説明

アルデヒド放出の少ない多層リグノセルロース含有成形体

A)結合剤(a)の使用によって得られる、リグノセルロース含有粒子を含有する1層以上の中間層及びB)結合剤(b)の使用によって得られる、リグノセルロース含有粒子を含有する1層以上の被覆層から成る多層リグノセルロース含有成形体(この際、結合剤(a)は、(a1)ホルムアルデヒド樹脂及び(a2)少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機イソシアネートを含む群から選択され、この際、結合剤(b)は、次の成分を含有する水性成分(I):(i)次のモノマーから構成されているポリマーA:a)少なくとも1種のエチレン系不飽和モノカルボン酸及び/又はジカルボン酸(モノマーA1)70〜100質量%及びb)モノマーA1と異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーA2)0〜30質量%、及び場合により(ii)ヒドロキシ、カルボン酸及びその誘導体、一級、二級及び三級アミン、エポキシ、アルデヒドの群から選択される少なくとも2個の官能基を有する低分子架橋結剤、
及び場合により、次のモノマーから構成されている1種以上のポリマーMを含有する水性分散液としての成分(II):a)少なくとも1個のエポキシド基及び/又は少なくとも1個のヒドロキシアルキル基を含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM1)0〜50質量%、及びb)モノマーM1と異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM2)50〜100質量%、及び場合により、成分(III)としての通常の添加剤を含有し、かつ、この際、結合剤(b)は、結合剤(a)がホルムアルデヒド樹脂を含有する場合には、ホルムアルデヒド捕捉体を含有する)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項で定義される多層リグノセルロース含有成形体に関する。
【0002】
更に、本発明は、多層リグノセルロース含有成形体の製法及び全ての種類の、かつ建築範囲における製品を製造するための、及び家具及び家具部材の、包装材料の、住宅建築における又は内装における又は自動車両における製造のための多層リグノセルロース含有成形体の使用に関する。
【0003】
リグノセルロースをベースとする材料は公知である。リグノセルロース含有物質の重要な例は、木質部材、例えば、木材層、木材細片、木材チップ又は木材繊維であり、この際、木材繊維は、場合により、木材繊維含有の植物、例えば、亜麻、大麻、ヒマワリ、キクイモ又はアブラナから由来することもできる。そのような木質部材又は木材粒子の出発物質は、通例、間伐材、工業的残余木材及び使用済み木材及び木材繊維含有の植物である。
【0004】
所望のリグノセルロース含有物質、例えば、木材粒子の製造は、公知方法により行われる(例えば、M. Dunky, P. Niemt, Holzwerkstoffe und Leime, S. 91-156, Springer Verlag Heidelberg, 2002参照)。
【0005】
リグノセルロース含有の成形体(木材の場合には、リグノセルロースとして、この際、木質材料も挙げられる)は、無垢材に対するコスト的に有利で資源にも配慮された選択であり、殊に家具工作において、かつ建築材料として大いに重要になってきた。木質材料の出発物質として、通例、様々な木材から、異なった強度の木質層、木材細片、木材チップ又は木材繊維が用いられる。そのような木質部材又は木材粒子は、通例、高められた温度で、天然及び/又は合成の結合剤と共に及び場合により他の添加剤の添加下にボード状又はストランド状の木質材料に圧縮される。そのようなリグノセルロース含有成形材料又は木質材料の例は、中密度繊維ボード(MDF)、木材チップ材料(例えば、パーティクルボード及び延伸ストランドボード(OSB、oriented strand board))、合板(例えば、ベニア合板)及び接着木材である。
【0006】
結合剤として、通例、ホルムアルデヒド含有の結合剤、例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂又はメラミン含有の尿素ホルムアルデヒド樹脂が使用される。これらの樹脂はホルムアルデヒドと尿素及び/又はメラミンとの重縮合によって製造される。この種類のホルムアルデヒド樹脂の使用は、製造された木質材料中に遊離のホルムアルデヒドが存在することを引き起こし得る。重縮合体の加水分解によって、付加的なホルムアルデヒドが遊離され得る。木質材料中に含まれる遊離ホルムアルデヒド及び木質材料の寿命中に加水分解によって遊離されるホルムアルデヒドは、その環境に放出され得る。
【0007】
ホルムアルデヒドは、一定の限界値以上で、ヒトにおいて、アレルギー、皮膚刺激、気道刺激又は目刺激を引き起こし得る。従って、建築部材、特に室内範囲でのホルムアルデヒド放出の低減は重要な挑戦である。
【0008】
木質材料からホルムアルデヒド放出を低減又は阻止するために、公知技術水準から次の手段が公知である:
少量のホルムアルデヒドを用いて製造されたアミノプラスト接着剤の使用、いわゆるホルムアルデヒド捕捉体、例えば、アミン基含有化合物を用いる製造された木質材料の後処理及び木質材料上への被覆層の塗布(この際、被覆層は、ホルムアルデヒド捕捉体として、大量のメラミン及び/又は尿素を添加した接着剤で保持される)。
【0009】
しかし、そのような手段は未だ完全には満足されていない。少量のホルムアルデヒドを用いるアミノプラスト接着剤の製造又はアミノプラスト接着剤へのホルムアルデヒド捕捉体の添加は、接着剤が徐々に硬化することを引き起こし、このことは、熱圧縮における滞在時間を延長させ、従って木質材料製造の経済性を悪化させる。
【0010】
DE‐A2306771(Deutsche Novopan GmbH)は、例えば、結合剤を混合された、少なくとも3層を得るために噴霧され、引き続き、熱圧縮された木材チップからのパーティクルボードの製法を記載し、この際、被覆層のために一定のフェノール樹脂が結合剤として使用され、かつ中間層で、例えば、イソシアネートが結合剤として使用される。
【0011】
DE‐A2306771は、本発明の(b)型の結合剤を明らかにしていない。
【0012】
DE2832509B1(Deutsche Novopan GmbH)は、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアネートを用いて、かつ尿素の添加で製造された中間層及び尿素ホルムアルデヒド樹脂及び添加尿素で製造された被覆層を有するパーティクルボードを記載する。
【0013】
DE2832509B1は、本発明の(b)型の結合剤を明らかにしていない。
【0014】
EP0012169A1(Fraunhofer-Gesellschaft)は、その被覆層が、尿素ホルムアルデヒド樹脂で接着され、かつその中間層が、ジイソシアネートを用いて、尿素を添加した又は添加しないで製造された3層のパーティクルボードを記載する。
【0015】
EP0012169A1は、本発明の(b)型の結合剤を明らかにしていない。
【0016】
公知技術水準で記載された多層成形体は、機械的負荷可能性(例えば、試験標準EN 311による層の引剥強度)及びホルムアルデヒド放出の低減の点で改善の余地を残す。
【0017】
従って、本発明の課題は、公知技術水準で示された欠点を克服することであった。殊に、そのホルムアルデヒド放出が低減され、又は実際に存在すべきでない多層リグノセルロース含有成形体が示されるべきであり、かつこの際、多層リグノセルロース含有成形体は、良好な機械的特性を有するべきである。
【0018】
この課題は、
A)結合剤(a)の使用によって得られる、リグノセルロース含有粒子を含有する1層以上の中間層及び
B)結合剤(b)の使用によって得られる、リグノセルロース含有粒子を含有する1層以上の被覆層
から成る多層リグノセルロース含有成形体によって解明され、
この際、結合剤(a)は、(a1)ホルムアルデヒド樹脂及び(a2)少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機イソシアネートを含む群から選択され、
この際、結合剤(b)は、
次の成分を含有する水性成分(I):
(i)次のモノマーから構成されているポリマーA:
a)少なくとも1種のエチレン系不飽和モノカルボン酸及び/又はジカルボン酸(モノマーA1)80〜100質量%及び
b)モノマーA1と異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーA2)0〜20質量%、
及び場合により
(ii)ヒドロキシ、カルボン酸及びその誘導体、一級、二級及び三級アミン、エポキシ、アルデヒドの群から選択される少なくとも2個の官能基を有する低分子架橋結合剤、
及び場合により、
次のモノマーから構成されている1種以上のポリマーMを含有する水性分散液としての成分(II):
a)少なくとも1個のエポキシド基及び/又は少なくとも1個のヒドロキシアルキル基を含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM1)0〜50質量%、及び
b)モノマーM1と異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM2)50〜100質量%、
及び場合により、
成分(III)としての通常の添加剤を含有し、
かつ、この際、結合剤(b)は、結合剤(a)がホルムアルデヒド樹脂を含有する場合には、ホルムアルデヒド捕捉体を含有する。
【0019】
リグノセルロースの概念は当業者に公知である。リグノセルロース含有粒子の重要な例は、木質部材、例えば、木質層、木材細片、木材チップ又は木材繊維であり、この際、木材繊維は、場合により、木材繊維含有の植物、例えば、亜麻、大麻、ヒマワリ、キクイモ又はアブラナから由来することもできる。
【0020】
リグノセルロース含有粒子として、木材粒子、殊に木材繊維又は木材チップが有利である。
【0021】
