アンテナ効率を向上する方法及び装置
アンテナの効率を向上する方法及び装置でる。アンテナの近くに非接地導電体が配置される。絶縁層がこの非接地導電体とこのアンテナとの間に設けられている。このアンテナは、好ましくは、ディスコーンタイプのアンテナのようなマルチバンドのアンテナである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁信号通信におけるシグナル・ノイズ比(S/N比)を改善することにより、送受信(T/R)効率を向上するアンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の論考は、複数の著者による多くの刊行物及び幾年かにわたる刊行物を参照しており、本発明に関する従来技術として考慮される刊行物ではないことに留意する必要がある。ここで行うこれら刊行物についての論考は、より完全な背景技術を提供するものであり、これらの刊行物は特許性を決定する目的のための従来技術として認定されるものではない。
【0003】
現在、無線ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、グローバル測位システム(GPS)、TV等のような用途に用いられるアンテナは、MHzから数十GHzまでの周波数帯の専用アンテナが一般的に用いられている。例えば、フリースペースTVのような用途は、ある特定の周波数帯において機能するので、これらのアンテナは、特定の限られた周波数帯に同調するように設計されている。例えば、IEEE802.11b(無線LAN)は、2.4GHz帯の周波数帯を使用している。単一使用のアンテナのT/R効率は減衰しているため、受信エリアが限定され、それ故、大きな送信電力(送信パワー)を必要とする。
【0004】
例えば、1/4波長接地アンテナのような特定波長専用に使用される従来のアンテナは、必ずしもS/N比が十分ではない。そのS/N比が向上すれば、送信パワーを減少させることが可能となり、同様に、受信距離を伸ばすことができる。
【0005】
限られた周波数帯のアンテナと比較して、ディスコーンタイプのアンテナは、際だった広帯域特性を有している。よって、一つのアンテナを複数の用途に用いることが可能となる。しかしながら、ディスコーンアンテナの増幅率は、特定波長専用アンテナよりも低く、このことが、ディスコーンアンテナの実用的に使用する妨げとなっている。もし、T/R効率が向上すれば、ディスコーンアンテナを複数の用途のために使用することができる。このことは、無線LAN、GPS等は全て、それぞれ一つのアンテナで機能しているので、無線LAN、GPS等の用途に劇的な影響を及ぼすことになり、単一ユーザ(人又はグループ)に異なるサービスを提供することができる。
【0006】
ディスコーンアンテナは、一般的に、広帯域なT/R周波数に使用されており、ディスコーンアンテナを特定周波数に限定することは、他のアンテナと比較して、S/N比を低下させることになる。
【0007】
アンテナのS/N比を向上させるために様々な技術が開発されてきた。例えば、電波レーダ装置において、送受信用の所定の周波数の電波のみを高効率に通過させ、ノイズの影響を抑制し、信頼性を向上させている。例えば、発明の名称を「無線波レーダ装置」とする特開平11−248836号公報(特許文献1)を参照する。その技術は、電波を送受信するためのアンテナを有するレーダ本体と、前記レーダ本体を被覆する導体からなるシールド部材とを備えている。シールド部材は、アンテナと対向する部分に周波数選択用のスクリーンを有している。このスクリーンは、2次元的に均一に配列された複数の貫通孔を有する導電性膜からなる。スクリーンは、所定周波数の電波を透過させるように選択されている。シールド及びスクリーンは、所定周波数において最適化されている。スクリーンは、所定周波数よりも低い周波数のノイズ電波を遮断するようになっている。このスクリーンは、貫通孔を有し重ね配置された複数の導電成膜を有している。スクリーンは、メッシュ状の導電性ワイヤ又は平行な複数のスリットを有する導電性膜などから構成されている。
【0008】
発明の名称を「レドームを有するアンテナデバイス」とする特開平1−305606号公報(特許文献2)には、アンテナと、これを自然環境から保護するレドームからなり、レドームに周波数選択性を持たせたアンテナ装置が記載されている。
【0009】
発明の名称を「他波共用アンテナシステム」とする特開平9−83238号公報(特許文献3)には、ディスコーンアンテナの形状に工夫を加え、より周波数選択性を与えたディスコーン広帯域アンテナが記載されている。
【特許文献1】特開平11−248836号公報
【特許文献2】特開平1−305606号公報
【特許文献3】特開平9−83238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、アンテナシステムの効率を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、アンテナと、非接地導電体と、前記アンテナと前記非接地導電体との間に設けられた自由空間(free space)とを有している。前記フリースペースは、前記非接地導電体と前記アンテナとを電気的に絶縁する。本発明に用いるアンテナは、好ましくは、頂点及び底部を有するコーンと、前記コーンの頂点の上に設けられたディスクと、前記コーンの内部に設けられ、前記コーンの外部へ伸びている給電線と、を有している。
【0012】
前記非接地導電体は、好ましくは、アルミニウム材料又は銅材料によって形成されている。前記非接地導電体は、実質的に平坦であるが、好ましくは、湾曲している。前記湾曲は、単純であり、実質的に球状又は円筒状である。前記湾曲した非接地導電体は、約60°〜約180°の間の弧を有していることが好ましい。前記非接地導電体は、前記アンテナを完全に取り囲むようにし得るが、好ましくは、完全に取り囲んでいないようにする。前記非接地導電体は、好ましくは、約10mm以下の厚さを有する。
【0013】
前記非接地導電体は、2つの離れた壁を有していてもよい。前記2つの壁の間の隙間(interstice)は、空間であってもよいし、プラステチックのような絶縁材料を有していてもよい。前記隙間は、好ましくは、約50mm以下の厚さを有する。
【0014】
また、本発明は、アンテナの送受信効率を向上させる方法に関する。好ましい実施形態においては、非接地導電体が前記アンテナに近接して特定の位置に設けられている。好ましくは、上述したようなディスコーンタイプのアンテナが用いられる。非接地導電体は、好ましくは、上述したものと同様のものが用いられる。
【0015】
本発明の第一の目的は、アンテナシステムの効率を向上させることである。
【0016】
本発明の第一の利点は、アンテナシステムにおけるシグナル・ノイズ比が効率良く且つ費用効率良く改善されることにある。
【0017】
本発明のその他の目的、利点、新規な特徴及び更なる範囲は、図面を用いて以下の詳細な記載によって説明され、当業者によっては明白に理解され、本発明の実施によって確認される。本発明の目的及び利点は、添付する請求項において特に指摘する装置及びその結合手段によって実現、達成され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
発明の名称を「アンテナ」とする米国特許出願10/412,371、発明の名称を「車両内及び車両に近接する通信のための励振器システム及び励振方法」とする米国特許出願10/160,747、及び、発明の名称を「車両内の励振器」とする米国特許出願09/635,402は、本願に援用されるが、これらは、車両内通信に用いられる変形ディスコーンアンテナを開示している。本発明は、他のタイプのアンテナと同様、変形ディスコーンアンテナに応用できる。
【0019】
本願は、発明の名称を「アンテナ装置」とする日本国特許出願2003−116664(2003年4月22日出願)及び発明の名称を「アンテナ効率の向上する方法及び装置」とする米国特許出願10/448,953(2003年5月30日出願)を優先権主張の基礎とし、これらの明細書及び請求項は、本願に援用される。
【0020】
