説明

アミド化合物、アミド化合物を製造する方法およびインキ組成物

【課題】相変化インキのインキビヒクルの中で使用した場合、インキビヒクルの中で使用する成分を少なくすることができ、そのため、コストを削減し、かつインキをより均質にすることが可能となるアミド化合物を提供する。
【解決手段】R−CONH−RまたはR−CONH−R
[式中、Rが、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rが、3〜200個の炭素原子を有するアルキル基であり、RとRとが同じ数の炭素原子を有するか、またはRがRよりも少ない炭素原子を有する。]
の式を有するアミド化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載されているのは、各種のインキにおいて使用するのに適したアミド化合物である。本明細書に記載のアミド化合物は、各種の公知のインキビヒクルの置き換え物として、または各種の公知のインキビヒクルの補助物として特に有用となりうる。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷方法では、室温では固体状であり、昇温下では液状であるインキを採用することができる。そのようなインキは、ホットメルトインキまたは相変化インキと呼ばれる。ホットメルトインキを採用した感熱インクジェット印刷方法においては、固体状のインキを印刷機器の中のヒータによって溶融させ、慣用される感熱インクジェット印刷の場合と同様に液体として(たとえばジェット噴射して)使用する。印刷基材と接触すると、その溶融されたインキが直ちに固化し、着色剤が毛管作用によって基材(たとえば、紙)の内部に移動することなく、基材の表面上に実質的に残ることが可能となり、それによって、一般的に液体インキを用いて得られるよりも高い印刷濃度が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,472,523号明細書
【特許文献2】米国特許第6,713,614号明細書
【特許文献3】米国特許第6,958,406号明細書
【特許文献4】米国特許第6,998,493号明細書
【特許文献5】米国特許第7,211,131号明細書
【特許文献6】米国特許第7,294,730号明細書
【特許文献7】米国特許第6,174,937号明細書
【特許文献8】米国特許第5,782,966号明細書
【特許文献9】米国特許第6,309,453号明細書
【特許文献10】米国特許第5,919,839号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
相変化インキのインキビヒクルの中で使用した場合、インキビヒクルの中で使用する成分を少なくすることができ、そのため、コストを削減し、かつインキをより均質にすることが可能となるアミド化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、R−CONH−RまたはR−CONH−R
[式中、Rが、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rが、3〜200個の炭素原子を有するアルキル基であり、RとRとが同じ数の炭素原子を有するか、またはRがRよりも少ない炭素原子を有する。]
の式を有するアミド化合物である。
【0006】
また、本発明は、R−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−R、またはR−NHCO−R−NHCO−R
[式中、Rが、5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、3〜200個の炭素原子を有するアルキル基を含む。]
の式を有するアミド化合物である。
【0007】
また、本発明は、R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−R、R−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−RもしくはR−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−CONH−R、またはR−CONH−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R
[式中、Rが、同一であっても異なっていてもよい5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、1〜200個の炭素原子を有するアルキレンを含み、そしてRおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、3〜200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含む。nは、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,または10の整数である。]
の式を有するアミド化合物である。
【0008】
また、本発明は、インキ組成物において使用するのに好適なアミド化合物を製造するための方法であって、前記方法が、アミンと少なくとも1種のカルボン酸を反応させて、以下のものからなる群より選択されるアミド化合物を製造する方法:
(1)R−CONH−RまたはR−CONH−R
[式中、Rが、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rが、3〜200個の炭素原子を有するアルキル基であり、RとRとが同じ数の炭素原子を有するか、またはRがRよりも少ない炭素原子を有する。]
の式を有するアミド化合物、
(2)R−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−R、またはR−NHCO−R−NHCO−R
[式中、Rが、5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、3〜200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含む。]
の式を有するアミド化合物、
(3)R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−R、R−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−RもしくはR−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−CONH−R、またはR−CONH−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R
[式中、Rが、同一であっても異なっていてもよい5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、1〜200個の炭素原子を有するアルキレンを含み、そしてRおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、3〜200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含む。nは、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,または10の整数である。]
の式を有するアミド化合物、である。
【0009】
また、本発明は、インキビヒクルおよび着色剤を含むインキ組成物であって、前記インキビヒクルが、R−CONH−R、R−CONH−R、R−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−R、R−NHCO−R−NHCO−R、R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−R、R−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−RもしくはR−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−CONH−R、およびR−CONH−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R
[式中、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよい3〜200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であり、Rが、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、RとRとが同じ数の炭素原子を有するか、またはRがRよりも少ない炭素原子を有し、Rが、同一であっても異なっていてもよい5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよい1〜200個の炭素原子を有するアルキレンであり、nが、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,または10の整数であり、RおよびRが、場合によっては、少なくとも1個のヒドロキシル基置換基を含む。]
からなる群より選択されるアミド化合物を含む、インキ組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本明細書に記載のアミド化合物を相変化インキのインキビヒクルの中で使用した場合、そのようなアミド化合物はインキビヒクルの中で使用する成分を少なくすることができ、そのため、コストを削減し、かつインキをより均質にすることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載の相変化インキには、約20℃〜約27℃の温度、たとえば室温では固体状、特に約40℃未満の温度では固体状であるインキビヒクルを含む。しかしながら、それらのインキは加熱によって相変化し、吐出温度では溶融状態となる。したがって、それらのインキは、インクジェット印刷に適した昇温下、たとえば約50℃〜約150℃の温度では、約1〜約20センチポアズ(cP)の粘度を有している。
【0012】
<アルキルアミド>
第一の実施態様においては、そのインキビヒクル化合物は、R−CONH−Rの式またはR−CONH−Rの式を有する化合物であるが、ここで、Rが、1〜約18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rが、約3個の炭素原子〜約200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であり、またここで、RとRとが同じ数の炭素原子を有するか、またはRがRよりも少ない炭素原子を有する。
【0013】
は、1〜約18個の炭素原子、たとえば1〜約15個の炭素原子、1〜約10個の炭素原子または1〜約5個の炭素原子を有するアルキル基であってよい。Rは、直鎖状、分岐状、飽和、不飽和、置換、または非置換のアルキル基であってよく、また酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン、ホウ素などのようなヘテロ原子が、アルキル基の中の置換基として存在していても、存在していなくてもよい。さらに、Rには各種適切な置換基が含まれていてもよいが、そのような置換基としては、たとえば以下のものが挙げられる:ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミン基、イミン基、アンモニウム基、アゾ基、シアノ基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルフェート基、スルホネート基、スルフィド基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、ホスフェート基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、アシル基、酸無水物基、アジド基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、それらの混合物などである。たとえば、Rは以下のものから選択されるアルキル基であってよい:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル(すべての異性体を含む)、ヘプチル(すべての異性体を含む)、オクチル(すべての異性体を含む)、ノニル(すべての異性体を含む)、デシル(すべての異性体を含む)、ウンデシル(すべての異性体を含む)、ドデシル(すべての異性体を含む)、トリデシル(すべての異性体を含む)、テトラデシル(すべての異性体を含む)、ペンタデシル(すべての異性体を含む)、ヘキサデシル(すべての異性体を含む)、ヘプタデシル(すべての異性体を含む)、およびオクタデシル(すべての異性体を含む)などである。
【0014】
いくつかの実施態様においては、Rは、約3個の炭素原子〜約200個の炭素原子、たとえば約5個の炭素原子〜約150個の炭素原子または約15個の炭素原子〜約100個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基である。いくつかの実施態様においては、Rの直鎖状または分岐状のアルキル基は、適切であれば、ヒドロキシル置換基および場合によってはヘテロ原子を有していてもよい。しかしながら、一つの実施態様においては、Rがヒドロキシル置換基を有さない直鎖状のアルキル基である場合には、その他の置換基やヘテロ原子が存在していないのが望ましい。一つの実施態様においては、Rは、その他の置換基やヘテロ原子を有さない直鎖状のアルキル基であってもよい。また、一つの実施態様においては、Rは、その他の置換基やヘテロ原子を有さないアルキル基であってもよい。
【0015】
具体的には、いくつかの実施態様においては、RがCHであって、その化合物は次式を有するであろう。
【0016】
【化1】


