らせん状ハイブリッドステント
拡張可能ならせん状ステントが提供され、当該ステントは主要ステント部品及び固定部で形成し得る。主要ステント部品は、幾何学的に成形されるセル(430)を形成するように接続することができる、ステントを形成するようにらせん状に巻かれる1又は2以上の波形サイドバンド(401、402)を有する平板ストリップから形成される。主要ステント部品のらせん状のコイルは、互いに空間的に隔たっていても近接していてもよい。隣り合うらせん巻状物の波形が近接すると、らせん状に巻かれたステントの管形状と均一性の維持に貢献する。或いは、前記平板ストリップは、単一の波形パターンを含み得る。主要ステント部品の各末端には、エンドバンド(407)があり、これは巻かれると、円柱状の環を形成する。一実施形態では、主要ステント部品の1又は2以上のストラットは、1又は2以上の開窓を埋め込むのに十分な幅を有し得る。有窓ストラットはループ又はターンによって接続することができ、この場合の材料は、可撓性を高めるために有窓ストラットのものよりも幅が狭い。らせん状の管は固定部で維持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年4月22日に出願された米国特許出願第12/428,347号明細書の利益を主張し、その出願の全内容を参照により援用する。
【0002】
本発明は一般的にステントに関し、ステントは、血管等の体内の管腔を支持し、開通を保つために、又は管内のその他のエンドプロテーゼを固定及び支持するために、管腔の内部に移植される管腔内エンドプロテーゼデバイスである。
【背景技術】
【0003】
様々なステントが当技術分野で公知である。通常、ステントは管形状であるのが一般的であり、比較的小型の未拡張の径から拡張されたより大きな径に拡張可能である。移植のために、ステントは通常、カテーテルの末端に取り付けられており、当該ステントは比較的小型の未拡張の径の状態でカテーテルに保持される。カテーテルを用いて、未拡張のステントは、目標とする移植部位まで管腔を経由して到達する。ステントが目標とする移植部位に到達すると、当該ステントは通常バルーン又はステントを自己拡張させることにより拡張される。いずれの場合においても、拡張したステントは管腔が狭くなろうとする傾向に抵抗し、こうして管腔の開通性を維持する。
【0004】
ステントは金属製の管、又は平板シートから構成され得るが、平板シートはロール状にし、溶接、機械的な固定法、又は別の方法等により固定されてステントの管状構造を形成する。
【0005】
ステントの設計に関連する特許のいくつかの例として、Palmazの米国特許第4,733,665号明細書、Gianturcoの米国特許第4,800,882号明細書及び同第5,282,824号明細書、Hillsteadの米国特許第4,856,516号明細書及び同第5,116,365号明細書、Wiktorの米国特許第4,886,062号明細書及び同第4,969,458号明細書、Pinchukの米国特許第5,019,090号明細書、Palmaz及びSchatzの米国特許第5,102,417号明細書、Wolffの米国特許第5,104,404号明細書、Towerの米国特許第5,161,547号明細書、Cardon et al.の米国特許第5,383,892号明細書、Pinchasik et al.の米国特許第5,449,373号明細書、及びIsrael et al.の米国特許第5,733,303号明細書が挙げられる。
【0006】
ステントの一形態としてらせん状又はコイル状のステントが知られている。かかるステントの設計は、例えば米国特許第6,503,270号明細書及び同第6,355,059号明細書に記載されており、全体を本明細書において参照により援用する。かかるステント設計はらせん状ステントとして構成され、このステントでは、巻かれたセルのストリップからコイルが形成され、当該セルは一連の屈曲部を含む蛇行パターンを形成する。その他の類似したらせんコイル状のステント構造は当技術分野で公知である。
【0007】
従来のステント設計は、内腔をしっかりと支持できるようにステント拡張時に半径方向に対して十分な強度を確保することに重点が置かれている。しかし、半径方向に対して高い強度を有するステントは、ステントが移植される管腔よりも長さ方向に固い傾向も有する。ステントが移植される管腔よりも長さ方向に固いと、管腔のステントセクションと、ステントが存在しないセクションとの間で適合性に齟齬が生じること等から応力が集中するためステントの両端で管腔に傷害を与える頻度が増す可能性がある。さらに、ステントは、腔管が屈曲や伸長する本来の傾向を阻害する可能性がある。反対に、十分な可撓性を有するステントは、管腔壁に対する十分な、及び/又は均一な半径方向の支持力に欠ける場合が多い。従って、当技術分野では十分な半径方向の強度と高度な長さ方向の可撓性とがバランスしたステントについて継続的なニーズが存在する。
【0008】
当技術分野に存在する別の問題は、均一性のある高い可撓性と十分な半径方向の支持力とを有するステントを製造しつつ、コストを削減するためにステントの製造プロセスを単純化し、但し製造上の欠陥が生ずるのを防止しようとするときに生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,733,665号明細書
【特許文献2】米国特許第4,800,882号明細書
【特許文献3】米国特許第5,282,824号明細書
【特許文献4】米国特許第4,856,516号明細書
【特許文献5】米国特許第5,116,365号明細書
【特許文献6】米国特許第4,886,062号明細書
【特許文献7】米国特許第4,969,458号明細書
【特許文献8】米国特許第5,019,090号明細書
【特許文献9】米国特許第5,102,417号明細書
【特許文献10】米国特許第5,104,404号明細書
【特許文献11】米国特許第5,161,547号明細書
【特許文献12】米国特許第5,383,892号明細書
【特許文献13】米国特許第5,449,373号明細書
【特許文献14】米国特許第5,733,303号明細書
【特許文献15】米国特許第6,503,270号明細書
【特許文献16】米国特許第6,355,059号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、管腔の凹凸に適合し、留置後には管腔に均一な支持力を提供しつつ、屈曲した腔内に容易に追随することができるように長さ方向に可撓性のある、血管内で使用されるらせん状ステントを提供する。本発明のステントは主要ステント部品と第2のステント部品を含む。主要ステント部品は、金属又はアモルファス金属合金材料であり得る。アモルファス金属ステントの場合、当該ステントは、長さ方向の可撓性、反復する長さ方向の屈曲、圧迫、及びねじれに対する適合性と疲労抵抗性とを兼ね備えた従来型の金属製ステントの半径方向の支持力を有し、これら諸特性は金属ステントで実現可能な特性を上回ることができる。
【0011】
ステントに形成する際には、主要ステント部品は、ステントの縦軸に対して斜めの角度でらせん巻状物の管状構造を形成する。らせん巻状物は少なくともステントの中央部分に沿って伸びている。各巻状物は隣り合う巻状物と空間的に隔たっていても、また隣り合う巻状物と近接してもよい。ステントの縦軸に沿った巻状物間の距離は、具体的なステントのニーズに応じて変化し得る。管状のステントを形成するためにらせん状に巻かれる前に、主要ステント部品は平板なリボン又はストリップであり、これは波形(例えば、正弦曲線又はジグザグ状)又はセルのパターン化されたバンド(例えば、六角形構造又はその他の幾何学的構造)により画定される。当該ストリップは、ステントの長さ方向に沿ってらせん状に巻く1又は2以上のサイドバンド、並びにサイドバンドに対してある角度で配置された、サイドバンドの一端又は両端から伸びるエンドバンドから構成される。エンドバンドは、形成されたステントの一端又は両端に、ステントの縦軸に対して直円柱を形成するように構成される。サイドバンド及びエンドバンドは、例えば、一般的に正弦曲線、ジグザグ、六角形、又はその他の幾何学的構造を有する部分を含むと理解される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態では、主要ステント部品は、1又は2以上の全面開窓又は部分開窓を有するのに十分幅広い1又は2以上のストラットを有することができる。この有窓ストラットは、ループ又はターンにより接続され得るが、その幅は当該ループ又はターンにおいて可撓性を高めるように、有窓ストラットの幅よりも狭い。
【0013】
別の実施形態では、主要ステント部品は、巻状物間の空間が最小限となるように、各らせん巻状物が、らせん構造物の隣り合うらせん巻状物と近接するように設計され得る。すなわち、サイドバンドリボンがステントの外周を斜め方向に移動すると、1つの巻状物が、隣り合った、実質的に類似した巻状物と近接する。このようにして、ステントのらせん巻状物は、全体的なステントの可撓性を損なうことなく管内の壁の被覆性を強化する。らせん巻状物は互いに直接触れることなく相互に近接することができるので、形成されたステントの全体的な可撓性は、らせんコイルの隣り合う巻状物が近接してもこれから影響を受けない。
【0014】
第2のステント部品、すなわち固定部は、長さ方向の可撓性に一役を担う一方、主要ステント部品の管形状を維持するように機能する。固定部は、ステントに構造的支持手段を提供する。固定部は、主要ステント部品をなおも管形状に維持したまま、主要ステント部品に対して、ステントが拡張又は屈曲した際には、固定部はステントの全体的な可撓性に寄与するように配置、固定される。固定部は、繊維、ワイヤー、糸、リボン、ストリップ、ポリマー、メッシュ等であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による、パターン化されたバンドを有する平板なリボンから構成される主要ステント部品を示す図である。
【図2】隣り合うらせん巻状物の間に空間を有する管形状に形成されたパターン化されたバンドからなる主要ステント部品を示す図である。
【図3】主要ステント部品のらせん巻状物が隣り合うらせん巻状物と近接した状態にある別の実施形態を示す図である。
【図4】パターン化されたバンドを有する平板なリボンから構成され、また1又は2以上の典型的な開窓を有するストラットを備える主要ステント部品の実施形態を示す図である。
【図4A】図4の主要ステント部品のエンドバンドの拡大図である。
【図5】波形を有する平板なリボンから構成され、1又は2以上の典型的な開窓を有するストラットを備えた主要ステント部品を示す図である。
【図5A】図5の平板なリボンの第1のエンドバンドの拡大図である。
【図5B】図5の平板なリボンの第2のエンドバンドの拡大図である。
【図6】固定部構造及び主要ステント部品の写真を示す図である。
【図7】パターン化されたバンドを有し、固定部に埋め込まれたらせん状の主要ステント部品の実施形態を示す図である。
【図8】複数のリボン状の固定部に埋め込まれたらせん状の主要ステント部品の実施形態を示す図である。
【図9】分離した点で緊結された複数のらせん状の固定部により保持されたらせん状の主要ステント部品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、らせん状ハイブリッドステントとして定義される、管腔内プロテーゼの新規クラスを提供する。以下でさらに説明されるように、本発明のステントは、らせん管状構造の形態にある主要ステント部品を含み、同部品は第2のステント部品、すなわち固定部により管形状に維持され得る。この主要ステント部品は、らせん状ステントを形成するようにらせん状に巻かれた、連続した波形の又はパターン化されたストリップから形成される。このストリップは、管状のらせん状ステント内に円筒状の環を形成する端面を有する。従って、本発明の一特徴は、ステントの両端に円筒状の環が隣接したらせん構造を有するステントの中央部本体である。中央部本体部分を形成するストリップはそれぞれ波形を有する1又は2以上のサイドバンドを備え、一方、端面は、波形を有する1又は2以上のエンドバンドを備える。各エンドバンドは、サイドバンドに対してオフセットした角度でサイドバンドと接続され、サイドバンド側に逆転して伸長し得る。サイドバンド及びエンドバンドの波形を形成するストラットの長さは、らせん巻状物に役立つように均一であっても、また変化してもよい。サイドバンド又はエンドバンドは、クロスストラットで互いに接続することもできる。クロスストラットの長さ及び形状はストリップの長さ全体を通じて変化し得るが、クロスストラットは1又は2以上のループを含むことができる。らせん状に巻かれたステントの波形は、均一な被覆を増強するために隣り合うらせん波形と近接することができる。主要ステント部品は、任意の従来の金属物質又はアモルファス金属合金から形成され得る。
【0017】
本明細書の新規らせん状ステントのいずれにおいても、主要ステント部品は、サイドバンド及び/又はエンドバンド内に、任意の適する形状及びサイズからなるフルの又は部分的な開窓を有するストラットも含み得る。開窓は、らせん状ステントの凹部内に臨床的有用性を有する治療薬を配置するのを可能にする。ステントは、開窓に好都合なように十分な幅のストラット、及び得られたステントが屈曲、拡張するのを容易にするのに十分小さな寸法の、ストラットと接続したループから構成され得る。
【0018】
主要ステント部品は開窓又はネスリングの有無を問わず、別の発明の特徴、すなわち固定部により所定の位置に保持され得る。固定部は、接着手段、例えば、糊付け、ディップコーティング、スプレーコーティング等による結合も含めて、当技術分野で公知の様々な手段、例えば、溶接、接合、包埋、編込み、製織、圧接、結束、主要ステント部品と共に行われる鋳型への圧入又は注入のいずれかによって、主要ステント部品に固定されるポリマー、繊維、ワイヤー、糸、バンド、リボン、メッシュ、又はシートの任意の形態を含み得る。固定部は、円周方向、らせん方向、縦方向又はこれら以外の方向に配向可能であり、またステントが拡張又は屈曲した際には、当該固定部は、当該主要ステント部品をなおも管形状に保ちつつ、当該ステントの全体的な可撓性に役立つように、主要ステント部品の一部又は全部に固定され、又は埋め込まれ得る。
