説明

アクリル酸エステルエマルジョンの無乳化剤重合方法

【課題】粒径が均一に分散し、塗膜外観に優れ、貯蔵安定性、浸透性、塗工性、耐水性、引張強度及び耐摩耗性に優れたアクリル酸エステルエマルジョンの無乳化剤重合方法の提供。
【解決手段】純水40〜60wt%と、炭素‐炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体(A)2〜9wt%と、メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステル単量体(B)40〜50wt%とからなる反応系を0.2〜2.0wt%の無機アルカリ溶液でpHが9.0〜13.0範囲内に調整し、そして、硫酸塩の過酸化物開始剤0.2〜1.0wt%で乳化重合し、反応終期に、得られた水性樹脂エマルジョンのpHを有機アミン化合物で7.0〜9.5に調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性アクリル酸エステルエマルジョンの重合方法に関し、特にアクリル酸エステルエマルジョンの無乳化剤重合方法に関して、環境保全無公害の水分散性アクリル酸エステルエマルジョンを提供し、その樹脂エマルジョンは粒径が小さく、均一に分散し、外観が優れ、比重が水よりやや大きく、酸価が低く、貯蔵安定性に優れ、浸透性が良好で、工事しやすい。その乾燥塗膜は耐水性が良好で、引張強度及び耐摩耗性に優れている。
【背景技術】
【0002】
従来において、アクリル酸エステルエマルジョンは、アクリル酸系単量体を水溶液中で低分子量乳化剤を用いて乳化重合反応させ、単量体、水及び/又は溶媒、開始剤、乳化剤に対して、乳化剤の作用及び機械的攪拌下で、単量体が水又は他の溶媒中に分散して乳濁液になってラジカル重合を行うことにより得られる。
しかしながら、固体ポリマーを得ようとする場合は、解乳化、洗浄、脱水、乾燥等のような多工程が必要になるため、生産コストが高くなるだけでなく、得られた重合体製品における乳化剤などの不純物の完全な除去が困難であるため、電気的性能などに影響を与え、望ましくない。
【0003】
また、得られたエマルジョンを乾燥させる時、乳化剤が重合体から滲出しやすく、アクリル酸エステルエマルジョンの表面を汚染して他の材料との接着強度を低下させるため、同じく望ましくない。
【0004】
乳化剤の乳化重合反応への関与による問題点を解決するために、特許文献1では、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル(polyethylene glycol octyl phenyl ether)、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールデシルフェニルエーテルなど非イオン界面活性剤を用いてアクリル酸エステルエマルジョンを合成することが記載されている。これは環境汚染の防止に役立つが、これらの環境ホルモンの化合物は人体に有害で、使用制限等が論議されている。
【0005】
通常、乳化重合を行うとき、水相での単量体の溶解度が小さいため、液滴がミセル(micelle)に移動し難く、アセトン又はイソプロピルアルコールなどの有機溶剤を添加して溶解を助けなければならない。共乳化剤を添加して高速攪拌下で、単量体を水中でミクロン級の単量体液滴に分散させて主な重合サイトを提供するミニエマルジョンの重合により単量体の溶けにくい問題を解決することも試みられた。
【0006】
前記ミニエマルジョン重合法では単量体の溶けにくい問題をうまく解決できる。油溶性開始剤を用いて液滴中で単量体を直接重合させ、単量体の液滴からミセルへの移動が不要となり、直接に液滴中で核生成されることで、単量体の溶解しない問題を避けた。
【0007】
イオン型界面活性剤及び長鎖脂肪アルコール又は長鎖アルカンからなる複合乳化剤を用いて、単量体がミニエマルジョン中で安定なナノ液滴(30〜500nm)を形成することも提案された。イオン型界面活性剤及び複合乳化剤による浸透圧が単量体の大液滴と小液滴との圧力差を相殺して、異なるサイズの液滴間の単量体の拡散を低下させたため、小液滴の安定性が大幅に向上され、ミニエマルジョンが十分な動的安定性を獲得し、水、油、界面活性剤及び助剤により熱力学的に安定した乳濁液が自然に形成される。
【0008】
