説明

アダプタ

【課題】資源の無駄を省くことができ、来場者が製品情報を電子データとして持ち帰ることができるアダプタを提供する。
【解決手段】アダプタ13は、近距離無線通信規格を利用することで来場者に関する来場者データを受付コンピュータから受信する来場者データ受信手段と、受信した来場者データを記憶する来場者データ記憶手段と、受信した来場者データを携帯電話端末12のディスプレイ36を介して表示する来場者データ表示手段とを有する。このアダプタ13は、それを携帯電話端末12に接続した状態で展示会場を訪れた来場者に所持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話端末に接続した状態で所定の会場を訪れた来場者に所持させるアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客識別コードが付与された磁気カード(招待状)またはIDカード(招待状)を持参したイベント来場者の顧客識別コードを読み取って登録する招待状持参来場者受付登録サブシステムと、磁気カード(招待状)またはIDカード(招待状)を持参しない新規来場者が記入したOCR帳票を読み取り、その来場者に顧客識別コードが付与された磁気カード(招待状)またはIDカード(招待状)を発行して登録する新規来場者受付登録サブシステムと、各展示ブースにおける来場者データ管理サブシステムとから形成された来場者管理システムがある(特許文献1参照)。来場者データ管理サブシステムは、各展示ブースにおける来場者受付手段と、各展示ブースにおいて顧客を検索して表示する来場者照会手段と、各展示ブースにおいてカタログ請求等を記録するカード記録手段とを有する。この来場者管理システムでは、新規来場者を受け付けた場合、来場者が記入したOCR帳票を読み取り、その郵便番号と電話番号とから来場者の所属企業名、所属企業の所在地を特定する。この来場者管理システムは、イベント会場に来場した来場者の入場や退場を機械的、電気的に把握するから、主催者および来場者の双方にとって受付手続を簡易かつ迅速に行うことができる。
【特許文献1】特開2000−207468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公報に開示の来場者管理システムは、来場者が磁気カードまたはIDカードを所持してイベント会場の各ブースを回り、各ブースにおいてカタログや製品仕様書、製品使用説明書等の製品情報を収集する。このシステムは、磁気カードやIDカードの他に、それらカードに格納された顧客識別コードを管理する顧客識別コード管理データベースを有し、受付時にそれらカードに格納された顧客識別コードとデータベースに格納された顧客識別コードとを照合する。このシステムでは、各イベント毎に異なる顧客識別コード管理データベースが使用されるから、先のイベントに使用された磁気カードやIDカードを他のイベントで再利用することはできず、イベント終了毎にそれらカードが使い捨てられ、資源の無駄が生じていた。また、このシステムは、来場者が所持する磁気カードやIDカードに各ブースにおける製品情報を電子データとして格納することができず、カタログや製品仕様書、製品使用説明書等の大量の書類を来場者に持ち帰ってもらわなければならない。大量のそれら書類を持ち帰ることは、来場者にとって多大な負担となる。
【0004】
本発明の目的は、資源の無駄を省くことができ、来場者が製品情報を電子データとして持ち帰ることができるアダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の前提は、携帯電話端末に接続した状態で所定の会場を訪れた来場者に所持させるアダプタである。
【0006】
前記前提における本発明の特徴は、アダプタと会場の受付に設置された受付コンピュータとが、近距離無線通信規格を利用することで互いに通信可能であり、アダプタが、来場者に関する来場者データを受付コンピュータから受信する来場者データ受信手段と、受信した来場者データを記憶する来場者データ記憶手段と、受信した来場者データを携帯電話端末の表示部を介して表示する来場者データ表示手段とを有することにある。
【0007】
本発明の実施態様の一例としては、アダプタと会場の各ブースに設置されたブースコンピュータとが、近距離無線通信規格を利用することで互いに通信可能であり、アダプタが、記憶した来場者データを携帯電話端末の操作部を介してブースコンピュータに送信する来場者データ送信手段を有する。
【0008】
本発明の実施態様の他の一例としては、アダプタが、ブースコンピュータに来場者データを送信する際、該来場者データの送信可否を携帯電話端末の表示部を介して表示する送信可否表示手段を有する。
【0009】
本発明の実施態様の他の一例としては、アダプタが、記憶した来場者データの中からブースコンピュータへ送信すべき所定の来場者データを携帯電話端末の操作部を介して指定する来場者データ指定手段と、指定した来場者データのみをブースコンピュータに送信する指定来場者データ送信手段とを有する。
【0010】
本発明の実施態様の他の一例としては、アダプタが、ブースコンピュータに表示された複数の要望事項から所定の要望事項を指定する要望指定を携帯電話端末の操作部を介して該ブースコンピュータに送信する要望指定送信手段と、指定した要望事項に対する要望対応データをブースコンピュータから受信する要望対応データ受信手段と、受信した要望対応データを各ブースおよび各要望事項に関連付けて記憶する要望対応データ記憶手段と、記憶した要望対応データを各ブースおよび各要望事項とともに携帯電話端末の表示部を介して表示する要望対応データ表示手段とを有する。
【0011】
本発明の実施態様の他の一例としては、アダプタが、指定した要望事項をブースコンピュータから受信する要望事項受信手段と、受信した要望事項を各ブースに関連付けて記憶する要望事項記憶手段と、記憶した要望事項を各ブースとともに携帯電話端末の表示部を介して表示する要望事項表示手段とを有する。
【0012】
本発明の実施態様の他の一例としては、近距離無線通信規格が無線Lanジグビー(ZigBee)(登録商標)であり、近距離無線通信規格におけるアダプタと受付コンピュータ14との間の通信速度が20〜250KB/s、近距離無線通信規格におけるアダプタとブースコンピュータとの間の通信速度が20〜250KB/s、近距離無線通信規格における利用周波数帯域が2.4GHzである。
【0013】
本発明の実施態様の他の一例として、システムでは、アダプタとブースコンピュータとの間の通信距離を1〜100mの範囲で設定可能であり、アダプタと受付コンピュータとの通信時における消費電力が60mW以下、アダプタとブースコンピュータとの通信時における消費電力が60mW以下である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るアダプタによれば、受付コンピュータが来場者データを送信し、その来場者データを携帯電話用アダプタが受信かつ記憶することで、会場入場時の受付手続が完了する。ゆえに、背景技術の来場者管理システムと異なり、磁気カードやIDカードに格納された顧客識別コードと顧客識別コード管理データベースに格納された顧客識別コードとを照合する必要はなく、顧客識別コードを管理する顧客識別コード管理データベースを必要としないから、携帯電話用アダプタを異なる他の会場において再利用することができ、資源の無駄を省くことができる。アダプタは、異なる他の会場において来場者データの変更、追加、削除を自由に行うことができ、来場者データとして多種多様な情報を記憶することができるから、異なる他の会場において異なる各種の来場者データを自由に設定かつ使用することができる。このアダプタは、来場者データを携帯電話端末の表示部を介して表示するから、来場者が携帯電話端末の表示部を見ることで来場者データの正誤を確認することができ、常に正確な来場者データを保持することができる。
【0015】
記憶した来場者データを携帯電話端末の操作部を介してブースコンピュータに送信するアダプタは、それを接続した携帯電話端末を所持した来場者がブースコンピュータの通信可能範囲に入ると、来場者データがアダプタからブースコンピュータに送信されるから、来場者データを読み取るためのリーダ装置を別途設置する必要はなく、各ブースの出展者や主催者、管理者の手間を省くことができる。アダプタは、ブースコンピュータとの間の通信距離を自由に設定することができるから、アダプタとブースコンピュータとの間の通信可能範囲を立体的に確保することができ、通信可能範囲内に存在するすべての来場者の来場者データをアダプタを介してブースコンピュータに確実に送信することができる。アダプタは、ブースの容積に合わせてアダプタとブースコンピュータとの間の通信距離を自由に設定することができるから、ブースの敷地面積が大きく、そこに多数の来場者が訪れたとしても、そのブースに入ったすべての来場者の来場者データをアダプタを介してブースコンピュータに送信することができる。このアダプタは、それを利用することで、各ブースに設置されたブースコンピュータに来場者データを即時に送信することができるから、各ブースの出展者や主催者、管理者が来場者データを即時に取得することができ、来場者データが会場の管理事務局等から数日後に提供される場合と比較し、来場者データに対する処理を迅速に行うことができる。
【0016】
ブースコンピュータに来場者データを送信する際、来場者データの送信可否を携帯電話端末の表示部を介して表示するアダプタは、来場者が自己の来場者データの送信を希望しない場合、携帯電話端末の操作部を介して来場者データの送信を拒否することができ、送信を希望しない来場者の来場者データがブースコンピュータに不用意に送信されてしまうことを防ぐことができる。
【0017】
記憶した来場者データの中からブースコンピュータへ送信すべき所定の来場者データを携帯電話端末の操作部を介して指定し、指定した来場者データのみをブースコンピュータに送信するアダプタは、来場者が来場者データの中からブースコンピュータに送信すべき来場者データを自由に選択することができ、来場者データの中から来場者が送信を希望しないデータを除いた状態で、その来場者データのみをブースコンピュータへ送信することができる。
【0018】
要望指定を携帯電話端末の操作部を介してブースコンピュータに送信するアダプタは、各ブースの出展者や主催者、管理者が来場者の要望事項を即時に取得することができるから、要望事項が会場の管理事務局等から数日後に提供される場合と比較し、出展者や主催者、管理者の要望事項取得時間を大幅に短縮することができ、要望事項の処理や対処を迅速に行うことができる。アダプタは、指定した要望事項に対する要望対応データをブースコンピュータから受信し、受信した要望対応データを各ブースおよび各要望事項に関連付けて記憶するから、携帯電話端末を介して来場者が要望事項に対応する要望対応データを即時に取得することができ、要望対応データを再生することでそのデータを適時に活用することができる。アダプタは、各ブースの出展者や主催者、管理者が要望対応データを来場者に数日後に送付または送信する場合と比較し、来場者の要望対応データ取得時間を大幅に短縮することができ、希望する情報を来場者に速やかに提供することができる。アダプタは、来場者が要望対応データを電子データとして持ち帰ることができるから、来場者が大量の書類を持ち帰る必要はなく、来場者の負担を大幅に軽減することができる。このアダプタは、要望対応データを携帯電話端末の表示部に表示させることができるから、来場者が携帯電話端末を介して要望対応データを適時に見ることができる。