【0019】
主要ステント部品は、当技術分野で公知の方法、又は本明細書に記載する方法を用いて、ストリップから形成され、パターン化され得る。図1は本明細書の実施形態を示し、この図では主要ステント部品はパターン化されたバンドとして形成されるが、非コイル状態、すなわち平板な形状で示されている。図1に示すように、リボンのパターンは、波形の第1のサイドバンド401と波形の第2のサイドバンド402とが相互接続することにより画定される1列のセル430を含む。また、エンドバンド406及び407は、サイドバンド401及び402に対して斜めの角度で伸びている。主要ステント部品は管形状に形成されるので、セル430の列は、ステントの縦軸の中央部分に沿った連続らせん巻状物となる一方、エンドバンド406及び407は、ステントの各末端で直円柱形状を形成する。このような方法で平板なパターン化されたバンドから、管状でらせん状の中央部本体部分を形成することは、設計が既存の管状材料から形成されるようなプロセスとは区別される。
【0020】
図1では、第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は概して平行方向に伸長するが、但し、第1のサイドバンドが第2のサイドバンドに向かって先細くなり、また第2のサイドバンドが第1のサイドバンドに向かって先細くなる、サイドバンドの一端を除く。図1に示すように、第1のサイドバンド401の波形パターンは、第2のサイドバンド402に向かって伸びているトラフ(例えば、410、411)、及び第2のサイドバンド402から遠ざかるピーク(例えば、414、415)を含む。同様に、第2のサイドバンド402の波形は、第1のサイドバンド401に向かって伸びているトラフ(例えば、412、413)、及び第1のサイドバンド401から遠ざかるピーク(例えば、416、417)を含む。このように、図1では、第1及び第2のサイドバンドは、互いに逆位相で配置している(トラフは実質的にトラフと同期する)。別の実施形態では、第1及び第2のサイドバンドはピークとトラフが実質的に同期するように同位相であり得る。
【0021】
図1では、ピーク(416、417)及びトラフ(412、413)を画定するサイドバンドのストラットは、中央部ストリップ部分では実質的に等しい長さを有するが、サイドバンドが互いに向かって先細りになるに従い短めになる。図1の実施形態では、第1のサイドバンド401、及び第2のサイドバンド402は、複数の第1のクロスストラット403によって互いに接続され、セルの列を画定する。特に、第1のサイドバンド401の少なくとも1つのトラフ(例えば411)は、図1の第1のクロスストラット403を介して第2のサイドバンド402の対応するトラフ(例えば413)と接続している。従って、この実施形態では、一連のセルが形成され、各セル430は、隣り合うサイドバンドが結合することにより個別に画定されて、クロスストラットにより閉鎖した空間が形成される。例えば、中央部ストリップ部分のセルは、トラフ410及び411間の第1のサイドバンドの部分、トラフ412及び413間の第2のサイドバンドの部分、及びトラフ410と412及びトラフ411と413をそれぞれ接続する第1のクロスストラット403により画定される。
【0022】
代替的実施形態では、第1のクロスストラット403の数、長さ、及び形状は、図1に示すものとは異なってもよい。例えば、第1のクロスストラット403は、第1のバンド401及び第2のバンド402を一定の間隔で、とりわけ、トラフ毎に、第2のトラフ毎に、第3のトラフ毎に、又は第4のトラフ毎等に接続することができ、これにより、より大きなセル、又は異なる幾何学特性を有するセルが形成される。また、クロスストラットは省略可能で、第1のサイドバンドは第2のサイドバンドに直接接続され得る。例えば、セル449は、ダイアモンド形の形状であり、第1及び第2のサイドバンドの波形によってのみ画定される。他の実施形態では、第1のクロスストラット403は第1のサイドバンド401、及び第2のサイドバンド402を、異なる、不規則な間隔で接続し得る。可変の、不規則な間隔で接続すると、連続した主要ステント部品に沿って、特定の用途にふさわしいと考えられるような様々な異なるサイズのセルを形成することができる。さらに、クロスストラットは第1のサイドバンドのピークと第2のサイドバンドのトラフ、又は第1のサイドバンドのトラフと第2のサイドバンドのピークを接続し得る。
【0023】
第1のクロスストラット403は、図1に示すように、相互に比較して、サイドバンド401、402と比較して同一の幅をそれぞれ有し得る。或いは、第1のクロスストラット403は、特定の用途にふさわしいように第1及び第2のサイドバンド401、402とは異なる幅、又は互いに異なる幅を有し得る。クロスストラットは、第1及び第2のサイドバンド401、402の隣り合うトラフ又はオフセットトラフを接続し得る。さらに、第1のクロスストラット403は、直線状の部材を含み得、又は1つ若しくは2つ以上のループを含み得る。図1に示すように、異なるセル形状を有するステントが形成可能なように、異なる形状のクロスストラット又はクロスストラットを用いない方式も、ステントの特定の用途に応じて、単一ステント設計において代替的に採用可能である。典型的なセル形状は、米国特許第7,141,062号明細書(三角形のセル)、又は同第5,733,303号明細書(四角形のセル)に開示されており、四角形及び三角形のセル構造に関する開示を、本明細書において参考として上記特許から援用する。四角形のセルは半径方向に支持する要素の間に4箇所の接続部を有し、一方、三角形のセルは半径方向に支持する要素の間に3箇所の接続部を有する。サイド及びエンドバンドの波形は、本発明の半径方向に支持する要素を提供する。
【0024】
図1に示す実施形態において、主要ステント部品400のサイドバンド401及び402は、各末端で先細りになっている。クロスストラット403の長さは、主要ステント部品400の各末端に向かって短くなっており、こうして第1及び第2のサイドバンド401、402は、より密接に配置し、最終的には接続部404及び405で直接接続している。短尺化したクロスストラットの代わりに、又はそれに加えて、サイドバンドは、波形中のストラットの長さを減じることにより互いに先細りとなり得る。
【0025】
図1のサイドバンド401及び402の一端又は両端から伸びているのはエンドバンド406及び407である。従って、第1のエンドバンド406は、第1のサイドバンド401の一般的な方向からオフセットし、傾斜した方向に第1のサイドバンド401の末端から伸びている。図1では、ストリップを平置きしたときに第1のエンドバンドは、第1のサイドバンドの方向に対して45度未満の角度で第1のサイドバンドの方向に逆転して伸びている。第2のエンドバンド407は、第2のサイドバンド402の一般的な方向からオフセットし、傾斜した一般的な方向で、第1のエンドバンドと反対側に第2のサイドバンド402の末端から伸びている。図1では、ストリップを平置きしたときに第2のエンドバンドも、やはり第2のサイドバンドの方向に対して45度未満の角度で第2のサイドバンドの方向に逆転して伸びている。管状のステントを形成する際には、エンドバンド406及び407は、ステントの各末端で直円柱を形成するように構成され、ストリップのらせん巻状物の両端に隣接している。第1のエンドバンド406は第1の端部450及び第2の端部451を有する。管形状をとる時には、第1の端部450は第2の端部451と共に、ステントの縦軸に対して直円柱を形成するように移動する。第2のエンドバンド403は、第1の端部452及び第2の端部453を有する。管形状をとる時には、第1の端部452は第2の端部453と共に、ステントの縦軸に対して直円柱を形成するように移動する。以下でさらに説明されるように、端部450及び451は恒久的に接続することができ、或いは、固定部により所定の位置に保持可能であり、同部品はステントの縦軸に対して直円柱が形成されるように、2つの端部を近傍に保持可能である。
【0026】
第1のエンドバンド406及び第2のエンドバンド407は、それぞれストラット及びループ又はターンを有する波形を含む。第1のエンドバンド406は、第1のサイドバンド401に向かって伸長するトラフ(例えば、418、419)、及び第1のサイドバンド401から遠ざかるピーク(例えば、422、423)を有する。同様に第2のエンドバンド407は、第2のサイドバンドに向かって伸長するトラフ(例えば、420、421)、及び第2のサイドバンド402から遠ざかるピーク(例えば、424、425)を有する。第1のエンドバンド406は、例えば、トラフ418のところで第1のサイドバンド401に直接接続しているが、第1のエンドバンド406は第1のサイドバンドから角度的に遠ざかるように伸びているので、第2のクロスストラット426は第1のエンドバンド406を第1のサイドバンド401と接続する。同様に、第2のエンドバンド407は、例えばトラフ420のところで第2のサイドバンド402と直接接続しているが、第2のエンドバンド407は第2のサイドバンドから角度的に遠ざかるように伸びているので、第2のクロスストラット426は第2のエンドバンド407を第2のサイドバンド402に接続する。図1に示すように、第2のクロスストラット426は、隣り合うエンドバンド及び/又はサイドバンドと共に接続点の間に1又は2以上のループを含み得る。第1のエンドバンド406及び第2のエンドバンド407のピークは、図1により示されるように、ピーク(例えば、423、424)から伸びる追加の環状構造を有していてもよい。
【0027】
さらに、波形を有する第3のエンドバンド408は、第1のエンドバンド406に対して概して平行な位置関係で配置され、第3のエンドバンドのトラフ、例えば427は第1のエンドバンドに向かって伸び、また前記第1のエンドバンドに直接接続される。波形を有する第4のエンドバンド409は、第2のエンドバンド407に対して概して平行な位置関係で配置され、第4のエンドバンドのトラフ、例えば428は第2のエンドバンドに向かって伸びている。
【0028】
図2は、らせん状に巻かれて管状構造になった図1の主要ステント部品400を示す。主要ステント部品400内のセル430からなるストリップは、中央部分にらせん巻状物を形成し、同巻状物中では1つの巻状物内のある1つのセルは隣り合う巻状物のセルから長さ方向に空間的に隔たっている。第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は、クロスストラット403によって接続され、第1及び第2のサイドバンドがステントの縦軸に沿って交互に配置するように、ステントの縦軸の周りにらせん状に巻かれる。図2に示すようにらせん状に巻かれたステントでは、第1のサイドバンド401は、隣り合う第2のサイドバンド402と隣接し、クロスストラット403によって接続されるが、また隣り合う巻状物402”の第2のサイドバンドとも隣接し、この場合は接続されない。同様に、第2のサイドバンド402も、らせん状のステント内の長さ方向で隣り合う第1のサイドバンド401’とは接続されない。エンドバンド406及び407は、管状構造の両端を固定し、またステントの縦軸に対して実質的に直円柱状の環を形成する。空間、例えば431及び432は、隣り合う巻状物、例えば433、434、435の間に存在する。図2では、第1及び第2のサイドバンド401及び402は、クロスストラットが存在することにより、又は空間を有するらせん状ストリップの巻状物により互いに隔てられている。さらに、固定部は、以下で議論されるように、隣り合う巻状物の間の空間を保持し得る。
【0029】
図3は本発明の別の実施形態によるステントを示しており、らせん状のコイルの周期の間に長さ方向の空間がほとんど、又は実質的に存在しないようにらせん巻状物は配置されている。すなわち、図3が示すように、第1のらせん巻状物460のピーク(例えば、414、415)は、第2のらせん巻状物461のトラフ(例えば、412、413)に向かって近接している。一方、第1のサイドバンド401は第2のサイドバンド402に対して実質的に平行な状態のままである。同様に、第2のらせん巻状物461のピーク(例えば、416、417)は、第1のらせん巻状物460のトラフ(例えば、410、411)に向かって近接している。第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402の間で直接的な接触が生じないように、近接するサイドバンドを配置するのが望ましいと考えられる。第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は、実質的に類似するが、反対の波形が整列するように配置されるので、第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は、形成されたステントの全長にわたり互いにこのような形で接近することができる。同一の長さのストラットを有するサイドバンドも近接するのに役立つ。このようにして、第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は、互いに近接するものとして説明され得る。図3では、第1及び第2のサイドバンド401及び402は、クロスストラットが存在することのみにより空間的に隔たっている。示す通り、近接する巻状物間の距離はクロスストラット403の長さよりも短い。さらに、第1のサイドバンド及び隣り合う第2のサイドバンドの間で直接的に接続することなく、第1のサイドバンドはらせん状で隣り合う第2のサイドバンドに向かって近接している。図3のステントは、以下でさらに議論するように、隣り合う巻状物が近接すると、ステントの可撓性を全く損なうことなく、管腔壁及び/又は固定部において支持されない領域が最小限に抑えられ、拡張した時に管内に固定部が垂れ下がるのを防止するという更なる利点を有する。さらに、らせん状のコイルが分離した状態で近接すると、管形状で構造を維持するのに役立ち得る。
【0030】
