説明

アレーン−ビス(ジカルボキシイミド)系半導体材料、およびそれを調製するための関連する中間体を調製する方法

本教示は、式IおよびIIの化合物であって、式中、Q、Ra、R1、W、およびnは、本明細書に定義されるとおりである、化合物を提供する。本教示はまた、式IおよびIIの化合物を調製する方法も提供し、式Iの化合物から式IIの化合物を調製する方法を含む。本明細書に開示する化合物を使用して、半導体材料、ならびに関連する複合物および電子デバイスを調製することができる。本教示は、コアに種々の電子求引性置換基を有するQDAおよびQDIH、ならびにこのようなコア置換QDAおよびQDIHをN,N’−二置換QDIに変換する方法を提供する。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
序論
アレーン−ビス(ジカルボキシイミド)(QDI)に基づく有機分子は、高度な光学材料および電子材料において、主要な元素であり得る。QDIの例としては、ペリレン−ビス(ジカルボキシイミド)(PDI)、コロネン−ビス(ジカルボキシイミド)(CDI)、ナフタレン−ビス(ジカルボキシイミド)(NDI)、およびアントラセン−ビス(ジカルボキシイミド)(ADI)が挙げられ、これらの構造を図1に示す。例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、および非特許文献9を参照されたい。これらのQDIの特性は、例えば、イミド基の窒素原子および/またはアレーンのコアでの分子の官能基化によって調節することができる。
【0002】
官能基化されたQDIの用途は、集光アレイ、光電池、有機電界効果トランジスタ、および有機発光ダイオードに見出されている。これらの分子はまた、超分子系または巨大分子系を構築するための構成ブロックであると報告されている。コア置換QDIの中でも、シアン化PDI、NDI、およびADIは、電界効果トランジスタ、相補型回路、リング発振器、およびD−フリップフロップ、ならびに太陽電池を含む、複数の有機半導体に基づくデバイスを作製するための重要な材料であることが示されている。例えば、Jung et al.,Appl.Phys.Lett.,88:183102/1(2006)、およびYoo et al.,Appl.Phys.Lett.,88:082104(2006)を参照されたい。
【0003】
一般的に、N,N’−二置換コア置換アレーン−ビス(ジカルボキシイミド)の調製は、図2に示される合成経路に従う。第一のステップは、通常、イミド窒素原子での官能基化である。例えば、適切な二無水物(QDA)を第一級アミン(RNH)と反応させ、対応するジカルボキシイミド(QDIR)を合成することができる。例えば、Osswald et al.,Angew.Chem.,Int.Ed.,44:250(2005)、Segura et al.,Org.Lett.,7:2345(2005)、Rohr et al.,Angew.Chem.,Int.Ed.,37:1434(1998)、Qu et al.,Angew.Chem.,Int.Ed.,43:1528(2004)、Mueller et al.,Chem.Commun.,4045(2005)、Rybtchinski et al.,J.Phys.Chem.,108:7497(2004)、およびVysotsky et al.,Org.Lett.,4:2901(2002)を参照されたい。代替の方法は、アンモニア(NH)で、二無水物を、非置換ジカルボキシイミド(QDIH)に変換し、その後、R−LGでイミド窒素を官能基化することである。例えば、Pasaogullari et al.,Dyes and Pigments,69:118(2006)、Patrick et al.,Dyes and Pigments,55:123(2002)、Chernick et al.,J Org.Chem.,70:1486(2005)、Fan et al.,Synth.Met.,145:203(2004)を参照のこと。
【0004】
第二のステップは、対応するハロゲン化QDI前駆体(QDI−X)の無触媒または金属触媒置換による、コア位置(QDI−R)の官能基化である。例えば、QDI−X前駆体中のハロ基を、アリール、シアノ、フェノキシ、および/またはアミノ基で置き換えて、対応するQDI−Rを合成することができる。例えば、Wuerthner et al.,J Org.Chem.,69:7933(2004)、ならびに独国特許出願第DE 3434059号および第DE 19547209号を参照されたい。
【0005】
図2に示されるとおり、両方の合成には、いかなるコア位置の前のイミド窒素原子をも官能基化することが必要である。同一の官能基化されたコアであるが、異なるイミド窒素置換を伴うN,N’−二置換QDI−R誘導体の効率的なスクリーニングを可能とするためには、より効果的な合成方法が望まれる。このような方法の例として、二無水物出発材料のコア位置で官能基化し、その後、二無水物の二置換ジイミドへ変換することが挙げられる。実際には、既知のコア置換二無水物(QDA−R)またはコア置換ジイミド(QDIH−R)はほとんどなく、Rが電子求引性基(EWG)である、QDA−RおよびQDIH−Rの例は報告されていない。さらに、ほとんどのQDAおよびQDIHは、電子求引性基で、コアにおいて置換された場合、標準的な反応条件の下で、第一級アミン等の強い求核剤と反応すると、不安定になる可能性が高い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Law,Chem.Rev.,93:449(1993)、Langhals et al.,Angew.Chem.,Int.Ed.,44:2427(2005)
【非特許文献2】Malenfant et al.,Appl.Phys.Lett.,80:2517(2002)
【非特許文献3】Herrmann et al.,Chem.Lett.,35:978(2006)
【非特許文献4】Ilhan et al.,Chem.Mater.,16:2978(2004)
【非特許文献5】Bhattacharyya et al.,Synlett,1361(2003)
【非特許文献6】Langhals et al.,Chemistry,12:2815(2006)
【非特許文献7】Kelley et al.J.Am.Chem.Soc.,128:4779(2006)
【非特許文献8】Adachi et al.,Appl.Phys.Lett.,56:799(1990)
【非特許文献9】Katz et al.J Am.Chem.Soc.,122:7787(2000)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述に照らして、本教示は、コア官能基化されたQDIおよび対応するN,N’−二置換誘導体を調製するための新たな合成経路を提供し、これにより、上に概略したものを含む、従来の技術の種々の欠陥および欠点に対処することができる。
【0008】
より具体的には、本教示は、コアに種々の電子求引性置換基を有するQDAおよびQDIH、ならびにこのようなコア置換QDAおよびQDIHをN,N’−二置換QDIに変換する方法を提供する。
【0009】
一態様において、本教示は、式IまたはIIの化合物であって、
【0010】
【化1】

【0011】
式中、Q、R、R、W、およびnは、本明細書に定義されるとおりである、化合物を提供する。
【0012】
別の態様において、本教示は、式IおよびIIの化合物を調製する方法を提供し、式IIの化合物を式Iの化合物から調製する方法を含む。
【0013】
前述、ならびに本教示の他の特徴および利点は、以下の図、説明、および請求項からより完全に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
当業者は、以下に記載の図面が、例示目的に過ぎないことを理解するであろう。図面には、本教示の範囲をいかようにも制限する意図はない。
【図1】QDIの種々の例の化学構造を示す図である。
【図2】コア置換N,N’−二置換QDI(QDIR−R)への既知の合成経路を例示する図である。
【図3】本教示の化合物(PDA−CN)のMS MALDI(質量分析/マトリックス支援レーザー脱離イオン化)スペクトルを提供する図である。
【図4】本教示の化合物(NDA−CN)のMS MALDIスペクトルを提供する図である。
【図5】本教示の化合物(PDIH−CN)のMS MALDIスペクトルを提供する図である。
【図6】CDCl中の本教示の化合物(PDI6NHBoc−CN)のH NMRスペクトルを提供する図である。
【図7】本教示の化合物(PDI1Py−CN)のMS MALDIスペクトルを提供する図である。
【図8】CDCl中の本教示の化合物(PDICytr−CN)のH NMRスペクトルを提供する図である。
【図9】CDCl中の本教示の化合物(PDIRCytr−CN)のH NMRスペクトルを提供する図である。
【図10】CDCl中の本教示の化合物(PDI2EH−CN)のH NMRスペクトルを提供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本説明全体を通し、組成物が、特定の構成要素を有する、含む(includingまたはcomprising)として記載される場合、またはプロセスが、特定のプロセスステップを有する、含む(includingまたはcomprising)として記載される場合、本教示の組成物もまた、列挙される構成要素から本質的に成る、またはそれらから成ること、ならびに本教示のプロセスもまた、列挙されるプロセスステップから本質的に成る、またはそれらから成ることが想定される。
【0016】
「含む(include、includes、including)」「有する(have、has、having)」という用語の使用は、概して、別途具体的に記載されない限り、幅広い解釈が可能であり、制限するものではないものとして理解されたい。
【0017】
本出願において、元素または構成要素が、列挙される元素または構成要素の一覧に含まれる、および/またはそれらから選択されるものとする場合、元素または構成要素は、列挙される元素または構成要素のうちのいずれかであり得ること、ならびに2つもしくは複数の列挙される元素または構成要素から成る群から選択できることを理解されたい。
【0018】
本明細書における単数形の使用は、別途具体的に記載されない限り、複数形を含む(その逆も同様)。さらに、「約」という用語が定量値の前に使用される場合、本教示は、別途具体的に記載されない限り、特定の定量値自体も含む。本明細書において使用される、「約」という用語は、公称値から±10%の変動を指す。
【0019】
ステップの順序、またはある行為を行うための順序は、本教示が依然として操作可能である限り、重要ではないことを理解されたい。さらに、2つもしくは複数のステップまたは行為を同時に行える。
【0020】
本明細書において使用される「アレーン」または「縮合環部分」とは、少なくとも2つの環を有する多環式環系を指し、ここでは、少なくとも1つの環が芳香族であり、このような芳香環(炭素環または複素環)は、芳香族または非芳香族、および炭素環または複素環であり得る、少なくとも1つの他の環と共有の結合を有する。これらの多環式環系は、高度にπ共役されることが可能であり、式:
【0021】
【化2】