本願は、また、チャドウィックによる発明の名称を「アンテナ」とする米国特許出願10/412,371(2003年4月11日)、チャドウィックによる発明の名称を「車両内の励振器」とする米国特許出願09/635,402(2000年11月27日)、及びチャドウィックらによる発明の名称を「車両内及び車両に近接する通信のための励振器システム及び励振方法」とする米国特許出願10/160,747(2002年5月30日)に関連しており、これらの明細書及び請求項は、本願に援用される。
【0021】
添付図面は、明細書に援用され、明細書の一部を構成する。添付図面は、本発明の1つ以上の実施形態を示し、明細書の記載と相まって本発明の原理を説明する。添付図面は、本発明を限定するものではない。
【0022】
本発明は、アンテナシステムに関し、広く送受信機能の効率の問題を解決するものである。特に、本発明は、広帯域なアンテナに関する。本発明は、T/R効率が改善したマルチ周波数帯が使用されるアンテナを提供する。
【0023】
「アンテナ」という文言が、本明細書を通して用いられているが、電波を送受信し、電磁界を発生又は生成するためのシステム又はアセンブリを意味する。「アンテナ」及び「電波共振部(component)」という文言は、相互に用いられる。部又はサブアセンブリは、本システムの一部である。「ディスコーン」という文言は、ディスク部とコーン部を有するアンテナを意味している。「ディスコーン」という文言は、また、「ディスク−コーン」又はこの構成を有する励振器のようなものを含む。請求項及び明細書の両方において、「実質的に平坦」という文言は、概して平坦な表面を有しているだけではなく、表面が平坦であることを意味している。
【0024】
本発明は、少なくとも2つの構成要素又はサブアセンブリ、即ち、電波共振部及び非接地導電体を有するアンテナシステムである。この非接地導電体は、このアンテナに近接した位置に配置される。このアンテナとこの非接地導電体との間には、絶縁間隔がある。この非接地導電体は、完全に又は部分的にこのアンテナを囲んでおり、このアンテナに電気的には接続されていない。
【0025】
完全には解明されていないが、本発明によってシグナル・ノイズ比が向上、改善されると信じる。なぜなら、この非接地導電体がこのアンテナの電波共振体に近接した位置に配置されるとき、静的誘導に類似した電位が電波とこの非接地導電体との干渉によって生成され、ノイズを抑制する電波干渉が生じるからである。
【0026】
本発明には、様々な種類のアンテナが用いられ得る。特にマルチバンド・アンテナのT/R効率の向上は、実質的な利点となる。このディスコーンは、マルチバンド・アンテナの一実施例である。ディスコーンアンテナの機能は、広帯域シグナルを満足するので、FM/AMラジオ、デジタルTV、GPS、無線LAN、RKE(リモート・キーレス・エントリー)、GDO(ガレージ・ドア・オープナー)、携帯電話、及びPHS(パーソナル・ハンディ・ホン)等の様々な応用製品に適用できる。しかしながら、本発明のディスコーンアンテナは、許容範囲にあるS/N比において制限を受けることになる。この後者の問題は、本発明によって克服される。
【0027】
ディスコーンアンテナの基本構造及び機能特徴に関する記載は、J.J.Nailの“Designing Discone Type antenna”、Electronics、August 1953、pp167−169に記載されている。
【0028】
図10にディスコーンアンテナ40の断面概略図を示す。アンテナ40は、ディスク42、頂部が切り取られたコーン44、給電ケーブル46、及び給電ケーブルの中心導線48を有している。給電ケーブルの中心導線48を通してディスク42に電力が供給される。コーンは、通常、接地されている。
【0029】
図11に、ディスコーンアンテナの設計パラメータを示す。C1はコーン44の最大直径、C2は頂部が切り取られたコーン44の最小直径、Lはコーン44の斜面の長さ、φはコーン44の斜面の傾き角、Sはディスクとコーンとの間隔、Dはディスク42の直径である。
【0030】
ディスコーンアンテナの帯域幅は、定在波比(SWR:Standing Wave Ratio)で評価される。SWRが2以下である周波数領域をアンテナの帯域幅という。このディスコーンアンテナの帯域幅の最小周波数は、コーンの斜面の長さLの約4倍に等しい波長に相当する周波数である。
【0031】
Nailによると、コーン44の斜面の傾き角φ=60を用いたディスコーンアンテナにおいて、周波数が400〜1,300MHz以上の帯域幅が実現できる。コーン44の直径C1を大きくすることによって、この帯域の最小周波数を低下させることが可能となる。また、ディスク42とコーン44との間の間隔Sを小さくすることにより、帯域の最大周波数を増大させることができる。
【0032】
図1に本発明の好ましい実施形態を示す。図1に示すように、湾曲した又はアーチ形(arc−shaped)の非接地導電体20と共に、ディスコーンアンテナが用いられている。そのアーチは、ある大きさの範囲の角度を有する。しかしながら、非接地導電体が小さくなればなる程、大きなアーチが好ましい、60°〜120°の角度の範囲のアーチが好ましい。
【0033】
如何なる導電体をも用いることが出来るが、アルミニウム又は銅からなる非接地導電体が好ましい。非接地導電体の厚さは、10mm以下であるのが好ましい。非接地導電体内に孔を配設してもよいが、好ましい実施形態では、無孔の材料を用いた。アンテナの高さよりも高い非接地導電体が好ましい。しかしながら、アンテナの高さよりも低い非接地導電体もまた、所望の結果を生じる。取り付ける底部は、アンテナに相対して非接地導電体を配置するために用いられ得る。
【0034】
好ましい実施形態においては、非接地導電体とアンテナとの間に設けられる絶縁材料は、空気であるが、本発明においては、プラスチックやその他電気的な絶縁材料が用いられ得る。
【0035】
図2には、本発明の一実施形態が示されている。ディスコーンアンテナのディスクは、開口端を有する円筒状の導電体の開口部に配置されている。
【0036】
本発明の別の実施形態を図3に示す。アンテナシステム10は、電波共振部12及び電波共振部12の近くに配置された非導電体20を有している。アンテナシステムのシグナル給電部14には、電波共振部12が電気的に接続されている。電波共振部12は、非接地導電体20の内部に配置されている。非接地導電体20は、電波共振部12を囲む壁を有している。開口22は、非接地導電体20の底部に設けられており、アンテナ12を受け入れるようになっている。非接地導電体20の壁24は、空気又はその他の電気絶縁体を介して電波共振部12と離隔されている。
【0037】
図4は、アンテナシステム10の別の例である。この例においては、電波共振部12が、非接地導電体20の内部に部分的に配置されている。
【0038】
図5〜図7は、本発明の様々な実施形態の断面図である。
【0039】
図5は、電波共振部12を(3つの側面で)取り囲むU形の3つの平坦な部分を壁24が有している非接地導電体20を示している。
【0040】
図6は、電波共振部12の周りに配置された半円形の断面を有している非接地導電体20を示している。
【0041】
図7は、図5に示すような形状を有し、厚い壁を有する非接地導電体20を示している。
【0042】
図8は、空洞を有し、非導電性材料が充填され得る2重壁構造の非接地導電値20を示ししている。空洞部分に替えて、非導電性材料28を固着してもよく、また壁24の内部に、非導電性材料28を貼り付けても良い。
【0043】
図9は、実質的に球形状を有しており、球形状の壁を通った面を通して且つ円弧状の部分を取り去ることによって形成される開口を有している。しかし、アンテナが球形状の非接地導電体の内部に完全に取り囲まれるようにしてもよい。
【0044】
電磁放射の存在下においては、本発明の非接地導電体20は、誘導電流を生じさせたり、電荷を誘起させたりすることができる。本発明の非接地導電体20は、接地されていないので、電荷又は電流は、壁24内に閉じ込められる。
【0045】
一般に、アンテナの壁を導電性物質で覆い、この導電性物質を接地すると、このアンテナの壁は、外部電波に対してシールドすることができる。シールドの効果は、本発明により達成される効果とは実質的に異なっている。シールドは、アンテナを電波から遮蔽することを目的とするものである。本発明は、アンテナの近くに非接地導電体を配置することによってT/R効率を増大させ、結果として、シグナル・ノイズ比を向上することになる。
【0046】
