説明

アルツハイマー病及び骨粗鬆症の治療並びに老化の軽減

アルツハイマー病、骨粗鬆症、睡眠時無呼吸、勃起機能不全、マッカードル病、又は炭水化物代謝障害を治療するための、又は老化又は疲労を軽減するための組成物の使用。組成物は、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア、及びアデノシン5’−一リン酸活性化タンパク質キナーゼ活性化剤からなる群から選択される第一の薬剤、抗炎症活性を持つ第二の薬剤、及びセロトニン活性を持つ第三の薬剤を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条(e)により、本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれている2009年3月16日出願の米国仮出願第61/160,533号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は、記憶障害及び認知症を特徴とする年齢に関係する神経学的疾患である。やはり年齢に関係する疾患である骨粗鬆症は、低骨量及び骨組織の喪失をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これら2つの年齢に関係する疾患を治療するか、そうでなければ老化を軽減するための新たなアプローチを開拓することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本発明は、治療を必要としている対象へ(1)酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア、又はアデノシン5’−一リン酸活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)活性化剤であってよい第一の薬剤、(2)抗炎症活性を持つ第二の薬剤、及び(3)セロトニン活性を持つか維持する第三の薬剤を包含する組成物を投与することによりアルツハイマー病又は骨粗鬆症を治療するための方法を特徴とする。「酸化的リン酸化阻害剤」という用語は、酸化的リン酸化脱共役剤などの、酸化的リン酸化を阻害する適当な薬剤を指す。イオノフォアは、イオンを細胞膜の脂質二重層を越えて輸送することができる脂溶性分子である。AMPK活性化剤は、AMPKを活性化してその基質、例えば、アセチル−CoAカルボキシラーゼ及びマロニル−CoAデカルボキシラーゼをリン酸化する薬剤である。第一の薬剤の例は、メトホルミン(例えば、塩酸メトホルミン)、フェンホルミン、ブホルミン、エフェドリン、チロキシン、サリチルアニリド、及びサリチル酸を包含する。第二の薬剤は、適当な抗炎症性化合物(例えば、非ステロイド性抗炎症性化合物)であってよい。例は、アスピリン、ジクロフェナク(例えば、ジクロフェナクカリウム又はジクロフェナクナトリウム)、イブプロフェン(例えば、デクスイブプロフェン又はデクスイブプロフェンリシン)、インドメタシン、アセトアミノフェン、ニメスリド、及びCOX−2阻害剤(例えば、酸化窒素ベースのCOX−2阻害剤)を包含する。第三の薬剤は、セロトニンの活性のうちの少なくとも1つを持つか維持する化合物であってよく、第一及び第二の薬剤と組み合わせて使用される場合に、本発明の標的疾患のうちの1つ又は複数を効果的に治療する。例は、セロトニン(例えば、硫酸セロトニン、セロトニンクレアチニン硫酸複合体、又は塩酸セロトニン)及びセロトニン再取り込み阻害剤を包含する。好ましい組成物は、塩酸メトホルミン、アスピリン、及びセロトニンクレアチニン硫酸複合体を含有する。上に述べられている3つの薬剤は、上に記載されているもの以外の生物学的機構を介して標的疾患を治療する可能性がある。例えば、メトホルミンは、酸化的リン酸化を阻害するかAMPKを活性化すること以外の機構を介して標的疾患(例えば、骨粗鬆症)を治療する場合がある。
【0005】
上に記載されている組成物は、第一の薬剤5〜5,000mg(例えば、5〜3,000mg,5〜1,500mg、又は5〜1,000mg)、第二の薬剤1〜5,000mg(例えば、1〜3000mg、1〜1,000mg、1〜500mg、又は1〜100mg)、及び第三の薬剤0.1〜1,000mg(例えば、0.1〜100mg、0.1〜50mg、又は0.1〜30mg)、又は上記量に基づいて算出されるものと同一の比の量で含有することができる。
【0006】
別の態様において、本発明は、治療を必要としている対象へ上に記載されている組成物を投与することによる老化又は疲労を軽減するための方法を特徴とする。
【0007】
さらに別の態様において、本発明は、治療を必要としている対象へ上に記載されている組成物を投与することによる睡眠時無呼吸、勃起機能不全、マッカードル病、又は炭水化物代謝障害を治療するための方法を特徴とする。
【0008】
上に述べられている疾患及び障害のうちのいずれかのための医薬品を製造するための、上に記載されている組成物の使用も本発明の範囲内にある。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細は、以下の説明に記述される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
