説明

アルキル芳香族化合物の製造

【課題】アルキル化、アルキル交換反応および類似の方法に使用する下流の触媒床に損害を与え得る不純物を実質的に含まない、前処理された炭化水素供給原料を使用してアルキル芳香族化合物を製造する方法の提供。
【解決手段】供給原料である芳香族供給原料およびオレフイン供給原料に含まれる窒素化合物を前処理として蒸留および/または固体吸着剤による吸着を行って実質的に除去し、その後酸性ゼオライト触媒の存在下で反応させ所望のアルキル芳香化合物を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
クメンおよびエチルベンゼンなどのアルキル芳香族化合物を製造する先端の化学的方法の大部分では、酸性ゼオライト触媒の存在下での芳香族化合物およびオレフィンの接触反応が使用されてきた。1990年代の初期以来、Mobil社/Badger社、Dow社/Kellogg社、UOP社、およびその他により、新規のゼオライトをベースとするクメン技術が開発されてきた。これらのクメン技術は、液相中で固体酸性ゼオライト触媒の存在下でベンゼンおよびプロピレンのアルキル化反応を実施する。CDTech社により開発された方法は、蒸留デバイスおよびゼオライト触媒の梱を収納した接触蒸留塔中の混合相中でベンゼンおよびプロピレンのアルキル化反応を実施する。液相中で、プロピレンによるベンゼンのアルキル化、さらにベンゼンとポリイソプロピルベンゼンのアルキル交換反応に使用することができる触媒としては、ゼオライトベータ、ゼオライトY、ゼオライトオメガ、ZSM−5、ZSM−12、MCM−22、MCM−36、MCM−49、MCM−56、MCM−58、MCM−68、フォージャサイト、モルデナイト、多孔質結晶性ケイ酸マグネシウム類、およびタングステン酸塩で改変したジルコニアがあり、これらのすべては当技術分野で知られている。
【背景技術】
【0002】
MCM−22およびアルキル芳香族化合物の合成を触媒するその使用は、たとえばそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,954,325号(Rubin)、米国特許第4,992,606号(Kushnerick)、米国特許第5,077,445号(Le)、米国特許第5,334、795号(Chu)、および米国特許第5,900,520号(Mazzone)中に記載されている。MCM−36およびアルキル芳香族化合物の合成へのその使用は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,250,277号(Kresge)、米国特許第5,292,698号(Chu)、および米国特許第5,258,565号(Kresge)中に記載されている。MCM−49およびアルキル芳香族化合物の合成へのその使用は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,236,575号(Bennett)、米国特許第5,493,065号(Cheng)および米国特許第5,371,310号(Bennett)中に記載されている。MCM−56およびアルキル芳香族化合物の合成を触媒するためのその使用は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,362,697号(Fung)、米国特許第5,453、554号(Cheng)、米国特許第5,536,894号(Degnan)、米国特許第5,557,024号(Cheng)、および米国特許第6,051,521号(Cheng)中に記載されている。MCM−58およびアルキル芳香族化合物の製造へのその使用は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,437,855号(Valyocsik)および米国特許第5,569,805号(Beck)中に記載されている。MCM−68およびアルキル芳香族化合物の製造へのその使用が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,049,018号(Calabro)中に記載されている。
【0003】
アルキル芳香族化合物の合成を触媒するためのタングステン酸塩で改変したジルコニアの使用が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,563,311号(Chang)中に記載されている。参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,081,323号(lnnes)は、ゼオライトベータを用いた液相のアルキル化またはアルキル交換方法を教示している。ゼオライトYを用いたクメンの製造が、米国特許第5,160,497号(Juguin)および米国特許第5,240,889号(West)中に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれている。参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,030,786号(Shamshoum)および米国特許第5,980,859号(Gajda)、および欧州特許出願公開第0,467,007号(Butler)中には、ゼオライトベータ、ゼオライトY、およびゼオライトオメガを用いたアルキル芳香族化合物の製造が記述されている。参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,522,984号(Gajda)、米国特許第5,672,799号(Perego)、米国特許第5,980,859号(Gajda)、および米国特許第6,162,416号(Gajda)は、ゼオライトベータを用いたクメンの製造を教示している。クメンおよびエチルベンゼンなどのモノアルキル化ベンゼンの製造へのモルデナイト型ゼオライトの使用が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,198,595号(Lee)に記載されている。別の位置で選沢性が付与されたゼオライト触媒を用いたエチルベンゼンの製造が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,689,025号(Abichandani)に記載されている。
【0004】
1980年代初期にMobil社およびBadger社により共同で開発された、最初のゼオライトをベースとするエチルベンゼンプロセスでは、エチレンを用いたベンゼンの気相アルキル化、およびベンゼンとポリエチルベンゼンの気相アルキル交換反応が利用された。この初期の方法のアルキル化およびアルキル交換反応の両ステップは、固体酸性ZSM−5触媒の存在下で実施された。ZSM−5を用いたエチルベンゼンの製造が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,157,185号(Chu)中に記載されている。
【0005】
1980年代後期および1990年代に、UOP社/Lummus社、Mobil社/Badger社、およびその他により、ゼオライトをベースとするいくつかの液相エチルベンゼン技術が開発された。エチレンを用いたベンゼンのアルキル化およびベンゼンとポリエチルベンゼンのアルキル交換反応は、固体酸性ゼオライト触媒の存在下液相中で実施された。液相プロセス中で、エチレンを用いたベンゼンのアルキル化およびベンゼンおよびポリエチルベンゼンのアルキル交換反応に使用することができる触媒としては、ゼオライトベータ、ゼオライトY、ゼオライトオメガ、ZSM−5、ZSM−12、MCM−22、MCM−36、MCM−49、MCM−56、MCM−58、MCM−68、フォージャサイト、モルデナイト、多孔質結晶性ケイ酸マグネシウム類、およびタングステン酸塩で改変したジルコニアがある。CDTech社により開発された方法では、ベンゼンとエチレンのアルキル化反応を、蒸留デバイスおよびゼオライト触媒梱の両方を収納した蒸留塔中の混合相中で実施する。
【0006】