【0022】
を有するリレンであって、
式中、aは、0〜3の範囲の整数であることが可能である、リレンと、
式:
【0023】
【化3】

【0024】
を有するコロネンであって、
式中、bは、0〜3の範囲の整数であることが可能である、コロネンと、
式:
【0025】
【化4】

【0026】
を有する線形アセンであって、
式中、cは、0〜4の範囲の整数であることが可能である、線形アセンと、
を含むことができるが、これらに限定されない。本明細書において開示される化合物は、典型的には、アレーンまたは縮合環部分のコアを有し、これは、四価であり、かつ−C(O)−O−C(O)−、−C(O)−NH−C(O)−、および−C(O)−NR−C(O)−(式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである)から選択される、2つの部分との共有結合を形成することができる。このようなアレーンまたは縮合環部分のコアは、1〜8のR基(式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである)で置換することができる。
【0027】
本明細書において使用される「ジカルボキシイミド」とは、−C(O)−NH−C(O)−基を指し、ここでは、窒素原子は、本明細書に定義されるR基で置換することができる。
【0028】
本明細書において使用される「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを指す。
【0029】
本明細書において使用される「アミノ」または「アミン」とは、−NRR’を指し、式中、RおよびR’は、独立して、H、アルキル基、アリールアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、およびシクロヘテロアルキル基から選択することができ、アルキル基、アリールアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、およびシクロヘテロアルキル基のそれぞれは、本明細書に記載されるとおり、任意に置換することができる。
【0030】
本明細書において使用する「アルコキシ」とは、−O−アルキル基を指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n−プロポキシおよびイソプロポキシ)、t−ブトキシ基等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書において使用する「アルキルチオ」とは、−S−アルキル基を指す。アルキルチオ基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ(例えば、n−プロピルチオおよびイソプロピルチオ)、t−ブチルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書において使用する「オキソ」とは、二重結合酸素(すなわち、=O)を指す。
【0033】
本明細書において使用する「アルキル」とは、直鎖または分岐飽和炭化水素基を指す。アルキル基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、ペンチル基(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)等が挙げられる。種々の実施形態において、アルキル基は、1個から20個の炭素原子を有することができる(すなわち、C1−20アルキル基)。一部の実施形態において、アルキル基は、1個から6個の炭素原子を有することができ、「低級アルキル基」と呼ぶことができる。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ならびにブチル基(例えば、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)が挙げられる。一部の実施形態において、アルキル基は、本明細書に開示されるとおりに、置換することができる。アルキル基は、一般的に、別のアルキル基またはアルケニルもしくはアルキニル基で置換されない。
【0034】
本明細書において使用される「ハロアルキル」とは、1つもしくは複数のハロゲン置換基を有するアルキル基を指す。ハロアルキル基の例としては、CF、C、CHF、CHF、CCl、CHCl、CHCl、CCl等が挙げられるが、これらに限定されない。すべての水素原子が、ハロゲン原子(例えば、CFおよびC)で置き換えられる、パーハロアルキル基、すなわち、アルキル基は、「ハロアルキル」の定義に含まれる。例えば、C1−20ハロアルキル基は、式、−C2i+lまたは−C2i+l−jを有することができ、式中、XはF、Cl、Br、またはIであり、iは1から20の範囲の整数であり、jは0から41の範囲の整数であるが、jは2i+1と同等もしくは以下であることを条件とする。
【0035】
本明細書において使用する「アリールアルキル」とは、−アルキル−アリール基を指し、アリールアルキル基は、アルキル基によって、定義された化学構造に共有結合する。アリールアルキル基は、−L−C6−14アリール基または−Y−C6−14アリール基の定義内であり、式中、LおよびYは、独立して二価のC1−20アルキル基である。アリールアルキル基の例は、ベンジル基(−CH−C)である。アリールアルキル基は、任意に置換することができる、すなわち、アリール基および/またはアルキル基は、本明細書に開示されるとおり、置換することができる。
【0036】
本明細書において使用する「アルケニル」とは、1つもしくは複数の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分岐アルキル基を指す。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。1つもしくは複数の炭素−炭素二重結合は、内部(2−ブテン等)または末端(1−ブテン等)であり得る。種々の実施形態において、アルケニル基は、2個から20個の炭素原子を有することができる(すなわち、C2−20アルケニル基)。一部の実施形態において、アルケニル基は、本明細書に開示されるとおり、置換することができる。アルケニル基は、一般的に、別のアルケニル基、またはアルキルもしくはアルキニル基で置換されない。
【0037】
本明細書において使用する「アルキニル」とは、1つもしくは複数の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分岐アルキル基を指す。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル等が挙げられるが、これらに限定されない。1つもしくは複数の炭素−炭素三重結合は、内部(2−ブチン等)または末端(1−ブチン等)であり得る。種々の実施形態において、アルキニル基は、2個から20個の炭素原子を有することができる(すなわち、C2−20アルキニル基)。一部の実施形態において、アルキニル基は、本明細書に開示されるとおり、置換することができる。アルキニル基は、一般的に、別のアルキニル基、またはアルキル基もしくはアルケニル基で置換されない。
【0038】
本明細書において使用する「シクロアルキル」とは、環状アルキル、アルケニル、およびアルキニル基を含む、非芳香族炭素環基を指す。シクロアルキル基は、単環(例えば、シクロヘキシル)または多環(例えば、縮合、架橋、および/またはスピロ環系を含有する)であり得、ここでは、炭素原子は、環系の内部または外部に位置する。シクロアルキル基のいかなる適切な環位置も、定義された化学構造に共有結合することができる。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカリル、アダマンチル、およびスピロ[4.5]デカニル基、ならびに、これらの同族体、異性体等が挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態において、シクロアルキル基は、3個から10個の炭素原子(すなわち、C3−10シクロアルキル基)を含む、3個から14個の炭素原子を有することができる。一部の実施形態において、シクロアルキル基は、本明細書に開示されるとおり、置換することができる。
【0039】
本明細書において使用する「ヘテロ原子」とは、炭素または水素以外の任意の元素の原子を指し、例えば、窒素、酸素、シリコン、硫黄、リン、およびセレンを含む。
【0040】
本明細書において使用する「シクロヘテロアルキル」とは、O、N、およびSから選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有し、任意に、1つもしくは複数の二重結合または三重結合を含有する、非芳香族シクロアルキル基を指す。種々の実施形態において、シクロヘテロアルキル基は、3個から14個の環原子(すなわち、3〜14員のシクロヘテロアルキル基)を含む、3個から20個の環原子を有することができる。シクロヘテロアルキル環中の1つもしくは複数のNまたはS原子は、酸化することができる(例えば、モルホリンN−オキシド、チオモルホリンS−オキシド、チオモルホリンS,S−ジオキシド)。一部の実施形態において、シクロヘテロアルキル基の窒素原子は、本明細書に記載される置換基、例えば、水素原子、アルキル基、または他の置換基を有することができる。シクロヘテロアルキル基はまた、オキソピペリジル、オキソオキサゾリジル、ジオキソ−(1H,3H)−ピリミジル、オキソ−2(1H)−ピリジル等の、1つもしくは複数のオキソ基を含有することができる。シクロヘテロアルキル基の例としては、とりわけ、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、ピペラジニル等が挙げられる。一部の実施形態において、シクロヘテロアルキル基は、本明細書に開示されるとおり、置換することができる。
【0041】
本明細書において使用する「アリール」とは、2つもしくは複数の芳香族炭化水素環が、ともに縮合される(すなわち、共有の結合を有する)か、あるいは少なくとも1つの芳香族単環炭化水素環が、1つもしくは複数のシクロアルキルおよび/またはシクロヘテロアルキル環に縮合される、芳香族単環炭化水素環系または多環系を指す。アリール基は、その環系に6個から16個の炭素原子を有することができ、複数の縮合環を含むことができる。一部の実施形態において、多環アリール基は、7個から16個の炭素原子を有することができる。該アリール基は、安定した構造をもたらす、いかなる適切な環位置においても、定義された化学構造に共有結合することができる。芳香族炭素環のみを有するアリール基の例としては、フェニル、1−ナフチル(二環)、2−ナフチル(二環)、アントラセニル(三環)、フェナントレニル(三環)、および同様の基が挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの芳香族炭素環が、1つもしくは複数のシクロアルキルおよび/またはシクロヘテロアルキル環に縮合される、多環系の例としては、とりわけ、シクロペンタン(すなわち、5,6−二環シクロアルキル/芳香環系である、インダニル基)、シクロヘキサン(すなわち、6,6−二環シクロアルキル/芳香環系である、テトラヒドロナフチル基)、イミダゾリン(すなわち、5,6−二環シクロヘテロアルキル/芳香環系である、ベンゾイミダゾリニル基)、およびピラン(すなわち、6,6−二環シクロヘテロアルキル/芳香環系である、クロメニル基)のベンゾ誘導体が挙げられる。アリール基の他の例としては、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、クロマニル、インドリニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、アリール基は、本明細書に開示されるとおり、置換することができる。一部の実施形態において、アリール基は、1つもしくは複数のハロゲン置換基を有することができ、「ハロアリール」基と呼ぶことができる。パーハロアリール基、すなわち、すべての水素原子が、ハロゲン原子で置き換えられる、アリール基(例えば、−C)は、「ハロアリール」の定義に含まれる。ある実施形態において、アリール基は、別のアリール基で置換され、ビアリール基と呼ぶことができる。ビアリール基中のアリール基のそれぞれは、本明細書に開示されるとおり、置換することができる。
【0042】
本明細書において使用する「ヘテロアリール」とは、O、N、およびSから選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する芳香族単環系、または環系に存在する環のうちの少なくとも1つが芳香族であり、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する、多環系を指す。多環ヘテロアリール基は、ともに縮合された2つもしくは複数のヘテロアリール環、ならびに1つもしくは複数の芳香族炭素環、非芳香族炭素環、および/または非芳香族シクロヘテロアルキル環に縮合された単環ヘテロアリール環を含む。ヘテロアリール基は、全体として、例えば、5個から16個の環原子を有することができ、1個〜5個の環ヘテロ原子を含有することができる。ヘテロアリール基は、安定した構造をもたらす、任意のヘテロ原子または炭素原子において、定義された化学構造に結合することができる。一般的に、ヘテロアリール環は、O−O、S−S、またはS−O結合を含有しない。しかしながら、ヘテロアリール基中の1つもしくは複数のNまたはS原子は酸化させることができる(例えば、ピリジンN−オキシド、チオフェンS−オキシド、チオフェンS,S−ジオキシド)。ヘテロアリール基の例としては、例えば、以下に示される、5員の単環、および5〜6員環の二環系が挙げられ、
【0043】
【化5】