【0019】
指定した要望事項をブースコンピュータから受信し、受信した要望事項を各ブースに関連付けて記憶しつつ、要望事項を各ブースとともに携帯電話端末の表示部を介して表示するアダプタは、来場者が指示した要望事項が各ブースに関連付けられてアダプタに記憶されるから、来場者自身がどこのブースで何を要望したかを確認することができ、来場者が要望事項を忘れたとしても、各ブースにおける要望事項を適時に確認することができる。
【0020】
近距離無線通信規格が無線Lanジグビー(ZigBee)であるアダプタは、無線Lanジグビーを利用することで1台の受付コンピュータと複数のアダプタとが通信可能であり、1台の受付コンピュータから複数のアダプタに来場者データを送信することができる。また、無線Lanジグビーを利用することで1台のブースコンピュータと複数のアダプタとが通信可能であり、複数の来場者がブースに訪れたとしても、ブースコンピュータがそれら来場者に関する来場者データのすべてをアダプタから受信することができ、すべてのアダプタが要望対応データを受信することができる。このアダプタは、それと受付コンピュータやブースコンピュータとの通信時における消費電力が60mW以下であるから、アダプタの長期間の使用が可能であり、充電間隔や電池交換時期を大幅に延長することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
添付の図面を参照し、本発明に係るアダプタの詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、アダプタ13を利用した一例として示す会場運営システム10の概略構成図であり、図2は、携帯電話端末12とアダプタ13との斜視図である。図3は、一例として示すアダプタ13の概略構成図であり、図4は、一例として示す携帯電話端末12の概略構成図である。図1では、携帯電話端末12やアダプタ13、電磁波シールドボックス54の図示を省略している。図2では、コネクタ30を介して携帯電話端末12とアダプタ13とが電気的に接続された状態を二点鎖線で示す。アダプタ13を利用した会場運営システム10は、各企業(各ブースの出展者、主催者、管理者)が新製品や新技術の紹介を行う展示会場11において利用される。
【0022】
会場運営システム10は、展示会場11に来場した来場者(個人や企業の担当者、官公庁関係者等)が所持する携帯電話端末12と、携帯電話端末12に着脱可能に接続されるアダプタ13と、展示会場11の受付に設置された複数台の受付コンピュータ14,15と、展示会場11を提供する管理事務局16に設置された中央管理コンピュータ17と、各ブース18,19,20,21に設置された複数台のブースコンピュータ22とから形成されている。受付コンピュータ14,15とブースコンピュータ22とは、インターフェイス(有線または無線)を介して中央管理コンピュータ17に接続されている。アダプタ13は、携帯電話端末12に接続した状態で来場者が所持する。なお、アダプタ13を含む会場運営システム10は、展示会場11のみならず、イベント会場や催事会場、セミナー会場、講演会場でも利用することができる。
【0023】
展示会場11は、入口23および出口24を有する所定面積の建物の内部に施設されている。展示会場11外側の入口23近傍には入場受付25が設置され、展示会場11外側の出口24近傍には退場受付26が設置されている。なお、展示会場11が屋外に施設される場合もある。展示会は、各分野の複数の企業が集まって開催され、通常2〜5日間連続して実施される。展示会では、その種別毎に出展企業が変わり、その都度展示会場11のレイアウトやブース配置が設計され、あらたなレイアウトやブース配置に基づいて会場11が設定される。展示会場11に作られたそれらブース18,19,20,21は、それぞれ敷地面積(容積)が異なる。それらブース18,19,20,21どうしの間には、通路27が形成されている。
【0024】
来場者は、入場受付25において受付手続を行った後、アダプタ13を接続した携帯電話端末12を所持して入口23から会場11に入り、各ブース18,19,20,21を回る。来場者は、各ブース18,19,20,21において各企業の展示製品を展覧し、製品の説明等を受けた後、出口24から会場11を出る。各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者は、自社製品をアピールするため、来場者に関する来場者データの提供やアンケートに対する回答を依頼し、来場者データを提供した来場者にカタログや粗品を渡す。製品に興味を持った来場者は、ブース18,19,20,21の係員に自己の要望事項を伝える。ブース18,19,20,21の係員は、来場者の要望事項に対応する要望対応データを来場者に提供する。各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者は、ブース18,19,20,21において来場者に好印象を与えることや来場者データを有効に活用することで、商機をつかむことができる。
【0025】
来場者データには、特定の来場者データを他のそれと識別するための来場者データ識別区分番号、アダプタ13をアダプタ毎に特定するアダプタ識別番号、来場日付、来場者の氏名または名称、来場者の住所または居所、来場者の郵便番号および電話番号、来場者が勤務する会社名(官公庁を含む)、会社の住所、会社の郵便番号および電話番号、E−mailアドレス、URL等がある。要望事項には、会社内容請求、製品詳細説明請求、カタログ請求、製品仕様書請求、製品使用説明書請求、見積請求、商談要求、メールアドレス請求、URL請求、試供品提供等がある。要望対応データには、会社内容の電子情報、製品詳細説明の電子情報、カタログの電子情報、製品仕様書の電子情報、製品使用説明書の電子情報、E−mailアドレス、URL等がある。
【0026】
携帯電話端末12には、図2に示すように、アダプタ13が着脱可能に取り付けられる。アダプタ13は、近距離無線通信規格を利用可能な無線デバイス28と、無線デバイス28にインターフェイス29を介して接続されたコネクタ30と、アダプタ13の外形を画成するハウジング31とから形成されている。無線デバイス28は、IC32と、IC32にインターフェイス29を介して接続されたバッテリー33(電池)とから形成されている。IC32は、メモリ34とマイクロプロセッサ35とを備え、記憶機能や近距離無線通信機能等を有する。アダプタ13は、近距離無線通信規格を利用することで無線通信可能、かつ、各種データを記憶可能である。IC32とバッテリー33とは、ハウジング31の内部に収納されている。コネクタ30は、ハウジング31の端部からハウジング31の外側に露出している。
【0027】
マイクロプロセッサ35は、メモリ34に格納されたオペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリ34からアプリケーションプログラムを起動し、プログラムに従って後記する各手段を実行する。マイクロプロセッサ35は、実行する各手段に対応したアプリケーションプログラムをメモリ34から随時読み込んで解読し、必要なコマンドを携帯電話端末12に出力する。マイクロプロセッサ35は、展示会場11に来場した来場者に関する来場者データを受付コンピュータ14から受信する来場者データ受信手段、受信した来場者データをメモリ34に記憶する来場者データ記憶手段、受信した来場者データを携帯電話端末12のディスプレイ36(表示部)を介して表示する来場者データ表示手段を実行する。
【0028】
マイクロプロセッサ35は、メモリ34に記憶した来場者データのすべてを携帯電話端末12の数字ボタン37(操作部)を介してブースコンピュータ22に送信する来場者データ送信手段、ブースコンピュータ22に来場者データを送信する際、来場者データの送信可否を携帯電話端末12のディスプレイ36を介して表示する送信可否表示手段を実行する。マイクロプロセッサ35は、メモリ34に記憶した来場者データの中からブースコンピュータ22へ送信すべき所定の来場者データを携帯電話端末12の数字ボタン37(操作部)を介して指定する来場者データ指定手段、指定した来場者データのみをブースコンピュータ22に送信する指定来場者データ送信手段を実行する。マイクロプロセッサ35は、ブースコンピュータ22に表示された複数の要望事項から所定の要望事項を指定する要望指定を携帯電話端末12の数字ボタン37(操作部)を介してブースコンピュータ22に送信する要望指定送信手段、指定した要望事項をブースコンピュータ22から受信する要望事項受信手段を実行する。
【0029】
マイクロプロセッサ35は、ブースコンピュータ22から受信した要望事項を各ブース18,19,20,21に関連付けてメモリ34に記憶する要望事項記憶手段、メモリ34に記憶した要望事項を各ブース18,19,20,21とともに携帯電話端末12のディスプレイ36を介して表示する要望事項表示手段を実行する。マイクロプロセッサ35は、携帯電話端末12を介して指定した要望事項に対応する要望対応データをブースコンピュータ22から受信する要望対応データ受信手段、ブースコンピュータ22から受信した要望対応データを各ブース18,19,20,21および各要望事項に関連付けてメモリ34に記憶する要望対応データ記憶手段、メモリ34に記憶した要望対応データを各ブース18,19,20,21および各要望事項とともに携帯電話端末12のディスプレイ36を介して表示する要望対応データ表示手段を実行する。
【0030】
携帯電話端末12は、図4に示すように、無線ユニット38と信号処理ユニット39と制御ユニット40とを基本構成部材とする。携帯電話端末12は、それら構成部材の他に、ディスプレイ36とイメージセンサ41とメモリ42とを有する。ディスプレイ36やイメージセンサ41、メモリ42は、制御ユニット40に接続されている。携帯電話端末12には、インターフェイス43を介して制御ユニット40に接続されたコネクタ44が取り付けられている。携帯電話端末12は、バッテリー45を内蔵している。無線ユニット38は、アンテナスイッチ46につながるアンテナ47と、受信機48および送信機49と、周波数シンセサイザー50とから形成されている。受信機48は、RFフィルタ、ローノイズアンプ(LNA)、IFアンプフィルタ、直交復調機等を有する(図示せず)。送信機49は、パワーアンプ(PA)、ミキサ(MIX)、直交変調機等を有する(図示せず)。信号処理ユニット39は、マイクロコントローラ(MCU)、デジタル・シグナル・プロセッサから形成されている(図示せず)。アダプタ13を携帯電話端末12に接続するには、携帯電話端末12のコネクタ44にアダプタ13のコネクタ30を挿し込む。
【0031】
