説明

イソキサゾリン化合物を製造する方法

【課題】イソキサゾリン化合物を製造する新規な方法およびその製造中間体を提供する。
【解決手段】(1)アニリン化合物と、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させることによりカルバミン酸エステル化合物を製造し、(2)次いで、モノクロラミンとを反応させることにより、カルバジン酸エステル化合物を製造し、(3)次いで、酸塩化物とを反応させることにより、アシルカルバジン酸エステル化合物を製造し、(4)次いで、トリフルオロアセトフェノン化合物とを反応させることにより、アルドール化合物を製造し、(5)次いで、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させた後に、酸とを反応させることにより、エノン化合物を製造し、(6)次いで、ヒドロキシルアミンとを反応させることにより、下式イソキサゾリン化合物を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソキサゾリン化合物を製造する方法およびその製造中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
下式(9)で示されるイソキサゾリン化合物は、例えば、農薬の有効成分として有用であることが知られている。また、例えば特許文献1には、下式(9)で示されるイソキサゾリン化合物を合成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/090344号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の方法では下式(9)で示されるイソキサゾリン化合物を製造する上で必ずしも満足できるものではない。
そこで、本発明の目的は、下式(9)で示されるイソキサゾリン化合物を製造しうる新たな方法およびその製造中間体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、下式(1)で示されるアニリン化合物と二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させることにより、下式(2)で示されるカルバミン酸エステル化合物を製造し、
得られた下式(2)で示されるカルバミン酸エステル化合物とモノクロラミンとを反応させることにより、下式(3)で示されるカルバジン酸エステル化合物を製造し、
得られた下式(3)で示されるカルバジン酸エステル化合物と下式(4)で示される酸塩化物とを反応させることにより、下式(5)で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物を製造し、
得られた下式(5)で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物と下式(6)で示されるトリフルオロアセトフェノン化合物(6)とを反応させることにより、下式(7)で示されるアルドール化合物を製造し、
得られた下式(7)で示されるアルドール化合物と二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させた後に、酸と反応させることにより、下式(8)で示されるエノン化合物を製造し、
得られた下式(8)で示されるエノン化合物とヒドロキシルアミンとを反応させることにより、下式(9)で示されるイソキサゾリン化合物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1] 式(3)

〔式中、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるカルバジン酸エステル化合物。
[2] 式(5)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物。
[3] 式(7)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるアルドール化合物。
[4] 式(8)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるエノン化合物。
[5] 5−アセチル−2−クロロフェニルカルバミン酸tert−ブチル。
[6] 式(1)

〔式中、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるアニリン化合物(以下、アニリン化合物(1)と記す。)と、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させることを特徴とする、
式(2)

〔式中、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるカルバミン酸エステル化合物(以下、カルバミン酸エステル化合物(2)と記す。)を製造する方法。
[7] カルバミン酸エステル化合物(2)と、モノクロラミンとを反応させることを特徴とする、
式(3)

〔式中、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるカルバジン酸エステル化合物(以下、カルバジン酸エステル化合物(3)と記す。)を製造する方法。
[8] カルバジン酸エステル化合物(3)と、
式(4)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表す。〕
で示される酸塩化物(以下、酸塩化物(4)と記す。)とを反応させることを特徴とする、
式(5)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物(以下、アシルカルバジン酸エステル化合物(5)と記す。)を製造する方法。
[9] アシルカルバジン酸エステル化合物(5)と、
式(6)