結合剤(a)は、ホルムアルデヒド樹脂、有利にアミノプラスト樹脂(a1)及び/又は少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(a2)を含有する。
【0022】
結合剤(a)がアミノプラスト樹脂を含有する場合には、結合剤(a)は、通例、アミノプラストについて当業者に公知の一般に使用される、通常、硬化剤として表示される物質、例えば、硫酸アンモニウム又は硝酸アンモニウム又は無機又は有機酸、例えば、硫酸、蟻酸、又は酸再生物質、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムを、各々通常の少量で、例えば、結合剤(a)中のアミノプラスト樹脂の全量に対して、0.1質量%〜6質量%の範囲で含有する。
【0023】
この際、ホルムアルデヒド樹脂としては、少なくとも1個の、場合により部分的に有機基で置換されたカルバミド基(カルバミド基はカルボキシアミド基とも称される)を有する化合物及びアルデヒド、有利にホルムアルデヒドからの重縮合生成物が解される;これらの樹脂はアミノプラスト樹脂とも称される。この際、ホルムアルデヒド樹脂としては、更に、フェノールホルムアルデヒド樹脂が解される。
【0024】
好適なホルムアルデヒド樹脂としては、特に、木質材料の製造のために当業者に公知の全てのホルムアルデヒド樹脂を使用することができる。この種類の樹脂及びその製造は、例えば、Ullmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie, 4., neubearbeitete und erweiterte Auflage, Verlag Chemie, 1973, 403-424頁 "Aminoplaste" 及びUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A2, VCH Verlagsgesellschaft, 1985, 115-141頁 "Amino Resins" 及びM. Dunky, P. Niemz, Holzwerkstoffe und Leime, Springer 2002, 251-259頁 (UF-Harze) 及び303-313頁 (MUF und UF mit geringer Menge Melamin) に記載されている。
【0025】
有利なホルムアルデヒド樹脂は、少なくとも1個の、同様に部分的に有機基で置換されたカルバミド基を有する化合物及びホルムアルデヒドからの重縮合生成物である。
【0026】
特に有利なホルムアルデヒド樹脂は、尿素ホルムアルデヒド樹脂(UF樹脂)、メラミンホルムアルデヒド樹脂(MF樹脂)又はメラミン含有の尿素ホルムアルデヒド樹脂(MUF樹脂)及びフェノールホルムアルデヒド樹脂(PF樹脂)及びメラミン尿素フェノールホルムアルデヒド樹脂(MUPF樹脂)である。
【0027】
極めて特に有利なホルムアルデヒド樹脂は、尿素ホルムアルデヒド樹脂(UF樹脂)及びメラミンホルムアルデヒド樹脂(MF樹脂)、例えば、Firma BASF SE のKaurit(登録商標)又はKauramin(登録商標)Leim-Typenである。
【0028】
前記の慣例的な、非常に高いホルムアルデヒド:アミノ基のモル比を有するホルムアルデヒド樹脂のほかに、より少ないホルムアルデヒド:アミノ基のモル比を有するホルムアルデヒド樹脂を使用することもできる。
【0029】
この種類の好適なホルムアルデヒド樹脂、殊にアミノプラスト樹脂は、少なくとも1個の同様に部分的に有機基で置換されたアミノ基を有する化合物及びアルデヒドからの重縮合生成物であり、この際、アルデヒド:場合により部分的に有機基で置換されたアミノ基のモル比は、0.3〜1.0、有利に0.3〜0.60、殊に有利に0.3〜0.45、極めて特に有利に0.30〜0.40の範囲にある。
【0030】
この種類の他の好適なホルムアルデヒド樹脂、殊にアミノプラスト樹脂は、少なくとも1個のアミノ基‐NHを有する化合物及びホルムアルデヒドからの重縮合生成物であり、この際、ホルムアルデヒド:‐NH基のモル比は、0.3〜1.0、有利に0.3〜0.60、特に有利に0.3〜0.45、極めて特に有利に0.30〜0.40の範囲にある。
【0031】
この種類の他の好適なホルムアルデヒド樹脂、殊にアミノプラスト樹脂は、尿素ホルムアルデヒド樹脂(UF樹脂)及びメラミンホルムアルデヒド樹脂(MF樹脂)又はメラミン含有の尿素ホルムアルデヒド樹脂(MUF樹脂)であり、この際、ホルムアルデヒド:‐NH基のモル比は、0.3〜1.0、有利に0.3〜0.60、特に有利に0.3〜0.45、極めて特に有利に0.30〜0.40の範囲にある。
【0032】
この種類の他の好適なホルムアルデヒド樹脂、殊にアミノプラスト樹脂は、尿素ホルムアルデヒド樹脂(UF樹脂)であり、この際、ホルムアルデヒド:‐NH基のモル比は、0.3〜1.0、有利に0.3〜0.60、特に有利に0.3〜0.45、極めて特に有利に0.30〜0.40の範囲にある。
【0033】
前記の慣用のかつホルムアルデヒドの少ないホルムアルデヒド樹脂、殊にアミノプラスト樹脂は、通例、液状で、大抵は液状の懸濁化剤中に懸濁して、有利に水性懸濁液で使用され、しかし固体としても使用され得る。
【0034】
ホルムアルデヒド樹脂懸濁液、有利に水性懸濁液の固体含量は、通例25〜90質量%、有利に50〜70質量%である。
【0035】
水性懸濁液中のホルムアルデヒド樹脂の代表としてのアミノプラスト樹脂の固体含量は、例えば、Guenter Zeppenfeld, Dirk Grunwald, Klebstoffe in der Holz-und Moebelindustrie, 2. Auflage, DRW-Verlag, 268頁 により規定され得る。アミノプラスト接着剤の固体含量を測定するために、アミノプラスト接着剤1gを秤量皿中に正確に秤量して入れ、皿底に微細に分配しかつ乾燥箱中120℃で2時間乾燥させる。デシケーター中で室温への調温後に、残渣を秤量し、秤量分の%率として計算する。
【0036】
アミノプラスト樹脂は、公知方法(前記のUllmann-Literatur"Aminoplaste"及び"Amino Resins"、及び前記の文献Dunky et al.参照)により、カルバミド基含有化合物、有利に尿素及び/又はメラミンと、アルデヒド、有利にホルムアルデヒドとを、カルバミド基:アルデヒドの所望のモル比で、有利に溶剤として水中で反応させることにより製造される。
【0037】
アルデヒド、有利にホルムアルデヒド:場合により部分的に有機基で置換されたアミノ基の所望のモル比の調整は、‐NH基を有するモノマーを、ホルムアルデヒドをより多く含む既製の、有利に商業的なアミノプラスト樹脂へ添加することによって行われ得る。NH基を有するモノマーは、有利に尿素、メラミン、特に有利に尿素である。
【0038】
結合剤(a)のもう1つの成分は、少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(a2)である。
【0039】
好適な有機イソシアネートとして、木質材料又はポリウレタンの製造のために当業者に公知の全ての有機イソシアネートを使用することができる。この種類の有機イソシアネート及びその製造及び使用は、例えば、Becker/Braun, Kunststoff Handbuch, 3. neubearbeitete Auflage, Band 7 "Polyurethane", Hanser 1993, 17-21頁, 76-88頁及び665-671頁に記載されている。
【0040】
有利な有機イソシアネートは、2〜10、有利に2〜8個のモノマー単位及び1モノマー単位当たり平均して少なくとも1個のイソシアネート基を有するオリゴマーのイソシアネートである。
【0041】
特に有利な有機イソシアネートは、ホルムアルデヒドとアニリンとの縮合及び縮合の際に生じる異性体及びオリゴマーのホスゲン化(Phosgenierung)によって得られる、オリゴマーの有機イソシアネートPMDI("ポリマーのメチレンジフェニレンジイソシアネート")である(例えば、Becker/Braun, Kunststoff Handbuch, 3. neubearbeitete Auflage, Band 7 "Polyurethane", Hanser 1993, 18頁の終章〜19頁、第二章及び76頁、第五章参照)。
【0042】
本発明の意における極めて好適なPMDI製品は、BASF SEのLUPRANAT(登録商標)型系の製品、殊にBASF SEのLUPRANAT(登録商標)M 20 FBである。
【0043】
前記の有機イソシアネートの混合物を使用することもでき、この際、その混合比は、最新の知識により絶対的ではない。
【0044】
結合剤(a)は、成分(a1)及び(a2)を全ての任意の混合比で又は単独でも含有することができる。
【0045】
有利な1実施態様で、結合剤(a)は、成分(a1)、有利にアミノプラスト樹脂、特に有利にUF樹脂及び/又はMUF樹脂及び/又はMF樹脂だけを含有する。
【0046】
もう1つの有利な実施態様で、結合剤(a)は、成分(a2)、有利にPMDIだけを含有する。
【0047】
もう1つの有利な実施態様で、結合剤(a)は、各々純粋な非希釈物質の(a1)及び(a2)の合計に対して、成分(a1)、有利にアミノプラスト、特に有利にUF樹脂及び/又はMF樹脂及び/又はMUF樹脂を、70〜99.9質量%の範囲で、及び成分(a2)、有利にPMDIを0.1〜30質量%の範囲で含有する。
【0048】
極めて特に有利な1実施態様で、結合剤(a)は、各々純粋な非希釈物質の(a1)及び(a2)の合計に対して、UF樹脂を、70〜99.9質量%の範囲で、及びPMDIを0.1〜30質量%の範囲で含有する。
【0049】
結合剤(a1)及び(a2)は、前以て混合して使用することができるが、通例では先ず、結合剤(a1)及び(a2)を混合させずに、通常では別々の段階で、リグノセルロース含有粒子と接触させることも可能である。
【0050】
純粋な非希釈物質としての結合剤(a1)、有利にUF樹脂の全量は、リグノセルロース含有粒子、有利に木材粒子の乾燥質量に対して、3〜50質量%、有利に5〜15質量%、特に有利に6〜12質量%の範囲にある。