アダプタ13から出力された来場者データを含む信号波は、受信機48から信号処理ユニット39を経由して制御ユニット40に転送される。信号波を受信した制御ユニット40は、信号波による指示に従って、来場者データをディスプレイ36に表示する。制御ユニット40は、信号波による指示に従って、来場者データのすべての送信の可否をディスプレイ36に表示し、来場者データの中からブースコンピュータ22へ送信すべき来場者データを選択番号とともにディスプレイ36に表示する。制御ユニット40は、信号波による指示に従って、ブースコンピュータ22に表示された各種要望事項の選択番号をディスプレイ36に表示し、アダプタ13のメモリ34に記憶された要望事項を各ブース18,19,20,21とともにディスプレイ36に表示する。制御ユニット40は、信号波による指示に従って、アダプタ13のメモリ34に記憶された要望対応データを各ブース18,19,20,21および各要望事項とともにディスプレイ36に表示する。
【0032】
受付コンピュータ14,15は、中央処理部(CPUまたはMPU)と大容量ハードディスク(メモリ)とを有するパーソナルコンピュータである。受付コンピュータ14は入場受付25に配置され、受付コンピュータ15は退場受付26に配置されている。それら受付コンピュータ14,15には、キーボードやスキャナ、マウス、バーコードリーダ等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置がインターフェイス(有線または無線)を介して接続されている。受付コンピュータ14では、来場者の登録手続や来場者データをアダプタ13に格納する格納手続等を行う。受付コンピュータ15では、来場者データをアダプタ13から消去する消去手続を行う。受付コンピュータ14,15には、近距離無線通信規格を利用することで無線通信可能かつ各種データを記憶可能なアダプタ51が着脱可能に接続されている。アダプタ51は、アダプタ13と同一であるから、図3を援用することで、その説明は省略する。アダプタ51をブースコンピュータ22に接続するには、ブースコンピュータ22の接続端子にアダプタ51のコネクタ30を挿し込む。
【0033】
受付コンピュータ14,15のハードディスクには、所定の手段を受付コンピュータ14,15に実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。アプリケーションプログラムは、それを記憶した記憶媒体から受付コンピュータ14,15のハードディスクにインストールされる。なお、記憶媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、半導体メモリ、磁気ディスクがある。受付コンピュータ14,15の中央処理部は、ハードディスクに記憶されたオペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリからアプリケーションプログラムを起動する。中央処理部は、起動したアプリケーションプログラムに従って、受付手続時における来場者の来場者データを取り込む来場者データ取込手段、取り込んだ来場者データをディスプレイに表示する来場者データ表示手段を実行する。中央処理部は、取り込んだ来場者データを改変する来場者データ改変手段、来場者データをハードディスクに格納する来場者データ記憶手段、来場者データをアダプタ51を介してアダプタ13に送信する来場者データ送信手段を実行する。中央処理部は、アダプタ13に記憶された来場者データを消去する来場者データ消去手段、来場者データを中央管理コンピュータ17に出力する来場者データ出力手段を実行する。
【0034】
中央管理コンピュータ17は、中央処理部(CPUまたはMPU)と大容量ハードディスク(メモリ)とを有するパーソナルコンピュータであり、統合管理データベース52が接続されている。中央管理コンピュータ17には、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置がインターフェイス(有線または無線)を介して接続されている。ハードディスクには、所定の手段を中央管理コンピュータ17に実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。アプリケーションプログラムは、それを記憶したCD−ROM等の光ディスク(記憶媒体)から中央管理コンピュータ17のハードディスクにインストールされる。
【0035】
中央管理コンピュータ17の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、ハードディスクに格納されたアプリケーションプログラムを起動する。中央処理部は、起動したアプリケーションプログラムに従って、受付コンピュータ14から出力された来場者データを統合管理データベース52に格納する受付来場者データ格納手段、ブースコンピュータ22から出力された来場者データを統合管理データベース52に格納するブース来場者データ格納手段を実行する。中央処理部は、来場者が各ブース18,19,20,21において選択した要望事項を統合管理データベース52に格納する要望事項格納手段、来場者によって選択された要望事項に対応する要望対応データを統合管理データベース52に格納する要望対応データ格納手段を実行する。中央処理部は、来場者の各ブース18,19,20,21への入場時間および各ブース18,19,20,21からの退場時間を統合管理データベース52に格納する入退場時間格納手段、各ブース18,19,20,21における来場者の滞在時間を統合管理データベース52に格納する滞在時間格納手段を実行する。
【0036】
中央管理コンピュータ17の中央処理部は、各ブースコンピュータ22から出力された各種データを収集し、それらデータ(来場者データと要望事項と入退場時間と滞在時間とのうちの少なくとも来場者データおよび要望事項)を各ブース18,19,20,21毎に一纏めにした一覧表を作成する作表手段、作表手段を介して作成した一覧表を出力する表出力手段、来場者が回った各ブース18,19,20,21の時系列的な経路を生成する経路生成手段、経路生成手段を介して生成した経路を出力する経路出力手段とを実行する。中央処理部は、各ブースコンピュータ22から出力された各種データや経路生成手段を介して生成された来場者の経路データ、作表手段を介して作成された一覧表を記憶するデータ記憶手段、来場者データ等の各種データをディスプレイやプリンタを介して出力するデータ出力手段を実行する。
【0037】
統合管理データベース52は、中央管理コンピュータ17からのデータ転送指令に基づいて各種データを中央管理コンピュータ17に転送し、中央管理コンピュータ17からのデータ格納指令に基づいて各種データを格納する。統合管理データベース52には、事前に登録を行った来場者の来場者データが格納されている。また、統合管理データベース52には、当日に展示会場11において受付手続を行った来場者の来場者データが格納される。さらに、受付コンピュータ14,15やブースコンピュータ22から出力された来場者データや経路生成手段を介して生成された経路データ、作表手段を介して作成した一覧表等がその都度格納される。なお、統合管理データベース52には、各ブース18,19,20,21を識別するためのブース識別番号と、それらブース識別番号に対応したブース出展者、主催者、管理者の氏名または名称とが格納されている。
【0038】
ブースコンピュータ22は、中央処理部(CPUまたはMPU)と大容量ハードディスク(メモリ)とを有するパーソナルコンピュータである。ブースコンピュータ22には、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置がインターフェイス(有線または無線)を介して接続されている。ハードディスクには、所定の手段をブースコンピュータ22に実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。アプリケーションプログラムは、それを記憶したCD−ROM等の光ディスク(記憶媒体)からブースコンピュータ22のハードディスクにインストールされる。なお、図1では、各ブース18,19,20,21にブースコンピュータ22が1台設置されているが。1つのブース18,19,20,21に複数台のブースコンピュータ22が設置される場合もある。
【0039】
ブースコンピュータ22には、近距離無線通信規格を利用することで無線通信可能かつ各種データを記憶可能なアダプタ53が着脱可能に接続されている。アダプタ53は、アダプタ13と同一であるから、図3を援用することで、その説明は省略する。アダプタ53をブースコンピュータ22に接続するには、ブースコンピュータ22の接続端子にアダプタ53のコネクタ30を挿し込む。なお、それらアダプタ13,51,53は、その構成部品としてIC32を使用しているが、IC32の他に、ゲートアレイやフィールドプログラマブルゲートアレイ、専用ハードウェアのうちのいずれかを使用することもできる。
【0040】
ブースコンピュータ22の中央処理部は、ハードディスクに記憶されたオペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリからアプリケーションプログラムを起動する。中央処理部は、起動したアプリケーションプログラムに従って、アダプタから送信された来場者データをアダプタ53を介して受信する来場者データ受信手段、受信した来場者データをディスプレイに表示する来場者データ表示手段、受信した来場者データをハードディスクに記憶する来場者データ記憶手段を実行する。中央処理部は、複数の要望事項をディスプレイに表示する要望事項表示手段、来場者が選択した要望事項をハードディスクに記憶する要望事項記憶手段、来場者が選択した要望事項をアダプタ53を介してアダプタ13に送信する要望事項送信手段を実行する。中央処理部は、来場者によって選択された要望事項に対応する要望対応データをアダプタ53を介してアダプタ13に送信する要望対応データ送信手段、送信した要望対応データをハードディスクに記憶する要望対応データ記憶手段を実行する。
【0041】
ブースコンピュータ22の中央処理部は、来場者の各ブース18,19,20,21への入場時間と各ブース18,19,20,21からの退場時間とを記憶する入退場時間記憶手段、各ブース18,19,20,21における来場者の滞在時間を記憶する滞在時間記憶手段を実行する。さらに、中央処理部は、記憶した来場者データや来場者が選択した要望事項データ、要望事項に対応する要望対応データ、来場者のブース18,19,20,21への入場時間データおよび来場者のブース18,19,20,21からの退場時間データ、ブース18,19,20,21における来場者の滞在時間データを中央管理コンピュータ17に出力するデータ出力手段を実行する。なお、ブースコンピュータ22のハードディスクには、各種の要望事項や各種の要望対応データがあらかじめ格納されている。
【0042】
それらアダプタ13,51,53が実行する近距離無線通信規格には、無線Lanジグビー(ZigBee)(登録商標)が利用されている。無線Lanジグビーは通信コストが安価で消費電力が少ない近距離無線通信規格であり、物理層にIEEEが使用され、2.4GHz帯の周波数帯域を16のチャネルに分割して利用する。無線Lanジグビーのデータ転送速度は最大で250kbpsであり、データ転送距離は1〜100mである。無線Lanジグビーは、相互に接続するマルチホッピング機能により、64000個の機器を接続することができ、すべてを無線でコントロール可能なネットワークを構築することができる。
