板Wの被めっき面W1とめっき液Qの接液するタイミングや接液の状態を調整することができ、より確実に接液時の気泡の除去を行うことができ、好適である。また第1実施形態と同様に、基板Wの被めっき面W1の抵抗(シート抵抗)が大きいような場合でも、例えば接液にかかる時間をコントロールし、液面を盛り上げている間、基板Wの中央のみに接液させめっきを行うことによって基板中央へめっきを行うことで、めっき膜厚の面内均一性をより向上させることができる。また第1実施形態と同様に、めっき液Qを循環することとしたので、めっき液冷却機構140(図1参照)によるめっき液温度の調整が容易になり、良好なめっきを行うことができる。
【0039】
なおこの実施形態に用いた抵抗体35は、その上面が凸型、下面が凹型であるが、抵抗体35の上面形状を平面、また下面形状を平面としても良い。
【0040】
〔第4実施形態〕
図6は本発明の第4実施形態にかかるめっき装置1−4の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−4において、前記図4に示すめっき装置1−3と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図4に示すめっき装置1−3と同じである。このめっき装置1−4において前記めっき装置1−3と相違する点は、上面が凸型の形状(略球面形状)を有する抵抗体35を複数個、上下方向に所定間隔毎に設置し、各抵抗体35の間の隙間にもめっき液Qを供給するためのめっき液供給手段(めっき液供給管)40とめっき液Qを排出するためのめっき液排出手段(めっき液排出管)80を設置した点である。各抵抗体35の外周にはそれぞれシール90が取り付けられている。また図6では、図1に示しためっき液循環機構120とめっき液冷却機構140の記載を省略している。
【0041】
このように抵抗体35の数を増やせば、アノード20と基板W間の抵抗が増加し、シート抵抗の高い基板Wに対しても良好なめっき膜厚の面内均一性を確保することができる。また抵抗体35を複数に分割しているので、抵抗体35を冷却する効率を上げることができる。なおこのめっき装置1−4の動作は、前記第3実施形態のめっき装置1−3の動作と同じである。
【0042】
〔第5実施形態〕
図7は本発明の第5実施形態にかかるめっき装置1−5の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−5において、前記図4に示すめっき装置1−3と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図4に示すめっき装置1−3と同じである。このめっき装置1−5において前記めっき装置1−3と相違する点は、アノード20の上部に上面が凸型の形状(略球面形状)を有する抵抗体35を設置しためっきセル10をめっき槽15の中に配置した点と、このめっきセル10を上下動自在にした点と、このめっきセル10を上下動自在とするためにその中央下面にロッド39を設けてこのロッド39をめっき槽15の底面に貫通させて外部の図示しない上下駆動機構に接続した点と、前記めっきセル10内部とめっき槽15内部にそれぞれめっき液Qを供給・排出するめっき液供給管40及びめっき液排出管80を取り付けた点とである。
【0043】
次にめっき装置1−5の動作を説明する。図8はめっき装置1−5の動作説明図である。即ち図7において、各めっき液供給管40からめっきセル10及びめっき槽15内に所定温度に制御されためっき液Qを供給してめっきセル10の上までめっき液Qを満たしそれぞれ独立に循環させる。
【0044】
そして図7,図8(a)に示すように抵抗体35と一体のめっきセル10を上昇させるとめっき液面は凸型となる。この状態を維持したまま図8(b)に示すようにめっきセル10及び抵抗体35を上昇させ、同時に基板保持ホルダ60に取り付けた基板Wを降下することにより、めっき液Qを最初に被めっき面W1の中央部に接触させる。さらにめっきセル10及び抵抗体35の上昇と基板Wの降下をそれぞれ独立に制御することにより、めっき液Qと被めっき面W1との接触面を被めっき面W1の外周へと広げ、図8(c)に示すように被めっき面W1全体と抵抗体35の上面との間をめっき液Qで満たした状態とすることにより、基板Wの被めっき面W1にめっき液Qを供給する。このように構成しても、前記第3実施形態と同様に、基板Wの被めっき面W1全体とめっき液Qとの接液面に気泡が入り込むことがなくなり、被めっき面W1の全面に確実にメッキ液Qを接液させることができる。特にこの実施形態のように、めっきセル10の上昇と基板Wの降下とを独立に制御すれば、基板Wの被めっき面W1とめっき液Qの接液するタイミングや接液の状態を調整することができ、より確実に接液時の気泡の除去を行うことができ、好適である。また第3実施形態と同様に、基板Wの被めっき面W1の抵抗(シート抵抗)が大きいような場合でも、例えば接液にかかる時間をコントロールし、液面を盛り上げている間、基板Wの中央のみに接液させめっきを行うことによって基板中央へめっきを行うことで、めっき膜厚の面内均一性をより向上させることができる。また第3実施形態と同様に、めっき液Qを循環することとしたので、めっき液冷却機構140(図1参照)によるめっき液温度の調整が容易になり、良好なめっきを行うことができる。
