アトピー治療用組成物
【課題】大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物を提供する。
【解決手段】本発明のアトピー治療用組成物は、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有する。
【解決手段】本発明のアトピー治療用組成物は、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物に関するものである。
【0002】
本発明は、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
一般的に、皮膚疾患の範囲にはアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹、苔蘚、うっ滞性皮膚炎、異汗性湿疹、皮脂欠乏性湿疹及び自家感作性湿疹などが含まれる。
【0004】
このような皮膚疾患の発病原因はまだはっきりと知られていない状態であり、その日常症状も皮膚乾燥症、湿疹などと多様に現れるために発病原因がある一つだけで説明することができない。
【0005】
すなわち環境的な要因と遺伝的な素因、免疫学的反応及び皮膚保護膜の異常などを主要な原因とみることができる。大きく見ると、外因性刺激物及び/または内因性分泌物によって皮膚疾患が発生すると見られる。
【0006】
まず、外因性刺激物としては、産業化による媒煙など環境公害、西洋式住居形態によるカーペット、ベッド、ソファーの使用増加及び室内温度の上昇によるほこり、家ダニなどのアレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)などを挙げることができる。
【0007】
内因性分泌物の場合には、代表に自家免疫性過敏反応によって発生する各種物質により皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎などが発生することを挙げることができる。
【0008】
具体的にみると、体内炎症過程においては誘導性NOS(inducible NO synthase、iNOS、NOS−II)及びCOX2(cyclooxygenase2)により過量のNO(nitric oxide)及びPGE2(prostaglandin E2)などの炎症因子が形成される。
【0009】
ここで、NOS−IIはLPS(lipopolysaccharide)及び多様な炎症誘導サイトカイン(cytokines)に露出される場合に発現し、NOSの種類のうちでNOS−IIによるNO生成が絶対的に多く、病理学的に重要な作用をすると知られている。
【0010】
ところが外因性刺激物や内因性分泌物のうち、いずれかによるアトピー性皮膚炎の場合でもかゆい皮膚を掻くことによって皮膚の障壁機能が破壊されて各種刺激物が容易に侵入することによって、さらに悪化する過程を体験する。
【0011】
すなわち皮膚角質化細胞から分泌する蛋白質に対して免疫グロブリン(IgE、immunoglobulinE)が作用して自家免疫性過敏反応を起こして皮膚疾患を悪化させるという点である。
【0012】
具体的にみると、皮膚に存在するランゲルハンス細胞(Langerhans cell)は外部から侵入した抗原に対してIgEと受容体FcRIが共に結合するようになると、MCP−1(monocyte chemotactic protein 1)及びインターロイキン−16(interleukin−16)を分泌するようになる。
【0013】
またランゲルハンス細胞は抗原をT−細胞に伝達してTh2(helper T cell2)の増殖を誘発するようになる。
【0014】
Th2により単球(monocyte)が皮膚に集結し、単球は分化して炎症性樹枝状細胞(dendritic cells、IDEC)に変わるようになる。この樹枝状細胞が炎症性サイトカインのTNF−α、IL-1(Interleukin−1)及びIL−6を過剰分泌することによって、皮膚疾患が悪化する過程を体験するようになる。
【0015】
ここで、IL−1ファミリーにはIL−1α、IL−1β、IL−1RAが含まれ、IL−1αは前駆体にも生物活性があるが、IL−1βは成熟体にだけ生物活性があると知られている。
【0016】
一方、従来にはアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に対する治療法として免疫抑制剤と生体反応調節物質などを開発する方向で研究が進行されてきた。免疫抑制剤としてはステロイド系列があり、生体反応調節物質としてはIFN−γ、抗ヒスタミンなどが代表的である。
【0017】
しかし、これらの物質は消炎作用が迅速であるが、使用を中止する時は症状が悪化したり皮膚免疫系を遮断するためにかえって細菌感染の危険を増加させ、長期間使用することができない。よって、これに代替することができる補完製品の必要性が切実な実情である。
【0018】
一方、天産物を利用した先行技術に対して検討してみると、まず、特許文献1にはナガバギシギシ、楡根皮、地黄、當歸、紫蘇を含む天然成分のアトピー治療剤が開示されている。
【0019】
第二に、特許文献2にはかゆみの緩和効果を示すゴボウ、コブシ、あざみ、ウコン、五味子の混合抽出物が記載されている
【0020】
第三に、特許文献3にはアトピー性皮膚疾患治療用特殊漢方組成物及びその製造工法に関する金銀花(スイカズラ)を含むドクダミ、當歸、モグサ、センキュウ、新鮮草、エンジュ、松芽、ハッカ、緑豆、アンズ種、松脂、メシマコブ、ショウガ、玄蔘、アワ、ヒエ、緑茶、金せん花、桔梗、黒豆の組成物が記載されている。
【0021】
第四に、特許文献4にはアトピー性皮膚炎の予防効果を有する組成物に金銀花(スイカズラ)、當歸、浮き草、ヒソップ、金せん花、アロエ、コガネバナの混合抽出物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献2】韓国特許公開第2006−0058530号公報
【特許文献3】韓国特許公開第2007−0095588号公報
【特許文献4】韓国特許公開第2006−0074038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の目的は、副作用を伴うことなく、持続的に服用することによって、アトピー皮膚炎を改善及び治療するための組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前述の目的を達成するために、本発明は大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物を提供する。
【0025】
ここで、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明のアトピー治療用組成物は、副作用を伴うことなく、持続的に服用することによって、アトピー皮膚炎を改善及び治療できる顕著な効果を保有している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1に係る試料の細胞毒性を実験した結果を示す図面である。
【図2】実施例1に係る試料のDPPH消去能を実験した結果を示す図面である。
【図3】実施例1に係る試料のNO生成抑制を実験した結果を示す図面である。
【図4】実施例1に係る試料のIL−1β生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図5】実施例1に係る試料のIL−6生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図6】実施例1に係る試料のMCP−1生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図7】実施例1に係る試料のTNF−α生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図8】実施例2に係る試料のTNF−α遺伝子発現に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図9】実施例2に係る試料のIL−6遺伝子発現に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図10】実施例2に係る試料のCOX2遺伝子発現に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図11】実施例2に係る試料のNOS−II遺伝子発現に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図12】実施例2に係る試料のMCP−1生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図13】実施例2に係る試料のIL−6生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図14】実施例2に係る試料のIL−8生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【実施例1】