【0051】
純粋な非希釈物質としての結合剤(a2)、有利にPMDIの全量は、リグノセルロース含有粒子、有利に木材粒子の乾燥質量に対して、0.5〜30質量%、有利に1〜10質量%、特に有利に2〜6質量%の範囲にある。
【0052】
結合剤(a)が(a1)及び(a2)から組成している場合には、純粋な非希釈物質としての結合剤(a)の全量は、リグノセルロース含有粒子、有利に木材粒子の乾燥質量に対して、0.5〜30質量%、有利に1〜15質量%、特に有利に2〜12質量%の範囲にある。
【0053】
結合剤(b)は、
次の成分を含有する水性成分(I):
(i)次のモノマーから構成されているポリマーA:
a)少なくとも1種のエチレン系不飽和モノカルボン酸及び/又はジカルボン酸(モノマーA1)70〜100質量%及び
b)モノマーA1と異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーA2)0〜30質量%、
及び場合により
(ii)ヒドロキシ、カルボン酸及びその誘導体、一級、二級及び三級アミン、エポキシ、アルデヒドの群から選択される少なくとも2個の官能基を有する低分子架橋結合剤、
及び場合により、
次のモノマーから構成されている1種以上のポリマーMを含有する水性分散液としての成分(II):
a)少なくとも1個のエポキシド基及び/又は少なくとも1個のヒドロキシアルキル基を含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM1)0〜50質量%、及び
b)モノマーM1と異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM2)50〜100質量%、
及び場合により、
成分(III)としての通常の添加剤を含有する。
【0054】
ポリマーAは、次のモノマーから構成されている:
a)少なくとも1種のエチレン系不飽和モノカルボン酸及び/又はジカルボン酸(モノマーA1)70〜100質量%及び
b)モノマーA1と異なっている、少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーA2)0〜30質量%。
【0055】
ポリマーAの製造は、当業者に周知であり、殊に、例えば、水中又は有機溶剤中のラジカル重合開始の溶液重合によって行なわれる(例えば、A. Echte, Handbuch der Technischen Polymerchemie, Kapitel 6, VCH, Weinheim, 1993 又はB. Vollmert, Grundriss der Makromolekularen Chemie, Band 1, E. Vollmert Verlag, Karlsruhe, 1988 参照)。
【0056】
モノマーA1として、殊に3〜6個のC原子を有するα,β‐モノエチレン系不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸、その可能な無水物及びその水溶性塩、殊にそのアルカリ金属塩、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、又はその無水物、例えば、無水マレイン酸、及び前記酸のナトリウム塩又はカリウム塩がこれに該当する。アクリル酸、メタクリル酸及び/又は無水マレイン酸が特に有利であり、この際、アクリル酸及びアクリル酸及び無水マレイン酸又はアクリル酸及びマレイン酸からの2成分組合せが有利である。
【0057】
モノマーA2として、簡単な方法で、モノマーA1とラジカル共重合可能なエチレン系不飽和化合物、例えば、エチレン;ビニル芳香族モノマー、例えば、スチロール、α‐メチルスチロール、o‐クロルスチロール又はビニルトルオール;ビニルハロゲニド、例えば、ビニルクロリド又はビニルデンクロリド;ビニルアルコール及び1〜18個のC原子を有するモノカルボン酸からのエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニル‐n‐ブチレート、ビニルラウレート及びビニルステアレート;有利に3〜6個のC原子を有するα,β‐モノエチレン系不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸、例えば、殊にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸と、一般に1〜12、有利に1〜8及び殊に1〜4個のC原子を有するアルカノール、例えば、特にアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸‐n‐ブチルエステル、アクリル酸‐イソ‐ブチルエステル、アクリル酸ペンチルエステル、アクリル酸ヘキシルエステル、アクリル酸ヘプチルエステル、アクリル酸オクチルエステル、アクリル酸ノニルエステル、アクリル酸デシルエステル及びアクリル酸‐2‐エチルヘキシルエステル、及びメタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸‐n‐ブチルエステル、メタクリル酸‐イソ‐ブチルエステル、メタクリル酸ペンチルエステル、メタクリル酸ヘキシルエステル、メタクリル酸ヘプチルエステル、メタクリル酸オクチルエステル、メタクリル酸ノニルエステル、メタクリル酸デシルエステル及びメタクリル酸‐2‐エチルヘキシルエステル、フマル酸ジメチルエステル又はフマル酸‐ジ‐n‐ブチルエステル及びマレイン酸ジメチルエステル又はマレイン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル;ニトリル、α,β‐モノエチレン系不飽和カルボン酸、例えば、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、フマル酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル及びC4〜8共役ジエン、例えば、1,3‐ブタジエン(ブタジエン)及びイソプレンがこれに該当する。前記のモノマーは、通例、主モノマーを形成し、これは、モノマーA2の全量に対して、≧50質量%、有利に≧80質量%及び殊に有利に≧90質量%の割合であり又はむしろモノマーA2の全質量を成す。全般に、これらのモノマーは、水中標準条件(20℃、1atm(絶対))で中庸〜僅少な溶解性を有するだけである。
【0058】
前記の条件下でも高められた水溶性を有する他のモノマーA2は、少なくとも1個のスルホン酸残基及び/又はその相応する陰イオン又は少なくとも1個のアミノ基、アミド基、ウレイド基又はN‐複素環基及び/又はその窒素にプロトン化又はアルキル化されたアンモニウム誘導体を含有するそれである。例証として、アクリルアミド及びメタクリルアミド;更にビニルスルホン酸、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸、スチロールスルホン酸及びその水溶性の塩及びN‐ビニルピロリドン;2‐ビニルピリジン、4‐ビニルピリジン;2‐ビニルイミダゾール;2‐(N,N‐ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2‐(N,N‐ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2‐(N,N‐ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2‐)N,N‐ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2‐(N‐t‐ブチルアミノ)エチルメタクリレート、N‐(3‐N’,N’‐ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド及び2‐(1‐イミダゾリン‐2‐オニル)エチルメタクリレートが挙げられる。
【0059】
前記の水溶性モノマーA2は、変性モノマーとして、モノマーA2の全量に対して、通例≦10質量%、有利に≦5質量%及び殊に有利に≦3質量%の量で含有されているだけである。
【0060】
通常、ポリマーマトリックスの被膜の内部強度を高める他のモノマーA2は、通例少なくとも1個のエポキシ基、ヒドロキシ基、N‐メチロール基又はカルボニル基、又は少なくとも2個の非共役エチレン系不飽和二重結合を有する。この例は、2個のビニル基を有するモノマー、2個のビニリデン基を有するモノマー及び2個のアルケニル基を有するモノマーである。この際、2価のアルコールとα,β‐モノエチレン系不飽和モノカルボン酸とのジ‐エステルが特に有利であり、その内でアクリル酸及びメタクリル酸が有利である。この種類の2個の非共役エチレン系不飽和二重結合を有するモノマーの例は、アルキレングリコールジアクリレート及びアルキレングリコールジメタクリレート、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,2‐プロピレングリコールジアクリレート、1,3‐プロピレングリコールジアクリレート、1,3‐ブチレングリコールジアクリレート、1,4‐ブチレングリコールジアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレート、1,2‐プロピレングリコールジメタクリレート、1,3‐プロピレングリコールジメタクリレート、1,3‐ブチレングリコールジメタクリレート、1,4‐ブチレングリコールジメタクリレート及びジビニルベンゾール、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、メチレンビスアクリルアミド、シクロペンタジエニルアクリレート、トリアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌレートである。この関連で、メタクリル酸C〜Cヒドロキシアルキルエステル及びアクリル酸C〜Cヒドロキシアルキルエステル、例えば、n‐ヒドロキシエチルアクリレート、n‐ヒドロキシプロピルアクリレート又はn‐ヒドロキシブチルアクリレート及びn‐ヒドロキシエチルメタクリレート、n‐ヒドロキシプロピルメタクリレート又はn‐ヒドロキシブチルメタクリレート及び化合物、例えば、ジアセトンアクリルアミド及びアセチルアセトキシエチルアクリレート又はアセチルアセトキシエチルメタクリレートが同様に特に重要である。