然しながら、重合中において、反応系における水、溶媒、乳化剤及び乳化助剤又は重合反応温度の変化に伴って、界面活性剤分子は溶液中で、親水、親油基から生成されたミセルの相互転換によって水中油O/W、油中水W/O及び両連続型(bicontinue)B.Cの3種類の構造になることで、平均粒径が小さく、表面張力が低く、濡れ性及び浸透性に非常に優れ、安定性がより良好な重合体マイクロエマルジョンになる。
【0009】
特許文献2では、反応性乳化剤、スチレン類及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)並びにアクリル酸及び/又はメタクリル酸アニオン性単量体(C)を主成分として構成される高分子乳化剤の存在下に、粘着付与剤樹脂を乳化して得られる粘着付与剤樹脂エマルジョンと、アクリル酸エステル系重合体エマルジョン及び/又は粘着剤用ラテックスとを含有してなる水性粘着剤組成物が記載されている。
【0010】
しかしながら、前記反応性乳化剤(A)とは、分子中に炭素‐炭素二重結合を有する、親水基と疎水基とを有する界面活性剤であって、使用割合が単量体構成成分の10〜50wt%を占めるものを指し、さらに粘着付与剤樹脂の反応への関与が必要になる。
【0011】
どのようにすれば乳化剤の反応への関与による問題を避けられるか、反応中に乳化剤を全く添加しないか、又は微量の乳化剤(濃度が臨界ミセル濃度CMCより小さい)のみを添加するようなエマルジョン重合又は得られた重合体の一部が高分子乳化剤の特徴を持っていることが乳化重合の傾向である。これは、即ち通常の乳化剤を添加しないソープフリー乳化重合であって、表面が清潔で単一分散したラテックス粒子が得られるとともに、環境に対する乳化剤の影響を避けることができる。
【0012】
その他に、特許文献1では、アクリル酸エステルエマルジョンを合成するとき、水溶性増粘樹脂を乳化剤の代わりに用いてエマルジョン重合を行うことにより、アクリル酸エステルエマルジョンの凍結安定性が向上され、凍結後の解凍時に再使用が可能で、一回の合成でこれらの物性をすべて満足させることにより工程を効果的に短縮させることが記載されている。然しながら、用いられた増粘樹脂が水溶性であるため、得られたラテックス膜が耐水性に欠け、塗料に適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】日本特開2006−206907号公報
【特許文献2】日本特開平7−331208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
耐水性の問題を解決するためには、ラテックス膜中の電解質及び他の低分子の含有量に関連するラテックスのコロイドの安定性から着手する必要がある。ラテックスのコロイドの安定性は、主に界面活性オリゴマーによって決定され、ラテックスのコロイド表面の電荷密度が大きければ大きいほど、安定性が良好である。コロイド表面の安定性はラテックスのコロイド粒子表面の親水性に依存し、親水性が大きければ大きいほど、安定性が良好である。これは、ラテックスのコロイドの極性によって粒子表面と水相界面とが相互作用して界面のGibbs自由エネルギーが低下され、乳化液のコロイド粒子の安定性が向上されるからである。
【0015】
非イオン界面活性剤の採用による汚染を防止すること、乳化助剤で単量体の溶けにくい問題を解決すること、及び通常の乳化剤を添加しないソープフリー乳化重合を行い、乳化重合の際の小液滴の安定性を高め、界面活性オリゴマーでラテックスのコロイドの安定性を高めることで、表面が清潔で単一分散したラテックス粒子を得るとともに、環境に対する乳化剤の影響を避けることが本発明が解決しようとする課題である。
【0016】
上記解決しようとする課題に鑑み、本発明の目的は、平均粒径が均一で、濡れ性と浸透性が非常に優れ、安定性のより良好な重合体マイクロエマルジョンを合成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、純水40〜60wt%と、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体A 2〜9wt%と、メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステル単量体B 40〜50wt%とを主成分としてなる反応系に対して、有機溶媒又は溶解助剤又は両性溶媒などを使わずに、まず0.2〜2.0wt%の無機アルカリ溶液でpHを所定の範囲(好ましくは9.0〜13.0で、より好ましくは11.0〜13.0である)に調整し、開始剤を添加して無乳化剤重合反応を行い、反応終期にpH調整剤の有機アミン化合物を添加してpHを7.0〜9.5(好まくは8.0〜9.0である)に調整することで、粒径が100〜130nmで、均一で狭く分散した重合体エマルジョンが得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
