説明

アルファ−炭酸脱水酵素アイソフォームにより媒介される哺乳動物の障害の処置

本発明は、眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、頭痛、神経障害および肥満症から選択されるα−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩、または4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミド(「イマチニブ」[国際一般的名称]としても知られている)および4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミド(「ニロチニブ」[国際一般的名称]としても知られている)またはそれぞれの医薬上許容される塩、α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置におけるイマチニブおよびニロチニブまたはそれぞれの医薬上許容される塩の使用、およびα−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害に罹患しているヒトを含む哺乳動物の処置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭酸脱水酵素(CA)の阻害剤は、眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、片頭痛、頭痛、胃十二指腸潰瘍、神経障害および骨粗鬆症の処置に用いられる(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。トピラマートおよびゾニサミドのようなCA阻害剤は、抗肥満症薬としても有効であるが、それらは、現在、このような使用について承認されていない(非特許文献4)。
【0003】
イマチニブ(メシル酸塩として、GlivecTM/GleevecTM)は、Bcr−Ablオンコプロテインおよび細胞膜貫通型チロシンキナーゼ受容体c−Kitの活性をブロックする。GlivecTMは、慢性骨髄性白血病(CML)および消化管間質性腫瘍(GIST)の処置を含むいくつかの適応症について承認されている。ニロチニブ(TasignaTM)は、第二世代タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(PTKI)であり、2007年に、イマチニブを含む従来の処置に対して耐性または不耐性の、慢性期および移行期フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)CMLの成人患者の処置について承認された。この化合物は、また、GIST患者の処置について検討されている。
【0004】
この度、驚くべきことに、イマチニブメシル酸塩およびニロチニブ塩酸塩・一水和物が、4nM〜20μMの範囲のKIをもって、13種類の触媒活性哺乳類アイソフォームCA I〜XVの全てを阻害することが立証された。CA IおよびCA IIは、最も強力に阻害されるアイソフォームである(4〜32nMのKI)。
【0005】
さらに詳しくは、PTKIであるイマチニブおよびニロチニブは、4.1〜31.9nMの範囲の阻害定数をもって、2つのCAアイソザイム、すなわち、ヒトCA I(hCA I)およびII(hCA II)の非常に強力な阻害剤として作用する。この2つの化合物に対して最も高い親和性を有するアイソフォームは、遍在する生理学的に優勢なhCA IIである。実際に、非常に優れた臨床的に使用されるスルホンアミド系阻害剤であるアセタゾラミドは、hCA IIに対して、ニロチニブ(4.1nMのKI)とイマチニブ(30.2nMのKI)の中間である12nMのKIを有する。第2の細胞質アイソフォームであるhCA Iもまた両方の化合物に対して高い親和性(29.3〜31.9nMのKI)を示すが、このKI値は、アセタゾラミドのものよりも桁数が小さい。重要なことには、これらの結果は、ニロチニブがイマチニブよりも僅かに優れたhCA IおよびII阻害剤であることを示している。
【0006】
細胞質アイソフォームhCA VII、腫瘍関連膜貫通型酵素hCA IX、および膜アンカー酵素mCA XVに対してもイマチニブおよびニロチニブによる有効な阻害が見られる(表1)。これらのアイソフォームは、41.9〜109nMの範囲のKIをもって、この2つの化合物によって阻害される。この2つのPTKIは、主に脳に関連するhCA VIIに対して99〜109nMのKIを示し、アセタゾラミド(2.5nMのKI)よりも低い活性を有する。hCA IXは、このグループおよび他のグループによって最近示されたように、最も有望な新規抗癌薬ターゲットの1つである(非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11)。このアイソザイムを標的とする薬剤の開発は、CA IXが一般に過剰発現される低酸素性腫瘍の管理にとって臨床的および診断的意義を有し得る(非特許文献12)。イマチニブおよびニロチニブは、41.9〜75.7nMの阻害定数をもって、このアイソフォームを有意に阻害した。
【0007】
hCA III(細胞質)、VI(唾液および乳汁中に分泌される)、XII(その他の組織の中でいくつかの腫瘍中に存在する、膜貫通型)およびXIV(膜貫通型)を包含する第3のグループのCAアイソザイムは、223〜980nMの範囲のKIをもって、イマチニブおよびニロチニブによって適度に阻害される。膜結合型hCA IVは、ニロチニブによって適度に(446nMのKI)阻害されるが、イマチニブによってほとんど阻害されない(4553nMのKI、下記表1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Supuran, C.T., Scozzafava, A., Conway, J. (Eds): Carbonic anhydrase - Its inhibitors and activators, CRC Press, Boca Raton (FL), USA, 2004, pp. 1-363
