説明

アンテナ装置及びアンテナ素子

【課題】 アンテナ線(金属線)を取付部材の金属線挿入溝に容易に挿入して安定して支持すること。
【解決手段】 金属線(アンテナ線)(42)とこの金属線を支持するプラスチック製の取付部材(43)とから構成されたアンテナ素子(40)において、取付部材(43)の金属線挿入溝(43a,43b)は、互いに対向し、且つ互いに接近する方向へ斜め上方へ突出した一対の金属線固定用爪(43d)を2箇所有して、金属線(42)のアンテナ部(42b、42c)の一部を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関し、特に、衛星ラジオ放送のような円偏波を受信するための衛星信号受信用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人工衛星からの電波を受信するためのアンテナとしては、例えばGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信するGPS用受信アンテナが知られている。このGPS用受信アンテナとしては、例えば、いわゆるパッチアンテナが用いられている。パッチアンテナは、絶縁材としてセラミック基板の一方の主面に、導電性材料によって形成されたグランド電極が設けられ、セラミック基板の他方の主面に受信電極が設けられ、給電ピンにより受信信号を外部回路に出力する。
【0003】
これに対して、近年、人工衛星から送出される円偏波によりラジオ放送等を提供することが進められている。このようなラジオ放送を受信する場合には、いわゆる衛星ラジオ放送受信用アンテナが用いられている。
【0004】
図1を参照して、従来の衛星ラジオ放送受信用アンテナについて説明する。衛星ラジオ放送受信用アンテナは、グランド電極としての第1の金属板21と、この第1の金属板21に対向して所定間隔離間して配設されてなる信号受信面として作用する第2の金属板22と、これら第1の金属板21及び第2の金属板22の間に構成された空間に位置して配設され、第2の金属板22へ給電する一対のアンテナ素子23とを備えている。
【0005】
第1の金属板21は、金属材料によって矩形平板状に形成されており、下カバー24に取り付けられている。また、第2の金属板22は、金属材料によって形成され、上カバー25に取り付けられている。そして、これら下カバー24と上カバー25とにより構成される内部空間に、第1の金属板21、一対のアンテナ素子23、及び第2の金属板22が収納される構造とされている。
【0006】
図2に示されるように、アンテナ素子23は、アンテナ線31と取付部材28とをインサート成形により一体成形して構成される。アンテナ線31は、例えば金属等の導電性を有する材料によって針金状に形成されている。取付部材28は、例えば樹脂材料等によって形成されている。
【0007】
アンテナ素子23は、第1の金属板21の主面上で、この第1の金属板21から離間した状態で支持されている。
【0008】
このような構造を有する衛星ラジオ放送受信用アンテナでは、例えば左右の円偏波に対して良好な受信特性を得るために、水平に延びた針金状のアンテナ線31が互いに直交するようにアンテナ素子23を配置している。これら一対のアンテナ素子23は、互いに対称に針金状のアンテナ線31が取り付けられている。したがって、組立てに際しては、互いに対称な2種類のアンテナ素子23が必要である。また、図2を参照して説明したように、アンテナ素子23は、アンテナ線31と取付部材28とをインサート成形により一体成形して製造されるが、インサート成形は製造コスト増を招くという問題がある。特に、左右の円偏波に対応して互いに対称な2種類のアンテナ素子23を用意する場合、それぞれの形状に対応して2種類のインサート成形用金型等が必要になり、より一層の製造コストの上昇を招くことになる。
【0009】
このような問題点を解決するために、本願出願人は、アンテナ線の折り曲げ方向を変更するだけで互いに対称な2種類のアンテナ素子を組み立てることが可能で、製造コストを大幅に削減することが可能な衛星信号受信用アンテナ装置を既に提案している(特許文献1参照)。
【0010】
図3に衛星信号受信用アンテナ装置に用いられるアンテナ素子1を示す。このアンテナ素子1は、金属線からなるアンテナ線2と、プラスチック製の取付部材3とから構成される。
【0011】
アンテナ線2は、2箇所で直角に折り曲げられた構造を有する。すなわち、アンテナ線2は、垂直方向に折り曲げられた基端部2aと、この基端部2aに繋がる支持部2bと、この支持部2bに対して面内方向で直角に折り曲げられた給電部2cとから構成される。
【0012】
