説明

アナログ信号の入力装置及びその入力診断方法

【課題】多チャンネルのアナログ信号の診断処理を高速に実行するアナログ信号の入力装置及びその入力診断方法を提供する。
【解決手段】アナログ信号の入力装置10は、外部入力したアナログ信号A及び発生させた基準電圧Eのうちいずれかを出力するマルチプレクサ23と、マルチプレクサ23が出力した信号をデジタル変換するA/D変換部25と、マルチプレクサ23及びA/D変換部25が設けられている複数のチャンネル12と、各々のチャンネル12においてデジタル変換された複数の基準電圧Fから最悪値Fbadを抽出する信号抽出部13と、複数のチャンネル12及び信号抽出部13が設けられているセグメント11と、複数のセグメント11の各々から出力される複数の最悪値Fbadを閾値Gと対比して各々のセグメント11を単位にアナログ信号Aの入力診断をする診断部14と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントやファクトリーオートメーションのコントローラに多チャンネルのアナログ信号を入力させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多チャンネルのアナログ信号を制御機器に入力させる入力装置においては、入力信号の信頼性を高めるために、チャンネル毎にアナログ信号をデジタル変換している。そして、各チャンネルは、フォトカプラ等の絶縁回路により、周辺回路や電源から電気的に絶縁されることで入力信号の信頼性をさらに高めている(例えば、特許文献1)。
この場合、入力装置には、A/D変換器や絶縁回路といった電子部品が多数設けられることになる。このため、これら個々の電子部品の故障や信頼性低下への対策が必要となる。
【0003】
具体的な対策として、状況に応じて使用する絶縁電源を制限することにより、ノイズの抑制を図る技術が知られている(例えば、特許文献2)。また、アナログ信号を受信するチャンネルにテスト電圧を入力し、チャンネル毎に故障の有無を診断する技術が知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−295754号公報
【特許文献2】特開2003−60492号公報
【特許文献3】特開2007−285764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した従来の故障診断技術では、アナログ信号のチャンネル数が増えるにしたがい診断処理回数も増えるため、故障診断の高速化が困難となる課題があった。
また、多チャンネル化にともない、信号診断用のレジスタの数の増加を招き、レジスタの使用を抑制したい要求に反することにもなる。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、多チャンネルのアナログ信号の診断処理を高速に実行するアナログ信号の入力装置及びその入力診断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るアナログ信号の入力装置は、外部入力したアナログ信号及び発生させた基準電圧のうちいずれかを出力するマルチプレクサと、前記マルチプレクサが出力した信号をデジタル変換するA/D変換部と、前記マルチプレクサ及び前記A/D変換部が設けられている複数のチャンネルと、各々の前記チャンネルが出力した基準電圧のデジタル化信号から最悪値を抽出する信号抽出部と、前記複数のチャンネル及び前記信号抽出部が設けられているセグメントと、複数の前記セグメントの各々から出力される複数の前記最悪値を閾値と対比して前記各々のセグメントを単位に前記アナログ信号の入力診断をする診断部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、多チャンネルのアナログ信号の診断処理を高速に実行するアナログ信号の入力装置及びその入力診断方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るアナログ信号の入力装置の第1実施形態を示すブロック図。
【図2】本発明に係るアナログ信号の入力診断方法の第1実施形態を示すフローチャート。
【図3】本発明に係るアナログ信号の入力装置の第2実施形態を示すブロック図。
【図4】本発明に係るアナログ信号の入力診断方法の第2実施形態を示すフローチャート。
【図5】本発明に係るアナログ信号の入力装置の第3実施形態を示すブロック図。
【図6】本発明に係るアナログ信号の入力診断方法の第3実施形態を示すフローチャート。
【図7】本発明に係るアナログ信号の入力装置の第4実施形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1のブロック図に示すように第1実施形態におけるアナログ信号の入力装置10(以下、単に「入力装置10」という)は、外部入力したアナログ信号A及び発生させた基準電圧Eのうちいずれかを出力するマルチプレクサ(mux)23と、マルチプレクサ23が出力した信号をデジタル変換するA/D変換部25と、マルチプレクサ23及びA/D変換部25が設けられている複数のチャンネル12(121,122,123)と、各々のチャンネル121,122,123が出力した基準電圧のデジタル化信号F1,F2,F3から最悪値Fbadを抽出する信号抽出部13と、複数のチャンネル121,122,123及び信号抽出部13が設けられているセグメント11と、複数のセグメント11(各図面においては1つのみ記載)の各々から出力される複数の最悪値Fbadを閾値Gと対比して各々のセグメント11を単位にアナログ信号Aの入力診断をする診断部14と、を備えている。