図4は代替的実施形態を表し、主要ステント部品1300は平板な形状、すなわち非コイル状態で提示されている。示す通り、主要ステント部品1300は、長さ方向にパターン化されたバンドを有する。図1の実施形態と同様に、図4の主要ステント部品1300の設計には、第1のサイドバンド1301、第2のサイドバンド1302、第1のエンドバンド1306、第2のエンドバンド1307、第3のエンドバンド1308、及び第4のエンドバンド1309が含まれる。管形状では、サイドバンド1301及び1302は、ステント本体の中央部分として連続したらせん巻状物を形成する一方、第1及び第2のエンドバンド1306及び1307は、ステントの末端環として、ステントの縦軸に対して直円柱を形成する。第1のエンドバンドでは、第1の端部1350は第2の端部1351と共に移動し、一方第2のエンドバンドでは、第1の端部1352は第2の端部1353と共に移動する。主要ステント部品1300は、治療物質を配置することができる1又は2以上の開窓を有するストラットを備える。
【0031】
各バンドは、例えば図4に示すように、1又は2以上の開窓を有するように十分な幅のストラットと共に形成される。主要ステント部品1300の有窓ストラットは、任意の幾何学的形状であり得、これには、円形、楕円形、又は長方形が含まれ、但しこれらに限定されない。さらに、開窓は、ストラットの厚さ全体に展開し得る(全面開窓)、又は部分的にのみ展開し得る(部分開窓)が、この場合にはストラットの一方の側のみが開口する(管形状の管腔側又は反管腔側)。また、ステントは、1つのストラット上で、又は異なるストラット間において異なるサイズ、数、及び形状を有する開窓を有するストラットも有し得る。本発明は、サイド及び/又はエンドバンドの一方又は両方に全面開窓及び/又は部分開窓を有するストラットを企図する。サイドバンドのピーク及びトラフを画定するストラットでは、得られたらせん状に巻かれたステント構造にとって望ましい形状をとりやすいように主要ステント部品の長さ方向に沿って長さが変化し、また開窓の数も変化し得る。例えば、図4Aではサイドバンドストラット1358及び1359は、エンドバンドストラット1356及び1357と同様に長さが異なる。有窓ストラットは、ループ又はターン1370により接続されており、その材料は、可撓性を高めるように有窓ストラットの材料よりも細めである。
【0032】
図5は、なおも本発明の別の実施形態を示し、主要ステント部品1200は平板な形状、すなわち非コイル状態で提示されている。示す通り、主要ステント部品1200は、平置きされたときには、長さ方向で単一のサイドバンド1201である。サイドバンド1201は、クロスストラット1240及び1241により、それぞれ第1のエンドバンド1202及び第2のエンドバンド1203に取り付けられている。サイドバンド1201は、同一又は異なる長さを有するストラットにより画定されるピーク(例えば、1210、1212)及びトラフ(例えば、1211、1213)が交互に入れ替わるパターンを含む。各サイド及びエンドバンドは、図4について上記したように、また図5にも適用可能なように、1又は2以上の全面開窓又は部分開窓を埋め込むのに十分な幅を有するストラットで形成される。有窓ストラットは、可撓性を高めるように有窓ストラットの材料よりも細めのループ又はターン1270により接続されている。図5Aに示すように、ストラットは長さが変化しており、また各ストラット内の開窓の数も異なる。例えば、ストラット1217は、ストラット1215とは異なる長さ及び開窓の数を有する。ストラット1216はストラット1215とは異なる長さを有するが、同一数の開窓を有する。並びに、ストラット1214及び1215は同一の長さ、及び開窓の数を有する。図5Aのステントでは、第1のサイドバンド1201の各末端の近傍のストラット(例えば、1217)は、ストラット1214及び1215とは異なる長さを有することができ、またらせん巻状物に役立つように構成される。
【0033】
エンドバンド1202及び1203は、構造物を丸めてステントにしたときに周縁環を形成する。第1のエンドバンド1202及び第2のエンドバンド1203は、サイドバンド1201の一般的な方向から角度的にオフセットした方向にサイドバンド1201の各末端から伸びている。エンドバンド1202及び1203は、ステントの各末端で直円柱が形成されるように構成され、構造物を巻いてステントの状態にするときに中央部ステント本体のらせん巻状物に隣接する。第1のエンドバンド1202は、第1の端部1250及び第2の端部1251を有する。管形状では、第1の端部1250は第2の端部1251と共に移動して、ステントの縦軸に対して直円柱を形成する。第2のエンドバンド1203は、第1の端部1252及び第2の端部1253を有する。管形状では、第1の端部1252は第2の端部1253と共に移動して、ステントの縦軸に対して直円柱を形成する。以下でさらに説明するように、端部(1250及び1251;1252及び1253)は、恒久的に固定され得る、或いは、固定部により所定の位置に保持可能であり、同部品はステントの縦軸に対して直円柱を維持するように2つの端部を近傍に保持可能である。
【0034】
図5Aでは、第1のエンドバンド1202は波形のバンドを備える。第1のエンドバンド1202の方向は、サイドバンド1201の方向に対してある角度でオフセットしている。図5Aでは、ステントを平置きにしたときに、サイドバンドから伸びている第1のエンドバンドは、ステントの中央部本体に対して45度未満の角度にある。第1のエンドバンド1202の波形パターンは、交互に入れ替わるピーク(例えば、1219、1221)及びトラフ(例えば、1220、1222)を含む。第1のエンドバンドのトラフ(1220、1222)はサイドバンドの方向に伸びているが、一方、ピーク(1219、1221)はサイドバンドから遠ざかる。第1のエンドバンド1202も開窓を有するストラットを含むことができる。図5Aでは、クロスリンク1240及び1242は、例えばサイドバンドを第1のエンドバンドに接続する。クロスリンク1240及び1242は、第1のエンドバンドのトラフからサイドバンドのピークに伸びている。サイドバンド及び第1のエンドバンドの間に伸びるクロスリンクは、1又は2以上の湾曲した部分を有する可撓性コネクタである。本発明は、クロスリンクが1又は2以上のループを含み得る実施形態についても企図する。
【0035】
図5Bでは、第2のエンドバンド1203も波形のバンドを含む。第2のエンドバンド1203の方向は、サイドバンド1201の方向に角度的にオフセットしている。好ましくは、ステントを平置きにしたときに、第2のエンドバンドはサイドバンドから45度未満の角度でステントの中央部本体に伸びている。第2のエンドバンド1203の波形パターンは、交互に入れ替わるピーク(例えば、1223、1225)及びトラフ(例えば、1224、1226)を含む。第2のエンドバンドのトラフ(1224、1226)は、サイドバンドの方向に伸びているが、一方、ピーク(1223、1225)はサイドバンドから遠ざかる。第2のエンドバンド1203は開窓を有するストラットを含む。図5Bでは、クロスリンク1241は、サイドバンドを第2のエンドバンドに接続する。クロスリンク1241は、第2のエンドバンドのトラフからサイドバンドのトラフに伸びている。サイドバンド及び第2のエンドバンドの間に伸びているクロスリンクは、1又は2以上の湾曲した部分を有する可撓性コネクタである。サイドバンドを第2のエンドバンドに接続するクロスリンクは、少なくとも1つのループを含み得る。
【0036】
さらに、本発明は、第1及び第2のエンドバンドに構成上類似したその他のエンドバンドであって、またらせん状に巻き、均一に被覆するのに好都合となるように第1又は第2のエンドバンドのいずれか一方に接続したその他のエンドバンドを企図する。図5Bでは、有窓ストラットを有する第3のエンドバンド1204が、クロスリンク1243により第2のエンドバンドに接続している。図5A及び5Bに示すように、本発明は、波形の又はパターン化されたサイドバンドに等しく接続していない、また互いに同一ではない第1及び第2のエンドバンドを企図する。サイドバンドと同様に、エンドバンドの任意の1つ又は全ては、有窓ストラットよりも細いゲージを有するループと共に接続された、1又は2以上の全面開窓又は部分開窓に好都合となるように十分に幅広いストラットを含み得る。
【0037】
主要ステント部品は、第2の部品により、らせん状に巻かれた位置に保持可能で、らせん巻状物を管状構造物に固定する。第2の部品は本明細書では固定部と呼び、これは主要ステント部品を管形状に固定するための1又は2以上の様々な手段であり得る。固定部は、中央部ステント本体のらせん巻状物、及び/又はエンドバンドにより直円柱の形成を維持する。一実施形態では、固定部は、繊維、シート、糸、又はリボンの形態の構造を含み、これらは、コイル状の主要ステント部品の中に包み込まれ、又はそれ自体が埋め込まれている。別の実施形態では、金属又は非金属材料で形成されたワイヤー又はリボンが、主要ステント部品が管状構成となるように維持する。この固定部は、当該固定部が破断したり剥離したりすることなく、らせん状の主要ステント部品が可撓性及び拡張性を有するのを可能にし、また主要ステント本体のコイル状の巻状物の間で、相対的に移動するのを可能にする材料を含む。そのような材料は、企図された構造物の具体的なニーズに応じて、連続又は不連続な状態で管状ステントに適用可能である。
【0038】
好ましくは、固定部は、移植中及び移植後に、弾性限界に達することなくステントが拡張し、また最大限屈曲するのを可能にする。弾性域は、特定のポリマーなどの使用材料における固有の弾性の結果、又は主要ステント部品との接続点間で非弾性材料にゆとりの長さが含まれることの結果である。固定部のなおも別の利点は、「ステントジェイル」現象の防止、又はステントによって覆われた側枝内へのトラッキングが複雑化することの防止である。更なる利点は、高い弾性域を有する特定の固定部構造では高い疲労抵抗性が得られることである。
【0039】
一実施形態では、固定部は生体適合性の材料であるポリマーである。生体適合性材料は耐久性のある、例えば、ポリエステル、ポリアンヒドリド、ポリエチレン、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリウレタン、ポリカーボネートウレタン、シリコーン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー及びコポリマー、ポリエーテル、セルロシックス、及び混合状態で、又はコポリマーとしてこれらを任意に組み合わせたものであり得る。特に有用なものとして、シリコーン骨格改変ポリカーボネートウレタン、及び/又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE,expanded polytetrafluoroethylene)であり得る。高弾性率(弾性域内の高伸長係数)を有する任意のポリマーが、固定部に特に適している。当該ポリマーは多孔性であってもよい。ポリマーが小さい繊維間距離を有する連続構造であるいくつかの実施形態では、当該ポリマーは薬物を溶出するためのマトリックスであってもよく、これによって均一な溶出ベッドを提供する。この種の多孔性の固定部は、その他の任意のステント構造に適用可能である。
【0040】
図6は、上記した図4のコイル状の主要ステント部品600を示し、多孔性で耐久性のあるポリマー固定部601が主要ステント部品600上に塗布されている。第1のサイドバンドの2つの隣り合うストラットは、「ディンプル」を備えたターン602により互いに接続されている。ターンにディンプルを含めることは、得られるステントの望ましい特性に応じた任意選択的な特徴である。図6は、ディンプルを有さない、また本実施形態においてクロスストラットが第1のサイドバンドを第2のサイドバンドに接続するポイントで採用されるターン603を示す。
【0041】
図7では、らせん状の主要ステント部品500は、ポリマーシート701内に管状構造を埋め込むことにより固定され、そして図2に示す主要ステント部品のコイル状の一形態を示しており、すなわち、ステントの隣り合うらせん状のコイルは空間的に隔てられているが、ステントは埋め込まれたポリマー固定部により、そのらせん状の構造を維持している形態を示している。固定部は隙間内に配置され、及び/又はステント全体を通じて埋め込まれ得る。一実施形態では、ポリマーシートは、中央部分をらせん状の形態に、またエンドバンドを円柱状の形態に保つように、ステント構造の一部を固定し得る、又はステント全体を完全に包み込むことができる。
【0042】
上記したように、ポリマーからなる固定部は、糸、ワイヤー、又はリボンの形態でも利用可能で、こうして主要ステント部品を、例えば一連の点を主要ステント部品と接続することにより固定する。1又は2以上の固定部としての糸、ワイヤー、又はリボンは、主要ステント部品とは異なるらせんの方向でステントにコイル状に巻かれていてもよい。特に、糸、ワイヤー、又はリボンは、らせん状に巻かれたストリップの方向とは逆向きのらせんでステントにコイル状に巻かれていてもよい。或いは、固定部はステントの縦軸に沿って配置され得る。主要ステント部品とは平行関係にない任意の方向で配置されると、それぞれの糸、ワイヤー、及びリボンは、ステントの全長にわたって規則的なパターンで主要ステント部品と重なり合うことができ、そしてらせん状のステントの本体構造を固定するのに効果的に機能し得る。固定部としての糸、ワイヤー、又はリボンは、接着手段、例えば、糊付け、ディップコーティング、スプレーコーティング等による結合も含め、様々な手段、例えば、溶接、接合、包埋、編込み、製織、圧接、結束、圧入等により、1又は2以上の重なり合った点で主要ステント部品に固定され得る。ポリマーからなる固定部は、ステントと共に、又はこれとは別に鋳型に注入することも可能であり、こうしてステント内で一体化した状態になる。糸、ワイヤー、又はリボンは、ステントの管形状を維持し、一方、上記で議論したポリマー材料の有する長さ方向に可撓な性質は、ステントの全体的な可撓性を高める。
【0043】
図8は、らせん状に巻かれたステントを示しており、主要ステント部品800は、2つのリボン801により所定の位置に固定されたらせん状に巻かれた管状構造を形成する。リボン801は、ステントの長さ方向に沿って伸びるポリマー材料である。リボンはステントの外面又は内面に固定可能で、又はらせん状に巻かれた主要ステント部品の中に埋め込まれ得る。図8では、主要ステント部品800は、主要ステント部品800と第2の部品であるリボン801のそれぞれとが交差する点で、各リボン801の中に埋め込まれている。