【0061】
前記の架橋結合モノマーA2は、各々モノマーA2の全量に対して、しばしば≦10〜質量%の量で、しかし有利に≦5質量%の量で使用される。しかし、ポリマーAの製造のために、この種類の架橋結合モノマーA2を使用しないことが殊に有利である。
【0062】
本発明により有利に、ポリマーAにおけるモノマーA2の加入重合の割合は、≦10質量%又は≦5質量%である。
【0063】
ポリマーAは、加入重合のモノマーA2を含有しないことが有利である。
【0064】
有利なポリマーAは、モノマーA1、特に有利にアクリル酸65〜100質量%、極めて特に有利に70〜90質量%だけと、特に有利にマレイン酸又は無水マレイン酸0〜35質量%、極めて特に有利に10〜30質量%と一緒のラジカル重合開始溶液重合によって得られる。
【0065】
ポリマーAは、質量平均分子量Mwを、1000g/モル〜500000g/モル、有利に10000g/モル〜300000g/モル、特に有利に30000g/モル〜120000g/モルの範囲で有することが有利である。
【0066】
ポリマーAの製造における質量平均分子量Mwの調整は、当業者に周知であり、ラジカル連鎖転移化合物、いわゆるラジカル連鎖調整剤が存在して、ラジカル重合開始水溶液重合によって有利に行われる。質量平均分子量Mwの測定も、当業者に周知であり、例えば、ゲル透過クロマトグラフィーによって行なわれる。
【0067】
ポリマーAの好適な市販製品は、例えば、BASF SE のSokalan(登録商標)製品であり、これは、例えば、アクリル酸及び/又はマレイン酸に基づいている。
【0068】
成分(I)は、場合により、ヒドロキシ、カルボン酸及びその誘導体、一級、二級及び三級アミン、エポキシ、アルデヒドの群から選択される、少なくとも2個の官能基を有する低分子架橋結合剤(ii)を含有する。
【0069】
この種類の好適な架橋結合剤は、30〜500g/モルの範囲の分子量を有するそれである。例として次のものが挙げられる:アルカノールアミン、例えば、トリエタノールアミン;カルボン酸、例えば、クエン酸、酒石酸、ブタンテラカルボン酸;アルコール、例えば、グルコース、グリセリン、グリコール;エポキシド、例えば、ビスフェノールA又はビスフェノールF。
【0070】
ポリマーMは、次のモノマーから構成されている:
a)少なくとも1個のエポキシド基及び/又は少なくとも1個のヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM1)0〜50質量%、及び
b)モノマーM1と異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM2)50〜100質量%。
【0071】
ポリマーMは、相応するモノマーM1及び/又はM2の水性媒体中でのラジカル重合開始乳化重合によって得られる。ポリマーMは、単相又は多相で存在することができ、コア/シェル構造を有することができる。
【0072】
水性媒体中でのエチレン系不飽和モノマーのラジカル重合開始乳化重合の実施は、以前から多様に記載されているので、当業者には十分公知である(例えば、次が参照される:Emulsionspolymerisation in Encyclopedia of Polymer Science and Engineerig, Vol. 8, 659頁以降(1987); D. C. Blackley, in High Polymer Latices, Vol. 1, 35頁以降(1966); H. Warson, The Applications of Synthetic Resin Emulsions, Kapitel 5, 246頁以降(1972); D. Diederich, Chemie in unserer Zeit 24, 135-142頁(1990); Emulsion Polymerisation, Interscience Publishers, New York(1965);DE‐A4003422及びDispersionen synthetischer Hochpolymerer, F. Hoelscher, Springer-Verlag, Berlin(1969))。
【0073】
ラジカル重合開始水性乳化重合反応は、通例、エチレン系不飽和モノマーを、分散助剤の併用下に水性媒体中で、モノマー小滴の形で分散させ、ラジカル重合開始剤により重合させるようにして実施する。
【0074】
モノマーM1として、殊に、グリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレート及びC〜C10ヒドロキシアルキル基、殊にC〜Cヒドロキシアルキル基及び有利にC〜Cヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレート及びヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、3‐ヒドロキシプロピルアクリレート、3‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、4‐ヒドロキシブチルアクリレート及び/又は4‐ヒドロキシブチルメタクリレートがこれに該当する。1種以上、有利に1又は2種の次のモノマーM1を使用することが特に有利である:2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート。
【0075】
本発明により、場合により、モノマーM1の部分量又は全量を重合容器中に前以て入れておくことが可能である。しかし、モノマーM1の全量又は場合により残留する残量を、重合反応の間に供給することも可能である。この際、モノマーM1の全量又は場合により残留する残量を、重合容器に、不連続的に1回以上に分けて、又は連続的に一定の又は変化する流量で供給することができる。モノマーM1の供給は、重合反応の間に連続的に一定の流量で、殊に水性モノマーエマルジョンの成分として行なうことが殊に有利である。
【0076】
モノマーM2として、殊に簡単な方法で、モノマーM1とラジカル共重合可能なエチレン系不飽和化合物、例えば、エチレン;ビニル芳香族モノマー、例えば、スチロール、α‐メチルスチロール、o‐クロルスチロール又はビニルトルオール;ビニルハロゲニド、例えば、ビニルクロリド又はビニリデンクロリド;ビニルアルコール及び1〜18個のC原子を有するモノカルボン酸からのエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニル‐n‐ブチレート、ビニルラウレート及びビニルステアレート;有利に3〜6個のC原子を有するα,β‐モノエチレン系不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸、例えば、殊にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸と、一般に1〜12、有利に1〜8及び殊に1〜4個のC原子を有するアルカノールからのエステル、例えば、特にアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸‐n‐ブチルエステル、アクリル酸‐イソ‐ブチルエステル、アクリル酸ペンチルエステル、アクリル酸ヘキシルエステル、アクリル酸ヘプチルエステル、アクリル酸オクチルエステル、アクリル酸ノニルエステル、アクリル酸デシルエステル及びアクリル酸‐2‐エチルヘキシルエステル、及びメタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸‐n‐ブチルエステル、メタクリル酸‐イソ‐ブチルエステル、メタクリル酸ペンチルエステル、メタクリル酸ヘキシルエステル、メタクリル酸ヘプチルエステル、メタクリル酸オクチルエステル、メタクリル酸ノニルエステル、メタクリル酸デシルエステル及びメタクリル酸‐2‐エチルヘキシルエステル、フマル酸ジメチルエステル又はフマル酸‐ジ‐n‐ブチルエステル及びマレイン酸ジメチルエステル又はマレイン酸‐ジ‐n‐ブチルエステル;ニトリル、α,β‐モノエチレン系不飽和カルボン酸、例えば、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、フマル酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル及びC4〜8共役ジエン、例えば、1,3‐ブタジエン(ブタジエン)及びイソプレンがこれに該当する。前記のモノマーは、通例、モノマーM2の全量に対して、≧50質量%、有利に≧80質量%及び殊に≧90質量%になる主モノマーを形成する。全般に、このモノマーは、水中で標準条件(20℃、1atm(絶対))で、中庸〜僅少な溶解性を有するだけである。
【0077】
前記の条件下に高められた水溶性を有するモノマーM2は、少なくとも1個の酸残基及び/又はその相応する陰イオン又は少なくとも1個のアミノ基、アミド基、ウレイド基又はN‐複素環基及び/又はその窒素でプロトン化又はアルキル化されたアンモニウム誘導体を有するそれである。例えば、3〜6個のC原子を有するα,β‐モノエチレン系不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸及びそのアミド、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマルIII、イタコン酸、アクリルアミド及びメタクリルアミド;更にビニルスルホン酸、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸、スチロールスルホン酸及びその水溶性の塩及びN‐ビニルピロリドン、2‐ビニルピリジン、4‐ビニルピリジン、2‐ビニルイミダゾール、2‐(N,N‐ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2‐(N,N‐ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2‐(N,N‐ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2‐(N,N‐ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2‐(N‐t‐ブチルアミノ)エチルメタクリレート、N‐(3‐N’,N’‐ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、2‐(1‐イミダゾリン‐2‐オニル)エチルメタクリレート及びウレイドメタクリルアミドが挙げられる。前記の水溶性モノマーM2は、通例、変性モノマーとして、モノマーM2の全量に対して、≦10質量%、有利に≦5質量%及び殊に有利に≦3質量%の量で含有されているだけである。