中間の孔径のゼオライトを用いたエチルベンゼンの製造が、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第3,751,504号(Keown)、米国特許第4,547,605号(Kresge)、および米国特許第4,016,218号(Haag)中に記載されている。参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,169,111号(Wight)および米国特許第4,459,426号(Inwood)により、ゼオライトYなどの大きな孔径のゼオライトを用いたエチルベンゼンの製造が開示されている。ゼオライトZSM−12の合成が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,021,141号(Rubin)中に記載されている。ゼオライトZSM−12を用いたエチルベンゼンを製造する方法が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,907,073号(Kumar)中に記載されている。モルデナイト型ゼオライトを用いたエチルベンゼンの製造が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,430,211号(Pogue)中に記載されている。ゼオライトベータを用いた液相でのエチルベンゼンの合成が、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,891,458号(Innes)および米国特許第6,060,632号(Takamatsu)中に記載されている。参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,849,569号(Smith)、米国特許第4,950,834号(Arganbright)、米国特許第5,086,193号(Sy)、米国特許第5,113,031号(Sy)、および米国特許第5,215,725号(Sy)は、エチルベンゼンおよびクメンを含めたアルキル化芳香族化合物の接触蒸留製造用の様々なシステムを教示している。
【0007】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,902,917号(Collins)は、最初に供給原料をアルキル交換反応区画に供給し、次いでアルキル交換反応区画からの流出物全体を直接、オレフィンアルキル化剤、特にエチレンまたはプロピレンと共にアルキル化区画に移送する、アルキル芳香族化合物、特にエチルベンゼンおよびクメンを製造する方法を教示している。
【0008】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,096,935号(Schulz)は、アルキル交換反応区画およびアルキル化反応区画を用いたアルキル芳香族化合物を製造する方法を教示している。アルキル交換反応区画の流出物はアルキル化反応区画に進み、アルキル交換反応区画流出物中の芳香族化合物が所望のアルキル芳香族化合物にアルキル化される。参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第6,232,515号および米国特許第6,281,399号(Schulz)は、アルキル交換反応区画およびアルキル化反応区画を用いてエチルおよびイソプロピル芳香族化合物を製造する方法のさらに詳細を教示している。
【0009】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,479,721号(Gadja)は、触媒の失活速度およびジフェニルアルカン類の形成を低減させるために、アルキル化触媒床中のオレフィンの比率および/または最大オレフィン濃度を上限未満に維持する、固体触媒を用いたオレフィンにより芳香族化合物をアルキル化する方法を教示している。
【0010】
参照により本明細書に組み込まれているPCT公開出願国際公開第02/062734号(Chen)は、アルキル化区画およびアルキル交換反応区画を直列に、またはアルキル化反応器区画およびアルキル交換反応器区画を組み合わせて利用して、エチルベンゼンおよびクメンなどのモノアルキル化芳香族生成物を製造する方法を教示している。この発明は、使用する芳香族物質の過剰量を最小限に抑え、かつ回収し、続いて循環して、これにより製造コストを最小限に抑えることの必要性を請求している。
【0011】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,313,362号(Green)は、不純物を除去して、精製されたストリームを形成させるために、アルキル化生成物を液相予備反応ステップで精製用媒体と接触させる、芳香族のアルキル化法を教示している。次いでポリアルキル化芳香族化合物をモノアルキル化芳香族化合物に変換するために、精製されたストリームを液相アルキル交換反応によりさらに処理し得る。この方法は、予備反応ステップの精製用媒体として、MCM−22などの大きな孔のモレキュラーシーブ触媒を使用してもよい。なぜならそのアルキル化に対する反応性が高く、触媒毒からの保持が強く、かつ予備反応器条件下でのオリゴマー形成に対する反応性が低いためである。この方法により、オレフィン、ジオレフィン、スチレン、酸素含有有機化合物、硫黄含有化合物、窒素含有化合物、オリゴマー化合物が除去されることが請求されている。
【0012】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,358,362号(Smith)は触媒的に有毒な不純物を含んだ供給原料ストリームをゼオライト吸着剤と接触させることによりゼオライト触媒の触媒活性を高める方法を教示している。この発明は、脱ろうを含めた種々の方法に適用することができ、この発明の方法により初期平衡(ラインアウト)温度が100°F低下することを例示する実施例を有している。
【0013】
参照により本明細書に組み込まれている、特開平04−198139および特公平07−017536(Hidekichi)は、ベンゼンのアルキル化に先行して、酸性触媒を用いて塩基性化合物を低減させるベンゼンの前処理ステップを含んだ、アルキルベンゼンの製造方法を教示している。ベンゼン中の塩基性物質の除去は、ベンゼン供給原料ストリームを粘土、ゼオライト、活性炭、シリカゲル、アルミナ、およびイオン交換樹脂と接触させることにより達成される。
【0014】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,973,790号(Beech)は、重質粗製オイルの接触分解により得られたC〜C10オレフィンをオリゴマー化する方法を教示している。形状選択性ゼオライトを用いて加えた水素の存在下で、オレフィンをガソリンおよび留出生成物にオリゴマー化する。軽質オレフィン精油ストリーム中に存在する塩基性窒素化合物を除去する供給原料の前処理には、水洗またはガードベッドを使用して触媒の寿命を改善する。
【0015】
コークス器ナフサなどの、不安定なオレフィン、ナフサ、およびジエンを改善する方法が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,053,579号(Beech)中に教示されている。オレフィンをゼオライト触媒を用いてガソリンおよび留出生成物にオリゴマー化する。水素添加および塩基性の窒素化合物を除去する供給原料の前処理により、触媒の寿命が改善されることを教示している。塩基性窒素化合物を除去する好ましい方法は、コークス器ナフサを水洗浄することである。
【0016】
直鎖アルキルベンゼン(LAB)を製造する方法が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,245,094号(Kocal)中に教示されている。パラフィンの脱水素化反応から得られたオレフィン供給原料を処理して、その芳香族化合物含量を低減させることにより、触媒の寿命および生成物の直鎖率が改善される。
【0017】
