説明

アルカリ性および熱安定なポリオールの調製方法

本発明は、熱およびアルカリ性安定なポリオールの連続調製方法に関する。アルカリをアニオン交換樹脂の供給に加えそして樹脂バッテリーを全面的に運転している様式で作動させることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ性および熱安定なポリオール,特に、ソルビトールおよび/またはマルチトールの連続調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオールのアルカリ性および熱安定性は、多数の産業上および食品用途において重要である。製菓,製薬ならびに口腔および歯科衛生産業ならびに化学産業でさえポリオール組成物を使用し,ポリオール組成物は、アルカリ性媒体中で極めて化学的に安定である。
【0003】
EP 0 711 743 は、安定化が発酵,酸化またはカメル化のいずれかによって得られる、アルカリ性および熱安定なポリオール組成物の調製について記載している。
【0004】
EP 1 095 925 は、アルカリおよび熱安定化処理について記載している。この処理の後に、ポリオールに、30℃より低い温度の強酸性のカチオン樹脂の上を少なくとも1回通過させることにより精製工程を施す。
【0005】
JP 63079844には、糖アルコール水溶液をpH-値8〜13に調整し,その後に、温度90℃〜220℃の範囲での(不連続の)加熱工程が続く方法が記載されている。次いで、ポリオール溶液を強酸性のカチオン交換樹脂,強アニオン交換樹脂 および混床樹脂を通過させることによって、生成した生成物を精製する。
【0006】
WO 03/066553は、アルカリおよび熱安定なポリオールの調製方法について記載しておりそして精製工程は、少なくとも第一の弱酸カチオンイオン交換体樹脂および第二の強,中もしくは弱アルカリ性アニオンイオン-交換体樹脂を含む、カチオン,アニオンイオン-交換体配置 (CACA)の上を二重通過することを必要とする。
【0007】
WO 2004/058671は、ヒドロキシド形態の強アニオン交換樹脂を用いて処理することによって、アルカリおよび熱安定なポリオールを調製する方法について記載している。カラム組み系では、系のカラムの少なくとも一部を再生様式で使用し,他方、残りのカラムは、使用様式で使用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在、アルカリおよび熱安定なポリオールを得ることを可能にする簡単で,原価効率的な方法についての要求が存在しそして本発明は、そのような方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、アルカリ-および熱-安定なポリオール組成物の連続調製方法に関しそして該方法は、下記の工程を含む:
a) ポリオールおよびy %の還元糖を含むポリオール組成物の水溶液を取り、y %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とし、
b) 水溶液に、有効量のアルカリを加え,
c) ポリオールおよびx %の還元糖を含む水性ポリオール組成物を得るためのアニオン交換樹脂を含む樹脂バッテリーに、水溶液を供給し、x %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とし、そしてx < y,
d) ポリオールおよびx %の還元糖を含む水性ポリオール組成物を収集し、x %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とする。
【0010】
本発明は、yが、ポリオール組成物の乾燥物質を基準にして,0.040 %〜0.100 %である方法に関する。
【0011】
本発明は、xが、ポリオール組成物の乾燥物質を基準にして,0.015 %よりも多くない、0.010 %よりも多くないのが好ましい方法に関する。
【0012】
本発明は、更に、樹脂バッテリーが、カチオン樹脂およびつや出し樹脂を更に含む方法に関する。その上に、アニオン交換樹脂は、ヒドロキシド形態の強塩基アニオン交換樹脂である。樹脂バッテリーの温度は、70〜100℃であり,75〜95℃であるのが好ましく,85〜90℃であるのが一層好ましい。
【0013】
本発明は、ポリオールおよびx %の還元糖を含む水性ポリオール組成物の乾燥物質で増大させる方法に関し、x %はポリオール組成物の乾燥物質を基準にする。
【0014】
好適な実施態様では,ポリオールは、ソルビトールおよび/またはマルチトールである。
【0015】
本発明は、容積処理量が0.2〜1 BV/時である方法に関する。その上に、本発明は、樹脂バッテリーが、少なくとも 30 日間樹脂を何ら再生しないで作動している方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、アルカリ-および熱-安定なポリオール組成物の連続調製方法に関しそして該方法は、下記の工程を含む:
a) ポリオールおよびy %の還元糖を含むポリオール組成物の水溶液を取り、y %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とし,
b) 水溶液に、有効量のアルカリを加え,
c) ポリオールおよびx %の還元糖を含む水性ポリオール組成物を得るためのアニオン交換樹脂を含む樹脂バッテリーに、水溶液を供給し、x %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とし,そしてx < y,
d) ポリオールおよびx %の還元糖を含む水性ポリオール組成物を収集し、x %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とする。
【0017】
ポリオールは、代表的には、下記の化学式CnH2n+2Onを有しており、それは、水素化された炭水化物に相当する。
【0018】
代表的には、ポリオールは、テトリトール,ペンチトール,ヘキシトール,二糖類からのポリオール,オリゴ糖からのポリオール,多糖類からのポリオール,およびそれらの混合物の中から選ぶ。
【0019】
二糖類は、ほとんどの場合に、マルトース,イソマルツロース,マルツロース,イソマルトースおよびラクトースであり,これらは,水素化することによって,マルチトール,イソマルト,イソマルチトールおよびラクチトールを生成する。
【0020】
オリゴ糖および多糖類は、分子量がますます高い生成物であり、でんぷんおよび/または塊茎でんぷん,キシランまたはイヌリンのようなフルクタンの酸性および/または酵素加水分解に由来するのが普通であるが、また、上に挙げたもののような一-または二糖類の酸性および/または酵素的組み換えによって得ることもできる。
【0021】
一層詳細には、ポリオールは、エリトリトール,トレイトール,アラビニトール,キシリトール,リビトール,アリトール,アルトリトール,グルトール,ガラクチトール,マンニトール,ソルビトール,タリトール,マルチトール,イソマルチトール,イソマルト,ラクチトール,およびそれらの混合物からなる群より選ぶことができる。ポリオールは、ソルビトールおよび/またはマルチトールであるのが好ましい。
【0022】
糖アルコール (= ポリオール)のアルカリ- および熱安定性は、多数の産業上および食品用途において,すなわち、望ましくない色の形成および/または味形成に対するアルカリ性媒体中での抵抗および/または熱抵抗を必要とするいずれの用途においても重要である。糖-アルコールのアルカリ-および熱-安定性は、これらの条件下で色および/または異味形成を妨げなければならないすべてのそれらの用途において重要である。このことは、例えば、ポリオール組成物を、アルカリ性研磨剤を含有する歯磨き粉中の保湿剤として、ポリエーテルポリオールの建築用ブロックとして,またはソルビタンエステルを調製するための開始剤として使用する場合に、当てはまる。これらのポリオールを含有する最終製品の着色は、例えば、使用するポリオール組成物中に残留還元糖が存在するような、色形成性前駆物質の存在によることがしばしばある。その上に、色形成は、ポリオールが暴露される温度によって促進される。
【0023】
高温でのこれらの組成物の黄変の現象は、また、ボイルドシュガーを製造する際に、これらの組成物を採用する場合にも観察される。そのような着色は、甘味中のいくつ種かの香味料と不適合であるのがしばしばある。
【0024】
色形成が望ましくないことから、熱およびアルカリ安定性が要求される場合に、たまたま製造プロセスからポリオール組成物を除くことさえもある
その上に、これらのポリオール組成物を、結晶化不可能なポリオールシロップとして入手可能にすることが好ましいことが観察された。結晶化不可能なポリオールシロップとは、本発明では、気密密閉容器中に一ヶ月間貯蔵する際に、乾燥物質含量 70%で、20℃において、結晶化していないシロップを形成するポリオールの組成物を意味するものと理解しなければならない。
【0025】
この認識に基づいて、アルカリおよび/または熱安定性ポリオール組成物を調製するための簡易化されたプロセスを有するための要求が存在する。
【0026】
驚くべきことに、本発明の方法は、ポリオール組成物の水溶液に有効量のアルカリを加えそしてそれをアニオン交換樹脂に供することによって、この溶液を提供する。
【0027】
好適な実施態様では、対応する炭水化物溶液を接触水素化することによって、ポリオール組成物の水溶液を得る。接触水素化は、ラネー触媒,ラネーニッケル、炭水化物を水素化するために適した他の触媒のような水素化触媒を適用することによって、知られているものに従って実施する。水素圧は、温度120〜150℃において、30〜150 バールである。残留還元糖(銅方法に従って測定した)がy%のレベルに達しているまで、水素化を続ける。一層好適な実施態様では、本発明は、y が、ポリオール組成物の乾燥物質を基準にして,0.050 %〜0.300%であり,0.040%〜0.100%であるのが好ましい方法に関する。接触水素化をそのようにして作動することによって、その方法は、採算が合いそして残留還元糖ベルを更に低下させるために、長い滞留時間を必要としない。