図4は取付部材3の平面図である。取付部材3は、ほぼ直方体形状をしたプラスチックの成形体からなる。取付部材3の上面には、アンテナ線2の支持部2bが挿入される第1の金属線挿入溝3aが長手方向に沿って、取付部材3のほぼ全長に亘って形成されている。また、第1の金属線挿入溝3aの両端部には、アンテナ線2の直角に折れ曲がった給電部2cに対応して、当該第1の金属線挿入溝3aとは直交する第2の金属線挿入溝3bが取付部材3を幅方向に横切るように形成されている。ここで、第2の金属線挿入溝3bが、取付部材3を幅方向に横切って全幅に亘り形成されているのは、給電部2cの折り曲げ方向が支持部2bに対して左右いずれの場合にも対応するためである。このような金属線挿入溝3a、3bを形成することで、左右対称に折り曲げられたアンテナ線2のいずれをも取り付けることが可能である。
【0013】
さらに、第1の金属線挿入溝3aの長さ方向の中央位置には、取付部材3を垂直に貫通する貫通孔3cが形成されている。この貫通孔3cは、アンテナ線2の基端部2aを挿入するためのもので、ここに挿入されたアンテナ線2の基端部2aは、回路基板(図示せず)と接続されて当該アンテナ線2の信号取り出し電極として機能することになる。
【0014】
また、取付部材3の第1の金属線挿入溝3aの複数個所には、微小突起3dが形成されている。微小突起3dは、アンテナ線2の支持部2bが第1の金属線挿入溝3aに挿入された際に、これを押圧支持することで、支持部2bが第1の金属線挿入溝3aから簡単に脱落してしまうのを防ぐ役割を果たす。これら微小突起3dを形成しておくことで、余分な部品を使わなくてもアンテナ線2を取付部材3に取付け固定することが可能となる。
【0015】
【特許文献1】特開2005−20644号公報(図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、従来のアンテナ素子1では、第1の金属線挿入溝3aに形成された複数の微小突起3dによって、第1の金属線挿入溝3a中に挿入されたアンテナ線2の支持部2bを押圧支持している。そのため、従来のアンテナ素子1では、第1の金属線挿入溝3aの幅をアンテナ線2の直径よりもやや広くする必要がある。何故なら、もし第1の金属線挿入溝3aの幅をアンテナ線2の直径と実質的に同じにすると、逆に微小突起3dが邪魔になって、アンテナ線2の支持部2bを第1の金属線挿入溝3a中に挿入することが困難になるからである。一方、第1の金属線挿入溝3aの幅をアンテナ線2の直径よりも広くし過ぎると、アンテナ線2の支持部2bを第1の金属線挿入溝3a中で安定に支持することが困難になる。
【0017】
そこで、従来のアンテナ素子1では、アンテナ線2の取付部材3への取り付け状態をより一層安定なものとするため、アンテナ線2が挿入された取付部材3の金属線挿入溝3a,3bを塞ぐ形で、例えばプラスチック等からなるテープを貼り付けている。
【0018】
しかしながら、テープを使用すると、アンテナ素子の部材数が多くなると共に、アンテナ素子の組立作業工数も多くなるという問題がある。そこで、部材数を増やすことなく、組立作業工数をも低減して、アンテナ線を取付部材の金属線挿入溝に容易に挿入して安定して支持できる、アンテナ素子が望まれている。
【0019】
したがって、本発明の課題は、部材数を増やすことなく、アンテナ線(金属線)を取付部材の金属線挿入溝に容易に挿入して安定して支持できる、アンテナ素子及びそれを備えたアンテナ装置を提供することにある。
【0020】
本発明の他の課題は、組立作業工数を低減できるアンテナ素子及びそれを備えたアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の態様によれば、グランド電極としての第1の金属板(21)と、該第1の金属板に対向して配設されてなる第2の金属板(22)と、前記第1の金属板と前記第2の金属板との間に配設されたアンテナ素子(40)とを備えるアンテナ装置であって、前記アンテナ素子は、金属線(42)と該金属線を支持するプラスチック製の取付部材(43;43A;43B)とから成り、前記金属線は、直角に折り曲げられた基端部(42a)と水平方向に延在するアンテナ部(43b,43c)とを有し、前記取付部材は、前記基端部が挿入される挿入孔(43c)と前記アンテナ部の少なくとも一部を支持するための金属線挿入溝(43a,43b)とを有し、前記金属線挿入溝は、互いに対向し、且つ互いに近接する方向へ斜め上方へ突出して、前記アンテナ部の一部を固定する一対の金属線固定用爪(43d)を少なくとも一箇所有することを特徴とするアンテナ装置が得られる。
【0022】
上記本発明の第1の態様に係るアンテナ装置において、前記一対の金属線固定用爪(43d)の間隔(d)は、前記金属線の直径をφとすると、φ/1.09〜φ/1.2の範囲にあることが好ましい。また、前記取付部材(43;43A;43B)は、前記一対の金属線固定用爪が形成された箇所に開口(43e)を持つことが望ましい。さらに、前記金属線挿入溝(43a,43b)は、左右対称に折り曲げられた金属線(42)のいずれにも対応するように形成されて良い。
【0023】