【非特許文献2】Supuran, C.T., Scozzafava, A., Carbonic anhydrase inhibitors and their therapeutic potential, Expert Opin. Ther. Pat., 2000, 10, 575-600
【非特許文献3】Supuran, C.T., Scozzafava, A., Casini, A., Carbonic anhydrase inhibitors. Med. Res. Rev. 2003, 23, 146-189
【非特許文献4】Supuran, Nature Rev Drug Discov 2008
【非特許文献5】Supuran, C.T. Nat. Rev. Drug Discov. 2008, 7, 168
【非特許文献6】Supuran, C.T. et al, Med. Res. Rev. 2003, 23, 146
【非特許文献7】Maresca, A. et al, J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 3057
【非特許文献8】Svastova, E. et al, FEBS Lett. 2004, 577, 439
【非特許文献9】Dubois, L.; et al, Radiother. Oncol. 2007, 83, 367
【非特許文献10】Hilvo, M. et al, J. Biol. Chem. 2008, 283, 27799
【非特許文献11】Chiche, J. et al, J. Cancer Res. 2009, 69, 358
【非特許文献12】Ebbesen, P. et al, J. Enzyme Inhib. Med. Chem. 2009, 24 Suppl 1, 1-39
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、イマチニブおよびニロチニブ、またはそれぞれの医薬上許容される塩に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で使用される場合、「α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害」という語句は、(a)眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、片頭痛、頭痛、胃十二指腸潰瘍、神経障害、肥満症および骨粗鬆症、ならびに(b)CA II、CA IXまたはCA XIIを過剰発現する癌、特に低酸素性の腫瘍および他の癌を示す。
【0011】
一の実施態様では、本発明は、眼圧亢進症(緑内障)の処置に関する。
【0012】
第2の実施態様では、本発明は、CA IIが発現される癌に関する。GIST(Parkkila, S. et al. 2009, unpublished results)およびCML(Leppilampi, M. et al. Clin. Cancer. Res. 2002, 8, 2240)に加えて、CA II発現は、髄膜腫(Korhonen, K. et al. J. Neurosurg. 2009, Feb 13. [Epub ahead of print])のような様々な良性腫瘍、および膵癌(Parkkila, S. et al. Histochem. J. 1995, 27, 133)、神経膠腫(Haapasalo, J. et al. Neuro Oncol. 2007, 9, 308)、メラノーマ(Yoshiura, K. Clin. Cancer Res. 2005, 11, 8201)、急性骨髄性白血病および急性リンパ性白血病(Leppilampi, M. et al. Clin. Cancer. Res. 2002)のような癌において報告されている。したがって、本発明は、また、GIST、CML、髄膜腫、膵癌、神経膠腫、メラノーマ、急性骨髄性白血病および急性リンパ性白血病から選択される、CA IIによって媒介される癌の処置のためのイマチニブまたはニロチニブまたはそれぞれの医薬上許容される塩を提供する。
【0013】
さらなる実施態様では、本発明は、CA IXおよび/またはCA XIIが過剰発現される腫瘍、特に低酸素性腫瘍の処置に関する。
【0014】
本明細書で使用される場合、「処置」という用語は、治療的処置および予防的処置を意味する。
【0015】
イマチニブの製造およびその使用、特に抗腫瘍剤としての使用は、欧州特許出願公開第0 564 409号および米国特許第5,521,184号(どちらも出典明示により本明細書の一部を構成する)の実施例21に記載されている。
【0016】
イマチニブの医薬上許容される塩は、例えば、塩酸、硫酸もしくはリン酸のような無機酸、または好適な有機カルボン酸またはスルホン酸、例えばトリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸もしくはシュウ酸のような脂肪族モノまたはジカルボン酸、またはアルギニンもしくはリジンのようなアミノ酸、安息香酸、2−フェノキシ−安息香酸、2−アセトキシ−安息香酸、サリチル酸もしくは4−アミノサリチル酸のような芳香族カルボン酸、マンデル酸もしくは桂皮酸のような芳香族−脂肪族カルボン酸、ニコチン酸もしくはイソニコチン酸のようなヘテロ芳香族カルボン酸、メタン−、エタン−もしくは2−ヒドロキシエタン−スルホン酸のような脂肪族スルホン酸、またはベンゼン−、p−トルエン−もしくはナフタレン−2−スルホン酸のような芳香族スルホン酸などとの医薬上許容される酸付加塩である。