ゼオライト触媒中および供給原料中の水分の正または負の効果が、いくつかの文献中で考察されている。たとえば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,030,094号(Shamshoum)は、反応器への供給原料中の水の濃度を減少させることにより触媒寿命が延びる、エチルベンゼンを製造する方法を教示している。対照的に、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,240,889号(West)は、エチルベンゼンおよびクメンの製造におけるアルキル化およびアルキル交換反応を触媒する触媒組成物を教示している。しかしこの特許は、触媒中の水分量を増加させると触媒寿命が延びることを教示している。
【0018】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,300,722号(Amundsen)は、酸素を含まない芳香族のアルキル化の方法を教示している。この方法では、酸素が存在せず、シリカを含んだモレキュラーシーブ触媒の存在下の反応器容器中で、液相アルキル化の条件下で芳香族炭化水素をアルキル化剤と接触させる。酸素が存在しないと、触媒寿命を有意に改善すると言われている。
【0019】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,744,686号(Gajda)は、約5.5オングストローム未満の平均孔径を有する選択的吸着剤と芳香族炭化水素ストリームを接触させることにより、このストリームから窒素化合物を除去する方法を教示している。この選択的吸着剤は、閉気孔ゼオライト4A、ゼオライト4A、ゼオライト5A、シリカライト、F−シリカライト、ZSM−5、およびこれらの混合物からなる群から選択される非酸性モレキュラーシーブである。この特許中で教示される一実施形態には、分別区画および吸着区画の組合せが含まれている。
【0020】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,942,650号(Gajda)は、米国特許第5,744,686号の拡張であり、この特許はエチレンおよびプロピレンを用いた芳香族のアルキル化、異性化、および不均化反応に適応される。これらの反応に使用される触媒の孔径は少なくとも6オングストロームである。
【0021】
アルキル化ベンゼンまたはアルキル化ベンゼンの混合物を調製する方法が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,297,417号(Samson)中に教示されている。この方法は、前処理区画内で約130〜約300℃の間の温度で、ベンゼン供給原料を酸性粘土または酸性ゼオライトなどの固体酸と接触させることを含む。こうした前処理ステップにより、アルキル化およびアルキル交換反応触媒の寿命が改善されることを教示している。
【0022】
参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,355,851号(Wu)は、触媒毒を除去するためにベンゼンおよびプロピレン供給原料を前処理する、ゼオライトを触媒とするクメン合成方法を教示している。ベンゼン供給原料を圧力下で約200〜500℃の温度の「熱」粘土床に接触させることにより前処理し、続いて熱粘土処理中にオレフィン系の毒から形成された高分子量の物質からベンゼンを分離するために、ベンゼン供給原料を蒸留する。また、ベンゼン供給原料を、ベンゼン留出物を周囲温度の粘土に接触させる「冷」粘土処理にかける。プロピレン供給原料を、痕跡のナトリウム化合物および水分を除去するためにアルミナと、水を除去するためにモレキュラーシーブと、および触媒毒を除去するために2つの改変したアルミナと接触させることにより前処理する。次いで、前処理したプロピレンおよびベンゼン供給原料をゼオライト触媒の存在下で反応させて、触媒活性度の急速な劣化を起こすことなしにクメンを形成する。
【0023】
吸着層上に供給原料ストリームを通過させることを特徴とする、重合またはアルキル化の方法におけるオレフィン含有供給原料ストリームを精製する方法が、参照により本明細書に組み込まれているPCT公開出願国際公開第01/07383号中に教示されている。
【0024】
参照により本明細書に組み込まれているPCT公開出願国際公開第02/14240号(Venkat)は、芳香族供給原料を5.6オングストロームを超える孔径を有するモレキュラーシーブ類と130℃未満の温度で接触させることにより、芳香族供給原料中の極性汚染物を除去することを教示している。
【0025】
しかし、これらの従来技術の方法は、アルキル化および/またはアルキル交換反応法に好ましい酸性ゼオライト触媒の被毒を防止するために、こうした方法に使用する炭化水素供給原料から有害物質を除去する、完全なかつ一貫して有効なアプローチを教示することができていない。従来技術の技法の限界および欠陥は、本発明の改善され統合された方法により全部または少なくとも一部が克服される。
【特許文献1】米国特許第4,954,325号(Rubin)
【特許文献2】米国特許第4,992,606号(Kushnerick)
【特許文献3】米国特許第5,077,445号(Le)
【特許文献4】米国特許第5,334、795号(Chu)
【特許文献5】米国特許第5,900,520号(Mazzone)
【特許文献6】米国特許第5,250,277号(Kresge)
【特許文献7】米国特許第5,292,698号(Chu)
【特許文献8】米国特許第5,258,565号(Kresge)
【特許文献9】米国特許第5,236,575号(Bennett)
【特許文献10】米国特許第5,493,065号(Cheng)
【特許文献11】米国特許第5,371,310号(Bennett)
【特許文献12】米国特許第5,362,697号(Fung)
【特許文献13】米国特許第5,453、554号(Cheng)
【特許文献14】米国特許第5,536,894号(Degnan)
【特許文献15】米国特許第5,557,024号(Cheng)
【特許文献16】米国特許第6,051,521号(Cheng)
【特許文献17】米国特許第5,437,855号(Valyocsik)
【特許文献18】米国特許第5,569,805号(Beck)
【特許文献19】米国特許第6,049,018号(Calabro)
【特許文献20】米国特許第5,563,311号(Chang)
【特許文献21】米国特許第5,081,323号(lnnes)
【特許文献22】米国特許第5,160,497号(Juguin)
【特許文献23】米国特許第5,240,889号(West)
【特許文献24】米国特許第5,030,786号(Shamshoum)
【特許文献25】米国特許第5,980,859号(Gajda)
【特許文献26】欧州特許出願公開第0,467,007号(Butler)
【特許文献27】米国特許第522,984号(Gajda)
【特許文献28】米国特許第5,672,799号(Perego)
【特許文献29】米国特許第6,162,416号(Gajda)
【特許文献30】米国特許第5,198,595号(Lee)
【特許文献31】米国特許第5,689,025号(Abichandani)
【特許文献32】米国特許第5,157,185号(Chu)
【特許文献33】米国特許第3,751,504号(Keown)
【特許文献34】米国特許第4,547,605号(Kresge)
【特許文献35】米国特許第4,016,218号(Haag)
【特許文献36】米国特許第4,169,111号(Wight)
【特許文献37】米国特許第4,459,426号(Inwood)
【特許文献38】米国特許第5,021,141号(Rubin)
【特許文献39】米国特許第5,907,073号(Kumar)
【特許文献40】米国特許第5,430,211号(Pogue)
【特許文献41】米国特許第4,891,458号(Innes)
【特許文献42】米国特許第6,060,632号(Takamatsu)
