アプリケータおよびその使用方法
アクセス用の比較的細長いカテーテルを必要とする哺乳類の体内の創傷部位に、比較的粘性のある組成物を投与するための方法および装置であって、カテーテルの遠位端に組成物を充填するステップと、創傷部位に遠位端を導くステップと、カテーテルが体内から取り除かれた後に、組成物が創傷部位に固定されたままとなるように、創傷部位の上に組成物を投与し、その後、適用された組成物に対してバルーンを膨張させて組成物が十分に凝固できるようにするステップとを含む。一実施形態では、カテーテルを通じて空気がバルーンに供給されたときに、バルーンがカテーテルの遠位端を越えて長手および遠位方向に膨張するように、バルーンはカテーテルに固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、架橋ポリマー組成物および当該の組成物の適用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最終的に本発明の譲受人が所有する米国特許第6,063,061号(特許文献1)は、患者の体内の標的部位に適用するための生体適合性高分子組成物を開示し、参照することによりその内容全体が明白に本願明細書に組み込まれる。特許文献1は、手術および外傷後に生じる、脊髄組織癒着のような組織癒着の形成を防止または抑制するための組成物の1つの特定の用途を開示している。
【0003】
組成物は、分子架橋ヒドロゲルを含み、その流動性(例えば、シリンジを通じて押し出される能力)と、組織表面および定められた空腔(例、椎間腔、組織の窪み、孔、ポケットなど)を含む組織上または組織内の部位へ流れる能力および部位に対する適合能力とを高めるように構成される。
【0004】
特に、ゲルは、組成物が限界レベルを超える応力を受けるとき、例えば、オリフィスまたはカニューレを通じて押し出されるとき、またはスパチュラなどを使用して供給部位に詰め込まれる時に流れるものと教示されている。この限界応力は、3×104Pa乃至5×105Paの範囲に設定されている。しかし、組成物は、特定のレベルより低い応力を受けるときには、概して不動のままである。
【0005】
ゲルは、例えば機械的分裂(disruption)の前にシリンジ内に詰め込まれるものと教示されている。材料は、シリンジを通じて組織の標的部位に適用されるときに機械的に分裂させられる。別様には、材料は、使用前には乾燥した形態で格納されている架橋ポリマー材料であると教示されている。乾燥材料は、次いで、シリンジ内に充填され、例えばそのシリンジ内で水和されて、材料が標的部位に供給されるときに機械的に分裂させられる。
【0006】
上述の組成物は、シリンジまたはスパチュラで到達させることができ、例えば脊椎での組織癒着を抑制する用途において効果的に使用されているが、この組成物は粘性が高すぎるために、細長いカテーテルを通じて供給することができない。よって、この組成物は、外傷、擦傷、切傷、または人体の胃腸管内部に位置する病巣のような、このように細長いカテーテルを必要とする用途のための一般的な方法では使用されていない。
【0007】
したがって、上述の組成物、および同等の粘性を有する他の標的部位用の組成物を供給して、アクセス用の比較的細長いカテーテルまたは他の通路を必要とする哺乳類の体内部位に配置および適用するための装置および方法を提供することが望ましい。
【特許文献1】米国特許第6,063,061号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願明細書では、粘性が高すぎるために、人体の胃腸管の内部に到達するように構成されるような比較的細長いカテーテルの全長を通して押し出すことができない治療用組成物を適用するための、方法および装置を詳述する。組成物は、(i)生体適合性ポリマー組成物、(ii)分子架橋ヒドロゲル、(iii)乾燥粉末、(iv)部分的に水和したゲル、および(v)完全に水和したゲルからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0009】
組成物は、例えば胃腸管の内部に存在する創傷などの、人体または動物の体内の創傷周辺での凝固に有用である。組成物の他の用途には、特に、筋肉内に存在する窪み、管、および体腔など、皮膚、上皮組織、結合または支持組織、神経組織、眼および他の感覚器官の組織、血管および心臓の組織、胃腸器官および組織、胸膜および他の肺組織、腎臓、内分泌腺、男性および女性生殖器間、脂肪組織、肝臓、膵臓、リンパ、軟骨、骨、口腔組織、および粘膜組織を含む軟および硬組織領域を充填するために組織を補うことが含まれる。組成物は、さらに乳房インプラントのような軟質埋め込み型デバイスの充填に有用であり、この材料は、細胞/酵素不透過性バリアまたはカバーによって劣化から保護される。組成物は、さらに、生体適合性および再吸収可能なポリマー材料を限定空間に充填することが望まれる他の処置に有用である。加えて、組成物は、薬物および他の生物学的に活性な薬剤と組み合わせることができ、この薬物は経時的に標的部位において放出することが可能である。
【0010】
全般的に、組成物のうちの1つを哺乳類の体内に位置する部位に導入するための1つの方法が開示され、カテーテルアセンブリは、近位端および遠位端を有する外側チューブと、外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルとを含む。この方法は、(i)外側チューブの遠位端にて外側チューブ内に空間を作り出すように、外側チューブの近位端からバルーンカテーテルを引き出すステップと、(ii)バルーンカテーテルを引き出すことによって作り出された空間に組成物を注入するステップと、(iii)哺乳類の体内の部位(例、創傷部位)に隣接した外側チューブの遠位端を位置決めするステップと、(iv)バルーンカテーテルの遠位端が組成物をバルーンカテーテルの遠位端からその部位の上に押し出すように、外側チューブの近位端にバルーンカテーテルを挿入するステップと、(v)その部位に適用された組成物に圧力が加わるように、バルーンカテーテルからバルーンを膨張させるステップとを含む。
【0011】
圧力を組成物に加えて、複数の目標を達成する。例えば、バルーンの圧力は、その部位に望まれるように組成物が適用されるように(例えば、創傷または癒着部を完全かつ均等に覆うように)調整することができる。体内の部位に適用される圧力を加えるためにバルーンカテーテルを使用する別の目的は、組成物をその部位に付着または凝固可能にすることである。1つの適用では、組成物は、創傷の上に人工痂皮を形成する。組成物に圧力を加えることによって、組成物が、血液または他の流体によって押し流されることなく創傷部位に留まるように、組成物を十分に固定することが可能となる。
【0012】
バルーンは、一実施形態では、空気圧によってバルーンカテーテルから膨張される。ここで、医師は、バルーンカテーテルが、空気を満たしたシリンジまたは病院内の圧縮空気のような陽圧供給源と連通するように、弁を回転させる。
【0013】
一実施形態では、バルーンカテーテルを外側チューブの近位端から引き出すステップは、外側チューブを保持した状態で、バルーンカテーテルの近位端を手動で引っ張ることによって行われる。同様に、一実施形態では、バルーンカテーテルを外側チューブの近位端に挿入するステップは、チューブを保持した状態で、カテーテルの近位端を押し込むステップを含む。
【0014】
一実施形態では、医師は、バルーンカテーテルを外側チューブの近位端から定められた距離だけ引き出して、外側チューブ内に所望の容量の空間を作り出す。このために、ミリメートル(「ml」)のような既知の容量測定単位をマーキングした目盛りを、外側チューブの遠位端に設けることが可能である。
【0015】
組成物は、最初にシリンジ内に格納することが可能である。医師は、外側チューブの遠位端の内側にシリンジの先端を配置し、バルーンカテーテルを移動することによって作られた空間に組成物を注入する。一実施形態では、医師は、組成物が内部カテーテルの引込められた先端と接触するまで組成物を注入して、少なくとも略完全にこの空間を満たす。
【0016】
本方法は、種々の補助を使用して、外側チューブを人または動物の体内に導入または位置決めするステップを含む。導入器は、体内へのエントリ地点(例、口、肛門、または腹部)から対象となる器官または組織の中へ提供され得る。医師は、次いで、外側チューブおよびカテーテルを摺動させて、組織または他の領域を通してこれらに入れる。医師は、カメラまたは柔軟な内視鏡を使用して、外側チューブの遠位端を注入部位に位置決めすることも可能である。カテーテルアセンブリは、ガイドワイヤを収納することも可能であり、硬さおよび位置決め可能性を高める。ガイドワイヤは、カテーテルまたは外側チューブ内に位置する別個のカテーテルによって画定される内腔を通じて配置することが可能である。
【0017】
処置中に、医師は、(i)外側チューブ内でカテーテルを前後に移動させるか、または(ii)カテーテルアセンブリ全体を前後に移動させて、その部位に望まれるように組成物が適用されるように調整することが可能である。この前後への移動中に、少なくとも1回バルーンを膨張させて、(i)その部位に望まれる組成物が適用されるように調整するか、または(ii)組成物をその部位に保持して組成物がその部位に付着できるようにすることが可能である。
【0018】
医師が望むように組成物が適用された後に、バルーンを最後に収縮させる。カテーテルアセンブリは、導入器および本体から取り除かれる。導入器は本体から取り外され、エントリの穿孔があればそれを縫合して閉じる。
【0019】
上述の方法を実行するために、一実施形態では、上述の組成物の供給源を含む医療用キットが提供される。このキットはまた、近位端および遠位端を有する外側チューブと、外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルとを含む。バルーンカテーテルは、外側チューブの遠位端において外側チューブ内に空間を作り出すように、外側チューブ内を移動することができる。
【0020】
例えば組成物を充填したシリンジとすることができる供給源は、この空間を満たすに十分な組成物を含む。供給源がシリンジである場合、このシリンジは、(i)カテーテルアセンブリに組成物を供給するように、および(ii)その後に空気を供給してバルーンカテーテルのバルーンを膨張させるように構成することができる。
【0021】
バルーンカテーテルは、近位端および遠位端を含む。バルーンは、遠位端に位置する。バルーンカテーテルの近位端は、空気がバルーンを加圧して膨張させるように、または膨張させないように使用される弁を含む。また、更なるコネクタを含んで、1つ以上のガイドワイヤを受け入れることも可能である。
【0022】
キットは、外側チューブの遠位端に嵌められた先端プロテクタなどの、他のアイテムを含む。キットは、使用前に組成物の供給源およびカテーテルを封止することができる袋も含む。キットは、導入器を格納することも可能である。
【0023】
また、上述の方法を実行するために、一実施形態では、改善された医療用カテーテルアセンブリが提供される。このアセンブリは、近位端および遠位端を有する外側チューブと、外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルとを含む。バルーンカテーテルは、外側チューブの遠位端において外側チューブ内に空間を作り出すように、外側チューブ内を移動することができる。この空間は、本願明細書に記述された組成物のうちの1つを保持するようにサイズ設定され、創傷部位または他の用途に対応するに十分な量の組成物が供給源から適用される。外側チューブの遠位端は、密封状態で組成物の供給源を受けるように構成されたコネクタを含む。コネクタは、雌型ルアーコネクタとすることができる。外側チューブの遠位端は、空間の容量測定単位を示す目盛りを含むこともできる。
【0024】
一実施形態では、カテーテルアセンブリは、人間工学的なシースおよびカテーテルグリップを含み、医師の静止したシースに対するカテーテルの操作を補助する。シースグリップは、リブ付きグリップ、握持ウェル、および/または握持フランジのような種々の人間工学的な機能を有することができる。カテーテルグリップは、カテーテルグリップを握持していないときにカテーテル上を自由に摺動させられるように、スロットを付けることができる。しかし、医師がグリップのスロット部分を圧縮すると、医師がシースに対してカテーテルを移動させることができるように、グリップがカテーテルを挟持する。いずれの場合でも、一実施形態では、カテーテルグリップおよびシースグリップは、カテーテルが完全に延びたとき、例えば、バルーンの膨張位置にあるときに、可聴的および/または触覚的なフィードバックを医師に提供する。
【0025】
組成物は、一実施形態では、シリンジに予め充填される。例えばルアーロック接続具(luer lock fitting)を経て、シリンジに密封状態で接続する一端を有するアダプタが提供される。アダプタの他端は、シースに組成物を充填するためにシースの遠位端を受け入れるようにサイズ設定される。この端部は、エラストマワッシャを収容するアダプタの一部に螺入するナットも含む。金属カニューレは、アダプタに挿入される。シースの端部は、金属カニューレの上、および円筒エラストマワッシャ内に嵌まる。
【0026】
医師がナットを締めると、ナットは一体的な内部カラーを移動させ、アダプタの軸に沿って長手方向にワッシャを押し付ける。アダプタを通じたシリンジからシースへの組成物の密封交換のために、ワッシャの長手方向の圧縮によって、ワッシャの内径をシース上に半径方向に押し付け、次に、シースをカニューレ上に押し付ける。
【0027】
一実施形態では、カテーテルのバルーン部分は、シリコンおよびラテックス部材のうちの少なくとも1つであり、バルーンがカテーテルの中心軸に沿って、またカテーテルから放射状に外側に膨張することができるように、カテーテルに対して、バルーンを十分密に保持する距離を、両端で糸またはワイヤで巻かれる。これによって、カテーテルは、カテーテルの端部を十分に越えて遠位に延びることができ、比較的硬いカテーテルによって患者が突かれないように保護する。バルーンは、比較的丸みがあり、曲線的な接触用の端面を提供する。この構成は、必要に応じて、組成物を適用するためにバルーンの遠位端を使用して、例えば、より大きな圧力および/またはより大きな局所的圧力を提供するための、医師の能力も向上させる。
【0028】
上述の目的に対し、一実施形態では、近位端および遠位端を有する外側チューブと、外側チューブ内に位置するカテーテルとを含むカテーテルアセンブリを経て、哺乳類の体内に位置する部位に組成物を導入するための方法が提供される。この方法は、(i)外側チューブの遠位端において外側チューブ内に空間を作り出すように、外側チューブの近位端からカテーテルを引き出すステップと、(ii)空間内に組成物を注入するステップと、(iii)哺乳類の体内の部位に隣接した外側チューブの遠位端を位置決めするステップと、(iv)カテーテルの遠位端が組成物を外側チューブの遠位端からその部位の上に押し出すように、外側チューブの近位端にカテーテルを挿入するステップとを含む。
【0029】
一実施形態では、カテーテルはバルーンカテーテルであり、その部位に適用された組成物に圧力が加わるように、バルーンカテーテルからバルーンを膨張させるステップをさらに含む。
【0030】
一実施形態では、組成物に圧力を加えることで、(i)その部位に望まれるように組成物が適用されるように組成物を調整するステップ、(ii)組成物をその部位に付着させることができるように、組成物をその部位に保持するステップ、および(iii)圧力を加えるようにバルーンの遠位端を使用するステップのうちの少なくとも1つを達成する。
【0031】
一実施形態では、バルーンカテーテルからバルーンを膨張させるステップは、(i)バルーンカテーテルの近位端に位置する弁を開くステップと、(ii)加圧空気を完全にバルーンと連通させるステップと、(iii)バルーンと連通する、空気を充填したシリンジを押圧するステップ、および(iv)カテーテルの遠位端を越えて遠位および長手方向にバルーンを膨張させるステップのうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
一実施形態では、(i)外側チューブの近位端からカテーテルを引き出すステップは、チューブに対してカテーテルの近位端を引っ張るステップを含む、および(ii)外側チューブの近位端にカテーテルを挿入するステップは、チューブに対してカテーテルの近位端を押すステップを含む、のうちの少なくとも1つである。
【0033】
一実施形態では、外側チューブの近位端からカテーテルを引き出すステップは、所望の空間を作り出すように定めた距離だけカテーテルを引き出すステップを含む。
【0034】
一実施形態では、空間に組成物を注入するステップは、(i)シリンジから空間まで組成物を搬送するステップ、(ii)組成物がその空間を少なくともほぼ満たすように組成物を注入するステップ、および(iii)エラストマ部材と金属カニューレとの間で外側チューブの端部を封止するステップのうちの少なくとも1つを含む。
【0035】
一実施形態では、哺乳類の体内に外側チューブの遠位端を位置決めするステップは、(i)体内の部位へのアクセスを提供する導入器を通じて、チューブを摺動させるステップ、および(ii)外側チューブの遠位端を位置決めするためにカメラを使用するステップのうちの少なくとも1つを含む。
【0036】
一実施形態では、本方法は、硬さのためにガイドワイヤを使用するステップを含み、このガイドワイヤは、(i)カテーテルによって画定される内腔、および(ii)カテーテルによって提供される更なるガイドワイヤ入口のうちの1つに挿入される。
【0037】