【0029】
アトピー治療用組成物の製造
1−1.組成物の製造背景
本出願人はアトピー疾患を漢方医学的観点で解析して治療用組成物を案出し、組成物の主要成分として大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギを使用する。以下、こてについて説明する。
【0030】
しばしば、アトピーは胎熱とも呼ばれ、アトピー皮膚炎患者は共通的に体に熱が多いことが分かる。
【0031】
その原因としては血に熱毒が蓄積されたと見ることができ、アトピー皮膚炎に同伴される症状である便泌、鼻炎、アレルギー、喘息などの症状もやはり熱毒から生じる症状である点を挙げられる。
【0032】
第一に、大黄、木通、梔子は小腸及び大腸の熱により塞がった気運を疎通させる機能を行う。
【0033】
すなわち、木に比喩すると、小根の役割を人体では小腸、大腸が行うが、アトピー患者らは便秘症状を同伴する場合が多く、これは小腸、大腸の気運が停滞して起こる症状であるとみることができる。
【0034】
第二に、車前子、ニワヤナギ、梔子、ナデシコは膀胱の気を疎通させることによって、人体内の毒素を除去する機能を行う。
【0035】
すなわち、膀胱は単純に小便排出用臟器ではなく、人体で最も下に位置して体の全体を 融合させる重要な臟器として、人間の体温を調節する機能する。
【0036】
これは男性の場合、前立腺や膀胱に熱や気が停滞していると、温度調節が容易ではないという点からも分かる。
【0037】
1−2.アトピー治療用組成物の製造
本実施例1に使用するアトピー治療用組成物を製造するために、大黄3〜15g、木通3〜10g、梔子3〜10g、車前子8g、ナデシコ8g、ニワヤナギ8gを水1Lで2〜4時間加熱して抽出液を得た。
【0038】
抽出液をろ過した後凍結乾燥して抽出物粉末を製造した。
【0039】
ここで、抽出液のろ過過程はガーゼ及び/またはろ過紙(filter paper)を利用し、濃縮したものに水を加えて凍結乾燥した。
【0040】
前述のような過程を繰り返して、アトピー治療用組成物の抽出物試料を得て、試料を冷凍高に保管しながら使用した。
【実施例2】
【0041】
アトピー治療用組成物の製造
2−1.組成物の製造背景
まず、実施例1の組成物が熱毒を除去することに焦点を合せたものであれば、実施例2は熱毒を除去することは勿論、五臓六腑の均衡を合せる点に重点をおいて造成した点を予め明らかにする。
【0042】
第一に、シュクシャ、白豆蒄、白朮、陳皮、カッコウ、檳榔、厚朴、乾薑、枳殼、白芍薬は低下した食欲を高めて胃腸及び消化力を高める機能を行う。
【0043】
アトピー皮膚炎患者は胃腸や消火器に熱が多いため、食欲が低下し、食物のにおいをかぐことさえ嫌うので、脾胃の機能を向上させて食欲を増進させる。
【0044】
第二に、木香、當歸、柴胡、三陵、莪朮、白芍薬、青皮、香附子は肝の怒りを下げ散在した肝の気運を引き上げる機能を行う。
【0045】
アトピー皮膚炎患者は血に熱毒が蓄積されて生じる病気であるため、肝に多くのストレスが与えられ、疲れがちであるので、肝の機能を増進させる。
【0046】
第三に、丁香、高麗人参、乾薑、當歸、香附子、ボウフウ、呉茱萸は冷たくなって消化吸収が機能が低下した腹の中を温める。
【0047】
アトピー皮膚炎患者は一様に一般人達より体の全体で熱が多く発生するが、腹の中はその反対に冷たい。
【0048】
したがって、腹の中を暖かくして食物の消化吸収を助け、胃や肝に負担を減らして生血、補血、退熱する。
【0049】
第四に、黄蓮、梔子、ボウフウ、大黄、チョウセンオニウド、木通、肉豆蒄は小腸、大腸の熱により塞がった気運を疎通させる。
【0050】
第五に、天門冬、黄蓍、紫苑、白芍薬、百茯苓、高麗人参、川椒、桔梗は人体中の皮膚を 管掌する肺を潤沢にする。
【0051】
かゆみにより掻いて傷が生じた皮膚に活性度を高め、皮膚表面にある熱も除去することによってかゆみを克服するようにする。
【0052】
第六に、麦門冬、石菖蒲、肉桂、黄柏、小茴香は心臓、腎臓を保護して肝の清血、生血、補血を心臓、腎臓にさせるようにする。
【0053】
第七に、車前子、ニワヤナギ、梔子、ナデシコを利用して膀胱の気を疎通させて人体内の毒素を除去する。
【0054】
第八に、甘草を使用して各原料を調和させて強化になるようにし、薬毒を体に良いように解毒するようにする。
【0055】
2−2.アトピー治療用組成物の製造
本実施例2に使用するアトピー治療用組成物を製造するために、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15gずつ水1Lで2〜4時間加熱して抽出液を得た。
【0056】
抽出液のろ過、粉末製造及び試料保管、獲得過程などは実施例1と同一に処理した。
【0057】
一方、本実施例2の一例として、実施例1に使用したアトピー治療用組成物の構成である大黄3〜15g、木通3〜10g、梔子3〜10g、車前子8g、ナデシコ8g、ニワヤナギ8gに、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、青皮をそれぞれ1〜15gずつ混合して抽出する構成も可能であることを明らかにする。
【実施例3】
【0058】
アトピー治療用丸剤の製造
3−1.実施例1の造成比率を利用した丸剤の製造
実施例1に係るアトピー治療用組成物の大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ粉砕して90メッシュないし120メッシュの粉末を製造し、それぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合し、練って直径0.3〜0.5cmサイズの丸剤(錠剤)を製造した。
【0059】
または大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合した後に、粉砕して90メッシュないし120メッシュの粉末を製造し、練って直径0.3〜0.5cmサイズの丸剤(錠剤)を製造した。
【0060】
ここで、粉末を練って丸を製造するために、コメ10〜15重量部及び水10〜15重量部でお粥を作った後に、前記原料粉末と共に混合し、練り、乾燥して丸を製造した。
【0061】
3−2.実施例2の組成物を利用した丸剤の製造
実施例2に係るアトピー治療用組成物であるシュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ粉砕して90メッシュないし120メッシュの粉末を製造し、それぞれ1〜15重量部で混合し、練って直径0.3〜0.5cmサイズの丸剤(錠剤)を製造した。
【0062】
またはシュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合した後に、粉砕して90メッシュないし120メッシュの粉末を製造し、練って直径0.3〜0.5cmサイズの丸剤(錠剤)を製造した。
【0063】
ここで、粉末を練って丸を製造するために、コメ10〜15重量部及び水10〜15重量部でお粥を作った後に、前記原料粉末と共に混合し、練り、乾燥して丸を製造した。
【0064】
[参考例1]
アトピー皮膚炎患者の服用例
1−1.実施例1の組成物及び実施例3−1の丸剤の服用例
まず、実施例1〜3に係る組成物及び丸剤は経口で投与し、組成物の投与量は患者の年齢、性別、体重、アトピー皮膚炎の程度によって適切な量を調節することを明らかにする。
【0065】
また実施例1〜3に係る組成物及び丸剤の投与期間は2〜6ケ月程度の時間が必要である。
【0066】
5才以下の患者は液体状態で服用するのが容易であり、1日に3回服用する。このとき食後30分に50cc程度服用し、5才以上の患者は100cc程度服用することが好ましい。
【0067】
丸剤は5〜10才は7丸、10〜15才は15丸、15才以上は18丸を服用することが好ましく、錠剤の薬は食後30分に水で服用することが好ましい。幼い患者の場合苦味を緩和させる必要があるときは、砂糖や蜂蜜を混ぜて服用する。
【0068】
1−2.実施例2の組成物及び実施例3−2の丸剤の服用例
5才以下の患者は液体状態で服用するのが容易であり、1日に3回服用する。このとき食後30分に120cc程度服用し、5才以上の患者は200cc程度服用することが好ましい。
【0069】
