説明

アンテナ拡張システムおよびその方法

【課題】ハンドヘルドデバイスとベースデバイスを組み合わせてアンテナ拡張を行うシステムおよびその方法を提供する。
【解決手段】通信プロトコルの下でアンテナ拡張操作に適用するアンテナ拡張システムおよびその方法を提供する。アンテナ拡張システムは、ハンドヘルド通信デバイスとベースデバイスを組み合わせ、ハンドヘルド通信デバイスとベースデバイスのアンテナ数の合計が特定の通信プロトコルのアンテナ数の合計に符合するかどうかを判断する。ハンドヘルド通信デバイスとベースデバイスのアンテナ数の合計が特定の通信プロトコルのアンテナ数の合計に符合する場合、アンテナ拡張システムは、アンテナ拡張操作を使用可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ拡張システムおよびその方法に関するものであり、特に、ハンドヘルドデバイス(handheld device)とベースデバイス(base device)を組み合わせてアンテナ拡張(antenna extension)を行うシステムおよびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムが急速に発展し、その発展過程において、MIMO(Multiple Input Multiple Output)の技術が新しい通信システムに適用されるようになった。第3世代移動体通信システムの標準化プロジェクト(3rd Generation Partnership Project, 3GPP)の規格に基づくと、MIMOは、HSPA+(Evolved High Speed Packet Access)やLTE(Long Term Evolution)の規格においてシステム要件に含まれている。まもなく制定されるLTE-Advanced(Long Term Evolution-Advanced)規格に基づくと、受信端末がMIMO技術を導入する必要があるだけでなく、ユーザー機器(user equipment, UE)の伝送がマルチ出力機能(multiple-output function)を備えていることも必要とされる。また、LTE-Advanced規格は、4T8R(送信用アンテナ4本、受信用アンテナ8本)をサポートするようになるまで進化する可能性があり、その結果、ユーザー機器のアンテナ空間配置やその製造がより困難になる。
【0003】
MIMOに対して現在採用されている解決法は、ハンドヘルドデバイスに全てのアンテナを配置することであるが、いくつかの制限や欠点が存在する。まず、空間が制限されるため、アンテナの放射効率が悪い。また、アンテナが限られた空間に配置されることで互いに影響を及ぼし、システム要件を満たせないことがよくあるため、システムの伝送効率を下げる結果となる。現在主流のLTE規格に基づくと、携帯電話システムは、最大で1T2R(送信用アンテナ1本、受信用アンテナ2本)または1T4R(送信用アンテナ1本、受信用アンテナ4本)の複数のアンテナをサポートすることができる。しかしながら、受信用アンテナを2本で設計する場合、ハンドヘルドデバイスは空間が制限されるため実現するのは難しく、受信用アンテナを4本配置するのはさらに困難である。そのため、現在のハンドヘルドデバイスの限られた空間にいかにして複数のアンテナを配置するかが重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ハンドヘルドデバイスとベースデバイスを組み合わせることによって、空間が制限される問題を解決することのできるアンテナ拡張システムおよびその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、通信プロトコル(communication protocol)の下でアンテナ拡張操作に適用するアンテナ拡張システムを提供する。通信プロトコルは、P組の送信用アンテナとQ組の受信用アンテナを必要とし、PおよびQはそれぞれ正の整数である。アンテナ拡張システムは、ハンドヘルド通信デバイスと、ベースデバイスとを含む。ハンドヘルド通信デバイスは、M組の送信用アンテナと、N組の受信用アンテナと、第1拡張コネクタとを備え、MおよびNはそれぞれ正の整数である。ベースデバイスは、J組の送信用アンテナと、K組の受信用アンテナと、第2拡張コネクタとを備え、JおよびKはそれぞれ正の整数である。ハンドヘルド通信デバイスが第1拡張コネクタと第2拡張コネクタ間の接続を検出した時、ハンドヘルド通信デバイスは、JがP−Mに等しいかどうか、およびKがQ−Nに等しいかどうかを判断する。JがP−Mに等しく、KがQ−Nに等しいとハンドヘルド通信デバイスが判断した時、ハンドヘルド通信デバイスは、M組の送信用アンテナおよびN組の受信用アンテナを起動し、ベースデバイスにイネーブルコマンド(enabling command)を送信して、ベースデバイスのJ組の送信用アンテナおよびK組の受信用アンテナを使用可能(enable)にする。