説明

アルカリ賦活炭の製造方法、および粉砕装置

【課題】アルカリ賦活炭の回収効率に優れるアルカリ賦活炭の製造方法、およびこの方法の実施に際して使用されるアルカリ賦活炭を含有する塊状混合物の粉砕装置の提供。
【解決手段】炭素質物質およびアルカリ金属化合物を加熱する賦活処理後、冷却によって塊状化した容器内のアルカリ賦活炭含有混合物に注水し、この注水により粉砕させた混合物を回収するアルカリ賦活炭の製造方法である。この方法における注水は、内部に不活性ガスが導入されると共に排気ガスを放出する機構を有し且つ容器を収容可能な注水室と、その容器内の塊状混合物に注水する注水機とを有する粉砕装置を使用すると良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賦活処理後の反応容器内に存在するアルカリ賦活炭を含む混合物の回収効率が良いアルカリ賦活炭の製造方法、およびこの方法においてアルカリ賦活炭を含有する塊状混合物を粉砕するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルカリ賦活や水蒸気賦活等の賦活処理により、石油コークス等の炭素質物質から賦活炭が製造されている。アルカリ賦活は、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物を賦活剤として使用し、バッジ式反応炉やトンネル炉等の反応炉(例えば、特許文献1〜4参照)の内部で炭素質物質を賦活処理する方法であり、このアルカリ賦活には、当該賦活により得られるアルカリ賦活炭の比表面積を大きくできること、およびアルカリ賦活炭の細孔分布の制御が容易であること等の一般的な水蒸気賦活にはない特徴がある。このアルカリ賦活炭は、電気二重層キャパシタの電極材料、触媒担体、吸着剤等に使用され、その需要が拡大傾向にある。
【0003】
ところで、アルカリ賦活を採用した場合、賦活処理に使用した反応容器を冷却することになり、その冷却後の反応容器内には、アルカリ賦活炭、アルカリ金属、酸化アルカリ金属、アルカリ金属の炭酸塩等の硬質の塊状混合物が存在することになる。アルカリ賦活炭が塊状混合物に含まれているため、反応容器内部の塊状混合物を回収する必要が生じる。この回収のための方法としては、本願出願人が特許文献3において開示しているように、塊状混合物に注水するものがある。当該方法によれば、塊状混合物においてアルカリ賦活炭同士を結着している成分が水に溶解するので、アルカリ賦活炭の回収が可能である。
【特許文献1】特開平2−97414号公報
【特許文献2】特開平3−294780号公報
【特許文献3】特開平5−306109号公報
【特許文献4】特開2007−15870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記注水による回収において、十分に冷却させた塊状混合物に注水する場合、アルカリ賦活炭同士を結着している成分を溶解させるための時間は、長くなってしまう。その注水後の放置時間が短いと、容器内の塊状混合物を回収できる量が少なくなり、その結果として、注水回数が多くなり易い。そのため、たとえ一回の注水量であっても、アルカリ賦活炭を多く回収できる技術が望まれる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、アルカリ賦活炭の回収効率に優れるアルカリ賦活炭の製造方法、およびこの方法の実施に際して使用されるアルカリ賦活炭を含有する塊状混合物を粉砕するための装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、アルカリ賦活処理および冷却処理を行った後に容器内に存在する塊状混合物に注水し、塊状混合物中のアルカリ賦活炭同士を結着している成分を溶解するだけではなく、塊状混合物自体を粉砕する手段を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係るアルカリ賦活炭の製造方法は、容器内に仕込まれた炭素質物質およびアルカリ金属化合物を加熱する賦活処理工程と、前記加熱により生じた混合物を冷却し、該混合物が塊状化する冷却工程と、前記容器内の塊状混合物に注水して、該塊状混合物の少なくとも一部を粉砕する注水工程と、前記塊状混合物の粉砕物を回収する回収工程とを有することを特徴とする。ここで「アルカリ賦活炭」とは、前記賦活処理工程において行われる加熱により、炭素質物質の表面に細孔が生じ、比表面積および細孔容積が大きくなったものをいう。
