説明

アイドルギア・シャフト組付装置

【課題】潤滑不良による軸受部の焼き付きを防止できるアイドルギア・シャフト組付装置を提供する。
【解決手段】アイドルギア2を保持するアイドルギアセット台3と、シャフト4を保持するシャフト置き台5と、シャフト4を把持するクランパ6を有すると共にクランパ6をシャフト置き台5の位置からアイドルギアセット台3の位置に移動させる移動部7を有しクランパ6で把持したシャフト4をアイドルギア2の軸受部8内に挿入して組み付けるシャフト組付機構9と、シャフト組付機構9に設けられクランパ6がアイドルギアセット台3の位置に移動するとき軸受部8内に挿入される潤滑油塗布ノズル10と、潤滑油塗布ノズル10に接続され潤滑油塗布ノズル10が軸受部8内に挿入されたとき潤滑油塗布ノズル10に所定量の潤滑油を供給する定量油供給部11とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのアイドルギアにシャフトを自動組付するアイドルギア・シャフト組付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンのクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するためのギヤトレインのアイドルギアは、シャフトを介してエンジン本体に取り付けられる。
【0003】
また、アイドルギアにシャフトを組み付ける際には、アイドルギアの軸受け部(内径)に手差しのオイラーで潤滑油(エンジンオイル)を塗布していた。これにより、ギヤトレインにエンジンオイルがまわるまでの間にアイドルギアが焼き付くのを防止していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2587032公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、オイルを手差しにて塗布するため、アイドルギアに塗布される潤滑油の量が一定でなく、人によっては少なすぎる場合もあり、潤滑不良によって軸受部がカジリ(焼き付き)を発生する虞があるという課題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、潤滑不良による軸受部の焼き付きを防止できるアイドルギア・シャフト組付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、アイドルギアを保持するアイドルギアセット台と、シャフトを保持するシャフト置き台と、該シャフト置き台に保持されたシャフトを把持するクランパを有すると共に該クランパを前記シャフト置き台の位置から前記アイドルギアセット台の位置に移動させる移動部を有し前記クランパで把持したシャフトを前記アイドルギアセット台に保持されたアイドルギアの軸受部内に挿入して組み付けるシャフト組付機構と、該シャフト組付機構に設けられ前記クランパが前記アイドルギアセット台の位置に移動するとき前記軸受部内に挿入される潤滑油塗布ノズルと、該潤滑油塗布ノズルに接続され潤滑油塗布ノズルが前記軸受部内に挿入されたとき潤滑油塗布ノズルに所定量の潤滑油を供給する定量油供給部とを備えたものである。
【0008】
前記潤滑油塗布ノズルが、前記軸受部内に挿入可能な円柱状に形成されると共に外周に複数の吐出孔を有し、かつ、これら吐出孔が周方向に等間隔に形成されるとよい。
【0009】
前記定量油供給部が、オイルポンプと、該オイルポンプに接続されオイルポンプからの潤滑油を所定量だけ前記潤滑油塗布ノズルに供給する定量バルブとを備えるとよい。
【0010】
また、前記アイドルギアセット台が前記アイドルギアを一端を上方に向けて載置するように形成され、前記シャフト置き台が前記シャフトを一端を上方に向けて載置するように形成され、前記移動部が、前記アイドルギアセット台の鉛直上方の位置と前記シャフト置き台の鉛直上方の位置との間を往復移動する上方台車と、該上方台車に設けられ前記クランパを前記シャフト置き台の鉛直上方の位置とシャフト置き台の位置との間で昇降移動させると共に前記アイドルギアセット台の鉛直上方の位置とアイドルギアセット台の位置との間で昇降移動させる上下シリンダとを備えるとよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、潤滑不良による軸受部の焼き付きを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1はアイドルギア・シャフト組付装置の正面図である。