丸剤は5〜10才は30丸、10〜15才は40丸、15才以上は50丸を服用することが好ましい。
【0070】
[実験例1]
実施例1に係る試料の細胞の毒性実験
1−1.試料準備
実施例1に係るアトピー治療用組成物の抽出物粉末(実験過程でSong1−2として命名した)100mgを滅菌蒸溜水10mlに溶かした後、フィルターして使用した。
【0071】
実験例2〜7の試料は本実験例1の試料準備過程を同一に行って獲得したことを明らかにする。
【0072】
1−2.細胞の毒性実験
Raw 264.7 cellsは96 well platesに104 cells/wellに分注して24時間培養した後、試料をそれぞれ25、50、100、200mg/mlの濃度で処理し、24時間培養した。培養後、10mlのWST溶液を添加した後CO2培養器(37℃、5%CO2)で30分反応させた後、450nmで吸光度の変化を測定して対照群に対する細胞生存率を百分率で表示した。
【0073】
図1に示したように、Raw 264.7細胞株で実施例1に係る試料は細胞毒性が現れなかったことが分かる。
【0074】
1−3.統計処理
実験結果はSPSS 11.0のunpaired student’s T−testを使用して統計処理し、P<0.05、P<0.01及びP<0.001水準で留意性を検定した。
【0075】
実験例2〜14の統計処理は本実験例1の統計処理方法を同一に適用したことを明らかにする。
[実験例2]
実施例1に係る試料のDPPH消去能実験
自由ラジカル消去活性試験は安定な自由ラジカルDPPHを使用する方法で、エタノールに溶解させた0.2mMのDPPH溶液150mlと試料(25、50、100、200、400、800mg/ml)100mlをそれぞれ混合し、37℃で30分間反応させた後、517nmで吸光度を測定した。対照群は試料液の代わりに蒸溜水を入れ、DPpH溶液の代わりにエタノールを入れて補正値を得た。自由ラジカル消去率は下記の数式1によって計算し、その結果は自由ラジカルを50%消去できる濃度(IC50)で示した。
【0076】
(数1)
消去率(%)={(対照群の吸光度−試料添加群の吸光度)/対照群の吸光度}´100
・・・(1)
【0077】
図2に示したように、Raw 264.7細胞株において、実施例1に係る試料は、濃度依存した傾向で消去能が高く現れ、実施例1に係る試料が抗酸化効果を見せていることが分かる。
[実験例3]
実施例1に係る試料のNO生成抑制実験
Raw 264.7 cellsは96 well platesに104 cells/wellに分注して24時間培養した後、試料それぞれの濃度25、50、100、200mg/mlで処理し、LPS 1mg/mlを処理し、また24時間培養した。N1バッファーを50mlを各wellに処理した後、10分間常温で暗所反応後、N2バッファー50mlを各wellに処理し、10分間反応させた後、540nmで吸光度を測定した。Nitrite standardの濃度別標準曲線を利用して培養液のNO濃度を決定した。
【0078】
グラム陰性桿菌の細胞外膜に存在するLPS(lipopolysaccharide)というRaw 264.7のような大食細胞(Macrophage)または単球(monocytes)でTNF−α(Tumor necrosis factor−α)、IL−6(Interleukin−6)、IL−1β(Interleukin−1β)のような炎症誘導サイトカインを増加させることと知られている。
【0079】
図3に示したように、Raw 264.7細胞株で実施例1に係る試料は、濃度依存した傾向でLPSにより誘導される総NOの生成が減少しており、実施例1に係る試料が抗炎症効果を見せていることが分かる。
【0080】
[実験例4]
実施例1に係る試料のIL−1β生成に及ぼす影響
Raw 264.7 cellsを6 well platesに3´105 cells/mlになるように分注し、24時間培養した後、試料をそれぞれ25、50、100、200mg/mlの濃度で処理し、LPS 1mg/mlを処理した。24時間培養した後細胞培養液を回収して培養液に含まれていたIL−1β、IL−6、MCP−1、TNF−αをcustom-made 4−plex cytokine Milliplex panelを利用して測定した。分析はMilliplex analystを通じて行った。
【0081】
図4に示したように、Raw 264.7細胞株で実施例1に係る試料は、濃度依存した傾向でLPSにより誘導されるIL−1βの生成が減少しており、実施例1に係る試料が抗炎症効果を見せていることが分かる。
【0082】
[実験例5]
実施例1に係る試料のIL−6生成に及ぼす影響
実験例4と同一の方式で実験を行い、その結果を図5に示した。
【0083】
[実験例6]
実施例1に係る試料のMCP−1生成に及ぼす影響
実験例4と同一の方式で実験を行い、その結果を図6に示した。
【0084】
[実験例7]
実施例1に係る試料のTNF−α生成に及ぼす影響
実験例4と同一の方式で実験を行い、その結果を図7に示した。
【0085】
図7に示したように、Raw 264.7細胞株で実施例1に係る試料は、濃度依存した傾向でLPSにより誘導されるTNF−α生成が減少しており、実施例1に係る試料が抗炎症効果を見せていることが分かる。
【0086】
実験例1〜7を総括的にまとめてみると、実施例1に係る試料はRaw 264.7細胞株で濃度依存した傾向でDPPH消去能が高く現れ、LPSにより誘導される総NO、IL−1β及びTNF−α生成が減少しており、実施例1に係る試料は抗酸化及び抗炎症効果を見せていることが分かる。
【0087】
[実験例8]
実施例2に係る試料のTNF−α遺伝子発現に及ぼす影響
8−1.試料準備
実施例2に係るアトピー治療用組成物の抽出物粉末100Mgを滅菌蒸溜水10mlに溶かした後、フィルターして使用した。
【0088】
実験例9〜14の試料は本実験例8の試料準備過程を同一に行って獲得したことを明らかにする。
【0089】
8−2.遺伝子発現実験の準備
Raw 264.7細胞株は24 well plateに1×106細胞で分注し、ここにそれぞれの試料100、50mg/mlを処理し、1時間後LPS2mg/mlをそれぞれのwellに添加した後6時間培養し、2、000rpmで5分間遠心分離した。遠心分離後、上層液を除去し、ここにRNAzolB 500mlを入れて溶解するまで混合した。この混合富裕液にクロロホルム(CHCl3)50mlを添加した後15秒間また混合した。これを氷に15分間放置した後、13、000rpmで遠心分離した後、約200mlの上層液を回収して2−プロパノール200mlと同量で混合した後、ゆっくり振って氷に15分間放置した。これをさらに13、000rpmで遠心分離した後、80% EtOHで水洗し、3分間真空ポンプで乾燥してRNAを抽出した。抽出したRNAはピロ炭酸ジエチル(DEPC)を処理した20mlの蒸溜水に溶かし、75℃の加熱ブロックで不活性化させた後、first strand cDNA合成に使用した。
【0090】
逆転写(reverse transcription)反応は用意した総RNA3mgをDNaseI(10U/ml)2U/tubeを37℃加熱ブロックで30分間反応した後、75℃で10分間変成させ、これに2.5mlの10mM dNTP smix、1ml random sequence hexanuCleotides(25pmole/25ml)、RNA抑制剤として1mlのRNase抑制剤(20U/ml)、1mのl100mMDTT、4.5mのl5´RT緩衝液(250mM、Tris-HCl、pH8.3、375mMのKCl、15mMのMgCl2)を加えた後、1mlのM-MLV RT(200U/ml)をさらに加え、DEPC処理した蒸溜水として最終体積が20mlになるようにした。この20mlの反応混合液をよく混ぜた後、2、000rpmで5秒間遠心沈降し、37℃加熱ブロックで60分間反応させてfirst-strand cDNAを合成した後、95℃で5分間放置してM-MLV RTを不活性化させた後、合成が完了したcDNAをpolymerase chain reaction(PCR)に使用した。
【0091】
Real time quantitative PCRはApplied Biosystems7500Fast Real-Time PCR system(Applied Biosystems、USA)を利用して行い、使用したプリマー(primers)は下記のとおりである。
【0092】
【表1】
【0093】
Real time PCRの条件は、50℃で2分、94℃で10分間反応して予め変性(pre−denaturation)させた後、95℃で15秒、60℃で1分間反応して40回を繰り返し行った。試料投与群と対照群はinternal standardでGAPDHを使用して下記の数式2でtarget groupの定量(Quantitative)PCRを行ってRQ(relative quantitative)値を測定した。