本発明は、無線通信システムに好適に適用され、特に、周波数がGHz帯の無線LAN、又はディスコーンアンテナの広帯域特性を活用するシステムに好適に適用される。本発明は、車両、飛行機、衛星、又はその他の移動体プラットフォーム、又は携帯電話基地局のビルやデジタルTVシグナルを受信する住居等の静的プラットフォームに搭載して用いることが好適である。
【0047】
本発明は、以下の限定されない実施例によって、更に図示される。
【実施例1】
【0048】
図13に本発明の優れた効果を奏するテストシステムの配置模式図を示す。送信装置100h、送信回路102及び送信アンテナ104を備えている。受信回路120は、受信アンテナ10、アンテナ部122及び受信回路124を備えている。受信回路124は、自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)回路を備えており、受信シグナルを安定化し増幅する機能を有する。
【0049】
図12は、図12の10で示すアンテナシステム104の垂直断面図である。アンテナシステム10は、ディスコーンアンテナ40及び非接地導電体20を有している。非接地導電体20の内部にある絶縁体26は、アンテナ40を取り囲んでいる。ディスコーンアンテナ40は、絶縁底部(base)52に搭載されており、ディスコーンアンテナ40の給電線46は、底部52を通してシステムの外部に伸びている。
【0050】
図13においては、送信装置100としてIEEE802.1b通信システム(2.4GHz帯)の回路部を用い、外部端子を有する受信装置120としてPC通信カードを用いた。
【0051】
この実施例においては、2.4GHz帯のディスコーンアンテナが非接地導電体とともに用いられた。この非接地導電体は、内法寸法が8cm×8cm×10cm(高さ)の直方体(アルミニウム箔の内張)とした。ディスコーンアンテナは、非接地導電体の鉛直中心線と中心を一致させて設置した。
【0052】
図14は、横軸に時間をとり、縦軸に電波強度をとって示したチャートである。このグラフは、非接地導電体を使用した状態における推移を示したものである。図14からわかるとおり、非接地導電体が無い場合に比べて、非接地導電体を用いると、シグナル出力ほとんど変化しなかったが、ノイズが10dB減少したため、結果として、S/N比が10dB改善された。
【実施例2】
【0053】
図13に示す測定実験においては、送信回路102によって50MHz〜30GHzの正弦波信号を発生させ、コーンの斜面の長さを3.8cm、コーンの斜面の傾き角を60°としたディスコーンアンテナ104から放射させた。受信装置は、送信装置に用いられたものと同一の同型、同サイズのディスコーンアンテナを備えた。受信した電波電力をシグナル・スペクトラム・アナライザで測定した。
【0054】
2つの異なる非接地導電体がテストされた。非接地導電体Aは、直径25cm、高さ10cmの円筒形状であり、非接地導電体Bは、直径8cm、高さ10cmの円筒形状であった。何れの非接地導電体にもアルミニウム製を用いた。
【0055】
これら2つの非接地導電体は、アンテナの周りに配置され、それらの効率が記録された。図15に、横軸に周波数をとり、縦軸にシグナル・ノイズ比(dB)をとった結果を示す。約1GHz以下の周波数においては、非接地導電体Aは、非接地導電体Bよりもよいシグナル・ノイズ比を示した。しかし、約1GHzを越える周波数においては、非接地導電体Bは、非接地導電体Aよりもよいシグナル・ノイズ比を示した。
【実施例3】
【0056】
実施例1に記載の同一実験通信セットアップを用いて、非接地導電体形状、材料、サイズを変化させてS/N比を測定した結果である。実験結果を表1に示す。
【表1】
【実施例4】
【0057】
ディスコーンタイプのアンテナと非接地導電体の上下方向の位置を変更して、実施例1と同一のセットアップを用いた実験を行った。この場合、殆ど差が無く、ディスコーンの一部を非接地導電体の下端より外部に露出させた場合にも、殆ど差が無かった。
【実施例5】
【0058】
実施例1において、ディスコーンアンテナの替わりにIEEE802.11bシステム(2.4GHz帯)の市販のアンテナを用い、非接地導電体として8cm×8cm×10cm(高さ)の平行直方体を用いた結果、2dBのシグナル・ノイズ比の向上効果があった。
【実施例6】
【0059】
図13に示すセットアップを用い、3つの異なるアンテナがテストされた。11bという符号が付けられている第1のものは、内部アンテナのみを有し、外部アンテナを有さない標準IEEE802.1bのパーソナルコンピュータ通信PCカードである。Melcoという符号が付けられている第2の測定セットは、第1の測定セットにメルコ製の外部アンテナを適用したものである。これら2つの測定セットには、導電体は用いなかった。第3のシステムは、図1に示した、即ちアンテナの近くに配置した湾曲した非接地導電体を有するディスコーンアンテナと類似したシステムである。各受信アンテナは、始め、送信アンテナの隣に配置された。各受信アンテナは、S/N比と受信強度の両方のマルチ測定をし、送信機から230m迄移動させた。これらの測定は、図16及び図17にプロットされた。これらのグラフに基づくと、非接地導電体は、受信シグナル強度の大きな増大だけでは無く、S/N比の大きな増大も実現できた。
【実施例7】
【0060】
ここでも、実施例6に記載したセットアップがテストされた。送信機から受信機までの距離を一定で変化させずに維持し、3つのアンテナのそれぞれの測定を行った。3つの測定は、シグナル、ノイズ、シグナル・ノイズ比からなる。これらの測定結果は、図18〜図26に示されている。
【0061】
図18〜図20には、非接地導電体なしの標準メルコアンテナシステムを用いて、S/N比、シグナル・ノイズ、及びシグナル・レンジの測定結果が示されている。
【0062】
図22には、湾曲した非接地導電体を用いたディスコーンアンテナから得られたシグナル及びノイズの測定値を示す。メルコアンテナ(非導電体なし)を用いたこのアンテナのグラフと、外部アンテナなしのPCカード(非導電体なし)を用いたこのアンテナのグラフとを比較すると(それぞれ図19及び図24)、本発明の際だった利点が理解される。−90dB周りの平均したそれぞれのアンテナのノイズに拘わらず、湾曲した非接地導電体を用いたディスコーンタイプのアンテナのシグナル測定値は、導電体を用いていない他の2つのアンテナよりも約10dB向上した。これらの結果は、同じ場所で異なる時間で測定した結果を示す図25及び図26に示すとおり、再現性が良かった。
【0063】
非接地導電値を用いないメルコアンテナのS/N測定値と湾曲した非接地導電体を用いたディスコーンアンテナのS/N測定値が、それぞれ、図18及び図21に示される。これらの測定値を見ると、非接地導電体を用いた場合は、約10dBのS/N非の増加が現れている。図20は、標準メルコアンテナのシグナル・レンジを示し、図23は、湾曲した非接地導電体のシグナル・レンジを示す。これらのグラフに基づくと、非接地導電体を用いた場合は、シグナルが大きくなるだけではなく、経時変化が小さくなり、それ故、非接地導電体を用いたアンテナは、より滑らかで、より安定なシグナルを発生するようになる。
【0064】
本発明は、これらの好ましい実施形態を参照することによって詳細に記載されているが、他の実施形態も同じ結果を達成することができる。本発明の変形や改変は、当業者によって明らかであり、そのような改変及びそれと同等物のような全てのクレームが包含される。上で引用した全ての文献、応用製品、特許、刊行物がここに援用される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の改善されたアンテナシステムの一実施形態を示す斜視図であり、ディスコーンアンテナは、部分的に湾曲した非接地導電体に囲まれている。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態を示す斜視図であり、このアンテナシステムは、開口端(open−ended)を有する円筒状の非接地導電体及びその円筒状の非接地導電体の開口端に設けられたディスコーンアンテナを有している。