または
【化2】

【0017】
−CONH−RまたはR−CONH−Rの式を有するアルキルアミド化合物は、十分な量のアルキルアミンを十分な量の直鎖状カルボン酸または分岐状カルボン酸と反応させて誘導することができ、それによって本発明の実施態様のアルキルアミド化合物が得られる。この反応は、約80℃〜約220℃の範囲の温度で起きる。その直鎖状または分岐状カルボン酸は、場合によっては、所望のアルキルアミドに依存してヒドロキシル置換基またはヘテロ原子を含んでいてもよい。いくつかの実施態様においては、R−CONH−Rの式を有する化合物は、たとえばR−COHとHN−Rとを反応させることによって得てもよい。
【0018】
がヒドロキシル基の置換基を有さない場合、その化合物は結晶性の部分と非晶性の部分との両方を示す。詳しくは、直鎖状カルボン酸から誘導される化合物の部分、すなわちRから誘導される部分は結晶性であって、粘度を低下させるが、それに対して、アルキルアミンから誘導される化合物の部分、すなわちRから誘導される部分は非晶性であって、硬さを改良する。
【0019】
本明細書に開示されたアルキルアミド化合物が直鎖状カルボン酸から誘導された場合、そのアルキルアミド化合物は高度に結晶性の物質であって、その粘度は約140℃で約0.01cps〜約25cpsとなるであろう。直鎖状カルボン酸から誘導されたアルキルアミド化合物の融解熱は、TA・インストラメンツ(TA Instruments)製の示差走査熱量計Q1000を用い、約10℃/分の一定加熱および冷却速度で測定して、約100J/gより大となるであろう。そのようなアルキルアミド化合物の硬さは、ASTM D1321に従い、ケーラー(Koehler)K95500ディジタルペネトロメータ(Digital Penetrometer)を用いて測定して、約0.01dmm(デシミリメートル)〜約75dmmである。
【0020】
ヒドロキシル官能性を有するアルキルアミド化合物、すなわち、たとえば、ヒドロキシステアリン酸またはアロイリチン酸から誘導されたものは、固体状であり、温度約140℃では、約100cps〜約5000cps、たとえば約100cps〜約1000cps、または約100cps〜約500cpsの粘度を有する。
【0021】
分岐状の酸から誘導されたアルキルアミド化合物は、室温では液体状または固体状となることができる。たとえば、イソステアリン酸または2−エチルヘキサン酸から誘導されたアルキルアミド化合物は、室温では液体状となることができ、すなわちおよそ25℃で、約0.01cps〜約25cps、たとえば約0.1cps〜約15cpsの粘度を有する。別な例として、たとえば、イソカーブ(Isocarb)24酸から誘導されるアルキルアミド化合物は、室温すなわちおよそ25℃では固体状となることができ、約100cps〜約5000cpsの粘度を有する。
【0022】
少なくとも1個のヒドロキシル置換基を有する直鎖状または分岐状カルボン酸から誘導されたアルキルアミドは、公知のインキ配合におけるロジンエステル類の置き換え物または補助物として使用することができ、その一方で、ヒドロキシル置換基を有さない直鎖状または分岐状カルボン酸から誘導された直鎖状アルキルアミドは、公知のインキ配合におけるワックスの置き換え物または補助物として使用することができる。
【0023】
いくつかの実施態様においては、化合物のアミド(NH)基が、その化合物の末端基に近いのが望ましいが、その理由は、アミド(NH)基がそのような位置にあることで、その化合物の極性が改良されるからである。したがって、Rが約5個を超える炭素原子を有している場合、この際の「近い」という配置は、たとえば、そのアミド(NH)基がその化合物の末端から炭素約5個以下の中に存在しているということを指している。極性の点からは、R−CONH−Rの配置よりは、R−CONH−Rの方が望ましい。したがって、その化合物をインキビヒクルの中で使用する場合、そのインキビヒクルが極性基、たとえば開示された化合物のアミン基を有していると、極性の着色剤がより溶解しやすくなる。
【0024】
本明細書に開示されたR−CONH−RまたはR−CONH−Rの式を有するアルキルアミドの例としては次式のものが挙げられる。
【0025】
【化3】


[式中、nは、たとえば0〜約195で、たとえば0(ステアリン酸から誘導されたR)、2(ユニシッド(UNICID)350またはベヘン酸から誘導されたR)、5(ユニシッド(UNICID)425から誘導されたR)、10(ユニシッド(UNICID)550から誘導されたR)または15(ユニシッド(UNICID)700から誘導されたR)である。];
【化4】


【化5】


【化6】


および
【化7】


[式中、nは、たとえば0〜195で、たとえば0(2−エチルヘキサン酸から誘導されたR)、1(12炭素ゲルベ酸(Guerbet acid)から誘導されたR)、2(16炭素ゲルベ酸から誘導されたR)、3(20炭素ゲルベ酸から誘導されたR)、4(24炭素ゲルベ酸から誘導されたR)または7(36炭素ゲルベ酸から誘導されたR)である。]
【0026】
<ジアミド>
さらなる実施態様においては、本明細書に開示されているのは、R−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−RまたはR−NHCO−R−NHCO−Rの式を有するジアミド化合物であって、ここでその化合物は相変化インキ組成物において使用するのに好適であり、そして、Rは、約5〜約8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、約3個の炭素原子〜約200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含む。
【0027】
いくつかの実施態様においては、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、約3個の炭素原子〜約200個の炭素原子、たとえば約5個の炭素原子〜約150個の炭素原子または約15個の炭素原子〜約100個の炭素原子を有する直鎖または分岐状のアルキル基を含んでいる。いくつかの実施態様においては、RまたはRのアルキル基は、適切であれば、ヒドロキシル置換基および任意のヘテロ原子を有していてもよい。たとえば、RまたはRが直鎖状アルキルである場合には、そのアルキルは置換基もヘテロ原子も有さないであろう。しかしながら、RまたはRがヒドロキシル置換基を有する分岐状アルキルである場合には、そのRまたはRは、いくつかのヒドロキシル置換基に加えて、たとえばヘテロ原子のような置換基を有していてもよい。RおよびRが同じタイプのアルキルであってもよいが、特定の実施態様においては、RおよびRが同じタイプのアルキルではなく、たとえばRおよびRの一方が分岐状アルキルであるのに対して、RもしくはRの他方が直鎖状アルキルであってもよいし、あるいは、RおよびRの一方がヒドロキシル置換基を有するアルキルであるのに対して、RもしくはRの他方が直鎖状アルキルであってよいし、あるいは、RおよびRの一方が分岐状アルキルであるのに対して、RもしくはRの他方がヒドロキシル置換基を有するアルキルであってもよい。
【0028】
が、次式を有するジアミノシクロヘキサンの構造であってもよい。
【0029】
【化8】