〔式中、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるトリフルオロアセトフェノン化合物(以下、トリフルオロアセトフェノン化合物(6)と記す。)とを反応させることを特徴とする、
式(7)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるアルドール化合物(以下、アルドール化合物(7)と記す。)を製造する方法。
[10] アルドール化合物(7)と、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させた後に、酸と反応させることを特徴とする、
式(8)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるエノン化合物(以下、エノン化合物(8)と記す。)を製造する方法。
[11] エノン化合物(8)と、ヒドロキシルアミンとを反応させることを特徴とする、
式(9)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるイソキサゾリン化合物(以下、イソキサゾリン化合物(9)と記す。)を製造する方法。
[12] アニリン化合物(1)と、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させることにより、カルバミン酸エステル化合物(2)を製造し、
得られたカルバミン酸エステル化合物(2)と、モノクロラミンとを反応させることにより、カルバジン酸エステル化合物(3)を製造し、
得られたカルバジン酸エステル化合物(3)と、酸塩化物(4)とを反応させることにより、アシルカルバジン酸エステル化合物(5)を製造し、
得られたアシルカルバジン酸エステル化合物(5)と、トリフルオロアセトフェノン化合物(6)とを反応させることにより、アルドール化合物(7)を製造し、
得られたアルドール化合物(7)と、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させた後に、酸とを反応させることにより、エノン化合物(8)を製造し、
得られたエノン化合物(8)と、ヒドロキシルアミンとを反応させることにより、イソキサゾリン化合物(9)を製造する方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、イソキサゾリン化合物(9)を製造するための新たな方法およびその製造中間体等を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明について詳細に説明する。
1で示される「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が挙げられる。
1で示される「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
2で示される「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
2で示される「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基」としては、例えばメチル基、トリフルオロメチル基が挙げられる。
3で示される「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0008】
アニリン化合物(1)と二炭酸ジ−tert−ブチルからカルバミン酸エステル化合物(2)を製造するには、アニリン化合物(1)と二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させることによりカルバミン酸エステル化合物(2)を製造する。
【0009】
該反応で用いられる二炭酸ジ−tert−ブチルの量は、アニリン化合物(1)1モルに対して、通常1〜5モルである。
該反応は、塩基の存在下で行うこともできる。
該反応に用いられる塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等の有機塩基類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
該反応に用いられる塩基の量は、アニリン化合物(1)1モルに対して、通常0.001〜10モルである。
【0010】
該反応は、溶媒中で行うこともできる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
該反応の反応温度は、通常、−20〜200℃または反応に用いられる溶媒の沸点以下の範囲である。
該反応の反応時間は、通常、0.1〜100時間の範囲である。
【0011】
かくして、カルバミン酸エステル化合物(2)を製造することができる。更に、必要に応じて、分液抽出、濾別、再結晶やカラムクロマトグラフィー等の手段により精製することも可能である。
【0012】
カルバミン酸エステル化合物(2)とモノクロラミンからカルバジン酸エステル化合物(3)を製造するには、カルバミン酸エステル化合物(2)とモノクロラミンとを反応させることによりカルバジン酸エステル化合物(3)を製造する。
【0013】
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、水が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
【0014】
該反応は相関移動触媒の存在下で行うこともできる。反応に用いられる相関移動触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
該反応で用いられる相関移動触媒の量は、カルバミン酸エステル化合物(2)1モルに対して、通常0.001〜1モルである。
【0015】
該反応で用いられるモノクロラミンの量は、カルバミン酸エステル化合物(2)1モルに対して、通常1〜10モル である。
【0016】
該反応に用いられるモノクロラミンは、通常、金属水酸化物存在下、次亜塩素酸ナトリウムとアンモニアとの反応によって得る。
【0017】
該反応に用いられる金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0018】
該反応の反応温度は、通常、−20〜100℃または反応に用いられる溶媒の沸点以下の範囲である。
該反応の反応時間は、通常、0.1〜100時間の範囲である。
【0019】
かくして、カルバジン酸エステル化合物(3)を製造することができる。更に、必要に応じて、分液抽出、濾別、再結晶やカラムクロマトグラフィー等の手段により精製することも可能である。
【0020】
カルバジン酸エステル化合物(3)と酸塩化物(4)からアシルカルバジン酸エステル化合物(5)を製造するには、カルバジン酸エステル化合物(3)と酸塩化物(4)とを反応させることによりアシルカルバジン酸エステル化合物(5)を製造する。
該反応に用いられる酸塩化物(4)の量は、カルバジン酸エステル化合物(3)1モルに対して、通常1モル〜10モル である。
【0021】
該反応は通常塩基の存在下で行われる。
該反応に用いられる塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等の有機塩基類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
該反応に用いられる塩基の量は、カルバジン酸エステル化合物(3)1モルに対して、通常0.1〜10モル である。
【0022】
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
【0023】
該反応の反応温度は、通常、−20〜100℃または反応に用いられる溶媒の沸点以下の範囲である。
該反応の反応時間は、通常、0.1〜100時間の範囲である。
【0024】
かくして、アシルカルバジン酸エステル化合物(5)を製造することができる。更に、必要に応じて、分液抽出、濾別、再結晶やカラムクロマトグラフィー等の手段により精製することも可能である。
【0025】
アシルカルバジン酸エステル化合物(5)とトリフルオロアセトフェノン化合物(6)からアルドール化合物(7)を製造するには、アシルカルバジン酸エステル化合物(5)とトリフルオロアセトフェノン化合物(6)とを反応させることによりアルドール化合物(7)を製造する。
該反応に用いられるトリフルオロアセトフェノン化合物(6)の量は、アシルカルバジン酸エステル化合物(5)1モルに対して、通常0.1〜10モル である。
【0026】
該反応は通常塩基の存在下で行われる。
該反応に用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)等の有機塩基類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
該反応に用いられる塩基の量は、アシルカルバジン酸エステル化合物(5)1モルに対して、通常0.001〜10モル である。
【0027】
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
【0028】
該反応の反応温度は、通常、−20〜200℃または反応に用いられる溶媒の沸点以下の範囲である。
該反応の反応時間は、通常、0.1〜100時間の範囲である。
【0029】
かくして、アルドール化合物(7)を製造することができる。更に、必要に応じて、分液抽出、濾別、再結晶やカラムクロマトグラフィー等の手段により精製することも可能である。
【0030】
アルドール化合物(7)と二炭酸ジ−tert−ブチルと酸からエノン化合物(8)を製造するには、アルドール化合物(7)と二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させた後に、酸と反応させることによりエノン化合物(8)を製造する。
該反応に用いられる二炭酸ジ−tert−ブチルの量は、アルドール化合物(7)1モルに対して、通常、1〜10モルである。
【0031】
本反応では、通常、アルドール化合物(7)と二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させる工程1と、酸と反応させる工程2とに分けられる。
【0032】
工程1は通常塩基の存在下で行われる。
該工程に用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等の有機塩基類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
該工程に用いられる塩基の量は、アルドール化合物(7)1モルに対して、通常0.1〜10モル である。
【0033】
該工程は通常溶媒の存在下で行われる。
該工程に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
【0034】
該工程の反応温度は、通常、−20〜200℃または反応に用いられる溶媒の沸点以下の範囲である。
該工程の反応時間は、通常、0.1〜100時間の範囲である。
【0035】
工程1と工程2との間に、反応混合物から溶媒を留去する工程を含むこともできる。
【0036】
工程2に用いられる酸としては、例えばトリフルオロ酢酸が挙げられる。
該工程に用いられる酸の量は、アルドール化合物(7)1モルに対して、通常1モル〜100モル である。
【0037】
該工程の反応温度は、通常、−20〜100℃または反応に用いられる溶媒もしくは酸の沸点以下の範囲である。
該工程の反応時間は、通常、0.1〜100時間の範囲である。
【0038】
かくして、エノン化合物(8)を製造することができる。更に、必要に応じて、分液抽出、濾別、再結晶やカラムクロマトグラフィー等の手段により精製することも可能である。
【0039】
エノン化合物(8)からイソキサゾリン化合物(9)を製造するには、エノン化合物(8)とヒドロキシルアミンとを反応させることによりイソキサゾリン化合物(9)を製造する。
該反応に用いられるヒドロキシルアミンの量は、エノン化合物(8)1モルに対して、通常1モル〜10モル である。
【0040】
該反応は通常塩基の存在下で行われる。
該反応に用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物、ジアザビシクロウンデセン等の有機塩基類が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
該反応に用いられる塩基の量は、エノン化合物(8)1モルに対して、通常0.1モル〜10モル である。
【0041】
該反応に用いられるヒドロキシルアミンとしては、水溶液、または、ヒドロシキルアミン塩酸塩等の塩の形態のヒドロキシルアミンを用いることができる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
【0042】
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。反応に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン等の炭化水素類、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル類、水が挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
【0043】
該反応は相関移動触媒の存在下で行うこともできる。反応に用いられる相関移動触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミドが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
【0044】
該反応の反応温度は、通常、−20〜200℃または反応に用いられる溶媒の沸点以下の範囲である。
該反応の反応時間は、通常、0.1〜100時間の範囲である。
【0045】
かくして、イソキサゾリン化合物(9)を製造することができる。更に、必要に応じて、分液抽出、濾別、再結晶やカラムクロマトグラフィー等の手段により精製することも可能である。
【0046】
アニリン化合物(1)の一部は市販されており、それ以外の化合物は、Annalen der Chemie, Justus Liebigs 81巻641ページ (1961年)に記載の方法により製造し得る。
酸塩化物(4)の一部は市販されており、それ以外の化合物は、第四版実験化学講座22巻115ページ(丸善)に記載の方法により製造し得る。
トリフルオロアセトフェノン化合物(6)の一部は市販されており、それ以外の化合物は、Canadian Journal of Chemistry 58巻2491ページ (1980年)、または、Angewandte Chemie International Edition 37巻820ページ (1998年)に記載の方法により製造し得る。
【0047】
以下にカルバジン酸エステル化合物(3)の具体例を示す。
式(3)