一実施形態では、カテーテルはバルーンを含み、(i)1つ以上の目的を達成するために複数回バルーンを膨張させるステップ、(ii)カテーテルの端部を越えて遠位にバルーンを膨張させるステップ、(iii)組成物が部位に凝固した後にバルーンを収縮させるステップ、および(iv)バルーンを収縮させた後に、外側チューブおよびバルーンカテーテルを引き出すステップ、からなる群から選択される、少なくとも1つの更なるステップを含む。
【0038】
一実施形態では、本方法は、その部位に望まれるように組成物が適用されるように調整するために、カテーテルを外側チューブ内前後に移動させるステップを含む。
【0039】
一実施形態では、カテーテルはバルーンを含み、(i)その部位に望まれるように組成物が適用されるように組成物を調整するステップ、および(ii)組成物をその部位に付着させることができるように、組成物をその部位に保持するステップのうちの少なくとも1つを達成するようにバルーンを前後に移動させている間に、少なくとも1回バルーンを膨張させるステップを含む。
【0040】
一実施形態では、本方法は、(i)口腔、(ii)肛門、(iii)腹部、および(iv)胸郭からなる群から選択されたエントリ地点を経て、哺乳類の体内にカテーテルを挿入するステップを含む。
【0041】
したがって、本発明の利点は、本願明細書に記述されて組み込まれた比較的高い粘性の組成物を供給し、比較的細長いカテーテルまたは他の通路を必要とする哺乳類の体内部位に配置および適用するための方法を提供することである。
【0042】
本開示の別の利点は、本方法を実行するためのキットを提供することである。
【0043】
本開示の更なる利点は、本方法を実行するためのカテーテルアセンブリを提供することである。
【0044】
本開示の更なる利点は、容易かつ巧みに操作可能なカテーテルアセンブリを提供することである。
【0045】
本開示のさらに別の利点は、容易に封止可能な組成物搬送装置を備えたカテーテルアセンブリを提供することである。
【0046】
さらに、本開示の利点は、患者の苦痛を軽減し、加える圧力および位置定めの柔軟性を向上させる、カテーテルのバルーン部分を提供することである。
【0047】
更なる特徴および利点は本願明細書に記述されており、発明を実施するための最良の形態および図面から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、特に図1Aを参照すると、本願明細書に記述された方法を実行するように構成された装置を収容するキット100の一実施形態が示される。キット100は、カテーテルアセンブリ10を含む。カテーテルアセンブリ10は、主要構成要素、すなわち外側チューブ20およびバルーンカテーテル30に分解した状態で示される。バルーンカテーテル30は、通常外側チューブ20によって画定される内腔22に挿入される。
【0049】
外側チューブ20は、ポリオレフィン、ポリエステル、または他のポリマー材料のような、あらゆる好適な生体適合材料で構成することが可能である。外側チューブ20は、長さ200乃至2000ミリメートル(「mm」)、外径20乃至200mm、および内径10乃至170mmのような、任意の好適な寸法とすることが可能である。外側チューブ20は、一実施形態では、バルーンカテーテル30を見ながら外側チューブ20内に配置することができるように、透明、半透明、またはシースルーである。
【0050】
外側チューブ20は、その遠位端に雌型ルアー24を含むか、または画定する。雌型ルアー24は、パッケージされるときに組成物72を充填したシリンジ70のような組成物72の供給源を、少なくとも略密封状態で嵌合するように構成される。図示の実施形態では、コネクタ24は雌型ルアーである。別様には、コネクタ24は、雄型ルアーコネクタ、または異なるタイプの流体コネクタである。好適な一実施形態では、コネクタ24の外径は、コネクタ24が、外側チューブ20の人または動物への挿入を妨げないように、できる限り小さいことが好ましい。
【0051】
目盛り26a乃至26uは、外側チューブ20の遠位端に配置またはマーキングされる。目盛り26(集合的に、目盛り26a乃至26uを示す)は、内腔22によって画定される既知の容積測定量を示す。例えば、目盛り26は、組成物72の1ミリリットル(「ml」)の容量を測ることができる。目盛り26は、あらゆる好適な容量測定単位を示すことができ、ミリリットルの表示に限定されない。さらに、任意の好適な数の目盛り26を提供することが可能である。目盛り26の目的は、以下に詳述する。
【0052】
外側チューブ20の近位端には肥厚部28が提供される。肥厚部28は、バルーンカテーテル30のカラー32を摩擦によって着脱可能に係合するように構成される。図1Aに示されるように、肥厚部28がカラー32の上を摺動してこれと係合するように、バルーンカテーテル30が外側チューブ20内に完全に挿入されたときに、バルーンカテーテル30の遠位セクション34は、外側チューブ20の遠位端(コネクタ24によってハイライトされる)を越えて延びる。
【0053】
バルーンカテーテル30は、細長いチューブ36を含み、このチューブは、ポリオレフィン、ポリエステル、または他のポリマー材料のような、あらゆる好適な生体適合材料で構成することができる。チューブ36は、長さ200乃至2000ミリメートル、外径5乃至160mm、および内径1乃至150mmのような、任意の好適な寸法とすることが可能である。一実施形態では、バルーンカテーテル30は、高粘度のゲルをスムーズに流れさせることができる、比較的または非常に硬い、予め組み込まれた、または予め挿入されたガイドワイヤを有する。
【0054】
細チューブ36は、しっかりと嵌まるシース38によって覆われる。シース38は、ポリオレフィンのような、あらゆる好適な材料で作製される。シース38によって、チューブ36の外径とシース38の内径とによって画定される薄い環状の通路を通じて、空気をバルーン部分42に供給することができる。巻線40aおよび40bは、バルーン部分42の両側に提供され、バルーンカテーテル30のチューブ36の遠位セクション34に位置する。このようにして、上述の環状の通路に陽圧を適用するときに、バルーン部分42を膨張させるに必要な圧力を作り出す。
【0055】
チューブ36の近位端は、カラー32と嵌合するか、またはこれと一体であり、一実施形態では、筺体44と一体である。筐体44はまた、一対の入力チューブ46および48と流体連通する。入力チューブ46は、弁50まで延びる。弁50によって、医師は、バルーンカテーテル36のバルーン部分42を膨張させるように、弁50を通じて、チューブ46を通じて、筺体44を通じて、チューブ36とシース38との間の環状の通路を通じて、加圧空気を流したり止めたりすることができる。弁50は、入口コネクタ52を含むが、これは、一実施形態では、外側チューブ20の終端に位置する雌型ルアー24と同じサイズおよびねじピッチの雌型ルアーである。このような構成によって、同じシリンジ70を使用して、(i)外側チューブ20の遠位端に所望の組成物72(下述)を充填すること、次いで、(ii)必要に応じてバルーンカテーテル30のバルーン部分42を加圧することができる。
【0056】
注入チューブ48は、筺体44から第2の筺体54まで延びる。第2の筺体54は、その後注入チューブ56および58の第2の対と流体連通する。注入チューブ56および58のそれぞれは、その後雌型ルアー60aおよび60bとそれぞれ連通する。雌型ルアー60aおよび60bは、一実施形態では、それぞれガイドワイヤ62aおよび62bを受け入れる。ガイドワイヤ62aおよび62bは、バルーンカテーテル30に、したがってカテーテルアセンブリ10に所望の硬さを提供する。バルーンカテーテル30の細チューブ36は、内腔(図示せず)を画定し、それを通じてガイドワイヤ62aおよび62bを挿入することが可能であると理解されたい。
【0057】
カテーテルアセンブリ10は、パッケージされるときに先端プロテクタ64を備える。先端プロテクタ64は、チューブの遠位端においてチューブ36の内腔に嵌合する、細い雄型延長部66を含む。先端プロテクタ64の外側部分68は、カテーテルアセンブリ10の外側のチューブ20と嵌合するようにサイズが設定され、かつ構成される。一実施形態では、先端プロテクタ64の外側部分68は、外側チューブ20の雌型ルアー24の上に螺入するように構成された雄型ルアーである。
【0058】
キット100は、更なるアイテムを含む。例えば、本願明細書において上述したように、キット100はシリンジ70を備える。シリンジ70には、パッケージされるときに所望の組成物72が充填される。所望の組成物72は、目標とする手術または適用を行うに好適な量が提供される。種々の好適な組成物は、米国特許第6,063,061号に記載されており、その内容全体は、既に本願明細書に組み込まれている。
【0059】
組成物72の一実施形態は、ポリマーを含む。このポリマーは、架橋されて、水和されてヒドロゲルを形成することができる。例示的なポリマーには、ゼラチン、コラーゲン(例、可溶性コラーゲン)、アルブミン、ヘモグロビン、フィブリノゲン、フィブリン、フィブロネクチン、エラスチン、ケラチン、ラミニン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの組み合わせから選択されるタンパク質が挙げられる。別様には、ポリマーは、グリコサミノグリカン、スターチ誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体、キシラン、アガロース、アルギン酸塩、キトサン、およびそれらの組み合わせなどの、多糖類を包含し得る。さらに別様には、ポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルポリマー、ポリアクチド−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリオキシエチレン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの組み合わせなどの、非生物ヒドロゲル形成ポリマーから成ることが可能である。ポリマーの他の特徴、および組成物72の他の形態は、組み込まれた特許文献に記載されている。組成物72は、好適な一実施形態では、ゲルとしてシリンジ70に詰め込まれる。ゲルの粘性は、下述する適用の方法に好適である。
【0060】
シリンジ70は、一実施形態では、上述のように外側チューブ20および弁50のそれぞれの雌型ルアー24および52と、嵌合するように構成された、雄型ルアー74を備える。雌型ルアーキャップ76は、パッケージされるときにシリンジ70の雄型ルアー74上に挿入され、シリンジ70内の組成物72を封止する。シリンジ70は、その後アセンブリ10とともに、閉鎖可能かつ封止可能な袋または容器78内にパッケージされる。
【0061】
加えて、袋または容器78は、導入器80を保持するようなサイズに設定される。導入器80は、一実施形態では、他に胃鏡または結腸鏡などとも呼ばれる、内視鏡またはスコープである。胃鏡は、図2Aに例示されるように、人または動物の体内に口腔を通じてカテーテルアセンブリ10を導く。これは、上部胃腸出血または病変に対して行うことが可能である。一方で、結腸鏡型の導入器は、図2Bに例示されるように、患者の肛門を通じてアクセスできるようにする。更なるアクセスの形態を図2Cに示すが、アクセスは、患者の腹部または肋骨領域を通じて行われる。上述したいずれのアクセスタイプであっても、本願明細書に記述された実施例の方法および装置との使用に好適である。一実施形態では、カフ96を有する導入器80は、あらゆる異なるタイプのアクセスに対してサイズを設定され、かつ構成される。別様には、キット100は、特定のタイプの導入器80を含み、特定のタイプのアクセスに対して選択される。
【0062】
図1Bを参照すると、キット100およびカテーテルアセンブリ10の好適な一実施形態が示される。ここでは、比較的にまたは非常に硬いガイドワイヤ(図示せず)が、細チューブ36内の別個の通路または内腔(図示せず)を経て、細チューブ36に予め組み込まれるか、または予め挿入される。予め組み込まれるか、または予め挿入されたガイドワイヤによって、粘性のある流体が細チューブ36をスムーズに流れることができ、指向性および圧力適用性が高まる。予め組み込まれるか、または予め挿入されたガイドワイヤは、ガイドワイヤが不要になったとき、または必要に応じて取り除くことができるように、チューブ36内の経路または内腔に着脱可能に縫うように進むことができる。予め組み込まれるか、または予め挿入されたガイドワイヤによって、近位端チューブの特定のものを省くことができる。例えば、1つ以上の、または全ての注入チューブ48、56、および58のうちの1つ以上またはすべてを省くことが可能であり、第2の筺体54を不要にすることも可能である。図示の実施形態では、第2の筺体54、および注入チューブ48、56、および58が省かれ、チューブ36が弁50まで延ばされている。それでも、第1の筺体44を、ガイドワイヤ62aおよび62bのうちの1つに提供することができる。
【0063】
図2A乃至2Cを参照すると、キット100に関連して上述したカテーテルアセンブリ10および他の構成要素が示される。ここでは、カテーテルアセンブリ10を使用して、患者の小腸82の内壁に存在する創傷部位または病変94に組成物72を投与する。参考までに、患者の大腸84、胃86、および食道88も図2A乃至2Cに示す。図2Aは、食道88が、患者の口腔90および鼻92と生物学的に連通していることをさらに示す。
【0064】
図2Aでは、導入器80は、胃鏡型であり、患者の口腔90を通じて患者の体内にカテーテルアセンブリ10を導く。図示の実施形態では、導入器80は、患者の胃86内に延びる。導入器80は、したがって、患者の胃86にアセンブリ10を案内する。その後、医師は、患者の小腸82および創傷部位94へアセンブリ10を操作する。別の実施形態では、導入器80は、さらに患者の小腸82内に延ばされる。さらに別様には、導入器80は、医師が望むように、患者の食道88までしか延ばされない。
【0065】
図3乃至11に関連して記述される方法により、カテーテルアセンブリ10を使用して、創傷部位94に組成物72を投与する。図2A乃至2Cに示されているが、これをさらに詳述すると、バルーンカテーテル30のチューブ36のバルーン部分42が膨張され、創傷部位94に対して組成物72を保持している様子が示される。以下に詳述するが、これは、カテーテルアセンブリ10が取り除かれる前に、組成物72が創傷部位94に対して凝固できるように行われる。図示の実施形態では、組成物72を使用して、一時的な痂皮を創傷部位94に形成する。このように、カテーテルアセンブリ10が取り除かれたときに、組成物72が血液または他の流体あるいは物質によって押し流されないように、組成物72を十分に固定または凝固させることが重要である。
【0066】
米国特許第6,063,061号に記載されているように、組成物72は、創傷部位94が治癒したしばらく後に、生分解するか、または体内に吸収されるように構成される。図2Aに示されるように、バルーンカテーテル30のバルーン部分42は、一実施形態では、シリンジ70からの、弁50、筺体44(状況に応じて)、チューブ36としっかり嵌まるシース38との間の環状の内腔を通じた、バルーン部分42への圧縮空気によって膨張される。ガイドワイヤ62aまたは62bは、雌型ルアー60aおよび60b、筺体54、筺体44、および必要に応じてチューブ36の内腔を通じて挿入して、バルーンカテーテル30のチューブ36を創傷部位94に導くことが可能である。
【0067】
図2Bは、患者の肛門を通じた別のアクセス部位を示す図である。ここでは、導入器80は、患者の肛門104を通して挿入される。導入器80は、その後、医師の望みに応じて、患者の肛門の空腔または結腸へ延びることが可能である。上述と同様に、カテーテルアセンブリ10およびシリンジ70を使用して、創傷部位94に組成物72を沈着させて、その後、バルーンカテーテル30の細チューブ36のバルーン部分42を膨張させて、組成物72が適切に凝固するまで適所に保持する。図示の実施形態では、創傷部位94は、患者の結腸106内に位置し、患者の肛門からの挿入が好都合である。
【0068】
図2Cは、患者の腹部または胸郭領域を通じた、さらに別のアクセス部位を示す図である。ここでは、導入器80は、患者の皮膚および胃壁86を通って穿刺される。導入器80は、その後、医師の望みに応じて、患者の胃および/または小腸82へ延びることが可能である。上述のように、導入器80は、患者に固定することが可能なカフ96を含む。加えて、テープ98を用いて、患者に対する導入器80の保持を助力することが可能である。上述と同様に、カテーテルアセンブリ10およびシリンジ70を使用して、創傷部位94に組成物72を沈着させて、その後、バルーンカテーテル30の細チューブ36のバルーン部分42を膨張させて、組成物72が適切に凝固するまで適所に保持する。
【0069】
以下、図3乃至11を参照すると、図2Aおよび2Cに関連して示された、創傷部位94へ組成物72を適切に投与するための一実施形態が示される。本願明細書に記述された方法を使用して、胃の内壁86、小腸82内のいずれかの場所、または大腸84内のいずれかの場所などの、患者の消化管に沿ったいずれかの所望の地点に組成物72を適用することが可能であると理解されたい。さらに、組成物72は、食道88、肛門領域内に、または本願明細書に記述された他の器官、組織および/または部位内に沈着させることも可能である。
【0070】
図3は、外側チューブ20の遠位端を示す図である。図1Aに関連して説明したように、外側チューブ20の遠位端は、雌型ルアー24または任意の他の好適なコネクタによってハイライトされる。外側チューブ20の遠位端は、目盛り26(ここでは、10個の目盛り26a乃至26j)も備える。それらの目盛りは、図4のシリンジ70上に示される目盛り26a乃至26jに対応する。
【0071】