【0008】
前記注水工程における粉砕を生じさせるには、表面温度が75℃以上の前記容器内の塊状混合物に、前記賦活処理工程におけるアルカリ金属化合物の1.0質量倍以上の水を、前記アルカリ金属化合物1kg当たり30g/分以上の速度で注水すると良い。アルカリ賦活炭の回収効率をより優れるものとするには、表面温度が120℃以上の前記塊状混合物に、前記アルカリ金属化合物の1.5質量倍以上の水を、前記アルカリ金属化合物1kg当たり100g/分以上の速度で注水することが好ましい。
【0009】
本発明に係る粉砕装置は、容器内に仕込まれた炭素質物質およびアルカリ金属化合物を加熱し、該加熱により生じた混合物を冷却して生成した前記容器内の塊状混合物を粉砕するためのものであって、内部に不活性ガスが導入されると共に排気ガスを放出する機構を有し、かつ、前記容器を収容可能な注水室と、前記注水室に収容された容器内の塊状混合物に注水して、該塊状混合物の少なくとも一部を粉砕するための注水機とを有することを特徴とする。この回収装置を備えるアルカリ賦活炭の製造装置も、本発明に該当する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アルカリ賦活炭を含有する容器内の塊状混合物に注水し、この塊状混合物を粉砕するので、アルカリ賦活炭を効率良く回収できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本実施形態に係るアルカリ賦活炭の製造方法に基づき、本発明に係るアルカリ賦活炭の製造方法を説明する。この本実施形態の製造方法は、以下の賦活処理工程、冷却工程、注水工程、および回収工程を有する。
【0012】
(賦活処理工程)
賦活処理工程では、容器内への炭素質物質およびアルカリ金属化合物の仕込みと、これら容器内の炭素質物質等の加熱が行われる。その加熱により、炭素質物質が賦活処理される。ここで、「賦活処理」とは、炭素質物質の表面に細孔を形成して、比表面積および細孔容積を大きくする処理である。
【0013】
活性炭原料として公知の炭素質物質を、本実施形態の炭素質物質として使用できる。また、使用する炭素質物質は、特に限定されない。本製造方法で使用できる炭素質物質としては、例えば、木材、おが屑、木炭、ヤシガラ、セルロース系繊維、合成樹脂(例えばフェノール樹脂、フラン樹脂)等の難黒鉛化性炭素;ピッチ(例えば、メソフェーズピッチ)、コークス(例えば、ピッチコークス、ニードルコークス、フリュードコークス)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、PAN等の易黒鉛化性炭素;およびこれらの混合物が挙げられる。必要に応じて、炭化処理を行ったものを炭素質物質として使用しても良い。炭化処理とは、高温(例えば、900〜1000℃)の窒素等の不活性ガス中に炭素質物質を置き、炭素質物質の炭化を進行させる処理である。
【0014】
アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩;が挙げられる。これらの一種または二種以上を選択すれば良く、水酸化カリウムを選択することが好ましい。そして、アルカリ金属化合物の使用量は、炭素質物質の質量の0.5〜10倍であると良い。この使用量が多量である程、アルカリ賦活炭の比表面積および平均細孔径が大きくなり、少量である程、その賦活炭の比表面積および平均細孔径が小さくなる。
【0015】
なお、アルカリ金属化合物を容器に仕込む場合、炭素質物質との混合を十分とするために、アルカリ金属化合物の水溶液を使用しても良い。このときの水の使用量は、アルカリ金属化合物の0.05〜10質量倍であると良い。アルカリ金属化合物の水溶液を使用する場合には、賦活処理のための加熱を行う前に、容器内の水分の突沸防止のための水分除去を目的として、賦活処理における加熱温度よりも低温の加熱を行なうことが好ましい。
【0016】