【0030】
たとえば、本明細書に開示された環状ジアミドが次式の構造を有していてもよい。
【0031】
【化9】


または
【化10】

【0032】
しかしながら、Rはシクロヘキサンに限定される訳ではなく、シクロペンタン、シクロヘプタンまたはシクロオクタンであってもよく、またアミンが1,2位、1,3位または1,4位にあってもよく、さらにシス位にあってもトランス位にあってもよい。Rはさらに、芳香族、アリールアルキル、アルキルアリールであってもよく、また本明細書に記載のようにヘテロ原子で置換されたり、ヘテロ原子を含んでいたりしてもよい。
【0033】
−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−RまたはR−NHCO−R−NHCO−Rの式を有する化合物は、十分な量のアルキルアミンを十分な量の直鎖状ジカルボン酸と反応させて、この実施態様のジアミド化合物が得られるようにして誘導することができる。この反応は、約80℃〜約220℃の範囲の温度で起きる。いくつかの実施態様においては、R−NHCO−R−CONH−Rの式を有する化合物を、R−COH、R−COHとHN−R−HNとを反応させることによって誘導することもできる。
【0034】
それらのジアミド化合物は、公知のインキの成分、たとえばロジンエステル類、トリアミド類およびテトラアミド類に置き換えたり、それらの補助として使用したりすることができる。RまたはRの少なくとも一方が分岐状アルキルである場合には、そのような化合物は改良された接着性と可撓性とを示すが、その理由はたとえば、分岐によって非晶性含量がより高くなるからである。RもしくはRの少なくとも一方が分岐状アルキルであるそのようなジアミド化合物は、たとえば約5J/g〜約60J/gの低い融解熱を示す。
【0035】
直鎖の酸から誘導されるジアミド化合物は、室温では硬く、その硬さは、ASTM D1321に従い、ケーラー(Koehler)K95500ディジタルペネトロメータ(Digital Penetrometer)を用いて測定して、約0.01dmm〜約5dmmである。そのようなジアミド化合物の約140℃における粘度は、約5cps〜約50cpsとなるであろう。それらの分子配座とそれらの水素結合形成性能のために、それらの物質は90℃を超える比較的に高い溶融温度および結晶化温度を有している。
【0036】
分岐状カルボン酸、たとえばイソステアリン酸から誘導されたジアミド化合物は、約140℃で約1cps〜約500cpsの粘度を有している。トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン、さらには分岐状カルボン酸のいずれものような非直線的な分子配座があると、結晶化度が低く、たとえば約5J/g〜約60J/gの融解熱が低い物質が生成するようになる。そのようなジアミド化合物の結晶性部分が低粘度に寄与するのに対して、その非晶性鎖は、結晶性領域の成長を抑制する可能性がある。その結果として、それらのタイプの物質は、高いレベルの可撓性と透明性を示すことができる。それらは熱的にも安定であり、また高レベルの水素結合性と恒久的な可撓性のために、基材に対する優れた接着性を示す。
【0037】
ヒドロキシル含有酸から誘導されたジアミド化合物は、室温、約25℃では透明な固形物であることができる。それらは、直鎖状の酸から誘導されるジアミド化合物よりも低い融解および結晶化転移を有し、約5J/g〜約60J/gの融解熱を有している。
【0038】
化合物のアミン基が、その化合物の末端基に近いのがさらに望ましいが、その理由は、アミン基がそのような位置にあることで、その化合物の極性が改良されるからである。別の言い方をすれば、「近い」という用語は、その化合物のアミン基が、その化合物の末端の約5個以下の炭素の中に存在しているということを指している。したがって、その化合物をインキビヒクルの中で使用する場合、そのインキビヒクルが極性基、たとえば開示された化合物のアミン基を有していると、極性の着色剤がより溶解しやすくなる。
【0039】
本明細書に開示されたR−CONH−R−NHCO−Rの式を有するジアミドの例としては次式のものが挙げられる。
【0040】
【化11】


[式中、nは、たとえば0〜約195で、たとえば0(ステアリン酸から誘導されたR)、2(ユニシッド(UNICID)350またはベヘン酸から誘導されたR)、5(ユニシッド(UNICID)425から誘導されたR)、10(ユニシッド(UNICID)550から誘導されたR)または15(ユニシッド(UNICID)700から誘導されたR)である。];および
【化12】

【0041】
<テトラアミド>
さらなる実施態様において、本明細書に開示されるのは、次式を有するテトラアミド化合物である:R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−R、またはR−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R[式中、Rは、約5〜約8個の炭素原子を有する同一または異なった環状基であり、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、約3個の炭素原子〜約200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含む。nは、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,または10の整数である。]である。
【0042】
は、本明細書に開示されたジアミドについて先に定義された構造であってもよい。Rはさらに、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、またはシクロオクタンであってよく、アミン基は(環状構造に依存して)1,2位、1,3位、1,4位、または1,5位にあってもよく、さらにシス位にあってもトランス位にあってもよい。Rはさらに、芳香族、アリールアルキル、アルキルアリールであってもよく、また本明細書に記載のようにヘテロ原子で置換されたり、ヘテロ原子を含んでいたりしてもよい。たとえば、Rが次式を有する1,2−トランス−ジアミノシクロヘキサンであってもよい。
【0043】
【化13】

【0044】
いくつかの実施態様においては、RおよびRは同一であっても異なっていてもよく、約3個の炭素原子〜約200個の炭素原子、たとえば約5個の炭素原子〜約150個の炭素原子または約15個の炭素原子〜約100個の炭素原子を有する直鎖または分岐状のアルキル基を含んでいる。いくつかの実施態様においては、RまたはRのアルキル基は、適切であれば、ヒドロキシル置換基および、たとえば任意のヘテロ原子のような置換基を有していてもよい。たとえば、RまたはRが直鎖状アルキルである場合には、そのアルキルは置換基もヘテロ原子のような置換基も有さないであろう。しかしながら、RまたはRがヒドロキシル置換基を有する分岐状アルキルである場合には、そのRまたはRはいくつかのヒドロキシル置換基に加えて置換基を有していてもよく、場合によっては、たとえばヘテロ原子のような置換基が含まれていてもよい。RおよびRが同じタイプのアルキルである必要はなく、たとえばRおよびRの一方が分岐状アルキルであるのに対して、RもしくはRの他方が直鎖状アルキルであってもよいし、あるいは、RおよびRの一方がヒドロキシル置換基を有するアルキルであるのに対して、RもしくはRの他方が直鎖状アルキルであってよいし、あるいは、RおよびRの一方が分岐状アルキルであるのに対して、RもしくはRの他方がヒドロキシル置換基を有するアルキルであってもよい。
【0045】
本明細書で使用するのに適切なダイマ酸(dimer acid)は、COH−C3664+n−COHの式を有していてよいが、そのダイマ酸は、不飽和および環状基を含んでいてもよい分岐状アルキレン基であってもよく、ここでnは、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,または10の整数である。
【0046】
【化14】

【0047】
これらのテトラアミドは次式を有していてよい。
【0048】
【化15】


または
【化16】


または
【化17】

【0049】
たとえば、本明細書に記載のテトラアミド化合物は次の一般式を有していてよい。
【0050】
【化18】

【0051】
上述の式を有するテトラアミド化合物は、十分な量のダイマ酸、環状ジアミンおよびカルボン酸を反応させて、この実施態様のテトラアミド化合物が得られるようにして誘導することができる。この反応は、約80℃〜約220℃の範囲の温度で起きる。いくつかの実施態様においては、テトラアミド化合物は以下のものを反応させることによって誘導される。
【0052】
【化19】