【0011】
セグメント11は、具体的には、複数のチャンネル12、信号抽出部13及び信号送信部15を実装したボードであり、このセグメント11(ボード)を増設することにより、チャンネル12の数を増やすことができる。
なお、各図面において、一つのセグメント11に三つのチャンネル12が実装されたものが例示されているが、実装されるチャンネル12の数に限定はない。
【0012】
チャンネル12は、マルチプレクサ23を切替信号Cにより動作させ、アナログ信号入力部21から入力したアナログ信号Aと、基準電圧発生部22で発生した基準電圧Eとを、切り替えてデジタル変換する。そして、アナログ信号A(A1,A2,A3)のデジタル化信号D(D1,D2,D3)を信号送信部15へ、基準電圧Eのデジタル化信号F(F1,F2,F3)を信号抽出部13へ出力する。
ここで、各チャンネル12に設けられている基準電圧発生部22は、同じ値の基準電圧Eを発生する。
【0013】
マルチプレクサ23及びA/D変換部25は、それぞれ絶縁回路24,26を介して診断部14、信号抽出部13及び信号送信部15に接続することにより、電気的絶縁が図られている。また、各チャンネル12を構成する各素子は、駆動電源(図示略)に接続しているが、この接続部にも絶縁回路が設けられている。
なお、絶縁回路は、フォトカプラ等で構成されるが、特に限定はない。
【0014】
信号抽出部13は、複数の基準電圧のデジタル化信号F(F1,F2,F3)を基準値Jに照らし誤差K(K1,K2,K3)を算出する複数の誤差算出部32(321,322,323)と、複数の基準電圧のデジタル化信号F(F1,F2,F3)のうち最大誤差を有するものを最悪値Fbadとみなす最大誤差出力部33とを有している。このような構成により、チャンネル12の入力値(アナログ信号A)に対する出力値(アナログ信号Aのデジタル化信号D)の一致性が評価される。
【0015】
基準値格納部31には、基準電圧Eのデジタル変換値である基準値Jが格納されている。
誤差算出部32(321,322,323)では、Kn=Fn−J;(n=1,2,3)の演算を実行する。そして、最大誤差出力部33は、Kn(n=1,2,3)が最大値をとる基準電圧のデジタル化信号F(F1,F2,F3)を最悪値Fbadとして診断部14に出力する。
【0016】
診断部14は、入力装置10を通常入力モード又は診断モードのいずれかに設定する切替信号Cを出力する切替部41と、基準電圧のデジタル化信号Fの正常範囲を規定した閾値Gを格納する閾値格納部42と、各セグメント11から送信される最悪値Fbadが閾値Gを超えるか否かを判定する判定部43と、最悪値Fbadが閾値Gを超えた場合、該当するセグメント11を通知する通知部44と、を有している。
【0017】
切替部41が出力する切替信号Cにより、マルチプレクサ23の出力は、アナログ信号Aから基準電圧Eに一定期間切り替えられる。
通常入力モードの設定では、外部入力したアナログ信号A(A1,A2,A3)は、チャンネル12においてデジタル化信号D(D1,D2,D3)に変換され、信号送信部15に送られる。
【0018】
そして、この信号送信部15は、アナログ信号のデジタル化信号Dを、プラントやファクトリーオートメーションのコントローラ(図示略)の信号受信部16に送信する。なお、信号送信部15と信号受信部16との間の伝送方式は、パラレル方式、シリアル方式のいずれでもよく、限定されない。
【0019】
そして、各チャンネル12が切替信号Cを受信すると、通常動作モードから診断モードに切り替わり、基準電圧のデジタル化信号Fが、信号抽出部13及び診断部14で処理されることになる。
なお、切替部41による通常動作モードから診断モードへの切り替えは、オペレータ要求にしたがって実行する場合もあるし、定期的に自動で実行される場合もある。
【0020】
判定部43は、データ処理するために各セグメント11から送信される複数の最悪値Fbadを一時的に記憶するレジスタが割り当てられている。この判定部43において、チャンネル12におけるアナログ信号Aのデジタル変換の健全性が、セグメント11を単位に診断される。
ここで、セグメント11の数をm、1枚のセグメント11に実装されているチャンネル12の数をnとすると、m回の判定処理回数で、m×n個の全てのチャンネル12の診断を実行することができる。つまり、全てのチャンネル12を一つずつ診断するのに比べて、処理回数が1/nに削減される。
【0021】
通知部44は、劣化や故障の疑われる不良チャンネルを実装するセグメント11を特定し、該当するセグメント11の交換を促す。