【図3】図3は、本発明の別の実施形態を示す斜視図であり、このアンテナシステムは、開口端を有する円筒状の非接地導電体の内部に完全に配置された異なるタイプのアンテナを有している。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態を示す斜視図であり、このアンテナシステムは、開口端を有する非接地導電体の内部に部分的に配置されたアンテナを有している。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、アンテナの周りに配置された3つの壁、非接地導電体を有している。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、アンテナの周りに配置された湾曲した非接地導電体を有している。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、図5に示す実施形態と類似しており、厚みのある壁を有する非接地導電体を有している。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、非導電体を囲む2重の壁を有する非接地導電体を有している。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、実質的に球状の非接地導電体を有している。
【図10】図10は、ディスコーンタイプのアンテナの概略図である。
【図11】図11は、ディスコーンタイプのアンテナの寸法入り概略図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施形態を示す垂直断面図であり、このアンテナシステムは、ディスコーンアンテナと非接地導電体を有している。
【図13】図13は、本発明の測定結果を得るためのテストシステムのブロック図である。
【図14】図14は、非接地導電体なしのアンテナシステムの電波強度の測定結果を示すグラフである。
【図15】図15は、アンテナに非接地導電体を用いたときのS/N比の変化を示すグラフである。
【図16】図16は、本発明のアンテナと従来のアンテナのS/N比を比較したグラフである。
【図17】図17は、送信機からの距離を大きくしていったときの本発明のアンテナシステムと2つの従来のアンテナによって受信された信号強度(シグナルパワー)を比較したグラフである。
【図18】図18は、非接地導電体なしの送受信ステーションにおけるメルコ(Melco)アンテナのS/N比を示すグラフである。
【図19】図19は、非接地導電体なしのメルコアンテナのシグナル及びノイズ測定を示すグラフである。
【図20】図20は、非接地導電体なしのメルコアンテナのシグナル・レンジを示すグラフである。
【図21】図21は、湾曲した非接地導電体を有するディスコーンアンテナのS/N比を示すグラフである。
【図22】図22は、湾曲した非接地導電体を有するディスコーンアンテナのシグナル及びノイズ測定を示すグラフである。
【図23】図23は、湾曲した非接地導電体を有するディスコーンアンテナのシグナル・レンジを示すグラフである。
【図24】図24は、外部アンテナなしのPCカード通信のシグナル及びノイズの測定値を示すグラフである。
【図25】図25は、湾曲した非接地導電体を追加したディスコーンアンテナのシグナル・ノイズ比を示すグラフである。
【図26】図26は、図19の測定とは異なる時間における非接地導電体なしのメルコアンテナのシグナル及びノイズ測定を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁信号通信におけるシグナル・ノイズ比(S/N比)を改善することにより、送受信(T/R)効率を向上するアンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の論考は、複数の著者による多くの刊行物及び幾年かにわたる刊行物を参照しており、本発明に関する従来技術として考慮される刊行物ではないことに留意する必要がある。ここで行うこれら刊行物についての論考は、より完全な背景技術を提供するものであり、これらの刊行物は特許性を決定する目的のための従来技術として認定されるものではない。
【0003】
現在、無線ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、グローバル測位システム(GPS)、TV等のような用途に用いられるアンテナは、MHzから数十GHzまでの周波数帯の専用アンテナが一般的に用いられている。例えば、フリースペースTVのような用途は、ある特定の周波数帯において機能するので、これらのアンテナは、特定の限られた周波数帯に同調するように設計されている。例えば、IEEE802.11b(無線LAN)は、2.4GHz帯の周波数帯を使用している。単一使用のアンテナのT/R効率は減衰しているため、受信エリアが限定され、それ故、大きな送信電力(送信パワー)を必要とする。
【0004】
例えば、1/4波長接地アンテナのような特定波長専用に使用される従来のアンテナは、必ずしもS/N比が十分ではない。そのS/N比が向上すれば、送信パワーを減少させることが可能となり、同様に、受信距離を伸ばすことができる。
【0005】
限られた周波数帯のアンテナと比較して、ディスコーンタイプのアンテナは、際だった広帯域特性を有している。よって、一つのアンテナを複数の用途に用いることが可能となる。しかしながら、ディスコーンアンテナの増幅率は、特定波長専用アンテナよりも低く、このことが、ディスコーンアンテナの実用的に使用する妨げとなっている。もし、T/R効率が向上すれば、ディスコーンアンテナを複数の用途のために使用することができる。このことは、無線LAN、GPS等は全て、それぞれ一つのアンテナで機能しているので、無線LAN、GPS等の用途に劇的な影響を及ぼすことになり、単一ユーザ(人又はグループ)に異なるサービスを提供することができる。
【0006】
ディスコーンアンテナは、一般的に、広帯域なT/R周波数に使用されており、ディスコーンアンテナを特定周波数に限定することは、他のアンテナと比較して、S/N比を低下させることになる。
【0007】
アンテナのS/N比を向上させるために様々な技術が開発されてきた。例えば、電波レーダ装置において、送受信用の所定の周波数の電波のみを高効率に通過させ、ノイズの影響を抑制し、信頼性を向上させている。例えば、発明の名称を「無線波レーダ装置」とする特開平11−248836号公報(特許文献1)を参照する。その技術は、電波を送受信するためのアンテナを有するレーダ本体と、前記レーダ本体を被覆する導体からなるシールド部材とを備えている。シールド部材は、アンテナと対向する部分に周波数選択用のスクリーンを有している。このスクリーンは、2次元的に均一に配列された複数の貫通孔を有する導電性膜からなる。スクリーンは、所定周波数の電波を透過させるように選択されている。シールド及びスクリーンは、所定周波数において最適化されている。スクリーンは、所定周波数よりも低い周波数のノイズ電波を遮断するようになっている。このスクリーンは、貫通孔を有し重ね配置された複数の導電成膜を有している。スクリーンは、メッシュ状の導電性ワイヤ又は平行な複数のスリットを有する導電性膜などから構成されている。
【0008】
発明の名称を「レドームを有するアンテナデバイス」とする特開平1−305606号公報(特許文献2)には、アンテナと、これを自然環境から保護するレドームからなり、レドームに周波数選択性を持たせたアンテナ装置が記載されている。
【0009】
発明の名称を「他波共用アンテナシステム」とする特開平9−83238号公報(特許文献3)には、ディスコーンアンテナの形状に工夫を加え、より周波数選択性を与えたディスコーン広帯域アンテナが記載されている。
【特許文献1】特開平11−248836号公報
【特許文献2】特開平1−305606号公報
【特許文献3】特開平9−83238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、アンテナシステムの効率を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、アンテナと、非接地導電体と、前記アンテナと前記非接地導電体との間に設けられた自由空間(free space)とを有している。前記フリースペースは、前記非接地導電体と前記アンテナとを電気的に絶縁する。本発明に用いるアンテナは、好ましくは、頂点及び底部を有するコーンと、前記コーンの頂点の上に設けられたディスクと、前記コーンの内部に設けられ、前記コーンの外部へ伸びている給電線と、を有している。
【0012】
前記非接地導電体は、好ましくは、アルミニウム材料又は銅材料によって形成されている。前記非接地導電体は、実質的に平坦であるが、好ましくは、湾曲している。前記湾曲は、単純であり、実質的に球状又は円筒状である。前記湾曲した非接地導電体は、約60°〜約180°の間の弧を有していることが好ましい。前記非接地導電体は、前記アンテナを完全に取り囲むようにし得るが、好ましくは、完全に取り囲んでいないようにする。前記非接地導電体は、好ましくは、約10mm以下の厚さを有する。
【0013】
前記非接地導電体は、2つの離れた壁を有していてもよい。前記2つの壁の間の隙間(interstice)は、空間であってもよいし、プラステチックのような絶縁材料を有していてもよい。前記隙間は、好ましくは、約50mm以下の厚さを有する。
【0014】
また、本発明は、アンテナの送受信効率を向上させる方法に関する。好ましい実施形態においては、非接地導電体が前記アンテナに近接して特定の位置に設けられている。好ましくは、上述したようなディスコーンタイプのアンテナが用いられる。非接地導電体は、好ましくは、上述したものと同様のものが用いられる。
【0015】
本発明の第一の目的は、アンテナシステムの効率を向上させることである。
【0016】
本発明の第一の利点は、アンテナシステムにおけるシグナル・ノイズ比が効率良く且つ費用効率良く改善されることにある。
【0017】
本発明のその他の目的、利点、新規な特徴及び更なる範囲は、図面を用いて以下の詳細な記載によって説明され、当業者によっては明白に理解され、本発明の実施によって確認される。本発明の目的及び利点は、添付する請求項において特に指摘する装置及びその結合手段によって実現、達成され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
発明の名称を「アンテナ」とする米国特許出願10/412,371、発明の名称を「車両内及び車両に近接する通信のための励振器システム及び励振方法」とする米国特許出願10/160,747、及び、発明の名称を「車両内の励振器」とする米国特許出願09/635,402は、本願に援用されるが、これらは、車両内通信に用いられる変形ディスコーンアンテナを開示している。本発明は、他のタイプのアンテナと同様、変形ディスコーンアンテナに応用できる。
【0019】
本願は、発明の名称を「アンテナ装置」とする日本国特許出願2003−116664(2003年4月22日出願)及び発明の名称を「アンテナ効率の向上する方法及び装置」とする米国特許出願10/448,953(2003年5月30日出願)を優先権主張の基礎とし、これらの明細書及び請求項は、本願に援用される。
【0020】
本願は、また、チャドウィックによる発明の名称を「アンテナ」とする米国特許出願10/412,371(2003年4月11日)、チャドウィックによる発明の名称を「車両内の励振器」とする米国特許出願09/635,402(2000年11月27日)、及びチャドウィックらによる発明の名称を「車両内及び車両に近接する通信のための励振器システム及び励振方法」とする米国特許出願10/160,747(2002年5月30日)に関連しており、これらの明細書及び請求項は、本願に援用される。
【0021】
添付図面は、明細書に援用され、明細書の一部を構成する。添付図面は、本発明の1つ以上の実施形態を示し、明細書の記載と相まって本発明の原理を説明する。添付図面は、本発明を限定するものではない。
【0022】
本発明は、アンテナシステムに関し、広く送受信機能の効率の問題を解決するものである。特に、本発明は、広帯域なアンテナに関する。本発明は、T/R効率が改善したマルチ周波数帯が使用されるアンテナを提供する。
【0023】
「アンテナ」という文言が、本明細書を通して用いられているが、電波を送受信し、電磁界を発生又は生成するためのシステム又はアセンブリを意味する。「アンテナ」及び「電波共振部(component)」という文言は、相互に用いられる。部又はサブアセンブリは、本システムの一部である。「ディスコーン」という文言は、ディスク部とコーン部を有するアンテナを意味している。「ディスコーン」という文言は、また、「ディスク−コーン」又はこの構成を有する励振器のようなものを含む。請求項及び明細書の両方において、「実質的に平坦」という文言は、概して平坦な表面を有しているだけではなく、表面が平坦であることを意味している。
【0024】
本発明は、少なくとも2つの構成要素又はサブアセンブリ、即ち、電波共振部及び非接地導電体を有するアンテナシステムである。この非接地導電体は、このアンテナに近接した位置に配置される。このアンテナとこの非接地導電体との間には、絶縁間隔がある。この非接地導電体は、完全に又は部分的にこのアンテナを囲んでおり、このアンテナに電気的には接続されていない。
【0025】
完全には解明されていないが、本発明によってシグナル・ノイズ比が向上、改善されると信じる。なぜなら、この非接地導電体がこのアンテナの電波共振体に近接した位置に配置されるとき、静的誘導に類似した電位が電波とこの非接地導電体との干渉によって生成され、ノイズを抑制する電波干渉が生じるからである。
【0026】
本発明には、様々な種類のアンテナが用いられ得る。特にマルチバンド・アンテナのT/R効率の向上は、実質的な利点となる。このディスコーンは、マルチバンド・アンテナの一実施例である。ディスコーンアンテナの機能は、広帯域シグナルを満足するので、FM/AMラジオ、デジタルTV、GPS、無線LAN、RKE(リモート・キーレス・エントリー)、GDO(ガレージ・ドア・オープナー)、携帯電話、及びPHS(パーソナル・ハンディ・ホン)等の様々な応用製品に適用できる。しかしながら、本発明のディスコーンアンテナは、許容範囲にあるS/N比において制限を受けることになる。この後者の問題は、本発明によって克服される。
【0027】
ディスコーンアンテナの基本構造及び機能特徴に関する記載は、J.J.Nailの“Designing Discone Type antenna”、Electronics、August 1953、pp167−169に記載されている。
【0028】
図10にディスコーンアンテナ40の断面概略図を示す。アンテナ40は、ディスク42、頂部が切り取られたコーン44、給電ケーブル46、及び給電ケーブルの中心導線48を有している。給電ケーブルの中心導線48を通してディスク42に電力が供給される。コーンは、通常、接地されている。
【0029】
図11に、ディスコーンアンテナの設計パラメータを示す。C1はコーン44の最大直径、C2は頂部が切り取られたコーン44の最小直径、Lはコーン44の斜面の長さ、φはコーン44の斜面の傾き角、Sはディスクとコーンとの間隔、Dはディスク42の直径である。
【0030】
ディスコーンアンテナの帯域幅は、定在波比(SWR:Standing Wave Ratio)で評価される。SWRが2以下である周波数領域をアンテナの帯域幅という。このディスコーンアンテナの帯域幅の最小周波数は、コーンの斜面の長さLの約4倍に等しい波長に相当する周波数である。
【0031】
Nailによると、コーン44の斜面の傾き角φ=60を用いたディスコーンアンテナにおいて、周波数が400〜1,300MHz以上の帯域幅が実現できる。コーン44の直径C1を大きくすることによって、この帯域の最小周波数を低下させることが可能となる。また、ディスク42とコーン44との間の間隔Sを小さくすることにより、帯域の最大周波数を増大させることができる。
【0032】
図1に本発明の好ましい実施形態を示す。図1に示すように、湾曲した又はアーチ形(arc−shaped)の非接地導電体20と共に、ディスコーンアンテナが用いられている。そのアーチは、ある大きさの範囲の角度を有する。しかしながら、非接地導電体が小さくなればなる程、大きなアーチが好ましい、60°〜120°の角度の範囲のアーチが好ましい。
【0033】
如何なる導電体をも用いることが出来るが、アルミニウム又は銅からなる非接地導電体が好ましい。非接地導電体の厚さは、10mm以下であるのが好ましい。非接地導電体内に孔を配設してもよいが、好ましい実施形態では、無孔の材料を用いた。アンテナの高さよりも高い非接地導電体が好ましい。しかしながら、アンテナの高さよりも低い非接地導電体もまた、所望の結果を生じる。取り付ける底部は、アンテナに相対して非接地導電体を配置するために用いられ得る。
【0034】
好ましい実施形態においては、非接地導電体とアンテナとの間に設けられる絶縁材料は、空気であるが、本発明においては、プラスチックやその他電気的な絶縁材料が用いられ得る。
【0035】
図2には、本発明の一実施形態が示されている。ディスコーンアンテナのディスクは、開口端を有する円筒状の導電体の開口部に配置されている。
【0036】
本発明の別の実施形態を図3に示す。アンテナシステム10は、電波共振部12及び電波共振部12の近くに配置された非導電体20を有している。アンテナシステムのシグナル給電部14には、電波共振部12が電気的に接続されている。電波共振部12は、非接地導電体20の内部に配置されている。非接地導電体20は、電波共振部12を囲む壁を有している。開口22は、非接地導電体20の底部に設けられており、アンテナ12を受け入れるようになっている。非接地導電体20の壁24は、空気又はその他の電気絶縁体を介して電波共振部12と離隔されている。
【0037】
図4は、アンテナシステム10の別の例である。この例においては、電波共振部12が、非接地導電体20の内部に部分的に配置されている。
【0038】
図5〜図7は、本発明の様々な実施形態の断面図である。
【0039】
図5は、電波共振部12を(3つの側面で)取り囲むU形の3つの平坦な部分を壁24が有している非接地導電体20を示している。
【0040】
図6は、電波共振部12の周りに配置された半円形の断面を有している非接地導電体20を示している。
【0041】
図7は、図5に示すような形状を有し、厚い壁を有する非接地導電体20を示している。
【0042】
図8は、空洞を有し、非導電性材料が充填され得る2重壁構造の非接地導電値20を示ししている。空洞部分に替えて、非導電性材料28を固着してもよく、また壁24の内部に、非導電性材料28を貼り付けても良い。
【0043】
図9は、実質的に球形状を有しており、球形状の壁を通った面を通して且つ円弧状の部分を取り去ることによって形成される開口を有している。しかし、アンテナが球形状の非接地導電体の内部に完全に取り囲まれるようにしてもよい。
【0044】
電磁放射の存在下においては、本発明の非接地導電体20は、誘導電流を生じさせたり、電荷を誘起させたりすることができる。本発明の非接地導電体20は、接地されていないので、電荷又は電流は、壁24内に閉じ込められる。
【0045】
一般に、アンテナの壁を導電性物質で覆い、この導電性物質を接地すると、このアンテナの壁は、外部電波に対してシールドすることができる。シールドの効果は、本発明により達成される効果とは実質的に異なっている。シールドは、アンテナを電波から遮蔽することを目的とするものである。本発明は、アンテナの近くに非接地導電体を配置することによってT/R効率を増大させ、結果として、シグナル・ノイズ比を向上することになる。
【0046】
本発明は、無線通信システムに好適に適用され、特に、周波数がGHz帯の無線LAN、又はディスコーンアンテナの広帯域特性を活用するシステムに好適に適用される。本発明は、車両、飛行機、衛星、又はその他の移動体プラットフォーム、又は携帯電話基地局のビルやデジタルTVシグナルを受信する住居等の静的プラットフォームに搭載して用いることが好適である。
【0047】
本発明は、以下の限定されない実施例によって、更に図示される。
【実施例1】
【0048】
図13に本発明の優れた効果を奏するテストシステムの配置模式図を示す。送信装置100h、送信回路102及び送信アンテナ104を備えている。受信回路120は、受信アンテナ10、アンテナ部122及び受信回路124を備えている。受信回路124は、自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)回路を備えており、受信シグナルを安定化し増幅する機能を有する。
【0049】
図12は、図12の10で示すアンテナシステム104の垂直断面図である。アンテナシステム10は、ディスコーンアンテナ40及び非接地導電体20を有している。非接地導電体20の内部にある絶縁体26は、アンテナ40を取り囲んでいる。ディスコーンアンテナ40は、絶縁底部(base)52に搭載されており、ディスコーンアンテナ40の給電線46は、底部52を通してシステムの外部に伸びている。
【0050】
図13においては、送信装置100としてIEEE802.1b通信システム(2.4GHz帯)の回路部を用い、外部端子を有する受信装置120としてPC通信カードを用いた。
【0051】
この実施例においては、2.4GHz帯のディスコーンアンテナが非接地導電体とともに用いられた。この非接地導電体は、内法寸法が8cm×8cm×10cm(高さ)の直方体(アルミニウム箔の内張)とした。ディスコーンアンテナは、非接地導電体の鉛直中心線と中心を一致させて設置した。
【0052】
図14は、横軸に時間をとり、縦軸に電波強度をとって示したチャートである。このグラフは、非接地導電体を使用した状態における推移を示したものである。図14からわかるとおり、非接地導電体が無い場合に比べて、非接地導電体を用いると、シグナル出力ほとんど変化しなかったが、ノイズが10dB減少したため、結果として、S/N比が10dB改善された。
【実施例2】
【0053】
図13に示す測定実験においては、送信回路102によって50MHz〜30GHzの正弦波信号を発生させ、コーンの斜面の長さを3.8cm、コーンの斜面の傾き角を60°としたディスコーンアンテナ104から放射させた。受信装置は、送信装置に用いられたものと同一の同型、同サイズのディスコーンアンテナを備えた。受信した電波電力をシグナル・スペクトラム・アナライザで測定した。
【0054】
2つの異なる非接地導電体がテストされた。非接地導電体Aは、直径25cm、高さ10cmの円筒形状であり、非接地導電体Bは、直径8cm、高さ10cmの円筒形状であった。何れの非接地導電体にもアルミニウム製を用いた。
【0055】
これら2つの非接地導電体は、アンテナの周りに配置され、それらの効率が記録された。図15に、横軸に周波数をとり、縦軸にシグナル・ノイズ比(dB)をとった結果を示す。約1GHz以下の周波数においては、非接地導電体Aは、非接地導電体Bよりもよいシグナル・ノイズ比を示した。しかし、約1GHzを越える周波数においては、非接地導電体Bは、非接地導電体Aよりもよいシグナル・ノイズ比を示した。
【実施例3】
【0056】
実施例1に記載の同一実験通信セットアップを用いて、非接地導電体形状、材料、サイズを変化させてS/N比を測定した結果である。実験結果を表1に示す。
【表1】
【実施例4】
【0057】
ディスコーンタイプのアンテナと非接地導電体の上下方向の位置を変更して、実施例1と同一のセットアップを用いた実験を行った。この場合、殆ど差が無く、ディスコーンの一部を非接地導電体の下端より外部に露出させた場合にも、殆ど差が無かった。
【実施例5】
【0058】
実施例1において、ディスコーンアンテナの替わりにIEEE802.11bシステム(2.4GHz帯)の市販のアンテナを用い、非接地導電体として8cm×8cm×10cm(高さ)の平行直方体を用いた結果、2dBのシグナル・ノイズ比の向上効果があった。
【実施例6】
【0059】
図13に示すセットアップを用い、3つの異なるアンテナがテストされた。11bという符号が付けられている第1のものは、内部アンテナのみを有し、外部アンテナを有さない標準IEEE802.1bのパーソナルコンピュータ通信PCカードである。Melcoという符号が付けられている第2の測定セットは、第1の測定セットにメルコ製の外部アンテナを適用したものである。これら2つの測定セットには、導電体は用いなかった。第3のシステムは、図1に示した、即ちアンテナの近くに配置した湾曲した非接地導電体を有するディスコーンアンテナと類似したシステムである。各受信アンテナは、始め、送信アンテナの隣に配置された。各受信アンテナは、S/N比と受信強度の両方のマルチ測定をし、送信機から230m迄移動させた。これらの測定は、図16及び図17にプロットされた。これらのグラフに基づくと、非接地導電体は、受信シグナル強度の大きな増大だけでは無く、S/N比の大きな増大も実現できた。
【実施例7】
【0060】
ここでも、実施例6に記載したセットアップがテストされた。送信機から受信機までの距離を一定で変化させずに維持し、3つのアンテナのそれぞれの測定を行った。3つの測定は、シグナル、ノイズ、シグナル・ノイズ比からなる。これらの測定結果は、図18〜図26に示されている。
【0061】
図18〜図20には、非接地導電体なしの標準メルコアンテナシステムを用いて、S/N比、シグナル・ノイズ、及びシグナル・レンジの測定結果が示されている。
【0062】
図22には、湾曲した非接地導電体を用いたディスコーンアンテナから得られたシグナル及びノイズの測定値を示す。メルコアンテナ(非導電体なし)を用いたこのアンテナのグラフと、外部アンテナなしのPCカード(非導電体なし)を用いたこのアンテナのグラフとを比較すると(それぞれ図19及び図24)、本発明の際だった利点が理解される。−90dB周りの平均したそれぞれのアンテナのノイズに拘わらず、湾曲した非接地導電体を用いたディスコーンタイプのアンテナのシグナル測定値は、導電体を用いていない他の2つのアンテナよりも約10dB向上した。これらの結果は、同じ場所で異なる時間で測定した結果を示す図25及び図26に示すとおり、再現性が良かった。
【0063】
非接地導電値を用いないメルコアンテナのS/N測定値と湾曲した非接地導電体を用いたディスコーンアンテナのS/N測定値が、それぞれ、図18及び図21に示される。これらの測定値を見ると、非接地導電体を用いた場合は、約10dBのS/N非の増加が現れている。図20は、標準メルコアンテナのシグナル・レンジを示し、図23は、湾曲した非接地導電体のシグナル・レンジを示す。これらのグラフに基づくと、非接地導電体を用いた場合は、シグナルが大きくなるだけではなく、経時変化が小さくなり、それ故、非接地導電体を用いたアンテナは、より滑らかで、より安定なシグナルを発生するようになる。
【0064】
本発明は、これらの好ましい実施形態を参照することによって詳細に記載されているが、他の実施形態も同じ結果を達成することができる。本発明の変形や改変は、当業者によって明らかであり、そのような改変及びそれと同等物のような全てのクレームが包含される。上で引用した全ての文献、応用製品、特許、刊行物がここに援用される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の改善されたアンテナシステムの一実施形態を示す斜視図であり、ディスコーンアンテナは、部分的に湾曲した非接地導電体に囲まれている。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態を示す斜視図であり、このアンテナシステムは、開口端(open−ended)を有する円筒状の非接地導電体及びその円筒状の非接地導電体の開口端に設けられたディスコーンアンテナを有している。
【図3】図3は、本発明の別の実施形態を示す斜視図であり、このアンテナシステムは、開口端を有する円筒状の非接地導電体の内部に完全に配置された異なるタイプのアンテナを有している。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態を示す斜視図であり、このアンテナシステムは、開口端を有する非接地導電体の内部に部分的に配置されたアンテナを有している。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、アンテナの周りに配置された3つの壁、非接地導電体を有している。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、アンテナの周りに配置された湾曲した非接地導電体を有している。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、図5に示す実施形態と類似しており、厚みのある壁を有する非接地導電体を有している。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、非導電体を囲む2重の壁を有する非接地導電体を有している。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態を示す水平断面図であり、このアンテナシステムは、実質的に球状の非接地導電体を有している。
【図10】図10は、ディスコーンタイプのアンテナの概略図である。
【図11】図11は、ディスコーンタイプのアンテナの寸法入り概略図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施形態を示す垂直断面図であり、このアンテナシステムは、ディスコーンアンテナと非接地導電体を有している。
【図13】図13は、本発明の測定結果を得るためのテストシステムのブロック図である。
【図14】図14は、非接地導電体なしのアンテナシステムの電波強度の測定結果を示すグラフである。
【図15】図15は、アンテナに非接地導電体を用いたときのS/N比の変化を示すグラフである。
【図16】図16は、本発明のアンテナと従来のアンテナのS/N比を比較したグラフである。
【図17】図17は、送信機からの距離を大きくしていったときの本発明のアンテナシステムと2つの従来のアンテナによって受信された信号強度(シグナルパワー)を比較したグラフである。
【図18】図18は、非接地導電体なしの送受信ステーションにおけるメルコ(Melco)アンテナのS/N比を示すグラフである。
【図19】図19は、非接地導電体なしのメルコアンテナのシグナル及びノイズ測定を示すグラフである。
【図20】図20は、非接地導電体なしのメルコアンテナのシグナル・レンジを示すグラフである。
【図21】図21は、湾曲した非接地導電体を有するディスコーンアンテナのS/N比を示すグラフである。
【図22】図22は、湾曲した非接地導電体を有するディスコーンアンテナのシグナル及びノイズ測定を示すグラフである。
【図23】図23は、湾曲した非接地導電体を有するディスコーンアンテナのシグナル・レンジを示すグラフである。
【図24】図24は、外部アンテナなしのPCカード通信のシグナル及びノイズの測定値を示すグラフである。
【図25】図25は、湾曲した非接地導電体を追加したディスコーンアンテナのシグナル・ノイズ比を示すグラフである。
【図26】図26は、図19の測定とは異なる時間における非接地導電体なしのメルコアンテナのシグナル及びノイズ測定を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、
前記アンテナに近接して設けられた非接地導電体と、
前記アンテナと前記非接地導電体との間に設けられた絶縁間隔と、
を有するアンテナシステム。
【請求項2】
前記アンテナは、ディスコーンアンテナを含む請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記アンテナは、
頂点及び底部を有するコーンと、
前記コーンの頂点の上に設けられたディスクと、
前記コーンの内部に設けられ、前記コーンの外部へ伸びている給電線と、
を有する請求項2に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記非接地導電体は、アルミニウム材料によって形成されている請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
前記非接地導電体は、銅材料によって形成されている請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
前記非接地導電体は、実質的に平坦である請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
前記非接地導電体は、湾曲している請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記非接地導電体は、実質的に球状である請求項7に記載のアンテナシステム。
【請求項9】
前記非接地導電体は、円筒状である請求項7に記載のアンテナシステム。
【請求項10】
前記非接地導電体は、約10mm以下の厚さを有する請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項11】
前記非接地導電体は、2つの離れた壁を有する請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項12】
前記隙間は、空間である請求項11に記載のアンテナシステム。
【請求項13】
前記隙間は、絶縁材料を有している請求項12に記載のアンテナシステム。
【請求項14】
前記絶縁材料は、プラステチックである請求項12に記載のアンテナシステム。
【請求項15】
前記非接地導電体が、前記アンテナを完全に取り囲んでいる請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項16】
前記非接地導電体が、前記アンテナを部分的に取り囲んでいる請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項17】
前記絶縁間隔は、空気を含む請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項18】
前記絶縁間隔は、プラスチック材料を含む請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項19】
前記絶縁間隔は、約50mm以下の厚さを有する請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項20】
前記湾曲した非接地導電体は、約60°〜約180°の間の弧を有している請求項7に記載のアンテナシステム。
【請求項21】
アンテナを提供し、
前記アンテナによって受信される電磁波又は前記アンテナから送信される電磁波の経路内に前記非接地導電体を完全に又は部分的に設置する、
アンテナの送受信効率を向上させる方法。
【請求項22】
前記アンテナは、ディスコーンアンテナである請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アンテナは、
頂点及び底部を有するコーンと、
前記コーンの頂点の上に設けられたディスクと、
を有する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記非接地導電体は、湾曲している非接地導電体を含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記非接地導電体が、前記アンテナを完全に取り囲んでいる請求項21に記載のアンテナシステム。
【請求項26】
前記非接地導電体が、前記アンテナを部分的に取り囲んでいる請求項21に記載のアンテナシステム。
【請求項27】
前記アンテナは、携帯電話のアンテナを含む請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項28】
前記アンテナは、携帯電話のアンテナを含む請求項21に記載の方法。
【請求項1】
アンテナと、
前記アンテナに近接して設けられた非接地導電体と、
前記アンテナと前記非接地導電体との間に設けられた絶縁間隔と、
を有するアンテナシステム。
【請求項2】
前記アンテナは、ディスコーンアンテナを含む請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記アンテナは、
頂点及び底部を有するコーンと、
前記コーンの頂点の上に設けられたディスクと、
前記コーンの内部に設けられ、前記コーンの外部へ伸びている給電線と、
を有する請求項2に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記非接地導電体は、アルミニウム材料によって形成されている請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
前記非接地導電体は、銅材料によって形成されている請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
前記非接地導電体は、実質的に平坦である請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
前記非接地導電体は、湾曲している請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記非接地導電体は、実質的に球状である請求項7に記載のアンテナシステム。
【請求項9】
前記非接地導電体は、円筒状である請求項7に記載のアンテナシステム。
【請求項10】
前記非接地導電体は、約10mm以下の厚さを有する請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項11】
前記非接地導電体は、2つの離れた壁を有する請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項12】
前記隙間は、空間である請求項11に記載のアンテナシステム。
【請求項13】
前記隙間は、絶縁材料を有している請求項12に記載のアンテナシステム。
【請求項14】
前記絶縁材料は、プラステチックである請求項12に記載のアンテナシステム。
【請求項15】
前記非接地導電体が、前記アンテナを完全に取り囲んでいる請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項16】
前記非接地導電体が、前記アンテナを部分的に取り囲んでいる請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項17】
前記絶縁間隔は、空気を含む請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項18】
前記絶縁間隔は、プラスチック材料を含む請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項19】
前記絶縁間隔は、約50mm以下の厚さを有する請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項20】
前記湾曲した非接地導電体は、約60°〜約180°の間の弧を有している請求項7に記載のアンテナシステム。
【請求項21】
アンテナを提供し、
前記アンテナによって受信される電磁波又は前記アンテナから送信される電磁波の経路内に前記非接地導電体を完全に又は部分的に設置する、
アンテナの送受信効率を向上させる方法。
【請求項22】
前記アンテナは、ディスコーンアンテナである請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アンテナは、
頂点及び底部を有するコーンと、
前記コーンの頂点の上に設けられたディスクと、
を有する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記非接地導電体は、湾曲している非接地導電体を含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記非接地導電体が、前記アンテナを完全に取り囲んでいる請求項21に記載のアンテナシステム。
【請求項26】
前記非接地導電体が、前記アンテナを部分的に取り囲んでいる請求項21に記載のアンテナシステム。
【請求項27】
前記アンテナは、携帯電話のアンテナを含む請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項28】
前記アンテナは、携帯電話のアンテナを含む請求項21に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2006−524454(P2006−524454A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506622(P2006−506622)
【出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001675
【国際公開番号】WO2004/095637
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(301049423)株式会社ココモ・エムビー・コミュニケーションズ (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001675
【国際公開番号】WO2004/095637
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(301049423)株式会社ココモ・エムビー・コミュニケーションズ (9)
【Fターム(参考)】
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