【0044】
式中、Zは、O、S、NH、N−アルキル、N−アリール、またはN−(アリールアルキル)(例えば、N−ベンジル)である。ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、キノリル、2−メチルキノリル、イソキノリル、キノキサリル、キナゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、べンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾイル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズオキサゾリル、シンノリニル、1H−インダゾリル、2H−インダゾリル、インドリジニル、イソベンゾフイル、ナフチリジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ピリドピリミジニル、ピリドピラジニル、ピリドピリダジニル、チエノチアゾリル、チエンオキサゾリル、チエノイミダゾリル等が挙げられる。ヘテロアリール基のさらなる例としては、4,5,6,7−テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾチエノピリジル、ベンゾフロピリジル等が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は、本明細書に開示されるとおりに、置換することができる。
【0045】
本明細書において使用する「二価基」とは、2つの他の部分との共有結合を形成することができる、連結基を指す。例えば、本教示の化合物は、例えば、メチレン基等の二価のC1−20アルキル基を含むことができる。
【0046】
本明細書において使用する「脱離基」(「LG」)とは、例えば、置換または脱離反応の結果、安定した種として、置き換えることができる、荷電原子または非荷電原子(または原子群)を指す。脱離基の例としては、ハロゲン化物(例えば、Cl、Br、I)、アジド(N)、チオシアナート(SCN)、ニトロ(NO)、シアナート(CN)、トシレート(トルエンスルホン酸、OTs)、メシレート(メタンスルホン酸、OMs)、ブロシレート(p−ブロモベンゼンスルホン酸、OBs)、ノシレート(4−ニトロベンゼンスルホン酸、ONs)、水(HO)、アンモニア(NH)、およびトリフラート(トリフルオロメタンスルホン酸、OTf)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
すべての一般的な部類の置換基を反映する、数百の最も一般的な置換基の電子供与または電子求引特性が、判定され、定量化され、公開されている。電子供与および電子求引特性の最も一般的な定量化は、ハメット(Hammett)σ値に換算して行われる。水素は、ハメットσ値が0であるが、他の置換基は、ハメットσ値が、それらの電子求引または電子供与特徴に対して正比例の関係で、プラスまたはマイナスに増加する。ハメットσ値がマイナスである置換基は、電子供与性であると考えられるが、ハメットσ値がプラスである置換基は、電子求引性であると考えられる。参照することによって本明細書に組み込まれる、数多くの一般的に見られる置換基のハメットσ値を一覧表示する、Lange’s Handbook of Chemistry,12th ed.,McGraw Hill,1979の第3−134から3−138頁、表3−12を参照されたい。「電子受容性基」という用語は、本明細書において、「電子受容体」および「電子求引性基」と同義的に使用することができることを理解されたい。特に、「電子求引性基」(「EWG」)または「電子受容性基」もしくは「電子受容体」とは、分子内で同じ位置を占める場合、水素原子よりもそれ自身に電子を引き付ける官能基を指す。電子求引性基の例としては、ハロゲンまたはハロゲン化物(例えば、F、Cl、Br、I)、−NO、−CN、−OH、−OR、−SH、−SR、−S(R、−NH、−NHR、−NR、−N(R、−SOH、−SO、−SO、−SONHR、−SON(R、−COOH、−COR、−COOR、−CONHR、−CON(R、C1−10ハロアルキル基、C6−14アリール基、および5〜14員のヘテロアリール基が挙げられるが、これらに限定されず、式中、Rは、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C2−10アルキニル基、C1−10ハロアルキル基、C1−10アルコキシ基、C6−14アリール基、C3−14シクロアルキル基、3〜14員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基であり、それぞれは、本明細書に記載されるとおり、任意に置換することができる。
【0048】
本明細書の種々の箇所において、化合物の置換基を、群または範囲で開示する。本説明では、このような群および範囲の要素のそれぞれ、およびあらゆる部分的な組み合わせを含むことを、具体的に意図する。例えば、「C1−6アルキル」という用語は、具体的に、C、C、C、C、C、C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、C−C、およびC−Cアルキルを個別に開示することを意図する。他の例として、0から40の範囲の整数は、具体的に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、および40を個別に開示することを意図し、ならびに1から20の範囲の整数は、具体的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、および20を個別に開示することを意図する。
【0049】
本明細書に記載される化合物は、不斉原子(キラル中心とも称される)を含有することができ、該化合物のいくつかは、1つもしくは複数の不斉原子または不斉中心を含むことができ、したがって、光学異性体(エナンチオマー)およびジアステレオマーを生じることができる。本教示は、このような光学異性体(エナンチオマー)およびジアステレオマー(幾何異性体)、ならびにラセミおよび分割された、光学異性体的に純粋な(+)および(−)立体異性体、さらには(+)および(−)立体異性体の他の混合物を含む。一部の実施形態において、光学異性体は、当業者に既知の標準的な手順によって、光学異性体的に富化された形態または純粋な形態で得ることができ、これらには、例えば、キラル分離、ジアステレオマー塩形成、速度論的分割、および不斉合成を含む。本教示はまた、アルケニル部分(例えば、アルケンおよびイミン)を含有する化合物のシスおよびトランス異性体も包含する。本教示は、純粋な形態のすべての可能な位置異性体、およびそれらの混合物を包含し、これらは、例えば、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、擬似移動床クロマトグラフィー、および高速液体クロマトグラフィーを含む、当業者に既知の標準的な分離手順によって得ることができることも理解されたい。例えば、本教示のペリレン化合物は、それらのそれぞれの純粋な形態、またはその混合物で、いずれのペリレン誘導体も含むことができ、ペリレン誘導体は、1、2、3、4、5、6、7、または8つのR基で置換することができ、Rは、本明細書に定義されるとおりである。具体的に、ペリレン誘導体は、以下の部分を有する化合物を含むことができ、
【0050】
【化6】

【0051】
式中、Zは、各出現において、H、電子求引性基、または脱離基であることができ、電子求引性基および脱離基は、本明細書に定義されるとおりである。種々の実施形態おいて、Z基のうちの2つは、Hであることができ、他の2つのZ基は、独立して、電子求引性基または脱離基であることができる。したがって、Z基のうちの2つがHであり、他の2つが、独立して、電子求引性基または脱離基である実施形態において、本教示の化合物は、以下の部分を有する位置異性体を有することができる。
【0052】
【化7】

ある実施形態において、本教示の化合物は、以下の部分
【0053】
【化8】

およびこれらの混合物を有する位置異性体を含むことができ、式中、Zは、独立して、電子求引性基または脱離基、例えば、BrまたはCN基等のハロゲンであってもよい。特定の実施形態において、Zは、Rであることができ、ここでRは、本明細書に定義されるとおりである。さらに、ある位置異性体の描写には、別途具体的に記載されない限り、他の位置異性体およびいかなる位置異性体の混合物をも含むことが、具体的に想定される。したがって、式iの化合物の使用には、式iiの化合物(その逆も同様)、ならびに式iおよび式iiの化合物の混合物を含む。
【0054】
本明細書において使用する「p型半導体材料」または「p型半導体」とは、多数の電流キャリアとして、孔を有する半導体材料を指す。一部の実施形態において、p型半導体材料を基板に被着する際、これは、約10−5cm/Vsを超過する孔移動度を提供することができる。電界効果デバイスの場合は、p型半導体はまた、約10を上回る電流オン/オフ率を呈することができる。
【0055】
本明細書において使用する「n型半導体材料」または「n型半導体」とは、多数の電流キャリアとして、電子を有する半導体材料を指す。一部の実施形態において、n型半導体材料を基板に被着する際、これは、約10−5cm/Vsを超過する電子移動度を提供することができる。電界効果デバイスの場合、n型半導体はまた、約10を上回る電流オン/オフ率を呈することができる。
【0056】
本明細書において使用される「電界効果移動度」とは、p型半導体材料の場合は電荷キャリア、例えば、孔(または正電荷の単位)、およびn型半導体材料の場合は電子が、電場の影響の下で材料を移動する、速度の尺度を指す。
【0057】
本出願の種々の箇所において、温度は、温度範囲で開示する。本説明では、このような範囲内のより狭い範囲の温度、ならびにこのような範囲の温度を含む最高および最低温度を含むことを具体的に意図する。
【0058】
明細書全体を通して、構造は、化学名とともに示される場合も、示されない場合もある。名称に関して、いかなる問題が生じた場合でも、構造が優先する。
【0059】
ある点に関して、本教示は、種々のアレーン誘導体を提供する。種々の実施形態において、本教示は、式Iの化合物であって、
【0060】
【化9】