環境保全無公害の水分散性アクリル酸エステルエマルジョンを提供でき、その樹脂エマルジョンは粒径が小さく、均一に分散し、塗膜外観が優れ、比重が水よりやや大きく、酸価が低くて、貯蔵安定性に優れ、浸透性が良好で、塗装しやすい。その乾燥塗膜は耐水性が良好で、引張強度及び耐摩耗性に優れている。
【0018】
本発明において、エマルジョンを重合するときに、水中で、アクリル酸単量体を無機アルカリ類で溶解して、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体を溶解してアルカリ性水溶液にすることで、重合体分子鎖(親油)の末端に親水性イオン基を形成し、硫酸塩系過酸化物を開始剤としてマイクロスフェアの表面に帯電層を形成してエマルジョンを安定化させる。
【0019】
通常の乳化方法に用いられるアクリル酸単量体は水相中での溶解度が小さいため、単量体が液滴からミセルに移動し難く、従来の乳液重合方法を用いる場合、安定したアクリル酸エステルエマルジョンを得るのは困難のため、工業化において通常添加する有機溶媒(例えばアセトン又はイソプロピルアルコールなど)で可溶化しなければならない。本発明においては、得られた水性アクリル酸エステルエマルジョンの塗膜性能を考慮して、有機溶剤を用いなかった。
【0020】
本発明に用いられる開始剤として、通常の過酸化ベンゾイル(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素の過酸化物からなる群より選ばれた1種以上のものを開始剤として開始してもよいが、好ましくは、過硫酸ナトリウム(以下、Naと略す)、過硫酸カリウム(以下、Kと略す)、過硫酸アンモニウム(以下、(NHと略す)のような硫酸塩の過酸化物である。
【0021】
単量体分子は水中で開始剤により重合を開始し、鎖延長速度が速く、生成された重合体の分子量がある臨界値に達すると、水相から析出して初期ラテックス粒子を形成する。これらの粒子の表面の電荷密度が低く、粒子間の静電反発力が不足であるため、粒子が安定し、互いに集合して、安定したラテックス粒子を生成し、重合体分子鎖(親油)及びその末端基のイオン基(親水)から形成したエステル類は陰イオン乳化剤の特性を持って親水親油基を有し、無乳化剤乳化効果を達成することでき、重合で得られたエステル類に陰イオン乳化剤の特性を持たせ、無乳化剤エマルジョン重合の乳化効果を達成する。
【0022】
本発明の方法において、無機アルカリの添加により、乳化重合反応に関与する単量体が極性基を生成してマイクロスフェアの表面に帯電層を形成し、エマルジョンを安定化させることで、得られたラテックスのコロイド粒子が表面に親水基を有して、従来の乳化剤を代替する。
【0023】
反応中に乳化剤を全く添加せず、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)と、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体(A)とを主成分として重合反応を行うことで、得られた重合体の一部が高分子乳化剤の特徴を有し、反応終期に、得られた水性樹脂エマルジョンのpHを有機アミン化合物で7.0〜9.5に調整し、得られた水性樹脂エマルジョンの酸価が3.5〜6.5mgKOH/gで低い。さらに、無乳化剤乳化重合を行う時、親油性重合体分子鎖の末端に親水性イオン基を形成し、得られたラテックスのコロイド粒子のマイクロスフェアの表面に帯電層を形成してエマルジョンを安定化させる。
【0024】
本発明に用いられる無機アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リン酸三ナトリウムからなる群より選ばれた1種以上であってもよいが、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウムの1種以上である。このような無機アルカリは、それと反応する、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体が広いpH範囲で高い親水性及び陰イオン特性を持ち、親油性重合体分子鎖の末端に親水性イオン基を形成するようにすることで、得られたラテックスのコロイド粒子のマイクロスフェア表面に帯電層を形成して安定のエマルジョンが得られる。