【0028】
驚くべきことに、有効量のアルカリ,ポリオール組成物の乾燥物質を基準にして、好ましくは0.1〜0.5%,一層好ましくは0.1〜0.2%を加えることによって、ポリオール組成物の水溶液を、全面的に運転している様式のアニオン交換樹脂に適用することができるが観測される。
【0029】
アルカリは、何ら限定していないが、水酸化ナトリウムを適用するのが好ましい。アルカリは、乾燥形態で適用することができるかまたは水溶液として加えることができる。
【0030】
完全に加水分解した後の総還元糖含量は、Copper法を用いて求めた通りに3.5〜98 %の範囲であり、これは、完全に加水分解した後に、例えばマルチトールとしてのポリオールが、グルコースおよびソルビトールに分解され,それにより、グルコースは、Copper法によって測定したパーセンテージの一因となっていることによることを理解しいしなければならない。本発明は、また、二糖類からのポリオール、オリゴ糖からのポリオール、多糖類からのポリオール、およびそれらの混合物のような一層高級なポリオールにも適用可能である。
【0031】
最後に、熱および/またはアルカリ安定なポリオール組成物を得ることが重要であり、このことは、ポリオール組成物の乾燥物質を基準にして,還元糖の含量が0.040%より多くない,好ましくは0.030%より多くない,一層 好ましくは 0.020%より多くない,0.015 %より多くない,最も好ましくは0.010% より多くない(ポリオール組成物中のxの値) 組成物について特に当てはまる。
【0032】
好適な実施態様では,その方法は、非常に効率的であるのでx は、yの10%より多くない,一層好ましくは、x は、yの5%より多くなく、本発明の方法により、残留還元糖の90〜95% が除かれることを意味する。これらのポリオール組成物は、上述した産業上および食品用途において極めてアルカリ- および熱安定性である。
【0033】
本発明は、カラムが全面的に運転している様式である連続方法に関する。本発明等は、驚くべきことに、有効量のアルカリを加えることによって、樹脂バッテリーの一部を再生様式で運転する必要がないことを見出した。樹脂バッテリーが全面的に運転している様式であることにより、消費されるアルカリは少なくなりそして実際に、アルカリの総消費量の50% までが節約される。この方法のすべての可能性から利点を得るために,好適なアニオン樹脂は、ヒドロキシド形態の強塩基アニオン交換樹脂である。強塩基アニオン交換樹脂は、下記の範疇の内の一つに属するのが好ましい:
− 熱安定性-タイプの範疇;
− スチレン系タイプI,II,III
− アクリル樹脂タイプ。
【0034】
第四アンモニウム官能基を有する適した熱安定な強アニオン交換樹脂の代表的な例は、Dowex MSA-1 (Dow) である。なお、同じ性質を有するが、別の供給業者によって提供される同様の樹脂も適用可能である。強アニオン樹脂は、アニオン (有機および/または無機) を除くようにデザインする。
【0035】
本発明は、更に、樹脂バッテリーが、カチオン樹脂およびつや出し樹脂を更に含む方法に関する。カチオン樹脂は、スルフォンSO3H タイプの官能基を持っておりそして強酸性カチオン樹脂であるのが好ましい。適した例は、Lewatit S 25 28 等である。強カチオン樹脂は、水素化触媒からのニッケルイオンのような残留イオンばかりでなく、特に水酸化ナトリウムからのナトリウムイオンのようなアルカリによって提供されるカチオンのようなカチオンを除くようにデザインする。
【0036】
つや出し樹脂は、味および臭い除去ばかりでなく、脱色するために特にデザインした吸着剤である。適した例は、Dowex Optipore SD-2等である。
【0037】
本発明の方法は、温度によって制限されないが,好ましくは、樹脂バッテリーの温度は、70〜100℃、好ましくは75〜95℃,一層好ましくは 80〜90℃である。
【0038】
本発明に従う好適な方法では,ポリオール組成物を、ヒドロキシド形態の強アニオン交換樹脂を収容するカラム-系に、容積処理量≦5 床容積 (BV)/時、好ましくは容積処理量≦3 床容積 (BV/時) で供給する。本発明に従う一層好適な方法では,容積処理量は、0.2〜1 BV/時である。容積処理量は、0.2〜0.8 BV/時であるのが最も好ましい。
【0039】
"床容積" とは、これにより安定化工程の間に使用するアニオン交換樹脂の総容積と定義する。カラム組み系を使用する場合に,系のカラムすべてを、安定化および同時の脱色の工程を含む、動いている様式で使用する。本発明用に有利な連続したカラム組み系は、ISEP-配置としてまたはCSEP-配置として知られている。
【0040】
本発明に従う好適な方法では,該ポリオール組成物は、強アニオン交換樹脂と区別する場合に、pH-値10〜11.5を有する。その上に、本発明の目的は、良好なアルカリ-および熱安定性を有するポリオール組成物を提供するにある。本方法に従って得られるポリオール組成物は、アルカリpHを有する生成物,例えば、特に、重炭酸ナトリウムをベースにした歯磨き粉,酸中和剤組成物,シェービングフォーム,脱毛クリームの調製において,または高温において生成物を製造するために特に適している。本発明は、下記の有意の利点を示している:
− 最少 50% のNaOH 消費量の節減,
− カラム内の接触時間が非常に短い
− 精製のための非常に小さい変色,一層小さい衝撃
− 操業(stream)および運転開始/運転停止のための製造の損失が無い
− 連続方法
− ポリオール組成物の安定化および精製が一工程で起きている。
− 樹脂バッテリーが全面的に運転している様式である。
【0041】
驚くべきことに、本発明は、まず初めに、プロセスが、通常の精製工程に加えて、別のプロセス工程を必要としないことを立証した。ポリオール組成物の溶液に有効量のアルカリを加えた後に、それをアニオン交換樹脂に供するならば、安定化は、通常要求される精製または脱塩工程に含めることができる。この有効量のアルカリの添加は、全面的に運転している様式の樹脂バッテリー上での連続プロセスを運転することを可能にする。再生に蓄えておく樹脂バッテリーの通常の一部は、もはや必要とせず,これより、生産能力を増大させそして更に、アルカリのような化学薬品の量を減少させる。
【0042】
本発明を、本発明の方法を詳細に説明する下記の例を参照することによって更に例示する。本明細書中に記載しそして特許請求の範囲に記載する本発明は、本明細書中に開示する特定の好適な実施態様によって範囲を制限すべきでない、と言うのは、これらの実施態様は、単に本発明のいくつかの態様の例示として意図するにすぎないからである。いずれの均等な好適な実施態様も本発明の範囲内にあることを意図する。本明細書中に示しそして記載した実施態様に加えて、本発明の種々の変更は、前記の記載から当業者に明らかになると思う。そのような変更もまた、添付する特許請求の範囲内に入ることを意図する。
【実施例】
【0043】
例 1
a) タンクに、Sorbitol シロップ (Sorbidex C*16100,Cargillから) を充填し、
乾燥物質 = 50%
b) NaOH 溶液を加え、(NaOH = db (乾燥基準)で 0.2%; pH >11
c) その後に、熱交換体(T=95℃) を通して流れ,そして
d) 強アニオン樹脂MSA-1を備えたカラムを通して流れる
BVH=0.5 (床容積/時)
結果を表 1に示す。
【表1】

【0044】
μS/cm =出口アニオン樹脂生成物 (そのままの) に関して、“ Sigma precision” Conductometerを用いて測定した伝導率。
R.S. = Copper法に従って測定した還元糖。
【0045】
Copper法
1) サンプル50 g を銅溶液と一緒にする。(Combined Copper−溶液 (例えば、B. Kraft,Art.No.: 3042)
2) 混合物を3 分以内で煮沸まで加熱しなければならない。精確に 5 分強力に煮沸した後に、反応混合物を冷却して 20℃に下げ; 精確な値のために、還流凝縮器を水ですすぎ洗いしなければならない。
3) 5 N 硫酸25 mL を溶液に、混合物を撹拌しながら加える。
4) でんぷん溶液 (1%でんぷん水溶液) 1 mLを加える。
5) 十分に混合しそして0.1 Nチオ硫酸ナトリウム溶液により、色が青に変わるまで滴定する。
6) 測定溶液中と同じ量の成分を使用してブランクを滴定する。
7) 乾燥物質含量を定量する。
【0046】
2)定量化
消費されるチオ硫酸塩溶液のmL = (ブランクについての滴定mL -サンプルについての滴定mL)
適切な表から、消費される 0.1 N チオ硫酸塩溶液のmLに同等のデキストロースのmg を見出す。
【0047】
次いで、還元糖含量を計算する:
還元糖%= デキストロースmg x 10 /サンプル1g x 乾燥物質 (%)
【0048】
【表2】

【0049】
例 2
a) タンクに、純度およそ96%のMaltitolシロップ(C* Maltidex H 16330,Cargill) を充填し; 乾燥物質 = 45%
b) NaOH 溶液を加えた,(NaOH = db (乾燥基準)で0.2%; pH >10.5
c) その後に、熱交換体(T=80℃) を通して流れ,そして
d) アニオン樹脂を備えたカラムを通して流れるBVH=0.5 (床容積/時)
結果を表 2に示す。
【0050】
【表3】

【0051】
比較例 - バッチプロセス
1. (Sorbidex C 16100,Cargill) の乾燥物質は、50-55%であり,そしてdb (乾燥基準)での残留 Sugars: 0.070 - 0.100 %
2.NaOH を、ds (乾燥物質)(pH > 11,0) 0.4 - 0.9%の量で加えた。
3.温度は 80 - 100℃ でありそして保持時間は4-8 時間であった。