【0061】
式中、
Wは、各出現において、OまたはNHであり、
Qは、縮合環部分であり、
は、各出現において、a)−CN、b)−NO、c)−C(O)R、d)−C(O)NHR、e)−C(O)OR、f)−S(O)R、g)−S(O)、h)−S(O)OH、i)−(CF、j)−[C(CF、k)オキソ、およびl)1〜5個のR基で置換される5〜14員のヘテロアリール基から選択され、
は、各出現において、a)H、b)C1−20アルキル基、c)C3−10シクロアルキル基、d)C6−14アリール基、e)C7−20アリールアルキル基、f)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびg)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、C1−20アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−20アリールアルキル基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個のR基で置換され、
は、各出現において、a)ハロゲン、b)−CN、c)−NO、d)−C(O)H、e)−C(O)−C1−20アルキル、f)−C(O)NH、g)−C(O)NH−C1−20アルキル、h)−C(O)N(C1−20アルキル)、i)−C(O)OH、J)−C(O)−OC1−20アルキル、k)−S(O)H、l)−S(O)−C1−20アルキル、m)−S(O)H、n)−S(O)−C1−20アルキル、およびo)−S(O)OHから選択され、
nは、1、2、3、4、5、6、7、または8であり、
tは、各出現において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である、化合物を提供する。
【0062】
一部の実施形態において、Q−(Rは、
【0063】
【化10】

であってもよく、式中、a、b、c、d、e、f、g、およびhは、各出現において、独立して、CH、CR、SiH、SiR、N、またはPであり、Rは、本明細書に定義されるとおりである。例えば、Rは、−CN、−NO、または−C(O)CHであることができ、a、b、c、d、e、f、g、およびhは、各出現において、独立して、CH、C(CN)、またはC[C(O)CH]であってもよい。一部の実施形態において、Qは、2〜4個のR基で置換することができる。特定の実施形態において、Qは、中央の「ベイ(bay)」位置において置換することができ、すなわち、Q−(Rは、
【0064】
【化11】

であってもよく、
式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである。例えば、Rは−CNであってもよい。
【0065】
特定の実施形態において、本教示の化合物は、以下の式を有することができる。
【0066】
【化12】

種々の実施形態において、本教示は、式IIの化合物であって、
【0067】
【化13】

【0068】
式中、
Qは、縮合環部分であり、
は、各出現において、a)−CN、b)−NO、c)−C(O)R、d)−C(O)NHR、e)−C(O)OR、f)−S(O)R、g)−S(O)、h)−S(O)OH、i)−(CF、j)−[C(CF、k)オキソ、およびl)1〜5個のR基で置換される5〜14員のヘテロアリール基から選択され、
は、各出現において、a)H、b)C1−20アルキル基、c)C3−10シクロアルキル基、d)C6−14アリール基、e)C7−20アリールアルキル基、f)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびg)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、C1−20アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−20アリールアルキル基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個のR基で置換され、
は、各出現において、a)ハロゲン、b)−CN、c)−NO、d)−C(O)H、e)−C(O)−C1−20アルキル、f)−C(O)NH、g)−C(O)NH−C1−20アルキル、h)−C(O)N(C1−20アルキル)、i)−C(O)OH、j)−C(O)−OC1−20アルキル、k)−S(O)H、l)−S(O)−C1−20アルキル、m)−S(O)H、n)−S(O)−C1−20アルキル、およびo)−S(O)OHから選択され、
nは、1、2、3、4、5、6、7、または8であり、
tは、各出現において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
は、各出現において、−L−Rまたは−L−Ar−Rであり、
Lは、各出現において、Yまたは(CHCHO)であり、
Yは、各出現において、二価のC1−20アルキル基、二価のC1−20ハロアルキル基、または共有結合であり、
Arは、C6−14アリール基または5〜14員のヘテロアリール基であり、それぞれは、独立して、ハロゲン、−CN、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C1−20アルコキシ基、およびC1−20ハロアルキル基から選択される、1〜5個の置換基で任意に置換され、
は、各出現において、a)−OR、b)−C(O)OR、c)−C(O)R、d)−C(O)NR、e)−C(S)OR、f)−C(S)R、g)−C(S)NR、h)−SR、i)−S(O)OR、j)−S(O)、k)−S(O)NR、l)C1−20アルキル基、m)C2−20アルケニル基、n)C2−20アルキニル基、o)C3−10シクロアルキル基、p)C6−14アリール基、q)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびr)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個の−L−Rまたは−L−Ar−R基で置換され、
は、各出現において、a)H、b)−C(O)R、c)−C(O)NR、d)−C(S)R、e)−C(S)NR、f)C1−20アルキル基、g)C2−20アルケニル基、h)C2−20アルキニル基、i)−Y−C3−10シクロアルキル基、j)−Y−C6−14アリール基、k)−Y−3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびl)−Y−5〜14員のヘテロアリール基から選択され、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個の−L−R基で置換され、
およびRは、各出現において、独立して、a)H、b)−OH、c)−SH、d)−S(O)OH、e)−C(O)OH、f)−C(O)NH、g)−C(S)NH、h)−OC1−20アルキル、i)−O−Y−C6−14アリール、j)−C(O)−C1−20アルキル、k)−C(O)−OC1−20アルキル、l)−C(S)N(C1−20アルキル)、m)−C(S)NH−C1−20アルキル、n)−C(O)NH−C1−20アルキル、o)−C(O)N(C1−20アルキル)、p)−S(O)−C1−20アルキル、q)−S(O)−OC1−20アルキル、r)−C(O)−Y−C6−14アリール、s)−C(O)−O−Y−C6−14アリール、t)−C(S)N(−Y−C6−14アリール)、u)−C(S)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、v)−C(S)NH−Y−C6−14アリール、w)−C(O)NH−Y−C6−14アリール、x)−C(O)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、y)−C(O)N(Y−C6−14アリール)、z)−S(O)−Y−C6−14アリール、aa)−S(O)−O−Y−C6−14アリール、ab)C1−20アルキル基、ac)C2−20アルケニル基、ad)C2−20アルキニル基、ae)−Y−C3−10シクロアルキル基、af)−Y−C6−14アリール基、ag)−Y−3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびah)−Y−5〜14員のヘテロアリール基から選択され、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個の−L−R基で置換され、
Arは、各出現において、C6−14アリール基または5〜14員のヘテロアリール基であり、それぞれは、独立して、ハロゲン、−CN、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C1−20ハロアルキル基、およびC1−20アルコキシ基から選択される、1〜5個の置換基で任意に置換され、
は、各出現において、a)ハロゲン、b)−CN、c)−NO、d)オキソ、e)−OR、f)−SR、g)−NR、h)−N(O)R、i)−S(O)、j)−S(O)OR、k)−S(O)NR、l)−C(O)R、m)−C(O)OR、n)−C(O)NR、o)−C(S)NR、p)−SiH、q)−SiH(C1−20アルキル)、r)−SiH(C1−20アルキル)、s)−Si(C1−20アルキル)、t)C1−20アルキル基、u)C2−20アルケニル基、v)C2−20アルキニル基、w)C3−10シクロアルキル基、x)C6−14アリール基、y)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、またはz)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個の−L−R基で置換され、
およびRは、各出現において、独立して、a)H、b)−OH、c)−SH、d)−S(O)OH、e)−C(O)OH、f)−C(O)NH、g)−C(S)NH、h)−OC1−20アルキル、i)−O−Y−C6−14アリール、j)−C(O)−C1−20アルキル、k)−C(O)−OC1−20アルキル、l)−C(S)N(C1−20アルキル)、m)−C(S)NH−C1−20アルキル、n)−C(O)NH−C1−20アルキル、o)−C(O)N(C1−20アルキル)、p)−S(O)−C1−20アルキル、q)−S(O)−OC1−20アルキル、r)−C(O)−Y−C6−14アリール、s)−C(O)−O−Y−C6−14アリール、t)−C(S)N(−Y−C6−14アリール)、u)−C(S)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、v)−C(S)NH−Y−C6−14アリール、w)−C(O)NH−Y−C6−14アリール、x)−C(O)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、y)−C(O)N(Y−C6−14アリール)、z)−S(O)−Y−C6−14アリール、aa)−S(O)−O−Y−C6−14アリール、ab)C1−20アルキル基、ac)C2−20アルケニル基、ad)C2−20アルキニル基、ae)−Y−C3−10シクロアルキル基、af)−Y−C6−14アリール基、ag)−Y−3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびah)−Y−5〜14員のヘテロアリール基から選択され、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個の−L−R基で置換され、
は、各出現において、a)ハロゲン、b)−CN、c)−NO、d)オキソ、e)−OH、f)−NH、g)−NH(C1−20アルキル)、h)−N(C1−20アルキル)、i)−N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、j)−N(−Y−C6−14アリール)、k)−S(O)H、l)−S(O)1−20アルキル、m)−S(O)OH、n)−S(O)−OC1−20アルキル、o)−S(O)−O−Y−C6−14アリール、p)−CHO、q)−C(O)−C1−20アルキル、r)−C(O)−C6−14アリール、s)−C(O)OH、t)−C(O)−OC1−2Oアルキル、u)−C(O)−O−Y−C6−14アリール、v)−C(O)NH、w)−C(O)NH−C1−20アルキル、x)−C(O)N(C1−20アルキル)、y)−C(O)NH−Y−C6−14アリール、z)−C(O)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、aa)−C(O)N(−Y−C6−14アリール)、ab)−C(S)NH、ac)−C(S)NH−C1−20アルキル、ad)−C(S)N(C1−20アルキル)、ae)−C(S)N(−Y−C6−14アリール)、af)−C(S)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、ag)−C(S)NH−Y−C6−14アリール、ah)−S(O)NH、ai)−S(O)NH(C1−20アルキル)、aj)−S(O)N(C1−20アルキル)、ak)−S(O)NH(−Y−C6−14アリール)、al)−S(O)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、am)−S(O)N(−Y−C6−14アリール)、an)−SiH、ao)−SiH(C1−20アルキル)、ap)−SiH(C1−20アルキル)、ar)−Si(C1−20アルキル)、as)C1−20アルキル基、at)C2−20アルケニル基、au)C2−20アルキニル基、av)C1−20アルコキシ基、aw)C1−20ハロアルキル基、ax)C3−10シクロアルキル基、ay)C6−14アリール基、az)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびba)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、
mは、各出現において、0、1、または2であり、
pは、各出現において、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20である、化合物を提供する。
【0069】
一部の実施形態において、Q−(Rは、
【0070】
【化14】