【0078】
通例、ポリマーマトリックスの被膜の内部強度を高めるモノマーM2は、通常少なくとも1個のN‐メチロール基又はカルボニル基又は少なくとも2個の非共役エチレン系不飽和二重結合を有する。この例は、2個のビニル基を有するモノマー、2個のビニルデン基を有するモノマー及び2個のアルケニル基を有するモノマーである。この際、2価のアルコールとα,β‐モノエチレン系不飽和モノカルボン酸とのジエステルが特に有利であり、その内でアクリル酸及びメタクリル酸が有利である。この種類の2個の非共役エチレン系不飽和二重結合を有するモノマーの例は、アルキレングリコールジアクリレート及びアルキレングリコールジメタクリレート、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,2‐プロピレングリコールジアクリレート、1,3‐プロピレングリコールジアクリレート、1,3‐ブチレングリコールジアクリレート、1,4‐ブチレングリコールジアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレート、1,2‐プロピレングリコールジメタクリレート、1,3‐プロピレングリコールジメタクリレート、1,3‐ブチレングリコールジメタクリレート、1,4‐ブチレングリコールジメタクリレート及びジビニルベンゾール、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、メチレンビスアクリルアミド、シクロペンタジエニルアクリレート、トリアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌレートである。この関連で、化合物、例えば、ジアセトンアクリルアミド及びアセチルアセトキシエチルアクリレート又はアセチルアセトキシエチルメタクリレートも重要である。前記の架橋結合モノマーM2は、各々モノマーA2の全量に対して、しばしば≦10〜質量%の量で、有利に≦5質量%の量で及び殊に有利に≦3質量%の量で使用される。しかし、この種類の架橋結合モノマーM2はしばしば使用されない。
【0079】
本発明により、場合によりモノマーM2の部分量又は全量を重合容器中に前以て入れておくことが可能である。しかし、重合反応の間に、モノマーM2の全量又は場合により残留する残量を供給することも可能である。この際、モノマーM2の全量又は場合により残留する残量を、反応容器に、不連続的に1回以上に分けて又は連続的に一定又は変化する流量で供給することができる。モノマーM2の供給は、重合反応の間に、連続的に一定の流量で、殊に水性モノマーエマルジョンの成分として行なうことが殊に有利である。
【0080】
成分(II)の水性分散液の製造のために、しばしば分散助剤を併用し、これは、モノマー小滴も、ラジカル重合開始重合によって得られるポリマー粒子も、水相中に分散させたままで保持し、そうして製造された水性ポリマー組成物の安定性を保証する。そのようなものとして、ラジカル水性乳化重合の実施のために通常使用される保護コロイドも、乳化剤もこれに該当する。
【0081】
好適な保護コロイドは、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体又はビニルピロリドンを含有する共重合体である。他の好適な保護コロイドの詳細な記載は、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Band XIV/1, Makromolekulare Stoffe, 411-420頁, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1961にある。
【0082】
乳化剤及び/又は保護コロイドを含む混合物を当然使用することもできる。しばしば分散錠剤として、排他的に、その相対分子量が、保護コロイドに相違して、通例1000以下である乳化剤が使用される。これは、陰イオン性でも、陽イオン性でも又は非イオン性であってもよい。界面活性物質の混合物を使用する場合には、当然、個々の成分は、互いに相容性であるべきであり、このことは、疑わしい場合に、僅かな予備試験により検査することができる。一般に、陰イオン性乳化剤は、相互に及び非イオン性乳化剤と相容性である。同様のことが陽イオン性乳化剤にも当てはまるが、陰イオン性及び陽イオン性乳化剤は、殆どの場合、互いに相容性ではない。
【0083】
慣用の乳化剤は、例えば、エトキシル化モノアルキルフェノール、ジアルキルフェノール及びトリアルキルフェノール(EO度:3〜50、アルキル基:C〜C12)、エトキシル化脂肪アルコール(EO度:3〜50、アルキル基:C〜C36)及びアルキルスルフェート(アルキル基:C〜C12)の、エトキシル化アルカノール(EO度:3〜30、アルキル基:C12〜C18)及びエトキシル化アルキルフェノール(EO度:3〜50、アルキル基:C〜C12)の硫酸半エステルの、アルキルスルホン酸(アルキル基:C12〜C18)の及びアルキルアリールスルホン酸(アルキル基:C〜C18)のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩である。他の好適な乳化剤は、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Band XIV/1, Makromolekulare Stoffe, 192-208頁, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1961にある。
【0084】
本発明による方法には、非イオン性及び/又は陰イオン性乳化剤を使用することが有利である。
【0085】
使用される分散助剤、殊に乳化剤の量は、各々モノマー混合物の全量に対して、通例0.1〜5質量%、有利に1〜3質量%である。
【0086】
本発明により、場合により分散助剤の部分量又は全量を重合容器中に前以て入れておくことが可能である。しかし分散助剤の全量又は場合により残留する残量を重合反応の間に供給することも可能である。この際、分散助剤の全量又は場合により残留する残量を重合容器に不連続的に1回以上に分けて又は連続的に一定又は変化する流量で添加することができる。分散助剤の供給は、重合反応の間に、連続的に一定の流量で、殊に水性モノマーエマルジョンの成分として行なうことが殊に有利である。
【0087】
有利なポリマーMは、a)少なくとも1個のエポキシド基及び/又は少なくとも1個のヒドロキシアルキル基を有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM1)0.01〜50質量%及びb)モノマーM1とは異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM2)50〜99.99質量%を含有する。
【0088】
特に有利なこの種類のポリマーMは、C1〜8アルコール(有利にメタノール、n‐ブタノール、2‐エチルヘキサノール)とのアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル10〜30質量%、有利に15〜22質量%の、スチロール40〜70質量%、有利に55〜65質量%との、及び2‐ヒドロキシエチルアクリレート及び/又は2‐ヒドロキシエチルメタクリレート及び/又はグリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタクリレート5〜50質量%、有利に20〜30質量%のラジカル重合開始溶液重合によって得られ、この際、成分の合計は100質量%である。
【0089】
他の有利なポリマーMは、モノマーM1を含有せず、かつC1〜8アルコール(有利にメタノール、n‐ブタノール、2‐エチルヘキサノール)とのアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル80〜99質量%、有利に85〜95質量%の、ウレイドメタクリレート0〜5質量%、有利に1〜3質量%との、及び3〜6個のC原子を有するα,β‐モノエチレン系不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸(有利にアクリル酸、メタクリル酸)及び/又はこれらの酸のアミド0.5〜5質量%、有利に1〜4質量%のラジカル重合開始溶液重合によって得られ、この際、成分の合計は100質量%である。
【0090】
この種類のポリマーは、有利にコア/シェル構造(相の等方性分配、例えば、タマネギ皮状)又はヤヌス(Janus)構造(相の異方性分配)を有する。
【0091】
モノマーM1及びM2の種類及び量の照準的変化によって、当業者には本発明により、そのポリマーMがガラス転移温度T又は融点を−60〜270℃の範囲で有する、水性ポリマー組成物を製造することが可能である。
【0092】
ポリマーMのガラス転移温度が10℃〜120℃の範囲及び有利に30℃〜90℃の範囲で有することが有利である。
【0093】
G. Kanigによれば、ガラス転移温度Tとは、分子量が増えるにつれて、それに向かうガラス転移温度の極限値を意味すると考えられる(Kolloid-Zeitschrift & Zeitschrift fuer Polymere, Bd. 190, S. 1, Gleichung 1)。ガラス転移温度又は融点は、DSC法により調べられる(Differential Scanning Calorimetry, 20K/min, midpoint-Messung, DIN 53765)。