【0043】
図5は、入場時における受付手続の一例を示す図であり、図6は、来場者データをアダプタ13に記憶させる手順の一例を示す図である。展示会開催日以前に登録を行った事前登録の来場者の受付手続の一例は、以下のとおりである。事前登録済の来場者は、所持する招待状を受付係員に渡す。受付係員は、受け取った招待状に文字情報として表示された来場者データをスキャナで読み込む。スキャナで読み込まれた来場者データは、スキャナから受付コンピュータ14へ出力され、受付コンピュータ14に取り込まれる(来場者データ取込手段)。受付コンピュータ14は、取り込んだ来場者データをディスプレイに表示する(来場者データ表示手段)。来場者は、ディスプレイに表示された来場者データを見ることで、来場者データの正誤を確認する。来場者データの確認の結果、それが正しい場合、受付コンピュータ14は、取り込んだ来場者データを電子データ化してハードディスクに格納するとともに(来場者データ記憶手段)、来場者データを電子データとして中央管理コンピュータ17に出力する(来場者データ出力手段)。
【0044】
来場者データに誤りがある場合は、受付係員がキーボードやマウス等の入力装置を介して来場者データを正しく改変する(来場者データ改変手段)。ここで、来場者データの改変には、データの変更、追加、削除がある。来場者データが正しく改変された後、受付コンピュータ14は、改変された来場者データを電子データ化してハードディスクに格納するとともに(来場者データ記憶手段)、その来場者データを電子データとして中央管理コンピュータ17に出力する(来場者データ出力手段)。また、来場者データに追加する項目がある場合や来場者データから削除する項目がある場合は、キーボードやマウス等の入力装置を介して来場者データにあらたな項目を追加し、または、来場者データから所定の項目を削除する(来場者データ改変手段)。項目の追加または項目の削除が行われた後、受付コンピュータ14は、項目追加または項目削除後の来場者データを電子データ化してハードディスクに格納するとともに(来場者データ記憶手段)、その来場者データを電子データとして中央管理コンピュータ17に出力する(来場者データ出力手段)。
【0045】
事前登録の来場者の受付手続の他の一例は、以下のとおりである。事前登録済の来場者は、所持する招待状を受付係員に渡す。受付係員は、受け取った招待状に表示されたバーコードをバーコードリーダを介して読み込む。バーコードには、来場者の来場者データが格納されている。バーコードリーダで読み込まれた来場者データは、バーコードリーダから受付コンピュータ14へ出力され、受付コンピュータ14に取り込まれる(来場者データ取込手段)。受付コンピュータ14では、取り込んだ来場者データをディスプレイに表示し(来場者データ表示手段)、来場者データを電子データ化してハードディスクに格納するとともに(来場者データ記憶手段)、来場者データを電子データとして中央管理コンピュータ17に出力する(来場者データ出力手段)。なお、来場者データに誤りがある場合の手続、来場者データに追加する項目がある場合の手続、来場者から削除する項目がある場合の手続等の来場者データの改変手続は既述のとおりである。
【0046】
中央管理コンピュータ17は、受付コンピュータ14から出力された来場者データを統合管理データベース52に事前に格納された来場者データと照合し、事前に登録が行われていることを確認する。事前登録が行われている場合、中央管理コンピュータ17は、受付コンピュータ14から出力された来場者データに受付済みフラグと日付データとを設定し、受付済みフラグや日付データとともに来場者データを統合管理データベース52に格納する(受付来場者データ格納手段)。来場者データの改変が行われた場合、中央管理コンピュータ17は、改変された来場者データに受付済みフラグと日付データとを設定し、受付済みフラグや日付データとともにその来場者データを統合管理データベース52に格納する(受付来場者データ格納手段)。
【0047】
事前登録の来場者の受付手続の他の一例は、以下のとおりである。事前登録済の来場者は、所持する招待状を受付係員に渡す。受付係員は、受け取った招待状に表示されたバーコードをバーコードリーダを介して読み込む。バーコードには、来場者の名前と来場者識別コードとの少なくとも一方が格納されている。バーコードリーダで読み込まれた来場者の名前や来場者識別コードは、バーコードリーダから受付コンピュータ14へ出力され、受付コンピュータ14から中央管理コンピュータ17に出力される。中央管理コンピュータ17では、受付コンピュータ14から出力された来場者の名前や来場者識別コードとあらかじめ統合管理データベース52に格納された来場者の名前や来場者識別コードとを照合する。中央管理コンピュータ17は、照合の結果、来場者の名前や来場者識別コードが互いに合致すると、合致した名前や来場者識別コードの来場者データを統合管理データベース52から抽出し、抽出した来場者データを受付コンピュータ14に出力する。
【0048】
中央管理コンピュータ17は、来場者の名前や来場者識別コードが互いに合致すると、合致した名前や来場者識別コードの来場者データに受付済みフラグと日付データとを設定し、受付済みフラグや日付データとともに来場者データを統合管理データベース52に格納する(受付来場者データ格納手段)。中央管理コンピュータ17から出力された来場者データは、受付コンピュータ14に取り込まれる(来場者データ取込手段)。なお、来場者データに誤りがある場合の手続、来場者データに追加する項目がある場合の手続、来場者から削除する項目がある場合の手続等の来場者データの改変手続は既述のとおりである。来場者データの改変が行われた場合、中央管理コンピュータ17は、改変された来場者データに受付済みフラグと日付データとを設定し、受付済みフラグや日付データとともにその来場者データを統合管理データベース52に格納する(受付来場者データ格納手段)。
【0049】
来場者の事前登録の一例は、来場予定者が自宅や会社のコンピュータからインターネットに接続し、展示会場11を運営する管理事務局16のサイトにアクセスした後、サイトの事前申し込みに従って必要な項目(来場者データ)を入力する。事前申し込みが終了すると、電子メールで招待状が来場予定者に送信される。来場予定者は、管理事務局16から送信された招待状をプリンタから出力し、その招待状を展示会場11に持参する。招待状には、事前登録者の来場者データが文字情報として印刷されているか、または、来場者データを格納したバーコードが印刷されている。中央管理コンピュータ17において来場者の名前や来場者識別コードを照合する場合は、招待状に来場者の名前や来場者識別コードを格納したバーコードが印刷される。
【0050】
事前登録の来場者の来場者データの取り込みが終了すると、受付コンピュータ14に取り込まれた来場者データのアダプタ13への書き込みが行われる。来場者データのアダプタ13への書き込みは、受付コンピュータ14と、それに接続されたアダプタ51と、電磁波シールドボックス54とを使用して行われる(図6参照)。シールドボックス54は、入場受付25と退場受付26とに設置されている。シールドボックス54は、電磁波を遮断する電磁波シールド材で作られた六面体の箱であり、開閉可能な蓋(図示せず)を有する頂壁55および底壁56と、それら頂底壁55,56間に延びる側壁57とから形成されている。それら壁55,56,57に囲まれた内部には、アダプタ13を収納する収納部58が画成されている。収納部58には、受付コンピュータ14に取り付けられたアダプタ51から延びるアンテナ59が配置されている。なお、図示はしていないが、シールドボックス54の外側に延びるアダプタ51のアンテナ59には、電磁波シールド材によるシールド処理が施されている。
【0051】
電磁波シールド材の一例としては、炭素鋼板、ステンレス鋼板、銅板、下地(鋼板,プラスチック板,フィルム等)の外面に銅箔を貼り付けた板材、下地(鋼板,プラスチック板,フィルム等)の外面にアルミ箔を貼り付けた板材を使用することができる。電磁波シールド材の他の一例としては、合成繊維の表面に銅やニッケルをメッキした導電性繊維を使用することができる。導電性繊維は、その複数を下地(鋼板,プラスチック板,フィルム等)の外面に固着して使用する。電磁波シールド材の他の一例としては、金を蒸着させたフィルムを貼り付けたシールドガラス、銀等の金属膜をスパッタしたシールドガラス、ポリエステル繊維にニッケルをメッキした導電性メッシュを2枚のガラスで挟んだシールドガラスを使用することができる。シールドボックス54は、それら電磁波シールド材の少なくとも1つを材料として作られている。ゆえに、ボックス54の収納部58から外側に電磁波(電波)が漏出することはない。なお、シールド材の接合部分には、ガスケットを挿入する。ガスケットには、ニッケル合金、ベリリュウムカッパ、ステンレス鋼等を使用することができる。
【0052】
受付係員は、シールドボックス54の頂壁55に取り付けられた蓋を開けてアダプタ13を収納部58に納め、蓋を閉じる。シールドボックス54に収納されるアダプタ13は1つのみである。受付係員は、受付コンピュータ14のキーボードを介して来場者データのデータ送信指令を受付コンピュータ14に指示する。受付コンピュータ14は、来場者データ送信指令に従って来場者データの電子データをアダプタ51に出力し、アダプタ51の無線通信機能を利用して来場者データを送信する(データ送信手段)。来場者データの電子データは、アダプタ51のアンテナ59からシールドボックス54の収納部58に発信され、収納部58に入れたアダプタ13に受信された後(来場者データ受信手段)、アダプタ13のメモリ34に記憶される(来場者データ記憶手段)。次に、受付係員は、蓋を開けて収納部58からアダプタ13を取り出し、そのアダプタ13を事前登録の来場者に渡す。来場者は、アダプタ13を携帯電話端末12に接続し、携帯電話端末12とともにアダプタ13を所持して展示会場11内に入る。
【0053】
当日受付における受付手続は、以下のとおりである。当日受付の来場者は、入場受付において必要項目(来場者データ)を入場申し込み用紙に記入した後、申し込み用紙を受付係員に渡す。または、所持する名刺を受付係員に渡す。受付係員は、受け取った申し込み用紙または名刺をスキャナで読み込む。申し込み用紙に記載された来場者データまたは名刺に表示された来場書データは、スキャナから受付コンピュータ14へ出力され、受付コンピュータ14に取り込まれる(来場者データ取込手段)。受付コンピュータ14は、取り込んだ来場者データをディスプレイに表示し(来場者データ表示手段)、来場者データを電子データ化してハードディスクに格納するとともに(来場者データ記憶手段)、来場者データを電子データとして中央管理コンピュータ17に出力する(来場者データ出力手段)。なお、来場者データに誤りがある場合の手続、来場者データに追加する項目がある場合の手続、来場者から削除する項目がある場合の手続等の来場者データの改変手続は既述のとおりである。
【0054】
中央管理コンピュータ17は、受付コンピュータ14から出力された来場者データに受付済みフラグと日付データを設定し、受付済みフラグや日付データとともに来場者データを統合管理データベース52に格納する(受付来場者データ格納手段)。来場者データの改変が行われた場合、中央管理コンピュータ17は、改変された来場者データに受付済みフラグと日付データとを設定し、受付済みフラグや日付データとともにその来場者データを統合管理データベース52に格納する(受付来場者データ格納手段)。