【化20】


−COH、および
−CO
[式中、ここでRおよびRは、先に定義されたものである。]
【0053】
またはRの少なくとも一方が分岐状アルキルである場合には、そのような化合物は、予想もされなかったことであるが、公知のインキ配合において使用される既存のトリアミド成分および既存のテトラアミド成分よりも、たとえば接着性および可撓性における改良のような優れた結果を示すが、その理由はたとえば、分岐によって非晶性含量が高くなるからである。本明細書に記載のテトラアミドは、公知のロジンエステル類、公知のトリアミド類および公知のテトラアミド類の置き換え物または補充物として公知のインキ配合物の中で使用することができる。
【0054】
直鎖の酸から誘導されるテトラアミド化合物は、室温、約25℃では極めて硬く、その硬さは、ASTM D1321に従い、ケーラー(Koehler)K95500ディジタルペネトロメータ(Digital Penetrometer)を用いて測定して、約0.01dmm〜約5dmmである。約140℃におけるそれらの粘度は、約25cps〜約600cpsであるが、それは使用した酸の鎖の長さに依存する。直鎖状の酸が長いほど、結晶度が高く、溶融粘度が低く、より不透明な物質が得られ、その融解熱は約25J/g〜約600J/gの範囲とすることができる。直鎖状の酸が短いテトラアミド化合物は、より非晶性で、粘度が高いと同時に、透明度が改良され、融解熱は約5J/g〜約60J/gの範囲とすることができる。
【0055】
分岐状カルボン酸から誘導されるテトラアミド化合物においては、テトラアミド類の合成に1,2−トランス−ジアミノシクロヘキサンを使用すると、より高い非晶性成分を有し、その結果として硬く、透明な物質が得られる。分岐状カルボン酸を使用することによって、鎖の直線性の乱れがさらに大きくなり、半結晶性ないしは非晶性の範囲の物質が得られる。分岐状カルボン酸から誘導されたそのようなテトラアミド化合物は、低い融点転移と共に改良された靱性を有する。それらは、約140℃の温度で約25cps〜約1000cpsの粘度を有することができる。トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン、さらには分岐状カルボン酸のいずれものような非直線的な分子配座があると、結晶化度が低く、たとえば約5J/g〜約60J/gの範囲とすることができる低い融解熱の物質が生成するようになる。
【0056】
ヒドロキシル含有カルボン酸から誘導されたテトラアミド化合物は、分岐状カルボン酸から誘導されたテトラアミド化合物と同様の性質を有しているが、ただし、その粘度が温度140℃で約25cps〜約5000cps、融解熱が約5J/g〜約60J/gの範囲とすることができる。
【0057】
上述のテトラアミド化合物の例としては以下のものが挙げられる。
【0058】
【化21】


【化22】


【化23】


[式中、nは、たとえば0〜約195で、たとえば0(ステアリン酸から誘導されたR)、2(ユニシッド(UNICID)350またはベヘン酸から誘導されたR)、5(ユニシッド(UNICID)425から誘導されたR)、10(ユニシッド(UNICID)550から誘導されたR)または15(ユニシッド(UNICID)700から誘導されたR)である。];
【化24】


および
【化25】


[式中、nは、たとえば0〜約195であり、たとえば、0(2−エチルヘキサン酸から誘導される)、1(12炭素ゲルベ酸から誘導される)、2(16炭素ゲルベ酸から誘導される)、3(20炭素ゲルベ酸から誘導される)、4(24炭素ゲルベ酸から誘導される)または7(36炭素ゲルベ酸から誘導される)である。]
【0059】
さらなる実施態様において開示されるのは、次式を有するテトラアミド化合物である:R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−RもしくはR−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−CONH−R、またはR−CONH−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R[式中、RおよびRは、他のテトラアミド化合物について先に説明したものと同じである。]である。RおよびRのいずれもがイソステアリン酸から誘導されていてもよい。
【0060】
上述のテトラアミドの中のRは、RまたはRと置き換えられるが、それらは同一であっても異なっていてもよい、1〜約200個の炭素原子、たとえば約3〜約150個の炭素原子または約5〜約100個の炭素原子を有するアルキレンであってもよい。
【0061】
たとえば、それらのテトラアミド化合物は次式のものであってよい。
【0062】
【化26】


または
【化27】

【0063】
それぞれのアミド化合物は、相変化インキの中に、各種適当な量でインキビヒクルとして存在させることができる。具体的には、いずれのアミド化合物も、単独で存在させてもよいし、あるいは相変化インキのインキビヒクルの約5重量パーセント〜約100重量パーセント、たとえば約10重量パーセント〜約95重量パーセントの量での組合せの形で存在させてもよい。
【0064】
<さらなるインク成分>
適切な各種の追加のインキビヒクル成分を用いることも可能ではあるが、先にも述べたように、アミド化合物がインキビヒクルの実質的に全部を占めるようにするのが望ましい。適切な追加のインキビヒクル物質としては、以下のものを挙げることができる:パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、脂肪酸およびその他のワックス状物質、脂肪酸アミド含有物質、スルホンアミド物質、各種の天然物から製造される樹脂状物質(たとえば、トール油ロジン類およびロジンエステル類)、および各種の合成樹脂、オリゴマ、ポリマおよびコポリマ(以下においても説明する)、ならびにそれらの混合物などである。
【0065】
【化28】


【化29】


【化30】


【化31】


【化32】

【0066】
相変化インキにはさらに、少なくとも1種の着色剤、たとえば1〜約10種、たとえば1〜約4種または1〜約2種の着色剤が含まれる。着色剤はインキの中に各種所望の量、典型的にはインキビヒクルの約0.5〜約75重量パーセント、たとえばインキビヒクルの約1〜約50重量パーセントで存在させられる。
【0067】
好適な着色剤の例としては、顔料、染料、顔料と染料の混合物、顔料の混合物、染料の混合物などが挙げられる。
【0068】
実施態様のインキにはさらに、慣用される添加物を、そのような慣用される添加物が有する公知の機能の利点を利用する目的で含んでいてもよい。そのような添加物としては、たとえば以下のようなものが挙げられる:殺生物剤、脱泡剤、スリップ剤およびレベリング剤、可塑剤、顔料分散剤、粘度調節剤、抗酸化剤、吸収剤などである。
【0069】
それらのインキ組成物は、各種所望または好適な方法によって調製することができる。たとえば、インキ成分を一緒に混合してから、一つの実施態様においては少なくとも約100℃、一つの実施態様においては約140℃以下の温度に加熱し(温度がこれらの範囲の外側であってもよい)、次いで均質なインキ組成物が得られるまで撹拌してから、そのインキを冷却して周囲温度(典型的には約20〜約25℃)とする。それらのインキは周囲温度では固体状である。特定の実施態様においては、その製造プロセスの際に、溶融状態にあるインキを型の中に注入し、次いで放冷固化させて、各種所望の形状のインキスティックとする。
【0070】
本明細書に記載のインキを用いて印刷画像を得るためには、インキをインクジェット機器、たとえば感熱インクジェット機器、音響インクジェット機器、またはピエゾインクジェット機器の中に組入れ、基材たとえば紙または透明材料の上にパターンに従って溶融されたインキの液滴を同時に吐出させると、それが画像として認識される。インキは典型的には、吐出チャンネルおよびインキを吐出させるためのインクジェットヘッド部への各種適切なフィード機器に接続された少なくとも一つのリザーバーに入れられる。吐出処理においては、インクジェットヘッド部を各種適切な方法により加熱して、インキの吐出温度とする。このようにして、相変化インキを、固体状態から吐出させるための溶融状態へと転換させる。
【0071】
インキは、間接的な(オフセット)印刷インクジェット用途において使用することもできるが、その場合、溶融されたインキの液滴が記録基材の上に像様パターンで吐出されたときに、その記録基材が中間転写部材であって、その像様のパターンとなっているインキが次いで、その中間転写部材から最終的な記録基材たとえば紙または透明基材へ転写される。
【実施例】
【0072】
以下の実施例を用いて、上述の実施態様についてさらに詳しく説明する。
【0073】
[ヒドロキシル含有カルボン酸から誘導されたメチルアミド]
<実施例1>
約500gの12−ヒドロキシステアリン酸(キャスケム(Caschem)から入手可能)を加熱して約133℃とし、撹拌機に電源を投入した。温度の設定を約110℃とし、温度が約106℃に達したときに、250mLの滴下ロートから、約161.4gの約33%のメチルアミンのエチルアルコール溶液(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)の添加を開始した。添加は約3分間のうちに完了し、温度が低下して約95℃となったが、蒸留アーム(distillation arm)に集めた初期留出溶媒はケトルに戻した。温度の設定を約180℃とし、その混合物を撹拌しながら約5時間加熱しておいた。その混合物をアルミニウムフォイルの受皿の中に注ぎ込み、放冷した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約20.2cpsであった。
【0074】
実施例1のメチルアミドは次式を有する。
【化33】