【0045】
なお前記第3実施形態のように抵抗体35のみを上下動させた場合、電流リーク防止のために抵抗体35とめっきセル10の間に設置したシール90が擦れて劣化する可能性があるが、本実施形態によれば、抵抗体35とめっきセル10を一体として上下動させるので、前記シール90の劣化が防止できる。
【0046】
〔第6実施形態〕
図9は本発明の第6実施形態にかかるめっき装置1−6の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−6において、前記図7に示すめっき装置1−5と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図7に示すめっき装置1−5と同じである。このめっき装置1−6において前記めっき装置1−5と相違する点は、上面が凸型の形状(略球面形状)を有する抵抗体35を複数個、上下方向に所定間隔毎にめっきセル10内に設置し、各抵抗体35の間の隙間にもめっき液Qを供給するための図示しないめっき液供給手段(めっき液供給管)とめっき液Qを排出するための図示しないめっき液排出手段(めっき液排出管)を設置した点である。各抵抗体35の外周とめっきセル10の内周面の間にはそれぞれシール90が取り付けられている。また図9では、図1に示しためっき液循環機構120とめっき液冷却機構140の記載を省略している。
【0047】
このように抵抗体35の数を増やせば、アノード20と基板W間の抵抗が増加し、シート抵抗の高い基板Wに対しても良好なめっき膜厚の面内均一性を確保することができる。また抵抗体35を複数に分割しているので、抵抗体35を冷却する効率を上げることができる。なおこのめっき装置1−6の動作は、前記第5実施形態のめっき装置1−5の動作と同じである。
【0048】
〔第7実施形態〕
図10は本発明の第7実施形態にかかるめっき装置1−7の概略構成図である。同図に示すめっき装置1−7において、前記図1に示すめっき装置1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1に示すめっき装置1−1と同じである。このめっき装置1−7において前記めっき装置1−1と相違する点は、めっき液噴出供給機構41を、めっき装置1−1のようにめっきセル10の外周側壁に設置する代わりに、めっきセル10の外周側壁上部(抵抗体30を設置したその上側)に複数本(この実施形態では8本)、略等間隔に抵抗体30を囲むように設置し、めっき液Qを抵抗体30の上面に沿って、且つ抵抗体30(めっきセル10)の外周から中心の方向へ向けて図11に示すようにめっき液を噴出して流すように設置している点である。また図10では、図1に示しためっき液循環機構120とめっき液冷却機構140の記載を省略している。このめっき装置1−7の動作は、前記第1実施形態のめっき装置1−1の動作と同じである。
【0049】
<実施例1>
図1に示すめっき装置1−1を用い、抵抗体30として上述した多孔質体を、アノード20として不溶解アノードを使用した。めっき液Qは、硫酸銅、硫酸、塩素および添加剤を用いて調製した。基板Wはシード層が厚さ50nmのCuである直径300mmシリコンウェーハを用いた。そして図1の様に基板Wを基板保持ホルダ60に被めっき面W1が下になるように取り付けた。このとき基板Wはめっき液Qの外部にある。めっき液Qを図11に示すように8方向の周囲から抵抗体30の上面に沿って中央に向かって噴出供給した。このとき抵抗体30の中央部において、めっき液Qの液面は泉が湧くように盛り上がっている。次に、基板保持ホルダ60に取り付けた基板Wをめっき液Qに降下し、基板Wをめっき液Qに浸漬させた(前記図2(a)〜(c)参照)。この状態で、めっき膜の厚さが500nmとなるようにめっき電源160によりめっき電流を供給し、めっきを行ったところ、図12に示すように均一なめっき膜が得られた。
【0050】
なお本願発明者は、さらに前記めっき装置1−1において、基板Wと抵抗体30の離間距離を1mm程度から9mm程度まで変更して上記方法でめっきを行い、めっき膜のばらつき(相対標準偏差)について測定した。その結果を図19に示す。めっき膜厚の均一性には、ばらつき(相対標準偏差)2%以下が要求されているが、図19より、ばらつきを2%以内に抑えるためには、抵抗体30と基板Wの離間距離を5mm以下にするのが好適であることがわかった。
【0051】
<実施例2>