【0094】
(数2)
y=x(1+e)n・・・(2)
【0095】
上式で、x=starting quantity、y=yield、n=number of cycles、e=efficiency
【0096】
実験例9〜11の遺伝子発現実験準備過程は本実験例8の過程と同一に行ったことを明らかにする。
8−3.TNF−α遺伝子発現に及ぼす影響
実施例2の試料のRaw 264.7細胞株におけるTNF−α遺伝子発現に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(Raw 264.7cell)で0.03、対照群(Raw 264.7cell+LPS)で1、実験群1(Raw 264.7cell+LPS+試料100mg/ml)で0.367、実験群2(Raw 264.7cell+LPS+試料50mg/ml)で0.416であった。
【0097】
図8に示したように、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるTNF−α遺伝子発現が減少していることが分かる。
【0098】
[実験例9]
実施例2に係る試料のIL−6遺伝子発現に及ぼす影響
実施例2の試料のRaw 264.7細胞株におけるIL−6遺伝子発現に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(Raw 264.7cell)で0.004、対照群(Raw 264.7cell+LPS)で1、実験群1(Raw 264.7cell+LPS+試料100mg/ml)で0.689、実験群2(Raw 264.7cell+LPS+試料50mg/ml)で1.097であった。
【0099】
図9に示したように、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるIL−6遺伝子発現が濃度依存的に減少していることが分かる。
【0100】
[実験例10]
実施例2に係る試料のCOX2遺伝子発現に及ぼす影響
実施例2の試料のRaw 264.7細胞株におけるCOX2遺伝子発現に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(Raw 264.7cell)で0.051、対照群(Raw 264.7cell+LPS)で1、実験群1(Raw 264.7cell+LPS+試料100mg/ml)で0.832、実験群2(Raw 264.7cell+LPS+試料50mg/ml)で0.935であった。
【0101】
図10に示したように、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるCOX2遺伝子発現が減少していることが分かる。
【0102】
[実験例11]
実施例2に係る試料のNOS−II遺伝子発現に及ぼす影響
実施例2の試料のRaw 264.7細胞株におけるNOS−II遺伝子発現に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(Raw 264.7cell)で0.051、対照群(Raw 264.7cell+LPS)で1、実験群1(Raw 264.7cell+LPS+試料100mg/ml)で0.325、実験群2(Raw 264.7cell+LPS+試料50mg/ml)で0.786であった。
【0103】
図11に示したように、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるNOS−II遺伝子発現が濃度依存的に減少していることが分かる。
【0104】
[実験例12]
実施例2に係る試料のMCP−1生成に及ぼす影響
12−1.実験準備
1×106cells/mlの濃度で分注したTHP−1細胞(人体団核細胞株)に試料を濃度別に(100、50mg/ml)で1時間前処理した後、ほこり、家ダニ(mite)1mg/mlを処理した。
【0105】
THP−1細胞を24時間培養した後、上層液を集めてMCP−1とIL−6、そしてIL−8をELISA kitを使用して測定した。
【0106】
実験例13〜14は本実験例12の実験準備過程を同様に行ったことを明らかにする。
12−2.MCP−1生成に及ぼす影響
実施例2の試料のTHP−1細胞におけるMCP−1生成に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(THP−1cells)で181.3±22.9、対照群(THP−1cells+mite)で917.5±35.4、実験群1(THP−1cells+mite+試料100mg/ml)で596.3±13.9、実験群2(THP−1cells+mite+試料50mg/ml)で776.9±79.6であった。
【0107】
図12に示したように、実施例2に係る試料はTHP−1細胞株でほこり、家ダニにより誘導されるMCP−1生成が減少していることが分かる。
【0108】
[実験例13]
実施例2に係る試料のIL−6生成に及ぼす影響
実施例2の試料のTHP−1細胞におけるIL−6生成に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(THP−1cells)で97.8±26.9、対照群(THP−1cells+mite)で877.8±97.0、実験群1(THP−1cells+mite+試料100mg/ml)で465.3±102.5、実験群2(THP−1cells+mite+試料50mg/ml)で761.4±46.9であった。
【0109】
図13に示したように、実施例2に係る試料はTHP−1細胞株でほこり、家ダニにより誘導されるIL−6生成が減少していることが分かる。
【0110】
[実験例14]
実施例2に係る試料のIL−8生成に及ぼす影響
実施例2の試料のTHP−1細胞におけるIL−8生成に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(THP−1cells)で625.2±181.9、対照群(THP−1cells+mite)で2840.0±224。5、実験群1(THP−1cells+mite+試料100mg/ml)で865.4±100.9、実験群2(THP−1cells+mite+試料50mg/ml)で1210.2±231.5であった。
【0111】
図14に示したように、実施例2に係る試料はTHP−1細胞株でほこり、家ダニにより誘導されるIL−8生成が減少していることが分かる。実験例8〜14を総括的にまとめてみると、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるTNF−α、IL−6、COX2及びNOS−IIの遺伝子発現が減少していることが分かる。
【0112】
また実施例2に係る試料はTHP−1細胞株でほこり、家ダニにより誘導されるMCP−1、IL−6及びIL−8生成が減少していることが分かる。
【0113】
したがって、実施例2に係る試料は炎症サイトカインの遺伝子発現及び炎症サイトカインの生成を抑制することによって、抗炎症効果を見せていることが分かる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物に関するものである。
【0002】
本発明は、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
一般的に、皮膚疾患の範囲にはアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹、苔蘚、うっ滞性皮膚炎、異汗性湿疹、皮脂欠乏性湿疹及び自家感作性湿疹などが含まれる。
【0004】
このような皮膚疾患の発病原因はまだはっきりと知られていない状態であり、その日常症状も皮膚乾燥症、湿疹などと多様に現れるために発病原因がある一つだけで説明することができない。
【0005】
すなわち環境的な要因と遺伝的な素因、免疫学的反応及び皮膚保護膜の異常などを主要な原因とみることができる。大きく見ると、外因性刺激物及び/または内因性分泌物によって皮膚疾患が発生すると見られる。
【0006】
まず、外因性刺激物としては、産業化による媒煙など環境公害、西洋式住居形態によるカーペット、ベッド、ソファーの使用増加及び室内温度の上昇によるほこり、家ダニなどのアレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)などを挙げることができる。
【0007】