【図2】図2は図1の側面図である。
【図3】図3はアイドルギア・シャフト組付装置の要部を正面から見た要部拡大図である。
【図4】図4は潤滑油塗布ノズルの平面断面図である。
【図5】図5(a)はアイドルギアをセットするときのアイドルギア・シャフト組付装置の要部側面図であり、図5(b)はシャフトを把持すると共にアイドルギアに潤滑油を塗布するアイドルギア・シャフト組付装置の要部正面図である。
【図6】図6(a)はシャフトを持ち上げたアイドルギア・シャフト組付装置の要部正面図であり、図6(b)はアイドルギアにシャフトを組み付ける直前のアイドルギア・シャフト組付装置の要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態に係るアイドルギア・シャフト組付装置を図面に基づいて説明する。図1はアイドルギア・シャフト組付装置を作業員の立ち位置に臨む正面から視た正面図であり、図2はアイドルギア・シャフト組付装置を正面視左側から視た側面図である。また、図3はアイドルギア・シャフト組付装置を正面から視た要部拡大図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、アイドルギア・シャフト組付装置1は、アイドルギア2を保持するアイドルギアセット台3と、シャフト4を保持するシャフト置き台5と、シャフト置き台5に保持されたシャフト4を把持するクランパ6を有すると共にクランパ6をシャフト置き台5の位置からアイドルギアセット台3の位置に移動させる移動部7を有しクランパ6で把持したシャフト4をアイドルギアセット台3に保持されたアイドルギア2の軸受部8内に挿入して組み付けるシャフト組付機構9と、シャフト組付機構9に設けられクランパ6がアイドルギアセット台3の位置に移動するとき軸受部8内に挿入される潤滑油塗布ノズル10と、潤滑油塗布ノズル10に接続され潤滑油塗布ノズル10が軸受部8内に挿入されたとき潤滑油塗布ノズル10に所定量の潤滑油を供給する定量油供給部11と、シャフト組付機構9及び定量油供給部11を制御する制御装置12とを備える。
【0015】
また、アイドルギア・シャフト組付装置1は、アイドルギアセット台3、シャフト置き台5、シャフト組付機構9を支持するための台車13を有する。図2に示すように、台車13は上下二段の棚部14、15を有し、台車13の下段の棚部14には、アイドルギアセット台3及びシャフト置き台5を支持する治具台16を走行可能にガイドするための下方レール(LMガイド)17が設けられると共に、治具台16を下方レール17に沿って往復走行させるための治具台用エアシリンダ18が設けられている。下方レール17は、直線状に延びて形成されている。下方レール17の一端側(図2にて右側)は、作業員がアイドルギアセット台3にアイドルギア2を搬入搬出すると共にシャフト置き台5にシャフト4を搬入搬出する搬入搬出エリア19に位置されており、下方レール17の他端側は、シャフト組付機構9がアイドルギア2にシャフト4を組み付ける組付エリア20に位置されている。図1に示すように、治具台用エアシリンダ18には、第1エア供給部21が接続されている。第1エア供給部21は、制御装置12にて、エアの供給・停止を制御されるようになっている。
【0016】
図1及び図3に示すように、アイドルギアセット台3は、治具台16の一側(正面視左側)に偏って配置されると共に治具台16上にボルト22を介して着脱可能に設けられており、取り扱うアイドルギア2に応じてアイドルギアセット台3を交換できるようになっている。アイドルギアセット台3は、治具台16上に着脱可能に取り付けられ上方に延びる脚部23と、脚部23上に設けられアイドルギア2を収容するギア収容部24とを備える。ギア収容部24は平面視円形に形成される底部25と、底部25の外周に上方に起立して設けられアイドルギア2の外周を囲む壁部26とを備え、アイドルギア2を一端を上方に向けて載置するように形成されている。底部25には、アイドルギア2の軸受部8を載置すべく上方に突起する凸部27が環状に形成されており、凸部27の内周側には、アイドルギア2に挿入されるシャフト4の下端部を収容して逃がすためのシャフト逃がし部28が形成されている。
【0017】