【0055】
当日受付の来場者の来場者データの取り込みが終了すると、受付コンピュータ14に取り込まれた来場者データのアダプタ13への書き込みが行われる。来場者データのアダプタ13への書き込み手順は、事前登録の来場者のそれと同一であるから、その説明は省略する。来場者データのアダプタ13への書き込みが行われた後、当日受付の来場者は、アダプタ13を携帯電話端末12に接続し、携帯電話端末12とともにアダプタ13を所持して展示会場11内に入る。
【0056】
図7は、来場者データを表示した携帯電話端末12のディスプレイ36の図である。なお、図7では、来場者データの具体的な例示は省略している。アダプタ13を携帯電話端末12に接続した後、携帯電話端末12の所定のボタンを押すと、アダプタ13のメモリ34に記憶された来場者データがアダプタ13から携帯電話端末12に出力され、携帯電話端末12のディスプレイ36に来場者データの内容が表示される(来場者データ表示手段)。ディスプレイ36に表示された来場者データは、来場者の氏名、来場者の郵便番号、来場者の住所、来場者の電話番号、来場者のE−mailアドレス、来場者が勤務する会社の会社名、会社の郵便番号、会社の住所、会社の電話番号、会社のURLである。来場者は、ディスプレイ36に表示された来場者データの内容を見ることで、来場者データの正誤を確認することができる。ディスプレイ36に表示された来場者データを確認した結果、来場者データに誤りがある場合は、受付コンピュータ14によって来場者データの訂正が行われる。来場者データの訂正は、アダプタ13を再びシールドボックス54に入れ、既述の改変手続によって行われる。
【0057】
この会場運営システム10では、電磁波シールドボックス54を使用してアダプタ13に来場者データを格納するから、来場者に所持させるアダプタ13のみにその来場者の来場者データを記憶させることができる。システム10は、来場者データの電子データがシールドボックス54の収納部58からボックス54の外側に漏出することはなく、複数のアダプタ13が入場受付25に置かれていたとしても、収納部58に発信された来場者データが他のアダプタ13のメモリ34に格納されてしまうことはなく、来場者データの不用意な漏出を防ぐことができる。
【0058】
この会場運営システム10は、入場受付時に受付コンピュータ14において来場者データの誤りを訂正することができ、誤った来場者データがアダプタ113に記憶されてしまうことを防ぐことができる。システム10は、受付コンピュータ14において来場者データとしてあらたな項目を追加することや来場者データから所定の項目を削除することができ、受付コンピュータ14を使用して多種多様な来場者データをアダプタ13のメモリ34に記憶させることができる。システム10は、アダプタ13のメモリ34に記憶された来場者データを自由に改変することができるから、異なる他の会場において来場者データの変更、追加、削除を自由に行うことができる。システム10は、来場者データとして多種多様な情報をアダプタ13のメモリ34に記憶させることができるから、異なる他の会場において異なる各種の来場者データを自由に設定かつ使用することができる。
【0059】
図8は、アダプタ13とブースコンピュータ22との間の各種データの送受信を説明する図であり、図9〜11は、携帯電話端末12のディスプレイ36を示す図である。図9〜11では、携帯電話端末12のディスプレイ36に送信可否や各データが表示されている。アダプタ13が接続された携帯電話端末12を所持した来場者は、入口23から会場11に入り、各ブース18,19,20,21を回る。各ブース18,19,20,21では、ブースコンピュータ22に接続されたアダプタ53と携帯電話端末12に接続されたアダプタ13との間の通信距離がそれらブース18,19,20,21の容積に合わせてあらかじめ設定されている。アダプタ13とアダプタ53との間の通信距離は、1〜100mの範囲で調節することができる。なお、アダプタ13とアダプタ53との間の通信距離をブース18,19,20,21の容積に合わせる必要はなく、ブース18,19,20,21の容積よりも小さい範囲で通信距離を設定してもよい。
【0060】
各ブース18,19,20,21における来場者データの送受信の一例を説明すると、以下のとおりである。ブース18,19,20,21に来場者が訪れると、ブース18,19,20,21の係員は、来場者に来場者データの送信可否を問い合わせる。来場者が送信可を選択すると、ブース18,19,20,21の係員は、携帯電話端末12の数字ボタンの(1)を押すように求める。来場者が数字ボタンの(1)を押すと、アダプタ13のマイクロプロセッサ35は、図9に示すように、携帯電話端末12のディスプレイ36を介して来場者データの送信可否(たとえば、データ送信可は番号1、データ送信不可は番号2)を表示する(送信可否表示手段)。来場者が携帯電話端末12の数字ボタン37の(2)を押すと、来場者データは送信されず、来場者データの送信拒否がディスプレイ36に表示される(図示せず)。
【0061】
来場者が携帯電話端末12の数字ボタン37の(1)を押すと、アダプタ13のマイクロプロセッサ35は、図10に示すように、携帯電話端末12のディスプレイ36を介して来場者データの全送信または部分送信(たとえば、全送信は番号1、部分送信は番号2)を表示する。来場者が携帯電話端末12の数字ボタン37の(1)を押すと、アダプタ13のマイクロプロセッサ35は、メモリ34に記憶した来場者データのすべてをブースコンピュータ22のアダプタ53に送信する(来場者データ送信手段)。ブースコンピュータ22は、アダプタ13から送信された来場者データをアダプタ53を介して受信し(来場者データ受信手段)、受信した来場者データをディスプレイ36に表示するとともに(来場者データ表示手段)、受信した来場者データをハードディスクに記憶する(来場者データ記憶手段)。
【0062】
来場者が携帯電話端末12の数字ボタン37の(2)を押すと、アダプタ13のマイクロプロセッサ35は、メモリ34に記憶した来場者データに番号を設定した後、図11に示すように、番号順に並ぶ各種来場者データを携帯電話端末12のディスプレイ36に表示する。ディスプレイ36に表示された各種来場者データは、(1)来場者の氏名、(2)来場者の住所(郵便番号および電話番号を含む)、(3)来場者が勤務する会社名、(4)会社の住所(会社の郵便番号および電話番号を含む)、(5)E−mailアドレス、(6)URLである。来場者がディスプレイ36に表示されたそれら来場者データの番号に対応する数字ボタン37を押すと、来場者データの中からブースコンピュータ22へ送信すべき所定の来場者データが指定される(来場者データ指定手段)。アダプタ13のマイクロプロセッサ35は、ブースコンピュータ22へ送信すべき来場者データが指定されると、指定された来場者データのみをブースコンピュータ22に送信する(指定来場者データ送信手段)。ブースコンピュータ22は、アダプタ13から送信された来場者データをアダプタ53を介して受信し(来場者データ受信手段)、受信した来場者データをディスプレイに表示するとともに(来場者データ表示手段)、受信した来場者データをハードディスクに記憶する(来場者データ記憶手段)。
【0063】
なお、来場者がブース18,19,20,21に入ると、アダプタ識別番号がアダプタ13から自動的にブースコンピュータ22に送信される。ブースコンピュータ22は、アダプタ識別番号がアダプタ13から送信されると、そのときの時間(日付を含む入場時間)を特定する。それにより、ブースコンピュータ22は、来場者の入場時間を判断する。ブースコンピュータ22は、来場者のブース18,19,20,21への入場時間にアダプタ識別番号を添付し、その入場時間をハードディスクに記憶する(第1入退場時間記憶手段)。入場時間にアダプタ識別番号が添付されることで、入場時間データと来場者データとが関連付けられてブースコンピュータ22に格納される。
【0064】
アダプタ13から送信された来場者データは、ブースコンピュータ22から中央管理コンピュータ17に出力される(データ出力手段)。中央管理コンピュータ17は、ブースコンピュータ22から出力された来場者データを各ブース18,19,20,21に関連付けて統合管理データベース52に格納する(ブース来場者データ格納手段)。来場者データと各ブース18,19,20,21とは、以下のように関連付けられている。ブースコンピュータ22のハードディスクには、統合管理データベース52に格納された各ブース18,19,20,21のブース識別番号と同一のブース識別番号と、それらブース識別番号に対応するブース出展者、主催者、管理者の氏名または名称とが格納されている。ブースコンピュータ22は、来場者データを中央管理コンピュータ17に出力するときに、その来場者データにブース識別番号と出展者、主催者、管理者の氏名または名称とを添付して出力する。来場者データにブース識別番号と出展者、主催者、管理者の氏名または名称とが添付されることで、来場者データとブース18,19,20,21とが関連付けられて統合管理データベース52に格納される。
【0065】
なお、ブースコンピュータ22において来場者データを取得することの承諾を各来場者から事前に得ている場合では、各ブース18,19,20,21の容積に合わせてブースコンピュータ22に接続されたアダプタ53と携帯電話端末12に接続されたアダプタ13との間の通信距離を設定することで、来場者が各ブース18,19,20,21に入ると、来場者の来場者データがアダプタ13から自動的にブースコンピュータ22のアダプタ53に送信され(来場者データ送信手段)、来場者データがブースコンピュータ22のハードディスクに記憶されるとともに(来場者データ記憶手段)、ブース識別番号と出展者、主催者、管理者の氏名または名称とが添付された来場者データがブースコンピュータ22から中央管理コンピュータ17に出力される(データ出力手段)。
【0066】
図12〜図14は、ブースコンピュータ22のディスプレイに表示された要望事項の一例を示す図であり、図15,16は、要望事項の選択番号が表示された携帯電話端末12のディスプレイ36の図である。来場者データを受信した後、ブース18,19,20,21の係員は、来場者に要望の有無を訪ねる。来場者が要望有りを伝えると、係員は、キーボードを介してブースコンピュータ22に要望事項表示指示を入力する。ブースコンピュータ22は、要望事項表示指示に従って要望事項をディスプレイに表示する(要望事項表示手段)。ブースコンピュータ22のディスプレイに表示された要望事項の一例は、図12に示すように、会社内容、製品詳細、カタログ請求、製品仕様、製品使用説明、見積、商談、URL、メールアドレス、試供品提供である。ブースコンピュータ22は、アダプタ53を介して選択番号が設定された要望事項をアダプタ13に送信する。
【0067】