内因性分泌物の場合には、代表に自家免疫性過敏反応によって発生する各種物質により皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎などが発生することを挙げることができる。
【0008】
具体的にみると、体内炎症過程においては誘導性NOS(inducible NO synthase、iNOS、NOS−II)及びCOX2(cyclooxygenase2)により過量のNO(nitric oxide)及びPGE2(prostaglandin E2)などの炎症因子が形成される。
【0009】
ここで、NOS−IIはLPS(lipopolysaccharide)及び多様な炎症誘導サイトカイン(cytokines)に露出される場合に発現し、NOSの種類のうちでNOS−IIによるNO生成が絶対的に多く、病理学的に重要な作用をすると知られている。
【0010】
ところが外因性刺激物や内因性分泌物のうち、いずれかによるアトピー性皮膚炎の場合でもかゆい皮膚を掻くことによって皮膚の障壁機能が破壊されて各種刺激物が容易に侵入することによって、さらに悪化する過程を体験する。
【0011】
すなわち皮膚角質化細胞から分泌する蛋白質に対して免疫グロブリン(IgE、immunoglobulinE)が作用して自家免疫性過敏反応を起こして皮膚疾患を悪化させるという点である。
【0012】
具体的にみると、皮膚に存在するランゲルハンス細胞(Langerhans cell)は外部から侵入した抗原に対してIgEと受容体FcRIが共に結合するようになると、MCP−1(monocyte chemotactic protein 1)及びインターロイキン−16(interleukin−16)を分泌するようになる。
【0013】
またランゲルハンス細胞は抗原をT−細胞に伝達してTh2(helper T cell2)の増殖を誘発するようになる。
【0014】
Th2により単球(monocyte)が皮膚に集結し、単球は分化して炎症性樹枝状細胞(dendritic cells、IDEC)に変わるようになる。この樹枝状細胞が炎症性サイトカインのTNF−α、IL-1(Interleukin−1)及びIL−6を過剰分泌することによって、皮膚疾患が悪化する過程を体験するようになる。
【0015】
ここで、IL−1ファミリーにはIL−1α、IL−1β、IL−1RAが含まれ、IL−1αは前駆体にも生物活性があるが、IL−1βは成熟体にだけ生物活性があると知られている。
【0016】
一方、従来にはアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に対する治療法として免疫抑制剤と生体反応調節物質などを開発する方向で研究が進行されてきた。免疫抑制剤としてはステロイド系列があり、生体反応調節物質としてはIFN−γ、抗ヒスタミンなどが代表的である。
【0017】
しかし、これらの物質は消炎作用が迅速であるが、使用を中止する時は症状が悪化したり皮膚免疫系を遮断するためにかえって細菌感染の危険を増加させ、長期間使用することができない。よって、これに代替することができる補完製品の必要性が切実な実情である。
【0018】
一方、天産物を利用した先行技術に対して検討してみると、まず、特許文献1にはナガバギシギシ、楡根皮、地黄、當歸、紫蘇を含む天然成分のアトピー治療剤が開示されている。
【0019】
第二に、特許文献2にはかゆみの緩和効果を示すゴボウ、コブシ、あざみ、ウコン、五味子の混合抽出物が記載されている
【0020】
第三に、特許文献3にはアトピー性皮膚疾患治療用特殊漢方組成物及びその製造工法に関する金銀花(スイカズラ)を含むドクダミ、當歸、モグサ、センキュウ、新鮮草、エンジュ、松芽、ハッカ、緑豆、アンズ種、松脂、メシマコブ、ショウガ、玄蔘、アワ、ヒエ、緑茶、金せん花、桔梗、黒豆の組成物が記載されている。
【0021】
第四に、特許文献4にはアトピー性皮膚炎の予防効果を有する組成物に金銀花(スイカズラ)、當歸、浮き草、ヒソップ、金せん花、アロエ、コガネバナの混合抽出物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献2】韓国特許公開第2006−0058530号公報
【特許文献3】韓国特許公開第2007−0095588号公報
【特許文献4】韓国特許公開第2006−0074038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の目的は、副作用を伴うことなく、持続的に服用することによって、アトピー皮膚炎を改善及び治療するための組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前述の目的を達成するために、本発明は大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物を提供する。
【0025】
ここで、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明のアトピー治療用組成物は、副作用を伴うことなく、持続的に服用することによって、アトピー皮膚炎を改善及び治療できる顕著な効果を保有している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1に係る試料の細胞毒性を実験した結果を示す図面である。
【図2】実施例1に係る試料のDPPH消去能を実験した結果を示す図面である。
【図3】実施例1に係る試料のNO生成抑制を実験した結果を示す図面である。
【図4】実施例1に係る試料のIL−1β生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図5】実施例1に係る試料のIL−6生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図6】実施例1に係る試料のMCP−1生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図7】実施例1に係る試料のTNF−α生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図8】実施例2に係る試料のTNF−α遺伝子発現に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図9】実施例2に係る試料のIL−6遺伝子発現に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図10】実施例2に係る試料のCOX2遺伝子発現に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図11】実施例2に係る試料のNOS−II遺伝子発現に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図12】実施例2に係る試料のMCP−1生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図13】実施例2に係る試料のIL−6生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【図14】実施例2に係る試料のIL−8生成に及ぼす影響を実験した結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【実施例1】
【0029】
アトピー治療用組成物の製造
1−1.組成物の製造背景
本出願人はアトピー疾患を漢方医学的観点で解析して治療用組成物を案出し、組成物の主要成分として大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギを使用する。以下、こてについて説明する。
【0030】
しばしば、アトピーは胎熱とも呼ばれ、アトピー皮膚炎患者は共通的に体に熱が多いことが分かる。
【0031】
その原因としては血に熱毒が蓄積されたと見ることができ、アトピー皮膚炎に同伴される症状である便泌、鼻炎、アレルギー、喘息などの症状もやはり熱毒から生じる症状である点を挙げられる。
【0032】
第一に、大黄、木通、梔子は小腸及び大腸の熱により塞がった気運を疎通させる機能を行う。
【0033】
すなわち、木に比喩すると、小根の役割を人体では小腸、大腸が行うが、アトピー患者らは便秘症状を同伴する場合が多く、これは小腸、大腸の気運が停滞して起こる症状であるとみることができる。
【0034】
第二に、車前子、ニワヤナギ、梔子、ナデシコは膀胱の気を疎通させることによって、人体内の毒素を除去する機能を行う。
【0035】
すなわち、膀胱は単純に小便排出用臟器ではなく、人体で最も下に位置して体の全体を 融合させる重要な臟器として、人間の体温を調節する機能する。
【0036】
これは男性の場合、前立腺や膀胱に熱や気が停滞していると、温度調節が容易ではないという点からも分かる。
【0037】
1−2.アトピー治療用組成物の製造
本実施例1に使用するアトピー治療用組成物を製造するために、大黄3〜15g、木通3〜10g、梔子3〜10g、車前子8g、ナデシコ8g、ニワヤナギ8gを水1Lで2〜4時間加熱して抽出液を得た。
【0038】
抽出液をろ過した後凍結乾燥して抽出物粉末を製造した。
【0039】
ここで、抽出液のろ過過程はガーゼ及び/またはろ過紙(filter paper)を利用し、濃縮したものに水を加えて凍結乾燥した。
【0040】
前述のような過程を繰り返して、アトピー治療用組成物の抽出物試料を得て、試料を冷凍高に保管しながら使用した。
【実施例2】
【0041】
アトピー治療用組成物の製造
2−1.組成物の製造背景
まず、実施例1の組成物が熱毒を除去することに焦点を合せたものであれば、実施例2は熱毒を除去することは勿論、五臓六腑の均衡を合せる点に重点をおいて造成した点を予め明らかにする。
【0042】
第一に、シュクシャ、白豆蒄、白朮、陳皮、カッコウ、檳榔、厚朴、乾薑、枳殼、白芍薬は低下した食欲を高めて胃腸及び消化力を高める機能を行う。
【0043】
アトピー皮膚炎患者は胃腸や消火器に熱が多いため、食欲が低下し、食物のにおいをかぐことさえ嫌うので、脾胃の機能を向上させて食欲を増進させる。
【0044】
第二に、木香、當歸、柴胡、三陵、莪朮、白芍薬、青皮、香附子は肝の怒りを下げ散在した肝の気運を引き上げる機能を行う。
【0045】
アトピー皮膚炎患者は血に熱毒が蓄積されて生じる病気であるため、肝に多くのストレスが与えられ、疲れがちであるので、肝の機能を増進させる。
【0046】
第三に、丁香、高麗人参、乾薑、當歸、香附子、ボウフウ、呉茱萸は冷たくなって消化吸収が機能が低下した腹の中を温める。
【0047】
アトピー皮膚炎患者は一様に一般人達より体の全体で熱が多く発生するが、腹の中はその反対に冷たい。
【0048】
したがって、腹の中を暖かくして食物の消化吸収を助け、胃や肝に負担を減らして生血、補血、退熱する。
【0049】
第四に、黄蓮、梔子、ボウフウ、大黄、チョウセンオニウド、木通、肉豆蒄は小腸、大腸の熱により塞がった気運を疎通させる。
【0050】
第五に、天門冬、黄蓍、紫苑、白芍薬、百茯苓、高麗人参、川椒、桔梗は人体中の皮膚を 管掌する肺を潤沢にする。
【0051】
かゆみにより掻いて傷が生じた皮膚に活性度を高め、皮膚表面にある熱も除去することによってかゆみを克服するようにする。
【0052】
第六に、麦門冬、石菖蒲、肉桂、黄柏、小茴香は心臓、腎臓を保護して肝の清血、生血、補血を心臓、腎臓にさせるようにする。
【0053】
第七に、車前子、ニワヤナギ、梔子、ナデシコを利用して膀胱の気を疎通させて人体内の毒素を除去する。
【0054】
第八に、甘草を使用して各原料を調和させて強化になるようにし、薬毒を体に良いように解毒するようにする。
【0055】
2−2.アトピー治療用組成物の製造
本実施例2に使用するアトピー治療用組成物を製造するために、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15gずつ水1Lで2〜4時間加熱して抽出液を得た。
【0056】
抽出液のろ過、粉末製造及び試料保管、獲得過程などは実施例1と同一に処理した。
【0057】
一方、本実施例2の一例として、実施例1に使用したアトピー治療用組成物の構成である大黄3〜15g、木通3〜10g、梔子3〜10g、車前子8g、ナデシコ8g、ニワヤナギ8gに、シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、青皮をそれぞれ1〜15gずつ混合して抽出する構成も可能であることを明らかにする。
【実施例3】
【0058】
アトピー治療用丸剤の製造
3−1.実施例1の造成比率を利用した丸剤の製造
実施例1に係るアトピー治療用組成物の大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ粉砕して90メッシュないし120メッシュの粉末を製造し、それぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合し、練って直径0.3〜0.5cmサイズの丸剤(錠剤)を製造した。
【0059】
または大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合した後に、粉砕して90メッシュないし120メッシュの粉末を製造し、練って直径0.3〜0.5cmサイズの丸剤(錠剤)を製造した。
【0060】
ここで、粉末を練って丸を製造するために、コメ10〜15重量部及び水10〜15重量部でお粥を作った後に、前記原料粉末と共に混合し、練り、乾燥して丸を製造した。
【0061】
3−2.実施例2の組成物を利用した丸剤の製造
実施例2に係るアトピー治療用組成物であるシュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ粉砕して90メッシュないし120メッシュの粉末を製造し、それぞれ1〜15重量部で混合し、練って直径0.3〜0.5cmサイズの丸剤(錠剤)を製造した。
【0062】
またはシュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合した後に、粉砕して90メッシュないし120メッシュの粉末を製造し、練って直径0.3〜0.5cmサイズの丸剤(錠剤)を製造した。
【0063】
ここで、粉末を練って丸を製造するために、コメ10〜15重量部及び水10〜15重量部でお粥を作った後に、前記原料粉末と共に混合し、練り、乾燥して丸を製造した。
【0064】
[参考例1]
アトピー皮膚炎患者の服用例
1−1.実施例1の組成物及び実施例3−1の丸剤の服用例
まず、実施例1〜3に係る組成物及び丸剤は経口で投与し、組成物の投与量は患者の年齢、性別、体重、アトピー皮膚炎の程度によって適切な量を調節することを明らかにする。
【0065】
また実施例1〜3に係る組成物及び丸剤の投与期間は2〜6ケ月程度の時間が必要である。
【0066】
5才以下の患者は液体状態で服用するのが容易であり、1日に3回服用する。このとき食後30分に50cc程度服用し、5才以上の患者は100cc程度服用することが好ましい。
【0067】
丸剤は5〜10才は7丸、10〜15才は15丸、15才以上は18丸を服用することが好ましく、錠剤の薬は食後30分に水で服用することが好ましい。幼い患者の場合苦味を緩和させる必要があるときは、砂糖や蜂蜜を混ぜて服用する。
【0068】
1−2.実施例2の組成物及び実施例3−2の丸剤の服用例
5才以下の患者は液体状態で服用するのが容易であり、1日に3回服用する。このとき食後30分に120cc程度服用し、5才以上の患者は200cc程度服用することが好ましい。
【0069】
丸剤は5〜10才は30丸、10〜15才は40丸、15才以上は50丸を服用することが好ましい。
【0070】
[実験例1]
実施例1に係る試料の細胞の毒性実験
1−1.試料準備
実施例1に係るアトピー治療用組成物の抽出物粉末(実験過程でSong1−2として命名した)100mgを滅菌蒸溜水10mlに溶かした後、フィルターして使用した。
【0071】
実験例2〜7の試料は本実験例1の試料準備過程を同一に行って獲得したことを明らかにする。
【0072】
1−2.細胞の毒性実験
Raw 264.7 cellsは96 well platesに104 cells/wellに分注して24時間培養した後、試料をそれぞれ25、50、100、200mg/mlの濃度で処理し、24時間培養した。培養後、10mlのWST溶液を添加した後CO2培養器(37℃、5%CO2)で30分反応させた後、450nmで吸光度の変化を測定して対照群に対する細胞生存率を百分率で表示した。
【0073】
図1に示したように、Raw 264.7細胞株で実施例1に係る試料は細胞毒性が現れなかったことが分かる。
【0074】
1−3.統計処理
実験結果はSPSS 11.0のunpaired student’s T−testを使用して統計処理し、P<0.05、P<0.01及びP<0.001水準で留意性を検定した。
【0075】
実験例2〜14の統計処理は本実験例1の統計処理方法を同一に適用したことを明らかにする。
[実験例2]
実施例1に係る試料のDPPH消去能実験
自由ラジカル消去活性試験は安定な自由ラジカルDPPHを使用する方法で、エタノールに溶解させた0.2mMのDPPH溶液150mlと試料(25、50、100、200、400、800mg/ml)100mlをそれぞれ混合し、37℃で30分間反応させた後、517nmで吸光度を測定した。対照群は試料液の代わりに蒸溜水を入れ、DPpH溶液の代わりにエタノールを入れて補正値を得た。自由ラジカル消去率は下記の数式1によって計算し、その結果は自由ラジカルを50%消去できる濃度(IC50)で示した。
【0076】
(数1)
消去率(%)={(対照群の吸光度−試料添加群の吸光度)/対照群の吸光度}´100
・・・(1)
【0077】
図2に示したように、Raw 264.7細胞株において、実施例1に係る試料は、濃度依存した傾向で消去能が高く現れ、実施例1に係る試料が抗酸化効果を見せていることが分かる。
[実験例3]
実施例1に係る試料のNO生成抑制実験
Raw 264.7 cellsは96 well platesに104 cells/wellに分注して24時間培養した後、試料それぞれの濃度25、50、100、200mg/mlで処理し、LPS 1mg/mlを処理し、また24時間培養した。N1バッファーを50mlを各wellに処理した後、10分間常温で暗所反応後、N2バッファー50mlを各wellに処理し、10分間反応させた後、540nmで吸光度を測定した。Nitrite standardの濃度別標準曲線を利用して培養液のNO濃度を決定した。
【0078】
グラム陰性桿菌の細胞外膜に存在するLPS(lipopolysaccharide)というRaw 264.7のような大食細胞(Macrophage)または単球(monocytes)でTNF−α(Tumor necrosis factor−α)、IL−6(Interleukin−6)、IL−1β(Interleukin−1β)のような炎症誘導サイトカインを増加させることと知られている。
【0079】
図3に示したように、Raw 264.7細胞株で実施例1に係る試料は、濃度依存した傾向でLPSにより誘導される総NOの生成が減少しており、実施例1に係る試料が抗炎症効果を見せていることが分かる。
【0080】
[実験例4]
実施例1に係る試料のIL−1β生成に及ぼす影響
Raw 264.7 cellsを6 well platesに3´105 cells/mlになるように分注し、24時間培養した後、試料をそれぞれ25、50、100、200mg/mlの濃度で処理し、LPS 1mg/mlを処理した。24時間培養した後細胞培養液を回収して培養液に含まれていたIL−1β、IL−6、MCP−1、TNF−αをcustom-made 4−plex cytokine Milliplex panelを利用して測定した。分析はMilliplex analystを通じて行った。
【0081】
図4に示したように、Raw 264.7細胞株で実施例1に係る試料は、濃度依存した傾向でLPSにより誘導されるIL−1βの生成が減少しており、実施例1に係る試料が抗炎症効果を見せていることが分かる。
【0082】
[実験例5]
実施例1に係る試料のIL−6生成に及ぼす影響
実験例4と同一の方式で実験を行い、その結果を図5に示した。
【0083】
[実験例6]
実施例1に係る試料のMCP−1生成に及ぼす影響
実験例4と同一の方式で実験を行い、その結果を図6に示した。
【0084】
[実験例7]
実施例1に係る試料のTNF−α生成に及ぼす影響
実験例4と同一の方式で実験を行い、その結果を図7に示した。
【0085】
図7に示したように、Raw 264.7細胞株で実施例1に係る試料は、濃度依存した傾向でLPSにより誘導されるTNF−α生成が減少しており、実施例1に係る試料が抗炎症効果を見せていることが分かる。
【0086】
実験例1〜7を総括的にまとめてみると、実施例1に係る試料はRaw 264.7細胞株で濃度依存した傾向でDPPH消去能が高く現れ、LPSにより誘導される総NO、IL−1β及びTNF−α生成が減少しており、実施例1に係る試料は抗酸化及び抗炎症効果を見せていることが分かる。
【0087】
[実験例8]
実施例2に係る試料のTNF−α遺伝子発現に及ぼす影響
8−1.試料準備
実施例2に係るアトピー治療用組成物の抽出物粉末100Mgを滅菌蒸溜水10mlに溶かした後、フィルターして使用した。
【0088】
実験例9〜14の試料は本実験例8の試料準備過程を同一に行って獲得したことを明らかにする。
【0089】
8−2.遺伝子発現実験の準備
Raw 264.7細胞株は24 well plateに1×106細胞で分注し、ここにそれぞれの試料100、50mg/mlを処理し、1時間後LPS2mg/mlをそれぞれのwellに添加した後6時間培養し、2、000rpmで5分間遠心分離した。遠心分離後、上層液を除去し、ここにRNAzolB 500mlを入れて溶解するまで混合した。この混合富裕液にクロロホルム(CHCl3)50mlを添加した後15秒間また混合した。これを氷に15分間放置した後、13、000rpmで遠心分離した後、約200mlの上層液を回収して2−プロパノール200mlと同量で混合した後、ゆっくり振って氷に15分間放置した。これをさらに13、000rpmで遠心分離した後、80% EtOHで水洗し、3分間真空ポンプで乾燥してRNAを抽出した。抽出したRNAはピロ炭酸ジエチル(DEPC)を処理した20mlの蒸溜水に溶かし、75℃の加熱ブロックで不活性化させた後、first strand cDNA合成に使用した。
【0090】
逆転写(reverse transcription)反応は用意した総RNA3mgをDNaseI(10U/ml)2U/tubeを37℃加熱ブロックで30分間反応した後、75℃で10分間変成させ、これに2.5mlの10mM dNTP smix、1ml random sequence hexanuCleotides(25pmole/25ml)、RNA抑制剤として1mlのRNase抑制剤(20U/ml)、1mのl100mMDTT、4.5mのl5´RT緩衝液(250mM、Tris-HCl、pH8.3、375mMのKCl、15mMのMgCl2)を加えた後、1mlのM-MLV RT(200U/ml)をさらに加え、DEPC処理した蒸溜水として最終体積が20mlになるようにした。この20mlの反応混合液をよく混ぜた後、2、000rpmで5秒間遠心沈降し、37℃加熱ブロックで60分間反応させてfirst-strand cDNAを合成した後、95℃で5分間放置してM-MLV RTを不活性化させた後、合成が完了したcDNAをpolymerase chain reaction(PCR)に使用した。
【0091】
Real time quantitative PCRはApplied Biosystems7500Fast Real-Time PCR system(Applied Biosystems、USA)を利用して行い、使用したプリマー(primers)は下記のとおりである。
【0092】
【表1】
【0093】
Real time PCRの条件は、50℃で2分、94℃で10分間反応して予め変性(pre−denaturation)させた後、95℃で15秒、60℃で1分間反応して40回を繰り返し行った。試料投与群と対照群はinternal standardでGAPDHを使用して下記の数式2でtarget groupの定量(Quantitative)PCRを行ってRQ(relative quantitative)値を測定した。
【0094】
(数2)
y=x(1+e)n・・・(2)
【0095】
上式で、x=starting quantity、y=yield、n=number of cycles、e=efficiency
【0096】
実験例9〜11の遺伝子発現実験準備過程は本実験例8の過程と同一に行ったことを明らかにする。
8−3.TNF−α遺伝子発現に及ぼす影響
実施例2の試料のRaw 264.7細胞株におけるTNF−α遺伝子発現に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(Raw 264.7cell)で0.03、対照群(Raw 264.7cell+LPS)で1、実験群1(Raw 264.7cell+LPS+試料100mg/ml)で0.367、実験群2(Raw 264.7cell+LPS+試料50mg/ml)で0.416であった。
【0097】
図8に示したように、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるTNF−α遺伝子発現が減少していることが分かる。
【0098】
[実験例9]
実施例2に係る試料のIL−6遺伝子発現に及ぼす影響
実施例2の試料のRaw 264.7細胞株におけるIL−6遺伝子発現に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(Raw 264.7cell)で0.004、対照群(Raw 264.7cell+LPS)で1、実験群1(Raw 264.7cell+LPS+試料100mg/ml)で0.689、実験群2(Raw 264.7cell+LPS+試料50mg/ml)で1.097であった。