【0025】
本発明において、水中の炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、又はマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸(2,4−ヘキサジエン二酸)などのジカルボン酸が挙げられ、硫酸塩の過酸化物を開始剤として、無機アルカリでカルボン酸単量体を溶解して親水性高分子樹脂を得、得られた重合体の一部が高分子乳化剤の特徴を持っているため、通常の界面活性剤を代替でき、反応中で乳化剤を全く添加せず、カルボン酸単量体を水中で無乳化剤乳化重合を行わせ、重合体分子鎖の親油性末端に親水性イオン基を形成し、マイクロスフェア表面に帯電層を形成して、エマルジョンを安定化させる。
【0026】
本発明に用いられる炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体(A)は、使用割合が反応系の2〜9wt%を占め、その使用割合が2wt%未満である場合、得られた該共重合体の乳化性が低下し泡立ちが多くなるが、9wt%を超えると、該共重合体の疏水性が過大となり、乳化性が悪くなる。単量体(B)の使用割合は40〜50wt%であって、その使用割合が40wt%未満である場合、得られた該共重合体の乳化性が低下するが、50wt%を超えると、該共重合体の親水性が過大となり、得られた樹脂エマルジョンの性能、特に耐水性が低下する。
【0027】
本発明に用いられる無機アルカリは、それと反応する、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体に広いpH範囲で高度の親水性及び陰イオン特性を持たせ、親油性重合体分子鎖の末端に親水性イオン基を形成させることで、得られたラテックスのコロイドのマイクロスフェア表面に帯電層を形成して安定のエマルジョンが得られ、優れた乳化性能を有するものであり、その酸価は特に制限されないが、中和時の共重合体固形分の酸価が通常3.5〜6.5mgKOH/g前後とするのが好ましい。
【0028】
本発明に用いられるアクリル単量体は、得られる水性アクリル酸エステルエマルジョンの粘着性、該エマルジョンの粘度又は安定性等を考慮して適宜決定され、各々の該ガラス転移温度(Tg)を所定の範囲にするものである。アクリル単量体のTgを-20〜20℃に、好ましくは-5〜10℃にする。
【0029】
水性アクリル酸エステルエマルジョンの固形分を40〜50%にすることが好ましく、水性エマルジョンの製造時の粘度を容易に抑制できる他、凝集強さが向上し、得られた水性アクリル酸エステルエマルジョンに有機溶媒が含まれない。
【0030】
本発明の方法に適用するアクリル単量体は特に制限されないが、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体Aとしては、例えばアクリル酸(acrylic acid、以下AAcと略す)、メタクリル酸(methacrylic acid、以下MAAcと略す)、フマル酸(fumaric acid)、イタコン酸(itaconic acid、以下ITAと略す)及びクロトン酸(crotonic acid、以下CTAと略す)からなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0031】
メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステル単量体Bとしては、例えばメタクリル酸メチル(methyl methacrylate、以下MMAと略す)、メタクリル酸エチル(ethyl methacrylate、EMA)、メタクリル酸n−ブチル(n−butyl methacrylate、n−BMA)、メタクリル酸イソブチル(i−butyl methacrylate、i−BMA)、メタクリル酸t−ブチル(t−butyl methacrylate、t−BMA)、アクリル酸メチル(methyl acrylate、MA)、アクリル酸エチル(ethyl acrylate、EA)、アクリル酸n−ブチル(n−butyl acrylate、以下n−BAと略す)、アクリル酸イソブチル(i−butyl acrylate、以下はi−BAと略す)、アクリル酸t−ブチル(t−butyl acrylate、t−BA)、アクリル酸2−エチルヘキシル(2−ethyl hexyl scrylate、以下2−EHAと略す)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(2−ethyl hexyl methacrylate、2−EHMA)、ラウリルメタクリレート(lauric methyl acrylate、LMA)、アクリロニトリル(acrylonitrile、AN)、メタクリロニトリル(methyl acrylonitrile、MAN)からなる群より選ばれた1種以上のものが挙げられる。必要に応じて、酢酸ビニルエステル、スチロール等のアクリル酸エステル系単量体以外の単量体を併用してもよい。