であってもよく、
式中、a、b、c、d、e、f、g、およびhは、各出現において、独立して、CH、CR、SiH、SiR、N、またはPであり、Rは、本明細書に定義されるとおりである。例えば、Rは、−CN、−NO、または−C(O)CHであってもよく、a、b、c、d、e、f、g、およびhは、各出現において、独立して、CH、C(CN)、またはC[C(O)CH]であってもよい。一部の実施形態において、Qは、2〜4個のR基で置換することができる。特定の実施形態において、Qは、「ベイ」位置において置換することができ、すなわち、Q−(Rは、
【0071】
【化15】

であってもよく、
式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである。例えば、Rは、−CNであってもよい。
【0072】
特定の実施形態において、本教示の化合物は、式
【0073】
【化16−1】

【0074】
【化16−2】

を有することができ、
式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである。
【0075】
一部の実施形態において、Rは、直鎖C1−20アルキル基、分岐C1−20アルキル基、分岐C2−20アルケニル基、−Y−C3−10シクロアルキル基、−Y−C6−14アリール基、−Y−3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および−Y−5〜14員のヘテロアリール基から選択することができ、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、1〜5個の−L−R基で任意に置換することができ、LおよびRは、本明細書に定義されるとおりである。
【0076】
特定の実施形態において、Rは、n−オクチル基、(3S)−3,7−ジメチル−6−オクテニル基、(3S)−3,7−ジメチルオクチル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−ピコリル基、6−tert−ブチルオキシカルボニルアミノヘキシル基、9−アントラセニル基、アントラセン−9−イルメチル基、および2−(アントラセン−9−イル)−エチル基から選択することができる。
【0077】
一部の実施形態において、Rは、分岐C1−20アルキル基または分岐C2−20アルケニル基であってもよい。特定の実施形態において、Rは、
【0078】
【化17】

であってもよい。
【0079】
種々の実施形態において、Rは、−L−Rまたは−L−Ar−Rであってもよく、式中、Rは、C14アリール基または5〜14員のヘテロアリール基であってもよく、それぞれは、1〜5個の−L−Rまたは−L−Ar−R基で任意に置換され、Arは、C6−14アリール基または5〜14員のヘテロアリール基であることができ、それぞれは、独立して、ハロゲン、−CN、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、およびC1−6ハロアルキル基から選択される、1〜5個の置換基で任意に置換され、L、Ar、およびRは、本明細書に定義されるとおりである。例えば、RおよびArは、独立して、本明細書に開示されるとおり、任意に置換されたC6−14アリール基であってもよい。一部の実施形態において、RおよびArのそれぞれは、独立して、ハロゲン、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C1−20ハロアルキル基、およびC1−20アルコキシ基から選択される、1〜5個の置換基で任意に置換された、フェニル基(すなわち、RおよびArは、ともにビアリール基を形成することができる)であってもよい。一部の実施形態において、Lは、二価のC1−10アルキル基、二価のC1−10ハロアルキル基、または共有結合であってもよい。ある実施形態において、Rは、少なくとも1つのパーハロアリール基を含むことができる。例えば、Rは、以下に示される、ベンジル基、ビフェニル基、またはフルオロ置換されたビフェニル基であってもよい。
【0080】
【化18】

ある実施形態において、Rは、−L’−C6−14アリール基または−L’−ビ(C6−14アリール)基で任意に置換することができ、式中、L’は、二価のC1−10アルキル基、−C(O)−、−O−、−S−、または−S(O)−であることができ、C6−14アリール基のそれぞれは、独立してRおよびRから選択される1〜5個の基で任意に置換することができる。特定の実施形態において、Rは、
【0081】
【化19】

【0082】
であってもよく、
式中、qは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってもよく、rは、0、1、2、3、または4であってもよく、sは、0、1、2、3、4、または5であってもよく、L’、R、およびRは、本明細書で定義されるとおりである。例えば、qは、0、1、または2であってもよく、Rは、ハロゲン(例えば、F)であってもよく、rは、0、1、2、3、または4であってもよく、sは、0、1、2、3、または4であってもよく、L’は、−CH−、−CHCH−、−C(O)−、−O−、−S−、または−S(O)−であってもよく、Rは、ハロゲン(例えば、F)またはメチル基であってもよい。
【0083】
別の態様において、本教示は、式IIの化合物を調製するための方法を提供し、
【0084】
【化20】

【0085】
該方法は、式Iaを有する化合物を、
【0086】
【化21】

【0087】
式RNHのアミンと反応させるステップ、または
式Ibを有する化合物を、
【0088】
【化22】

【0089】
式R−LGを有する化合物と反応させるステップを含むことができ、式中、LGは、脱離基であり、Q、R、R、およびnは上に定義されるとおりである。
【0090】
一部の実施形態において、LGは、Cl、Br、I、N、OTs、OMs、NO、SCN、およびCNから選択することができる。
【0091】
種々の実施形態において、式Ibの化合物は、式Iaの化合物を、窒素源と反応させることによって調製することができる。例えば、窒素源は、NHであってもよい。
【0092】
種々の実施形態において、式Iaの化合物は、式IIIの化合物を、
【0093】
【化23】

【0094】
シアン化物と反応させることによって調製することができ、
式中、LGは脱離基であり、
nは、本明細書に定義されるとおりである。
【0095】
ある実施形態において、LGは、ハロゲン化物、N、−OTs、−OMs、−ONs、−OBs、および−OTfから選択することができる。特定の実施形態において、LGは、Brであってもよい。
【0096】
ある実施形態において、シアン化物は、LiCN、NaCN、KCN、CuCN、AgCN、またはシアン化トリメチルシリル(TMSCN)であることができる。例えば、シアン化物は、CuCNまたはAgCNであることができる。特定の実施形態において、シアン化物は、CuCNであることができる。
【0097】
本教示の化合物は、標準的な合成方法、および当業者に既知の手順を採用することによって、市販の出発材料、文献において既知の化合物、または容易に調製された中間体から、以下のスキーム1に概略される手順に従い、調製することができる。有機分子の調製、ならびに官能基変換および操作のための標準的な合成方法および手順は、関連する科学文献から、または当該分野の標準的な教科書から容易に入手することができる。別途記載されない限り、典型的または好適なプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力等)が与えられる場合は、他のプロセス条件もまた、使用することができることは明らかであろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒によって変化し得るが、このような条件は、日常的な最適化手順によって、当業者が決定できる。有機合成に携わる当業者は、提示された合成ステップの特質および順序が、本明細書に記載される化合物の形成を最適化する目的上、変化し得ることを認識するであろう。
【0098】
本明細書に記載されるプロセスは、当該技術分野で既知の任意の適切な方法に従い、モニタリングすることができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分光法(NMR、例えば、Hまたは13C)、赤外線分光法(IR)、分光光度法(例えば、紫外可視)、質量分析(MS)等の分光学的手段によって、または高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、または薄層クロマトグラフィー(TLC)等のクロマトグラフィーによって、モニタリングすることができる。
【0099】
本明細書に記載される反応またはプロセスは、有機合成に携わる当業者が容易に選択することができる適切な溶媒中で実施することができる。適切な溶媒は、典型的には、反応が行われる温度、すなわち、溶媒の凝固点から溶媒の沸点に及び得る範囲の温度で、反応物、中間体、および/または生成物と実質的に反応しない。所定の反応は、1つの溶媒、または2つ以上の溶媒の混合液中で行うことができる。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップのための適切な溶媒を選択することができる。
【0100】
スキーム1
【0101】
【化24】