【0075】
<実施例2>
同様にして、実施例2のメチルアミドを、約31.7gのアロイリチン酸(サビンサ・コーポレーション(Sabinsa Corp)から入手可能)および約16.5gのエタノール中の約33%のメチルアミン溶液を使用して合成した。その固形の反応生成物の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約163.8cpsであった。
【0076】
実施例2のメチルアミドは次式を有する。
【化34】

【0077】
そのヒドロキシル含有カルボン酸から誘導されたメチルアミドは、それらが低分子量であり、かつ12−ヒドロキシステアリン酸およびアロイリチン酸それぞれが非直線的であるために、結晶性をまったく示さない。それらは溶融状態では粘度が低く、水素結合のためにほぼ室温のおよそ25℃では固体状であり、それと同時にヒドロキシル官能基のために親水性が高くなっている。それらの性質のために、これらのメチルアミドは、各種のインキ配合物においてKE100樹脂の代替え物として使用できる。
【0078】
[直鎖カルボン酸から誘導されたメチルアミド]
<実施例3>
約500gのステアリン酸(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)を加熱して約120℃とし、撹拌機に電源を投入した。温度の設定を約110℃とした。温度が約115℃に達したときに、250mLの滴下ロートから約169.7gの約33%のメチルアミンのエチルアルコール溶液の添加を開始した。添加は約3分間のうちに完了し、温度が低下して約95℃となったが、蒸留アーム(distillation arm)に集めた初期留出溶媒はケトルに戻した。メチルアミンを添加した後では、その混合物がわずかに黄変するのが観察された。温度の設定を約180℃とし、その混合物を撹拌しながら約5時間加熱しておいた。その混合物をアルミニウムフォイルの受皿の中に注ぎ込み、放冷した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約1.02cpsであった。
【0079】
実施例3のメチルアミドは次式を有する。
【化35】


(式中、nは0である。)
【0080】
<実施例4>
同様にして、実施例4のメチルアミドを、約500gのユニシッド(UNICID)425(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約84gの約33%のメチルアミンのエチルアルコール溶液とから合成した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約11.97cpsであった。
【0081】
実施例4のメチルアミドは次式を有する。
【化36】


(式中、nは6である。)
【0082】
<実施例5>
同様にして、実施例5のメチルアミドを、約500gのユニシッド(UNICID)550(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約65.5gの約33%のメチルアミンのエチルアルコール溶液とから合成した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約9cpsであった。
【0083】
実施例5のメチルアミドは次式を有する。
【化37】


(式中、nは11である。)
【0084】
<実施例6>
同様にして、実施例6のメチルアミドを、約750gのユニシッド(UNICID)700(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約65.2gの約33%のメチルアミンのエチルアルコール溶液とから合成した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約11.67cpsであった。
【0085】
実施例6のメチルアミドは次式を有する。
【化38】


(式中、nは16である。)
【0086】
<実施例7>
同様にして、実施例7のメチルアミドを、約500gのユニシッド(UNICID)350(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約65.5gの約33%のメチルアミンのエチルアルコール溶液とから合成した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約2.89cpsであった。
【0087】
実施例7のメチルアミドは次式を有する。
【化39】


(式中、nは3である。)
【0088】
<実施例8>
同様にして、実施例8のメチルアミドを、約500gのプリフラック(PRIFRAC)2989ベヘン酸(ユニケマ(Uniqema)から入手可能)と、約135.8gの約33%のメチルアミンのエチルアルコール溶液とから合成した。
【0089】
実施例8のメチルアミドは次式を有する。
【化40】


(式中、nは3である。)
【0090】
レオロジー測定は、TA・インストラメンツ(TA Instruments)から入手可能なRFS3フルイッヅ・レオメーター(RFS3 Fluids Rheometer)をダイナミックモード、50mmコーン、およびギャップ53ミクロンで使用して実施した。その試験は、約1Hzの一定周波数で、約140℃から約90℃まで段階的に温度をスイープさせて実施した。約140℃から結晶化開始温度よりやや高い温度までは、約5℃刻みで温度を下げ、それぞれの温度で約180秒の平衡時間を取り、次いで約90℃までは約2℃刻みで約120秒の間隔をとって、結晶化転移をより正確に求めるようにした。加熱の際には、約5℃刻みで約140℃に達するようにして、結晶性構造が完全に再溶融するときの温度を求めた。
【0091】
約110℃での粘度、さらには結晶化開始温度は、反応に使用した出発物質の酸の鎖の長さの関数である。このことによって、粘度の調節および最終的なインキの結晶化開始温度を調節することが可能となる。より短い鎖のステアリン酸をベースとするメチルアミド(実施例3)は、二通りの役割を有しており、その一つは、粘度が似ているのでインキ配合物において現在使用されているポリワックス(POLYWAX)樹脂の代替え物になりうることであるが、それと同時に、そのメチルアミドは染料の可溶化剤であって、他のインキ成分との間に優れた混和性を有している。より長い直鎖のカルボン酸から誘導された他のメチルアミドは、各種のインキ配合物において粘度改良剤およびインキ相溶化剤として使用できるであろう。
【0092】
実施例1〜8に関するデータを以下の表1に示す。
【0093】
【表1】

【0094】
[分岐カルボン酸から誘導されたメチルアミド]
<実施例9>
約500gのイソステアリン酸(ユニケマ(Uniqema)からプリゾリン(PRISORINE)3505として入手可能)をフラスコに加えた。その反応フラスコを約110℃の油浴の中に入れ、撹拌を開始した。約5分後に、約165gの約33%メチルアミン(約67%エタノール中)を、コンデンサを通しながら約15分かけて徐々に添加した。その反応混合物を約110℃で約1時間、撹拌しておいた。次いで油浴の温度調節器を約150℃にまで上げ、その温度に達してから約30分間その反応混合物を撹拌した。次いで温度調節器を約190℃まで上げた。約190℃で約2時間経過してから、(中央の口の)コンデンサをガラス栓に置き換え、外側の口の一つに蒸留装置を取り付け、別の口にN流れを取り付けた。反応混合物を約190℃で約2時間撹拌しながら、Nを用いて水を留去した。反応生成物をガラス容器の中に注ぎ込み、放冷した。その粘稠な液体の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約2.9cpsであった。
【0095】
実施例9のメチルアミドは次式を有する。
【化41】

【0096】
<実施例10>
同様にして、実施例10のメチルアミドを、約60gのイソカーブ(ISOCARB)24酸(コンデア・ビスタ・コーポレーション(Condea Vista Corp)から入手可能)と、約16gの約33%のメチルアミンのエタノール溶液とから合成した。その固形の反応生成物の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約3.34cpsであった。
【0097】
実施例10のメチルアミドは次式を有する。
【化42】


(式中、nは4である。)
【0098】
<実施例11>
同様にして、実施例11のメチルアミドを、約40gの2−エチルヘキサン酸(アルドリッチ・ケミカル・コーポレーション(Aldrich Chemical Corp)から入手可能)と、約27gの約33%のメチルアミンのエタノール溶液とから合成した。
【0099】
実施例11のメチルアミドは次式を有する。
【化43】