【特許文献43】米国特許第4,849,569号(Smith)
【特許文献44】米国特許第4,950,834号(Arganbright)
【特許文献45】米国特許第5,086,193号(Sy)
【特許文献46】米国特許第5,113,031号(Sy)
【特許文献47】米国特許第5,215,725号(Sy)
【特許文献48】米国特許第5,902,917号(Collins)
【特許文献49】米国特許第6,096,935号(Schulz)
【特許文献50】米国特許第6,232,515号(Schulz)
【特許文献51】米国特許第6,281,399号(Schulz)
【特許文献52】米国特許第6,479,721号(Gadja)
【特許文献53】国際公開第02/062734号(Chen)
【特許文献54】米国特許第6,313,362号(Green)
【特許文献55】米国特許第4,358,362号(Smith)
【特許文献56】特開平04−198139(Hidekichi)
【特許文献57】特公平07−017536(Hidekichi)
【特許文献58】米国特許第4,973,790号(Beech)
【特許文献59】米国特許第5,053,579号(Beech)
【特許文献60】米国特許第5,245,094号(Kocal)
【特許文献61】米国特許第5,030,094号(Shamshoum)
【特許文献62】米国特許第5,300,722号(Amundsen)
【特許文献63】米国特許第5,744,686号(Gajda)
【特許文献64】米国特許第5,942,650号(Gajda)
【特許文献65】米国特許第6,297,417号(Samson)
【特許文献66】米国特許第6,355,851号(Wu)
【特許文献67】国際公開第01/07383号
【特許文献68】国際公開第02/14240号(Venkat)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
したがって、本発明の主要な目的は、触媒床(または複数)の性能、操作または寿命に不利な影響を与えるであろう炭化水素供給原料中の不純物を除去するまたは実質的に低減させるために、アルキル化および/またはアルキル交換反応用酸性ゼオライト触媒床(または複数)に接触する前に、炭化水素供給原料を前処理する改善された方法およびプロセス、ならびに関連装置を提供することである。
【0027】
本発明の一般的な目的は、アルキル化、アルキル交換反応および類似の方法に使用する下流の触媒床に損害を与え得る不純物を実質的に含まない、前処理された炭化水素供給原料を提供することである。
【0028】
本発明の他の一般的な目的は、下流の触媒プロセスのステップの前に、1種または複数の炭化水素供給原料ストリームを精製する前処理ステップの1つまたは組合せを提供することである。
【0029】
本発明の特定の目的は、接触アルキル化またはアルキル交換反応法に備えて、有機または無機窒素化合物を除去するための、オレフィンまたは芳香族供給原料を処理する方法および装置を提供することである。
【0030】
本発明の他の特定の目的は、下流の触媒床を被毒させ得る不純物を除去するまたは実質的に低減させるための、蒸留、抽出、および/または吸着ステップの1つまたは組合せを含む炭化水素供給原料の前処理方法を提供することである。
【0031】
本発明の他の特定の目的は、供給原料を触媒床(または複数)と接触させる前に窒素化合物を除去するまたは実質的に低減させるために、炭化水素供給原料ストリームを前処理するのに適した吸着剤を充填した直列のガードベッドを提供することである。
【0032】
本発明の他の目的および利点は、一部は明らかであり、一部は以降に明らかになるであろう。本発明は以下の説明により例示するように、これに限定されることなく、状況に応じていくつかのステップおよび様々な要素、ならびに1つまたは複数のこうしたステップおよび要素それぞれ相互の関係および順序を含んだ、方法、プロセス、および関連装置を含む。当業者なら本明細書で説明した方法および装置に関する様々な修正形態および変形形態は明らかであり、こうした修正形態および変形形態すべては本発明の範囲に入るものと見なされる。
【課題を解決するための手段】
【0033】
酸性ゼオライト触媒の存在下でのクメンおよびエチルベンゼンのようなアルキル芳香族化合物の製造は、多くの商業的な成功を達成したが、酸性ゼオライト触媒が失活しやすいことから、触媒の連続使用時間(run length)および触媒寿命がひどく限定されてきた。本発明により今や、一方または両方の供給原料中の窒素含有不純物が、酸性ゼオライト触媒上の酸性活性部位を中和し、それにより触媒の活性度および所望の反応を実施するその能力を低下させ得ることを見出した。これらの窒素含有不純物の触媒上への長期の蓄積により、プラントの性能が許容できなくなり、再賦活、再生、または交換するためにプラントを運転停止することが必要になる点まで徐々に触媒の活性度が低下する。
【0034】
こうしたプラントの操業停止のコストには、プラントの性能を望ましいまたは商業的に許容されるレベルに戻す操作のコストが含まれるのみならず、操業停止中にさもなければ生産することができたであろう製品の販売から、生産者が得損なった利益の損失もまたしばしば含まれる。また場合によっては、被毒した触媒を頻繁に再賦活または再生すると触媒の寿命が短くなる。こうした場合は、さらに追加の触媒の交換コストが生じる。
【0035】
アルキル化および/またはアルキル交換反応の前に、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を及ぼすのに十分な量で存在する窒素化合物および/またはその他の汚染物を除去するための、本発明による前処理方法の1つまたは組合せによる一方または両方の供給原料の前処理は、吸着前処理中に使用する吸着剤の再生と共に、今や供給原料(または複数)中の有害不純物に付随するコストを最小限に抑える最もコスト効果の高い方法であることを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
A.蒸留前処理法
酸性ゼオライト触媒(または複数)の性能に悪影響を与え得るある種の不純物は、供給原料に比較して非常に高いまたは非常に低い揮発性を有しており、通常最良には蒸留方法により容易に除去することができる。2つのこうした例は、ベンゼン抽出に使用された溶媒、n−ホルミルモルホリン(NFM)およびn−メチルピロリドン(NMP)である。NFMおよびNMPは共に、酸性ゼオライト触媒には毒であることが分かっている。これらの溶媒もベンゼンに比較して非常に高沸点を有し、したがって蒸留によりベンゼンから有効にかつ経済的に分離することができる。別の例として、アンモニアはプロピレンに比較して非常に高い揮発性を有しており、したがって蒸留によりプロピレンから有効にかつ経済的に分離することができる。
【0037】
場合によっては、供給原料より軽質(より揮発性)の不純物(たとえば、窒素化合物)、および重質(揮発性がより小さい)の不純物の両方を、単一蒸留塔中、あるいは一連の蒸留塔中で蒸留することにより除去してもよい。単一蒸留塔の運転の場合、軽質不純物は蒸留塔のトップまたはその付近で除去され、重質不純物は蒸留塔のボトムまたはその付近で除去され、前処理された供給原料は蒸留塔の中央部分から側面引き抜きとして回収される。
【0038】
窒素化合物を含めたある種の不純物はまた、その他の軽質および/または重質不純物も同時に除去される同じ蒸留装置中での蒸留により供給原料から除去してもよい。場合により、重質窒素化合物および/またはその他の重質不純物は蒸留塔のボトムまたはその付近で除去され、一方前処理された精製供給原料は蒸留塔のトップまたはその付近で回収される。その他の場合には、軽質窒素化合物および/またはその他の軽質不純物は蒸留塔のトップまたはその付近で除去され、一方前処理された精製供給原料は蒸留塔のボトムまたはその付近で回収される。その他の場合には、軽質窒素化合物および/またはその他の軽質不純物は蒸留塔のトップまたはその付近で除去され、重質窒素化合物および/またはその他の重質不純物は蒸留塔のボトムまたはその付近で除去され、前処理された精製供給原料は蒸留塔の中央部分から側面引き抜きとして回収される。