様々な疾患/障害、例えば、アルツハイマー病、骨粗鬆症、睡眠時無呼吸、勃起機能不全、マッカードル病、若しくは炭水化物代謝障害を治療するための、又は老化若しくは疲労を軽減するための組成物の使用が本明細書に開示されている。組成物は、すぐ下に、並びに米国特許出願第60/885,212号及び第12/014,932号にも記載されている少なくとも3つの活性薬剤を包含する。
【0011】
第一の薬剤は、酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア、又はアデノシン5’−一リン酸活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)活性化剤であってよい。第一の薬剤は、上に記載されているものに加えて、4,6−ジニトロ−o−クレゾール、脱共役タンパク質(例えば、UCP1、UCP2、又はUCP3)、カルボニルシアニドp−(トリフルオロメトキシ)フェニル−ヒドラゾン、カルボニルシアニドm−クロロフェニル−ヒドラゾン、C5遺伝子産物、ジニトロフェノール(例えば、2,4−ジニトロフェノール)、エフラペプチン(A23871)、グアネチジン、クロルプロマジン、アミタール、セコバルビタール、ロテノン、プロゲステロン、アンチマイシンA、ナフトキノン、8−ヒドロキシキノリン、一酸化炭素、シアニド、アジド(例えば、NaN)、ジクマリン、ビリルビン、胆汁色素、エフェドリン、硫化水素、テトラヨードチロニン、クエルセチン、2,4−ビス(p−クロロアニリノ)ピリミジン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、オリゴマイシン、塩化トリブチルスズ、オーロベルチン、ルタマイシン、ベンツリシジン、水銀剤、ジシクロヘキシルカルボジイミド、Dio−9、m−クロロフェニル−ヒドラゾンメソキサロニトリル、イオノマイシン、カルシウムイオノフォア(例えば、A23187、NMDA、CA1001、又はエニアチンB)、ミトコンドリア中のCa+2濃度を増加させる化合物(例えば、アトラクチロシド、ボンクレキン酸、タプシガルギン、アミノ酸神経伝達物質、グルタメート、N−メチル−D−アスパラギン酸、カルバコール、イオノフォア、カリウム脱分極の誘導剤)、アポトーゲン(apotogen)(すなわち、アポトーシスを誘導する化合物)、バリノマイシン、グラミシジン、ノナクチン、ナイジェリシン、ラサロシド、及びモネンシンを包含することができる。第一の薬剤は、AMPK活性化剤(例えば、メトホルミン又はフェンホルミン、ブホルミン、5’−アミノイミダゾール−4−カルボキシアミド−リボヌクレオシド、チエノピリドン、レスベラトロール、ノートカトン、チアゾール、又はアディポネクチン)であってよい。
【0012】
第二の薬剤は、ステロイド性抗炎症薬及び非ステロイド性抗炎症薬を包含することができる。ステロイド性抗炎症薬の例は、グルココルチコイド、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、フルオシノロンアセトニド、フルドロコルチゾン、及びプロピオン酸ベクロメタゾンを包含する。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の例は、A183827、ABT963、アセクロフェナク、アセメタシン、アセチルサリチル酸、AHR10037、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アムピロキシカム、アムトルメチングアシル(amtolmetin guacil)、アパゾン、アトリプロフェンメチルエステル、AU8001、ベノキサプロフェン、ベンジダミン、フルフェナメート、ベルモプロフェン、ベズピペリロン(bezpiperylon)、BF388、BF389、BIRL790、BMS347070、ブロムフェナク、ブクロクス酸、ブチブフェン、BW755C、C53、C73、C85、カルプロフェン、CBS1108、セレコキシブ、CHF2003、クロロビフェニル、トリサリチル酸コリンマグネシウム、CHX108、シミコキシブ、シンノキシカム、クリダナク、CLX1205、COX−2阻害剤、CP331、CS502、CS706、D1367、ダルブフェロン、デラコキシブ、デクスケトプロフェン、DFP、DFU、ジフルニサル、DP155、DRF4367、E5110、E6087、エルテナク、ER34122、エスフルルビプロフェン、エトリコキシブ、F025、フェルビナクエチル、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンクロジン(fenclozine)、フェノプロフェン、フェンチアザク、フェプラゾン、フィレナドール、フロブフェン、フロリフェニン、フロスリド、メタンスルホン酸フルビチン(flubichin