なお、不良チャンネルを含むセグメント11が特定された後は、このセグメント11から誤差Kの大きい順番に基準電圧F(F1,F2,F3)を診断部14に送信する。これにより、不良チャンネルの数を特定することができる。
さらに、セグメント11から送信される基準電圧F(F1,F2,F3)にチャンネル12のIDデータを付随させることにより、不良チャンネルを特定することもできる。
【0022】
診断部14における処理は、ソフトウェアやユーザー側のアプリケーションで行うことができる。このため診断用に割り当てるレジスタ数の仕様変更を伴うことなく、アナログ信号Aの入力チャンネル12の数を任意に変更し、自動診断を構築することが容易になる。
【0023】
図2のフローチャートに基づいて、第1実施形態におけるアナログ信号の入力診断方法を説明する(適宜図1参照)。全体のルーチンは、大きく通常入力モードのルーチンS10と診断モードのルーチンS20に分けられる。
通常入力モードのルーチンS10において、複数のチャンネル121,122,123の各々がアナログ信号A(A1,A2,A3)を外部入力する(S11)。入力したアナログ信号A(A1,A2,A3)は、デジタル化信号D(D1,D2,D3)に変換された後(S12)、プラントやファクトリーオートメーションのコントローラ(図示略)に送信される(S13)。
【0024】
この通常入力モードのルーチンS10は、診断指令である切替信号Cが出力されるまで、繰り返される(S14;No)。そして、切替信号Cが出力されると診断モードのルーチンS20に切り替わる(S14;Yes)。
発生している基準電圧Eは(S21)、マルチプレクサ23の切替動作により(S22)、デジタル化信号F(F1,F2,F3)に変換される(S23)。そして、信号抽出部13に送信されて、基準値Jとの誤差K(K1,K2,K3)が算出される(S24)。
セグメント11を単位に、算出された誤差Kが最大値となる基準電圧のデジタル化信号Fを最悪値Fbadとして抽出し、診断部14へ出力する(S25)。
【0025】
この診断部14では、複数のセグメント11の各々から出力される複数の最悪値Fbadを閾値Gと対比し、全てが良好と判定されれば、通常入力モードのルーチンS10に戻る(S26;OK)。そして、複数の最悪値Fbadのうち、いずれか一つが不良と判定されれば、該当するセグメント11の情報を通知して対処を促す(S26;NG、S15)。
【0026】
(第2実施形態)
図3のブロック図に基づいて第2実施形態におけるアナログ信号の入力装置10を説明する。なお、第2実施形態においては、信号抽出部13の構成が、第1実施形態の場合と異なっている。図3において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0027】
第2実施形態において信号抽出部13は、基準電圧Eがマルチプレクサ23で出力されてから複数のチャンネル12の各々で出力されるまでの応答時間T(T1,T2,T3)を検知する複数の応答時間検知部62(621,622,623)と、複数の応答時間T(T1,T2,T3)のうち最大時間を最悪値Tbadとみなす最大時間出力部63と、を有している。このような構成により、チャンネル12の入力(アナログ信号A)に対する出力(アナログ信号Aのデジタル化信号D)の応答性が評価される。
【0028】
タイマー61は、マルチプレクサ23が基準電圧Eを出力してから、デジタル化信号Fに変換されて絶縁回路26から出力されるまでの時間を正確に計測するのに充分な時間分解能を有している。
応答時間検知部62は、切替信号Cの受信時点を基準電圧Eの出力時点とみなし、そのデジタル化信号Fが入力するまでの応答時間Tを計測する。この応答時間Tが長いと、出力元のチャンネル12の故障又は劣化が疑われる。
【0029】
判定部43は、各セグメント11の最大時間出力部63から送信される複数の最悪値Tbadをレジスタに一時記憶させ、閾値Gと対比する。なお、実施形態において、この閾値Gは、上限値(最大時間)のみ考慮しているが、下限値(最小時間)を考慮してもよい。
なお、チャンネル12におけるアナログ入力に対するデジタル出力の応答時間Tの検知方法は、上述した方法に限定されず、種々の方法を適用することができる。
【0030】
図4のフローチャートに基づいて、第2実施形態におけるアナログ信号の入力診断方法を説明する。なお、第2実施形態においては、診断モードのルーチンS30が、第1実施形態の場合(S20)と異なっている。図4において図2と同一又は相当するステップは、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0031】
通常入力モードのルーチンS10が、診断指令の切替信号Cが出力されるまで、繰り返されている(S14;No)。そして、切替信号Cが出力されると診断モードのルーチンS20に切り替わる(S14;Yes)。
発生している基準電圧Eは(S31)、マルチプレクサ23の切替動作により(S32)、デジタル化信号F(F1,F2,F3)に変換される(S33)。また、このマルチプレクサ23の切替動作に同期してタイマー61がリセットされる(S32)。
【0032】