図3の第1の充填ステップでは、医師は、外側チューブ20の近位端を固定して保持し、バルーンカテーテル30を引く(例えば筺体44を握時し、後方に、外側チューブ20の近位端から外へ)。医師は、バルーンカテーテル30をある距離引っ張り、バルーンカテーテル30のチューブ36の遠位先端36aを、外側チューブ20内の所望の位置まで引き込める。図示の実施形態では、チューブ36の遠位先端が目盛り26jに到達するまでこれを引込めるが、この目盛りは、例えば、外側チューブ20によって画定される内腔22が、目盛り26jに位置するチューブ36の遠位先端から外側チューブ20の遠位端(雌型ルアー24によってハイライトされる)までを10ミリリットルに規定するということを示し得る。
【0072】
図4に示される第2の充填ステップでは、医師は、シリンジ70の雄型ルアーコネクタ74から、キャップ76(図1Aおよび1Bに示す)を取り除く。医師は、シリンジ70の雄型ルアー74を外側チューブ20の雌型ルアー24に接続することによって、シリンジ70を外側チューブ20の遠位端に固定する。次に、医師は、シリンジ70のプランジャ102を押して、シリンジ70に予め充填された組成物72を、外側チューブ20の内腔22の空間に押し出す。一実施形態では、組成物72のうちの(例えば)1乃至10ミリリットルを、外側チューブ20の遠位端に押し出す。更なる一実施形態では、組成物72のうちの1乃至10ミリリットルを、外側チューブ20の遠位端に押し出す。より小さなシリンジが望まれる場合は、複数のシリンジを使用して、所望の量の組成物72を提供することが可能である。組成物72は、バルーンカテーテル30の細チューブ36の遠位先端36aまで内腔22を満たし、該先端は外側チューブ20の目盛り26jに存在する。組成物72の粘度は、機械的な作動またはチューブ36と20との間に流れが無ければ、チューブ20の端部から溢流しない。
【0073】
図5乃至11は、小腸82および胃86の一部の拡大図である。図5に示されるように、創傷部位94は、小腸82の内壁に沿って生じている。この次のステップでは、医師は、上述のアクセス方法のうちのいずれかによって、カテーテルアセンブリ10(バルーンカテーテル30のチューブ36は引き込み位置にあり、組成物72は外側チューブ20内に保持されている)を、創傷部位94の上に組成物72を投与することが望ましい小腸82内の部位に挿入する。図5乃至11に関連して述べられるステップのいずれかは、医師が、患者の小腸82内のカテーテルアセンブリ10を見ることができるように、カメラまたは他のタイプの視覚的記録/撮像デバイスを伴って行うことができると理解されたい。図示の実施形態では、医師は、雌型ルアー24によってハイライトされた外側チューブ20の遠位端を、創傷部位94の下端へ押す。説明の便宜上、一対の矢印は、アセンブリ10が、小腸82へ下方に移動するように、チューブ20およびバルーンカテーテル30がまとめて押されることを示す。
【0074】
以下、図6を参照すると、本方法の更なるステップが示される。ここでは、医師は、外側チューブ20を含むアセンブリ10全体を引き込め始め、同時にバルーンカテーテル30を外側チューブ20に挿入するが、これは、歯磨き剤を歯ブラシに付ける場合と同様に相対的に運動させる。外側チューブ20は、小腸82の創傷部位94に沿って上方に移動し、同時に、バルーンカテーテル30のチューブ36は、外側チューブ20内を下方に移動し、チューブ20から組成物72を押し出す。外側チューブ20に対するチューブ36の相対的な運動によって、組成物72は、医師が求めるように創傷部位94の上に投与される。図示の実施形態では、医師は、目盛り26jから目盛り26eまでチューブ36を押すことによって、組成物72の略半分を投与する。この動作では、例えば、外側チューブ20の遠位端を通じて、10ミリリットルのうちの5ミリリットルの組成物72を投与することができる。5ミリリットルの組成物72は、図6に示されるように、外側チューブ20の内腔22を通って、創傷部位94の上に投与される。説明の便宜上、矢印は、チューブ20が患者から上方に移動され、一方で、バルーンカテーテル30が外側チューブ20にさらに挿入されることを示す。
【0075】
以下、図7を参照すると、医師は、最終的に全ての、または略全ての組成物72が外側チューブ20の遠位端から創傷部位94の上に投与されるように、組成物72の投与を継続し、図7では創傷部位は視認できなくなっている。図示の実施形態では、医師は、外側チューブ20を含むカテーテルアセンブリ10全体を、小腸82に沿って患者から上方へさらに引っ張る。同時に、医師は、外側チューブ20へのバルーンカテーテル30の再挿入を継続する。この動作によって、バルーンカテーテル30の細チューブ36は、外側チューブ20の遠位端の方へさらに移動する。図7では、チューブ36は、目盛り26eから外側チューブ20の端部まで移動し、例えば、組成物72の残りの5ミリリットルが創傷部位に投与される。よって、医師は、患者の小腸82内の所望の部位に全10ミリリットルの組成物72を投与している。説明の便宜上、引き続き矢印は、外側チューブ20が、患者から取り出され、一方で、バルーンカテーテル30が外側チューブ20に再挿入されることを示す。
【0076】
以下、図8を参照すると、本処置の別のステップまたは部分が示されている。ここでは、医師は、外側チューブ20および内側チューブ36を組成物72に沿って同時に前後に移動させ、組成物は創傷部位に適用されている。この前後の動作は、組成物72がより完全に、および/または均等に創傷部位を覆うように、組成物を分散させるように為され得る。また、外側チューブ20によって適用される圧力は、組成物72が小腸82の内壁に凝固または固着するのを助力する。この部分の処置を行うために、医師は、導入器80に対してカテーテルアセンブリ10を前後に移動する。
【0077】
以下、図9を参照すると、図8に述べられたような処置が行われる。なお、ここでは、バルーンカテーテル30のバルーン部分42は、少なくとも部分的に膨張させられる。バルーン部分42が膨張できるようにするために、医師は、バルーンカテーテル30のチューブ36を外側チューブ20の中へ完全に押す。図1Aおよび1Bに示されるように、このような相対的な運動は、外側チューブ20の肥厚部28が、バルーンカテーテル30の筺体44のカラー32の上に摩擦によって嵌られたときに完了する。上述のようにバルーンカテーテル30が外側チューブ20に完全に挿入されると、バルーンカテーテル30のチューブ36の遠位部34は、外側チューブ20の遠位先端の外側に延びる。バルーン部分42は、その後、例えば、シリンジ70を弁50に接続してシリンジ70のプランジャ102を押圧することによって膨張させることができる。なお、シリンダのようなまたは空気を収容するような、あらゆる好適な陽圧の供給源を用いて、バルーン部分42を膨張させることが可能であると理解されたい。
【0078】
バルーン部分42の少なくとも部分的な膨張は、組成物72に加えられる機械的な力の量を増加させて、医師が望むように、さらにスムーズに、および/またはさらに望ましく組成物72を創傷部位の上に分散させる。その点を考慮して、矢印は、少なくとも部分的に膨張したバルーン部分42の、組成物72に対する前後の移動を示す。医師は、(i)固定された導入器80内で前後に膨張したバルーン部分42を有するカテーテルアセンブリ10を移動させることによって、または(ii)外側チューブ20を固定したまま、バルーンカテーテル30をその膨張状態において動かすことによって、当該の処置を達成する。
【0079】
以下、図10を参照すると、本方法または処置の別のステップが示されている。ここでは、バルーンカテーテル30のチューブ36のバルーン部分42は、完全に膨張している。完全に膨張することによって、バルーン部分42が小腸82内に詰め込まれて、比較的大きな量の機械的な力を組成物72に加える。この比較的大きな量の力を加える主な目的は、カテーテルアセンブリ10が患者から取り除かれる前に、組成物72の固定または凝固を助力することである。膨張したバルーン部分42は、例えば5秒乃至30分間、組成物72を押圧することが可能である。医師は、図9を参照して記述されたように、必要に応じて、完全に膨張させたバルーン部分42を組成物72の上を前後に移動させて、組成物72をさらに平坦にして分散させることも可能であると理解されたい。
【0080】
また、医師が望むように組成物72が望まれるとおりに沈着されるまで、図8乃至10に関連して示されたステップが複数回繰り返して行われる。本方法または処置は、医師に、組成物72を適切に投与および分散させる十分な柔軟性を提供するものと理解されたい。
【0081】
以下、図11を参照すると、医師は、組成物72が創傷部位の上に適切に凝固したことを確認すると、図11に矢印で示されるように、バルーン部分42を収縮させて、小腸82および患者からカテーテルアセンブリ10を取り除く。必要に応じて、医師は、除去の前に、バルーンカテーテル40のバルーン部分42を外側チューブ20内に引き込めることができる。医師は、導入器80を通じて体内からカテーテルアセンブリ10を引っ張る。次に、医師は、本体から導入器80を取り除き、あらゆる必要な縫合を行う。
【0082】
以下、図12乃至16を参照すると、カテーテルアセンブリの別の実施形態が、アセンブリ110として示されている。図12には、アセンブリ110が分解されて、別のバルーンカテーテル130が示されている。図の簡略化のために、外側チューブまたはシース120は、図12および13には示されず、図14および15に示される。
【0083】
図12および13に示されるように、アセンブリ110は、Y字コネクタ154を含み、このコネクタは、ガイドワイヤ162のワイヤキャップを受けるための雌型ルアー接続具160aを含む。図13のガイドワイヤ162は、曲げられた部分162aを含み、医師は、この部分を雌型ルアー先端160aを含むY字コネクタ154の枝に挿入し、最終的にガイドワイヤキャップに接続する。ガイドワイヤ162は、一実施形態では、長さ100mmに対しては直径が約0.5mmであり、第2の長さ50mmに対しては約0.75mmに太くなる。一実施形態では、ガイドワイヤ162は、カテーテル136の端部136aから約15mmの範囲内で成端する。ガイドワイヤ162は、押し出し成形、心なし研削、長さに合わせた切断、および、ワイヤキャップへの接着を経て作製することができる。
【0084】
Y字コネクタ154は、弁150の雄型ルアー接続具158に接続するための、雌型ルアー接続具160bも含む。Y字コネクタ154は、図1Aに関連して示される類似の装置を簡略化したものであると理解されたい。
【0085】
弁150は、弁50に対して上述した機能のそれぞれを行う。第1に、弁150は、空気加圧のために第1のシリンジ170a(例、1cc乃至5cc)に接続する。第2に、弁150は、アダプタ210および第2のシリンジ170bを含むサブアセンブリ200に接続する。第2のシリンジ170b(例、1cc)には、上述した実施形態のうちのいずれかの組成物72が予め充填される。医師がシリンジのプランジャに大きな力を加えることなくシリンジから組成物を押し出せるように、より高い圧力が組成物72に加わるので、より小容量のシリンジ170b(例、1cc)が有効であると考えられる。アダプタ210は、図16に関連して以下に詳述する。
【0086】
Y字コネクタ154は、ねじによってハブ156に接続される。ハブ156は、人間工学的ハンドル250に対して前後に摺動させることができる。図13は、ハンドル250が、ハンドル本体252と、ハンドル本体252の開口部258aおよび258bにそれぞれ嵌入するペグ256aおよび256bを有する、ハンドルカニューレ254とを含む。ハブ156は、カテーテル136の遠位端136aが、図12に示される位置において、外側チューブまたはシース120から遠位に完全に延ばされた時点で、ハンドルカニューレ254のキャップ260内部の底部に達するように先細になっている。この位置は、図9および10の位置、およびカテーテル136のバルーン部分142を膨張させることができる位置に類似している。このように、ハブ156は、カテーテル136が膨張可能な位置にあることを触覚的に医師に知らせる役目をする。
【0087】
上述のように、バルーン部分142は、縫合糸または巻線140aおよび140bによって両端が封止されている。バルーン部分142の好適な一実施形態は、図14および15に関連して下述する。
【0088】
ハンドルカニューレ254のキャップ260は、雌型ルアー先端262も含むが、これは、医師が、ハンドル250を通じてカテーテル136、シース120、およびガイドワイヤ162を挿入する準備ができるまでキャップ(図示せず)を受け入れる。ハンドルカニューレ254のキャップ260は、ハブ156のノーズ部分によって、カテーテル136が膨張可能な位置にあるときに、可聴および触知できるクリック音または感触を提供するように構成される。
【0089】
シース120は、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)のような、本願明細書に挙げられた材料のうちのいずれかで作製することができる。ハンドル本体252、ハンドルキャップ260、Y字コネクタ154、弁150、およびガイドワイヤキャップは、一実施形態では、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)および/またはポリカーボネートで作製することができる。ハンドルカニューレ254およびガイドワイヤ162は、一実施形態では、ステンレス鋼製である。カテーテル136およびハブ156は、一実施形態では、PEBAXTM、RilsanTMおよびWismutTM材料のような、ポリエーテルブロックアミドまたは可塑剤を含まない熱可塑性エラストマで作製される。種々の実施形態におけるカテーテル136のバルーン部分142は、シリコンおよびラテックス材料のうちの少なくとも1つで作製される。縫合糸または巻線140aおよび140bは、一実施形態では、PTFEで作製される。
【0090】
図16は、アダプタ210をさらに詳細に示す図である。アダプタ210は、一実施形態では、既知のツオヒボースト型(Tuohy Borst type)で始まり、例えば、ポリカーボネート、ABS、および/またはシリコンで作製することができる。アダプタ210は、雄型ルアー先端214および雄型パイプねじ付先端216を有するコネクタ212を含む。雄型ルアー先端214は、組成物72を保持するシリンジ170bの雌型ルアー先端172に密封状態で接続する。雄型パイプねじ付先端216は、先細ねじ付きの形態でナット218に接続する。ナット218は、内部環状カラー220を含む。
【0091】
エラストマ(例、シリコン)ワッシャ222は、コネクタ212の雄型ルアー先端214と雄型パイプねじ付き先端216との間に位置する環状穴に嵌められる。エラストマワッシャ222は、ナット218が、ねじ付き先端216へ緩く螺入されたときに、カラー220の端部がワッシャ222の一端に当接し、ワッシャ222の他端がコネクタ212の壁224に対して当接されるような長さである。
【0092】
アダプタ210は、例えば、ステンレス鋼製の、小径端232および大径端234を有するカニューレ230を含む。大径端234は、コネクタ212の雄型ルアー先端214の雄型ルアー226に押圧されるか、またはしっかりと嵌入るようにサイズを設定される。大径端234は、雄型ルアー226に接着することもでき、いずれにせよ、雄型ルアー内に固定され、したがってアダプタ210に固定される。図16に示されるように、カニューレ230の長さは、ナット218が、コネクタ212のねじ付先端216に螺入されたときに、小径端232がナット218を越えて(例、数ミリメートル)延びるようにサイズが設定される。
【0093】
カテーテル136およびガイドワイヤ162を、(図3に関連して上述したように)シースに引き込んだ後に、サブアセンブリ200を形成する、アダプタ210および組成物72を保持するシリンジ170bは、シース120の遠位端122に嵌められる。一実施形態では、シース120の遠位端122は、コネクタ212内に位置するエラストマワッシャ222を越えて摺動される。医師は、その後、ナット218を締めて、アダプタ210のねじ付き端部216をさらに摩擦によって係合する。このときに、アダプタ210の内部カラー220は、コネクタ212に対して内方へ移動して、コネクタの壁224に対してエラストマワッシャ222を押す。ワッシャ222の長手方向の圧縮によって、その内径がシース120の外径まで縮小し、金属カニューレ230の小径端232に対してシースを密封状態で押圧する。
【0094】
医師は、次いで、組成物72を保持するシリンジ170bを圧縮して、(図4に関連して上述したように)所望の量の組成物72に対応する、所望(例えば、黒インク)の目盛り26(上述)まで、シース120の遠位端122に組成物72を投与する。コネクタ212は、ナット218を緩めることによって取り除かれ、次いで、ワッシャ22をシース120から係合解除して、シース120をコネクタ212から取り除けるようにする。その後、(図5に関連して上述したように)充填されたシース120、カテーテル136、およびガイドワイヤ162を、患者の体内に挿入することができる。
【0095】
図14および15に示されるように、カテーテル136のバルーン部分142は、膨張したときに、バルーンが、カテーテル136の遠位端136aを越えて遠位に延び、曲線的な縁部を有する比較的丸みのある先端144を提供するように、形成、構成、およびサイズ設定される。これは、カテーテル136の硬く尖った先端136aが、特に敏感であり得る患者の胃腸管、および特に創傷部位94に接触しないようにする。また、医師が、更なるおよび/またはより大きな局所的な圧力を組成物72に加えようとしてバルーン142の遠位頭部領域144の使用を試みたときに、カテーテル136を曲けるための更なる柔軟性も提供する。
【0096】