又、本発明の第2の態様によれば、金属線(42)と該金属線を支持するプラスチック製の取付部材(43;43A;43B)とから構成されたアンテナ素子(40)であって、前記金属線は、直角に折り曲げられた基端部(42a)と水平方向に延在するアンテナ部(42b,42c)とを有し、前記取付部材は、前記基端部が挿入される挿入孔(43c)と前記アンテナ部の少なくとも一部を支持するための金属線挿入溝(43a,43b)とを有し、前記金属線挿入溝は、互いに対向し、且つ互いに近接する方向へ斜め上方へ突出して、前記アンテナ部の一部を固定する一対の金属線固定用爪(43d)を少なくとも一箇所有することを特徴とするアンテナ素子が得られる。
【0024】
上記本発明の第2の態様に係るアンテナ素子において、前記一対の金属線固定用爪(43d)の間隔(d)は、前記金属線の直径をφとすると、φ/1.09〜φ/1.2の範囲にあることが好ましい。また、前記取付部材は、前記一対の金属線固定用爪が形成された箇所に開口(43e)を持つことが望ましい。前記金属線挿入溝(43a,43b)は、左右対称に折り曲げられた金属線(42)のいずれにも対応するように形成されて良い。
【0025】
尚、上記括弧内の符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、取付部材の金属線挿入溝に、互いに対向し、且つ互いに近接する方向へ斜め上方へ突出した一対の金属線固定用爪を少なくとも一箇所形成して、金属線のアンテナ部の一部を固定するようにしているので、金属線を取付部材の金属線挿入溝に容易に挿入して安定して支持することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
図5乃至図7を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る衛星信号受信用アンテナ装置に用いられるアンテナ素子40について説明する。このようなアンテナ素子40は、図1に図示したような、衛星信号受信用アンテナ装置に使用される。
【0029】
アンテナ素子40は、図5に示されるように、金属線からなるアンテナ線42と、プラスチック製の取付部材43とから構成される。
【0030】
アンテナ線42は、2箇所で直角に折り曲げられた構造を有する。すなわち、アンテナ線42は、直角方向に折り曲げられた基端部42aと、この基端部42aに繋がる支持部42bと、この支持部42bに対して面内方向で直角に折り曲げられた給電部42cとを有する。支持部42bと給電部42cとの組合わせは、アンテナ部を構成している。
【0031】
取付部材43は、ほぼ直方体形状をしたプラスチックの成形体からなる。取付部材43の上面には、アンテナ線42の支持部42bが挿入される第1の金属線挿入溝43aが長手方向に沿って形成されている。また、第1の金属線挿入溝43aの一端部には、アンテナ線42の直角に折れ曲がった給電部42cに対応して、当該第1の金属線挿入溝43aとは直交する第2の金属線挿入溝43bが形成されている。
【0032】
尚、図示の取付部材43は金属線保持用凸部431を備え、上記第2の金属線挿入溝43bはこの金属線保持用凸部431の上面上にも形成されている。
【0033】
さらに、第1の金属線挿入溝43aの他端側には、取付部材43の中央で垂直に貫通する貫通孔43cが形成されている。この貫通孔43cは、アンテナ線42の基端部42aを挿入するためのもので、ここに挿入されたアンテナ線42の基端部42aは、基板(図示せず)と接続されて当該アンテナ線42の信号取り出し電極として機能することになる。
【0034】
また、取付部材43の第1及び第2の金属線挿入溝43a、43bには、それぞれ、一対の金属線固定用爪43dが形成されている。
【0035】
図6に示されるように、第1の金属線挿入溝43aに形成された一対の金属線固定用爪43dは、アンテナ線42の支持部42bを固定するためのものであり、第2の金属線挿入溝43bに形成された一対の金属線固定用爪43dは、アンテナ線42の給電部42cを固定するためのものである。
【0036】
一対の金属線固定用爪43dは、互いに対向し、且つ互いに近接する方向へ斜め上方へ突出している。すなわち、図7及び図8に示されるように、各金属線固定用爪43dの形状は逆三角形形状をしている。このような形状を有するので、一対の金属線固定用爪43dは、アンテナ線42を取付部材43の金属線挿入溝43a,43bに容易に挿入することができ、かつ取付部材43からのアンテナ線42の脱落を防止することができる。
【0037】
また、図7及び図8に示されるように、取付部材43は、一対の金属線固定用爪43dが形成された箇所(その周囲)に開口43eを持つ。これは、アンテナ線42を第1及び第2の金属線挿入溝43a,43bに挿入する際に、一対の金属線固定用爪43dの変形をし易くして、金属線挿入溝43a,43bに対するアンテナ線42の挿入を容易にさせる役割を果たしている。