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、ハンドヘルド通信デバイスは、第1検出モジュールと、第1制御モジュールとを含み、第1制御モジュールは、第1検出モジュールに結合される。第1検出モジュールは、第1拡張コネクタに結合され、第1拡張コネクタが第2拡張コネクタと接続されているかどうかを検出する。第1拡張コネクタと第2拡張コネクタが接続されている時、第1制御モジュールは、JがP−Mに等しいかどうか、およびKがQ−Nに等しいかどうかを判断する。JがP−Mに等しく、KがQ−Nに等しいと第1制御モジュールが判断した時、第1制御モジュールは、M組の送信用アンテナおよびN組の受信用アンテナを起動し、ベースデバイスにイネーブルコマンドを送信して、ベースデバイスのJ組の送信用アンテナおよびK組の受信用アンテナを使用可能(enable)にする。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、ハンドヘルド通信デバイスは、さらに、第1表示モジュールを含む。第1表示モジュールは、第1制御モジュールに結合される。JがP−Mに等しく、KがQ−Nに等しいと第1制御モジュールが判断した時、第1制御モジュールは、第1表示モジュールを制御して、第1イネーブルメッセージを表示する。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、JがP−Mに等しくない、またはKがQ−Nに等しくないと第1制御モジュールが判断した時、第1制御モジュールは、第1表示モジュールを制御して、第1ディセーブルメッセージを表示し、ベースデバイスにディセーブルコマンド(disabling command)を送信する。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、ベースデバイスは、さらに、第2表示モジュールと、第2検出モジュールと、第2制御モジュールとを備える。第2検出モジュールは、第2拡張コネクタに結合され、イネーブルコマンドまたはディセーブルコマンドを受信したかどうかを検出する。第2制御モジュールは、第2表示モジュールおよび第2検出モジュールに結合される。第2検出モジュールがイネーブルコマンドを受信した時、第2制御モジュールは、J組の送信用アンテナおよびK組の受信用アンテナを起動し、第2表示モジュールを制御して、第2イネーブルメッセージを表示する。第2検出モジュールがディセーブルコマンドを受信した時、第2制御モジュールは、第2表示モジュールを制御して、第2ディセーブルメッセージを表示する。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、上述した通信プロトコルは、3GPP LTE規格と、3GPP LTE-Advanced規格と、HSPA+規格と、WiFi(Wide Fidelity)規格とを含む。
【0011】
本発明は、さらに、ハンドヘルド通信デバイスとベースデバイスを組み合わせることによって、通信プロトコルの下でアンテナ拡張操作を使用可能にするためのアンテナ拡張方法を提供する。通信プロトコルは、P組の送信用アンテナとQ組の受信用アンテナを必要とし、ハンドヘルド通信デバイスは、M組の送信用アンテナと、N組の受信用アンテナと、第1拡張コネクタとを備え、ベースデバイスは、J組の送信用アンテナと、K組の受信用アンテナと、第2拡張コネクタとを備え、P、Q、M、N、JおよびKはそれぞれ正の整数である。アンテナ拡張方法は、第1拡張コネクタと第2拡張コネクタが接続されているかどうかを検出することと、JがP−Mに等しいかどうか、およびKがQ−Nに等しいかどうかを判断することとを含む。JがP−Mに等しく、KがQ−Nに等しいとハンドヘルド通信デバイスが判断した時、ハンドヘルド通信デバイスは、M組の送信用アンテナおよびN組の受信用アンテナを起動し、ベースデバイスにイネーブルコマンドを送信して、J組の送信用アンテナおよびK組の受信用アンテナを使用可能(enable)にする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明は、通信システムのアンテナ空間が不十分な問題を解決して、システムの伝送効率を最適化する。ハンドヘルド通信デバイスとベースデバイスを組み合わせることによって、アンテナ空間が不十分な問題を解決することができる。
【0013】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本発明の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示すブロック図である。
【図1B】本発明の別の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示すブロック図である。