図14は、縫合糸140aおよび140b(例、PTFE糸)が、バルーン部分142の端部に巻きつけられた状態を示す図であるが、この糸は、例えば、カテーテル136の遠位端136aから約4mm、またバルーン部分142の近位端から約6mmにわたって巻きつけられる。図に示されるように、カテーテル136は、ポート138を画定して、圧縮ガスがバルーン部分142を膨張させることができるようにする。最小から最大形状に膨張させたときに、バルーン部分142の外側の放射状の直径は、最小サイズが約13mm、最大サイズが約17mmを達成する。公称直径は、約15mmであり、これによって、バルーン部分142の遠位端144は、先端136aを公称距離約1mm越えて延びることができ、一実施形態では好適である。
【0097】
バルーン部分142は、カテーテル136の軸の周りを中心に膨張するように構成すべきである。バルーン部分142は、ラテックスおよびシリコンのうちの少なくとも1つで作製されるが、ラテックスは極めて高い伸縮性を有する。バルーン部分142は、壁圧が0.1mm、外径が1.6mm、長さが20mmである。これは、押し出して長さに合わせて切断し、縫合糸140aおよび140b、ならびに接着剤によってカテーテル136に取り付けることができる。
【0098】
一実施形態では、シース120の外径は、内径2.8mmの胃カメラまたは(上述の)導入器80の内部を自由に摺動するようにサイズ設定される。シースは、外径を約2.5乃至2.55mm、内径を2.1mm、長さを約195cmとすることができる。シースは、一実施形態では、押し出し、ハンドル250のカニューレへのプレス外嵌、および長さに合わせた切断によって作製される。
【0099】
カテーテル136の直径は、シース120の内部を自由に摺動するようにサイズ設定される。カテーテル136の長さは、一実施形態では、シース120の端部122を約10mm越えて延びるようにサイズ設定される。このカテーテルは、一実装例では、PEBAXTMと、RilsanTMと、青色着色剤を有するWismutTM材料とを組み合わせて作製される。ナイロンを使用することも可能である。カテーテル136の寸法は、外径を約1.65mm、内径を1.1mmとすることができる。一実施形態では、カテーテル136の長さは、対応するシース120に比較的一致するようにサイズ設定される。カテーテル136は、長さが21mmで外径が1.4mmにくびれさせた範囲のチューブに押し出すことができる。一実施形態では、孔138が設けられる。次いで、バルーン部分142(例、シリコン)が、縫合糸140aおよび140b、ならびに接着剤によってカテーテル136に取り付けられる。次いで、カテーテル136の近位端が、長さに合わせて切断され、ハブ156または本願明細書に記述された他のカテーテルグリップに結合される。次いで、ガイドワイヤ162がカテーテルに挿入される。
【0100】
別の実施形態では、二重内腔カテーテル(図示せず)を使用して、空気およびワイヤの内腔を別々に提供する。二重内腔カテーテルは、内腔閉塞の危険性を低減するが、許容可能なワイヤのサイズが小さくなり、より複雑になる。また、二重内腔カテーテルによって、創傷部位に流体を追加する必要がある場合に、カテーテルを通る流体供給チャネルも可能にする。
【0101】
上述の目盛り26は、一実施形態では、(i)幅2mmのストリップで、カテーテル136の周囲360°に延び、0.5mlごとにマーキングされたものと、ii)幅4mmのストリップで、カテーテル136の周囲360°に延び、0.5mlごとにマーキングされたものとを互い違いにしている。目盛りは、一実施形態では、シース120の上に印刷される。目盛り26は、組成物72のシリンジ170bに追加的に、または代替的に表示することができる。
【0102】
以下、図17および18を参照すると、カテーテル136、ハンドルまたはシースグリップ250(図12および13)、例えば、高密度ポリウレタン(「HDPE」)製のシース120、および雌型ルアー先端60を有するカテーテルセット270が示される。雌型ルアー先端60は、図示した実施形態では、ルアー作動逆止め弁240の雄型ルアー先端に接続する。ルアー作動逆止め弁240は、上述の弁またはストップコック150の代用となる。ハンドルまたはシースグリップ250は、シース120に接着され、人間工学的リブ付握持部分264を含む。
【0103】
図17は、第1の別のハンドルまたはシースグリップ350を示すが、これもシース120に接合され、シースグリップ250に対して細長く、握持ウェル352を含むか、または画定する。第2の別のハンドルまたはシースグリップ450は、シース120に結合され、シースグリップ250に対して細長く、ガセット付フランジ452を含むか、または画定する。握持部分264、握持ウェル352、およびガセット付フランジ452は、それぞれ、組成物72の適用中のカテーテル136の動きに対して、医師がシース120を安定して保持するのを補助する。
【0104】
図17のアセンブリ110のハブ156は、図18に詳述されるスロット付きグリッパ266に置き換えられる。スロット付きグリッパ266は、リブ付き握持部分264も備え、本願明細書に記載されたあらゆる好適な材料で作製される。スロット付きグリッパ266は、大径スロット付き部分268と、小径ストッパ部分272とを含む。大径スロット付き部分268は、スロット274を画定し、このスロットは、大径スロット付き部分268の遠位端276を通って延在し、スロット付き部分268の半割り部268aおよび268bを、端部276においてわずかに外側へ湾曲させる。半割り部268aおよび268bは、一緒に、円筒開口部278を画定し、医師が半割り部268aおよび268bに加圧したときに、それらが一緒になってカテーテル136を握持するようにサイズ設定された直径を有する。その時点で、医師は、グリッパ266を動かして、ハンドル250およびシース120に対してカテーテル136を動かすことができる。
【0105】
医師が、半割り部268aおよび268bを開放したときに、この半割り部がばねのように離れて、大径スロット付部分268および小径ストッパ部分272は、カテーテル136に対して自由に摺動することができる。一実施形態では、カテーテル136は、触覚フィードバック装置(図示せず)を備え、この装置は、カテーテル236が、バルーン部分142を膨張させる適切な位置にあるか、またはグリッパ266がシースグリップ250、350、または450に完全に押し付けられたとすると、膨張位置であろう位置にあるとき、小径ストッパ部分272の近位端280と接触する。別様には、小径ストッパ部分272の近位端280は、雌型ルアー先端60に支えられ、カテーテル236をバルーン142を膨張させる適切な位置へ押すために、カテーテル136は、遠位端276がハンドル250、350、または450と当接するまで握持されて押される。
【0106】
本願明細書に記載された好適な実施形態に対する様々な変更および修正は、当業者には明白であると理解されたい。このような変更および修正は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、また意図された利益を減じることなく行うことができる。したがって、このような変更および修正が、添付の特許請求の範囲に包含されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1Aおよび図1Bは、カテーテルアセンブリ、組成物の供給源、および他のアイテムを含む、異なる実施形態の分解斜視図である。
【図2】図2A乃至図2Cは、人体の胃腸管、および異なるアクセス地点からの、本願明細書に記述された方法および装置の適用を示す切欠斜視図である。
【図3】図3は、組成物適用方法の一例の第1ステップを示す、カテーテルの遠位端の斜視図である。
【図4】図4は、組成物適用方法の一例の第2ステップを示す、組成物の供給源に接続されたカテーテルの遠位端の斜視図である。
【図5】図5は、医療用組成物適用方法の一例の第3ステップを示すようにカテーテルの遠位端を位置決めした、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図6】図6は、医療用組成物適用方法の一例の第4ステップを示すように、バルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを相対的に移動させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図7】図7は、医療用組成物適用方法の一例の第5ステップを示すように、バルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを相対的に移動させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図8】図8は、医療用組成物適用方法の一例の第6ステップを示すように、バルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを一緒に移動させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図9】図9は、医療用組成物適用方法の一例の第7ステップを示すように、バルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを相対的に移動させ、カテーテルのバルーンを部分的に膨張させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図10】図10は、医療用組成物適用方法の一例の第8ステップを示すように、カテーテルのバルーンを完全に膨張させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図11】図11は、医療用組成物適用方法の一例の第9ステップを示すように、収縮させたバルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを一緒に移動させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図12】図12は、カテーテルアセンブリの別の実施形態の分解立面図である。
【図13】図13は、図12のカテーテルアセンブリの分解斜視図である。
【図14】図14は、カテーテルが拡張可能な位置にあり、バルーン部分を収縮させた、カテーテル、ガイドワイヤ、およびシースの遠位端の実施形態の立断面図である。
【図15】図15は、カテーテルが拡張可能な位置にあり、バルーン部分を膨張させた、カテーテル、ガイドワイヤ、およびシースの遠位端の実施形態の立断面図である。
【図16】図16は、組成物を充填するために、組成物搬送シリンジをシースの遠位端に嵌めるためのアダプタの一実施形態の立断面図である。
【図17】図17は、スロット付きカテーテルグリップの一実施形態、およびシースグリップのための種々の実施形態を示す、カテーテルアセンブリの斜視図である。
【図18】図18は、図17のアセンブリのスロット付きカテーテルグリップの一実施形態の等角図である。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、架橋ポリマー組成物および当該の組成物の適用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最終的に本発明の譲受人が所有する米国特許第6,063,061号(特許文献1)は、患者の体内の標的部位に適用するための生体適合性高分子組成物を開示し、参照することによりその内容全体が明白に本願明細書に組み込まれる。特許文献1は、手術および外傷後に生じる、脊髄組織癒着のような組織癒着の形成を防止または抑制するための組成物の1つの特定の用途を開示している。
【0003】
組成物は、分子架橋ヒドロゲルを含み、その流動性(例えば、シリンジを通じて押し出される能力)と、組織表面および定められた空腔(例、椎間腔、組織の窪み、孔、ポケットなど)を含む組織上または組織内の部位へ流れる能力および部位に対する適合能力とを高めるように構成される。
【0004】
特に、ゲルは、組成物が限界レベルを超える応力を受けるとき、例えば、オリフィスまたはカニューレを通じて押し出されるとき、またはスパチュラなどを使用して供給部位に詰め込まれる時に流れるものと教示されている。この限界応力は、3×104Pa乃至5×105Paの範囲に設定されている。しかし、組成物は、特定のレベルより低い応力を受けるときには、概して不動のままである。
【0005】
ゲルは、例えば機械的分裂(disruption)の前にシリンジ内に詰め込まれるものと教示されている。材料は、シリンジを通じて組織の標的部位に適用されるときに機械的に分裂させられる。別様には、材料は、使用前には乾燥した形態で格納されている架橋ポリマー材料であると教示されている。乾燥材料は、次いで、シリンジ内に充填され、例えばそのシリンジ内で水和されて、材料が標的部位に供給されるときに機械的に分裂させられる。
【0006】
上述の組成物は、シリンジまたはスパチュラで到達させることができ、例えば脊椎での組織癒着を抑制する用途において効果的に使用されているが、この組成物は粘性が高すぎるために、細長いカテーテルを通じて供給することができない。よって、この組成物は、外傷、擦傷、切傷、または人体の胃腸管内部に位置する病巣のような、このように細長いカテーテルを必要とする用途のための一般的な方法では使用されていない。
【0007】
したがって、上述の組成物、および同等の粘性を有する他の標的部位用の組成物を供給して、アクセス用の比較的細長いカテーテルまたは他の通路を必要とする哺乳類の体内部位に配置および適用するための装置および方法を提供することが望ましい。
【特許文献1】米国特許第6,063,061号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願明細書では、粘性が高すぎるために、人体の胃腸管の内部に到達するように構成されるような比較的細長いカテーテルの全長を通して押し出すことができない治療用組成物を適用するための、方法および装置を詳述する。組成物は、(i)生体適合性ポリマー組成物、(ii)分子架橋ヒドロゲル、(iii)乾燥粉末、(iv)部分的に水和したゲル、および(v)完全に水和したゲルからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0009】
組成物は、例えば胃腸管の内部に存在する創傷などの、人体または動物の体内の創傷周辺での凝固に有用である。組成物の他の用途には、特に、筋肉内に存在する窪み、管、および体腔など、皮膚、上皮組織、結合または支持組織、神経組織、眼および他の感覚器官の組織、血管および心臓の組織、胃腸器官および組織、胸膜および他の肺組織、腎臓、内分泌腺、男性および女性生殖器間、脂肪組織、肝臓、膵臓、リンパ、軟骨、骨、口腔組織、および粘膜組織を含む軟および硬組織領域を充填するために組織を補うことが含まれる。組成物は、さらに乳房インプラントのような軟質埋め込み型デバイスの充填に有用であり、この材料は、細胞/酵素不透過性バリアまたはカバーによって劣化から保護される。組成物は、さらに、生体適合性および再吸収可能なポリマー材料を限定空間に充填することが望まれる他の処置に有用である。加えて、組成物は、薬物および他の生物学的に活性な薬剤と組み合わせることができ、この薬物は経時的に標的部位において放出することが可能である。
【0010】
全般的に、組成物のうちの1つを哺乳類の体内に位置する部位に導入するための1つの方法が開示され、カテーテルアセンブリは、近位端および遠位端を有する外側チューブと、外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルとを含む。この方法は、(i)外側チューブの遠位端にて外側チューブ内に空間を作り出すように、外側チューブの近位端からバルーンカテーテルを引き出すステップと、(ii)バルーンカテーテルを引き出すことによって作り出された空間に組成物を注入するステップと、(iii)哺乳類の体内の部位(例、創傷部位)に隣接した外側チューブの遠位端を位置決めするステップと、(iv)バルーンカテーテルの遠位端が組成物をバルーンカテーテルの遠位端からその部位の上に押し出すように、外側チューブの近位端にバルーンカテーテルを挿入するステップと、(v)その部位に適用された組成物に圧力が加わるように、バルーンカテーテルからバルーンを膨張させるステップとを含む。
【0011】
圧力を組成物に加えて、複数の目標を達成する。例えば、バルーンの圧力は、その部位に望まれるように組成物が適用されるように(例えば、創傷または癒着部を完全かつ均等に覆うように)調整することができる。体内の部位に適用される圧力を加えるためにバルーンカテーテルを使用する別の目的は、組成物をその部位に付着または凝固可能にすることである。1つの適用では、組成物は、創傷の上に人工痂皮を形成する。組成物に圧力を加えることによって、組成物が、血液または他の流体によって押し流されることなく創傷部位に留まるように、組成物を十分に固定することが可能となる。
【0012】
バルーンは、一実施形態では、空気圧によってバルーンカテーテルから膨張される。ここで、医師は、バルーンカテーテルが、空気を満たしたシリンジまたは病院内の圧縮空気のような陽圧供給源と連通するように、弁を回転させる。
【0013】
一実施形態では、バルーンカテーテルを外側チューブの近位端から引き出すステップは、外側チューブを保持した状態で、バルーンカテーテルの近位端を手動で引っ張ることによって行われる。同様に、一実施形態では、バルーンカテーテルを外側チューブの近位端に挿入するステップは、チューブを保持した状態で、カテーテルの近位端を押し込むステップを含む。
【0014】
一実施形態では、医師は、バルーンカテーテルを外側チューブの近位端から定められた距離だけ引き出して、外側チューブ内に所望の容量の空間を作り出す。このために、ミリメートル(「ml」)のような既知の容量測定単位をマーキングした目盛りを、外側チューブの遠位端に設けることが可能である。
【0015】
