説明

イオンプレーティング装置

【課題】 基板に帯電する負電荷が中和される様にする。
【解決手段】 真空チャンバー1内に、絶縁部材を介して取り付けられた基板ホルダー4、蒸発材料の加熱用電子銃9を有する蒸発源、真空チャンバー側壁及び底壁に沿って碍子21を介して真空チャンバー側壁に取り付けられた防着板20、真空チャンバー内に蒸発源から蒸発した蒸発粒子をイオン化するための電子ビームを発生するプラズマ発生源11を備え、プラズマ発生源11は、熱陰極15と電子放出電極17が配置されたケース12と、熱陰極15と電子引出電極17との間に放電電圧を印加する放電電源を備え、ケース12内で形成されたプラズマP1中の電子を放電電圧に基づいて真空チャンバー1内に引き出す様に成しているイオンプレーティング装置において、基板ホルダー4と真空チャンバー1壁間の電位を測定する直流電圧計22と、この電位が基準値になる様に放電電圧をコントロールする制御装置23が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ発生源を備えたイオンプレーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に膜を形成する装置には、真空蒸着装置、スパッタリング装置、イオンプレーティング装置等があり、特にイオンプレーティング装置は基板への膜密着性が優れ、且つ、高品質な膜が得られることから、近年、光学レンズのコーティング等、種々の薄膜形成に利用されている。
【0003】
図1はイオンプレーティング装置の一概略例を示したものである。
【0004】
図中1は真空チャンバーで、排気通路2を通じて真空ポンプ(図示せず)により排気される様に成っている。
【0005】
該真空チャンバーの上壁中央部には、基板3(3a、3b、3c、…)がセットされた基板ホルダー4がホルダー支持軸5を介して取り付けられている。尚、該ホルダー支持軸の中間部は絶縁部材で形成されている。
【0006】
前記真空チャンバー1の底壁に設けられた基台6中には、蒸発材料7が収容された坩堝8が設置されている。
又、前記基台6中には、前記坩堝8に隣接して電子銃9が設けられており、該電子銃からの電子ビームEBが偏向器(図示せず)により、例えば270゜偏向され、該坩堝に収容された前記蒸発材料7を衝撃する様に成されている。尚、前記電子銃9と前記坩堝8の間には、走査用コイル(図示せず)が設けられており、該電子銃から発生し、前記偏向器(図示せず)により270゜偏向された電子ビームEBが前記蒸発材料7上を走査する様に成されている。
【0007】
又、前記基台6中には、前記坩堝8からの蒸発粒子の前記基板ホルダー4方向への飛散を遮蔽するシャッターSと一体化した回転軸Bが、モーター等から成る駆動機構(図示せず)により回転可能に取り付けられている。
【0008】
前記真空チャンバー1の側部には、反応性ガス供給管10が設けられている。
【0009】
図中11はプラズマ発生源で、該プラズマ発生源からの電子ビームが、前記基板ホルダー4と坩堝8の間に照射される様に成っている。
該プラズマ発生源において、12は円筒状のケースで、先端部には、先端がオリフィス状に形成された円筒状のシールド筒13が取り付けられており、側部にはアルゴンガス供給管14が設けられている。
又、前記ケース12の内部底壁部には、例えばタングステンで形成された熱陰極15が設けられており、該熱陰極には加熱電源16が接続されている。
前記プラズマ発生源11において、17は前記シールド筒13の先端部周辺に配置された電子引出電極で、該電子引出電極には抵抗(図示せず)を介して直流電源(放電電源)18が接続されている。又、19は前記シールド筒13の先端部周辺に配置された環状直流コイルで、電子が前記シールド筒13を通じて引き出される方向と平行な磁場を形成する電磁石から成り、前記ケース12内で生成されたプラズマを該ケースの中心軸方向に集束させるものである。尚、前記熱陰極16、電子引出電極17、ケース12、加熱電源16及び直流電源(放電電源)18で放電回路を構成しており、該放電回路は抵抗(図示せず)を介して前記真空チャンバー1と接続されている。