【0044】
図9は、らせん状に巻かれたステントを示しており、主要ステント部品1000は図2に類似した管状構造を形成し、また1又は2以上の固定部としてのワイヤー1001は、コイル状に巻かれたステント中央部本体部分の方向とは異なるらせん方向で巻かれている。固定部としてのワイヤー1001は、ステントに沿った接続部1002の様々な点において主要ステント部品1000に固定されており、こうしてらせん状の管状構造を維持している。
【0045】
ポリマーからなる固定部に加えて、金属及び/又は非金属を含む任意のその他の適する材料が、糸、ワイヤー、又はリボンの形態の固定部として、主要ステント部品を固定するのに利用可能である。金属又は非金属製の固定部としてのワイヤー、糸、又はリボンは、上記で明らかにしたような1又は2以上の様々な手段により、これらが重なり合う箇所で主要ステント部品に固定可能である。第2の部品を製造するために採用された材料が、望んだよりも長さ方向の可撓性に劣る場合には、接続点の間の糸、ワイヤー、又はリボンの長さを増加させることにより、可撓性を高めることができ、こうすることでステントが拡張又は屈曲した時に伸長可能な長さのゆとりが第2の部品に確保される。
【0046】
主要ステント部品がアモルファス金属合金であるいくつかの実施形態では、更なる利点が得られる、すなわち、腐食抵抗性、望ましくない恒久的な変形に対する抵抗性が向上し、及び/又は所定の金属の厚さに対する強度が高まる。また、アモルファス金属合金を含む本発明のステントは、結晶性又は多結晶性のこれらの相当物と比較して顕著に低い導電性も示し、又は非導電性である。かかる合金では、引張強度、弾性変形特性が向上し、デバイスに対して腐食をもたらす可能性が低減し得る。体内で繰り返し変形を受け、疲労にさらされるデバイスについて疲労抵抗性のある延長した寿命を実現するのに、これらは医療デバイスにおいて重要な特徴である。さらに、これらの特徴は、嵩高い従来型の相当物と強度は同じだが、より小型又は薄型のデバイスの製造を可能にする。
【0047】
別の実施形態では、主要ステント部品のアモルファス金属合金は半金属であってもよく、その非限定的な例として、ケイ素、ホウ素、及びリンが挙げられる。別の考え得るアモルファス金属合金としてはFe−Cr−B−P合金が挙げられる。多くのその他の類似した合金も適当であり、当業者にとって公知である。本発明の一実施形態は、材料の生体適合性によってのみ限定されるその他の材料から作製された部品と組み合わされた、少なくとも1つのアモルファス金属合金を含む管腔内プロテーゼを企図する。本発明の本実施形態は、1又は2以上のアモルファス金属合金を含むことができる。例えば、デバイスはステンレス鋼、コバルトクロム(「CoCr,cobalt chromium」)、NiTi又はその他の公知材料から構成される部品を有することができる。それなりの利点を有するこれらの合金の詳細は、米国特許第5,836,964号明細書及び同第5,997,703号明細書に開示されており、これらを本明細書において参考として明示的に援用する。
【0048】
アモルファス金属合金を製造する方法は、2009年4月22日に申請された米国特許出願シリアル番号第12/428,347号明細書に開示されており、その内容を本明細書において参考として援用する。本発明の非結晶性金属ステントは、1又は2以上のらせん状に巻かれた金属からなる平板ストリップから形成され得る。アモルファス金属合金は、金属が望ましくない結晶形態に戻ることがないように溶接するのは容易ではないので、本発明は、らせん状に巻かれたアモルファス金属合金の主要ステント部品のための固定部を企図し、さらに以下に記載する。
【0049】
主要ステント部品がアモルファス金属合金である場合、アモルファス金属合金を固定部と組み合わせる、又はこれに結合させる方法は、当技術分野で公知の特定の方法を用いて実現可能である。例えば、非結晶性金属の主要ステント部品の全部又は一部を被覆する生体適合性ポリマーからなる固定部は、管内で位置決めし、拡張させるために、並びにエンドバンドを円柱形状にするために、らせん巻状物を管形状に固定するのに利用可能である。固定方法のその他の非限定的な例として、物理的結合(例えば、編込み、製織、圧接、結束、圧入)及び接着法による結合(例えば、糊付け、ディップコーティング、スプレーコーティング)が挙げられる。これらの方法を組み合わせたものも、本発明により企図される。
【0050】
本発明の更なる利点として、固定部又は主要ステント部品の任意の箇所又は全部に、細胞増殖を阻害若しくは抑制する、又は狭窄を低減する治療薬が埋め込まれ得る。主要ステント部品は、薬物が配置された少なくとも1つの開窓を有し得る。かかる薬物の非限定的な例として、例えば、シロリムス、ラパマイシン、エベロリムス、及びパクリタキソール、並びにこれらのアナログが挙げられる。さらに、ステントは、ステントが管腔壁に埋め込まれた後、より長期間有利となる薬剤等の能動的又は受動的表面成分を有するように処理可能である。
【0051】
本発明のステントは、当技術分野で公知なようにバルーン拡張性、又は自己拡張性であり得る。バルーン拡張性のステントシステムが、ステントを送達するのに用いられる場合、当該ステントはバルーン上に取り付けられ、そしてカテーテルアセンブリが移植部位に配置される。次に、バルーンが膨張し、ステントの内側に半径方向に力が加わり、ステントはバルーンが拡張した直径まで拡張する。或いは、ステントは、自己拡張し得るが、この場合、ステントの拡張及び送達に好都合なバルーンは必要ない。
【0052】
本明細書に記載される一般的な概念は、本明細書に記載する特定の実施形態以外の異なる構成によるらせん状のステントを形成するのに利用可能である。本発明が上記で具体的に示され、記載されたものに限定されないことは、当業者には理解されよう。むしろ、本発明の範囲は下記の特許請求の範囲により規定される。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年4月22日に出願された米国特許出願第12/428,347号明細書の利益を主張し、その出願の全内容を参照により援用する。
【0002】
本発明は一般的にステントに関し、ステントは、血管等の体内の管腔を支持し、開通を保つために、又は管内のその他のエンドプロテーゼを固定及び支持するために、管腔の内部に移植される管腔内エンドプロテーゼデバイスである。
【背景技術】
【0003】
様々なステントが当技術分野で公知である。通常、ステントは管形状であるのが一般的であり、比較的小型の未拡張の径から拡張されたより大きな径に拡張可能である。移植のために、ステントは通常、カテーテルの末端に取り付けられており、当該ステントは比較的小型の未拡張の径の状態でカテーテルに保持される。カテーテルを用いて、未拡張のステントは、目標とする移植部位まで管腔を経由して到達する。ステントが目標とする移植部位に到達すると、当該ステントは通常バルーン又はステントを自己拡張させることにより拡張される。いずれの場合においても、拡張したステントは管腔が狭くなろうとする傾向に抵抗し、こうして管腔の開通性を維持する。
【0004】
ステントは金属製の管、又は平板シートから構成され得るが、平板シートはロール状にし、溶接、機械的な固定法、又は別の方法等により固定されてステントの管状構造を形成する。
【0005】
ステントの設計に関連する特許のいくつかの例として、Palmazの米国特許第4,733,665号明細書、Gianturcoの米国特許第4,800,882号明細書及び同第5,282,824号明細書、Hillsteadの米国特許第4,856,516号明細書及び同第5,116,365号明細書、Wiktorの米国特許第4,886,062号明細書及び同第4,969,458号明細書、Pinchukの米国特許第5,019,090号明細書、Palmaz及びSchatzの米国特許第5,102,417号明細書、Wolffの米国特許第5,104,404号明細書、Towerの米国特許第5,161,547号明細書、Cardon et al.の米国特許第5,383,892号明細書、Pinchasik et al.の米国特許第5,449,373号明細書、及びIsrael et al.の米国特許第5,733,303号明細書が挙げられる。
【0006】
ステントの一形態としてらせん状又はコイル状のステントが知られている。かかるステントの設計は、例えば米国特許第6,503,270号明細書及び同第6,355,059号明細書に記載されており、全体を本明細書において参照により援用する。かかるステント設計はらせん状ステントとして構成され、このステントでは、巻かれたセルのストリップからコイルが形成され、当該セルは一連の屈曲部を含む蛇行パターンを形成する。その他の類似したらせんコイル状のステント構造は当技術分野で公知である。
【0007】
従来のステント設計は、内腔をしっかりと支持できるようにステント拡張時に半径方向に対して十分な強度を確保することに重点が置かれている。しかし、半径方向に対して高い強度を有するステントは、ステントが移植される管腔よりも長さ方向に固い傾向も有する。ステントが移植される管腔よりも長さ方向に固いと、管腔のステントセクションと、ステントが存在しないセクションとの間で適合性に齟齬が生じること等から応力が集中するためステントの両端で管腔に傷害を与える頻度が増す可能性がある。さらに、ステントは、腔管が屈曲や伸長する本来の傾向を阻害する可能性がある。反対に、十分な可撓性を有するステントは、管腔壁に対する十分な、及び/又は均一な半径方向の支持力に欠ける場合が多い。従って、当技術分野では十分な半径方向の強度と高度な長さ方向の可撓性とがバランスしたステントについて継続的なニーズが存在する。
【0008】
当技術分野に存在する別の問題は、均一性のある高い可撓性と十分な半径方向の支持力とを有するステントを製造しつつ、コストを削減するためにステントの製造プロセスを単純化し、但し製造上の欠陥が生ずるのを防止しようとするときに生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,733,665号明細書
【特許文献2】米国特許第4,800,882号明細書
【特許文献3】米国特許第5,282,824号明細書
【特許文献4】米国特許第4,856,516号明細書
【特許文献5】米国特許第5,116,365号明細書
【特許文献6】米国特許第4,886,062号明細書
【特許文献7】米国特許第4,969,458号明細書
【特許文献8】米国特許第5,019,090号明細書
【特許文献9】米国特許第5,102,417号明細書
【特許文献10】米国特許第5,104,404号明細書
【特許文献11】米国特許第5,161,547号明細書
【特許文献12】米国特許第5,383,892号明細書
【特許文献13】米国特許第5,449,373号明細書
【特許文献14】米国特許第5,733,303号明細書
【特許文献15】米国特許第6,503,270号明細書
【特許文献16】米国特許第6,355,059号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、管腔の凹凸に適合し、留置後には管腔に均一な支持力を提供しつつ、屈曲した腔内に容易に追随することができるように長さ方向に可撓性のある、血管内で使用されるらせん状ステントを提供する。本発明のステントは主要ステント部品と第2のステント部品を含む。主要ステント部品は、金属又はアモルファス金属合金材料であり得る。アモルファス金属ステントの場合、当該ステントは、長さ方向の可撓性、反復する長さ方向の屈曲、圧迫、及びねじれに対する適合性と疲労抵抗性とを兼ね備えた従来型の金属製ステントの半径方向の支持力を有し、これら諸特性は金属ステントで実現可能な特性を上回ることができる。
【0011】
ステントに形成する際には、主要ステント部品は、ステントの縦軸に対して斜めの角度でらせん巻状物の管状構造を形成する。らせん巻状物は少なくともステントの中央部分に沿って伸びている。各巻状物は隣り合う巻状物と空間的に隔たっていても、また隣り合う巻状物と近接してもよい。ステントの縦軸に沿った巻状物間の距離は、具体的なステントのニーズに応じて変化し得る。管状のステントを形成するためにらせん状に巻かれる前に、主要ステント部品は平板なリボン又はストリップであり、これは波形(例えば、正弦曲線又はジグザグ状)又はセルのパターン化されたバンド(例えば、六角形構造又はその他の幾何学的構造)により画定される。当該ストリップは、ステントの長さ方向に沿ってらせん状に巻く1又は2以上のサイドバンド、並びにサイドバンドに対してある角度で配置された、サイドバンドの一端又は両端から伸びるエンドバンドから構成される。エンドバンドは、形成されたステントの一端又は両端に、ステントの縦軸に対して直円柱を形成するように構成される。サイドバンド及びエンドバンドは、例えば、一般的に正弦曲線、ジグザグ、六角形、又はその他の幾何学的構造を有する部分を含むと理解される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態では、主要ステント部品は、1又は2以上の全面開窓又は部分開窓を有するのに十分幅広い1又は2以上のストラットを有することができる。この有窓ストラットは、ループ又はターンにより接続され得るが、その幅は当該ループ又はターンにおいて可撓性を高めるように、有窓ストラットの幅よりも狭い。
【0013】
別の実施形態では、主要ステント部品は、巻状物間の空間が最小限となるように、各らせん巻状物が、らせん構造物の隣り合うらせん巻状物と近接するように設計され得る。すなわち、サイドバンドリボンがステントの外周を斜め方向に移動すると、1つの巻状物が、隣り合った、実質的に類似した巻状物と近接する。このようにして、ステントのらせん巻状物は、全体的なステントの可撓性を損なうことなく管内の壁の被覆性を強化する。らせん巻状物は互いに直接触れることなく相互に近接することができるので、形成されたステントの全体的な可撓性は、らせんコイルの隣り合う巻状物が近接してもこれから影響を受けない。
【0014】