アダプタ13は、ブースコンピュータ22から選択番号付きの要望事項を受信し、受信した要望事項を携帯電話端末12のディスプレイ36に表示させる。携帯電話端末12のディスプレイ36には、図15に示すように、それら要望事項とともに、要望事項の選択番号が表示される。来場者は、それら要望事項の中から少なくとも1つを選択し、キーボードの数字ボタンを押して要望事項の番号を特定するか、または、携帯電話端末12の数字ボタン37を押すことで要望事項の番号を特定する。要望事項番号として携帯電話端末12の数字ボタン37の(2)が押されたものとする。携帯電話端末12の数字ボタン37の(2)が押されると、アダプタ13からアダプタ53に要望事項番号(2)が送信される(要望事項指定送信手段)。要望事項番号(2)は、アダプタ53からブースコンピュータ22に出力される。ブースコンピュータ22は、図13に示すように、要望事項番号(2)に対応する製品詳細画面(複数の製品名およびそれら製品の写真)をディスプレイに表示する(要望事項表示手段)。ブースコンピュータ22は、アダプタ53を介して選択番号が設定された製品名をアダプタ13に送信する。
【0068】
アダプタ13は、ブースコンピュータ22から選択番号付きの複数の製品名を受信し、受信した製品名を携帯電話端末12のディスプレイ36に表示させる。携帯電話端末12のディスプレイ36には、図16に示すように、製品名とともに、製品の選択番号が表示される。来場者は、キーボードまたは携帯電話端末12の数字ボタン37を押して希望する製品の番号を特定する。要望事項番号として携帯電話端末12の数字ボタン37の(3)が押されたものとする。携帯電話端末12の数字ボタン37の(3)が押されると、アダプタ13からアダプタ53に要望事項番号(3)が送信される(要望事項指定送信手段)。要望事項番号(3)は、アダプタ53からブースコンピュータ22に出力される。ブースコンピュータ22は、図14に示すように、要望事項番号(3)に対応する製品Cの製品紹介画面(製品の拡大写真、詳細説明、価格、設計図等)をディスプレイに表示する。ブース18,19,20,21の係員は、ディスプレイを見ながら来場者に製品説明を行う。
【0069】
ブースコンピュータ22は、来場者が選択した要望事項を来場者データに関連付けてハードディスクに記憶する(要望事項記憶手段)。ここで、ハードディスクに記憶される要望事項は、来場者が携帯電話端末12を介して選択した製品詳細とそれに続く製品Cとである。ゆえに、ハードディスクには、ディスプレイに段階的に表示される要望事項のすべてが記憶される。要望事項と来場者データとの関連付けは、来場者データに設定された来場者データ識別区分番号を要望事項の電子データに添付することにより行われる。要望事項に来場者データ識別区分番号が添付されることで、要望事項と来場者データとが関連付けられてブースコンピュータ22に格納される。
【0070】
ブースコンピュータ22は、要望事項に対応する要望対応データ(会社内容の電子情報、製品詳細説明の電子情報、カタログの電子情報、製品仕様書の電子情報、製品使用説明書の電子情報等)を来場者データに関連付けてハードディスクに記憶する(要望対応データ記憶手段)。ここで、ハードディスクに記憶される要望対応データは、来場者が携帯電話端末12を介して選択した製品Cの具体的な内容である。要望対応データと来場者データとの関連付けは、来場者データに設定された来場者データ識別区分番号を要望対応データの電子データに添付することにより行われる。要望対応データに来場者データ識別区分番号が添付されることで、要望対応データと来場者データとが関連付けられてブースコンピュータ22に格納される。
【0071】
ブースコンピュータ22は、来場者が選択した要望事項の電子データにブース18,19,20,21のブース識別番号とブース識別番号に対応した出展者、主催者、管理者の氏名または名称とを添付した後、その要望事項の電子データをアダプタ53を介してアダプタ13に送信する(要望事項送信手段)。ここで、アダプタ13に送信される要望事項は、来場者が携帯電話端末12を介して選択した製品詳細とそれに続く製品Cとである。ゆえに、アダプタ13には、ブースコンピュータ22のディスプレイに段階的に表示される要望事項のすべてが記憶される。ブースコンピュータ22は、要望事項に対応する要望対応データの電子データにブース18,19,20,21のブース識別番号とブース識別番号に対応した出展者、主催者、管理者の氏名または名称とを添付した後、その要望対応データの電子データをアダプタ53を介してアダプタ13に送信する(要望対応データ送信手段)。ここで、アダプタ13に送信される要望対応データは、来場者が携帯電話端末12を介して選択した製品Cの具体的な内容である。
【0072】
来場者が所持するアダプタ13は、ブース識別番号と出展者、主催者、管理者の氏名または名称とが添付された要望事項の電子データをブースコンピュータ22から受信し(要望事項受信手段)、受信した要望事項をブース識別番号や出展者、主催者、管理者の氏名または名称とともにメモリ34に記憶する(要望事項記憶手段)。要望事項にブース識別番号と出展者、主催者、管理者の氏名または名称とが添付されることで、要望事項とブース18,19,20,21とが関連付けられてアダプタ13のメモリ34に記憶される。アダプタ13は、ブース識別番号と出展者、主催者、管理者の氏名または名称とが添付された要望対応データの電子データをブースコンピュータ22から受信し(要望対応データ受信手段)、受信した要望対応データをブース識別番号や出展者、主催者、管理者の氏名または名称とともにメモリ34に記憶する(要望事項記憶手段)。要望対応データにブース識別番号と出展者、主催者、管理者の氏名または名称とが添付されることで、要望対応データが各ブース18,19,20,21および各要望事項に関連付けられてアダプタ13のメモリ34に記憶される。
【0073】
来場者がブース18,19,20,21から出ると、ブースコンピュータ22は、アダプタ13がアダプタ53の通信可能範囲外に移動したものと判断し、そのときの時間(日付を含む退場時間)を特定するとともに、通信可能範囲外に移動したアダプタ13のアダプタ識別番号を特定する。それにより、ブースコンピュータ22は、来場者の退場時間を判断する。ブースコンピュータ22は、来場者のブース18,19,20,21からの退場時間をアダプタ識別番号とともにハードディスクに記憶する(第1入退場時間記憶手段)。退場時間にアダプタ識別番号が添付されることで、退場時間データと来場者データとが関連付けられてブースコンピュータ22に格納される。ブースコンピュータ22は、入場時間と退場時間との差を計算することで、ブース18,19,20,21における来場者の滞在時間(日付を含む)を算出し、来場者の滞在時間をアダプタ識別番号とともにハードディスクに記憶する(第1滞在時間記憶手段)。滞在時間にアダプタ識別番号が添付されることで、滞在時間データと来場者データとが関連付けられてブースコンピュータ22に格納される。
【0074】
ブースコンピュータ22は、来場者が選択した要望事項に来場者データ識別区分番号とブース識別番号とを添付し、その要望事項の電子データを中央管理コンピュータ17に出力し、要望対応データに来場者データ識別区分番号とブース識別番号とを添付し、その要望対応データの電子データを中央管理コンピュータ17に出力する(データ出力手段)。ブースコンピュータ22は、来場者のブース18,19,20,21への入場時間とブース18,19,20,21からの退場時間とにアダプタ識別番号とブース識別番号とを添付し、その入退場時間の電子データを中央管理コンピュータ17に出力し、来場者のブース18,19,20,21での滞在時間にアダプタ識別番号とブース識別番号とを添付し、その滞在時間の電子データを中央管理コンピュータ17に出力する(データ出力手段)。
【0075】
中央管理コンピュータ17は、ブースコンピュータ22から出力された要望事項を来場者データ識別区分番号やブース識別番号とともに統合管理データベース52に格納する(要望事項記憶手段)。要望事項に来場者データ識別区分番号とブース識別番号とが添付されることで、要望事項と来場者データやブース18,19,20,21とが関連付けられて統合管理データベース52に格納される。中央管理コンピュータ17は、ブースコンピュータ22から出力された要望対応データを来場者データ識別区分番号やブース識別番号とともに統合管理データベース52に格納する(要望対応データ記憶手段)。要望対応データに来場者データ識別区分番号とブース識別番号とが添付されることで、要望対応データと来場者データやブース18,19,20,21とが関連付けられて統合管理データベース52に格納される。
【0076】
中央管理コンピュータ17は、ブースコンピュータ22から出力された入退場時間(日付を含む)をアダプタ識別番号やブース識別番号とともに統合管理データベース52に格納する(入退場時間記憶手段)。入退場時間にアダプタ識別番号とブース識別番号とが添付されることで、入退場時間と来場者データやブース18,19,20,21とが関連付けられて統合管理データベース52に格納される。中央管理コンピュータ17は、ブースコンピュータ22から出力された滞在時間(日付を含む)をアダプタ識別番号やブース識別番号とともに統合管理データベース52に格納する(滞在時間記憶手段)。滞在時間にアダプタ識別番号とブース識別番号とが添付されることで、滞在時間と来場者データやブース18,19,20,21とが関連付けられて統合管理データベース52に格納される。
【0077】
来場者が会場11から出て退場受付26に来ると、退場受付26の係員がアダプタ13のメモリ34に記憶された来場者データの消去の可否を問い合わせる。来場者がアダプタ13に記憶された来場者データの消去可を選択すると、係員は、アダプタ13を預かり、アダプタ13をシールドボックス54の収納部58に収納し、受付コンピュータ15のキーボードを介して来場者データの消去指令をコンピュータ15に出力する。受付コンピュータ15は、来場者データ消去指令に従ってアダプタ13のメモリ34に記憶された来場者データを消去する(来場者データ消去手段)。なお、アダプタ13のメモリ34に記憶された要望事項や要望対応データは消去されることはない。
【0078】
次に、退場受付26の係員は、来場者が所持するアダプタ13の返却の有無を来場者に問い合わせる。来場者がアダプタ13の返却有を選択すると、アダプタ13が管理事務局16に返却されるが、アダプタ13の返却無を選択すると、アダプタ13をそのまま持ち帰ることができる。退場受付26では、アダプタ13をシールドボックス54の収納部58に収納した状態でそれに記憶された来場者データを消去するから、他の複数のアダプタ13が退場受付26に置かれていたとしても、他のアダプタ13に記憶された来場者データを消去することはなく、来場者データの不用意な消去を防ぐことができる。また、来場者がアダプタ13に記憶された来場者データの継続保持を希望しない場合、来場者データをアダプタ13から消去することができるから、アダプタ13の紛失や盗難による来場者データの不正な漏出を防ぐことができる。
【0079】