【0010】
図中20は、前記真空チャンバー1内のプラズマ発生領域を前記基板ホルダー4とで取り囲む様に、アースされた前記真空チャンバー1の内壁に碍子21を介して取り付けられた防着板で、前記蒸発材料7からの蒸発粒子が真空チャンバー内壁等に付着するのを防ぐためのものである。
尚、前記電子銃9からの電子ビームEBが前記坩堝8内の蒸発材料7に照射される様に、該蒸発材料からの蒸発粒子が前記基板3の方向に向かって前記プラズマ領域に行ける様に、前記反応性ガス供給管10からの反応性ガスが前記プラズマ発生領域に行ける様に、更には、前記排気通路2を通じて真空ポンプ(図示せず)により前記真空チャンバー1内の排気を効率良く行える様に、前記防着板20の適宜箇所には開口が設けられている。
【0011】
この様な構成のイオンプレーティング装置において、先ず、前記真空チャンバー1内を真空ポンプ(図示せず)により真空排気する。
該真空チャンバー内が所定の真空度に達したら、前記電子銃9からの電子ビームEBを前記坩堝8内の蒸発材料に照射する。
この照射により前記蒸発材料7は加熱され、やがて蒸発を始める。尚、この時、前記シャッターSは遮蔽位置(前記坩堝8と基板ホルダー4との間の位置)にある。
該蒸発材料の蒸発が始まると、前記プラズマ発生源11において、前記アルゴンガス供給管14から前記ケース12内にアルゴンガスを導入する。
同時に、前記加熱電源18から前記熱陰極15へ電流を供給することにより該熱陰極を熱電子放出可能な温度にまで加熱する。
【0012】
次に、前記コイル19に所定の電流を流し、プラズマ点火と安定なプラズマを得るために必要な磁場を発生させる。
【0013】
この状態において、前記直流電源(放電電源)18から前記電子引出電極17と熱陰極15との間に所定の正電圧を印加すると、前記シールド筒13のオリフィス上部に正電界が形成され、該電界によって、前記熱陰極15からの熱電子は前記電子引出電極17の方向に加速し始める。該熱電子の加速により、該熱電子と前記導入したアルゴンガスとが衝突を繰り返し、前記ケース12内にプラズマP1が生成される。
【0014】
こうして生成されたプラズマP1中の電子は、前記コイル19が形成する磁場により前記ケース12の中心軸方向に集束を受けながら、前記電界により前記真空チャンバー1内へと引き出される。
【0015】
一方、前記真空チャンバー1内においては、前記蒸発材料7の蒸発が安定すると、前記シャッターSが前記坩堝8と基板ホルダー4の間の位置から大きく外れた位置に回転移動される。
【0016】
すると、前記真空チャンバー1内に引き出された前記プラズマ発生源11からの電子は前記蒸発粒子に衝突し、該粒子を励起してイオン化させるので、該真空チャンバー内にプラズマP2が形成される。
【0017】
尚、この時、該真空チャンバー内には、前記反応性ガス供給管10から反応性ガス(例えば、酸素ガス)が導入されているので、該反応性ガスも前記プラズマ発生源11からの電子の衝突によりイオン化される。
【0018】
このプラズマP2中のイオン化された蒸発粒子と反応性ガスは、前記基板3に引き寄せられて該基板に付着し、該基板上には蒸発粒子と反応性ガスの反応物の膜が形成される。
【0019】
この様な膜形成において、(1)前記真空チャンバー1内に引き出された電子及び前記プラズマP2中の電子は、前記引出電極17に流れ込む。
【0020】
(2)前記プラズマP2に晒された前記基板3、基板ホルダー4及び防着板20表面には電子による負電荷が蓄積され、該基板等の表面上に負の電圧が印加される状態となる(即ち、アース電位にある前記真空チャンバー1に対し電位的にフローティングの状態にある)。一方、前記プラズマP2はアース若しくは正のポテンシャルを持っているので、前記基板3等の表面近傍においては、前記プラズマP2が持つポテンシャルと前記基板3等が持つポテンシャルの差が生じ、該基板等近傍のプラズマ中のイオン(正イオン)は、該基板等に向けて加速され、該基板を照射する(叩く)現象が発生する。この結果、前記基板3等表面の帯電電荷(負電荷)は中和される(この中和をプラズマのセルフバイアス電位による中和と称す)。