組成物は、最初にシリンジ内に格納することが可能である。医師は、外側チューブの遠位端の内側にシリンジの先端を配置し、バルーンカテーテルを移動することによって作られた空間に組成物を注入する。一実施形態では、医師は、組成物が内部カテーテルの引込められた先端と接触するまで組成物を注入して、少なくとも略完全にこの空間を満たす。
【0016】
本方法は、種々の補助を使用して、外側チューブを人または動物の体内に導入または位置決めするステップを含む。導入器は、体内へのエントリ地点(例、口、肛門、または腹部)から対象となる器官または組織の中へ提供され得る。医師は、次いで、外側チューブおよびカテーテルを摺動させて、組織または他の領域を通してこれらに入れる。医師は、カメラまたは柔軟な内視鏡を使用して、外側チューブの遠位端を注入部位に位置決めすることも可能である。カテーテルアセンブリは、ガイドワイヤを収納することも可能であり、硬さおよび位置決め可能性を高める。ガイドワイヤは、カテーテルまたは外側チューブ内に位置する別個のカテーテルによって画定される内腔を通じて配置することが可能である。
【0017】
処置中に、医師は、(i)外側チューブ内でカテーテルを前後に移動させるか、または(ii)カテーテルアセンブリ全体を前後に移動させて、その部位に望まれるように組成物が適用されるように調整することが可能である。この前後への移動中に、少なくとも1回バルーンを膨張させて、(i)その部位に望まれる組成物が適用されるように調整するか、または(ii)組成物をその部位に保持して組成物がその部位に付着できるようにすることが可能である。
【0018】
医師が望むように組成物が適用された後に、バルーンを最後に収縮させる。カテーテルアセンブリは、導入器および本体から取り除かれる。導入器は本体から取り外され、エントリの穿孔があればそれを縫合して閉じる。
【0019】
上述の方法を実行するために、一実施形態では、上述の組成物の供給源を含む医療用キットが提供される。このキットはまた、近位端および遠位端を有する外側チューブと、外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルとを含む。バルーンカテーテルは、外側チューブの遠位端において外側チューブ内に空間を作り出すように、外側チューブ内を移動することができる。
【0020】
例えば組成物を充填したシリンジとすることができる供給源は、この空間を満たすに十分な組成物を含む。供給源がシリンジである場合、このシリンジは、(i)カテーテルアセンブリに組成物を供給するように、および(ii)その後に空気を供給してバルーンカテーテルのバルーンを膨張させるように構成することができる。
【0021】
バルーンカテーテルは、近位端および遠位端を含む。バルーンは、遠位端に位置する。バルーンカテーテルの近位端は、空気がバルーンを加圧して膨張させるように、または膨張させないように使用される弁を含む。また、更なるコネクタを含んで、1つ以上のガイドワイヤを受け入れることも可能である。
【0022】
キットは、外側チューブの遠位端に嵌められた先端プロテクタなどの、他のアイテムを含む。キットは、使用前に組成物の供給源およびカテーテルを封止することができる袋も含む。キットは、導入器を格納することも可能である。
【0023】
また、上述の方法を実行するために、一実施形態では、改善された医療用カテーテルアセンブリが提供される。このアセンブリは、近位端および遠位端を有する外側チューブと、外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルとを含む。バルーンカテーテルは、外側チューブの遠位端において外側チューブ内に空間を作り出すように、外側チューブ内を移動することができる。この空間は、本願明細書に記述された組成物のうちの1つを保持するようにサイズ設定され、創傷部位または他の用途に対応するに十分な量の組成物が供給源から適用される。外側チューブの遠位端は、密封状態で組成物の供給源を受けるように構成されたコネクタを含む。コネクタは、雌型ルアーコネクタとすることができる。外側チューブの遠位端は、空間の容量測定単位を示す目盛りを含むこともできる。
【0024】
一実施形態では、カテーテルアセンブリは、人間工学的なシースおよびカテーテルグリップを含み、医師の静止したシースに対するカテーテルの操作を補助する。シースグリップは、リブ付きグリップ、握持ウェル、および/または握持フランジのような種々の人間工学的な機能を有することができる。カテーテルグリップは、カテーテルグリップを握持していないときにカテーテル上を自由に摺動させられるように、スロットを付けることができる。しかし、医師がグリップのスロット部分を圧縮すると、医師がシースに対してカテーテルを移動させることができるように、グリップがカテーテルを挟持する。いずれの場合でも、一実施形態では、カテーテルグリップおよびシースグリップは、カテーテルが完全に延びたとき、例えば、バルーンの膨張位置にあるときに、可聴的および/または触覚的なフィードバックを医師に提供する。
【0025】
組成物は、一実施形態では、シリンジに予め充填される。例えばルアーロック接続具(luer lock fitting)を経て、シリンジに密封状態で接続する一端を有するアダプタが提供される。アダプタの他端は、シースに組成物を充填するためにシースの遠位端を受け入れるようにサイズ設定される。この端部は、エラストマワッシャを収容するアダプタの一部に螺入するナットも含む。金属カニューレは、アダプタに挿入される。シースの端部は、金属カニューレの上、および円筒エラストマワッシャ内に嵌まる。
【0026】
医師がナットを締めると、ナットは一体的な内部カラーを移動させ、アダプタの軸に沿って長手方向にワッシャを押し付ける。アダプタを通じたシリンジからシースへの組成物の密封交換のために、ワッシャの長手方向の圧縮によって、ワッシャの内径をシース上に半径方向に押し付け、次に、シースをカニューレ上に押し付ける。
【0027】
一実施形態では、カテーテルのバルーン部分は、シリコンおよびラテックス部材のうちの少なくとも1つであり、バルーンがカテーテルの中心軸に沿って、またカテーテルから放射状に外側に膨張することができるように、カテーテルに対して、バルーンを十分密に保持する距離を、両端で糸またはワイヤで巻かれる。これによって、カテーテルは、カテーテルの端部を十分に越えて遠位に延びることができ、比較的硬いカテーテルによって患者が突かれないように保護する。バルーンは、比較的丸みがあり、曲線的な接触用の端面を提供する。この構成は、必要に応じて、組成物を適用するためにバルーンの遠位端を使用して、例えば、より大きな圧力および/またはより大きな局所的圧力を提供するための、医師の能力も向上させる。
【0028】
上述の目的に対し、一実施形態では、近位端および遠位端を有する外側チューブと、外側チューブ内に位置するカテーテルとを含むカテーテルアセンブリを経て、哺乳類の体内に位置する部位に組成物を導入するための方法が提供される。この方法は、(i)外側チューブの遠位端において外側チューブ内に空間を作り出すように、外側チューブの近位端からカテーテルを引き出すステップと、(ii)空間内に組成物を注入するステップと、(iii)哺乳類の体内の部位に隣接した外側チューブの遠位端を位置決めするステップと、(iv)カテーテルの遠位端が組成物を外側チューブの遠位端からその部位の上に押し出すように、外側チューブの近位端にカテーテルを挿入するステップとを含む。
【0029】
一実施形態では、カテーテルはバルーンカテーテルであり、その部位に適用された組成物に圧力が加わるように、バルーンカテーテルからバルーンを膨張させるステップをさらに含む。
【0030】
一実施形態では、組成物に圧力を加えることで、(i)その部位に望まれるように組成物が適用されるように組成物を調整するステップ、(ii)組成物をその部位に付着させることができるように、組成物をその部位に保持するステップ、および(iii)圧力を加えるようにバルーンの遠位端を使用するステップのうちの少なくとも1つを達成する。
【0031】
一実施形態では、バルーンカテーテルからバルーンを膨張させるステップは、(i)バルーンカテーテルの近位端に位置する弁を開くステップと、(ii)加圧空気を完全にバルーンと連通させるステップと、(iii)バルーンと連通する、空気を充填したシリンジを押圧するステップ、および(iv)カテーテルの遠位端を越えて遠位および長手方向にバルーンを膨張させるステップのうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
一実施形態では、(i)外側チューブの近位端からカテーテルを引き出すステップは、チューブに対してカテーテルの近位端を引っ張るステップを含む、および(ii)外側チューブの近位端にカテーテルを挿入するステップは、チューブに対してカテーテルの近位端を押すステップを含む、のうちの少なくとも1つである。
【0033】
一実施形態では、外側チューブの近位端からカテーテルを引き出すステップは、所望の空間を作り出すように定めた距離だけカテーテルを引き出すステップを含む。
【0034】
一実施形態では、空間に組成物を注入するステップは、(i)シリンジから空間まで組成物を搬送するステップ、(ii)組成物がその空間を少なくともほぼ満たすように組成物を注入するステップ、および(iii)エラストマ部材と金属カニューレとの間で外側チューブの端部を封止するステップのうちの少なくとも1つを含む。
【0035】
一実施形態では、哺乳類の体内に外側チューブの遠位端を位置決めするステップは、(i)体内の部位へのアクセスを提供する導入器を通じて、チューブを摺動させるステップ、および(ii)外側チューブの遠位端を位置決めするためにカメラを使用するステップのうちの少なくとも1つを含む。
【0036】
一実施形態では、本方法は、硬さのためにガイドワイヤを使用するステップを含み、このガイドワイヤは、(i)カテーテルによって画定される内腔、および(ii)カテーテルによって提供される更なるガイドワイヤ入口のうちの1つに挿入される。
【0037】
一実施形態では、カテーテルはバルーンを含み、(i)1つ以上の目的を達成するために複数回バルーンを膨張させるステップ、(ii)カテーテルの端部を越えて遠位にバルーンを膨張させるステップ、(iii)組成物が部位に凝固した後にバルーンを収縮させるステップ、および(iv)バルーンを収縮させた後に、外側チューブおよびバルーンカテーテルを引き出すステップ、からなる群から選択される、少なくとも1つの更なるステップを含む。
【0038】
一実施形態では、本方法は、その部位に望まれるように組成物が適用されるように調整するために、カテーテルを外側チューブ内前後に移動させるステップを含む。
【0039】
一実施形態では、カテーテルはバルーンを含み、(i)その部位に望まれるように組成物が適用されるように組成物を調整するステップ、および(ii)組成物をその部位に付着させることができるように、組成物をその部位に保持するステップのうちの少なくとも1つを達成するようにバルーンを前後に移動させている間に、少なくとも1回バルーンを膨張させるステップを含む。
【0040】
一実施形態では、本方法は、(i)口腔、(ii)肛門、(iii)腹部、および(iv)胸郭からなる群から選択されたエントリ地点を経て、哺乳類の体内にカテーテルを挿入するステップを含む。
【0041】
したがって、本発明の利点は、本願明細書に記述されて組み込まれた比較的高い粘性の組成物を供給し、比較的細長いカテーテルまたは他の通路を必要とする哺乳類の体内部位に配置および適用するための方法を提供することである。
【0042】
本開示の別の利点は、本方法を実行するためのキットを提供することである。
【0043】
本開示の更なる利点は、本方法を実行するためのカテーテルアセンブリを提供することである。
【0044】
本開示の更なる利点は、容易かつ巧みに操作可能なカテーテルアセンブリを提供することである。
【0045】
本開示のさらに別の利点は、容易に封止可能な組成物搬送装置を備えたカテーテルアセンブリを提供することである。
【0046】
さらに、本開示の利点は、患者の苦痛を軽減し、加える圧力および位置定めの柔軟性を向上させる、カテーテルのバルーン部分を提供することである。
【0047】
更なる特徴および利点は本願明細書に記述されており、発明を実施するための最良の形態および図面から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、特に図1Aを参照すると、本願明細書に記述された方法を実行するように構成された装置を収容するキット100の一実施形態が示される。キット100は、カテーテルアセンブリ10を含む。カテーテルアセンブリ10は、主要構成要素、すなわち外側チューブ20およびバルーンカテーテル30に分解した状態で示される。バルーンカテーテル30は、通常外側チューブ20によって画定される内腔22に挿入される。
【0049】
外側チューブ20は、ポリオレフィン、ポリエステル、または他のポリマー材料のような、あらゆる好適な生体適合材料で構成することが可能である。外側チューブ20は、長さ200乃至2000ミリメートル(「mm」)、外径20乃至200mm、および内径10乃至170mmのような、任意の好適な寸法とすることが可能である。外側チューブ20は、一実施形態では、バルーンカテーテル30を見ながら外側チューブ20内に配置することができるように、透明、半透明、またはシースルーである。
【0050】
外側チューブ20は、その遠位端に雌型ルアー24を含むか、または画定する。雌型ルアー24は、パッケージされるときに組成物72を充填したシリンジ70のような組成物72の供給源を、少なくとも略密封状態で嵌合するように構成される。図示の実施形態では、コネクタ24は雌型ルアーである。別様には、コネクタ24は、雄型ルアーコネクタ、または異なるタイプの流体コネクタである。好適な一実施形態では、コネクタ24の外径は、コネクタ24が、外側チューブ20の人または動物への挿入を妨げないように、できる限り小さいことが好ましい。
【0051】
目盛り26a乃至26uは、外側チューブ20の遠位端に配置またはマーキングされる。目盛り26(集合的に、目盛り26a乃至26uを示す)は、内腔22によって画定される既知の容積測定量を示す。例えば、目盛り26は、組成物72の1ミリリットル(「ml」)の容量を測ることができる。目盛り26は、あらゆる好適な容量測定単位を示すことができ、ミリリットルの表示に限定されない。さらに、任意の好適な数の目盛り26を提供することが可能である。目盛り26の目的は、以下に詳述する。
【0052】
外側チューブ20の近位端には肥厚部28が提供される。肥厚部28は、バルーンカテーテル30のカラー32を摩擦によって着脱可能に係合するように構成される。図1Aに示されるように、肥厚部28がカラー32の上を摺動してこれと係合するように、バルーンカテーテル30が外側チューブ20内に完全に挿入されたときに、バルーンカテーテル30の遠位セクション34は、外側チューブ20の遠位端(コネクタ24によってハイライトされる)を越えて延びる。
【0053】
バルーンカテーテル30は、細長いチューブ36を含み、このチューブは、ポリオレフィン、ポリエステル、または他のポリマー材料のような、あらゆる好適な生体適合材料で構成することができる。チューブ36は、長さ200乃至2000ミリメートル、外径5乃至160mm、および内径1乃至150mmのような、任意の好適な寸法とすることが可能である。一実施形態では、バルーンカテーテル30は、高粘度のゲルをスムーズに流れさせることができる、比較的または非常に硬い、予め組み込まれた、または予め挿入されたガイドワイヤを有する。
【0054】
細チューブ36は、しっかりと嵌まるシース38によって覆われる。シース38は、ポリオレフィンのような、あらゆる好適な材料で作製される。シース38によって、チューブ36の外径とシース38の内径とによって画定される薄い環状の通路を通じて、空気をバルーン部分42に供給することができる。巻線40aおよび40bは、バルーン部分42の両側に提供され、バルーンカテーテル30のチューブ36の遠位セクション34に位置する。このようにして、上述の環状の通路に陽圧を適用するときに、バルーン部分42を膨張させるに必要な圧力を作り出す。
【0055】
チューブ36の近位端は、カラー32と嵌合するか、またはこれと一体であり、一実施形態では、筺体44と一体である。筐体44はまた、一対の入力チューブ46および48と流体連通する。入力チューブ46は、弁50まで延びる。弁50によって、医師は、バルーンカテーテル36のバルーン部分42を膨張させるように、弁50を通じて、チューブ46を通じて、筺体44を通じて、チューブ36とシース38との間の環状の通路を通じて、加圧空気を流したり止めたりすることができる。弁50は、入口コネクタ52を含むが、これは、一実施形態では、外側チューブ20の終端に位置する雌型ルアー24と同じサイズおよびねじピッチの雌型ルアーである。このような構成によって、同じシリンジ70を使用して、(i)外側チューブ20の遠位端に所望の組成物72(下述)を充填すること、次いで、(ii)必要に応じてバルーンカテーテル30のバルーン部分42を加圧することができる。
【0056】
注入チューブ48は、筺体44から第2の筺体54まで延びる。第2の筺体54は、その後注入チューブ56および58の第2の対と流体連通する。注入チューブ56および58のそれぞれは、その後雌型ルアー60aおよび60bとそれぞれ連通する。雌型ルアー60aおよび60bは、一実施形態では、それぞれガイドワイヤ62aおよび62bを受け入れる。ガイドワイヤ62aおよび62bは、バルーンカテーテル30に、したがってカテーテルアセンブリ10に所望の硬さを提供する。バルーンカテーテル30の細チューブ36は、内腔(図示せず)を画定し、それを通じてガイドワイヤ62aおよび62bを挿入することが可能であると理解されたい。
【0057】