【0032】
本発明の方法により得られたアクリル樹脂エマルジョンは、貯蔵安定性が良好で、従来の方法により得られたものと比べて耐熱性、粘着強度、凝集強さ、塗布性に優れ、該樹脂エマルジョンに有機溶媒が含まれないため、塗料として用いられる場合、安全衛生面に優れている。特に、耐熱性、粘着強度、凝集強さに対する要求が高い製品における溶媒残留の規格が厳しい建築材料に最適に用いられる。
【0033】
本発明における単量体分子は水中で開始剤により重合を開始するため、鎖延長速度が速く、生成された重合体の分子量がある臨界値に達すると、水相から析出して初期ラテックス粒子を形成する。これらの粒子表面の電荷密度が低く、粒子間の静電反発力が不足であるため、粒子が安定し、互いに集合して、安定したラテックス粒子を生成して親油性重合体分子鎖の末端基に親水性イオン基を形成し、生成されたエステル類が陰イオン乳化剤の特性を持ち、無乳化剤エマルジョン重合の乳化効果を達成することで、重合で得られた重合体エステルに陰イオン乳化剤の特性を持たせ、無乳化剤エマルジョン重合の乳化効果を達成する。
【0034】
本発明の方法においてpH調整剤として用いられる有機アミン化合物としては、アンモニア(ammonia、以下NHOHと略す)、トリメチルアミン(trimethyl amine、以下TMAと略す)、ジエチルアミン(Diethylamine、DEA)、トリエチルアミン(triethylamine、TEA)、モノエタノールアミン(monoethanolamine、以下METAと略す)、ジエタノールアミン(diethanolamine、DETA)、ジメチルエタノールアミン(dimethyl ethanolamine、以下DMEAと略す)、ジエチルエタノールアミン(dimethylethanolamine、DEEA)、イソプロピルエタノールアミン(isopropyl ethanolamine、以下IPEAと略す)、2−アミノ−2−メチルプロパノール(2−amino−2−methyl propanol、AMP)、2‐ジメチルアミノ‐2‐メチルプロパノール(2−dimethylamino−2−methyl propanol、DMAMP)、モルホリン(morpholine、MOR)、n−メチルモルホリン(n−methyl morpholine、NMR)、n−エチルモルホリン(morpholine、NEM)等が挙げられる。うち好ましいのはアンモニア、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール等である。
【0035】
本発明の方法により乳化重合して得られた、表面に高い親水性と良好な安定性を持つラテックスのコロイド粒子により、平均粒径が小さく、表面張力が低く、濡れ性と浸透性に非常に優れ、安定性のより良好な重合体エマルジョンを合成する。
【0036】
本発明に係わる無乳化剤アクリル酸エステルエマルジョンの重合方法であって、純水40〜60wt%と、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体(A)2〜9wt%と、メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステル単量体(B)40〜50wt%とからなる反応系を反応槽に入れ、反応系を0.2〜2.0wt%の無機アルカリ液でpHを9.0〜13.0の範囲内に調整し、そして硫酸塩の過酸化物開始剤0.2〜1.0 wt%で乳化重合し、反応終期に、得られた水性樹脂エマルジョンのpHを有機アミン化合物で7.0〜9.5の範囲内に調整する。得られた水性樹脂エマルジョンは粒径が約100〜130nmで、均一に分散し、外観が優れ、酸価が3.5〜6.5mgKOH/gで低く、比重が約1.07で水よりやや大きく、貯蔵安定性に優れ、浸透性が良好で、塗装しやすい。その乾燥塗膜は耐水性が良好で、引張強度及び耐摩耗性に優れている。
【0037】