第2のステント部品、すなわち固定部は、長さ方向の可撓性に一役を担う一方、主要ステント部品の管形状を維持するように機能する。固定部は、ステントに構造的支持手段を提供する。固定部は、主要ステント部品をなおも管形状に維持したまま、主要ステント部品に対して、ステントが拡張又は屈曲した際には、固定部はステントの全体的な可撓性に寄与するように配置、固定される。固定部は、繊維、ワイヤー、糸、リボン、ストリップ、ポリマー、メッシュ等であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による、パターン化されたバンドを有する平板なリボンから構成される主要ステント部品を示す図である。
【図2】隣り合うらせん巻状物の間に空間を有する管形状に形成されたパターン化されたバンドからなる主要ステント部品を示す図である。
【図3】主要ステント部品のらせん巻状物が隣り合うらせん巻状物と近接した状態にある別の実施形態を示す図である。
【図4】パターン化されたバンドを有する平板なリボンから構成され、また1又は2以上の典型的な開窓を有するストラットを備える主要ステント部品の実施形態を示す図である。
【図4A】図4の主要ステント部品のエンドバンドの拡大図である。
【図5】波形を有する平板なリボンから構成され、1又は2以上の典型的な開窓を有するストラットを備えた主要ステント部品を示す図である。
【図5A】図5の平板なリボンの第1のエンドバンドの拡大図である。
【図5B】図5の平板なリボンの第2のエンドバンドの拡大図である。
【図6】固定部構造及び主要ステント部品の写真を示す図である。
【図7】パターン化されたバンドを有し、固定部に埋め込まれたらせん状の主要ステント部品の実施形態を示す図である。
【図8】複数のリボン状の固定部に埋め込まれたらせん状の主要ステント部品の実施形態を示す図である。
【図9】分離した点で緊結された複数のらせん状の固定部により保持されたらせん状の主要ステント部品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、らせん状ハイブリッドステントとして定義される、管腔内プロテーゼの新規クラスを提供する。以下でさらに説明されるように、本発明のステントは、らせん管状構造の形態にある主要ステント部品を含み、同部品は第2のステント部品、すなわち固定部により管形状に維持され得る。この主要ステント部品は、らせん状ステントを形成するようにらせん状に巻かれた、連続した波形の又はパターン化されたストリップから形成される。このストリップは、管状のらせん状ステント内に円筒状の環を形成する端面を有する。従って、本発明の一特徴は、ステントの両端に円筒状の環が隣接したらせん構造を有するステントの中央部本体である。中央部本体部分を形成するストリップはそれぞれ波形を有する1又は2以上のサイドバンドを備え、一方、端面は、波形を有する1又は2以上のエンドバンドを備える。各エンドバンドは、サイドバンドに対してオフセットした角度でサイドバンドと接続され、サイドバンド側に逆転して伸長し得る。サイドバンド及びエンドバンドの波形を形成するストラットの長さは、らせん巻状物に役立つように均一であっても、また変化してもよい。サイドバンド又はエンドバンドは、クロスストラットで互いに接続することもできる。クロスストラットの長さ及び形状はストリップの長さ全体を通じて変化し得るが、クロスストラットは1又は2以上のループを含むことができる。らせん状に巻かれたステントの波形は、均一な被覆を増強するために隣り合うらせん波形と近接することができる。主要ステント部品は、任意の従来の金属物質又はアモルファス金属合金から形成され得る。
【0017】
本明細書の新規らせん状ステントのいずれにおいても、主要ステント部品は、サイドバンド及び/又はエンドバンド内に、任意の適する形状及びサイズからなるフルの又は部分的な開窓を有するストラットも含み得る。開窓は、らせん状ステントの凹部内に臨床的有用性を有する治療薬を配置するのを可能にする。ステントは、開窓に好都合なように十分な幅のストラット、及び得られたステントが屈曲、拡張するのを容易にするのに十分小さな寸法の、ストラットと接続したループから構成され得る。
【0018】
主要ステント部品は開窓又はネスリングの有無を問わず、別の発明の特徴、すなわち固定部により所定の位置に保持され得る。固定部は、接着手段、例えば、糊付け、ディップコーティング、スプレーコーティング等による結合も含めて、当技術分野で公知の様々な手段、例えば、溶接、接合、包埋、編込み、製織、圧接、結束、主要ステント部品と共に行われる鋳型への圧入又は注入のいずれかによって、主要ステント部品に固定されるポリマー、繊維、ワイヤー、糸、バンド、リボン、メッシュ、又はシートの任意の形態を含み得る。固定部は、円周方向、らせん方向、縦方向又はこれら以外の方向に配向可能であり、またステントが拡張又は屈曲した際には、当該固定部は、当該主要ステント部品をなおも管形状に保ちつつ、当該ステントの全体的な可撓性に役立つように、主要ステント部品の一部又は全部に固定され、又は埋め込まれ得る。
【0019】
主要ステント部品は、当技術分野で公知の方法、又は本明細書に記載する方法を用いて、ストリップから形成され、パターン化され得る。図1は本明細書の実施形態を示し、この図では主要ステント部品はパターン化されたバンドとして形成されるが、非コイル状態、すなわち平板な形状で示されている。図1に示すように、リボンのパターンは、波形の第1のサイドバンド401と波形の第2のサイドバンド402とが相互接続することにより画定される1列のセル430を含む。また、エンドバンド406及び407は、サイドバンド401及び402に対して斜めの角度で伸びている。主要ステント部品は管形状に形成されるので、セル430の列は、ステントの縦軸の中央部分に沿った連続らせん巻状物となる一方、エンドバンド406及び407は、ステントの各末端で直円柱形状を形成する。このような方法で平板なパターン化されたバンドから、管状でらせん状の中央部本体部分を形成することは、設計が既存の管状材料から形成されるようなプロセスとは区別される。
【0020】
図1では、第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は概して平行方向に伸長するが、但し、第1のサイドバンドが第2のサイドバンドに向かって先細くなり、また第2のサイドバンドが第1のサイドバンドに向かって先細くなる、サイドバンドの一端を除く。図1に示すように、第1のサイドバンド401の波形パターンは、第2のサイドバンド402に向かって伸びているトラフ(例えば、410、411)、及び第2のサイドバンド402から遠ざかるピーク(例えば、414、415)を含む。同様に、第2のサイドバンド402の波形は、第1のサイドバンド401に向かって伸びているトラフ(例えば、412、413)、及び第1のサイドバンド401から遠ざかるピーク(例えば、416、417)を含む。このように、図1では、第1及び第2のサイドバンドは、互いに逆位相で配置している(トラフは実質的にトラフと同期する)。別の実施形態では、第1及び第2のサイドバンドはピークとトラフが実質的に同期するように同位相であり得る。
【0021】
図1では、ピーク(416、417)及びトラフ(412、413)を画定するサイドバンドのストラットは、中央部ストリップ部分では実質的に等しい長さを有するが、サイドバンドが互いに向かって先細りになるに従い短めになる。図1の実施形態では、第1のサイドバンド401、及び第2のサイドバンド402は、複数の第1のクロスストラット403によって互いに接続され、セルの列を画定する。特に、第1のサイドバンド401の少なくとも1つのトラフ(例えば411)は、図1の第1のクロスストラット403を介して第2のサイドバンド402の対応するトラフ(例えば413)と接続している。従って、この実施形態では、一連のセルが形成され、各セル430は、隣り合うサイドバンドが結合することにより個別に画定されて、クロスストラットにより閉鎖した空間が形成される。例えば、中央部ストリップ部分のセルは、トラフ410及び411間の第1のサイドバンドの部分、トラフ412及び413間の第2のサイドバンドの部分、及びトラフ410と412及びトラフ411と413をそれぞれ接続する第1のクロスストラット403により画定される。
【0022】
代替的実施形態では、第1のクロスストラット403の数、長さ、及び形状は、図1に示すものとは異なってもよい。例えば、第1のクロスストラット403は、第1のバンド401及び第2のバンド402を一定の間隔で、とりわけ、トラフ毎に、第2のトラフ毎に、第3のトラフ毎に、又は第4のトラフ毎等に接続することができ、これにより、より大きなセル、又は異なる幾何学特性を有するセルが形成される。また、クロスストラットは省略可能で、第1のサイドバンドは第2のサイドバンドに直接接続され得る。例えば、セル449は、ダイアモンド形の形状であり、第1及び第2のサイドバンドの波形によってのみ画定される。他の実施形態では、第1のクロスストラット403は第1のサイドバンド401、及び第2のサイドバンド402を、異なる、不規則な間隔で接続し得る。可変の、不規則な間隔で接続すると、連続した主要ステント部品に沿って、特定の用途にふさわしいと考えられるような様々な異なるサイズのセルを形成することができる。さらに、クロスストラットは第1のサイドバンドのピークと第2のサイドバンドのトラフ、又は第1のサイドバンドのトラフと第2のサイドバンドのピークを接続し得る。
【0023】
第1のクロスストラット403は、図1に示すように、相互に比較して、サイドバンド401、402と比較して同一の幅をそれぞれ有し得る。或いは、第1のクロスストラット403は、特定の用途にふさわしいように第1及び第2のサイドバンド401、402とは異なる幅、又は互いに異なる幅を有し得る。クロスストラットは、第1及び第2のサイドバンド401、402の隣り合うトラフ又はオフセットトラフを接続し得る。さらに、第1のクロスストラット403は、直線状の部材を含み得、又は1つ若しくは2つ以上のループを含み得る。図1に示すように、異なるセル形状を有するステントが形成可能なように、異なる形状のクロスストラット又はクロスストラットを用いない方式も、ステントの特定の用途に応じて、単一ステント設計において代替的に採用可能である。典型的なセル形状は、米国特許第7,141,062号明細書(三角形のセル)、又は同第5,733,303号明細書(四角形のセル)に開示されており、四角形及び三角形のセル構造に関する開示を、本明細書において参考として上記特許から援用する。四角形のセルは半径方向に支持する要素の間に4箇所の接続部を有し、一方、三角形のセルは半径方向に支持する要素の間に3箇所の接続部を有する。サイド及びエンドバンドの波形は、本発明の半径方向に支持する要素を提供する。
【0024】
図1に示す実施形態において、主要ステント部品400のサイドバンド401及び402は、各末端で先細りになっている。クロスストラット403の長さは、主要ステント部品400の各末端に向かって短くなっており、こうして第1及び第2のサイドバンド401、402は、より密接に配置し、最終的には接続部404及び405で直接接続している。短尺化したクロスストラットの代わりに、又はそれに加えて、サイドバンドは、波形中のストラットの長さを減じることにより互いに先細りとなり得る。
【0025】
図1のサイドバンド401及び402の一端又は両端から伸びているのはエンドバンド406及び407である。従って、第1のエンドバンド406は、第1のサイドバンド401の一般的な方向からオフセットし、傾斜した方向に第1のサイドバンド401の末端から伸びている。図1では、ストリップを平置きしたときに第1のエンドバンドは、第1のサイドバンドの方向に対して45度未満の角度で第1のサイドバンドの方向に逆転して伸びている。第2のエンドバンド407は、第2のサイドバンド402の一般的な方向からオフセットし、傾斜した一般的な方向で、第1のエンドバンドと反対側に第2のサイドバンド402の末端から伸びている。図1では、ストリップを平置きしたときに第2のエンドバンドも、やはり第2のサイドバンドの方向に対して45度未満の角度で第2のサイドバンドの方向に逆転して伸びている。管状のステントを形成する際には、エンドバンド406及び407は、ステントの各末端で直円柱を形成するように構成され、ストリップのらせん巻状物の両端に隣接している。第1のエンドバンド406は第1の端部450及び第2の端部451を有する。管形状をとる時には、第1の端部450は第2の端部451と共に、ステントの縦軸に対して直円柱を形成するように移動する。第2のエンドバンド403は、第1の端部452及び第2の端部453を有する。管形状をとる時には、第1の端部452は第2の端部453と共に、ステントの縦軸に対して直円柱を形成するように移動する。以下でさらに説明されるように、端部450及び451は恒久的に接続することができ、或いは、固定部により所定の位置に保持可能であり、同部品はステントの縦軸に対して直円柱が形成されるように、2つの端部を近傍に保持可能である。
【0026】
第1のエンドバンド406及び第2のエンドバンド407は、それぞれストラット及びループ又はターンを有する波形を含む。第1のエンドバンド406は、第1のサイドバンド401に向かって伸長するトラフ(例えば、418、419)、及び第1のサイドバンド401から遠ざかるピーク(例えば、422、423)を有する。同様に第2のエンドバンド407は、第2のサイドバンドに向かって伸長するトラフ(例えば、420、421)、及び第2のサイドバンド402から遠ざかるピーク(例えば、424、425)を有する。第1のエンドバンド406は、例えば、トラフ418のところで第1のサイドバンド401に直接接続しているが、第1のエンドバンド406は第1のサイドバンドから角度的に遠ざかるように伸びているので、第2のクロスストラット426は第1のエンドバンド406を第1のサイドバンド401と接続する。同様に、第2のエンドバンド407は、例えばトラフ420のところで第2のサイドバンド402と直接接続しているが、第2のエンドバンド407は第2のサイドバンドから角度的に遠ざかるように伸びているので、第2のクロスストラット426は第2のエンドバンド407を第2のサイドバンド402に接続する。図1に示すように、第2のクロスストラット426は、隣り合うエンドバンド及び/又はサイドバンドと共に接続点の間に1又は2以上のループを含み得る。第1のエンドバンド406及び第2のエンドバンド407のピークは、図1により示されるように、ピーク(例えば、423、424)から伸びる追加の環状構造を有していてもよい。