(式中、nは0である。)
【0100】
メチルアミドの合成において分岐状カルボン酸を使用することよって、低粘度で低結晶化度を有する物質が生成した。他のタイプの物質と同様に、使用した酸の鎖の長さが、アミドの性質、たとえば機械的性質および粘度に大きな影響を与える。実施例9および11に記載したものは、ほぼ室温のおよそ25℃においては液状で、約110℃でそれぞれ約5.5cpsおよび約1.2cpsの粘度を有している。
【0101】
実施例10に記載したイソカーブ(Isocarb)24酸を用いたメチルアミドは、鎖がもっと長く、ほぼ室温のおよそ25℃では固体であった。その粘度は約110℃で約5.0cpsであり、結晶化開始温度は約55℃であった。
【0102】
[分岐カルボン酸から誘導されたジアミド]
<実施例12>
約100gのイソステアリン酸(ユニケマ(Uniqema)からプリゾリン(Prisorine)3505として入手可能)をフラスコに加えた。その反応フラスコを約120℃の油浴の中に入れ、撹拌を開始した。約5分後に、約19.7gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)を側枝(side arm)の一つから加えた。その反応混合物を約120℃で約10分間撹拌した。次いで油浴の温度調節器を約190℃にまで上げ、その温度に達してから約1時間その反応混合物を撹拌した。次いで(中央の口の)コンデンサをガラス栓に置き換え、外側の口の一つに蒸留装置を取り付け、別の口にN流れを取り付けた。反応混合物を約190℃でさらに約2時間撹拌しながら、Nを用いて水を留去した。次いでその反応生成物を、アルミニウム缶の中に注ぎ込み、放置して固化させた。
【0103】
実施例12のジアミドは次式を有する。
【化44】

【0104】
<実施例13>
同様にして、実施例13のジアミドを、約50gのイソステアリン酸(ユニケマ(Uniqema)からプリゾリン(Prisorine)3505として入手可能)と、約10.6グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形の反応生成物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約20cpsであった。
【0105】
実施例13のジアミドは次式を有する。
【化45】

【0106】
<実施例14>
同様にして、実施例14のジアミドを、約50gのC−32ゲルベ酸(GuerbetAcid)(コンデア・ビスタ(Condea Vista)からイソカーブ(Isocarb)32として入手可能)と、約5.5gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。
【0107】
実施例14のジアミドは次式を有する。
【化46】


(式中、nは5である。)
【0108】
<実施例15>
同様にして、実施例15のジアミドを、約50gのC−24ゲルベ酸(コンデア・ビスタ(Condea Vista)からイソカーブ(Isocarb)24として入手可能)と、約7.7gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。
【0109】
実施例15のジアミドは次式を有する。
【化47】


(式中、nは4である。)
【0110】
<実施例16>
同様にして、実施例16のジアミドを、約806gのネオオクタン酸(エクソン・コーポレーション(Exxon Corp)から入手可能)と、約31.3グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。
【0111】
実施例16のジアミドは次式を有する。
【化48】

【0112】
トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン、さらには分岐状カルボン酸の両方が非直鎖状の分子配座を有しているために、これらのジアミドは特異な性質を有している。結晶性の部分が低粘度(温度約120℃で約43cps)に寄与する一方で、非晶性の鎖が結晶性ドメインの成長を抑制している。その結果として、それらのタイプのジアミド物質は、高いレベルの可撓性と透明性を示す。それらは熱的にも安定であり、また高レベルの水素結合性と恒久的な可撓性のために、基材に対する優れた接着性を示す。結晶化開始温度は、反応成分たとえば、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサンと分岐状カルボン酸との間の比率によって、意のままに決められる。
【0113】
[ヒドロキシル含有カルボン酸から誘導されたジアミド]
<実施例17>
同様にして、実施例17のジアミドを、約200gの12−ヒドロキシステアリン酸(キャスケム(Caschem)から入手可能)と、約38グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形のジアミドの粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約26.5cpsであった。
【0114】
実施例17のジアミドは次式を有する。
【化49】

【0115】
<実施例18>
同様にして、実施例18のジアミドを、約50gのアロイリチン酸(サビンサ・コーポレーション(Sabinsa Corp)から入手可能)と、約9.5グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形のジアミドの粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約53.5cpsであった。
【0116】
実施例18のジアミドは次式を有する。
【化50】

【0117】
約140℃における溶融粘度は、12−ヒドロキシステアリン酸をベースとする実施例17におけるジアミドでは約24cpsであり、アロイリチン酸をベースとする実施例18におけるそれでは約45cpsであった。
【0118】
OH含有の酸を使用することによって、ほぼ室温のおよそ25℃では実質的に非晶性である物質が得られる。実施例18の樹脂では約70℃未満で、その貯蔵弾性率G’においてかすかな結晶化の証拠が認められる。これらの物質はアミドであるので、それらは他のインキ成分と混和性がある。それと同時に、それらはインキの親水性にも寄与して、紙への接着性およびインキ層への上書き性(writability)が改良される。G’は、正弦波変形の歪みによって分解した剪断歪みと同位相にある剪断応力の成分と定義される(弾性成分)。
【0119】
[直鎖カルボン酸から誘導されたジアミド]
<実施例19>
同様にして、実施例19のジアミドを、約60gのユニシッド(UNICID)700(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約3.8グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形の反応生成物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約27cpsであった。
【0120】
実施例19のジアミドは次式を有する。
【化51】


(式中、nは16である。)
【0121】
<実施例20>
同様にして、実施例20のジアミドを、約55gのユニシッド(UNICID)550(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約4.1グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形の反応生成物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約30cpsであった。
【0122】
実施例20のジアミドは次式を有する。
【化52】


(式中、nは11である。)
【0123】
<実施例21>
同様にして、実施例21のジアミドを、約55gのユニシッド(UNICID)425(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約5.3グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形の反応生成物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約16.5cpsであった。
【0124】
実施例21のジアミドは次式を有する。
【化53】


(式中、nは6である。)
【0125】
約140℃での粘度および結晶化開始温度は、反応に使用した出発物質の酸の鎖の長さの関数である。それらの分子配座と、おそらくはそれらが水素結合を形成することが可能であるために、実施例19〜21のジアミド物質は、110℃を超える比較的高い結晶化開始温度を有している。しかしながら、それらの硬さが高いために、このタイプの物質はインキの堅牢性を改良するためのインキビヒクル成分として使用するのがよい。
【0126】
[直鎖カルボン酸から誘導されたテトラアミド]
<実施例22>
約511.8gのユニシッド(UNICID)700(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約158.8グラムのプリポール(PRIPOL)1006ダイマ酸(ユニケマ(Uniqema)から入手可能)とをケトルに加えた。温度が約130℃に達し、すべての固形物が溶融してから、撹拌機に電源を投入すると、温度が約120℃にまで低下した。250mLの滴下ロートから、約56.5グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)の添加を開始した。添加は約3分の間に完了した。温度の設定を約180℃とし、その混合物を撹拌しながら約5時間加熱した。その混合物をアルミニウムフォイルの受皿の中に注ぎ込み、放冷した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約70.0cpsであった。
【0127】
実施例22のテトラアミドは次式を有する。
【化54】


(式中、nは16である。)
【0128】
<実施例23>
同様にして、実施例23のテトラアミドを、約404.4gのユニシッド(UNICID)550(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約158.5グラムのプリポール(PRIPOL)1006ダイマ酸(ユニケマ(Uniqema)から入手可能)と、約56.5グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)とから合成した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約76.5cpsであった。
【0129】
実施例23のテトラアミドは次式を有する。
【化55】


(式中、nは11である。)
【0130】
<実施例24>
同様にして、実施例24のテトラアミドを、約208.1gのユニシッド(UNICID)550(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約100gのエンポール(EMPOL)1008ダイマ酸(コグニス(Cognis)から入手可能)と、約40.1gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その粘稠な液体の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約74.0cpsであった。
【0131】
実施例24のテトラアミドは次式を有する。
【化56】


(式中、nは11である。)
【0132】
<実施例25>
同様にして、実施例25のテトラアミドを、約301.8gのユニシッド(UNICID)425(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約158.8gのプリポール(PRIPOL)1006ダイマ酸(ユニケマ(Uniqema)から入手可能)と、約57グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)とから合成した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定し、約88.7cpsであった。
【0133】
実施例25のテトラアミドは次式を有する。
【化57】