【0094】
大抵のモノマーのホモ重合体のT値は公知であり、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Bd. 5, Vol. A21, 169頁, VCH Weinheim,1992 に記載されている;ホモ重合体のガラス転移温度に関する他の文献は、例えば、J. Brandrup, E. H. Immergut, Polymer Handbook, 1st Ed., J. Wiley, New York 1966, 2nd Ed. J. Wiley, New York 1975, 及び3rd Ed. J. Wiley, New York 1989)である。
【0095】
本発明による成分(I)及び(II)は、各々の水性成分(I)又は(II)に対して、通例≧10及び≦70質量%、しばしば≧20及び≦65質量%及び頻繁に≧40及び≦60質量%のポリマー固体含量(ポリマーAの全量又はポリマーMの全量)を有する。
【0096】
準弾性光散乱(ISO-Norm 13321)により測定した、水性成分(II)中のポリマーMの数平均粒径(累積z平均)は、通例10〜2000nm、しばしば20〜1000nm及び頻繁に50〜700nm又は80〜400nmである。
【0097】
ポリマーA:ポリマーMの質量比は、1:10〜10:1の範囲、有利に3:1〜1:3の範囲、特に有利に3:2〜2:3の範囲にある。質量表示は、各々、純粋な非希釈物質、又は固体に関連する。
【0098】
結合剤(b)のpH値は、0〜4の範囲、有利に1.5〜3の範囲にある。結合剤Bの所望のpH値は、通例、成分(I)及び(II)及び場合により成分(III)の組合せによって生じる。
【0099】
しかし、作用の場での結合剤(b)のpH値は、通例、無機又は有機酸、例えば、鉱酸、例えば、硫酸、塩酸、有機スルホン酸、カルボン酸、例えば、蟻酸又は酢酸又は無機又は有機塩基、例えば、水酸化ナトリウム(水性又は物質のままで)、酸化カルシウム又は炭酸カルシウム(各々水性又は物質のままで)又はアンモニアの、水性又は物質としての添加により0〜4の範囲、有利に1.5〜3の範囲の所望値に調整され得る。
【0100】
一般に、前記のpH値範囲を有する既製の混合結合剤(b)を使用することができる。しかし、所望のpH値(前記したような)は、結合剤(b)の個々の成分及び前記の酸又は塩基を、別々にリグノセルロース含有の基体上に施すことによって調整することもできる。当業者は、結合剤(b)の成分のpH値及び添加される酸又は塩基の選択によって、これを、所望のpH値がリグノセルロース含有の基体上に生じるように組み合わせることができる。
【0101】
成分(III)としての添加剤の概念とは、当業者に公知の全ての添加剤、例えば、蝋、パラフィンエマルジョン、防炎添加剤、湿潤剤、塩、しかし同様に無機又は有機酸及び塩基、例えば、鉱酸、例えば、硫酸、硝酸、有機スルホン酸、カルボン酸、例えば、蟻酸又は酢酸又は無機又は有機塩基、例えば、水酸化ナトリウム(水性又は物質のままで)、酸化カルシウム又は炭酸カルシウム(各々水性又は物質のままで)又はアンモニアが、水性又は物質として解される。これらの添加剤は、リグノセルロース含有粒子の乾燥物質、例えば、絶対乾燥(atro)木材に対して、0〜20質量%、有利に0〜5質量%、殊に0〜1質量%の量で添加され得る。
【0102】
リグノセルロース含有粒子、有利に木材粒子、特に有利に木材チップ又は繊維は、通例、結合剤(a)又は(b)との接触によって接着される。このような、いわゆる接着(Beleimungs)法は、通常のアミノプラスト樹脂を用いて、慣用の木質材料を製造するために公知であり、例えば、"Taschenbuch der Spanplatten Technik" H. -J. Deppe, K. Ernst, 4. Aufl., 2000, DRW-Verlag Weinbrenner GmbH & Co., Leinfelden-Echterdingen, Kapitel 3.3に記載されている。
【0103】
結合剤(a)又は(b)は、様々な方法で、リグノセルロース含有粒子、有利に木材粒子、特に有利に木材チップ又は繊維と、有利にリグノセルロース含有粒子上への(a)又は(b)の噴霧によって接触され得る。
【0104】
接着の際に、通例、結合剤(a)又は(b)は、リグノセルロース含有粒子の乾燥質量、例えば、絶対乾燥(atro)木材に対して、純粋の非希釈結合剤に対して、結合剤0.1〜50質量%、有利に0.1〜30質量%、特に有利に0.5〜15質量%及び殊に3〜10質量%が使用されるような量で装入される。
【0105】
結合剤(a)が、前記のようなホルムアルデヒド樹脂を含有する場合には、結合剤(b)はホルムアルデヒド捕捉体を含有する。
【0106】
これに関しては、通例、ホルムアルデヒドと化学的に反応する、要するにホルムアルデヒドを化学的に、通例、実際に不可逆的に抑制する遊離電子対を有する化学物質が意味される。このような遊離電子対は、例えば、次の有機又は無機化合物の官能基にある:一級、二級及び三級アミノ基、ヒドロキシル基、スルフィット基、アミド、イミド。
【0107】
好適なホルムアルデヒド捕捉体は、例えば、次のものである:アンモニア、尿素、メラミン、有機C〜C10アミン、少なくとも1個のアミノ基を有するポリマー、例えば、ポリアミン、ポリイミン、ポリ尿素、ポリリシン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン。
【0108】
結合剤(b)中のホルムアルデヒド捕捉体の割合は、リグノセルロース含有粒子の乾燥質量、例えば、絶対乾燥(atro)木材及び純粋な非希釈ホルムアルデヒド捕捉体に対して、0.1〜10質量%、有利に0.5〜7質量%の範囲にある。
【0109】
多層リグノセルロース含有成形体は、規則的又は不規則的立体形を取り得る。所望の形態として、次のものが例として重要である:全ての規則的成形体、例えば、球状物、筒状物、直方体、平面体;全ての不規則な形態、例えば、不規則な空洞体、装飾体。
【0110】
有利な所望の形態は平面状であり、ボードの形が特に有利である。
【0111】
他の有利な多層リグノセルロース含有成形体は、リグノセルロース含有粒子として、木材粒子90質量%以上を含有する。
【0112】
他の有利な多層リグノセルロース含有成形体は、リグノセルロース含有粒子として、木材繊維又は木材チップ90質量%以上を含有する。
【0113】
多層リグノセルロース含有成形体の平均密度は、通例300kg/m〜950kg/mの範囲、有利に450kg/m〜850kg/mの範囲にある。
【0114】
本発明による多層リグノセルロース含有成形体は、リグノセルロース含有粒子及び結合剤(a)を含有する1層以上の中間層A)及びリグノセルロース含有粒子及び結合剤(b)を含有する1被覆層又は2被覆層B)を有する。
【0115】
本発明の意における1層以上の中間層は、外層ではない全ての層である。
【0116】
この際、本発明による多層リグノセルロース含有成形体の1層以上の外層は、1層以上の被覆層とも称される。
【0117】
有利な本発明による多層リグノセルロース含有成形体は、リグノセルロース含有粒子として木材粒子、特に有利に木材チップ又は木材繊維を含有する、平面状、有利にボード形であり、かつ3層を有する:中間層A)及びその上側及び下側上に各々1層の被覆層B)。
【0118】
多層リグノセルロース含有成形体、例えば、前記の3層のリグノセルロース含有成形体を製造するために、有利に次の結合剤を各層に使用する:
好適な1実施態様で、結合剤(b)は、低分子架橋結合剤(ii)を含有しないが、例えば、次の変法1、変法2及び変法3に記載された、成分(II)を含有する。
【0119】
変法1:
1層以上の中間層A)のために、結合剤(a)は、成分(a1)、有利にアミノプラスト樹脂、特に有利にUF樹脂及び/又はMUF樹脂だけを含有する。
【0120】
1被覆層B)又は2被覆層B)のために結合剤(b)が使用される;例えば、結合剤(b)は、アクリル酸70質量%及び無水マレイン酸30質量%の水中ラジカル重合開始溶液重合によって得られる、本発明によるポリマーAの水溶液を含有する。成分(I)は、他の架橋結合剤成分を含有しない。結合剤(b)の成分(II)は、スチロール50〜65質量%及びメチルメタクリレート5〜15質量%、n‐ブチルアクリレート5〜15質量%、ヒドロキシエチルアクリレート10〜30質量%及びグリシジルメタクリレート2〜20質量%の水中ラジカル重合開始乳化重合によって得られる、本発明によるポリマーMの水性分散液であり、この際、モノマーの合計は100質量%である。
【0121】
結合剤(b)は、更に、例えば、前記に定義したホルムアルデヒド捕捉体を、そこで定義した量で含有する。
【0122】
変法2:
1層以上の中間層A)のために、結合剤(a)は、成分(a1)、有利にアミノプラスト、特に有利にUF樹脂及び/又はMUF樹脂、及び成分(a2)、有利にPMDIを、組合せ(a1)及び(a2)について前記で定義した量で含有する。
【0123】
1被覆層B)又は2被覆層B)のために結合剤(b)が使用される;例えば、結合剤(b)は、アクリル酸70質量%及び無水マレイン酸30質量%の水中ラジカル重合開始溶液重合によって得られる、本発明によるポリマーAの水溶液を含有する。成分(I)は、他の架橋結合成分を含有しない。結合剤(b)の成分(II)は、スチロール50〜65質量%及びメチルメタクリレート5〜15質量%、n‐ブチルアクリレート5〜15質量%、ヒドロキシエチルアクリレート10〜30質量%及びグリシジルメタクリレート2〜20質量%の水中ラジカル重合開始乳化重合によって得られる、本発明によるポリマーMの水性分散液であり、この際、モノマーの合計は100質量%である。
【0124】
結合剤(b)は、更に、例えば、前記で定義したようなホルムアルデヒド捕捉体を、そこで定義した量で含有する。
【0125】
変法3:
1層以上の中間層A)のために、結合剤(a)は、成分(a2)、有利にPMDIだけを含有する。
【0126】