【0099】
図9に示したように、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるIL−6遺伝子発現が濃度依存的に減少していることが分かる。
【0100】
[実験例10]
実施例2に係る試料のCOX2遺伝子発現に及ぼす影響
実施例2の試料のRaw 264.7細胞株におけるCOX2遺伝子発現に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(Raw 264.7cell)で0.051、対照群(Raw 264.7cell+LPS)で1、実験群1(Raw 264.7cell+LPS+試料100mg/ml)で0.832、実験群2(Raw 264.7cell+LPS+試料50mg/ml)で0.935であった。
【0101】
図10に示したように、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるCOX2遺伝子発現が減少していることが分かる。
【0102】
[実験例11]
実施例2に係る試料のNOS−II遺伝子発現に及ぼす影響
実施例2の試料のRaw 264.7細胞株におけるNOS−II遺伝子発現に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(Raw 264.7cell)で0.051、対照群(Raw 264.7cell+LPS)で1、実験群1(Raw 264.7cell+LPS+試料100mg/ml)で0.325、実験群2(Raw 264.7cell+LPS+試料50mg/ml)で0.786であった。
【0103】
図11に示したように、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるNOS−II遺伝子発現が濃度依存的に減少していることが分かる。
【0104】
[実験例12]
実施例2に係る試料のMCP−1生成に及ぼす影響
12−1.実験準備
1×106cells/mlの濃度で分注したTHP−1細胞(人体団核細胞株)に試料を濃度別に(100、50mg/ml)で1時間前処理した後、ほこり、家ダニ(mite)1mg/mlを処理した。
【0105】
THP−1細胞を24時間培養した後、上層液を集めてMCP−1とIL−6、そしてIL−8をELISA kitを使用して測定した。
【0106】
実験例13〜14は本実験例12の実験準備過程を同様に行ったことを明らかにする。
12−2.MCP−1生成に及ぼす影響
実施例2の試料のTHP−1細胞におけるMCP−1生成に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(THP−1cells)で181.3±22.9、対照群(THP−1cells+mite)で917.5±35.4、実験群1(THP−1cells+mite+試料100mg/ml)で596.3±13.9、実験群2(THP−1cells+mite+試料50mg/ml)で776.9±79.6であった。
【0107】
図12に示したように、実施例2に係る試料はTHP−1細胞株でほこり、家ダニにより誘導されるMCP−1生成が減少していることが分かる。
【0108】
[実験例13]
実施例2に係る試料のIL−6生成に及ぼす影響
実施例2の試料のTHP−1細胞におけるIL−6生成に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(THP−1cells)で97.8±26.9、対照群(THP−1cells+mite)で877.8±97.0、実験群1(THP−1cells+mite+試料100mg/ml)で465.3±102.5、実験群2(THP−1cells+mite+試料50mg/ml)で761.4±46.9であった。
【0109】
図13に示したように、実施例2に係る試料はTHP−1細胞株でほこり、家ダニにより誘導されるIL−6生成が減少していることが分かる。
【0110】
[実験例14]
実施例2に係る試料のIL−8生成に及ぼす影響
実施例2の試料のTHP−1細胞におけるIL−8生成に及ぼす影響を測定した結果は、正常群(THP−1cells)で625.2±181.9、対照群(THP−1cells+mite)で2840.0±224。5、実験群1(THP−1cells+mite+試料100mg/ml)で865.4±100.9、実験群2(THP−1cells+mite+試料50mg/ml)で1210.2±231.5であった。
【0111】
図14に示したように、実施例2に係る試料はTHP−1細胞株でほこり、家ダニにより誘導されるIL−8生成が減少していることが分かる。実験例8〜14を総括的にまとめてみると、実施例2に係る試料はRaw 264.7細胞株でLPSにより誘導されるTNF−α、IL−6、COX2及びNOS−IIの遺伝子発現が減少していることが分かる。
【0112】
また実施例2に係る試料はTHP−1細胞株でほこり、家ダニにより誘導されるMCP−1、IL−6及びIL−8生成が減少していることが分かる。
【0113】
したがって、実施例2に係る試料は炎症サイトカインの遺伝子発現及び炎症サイトカインの生成を抑制することによって、抗炎症効果を見せていることが分かる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物。
【請求項2】
シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、青皮をそれぞれ1〜15重量部で追加混合して熱水抽出した有効性分を含有する請求項1に記載のアトピー治療用組成物。
【請求項3】
シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の組成物を混合して粉末を形成した後に、丸剤を製造したアトピー治療剤。
【請求項1】
大黄、木通、梔子、車前子、ナデシコ及びニワヤナギをそれぞれ3〜15重量部、3〜10重量部、3〜10重量部、8重量部、8重量部、8重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物。
【請求項2】
シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、青皮をそれぞれ1〜15重量部で追加混合して熱水抽出した有効性分を含有する請求項1に記載のアトピー治療用組成物。
【請求項3】
シュクシャ、白豆蒄、丁香、木香、乾薑、高麗人参、當歸、百茯苓、白朮、桔梗、陳皮、カッコウ、肉豆蒄、莪朮、石菖蒲、柴胡、檳榔、黄蓮、ボウフウ、呉茱萸、厚朴、大黄、天門冬、枳殼、黄柏、黄蓍、川椒、チョウセンオニウド、紫苑、香附子、甘草、小茴香、木通、麦門冬、三陵、白芍薬、肉桂、梔子、車前子、ナデシコ、ニワヤナギ、青皮をそれぞれ1〜15重量部で混合して熱水抽出した有効性分を含有するアトピー治療用組成物。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の組成物を混合して粉末を形成した後に、丸剤を製造したアトピー治療剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−528893(P2012−528893A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534130(P2012−534130)
【出願日】平成23年9月10日(2011.9.10)
【国際出願番号】PCT/KR2011/006754
【国際公開番号】WO2012/036446
【国際公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【出願人】(511282896)
【氏名又は名称原語表記】YONG−WON,SONG
【住所又は居所原語表記】974−10,SANGJEONG−DONG,GWANGSAN−GU GWANGJU 506−053
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月10日(2011.9.10)
【国際出願番号】PCT/KR2011/006754
【国際公開番号】WO2012/036446
【国際公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【出願人】(511282896)
【氏名又は名称原語表記】YONG−WON,SONG
【住所又は居所原語表記】974−10,SANGJEONG−DONG,GWANGSAN−GU GWANGJU 506−053
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]