シャフト置き台5は、治具台16の他側(正面視右側)に偏って配置されると共に治具台16上にボルト22を介して着脱可能に設けられており、取り扱うシャフト4に応じてシャフト置き台5を交換できるようになっている。シャフト置き台5は、上方に延びる柱体の上端にシャフト4を一端を上方に向けて収容するため凹部29を形成してなるものである。シャフト4は、アイドルギア2の軸受部8に挿入される軸部30の一端側に設けられエンジン本体に取り付けられるフランジ部31を有する。凹部29は軸部30の長さより深く形成されると共にフランジ部31より小径に形成されており、凹部29内に軸部30を収容したときフランジ部31の下面がシャフト置き台5の環状の上端面に着座されるようになっている。
【0018】
シャフト組付機構9の移動部7は、台車13の上段の棚部15に横行自在に設けられた上方台車32と、上方台車32に設けられクランパ6を昇降移動させるための上下シリンダ33とからなる。上方台車32は、台車13の上段の棚部15に下方レール17と直交する方向に延びて設けられた上方レール(LMガイド)34に沿って横行するようになっており、アイドルギアセット台3の鉛直上方の位置とシャフト置き台5の鉛直上方の位置とを往復移動するようになっている。また、台車13の上段の棚部15には、上方台車32を上方レール34に沿って往復横行させるための上方台車用エアシリンダ35が設けられている。上方台車用エアシリンダ35には、第2エア供給部36が接続されている。第2エア供給部36は、制御装置12にてエアの供給・停止を制御されるようになっている。上下シリンダ33には、第3エア供給部37が接続されている。第3エア供給部37は、制御装置12にてエアの供給・停止を制御されるようになっている。
【0019】
シャフト組付機構9のクランパ6は、上下シリンダ33に取り付けられた取付基部38と、取付基部38に垂下して設けられた把持部39とからなる。取付基部38は、上下シリンダ33に固定される固定部40と、固定部40にボルト41・ナット42を介して上下に位置調節可能に設けられる可動部43とからなる。把持部39は、水平方向に放射状に延びる水平アーム部44と、それぞれの水平アーム部44の先端から下方に延びる垂下アーム部45と、それぞれの垂下アーム部45に水平アーム部44の延長方向とは反対方向に伸縮可能に設けられた爪部46と、爪部46を駆動するエアシリンダ(図示せず)とを備える。このエアシリンダには、第4エア供給部47が接続されている。第4エア供給部47は、制御装置12にてエアの供給・停止を制御されるようになっている。
【0020】
図3及び図4に示すように、潤滑油塗布ノズル10は、支持フレーム48を介してクランパ6の取付基部38に設けられており、クランパ6がシャフト置き台5の鉛直上方に位置するときアイドルギアセット台3の鉛直上方に位置するように水平方向の位置を決定されると共に、クランパ6がシャフト置き台5上のシャフト4の位置に下降したときアイドルギアセット台3上のアイドルギア2の軸受部8に挿入されるように上下方向の位置を決定されている。また、潤滑油塗布ノズル10は、アイドルギア2の軸受部8内に挿入可能な円柱状に形成され、外周に複数の吐出孔49を有する。吐出孔49は周方向に放射状に8カ所等間隔に形成されている。潤滑油塗布ノズル10には、各吐出孔49に潤滑油を供給するための油通路50が形成されている。油通路50は、潤滑油塗布ノズル10の上部に半径方向に延びて形成され潤滑油供給配管51に接続される横穴52と、横穴52に接続され潤滑油塗布ノズル10の中心軸上で下方に延び各吐出孔49に接続される縦穴53と、潤滑油塗布ノズル10の下部外周部に環状に形成され各吐出孔49を接続する環状穴54とからなる。また特に、潤滑油塗布ノズル10は、アイドルギア2の軸受部8の内径と略同径に形成されており、潤滑油塗布ノズル10が軸受部8に挿入され、吐出孔49から潤滑油が吐出されたとき、潤滑油が潤滑油塗布ノズル10と軸受部8との間に形成される微少な隙間を伝わって軸受部8の内周面全体に均等に供給されるようになっている。潤滑油供給配管51は屈曲自在なホースからなる。
【0021】
図1に示すように、定量油供給部11は、圧気を受けたとき駆動されるオイルポンプ55と、オイルポンプ55に接続されオイルポンプ55からの潤滑油を所定量だけ潤滑油塗布ノズル10に供給する定量バルブ56と、オイルポンプ55に圧気を供給する第5エア供給部57とを備えて構成される。第5エア供給部57は、制御装置12にてエアの供給・停止を制御されるようになっている。
【0022】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0023】