スキーム1に示されるとおり、一部の実施形態において、式IIの化合物は、式Iaの化合物を、式RNHのアミンと反応させることによって調製することができる。他の実施形態において、式IIの化合物は、式Ibの化合物を、式R−LGの化合物と反応させることによって調製することができ、式中、LGは、本明細書に定義される脱離基である。例えば、LGは、Cl、Br、I、N、−SCN、OTs、OMs、NO、およびCNから選択することができる。
【0102】
一部の実施形態において、式IaまたはIbの化合物は、共溶媒系中で、それぞれRNHまたはR−LGと反応することができる。ある実施形態において、共溶媒系は、極性溶媒および低極性/非極性溶媒を含むことができる。例えば、極性溶媒は、プロトン性溶媒であってもよい。特定の実施形態において、共溶媒系は、キシレンおよびプロパン酸を含むことができる。
【0103】
本教示の化合物は、表1および表2に提示される化合物を含むが、これらに限定されない。
【0104】
【表1−1】

【0105】
【表1−2】

【0106】
【表2−1】

【0107】
【表2−2】

式IIの化合物ならびに式IaおよびIbの化合物を使用して、薄膜半導体、電界効果デバイス、有機発光ダイオード(OLED)、有機太陽光発電、コンデンサ、およびセンサ等の、半導体材料および関連する電気デバイスを作製することができる。一部の実施形態において、式IおよびIIの化合物は、一般的な溶媒(例えば、水、および一般的な有機溶媒)において、満足のいく溶解度を有することができ、このことは、これらのデバイスを作製する上で、製造コストを削減し、処理上の利点を提供するのに役立つ。
【0108】
以下の実施例は、本教示をさらに例証し、理解を容易にするために提供するものであり、いかようにも本発明を制限する意図はない。
【0109】
別途記述されない限り、すべての試薬は、商業的供給源から購入し、さらなる精製を行わずに使用した。一部の試薬は、既知の手順に従って合成した。無水テトラヒドロフラン(THF)は、ナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留した。別途記述されない限り、反応は、窒素下で行なった。紫外可視スペクトルは、Cary Model1紫外可視分光光度計で記録した。NMRスペクトルは、Varian Unity Plus500分光計(H、500MHz;13C、125MHz)で記録した。エレクトロスプレー質量分析は、Thermo Finnegan社モデルLCQ Advantage質量分析計で行なった。
【実施例】
【0110】
実施例1:1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物の調製。ジメチルホルムアミド(DMF、70mL)中の1,7−ジブロモペリレン−3,4:9,10−二無水物(1.5g、2.73mmol)およびシアン化銅(I)(CuCN、4.43g、49.5mmol)の混合物を脱気し、150℃で6.5時間加熱した。室温まで冷却した後、沈殿物を濾過によって回収し、メタノールで洗浄し、終夜乾燥させた。粗生成物をシアン化カリウム水溶液(KCN、100mmol)および熱した水で洗浄し、暗赤色の固体として生成物を得た(収率65%)。MS−MALDI(計算値442.34)442.7(図3)。融点>300℃。
【0111】
実施例2:2,6−ジシアノナフタレン−1,4:5,8−二無水物の調製。DMF(25mL)中の2,6−ジブロモナフタレン−1,4:5,8−二無水物(0.58g、1.40mmol)とCuCN(2.22g、25.0mmol)の混合物を脱気し、150℃で4時間加熱した。室温に冷却した後、沈殿物を濾過によって回収し、メタノールで洗浄し、終夜乾燥させた。粗生成物をKCNの水溶液(50mmol)および熱した水で洗浄し、淡黄色の固体として生成物を得た(収率58%)。MS−MALDI(計算値317.99)318.1(図4)。融点>300℃。
【0112】
実施例3:9,10−ジシアノアントラセン−2,3:6,7−二無水物の調製。DMF(30mL)中の2,6−ジブロモナフタレン−1,4:5,8−二無水物(0.67g、1.40mmol)およびCuCN(2.22g、25.0mmol)の混合物を脱気し、150℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、沈殿物を濾過によって回収し、メタノールで洗浄し、終夜乾燥させた。粗生成物をKCNの水溶液(50mmol)、および熱した水で洗浄し、淡黄色の固体として生成物を得た(収率44.1%)。MS−MALDI計算値368.01、実測値369.0。融点>300℃。
【0113】
実施例4:1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。プロパン酸(25mL)中の酢酸アンモニウム(3.62g、47.03mmol)および1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(100mg、0.226mmol)の混合物を145℃で1時間加熱した。室温に冷却した後、沈殿物を濾過によって回収し、水およびMeOHで洗浄し、終夜乾燥させた(収率79%)。MS−MALDI(計算値440.37)440.9(図5)。EI−MS:実測値441.0。融点>300℃。
【0114】
実施例5a:N,N’−ビス(n−オクチル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。n−オクチルアミン(117mg、0.9mmol)を、キシレン(3mL)およびプロパン酸(0.7mL)中の1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(200mg、0.45mmol)の混合物に添加した。反応混合液を145℃で5分間撹拌した。室温に冷却した後、MeOH(8mL)を添加し、沈殿物が形成され、これを濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。暗赤色の固体として生成物を得た(218mg、収率73%)。H NMR(CHCl,500MHz):δ 9.71(d,2H)、8.99(s,2H),8.94(d,2H)、4.23(t,4H)、1.77(m,4H)、1.56−1.3(m,20H)、0.90(t,6H)。融点>300℃。
【0115】
実施例5b:N,N’−ビス(n−オクチル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法B)。t−BuOH(3.6mmol)を、無水DMF(10mL)中の1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)(200mg、0.45mmol)の懸濁液に添加した。室温で6時間撹拌した後、1−ブロモオクタン(468mg、3.6mmol)を添加し、反応混合液を16時間撹拌した。MeOHを添加し(40mL)、沈殿物を濾過によって回収し、水およびMeOHで洗浄し、赤色の固体として生成物を得た(収率38%)。
【0116】
実施例6:N,N’−ビス[(3S)−3,7−ジメチルオクテン−6−イル]−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。シトロネリルアミン(5.00g、31.8mmol)を、キシレン(45mL)およびプロパン酸(10.5mL)中の1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(7.07g、15.9mmol)の混合物に添加した。反応混合液を145℃で10分間撹拌した。室温に冷却した後、MeOH(160mL)を添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させて、暗赤色の固体として生成物を得た(収率74%)。融点=278℃(DMF)。元素分析:C4644の計算値:C、77.07;H、6.19;N、7.82;実測値:C、77.39;H、6.18;N、7.99;H NMRは図8を参照のこと。
【0117】
実施例7a:N,N’−ビス[(3S)−3,7−ジメチルオクチル]−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。(3S)−3,7−ジメチルオクチルアミン(2.37g、15.0mmol)を、キシレン(20mL)およびプロパン酸(5mL)中の1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(3.00mg、7.54mmol)の混合物に添加した。反応混合液を145℃で10分間撹拌した。室温に冷却した後、MeOH(160mL)を添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。暗赤色の固体として生成物を得た(収率79%)。元素分析:計算値C、76.64;H、6.71;N、7.77;実測値C、76.72;H、6.86;N、7.59;H NMRは図9を参照のこと。
【0118】
実施例7b:N,N’−ビス[(3S)−3,7−ジメチルオクチル]−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法B)。t−BuOH(3.6mmol)を、無水DMF(10mL)中の1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)(200mg、0.45mmol)の懸濁液に添加した。室温で6時間撹拌した後、臭化シトロネリル(3.6mmol)を添加し、反応混合物を16時間撹拌した。MeOHを添加し(50mL)、沈殿物を濾過によって回収し、水およびMeOHで洗浄し、赤色の固体として生成物を得た(収率31%)。
【0119】
実施例7c:N,N’−ビス(2−エチルヘキシル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。2−エチルヘキシルアミン(117mg、0.9mmol)を、キシレン(3mL)およびプロパン酸(0.7mL)中の1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(200mg、0.45mmol)の混合物に添加した。反応混合液を145℃で10分間撹拌した。室温に冷却した後、MeOH(10mL)を添加し、沈殿物が形成され、これを濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。暗赤色の固体として生成物を得た(198mg、収率66%)。融点>319〜321℃;H NMRは図10を参照のこと。
【0120】
実施例8:N,N’−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。キシレン(1.5mL)およびプロパン酸(0.34mL)中の4−ヘキシルアニリン(80.2mg、0.452mmol)および1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(100mg、0.226mmol)の混合物を145℃で5分間加熱した。室温に冷却した後、MeOH(8mL)を添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。生成物を収率71%で得た。H NMR(CHCl,500MHz):δ 9.77(d,2H)、9.04(s,2H)、9.00(d,2H)、7.42(d,4H)、7.26(d,4H)、2.73(t,4H)、1.72(m,4H)、1.55−1.35(m,12H)、0.93(t,6H)。MS−MALDI計算値760.88 実測値760.3。融点>300℃。
【0121】
実施例9:N,N’−ビス(4−ピコリル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。キシレン(2.2mL)およびプロパン酸(0.5mL)中の4−ピコリルアミン(73mg、0.68mmol)および1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(150mg、0.34mmol)の混合物を145℃で5分間加熱した。室温に冷却した後、MeOH(8mL)を添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。生成物(171mg)を収率81%で得た。MS−MALDI計算値622.59 実測値622.6;融点>300℃;H NMRは図7を参照のこと。
【0122】
実施例10:N,N’−ビス(6−tert−ブチルオキシカルボニルアミノヘキシル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。キシレン10mL中のN−ブチルオキシカルボニル−1,6−ジアミノヘキサン(N−BOC−1,6−ジアミノヘキサン、1.73g、8mmol)の溶液を、キシレン(30mL)中の1,7−ジブロモペリレン−3,4:9,10−二無水物(2g、3.64mmol)の懸濁液に滴下添加した。反応混合液を145℃で10分間撹拌した。室温に冷却した後、MeOHを添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。収率66%で生成物を得た。融点210℃;H NMRは図6を参照のこと。
【0123】
実施例11:N,N’−ビス(9−アントラセニル)−l,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。キシレン(1.5mL)およびプロパン酸(0.34mL)中の9−アミノアントラセン(87.4mg、0.452mmol)および1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(100mg、0.226mmol)の混合物を、145℃で8分間加熱した。室温に冷却した後、MeOH(8mL)を添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。収率74%で生成物を得た。融点>300℃。
【0124】
実施例12:N,N’−ビス(アントラセン−9−イルメチル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。キシレン(1.5mL)およびプロパン酸(0.34mL)中の9−メチルアミノアントラセン(93.7mg、0.452mmol)および1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(100mg、0.226mmol)の混合物を、145℃で7分間加熱した。室温に冷却した後、MeOH(8mL)を添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。収率64%で生成物を得た。MS−MALDI計算値820.85 実測値820.5。融点>300℃。
【0125】
実施例13:N,N’−ビス(2−(アントラセン−9−イル)−エチル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。キシレン(1.5mL)およびプロパン酸(0.34mL)中の9−(2−アミノエチル)アントラセン(100mg、0.452mmol)および1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−二無水物(100mg、0.226mmol)の混合物を145℃で5分間加熱した。室温に冷却した後、MeOH(8mL)を添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。収率68%で生成物を得た。融点>300℃。
【0126】
実施例14:N,N’−ジオクチル−2,6−ジシアノナフタレン−1,4:5,8−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。n−オクチルアミン(0.42mg、3.2mmol)を、キシレン(12mL)およびプロパン酸(2.8mL)中の2,6−ジシアノナフタレン−1,4:5,8−二無水物(0.51g、1.6mmol)の混合物に添加した。反応混合液を145℃で8分間撹拌した。室温に冷却した後、MeOH(30mL)を添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。生成物を淡黄色の固体として得た(収率69%)。
【0127】
実施例15:N,N’−{4−[(3S)−3,7−ジメチル−6−オクテニル]フェニル}−2,6−ジシアノナフタレン−1,4:5,8−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。シトロネリルアミン(0.5g、3.2mmol)を、キシレン(4.5mL)およびプロパン酸(1mL)中の2,6−ジシアノナフタレン−1,4:5,8−二無水物(0.51g、1.6mmol)の混合物に添加した。反応混合液を145℃で10分間撹拌した。室温に冷却した後、MeOH(15mL)を添加し、沈殿物を濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。生成物を黄色の固体として得た(収率76%)。H NMR(CDCl):δ 9.12(s,2H)、7.45(d,4H,J=8.1Hz)、7.22(d,4H,J=8.1Hz)、5.18(t,2H,J=7.1Hz)、2.72(t,4H,J=7.8Hz)、2.16−1.96(m,4H)、1.82−1.40(m,6H)、1.66(s,6H)、1.64(s,6H)、1.40−1.20(m,4H)、1.01(d,6H,J=6.6Hz)。元素分析 C4848の計算値:C、77.39;H、6.49;N、7.52;実測値:C、77.81;H、6.12;N、7.09。
【0128】
実施例16:N,N’−ジオクチル−9,10−ジシアノアントラセン−2,3:6,7−ビス(ジカルボキシイミド)の調製。(方法A)。n−オクチルアミン(0.84mg、6.4mmol)を、キシレン(23mL)およびプロパン酸(6mL)中の9,10−ジシアノアントラセン−2,3:6,7−二無水物(1.2g、3.2mmol)の混合物に添加した。反応混合液を145℃で10分間撹拌した。室温に冷却した後、MeOH(60mL)を添加し、沈殿物が形成され、これを濾過によって回収し、MeOHで洗浄し、終夜乾燥させた。生成物を淡黄色の固体として得た(収率73%)。
【0129】
本教示は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定形態の実施形態を包含する。したがって、前述の実施形態は、すべての点において、本明細書に記載される本教示を制限するものではなく、むしろ例証するものであると見なされる。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の請求項によって示し、請求項の同等性の意味および範囲内のすべての変更を、そこに包含することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iを有する化合物であって、
【化25】