蒸留水を秤取し(重合反応に関与する反応物の40〜60wt%の蒸留水を入れる)、約150〜300RPMの回転速度で攪拌し、70℃〜95℃に維持した後、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体及び無機アルカリ液を添加し、20〜30分間で所定の温度になったとき、開始剤を添加し、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルの単量体を2.0〜4.5時間で徐々に滴加し、温度及び回転速度を維持しながら約2〜3時間引き続き反応させる。加熱器を停止させるが、引き続き攪拌して自然降温させる。40℃まで降温した後、pH調整剤である有機アミン化合物を水で希釈して、pHが8.0〜9.0になるまで約15分間徐々に添加して、重合反応を終了させる。得られた水性アクリル酸エステルエマルジョンの平均粒径が小さい(マイクロスフェアの粒径dが100〜130nmである)。
【発明の効果】
【0038】
本発明の方法によって乳化重合して得られた、表面に高い親水性及び良好な安定性を持つラテックスのコロイド粒子により、平均粒径が均一で、濡れ性及び浸透性に非常に優れ、安定性のより良好な重合体マイクロエマルジョンを合成した。
【0039】
本発明の方法で無乳化剤エマルジョン重合を達成させたのは、粒径の均一な重合体粒子を効果的に合成できるからで、通常、不均一重合反応に適用する。不均一重合としては、水を溶媒とする乳化重合と有機液体を溶媒とする分散重合がある。いずれの重合においても、石鹸類又は高分子安定剤などの分散剤を大量添加するため、合成後の後処理問題、又は産物に不純物が残留する問題がある。各々の合成方法は、他の方法で代替しがたい特徴を有し、この特徴を開発すべきである。乳化剤の反応への関与による問題点を避けるように、本発明の方法においては、反応中に乳化剤を全く添加せず、純水40〜60wt%と、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体(A)2〜9wt%と、メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステル単量体(B)40〜50wt%とからなる反応系を0.2〜2wt%の無機アルカリ液でpHを9.0〜13.0に調整することで、高分子乳化剤の特徴を有させ、そして硫酸塩の過酸化物開始剤を用いて乳化重合し、反応終期に、得られた水性樹脂エマルジョンのpHを有機アミン化合物で7.0〜9.5に調整した。これにより表面の清潔で、単一分散したラテックス粒子を得られるとともに、環境に対する乳化剤の影響を回避した。
【0040】
近年、ますます高まる環境問題又は医療・生物技術に関する応用あるいはさまざまな機能性材料の開発の観点から、環境保全型製造方法の開発あるいは高純度重合体粒子の合成方法の開発が期待されている。
【0041】
粒径が均一のいわゆる単分散性粒子の合成としては、無乳化剤乳化重合があり、この重合法は水を溶媒とし、石鹸類を添加しないクリーンな製造工程を有することを特徴としている。従って、重合が単純になり、単量体/開始剤/水からなる最も簡単な形式になる。通常、粒子合成方法における最も大きい課題は、制御可能な粒径の範囲にあって、本発明に係る無乳化剤乳化重合方法により粒径100〜130nmで、均一に分散したエマルジョンが得られることで、制御可能な粒径範囲の拡大も期待されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明に係る無乳化剤のアクリル酸エステルエマルジョンの重合方法を示す図であって、実施例1〜5から得られたエマルジョン重合体のマイクロスフェアの粒径分布曲線からマイクロスフェアの粒径の分布状況を直接的に得られる。
【図2】図2は、本発明に係る無乳化剤のアクリル酸エステルエマルジョンの重合方法を示す図であって、実施例1から得られたエマルジョン重合体をMETTLER−TOLEDO Differential scanning calorimeters (DSC)でTg点を計測した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
[試験方法]
[エマルジョンの物性]
1.平均粒径d、粒径分布及び標準偏差(sd).分散系数D
得られたエマルジョン重合体に対して、MASTERSIZER−2000(MANERN社製)を用いてレーザー回折法によってマイクロスフェアの粒径分布曲線を得、平均粒子径d、粒径分布及び標準偏差(sd).を測定し、分散系数Dは下記式で算出した。
D=sd/d.