【0021】
これら(1)および(2)の現象により、前記真空チャンバー1内に形成されるプラズマP2が安定に維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開平 9− 256148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
さて、前記電子銃9からの電子を前記蒸発材料7に照射したとき、蒸発粒子の発生と共に、該蒸発材料から二次電子や反射電子が発生している。これらの電子は前記シャッターSの位置に拘わらず前記基板3、基板ホルダー4及び防着板20に達し、該基板等の表面へ負電荷が蓄積するが、前記プラズマのセルフバイアス電位による中和作用により中和される。
【0024】
しかし、前記真空チャンバー1内にプラズマP2が生成されていない時には該プラズマのセルフバイアス電位による中和作用が起こらない。又、前記プラズマP2の生成初期(プラズマP2が未だ安定していない時)においては該中和作用が僅かしか行われない。この結果、前記基板等の表面には前記電子による負電荷が蓄積し、前記基板3への膜形成において思わしくない事態を引き起こす。例えば基板がフッ化カルシウム製の場合は基板が変色し、プラスチック製の場合には基板に対する被膜物質の付着力が低下する。
【0025】
又、前記真空チャンバー1内に生成されるプラズマP2のポテンシャルは、前記プラズマ発生源11の各パラメータが一旦設定されてしまうと、一義的に決まってしまう。一方、前記基板3等の帯電状態は真空チャンバー1内の圧力、被膜物質の種類等により変化する。従って、たとえ前記真空チャンバー1内に安定したプラズマP2が生成されていても、このプラズマP2のセルフバイアス電位による中和作用で充分中和されるとは限らない。又、前記基板3等の帯電状態をプラズマP2のセルフバイアス電位によりコントロールすることが出来ない。
【0026】
本発明は、この様な問題を解決する新規なイオンプレーティング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明のイオンプレーティング装置は、真空チャンバー、該真空チャンバー内の上壁に絶縁部材を介して取り付けられた基板ホルダー、該真空チャンバーの下部に設けられ、蒸着材料の加熱用電子銃を有する蒸発源、該真空チャンバー内の側壁及び底壁に沿って絶縁部材を介して該真空チャンバーの側壁に取り付けられた防着板、前記真空チャンバー内に前記蒸発源から蒸発した蒸発粒子をイオン化するための電子ビームを発生するプラズマ発生源を備えており、前記プラズマ発生源は、熱陰極と電子引出電極が配置された放電室と、該熱陰極と該電子引出電極との間に放電電圧を印加するための放電電源と、該放電室内に放電用ガスを供給する手段を備え、前記放電室内で形成された第1プラズマ中の電子を前記放電電圧に基づいて前記チャンバー内に引き出す様に成したイオンプレーティング装置において、前記基板ホルダー若しくは防着板とアース間の電位を検出し、該電位が基準値に成る様に前記放電電圧をコントロールする様に成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、真空チャンバーにおいて、蒸発材料の蒸発が開始されて直ぐに形成されるプラズマP2は、常に、基板の帯電による電荷が充分に中和される様なセルフバイアス電位を有する状態に成るので、前記基板への膜形成において思わしくない事態を引き起こすことはなく、前記基板等の帯電状態が真空チャンバー内の圧力や被膜物質の種類等により変化しても、該基板等の帯電電荷は充分中和される。
【0029】