【0039】
B.抽出前処理法
ある種の供給原料の不純物は、供給原料から抽出溶媒中に優先的に可溶な汚染物を分離するのに適した抽出溶媒を使用した抽出方法により、供給原料から最も良く除去することができる。たとえば、多くのゼオライト触媒に対して知られている毒のアンモニアは、プロピレンに比較して水中への非常に高い溶解度を有し、それによって、水を酸性化してもしなくてもよい水洗によりプロピレンから通常容易に除去することができる。
【0040】
C.選択的吸着前処理法
ある種の供給原料の不純物は、適した好ましくは再生可能な吸着剤を用いた選択的吸着法により供給原料から最も良く除去することができる。in situで多数回有効に再生ができる、本発明の目的に適した再生可能な吸着剤としては、酸性粘土、ゼオライト触媒類、モレキュラーシーブ類、活性アルミナ、活性炭、シリカゲル、およびイオン交換樹脂類があることが分かった。吸着剤の性質、処理される供給原料およびその中に含まれた不純物の性質、供給原料中の不純物の濃度、および温度および圧力条件によって変わる使用期間にわたり、吸着剤はその活性度および有効性の少なくとも一部を徐々に失う。ある時点で、吸着剤の活性度または有効性が、継続して使用することはもはや実用的にも、商業的にも、あるいはその両方で実行が不可能と見なされる点まで低下する。本明細書では、こうした使用済み吸着剤を「廃吸着剤」と定義し、これは廃棄して交換してもよく、あるいは本発明に従って再生することができる。ある種の廃吸着剤は、吸着された汚染物を有利な条件下で除去することにより、通常in situで多数回効果的に再生することができることを見出した。ある種の吸着剤の効果的な再生は、高温度下で吸着剤を窒素、空気、天然ガス、液化石油ガス、メタン、エタン、プロパン、ブタン類、ペンタン類、または水蒸気などの実質的に不活性なガス(すなわち、吸着剤に対して不活性な)の流れに、あるいは液化石油ガス、エタン、プロパン、ブタン類、ペンタン類、ヘキサン類、ベンゼン、トルエン、またはキシレン類などの実質的に不活性な液体の流れに曝すことにより実施されることを今や見出した。ある種の吸着剤はまた、元から吸着された汚染物(または複数)より強く優先的に吸着剤上に吸着される他の化合物(または複数)により、吸着された汚染物を置き換えることにより再生することができることも分かった。水は通常上記の吸着剤の大部分に非常に強く吸着されるので、通常吸着剤から吸着された汚染物を効果的に優先的に置き換えるために、水または高レベルの水を含んだ混合物を使用することができる。ある種の吸着剤はまた、酸性混合物のストリームで洗浄することなどの酸処理により再生することもできる。
【0041】
D.本発明の実施形態
本発明の第1の実施形態は、アルキル化および/またはアルキル交換反応法への芳香族供給原料が、この方法の区画中の1つまたは複数の触媒床中に使用されるゼオライト触媒(または複数)に有害であり得る不純物を実質的に含まないと見なされる場合は、この方法へのオレフィン供給原料のみを前処理するものである。オレフィン供給原料を、それがプロセスに入るとき、またはその他の前処理および/または精製ステップと共に、あるいはその他の前処理および/または上流の精製ステップが完了した後でしかし触媒床(または複数)に接触する前に、本発明に従って前処理することができる。上記のその他の前処理および/または上流の精製ステップは、当てはまる場合は、ゼオライト触媒(または複数)の性能、所望のアルキル芳香族生成物の純度、またはこの方法のその他の性能または生成物品質特性に悪影響を与え得る、供給原料中のその他の不純物を低減させるために使用される。
【0042】
本発明の他の実施形態は、アルキル化および/またはアルキル交換反応法へのオレフィン供給原料が、この方法の反応区画中の1つまたは複数の触媒床中に使用されるゼオライト触媒(または複数)に有害であり得る不純物を実質的に含まないと見なされる場合は、この方法への芳香族供給原料のみを前処理するものである。芳香族供給原料を、それがプロセスに入るとき、またはその他の前処理および/または精製ステップと共に、あるいはその他の前処理および/または上流の精製ステップが完了した後でしかし触媒床(または複数)に接触する前に、本発明に従って前処理することができる。上記のその他の前処理および/または上流の精製ステップは、当てはまる場合は、ゼオライト触媒の性能、所望のアルキル芳香族生成物の純度、またはこの方法のその他の性能または生成物品質特性に悪影響を与え得る、供給原料中のその他の不純物を低減させるために使用される。
【0043】
芳香族供給原料ストリームを、この方法中のその他のストリームと一緒に、またはそれがその他の前処理および/または精製ステップにより、この方法中のその他のストリームと一緒に前処理および/または精製された後に、本発明に従って前処理してもよい。上記のその他の前処理および/または上流の精製ステップは、当てはまる場合は、ゼオライト触媒(または複数)の性能、所望のアルキル芳香族生成物の純度、またはこの方法のその他の性能または生成物品質特性に悪影響を与え得る、供給原料中のその他の不純物を低減させるために使用される。
【0044】
本発明の他の実施形態は、オレフィン供給原料および芳香族供給原料が共に、アルキル化および/またはアルキル交換反応法の反応区画中の1つまたは複数の触媒床中に使用されるゼオライト触媒(または複数)に有害であり得る物質を含んでいることが知られている、または疑われる場合は、この方法へのオレフィンおよび芳香族供給原料を共に前処理するものである。本発明のこの実施形態では、オレフィン供給原料を、それがプロセスに入るとき、またはその他の前処理および/または精製ステップと共に、あるいはその他の前処理および/または上流の精製ステップが完了した後でしかし触媒床(または複数)に接触する前に、本発明に従って前処理することができる。上記のその他の前処理および/または上流の精製ステップは、当てはまる場合は、ゼオライト触媒(または複数)の性能、所望のアルキル芳香族生成物の純度、またはこの方法のその他の性能または生成物品質特性に悪影響を与え得る、供給原料中のその他の不純物を低減させるために使用される。本発明のこの実施形態ではまた、芳香族供給原料ストリームを、それがプロセスに入るとき、またはその他の前処理および/または精製ステップと共に、あるいはその他の前処理および/または上流の精製ステップが完了した後でしかし触媒床(または複数)に接触する前に、本発明に従って前処理することができる。上記のその他の前処理および/または上流の精製ステップは、当てはまる場合は、ゼオライト触媒(または複数)の性能、所望のアルキル芳香族生成物の純度、またはこの方法のその他の性能または生成物品質特性に悪影響を与え得る、供給原料中のその他の不純物を低減させるために使用される。
【0045】
芳香族供給原料ストリームを、この方法中のその他のストリームと一緒に、またはそれがその他の前処理および/または精製ステップにより、この方法中のその他のストリームと一緒に前処理および/または精製された後に、本発明に従って前処理してもよい。上記のその他の前処理および/または上流の精製ステップは、当てはまる場合は、ゼオライト触媒(または複数)の性能、所望のアルキル芳香族生成物の純度、またはこの方法のその他の性能または生成物品質特性に悪影響を与え得る、供給原料中のその他の不純物を低減させるために使用される。
【0046】
適当な状況では、本発明の蒸留、抽出および選択的吸着の供給原料前処理法の中のいずれか2つまたはちょうど3つすべてを、互いに、および本明細書中に教示した吸着剤再生ステップと含めて、様々な可能な汚染物を含んだ様々な供給原料を、操作パラメータの広範な範囲にわたり操作するニーズを満たすことに適合可能な、高効率で、非常に効果的な、特別注文の統合された方法を得るために好都合な任意の順序または配列を利用することができる。
【0047】