図10に示すめっき装置1−7を用い、抵抗体30として上述した多孔質体を、アノード20として不溶解アノードを使用した。めっき液Qは、硫酸銅、硫酸、塩素および添加剤を用いて調製した。基板Wはシード層が厚さ50nmのCuである直径300mmシリコンウェーハを用いた。そして図10の様に基板Wを基板保持ホルダ60に被めっき面W1が下になるように取り付けた。このとき基板Wはめっき液Qの外部にある。めっき液Qを図11に示すようにめっきセル10上端の8方向から抵抗体30の上面に沿って中央に向かって噴出供給した。このとき抵抗体30の中央部において、めっき液Qの液面は泉が湧くように盛り上がっている。次に、基板保持ホルダ60に取り付けた基板Wをめっき液Qに降下し、前記実施例1と同様にして基板Wをめっき液Qに浸漬させた。この状態で、めっき膜の厚さが500nmとなるようにめっき電源160によりめっき電流を供給し、めっきを行ったところ、図13に示すように均一なめっき膜が得られた。
【0052】
<比較例1>
図14は比較例1に用いるめっき装置300の概略構成図である。同図に示すめっき装置300は、めっき液Qを保持するめっきセル310と、めっきセル310内に設置されるアノード320と、アノード320の上部に配置される抵抗体330と、基板Wをその被めっき面W1を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダ360と、前記アノード320と前記基板Wの間の電気経路のうち前記抵抗体330を経由しない電気経路を遮断するシール390とを具備し、さらに図示はしないがめっきセル310内にめっき液Qを供給して抵抗体330の上部と下部とにめっき液Qを充填するめっき液供給手段と、抵抗体330の上部および下部のめっき液Qを排出するめっき液排出手段と、めっき液Qを循環するめっき液循環機構と、めっき液を冷却するめっき液冷却機構とを具備している。そして抵抗体330として多孔質体を用い、アノード320として不溶解アノードを使用し、めっき液Qとして硫酸銅、硫酸、塩素および添加剤を調製したものを用い、基板Wとしてシード層が厚さ50nmのCuである直径300mmシリコンウェーハを用いた。図14の様に基板Wを基板保持ホルダ360に被めっき面W1が下になるように取り付けた。このとき基板Wはめっき液Qの外部にある。次に、基板保持ホルダ360に取り付けた基板Wを液面が水平状態となっているめっき液Qに降下し、基板Wをめっき液Qに浸漬させた。基板Wをめっき液Qに浸漬させた状態で、めっき膜の厚さが500nmとなるようにめっき電源370によりめっき電流を供給してめっきを行ったところ、図15に示すように、基板Wとめっき液Qの接触面に気泡が入り込むことによる不均一なめっき膜となった。
【0053】
<比較例2>
図16は比較例2に用いるめっき装置350の概略構成図である。同図に示すめっき装置350は、めっき液Qを保持するめっきセル10と、めっきセル10内に設置されるアノード20と、アノード20の上部に配置される抵抗体30と、めっきセル10内にめっき液Qを供給して抵抗体30の下部と上部にそれぞれめっき液Qを充填するめっき液供給手段(めっき液供給管)40と、抵抗体30の上部および下部のめっき液Qを排出するめっき液排出手段(めっき液排出管)80と、基板Wをその被めっき面W1を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダ60と、前記アノード20と前記基板Wの間の電気経路のうち前記抵抗体30を経由しない電気経路を遮断するシール90とを具備し、さらに図示しないめっき液Qを循環するめっき液循環機構と、めっき液を冷却するめっき液冷却機構と、を具備して構成されている。
【0054】
そして抵抗体30に多孔質体を、アノード20に不溶解アノードを使用し、めっき液Qは、硫酸銅、硫酸、塩素および添加剤を用いて調製したものを使用した。また基板Wはシード層が厚さ50nmのCuである直径300mmシリコンウェーハを用いた。基板Wを基板保持ホルダ60に被めっき面W1が下になるように取り付けてめっき液Qに浸漬させた。めっき液供給管40,40より20℃に調整しためっき液Qをそれぞれ抵抗体30の上下に供給し、めっき液排出管80,80よりめっき液Qをそれぞれ回収することによりめっき液Qをそれぞれ独立に循環させてめっき処理した。このときの抵抗体30の上部におけるめっき液循環時のめっき液Qの流し方として、図17に示すように、抵抗体30上面に沿って一方向に流す方法(図17(a))と、抵抗体30の中心方向に流す方法(図17(b))と、めっき液循環をしない方法(即ち抵抗体30上面のめっき液Qを静止した状態)とでめっきを行った。そしてそれぞれの場合について、基板Wと抵抗体30の間の隙間部分のめっき液温度の経時変化を測定した。その結果を図18に示す。同図に示すように、めっき液Qを循環しない場合はめっき液温が時間と共に上昇したのに対して、循環した場合は何れのめっき液Qの流し方の場合でもめっき液温を常に一定に保つことができた。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】めっき装置1−1の概略構成図である。