賦活処理のための加熱を、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下;または減圧下(真空中);等で行う。概ね400〜900℃程度の温度で加熱を行うと良い。アルカリ賦活炭の比表面積および平均細孔径は、加熱温度が低いと小さくなる傾向があり、加熱温度が高いと大きくなる傾向がある。
【0017】
(冷却工程)
冷却工程では、容器に内在する賦活処理で生成した活性炭、アルカリ金属、およびアルカリ金属化合物等の混合物を冷却する。表面温度が低下した混合物は、塊状化する。この混合物の表面温度が300℃以下であれば、当該混合物が塊状化することが確認されており、本冷却工程では、容器内の溶融状態にある混合物が表面硬質の塊状混合物になる程度の冷却を行えば足りる。但し、その塊状混合物の表面温度を常温(25℃)以下にする必要は無い。後述する通り、注水工程における塊状混合物の粉砕を行うには、塊状混合物の表面温度が、通常、常温を超えていることが必要だからである。
【0018】
本工程における冷却態様は特に限定されない。例えば、混合物を収容する容器を不活性ガス雰囲気下または減圧下(真空中)等に置いて冷却を行う。冷却により塊状化した混合物とこれを収容する容器とは固着しており、そのままでは容器から塊状混合物を取り出せない状態になる。
【0019】
(注水工程)
注水工程では、容器内の塊状混合物に注水することにより、その塊状混合物の少なくとも一部を粉砕する。注水で引き起こされる発熱と急激な発泡により、塊状混合物が粉砕され、この粉砕が生じれば、塊状混合物と水の接触面積が拡大することになって、粉砕が加速する。なお、前述の発熱と急激な発泡は、炭素質物質の賦活により生じたアルカリ金属、アルカリ金属酸化物等が水と反応することにより生じ(このとき水素ガスの発生が伴う)、当該反応を経て大気中でも安定な水酸化アルカリ金属が生成する。
【0020】
注水工程で塊状混合物の粉砕を生じさせるためには、塊状混合物の温度、注水量、および注水速度が重要である。
【0021】
塊状混合物の粉砕は、その混合物の表面温度が常温であると生じない。塊状混合物の表面温度が高いほど、その粉砕が生じやすく、75℃以上の表面温度であると良い。塊状混合物の粉砕量を増加させるには、その表面温度が120℃以上であることが好ましく、145℃以上であることがより好ましい。一方で、塊状混合物の表面温度が高すぎると、発泡量が多くなりすぎて、この発泡がアルカリ賦活炭と共に容器内から吹き出る場合がある。そのため、注水時の温度上限は制限されていることが望ましく、その温度上限は400℃程度であれば良い。
【0022】
注水量が少ないと、塊状混合物を粉砕に至らしめるための発熱と急激な発泡が生じないため、その量を適宜定める必要がある。粉砕を生じさせると共に、塊状混合物中の活性成分(アルカリ金属元素)を不活性化できる量の水を使用すると良く、注水量は、賦活処理工程で使用したアルカリ金属化合物の1.0質量倍以上であると良い。好ましい注水量は、アルカリ金属化合物の1.5倍以上の注水量である。一方で、注水量の上限は特に限定されないが、注水量が過剰であると、粉砕物等が発泡に伴って容器外に流出することになるので、容器の容量および形状を考慮して注水量を適宜決定すると良い。
【0023】
注水速度については、その速度が遅い場合、塊状混合物の粉砕が生じ難くなる。そのため、急速注水する必要がある。この注水速度は、賦活処理工程で使用したアルカリ金属化合物1kg当たり30g/分以上の速度で注水すると良く、粉砕量を多量とするには、100g/分以上であることが好ましく、150g/分以上であることがより好ましい。
【0024】
以上の通り、塊状混合物の表面温度、注水量、および注水速度が、その混合物の粉砕に影響を与える。一回の注水でアルカリ賦活炭の全部または略全部を回収できるまでに塊状混合物を粉砕するためには、塊状混合物の表面温度が120℃以上、注水量が賦活処理工程で使用したアルカリ金属化合物の1.5質量倍以上、かつ、注水速度が賦活処理工程で使用したアルカリ金属化合物1kg当たり100g/分以上に設定されていると良い。
【0025】
塊状混合物への注水により、水素ガスが発生する。この水素ガスの酸化反応による爆発を予防するために、塊状混合物を収容する容器をアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下に置いた状態で、塊状混合物への注水を行うことが好ましい。