カテーテルアセンブリ10は、パッケージされるときに先端プロテクタ64を備える。先端プロテクタ64は、チューブの遠位端においてチューブ36の内腔に嵌合する、細い雄型延長部66を含む。先端プロテクタ64の外側部分68は、カテーテルアセンブリ10の外側のチューブ20と嵌合するようにサイズが設定され、かつ構成される。一実施形態では、先端プロテクタ64の外側部分68は、外側チューブ20の雌型ルアー24の上に螺入するように構成された雄型ルアーである。
【0058】
キット100は、更なるアイテムを含む。例えば、本願明細書において上述したように、キット100はシリンジ70を備える。シリンジ70には、パッケージされるときに所望の組成物72が充填される。所望の組成物72は、目標とする手術または適用を行うに好適な量が提供される。種々の好適な組成物は、米国特許第6,063,061号に記載されており、その内容全体は、既に本願明細書に組み込まれている。
【0059】
組成物72の一実施形態は、ポリマーを含む。このポリマーは、架橋されて、水和されてヒドロゲルを形成することができる。例示的なポリマーには、ゼラチン、コラーゲン(例、可溶性コラーゲン)、アルブミン、ヘモグロビン、フィブリノゲン、フィブリン、フィブロネクチン、エラスチン、ケラチン、ラミニン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの組み合わせから選択されるタンパク質が挙げられる。別様には、ポリマーは、グリコサミノグリカン、スターチ誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体、キシラン、アガロース、アルギン酸塩、キトサン、およびそれらの組み合わせなどの、多糖類を包含し得る。さらに別様には、ポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルポリマー、ポリアクチド−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリオキシエチレン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの組み合わせなどの、非生物ヒドロゲル形成ポリマーから成ることが可能である。ポリマーの他の特徴、および組成物72の他の形態は、組み込まれた特許文献に記載されている。組成物72は、好適な一実施形態では、ゲルとしてシリンジ70に詰め込まれる。ゲルの粘性は、下述する適用の方法に好適である。
【0060】
シリンジ70は、一実施形態では、上述のように外側チューブ20および弁50のそれぞれの雌型ルアー24および52と、嵌合するように構成された、雄型ルアー74を備える。雌型ルアーキャップ76は、パッケージされるときにシリンジ70の雄型ルアー74上に挿入され、シリンジ70内の組成物72を封止する。シリンジ70は、その後アセンブリ10とともに、閉鎖可能かつ封止可能な袋または容器78内にパッケージされる。
【0061】
加えて、袋または容器78は、導入器80を保持するようなサイズに設定される。導入器80は、一実施形態では、他に胃鏡または結腸鏡などとも呼ばれる、内視鏡またはスコープである。胃鏡は、図2Aに例示されるように、人または動物の体内に口腔を通じてカテーテルアセンブリ10を導く。これは、上部胃腸出血または病変に対して行うことが可能である。一方で、結腸鏡型の導入器は、図2Bに例示されるように、患者の肛門を通じてアクセスできるようにする。更なるアクセスの形態を図2Cに示すが、アクセスは、患者の腹部または肋骨領域を通じて行われる。上述したいずれのアクセスタイプであっても、本願明細書に記述された実施例の方法および装置との使用に好適である。一実施形態では、カフ96を有する導入器80は、あらゆる異なるタイプのアクセスに対してサイズを設定され、かつ構成される。別様には、キット100は、特定のタイプの導入器80を含み、特定のタイプのアクセスに対して選択される。
【0062】
図1Bを参照すると、キット100およびカテーテルアセンブリ10の好適な一実施形態が示される。ここでは、比較的にまたは非常に硬いガイドワイヤ(図示せず)が、細チューブ36内の別個の通路または内腔(図示せず)を経て、細チューブ36に予め組み込まれるか、または予め挿入される。予め組み込まれるか、または予め挿入されたガイドワイヤによって、粘性のある流体が細チューブ36をスムーズに流れることができ、指向性および圧力適用性が高まる。予め組み込まれるか、または予め挿入されたガイドワイヤは、ガイドワイヤが不要になったとき、または必要に応じて取り除くことができるように、チューブ36内の経路または内腔に着脱可能に縫うように進むことができる。予め組み込まれるか、または予め挿入されたガイドワイヤによって、近位端チューブの特定のものを省くことができる。例えば、1つ以上の、または全ての注入チューブ48、56、および58のうちの1つ以上またはすべてを省くことが可能であり、第2の筺体54を不要にすることも可能である。図示の実施形態では、第2の筺体54、および注入チューブ48、56、および58が省かれ、チューブ36が弁50まで延ばされている。それでも、第1の筺体44を、ガイドワイヤ62aおよび62bのうちの1つに提供することができる。
【0063】
図2A乃至2Cを参照すると、キット100に関連して上述したカテーテルアセンブリ10および他の構成要素が示される。ここでは、カテーテルアセンブリ10を使用して、患者の小腸82の内壁に存在する創傷部位または病変94に組成物72を投与する。参考までに、患者の大腸84、胃86、および食道88も図2A乃至2Cに示す。図2Aは、食道88が、患者の口腔90および鼻92と生物学的に連通していることをさらに示す。
【0064】
図2Aでは、導入器80は、胃鏡型であり、患者の口腔90を通じて患者の体内にカテーテルアセンブリ10を導く。図示の実施形態では、導入器80は、患者の胃86内に延びる。導入器80は、したがって、患者の胃86にアセンブリ10を案内する。その後、医師は、患者の小腸82および創傷部位94へアセンブリ10を操作する。別の実施形態では、導入器80は、さらに患者の小腸82内に延ばされる。さらに別様には、導入器80は、医師が望むように、患者の食道88までしか延ばされない。
【0065】
図3乃至11に関連して記述される方法により、カテーテルアセンブリ10を使用して、創傷部位94に組成物72を投与する。図2A乃至2Cに示されているが、これをさらに詳述すると、バルーンカテーテル30のチューブ36のバルーン部分42が膨張され、創傷部位94に対して組成物72を保持している様子が示される。以下に詳述するが、これは、カテーテルアセンブリ10が取り除かれる前に、組成物72が創傷部位94に対して凝固できるように行われる。図示の実施形態では、組成物72を使用して、一時的な痂皮を創傷部位94に形成する。このように、カテーテルアセンブリ10が取り除かれたときに、組成物72が血液または他の流体あるいは物質によって押し流されないように、組成物72を十分に固定または凝固させることが重要である。
【0066】
米国特許第6,063,061号に記載されているように、組成物72は、創傷部位94が治癒したしばらく後に、生分解するか、または体内に吸収されるように構成される。図2Aに示されるように、バルーンカテーテル30のバルーン部分42は、一実施形態では、シリンジ70からの、弁50、筺体44(状況に応じて)、チューブ36としっかり嵌まるシース38との間の環状の内腔を通じた、バルーン部分42への圧縮空気によって膨張される。ガイドワイヤ62aまたは62bは、雌型ルアー60aおよび60b、筺体54、筺体44、および必要に応じてチューブ36の内腔を通じて挿入して、バルーンカテーテル30のチューブ36を創傷部位94に導くことが可能である。
【0067】
図2Bは、患者の肛門を通じた別のアクセス部位を示す図である。ここでは、導入器80は、患者の肛門104を通して挿入される。導入器80は、その後、医師の望みに応じて、患者の肛門の空腔または結腸へ延びることが可能である。上述と同様に、カテーテルアセンブリ10およびシリンジ70を使用して、創傷部位94に組成物72を沈着させて、その後、バルーンカテーテル30の細チューブ36のバルーン部分42を膨張させて、組成物72が適切に凝固するまで適所に保持する。図示の実施形態では、創傷部位94は、患者の結腸106内に位置し、患者の肛門からの挿入が好都合である。
【0068】
図2Cは、患者の腹部または胸郭領域を通じた、さらに別のアクセス部位を示す図である。ここでは、導入器80は、患者の皮膚および胃壁86を通って穿刺される。導入器80は、その後、医師の望みに応じて、患者の胃および/または小腸82へ延びることが可能である。上述のように、導入器80は、患者に固定することが可能なカフ96を含む。加えて、テープ98を用いて、患者に対する導入器80の保持を助力することが可能である。上述と同様に、カテーテルアセンブリ10およびシリンジ70を使用して、創傷部位94に組成物72を沈着させて、その後、バルーンカテーテル30の細チューブ36のバルーン部分42を膨張させて、組成物72が適切に凝固するまで適所に保持する。
【0069】
以下、図3乃至11を参照すると、図2Aおよび2Cに関連して示された、創傷部位94へ組成物72を適切に投与するための一実施形態が示される。本願明細書に記述された方法を使用して、胃の内壁86、小腸82内のいずれかの場所、または大腸84内のいずれかの場所などの、患者の消化管に沿ったいずれかの所望の地点に組成物72を適用することが可能であると理解されたい。さらに、組成物72は、食道88、肛門領域内に、または本願明細書に記述された他の器官、組織および/または部位内に沈着させることも可能である。
【0070】
図3は、外側チューブ20の遠位端を示す図である。図1Aに関連して説明したように、外側チューブ20の遠位端は、雌型ルアー24または任意の他の好適なコネクタによってハイライトされる。外側チューブ20の遠位端は、目盛り26(ここでは、10個の目盛り26a乃至26j)も備える。それらの目盛りは、図4のシリンジ70上に示される目盛り26a乃至26jに対応する。
【0071】
図3の第1の充填ステップでは、医師は、外側チューブ20の近位端を固定して保持し、バルーンカテーテル30を引く(例えば筺体44を握時し、後方に、外側チューブ20の近位端から外へ)。医師は、バルーンカテーテル30をある距離引っ張り、バルーンカテーテル30のチューブ36の遠位先端36aを、外側チューブ20内の所望の位置まで引き込める。図示の実施形態では、チューブ36の遠位先端が目盛り26jに到達するまでこれを引込めるが、この目盛りは、例えば、外側チューブ20によって画定される内腔22が、目盛り26jに位置するチューブ36の遠位先端から外側チューブ20の遠位端(雌型ルアー24によってハイライトされる)までを10ミリリットルに規定するということを示し得る。
【0072】
図4に示される第2の充填ステップでは、医師は、シリンジ70の雄型ルアーコネクタ74から、キャップ76(図1Aおよび1Bに示す)を取り除く。医師は、シリンジ70の雄型ルアー74を外側チューブ20の雌型ルアー24に接続することによって、シリンジ70を外側チューブ20の遠位端に固定する。次に、医師は、シリンジ70のプランジャ102を押して、シリンジ70に予め充填された組成物72を、外側チューブ20の内腔22の空間に押し出す。一実施形態では、組成物72のうちの(例えば)1乃至10ミリリットルを、外側チューブ20の遠位端に押し出す。更なる一実施形態では、組成物72のうちの1乃至10ミリリットルを、外側チューブ20の遠位端に押し出す。より小さなシリンジが望まれる場合は、複数のシリンジを使用して、所望の量の組成物72を提供することが可能である。組成物72は、バルーンカテーテル30の細チューブ36の遠位先端36aまで内腔22を満たし、該先端は外側チューブ20の目盛り26jに存在する。組成物72の粘度は、機械的な作動またはチューブ36と20との間に流れが無ければ、チューブ20の端部から溢流しない。
【0073】
図5乃至11は、小腸82および胃86の一部の拡大図である。図5に示されるように、創傷部位94は、小腸82の内壁に沿って生じている。この次のステップでは、医師は、上述のアクセス方法のうちのいずれかによって、カテーテルアセンブリ10(バルーンカテーテル30のチューブ36は引き込み位置にあり、組成物72は外側チューブ20内に保持されている)を、創傷部位94の上に組成物72を投与することが望ましい小腸82内の部位に挿入する。図5乃至11に関連して述べられるステップのいずれかは、医師が、患者の小腸82内のカテーテルアセンブリ10を見ることができるように、カメラまたは他のタイプの視覚的記録/撮像デバイスを伴って行うことができると理解されたい。図示の実施形態では、医師は、雌型ルアー24によってハイライトされた外側チューブ20の遠位端を、創傷部位94の下端へ押す。説明の便宜上、一対の矢印は、アセンブリ10が、小腸82へ下方に移動するように、チューブ20およびバルーンカテーテル30がまとめて押されることを示す。
【0074】
以下、図6を参照すると、本方法の更なるステップが示される。ここでは、医師は、外側チューブ20を含むアセンブリ10全体を引き込め始め、同時にバルーンカテーテル30を外側チューブ20に挿入するが、これは、歯磨き剤を歯ブラシに付ける場合と同様に相対的に運動させる。外側チューブ20は、小腸82の創傷部位94に沿って上方に移動し、同時に、バルーンカテーテル30のチューブ36は、外側チューブ20内を下方に移動し、チューブ20から組成物72を押し出す。外側チューブ20に対するチューブ36の相対的な運動によって、組成物72は、医師が求めるように創傷部位94の上に投与される。図示の実施形態では、医師は、目盛り26jから目盛り26eまでチューブ36を押すことによって、組成物72の略半分を投与する。この動作では、例えば、外側チューブ20の遠位端を通じて、10ミリリットルのうちの5ミリリットルの組成物72を投与することができる。5ミリリットルの組成物72は、図6に示されるように、外側チューブ20の内腔22を通って、創傷部位94の上に投与される。説明の便宜上、矢印は、チューブ20が患者から上方に移動され、一方で、バルーンカテーテル30が外側チューブ20にさらに挿入されることを示す。
【0075】
以下、図7を参照すると、医師は、最終的に全ての、または略全ての組成物72が外側チューブ20の遠位端から創傷部位94の上に投与されるように、組成物72の投与を継続し、図7では創傷部位は視認できなくなっている。図示の実施形態では、医師は、外側チューブ20を含むカテーテルアセンブリ10全体を、小腸82に沿って患者から上方へさらに引っ張る。同時に、医師は、外側チューブ20へのバルーンカテーテル30の再挿入を継続する。この動作によって、バルーンカテーテル30の細チューブ36は、外側チューブ20の遠位端の方へさらに移動する。図7では、チューブ36は、目盛り26eから外側チューブ20の端部まで移動し、例えば、組成物72の残りの5ミリリットルが創傷部位に投与される。よって、医師は、患者の小腸82内の所望の部位に全10ミリリットルの組成物72を投与している。説明の便宜上、引き続き矢印は、外側チューブ20が、患者から取り出され、一方で、バルーンカテーテル30が外側チューブ20に再挿入されることを示す。
【0076】
以下、図8を参照すると、本処置の別のステップまたは部分が示されている。ここでは、医師は、外側チューブ20および内側チューブ36を組成物72に沿って同時に前後に移動させ、組成物は創傷部位に適用されている。この前後の動作は、組成物72がより完全に、および/または均等に創傷部位を覆うように、組成物を分散させるように為され得る。また、外側チューブ20によって適用される圧力は、組成物72が小腸82の内壁に凝固または固着するのを助力する。この部分の処置を行うために、医師は、導入器80に対してカテーテルアセンブリ10を前後に移動する。
【0077】
以下、図9を参照すると、図8に述べられたような処置が行われる。なお、ここでは、バルーンカテーテル30のバルーン部分42は、少なくとも部分的に膨張させられる。バルーン部分42が膨張できるようにするために、医師は、バルーンカテーテル30のチューブ36を外側チューブ20の中へ完全に押す。図1Aおよび1Bに示されるように、このような相対的な運動は、外側チューブ20の肥厚部28が、バルーンカテーテル30の筺体44のカラー32の上に摩擦によって嵌られたときに完了する。上述のようにバルーンカテーテル30が外側チューブ20に完全に挿入されると、バルーンカテーテル30のチューブ36の遠位部34は、外側チューブ20の遠位先端の外側に延びる。バルーン部分42は、その後、例えば、シリンジ70を弁50に接続してシリンジ70のプランジャ102を押圧することによって膨張させることができる。なお、シリンダのようなまたは空気を収容するような、あらゆる好適な陽圧の供給源を用いて、バルーン部分42を膨張させることが可能であると理解されたい。
【0078】
バルーン部分42の少なくとも部分的な膨張は、組成物72に加えられる機械的な力の量を増加させて、医師が望むように、さらにスムーズに、および/またはさらに望ましく組成物72を創傷部位の上に分散させる。その点を考慮して、矢印は、少なくとも部分的に膨張したバルーン部分42の、組成物72に対する前後の移動を示す。医師は、(i)固定された導入器80内で前後に膨張したバルーン部分42を有するカテーテルアセンブリ10を移動させることによって、または(ii)外側チューブ20を固定したまま、バルーンカテーテル30をその膨張状態において動かすことによって、当該の処置を達成する。
【0079】