methanesulfonate)、フルフェナム酸、フルプロフェン、フルルビプロフェン、FPL62064、FR122047、FR123826、FR140423、FR188582、FS205397、フロフェナク、GR253035、GW406381、HAI105、HAI106、HCT2035、HCT6015、HGP12、HN3392、HP977、HX0835、HYALAT2101、イブフェナク、イブプロキサム−β−シクロデキストリン、イコズリナム(icodulinum)、IDEA070、イグラチモド、イムレコシブ(imrecoxib)、インドプロフェン、IP751、イソキセパク、イソキシカム、KC764、ケトプロフェン、L652343、L745337、L748731、L752860、L761066、L768277、L776967、L783003、L784520、L791456、L804600、L818571、LAS33815、LAS34475、リコフェロン、LM4108、ロブプロフェン、ロルノキシカム、ルミラコキシブ、マブプロフェン、メクロフェナム酸、メクロフェナメートナトリウム、メフェナム酸、メロキシカム、メルカプトエチルグアニジン、メソポルフィリン、メトキシブトロペート(metoxibutropate)、ミロプロフェン、モフェブタゾン、モフェゾラク、MX1094、ナブメトン、ナプロキセンナトリウム、ナプロキセン−ナトリウム/メトクロプラミド、NCX1101、NCX284、NCX285、NCX4016、NCX4215、NCX530、ニフルム酸、酸化窒素ベースのNSAID(NitroMed、Lexington、MA)、ニトロフェナク、ニトロフルルビプロフェン、ニトロナプロキセン、NS398、オシマムサンクタム(ocimum sanctum)油、ONO3144、オルパノキシン、オキサプロジン、オキシンダナク、オキシピナク(oxipinac)、オキシコドン/イブプロフェン、オキシフェンブタゾン、P10294、P54、P8892、パミコグレル、パルセタサール、パレコキシブ、PD138387、PD145246、PD164387、ペルビプロフェン、ペメドラク、フェニルブタゾン、ピラゾラク、ピロキシカム、ピロキシカムβ−シクロデキストリン、ピバリン酸ピロキシカム、ピルプロフェン、プラノプロフェン、レスベラトロール、R−ケトプロフェン、R−ケトロラク、ロフェコキシブ、RP66364、RU43526、RU54808、RWJ63556、S19812、S2474、S33516、サリチルサリチル酸、サチグレル、SC236、SC57666、SC58125、SC58451、SFPP、SKF105809、SKF86002、サリチル酸ナトリウム、スドキシカム、スルファサラジン、スリンダク、スプロフェン、SVT2016、T3788、TA60、タルメタシン、タルニフルメート、タゾフェロン、テブフェロン、テニダプ、テノキシカム、テポキサリン、チアプロフェン酸、チルマコキシブ、チルノプロフェンアルバメル、チノリジン、チオピナク、チオキサプロフェン、トルフェナム酸、トルメチン、トリフルサール、トロペシン(tropesin)、TY10222、TY10246、TY10474、UR8962、ウルソル酸、バルデコキシブ、WAY120739、WY28342、WY41770、キシモプロフェン、YS134、ザルトプロフェン、ジドメタシン、及びゾメピラクを包含する。
【0013】
第三の薬剤は、セロトニン及びその機能的等価体を包含する。セロトニンの機能的等価体は、セロトニン代謝産物(例えば、5−ヒドロキシインドール酢酸)、セロトニン輸送体阻害剤(例えば、パロキセチン、フルオキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルトラリン、イミプラミン、及びWO03/00663に開示されているもの)、セロトニン受容体2c調整剤(例えば、BVT933、DPCA37215、IK264、PNU22394、WAY161503、R−1065、YM348、並びに米国特許第3,914,250号、WO01/66548、WO02/10169、WO02/36596、WO02/40456、WO02/40457、WO02/44152、WO02/48124、WO02/51844、及びWO03/033479に開示されているもの)、セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、アリールピロリジン化合物、フェニルピペラジン化合物、ベンジルピペリジン化合物、ピペリジン化合物、三環系γカルボリンデュロキセチン化合物、ピラジノキノキサリン化合物、ピリドインドール化合物、ピペリジインドール(piperidyindole)化合物、ミルナシプラン、シタロプラム、セルトラリン代謝産物デメチルセルトラリン、ノルフルオキセチン、シタロプラム代謝産物デスメチルシタロプラム、エスシタロプラム、d,l−フェンフルラミン、フェモキセチン、イホキセチン、シアノドチエピン(cyanodothiepin)、リトキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、セリクラミン、トラゾドン、ミルタザピン、フルオキセチン、フルボキサミン、インダルピン、インデロキサジン、ミルナシプラン、パロキセチン、セルトラリン、シブトラミン、ジメルジン、塩酸トラゾドン、デクスフェンフルラミン、並びに米国特許第6,365,633号、WO01/27060、及びWO01/162341に開示されているもの)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(例えば、ベンラフェキシン、ベンラフェキシン代謝産物O−デスメチルベンラファキシン、クロミプラミン、及びクロミプラミン代謝産物デスメチルクロミプラミン)、セロトニン1A受容体拮抗剤(例えば、アリールピペラジン化合物、ヘテロ環縮合ベンゾジオキサンのアザヘテロシクリルメチル誘導体、又はブスピロン)、セロトニン2A受容体拮抗剤(例えば、MDL100907及びファナンセリン)、セロトニン2B又は2C受容体拮抗剤(例えば、ピラジノ(アザ)インドール化合物又はセロトニン作動性化合物)、セロトニン6受容体拮抗剤(例えば、5−ハロ−トリプタミン化合物)、セロトニン7受容体拮抗剤(例えば、5−ハロ−トリプタミン化合物又はキノリン化合物)、セロトニンドーパミン拮抗剤(例えば、オランザピン及びジペラシドン(ziperasidone))、モノアミン再取り込み阻害剤(例えば、アミド)、ピリダジノンアルドース還元酵素阻害剤(例えば、ピリダジノン化合物)、セロトニン作動薬、セロトニン受容体の刺激剤(例えば、メシル酸エルゴロイド又はメシル酸ペルゴリド)、セロトニン合成の刺激剤(例えば、ビタミンB1、ビタミンB3、ビタミンB6、ビオチン、S−アデノシルメチオニン、葉酸、アスコルビン酸、マグネシウム、補酵素Q10、又はピラセタム)、又はセロトニン作動剤(例えば、フェンフルラミン)を包含する。
【0014】
第一、第二、及び第三の薬剤は、上に記載されている化合物の塩、プロドラッグ、又は溶媒和物であってもよい。塩は、陰イオンと薬剤の正に荷電した基(例えば、アミノ)の間で形成することができる。適当な陰イオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、硝酸、リン酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、クロロフェノキシ酢酸、リンゴ酸、トシル酸、酒石酸、フマル酸、グルタミン酸、グルクロン酸、乳酸、グルタル酸、安息香酸、エンボン酸、グリコール酸、パモ酸、アスパラギン酸、パラクロロフェノキシイソ酪酸、ギ酸、コハク酸、シクロヘキサンカルボン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ベンゼンスルホン酸、トリメトキシ安息香酸、パラトルエンスルホン酸、アダマンタンカルボン酸、グリコキシレート(glycoxylate)、ピロリドンカルボン酸、ナフタレンスルホン酸、1−グルコースリン酸、亜硫酸、ジチオン酸、及びマレイン酸を包含する。同様に、塩は、陽イオンと薬剤の負に荷電した基(例えば、カルボキシレート)の間で塩を形成することもできる。適当な陽イオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びテトラメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウム陽イオンを包含する。薬剤は、四級窒素原子を含有する塩を包含することもできる。プロドラッグの例は、対象への投与で、活性化合物に変換されることが可能であるエステル及び他の薬学的に許容できる誘導体を包含する。溶媒和物とは、活性化合物と薬学的に許容できる溶媒の間で形成されるコンプレックスを指す。薬学的に許容できる溶媒の例は、水、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸、及びエタノールアミンを包含する。
【0015】
上に述べられている3つの活性薬剤は、既知の薬物であり、容易に一般に利用することができる。一部は、Sigma−Aldrich、St.Louis、MOなどの化学薬品会社から購入することができる。これらの薬物化合物を投与するためのレジメンは、よく知られており、必要な場合には、容易に再構築することができる。
【0016】
3つの必要とされる薬剤に加えて、本発明の方法において使用される組成物は、1つ又は複数の追加活性成分を包含することができる。
【0017】
本発明の方法を実施するために、有効量の上に記載されている組成物は、非経口的に、経口的に、頬側に、鼻に、局所的に、又は直腸に必要としている対象へ投与することができる。本明細書で使用されているような「有効量」とは、単独か1つ又は複数の他の活性薬剤との組合せのどちらかで、対象に治療効果を与えるのに必要とされる各活性薬剤の量を指す。
【0018】
有効投与量は、当業者により認識されているように、治療されることになる障害のタイプ又は程度、対象のサイズ、体重、年齢及び性別、投与経路、賦形剤の使用、並びに別の治療的処置との可能な同時使用(co−usage)に応じて変わるであろう。上に記載されている組成物の1日投与量は、第一の薬剤5〜5,000mg(例えば、10〜2,500又は10〜3,000mg)、第二の薬剤1〜5,000mg(例えば、2〜1,000又は2〜3,000mg)、第三の薬剤0.1〜1,000mg(例えば、1〜50mg)であってよい。
【0019】
必要としている対象は、適当な診断法の結果に基づいてヘルスケアの専門家により識別することができる。本明細書で使用されている「治療すること」又は「治療」という用語は、上に述べられている疾患、そのような疾患の症状、又はそのような疾患になりやすい傾向を有する対象へ、治療効果を与えるという目的で、例えば、疾患、その症状、又はそれになりやすい傾向を治療する、緩和する、変化させる、影響を与える、改善する、又は予防するために、上に記載されている組成物を投与することを指す。本明細書で使用されている「疲労を軽減すること」という用語は、対象において疲労の1つ又は複数の症状(例えば、低エネルギー、持久力不足、及び注意欠陥)を低減すること、改善すること、又は緩和することを指す。「老化を軽減すること」とは、対象において老化の有害効果(例えば、低活力、記憶障害、視力又は聴力の低下、及び関節痛)を低減すること、改善すること、又は緩和することを指す。
【0020】
本明細書に記載されている組成物は、医薬組成物を形成するための薬学的に許容できる担体を包含することができる。担体は、組成物の活性成分と適合し(好ましくは、活性成分を安定化することができ)、治療されることになる対象に対して有害ではないという意味で「許容できる」ものでなければならない。医学の当業者に知られている従来の方法を使用し、対象へ本明細書に記載されている医薬組成物を投与することができる。
【0021】
無菌の注射用組成物は、無毒の非経口的に許容できる希釈剤又は溶媒中の溶液又は懸濁液であってよい。本明細書で使用されているような「非経口的に」という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内、又は頭蓋内注射、並びに任意の適当な注入技法を指す。使用することができる許容できるビヒクル及び溶媒には、マンニトール、水、1,3−ブタンジオール、リンゲル液、及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、固定油は、溶媒又は懸濁化媒体として従来から用いられている(例えば、合成モノ−又はジグリセリド)。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、特に、それらのポリオキシエチル化形態で、オリーブ油又はヒマシ油などの天然の薬学的に許容できる油のように、注射剤の調製において有用である。これらの油溶液剤又は懸濁剤は、長鎖アルコール希釈剤又は分散剤、カルボキシメチルセルロース、又は類似の分散剤を含有することもできる。薬学的に許容できる固体、液体、又は他の剤形の製造において一般に使用されるTween若しくはSpanなどの他の一般に使用される界面活性剤、又は他の類似の乳化剤若しくはバイオアベイラビリティ増強剤も、製剤化の目的で使用することができる。
【0022】
経口投与のための組成物は、カプセル剤、散剤、錠剤、エマルジョン剤及び水性懸濁剤、分散剤、及び溶液剤を包含する任意の経口的に許容できる剤形であってよい。錠剤又はカプセル剤の場合、一般に使用される担体又は希釈剤は、ラクトース及びコーンスターチを包含する。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を加えることができる。水性の懸濁剤又はエマルジョン剤が経口的に投与される場合、活性成分は、乳化剤又は懸濁化剤と混ぜ合わせた油性相中に懸濁するか溶かすことができる。望ましい場合には、ある種の甘味剤、矯味剤、又は着色剤を加えることができる。
【0023】
鼻エアロゾル又は吸入組成物は、医薬製剤化の技術分野においてよく知られている技法に従って調製することができる。例えば、そのような組成物は、ベンジルアルコール又は他の適当な保存剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/又は当技術分野において知られている他の可溶化剤又は分散剤を用い、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
【0024】
局所投与のための組成物は、軟膏、ゲル、プラスター、エマルジョン、ローション、フォーム、混合相若しくは両親媒性エマルジョン系(油/水−水/油混合相)のクリーム、リポソーム、トランスファーソーム(transfersome)、ペースト、又は粉末の形態で調製することができる。
【0025】
上に記載されている組成物のうちのいずれかは、直腸投与のための坐剤の形態で投与することもできる。組成物が腸内で放出されるように設計することもできる。例えば、組成物は、小腸又は大腸のpHにおいて溶けるか分散して薬物物質を腸内に放出する腸溶性ポリマーを含むマトリックス又は壁又はクロージャーを有する固体サブユニット又はカプセル区画に閉じ込められる。適当な腸溶性ポリマーは、上記に、及び米国特許第5,705,189号にも記載されている。
【0026】
組成物は、飲料又は食物製品中に包含することができる。例は、茶(例えば、茶飲料及びティーバッグの内容物)、ソフトドリンク、ジュース(例えば、果実エキス及びジュース飲料)、ミルク、コーヒー、クッキー、シリアル、キャンデー、及びスナックバーを包含する。
【0027】
上に記載されている組成物は、インビトロアッセイにより上に記載されている疾患又は障害を治療する際のそれらの有効性について予備的にスクリーニングし、次いで、動物実験及び臨床治験により確認することができる。他の方法も、当業者には明らかであろう。
【0028】
さらなる詳述なしに、当業者は、本明細書の説明に基づき、本発明を最大限に利用できると考えられる。本明細書に引用されている刊行物はすべて(特許及び特許出願を包含する)、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0029】
他の実施形態
本明細書に開示されている特徴はすべて、任意の組合せで組み合わせることができる。本明細書に開示されている各特徴は、同一の、等価の、又は類似の目的を果たす代替の特徴により置き換えることができる。したがって、明示的に別段の指定のない限り、開示されている各特徴は、一般的な一連の等価の又は類似の特徴の一例に過ぎない。
【0030】
上記の説明から、当業者は、本発明の本質的特徴を容易に確認することができ、その精神及び範囲を逸脱することなく、本発明の様々な変更及び改変を行って様々な用法及び条件に適合させることができる。したがって、他の実施形態も、下記の特許請求の範囲の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患を治療するための方法であって、
それを必要としている対象へ、
酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア、及びアデノシン5’−一リン酸活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)活性化剤からなる群から選択される第一の薬剤、
抗炎症活性を持つ第二の薬剤、及び
セロトニン活性を持つか維持する第三の薬剤
を含有する有効量の組成物を投与することを含み、
前記疾患が、アルツハイマー病、骨粗鬆症、睡眠時無呼吸、勃起機能不全、マッカードル病、又は炭水化物代謝障害である上記方法。
【請求項2】
第一の薬剤が、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、エフェドリン、チロキシン、サリチルアニリド、又はサリチル酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第一の薬剤が、塩酸メトホルミンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第二の薬剤が、非ステロイド性抗炎症性化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第二の薬剤が、アスピリン、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、アセトアミノフェン、ニメスリド、又はCOX−2阻害剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第二の薬剤が、アスピリンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第三の薬剤が、セロトニン又はセロトニン再取り込み阻害剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第三の薬剤が、硫酸セロトニン、セロトニンクレアチニン硫酸複合体、又は塩酸セロトニンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、第一の薬剤5〜5,000mg、第二の薬剤1〜5,000mg、及び第三の薬剤0.1〜1000mg、又は同一の比の量で含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、第一の薬剤5〜1,500mg、第二の薬剤1〜1,000mg、及び第三の薬剤0.1〜100mg、又は同一の比の量で含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、第一の薬剤5〜1,000mg、第二の薬剤1〜500mg、及び第三の薬剤0.1〜50mg、又は同一の比の量で含有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、塩酸メトホルミン、アスピリン、及びセロトニンクレアチニン硫酸複合体を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、塩酸メトホルミン5〜5,000mg、アスピリン1〜5,000mg、及びセロトニンクレアチニン硫酸複合体0.1〜1,000mg、又は同一の比の量で含有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、塩酸メトホルミン5〜1,500mg、アスピリン1〜1,000mg、及びセロトニンクレアチニン硫酸複合体0.1〜100mg、又は同一の比の量で含有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、塩酸メトホルミン5〜1,000mg、アスピリン1〜500mg、及びセロトニンクレアチニン硫酸複合体0.1〜50mg、又は同一の比の量で含有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、薬学的に許容できる担体をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が、活性成分として第一、第二、及び第三の薬剤のみを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
第一の薬剤が、AMPK活性化剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、活性成分として第一、第二、及び第三の薬剤のみを含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
AMPK活性化剤が、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、5’−アミノイミダゾール−4−カルボキシアミド−リボヌクレオシド、チエノピリドン、レスベラトロール、ノートカトン、チアゾール及びアディポネクチンからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
第一の薬剤が、酸化的リン酸化阻害剤又はイオノフォアである、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
老化又は疲労を軽減するための方法であって、
それを必要としている対象へ、
酸化的リン酸化阻害剤、イオノフォア、及びAMPK活性化剤からなる群から選択される第一の薬剤、
抗炎症活性を持つ第二の薬剤、及び
セロトニン活性を持つか維持する第三の薬剤
を含有する有効量の組成物を投与することを含む上記方法。
【請求項23】
第一の薬剤が、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、エフェドリン、チロキシン、サリチルアニリド、又はサリチル酸である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第一の薬剤が、塩酸メトホルミンである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第二の薬剤が、非ステロイド性抗炎症性化合物である、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
第二の薬剤が、アスピリン、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、アセトアミノフェン、ニメスリド、又はCOX−2阻害剤である、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
第二の薬剤が、アスピリンである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第三の薬剤が、セロトニン又はセロトニン再取り込み阻害剤である、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
第三の薬剤が、硫酸セロトニン、セロトニンクレアチニン硫酸複合体、又は塩酸セロトニンである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物が、第一の薬剤5〜5,000mg、第二の薬剤1〜5,000mg、及び第三の薬剤0.1〜1000mg、又は同一の比の量で含有する、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記組成物が、第一の薬剤5〜1,500mg、第二の薬剤1〜1,000mg、及び第三の薬剤0.1〜100mg、又は同一の比の量で含有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記組成物が、第一の薬剤5〜1,000mg、第二の薬剤1〜500mg、及び第三の薬剤0.1〜50mg、又は同一の比の量で含有する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物が、塩酸メトホルミン、アスピリン、及びセロトニンクレアチニン硫酸複合体を含有する、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記組成物が、塩酸メトホルミン5〜5,000mg、アスピリン1〜5,000mg、及びセロトニンクレアチニン硫酸複合体0.1〜1,000mg、又は同一の比の量で含有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物が、塩酸メトホルミン5〜1,500mg、アスピリン1〜1,000mg、及びセロトニンクレアチニン硫酸複合体0.1〜100mg、又は同一の比の量で含有する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記組成物が、塩酸メトホルミン5〜1,000mg、アスピリン1〜500mg、及びセロトニンクレアチニン硫酸複合体0.1〜50mg、又は同一の比の量で含有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物が、薬学的に許容できる担体をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物が、活性成分として第一、第二、及び第三の薬剤のみを含有する、請求項22に記載の方法。
【請求項39】
第一の薬剤が、AMPK活性化剤である、請求項22に記載の方法。
【請求項40】
前記組成物が、活性成分として第一、第二、及び第三の薬剤のみを含有する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
AMPK活性化剤が、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、5’−アミノイミダゾール−4−カルボキシアミド−リボヌクレオシド、チエノピリドン、レスベラトロール、ノートカトン、チアゾール、及びアディポネクチンからなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
第一の薬剤が、酸化的リン酸化阻害剤又はイオノフォアである、請求項22に記載の方法。

【公表番号】特表2012−520883(P2012−520883A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500854(P2012−500854)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/027330
【国際公開番号】WO2010/107702
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(509201171)アイピントゥル,エルエルシー (2)
【氏名又は名称原語表記】IPINTL,LLC
【Fターム(参考)】