式中、
Wは、各出現において、OまたはNHであり、
Qは、縮合環部分であり、
は、各出現において、a)−CN、b)−NO、c)−C(O)R、d)−C(O)NHR、e)−C(O)OR、f)−S(O)R、g)−S(O)、h)−S(O)OH、i)−(CF、j)−[C(CF、k)オキソ、および1)1〜5個のR基で置換された5〜14員のヘテロアリール基から選択され、
は、各出現において、a)H、b)C1−20アルキル基、c)C3−10シクロアルキル基、d)C6−14アリール基、e)C7−20アリールアルキル基、f)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびg)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、前記C20アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−20アリールアルキル基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個のR基で置換され、
は、各出現において、a)ハロゲン、b)−CN、c)−NO、d)−C(O)H、e)−C(O)−C1−20アルキル、f)−C(O)NH、g)−C(O)NH−C1−20アルキル、h)−C(O)N(C1−20アルキル)、i)−C(O)OH、j)−C(O)−OC1−20アルキル、k)−S(O)H、l)−S(O)−C1−20アルキル、m)−S(O)H、n)−S(O)−C1−20アルキル、およびo)−S(O)OHから選択され、
nは、1、2、3、4、5、6、7、または8であり、
tは、各出現において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である、化合物。
【請求項2】
Q−(Rは、
【化26】


および
【化27】


から選択され、
式中、a、b、c、d、e、f、g、およびhは、各出現において、独立してCH、CR、SiH、SiR、N、およびPから選択され、Rおよびnが、請求項1に記載のとおりである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が−CN、−NO、または−C(O)CHである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
a、b、c、d、e、f、g、およびhが、各出現において、独立してCH、C(CN)、およびC[C(O)CH]から選択される、請求項2または請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
nが2または4である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
前記化合物が、
【化28】


および
【化29】


から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
式IIを有する化合物を調製するための方法であって、
【化30】