【0038】
さらに、本実施の形態では、アンテナ線42の第1及び第2の金属線挿入溝43a,43bへの挿入を容易とするために、対向する一対の金属線固定用爪43dの間隔dを、アンテナ線42の直径をφとしたとき、φ/1.09〜φ/1.2の範囲にしてある。対向する一対の金属線固定用爪43dの間隔dをこの範囲に設定したのは、この間隔dがこれ以上広いとアンテナ線42が取付部材43から脱落し易くなり、一方、この間隔dがこれより狭いとアンテナ線42の取付部材43の第1及び第2の金属線挿入溝43a,43bへの挿入が困難になるからである。具体的に述べると、アンテナ線42の直径φが1.2mmであったとする。この場合、対向する一対の金属線固定用爪43dの間隔dを1.0mm〜1.1mmの範囲にする。
【0039】
このように本実施の形態では、取付部材43の金属線挿入溝43a,43bに一対の金属線固定用爪43dを設けることにより、取付部材43の金属線挿入溝43a,43bにアンテナ線42を容易に挿入して、アンテナ線42を第1及び第2の金属線挿入溝43a、43b中に安定して固定することができる。
【0040】
このような構成によれば、従来のように、アンテナ線の取付部材への取り付け状態をより一層安定なものとするためにテープを貼る必要がなくなり、アンテナ素子40の部材数を削減できる。また、このようなテープが不要となるので、このテープ貼付け作業が削減され、アンテナ素子40の組立作業工数を低減できる。すなわち、本実施の形態では、取付部材43の金属線挿入溝43a,43bにアンテナ線42を挿入するだけで、アンテナ素子40が組み立てられる事になり、アンテナ素子40の部材数の削減と組立ての容易化を実現できる。
【0041】
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ素子に用いられる取付部材43Aを示す平面図である。図示の取付部材43Aは、金属線保持用凸部431が削除され、一対の金属線固定用爪43dを一箇所にのみ設置した点を除いて、図5乃至図7に示した取付部材43と同様の構成を有する。
【0042】
すなわち、この取付部材43Aにおいては、一対の金属線固定用爪43dが第1の金属線挿入溝43aにのみ形成されている。
【0043】
このような構成の取付部材43Aにおいても、取付部材43Aの金属線挿入溝43a,43bにアンテナ線42(図5)を容易に挿入して、アンテナ線42を第1及び第2の金属線挿入溝43a、43b中に安定して固定することができる。
【0044】
図10は、本発明の第3の実施の形態に係るアンテナ素子に用いられる取付部材43Bを示す平面図である。図示の取付部材43Bは、左右対称に折り曲げられたアンテナ線42のいずれをも取り付けことが可能にしたものである。
【0045】
詳述すると、取付部材43Bは、ほぼ直方体形状をしたプラスチックの成形体からなる。取付部材43Bの上面には、アンテナ線40(図5)の支持部42bが挿入される第1の金属線挿入溝43aが長手方向に沿って、取付部材43Bの中心から左右対称に形成されている。また、第1の金属線挿入溝43aの両端部には、アンテナ線42の直角に折れ曲がった給電部42cに対応して、当該第1の金属線挿入溝43aとは直交する第2の金属線挿入溝43bが取付部材43Bを幅方向に横切るように形成されている。ここで、第2の金属線挿入溝43bが、取付部材43Bを幅方向に横切って全幅に亘り形成されているのは、給電部42cの折り曲げ方向が支持部42bに対して左右いずれの場合にも対応するためである。このような金属線挿入溝43a、43bを形成することで、左右対称に折り曲げられたアンテナ線42のいずれをも取り付けることが可能である。
【0046】
さらに、第1の金属線挿入溝43aの長さ方向の中央位置には、取付部材43Bを垂直に貫通する貫通孔43cが形成されている。この貫通孔43cは、アンテナ線42の基端部42aを挿入するためのもので、ここに挿入されたアンテナ線42の基端部42aは、基板(図示せず)と接続されて当該アンテナ線42の信号取り出し電極として機能することになる。
【0047】
また、取付部材43Bの第1の金属線挿入溝43aには、左右対称に2箇所、一対の金属線固定用爪43dが形成されている。この第1の金属線挿入溝43aに形成された一対の金属線固定用爪43dは、アンテナ線42の支持部42bを固定するためのものである。
【0048】
このような構成の取付部材43Bにおいても、取付部材43Bの金属線挿入溝43a,43bにアンテナ線42(図5)を容易に挿入して、アンテナ線42を第1及び第2の金属線挿入溝43a、43b中に安定して固定することができる。
【0049】