従来技術の方法のあるものは、精製する供給原料を選択的吸着剤と接触させることにより、少なくともいくつかの窒素化合物を除去することを示唆しているが、それらは再生可能な吸着剤(または複数)を使用することの利点に取り組むこと、廃吸着剤の複数回のin−situでの再生に適した有効な様々な方法を教示すること、本発明による多重のin−situでの再生方法の吸着効果をうまく復元させる、および廃吸着剤の少なくともある最少の許容される吸着能力をうまく回復させる効果を実証すること、または信頼性の高い多様な吸着剤再生のプロセス効率のための重要性を強調することができていない。従来技術の方法中に引用された選択的吸着剤のすべては、本質的に吸着能力が限られているので、元の吸着効果を実質的に復元させるため、およびそれが成功裡に多数回再使用ができるように少なくともある最少の許容される吸着能力を回復させるために、前処理方法に使用した吸着剤を複数回in−situで再生することが可能であることは非常に重要である。本発明者等は、選択的吸着による供給原料の前処理方法が経済的に実行可能であるかを決定する際、吸着剤の再生可能性はしばしば非常に重大な要因になることを見出した。廃吸着剤が、実質的に元の吸着効果を復元させ、かつそれが元の吸着設備に再使用できるように少なくともある最少の許容される吸着能力を回復させる、多数回再生できない場合は、それがいったん使用済みになると処理容器から除去し、新規の吸着剤の充填で置き換える必要がある。定期的に供給する新規吸着剤装填の材料コストが、購入、輸送、貯蔵、および処理容器(または複数)中への新規吸着剤の充填、ならびに荷降ろし、貯蔵、輸送、および廃吸着剤の廃棄に必要となる人件費と共に急速に計上され、従来技術の前処理方法を一般に経済的に魅力のないものにする。
【0048】
さらに、従来技術は、様々な供給原料から様々な汚染物を除去するのに適当な様々な代替の前処理方法があること、あるいはこうした方法をしばしば組合せかつ統合し、かつ/または、アルキル化/アルキル交換反応触媒(または複数)の性能、所望のアルキル芳香族生成物の純度、またはアルキル芳香族製造方法全体のその他の性能もしくは生成物の品質特性に悪影響を与え得るその他の不純物を低減させるために使用される、その他の前処理および/または精製ステップと一緒に実施することができることを教示できていない。その他の前処理および/または精製ステップと一緒に、および/または組み合わせて実施することにより、窒素化合物および/またはその他の汚染物の除去のための資金および操作コストを有意に軽減させかつ/または最小限に抑えることができる。たとえば、プロピレン供給原料中のアンモニア汚染物は、前記プロピレン供給原料の精製用に建造する蒸留塔内に少数のトレーを加えることにより供給原料から容易に除去し得る。この場合は、追加のトレーのコストはごく少なく、追加の操作コストは本質的に生じないので、プロピレンからアンモニアを除去する費用は最小限に抑える。
【0049】
以下の実施例は本発明の例示的な諸実施形態を提供する。
【実施例1】
【0050】
重量で20ppmのアンモニアを含んだプロピレン供給原料を、Alcoa社により供給される20.3グラムのSelexsorb CDを含んだガードベッドへ、1時間当たり72グラムの流量で供給することにより、本発明の実施形態に従って前処理した。ガードベッドを30℃に維持した。78グラムのプロピレンがガードベッド中を通過後に採取した処理されたプロピレンの試料は、重量で0.03ppmのアンモニアを含んでいるに過ぎず、これによりガードベッドのプロピレン供給原料のアンモニア含量を低減させる効果を実証していることが分かった。
【実施例2】
【0051】
この実施例では、上記実施例1中で使用した同じガードベッド、および重量で20ppmのアンモニアを含んだ同じプロピレン供給原料を使用した。この実施例では、プロピレンの流量を1時間当たり71グラムにわずかに減少させ、ガードベッドの温度を57℃に上昇させた。77グラムのプロピレンを処理した後に、流出物試料を採取した。流出物試料中のアンモニア含量は、重量で0.01ppmのアンモニアを含んでいるに過ぎず、これによりガードベッドの供給原料からアンモニアを除去する継続的な効果を実証していることが分かった。
【実施例3】
【0052】
重量で約110ppmの水分(水)および重量で1.3ppmのアンモニアを含んだプロピレン供給原料を、各々が本発明に従って調製され直列に配置された2個のガードベッドに、1時間当たり約90グラムの流量で供給することにより本発明の他の実施形態に従って前処理した。第1ガードベッドは、PQ Corp.社により供給される60グラムのMolecular Sieve 3Aを含み、プロピレンストリームから水分を除去することを意図した。第2ガードベッドは、Grace Davison社により供給される10グラムのMolecular Sieve 13Xを含み、プロピレンストリームからアンモニアを除去することを意図した。両ガードベッドを35℃に維持した。
【0053】
第2ガードベッドからの流出物試料を定期的に採取して、前処理したプロピレンストリーム中のアンモニア含量を測定した。前処理したプロピレンストリーム中のアンモニア含量は、99キログラムを超えるプロピレンを処理した後でさえ、検出下限の重量で0.01ppm未満のままであった。
【実施例4】
【0054】
重量で15ppmの水分、および重量で7ppmのNFMを含んだベンゼン供給原料を、Aldrich hemical Co.社により供給される10グラムのMolecular Sieve 13Xを含んだ本発明に従って調製されたガードベッドに供給することにより、本発明の他の実施形態に従って前処理した。ベンゼンの流量は1時間当たり110グラムであり、ガードベッドを約25℃の周囲温度に維持した。
【0055】
ガードベッドからの流出物試料を定期的に採取して、前処理したストリーム中のNFM含量を測定した。前処理したベンゼンストリーム中のNFM含量は、10キログラムのベンゼンを処理した後で重量で0.03ppm未満であった。
【実施例5】
【0056】
重量で15ppmの水分、および重量で7ppmのNMPを含んだベンゼン供給原料を、10グラムのMolecular Sieve 13Xを含んだ本発明に従って調製されたガードベッドに、1時間当たり110グラムの流量で供給することにより本発明の他の実施形態に従って前処理した。ガードベッドを約25℃の周囲温度に維持した。
【0057】
ガードベッドからの流出物試料を定期的に採取して、前処理したストリーム中のNFM含量を測定した。前処理したベンゼンストリーム中のNMP含量は、10キログラムのベンゼンが処理した後で重量で0.01ppm未満であった。
【実施例6】
【0058】
重量で25ppmの水分、および重量で35ppmのNFMを含んだベンゼン供給原料を、PQ Corp.社により供給される10グラムのMolecular Sieve 13Xを含んだ本発明に従って調製されたガードベッドに、1時間当たり110グラムの流量で供給することにより本発明の他の実施形態に従って前処理した。ガードベッドを約110℃に維持した。
【0059】
ガードベッドからの流出物試料を定期的に採取して、前処理したストリーム中のNFM含量を測定した。前処理したベンゼンストリーム中のNFM含量は、5キログラムのベンゼンを処理した後で、重量で0.01ppm未満であった。その後このユニットを、NFMが通り抜けて、前処理したベンゼンストリーム中のその含量が重量で0.05ppmを超えたことが判明するまで継続的に運転した。次いで、このユニットを運転停止し、廃吸着剤を約24時間の継続的な窒素パージ下、235℃でin situで再生した。
【0060】