【図1C】本発明の別の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示すブロック図である。
【図2A】本発明の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示したものである。
【図2B】本発明の別の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示したものである。
【図2C】本発明の実施形態に係るアンテナ拡張システムのハンドヘルド通信デバイスを示す図である。
【図2D】本発明の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示したものである。
【図2E】本発明の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示す図である。
【図3A】本発明の実施形態に係るアンテナ拡張方法のフローチャートである。
【図3B】本発明の別の実施形態に係るアンテナ拡張方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1Aは、本発明の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示すブロック図である。アンテナ拡張システム100は、通信プロトコルの下でアンテナ拡張操作に適用される。通信プロトコルは、3GPP LTE規格、3GPP LTE-Advanced規格、HSPA+ (Evolved High Packet Access) 規格、WiFi (Wide Fidelity)等であってもよいが、本発明はこれらに限定されない。本発明の1つの実施形態において、通信プロトコルは、P組の送信用アンテナとQ組の受信用アンテナを必要とし、PおよびQはそれぞれ正の整数である。
【0016】
アンテナ拡張システム100は、ハンドヘルド通信デバイス110と、ベースデバイス150とを含む。ハンドヘルド通信デバイス110は、携帯電話、スマートフォン等であってもよい。本発明の1つの実施形態において、ハンドヘルド通信デバイス110は、M組の送信用アンテナと、N組の受信用アンテナと、第1拡張コネクタ120とを備え、MおよびNはそれぞれ正の整数である。本発明の1つの実施形態において、ベースデバイス150は、複数の送信/受信用アンテナのみを含み、中央処理装置(central processor)を含まない電子デバイスである。しかしながら、別の実施形態において、ベースデバイス150は、中央処理装置、入力デバイスおよびディスプレイを含むタブレットPC、ノート型パソコン等であってもよい。本発明の1つの例示的実施形態において、ベースデバイス150は、J組の送信用アンテナと、K組の受信用アンテナと、第2拡張コネクタ160とを備え、JおよびKはそれぞれ正の整数である。第1拡張コネクタ120および第2拡張コネクタ160は、互いに対応する端子ピン(terminal pin)を含む。
【0017】
本発明のアンテナ拡張システム100は、ハンドヘルド通信デバイス110の送信/受信用アンテナとベースデバイス150の送信/受信用アンテナを組み合わせることによって通信プロトコルに要求された数を満たし、それによって、ハンドヘルド通信デバイス110のアンテナ配置空間が不十分な問題を解決する。図2A〜図2Bは、本発明の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示したものである。図2Cは、本発明の実施形態に係るアンテナ拡張システムのハンドヘルド通信デバイスを示したものである。図2Aの実施形態に基づくと、ハンドヘルド通信デバイス110は携帯電話であり、ベースデバイス150はタブレットPCである。図2Bの実施形態において、ハンドヘルド通信デバイス110は携帯電話であり、ベースデバイス150はノート型パソコンである。図2Cは、ハンドヘルド通信デバイス110の正面概略図および背面概略図である。MIMO送信/受信用アンテナは、アンテナ配置領域210およびアンテナ配置領域220に配置され、例えば、3GPP LTE規格に符合するアンテナモジュールである。アンテナ配置領域230には、WiFiに符合するアンテナモジュールまたはGPS(Global Positioning System)用のアンテナモジュール等の別の通信プロトコルの送信/受信用アンテナが配置される。注意すべきこととして、図2Cは、本発明の実施形態の単なる一例であり、本発明のアンテナ配置領域の配列は、図2Cに開示した配列のみに限定されない。
【0018】
図2Dの実施形態において、通信プロトコルは、ユーザー機器の通信モードを1T4R(送信用アンテナ1本、受信用アンテナ4本)に規定する。この例示的実施形態において、ハンドヘルド通信デバイス110は、送信/受信用アンテナセット242と、受信用アンテナセット248とを含み、ベースデバイス150は、受信用アンテナセット246と、受信用アンテナセット248とを含む。つまり、ハンドヘルド通信デバイス110とベースデバイス150の送信/受信用アンテナセットを組み合わせることにより、アンテナ拡張システム100全体が通信プロトコルに規定された1T4Rの通信モードに符合することができる。