以下、図10を参照すると、本方法または処置の別のステップが示されている。ここでは、バルーンカテーテル30のチューブ36のバルーン部分42は、完全に膨張している。完全に膨張することによって、バルーン部分42が小腸82内に詰め込まれて、比較的大きな量の機械的な力を組成物72に加える。この比較的大きな量の力を加える主な目的は、カテーテルアセンブリ10が患者から取り除かれる前に、組成物72の固定または凝固を助力することである。膨張したバルーン部分42は、例えば5秒乃至30分間、組成物72を押圧することが可能である。医師は、図9を参照して記述されたように、必要に応じて、完全に膨張させたバルーン部分42を組成物72の上を前後に移動させて、組成物72をさらに平坦にして分散させることも可能であると理解されたい。
【0080】
また、医師が望むように組成物72が望まれるとおりに沈着されるまで、図8乃至10に関連して示されたステップが複数回繰り返して行われる。本方法または処置は、医師に、組成物72を適切に投与および分散させる十分な柔軟性を提供するものと理解されたい。
【0081】
以下、図11を参照すると、医師は、組成物72が創傷部位の上に適切に凝固したことを確認すると、図11に矢印で示されるように、バルーン部分42を収縮させて、小腸82および患者からカテーテルアセンブリ10を取り除く。必要に応じて、医師は、除去の前に、バルーンカテーテル40のバルーン部分42を外側チューブ20内に引き込めることができる。医師は、導入器80を通じて体内からカテーテルアセンブリ10を引っ張る。次に、医師は、本体から導入器80を取り除き、あらゆる必要な縫合を行う。
【0082】
以下、図12乃至16を参照すると、カテーテルアセンブリの別の実施形態が、アセンブリ110として示されている。図12には、アセンブリ110が分解されて、別のバルーンカテーテル130が示されている。図の簡略化のために、外側チューブまたはシース120は、図12および13には示されず、図14および15に示される。
【0083】
図12および13に示されるように、アセンブリ110は、Y字コネクタ154を含み、このコネクタは、ガイドワイヤ162のワイヤキャップを受けるための雌型ルアー接続具160aを含む。図13のガイドワイヤ162は、曲げられた部分162aを含み、医師は、この部分を雌型ルアー先端160aを含むY字コネクタ154の枝に挿入し、最終的にガイドワイヤキャップに接続する。ガイドワイヤ162は、一実施形態では、長さ100mmに対しては直径が約0.5mmであり、第2の長さ50mmに対しては約0.75mmに太くなる。一実施形態では、ガイドワイヤ162は、カテーテル136の端部136aから約15mmの範囲内で成端する。ガイドワイヤ162は、押し出し成形、心なし研削、長さに合わせた切断、および、ワイヤキャップへの接着を経て作製することができる。
【0084】
Y字コネクタ154は、弁150の雄型ルアー接続具158に接続するための、雌型ルアー接続具160bも含む。Y字コネクタ154は、図1Aに関連して示される類似の装置を簡略化したものであると理解されたい。
【0085】
弁150は、弁50に対して上述した機能のそれぞれを行う。第1に、弁150は、空気加圧のために第1のシリンジ170a(例、1cc乃至5cc)に接続する。第2に、弁150は、アダプタ210および第2のシリンジ170bを含むサブアセンブリ200に接続する。第2のシリンジ170b(例、1cc)には、上述した実施形態のうちのいずれかの組成物72が予め充填される。医師がシリンジのプランジャに大きな力を加えることなくシリンジから組成物を押し出せるように、より高い圧力が組成物72に加わるので、より小容量のシリンジ170b(例、1cc)が有効であると考えられる。アダプタ210は、図16に関連して以下に詳述する。
【0086】
Y字コネクタ154は、ねじによってハブ156に接続される。ハブ156は、人間工学的ハンドル250に対して前後に摺動させることができる。図13は、ハンドル250が、ハンドル本体252と、ハンドル本体252の開口部258aおよび258bにそれぞれ嵌入するペグ256aおよび256bを有する、ハンドルカニューレ254とを含む。ハブ156は、カテーテル136の遠位端136aが、図12に示される位置において、外側チューブまたはシース120から遠位に完全に延ばされた時点で、ハンドルカニューレ254のキャップ260内部の底部に達するように先細になっている。この位置は、図9および10の位置、およびカテーテル136のバルーン部分142を膨張させることができる位置に類似している。このように、ハブ156は、カテーテル136が膨張可能な位置にあることを触覚的に医師に知らせる役目をする。
【0087】
上述のように、バルーン部分142は、縫合糸または巻線140aおよび140bによって両端が封止されている。バルーン部分142の好適な一実施形態は、図14および15に関連して下述する。
【0088】
ハンドルカニューレ254のキャップ260は、雌型ルアー先端262も含むが、これは、医師が、ハンドル250を通じてカテーテル136、シース120、およびガイドワイヤ162を挿入する準備ができるまでキャップ(図示せず)を受け入れる。ハンドルカニューレ254のキャップ260は、ハブ156のノーズ部分によって、カテーテル136が膨張可能な位置にあるときに、可聴および触知できるクリック音または感触を提供するように構成される。
【0089】
シース120は、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)のような、本願明細書に挙げられた材料のうちのいずれかで作製することができる。ハンドル本体252、ハンドルキャップ260、Y字コネクタ154、弁150、およびガイドワイヤキャップは、一実施形態では、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)および/またはポリカーボネートで作製することができる。ハンドルカニューレ254およびガイドワイヤ162は、一実施形態では、ステンレス鋼製である。カテーテル136およびハブ156は、一実施形態では、PEBAXTM、RilsanTMおよびWismutTM材料のような、ポリエーテルブロックアミドまたは可塑剤を含まない熱可塑性エラストマで作製される。種々の実施形態におけるカテーテル136のバルーン部分142は、シリコンおよびラテックス材料のうちの少なくとも1つで作製される。縫合糸または巻線140aおよび140bは、一実施形態では、PTFEで作製される。
【0090】
図16は、アダプタ210をさらに詳細に示す図である。アダプタ210は、一実施形態では、既知のツオヒボースト型(Tuohy Borst type)で始まり、例えば、ポリカーボネート、ABS、および/またはシリコンで作製することができる。アダプタ210は、雄型ルアー先端214および雄型パイプねじ付先端216を有するコネクタ212を含む。雄型ルアー先端214は、組成物72を保持するシリンジ170bの雌型ルアー先端172に密封状態で接続する。雄型パイプねじ付先端216は、先細ねじ付きの形態でナット218に接続する。ナット218は、内部環状カラー220を含む。
【0091】
エラストマ(例、シリコン)ワッシャ222は、コネクタ212の雄型ルアー先端214と雄型パイプねじ付き先端216との間に位置する環状穴に嵌められる。エラストマワッシャ222は、ナット218が、ねじ付き先端216へ緩く螺入されたときに、カラー220の端部がワッシャ222の一端に当接し、ワッシャ222の他端がコネクタ212の壁224に対して当接されるような長さである。
【0092】
アダプタ210は、例えば、ステンレス鋼製の、小径端232および大径端234を有するカニューレ230を含む。大径端234は、コネクタ212の雄型ルアー先端214の雄型ルアー226に押圧されるか、またはしっかりと嵌入るようにサイズを設定される。大径端234は、雄型ルアー226に接着することもでき、いずれにせよ、雄型ルアー内に固定され、したがってアダプタ210に固定される。図16に示されるように、カニューレ230の長さは、ナット218が、コネクタ212のねじ付先端216に螺入されたときに、小径端232がナット218を越えて(例、数ミリメートル)延びるようにサイズが設定される。
【0093】
カテーテル136およびガイドワイヤ162を、(図3に関連して上述したように)シースに引き込んだ後に、サブアセンブリ200を形成する、アダプタ210および組成物72を保持するシリンジ170bは、シース120の遠位端122に嵌められる。一実施形態では、シース120の遠位端122は、コネクタ212内に位置するエラストマワッシャ222を越えて摺動される。医師は、その後、ナット218を締めて、アダプタ210のねじ付き端部216をさらに摩擦によって係合する。このときに、アダプタ210の内部カラー220は、コネクタ212に対して内方へ移動して、コネクタの壁224に対してエラストマワッシャ222を押す。ワッシャ222の長手方向の圧縮によって、その内径がシース120の外径まで縮小し、金属カニューレ230の小径端232に対してシースを密封状態で押圧する。
【0094】
医師は、次いで、組成物72を保持するシリンジ170bを圧縮して、(図4に関連して上述したように)所望の量の組成物72に対応する、所望(例えば、黒インク)の目盛り26(上述)まで、シース120の遠位端122に組成物72を投与する。コネクタ212は、ナット218を緩めることによって取り除かれ、次いで、ワッシャ22をシース120から係合解除して、シース120をコネクタ212から取り除けるようにする。その後、(図5に関連して上述したように)充填されたシース120、カテーテル136、およびガイドワイヤ162を、患者の体内に挿入することができる。
【0095】
図14および15に示されるように、カテーテル136のバルーン部分142は、膨張したときに、バルーンが、カテーテル136の遠位端136aを越えて遠位に延び、曲線的な縁部を有する比較的丸みのある先端144を提供するように、形成、構成、およびサイズ設定される。これは、カテーテル136の硬く尖った先端136aが、特に敏感であり得る患者の胃腸管、および特に創傷部位94に接触しないようにする。また、医師が、更なるおよび/またはより大きな局所的な圧力を組成物72に加えようとしてバルーン142の遠位頭部領域144の使用を試みたときに、カテーテル136を曲けるための更なる柔軟性も提供する。
【0096】
図14は、縫合糸140aおよび140b(例、PTFE糸)が、バルーン部分142の端部に巻きつけられた状態を示す図であるが、この糸は、例えば、カテーテル136の遠位端136aから約4mm、またバルーン部分142の近位端から約6mmにわたって巻きつけられる。図に示されるように、カテーテル136は、ポート138を画定して、圧縮ガスがバルーン部分142を膨張させることができるようにする。最小から最大形状に膨張させたときに、バルーン部分142の外側の放射状の直径は、最小サイズが約13mm、最大サイズが約17mmを達成する。公称直径は、約15mmであり、これによって、バルーン部分142の遠位端144は、先端136aを公称距離約1mm越えて延びることができ、一実施形態では好適である。
【0097】
バルーン部分142は、カテーテル136の軸の周りを中心に膨張するように構成すべきである。バルーン部分142は、ラテックスおよびシリコンのうちの少なくとも1つで作製されるが、ラテックスは極めて高い伸縮性を有する。バルーン部分142は、壁圧が0.1mm、外径が1.6mm、長さが20mmである。これは、押し出して長さに合わせて切断し、縫合糸140aおよび140b、ならびに接着剤によってカテーテル136に取り付けることができる。
【0098】
一実施形態では、シース120の外径は、内径2.8mmの胃カメラまたは(上述の)導入器80の内部を自由に摺動するようにサイズ設定される。シースは、外径を約2.5乃至2.55mm、内径を2.1mm、長さを約195cmとすることができる。シースは、一実施形態では、押し出し、ハンドル250のカニューレへのプレス外嵌、および長さに合わせた切断によって作製される。
【0099】
カテーテル136の直径は、シース120の内部を自由に摺動するようにサイズ設定される。カテーテル136の長さは、一実施形態では、シース120の端部122を約10mm越えて延びるようにサイズ設定される。このカテーテルは、一実装例では、PEBAXTMと、RilsanTMと、青色着色剤を有するWismutTM材料とを組み合わせて作製される。ナイロンを使用することも可能である。カテーテル136の寸法は、外径を約1.65mm、内径を1.1mmとすることができる。一実施形態では、カテーテル136の長さは、対応するシース120に比較的一致するようにサイズ設定される。カテーテル136は、長さが21mmで外径が1.4mmにくびれさせた範囲のチューブに押し出すことができる。一実施形態では、孔138が設けられる。次いで、バルーン部分142(例、シリコン)が、縫合糸140aおよび140b、ならびに接着剤によってカテーテル136に取り付けられる。次いで、カテーテル136の近位端が、長さに合わせて切断され、ハブ156または本願明細書に記述された他のカテーテルグリップに結合される。次いで、ガイドワイヤ162がカテーテルに挿入される。
【0100】
別の実施形態では、二重内腔カテーテル(図示せず)を使用して、空気およびワイヤの内腔を別々に提供する。二重内腔カテーテルは、内腔閉塞の危険性を低減するが、許容可能なワイヤのサイズが小さくなり、より複雑になる。また、二重内腔カテーテルによって、創傷部位に流体を追加する必要がある場合に、カテーテルを通る流体供給チャネルも可能にする。
【0101】
上述の目盛り26は、一実施形態では、(i)幅2mmのストリップで、カテーテル136の周囲360°に延び、0.5mlごとにマーキングされたものと、ii)幅4mmのストリップで、カテーテル136の周囲360°に延び、0.5mlごとにマーキングされたものとを互い違いにしている。目盛りは、一実施形態では、シース120の上に印刷される。目盛り26は、組成物72のシリンジ170bに追加的に、または代替的に表示することができる。
【0102】
以下、図17および18を参照すると、カテーテル136、ハンドルまたはシースグリップ250(図12および13)、例えば、高密度ポリウレタン(「HDPE」)製のシース120、および雌型ルアー先端60を有するカテーテルセット270が示される。雌型ルアー先端60は、図示した実施形態では、ルアー作動逆止め弁240の雄型ルアー先端に接続する。ルアー作動逆止め弁240は、上述の弁またはストップコック150の代用となる。ハンドルまたはシースグリップ250は、シース120に接着され、人間工学的リブ付握持部分264を含む。
【0103】
図17は、第1の別のハンドルまたはシースグリップ350を示すが、これもシース120に接合され、シースグリップ250に対して細長く、握持ウェル352を含むか、または画定する。第2の別のハンドルまたはシースグリップ450は、シース120に結合され、シースグリップ250に対して細長く、ガセット付フランジ452を含むか、または画定する。握持部分264、握持ウェル352、およびガセット付フランジ452は、それぞれ、組成物72の適用中のカテーテル136の動きに対して、医師がシース120を安定して保持するのを補助する。
【0104】
図17のアセンブリ110のハブ156は、図18に詳述されるスロット付きグリッパ266に置き換えられる。スロット付きグリッパ266は、リブ付き握持部分264も備え、本願明細書に記載されたあらゆる好適な材料で作製される。スロット付きグリッパ266は、大径スロット付き部分268と、小径ストッパ部分272とを含む。大径スロット付き部分268は、スロット274を画定し、このスロットは、大径スロット付き部分268の遠位端276を通って延在し、スロット付き部分268の半割り部268aおよび268bを、端部276においてわずかに外側へ湾曲させる。半割り部268aおよび268bは、一緒に、円筒開口部278を画定し、医師が半割り部268aおよび268bに加圧したときに、それらが一緒になってカテーテル136を握持するようにサイズ設定された直径を有する。その時点で、医師は、グリッパ266を動かして、ハンドル250およびシース120に対してカテーテル136を動かすことができる。
【0105】
医師が、半割り部268aおよび268bを開放したときに、この半割り部がばねのように離れて、大径スロット付部分268および小径ストッパ部分272は、カテーテル136に対して自由に摺動することができる。一実施形態では、カテーテル136は、触覚フィードバック装置(図示せず)を備え、この装置は、カテーテル236が、バルーン部分142を膨張させる適切な位置にあるか、またはグリッパ266がシースグリップ250、350、または450に完全に押し付けられたとすると、膨張位置であろう位置にあるとき、小径ストッパ部分272の近位端280と接触する。別様には、小径ストッパ部分272の近位端280は、雌型ルアー先端60に支えられ、カテーテル236をバルーン142を膨張させる適切な位置へ押すために、カテーテル136は、遠位端276がハンドル250、350、または450と当接するまで握持されて押される。
【0106】
本願明細書に記載された好適な実施形態に対する様々な変更および修正は、当業者には明白であると理解されたい。このような変更および修正は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、また意図された利益を減じることなく行うことができる。したがって、このような変更および修正が、添付の特許請求の範囲に包含されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1Aおよび図1Bは、カテーテルアセンブリ、組成物の供給源、および他のアイテムを含む、異なる実施形態の分解斜視図である。
【図2】図2A乃至図2Cは、人体の胃腸管、および異なるアクセス地点からの、本願明細書に記述された方法および装置の適用を示す切欠斜視図である。
【図3】図3は、組成物適用方法の一例の第1ステップを示す、カテーテルの遠位端の斜視図である。
【図4】図4は、組成物適用方法の一例の第2ステップを示す、組成物の供給源に接続されたカテーテルの遠位端の斜視図である。