1被覆層B)又は2被覆層B)について、結合剤(b)が使用される;例えば、結合剤(b)は、アクリル酸70質量%及び無水マレイン酸30質量%の水中ラジカル重合開始溶液重合によって得られる、本発明によるポリマーAの水溶液を含有する。成分(I)は、他の架橋結合剤成分を含有しない。結合剤(b)の成分(II)は、スチロール50〜65質量%及びメチルメタクリレート5〜15質量%、n‐ブチルアクリレート5〜15質量%、ヒドロキシエチルアクリレート10〜30質量%及びグリシジルメタクリレート2〜20質量%の水中ラジカル重合開始乳化重合によって得られる、本発明によるポリマーMの水性分散液であり、この際、モノマーの合計は100質量%である。
【0127】
もう1つの好適な実施態様では、結合剤(b)は、例えば、次の変法4及び変法5に記載したように、低分子架橋結合剤(ii)を含有し、かつ成分(II)を含有しない。
【0128】
変法4:
1層以上の中間層A)のために、結合剤(a)は、成分(a1)、有利にアミノプラスト樹脂、特に有利にUF樹脂及び/又はMUF樹脂だけを含有する。
【0129】
1被覆層B)又は2被覆層B)のために結合剤(b)が使用される;例えば、結合剤(b)は、アクリル酸70質量%及び無水マレイン酸30質量%の水中ラジカル重合開始溶液重合によって得られる、本発明によるポリマーAの水溶液を含有する。成分(I)は、有利に1架橋結合剤分子当たり2個以上の官能基を有する架橋結合成分(ii)、特に有利にトリエタノールアミンを付加的に含有する。
【0130】
結合剤(b)は、更に、前記で定義されたホルムアルデヒド捕捉体を、そこで定義したような量で含有する。
【0131】
変法5:
1層以上の中間層A)について、結合剤(a)は、成分(a2)、有利にPMDIだけを含有する。
【0132】
1被覆層B)又は2被覆層B)のために結合剤(b)が使用される;例えば、結合剤(b)は、アクリル酸70質量%及び無水マレイン酸30質量%の水中ラジカル重合開始溶液重合によって得られる、本発明によるポリマーAの水溶液を含有する。成分(I)は、有利に1架橋結合剤分子当たり2個以上の官能基を有する架橋結合成分(ii)、特に有利にトリエタノールアミンを付加的に含有する。
【0133】
もう1つの好適な実施態様では、結合剤(b)は、低分子架橋結合剤(ii)も、成分(II)も、例えば、次に変法6で記載されるように含有する。
【0134】
変法6:
1層以上の中間層A)のために、結合剤(a)は、成分(a1)、有利にアミノプラスト樹脂、特に有利にUF樹脂及び/又はMUF樹脂及び/又は成分(a2)、有利にPMDIを、組合せ(a1)及び(a2)について前記で定義した量で含有する。
【0135】
1被覆層B)又は2被覆層B)のために結合剤(b)が使用される;例えば、結合剤(b)は、アクリル酸70質量%及び無水マレイン酸30質量%の水中ラジカル重合開始溶液重合によって得られる、本発明によるポリマーAの水溶液を含有する。成分(I)は、有利に1架橋結合剤分子当たり2個以上の官能基を有する架橋結合成分(ii)、特に有利にトリエタノールアミンを付加的に含有する。結合剤(b)の成分(II)は、スチロール50〜65質量%及びメチルメタクリレート5〜15質量%、n‐ブチルアクリレート5〜15質量%、ヒドロキシエチルアクリレート10〜30質量%及びグリシジルメタクリレート2〜20質量%の水中ラジカル重合開始乳化重合によって得られる、本発明によるポリマーMの水性分散液であり、この際、モノマーの合計は100質量%である。
【0136】
結合剤(b)は、更に、前記で定義されたホルムアルデヒド捕捉体を、そこで定義したような量で含有する。
【0137】
本発明による多層リグノセルロース含有成形体、有利にボード状の成形体の厚さは、使用範囲で変化し、通例、0.5〜300mmの範囲、有利に20〜200mmの範囲、殊に12〜100mmである。
【0138】
本発明による多層リグノセルロース含有成形体、有利にボード状の成形体の層厚比は可変性である。被覆層とも称される外層A)は、それ自体又は合計しても、1層以上の中間層B)よりも薄い。
【0139】
個々の被覆層の質量は、通例、本発明による多層リグノセルロース含有成形体の全質量の5〜30質量%の範囲、有利に10〜25質量%の範囲にある。
【0140】
有利な本発明による多層リグノセルロース含有成形体、有利にボード状の成形体において、1層以上の中間層B)の厚さは、本発明による多層リグノセルロース含有成形体、有利にボード状の成形体に対して、20%〜99%、有利に50%〜99%、特に有利に60%〜99%の範囲にある。
【0141】
本発明による多層リグノセルロース含有成形体中の各リグノセルロース含有粒子が、有利に木材粒子、特に有利に木材チップ又は繊維である、その本発明による多層リグノセルロース含有成形体の製造は、常法で、例えば、"Taschenbuch der Spanplatten Technik" H. -J. Depe, K. Ernst, 4. Aufl., 2000, DRW-Verlag Weinbrenner GmbH & Co., Leinfelden-Echterdingen, Kapitel 3.5 に記載されているように行なわれる。
【0142】
1層以上の中間層A)及び1層以上の被覆層B)のために、通常、先ずリグノセルロース含有粒子、有利に木材を、例えば、繊維、チップ、ベニヤ又はストランドの形で、前記したように、各々の結合剤(a)(1層以上の中間層A)のために)又は(b)(1層以上の被覆層B)のために)と接触させる("接着(beleimt)"とも称される)。
【0143】
次いで、そのように接着されたリグノセルロース含有粒子、有利に木材を、例えば、繊維、チップ、ベニヤ又はストランドの形で、製造すべき多層リグノセルロース含有成形体の所望の配列順序により、相互に積層させ、かつ常法により、高められた温度で圧縮させ、有利にその中でリグノセルロース含有粒子が、例えば、繊維、チップ、ベニヤ又はストランドの形の木材である多層リグノセルロース含有成形体を得る。
【0144】
そのために、通例、そうして接着されたリグノセルロース含有粒子(有利に木材、特に有利にチップ又は繊維の形の木材)を担体上に散布することによって、繊維マット/チップマットを製造し、これを、通例80℃〜250℃の温度及び5〜50バールの圧力で、本発明による多層リグノセルロース含有成形体に圧縮する(例えば、次を参照:"Taschenbuch der Spanplatten Technik" H. -J. Depe, K. Ernst, 4. Aufl., 2000, DRW-Verlag Weinbrenner GmbH & Co., Leinfelden-Echterdingen, 232-254頁, "MDF-Mitteldichte Faserplatten" H. -J. Depe, K. Ernst, 1996, DRW-Verlag Weinbrenner GmbH & Co., Leinfelden-Echterdingen,93-104頁)。
【0145】
ボード製造のために必要な圧縮時間は、"ボード厚1mm当たりの秒間"又はs/mmで表示される(しばしば圧縮時間因子としても表示される)。本発明による多層リグノセルロース含有成形体のために、通例、例えば、それが速硬ホルムアルデヒド樹脂について公知であるような圧縮時間因子が必要とされる:Siempelkampの実験室用プレス(規模520520mm)を用いて、通例、アミノプラスト含有バインダーだけで製造されるボードのためと同様に、本発明による成形体のために、8〜10s/mmの圧縮時間因子が必要とされる; ホルムアルデヒドを含まない結合剤、例えば、BASF SE社の製品パレットAcrodur(登録商標)の製品で製造された成形体は、25s/mm以上の圧縮時間因子を必要とする。
【0146】
特に有利な本発明による多層リグノセルロース含有成形体として、木材細片から製造される全ての、例えば、ベニヤ板又は合板又は木材チップから製造される多層リグノセルロース含有成形体、例えば、パーティクルボード又はOSBボード、及び多層の木材繊維材料、例えば、LDFボード、MDFボード及びHDFボードがこれに該当する。
【0147】
本発明による方法により、有利に、ホルムアルデヒドを含まない結合剤を含有する木質材料が製造される。多層のOSBボード、木材繊維ボード及びパーティクルボードが有利である。
【0148】
更に、本発明は、家具の、包装材料の、建築において、乾燥壁構築において又は内装において、例えば、積層、絶縁材、壁材又は屋根材として、又は同様に自動車両において製造するための、本発明による多層リグノセルロース含有成形体、有利に本発明による多層の木質含有成形体の使用に関する。
【0149】
本発明による多層リグノセルロース含有成形体は、非本発明の、全層中にホルムアルデヒド樹脂を含有する多層リグノセルロース含有成形体と比較して、ホルムアルデヒドの放出が強く減少される又は実際にホルムアルデヒドの放出がないことを示す。
【0150】
ホルムアルデヒド放出は、例えば、次の方法で木質材料の試験法により測定された(Bundesgegesetzblatt 10/91, S. 488/489):CEN prEN 717-1("デシケーター"); DIN EN 120("パーホレーター値"); DIN 52368(CEN prEN 717-2;ガス分析又は立方メートル室内値(Kubikmeterkammerwert)に相応する)。
【0151】
更に、本発明による多層リグノセルロース含有成形体は、非本発明の全層中にホルムアルデヒド樹脂を含有する多層リグノセルロース含有成形体と同様に比較して、被覆層について高められた引剥強度を示す。
【0152】

1.成分(I)及び(II)
成分(I)は、アクリル酸70質量%及び無水マレイン酸30質量%の水中ラジカル重合開始溶液重合によって得られる、本発明によるポリマーAの商慣習の水溶液であった。成分(I)は、他の架橋結合剤成分、例えば、多アルカノールアミン、例えば、トリエタノールアミンを含有しなかった。質量平均分子量Mwは、80000g/モルであった。固体含量は45質量%であった。
【0153】