そして、基準電圧のデジタル化信号F(F1,F2,F3)が信号抽出部13に送信されて、各チャンネル12における入出力の応答時間T(T1,T2,T3)が検知される(S34)。
セグメント11を単位に、検知された複数の応答時間Tのうち最大値を最悪値Tbadとして抽出し、診断部14へ出力する(S35)。
【0033】
この診断部14では、複数のセグメント11の各々から出力される複数の最悪値Tbadを閾値Gと対比し、全て良好と判定されれば、通常入力モードのルーチンS10に戻る(S36;OK)。そして、複数の最悪値Fbadのうち、いずれか一つが不良と判定されれば、該当するセグメント11の情報を通知して対処を促す(S36;NG、S15)。
【0034】
なお、入力装置10において、第1実施形態の信号抽出部13(図1)の機能、及び第2実施形態の信号抽出部13(図3)の機能を共に具備させることができる。この場合、動作フローにおいて、診断モードのルーチンS20(図2)及びルーチンS30(図4)は、パラレル又はシリアルに処理されることになる。
【0035】
(第3実施形態)
図5のブロック図に基づいて第3実施形態におけるアナログ信号の入力装置10を説明する。なお、第3実施形態においては、チャンネル12の構成が、第1実施形態及び第2実施形態の場合と異なっている。図5において図1又は図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0036】
第3実施形態においてマルチプレクサ23は、第1基準電圧発生部22a及び第2基準電圧発生部22bを有し、それぞれにおいて異なる基準電圧E1,E2を出力する。
この場合、チャンネル12が切替信号Cを受信すると、マルチプレクサ23は、第1基準電圧E1、第2基準電圧E2の順番に出力する。そして、第1基準電圧E1はアナログ信号Aがとり得る電圧値の下限値に近い値に設定し、第2基準電圧E2はその上限値に近い値に設定する。
【0037】
これにより、一定の範囲の電圧値がアナログ信号入力部21に入力するところ、この範囲内の二点で電圧値の健全性を確認することで、チャンネル12の動作の信頼性が向上する。なお、基準電圧Eは、二点に限定されることなく、三点以上入力して、より一層信頼性が向上するようにしてもよい。
【0038】
ところで、第2実施形態のようにチャンネル12の応答性を評価する場合は、チャンネル12の構成素子に残留する電荷量の影響によって、検知される応答時間Tの再現性が低下する場合がある。
そこで、第1基準電圧E1をグランドレベル(0V)に設定し、これら構成素子に残留する電荷量をキャンセルしてから、第2基準電圧E2に基づいて応答時間Tを検知する。これにより、検知される応答時間Tの再現性を向上させることができる。
【0039】
図6のフローチャートに基づいて、第3実施形態におけるアナログ信号の入力診断方法を説明する。なお、第3実施形態においては、診断モードのルーチンが、第1基準電圧E1に基づくルーチンS20A(S30A)と、第2基準電圧E2に基づくルーチンS20B(S30B)とを連続させた構成になっている。図6において図2及び図4と同一又は相当するステップは、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0040】
通常入力モードのルーチンS10が、診断指令の切替信号Cが出力されるまで、繰り返されている(S14;No)。そして、切替信号Cが出力されると診断モードのルーチンS20に切り替わる(S14;Yes)。
第1基準電圧E1をグランドレベルに設定し、一つでも不良の判定があれば、該当するセグメント11の情報を通知して対処を促す(S20A(S30A);NG、S15)。
一方、全てが良好と判定されれば(S20A(S30A);OK)、第2基準電圧E2に基づく診断を行う(S20B(S30B))。なお、この時点で、チャンネル12の構成素子に残留していた電荷は全てキャンセルされている。
【0041】
そして、この第2基準電圧E2に基づく診断により、全て良好と判定されれば、通常入力モードのルーチンS10に戻る(S20B(S30B);OK)。そして、いずれか一つが不良と判定されれば、該当するセグメント11の情報を通知して対処を促す(S20B(S30B);NG、S15)。
この第2基準電圧E2に基づく診断は、チャンネル12の構成素子に残留する電荷が全てキャンセルされているために、精度の高い結果が得られる。
【0042】
(第4実施形態)
図7のブロック図に基づいて第4実施形態におけるアナログ信号の入力装置10を説明する。なお、第4実施形態においては、チャンネル12の構成が、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の場合と異なっている。
第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態において基準電圧発生部22(22a,22b)は、複数のチャンネル12の各々に1つ設けられていた。第4実施形態において基準電圧発生部22(22a,22b)は、複数のセグメント11の各々に1つ設けられている。図7において図1,図3,図5と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、詳細な説明を省略する。