式Ia
【化31】


を有する化合物を、式RNHのアミンと反応させるステップ、または
式Ib
【化32】


を有する化合物を、式R−LGの化合物と反応させるステップを含み、
式中、
Qは、縮合環部分であり、
は、各出現において、a)−CN、b)−NO、c)−C(O)R、d)−C(O)NHR、e)−C(O)OR、f)−S(O)R、g)−S(O)、h)−S(O)OH、i)−(CF、j)−[C(CF、k)オキソ、および1)1〜5個のR基で置換された5〜14員のヘテロアリール基から選択され、
は、各出現において、a)H、b)C1−20アルキル基、c)C3−10シクロアルキル基、d)C6−14アリール基、e)C7−20アリールアルキル基、f)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびg)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、前記C1−20アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−20アリールアルキル基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個のR基で置換され、
は、各出現において、a)ハロゲン、b)−CN、c)−NO、d)−C(O)H、e)−C(O)−C1−20アルキル、f)−C(O)NH、g)−C(O)NH−C1−20アルキル、h)−C(O)N(C1−20アルキル)、i)−C(O)OH、j)−C(O)−OC1−20アルキル、k)−S(O)H、l)−S(O)−C1−20アルキル、m)−S(O)H、n)−S(O)−C1−20アルキル、およびo)−S(O)OHから選択され、
nは、1、2、3、4、5、6、7、または8であり、
tは、各出現において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
は、各出現において、−L−Rまたは−L−Ar−Rであり、
Lは、各出現において、Yまたは(CHCHO)であり、
Yは、各出現において、二価C1−20アルキル基、二価C1−20ハロアルキル基または共有結合であり、
Arは、C6−14アリール基または5〜14員のヘテロアリール基であり、それぞれ、ハロゲン、−CN、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C1−20アルコキシ基、およびC1−20ハロアルキル基から独立して選択される1〜5個の置換基で任意に置換され、
は、各出現において、a)−OR、b)−C(O)OR、c)−C(O)R、d)−C(O)NR、e)−C(S)OR、f)−C(S)R、g)−C(S)NR、h)−SR、i)−S(O)OR、j)−S(O)、k)−S(O)NR、l)C1−20アルキル基、m)C2−20アルケニル基、n)C2−20アルキニル基、o)C3−10シクロアルキル基、p)C6−14アリール基、q)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびr)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、前記C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個の−L−Rまたは−L−Ar−R基で置換され、
は、各出現において、a)H、b)−C(O)R、c)−C(O)NR、d)−C(S)R、e)−C(S)NR、f)C1−20アルキル基、g)C2−20アルケニル基、h)C2−20アルキニル基、i)−Y−C3−10シクロアルキル基、j)−Y−C6−14アリール基、k)−Y−3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびl)−Y−5〜14員のヘテロアリール基から選択され、前記C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個の−L−R基で置換され、
およびRは、各出現において、独立して、a)H、b)−OH、c)−SH、d)−S(O)OH、e)−C(O)OH、f)−C(O)NH、g)−C(S)NH、h)−OC1−20アルキル、i)−O−Y−C6−14アリール、j)−C(O)−C1−20アルキル、k)−C(O)−OC1−20アルキル、l)−C(S)N(C1−20アルキル)、m)−C(S)NH−C1−20アルキル、n)−C(O)NH−C1−20アルキル、o)−C(O)N(C1−20アルキル)、p)−S(O)−C1−20アルキル、q)−S(O)−OC1−20アルキル、r)−C(O)−Y−C6−14アリール、s)−C(O)−O−Y−C6−14アリール、t)−C(S)N(−Y−C6−14アリール)、u)−C(S)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、v)−C(S)NH−Y−C6−14アリール、w)−C(O)NH−Y−C6−14アリール、x)−C(O)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、y)−C(O)N(Y−C6−14アリール)、z)−S(O)−Y−C6−14アリール、aa)−S(O)−O−Y−C6−14アリール、ab)C1−20アルキル基、ac)C2−20アルケニル基、ad)C2−20アルキニル基、ae)−Y−C3−10シクロアルキル基、af)−Y−C6−14アリール基、ag)−Y−3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびah)−Y−5〜14員のヘテロアリール基から選択され、前記C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のぞれぞれは、任意に、1〜5個の−L−R基で置換され、
Arは、各出現において、C6−14アリール基または5〜14員のヘテロアリール基であり、それぞれ、独立して、ハロゲン、−CN、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C1−20ハロアルキル基、およびC1−20アルコキシ基から選択される、1〜5個の置換基で任意に置換され、
は、各出現において、a)ハロゲン、b)−CN、c)−NO、d)オキソ、e)−OR、f)−SR、g)−NR、h)−N(O)R、i)−S(O)、j)−S(O)OR、k)−S(O)NR、1)−C(O)R、m)−C(O)OR、n)−C(O)NR、o)−C(S)NR、p)−SiH、q)−SiH(C1−20アルキル)、r)−SiH(C1−20アルキル)、s)−Si(C1−20アルキル)、t)C1−20アルキル基、u)C2−20アルケニル基、v)C2−20アルキニル基、w)C3−10シクロアルキル基、x)C6−14アリール基、y)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、またはz)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、前記C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のぞれぞれは、任意に、1〜5個の−L−R基で置換され、
およびRは、各出現において、独立して、a)H、b)−OH、c)−SH、d)−S(O)OH、e)−C(O)OH、f)−C(O)NH、g)−C(S)NH、h)−OC1−20アルキル、i)−O−Y−C6−14アリール、j)−C(O)−C1−20アルキル、k)−C(O)−OC1−20アルキル、l)−C(S)N(C1−20アルキル)、m)−C(S)NH−C1−20アルキル、n)−C(O)NH−C1−20アルキル、o)−C(O)N(C1−20アルキル)、p)−S(O)−C1−20アルキル、q)−S(O)−OC1−20アルキル、r)−C(O)−Y−C6−14アリール、s)−C(O)−O−Y−C6−14アリール、t)−C(S)N(−Y−C6−14アリール)、u)−C(S)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、v)−C(S)NH−Y−C6−14アリール、w)−C(O)NH−Y−C6−14アリール、x)−C(O)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、y)−C(O)N(Y−C6−14アリール)、z)−S(O)−Y−C6−14アリール、aa)−S(O)−O−Y−C6−14アリール、ab)C1−20アルキル基、ac)C2−20アルケニル基、ad)C2−20アルキニル基、ae)−Y−C3−10シクロアルキル基、af)−Y−C6−14アリール基、ag)−Y−3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびah)−Y−5〜14員のヘテロアリール基から選択され、前記C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個の−L−R基で置換され、
は、各出現において、a)ハロゲン、b)−CN、c)−NO、d)オキソ、e)−OH、f)−NH、g)−NH(C1−20アルキル)、h)−N(C1−20アルキル)、i)−N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、j)−N(−Y−C6−14アリール)、k)−S(O)H、l)−S(O)1−20アルキル、m)−S(O)OH、n)−S(O)−OC1−20アルキル、o)−S(O)−O−Y−C6−14アリール、p)−CHO、q)−C(O)−C1−20アルキル、r)−C(O)−C6−14アリール、s)−C(O)OH、t)−C(O)−OC1−20アルキル、u)−C(O)−O−Y−C6−14アリール、v)−C(O)NH、w)−C(O)NH−C1−20アルキル、x)−C(O)N(C1−20アルキル)、y)−C(O)NH−Y−C6−14アリール、z)−C(O)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、aa)−C(O)N(−Y−C6−14アリール)、ab)−C(S)NH、ac)−C(S)NH−C1−20アルキル、ad)−C(S)N(C1−20アルキル)、ae)−C(S)N(−Y−C6−14アリール)、af)−C(S)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、ag)−C(S)NH−Y−C6−14アリール、ah)−S(O)NH、ai)−S(O)NH(C1−20アルキル)、aj)−S(O)N(C1−20アルキル)、ak)−S(O)NH(−Y−C6−14アリール)、al)−S(O)N(C1−20アルキル)−Y−C6−14アリール、am)−S(O)N(−Y−C6−14アリール)、an)−SiH、ao)−SiH(C1−20アルキル)、ap)−SiH(C1−20アルキル)、ar)−Si(C1−20アルキル)、as)C1−20アルキル基、at)C2−20アルケニル基、au)C2−20アルキニル基、av)C1−20アルコキシ基、aw)C1−20ハロアルキル基、ax)C3−10シクロアルキル基、ay)C6−14アリール基、az)3〜12員のシクロヘテロアルキル基、およびba)5〜14員のヘテロアリール基から選択され、
mは、各出現において、0、1、または2であり、
pは、各出現において、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20であり、
LGは、Cl、Br、I、N、OTs、OMs、NO、SCN、およびCNから選択される、方法。
【請求項8】
Q−(Rは、
【化33】


および
【化34】


から選択され、
式中、a、b、c、d、e、f、g、およびhは、各出現において、独立して、CH、CR、SiH、SiR、N、およびPから選択され、Rおよびnは、請求項7に定義されるとおりである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
が、−CN、−NO、または−C(O)CHである、請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
a、b、c、d、e、f、g、およびhが、各出現において、独立して、CH、C(CN)、およびC[C(O)CH]から選択される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
nが2または4である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
式IaまたはIbを有する前記化合物が、
【化35】


および
【化36】


から選択される、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
式IIを有する前記化合物は、
【化37】


および
【化38】


から選択され、
式中、Rが、請求項7に定義されるとおりである、請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
が、直鎖C1−20アルキル基、分岐C1−20アルキル基、分岐C2−20アルケニル基、−Y−C3−10シクロアルキル基、−Y−C6−14アリール基、−Y−3〜12員のシクロヘテロアルキル基、−Y−5〜14員のヘテロアリール基から選択され、前記C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、3〜12員のシクロヘテロアルキル基、および5〜14員のヘテロアリール基のそれぞれは、任意に、1〜5個の−L−R基で置換され、LおよびRは、請求項7に定義されるとおりである、請求項7〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
は、n−オクチル基、(3S)−3,7−ジメチル−6−オクテニル基、(3S)−3,7−ジメチルオクチル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−ピコリル基、6−tert−ブチルオキシカルボニルアミノヘキシル基、9−アントラセニル基、アントラセン−9−イルメチル基、および2−(アントラセン−9−イル)−エチル基から選択される、請求項7〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
式IIの前記化合物が、
N,N’−ビス[n−オクチル]−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス[n−オクチル]−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス[(3S)−3,7−ジメチル−6−オクテニル]−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス[(3S)−3,7−ジメチル−6−オクテニル]−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9.10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス[(3S)−3,7−ジメチルオクチル]−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス[(3S)−3,7−ジメチルオクチル]−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(2−エチルヘキシル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(2−エチルヘキシル)−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(4−n−ヘキシルフェニル)−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(4−ピコリル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(4−ピコリル)−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(6−tert−ブチルオキシカルボニルアミノヘキシル)−l,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(6−tert−ブチルオキシカルボニルアミノヘキシル)−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(9−アントラセニル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(9−アントラセニル)−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(アントラセン−9−イルメチル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(アントラセン−9−イルメチル)−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(2−(アントラセン−9−イル)−エチル)−1,7−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ビス(2−(アントラセン−9−イル)−エチル)−1,6−ジシアノペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−ジオクチル−2,6−ジシアノナフタレン−1,4:5,8−ビス(ジカルボキシイミド)、
N,N’−{4−[(3S)−3,7−ジメチル−6−オクテニル]フェニル}−2,6−ジシアノナフタレン−1,4:5,8−ビス(ジカルボキシイミド)、および
N,N’−ジオクチル−9,10−ジシアノアントラセン−2,3:6,7−ビス(ジカルボキシイミド)から選択される、請求項7〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
が、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたビアリール基、任意に置換されたアリールアルキル基、および任意に置換されたビアリールアルキル基から選択される、請求項7〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記反応ステップが、共溶媒系で実施される、請求項7〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記共溶媒系が、極性プロトン性溶媒、および非極性または低極性溶媒を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記反応ステップが、キシレンおよびプロパン酸中で実施される、請求項7〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
式IIの前記化合物を使用して、半導体材料を作製する、請求項7〜20のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−515684(P2010−515684A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544945(P2009−544945)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/000194
【国際公開番号】WO2008/085942
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509137560)ポリエラ コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】