成分(II)は、スチロール59質量%及びメチルメタクリレート12質量%、n‐ブチルアクリレート5質量%、ヒドロキシエチルアクリレート16質量%及びグリシジルメタクリレート8質量%の水中ラジカル重合開始乳化重合によって得られる、本発明によるポリマーMの商慣習の水性分散液であった。粒度は平均140nmであった。pH値は1.9であった。固体含量は46質量%であった。
【0154】
2.使用される結合剤組成物のリスト
BM1:1.に記載した成分(I)及び(II)1:1混合で(各々の固体含量に対して)
BM2:atro UF接着剤(この場合、BASF SEのKAURIT(登録商標)KL 347)9%
プラス硝酸アンモニウム硬化剤4質量%(接着剤の固体含量に対して)。
BM3:atro UF接着剤(この場合、BASF SEのKAURIT(登録商標)KL 347)9%
プラス硝酸アンモニウム硬化剤1質量%(接着剤の固体含量に対して)。
BM4:1.に記載した成分(I)、しかし、架橋結合剤(ii)として、トリエタノールアミン((I)100部に対して30部)を含有する。
BM5:Lupranat(登録商標)M20 FB、BASF SEのイソシアネートをベースとする結合剤。
BM6:BM1100質量部及びトリエタノールアミン10質量部を含む混合物。
【0155】
3.測定法及び測定結果
ホルムアルデヒド放出の測定は、次の方法で木質材料の試験法により行なわれた(Bundesgegesetzblatt 10/91, S. 488/489):CEN prEN 717-1("デシケーター"); DIN EN 120("パーホレーター"); DIN 52368(CEN prEN 717-2;ガス分析又は立方メートル室内値に相応する)。
【0156】
そうして製造された成形体の試験法は、次の通りである:
引剥強度(AF):EN311;屈曲強度(BF)EN310;横引張強度(QZ)EN319;総密度(Rohdichte)EN323;含水量EN322;膨潤厚(D24h)EN317。
【0157】
例中の量表示は、しばしば"% atro"として表示される:その場合、この表示は、質量%として常に木材中の固体の量に関係する(atro=絶対乾燥、又は英語でO. D.=oven dry)。この際、使用される木材は常に100% atroに相応する。(Deppe及びErnst 2000, S. 32も参照)。
【0158】
この結果を表2に総括する。
【0159】
4.多層リグノセルロース含有成形体の製造及び試験
4.1 製造
表1に挙げた量のトウヒチップ(20℃で、気湿65%を調湿する)を、相応する量の水性結合剤(表1、結合剤の固体含量欄参照;atro木材に対する結合剤の固体量が挙げられている)とLoedige混合機中で接着させ、湿度を測定する。引き続き、中間層及び被覆層のためのマットが散布され、かつ200℃で、圧縮時間因子10s/ボード厚mmで圧縮させる。
【0160】
実験で製造した3層のリグノセルロース含有成形体を、3.に挙げた特性について、そこに挙げた方法で試験した。
【0161】
この試験結果を、表2に挙げる。
【0162】
実験及び結果は、本発明による多層リグノセルロース含有成形体が、測定法により、10倍まで(立方メートル室内値法(Kubikmeterkammerwert-Methode);家具使用のための最終生成物に最も近い)減少されたホルムアルデヒド放出を有することを示す(例えば、列A参照)。
【0163】
列Aは、本発明によるボードと慣用の対照ボード(UF樹脂を有する被覆層及び中間層)との直接比較を示す。機械的特性は比較可能である;本発明によるボード1の引剥強度(欄♯)は、対照ボードのそれよりも当然高い。本発明によるボード1のホルムアルデヒド放出は、明らかに減少している。
【0164】
列Bは、被覆層中の結合剤の型によるホルムアルデヒド放出の依存性(ボード1、4及び5)、及び被覆層中の尿素量の影響(ボード1、2及び3)を示す。明らかに被覆層中の尿素は、驚異的により良好な引剥強度を生じさせる(中間層上の被覆層の付着)。
【0165】
既に列A及びBに示された2つの効果、つまりホルムアルデヒド低減及び引剥強度の改善が、列Cにおいて、ここで相応する立方メートル室内値でもう1度確認され(列C、ボード1〜3参照)、この際、列B中のボード4と列C中のボード4との比較は、同様に、尿素が驚異的により良好な引剥強度を生じさせることを示す。
【0166】
列Dは、前記の列とは別の、つまりホルムアルデヒドを含まない中間層結合剤を使用する(有利な変法5参照)。ボード1の製造の際に、被覆層表面(ボード表面)及びプレス板の間に分離剤は必要とされず、この分離剤は、それとは別に、イソシアネート含有結合剤の場合では、プレス板上の粘着を妨げる。
【0167】
列Eは、この発明で被覆層中に使用されるホルムアルデヒドを含有しない結合剤だけでは、パーティクルボードを低い圧縮時間因子で製造することは不可能であることを示す。本発明による圧縮時間因子に比較して、2倍ほどに高い圧縮時間因子で初めて(25s/mmから)安定したボードが得られる。
【0168】
【表1】

【0169】
【表2】

【0170】
【表3】

【0171】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)結合剤(a)の使用によって得られる、リグノセルロース含有粒子を含有する1層以上の中間層及び
B)結合剤(b)の使用によって得られる、リグノセルロース含有粒子を含有する1層以上の被覆層
から成る多層リグノセルロース含有成形体であって、
この際、結合剤(a)は、(a1)ホルムアルデヒド樹脂及び(a2)少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機イソシアネートからなる群から選択され、
この際、結合剤(b)は、
次の成分を含有する水性成分(I):
(i)次のモノマーを含有するポリマーA:
a)少なくとも1種のエチレン系不飽和モノカルボン酸及び/又はジカルボン酸(モノマーA1)70〜100質量%及び
b)モノマーA1と異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーA2)0〜30質量%、
及び場合により
(ii)ヒドロキシ、カルボン酸及びその誘導体、一級、二級及び三級アミン、エポキシ、アルデヒドの群から選択される少なくとも2個の官能基を有する低分子架橋結合剤、
及び場合により、
次のモノマーを含有する1種以上のポリマーMを含有する水性分散液としての成分(II):
a)少なくとも1個のエポキシド基及び/又は少なくとも1個のヒドロキシアルキル基を含有する少なくとも1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM1)0〜50質量%、及び
b)モノマーM1と異なっている少なくとももう1種のエチレン系不飽和モノマー(モノマーM2)50〜100質量%、
及び場合により、
成分(III)としての通常の添加剤を含有し、
かつ、この際、結合剤(b)は、結合剤(a)がホルムアルデヒド樹脂を含有する場合には、ホルムアルデヒド捕捉体を含有する、多層リグノセルロース含有成形体。
【請求項2】
結合剤(b)は、低分子架橋結合剤(ii)を含有し、かつ成分(II)を含有しない、請求項1に記載の多層リグノセルロース含有成形体。
【請求項3】
結合剤(b)は、低分子架橋結合剤(ii)を含有しないが、成分(II)を含有する、請求項1に記載の多層リグノセルロース含有成形体。
【請求項4】
結合剤(b)は、低分子架橋結合剤(ii)も成分(II)も含有する、請求項1に記載の多層リグノセルロース含有成形体。
【請求項5】
1つの中間層A)及び2つの被覆層B)を有する3層である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の多層リグノセルロース含有成形体。
【請求項6】
結合剤(a)は、ホルムアルデヒド樹脂(a1)だけである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の多層リグノセルロース含有成形体。
【請求項7】
結合剤(a)は、少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(a1)だけである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の多層リグノセルロース含有成形体。
【請求項8】
結合剤(a)は、各々純粋な非希釈物質の(a1)及び(a2)の合計に対して、成分(a1)を、70〜99.9質量%の範囲で、及び成分(a2)を0.1〜30質量%の範囲で含有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の多層リグノセルロース含有成形体。
【請求項9】
ボードの形の請求項1から8までのいずれか1項に記載の多層リグノセルロース含有成形体。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の多層リグノセルロース含有成形体を製造する方法であって、リグノセルロース粒子を1層以上の中間層A)のために結合剤(a)と接触させ、リグノセルロース粒子を1層以上の被覆層B)のために結合剤(b)と接触させ、所望の配列により相互に積層させ、かつ高められた温度で圧縮させる前記方法。
【請求項11】
全ての種類の製品の製造のための及び建築範囲における、請求項1から9までのいずれか1項に記載の多層リグノセルロース含有成形体の使用。
【請求項12】
家具及び家具部材の、包装材料の製造のための、住宅建築における又は内装における又は自動車両における、請求項1から9までのいずれか1項に記載の多層リグノセルロース含有成形体の使用。

【公表番号】特表2012−502819(P2012−502819A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527292(P2011−527292)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061690
【国際公開番号】WO2010/031718
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】