図1及び図5(a)に示すように、アイドルギア2にシャフト4を組み付ける場合、搬入搬出エリア19にあるアイドルギアセット台3上にアイドルギア2を載置すると共に、シャフト置き台5上にシャフト4を載置する。図3に示すように、シャフト4の軸部30をシャフト置き台5の凹部29に挿入することにより、シャフト4のフランジ部31がシャフト置き台5の上端面に着座される。
【0024】
この後、図示しない起動スイッチを押す。図1に示す制御装置12は、第1エア供給部21を作動させて治具台用エアシリンダ18にエアを供給し、治具台用エアシリンダ18を縮退させる。図2に示すように、搬入搬出エリア19にある治具台16が下方レール17に沿って組付エリア20に走行する。治具台用エアシリンダ18がストロークエンドに達したら、図1に示す制御装置12は第1エア供給部21を停止させ、第3エア供給部37を作動させる。これにより、治具台16が所定の位置に停止すると共に上下シリンダ33が伸張される。図5(b)に示すように、クランパ6がシャフト置き台5上のシャフト4の位置に下降されると共に、潤滑油塗布ノズル10が下降してアイドルギアセット台3上のアイドルギア2の軸受部8に挿入され、潤滑油塗布位置に至る。
【0025】
図1に示す制御装置12は、第4エア供給部47と第5エア供給部57を同時に作動させる。図3及び図5(b)に示すように、クランパ6は各爪部46をシャフト4のフランジ部31に当接させてフランジ部31を把持する。また、潤滑油塗布ノズル10の各吐出孔49から所定量の潤滑油が吐出される。各吐出孔49から吐出された潤滑油は潤滑油塗布ノズル10の外周面と軸受部8の内周面との隙間に沿って伝わり、軸受部8の内周面に均等に塗布される。この後、図1に示す制御装置12は、第3エア供給部37を作動させて上下シリンダ33を縮退させる。図6(a)に示すように、潤滑油塗布ノズル10がアイドルギア2の軸受部8から抜き出されると共に、シャフト4がシャフト置き台5から持ち上げられる。
【0026】
しかるのち、図1に示す制御装置12は第2エア供給部36を作動させて上方台車用エアシリンダ35を縮退させる。図6(b)に示すように、上方台車32がシャフト置き台5の側からアイドルギアセット台3の側に横行される。制御装置12は、上方台車用エアシリンダ35がストロークエンドに達したら第2エア供給部36を停止させる。クランパ6はアイドルギアセット台3の鉛直上方の位置に移動される。制御装置12は、第3エア供給部37を作動させて上下シリンダ33を伸張させる。これにより、クランパ6に把持されたシャフト4がアイドルギア2の軸受部8に挿入される。
【0027】
この後、制御装置12は、第4エア供給部47を作動させて爪部46をシャフト4から離間させ、第3エア供給部37を作動させて上下シリンダ33を縮退させる。これにより、クランパ6によるシャフト4の把持が解除されると共にクランパ6がシャフト4の上方に退避される。この後、制御装置12は、第1エア供給部21を作動させて治具台用エアシリンダ18を伸張させると共に、第2エア供給部36を作動させて上方台車用エアシリンダ35を伸張させる。図5(a)に示すように、治具台16が搬入搬出エリア19に走行されて原位置に復帰され、図1に示すように、上方台車32が原位置に復帰されてクランパ6と潤滑油塗布ノズル10が元の位置に戻り、サイクル完了となる。
【0028】
治具台16が搬入搬出エリア19に到達したら、作業員が手作業にてアイドルギアセット台3からシャフト4が組み付けられたアイドルギア2を搬出する。
【0029】
このように、アイドルギア2を保持するアイドルギアセット台3と、シャフト4を保持するシャフト置き台5と、シャフト置き台5に保持されたシャフト4を把持するクランパ6を有すると共にクランパ6をシャフト置き台5の位置からアイドルギアセット台3の位置に移動させる移動部7を有しクランパ6で把持したシャフト4をアイドルギアセット台3に保持されたアイドルギア2の軸受部8内に挿入して組み付けるシャフト組付機構9と、シャフト組付機構9に設けられクランパ6がアイドルギアセット台3の位置に移動するとき軸受部8内に挿入される潤滑油塗布ノズル10と、潤滑油塗布ノズル10に接続され潤滑油塗布ノズル10が軸受部8内に挿入されたとき潤滑油塗布ノズル10に所定量の潤滑油を供給する定量油供給部11とを備えてアイドルギア・シャフト組付装置1を構成したため、アイドルギア2の軸受部8に常に一定量の潤滑油を塗布でき、塗布品質を向上できると共に、潤滑油を無駄に多く使用するのを防ぐことができ、潤滑油の使用量を低減できる。また、シャフト4の把持とアイドルギア2への潤滑油塗布とを同時に行うことができ、短時間で効率よくアイドルギア2にシャフト4を組み付けることができる。