【0027】
さらに、波形を有する第3のエンドバンド408は、第1のエンドバンド406に対して概して平行な位置関係で配置され、第3のエンドバンドのトラフ、例えば427は第1のエンドバンドに向かって伸び、また前記第1のエンドバンドに直接接続される。波形を有する第4のエンドバンド409は、第2のエンドバンド407に対して概して平行な位置関係で配置され、第4のエンドバンドのトラフ、例えば428は第2のエンドバンドに向かって伸びている。
【0028】
図2は、らせん状に巻かれて管状構造になった図1の主要ステント部品400を示す。主要ステント部品400内のセル430からなるストリップは、中央部分にらせん巻状物を形成し、同巻状物中では1つの巻状物内のある1つのセルは隣り合う巻状物のセルから長さ方向に空間的に隔たっている。第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は、クロスストラット403によって接続され、第1及び第2のサイドバンドがステントの縦軸に沿って交互に配置するように、ステントの縦軸の周りにらせん状に巻かれる。図2に示すようにらせん状に巻かれたステントでは、第1のサイドバンド401は、隣り合う第2のサイドバンド402と隣接し、クロスストラット403によって接続されるが、また隣り合う巻状物402”の第2のサイドバンドとも隣接し、この場合は接続されない。同様に、第2のサイドバンド402も、らせん状のステント内の長さ方向で隣り合う第1のサイドバンド401’とは接続されない。エンドバンド406及び407は、管状構造の両端を固定し、またステントの縦軸に対して実質的に直円柱状の環を形成する。空間、例えば431及び432は、隣り合う巻状物、例えば433、434、435の間に存在する。図2では、第1及び第2のサイドバンド401及び402は、クロスストラットが存在することにより、又は空間を有するらせん状ストリップの巻状物により互いに隔てられている。さらに、固定部は、以下で議論されるように、隣り合う巻状物の間の空間を保持し得る。
【0029】
図3は本発明の別の実施形態によるステントを示しており、らせん状のコイルの周期の間に長さ方向の空間がほとんど、又は実質的に存在しないようにらせん巻状物は配置されている。すなわち、図3が示すように、第1のらせん巻状物460のピーク(例えば、414、415)は、第2のらせん巻状物461のトラフ(例えば、412、413)に向かって近接している。一方、第1のサイドバンド401は第2のサイドバンド402に対して実質的に平行な状態のままである。同様に、第2のらせん巻状物461のピーク(例えば、416、417)は、第1のらせん巻状物460のトラフ(例えば、410、411)に向かって近接している。第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402の間で直接的な接触が生じないように、近接するサイドバンドを配置するのが望ましいと考えられる。第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は、実質的に類似するが、反対の波形が整列するように配置されるので、第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は、形成されたステントの全長にわたり互いにこのような形で接近することができる。同一の長さのストラットを有するサイドバンドも近接するのに役立つ。このようにして、第1のサイドバンド401及び第2のサイドバンド402は、互いに近接するものとして説明され得る。図3では、第1及び第2のサイドバンド401及び402は、クロスストラットが存在することのみにより空間的に隔たっている。示す通り、近接する巻状物間の距離はクロスストラット403の長さよりも短い。さらに、第1のサイドバンド及び隣り合う第2のサイドバンドの間で直接的に接続することなく、第1のサイドバンドはらせん状で隣り合う第2のサイドバンドに向かって近接している。図3のステントは、以下でさらに議論するように、隣り合う巻状物が近接すると、ステントの可撓性を全く損なうことなく、管腔壁及び/又は固定部において支持されない領域が最小限に抑えられ、拡張した時に管内に固定部が垂れ下がるのを防止するという更なる利点を有する。さらに、らせん状のコイルが分離した状態で近接すると、管形状で構造を維持するのに役立ち得る。
【0030】
図4は代替的実施形態を表し、主要ステント部品1300は平板な形状、すなわち非コイル状態で提示されている。示す通り、主要ステント部品1300は、長さ方向にパターン化されたバンドを有する。図1の実施形態と同様に、図4の主要ステント部品1300の設計には、第1のサイドバンド1301、第2のサイドバンド1302、第1のエンドバンド1306、第2のエンドバンド1307、第3のエンドバンド1308、及び第4のエンドバンド1309が含まれる。管形状では、サイドバンド1301及び1302は、ステント本体の中央部分として連続したらせん巻状物を形成する一方、第1及び第2のエンドバンド1306及び1307は、ステントの末端環として、ステントの縦軸に対して直円柱を形成する。第1のエンドバンドでは、第1の端部1350は第2の端部1351と共に移動し、一方第2のエンドバンドでは、第1の端部1352は第2の端部1353と共に移動する。主要ステント部品1300は、治療物質を配置することができる1又は2以上の開窓を有するストラットを備える。
【0031】
各バンドは、例えば図4に示すように、1又は2以上の開窓を有するように十分な幅のストラットと共に形成される。主要ステント部品1300の有窓ストラットは、任意の幾何学的形状であり得、これには、円形、楕円形、又は長方形が含まれ、但しこれらに限定されない。さらに、開窓は、ストラットの厚さ全体に展開し得る(全面開窓)、又は部分的にのみ展開し得る(部分開窓)が、この場合にはストラットの一方の側のみが開口する(管形状の管腔側又は反管腔側)。また、ステントは、1つのストラット上で、又は異なるストラット間において異なるサイズ、数、及び形状を有する開窓を有するストラットも有し得る。本発明は、サイド及び/又はエンドバンドの一方又は両方に全面開窓及び/又は部分開窓を有するストラットを企図する。サイドバンドのピーク及びトラフを画定するストラットでは、得られたらせん状に巻かれたステント構造にとって望ましい形状をとりやすいように主要ステント部品の長さ方向に沿って長さが変化し、また開窓の数も変化し得る。例えば、図4Aではサイドバンドストラット1358及び1359は、エンドバンドストラット1356及び1357と同様に長さが異なる。有窓ストラットは、ループ又はターン1370により接続されており、その材料は、可撓性を高めるように有窓ストラットの材料よりも細めである。
【0032】
図5は、なおも本発明の別の実施形態を示し、主要ステント部品1200は平板な形状、すなわち非コイル状態で提示されている。示す通り、主要ステント部品1200は、平置きされたときには、長さ方向で単一のサイドバンド1201である。サイドバンド1201は、クロスストラット1240及び1241により、それぞれ第1のエンドバンド1202及び第2のエンドバンド1203に取り付けられている。サイドバンド1201は、同一又は異なる長さを有するストラットにより画定されるピーク(例えば、1210、1212)及びトラフ(例えば、1211、1213)が交互に入れ替わるパターンを含む。各サイド及びエンドバンドは、図4について上記したように、また図5にも適用可能なように、1又は2以上の全面開窓又は部分開窓を埋め込むのに十分な幅を有するストラットで形成される。有窓ストラットは、可撓性を高めるように有窓ストラットの材料よりも細めのループ又はターン1270により接続されている。図5Aに示すように、ストラットは長さが変化しており、また各ストラット内の開窓の数も異なる。例えば、ストラット1217は、ストラット1215とは異なる長さ及び開窓の数を有する。ストラット1216はストラット1215とは異なる長さを有するが、同一数の開窓を有する。並びに、ストラット1214及び1215は同一の長さ、及び開窓の数を有する。図5Aのステントでは、第1のサイドバンド1201の各末端の近傍のストラット(例えば、1217)は、ストラット1214及び1215とは異なる長さを有することができ、またらせん巻状物に役立つように構成される。
【0033】
エンドバンド1202及び1203は、構造物を丸めてステントにしたときに周縁環を形成する。第1のエンドバンド1202及び第2のエンドバンド1203は、サイドバンド1201の一般的な方向から角度的にオフセットした方向にサイドバンド1201の各末端から伸びている。エンドバンド1202及び1203は、ステントの各末端で直円柱が形成されるように構成され、構造物を巻いてステントの状態にするときに中央部ステント本体のらせん巻状物に隣接する。第1のエンドバンド1202は、第1の端部1250及び第2の端部1251を有する。管形状では、第1の端部1250は第2の端部1251と共に移動して、ステントの縦軸に対して直円柱を形成する。第2のエンドバンド1203は、第1の端部1252及び第2の端部1253を有する。管形状では、第1の端部1252は第2の端部1253と共に移動して、ステントの縦軸に対して直円柱を形成する。以下でさらに説明するように、端部(1250及び1251;1252及び1253)は、恒久的に固定され得る、或いは、固定部により所定の位置に保持可能であり、同部品はステントの縦軸に対して直円柱を維持するように2つの端部を近傍に保持可能である。
【0034】
図5Aでは、第1のエンドバンド1202は波形のバンドを備える。第1のエンドバンド1202の方向は、サイドバンド1201の方向に対してある角度でオフセットしている。図5Aでは、ステントを平置きにしたときに、サイドバンドから伸びている第1のエンドバンドは、ステントの中央部本体に対して45度未満の角度にある。第1のエンドバンド1202の波形パターンは、交互に入れ替わるピーク(例えば、1219、1221)及びトラフ(例えば、1220、1222)を含む。第1のエンドバンドのトラフ(1220、1222)はサイドバンドの方向に伸びているが、一方、ピーク(1219、1221)はサイドバンドから遠ざかる。第1のエンドバンド1202も開窓を有するストラットを含むことができる。図5Aでは、クロスリンク1240及び1242は、例えばサイドバンドを第1のエンドバンドに接続する。クロスリンク1240及び1242は、第1のエンドバンドのトラフからサイドバンドのピークに伸びている。サイドバンド及び第1のエンドバンドの間に伸びるクロスリンクは、1又は2以上の湾曲した部分を有する可撓性コネクタである。本発明は、クロスリンクが1又は2以上のループを含み得る実施形態についても企図する。
【0035】
図5Bでは、第2のエンドバンド1203も波形のバンドを含む。第2のエンドバンド1203の方向は、サイドバンド1201の方向に角度的にオフセットしている。好ましくは、ステントを平置きにしたときに、第2のエンドバンドはサイドバンドから45度未満の角度でステントの中央部本体に伸びている。第2のエンドバンド1203の波形パターンは、交互に入れ替わるピーク(例えば、1223、1225)及びトラフ(例えば、1224、1226)を含む。第2のエンドバンドのトラフ(1224、1226)は、サイドバンドの方向に伸びているが、一方、ピーク(1223、1225)はサイドバンドから遠ざかる。第2のエンドバンド1203は開窓を有するストラットを含む。図5Bでは、クロスリンク1241は、サイドバンドを第2のエンドバンドに接続する。クロスリンク1241は、第2のエンドバンドのトラフからサイドバンドのトラフに伸びている。サイドバンド及び第2のエンドバンドの間に伸びているクロスリンクは、1又は2以上の湾曲した部分を有する可撓性コネクタである。サイドバンドを第2のエンドバンドに接続するクロスリンクは、少なくとも1つのループを含み得る。
【0036】
さらに、本発明は、第1及び第2のエンドバンドに構成上類似したその他のエンドバンドであって、またらせん状に巻き、均一に被覆するのに好都合となるように第1又は第2のエンドバンドのいずれか一方に接続したその他のエンドバンドを企図する。図5Bでは、有窓ストラットを有する第3のエンドバンド1204が、クロスリンク1243により第2のエンドバンドに接続している。図5A及び5Bに示すように、本発明は、波形の又はパターン化されたサイドバンドに等しく接続していない、また互いに同一ではない第1及び第2のエンドバンドを企図する。サイドバンドと同様に、エンドバンドの任意の1つ又は全ては、有窓ストラットよりも細いゲージを有するループと共に接続された、1又は2以上の全面開窓又は部分開窓に好都合となるように十分に幅広いストラットを含み得る。
【0037】
主要ステント部品は、第2の部品により、らせん状に巻かれた位置に保持可能で、らせん巻状物を管状構造物に固定する。第2の部品は本明細書では固定部と呼び、これは主要ステント部品を管形状に固定するための1又は2以上の様々な手段であり得る。固定部は、中央部ステント本体のらせん巻状物、及び/又はエンドバンドにより直円柱の形成を維持する。一実施形態では、固定部は、繊維、シート、糸、又はリボンの形態の構造を含み、これらは、コイル状の主要ステント部品の中に包み込まれ、又はそれ自体が埋め込まれている。別の実施形態では、金属又は非金属材料で形成されたワイヤー又はリボンが、主要ステント部品が管状構成となるように維持する。この固定部は、当該固定部が破断したり剥離したりすることなく、らせん状の主要ステント部品が可撓性及び拡張性を有するのを可能にし、また主要ステント本体のコイル状の巻状物の間で、相対的に移動するのを可能にする材料を含む。そのような材料は、企図された構造物の具体的なニーズに応じて、連続又は不連続な状態で管状ステントに適用可能である。
【0038】