以上、本発明について好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定しないのは勿論である。例えば、上記実施の形態では、一対の金属線固定用爪の設置箇所は1箇所や2箇所に限定されず、3箇所以上であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】従来の衛星信号受信用アンテナ装置の一例を示す分解斜視図である。
【図2】従来のアンテナ素子の一例を示す斜視図である。
【図3】従来の衛星信号受信用アンテナ装置に用いられる、従来のアンテナ素子の他の例を示す分解斜視図である。
【図4】図3に図示したアンテナ素子に使用される取付部材の平面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る衛星信号受信用アンテナ装置に用いられるアンテナ素子の構成を示す分解斜視図である。
【図6】図5に図示したアンテナ素子の斜視図である。
【図7】図5のA−A線での断面を示す、図5のアンテナ素子に用いられる取付部材の部分断面斜視図である。
【図8】図5に図示したアンテナ素子の取付部材に設けられた金属線固定用爪とアンテナ線の断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るアンテナ素子に用いられる取付部材の構成を示す平面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るアンテナ素子に用いられる取付部材の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0051】
21 第1の金属板
22 第2の金属板
40 アンテナ素子
42 アンテナ線(金属線)
42a 基端部
42b 支持部
42c 給電部
43,43A,43B 取付部材
43a 第1の金属線挿入溝
43b 第2の金属線挿入溝
43c 貫通孔
43d 金属線固定用爪
43e 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グランド電極としての第1の金属板と、該第1の金属板に対向して配設されてなる第2の金属板と、前記第1の金属板と前記第2の金属板との間に配設されたアンテナ素子とを備えるアンテナ装置であって、前記アンテナ素子は、金属線と該金属線を支持するプラスチック製の取付部材とから成り、前記金属線は、直角に折り曲げられた基端部と水平方向に延在するアンテナ部とを有し、前記取付部材は、前記基端部が挿入される挿入孔と前記アンテナ部の少なくとも一部を支持するための金属線挿入溝とを有し、
前記金属線挿入溝は、互いに対向し、且つ互いに近接する方向へ斜め上方へ突出して、前記アンテナ部の一部を固定する一対の金属線固定用爪を少なくとも一箇所有することを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記一対の金属線固定用爪の間隔は、前記金属線の直径をφとすると、φ/1.09〜φ/1.2の範囲にある、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記取付部材は、前記一対の金属線固定用爪が形成された箇所に開口を持つ、請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記金属線挿入溝は、左右対称に折り曲げられた金属線のいずれにも対応するように形成されている、請求項1乃至3のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
【請求項5】
金属線と該金属線を支持するプラスチック製の取付部材とから構成されたアンテナ素子であって、前記金属線は、直角に折り曲げられた基端部と水平方向に延在するアンテナ部とを有し、前記取付部材は前記基端部が挿入される挿入孔と前記アンテナ部の少なくとも一部を支持するための金属線挿入溝とを有し、
前記金属線挿入溝は、互いに対向し、且つ互いに近接する方向へ斜め上方へ突出して、前記アンテナ部の一部を固定する一対の金属線固定用爪を少なくとも一箇所有することを特徴とするアンテナ素子。
【請求項6】
前記一対の金属線固定用爪の間隔は、前記金属線の直径をφとすると、φ/1.09〜φ/1.2の範囲にある、請求項5に記載のアンテナ素子。
【請求項7】
前記取付部材は、前記一対の金属線固定用爪が形成された箇所に開口を持つ、請求項5又は6に記載のアンテナ素子。
【請求項8】
前記金属線挿入溝は、左右対称に折り曲げられた金属線のいずれにも対応するように形成されている、請求項5乃至7のいずれか1つに記載のアンテナ素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−279161(P2006−279161A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90852(P2005−90852)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】