得られたエマルジョン重合体のマイクロスフェアの粒径分布曲線からマイクロスフェアの粒径の分布状況を直接的に得た。
2.ガラス転移温度Tg(℃)
示差走査熱量計(Differential scanning calorimeters、DSC)(METTLER−TOLEDO計器社製)でTg点を測定した。
3.酸価
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)K5601第2部第1節に規定された方法によって試験を行った。
4.比重
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)K7232に規定された方法によって試料を調製して試験を行った。
5.pH値
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)K0400第12部第10節に規定された方法によって試料を調製して試験を行った。
6.貯蔵安定性
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)K5600第2部第7節に規定された方法によって試料を調製して試験を行った。
7.凍結安定性
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)K5600第2部第6節に規定された方法によって試料を調製して試験を行った。
【0044】
[エマルジョンの塗膜の物性]
1.引張強度
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)K6251に規定された方法によって試料を調製して試験を行った。
2.引裂き強度
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)K6252に規定された方法によって試料を調製して試験を行った。
3.伸び率
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)K6251に規定された方法によって試料を調製して試験を行った。
4.塗膜の硬度
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)K6253に規定された方法によって試料を調製して試験を行った。
5.3日間の吸水率
得られたエマルジョン用いて、日本工業規格(JIS)K7112に規定された方法によって試料を調製して試験を行った。
【0045】
[エマルジョンの作業性]
得られたエマルジョンを用いて、日本工業規格(JIS)A1181に規定された方法によって、骨材(CA−400)との混合性、密着性、リコート性を観測した。◎は良好な結果、×は悪い結果を表す。
電解質安定性について、日本工業規格(JIS)K6935第2節に規定された方法によって試験を行った。
【0046】
以下、実施例を挙げて、本発明に係る無乳化剤アクリルエステルエマルジョンの重合方法について詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0047】
[実施例1〜5について]
実施例1〜3に用いられるカルボン酸単量体は全て炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するモノカルボン酸であるが、異なる無機アルカリを用いた。
実施例4〜5においては、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するモノカルボン酸と、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有する異なるジカルボン酸との混合物を用いた。
得られた水性アクリル酸エステルエマルジョンの基本組成及びエマルジョンの物性、塗膜の物性及びエマルジョンの作業性を表1に示した。
【0048】
[実施例1〜5について]
実施例1〜3に用いられるカルボン酸単量体は全て炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するモノカルボン酸であるが、異なる無機アルカリを用いた。
実施例4〜5においては、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するモノカルボン酸と、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有する異なるジカルボン酸との混合物を用いた。
得られた水性アクリル酸エステルエマルジョンの基本組成及びエマルジョンの物性、塗膜の物性及びエマルジョンの作業性を表1に示した。
【0049】
[実施例1〜5] 表1に示す基本組成を基準にする
(1)反応槽に無機アルカリ溶液0.2〜2.0wt%を入れ、蒸留水(まず重合反応に関与する反応物の40〜60wt%の蒸留水を添加する)を秤取し、150〜300RPMの回転速度で攪拌し、70〜95℃に維持した。
(2)アクリル酸、メタクリル酸又はクロトン酸及びイタコン酸単量体(全単量体の2〜9wt%を占める)などのカルボン酸単量体(A)を添加した。
(3)約20分間で所定の温度になり、硫酸塩の過酸化物開始剤0.2〜1.0wt%を添加した後、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸n−フチル、アクリル酸2−エチルヘキシル(全単量体の約40〜50wt%を占める)などのアクリル酸アルキルエステル単量体(B)を2.0〜4.5時間で徐々に滴加し、温度及び回転速度を維持しながら、約2〜3時間引き続き反応させた。
(4)加熱器を停止させるが、引き続き攪拌して自然降温させた。40℃まで降温した後、水でpH調整剤を希釈し、pHが8.0〜9.0になるまで約15分間徐々に添加した。反応終了後に水性アクリル酸エステルエマルジョンを得た。その組成成分及び得られたアクリル水性アクリル酸エステルエマルジョン及び乾燥塗膜の物性を表1に示した。得られた重合体マイクロスフェアの粒径分布曲線からマイクロスフェアの粒径の分布状況を直接的に得て、代表図を図1に示した。
【0050】
[エマルジョンの作業性]
実施例1〜5から得られた無乳化剤のアクリル樹脂68.2wt%と、コンクリート、珪砂などの骨材11.4wt%とを組み合わせて、さまざまな充填粉体11.4wt%、着色剤6.8wt%とともに床板材の製品に製造し、これらの混合性、密着性、リコート性を検証した。