好ましくは、固定部は、移植中及び移植後に、弾性限界に達することなくステントが拡張し、また最大限屈曲するのを可能にする。弾性域は、特定のポリマーなどの使用材料における固有の弾性の結果、又は主要ステント部品との接続点間で非弾性材料にゆとりの長さが含まれることの結果である。固定部のなおも別の利点は、「ステントジェイル」現象の防止、又はステントによって覆われた側枝内へのトラッキングが複雑化することの防止である。更なる利点は、高い弾性域を有する特定の固定部構造では高い疲労抵抗性が得られることである。
【0039】
一実施形態では、固定部は生体適合性の材料であるポリマーである。生体適合性材料は耐久性のある、例えば、ポリエステル、ポリアンヒドリド、ポリエチレン、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリウレタン、ポリカーボネートウレタン、シリコーン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカプロラクトン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー及びコポリマー、ポリエーテル、セルロシックス、及び混合状態で、又はコポリマーとしてこれらを任意に組み合わせたものであり得る。特に有用なものとして、シリコーン骨格改変ポリカーボネートウレタン、及び/又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE,expanded polytetrafluoroethylene)であり得る。高弾性率(弾性域内の高伸長係数)を有する任意のポリマーが、固定部に特に適している。当該ポリマーは多孔性であってもよい。ポリマーが小さい繊維間距離を有する連続構造であるいくつかの実施形態では、当該ポリマーは薬物を溶出するためのマトリックスであってもよく、これによって均一な溶出ベッドを提供する。この種の多孔性の固定部は、その他の任意のステント構造に適用可能である。
【0040】
図6は、上記した図4のコイル状の主要ステント部品600を示し、多孔性で耐久性のあるポリマー固定部601が主要ステント部品600上に塗布されている。第1のサイドバンドの2つの隣り合うストラットは、「ディンプル」を備えたターン602により互いに接続されている。ターンにディンプルを含めることは、得られるステントの望ましい特性に応じた任意選択的な特徴である。図6は、ディンプルを有さない、また本実施形態においてクロスストラットが第1のサイドバンドを第2のサイドバンドに接続するポイントで採用されるターン603を示す。
【0041】
図7では、らせん状の主要ステント部品500は、ポリマーシート701内に管状構造を埋め込むことにより固定され、そして図2に示す主要ステント部品のコイル状の一形態を示しており、すなわち、ステントの隣り合うらせん状のコイルは空間的に隔てられているが、ステントは埋め込まれたポリマー固定部により、そのらせん状の構造を維持している形態を示している。固定部は隙間内に配置され、及び/又はステント全体を通じて埋め込まれ得る。一実施形態では、ポリマーシートは、中央部分をらせん状の形態に、またエンドバンドを円柱状の形態に保つように、ステント構造の一部を固定し得る、又はステント全体を完全に包み込むことができる。
【0042】
上記したように、ポリマーからなる固定部は、糸、ワイヤー、又はリボンの形態でも利用可能で、こうして主要ステント部品を、例えば一連の点を主要ステント部品と接続することにより固定する。1又は2以上の固定部としての糸、ワイヤー、又はリボンは、主要ステント部品とは異なるらせんの方向でステントにコイル状に巻かれていてもよい。特に、糸、ワイヤー、又はリボンは、らせん状に巻かれたストリップの方向とは逆向きのらせんでステントにコイル状に巻かれていてもよい。或いは、固定部はステントの縦軸に沿って配置され得る。主要ステント部品とは平行関係にない任意の方向で配置されると、それぞれの糸、ワイヤー、及びリボンは、ステントの全長にわたって規則的なパターンで主要ステント部品と重なり合うことができ、そしてらせん状のステントの本体構造を固定するのに効果的に機能し得る。固定部としての糸、ワイヤー、又はリボンは、接着手段、例えば、糊付け、ディップコーティング、スプレーコーティング等による結合も含め、様々な手段、例えば、溶接、接合、包埋、編込み、製織、圧接、結束、圧入等により、1又は2以上の重なり合った点で主要ステント部品に固定され得る。ポリマーからなる固定部は、ステントと共に、又はこれとは別に鋳型に注入することも可能であり、こうしてステント内で一体化した状態になる。糸、ワイヤー、又はリボンは、ステントの管形状を維持し、一方、上記で議論したポリマー材料の有する長さ方向に可撓な性質は、ステントの全体的な可撓性を高める。
【0043】
図8は、らせん状に巻かれたステントを示しており、主要ステント部品800は、2つのリボン801により所定の位置に固定されたらせん状に巻かれた管状構造を形成する。リボン801は、ステントの長さ方向に沿って伸びるポリマー材料である。リボンはステントの外面又は内面に固定可能で、又はらせん状に巻かれた主要ステント部品の中に埋め込まれ得る。図8では、主要ステント部品800は、主要ステント部品800と第2の部品であるリボン801のそれぞれとが交差する点で、各リボン801の中に埋め込まれている。
【0044】
図9は、らせん状に巻かれたステントを示しており、主要ステント部品1000は図2に類似した管状構造を形成し、また1又は2以上の固定部としてのワイヤー1001は、コイル状に巻かれたステント中央部本体部分の方向とは異なるらせん方向で巻かれている。固定部としてのワイヤー1001は、ステントに沿った接続部1002の様々な点において主要ステント部品1000に固定されており、こうしてらせん状の管状構造を維持している。
【0045】
ポリマーからなる固定部に加えて、金属及び/又は非金属を含む任意のその他の適する材料が、糸、ワイヤー、又はリボンの形態の固定部として、主要ステント部品を固定するのに利用可能である。金属又は非金属製の固定部としてのワイヤー、糸、又はリボンは、上記で明らかにしたような1又は2以上の様々な手段により、これらが重なり合う箇所で主要ステント部品に固定可能である。第2の部品を製造するために採用された材料が、望んだよりも長さ方向の可撓性に劣る場合には、接続点の間の糸、ワイヤー、又はリボンの長さを増加させることにより、可撓性を高めることができ、こうすることでステントが拡張又は屈曲した時に伸長可能な長さのゆとりが第2の部品に確保される。
【0046】
主要ステント部品がアモルファス金属合金であるいくつかの実施形態では、更なる利点が得られる、すなわち、腐食抵抗性、望ましくない恒久的な変形に対する抵抗性が向上し、及び/又は所定の金属の厚さに対する強度が高まる。また、アモルファス金属合金を含む本発明のステントは、結晶性又は多結晶性のこれらの相当物と比較して顕著に低い導電性も示し、又は非導電性である。かかる合金では、引張強度、弾性変形特性が向上し、デバイスに対して腐食をもたらす可能性が低減し得る。体内で繰り返し変形を受け、疲労にさらされるデバイスについて疲労抵抗性のある延長した寿命を実現するのに、これらは医療デバイスにおいて重要な特徴である。さらに、これらの特徴は、嵩高い従来型の相当物と強度は同じだが、より小型又は薄型のデバイスの製造を可能にする。
【0047】
別の実施形態では、主要ステント部品のアモルファス金属合金は半金属であってもよく、その非限定的な例として、ケイ素、ホウ素、及びリンが挙げられる。別の考え得るアモルファス金属合金としてはFe−Cr−B−P合金が挙げられる。多くのその他の類似した合金も適当であり、当業者にとって公知である。本発明の一実施形態は、材料の生体適合性によってのみ限定されるその他の材料から作製された部品と組み合わされた、少なくとも1つのアモルファス金属合金を含む管腔内プロテーゼを企図する。本発明の本実施形態は、1又は2以上のアモルファス金属合金を含むことができる。例えば、デバイスはステンレス鋼、コバルトクロム(「CoCr,cobalt chromium」)、NiTi又はその他の公知材料から構成される部品を有することができる。それなりの利点を有するこれらの合金の詳細は、米国特許第5,836,964号明細書及び同第5,997,703号明細書に開示されており、これらを本明細書において参考として明示的に援用する。
【0048】
アモルファス金属合金を製造する方法は、2009年4月22日に申請された米国特許出願シリアル番号第12/428,347号明細書に開示されており、その内容を本明細書において参考として援用する。本発明の非結晶性金属ステントは、1又は2以上のらせん状に巻かれた金属からなる平板ストリップから形成され得る。アモルファス金属合金は、金属が望ましくない結晶形態に戻ることがないように溶接するのは容易ではないので、本発明は、らせん状に巻かれたアモルファス金属合金の主要ステント部品のための固定部を企図し、さらに以下に記載する。
【0049】
主要ステント部品がアモルファス金属合金である場合、アモルファス金属合金を固定部と組み合わせる、又はこれに結合させる方法は、当技術分野で公知の特定の方法を用いて実現可能である。例えば、非結晶性金属の主要ステント部品の全部又は一部を被覆する生体適合性ポリマーからなる固定部は、管内で位置決めし、拡張させるために、並びにエンドバンドを円柱形状にするために、らせん巻状物を管形状に固定するのに利用可能である。固定方法のその他の非限定的な例として、物理的結合(例えば、編込み、製織、圧接、結束、圧入)及び接着法による結合(例えば、糊付け、ディップコーティング、スプレーコーティング)が挙げられる。これらの方法を組み合わせたものも、本発明により企図される。
【0050】
本発明の更なる利点として、固定部又は主要ステント部品の任意の箇所又は全部に、細胞増殖を阻害若しくは抑制する、又は狭窄を低減する治療薬が埋め込まれ得る。主要ステント部品は、薬物が配置された少なくとも1つの開窓を有し得る。かかる薬物の非限定的な例として、例えば、シロリムス、ラパマイシン、エベロリムス、及びパクリタキソール、並びにこれらのアナログが挙げられる。さらに、ステントは、ステントが管腔壁に埋め込まれた後、より長期間有利となる薬剤等の能動的又は受動的表面成分を有するように処理可能である。
【0051】
本発明のステントは、当技術分野で公知なようにバルーン拡張性、又は自己拡張性であり得る。バルーン拡張性のステントシステムが、ステントを送達するのに用いられる場合、当該ステントはバルーン上に取り付けられ、そしてカテーテルアセンブリが移植部位に配置される。次に、バルーンが膨張し、ステントの内側に半径方向に力が加わり、ステントはバルーンが拡張した直径まで拡張する。或いは、ステントは、自己拡張し得るが、この場合、ステントの拡張及び送達に好都合なバルーンは必要ない。
【0052】
本明細書に記載される一般的な概念は、本明細書に記載する特定の実施形態以外の異なる構成によるらせん状のステントを形成するのに利用可能である。本発明が上記で具体的に示され、記載されたものに限定されないことは、当業者には理解されよう。むしろ、本発明の範囲は下記の特許請求の範囲により規定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状構造を有するステントであって、
第1及び第2のサイドバンド並びに第1及び第2のエンドバンドを有するコイル状の主要ステント部品であって、前記バンドのそれぞれが波形パターンを有し、前記第1及び第2のサイドバンドが途切れ途切れに(intermittently)接続され、前記エンドバンドが前記ステントの長さ方向の末端において直円柱を形成する、主要ステント部品と、
前記ステントの前記管状構造を維持する固定部と
を含むステント。
【請求項2】
らせん構造を有するステントであって、主要ステント部品と固定部とを含み、前記主要ステント部品が、
a)波形を有する第1のサイドバンドと、
b)波形を有し、前記第1のサイドバンドに接続した第2のサイドバンドと、
c)波形を有し、前記第1のサイドバンドに接続した第1のエンドバンドと、
d)波形を有し、前記第2のサイドバンドに接続した第2のエンドバンドと
を含み、
前記第1及び第2のサイドバンドが前記ステントの縦軸に沿ってらせん状に巻かれ、前記第1のエンドバンドが前記ステントの第1の末端において縦軸に対して第1の直円柱を形成し、前記第2のエンドバンドが前記ステントの第2の末端において前記ステントの縦軸に対して第2の直円柱を形成し、
前記固定部が、前記主要ステント部品の少なくとも一部分の前記らせん構造を維持する、ステント。
【請求項3】
平板ストリップ形態の主要ステント部品であって、
波形を有する第1のサイドバンドと、
波形を有し、前記第1のサイドバンドに接続した第2のサイドバンドと、
波形、第1の端部、及び第2の端部を有する第1のエンドバンドであって、前記第1のサイドバンドに接続し、前記第1のサイドバンドに対して斜めの角度で伸びている第1のエンドバンドと
を含む主要ステント部品。
【請求項4】
波形、第1の端部、及び第2の端部を有する第2のエンドバンドであって、前記第2のサイドバンドに接続し、前記第2のサイドバンドに対して斜めの角度で伸びている第2のエンドバンドをさらに含む、請求項3に記載の平板ストリップの主要ステント部品。
【請求項5】
平板ストリップ形態の主要ステント部品であって、
波形を有するサイドバンドと、
波形、第1の端部、及び第2の端部を有する第1のエンドバンドであって、前記サイドバンドに接続し、前記サイドバンドに対して斜めの角度で伸びている第1のエンドバンドと、
波形、第1の端部、及び第2の端部を有する第2のエンドバンドであって、前記サイドバンドに接続し、前記サイドバンドに対して斜めの角度で伸びている第2のエンドバンドと
を含む主要ステント部品。
【請求項6】
1又は2以上のサイドバンドが、1又は2以上の開窓を有するストラットを含む、請求項1、2、3、又は5のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項7】
平板ストリップ形態の主要ステント部品であって、
波形を有する第1のエンドバンドに接続した波形を有するサイドバンドを含み、前記第1のエンドバンドが、前記サイドバンドの方向に対して斜めの角度で伸びており、
前記サイドバンド及びエンドバンドが、ループにより結合されたストラットの波形パターンを有し、1又は2以上の前記ストラットが開窓を有し、前記ループが、前記開窓を有する前記ストラットの幅よりも狭い幅を有する、主要ステント部品。