又、膜形成中の前記基板等の帯電状態は、蒸発材料に適したプラズマP2のセルフバイアス電位を有する状態に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来のイオンプレーティング装置の一概略例を示している。
【図2】本発明のイオンプレーティング装置の一概略例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
先ず、本発明の原理について説明する。
前記、発明が解決しようとする課題で説明した前記基板3等の帯電による負電荷がプラズマP2のセルフバイアス電位による中和作用で充分に中和されるには、前記蒸発材料7への電子照射と同時若しくはそれ以前に前記プラズマ発生源11を作動させて該プラズマ発生源からの電子引出により前記真空チャンバー1内にプラズマP2を生成させ、且つ、該プラズマP2のセルフバイアス電位が、前記基板3等の帯電状態がいかなる状態の時であっても、該帯電による電荷が充分中和される様にコントロール出来る様にすれば良い。
【0032】
この前記基板3等の帯電状態は、例えば、前記基板ホルダー4のフローティング電位値によって知ることが出来、前記プラズマP2のセルフバイアス電位は、前記直流電源(放電電源)18から電子引出電極17と熱陰極15間に印加される正電圧によりコントロールすることが出来る。
【0033】
そこで、例えば前記基板ホルダー4のフローティング電位値を常にモニターし、常に該フローティング電位値に基づいて前記直流電源(放電電源)18から電子引出電極17と熱陰極15との間に印加される電圧を適宜コントロールすれば、前記、発明が解決しようとする課題で説明した前記基板3等の帯電による電荷がプラズマP2のセルフバイアス電位による中和作用で充分に中和される筈である。
図2はこの様な原理に基づいて成された本発明のイオンプレーティング装置の一概略例を示したものである。図中、図1で使用した記号と同一記号の付されたものは同一構成要素を示す。
【0034】
図2に示すイオンプレーティング装置が図1のイオンプレーティング装置と異なる所は、フローティング電位にある前記基板ホルダー4とアース電位にある真空チャンバー1間に該フローティング電位を測定するための直流電圧計22が接続されている点と、該直流電圧計からのフローティング電位に基づいて前記直流電源(放電電源)18をコントロールする制御装置23が新たに設けられている点である。
【0035】
この様な構成のイオンプレーティング装置において、先ず、前記真空チャンバー1内を真空ポンプ(図示せず)により真空排気する。
該真空チャンバー内が所定の真空度に達したら、前記電子銃9からの電子ビームEBを前記坩堝8内の蒸発材料に照射する。尚、この時、前記反応性ガス供給管10から該真空チャンバー内に反応性ガスが導入されている。
この照射により前記蒸発材料7は加熱され、蒸発を始める。尚、最初、前記シャッターSは遮蔽位置(前記坩堝8と基板ホルダー4との間の位置)にあるが、直ぐに、該遮蔽位置から大きく外れた位置に回転移動される。
この時同時に、前記プラズマ発生源11において、前記アルゴンガス供給管14から前記ケース12内にアルゴンガスを導入すると共に、前記加熱電源18から前記熱陰極15へ電流を供給することにより該熱陰極を熱電子放出可能な温度にまで加熱する。又、同時に、前記コイル19に所定の電流を流し、プラズマ点火と安定なプラズマを得るために必要な磁場を発生させる。
この状態において、前記直流電源(放電電源)18から前記電子引出電極17と熱陰極15との間に所定の正電圧を印加すると、前記シールド筒13のオリフィス上部に正電界が形成され、該電界によって、前記熱陰極15からの熱電子は前記電子引出電極17の方向に加速し始める。該熱電子の加速により、該熱電子と前記導入したアルゴンガスとが衝突を繰り返し、前記ケース12内にプラズマP1が生成される。
こうして生成されたプラズマP1中の電子は、前記コイル19が形成する磁場により前記ケース12の中心軸方向に集束を受けながら、前記電界により前記真空チャンバー1内へと引き出され、前記蒸発粒子及び反応性ガスに衝突し、該粒子と反応性ガスを励起してイオン化させるので、該真空チャンバー内にプラズマP2が形成される。従って、本例においては、プラズマP2が比較的早い段階(装置稼働時、即ち、膜形成開始時)で形成されることになる。