【0030】
潤滑油塗布ノズル10が、軸受部8内に挿入可能な円柱状に形成されると共に外周に複数の吐出孔49を有し、かつ、これら吐出孔49が周方向に等間隔に形成されるものとしたため、アイドルギア2の軸受部8に潤滑油を均一に塗布することができる。
【0031】
定量油供給部11が、オイルポンプ55と、オイルポンプ55に接続されオイルポンプ55からの潤滑油を所定量だけ潤滑油塗布ノズル10に供給する定量バルブ56とを備えるものとしたため、簡易な構造で確実に潤滑油塗布ノズル10に所定量の潤滑油を供給できる。
【0032】
また、アイドルギアセット台3がアイドルギア2を一端を上方に向けて載置するように形成され、シャフト置き台5がシャフト4を一端を上方に向けて載置するように形成され、移動部7が、アイドルギアセット台3の鉛直上方の位置とシャフト置き台5の鉛直上方の位置との間を往復移動する上方台車32と、上方台車32に設けられクランパ6をシャフト置き台5の鉛直上方の位置とシャフト置き台5の位置との間で昇降移動させると共にアイドルギアセット台3の鉛直上方の位置とアイドルギアセット台3の位置との間で昇降移動させる上下シリンダ33とを備えるものとしたため、簡易な構造で確実にアイドルギア2にシャフト4を組み付けることができる。
【0033】
なお、アイドルギアセット台3とシャフト置き台5は治具台16の走行方向に列ぶものとしてもよい、この場合、上方台車32は治具台16の走行方向に走行するものにするとよい。
【符号の説明】
【0034】
1 アイドルギア・シャフト組付装置
2 アイドルギア
3 アイドルギアセット台
4 シャフト
5 シャフト置き台
6 クランパ
7 移動部
8 軸受部
9 シャフト組付機構
10 潤滑油塗布ノズル
11 定量油供給部
32 上方台車
33 上下シリンダ
49 吐出孔
55 オイルポンプ
56 定量バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイドルギアを保持するアイドルギアセット台と、シャフトを保持するシャフト置き台と、該シャフト置き台に保持されたシャフトを把持するクランパを有すると共に該クランパを前記シャフト置き台の位置から前記アイドルギアセット台の位置に移動させる移動部を有し前記クランパで把持したシャフトを前記アイドルギアセット台に保持されたアイドルギアの軸受部内に挿入して組み付けるシャフト組付機構と、該シャフト組付機構に設けられ前記クランパが前記アイドルギアセット台の位置に移動するとき前記軸受部内に挿入される潤滑油塗布ノズルと、該潤滑油塗布ノズルに接続され潤滑油塗布ノズルが前記軸受部内に挿入されたとき潤滑油塗布ノズルに所定量の潤滑油を供給する定量油供給部とを備えたことを特徴とするアイドルギア・シャフト組付装置。
【請求項2】
前記潤滑油塗布ノズルが、前記軸受部内に挿入可能な円柱状に形成されると共に外周に複数の吐出孔を有し、かつ、これら吐出孔が周方向に等間隔に形成された請求項1記載のアイドルギア・シャフト組付装置。
【請求項3】
前記定量油供給部が、オイルポンプと、該オイルポンプに接続されオイルポンプからの潤滑油を所定量だけ前記潤滑油塗布ノズルに供給する定量バルブとを備えた請求項1又は2記載のアイドルギア・シャフト組付装置。
【請求項4】
前記アイドルギアセット台が前記アイドルギアを一端を上方に向けて載置するように形成され、前記シャフト置き台が前記シャフトを一端を上方に向けて載置するように形成され、前記移動部が、前記アイドルギアセット台の鉛直上方の位置と前記シャフト置き台の鉛直上方の位置との間を往復移動する上方台車と、該上方台車に設けられ前記クランパを前記シャフト置き台の鉛直上方の位置とシャフト置き台の位置との間で昇降移動させると共に前記アイドルギアセット台の鉛直上方の位置とアイドルギアセット台の位置との間で昇降移動させる上下シリンダとを備えた請求項1〜3のいずれかに記載のアイドルギア・シャフト組付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−712(P2012−712A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137060(P2010−137060)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】