この時点で、再生された吸着剤を冷却し、窒素パージを終わらせた。吸着剤を110℃でその吸着設備に戻し、重量で20〜25ppmの水分および重量で35ppmのNFMを含んだ1時間当たり110グラムのベンゼン供給原料を加えた。流出物試料を定期的に分析して、前処理したベンゼンストリーム中のNFM含量は、5キログラムのベンゼンを処理した後で、重量で0.01ppm未満に維持されていることを確認した。その後このユニットを再び、NFMが通り抜けて前処理したベンゼンストリーム中のその含量が重量で0.05ppmを超えたことが判明するまで継続的に運転した。次いでこのユニットを運転停止し、廃吸着剤を再び約24時間の継続的な窒素パージ下235℃でin situで再生した後で、それを冷却し、窒素パージを終わらせた。吸着剤を110℃でその吸着設備に再び戻し、重量で20〜25ppmの水分および重量で35ppmのNFMを含んだ1時間当たり110グラムのベンゼン供給原料を加えた。流出物試料を定期的に分析して、前処理したベンゼンストリーム中のNFM含量は、5キログラムのベンゼンを処理した後で重量で0.01ppm未満に維持されていることを再び確認した。
【0061】
要約すると、この実施例中に使用した再生可能な吸着剤は、本発明に従って高温で窒素を用いてin−situで2回再生された。再生された吸着剤の吸着効果は、各再生の後に流出物試料が重量で0.01ppm未満のNFMを含んでいることが分かったように、十分に復元されていることが分かった。さらに、再生された吸着剤は、重量で20〜25ppmの水分および重量で35ppmのNFMを含んだ、少なくとも5キログラムのベンゼン供給原料を前処理することが可能であることが分かった。したがってこの実施例は、高温で窒素を用いた多重再生が吸着効果を復元させる、および供給原料からのNFMおよびその他の窒素汚染物の除去に使用した廃吸着剤の少なくとも最少の許容される吸着能力を回復させる効果を実証する。
【実施例7】
【0062】
重量で50ppmの水分、および重量で35ppmのNFMを含んだベンゼン供給原料を、10グラムのMolecular Sieve 13Xを含んだ本発明に従って調製されたガードベッドに、1時間当たり110グラムの流量で供給することにより本発明の他の実施形態に従って前処理した。ガードベッドを約110℃に維持した。
【0063】
ガードベッドからの流出物試料を定期的に採取して、前処理したストリーム中のNFM含量を測定した。前処理したベンゼンストリーム中のNFM含量は、5キログラムのベンゼンを処理した後で重量で0.01ppm未満であった。その後このユニットを、NFMが通り抜けて前処理したベンゼンストリーム中のその含量が重量で0.05ppmを超えたことが判明するまで継続的に運転した。次いで、このユニットを運転停止し、廃吸着剤を約16時間の継続的な水蒸気パージ下200℃でin situで再生した。次いで再生された吸着剤を窒素パージ中で約4時間乾燥した。
【0064】
再生された吸着剤を冷却し、窒素パージを終わらせた後で、それを110℃でその吸着設備に戻し、重量で50ppmの水分および重量で35ppmのNFMを含んだ1時間当たり110グラムのベンゼン供給原料を加えた。流出物試料の定期的な分析により、前処理したベンゼンストリーム中のNFM含量は、5キログラムのベンゼンを処理した後で、重量で0.01ppm未満に維持されていることが確認された。その後再びこのユニットを、NFMが通り抜けて前処理したベンゼンストリーム中のその含量が重量で0.05ppmを超えたことが判明するまで継続的に運転した。次いで、このユニットを運転停止し、廃吸着剤を再び継続的な水蒸気パージ下200℃でin situで再生し、次いで窒素パージ中で乾燥した。
【0065】
再生された吸着剤を冷却し、窒素パージを終わらせた後で、それを110℃でその吸着設備に再び戻し、重量で50ppmの水分および重量で35ppmのNFMを含んだ1時間当たり110グラムのベンゼン供給原料を加えた。流出物試料の定期的な分析により、前処理したベンゼンストリーム中のNFM含量は、5キログラムのベンゼンを処理した後で、重量で0.01ppm未満に維持されていることが再び確認された。
【0066】
その後再びこのユニットを、NFMが通り抜けて前処理したベンゼンストリーム中のその含量が重量で0.05ppmを超えたことが判明するまで継続的に運転した。次いでこの吸着剤を、3回目の以前と本質的に同じ条件で水蒸気で再生し、窒素で乾燥し、窒素中で冷却し、その吸着設備に戻した。再生された吸着剤は、重量で50ppmの水分および重量で35ppmのNFMを含んだ5キログラムを超えるベンゼンを前処理することが可能であり、一方流出物のNFMレベルは重量で0.01ppm未満のままであることを再び確認した。
【0067】
要約すると、この実施例中に使用した再生可能な吸着剤は、本発明に従って高温で水蒸気を用いてin−situで3回再生された。再生された吸着剤の吸着効果は、各再生の後に流出物試料が重量で0.01ppm未満のNFMを含んでいることが分かったように、十分に復元されていることが分かった。さらに、再生された吸着剤は、重量で50ppmの水分および重量で35ppmのNFMを含んだ少なくとも5キログラムのベンゼン供給原料を前処理することが可能であることが分かった。したがってこの実施例は、高温で水蒸気を用いた多重再生が、吸着効果を復元させる、および供給原料からのNFMおよびその他の窒素汚染物の除去に使用した廃吸着剤の少なくとも最少の許容される吸着能力を回復させる効果を実証する。
【実施例8】
【0068】
MCM−22タイプ触媒の1バッチをパイロットプラントのアルキル化反応器中に充填し、クメン合成の試験をした。触媒運転後5,603と5,630時間の間で、ベンゼンの供給量は1時間当たり約65グラムであり、プロピレンの供給量は1時間当たり約29グラムであった。反応器の温度は128℃であり、プロピレンの変換率は99.99%を超えて安定であった。
【0069】
運転5,631時間で、純粋なベンゼン供給原料を、50ppmのNMPを加えて調製したベンゼン供給原料に置き換えた。同時に、ベンゼン供給原料を前処理してNMPを除去するために、パイロットプラントのアルキル化反応器上流の設備中に、22.5グラムのMolecular Sieve 13Xを含んだ本発明によるガードベッドを設置した。このガードベッドを約25℃の周囲温度に維持した。ガードベッドの出口ではベンゼン供給原料中にNMPは検出されず、アルキル化反応器中の触媒は、この期間安定なままであった。プロピレンの変換率は99.99%を超えたままであった。この実施例は、本発明により調製され、操作されたガードベッドがベンゼン供給原料からNMPを除去し、それにより触媒の失活を防止する効果を実証した。
【0070】
運転5,652時間で、Molecular Sieve 13Xガードベッドを迂回させて、NMPを含んだベンゼン供給原料を本発明による前処理をすることなく反応器に供給した。間もなく反応器温度プロファイルに変化が明らかになり、触媒毒が起きていることを示唆していた。その後、NMPを含んだベンゼン供給原料を、純粋なベンゼン供給原料で置き換えた。運転5,676時間で、プロピレンの変換率が99.98%未満に低下したことが分かり、これにより、NMPによる触媒被毒により生じた触媒層床の損傷または劣化を示唆していた。
【0071】
アルキル化および/またはアルキル交換反応触媒に有害な物質を除去するために、アルキル化および/またはアルキル交換反応器への1種または複数の炭化水素供給原料を前処理する上記の装置および方法に、本発明の範囲から逸脱することなくその他の変更形態および修正形態を加えることができることは当業者なら明らかであり、上記の説明中に含まれる事柄すべては例示的および非限定的な意味で解釈されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性ゼオライト触媒の存在下、反応区画中でオレフィン供給原料と芳香族供給原料を反応させることにより、所望のアルキル芳香族化合物を製造する方法であって、オレフィン供給原料、または芳香族供給原料、あるいは両方が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量の少なくとも汚染物を含む方法において、ステップ(e)がそれに続く、任意の順序の以下のステップ(a)から(d)を含む方法
(a)該オレフイン供給原料に比べて高揮発性の窒素汚染物、または該オレフイン供給原料に比べて低揮発性の窒素汚染物、あるいは両方が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量でオレフィン供給原料中に存在し、該窒素汚染物がn−ホルミルモルフオリン、n−メチルピロリドンおよびアンモニアの少なくとも一種を含み、かつ本明細書の別の処理方法では実質的に分離されない場合、オレフィン供給原料からこうした汚染物を実質的に分離するために、蒸留により前記反応区画へのオレフィン供給原料を処理すること、
(b)該芳香族供給原料に比べて高揮発性の窒素汚染物、または該芳香族供給原料に比べて低揮発性の窒素汚染物、あるいは両方が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量で芳香族供給原料中に存在し、かつ本明細書の別の処理方法では実質的に分離されない場合、芳香族供給原料からこうした汚染物を実質的に分離するために、蒸留により前記反応区画への芳香族供給原料を処理すること、
(c)本明細書のその他の処理方法により実質的に除去されない窒素汚染物が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量でオレフィン供給原料中に存在する場合、オレフィン供給原料からこうした汚染物を実質的に分離するために、再生可能な吸着剤を用いた選択的吸着により前記反応区画へのオレフィン供給原料を処理すること、および定期的に前記吸着剤をin−situで再生すること、
(d)本明細書のその他の処理方法により実質的に除去されない窒素汚染物が、酸性ゼオライト触媒(または複数)の性能に悪影響を与えるのに十分な量で芳香族供給原料中に存在する場合、芳香族供給原料からこうした汚染物を実質的に分離するために、再生可能な吸着剤を用いた選択的吸着により前記反応区画への芳香族供給原料を処理すること、および定期的に前記吸着剤をin−situで再生すること、ならびに
(e)オレフィン供給原料が少なくとも1種の窒素汚染物を含んでいる場合、ステップ(a)または(c)の1つまたは複数により前処理したオレフィン供給原料を前記反応区画に通し、芳香族供給原料が少なくとも1種の窒素汚染物を含んでいる場合、ステップ(b)または(d)の1つまたは複数により前処理した芳香族供給原料を前記反応区画に通すこと。
【請求項2】
前記芳香族供給原料の前処理が、少なくとも蒸留ステップを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記芳香族供給原料の前処理が、少なくとも再生可能な吸着剤による選択的吸着ステップ含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記オレフイン供給原料の前処理が、少なくとも吸着ステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
酸性ゼオライト触媒の存在下、反応区画中でオレフィン供給原料と芳香族供給原料を反応させることにより、所望のアルキル芳香族化合物を製造する方法であって、該芳香族供給原料が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量の少なくとも汚染物を含む方法において、以下のステップ(a)および(d)を含む方法
(a)該芳香族供給原料に比べて高揮発性の窒素汚染物、または該芳香族供給原料に比べて低揮発性の窒素汚染物、あるいは両方が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量で該芳香族供給原料中に存在し、該窒素汚染物がn−ホルミルモルフオリン、n−メチルピロリドンおよびアンモニアの少なくとも一種を含む場合、該芳香族供給原料からこうした汚染物を実質的に分離するために、蒸留により前記反応区画への該芳香族供給原料を処理すること、
(b)前記ステップ(a)で前処理された該芳香族供給原料を前記反応区画に通すこと。
【請求項6】
酸性ゼオライト触媒の存在下、反応区画中でオレフィン供給原料と芳香族供給原料を反応させることにより、所望のアルキル芳香族化合物を製造する方法であって、該芳香族供給原料が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量の少なくとも汚染物を含む方法において、以下のステップ(a)および(d)を含む方法
(a)該窒素汚染物が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量で該芳香族供給原料中に存在し、該窒素汚染物がn−ホルミルモルフオリン、n−メチルピロリドンおよびアンモニアの少なくとも一種を含む場合、該芳香族供給原料からこうした汚染物を実質的に分離するために、再生可能な吸着剤で選択的吸着を行うことにより前記反応区画への該芳香族供給原料を処理し、該吸着剤を定期的にin−situで再生すること、
(b)前記ステップ(a)で前処理された該芳香族供給原料を前記反応区画に通すこと。
【請求項7】
酸性ゼオライト触媒の存在下、反応区画中でオレフィン供給原料と芳香族供給原料を反応させることにより、所望のアルキル芳香族化合物を製造する方法であって、該オレフイン供給原料が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量の少なくとも汚染物を含む方法において、以下のステップ(a)および(d)を含む方法
(a)該窒素汚染物が、酸性ゼオライト触媒の性能に悪影響を与えるのに十分な量で該オレフイン供給原料中に存在し、該窒素汚染物がn−ホルミルモルフオリン、n−メチルピロリドンおよびアンモニアの少なくとも一種を含む場合、該オレフイン供給原料からこうした汚染物を実質的に分離するために、再生可能な吸着剤で選択的吸着を行うことにより前記反応区画への該オレフイン供給原料を処理し、該吸着剤を定期的にin−situで再生すること、
(b)前記ステップ(a)で前処理された該オレフイン供給原料を前記反応区画に通すこと。
【請求項8】
酸性ゼオライト触媒を利用して芳香族供給原料およびオレフィン供給原料から、所望のアルキル芳香族化合物を製造する方法であって、
(a)プラントの反応区画中で使用する酸性ゼオライト触媒を失活させる可能性がある窒素化合物を除去するまたは実質的に低減させるために、蒸留および選択的吸着からなる群から選択される少なくとも1つを含む1つまたは複数の前処理ステップを利用して、芳香族供給原料および/またはオレフィン供給原料を前処理し;
(b)選択的吸着ステップが、ゼオライト、ゼオライト触媒類、モレキュラーシーブ類、ケイ酸塩類、アルミナ類、活性アルミナ、活性炭、シリカゲル類、およびイオン交換樹脂類からなる群から選択される少なくとも1種の再生可能な吸着剤を利用し;
(c)廃吸着剤が、少なくとも2回in−situで以下の手順、(i)高温下で廃吸着剤を不活性ガスまたは不活性液体の流れに曝すこと、(ii)汚染物より強く吸着剤に優先的に吸着されるその他の化合物により、吸着された汚染物を置き換えること、および(iii)酸処理の少なくとも1つにより再生され;
(d)次いで処理された芳香族および/またはオレフィン供給原料を、反応区画内で反応させて所望のアルキル芳香族化合物を製造し;かつ
(e)所望のアルキル芳香族化合物を分離するために蒸留区画を使用し、未反応の供給原料および回収可能な副生成物を再循環し、かつ回収不可能な副生成物を取り除く方法。
【請求項9】
該窒素汚染物がn−ホルミルモルフオリン、n−メチルピロリドンおよびアンモニアの少なくとも一種を含む請求項8記載の方法。

【公開番号】特開2010−270120(P2010−270120A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139310(P2010−139310)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【分割の表示】特願2003−572926(P2003−572926)の分割
【原出願日】平成15年2月27日(2003.2.27)
【出願人】(504321337)ストーン アンド ウェブスター インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】