【図2】めっき装置1−1の動作説明図である。
【図3】めっき装置1−2の概略構成図である。
【図4】めっき装置1−3の概略構成図である。
【図5】めっき装置1−3の動作説明図である。
【図6】めっき装置1−4の概略構成図である。
【図7】めっき装置1−5の概略構成図である。
【図8】めっき装置1−5の動作説明図である。
【図9】めっき装置1−6の概略構成図である。
【図10】めっき装置1−7の概略構成図である。
【図11】めっき装置1−1,1−7におけるめっき液の噴出方向を示す図である。
【図12】めっき膜厚の均一性の測定結果を示す図である。
【図13】めっき膜厚の均一性の測定結果を示す図である。
【図14】めっき装置300の概略構成図である。
【図15】めっき膜厚の均一性の測定結果を示す図である。
【図16】めっき装置350の概略構成図である。
【図17】抵抗体30上部のめっき液Qの流し方を示す図である。
【図18】めっき液循環の有無によるめっき液温の経時変化を示す図である。
【図19】基板Wと抵抗体30の離間距離とめっき膜のばらつきの関係を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1−1 めっき装置
W 基板
W1 被めっき面
Q めっき液
10 めっきセル
20 アノード
30 抵抗体
40 めっき液供給管(めっき液供給手段)
41 めっき液噴出供給機構(めっき液供給手段)
80 めっき液排出管(めっき液排出手段)
120 めっき液循環機構
140 めっき液冷却機構
60 基板保持ホルダ
90 シール
1−2 めっき装置
1−3 めっき装置
35 抵抗体(凸型抵抗体)
37 ロッド
1−4 めっき装置
1−5 めっき装置
15 めっき槽
39 ロッド
1−6 めっき装置
1−7 めっき装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、
前記アノードの上部に抵抗体を設置して抵抗体の上までめっき液を満たし、前記抵抗体の上面に沿って抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流すことにより抵抗体上面の中央にめっき液の盛り上がりを作り、この状態で下向きにした前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面の間の隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法。
【請求項2】
下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、
アノードの上部に上面が平面または凸型の形状を有する抵抗体を設置して抵抗体の上までめっき液を満たし、前記抵抗体の上昇によって凸形状となるめっき液面に前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面からなる隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法。
【請求項3】
下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、
アノードの上部に上面が平面または凸型の形状を有する抵抗体を設置するとともにアノードと抵抗体とを収納しためっきセルの上までめっき液を満たし、前記めっきセルの上昇によって凸形状となるめっき液面に前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面からなる隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法。
【請求項4】
めっきセルと、
めっきセル内に配置されるアノードと、
アノードの上部に配置される抵抗体と、
アノードと抵抗体の間にめっき液を供給する第一のめっき液供給手段及びアノードと抵抗体の間に供給されためっき液を排出する第一のめっき液排出手段と、
抵抗体の上面にめっき液を供給する第二のめっき液供給手段及び抵抗体の上面に供給されためっき液を排出する第二のめっき液排出手段と、
めっき液を循環するめっき液循環機構と、
めっき液を冷却するめっき液冷却機構と、
基板をその被めっき面を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダと、
アノードと基板の間の電気経路のうち抵抗体を経由しない電気経路を遮断するシールとを具備し、
基板保持ホルダに保持した基板の被めっき面を抵抗体上面のめっき液に接液し、基板の被めっき面のめっきを行うことを特徴とするめっき装置。
【請求項5】
前記抵抗体の上面にめっき液を供給する第二のめっき液供給手段を、前記抵抗体の上面に沿って前記抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流す構成とすることにより、前記抵抗体上面の中央にめっき液の盛り上がりを作ることを特徴とする請求項4記載のめっき装置。