【請求項8】
サイドバンド及び第2のエンドバンドに接続された第2のサイドバンドをさらに含み、前記第2のエンドバンドが、前記第2のサイドバンドの方向に対して斜めの角度で伸びており、
前記第2のサイドバンド及び前記第2のエンドバンドが、ループにより結合されたストラットの波形パターンを有し、1又は2以上の前記ストラットが開窓を有し、前記ループが、前記開窓を有する前記ストラットの幅よりも狭い幅を有する、請求項7に記載の平板ストリップの主要ステント部品。
【請求項9】
開窓が治療薬で満たされている、請求項6、7、又は8のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項10】
波形パターンのいくつかの隣り合うストラットが、同一の長さを有する、請求項7又は8に記載の主要ステント部品。
【請求項11】
糸、ワイヤー、及びリボンからなる群から選択される構造物を含む、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項12】
主要ステント部品のらせん経路とは異なるらせん経路でステントの周りに巻かれる、請求項11に記載の固定部。
【請求項13】
ステントの全長にわたり、規則的に主要ステント部品と接続点において重なり合う、請求項11に記載の固定部。
【請求項14】
繊維メッシュを含む、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項15】
多孔性材料を含む、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項16】
耐久性材料を含む、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項17】
耐久性材料がポリウレタンである、請求項16に記載の固定部。
【請求項18】
らせん状の主要ステント部品の全長にわたり埋め込まれている、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項19】
らせん状の主要ステント部品に末端で取り付けられている、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項20】
金属を含む、請求項1、2、3、5、又は7のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項21】
金属の平板シートから切り出される、請求項20に記載の主要ステント部品。
【請求項22】
アモルファス金属合金を含む、請求項1、2、3、5、又は7のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項23】
アモルファス金属合金が、ケイ素、ホウ素、及びリンからなる群から選択される元素を含む、請求項22に記載の主要ステント部品。
【請求項24】
アモルファス金属合金が、Fe、Cr、B、及びPを含有する鉄基合金である、請求項22に記載の主要ステント部品。
【請求項25】
アモルファス金属合金がケイ素を含有する、請求項22に記載の主要ステント部品。
【請求項26】
アモルファス金属合金がFe−Cr−B−P合金を含む、請求項22に記載の主要ステント部品。
【請求項27】
第1及び第2のサイドバンドが、少なくとも1つのクロスストラットにより接続されている、請求項1、2、3、又は8のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項28】
少なくとも1つのクロスストラットがループを有する、請求項27に記載の主要ステント部品。
【請求項29】
第1のサイドバンドが、らせん状に隣り合った第2のサイドバンドに近接する、請求項1又は2に記載のステント。
【請求項30】
請求項3、5、又は7のいずれかに記載の平板ストリップからステントを作製する方法であって、
a)縦軸に沿って主要ステント部品をらせん状に巻くステップと、
b)前記ステントの前記縦軸に対して直円柱が形成されるように、第1のエンドバンドの第1の端部を前記第1のエンドバンドの第2の端部と近接近させるステップと
を含む方法。
【請求項31】
請求項4、5、又は8のいずれかに記載の平板ストリップからステントを作製する方法であって、
a)らせんコイル状の構造を形成するために、縦軸に沿って主要ステント部品をらせん状に巻くステップと、
b)前記縦軸に対して直円柱が形成されるように、第1のエンドバンドの第1の端部を第2の端部及び前記第1のエンドバンドと近接近させるステップと、
c)前記縦軸に対して直円柱が形成されるように、第2のエンドバンドの第1の端部を前記第2のエンドバンドの第2の端部と近接近させるステップと
を含む方法。
【請求項32】
固定部を適用するステップをさらに含む、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項1】
管状構造を有するステントであって、
第1及び第2のサイドバンド並びに第1及び第2のエンドバンドを有するコイル状の主要ステント部品であって、前記バンドのそれぞれが波形パターンを有し、前記第1及び第2のサイドバンドが途切れ途切れに(intermittently)接続され、前記エンドバンドが前記ステントの長さ方向の末端において直円柱を形成する、主要ステント部品と、
前記ステントの前記管状構造を維持する固定部と
を含むステント。
【請求項2】
らせん構造を有するステントであって、主要ステント部品と固定部とを含み、前記主要ステント部品が、
a)波形を有する第1のサイドバンドと、
b)波形を有し、前記第1のサイドバンドに接続した第2のサイドバンドと、
c)波形を有し、前記第1のサイドバンドに接続した第1のエンドバンドと、
d)波形を有し、前記第2のサイドバンドに接続した第2のエンドバンドと
を含み、
前記第1及び第2のサイドバンドが前記ステントの縦軸に沿ってらせん状に巻かれ、前記第1のエンドバンドが前記ステントの第1の末端において縦軸に対して第1の直円柱を形成し、前記第2のエンドバンドが前記ステントの第2の末端において前記ステントの縦軸に対して第2の直円柱を形成し、
前記固定部が、前記主要ステント部品の少なくとも一部分の前記らせん構造を維持する、ステント。
【請求項3】
平板ストリップ形態の主要ステント部品であって、
波形を有する第1のサイドバンドと、
波形を有し、前記第1のサイドバンドに接続した第2のサイドバンドと、
波形、第1の端部、及び第2の端部を有する第1のエンドバンドであって、前記第1のサイドバンドに接続し、前記第1のサイドバンドに対して斜めの角度で伸びている第1のエンドバンドと
を含む主要ステント部品。
【請求項4】
波形、第1の端部、及び第2の端部を有する第2のエンドバンドであって、前記第2のサイドバンドに接続し、前記第2のサイドバンドに対して斜めの角度で伸びている第2のエンドバンドをさらに含む、請求項3に記載の平板ストリップの主要ステント部品。
【請求項5】
平板ストリップ形態の主要ステント部品であって、
波形を有するサイドバンドと、
波形、第1の端部、及び第2の端部を有する第1のエンドバンドであって、前記サイドバンドに接続し、前記サイドバンドに対して斜めの角度で伸びている第1のエンドバンドと、
波形、第1の端部、及び第2の端部を有する第2のエンドバンドであって、前記サイドバンドに接続し、前記サイドバンドに対して斜めの角度で伸びている第2のエンドバンドと
を含む主要ステント部品。
【請求項6】
1又は2以上のサイドバンドが、1又は2以上の開窓を有するストラットを含む、請求項1、2、3、又は5のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項7】
平板ストリップ形態の主要ステント部品であって、
波形を有する第1のエンドバンドに接続した波形を有するサイドバンドを含み、前記第1のエンドバンドが、前記サイドバンドの方向に対して斜めの角度で伸びており、
前記サイドバンド及びエンドバンドが、ループにより結合されたストラットの波形パターンを有し、1又は2以上の前記ストラットが開窓を有し、前記ループが、前記開窓を有する前記ストラットの幅よりも狭い幅を有する、主要ステント部品。
【請求項8】
サイドバンド及び第2のエンドバンドに接続された第2のサイドバンドをさらに含み、前記第2のエンドバンドが、前記第2のサイドバンドの方向に対して斜めの角度で伸びており、
前記第2のサイドバンド及び前記第2のエンドバンドが、ループにより結合されたストラットの波形パターンを有し、1又は2以上の前記ストラットが開窓を有し、前記ループが、前記開窓を有する前記ストラットの幅よりも狭い幅を有する、請求項7に記載の平板ストリップの主要ステント部品。
【請求項9】
開窓が治療薬で満たされている、請求項6、7、又は8のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項10】
波形パターンのいくつかの隣り合うストラットが、同一の長さを有する、請求項7又は8に記載の主要ステント部品。
【請求項11】
糸、ワイヤー、及びリボンからなる群から選択される構造物を含む、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項12】
主要ステント部品のらせん経路とは異なるらせん経路でステントの周りに巻かれる、請求項11に記載の固定部。
【請求項13】
ステントの全長にわたり、規則的に主要ステント部品と接続点において重なり合う、請求項11に記載の固定部。
【請求項14】
繊維メッシュを含む、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項15】
多孔性材料を含む、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項16】
耐久性材料を含む、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項17】
耐久性材料がポリウレタンである、請求項16に記載の固定部。
【請求項18】
らせん状の主要ステント部品の全長にわたり埋め込まれている、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項19】
らせん状の主要ステント部品に末端で取り付けられている、請求項1又は2に記載の固定部。
【請求項20】
金属を含む、請求項1、2、3、5、又は7のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項21】
金属の平板シートから切り出される、請求項20に記載の主要ステント部品。
【請求項22】
アモルファス金属合金を含む、請求項1、2、3、5、又は7のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項23】
アモルファス金属合金が、ケイ素、ホウ素、及びリンからなる群から選択される元素を含む、請求項22に記載の主要ステント部品。
【請求項24】
アモルファス金属合金が、Fe、Cr、B、及びPを含有する鉄基合金である、請求項22に記載の主要ステント部品。
【請求項25】
アモルファス金属合金がケイ素を含有する、請求項22に記載の主要ステント部品。
【請求項26】
アモルファス金属合金がFe−Cr−B−P合金を含む、請求項22に記載の主要ステント部品。
【請求項27】
第1及び第2のサイドバンドが、少なくとも1つのクロスストラットにより接続されている、請求項1、2、3、又は8のいずれかに記載の主要ステント部品。
【請求項28】
少なくとも1つのクロスストラットがループを有する、請求項27に記載の主要ステント部品。
【請求項29】
第1のサイドバンドが、らせん状に隣り合った第2のサイドバンドに近接する、請求項1又は2に記載のステント。
【請求項30】
請求項3、5、又は7のいずれかに記載の平板ストリップからステントを作製する方法であって、
a)縦軸に沿って主要ステント部品をらせん状に巻くステップと、
b)前記ステントの前記縦軸に対して直円柱が形成されるように、第1のエンドバンドの第1の端部を前記第1のエンドバンドの第2の端部と近接近させるステップと
を含む方法。
【請求項31】
請求項4、5、又は8のいずれかに記載の平板ストリップからステントを作製する方法であって、
a)らせんコイル状の構造を形成するために、縦軸に沿って主要ステント部品をらせん状に巻くステップと、
b)前記縦軸に対して直円柱が形成されるように、第1のエンドバンドの第1の端部を第2の端部及び前記第1のエンドバンドと近接近させるステップと、
c)前記縦軸に対して直円柱が形成されるように、第2のエンドバンドの第1の端部を前記第2のエンドバンドの第2の端部と近接近させるステップと
を含む方法。
【請求項32】
固定部を適用するステップをさらに含む、請求項30又は31に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2012−524588(P2012−524588A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506597(P2012−506597)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/001036
【国際公開番号】WO2010/122424
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511245271)メディノール リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】MEDINOL LTD.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/001036
【国際公開番号】WO2010/122424
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511245271)メディノール リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】MEDINOL LTD.
【Fターム(参考)】
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