このプラズマP2中のイオン化された蒸発粒子と反応性ガスは、前記基板3に引き寄せられて該基板に付着し、該基板上には蒸発粒子と反応性ガスの反応物の膜が形成される。
さて、この様なイオンプレーティング装置において、予め実験等により、基板3等の帯電状態が該基板への膜形成に対し何ら問題とならない程度のもの及び高品質膜の形成に対応した複数のフローティング電位値が基準電位値として測定され、前記制御装置23に設定されており、前記直流電圧計22は装置稼働時(膜形成開始時)から常に前記基板ホルダー4の電位(フローティング電位)を測定している。
従って、前記制御装置23は、装置稼働時(膜形成開始時)から常に、前記直流電圧計22からのフローティング電位値と基準電位値を比較し、該フローティング電位値の該基準電位値に対する差が零になるような制御信号値を前記直流電源18に送ることになり、該直流電源はこの様な制御信号に基づいた正の直流電圧を前記電子引出電極17と熱陰極15の間に印加することになる。
この結果、前記蒸発材料7の蒸発が開始されて直ぐの初期段階に形成されるプラズマP2は、常に前記基板3等の帯電による電荷が充分に中和される様なセルフバイアス電位を有する状態に成り、その後の膜形成プロセスにおいては蒸発材料に適したセルフバイアス電位を有する状態に成る。
【0036】
尚、前記例では、フローティング電位を前記基板ホルダー4と真空チャンバー1との間の電圧を測定することにより求めたが、前記防着板20とアース電位にある部分の間の電圧を測定して求める様にしても良い。
【0037】
又、前記例では、プラズマ発生源11が真空チャンバー1内に設けられているイオンプレーティング装置を示したが、プラズマ発生源が真空チャンバー1の外に接続されているイオンプレーティング装置にも本発明が実施可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0038】
1…真空チャンバー
2…排気通路
3…基板
4…基板ホルダー
5…ホルダー支持軸
6…基台
7…蒸発材料
8…坩堝
9…電子銃
10…反応性ガス供給管
11…プラズマ発生源
12…ケース
13…シールド筒
14…アルゴンガス供給管
15…熱陰極
16…加熱電源
17…電子引出電極
18…直流電源(放電電源)
19…環状直流コイル
20…防着板
21…碍子
22…直流電圧計
23…制御装置
S …シャッター
B …回転軸
EB…電子ビーム
P1、P2…プラズマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバー、該真空チャンバー内の上壁に絶縁部材を介して取り付けられた基板ホルダー、該真空チャンバーの下部に設けられ、蒸着材料の加熱用電子銃を有する蒸発源、該真空チャンバー内の側壁及び底壁に沿って絶縁部材を介して該真空チャンバー内の側壁に取り付けられた防着板、前記真空チャンバー内に前記蒸発源から蒸発した蒸発粒子をイオン化するための電子ビームを発生するプラズマ発生源を備えており、前記プラズマ発生源は、熱陰極と電子引出電極が配置された放電室と、該熱陰極と該電子引出電極との間に放電電圧を印加するための放電電源と、該放電室内に放電用ガスを供給する手段を備え、前記放電室内で形成された第1プラズマ中の電子を前記放電電圧に基づいて前記真空チャンバー内に引き出す様に成したイオンプレーティング装置において、前記基板ホルダー若しくは防着板とアース間の電位を検出し、該電位が基準値になる様に前記放電電圧をコントロールする様に成したイオンプレーティング装置。
【請求項2】
前記基板ホルダー若しくは防着板と真空チャンバー間の電位を検出する様に成した請求項1記載のイオンプレーティング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate