説明

アドレス変換・プロトコル変換システム、並びに、トランスレータ装置及びトランスレータプログラム

【課題】 IPv6端末がIPv4サーバに接続する際のトラフィックの転送効率を向上させる。
【解決手段】 本発明のアドレス変換・プロトコル変換システムでは、IPv6端末とIPv4サーバとで授受するIPv6パケット、IPv4パケットを逆のプロトコルのパケットに変換する。DHCPv6サーバは、IPv6端末に対するIPv6アドレスを振り出し、プレフィックス管理サーバは、振り出されたアドレスの情報に基づき、IPv6端末の2つの網でのアドレス又はプレフィックスの対応と、IPv4サーバの2つの網でのプレフィックスの対応を管理する。トランスレータ装置では、この管理情報に従い、IPv6−IPv4変換で利用する変換表を予め形成する。通信時には変換表を利用することで、DHCPv6サーバにアクセスすることなく、プレフィックスの削除や付与等など簡易な処理でアドレス、プロトコルを変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアドレス変換・プロトコル変換システム、並びに、トランスレータ装置及びトランスレータプログラムに関し、例えば、IPv6(バージョン6のIP;IPはInternet Protocol)−IPv4(バージョン4のIP)間のアドレス変換、プロトコル変換(以下、IPv6−IPv4変換と呼ぶ)に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1では、NAT−PT(Network Address Translation−Protocol Translation)が規定されている。NAT−PTは、IPv4網とIPv6網の間の通信を、アドレスプールと状態管理によって制御し、IPv6−IPv4変換をダイナミックなアドレス割当によって実現するものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】IETF標準RFC2766
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、NAT−PTにおけるダイナミックなアドレス割当は、汎用的ではあるが、IPv6−IPv4変換においては、装置の処理負荷と転送遅延が大きくなるという課題がある。
【0005】
そのため、第1のプロトコルの装置が、第2のプロトコルの装置に接続する場合において、トラフィックの転送効率を向上させることができるアドレス変換・プロトコル変換システム、並びに、トランスレータ装置及びトランスレータプログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明は、第1プロトコルに従う第1プロトコル網の要素である第1プロトコル通信装置が送信した、上記第1のプロトコルにおけるアドレスのビット数より少ないビット数で記述されたアドレスを取り扱う第2プロトコルに従う第2プロトコル網の要素である第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットを、第2のプロトコルに従う第2プロトコルパケットに変換すると共に、上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットを、第1プロトコルパケットに変換するトランスレータ装置を備え、第1のプロトコル及び第2のプロトコル間のアドレス変換、プロトコル変換を行うアドレス変換・プロトコル変換システムにおいて、(1)上記第1プロトコル通信装置に第1プロトコルに従う第1プロトコルアドレスを振り出すアドレス振出・設定サーバと、(2)上記アドレス振出・設定サーバから振り出されたアドレスの情報が通知されると、上記第1プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのアドレス又はプレフィックスの対応を管理すると共に、上記第2プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのプレフィックスの対応を管理し、それら対応の情報を、上記トランスレータ装置に与えるプレフィックス管理サーバとを備え、(3)上記トランスレータ装置は、(3−1)上記プレフィックス管理サーバから与えられた情報に従い、アドレス変換、プロトコル変換で利用する変換用情報を予め形成して管理する管理手段と、(3−2)上記第1プロトコル通信装置が送信した上記第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットが入力されたときに、第1の変換ルールに従い第2プロトコルパケットに変換する1−2変換手段と、(3−3)上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットが入力されたときに、第2の変換ルールに従い、上記変換用情報記憶手段の記憶情報を参照して第1プロトコルパケットに変換する2−1変換手段とを有することを特徴とする。
【0007】
第2の本発明は、第1プロトコルに従う第1プロトコル網の要素である第1プロトコル通信装置が送信した、上記第1のプロトコルにおけるアドレスのビット数より少ないビット数で記述されたアドレスを取り扱う第2プロトコルに従う第2プロトコル網の要素である第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットを、第2のプロトコルに従う第2プロトコルパケットに変換すると共に、上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットを、第1プロトコルパケットに変換するトランスレータ装置において、(1)上記第1プロトコル通信装置に第1プロトコルに従う第1プロトコルアドレスを振り出すアドレス振出・設定サーバから振り出されたアドレスの情報の通知を受けて、プレフィックス管理サーバが管理した、上記第1プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのアドレス又はプレフィックスの対応と、上記第2プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのプレフィックスの対応の情報が与えられ、この上記プレフィックス管理サーバから与えられた情報に従い、アドレス変換、プロトコル変換で利用する変換用情報を予め形成して管理する管理手段と、(2)上記第1プロトコル通信装置が送信した上記第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットが入力されたときに、第1の変換ルールに従い第2プロトコルパケットに変換する1−2変換手段と、(3)上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットが入力されたときに、第2の変換ルールに従い、上記変換用情報記憶手段の記憶情報を参照して第1プロトコルパケットに変換する2−1変換手段とを有することを特徴とする。
【0008】
第3の本発明は、第1プロトコルに従う第1プロトコル網の要素である第1プロトコル通信装置が送信した、上記第1のプロトコルにおけるアドレスのビット数より少ないビット数で記述されたアドレスを取り扱う第2プロトコルに従う第2プロトコル網の要素である第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットを、第2のプロトコルに従う第2プロトコルパケットに変換すると共に、上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットを、第1プロトコルパケットに変換するトランスレータ装置を構成するコンピュータに搭載されるトランスレータプログラムであって、上記コンピュータを、(1)上記第1プロトコル通信装置に第1プロトコルに従う第1プロトコルアドレスを振り出すアドレス振出・設定サーバから振り出されたアドレスの情報の通知を受けて、プレフィックス管理サーバが管理した、上記第1プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのアドレス又はプレフィックスの対応と、上記第2プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのプレフィックスの対応の情報が与えられ、この上記プレフィックス管理サーバから与えられた情報に従い、アドレス変換、プロトコル変換で利用する変換用情報を予め形成して管理する管理手段と、(2)上記第1プロトコル通信装置が送信した上記第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットが入力されたときに、第1の変換ルールに従い第2プロトコルパケットに変換する1−2変換手段と、(3)上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットが入力されたときに、第2の変換ルールに従い、上記変換用情報記憶手段の記憶情報を参照して第1プロトコルパケットに変換する2−1変換手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1プロトコル通信装置が、第2プロトコル通信装置に接続する場合において、トラフィックの転送効率を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態のアドレス変換・プロトコル変換システムに係るネットワーク構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるトランスレータ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態におけるIPv6端末からIPv4サーバへのIPv6パケットをIPv4パケットに変換する際に利用する変換表を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態におけるIPv4サーバからIPv6端末へのIPv4パケットをIPv6パケットに変換する際に利用する変換表を示す説明図である。
【図5】通常のIPv6アドレスを使用した第1の実施形態における変換シーケンス図である。
【図6】第2の実施形態のアドレス変換・プロトコル変換システムに係るネットワーク構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態におけるトランスレータ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態におけるIPv4サーバからIPv6端末へのIPv4パケットをIPv6パケットに変換する際に利用する変換表を示す説明図である。
【図9】ダミープレフィックスを有するIPv6アドレスを使用した第2の実施形態における変換シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)第1の実施形態
以下、本発明によるアドレス変換・プロトコル変換システム、並びに、トランスレータ装置及びトランスレータプログラムをIPv6−IPv4変換に適用した第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態のアドレス変換・プロトコル変換システムに係るネットワーク構成を示すブロック図である。
【0013】
図1において、第1の実施形態のアドレス変換・プロトコル変換システムは、トランスレータ装置(TRAN)1を中心として構成されている。トランスレータ装置1は、IPv6網(IPv6 NW)2と、2つのASP(Application Service Provider)網(ASP NW)3−x及び3−yとの間のアドレス変換、プロトコル変換を行うものである。ここで、2つのASP網3−x及び3−y(図1ではASP−x及びASP−yと表記している)はIPv4網である。
【0014】
各ASP網3−x、3−yにはそれぞれ、IPv4サーバ4−x、4−yが設けられている。また、各ASP網3−x、3−yはそれぞれ、IPv4に従ってルーティングを行うIPv4ルータ(V4R)5−x、5−y経由でトランスレータ装置1に接続されるものである。
【0015】
IPv6網2は、複数(図1では3個を取り上げて示している)のIPv6端末6−a1、6−a2、6−bを収容している。
【0016】
すなわち、トランスレータ装置1は、加入者のIPv6端末6−a1、6−a2、6−bを収容してアクセス網としての役割を果たすIPv6網2と、IPv4サーバ4−x、4−yを収容しているIPv4網であるASP網3−x、3−yとを直接接続して、IPv6−IPv4のアドレス変換、プロトコル変換を行うものである。
【0017】
IPv6網2には、IPv6に従ってルーティングを行う複数(図1では5個を取り上げて示している)のIPv6ルータ(V6R)7−1〜7−5が設けられている。各IPv6端末6−a1、6−a2、6−bはいずれかのIPv6ルータ7−1、7−2に収容される。IPv6網2の構成要素は、IPv6ルータ7−3、7−4経由でトランスレータ装置1に接続される。
【0018】
また、IPv6網2内には、DHCPv6(Dynamic Host Configuration Protocol for IPv6)に従ったサーバ機能を実行するDHCPv6サーバ8が設けられており、このDHCPv6サーバ8も、いずれかのIPv6ルータ7−5に接続されている。トランスレータ装置1には、サーバ側プレフィックスや端末側アドレスを管理するプレフィックス管理サーバ9が接続されている。DHCPv6サーバ8やプレフィックス管理サーバ9に対する情報の設定などは、管理端末10から行うようになされている。
【0019】
トランスレータ装置1は、後述する動作の項で明らかにするように、DHCPv6サーバ8とプレフィックス管理サーバ9とでアドレス情報を連携して管理することでIPv6−IPv4変換を実行するものである。
【0020】
図2は、トランスレータ装置1の機能的構成を示すブロック図である。トランスレータ装置1は、専用装置として構築されたものであっても良く、汎用的な通信機能を有するサーバなどの情報処理装置にトランスレータプログラムを搭載することで構築されたものであっても良いが、機能的には、図2で表すことができる。なお、図2は、IPv6端末6−a1及びIPv4サーバ4−x間のIPパケットの変換にトランスレータ装置1が機能する場合を例に、IPv4パケットやIPv6パケットの構成も示している。
【0021】
図2において、トランスレータ装置1は、管理部20、IPv6送受信部21、IPv4送受信部22、及び、変換本体23を有する。変換本体23は、V6−V4変換部30、V4−V6変換部31、及び、変換表32を有する。
【0022】
管理部20は、管理端末10やプレフィックス管理サーバ9から、IPv6送受信部21やIPv4送受信部22へのコンフィグ情報や、変換表32を作成するためのアドレス、プレフィックス情報を受け取り、各部へ設定するものである。変換表32には、V6−V4変換部30及びV4−V6変換部31で共有する変換表TAと、V4−V6変換部31でのみ使用する変換表TBがある。
【0023】
V6−V4変換部30は、IPv6端末6(6−a1、6−a2、6−b)からIPv4サーバ4(4−x、4−y)へのIPv6パケットをIPv4パケットに変換するものである。この変換方法の詳細は、動作の項で後述する。V4−V6変換部31は、IPv4サーバ4(4−x、4−y)からIPv6端末6(6−a1、6−a2、6−b)へのIPv4パケットをIPv6パケットに変換するものである。この変換方法の詳細は、動作の項で後述する。
【0024】
IPv6送受信部21は、IPv6端末6(6−a1、6−a2、6−b)との間でIPv6パケットを授受するものである。IPv4送受信部22は、IPv4サーバ4(4−x、4−y)との間でIPv4パケットを授受するものである。
【0025】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態のアドレス変換・プロトコル変換システムの動作を、事前設定動作、及び、アドレス変換・プロトコル変換動作の順に説明する。
【0026】
上述したように、トランスレータ装置1は、DHCPv6サーバ8とプレフィックス管理サーバ9とでアドレス情報を連携して管理することでIPv6−IPv4変換を実行するものである。
【0027】
アドレス情報の連携では、まず、管理端末10からDHCPv6サーバ8にIPv6端末6(6−a1、6−a2、6−b)に付与するIPv6のアドレス範囲を指定しておく。同様に、管理端末10からプレフィックス管理サーバ9にDHCPv6サーバ8で割り当てていたアドレス範囲に相当するIPv4のアドレス範囲を割り当てる。このアドレス範囲は、IPv6端末6(6−a1、6−a2、6−b)に1対1に対応するIPv4アドレス用であり、ここでは、プライベートアドレスを使用している。さらに、プレフィックス管理サーバ9では、ASP網3(3−x、3−y)のIPv4サーバ4(4−x、4−y)側のプレフィックスとして、IPv6のプレフィックスとIPv4のプレフィックスを管理する。IPv4のプレフィックスは、ASP網3(3−x、3−y)のIPv4サーバ4(4−x、4−y)に割り当てられているネットワークアドレスであり、当該プレフィックスに1対1に対応するIPv6のプレフィックスを割り当てて管理する。IPv4サーバ4(4−x、4−y)側のプレフィックスの対応に関しては、予めトランスレータ装置1に設定される(後述する図4の変換表TB参照)。
【0028】
DHCPv6サーバ8は、IPv6端末6(6−a1、6−a2、6−b)にIPv6のアドレス範囲から端末側のアドレスを振り出した後、当該IPv6アドレスをプレフィックス管理サーバ9に通知する。プレフィックス管理サーバ9では、通知されたIPv6アドレスに対応するIPv4アドレスをIPv4のアドレス範囲から振り出し、1対1に対応させる。さらに、IPv6とIPv4のアドレス対応をトランスレータ装置1に設定する。
【0029】
今、IPv6端末6−a1、6−a2、6−bのIPv6アドレスをそれぞれ、V6a1、V6a2、V6bとする。各IPv6端末6−a1、6−a2、6−bに1対1に対応するIPv4アドレスをそれぞれ、P4a、P4b、P4cとする。この場合、プレフィックス管理サーバ9の端末側アドレスとして、図1に示すように、3対のアドレス対P4a及びV6a1、P4b及びV6a2、P4c及びV6bが登録される。トランスレータ装置1の変換表TAにも、図3及び図4に示すように、これらの対応P4a及びV6a1、P4b及びV6a2、P4c及びV6bが登録される。
【0030】
また、ASP網3−x、3−yのIPv4サーバ4−x、4−yのIPv4アドレスをP4x、P4yとし、これらIPv4アドレスP4x、P4yに相当するIPv4プレフィックスP4PFx、P4PFyとし、IPv4プレフィックスP4PFx、P4PFyに1対1に対応するIPv6プレフィックスをV6PFx、V6PFyとする。この場合、サーバ側プレフィックスとして、図1に示すように、2対のプレフィックス対P4PFx及びV6PFx、P4PFy及びV6PFyが登録される。トランスレータ装置1の変換表TBにも、図4に示すように、これらの対応P4PFx及びV6PFx、P4PFy及びV6PFyが登録される。
【0031】
以下に、第1の実施形態における各部のアドレス等の情報を整理して記述する。
【0032】
V6a1、V6a2、V6bはそれぞれ、IPv6端末6−a1、6−a2、6−bのIPv6アドレスである。
【0033】
P4a、P4b、P4cはそれぞれ、IPv6端末6−a1、6−a2、6−bに1対1に対応するIPv4アドレスである。
【0034】
P4x及びP4yはそれぞれ、ASP網(IPv4網)3−x、3−yのIPv4サーバ4−x、4−yのIPv4アドレスである。
【0035】
P4PFx及びP4PFyはそれぞれ、IPv4アドレスP4x、P4yに1対1に相当するIPv4プレフィックスである。
【0036】
V6PFx及びV6PFyはそれぞれ、IPv4プレフィックスP4PFx及びP4PFyに1対1に対応するIPv6プレフィックスである。
【0037】
トランスレータ装置1の管理部20は、管理端末10やプレフィックス管理サーバ9から、変換表TAやTBを作成するためのアドレス、プレフィックス情報を受け取り、図3や図4に示すような変換表TAやTBを作成する。
【0038】
次に、アドレス変換・プロトコル変換動作を、IPv6パケットからIPv4パケットへの変換動作、IPv4パケットからIPv6パケットへの変換動作の順に説明する。なお、以下では、IPv6端末6−a1及びIPv4サーバ4−x間のIPパケットを変換する例について説明する。
【0039】
IPv6端末6−a1からIPv4サーバ4−xへのIPv6パケットは、V6−V4変換部30においてIPv4パケットに変換される。図3は、そのようなIPv6パケットをIPv4パケットに変換する際に利用される変換表を示すと共に、V6−V4変換部30の処理を示している。なお、図2の一部は、このような変換処理も示している。
【0040】
入力されたIPv6パケットの128ビットでなる宛先アドレス(DA)は、IPv4サーバ4−xが含まれているASP網(IPv4網)3−xを特定する96ビットのプレフィックスV6PFxと、IPv4サーバ4−xのIPv4での32ビットのアドレスP4xとでなる。一方、入力されたIPv6パケットの128ビットでなる送信元アドレス(SA)は、IPv6端末6−a1のIPv6網2におけるアドレスV6a1でなる。V6−V4変換部30においては、IPv6パケットが入力されると、128ビットでなる宛先アドレス(DA)の中に含まれている96ビットのプレフィックスV6PFxを削除すると共に、挿入されている送信元アドレスV6a1をキーとして変換表TAのV6−V4変換での識別列を検索し、変換後のアドレスP4aをアクション列から取り出し、宛先アドレス及び送信元アドレスのアドレス変換を行って、IPv4パケットへのプロトコル変換を行う。
【0041】
なお、入力されたIPv6パケットをIPv4パケットに変換する際、宛先ポート(Dp)及び送信元ポート(Sp)の情報が挿入されているTCP/UDPヘッダの情報は、そのまま、変換後のIPv4パケットにおけるTCP/UDPヘッダの情報となる。
【0042】
IPv4サーバ4−xからIPv6端末6−a1へのIPv4パケットは、V4−V6変換部31においてIPv6パケットに変換される。図4は、そのようなIPv4パケットをIPv6パケットに変換する際に利用される変換表を示すと共に、V4−V6変換部31の処理を示している。
【0043】
入力されたIPv4パケットの32ビットでなる宛先アドレス(DA)には、IPv6端末6−a1に係るIPv4網でのアドレスP4aが挿入されている。入力されたIPv4パケットの32ビットでなる送信元アドレス(SA)には、IPv4サーバ4−xのIPv4網でのアドレスP4xが挿入されている。V4−V6変換部31においては、宛先アドレスP4aをキーとして変換表TAのV4−V6変換での識別列を検索し、変換後のアドレスV6a1をアクション列から取り出すと共に、送信元アドレスP4xをキーとして変換表TBの識別列を検索し、そのアドレスP4x(=P4PFxのプレフィックス長からP4xのネットワークアドレスを特定して検索)を要素としている行のアクション列の値V6PFxをプレフィックスの値として得て、送信元アドレスP4xに得られたプレフィックスV6PFxを付与して変換後の送信元アドレスV6PFx+P4xを得、IPv6パケットへのプロトコル変換を行う。
【0044】
なお、入力されたIPv4パケットをIPv6パケットに変換する際、宛先ポート(Dp)及び送信元ポート(Sp)の情報が挿入されているTCP/UDPヘッダの情報は、そのまま、変換後のIPv6パケットにおけるTCP/UDPヘッダの情報となる。
【0045】
図5は、128ビットでなる通常のIPv6アドレスを使用したときの変換シーケンスを示している。図5は、宛先アドレス(DA)、宛先ポート(Dp)、送信元アドレス(SA)、宛先ポート(Sp)の変換の様子を示している。なお、通常のIPv6アドレスとは、ダミープレフィックス(96ビット)とIPv4アドレス(32ビット)からなる特殊なIPv6アドレスではなく、ネットワーク部(64ビット)とインタフェースIDと呼ばれるホスト部(64ビット)からなり、アドレス割当組織から割り当てられる2001:から始まるようなブロックのグローバルアドレスのことを示している。
【0046】
ここで、あるIPv6端末(V6a1とする)は、ASP網3−xのIPv4サーバ4−xにアクセスすることもできれば、ASP網3−yのIPv4サーバ4−yにアクセスすることもできる。図5(A)は、IPv6端末V6a1がASP網3−xのIPv4サーバ4−xにアクセスしたときの変換シーケンスを示し、図5(B)は、IPv6端末V6a1がASP網3−xのIPv4サーバ4−xにアクセスしたときの変換シーケンスを示している。
【0047】
IPv6端末V6a1からASP網3−xのIPv4サーバ4−xへのIPv6パケットにおける宛先アドレス、宛先ポート、送信元アドレス、送信元ポートはそれぞれ、V6PFx+P4x、80、V6a1、3000である。このようなIPv6パケットはトランスレータ装置1によって、宛先アドレス、宛先ポート、送信元アドレス、送信元ポートがそれぞれ、P4x、80、P4a、3000のIPv4パケットに変換され、挿入されていたプレフィックスV6PFxに基づいてASP網3−xに送信され、IPv4サーバ4−xへ到達する。
【0048】
IPv4サーバ4−xに到達したIPv4パケットが、IPv4サーバ4−xからの任意のデータ(例えば、Webページのデータ)を求めるものであれば、IPv4サーバ4−xは、その求めに応じたデータをペイロードに含む、IPv6端末V6a1へのIPv4パケットを送信する。この場合におけるIPv6端末V6a1へのIPv4パケットの宛先アドレス、宛先ポート、送信元アドレス、送信元ポートはそれぞれ、P4a、3000、P4x、80である。このようなIPv4パケットはトランスレータ装置1によって、宛先アドレス、宛先ポート、送信元アドレス、送信元ポートがそれぞれ、V6a1、3000、V6PFx+P4x、80のIPv6パケットに変換されてIPv6網2に送信され、IPv6端末V6a1に到達する。
【0049】
また、IPv6端末V6a1からASP網3−yのIPv4サーバ4−yへのIPv6パケットは、上述したIPv6端末V6a1からASP網3−xのIPv4サーバ4−xへのIPv6パケットと比べて宛先アドレスだけが異なっている。すなわち、宛先アドレスがV6PFy+P4yとなっている。このようなIPv6パケットはトランスレータ装置1によって、宛先アドレス、宛先ポート、送信元アドレス、送信元ポートがそれぞれ、P4y、80、P4a、3000のIPv4パケットに変換され、挿入されていたプレフィックスV6PFyに基づいてASP網3−yに送信され、IPv4サーバ4−yへ到達する。
【0050】
IPv4サーバ4−yに到達したIPv4パケットが、IPv4サーバ4−yからの任意のデータ(例えば、Webページのデータ)を求めるものであれば、IPv4サーバ4−yは、その求めに応じたデータをペイロードに含む、IPv6端末V6a1へのIPv4パケットを送信する。この場合におけるIPv6端末V6a1へのIPv4パケットの宛先アドレス、宛先ポート、送信元アドレス、送信元ポートはそれぞれ、P4a、3000、P4y、80である。このようなIPv4パケットはトランスレータ装置1によって、宛先アドレス、宛先ポート、送信元アドレス、送信元ポートがそれぞれ、V6a1、3000、V6PFy+P4y、80のIPv6パケットに変換されてIPv6網2に送信され、IPv6端末V6a1に到達する。
【0051】
以上のように、あるIPv6端末(例えばV6a1)は、任意のASP網(3−x又は3−y)のIPv4サーバ(4−x又は4−y)をアクセスして通信することができる。
【0052】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、トランスレータ装置、プレフィックス管理サーバ及びDHCPv6サーバの連携により、IPv6−IPv4変換に必要になるプレフィックス情報、アドレス情報をトランスレータ装置に予め設定しておくようにしたため、IPv6端末とIPv4サーバとが実際にアクセスしているときにIPv6−IPv4変換にかかる処理負荷、転送遅延を軽減することができる。
【0053】
例えば、IPv4サーバがWebページを用いたサービスを提供する場合において、サービスの提供先となる端末(IPv6端末)の加入者を予め登録させるようなシステムであれば、トランスレータ装置、プレフィックス管理サーバ及びDHCPv6サーバの連携により、IPv6−IPv4変換に必要になるプレフィックス情報、アドレス情報をトランスレータ装置に事前に設定しておくは、実際上、容易にできることである。
【0054】
(B)第2の実施形態
次に、本発明によるアドレス変換・プロトコル変換システム、並びに、トランスレータ装置及びトランスレータプログラムをIPv6−IPv4変換に適用した第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0055】
図6は、第2の実施形態のアドレス変換・プロトコル変換システムに係るネットワーク構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
【0056】
図6及び図1の比較から明らかなように、第2の実施形態の構成要素は、第1の実施形態と同様であるが、一部の構成要素の機能が第1の実施形態のものとは異なっている。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に、第2の実施形態を説明する。主たる相違点は、以下の通りである。
【0057】
第1に、DHCPv6サーバ8Aに登録されるアドレスの範囲として、「ネットワーク部(64ビット)+第1のホスト部(32ビット)+第2のホスト部(32ビット)」で管理する。ここで、第1及び第2のホスト部に関しては、次のように管理する。第1のホスト部には、32ビット全てに「0」を設定する。第2のホスト部には、ASP網3−x、3−yのアドレス空間に対応するIPv4アドレスを設定する。第1のホスト部がオール「0」であるため、第2の実施形態のプレフィックスはダミーのプレフィックスを使用しているということができる。
【0058】
ここで、「ネットワーク部(64ビット)」の内容が、IPv6アドレス及びIPv4アドレス間の変換ではプレフィックスとして機能し、「第2のホスト部(32ビット)」がIPv6アドレス及びIPv4アドレス間の変換ではIPv4アドレスとして機能する。
【0059】
第2に、プレフィックス管理サーバ9Aには、第1の実施形態における端末側アドレス(図1参照)に代え、端末側プレフィックスを登録する。登録する端末側プレフィックスは、DHCPv6サーバ8Aに登録したネットワーク部であるIPv6プレフィックスと第2のホスト部が該当するIPv4プレフィックスとを1対1に対応させて登録する(後述する図8の変換表TC参照)。
【0060】
第3に、第2の実施形態では、プレフィックス管理サーバ9Aに必要な対応は、管理端末10から全て予め登録されるため、DHCPv6サーバ8Aとの動的な連携は必要ない。
【0061】
以下に、第2の実施形態における各部のアドレス等の情報を整理して記述する。
【0062】
V6PFa+P4a1、V6PFa+P4a2、V6PFb+P4bはそれぞれ、IPv6端末6−a1、6−a2、6−bのIPv6アドレスである。
【0063】
V6PFa及びV6PFbはIPv6プレフィックスであり、V6PFaはIPv6端末6−a1及び6−a2のIPv6プレフィックスで、V6PFbはIPv6端末6−bのIPv6プレフィックスである。
【0064】
P4PFa及びP4PFbはそれぞれ、IPv6端末6−a1、6−a2、6−bのIPv6プレフィックスV6PFa、V6PFbに1対1に対応するIPv4プレフィックスである。
【0065】
P4x及びP4yはそれぞれ、ASP網(IPv4網)3−x、3−yのIPv4サーバ4−x、4−yのIPv4アドレスである。
【0066】
P4PFx及びP4PFyはそれぞれ、IPv4アドレスP4x、P4yに相当するIPv4プレフィックスである。
【0067】
V6PFx及びV6PFyはそれぞれ、IPv4プレフィックスP4PFx、P4PFyに1対1に対応するIPv6プレフィックスである。
【0068】
図7は、第2の実施形態のトランスレータ装置1Aの機能的構成を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図2との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。以下、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0069】
V6−V4変換部30Aは、一切の変換表を持たず、IPv6端末6(6−a1、6−a2、6−b)からIPv4サーバ4(4−x、4−y)へのIPv6パケットをIPv4パケットに変換する。V6−V4変換部30Aは、入力されたIPv6パケットの宛先アドレス(DA)と送信元アドレス(SA)における96ビットのプレフィックスをそれぞれ削除することにより、変換後の宛先アドレスと送信元アドレスとを得て、IPv4パケットへのプロトコル変換を行う。
【0070】
V4−V6変換部31Aは、当該V4−V6変換部31Aでのみ使用する変換表32A(TB及びTC)を用いて、IPv4サーバ4(4−x、4−y)からIPv6端末6(6−a1、6−a2、6−b)へのIPv4パケットをIPv6パケットに変換する。V4−V6変換部31Aは、IPv4パケットの送信元アドレス(SA)と宛先アドレス(DA)の双方とも96ビットのプレフィックスを付与することによりIPv6パケットへのプロトコル変換を行う。
【0071】
図8は、IPv4パケットをIPv6パケットに変換する際に利用される変換表を示すと共に、V4−V6変換部31Aの処理を示している。
【0072】
入力されたIPv4パケットの宛先アドレス(DA)には、IPv6端末6−a1に係るIPv4網でのアドレスP4a1が挿入され、送信元アドレス(SA)には、IPv4サーバ4−xのIPv4網でのアドレスP4xが挿入されている。V4−V6変換部31Aにおいては、宛先アドレスP4a1をキーとして変換表TCの識別列を検索し、そのアドレスP4a1(=P4PFaのプレフィックス長からP4a1のネットワークアドレスを特定して検索)を要素としている行のアクション列の値V6PFaをプレフィックスの値として得て、宛先アドレスP4a1に得られたプレフィックスV6PFaを付与して変換後の宛先アドレスV6PFx+P4a1を得る。また、V4−V6変換部31Aにおいては、送信元アドレスP4xをキーとして変換表TBの識別列を検索し、そのアドレスP4x(=P4PFxのプレフィックス長からP4xのネットワークアドレスを特定して検索)を要素としている行のアクション列の値V6PFxをプレフィックスの値として得て、送信元アドレスP4xに得られたプレフィックスV6PFxを付与して変換後の送信元アドレスV6PFx+P4xを得る。
【0073】
以上のように、第2の実施形態においては、IPv6パケットからIPv4パケットへの変換ではプレフィックスを削除することだけでアドレス変換・プロトコル変換を行い、IPv4パケットからIPv6パケットへの変換では宛先アドレス及び送信元アドレス共に、アドレスをキーとした検索と、検索で得られたプレフィックの付与とによりアドレス変換・プロトコル変換を行う。
【0074】
図9は、オール「0」の第1のホスト部(ダミーのプレフィックス)を有するIPv6アドレスを使用したときの変換シーケンスを示しており、第1の実施形態に係る図5に対応する図面である。図9(A)は、IPv6端末V6a1がASP網3−xのIPv4サーバ4−xにアクセスしたときの変換シーケンスを示し、図9(B)は、IPv6端末V6a1がASP網3−xのIPv4サーバ4−xにアクセスしたときの変換シーケンスを示している。変換シーケンスに対する詳細な説明は省略するが、第2の実施形態でも、あるIPv6端末(例えばV6a1)は、任意のASP網(3−x又は3−y)のIPv4サーバ(4−x又は4−y)をアクセスして通信することができる。
【0075】
第2の実施形態によれば、トランスレータ装置は、DHCPv6サーバに登録されたIPv6アドレスを「ネットワーク部(64ビット)+第1のホスト部(32ビット)+第2のホスト部(32ビット)」で管理することにより、IPv6パケットからIPv4パケットへの変換において、変換表が不要となり、装置のメモリ量を削減でき、さらに、変換にかかる処理負荷、転送遅延を軽減することができる。
【0076】
また、第2の実施形態によれば、IPv4パケットからIPv6パケットへの変換において、宛先アドレス(DA)のアドレス変換に用いる変換表TCが、プレフィックスの1対1対応で構成されているため、当該変換表TCの行を第1の実施形態より少なくでき、メモリ量を削減することができる。例えば、図4の変換表TAが3行構成であるのに対して、図8の変換表TCは2行構成になっている。
【0077】
(C)他の実施形態
上記各実施形態では、IPv6網での通信装置がIPv6端末であり、IPv4網の通信装置がIPv4サーバである場合を示したが、IPv6網での通信装置及びIPv4網の通信装置の組み合わせは、上記実施形態のものに限定されない。IPv6端末とIPv4端末との通信に本発明を適用することも可能であり、また、IPv6端末部分がコンテンツ配信サーバやアクセスポイントのような配下に端末を収容するものであっても良い。
【0078】
また、上記各実施形態で1装置として説明した装置が物理的に複数の装置に分かれていても良く、異なる装置として説明した装置が物理的には1装置で構成されていても良い。例えば、DHCPv6サーバに対する管理端末(10)と、プレフィックス管理サーバに対する管理端末(10)とが別個に設けられたものであっても良い。また例えば、トランスレータ装置とプレフィックス管理サーバとがハード的には1装置上に構成されていても良い。
【0079】
上記各実施形態では、アドレス変換、プロトコル変換に供する2つのプロトコルが、IPv6及びIPv4である場合を示したが、2つのプロトコルの種類がIPv6及びIPv4に限定されず、アドレス空間についてIPv6及びIPv4の関係と同様な関係を有する2つのプロトコルに対して、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1、1A…トランスレータ装置、2…IPv6網、3−x、3−y…ASP網(IPv4網)、4−x、4−y…IPv4サーバ、6−a1、6−a2、6−b…IPv6端末、8、8A…DHCPv6サーバ、9、9A…プレフィックス管理サーバ、10…管理端末、30、30A…V6−V4変換部、31、31A…V4−V6変換部、32、32A…変換表。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロトコルに従う第1プロトコル網の要素である第1プロトコル通信装置が送信した、上記第1のプロトコルにおけるアドレスのビット数より少ないビット数で記述されたアドレスを取り扱う第2プロトコルに従う第2プロトコル網の要素である第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットを、第2のプロトコルに従う第2プロトコルパケットに変換すると共に、上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットを、第1プロトコルパケットに変換するトランスレータ装置を備え、第1のプロトコル及び第2のプロトコル間のアドレス変換、プロトコル変換を行うアドレス変換・プロトコル変換システムにおいて、
上記第1プロトコル通信装置に第1プロトコルに従う第1プロトコルアドレスを振り出すアドレス振出・設定サーバと、
上記アドレス振出・設定サーバから振り出されたアドレスの情報が通知されると、上記第1プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのアドレス又はプレフィックスの対応を管理すると共に、上記第2プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのプレフィックスの対応を管理し、それら対応の情報を、上記トランスレータ装置に与えるプレフィックス管理サーバとを備え、
上記トランスレータ装置は、
上記プレフィックス管理サーバから与えられた情報に従い、アドレス変換、プロトコル変換で利用する変換用情報を予め形成して管理する管理手段と、
上記第1プロトコル通信装置が送信した上記第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットが入力されたときに、第1の変換ルールに従い第2プロトコルパケットに変換する1−2変換手段と、
上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットが入力されたときに、第2の変換ルールに従い、上記変換用情報記憶手段の記憶情報を参照して第1プロトコルパケットに変換する2−1変換手段とを有する
ことを特徴としたアドレス変換・プロトコル変換システム。
【請求項2】
上記プレフィックス管理サーバは、アドレス振出・設定サーバから通知された第1プロトコルアドレスに対応する第2プロトコルに従う第2プロトコルアドレスを第2プロトコルのアドレス範囲から振り出し、第1プロトコル通信装置側のアドレスの情報として、1対1に対応させると共に、第2プロトコル通信装置側のプレフィックスの情報として、第1プロトコルのプレフィックスと第2プロトコルのプレフィックスとの1対1対応を管理し、
上記トランスレータ装置の上記管理手段は、上記プレフィックス管理サーバの管理情報に従い、上記第1プロトコル通信装置側のアドレスに係る第1の変換用情報を形成すると共に、上記第2プロトコル通信装置側のプレフィックスに係る第2の変換用情報を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のアドレス変換・プロトコル変換システム。
【請求項3】
上記1−2変換手段は、入力された第1プロトコルパケットの宛先アドレスから第1プロトコルプレフィックスを削除して、変換後の第2プロトコルパケットの宛先アドレスを生成し、入力された第1プロトコルパケットの送信元アドレスに基づいて、上記管理手段が形成した上記第1の変換用情報をアクセスして、変換後の第2プロトコルパケットの送信元アドレスを生成することを特徴とする請求項2に記載のアドレス変換・プロトコル変換システム。
【請求項4】
上記2−1変換手段は、入力された第2プロトコルパケットの宛先アドレスに基づいて、上記管理手段が形成した上記第2の変換用情報をアクセスして、第1プロトコルプレフィックスを得てそれを付与して、変換後の第1プロトコルパケットの宛先アドレスを生成し、入力された第2プロトコルパケットの送信元アドレスに基づいて、上記管理手段が形成した上記第1の変換用情報をアクセスして、変換後の第1プロトコルパケットの送信元アドレスを生成することを特徴とする請求項2に記載のアドレス変換・プロトコル変換システム。
【請求項5】
上記アドレス振出・設定サーバに登録される範囲のアドレスが、ネットワーク部と第1のホスト部と第2のホスト部とでなり、第1のホスト部がオール「0」であって、第2のホスト部が上記第2プロトコル網のアドレス空間に対応する第2プロトコルアドレスであり、
上記プレフィックス管理サーバは、上記アドレス振出・設定サーバからの通知に従い、ネットワーク部である第1プロトコルプレフィックスと、第2のホスト部の第2プロトコルプレフィックスとを1対1に対応させて管理し、
上記トランスレータ装置の上記管理手段は、上記プレフィックス管理サーバの管理情報に従い、上記第1プロトコル通信装置側のプレフィックスに係る第3の変換用情報を形成すると共に、上記第2プロトコル通信装置側のプレフィックスに係る第2の変換用情報を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のアドレス変換・プロトコル変換システム。
【請求項6】
上記1−2変換手段は、入力された第1プロトコルパケットの宛先アドレス及び送信元アドレスから第1プロトコルプレフィックスを削除して、変換後の第2プロトコルパケットの宛先アドレス及び送信元アドレスを生成することを特徴とする請求項5に記載のアドレス変換・プロトコル変換システム。
【請求項7】
上記1−2変換手段は、入力された第2プロトコルパケットの宛先アドレスに基づいて、上記管理手段が形成した上記第3の変換用情報をアクセスして、第1プロトコルプレフィックスを得てそれを付与して、変換後の第1プロトコルパケットの宛先アドレスを生成し、入力された第2プロトコルパケットの送信元アドレスに基づいて、上記管理手段が形成した上記第1の変換用情報をアクセスして、第1プロトコルプレフィックスを得てそれを付与して、変換後の第1プロトコルパケットの送信元アドレスを生成することを特徴とする請求項5に記載のアドレス変換・プロトコル変換システム。
【請求項8】
第1プロトコルに従う第1プロトコル網の要素である第1プロトコル通信装置が送信した、上記第1のプロトコルにおけるアドレスのビット数より少ないビット数で記述されたアドレスを取り扱う第2プロトコルに従う第2プロトコル網の要素である第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットを、第2のプロトコルに従う第2プロトコルパケットに変換すると共に、上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットを、第1プロトコルパケットに変換するトランスレータ装置において、
上記第1プロトコル通信装置に第1プロトコルに従う第1プロトコルアドレスを振り出すアドレス振出・設定サーバから振り出されたアドレスの情報の通知を受けて、プレフィックス管理サーバが管理した、上記第1プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのアドレス又はプレフィックスの対応と、上記第2プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのプレフィックスの対応の情報が与えられ、この上記プレフィックス管理サーバから与えられた情報に従い、アドレス変換、プロトコル変換で利用する変換用情報を予め形成して管理する管理手段と、
上記第1プロトコル通信装置が送信した上記第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットが入力されたときに、第1の変換ルールに従い第2プロトコルパケットに変換する1−2変換手段と、
上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットが入力されたときに、第2の変換ルールに従い、上記変換用情報記憶手段の記憶情報を参照して第1プロトコルパケットに変換する2−1変換手段とを有する
ことを特徴としたトランスレータ装置。
【請求項9】
第1プロトコルに従う第1プロトコル網の要素である第1プロトコル通信装置が送信した、上記第1のプロトコルにおけるアドレスのビット数より少ないビット数で記述されたアドレスを取り扱う第2プロトコルに従う第2プロトコル網の要素である第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットを、第2のプロトコルに従う第2プロトコルパケットに変換すると共に、上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットを、第1プロトコルパケットに変換するトランスレータ装置を構成するコンピュータに搭載されるトランスレータプログラムであって、
上記コンピュータを、
上記第1プロトコル通信装置に第1プロトコルに従う第1プロトコルアドレスを振り出すアドレス振出・設定サーバから振り出されたアドレスの情報の通知を受けて、プレフィックス管理サーバが管理した、上記第1プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのアドレス又はプレフィックスの対応と、上記第2プロトコル通信装置についての第1プロトコル網及び第2プロトコル網でのプレフィックスの対応の情報が与えられ、この上記プレフィックス管理サーバから与えられた情報に従い、アドレス変換、プロトコル変換で利用する変換用情報を予め形成して管理する管理手段と、
上記第1プロトコル通信装置が送信した上記第2プロトコル通信装置へ向かう第1プロトコルパケットが入力されたときに、第1の変換ルールに従い第2プロトコルパケットに変換する1−2変換手段と、
上記第2プロトコル通信装置が送信した上記第1プロトコル通信装置へ向かう第2プロトコルパケットが入力されたときに、第2の変換ルールに従い、上記変換用情報記憶手段の記憶情報を参照して第1プロトコルパケットに変換する2−1変換手段と
して機能させることを特徴としたトランスレータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−61541(P2011−61541A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209627(P2009−209627)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】