【0017】
イマチニブのモノメタンスルホン酸付加塩(「イマチニブメシル酸塩」としても知られている)およびその好ましい結晶形、例えばβ結晶形は、国際公開第99/03854号に記載されている。種、年齢、患者の状態、投与方法および問題の臨床像に応じて、体重約70kgの温血動物に、イマチニブの有効投与量、例えば約100〜1000mg、好ましくは200〜600mg、特に400mgの経口日用量が投与される。成人患者について、経口送達のためには、一日にイマチニブI遊離塩基400mgに相当する開始投与量が推奨され得る。
【0018】
イマチニブまたはその医薬上許容される塩の有効量を含有する可能な医薬製剤もまた国際公開第99/03854号に記載されている。
【0019】
ニロチニブおよびその製造方法は、国際公開第04/005281号(出典明示により本明細書の一部を構成する)に記載されている。ニロチニブの医薬上許容される塩は、特に、国際公開第2007/015871号に記載されるものである。一の好ましい実施態様では、ニロチニブは、その塩酸塩・一水和物の形態で使用される。国際公開第2007/015870号には、本発明に有用なニロチニブおよびその医薬上許容される塩のある種の多形が記載されている。ニロチニブの好ましい経口日用量は、200〜1200mg、例えば800mgであり、1回投与として、または複数回の分割投与(例えば、1日2回投与)として投与される。
【0020】
一の態様では、本発明は、α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための薬剤の製造のための4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩、または4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩に関する。
【0021】
特に、本発明は、α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドまたはその医薬上許容される塩、特にメシル酸塩に関する。
【0022】
また、特に、本発明は、α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドまたはその医薬上許容される塩、特に塩酸塩・一水和物に関する。
【0023】
さらに詳しくは、本発明は、眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、頭痛、神経障害および肥満症から選択される、α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩、または4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩を提供する。
【0024】
本発明は、また、イマチニブまたはニロチニブまたはそれぞれの医薬上許容される塩の医薬上有効量を、α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害を有する哺乳動物、ヒト対象体に投与する方法に関する。
【0025】
さらなる実施態様では、本発明は、以下の組み合わせ、およびα−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のためのそれらの使用に関する:
(1)(a)イマチニブまたはその医薬上許容される塩、および(b)本明細書に記載の障害の1つの治療に適している少なくとも1つのさらなる化合物を含む組み合わせ、
(2)(a)ニロチニブまたはその医薬上許容される塩、および(b)本明細書に記載の障害の1つの治療に適している少なくとも1つのさらなる化合物を含む組み合わせ、
(3)(a)イマチニブまたはその医薬上許容される塩、および(b)ニロチニブまたはその医薬上許容される塩を含む組み合わせ、ならびに
(4)(a)イマチニブまたはその医薬上許容される塩、(b)ニロチニブまたはその医薬上許容される塩、および(c)本明細書に記載の障害の1つの治療に適している少なくとも1つのさらなる化合物を含む組み合わせ。
【0026】
さらに詳しくは、本発明は、(a)4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩または(b)4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩、および(c)眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、頭痛、神経障害および肥満症の治療に適している少なくとも1つのさらなる化合物を含む組み合わせに関する。
【0027】
本明細書に記載の組み合わせにおいて使用される組み合わせのパートナーが単剤として市販されている形態で適用される場合、これらの投与量および投与方法は、本明細書において他に記載されない場合には、個々の市販薬の説明書において提供される情報に従って行われ得る。
【0028】
イマチニブまたはニロチニブまたはそれぞれの医薬上許容される塩が、α−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の有効な予防または好ましくは処置をもたらすことは、既存の試験モデルおよび臨床試験によって立証され得る。関連技術分野の当業者は、本明細書に記載の治療適応症における有益な効果を立証するのに適した試験モデルを選択することができる。以下の実施例は、上記の本発明を説明するが、如何なる場合も本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【実施例】