【請求項6】
前記抵抗体の上面の形状が平面または凸型であって、前記抵抗体を上下方向に移動する機構を具備することを特徴とする請求項4記載のめっき装置。
【請求項7】
前記めっきセルに設置された抵抗体の上面の形状が平面または凸型であって、前記めっきセルがめっき槽内に配置され、前記めっきセルを上下方向に移動する機構を具備することを特徴とする請求項4記載のめっき装置。
【請求項8】
前記アノードの上部に複数の前記抵抗体を具備することを特徴とする請求項5又は6又は7記載のめっき装置。
【請求項1】
下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、
前記アノードの上部に抵抗体を設置して抵抗体の上までめっき液を満たし、前記抵抗体の上面に沿って抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流すことにより抵抗体上面の中央にめっき液の盛り上がりを作り、この状態で下向きにした前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面の間の隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法。
【請求項2】
下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、
アノードの上部に上面が平面または凸型の形状を有する抵抗体を設置して抵抗体の上までめっき液を満たし、前記抵抗体の上昇によって凸形状となるめっき液面に前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面からなる隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法。
【請求項3】
下向きにした基板の被めっき面と、前記基板の下方に設置したアノードとの間にめっき液を介在した状態で前記基板の被めっき面とアノード間に電圧を印加することで、前記基板の被めっき面にめっきを行うめっき方法において、
アノードの上部に上面が平面または凸型の形状を有する抵抗体を設置するとともにアノードと抵抗体とを収納しためっきセルの上までめっき液を満たし、前記めっきセルの上昇によって凸形状となるめっき液面に前記基板を降下させることによりめっき液に浸漬させて、前記基板の被めっき面と前記抵抗体上面からなる隙間をめっき液で満たすことを特徴とするめっき方法。
【請求項4】
めっきセルと、
めっきセル内に配置されるアノードと、
アノードの上部に配置される抵抗体と、
アノードと抵抗体の間にめっき液を供給する第一のめっき液供給手段及びアノードと抵抗体の間に供給されためっき液を排出する第一のめっき液排出手段と、
抵抗体の上面にめっき液を供給する第二のめっき液供給手段及び抵抗体の上面に供給されためっき液を排出する第二のめっき液排出手段と、
めっき液を循環するめっき液循環機構と、
めっき液を冷却するめっき液冷却機構と、
基板をその被めっき面を下向きにした状態で保持する基板保持ホルダと、
アノードと基板の間の電気経路のうち抵抗体を経由しない電気経路を遮断するシールとを具備し、
基板保持ホルダに保持した基板の被めっき面を抵抗体上面のめっき液に接液し、基板の被めっき面のめっきを行うことを特徴とするめっき装置。
【請求項5】
前記抵抗体の上面にめっき液を供給する第二のめっき液供給手段を、前記抵抗体の上面に沿って前記抵抗体の外周から中心の方向へ向かってめっき液を流す構成とすることにより、前記抵抗体上面の中央にめっき液の盛り上がりを作ることを特徴とする請求項4記載のめっき装置。
【請求項6】
前記抵抗体の上面の形状が平面または凸型であって、前記抵抗体を上下方向に移動する機構を具備することを特徴とする請求項4記載のめっき装置。
【請求項7】
前記めっきセルに設置された抵抗体の上面の形状が平面または凸型であって、前記めっきセルがめっき槽内に配置され、前記めっきセルを上下方向に移動する機構を具備することを特徴とする請求項4記載のめっき装置。
【請求項8】
前記アノードの上部に複数の前記抵抗体を具備することを特徴とする請求項5又は6又は7記載のめっき装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−208421(P2008−208421A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46187(P2007−46187)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】
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