図17は、要望事項を表示した携帯電話端末12のディスプレイ36の図であり、図18は、要望対応データを表示した携帯電話端末12のディスプレイ36の図である。図17では、ブース(ブースの出展者、主催者、管理者の氏名又は名称)とともに要望事項(内容)が表示されている。図18では、ブース(ブースの出展者、主催者、管理者の氏名又は名称)や要望事項とともに要望対応データ(製品詳細)が表示されている。来場者は、持ち帰ったアダプタ13のメモリ34に記憶された要望対応データを再生することで、その内容を見ることができる。来場者が携帯電話端末12の所定のボタンを押すと、アダプタ13は、メモリ34から各要望事項を抽出した後、抽出したそれら要望事項を携帯電話端末12に出力し、要望事項を携帯電話端末12のディスプレイ36に表示させる(要望事項表示手段)(図17参照)。来場者がディスプレイ36に表示された要望事項の中から所定の要望事項を選択すると、アダプタ13は、その要望事項に対応する要望対応データをメモリ34から抽出した後、抽出した要望対応データを携帯電話端末12に出力し、要望対応データを携帯電話端末12のディスプレイ36に表示させる(要望対応データ表示手段)(図18参照)。
【0080】
このアダプタ13は、それを利用することで、要望事項を各ブース18,19,20,21とともに携帯電話端末12のディスプレイ36を介して表示することができるから、来場者自身がどこのブース18,19,20,21で何を要望したかを確認することができ、来場者が要望事項を忘れたとしても、各ブース18,19,20,21における要望事項を適時に確認することができる。アダプタ13は、それを利用することで、来場者が要望対応データを電子データとして持ち帰ることができるから、来場者がカタログや製品仕様書、製品使用説明書等の大量の書類を持ち帰る必要はなく、来場者の負担を大幅に軽減することができる。また、アダプタ13を介して来場者が要望事項に対応する要望対応データを即時に取得することができ、要望対応データを再生することでそのデータを適時に活用することができる。なお、アダプタ13に記憶された要望対応データの電子データは経時的な劣化がなく、書類と異なって長期間の保存が可能である。
【0081】
このアダプタ13は、あらたな会場においてメモリ34に再度来場者データを記憶させることができ、または、既に記憶されている来場者データを他のあらたな会場において使用することができるから、アダプタ13を他の展示会場やイベント会場、催事会場、セミナー会場、講演会場において繰り返して使用することができ、資源の無駄を省くことができる。アダプタ13は、それを接続した携帯電話端末12を所持した来場者がブースコンピュータ22の通信可能範囲に入ると、来場者データがアダプタ13からブースコンピュータ22に送信されるから、来場者データを読み取るためのリーダ装置を別途設置する必要はなく、各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者の手間を省くことができる。
【0082】
アダプタ13は、ブースコンピュータ22との間の通信距離を自由に設定することができるから、アダプタ13とブースコンピュータ22との間の通信可能範囲を立体的に確保することができ、通信可能範囲内に存在するすべての来場者の来場者データをアダプタ13を介してブースコンピュータ22に確実に送信することができる。アダプタ13は、ブース18,19,20,21の容積に合わせてアダプタ13とブースコンピュータ22との間の通信距離を自由に設定することができるから、ブース18,19,20,21の敷地面積が大きく、そこに多数の来場者が訪れたとしても、そのブース18,19,20,21に入ったすべての来場者の来場者データをアダプタ13を介してブースコンピュータ22に送信することができる。アダプタ13は、それを利用することで、各ブース18,19,20,21に設置されたブースコンピュータ22に来場者データを即時に送信することができるから、各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者が来場者データを即時に取得することができ、来場者データが会場11の管理事務局16から数日後に提供される場合と比較し、来場者データに対する処理を迅速に行うことができる。
【0083】
アダプタ13は、ブースコンピュータ22に来場者データを送信する際、来場者データの送信可否を携帯電話端末12のディスプレイ36(表示部)を介して表示するから、来場者が自己の来場者データの送信を希望しない場合、携帯電話端末12の数字ボタン37(操作部)を介して来場者データの送信を拒否することができ、送信を希望しない来場者の来場者データがブースコンピュータ22に不用意に送信されてしまうことを防ぐことができる。アダプタ13は、記憶した来場者データの中からブースコンピュータ22へ送信すべき所定の来場者データを携帯電話端末12の数字ボタン37を介して指定し、指定した来場者データのみをブースコンピュータ22に送信することができるから、来場者が来場者データの中からブースコンピュータ22に送信すべき来場者データを選択することができ、来場者データから来場者が送信を希望しないデータを除くことができる。
【0084】
アダプタ13は、それを利用することで、各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者が来場者の要望事項を即時に取得することができるから、要望事項が会場11の管理事務局16から数日後に提供される場合と比較し、出展者や主催者、管理者の要望事項取得時間を大幅に短縮することができ、要望事項の処理や対処を迅速に行うことができる。アダプタ13は、それを利用することで、各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者が要望対応データを来場者に数日後に送付または送信する場合と比較し、来場者の要望対応データ取得時間を大幅に短縮することができ、希望する情報を来場者に速やかに提供することができる。
【0085】
各アダプタ13,51,53が近距離無線通信規格として無線Lanジグビー(ZigBee)を使用しているから、1台のブースコンピュータ22と複数のアダプタ13とが通信可能であり、複数の来場者がブース18,19,20,21に訪れたとしても、1台のブースコンピュータ22がそれら来場者に関する来場者データのすべてをアダプタ13から受信することができる。また、1台の受付コンピュータ14と複数のアダプタ13とが通信可能であり、1台の受付コンピュータ14から複数のアダプタ13に来場者データを送信することができる。なお、アダプタ13と受付コンピュータ14,15のアダプタ51やブースコンピュータ22のアダプタ53との通信時における消費電力が60mW以下であるから、アダプタ13,51,53の長期間の使用が可能であり、充電間隔や電池交換時期を大幅に延長することができる。
【0086】
図19は、中央管理コンピュータ17が作成した一覧表60の一例を示す図であり、図20は、中央管理コンピュータ17が生成した経路図61の一例を示す図である。展示会が終了すると、管理事務局16は、中央管理コンピュータ17を使用し、来場者データと要望事項と入退場時間と滞在時間とを各ブース18,19,20,21毎に一纏めにした一覧表60を作成し、それを各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者に提供する。また、管理事務局16は、中央管理コンピュータ17を使用し、入退場時間に基づいて来場者が回った各ブース18,19,20,21の時系列的な経路図を作成し、それを各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者に提供する。管理事務局16の係員は、キーボードを介して中央管理コンピュータ17に一覧表作成指示を入力する。中央管理コンピュータ17は、一覧表作成指示に従って一覧表60を作成する。
【0087】
中央管理コンピュータ17による一覧表60の作成の一例を説明すると、以下のとおりである。中央管理コンピュータ17は、ブースコンピュータ22から出力された来場者データや要望事項、入退場時間、滞在時間を各ブース識別番号に基づいて各ブース18,19,20,21毎に区分する。次に、ブース18,19,20,21毎の来場者データを来場者データ識別区分番号によって来場者データ別に区分し、さらに、来場者データ別に区分した来場者データをアダプタ識別番号と入場時間とによって入場時間別に区分し、入場時間別に区分した来場者データを入場時間の順に従って並べ、来場者データの時系列的な一覧表60を作成する(作表手段)。中央管理コンピュータ17は、統合管理データベース52に格納されたブース識別番号とブースコンピュータ22から出力されたブース識別番号とを参照し、ブース識別番号に対応する出展者、主催者、管理者の氏名または名称を統合管理データベース52から抽出し、抽出した氏名または名称(出展企業名)を一覧表60に表示する。
【0088】
作成した一覧表60は、統合管理データベース52に格納されるとともに(データ記憶手段)、ディスプレイに表示され、プリンタでプリントされる(表出力手段)。プリンタでプリントされた一覧表60の一例には、ブースA〜Dにおける来場者データや入退場時間、滞在時間、要望事項が表示されている。この一覧表60の来場者データには、出展企業名、来場日付、来場者の氏名または名称、来場者の住所または居所、来場者の郵便番号および電話番号、来場者が勤務する企業名、企業の住所、企業の郵便番号および電話番号、E−mailアドレス、URLが表示されている。
【0089】
中央管理コンピュータ17による経路生成の一例を説明すると、以下のとおりである。中央管理コンピュータ17は、ブースコンピュータ22から出力された来場者データを来場者データ識別区分番号によって来場者データ別に区分する。中央管理コンピュータ17は、来場者データ別に区分した来場者データを各ブース識別番号に基づいて各ブース18,19,20,21別に区分し、さらに、来場者別かつブース別に区分した来場者データをアダプタ識別番号と入場時間とによって時間別に区分する。来場者データは、来場者別、ブース別、入場時間別に区分された後、ブース別に基づいて各ブース18,19,20,21を表示したブース配置図に当て嵌められる。ブース配置図の各ブース18,19,20,21には、そのブース18,19,20,21への来場者の入場時間、そのブース18,19,20,21からの来場者の退場時間、そのブース18,19,20,21での来場者の滞在時間が書き込まれる。中央管理コンピュータ17は、入場時間に基づいて来場者の各ブース18,19,20,21への入場順番を決定し、来場者の経路を表す線をブース配置図に記入する(経路生成手段)。中央管理コンピュータ17は、統合管理データベース52に格納されたブース識別番号とブースコンピュータ22から出力されたブース識別番号とを参照し、ブース識別番号に対応する出展者、主催者、管理者の氏名または名称を統合管理データベース52から抽出し、抽出した氏名または名称(出展企業名)を経路図61に表示する。生成した経路図61は、統合管理データベー52に格納されるとともに(データ記憶手段)、ディスプレイに表示され、プリンタでプリントされる(経路出力手段)。
【0090】
プリンタでプリントされた経路図61の一例には、来場者αの経路が表示されている。来場者αは、ブース18からブース20に行き、ブース20からブース19に行った後、ブース19からブース21に行ったことがわかる。また、経路図61のそれらブース18,19,20,21には、来場者αの入退場時間や滞在時間が表示されるから、来場者αが各ブース18,19,20,21に入場した時間、各ブース18,19,20,21から退場した時間、各ブース18,19,20,21に滞在した時間がわかる。なお、中央管理コンピュータ17は、図示はしていないが、一覧表60や経路図61のみならず、来場者1人1人の各種データを個別に出力することもでき、来場者データのうちの特定の項目のみを纏めて出力することもできる(データ出力手段)。