【0026】
図1は、塊状混合物を粉砕するための装置の一例の概略構成図である。図示の装置は、塊状混合物に注水するための水を一時的に貯留する貯留槽1と、貯留槽1の下方に設置され、塊状混合物の粉砕が行われる注水室4を備える。貯留槽1の上部には、その内部への水供給路になる送水管1aが接続されている。一方、注水室4の上部には、その内部を不活性ガス雰囲気にするためのガスを導入するためのガス導入管4aと、注水室4の内部ガスの排気路になる排気管4bが設けられている。
【0027】
そして、図示の装置には、貯留槽1の下部から注水室4の内部に導入された注水管2が設けられており、この注水管2には、貯留槽1から塊状混合物へ向けて放出される水の流量を計測する流量計7、およびその流量および水の放出を制御する制御弁3(例えば、電磁弁)が備えられている。
【0028】
図1に示す装置を使用して、塊状混合物の粉砕を行う場合、先ず、塊状混合物6を収容する容器5を注水室4の内部に配置させる。ここで、図1に表される通り、容器5はその上部が開口しており、この開口の一部を残して閉鎖する蓋5aが容器5の上端に備えられている。その蓋5aは、中央部に注がれた水を容器5内に流入させるための、貫通孔を有する。
【0029】
注水室4の内部に容器5を配置させた後、注水による塊状混合物6の粉砕が終了するまで、ガス導入管4aから注水室4の内部に不活性ガスが導入される。この導入に伴って、排気管4bから注水室4内部のガスが放出され、排出ガスは不図示の装置により回収される。
【0030】
注水室4の内部が不活性ガス雰囲気になった後、制御弁3が開き、貯留槽1から塊状混合物6に注水される。つまり、図示の粉砕装置では、貯留槽1、注水管2、および制御弁3が注水機としての役割を果たす。注水後に間も無く、塊状混合物6と水との反応により発熱と発泡が生じ、この発泡等によって塊状混合物6の粉砕が生じる。発泡が生じている間、容器5の上端の蓋5aは、容器5からの水やアルカリ賦活炭の噴出を抑制する。
【0031】
以上に説明した図1の粉砕装置は、本実施形態における注水工程を実現するための装置の一例であり、塊状混合物への注水量を制御可能な注水機を有する粉砕装置である限り、塊状混合物を粉砕することが可能である。また、この注水量を制御可能な注水機を有する粉砕装置を、公知のアルカリ賦活炭製造装置に付加することが可能であり、公知のアルカリ賦活炭製造装置の一部と置換(例えば、特開平5−306109号公報の装置の注水室と置換)することも可能である。
【0032】
(回収工程)
回収工程では、容器内からアルカリ賦活炭、水酸化アルカリ金属、水等の混合物を排出させ、アルカリ賦活炭を回収する。
【0033】
回収工程後の容器内部には、粉砕されなかった塊状混合物が固着していることがある。そのような容器を使用して新たに炭素質物質の賦活処理を行うと、アルカリ金属化合物と炭素質物質との質量比が予定されていた比と異なってしまうため、容器内への注水を再度行って、塊状混合物を容器内から完全に除去することが好ましい。
【0034】
以上の回収工程までの一連の工程により回収されたアルカリ賦活炭には、その表面に水酸化アルカリ金属等が付着している。通常、この付着物を除去するために、アルカリ賦活炭の洗浄および乾燥が行われる。また、アルカリ賦活炭の粒径を調整するための粉砕・分級処理が、任意の処理として行われる。
【0035】
上記アルカリ賦活炭は、従来公知のアルカリ賦活炭と同様、化合物分別用吸着剤、化合物精製用吸着剤、ガス吸着剤、水処理剤、触媒担体、電池用電極材料、電気二重層コンデンサ用電極材料等の種々の用途に使用できる。
【実施例】
【0036】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0037】
幅100mm、奥行き100mm、高さ100mmの有底四角筒状のステンレス製容器に、フェノール樹脂を700℃の窒素気流中で2時間置いて得られたフェノール樹脂炭化物と水酸化カリウムを入れ、窒素雰囲気中において、800℃、2時間の賦活処理を行った。賦活処理後の自然冷却により前記容器内の混合物が塊状化し、その塊状混合物の表面温度(熱伝対で測定された温度)が所定温度になってから、イオン交換水を塊状混合物に注いだ。次に、その容器を放置した後、反転させてアルカリ賦活炭を回収した。なお、前記のフェノール樹脂炭化物の使用量、水酸化カリウムの使用量、注水開始時の塊状混合物の表面温度(温度)、塊状混合物への注水量(注水量)、注水速度、塊状混合物の粉砕の有無、および、注水後の塊状混合物放置時間(放置時間)は、後記表1の通りである。