【0019】
図2Eの実施形態において、通信プロトコルは、ユーザー機器の通信モードを4T4R(送信用アンテナ4本、受信用アンテナ4本)に規定する。この例示的実施形態において、ハンドヘルド通信デバイス110は、送信/受信用アンテナセット242と、受信用アンテナセット244とを含み、ベースデバイス150は、送信/受信用アンテナセット252と、送信/受信用アンテナセット254と、送信用アンテナセット256とを含む。つまり、ハンドヘルド通信デバイス110とベースデバイス150の送信/受信用アンテナセットを組み合わせることにより、アンテナ拡張システム100全体が通信プロトコルに規定された4T4Rの通信モードに符合することができる。
【0020】
図1Bは、本発明の別の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示すブロック図である。ハンドヘルド通信デバイス110は、第1拡張コネクタ120と、第1検出モジュール112と、第1制御モジュール114とを含む。詳しく説明すると、第1検出モジュール112は、第1拡張コネクタ120に結合され、第1検出モジュール112は、第1拡張コネクタ120と第2拡張コネクタ160が接続されているかどうかを検出する回路素子である。第1制御モジュール114は、第1検出モジュール112に結合される。第1制御モジュール114は、プロセッサの機能を実行することのできるハードウェア回路、ソフトウェアまたはファームウェア(firmware)であるが、本発明はこれらに限定されない。
【0021】
図3Aは、本発明の実施形態に係るアンテナ拡張方法のフローチャートである。まず、第1検出モジュール112は、第1拡張コネクタ120と第2拡張コネクタ160が接続されているかどうかを検出する(ステップS310)。ステップS310において第1拡張コネクタ120が第2拡張コネクタ160に接続されていると判断した場合、第1制御モジュール114は、さらに、ベースデバイス150の送信アンテナの数Jが、通信プロトコルで規定された送信用アンテナの数Pからハンドヘルド通信デバイス110の送信用アンテナの数Mを引いた数に等しいかどうかを判断するとともに、ベースデバイス150の受信用アンテナの数Kが、通信プロトコルで規定された受信用アンテナの数Qからハンドヘルド通信デバイス110の受信用アンテナの数Nを引いた数に等しいかどうかを判断する(ステップS320)。言い換えると、第1制御モジュール114は、JがP−Mに等しいかどうか、およびKがQ−Nに等しいかどうかを判断する。ステップS320でYesと判断された場合、ハンドヘルド通信デバイス110の第1制御モジュール114は、M組の送信用アンテナおよびN組の受信用アンテナを起動し、ベースデバイス150にイネーブルコマンドを送信して、J組の送信用アンテナおよびK組の受信用アンテナを使用可能(enable)にする(ステップS330)。
【0022】
図1Cは、本発明の別の実施形態に係るアンテナ拡張システムを示すブロック図である。図1Cの例示的実施形態において、ハンドヘルド通信デバイス110は、さらに、第1拡張コネクタ120、第1検出モジュール112および第1制御モジュール114の他に、第1表示モジュール116を備える。第1表示モジュール116は、携帯電話またはスマートフォンのディスプレイ画面であってもよい。本実施形態において、ベースデバイス150は、第2拡張コネクタ160と、第2検出モジュール152と、第2制御モジュール154と、第2表示モジュール156とを備える。第2検出モジュール152は、第2拡張コネクタ160に結合され、ネーブルコマンドまたはディセーブルコマンドの受信を検出することのできる回路素子である。第2制御モジュール154は、第2表示モジュール156と第2検出モジュール152に結合される。第2検出モジュール154は、プロセッサの機能を実行することのできるハードウェア回路、ソフトウェアまたはファームウェアであるが、本発明はこれらに限定されない。第2表示モジュール156は、ノート型パソコンまたはタブレットPCのディスプレイ画面であってもよい。
【0023】