【0091】
会場運営システム10は、ブースコンピュータ22が来場者の各ブース18,19,20,21への入場時間と各ブース18,19,20,21からの退場時間とを記憶するとともに、各ブース18,19,20,21における来場者の滞在時間を記憶するから、各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者が入場時間や退場時間、滞在時間から来場者の各ブース18,19,20,21における行動時間を把握することができ、ブース18,19,20,21の人気や不人気、ブース18,19,20,21におけるイベント開催時間の長短等を分析することができるとともに、今後のブース18,19,20,21の運営方針の参考にすることができる。システム10は、各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者がブース18,19,20,21における入場時間や退場時間、滞在時間を即時に取得することができるから、ブース18,19,20,21の運営方針を速やかに検討することができ、展示会開催期間中にブース18,19,20,21のレイアウトやイベント開催時間等をその場で変更しつつ、ブース18,19,20,21を継続して運営することができる。
【0092】
会場運営システム10は、展示会場11の管理事務局16に設置された中央管理コンピュータ17が来場者データや要望事項、入場時間、退場時間、滞在時間を一括して管理し、それらのデータを各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者に提供するから、各ブース18,19,20,21のブースコンピュータ22が取得した情報を再度確認することができ、各ブース18,19,20,21におけるデータの喪失を確実に防ぐことができる。システム10は、中央管理コンピュータ17を介して展示会場11の管理事務局16がそれらのデータを分析することができるから、それらのデータに基づいて会場全体のレイアウトや各ブースの配置を検討することができ、今後の会場運営の参考にすることができる。システム10は、中央管理コンピュータ17が各ブース18,19,20,21のブースコンピュータ17から送信された要望対応データを一括して管理し、送信された要望対応データを展示会場11の管理事務局16が取得することで、要望対応データの変更、追加、削除等を各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者に要求することができる。
【0093】
会場運営システム10は、中央管理コンピュータ17が来場者データと要望事項と入退場時間と滞在時間とを各ブース18,19,20,21毎に一纏めにした一覧表60を作成し、作成した一覧表60を出力するから、展示会場11の管理事務局16が一覧表60に基づいて会場全体のレイアウトや各ブースの配置を検討することができ、今後の会場運営の参考にすることができる。システム10は、各ブース18,19,20,21毎の一覧表60がブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者に提供されることで、出展者や主催者、管理者がブース18,19,20,21の人気や不人気、ブース18,19,20,21におけるイベント開催時間の長短等を分析することができ、今後のブース18,19,20,21の運営方針の参考にすることができる。システム10は、中央管理コンピュータ17が来場者データと来場者の各ブース18,19,20,21への入場時間および各ブース18,19,20,21からの退場時間とに基づいてそれら来場者が入った各ブース18,19,20,21の時系列的な経路図61を生成かつ出力するから、展示会場11の管理事務局16のみならず、各ブース18,19,20,21の出展者や主催者、管理者が展示会場11における来場者の時系列的な経路を確認することができ、会場全体のレイアウトや各ブースの配置を分析することができるとともに、今後の会場運営やブース運営の参考にすることができる。
【0094】
中央管理コンピュータ17は、受付コンピュータ14から出力された来場者データを統合管理データベース52から取り出し、それら来場者データのすべてを出力装置を介してランダムに出力することができる。中央管理コンピュータ17は、事前登録を行った来場者の来場者データを統合管理データベース52から取り出し、それら来場者データのすべてを出力装置を介してランダムに出力することができる。受付コンピュータ14,15やブースコンピュータ22にはアダプタ51,53が取り付けられているが、それらコンピュータ14,15,22に近距離無線通信規格を利用可能な無線デバイス28を内蔵することで、アダプタ51,53の使用を省くことができる。このシステム10では、近距離無線通信規格として無線LANジグビーを利用しているが、ジグビーの他に、Bluetooth(ブルートゥース)を利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】アダプタを利用した一例として示す会場運営システムの概略構成図。
【図2】アダプタと携帯電話端末との斜視図。
【図3】一例として示すアダプタの概略構成図。
【図4】一例として示す携帯電話端末の概略構成図。
【図5】入場時における受付手続の一例を示す図。
【図6】来場者データを記憶デバイスに記憶させる手順の一例を示す図。
【図7】来場者データを表示した携帯電話端末のディスプレイの図。
【図8】アダプタとブースコンピュータとの間の各種データの送受信を説明する図。
【図9】携帯電話端末のディスプレイを示す図。
【図10】携帯電話端末のディスプレイを示す図。
【図11】携帯電話端末のディスプレイを示す図。
【図12】ブースコンピュータのディスプレイに表示された要望事項の一例を示す図。
【図13】ブースコンピュータのディスプレイに表示された要望事項の一例を示す図。
【図14】ブースコンピュータのディスプレイに表示された要望事項の一例を示す図。
【図15】要望事項の選択番号が表示された携帯電話端末のディスプレイの図。
【図16】要望事項の選択番号が表示された携帯電話端末のディスプレイの図。
【図17】要望事項を表示した携帯電話端末のディスプレイの図。
【図18】要望対応データを表示した携帯電話端末のディスプレイの図。
【図19】中央管理コンピュータが作成した一覧表の一例を示す図。
【図20】中央管理コンピュータが生成した経路図の一例を示す図。
【符号の説明】
【0096】
10 会場運営システム
11 展示会場
12 携帯電話端末
13 アダプタ
14 受付コンピュータ
15 受付コンピュータ
17 中央管理コンピュータ
18 ブース
19 ブース
20 ブース
21 ブース
28 無線デバイス
34 メモリ
35 マイクロプロセッサ
36 ディスプレイ(表示部)
37 数字ボタン(操作部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話端末に接続した状態で所定の会場を訪れた来場者に所持させるアダプタにおいて、
前記アダプタと前記会場の受付に設置された受付コンピュータとが、近距離無線通信規格を利用することで互いに通信可能であり、前記アダプタが、前記来場者に関する来場者データを前記受付コンピュータから受信する来場者データ受信手段と、受信した来場者データを記憶する来場者データ記憶手段と、受信した来場者データを前記携帯電話端末の表示部を介して表示する来場者データ表示手段とを有することを特徴とするアダプタ。
【請求項2】
前記アダプタと前記会場の各ブースに設置されたブースコンピュータとが、前記近距離無線通信規格を利用することで互いに通信可能であり、前記アダプタが、記憶した来場者データを前記携帯電話端末の操作部を介して前記ブースコンピュータに送信する来場者データ送信手段を有する請求項1記載のアダプタ。
【請求項3】
前記アダプタが、前記ブースコンピュータに来場者データを送信する際、該来場者データの送信可否を前記携帯電話端末の表示部を介して表示する送信可否表示手段を有する請求項2記載のアダプタ。
【請求項4】
前記アダプタが、記憶した来場者データの中から前記ブースコンピュータへ送信すべき所定の来場者データを前記携帯電話端末の操作部を介して指定する来場者データ指定手段と、指定した来場者データのみを前記ブースコンピュータに送信する指定来場者データ送信手段とを有する請求項2または請求項3に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記アダプタが、前記ブースコンピュータに表示された複数の要望事項から所定の要望事項を指定する要望指定を前記携帯電話端末の操作部を介して該ブースコンピュータに送信する要望指定送信手段と、指定した要望事項に対する要望対応データを前記ブースコンピュータから受信する要望対応データ受信手段と、受信した要望対応データを各ブースおよび各要望事項に関連付けて記憶する要望対応データ記憶手段と、記憶した要望対応データを各ブースおよび各要望事項とともに前記携帯電話端末の表示部を介して表示する要望対応データ表示手段とを有する請求項2ないし請求項4いずれかに記載のアダプタ。
【請求項6】
前記アダプタが、指定した要望事項を前記ブースコンピュータから受信する要望事項受信手段と、受信した要望事項を各ブースに関連付けて記憶する要望事項記憶手段と、記憶した要望事項を各ブースとともに前記携帯電話端末の表示部を介して表示する要望事項表示手段とを有する請求項5記載のアダプタ。
【請求項7】
前記近距離無線通信規格が、無線Lanジグビー(ZigBee)(登録商標)であり、前記近距離無線通信規格における前記アダプタと前記受付コンピュータとの間の通信速度が、20〜250KB/s、前記近距離無線通信規格における前記アダプタと前記ブースコンピュータとの間の通信速度が、20〜250KB/s、前記近距離無線通信規格における利用周波数帯域が、2.4GHzである請求項1ないし請求項6いずれかに記載のアダプタ。
【請求項8】
前記システムでは、前記アダプタと前記ブースコンピュータとの間の通信距離を1〜100mの範囲で設定可能であり、前記アダプタと前記受付コンピュータとの通信時における消費電力が60mW以下、前記アダプタと前記ブースコンピュータとの通信時における消費電力が60mW以下である請求項1ないし請求項7いずれかに記載のアダプタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2008−85516(P2008−85516A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261660(P2006−261660)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(599146967)株式会社ネオネット (4)
【出願人】(500099113)株式会社フリーダム・グループ (5)
【Fターム(参考)】