【図5】図5は、医療用組成物適用方法の一例の第3ステップを示すようにカテーテルの遠位端を位置決めした、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図6】図6は、医療用組成物適用方法の一例の第4ステップを示すように、バルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを相対的に移動させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図7】図7は、医療用組成物適用方法の一例の第5ステップを示すように、バルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを相対的に移動させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図8】図8は、医療用組成物適用方法の一例の第6ステップを示すように、バルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを一緒に移動させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図9】図9は、医療用組成物適用方法の一例の第7ステップを示すように、バルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを相対的に移動させ、カテーテルのバルーンを部分的に膨張させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図10】図10は、医療用組成物適用方法の一例の第8ステップを示すように、カテーテルのバルーンを完全に膨張させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図11】図11は、医療用組成物適用方法の一例の第9ステップを示すように、収縮させたバルーンカテーテルおよびアセンブリの外側チューブを一緒に移動させた、人体の胃腸管の適用領域の拡大図である。
【図12】図12は、カテーテルアセンブリの別の実施形態の分解立面図である。
【図13】図13は、図12のカテーテルアセンブリの分解斜視図である。
【図14】図14は、カテーテルが拡張可能な位置にあり、バルーン部分を収縮させた、カテーテル、ガイドワイヤ、およびシースの遠位端の実施形態の立断面図である。
【図15】図15は、カテーテルが拡張可能な位置にあり、バルーン部分を膨張させた、カテーテル、ガイドワイヤ、およびシースの遠位端の実施形態の立断面図である。
【図16】図16は、組成物を充填するために、組成物搬送シリンジをシースの遠位端に嵌めるためのアダプタの一実施形態の立断面図である。
【図17】図17は、スロット付きカテーテルグリップの一実施形態、およびシースグリップのための種々の実施形態を示す、カテーテルアセンブリの斜視図である。
【図18】図18は、図17のアセンブリのスロット付きカテーテルグリップの一実施形態の等角図である。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類の体内の創傷部位に適用され得る組成物の供給源と、
カテーテルアセンブリであって、
近位端および遠位端を有する外側チューブと、
該外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルと
を含み、該外側チューブの該遠位端において該外側チューブ内に空間を作り出すように、該バルーンカテーテルが該外側チューブ内を移動でき、該供給源によって供給される該組成物の量は、該空間を満たすに十分である、カテーテルアセンブリと
を備える、医療用カテーテルシステム。
【請求項2】
前記組成物の前記供給源は、該組成物を充填したシリンジを含む、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項3】
前記シリンジは、空気を供給して前記バルーンカテーテルのバルーンを膨張させるようにさらに構成されるか、または該シリンジは、第1のシリンジであり、空気を供給して該バルーンカテーテルのバルーンを膨張させるように構成された第2のシリンジを含む、請求項2に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項4】
前記バルーンカテーテルの近位端は、(i)弁と、(ii)ガイドワイヤを受け入れるように構成された少なくとも1つのコネクタとのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項5】
前記組成物は、(i)生体適合性ポリマー組成物と、(ii)分子的架橋ヒドロゲルと、(iii)乾燥粉末と、(iv)部分的に水和したゲルと、(v)完全に水和したゲルとからなる群から選択される少なくとも1つの種類である、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項6】
前記組成物は、さらに(i)組織を補うために、(ii)軟および硬組織領域、筋肉内に存在する窪み、管、および体腔、皮膚、上皮組織、結合または支持組織、神経組織、眼および他の感覚器官の組織、血管および心臓の組織、胃腸器官および組織、胸膜および他の肺組織、腎臓、内分泌腺、男性および女性生殖器、脂肪組織、肝臓、膵臓、リンパ、軟骨、骨、口腔組織、および粘膜組織を充填するために、(iii)軟質埋め込み型デバイス、乳房インプラントを充填するために、および(iv)経時的に薬物または活性薬剤を標的部位に放出するように、該薬物および活性薬剤とともに、適用されるように構成される、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項7】
(i)前記外側チューブの遠位端に嵌められた先端プロテクタと、(ii)使用前に前記供給源およびカテーテルアセンブリを封入するように封止できる袋と、(iii)導入器とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項8】
前記カテーテルに摺動可能に外嵌めされたスロット付きグリッパを含み、該スロット付きグリッパは、該カテーテルを握持し、および動かすように解放可能に圧縮可能である、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項9】
前記外側チューブの遠位端に外嵌めするように構成されたアダプタを含み、前記組成物を前記空間に搬送するために、該外側チューブが、該アダプタのワッシャとカニューレとの間を封止できる、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項10】
近位端をおよび遠位端有する外側チューブと、
該外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルであって、該バルーンカテーテルは、該外側チューブの該遠位端において該外側チューブ内に空間を作り出すように、該外側チューブ内を移動でき、該空間は、組成物を保持するようにサイズを設定され、該組成物は、哺乳類の体内の創傷部位に、該創傷部位に対応するに十分な量を適用されるように構成される、バルーンカテーテルと、
該組成物を該空間に供給するために、該外側チューブの遠位端を封止するように構成されたアプリケータと
を備える、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記外側チューブの前記遠位端は、前記アプリケータの嵌合コネクタと嵌合するように構成されたコネクタを含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記アプリケータは、前記外側チューブの遠位端に外嵌めするように構成されたアダプタを含み、該外側チューブが、前記組成物を前記空間に搬送するために、該アダプタのワッシャとカニューレとの間を封止できる、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記アダプタは、前記組成物を最初に保持しているシリンジと嵌合するようにさらに構成される、請求項12に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記外側チューブの前記遠位端は、前記空間に適用可能な容量測定単位を示す目盛りを含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記バルーンカテーテルは、予め組み込まれたガイドワイヤを含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項16】
近位端および遠位端を有するシースと、
該シース内に位置するカテーテルであって、該カテーテルは、該シース内に空間を作り出すように、該シース内を移動できる、カテーテルと、
該カテーテルに固定されたバルーンであって、該カテーテルを通じて該バルーンに空気が供給されたときに、該バルーンは、膨張し、該カテーテルの遠位端を越えて長手方向に延びる、バルーンと
を備える、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記空間は、組成物を保持するようにサイズを設定され、該組成物は、供給源から哺乳類の体内の創傷部位に適用されるように構成される、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記バルーンは、接着剤および縫合糸巻のうちの少なくとも1つによって前記カテーテルに固定される、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項19】
前記バルーンは、ラテックスおよびシリコンのうちの少なくとも1つから作製される、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項20】
膨張時の前記バルーンの遠位端は、比較的先が丸い、曲線的である、および前記カテーテルの前記遠位端を長手方向に約1mm越えている、のうちの少なくとも1つである、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項1】
哺乳類の体内の創傷部位に適用され得る組成物の供給源と、
カテーテルアセンブリであって、
近位端および遠位端を有する外側チューブと、
該外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルと
を含み、該外側チューブの該遠位端において該外側チューブ内に空間を作り出すように、該バルーンカテーテルが該外側チューブ内を移動でき、該供給源によって供給される該組成物の量は、該空間を満たすに十分である、カテーテルアセンブリと
を備える、医療用カテーテルシステム。
【請求項2】
前記組成物の前記供給源は、該組成物を充填したシリンジを含む、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項3】
前記シリンジは、空気を供給して前記バルーンカテーテルのバルーンを膨張させるようにさらに構成されるか、または該シリンジは、第1のシリンジであり、空気を供給して該バルーンカテーテルのバルーンを膨張させるように構成された第2のシリンジを含む、請求項2に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項4】
前記バルーンカテーテルの近位端は、(i)弁と、(ii)ガイドワイヤを受け入れるように構成された少なくとも1つのコネクタとのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項5】
前記組成物は、(i)生体適合性ポリマー組成物と、(ii)分子的架橋ヒドロゲルと、(iii)乾燥粉末と、(iv)部分的に水和したゲルと、(v)完全に水和したゲルとからなる群から選択される少なくとも1つの種類である、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項6】
前記組成物は、さらに(i)組織を補うために、(ii)軟および硬組織領域、筋肉内に存在する窪み、管、および体腔、皮膚、上皮組織、結合または支持組織、神経組織、眼および他の感覚器官の組織、血管および心臓の組織、胃腸器官および組織、胸膜および他の肺組織、腎臓、内分泌腺、男性および女性生殖器、脂肪組織、肝臓、膵臓、リンパ、軟骨、骨、口腔組織、および粘膜組織を充填するために、(iii)軟質埋め込み型デバイス、乳房インプラントを充填するために、および(iv)経時的に薬物または活性薬剤を標的部位に放出するように、該薬物および活性薬剤とともに、適用されるように構成される、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項7】
(i)前記外側チューブの遠位端に嵌められた先端プロテクタと、(ii)使用前に前記供給源およびカテーテルアセンブリを封入するように封止できる袋と、(iii)導入器とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項8】
前記カテーテルに摺動可能に外嵌めされたスロット付きグリッパを含み、該スロット付きグリッパは、該カテーテルを握持し、および動かすように解放可能に圧縮可能である、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項9】
前記外側チューブの遠位端に外嵌めするように構成されたアダプタを含み、前記組成物を前記空間に搬送するために、該外側チューブが、該アダプタのワッシャとカニューレとの間を封止できる、請求項1に記載の医療用カテーテルシステム。
【請求項10】
近位端をおよび遠位端有する外側チューブと、
該外側チューブ内に位置するバルーンカテーテルであって、該バルーンカテーテルは、該外側チューブの該遠位端において該外側チューブ内に空間を作り出すように、該外側チューブ内を移動でき、該空間は、組成物を保持するようにサイズを設定され、該組成物は、哺乳類の体内の創傷部位に、該創傷部位に対応するに十分な量を適用されるように構成される、バルーンカテーテルと、
該組成物を該空間に供給するために、該外側チューブの遠位端を封止するように構成されたアプリケータと
を備える、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記外側チューブの前記遠位端は、前記アプリケータの嵌合コネクタと嵌合するように構成されたコネクタを含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記アプリケータは、前記外側チューブの遠位端に外嵌めするように構成されたアダプタを含み、該外側チューブが、前記組成物を前記空間に搬送するために、該アダプタのワッシャとカニューレとの間を封止できる、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記アダプタは、前記組成物を最初に保持しているシリンジと嵌合するようにさらに構成される、請求項12に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記外側チューブの前記遠位端は、前記空間に適用可能な容量測定単位を示す目盛りを含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記バルーンカテーテルは、予め組み込まれたガイドワイヤを含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項16】
近位端および遠位端を有するシースと、
該シース内に位置するカテーテルであって、該カテーテルは、該シース内に空間を作り出すように、該シース内を移動できる、カテーテルと、
該カテーテルに固定されたバルーンであって、該カテーテルを通じて該バルーンに空気が供給されたときに、該バルーンは、膨張し、該カテーテルの遠位端を越えて長手方向に延びる、バルーンと
を備える、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記空間は、組成物を保持するようにサイズを設定され、該組成物は、供給源から哺乳類の体内の創傷部位に適用されるように構成される、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記バルーンは、接着剤および縫合糸巻のうちの少なくとも1つによって前記カテーテルに固定される、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項19】
前記バルーンは、ラテックスおよびシリコンのうちの少なくとも1つから作製される、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項20】
膨張時の前記バルーンの遠位端は、比較的先が丸い、曲線的である、および前記カテーテルの前記遠位端を長手方向に約1mm越えている、のうちの少なくとも1つである、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2009−513286(P2009−513286A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538186(P2008−538186)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/060298
【国際公開番号】WO2007/051161
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/060298
【国際公開番号】WO2007/051161
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
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