図1Cおよび図3Bを参照すると、図3Bは、図1Cの実施形態に係るアンテナ拡張方法のフローチャートである。図3Bの実施形態において、ステップS320でYesと判断された場合、ハンドヘルド通信デバイス110の第1制御モジュール114は、M組の送信用アンテナおよびN組の受信用アンテナを起動し、ベースデバイス150にイネーブルコマンドを送信して、J組の送信用アンテナおよびK組の受信用アンテナを使用可能(enable)にする(ステップS330)。さらに、第1制御モジュール114は、第1表示モジュール116を制御して、例えば、「アンテナ拡張操作実行中」という第1イネーブルメッセージを表示して、ユーザーに知らせる(ステップS340)。第2検出モジュール152がハンドヘルド通信デバイス110から送信されたイネーブルコマンドを受信した時、第2検出モジュール152は、ベースデバイス150のJ組の送信用アンテナおよびK組の受信用アンテナを起動し、第2表示モジュール156を制御して、例えば、「アンテナ拡張操作実行中」という第2イネーブルメッセージを表示して、ユーザーに知らせる(ステップS350)。
【0024】
ステップS320でNoと判断された時、第1制御モジュール114は、ベースデバイス150にディセーブルコマンドを送信し、第1表示モジュール116を制御して、例えば、「このベースデバイスはアンテナ拡張操作に符合しない」という第1ディセーブルメッセージを表示して、ユーザーに知らせる(ステップS360)。それから、第2検出モジュール152がハンドヘルド通信デバイス110から送信されたディセーブルコマンドを受信した時、第2検出モジュール154は、第2表示モジュール156を制御して、例えば、「このベースデバイスはアンテナ拡張操作に符合しない」という第2ディセーブルメッセージを表示して、ユーザーに知らせる(ステップS370)。
【0025】
以上のように、本発明のアンテナ拡張システムおよびその方法は、通信システムのアンテナ空間が不十分な問題を解決して、システムの伝送効率を最適化する。小型のハンドヘルド通信デバイスは、多くの送信用および受信用アンテナを配置することができない。本発明のアンテナ拡張方法は、ハンドヘルド通信デバイスとベースデバイスを組み合わせることにより、ハンドヘルド通信デバイスの拡張性を大幅に増やすことができるため、ハンドヘルド通信デバイスのアンテナ配置空間が不十分な問題を克服することができる。
【0026】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、ハンドヘルド通信デバイスのアンテナ拡張性を大幅に増やすことのできるアンテナ拡張システムおよびその方法を提供する。
【符号の説明】
【0028】
100 アンテナ拡張システム
110 ハンドヘルド通信デバイス
112 第1検出モジュール
114 第1制御モジュール
116 第1表示モジュール
120 第1拡張コネクタ
150 ベースデバイス
152 第2検出モジュール
154 第2制御モジュール
156 第2表示モジュール
160 第2拡張コネクタ
210、220、230 アンテナ配置領域
242、252、254 送信/受信用アンテナセット
244、246、248 受信用アンテナセット
256 送信用アンテナセット
S310〜S370 プロセスのステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信プロトコルの下でアンテナ拡張操作に適用するアンテナ拡張システムであって、前記通信プロトコルが、P組の送信用アンテナとQ組の受信用アンテナを必要とし、PおよびQがそれぞれ正の整数であって、
M組の送信用アンテナと、N組の受信用アンテナと、第1拡張コネクタとを備え、MおよびNがそれぞれ正の整数であるハンドヘルド通信デバイスと、
J組の送信用アンテナと、K組の受信用アンテナと、第2拡張コネクタとを備え、JおよびKがそれぞれ正の整数であるベースデバイスと
を含み、前記ハンドヘルド通信デバイスが、前記第1拡張コネクタと前記第2拡張コネクタが接続されていることを検出した時、前記ハンドヘルド通信デバイスが、JがP−Mに等しいかどうか、およびKがQ−Nに等しいかどうかを判断し、前記ハンドヘルド通信デバイスが、JがP−Mに等しく、KがQ−Nに等しいと判断した時、前記ハンドヘルド通信デバイスが、前記M組の送信用アンテナおよび前記N組の受信用アンテナを起動し、前記ベースデバイスにイネーブルコマンドを送信して、前記J組の送信用アンテナおよび前記K組の受信用アンテナを使用可能にするアンテナ拡張システム。
【請求項2】
前記ハンドヘルド通信デバイスが、
前記第1検出モジュールに結合され、前記第1拡張コネクタと前記第2拡張コネクタが接続されているかどうかを検出する第1検出モジュールと、
前記第1拡張コネクタに結合され、前記第1拡張コネクタと前記第2拡張コネクタが接続されている時に、JがP−Mに等しいかどうか、およびKがQ−Nに等しいかどうかを判断する第1制御モジュールと
を含み、前記第1制御モジュールが、JがP−Mに等しく、KがQ−Nに等しいと判断した時、前記第1制御モジュールが、前記M組の送信用アンテナおよび前記N組の受信用アンテナを起動し、前記ベースデバイスに前記イネーブルコマンドを送信して、前記J組の送信用アンテナおよび前記K組の受信用アンテナを使用可能にする請求項1記載のアンテナ拡張システム。
【請求項3】
前記ハンドヘルド通信デバイスが、さらに、