(式中、nは6である。)
【0134】
<実施例26>
同様にして、実施例26のテトラアミドを、約389.6gのユニシッド(UNICID)350(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)と、約250.0gのプリポール(PRIPOL)1006ダイマ酸(ユニケマ(Uniqema)から入手可能)と、約99.1グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)とから合成した。
【0135】
実施例26のテトラアミドは次式を有する。
【化58】


(式中、nは3である。)
【0136】
<実施例27>
同様にして、実施例27のテトラアミドを、約176.5gのベヘン酸(ユニケマ(Uniqema)からプリフラック(Prifrac)2989として入手可能)と、約158.8グラムのプリポール(PRIPOL)1006ダイマ酸(ユニケマ(Uniqema)から入手可能)と、約57gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)とから合成した。その淡褐色のワックス状固形物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約950cpsであった。
【0137】
実施例27のテトラアミドは次式を有する。
【化59】


(式中、nは3である。)
【0138】
<実施例28>
同様にして、実施例28のテトラアミドを、約145.4gのステアリン酸(アルドリッチ・ケミカル・コーポレーション(Aldrich Chemical Corp)から入手可能)と、約158.5グラムのプリポール(PRIPOL)1006ダイマ酸(ユニケマ(Uniqema)から入手可能)と、約57gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)とから合成した。
【0139】
実施例28のテトラアミドは次式を有する。
【化60】


(式中、nは0である。)
【0140】
これらのテトラアミド物質は、以下の表2に見られるように、使用した直鎖状カルボン酸の鎖長に依存して、すべての性能範囲をカバーしている。
【0141】
【表2】

【0142】
実施例23と24のユニシッド(UNICID)550では少し異なった結果が得られているが、その理由は、異なったメーカーから得られた2種のユニシッド(UNICID)、ダイマ酸の間の化学量論的な差のためである。
【0143】
上述の表2に記載されたテトラアミド物質はすべて、ほぼ室温のおよそ25℃では硬いものである。より長い鎖を有するテトラアミドは、結晶性が高く、溶融粘度が低く、より不透明である。より短い鎖を有するテトラアミドは、非晶性が高く、高い粘度を有すると共に、改良された透明性を有している。
【0144】
[ヒドロキシル含有カルボン酸から誘導されたテトラアミド]
<実施例29>
同様にして、実施例29のテトラアミドを、約102グラムの12−ヒドロキシステアリン酸(キャスケム(Caschem)から入手可能)と、約105.5gのプリポール(PRIPOL)1006ダイマ酸と、約57グラムのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)とから合成した。
【0145】
実施例29のテトラアミドは次式を有する。
【化61】

【0146】
<実施例30>
同様にして、実施例30のテトラアミドを、約166gの12−ヒドロキシステアリン酸(キャスケム(Caschem)から入手可能)と、約150gのエンポール(EMPOL)1008ダイマ酸(コグニス(Cognis)から入手可能)と、約60gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その粘稠な液体の粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約162.9cpsであった。
【0147】
実施例30のテトラアミドは次式を有する。
【化62】

【0148】
<実施例31>
同様にして、実施例31のテトラアミドを、約31.7gのアロイリチン酸(サビンサ・コーポレーション(Sabinsa Corp)から入手可能)と、約30gのエンポール(Empol)1008ダイマ酸(コグニス(Cognis)から入手可能)と、約12gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形のテトラアミドの粘度は、約135℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約663.65cpsであった。
【0149】
実施例31のテトラアミドは次式を有する。
【化63】

【0150】
先行する実施例に記載された物質の性質は、使用されたヒドロキシル含有カルボン酸のタイプに依存する。実施例29および30においては、12−ヒドロキシステアリン酸を採用した。実施例29と30はいずれも、同じような熱的性質およびレオロジー的性質を有している。それらの粘度は、温度約140℃で約160cpsであり、約80℃の結晶化開始温度を有していた。実施例29と30はいずれも、ほぼ室温のおよそ25℃では透明であった。
【0151】
実施例31に使用したアロイリチン酸では、その分子配座のために物質の結晶化が阻害された。それは、約140℃では約650cpsの粘度を有していた。この実施例31の特定のテトラアミドは、ほとんど非晶性であって、約60℃もの低温であっても結晶化挙動をまったく示さなかった。この物質は、ほぼ室温のおよそ25℃では極めて硬く且つ透明であったが、もっと脆く、温度約140℃では約4000cpsの粘度を有するKE100樹脂の代替え物として、使用することが可能である。
【0152】
[分岐カルボン酸から誘導されたテトラアミド]
<実施例32>
同様にして、実施例32のテトラアミドを、約25gのプリポール(PRIPOL)1006ダイマ酸(ユニケマ(Uniqema)から入手可能)と、約24.6gのイソステアリン酸(ユニケマ(Uniqema)からプリゾリン(Prisorine)3505として入手可能)と、約9.9gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形の反応生成物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約238.5cpsであった。
【0153】
実施例32のテトラアミドは次式を有する。
【化64】

【0154】
<実施例33>
同様にして、実施例33のテトラアミドを、約152.4gのイソステアリン酸(ユニケマ(Uniqema)からプリゾリン(Prisorine)3505として入手可能)と、約150gのエンポール(EMPOL)1008ダイマ酸(コグニス(Cognis)から入手可能)と、約60gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その粘稠な液体の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約229.9cpsであった。
【0155】
実施例33のテトラアミドは次式を有する。
【化65】

【0156】
<実施例34>
同様にして、実施例34のテトラアミドを、約25.6gのネオオクタン酸(エクソン・コーポレーション(Exxon Corp.)から入手可能)と、約50gのエンポール(EMPOL)1008ダイマ酸(コグニス(Cognis)から入手可能)と、約20gのトランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形の反応生成物の粘度は、約135℃の温度でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約201.6cpsであった。
【0157】
実施例34のテトラアミドは次式を有する。
【化66】

【0158】
テトラアミドの合成において1,2−トランス−ジアミノシクロヘキサンを使用することによって、より高い非晶性成分を有し、その結果として硬く、透明な物質が得られる。分岐状カルボン酸を使用することによって、鎖の直線性の乱れがさらに大きくなり、半結晶性ないしは非晶性の範囲の物質が得られる。それらは、より低い溶融転移と、さらには改良された靱性とを有する。実施例32および33からの物質は、それらの半結晶性挙動を維持しており、温度約140℃で約175cpsの粘度、そして温度約110℃で約1,200cpsの粘度を有している。
【0159】
実施例34において使用されたネオオクタン酸によって、さらに高い程度の非晶性含量を有する物質が得られる。実施例34の物質はさらに、ほぼ室温のおよそ25℃では硬く、温度約110℃では約410cpsの粘度を有し、約40℃もの低温度であっても複素粘性率には何の変化も示さない。
【0160】
現在のインキ配合物では、これらの分岐状カルボン酸から誘導されたテトラアミド物質は、公知のテトラアミド類、公知のトリアミド類、およびKE100樹脂のような非晶性樹脂を全面的または部分的に置き換えることができる。
【0161】
このテトラアミド物質の結晶化度が低いために、他のインキ成分、特には非晶性樹脂、KE100樹脂との混和性が改良され、さらに堅牢性も改良されると考えられる。
【0162】
[ダイマ酸、アルキレンジアミンおよびカルボン酸から誘導されたテトラアミド]
<実施例35>
同様にして、実施例35のテトラアミドを、約100gのエンポール(EMPOL)1008ダイマ酸(ユニケマ(Uniqema)から入手可能)、約101.5gのイソステアリン酸(ユニケマ(Uniqema)からプリゾリン(Prisorine)3505として入手可能)と、約21.1グラムのエチレンジアミン(アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)から入手可能)とから合成した。その固形のテトラアミドの粘度は、約110℃でフェランティ−シャーリー(Ferranti−Shirley)コーンプレート粘度計で測定して、約144cpsであった。
【0163】
実施例35のテトラアミドは次式を有する。
【化67】