【0029】
実施例1:触媒活性哺乳類CAアイソフォームCA I〜XVのイマチニブおよびニロチニブによる阻害
Khalifah, R. G., J. Biol. Chem. 1971, 246, 2561に記載の方法に従ってCA触媒CO2水和反応活性をアッセイするために、Applied Photophysics(Oxford、UK)ストップトフロー装置を使用した。簡単に説明すれば、フェノールレッド(0.2mMの濃度)を指示薬として使用し、CA触媒CO2水和反応に従って、557nmの最大吸光度で、緩衝液として10mM Hepes(pH7.5)を用い、0.1M Na2SO4(イオン強度を一定に保持するため)を用いて行う。CO2濃度は、運動パラメーターおよび阻害定数の決定のために1.7〜17mMの範囲である。各阻害剤について、初速度を決定するために反応の最初の5〜10%の少なくとも6つのトレースを使用する。同様に無触媒率を決定し、観察された全体の率から差し引く。5〜10%(v/v)のDMSO(これらの濃度では阻害しない)を含む蒸留脱イオン水を用いて阻害剤の貯蔵液(10mM)を調製し、その後、蒸留脱イオン水により0.1nMまでの希釈を行う。E−I複合体を形成させるために、阻害剤の溶液および酵素の溶液をアッセイ前に室温で15分間一緒にプレインキュベートする。阻害定数は、PRISM3を使用して非線形最小二乗法によって得られ、少なくとも3つの異なる測定からの平均を表す。CAアイソザイムは、以下の文献によって以前に報告されたように得られる組換え体である:(a)Pastorekova, S. et al, J. Enz. Inhib. Med. Chem. 2004, 19, 199;(b)Supuran, C.T., Scozzafava, A. Bioorg. Med. Chem. 2007, 15, 4336;(c)Nishimori, I. et al, Bioorg. Med. Chem. 2007, 15, 7229;(d)Vullo, D. et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 971;(e)Nishimori, I. et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 3828;(f)Vullo, D. et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 963。
【0030】
【表1】

* h=ヒトのアイソザイム;m=ネズミのアイソザイム
** 触媒ドメイン
# 3つの異なるアッセイからの平均値、±5%の範囲の誤差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、頭痛、神経障害および肥満症から選択されるα−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩、または4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、頭痛、神経障害および肥満症から選択されるα−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドまたはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、頭痛、神経障害および肥満症から選択されるα−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、メシル酸塩の形態の、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、頭痛、神経障害および肥満症から選択されるα−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドまたはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、頭痛、神経障害および肥満症から選択されるα−炭酸脱水酵素アイソフォームによって媒介される障害の処置のための、塩酸塩・一水和物の形態の、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
(a)4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩、または(b)4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]−N−[5−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドもしくはその医薬上許容される塩、および(c)眼圧亢進症(緑内障)、てんかん、レノックス・ガストー症候群、高山病、頭痛、神経障害および肥満症の処置に適している少なくとも1つのさらなる化合物を含む組み合わせ。

【公表番号】特表2012−528824(P2012−528824A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513590(P2012−513590)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057598
【国際公開番号】WO2010/139678
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511292286)ユニバーシティ・オブ・タンペレ (1)
【氏名又は名称原語表記】University of Tampere
【出願人】(511292297)
【氏名又は名称原語表記】Claudiu SUPURAN
【Fターム(参考)】