【0038】
表1に、上記アルカリ賦活炭の回収後の容器内における塊状混合物の有無、および塊状混合物の残存量を示す。ここでの残存量は、アルカリ賦活炭回収後の容器の質量から予め測定していたその容器の質量を差し引いて算出したものである。
【0039】
【表1】

【0040】
表1の結果から次のことを確認することができる。
(1)比較例では、注水後に塊状混合物の粉砕が生じず、その上、アルカリ賦活炭回収後の容器内には105gの塊状混合物が残存していた。これに対して、塊状混合物の粉砕が生じた実施例では、比較例よりも4割以上少ない塊状混合物残存量であり、アルカリ賦活炭の回収効率に優れるものであったことを確認できる。
(2)温度(注水開始時における塊状混合物の表面温度)が120℃以上、注水量が水酸化カリウムの1.5質量倍以上、かつ、注水速度が水酸化カリウム1kg当たり100g/分以上である注水条件を満たす実施例2および5〜7は、他の実施例に比べて、塊状混合物の残存量が大幅に少なかったことを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】アルカリ賦活炭を含有する塊状混合物を粉砕するための装置の一例の概略構成図である。
【符号の説明】
【0042】
1 貯留槽
2 注水管
3 制御弁
4 注水室
4a ガス導入管
4b 排気管
5 容器
6 塊状混合物
7 流量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に仕込まれた炭素質物質およびアルカリ金属化合物を加熱する賦活処理工程と、
前記加熱により生じた混合物を冷却し、該混合物が塊状化する冷却工程と、
前記容器内の塊状混合物に注水して、該塊状混合物の少なくとも一部を粉砕する注水工程と、
前記塊状混合物の粉砕物を回収する回収工程とを有することを特徴とするアルカリ賦活炭の製造方法。
【請求項2】
容器内に仕込まれた炭素質物質およびアルカリ金属化合物を加熱する賦活処理工程と、
前記加熱により生じた混合物を冷却し、該混合物が塊状化する冷却工程と、
表面温度が75℃以上の前記容器内の塊状混合物に、前記アルカリ金属化合物の1.0質量倍以上の水を、前記アルカリ金属化合物1kg当たり30g/分以上の速度で注水する注水工程と、
前記注水により粉砕させた前記塊状混合物を回収する回収工程とを有することを特徴とするアルカリ賦活炭の製造方法。
【請求項3】
前記注水工程において、表面温度が120℃以上の前記容器内の塊状混合物に、前記アルカリ金属化合物の1.5質量倍以上の水を、前記アルカリ金属化合物1kg当たり100g/分以上の速度で注水する請求項2に記載のアルカリ賦活炭の製造方法。
【請求項4】
容器内に仕込まれた炭素質物質およびアルカリ金属化合物を加熱し、該加熱により生じた混合物を冷却して生成した前記容器内の塊状混合物を粉砕するための粉砕装置であって、
内部に不活性ガスが導入されると共に排気ガスを放出する機構を有し、かつ、前記容器を収容可能な注水室と、
前記注水室に収容された容器内の塊状混合物に注水して、該塊状混合物の少なくとも一部を粉砕するための注水機とを有することを特徴とする粉砕装置。
【請求項5】
請求項4に記載の粉砕装置を備えるアルカリ賦活炭の製造装置。

【図1】
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【公開番号】特開2009−67615(P2009−67615A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235839(P2007−235839)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000156961)関西熱化学株式会社 (117)
【出願人】(505447766)カーボンテック株式会社 (9)
【Fターム(参考)】