【0043】
このように、チャンネル12が構成されることにより、セグメント11に実装する基準電圧発生部22(22a,22b)の部品点数を削減することができる。さらにこの場合、各チャンネル12に要求される絶縁耐力が小さくなるので、絶縁回路24,26(図1)も省略して、さらに部品点数の削減に寄与することができる。
【0044】
本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、共通する技術思想の範囲内において、適宜変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0045】
10…アナログ信号の入力装置、11…セグメント、12(121,122,123)…チャンネル、13…信号抽出部、14…診断部、15…信号送信部、16…信号受信部、21…アナログ信号入力部、22…基準電圧発生部、22a…第1基準電圧発生部、22b…第2基準電圧発生部、23…マルチプレクサ(mux)、24…絶縁回路、25…A/D変換部、26…絶縁回路、31…基準値格納部、32(321,322,323)…誤差算出部、33…最大誤差出力部、41…切替部、42…閾値格納部、43…判定部、
44…通知部、61…タイマー、62…応答時間検知部、63…最大時間出力部、A…アナログ信号、C…切替信号、D(D1,D2,D3)…アナログ信号のデジタル化信号、E…基準電圧、E1…第1基準電圧、E2…第2基準電圧、F(F1,F2,F3)…基準電圧のデジタル化信号、Fbad…最悪値、G…閾値、J…基準値、K(K1,K2,K3)…誤差、T(T1,T2,T3)…応答時間、Tbad…最悪値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部入力したアナログ信号及び発生させた基準電圧のうちいずれかを出力するマルチプレクサと、
前記マルチプレクサが出力した信号をデジタル変換するA/D変換部と、
前記マルチプレクサ及び前記A/D変換部が設けられている複数のチャンネルと、
各々の前記チャンネルが出力した基準電圧のデジタル化信号から最悪値を抽出する信号抽出部と、
前記複数のチャンネル及び前記信号抽出部が設けられているセグメントと、
複数の前記セグメントの各々から出力される複数の前記最悪値を閾値と対比して前記各々のセグメントを単位に前記アナログ信号の入力診断をする診断部と、を備えることを特徴とするアナログ信号の入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアナログ信号の入力装置において、
前記信号抽出部は、
複数の前記基準電圧のデジタル化信号を基準値に照らし誤差を算出する複数の誤差算出部と、
複数の前記基準電圧のデジタル化信号のうち最大誤差を有するものを前記最悪値とみなす最大誤差出力部と、を有することを特徴とするアナログ信号の入力装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のアナログ信号の入力装置において、
前記信号抽出部は、
前記基準電圧が前記マルチプレクサで出力されてから前記複数のチャンネルの各々で出力されるまでの応答時間を検知する複数の応答時間検知部と、
複数の前記応答時間のうち最大時間を前記最悪値とみなす最大時間出力部と、を有することを特徴とするアナログ信号の入力装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアナログ信号の入力装置において、
前記マルチプレクサは、複数の異なる基準電圧を出力することを特徴とするアナログ信号の入力装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のアナログ信号の入力装置において、
前記基準電圧の発生部は、前記複数のチャンネルの各々に1つ設けられるか又は前記複数のセグメントの各々に1つ設けられるかすることを特徴とするアナログ信号の入力装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のアナログ信号の入力装置において、
第1の前記基準電圧をグランドレベルに設定し、
第2の前記基準電圧に基づいて前記応答時間を検知することを特徴とするアナログ信号の入力装置。
【請求項7】
複数のチャンネルの各々が外部入力したアナログ信号及び発生させた基準電圧のうちいずれかをデジタル変換して出力するステップと、
各々の前記チャンネルが出力した基準電圧のデジタル化信号から最悪値を抽出するステップと、
前記複数のチャンネルから1つのセグメントが形成され、
複数の前記セグメントの各々から出力される複数の前記最悪値を閾値と対比して前記各々のセグメントを単位に前記アナログ信号の入力診断をするステップと、を含むことを特徴とするアナログ信号の入力診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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