【0052】
この処理の後に、ソルビトール生成物 (= ポリオール組成物 ) は、Final Residual Sugars をdb: <0.014%で有していた。
【0053】
この例は、長い反応時間 (ポリオールとアルカリ性媒体との長い接触時間) および NaOHの高い消費量を実証する。
【0054】
比較例 -NaOHを供給しない連続プロセス
a) タンクに、純度およそ96%のMaltitolシロップ(C* Maltidex H 16330,Cerestar) を充填し; マルチトールシロップの乾燥物質は 45%であった。
【0055】
b) シロップは、熱交換体(T=80℃) を通して流れており、その後に
c) アニオン樹脂MSA-1を備えたカラムを通してBVH=0.5 (床容積/時)で流れる。
【0056】
3.3 日 (79 時間) の後に、R.S-値が、マルチトール供給のR.S 値と同じままであったので、処理を停止ししなければならなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程:
a) ポリオールおよびy %の還元糖を含むポリオール組成物の水溶液を取り、y %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とし,
b) 水溶液に、有効量のアルカリを加え,
c) ポリオールおよびx %の還元糖を含む水性ポリオール組成物を得るためのアニオン交換樹脂を含む樹脂バッテリーに、水溶液を供給し、x %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とし,そしてx < y,
d) ポリオールおよびx %の還元糖を含む水性ポリオール組成物を収集し、x %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とする
を含むアルカリ-および熱-安定なポリオール組成物の連続調製方法。
【請求項2】
樹脂バッテリーが、再生様式を用いないで全面的に運転している様式である、ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
yが、ポリオール組成物の乾燥物質を基準にして,0.050%〜0.300%である、ことを特徴とする請求項1または 2記載の方法。
【請求項4】
xが、ポリオール組成物の乾燥物質を基準とし,0.040% %よりも多くない、0.015% %よりも多くないのが好ましい、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
樹脂バッテリーが、カチオン樹脂およびつや出し樹脂を更に含む、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の方法。
【請求項6】
アニオン交換樹脂が、ヒドロキシド形態の強塩基アニオン交換樹脂である、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の方法。
【請求項7】
樹脂バッテリーの温度が、70〜100℃であり,75〜95℃であるのが好ましく,85〜90℃であるのが一層好ましい、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一に記載の方法。
【請求項8】
ポリオールおよびx %の還元糖を含む水性ポリオール組成物の乾燥物質で増大させ、x %はポリオール組成物の乾燥物質を基準とする、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一に記載の方法。
【請求項9】
ポリオールがソルビトールである、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
ポリオールがマルチトールである、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
容積処理量が0.2〜1 BV/時である、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一に記載の方法。
【請求項12】
樹脂バッテリーが、少なくとも30 日間樹脂を何ら再生しないで作動している、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一に記載の方法。

【公表番号】特表2009−519288(P2009−519288A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544932(P2008−544932)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068971
【国際公開番号】WO2007/068578
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(397058666)カーギル インコーポレイテッド (60)
【Fターム(参考)】