(式中、Rはエチレンである。)
【0164】
<実施例36>
同様にして、実施例36のテトラアミドを、約25.4gのイソステアリン酸(ユニケマ(Uniqema)からプリゾリン(PRISORINE)3505として入手可能)と、約25gのエンポール(EMPOL)1008ダイマ酸(コグニス(Cognis)から入手可能)と、約35.1gのジェファミン(JEFFAMINE)D−400(テキサコ・ケミカル・カンパニー(Texaco Chemical Company)から入手可能)とから合成した。
【0165】
実施例36のテトラアミドは次式を有する。
【化68】


(式中、Rは次式のものである。)
【化69】

【0166】
直鎖状ステアリン酸から非直鎖状のイソステアリン酸へと分子配座を変化させることによって、インキ用途に対する性質が劇的に改良される。比較として、公知のテトラアミドの比較例1,2の性質も、以下の表3に示す。
【0167】
テトラアミドの合成において、17個の炭素原子を有するカルボン酸を存在させることによって、非晶性含量が高濃度で、結晶化度が低い物質が得られる。非晶性/結晶性の比率が高いことによって、さらに、結晶性部分の成長が抑制されるであろう。これらの性質のために、靱性が高く透明な物質が生成する。しかしながら、イソステアリン酸ベースのテトラアミドの分子配座から、熱転移の低い物質が得られ、結晶化の開始が、比較例2では126℃であるのに比べて、温度約92℃で起きる。
【0168】
【表3】

【0169】
ダイマ酸、ならびにアルキレンジアミンおよびカルボン酸から誘導されたテトラアミドは、インキ配合物における非晶性樹脂たとえばレジン(Resin)34およびKE100に加えて、公知のテトラアミド類およびトリアミド類の代替え物とすることができる。
【0170】
ダイマ酸、ならびにアルキレンジアミンおよびカルボン酸から誘導されたテトラアミドの低い結晶化度は、他のインキ成分、特にレジン(Resin)34またはKE100のような非晶性樹脂との混和性を改良し、さらには、インキの堅牢性も改良すると考えられる。
【0171】
このテトラアミドの低い結晶化温度(約90℃)は、その他の結晶性インキ成分とほぼ同じであり、そのために、結晶化させたときにインキをより均質とするのに役立つであろう。
【0172】
[アミド類を含むインクの調製]
上述のアミド類はすべて、インキ配合物の中に組み入れることができる。インキの一例は以下のものである。以下の成分を溶融、混合、ろ過することによりインキを調製した。
【0173】
・ポリエチレンワックス(PE655(登録商標)、ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)製)、化学式CH(CH50CH)約43.79重量部;ユニシッド(Unicid)425(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)製)をベースとするメチルアミド(実施例4に記載したもの)約19.38重量部;
・1当量のC−36ダイマ酸(デラウェア州ニューキャスル(New Castle,DE)のユニケマ(Uniqema)製)を2当量のエチレンジアミンおよびユニシッド(UNICID)(登録商標)700(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)製)と反応させて得られるテトラアミド樹脂であって、米国特許第6,174,937号明細書の実施例1の記載に従って調製された末端カルボン酸基を有する長鎖炭化水素と反応させることによって得られるもの、約12.4重量部;
・2当量のアビトール(ABITOL)(登録商標)Eヒドロアビエチルアルコール(ハーキュレス・インコーポレーテッド(Hercules Inc.)製)と1当量のイソホロンジイソシアネートを反応させて得られるウレタン樹脂であって、米国特許第5,782,966号明細書の実施例1の記載に従って調製したもの、約1.83重量部;
・3当量のステアリルイソシアネートとグリセロールベースのアルコールとのアダクトであって、米国特許第6,309,453号明細書の実施例4の記載に従って調製したウレタン樹脂、約6.48重量部;
・ナウガード(NAUGUARD)(登録商標)445抗酸化剤(ユニロイヤル・ケミカル・カンパニー(Uniroyal Chemical Co.)製)、約0.2重量部;および
・米国特許第5,919,839号明細書の実施例4に記載のシアン染料、約5.92部
【0174】
次いで、上述のパーセントを有する、上述のインキキャリヤ成分の約600グラムを、1リットルのビーカに加え、オーブン中で約135℃で加熱して溶融させた。次いで、そのビーカを約135℃に設定した加熱マントルの中に入れ、そのビーカの内容物を約45分間撹拌した。次いで、そうして得られたインキを、モット(Mott)ろ過装置の中に組み込んだワットマン(Whatman)#3と0.2ミクロンNAEフィルタとを組み合わせたものを通してろ過した。スイス国(Switzerland)のフルカ・ケミカ(Fluka Chemika)製のフィルタ・エイド(FILTER−AID)を約1重量パーセント添加してろ過を助け、温度約135℃で実施すると、約6時間後に完了した。そのインキベースを、約31グラムの無色のインキベースを含む型の中に注入し、放冷した。そのインキの粘度は約140℃で約10.86cpsであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−CONH−RまたはR−CONH−R
[式中、Rが、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rが3〜200個の炭素原子を有するアルキル基であり、RとRとが同じ数の炭素原子を有するか、またはRがRよりも少ない炭素原子を有する。]
の式を有するアミド化合物。
【請求項2】
−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−R、またはR−NHCO−R−NHCO−R
[式中、Rが5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRは同一であっても異なっていてもよく、3〜200個の炭素原子を有するアルキル基を含む。]
の式を有するアミド化合物。
【請求項3】
−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−R、R−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−RもしくはR−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−CONH−R、またはR−CONH−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R
[式中、Rが、同一であっても異なっていてもよい5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、1〜200個の炭素原子を有するアルキレンを含み、そしてRおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、3〜200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含む。nは、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,または10の整数である。]
の式を有するアミド化合物。
【請求項4】
インキ組成物において使用するのに好適なアミド化合物を製造するための方法であって、前記方法が、アミンと少なくとも1種のカルボン酸を反応させて、以下のものからなる群より選択されるアミド化合物を製造する方法。
(1)R−CONH−RまたはR−CONH−R
[式中、Rが、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rが、3〜200個の炭素原子を有するアルキル基であり、RとRとが同じ数の炭素原子を有するか、またはRがRよりも少ない炭素原子を有する。]
の式を有するアミド化合物、
(2)R−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−R、またはR−NHCO−R−NHCO−R
[式中、Rが、5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、3〜200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含む。]
の式を有するアミド化合物、
(3)R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−R、R−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−RもしくはR−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−CONH−R、またはR−CONH−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R
[式中、Rが、同一であっても異なっていてもよい5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、1〜200個の炭素原子を有するアルキレンを含み、そしてRおよびRが、同一であっても異なっていてもよく、3〜200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基を含む。nは、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,または10の整数である。]
の式を有するアミド化合物。
【請求項5】
インキビヒクルおよび着色剤を含むインキ組成物であって、前記インキビヒクルが、R−CONH−R、R−CONH−R、R−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−R、R−NHCO−R−NHCO−R、R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−R、R−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−CONH−R−CONH−C3664+n−CONH−R−CONH−R、R−CONH−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−NHCO−RもしくはR−NHCO−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−CONH−R、R−NHCO−R−NHCO−C3664+n−CONH−R−CONH−R、およびR−CONH−R−CONH−C3664+n−NHCO−R−NHCO−R
[式中、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよい3〜200個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であり、Rが、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基であり、RとRとが同じ数の炭素原子を有するか、またはRがRよりも少ない炭素原子を有し、Rが、同一であっても異なっていてもよい5〜8個の炭素原子を有する環状基であり、RおよびRが、同一であっても異なっていてもよい1〜200個の炭素原子を有するアルキレンであり、nが、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,または10の整数であり、RおよびRが、場合によっては、少なくとも1個のヒドロキシル基置換基を含む。]
からなる群より選択されるアミド化合物を含む、インキ組成物。

【公開番号】特開2009−215290(P2009−215290A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48341(P2009−48341)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】