前記第1制御モジュールに結合され、前記第1制御モジュールが、JがP−Mに等しく、KがQ−Nに等しいと判断した時、前記第1制御モジュールが、前記第1表示モジュールを制御して、第1イネーブルメッセージを表示する第1表示モジュールを含む請求項2記載のアンテナ拡張システム。
【請求項4】
前記第1制御モジュールが、JがP−Mに等しくない、またはKがQ−Nに等しくないと判断した時、前記第1制御モジュールが、前記第1表示モジュールを制御して、第1ディセーブルメッセージを表示し、前記ベースデバイスにディセーブルコマンドを送信する請求項3記載のアンテナ拡張システム。
【請求項5】
前記ベースデバイスが、さらに、
第2表示モジュールと、
前記第2拡張コネクタに結合され、前記イネーブルコマンドまたは前記ディセーブルコマンドを受信したかどうかを検出する第2検出モジュールと、
前記第2表示モジュールおよび前記第2検出モジュールに結合された第2制御モジュールと
を含み、前記第2検出モジュールが、前記イネーブルコマンドを受信した時、前記第2制御モジュールが、前記J組の送信用アンテナおよび前記K組の受信用アンテナを起動し、前記第2表示モジュールを制御して、第2イネーブルメッセージを表示するとともに、前記第2検出モジュールが、前記ディセーブルコマンドを受信した時、前記第2制御モジュールが、前記第2表示モジュールを制御して、第2ディセーブルメッセージを表示する請求項4記載のアンテナ拡張システム。
【請求項6】
前記通信プロトコルが、3GPP LTE規格、3GPP LTE-Advanced規格、HSPA+規格、およびWiFi規格を含む請求項1記載のアンテナ拡張システム。
【請求項7】
ハンドヘルド通信デバイスとベースデバイスを組み合わせることによって、通信プロトコルの下でアンテナ拡張操作を使用可能にするためのアンテナ拡張方法であって、前記通信プロトコルが、P組の送信用アンテナとQ組の受信用アンテナを必要とし、前記ハンドヘルド通信デバイスが、M組の送信用アンテナと、N組の受信用アンテナと、第1拡張コネクタとを備え、前記ベースデバイスが、J組の送信用アンテナと、K組の受信用アンテナと、第2拡張コネクタとを備え、P、Q、M、N、JおよびKがそれぞれ正の整数であり、
前記第1拡張コネクタと前記第2拡張コネクタが接続されているかどうかを検出することと、
前記第1拡張コネクタと前記第2拡張コネクタが接続されていると検出した時に、JがP−Mに等しいかどうか、およびKがQ−Nに等しいかどうかを判断することと
を含み、前記ハンドヘルド通信デバイスが、JがP−Mに等しく、KがQ−Nに等しいと判断した時に、前記ハンドヘルド通信デバイスが、前記M組の送信用アンテナおよび前記N組の受信用アンテナを起動し、前記ベースデバイスにイネーブルコマンドを送信して、前記J組の送信用アンテナおよび前記K組の受信用アンテナを使用可能にするアンテナ拡張方法。
【請求項8】
JがP−Mに等しく、KがQ−Nに等しいと判断した時に、前記ハンドヘルド通信デバイスが、第1イネーブルメッセージを表示すること
をさらに含む請求項7記載のアンテナ拡張方法。
【請求項9】
JがP−Mに等しくない、またはKがQ−Nに等しくないと判断した時に、前記ハンドヘルド通信デバイスが第1ディセーブルメッセージを表示して、前記ベースデバイスにディセーブルコマンドを送信すること
をさらに含む請求項7記載のアンテナ拡張方法。
【請求項10】
前記ベースデバイスが前記イネーブルコマンドを受信した時に、前記ベースデバイスが、前記J組の送信用アンテナおよび前記K組の受信用アンテナを起動して、第2イネーブルメッセージを表示することと、前記ベースデバイスが前記ディセーブルコマンドを受信した時に、前記ベースデバイスが、第2ディセーブルメッセージを表示すること
をさらに含む請求項9記載のアンテナ拡張方法。
【請求項11】
前記通信プロトコルが、3GPP LTE規格、3GPP LTE-Advanced規格、HSPA+規格、およびWiFi規格を含む請求項7記載のアンテナ拡張方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2013−66161(P2013−66161A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−114129(P2012−114129)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【出願人】(509024640)エイサー インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】ACER INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】8F, 88, Section 1, Hsin Tai Wu Road,Hsichih,Taipei Hsien 221, Taiwan
【Fターム(参考)】