【0051】
[比較例1〜4]
表2に示すような基本組成によって、実施例1〜5と同じ方法で水性アクリル酸エステルエマルジョンを合成した。その組成成分及び得られたアクリル水性アクリル酸エステルエマルジョン及び乾燥塗膜の物性を表2に示した。
〔実施例におけるエマルジョンの組成、エマルジョンの物性、エマルジョンの作業性及び塗膜の物性〕
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
表1から分かるように、本発明の方法により得られた水性アクリル酸エステルエマルジョンは、実施例5における低いガラス転移温度(−9.00℃)と、実施例3における高いガラス転移温度(8.48℃)という差異があるが、塗膜製品の物性要求に応じて調整して使ってもよい。実施例3における水性アクリル酸エステルエマルジョンのドライフィルムは硬度が硬いため、面塗料に適用する。本発明の方法により得られた水性アクリル酸エステルエマルジョンの塗膜は高い物理的特性及び低い吸水性を持っているため、各種類の建物の防水工事に適用する。
【0055】
本発明の方法により得られた水性アクリル樹脂エマルジョンは、用いたカルボン酸単量体(A)が、炭素−炭素二重結合の重合性官能基を有するモノカルボン酸及び/またはジカルボン酸であるにもかかわらず、異なる無機アルカリ溶液を用いて無乳化剤乳化重合を行うことができ、得られた水性アクリル酸エステルエマルジョンの貯蔵安定性及び凍結安定性が良好であるため、さまざまな作業環境に適応する。有機溶剤を含まないので、塗料として用いられる場合、安全衛生に優れている。特に、高い粘着強さ及び機械的強さが要求される製品における溶剤残留の規格が厳しい建築材料に最適に用いられる。
【0056】
比較例1〜2において過量のカルボン酸を用いたため、得られたエマルジョンは酸価が高くて吸水率が上昇し、比較例1〜2で平均粒径115nmのエマルジョンが得られるが、その貯蔵安定性及び凍結安定性が悪く、骨材との混合性は良好であるが、密着性及びリコート性が悪いため、さまざまな塗装条件に対対応できない。比較例3〜4における酸価が本発明により得られたものと同じように低く、得られたエマルジョンの貯蔵安定性や凍結安定性が良好であるが、通常の乳化剤CMC(12R)でエマルジョン重合を行って得られたエマルジョンの粒径が大きくなり、塗膜の3日間吸水率が上昇し、骨材との混合性、密着性及びリコート性も悪いため、さまざまな塗装条件に対応できない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
従来より無乳化剤重合は、無公害型接着剤、粘着剤、インキ工業などへの応用が図られていた。また、表面がクリーンである単分散性粒子はコロイド研究用モデル粒子又は電子顕微鏡の校正用標準粒子として用いられている。但し、適用可能な粒径の領域はサブミクロン以下である。この粒径を超える粒子の合成は困難である。一方、ミクロン級の単分散性粒子は、近年その用途の拡大に伴い、液晶スペーサ、導電性粒子、医療検査用担体、分析用充填剤、複写機のトナー等の高付加価値の製品などに用いられる。本発明による無乳化剤乳化重合においても、ナノメートル級の単分散性粒子を合成でき、得られた水性アクリルエステルエマルジョンの平均粒径(マイクロスフェアの粒径dが100〜130nmである)が小さいため、上記分野への応用が期待されている。
【符号の説明】
【0058】
縦座標:体積(%)
横座標:粒径(μm)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)純水40〜60wt%と、炭素‐炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体A 2〜9wt%と、メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステル単量体B 40〜50wt%とを主成分とする反応系において、
(2)0.2〜2.0 wt%の無機アルカリ溶液によって反応系のpHを9.0〜13.0に調整する工程と、
(3)反応系の温度を70〜95℃に維持しながら、150〜300rpmの回転速度で30分間攪拌し、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムからなる群より選ばれた1種以上のもの0.2〜1.0 wt%を開始剤として乳化重合する工程と、
(4)反応終期において、アンモニア水、トリメチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノールからなる群より選ばれた1種以上の有機アミン化合物で、得られた水性樹脂エマルジョンのpHを7.0〜9.5に調整し、粒径が100〜130nmで、均一で微細に分散した水性アクリル重合体を得る工程とからなることを特徴とすアクリル酸エステルエマルジョンの無乳化剤重合方法。
【請求項2】
前記炭素‐炭素二重結合の重合性官能基を有するカルボン酸単量体Aが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びクロトン酸からなる群より選ばれた1種以上である請求項1に記載の重合方法。
【請求項3】
前記メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステル単量体Bが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、ラウリルメタクリレート、アクリロニトリルからなる群より選ばれた1種以上である請求項1に記載の重合方法。
【請求項4】
前記無機アルカリ溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウムからなる群より選ばれた1種以上である請求項1に記載の重合方法。

【図2】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−87283(P2012−87283A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−267(P2011−267)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【出願人】(511004933)展華化学工業股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】