で示されるカルバジン酸エステル化合物。
式中のR3は下記の表1に記載の組み合わせを表す。
【0048】
【表1】

【0049】
以下にアシルカルバジン酸エステル化合物(5)の具体例を示す。
式(5)

で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物。
式中のR1およびR3は下記の表2に記載の組み合わせを表す。
【0050】
【表2】

【0051】
以下にアルドール化合物(7)の具体例を示す。
式(7)

で示されるアルドール化合物。
式中のR1、(R2m、およびR3は下記の表3に記載の組み合わせを表す。
【0052】
【表3】

【0053】
以下にエノン化合物(8)の具体例を示す。
式(8)で示されるエノン化合物。

で示されるエノン化合物。
式中のR1、(R2m、およびR3は下記の表4に記載の組み合わせを表す。
【0054】
【表4】


なお、上記表の(R2mにおいて、例えば「3−Cl,5−Cl」との記載は、(R2mが3位および5位の置換基であり、mが2であり、R2が各々塩素原子であることを意味する。
【実施例】
【0055】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0056】
実施例1
5−アセチル−2−クロロフェニルカルバミン酸tert−ブチルの製造

3−アセチル−6−クロロアニリン(10.00g)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(15.27g)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、ここにN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(360mg)を加えた。室温で2時間撹拌後、二炭酸ジ−tert−ブチル(7.00g)追加し、さらに2時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をメタノール(100ml)に溶解し、炭酸カリウム(9.81g)を加え、室温で6時間攪拌した。この反応混合液を減圧下濃縮し、得られた残渣をメチルtert−ブチルエーテルに溶解させ、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、5−アセチル−2−クロロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(11.64g)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 8.79 (1H, br s), 7.58 (1H, dd), 7.43 (1H, dd), 7.07 (1H, br s), 2.62 (3H, s), 1.56 (9H, s).
【0057】
実施例2
N−(5−アセチル−2−クロロフェニル)カルバジン酸tert−ブチルの製造

実施例1で製造された5−アセチル−2−クロロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(3.72g)をテトラヒドロフラン(39ml)に溶かし、28%水酸化ナトリウム水溶液(40ml)、アンモニア水(13ml)、塩化アンモニウム(4.45g)、及びトリオクチルメチルアンモニウムクロライド(758mg)を加えた。この混合液に室温にて5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(37ml)を20分間かけて滴下することにより、反応系内にモノクロラミンを発生させた。同温で12時間撹拌後、有機層を分離し、水層にメチルtert−ブチルエーテルを加え再度抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(5−アセチル−2−クロロフェニル)カルバジン酸tert−ブチル(2.60g、表1−番号3の化合物)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 7.90 (1H, br s), 7.81 (1H, dd), 7.51 (1H, d), 4.56 (2H, br s), 2.60 (3H, s), 1.40 (9H, br s).
【0058】
実施例3
N−(5−アセチル−2−クロロフェニル)−N’−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)カルバジン酸tert−ブチルの製造

実施例2により得られたN−(5−アセチル−2−クロロフェニル)カルバジン酸tert−ブチル(2.60g)及びトリエチルアミン(1097mg)をテトラヒドロフラン(15ml)に溶かし、ここに氷冷下で、塩化4,4,4−トリフルオロブタノイル(1741mg)を滴下して、氷冷下で30分間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(5−アセチル−2−クロロフェニル)−N’−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)カルバジン酸tert−ブチル(3.30g、表2−番号8の化合物)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 8.21 (1H, br s), 7.88 (1H, dd), 7.78 (1H, br s), 7.52 (1H, d), 2.61−2.51 (7H, m), 1.52−1.42 (9H, m).
【0059】
実施例4
N−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシブタノイル]フェニル}−N’−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)カルバジン酸tert−ブチルの製造

実施例3により得られたN−(5−アセチル−2−クロロフェニル)−N’−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)カルバジン酸tert−ブチル(1.00g)、トリエチルアミン(496mg)及びα,α,α−トリフルオロ−3,5−ジクロロアセトフェノン(892mg)をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解し、60°Cで4時間撹拌した。室温まで放冷した反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシブタノイル]フェニル}−N’−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)カルバジン酸tert−ブチル(1437mg、表3−番号8の化合物)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 8.25−8.22 (1H, br m), 7.91−7.84 (2H, m), 7.60−7.35 (4H, m), 5.54−5.49 (1H, m), 3.81−3.76 (1H, m), 3.66 (1H, d,), 2.75−2.52 (4H, m),1.49−1.43 (9H, m).
【0060】
実施例5
N’−{2−クロロ−5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]フェニル}−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)ヒドラジドの製造

実施例4により得られたN−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシブタノイル]フェニル}−N’−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)カルバジン酸tert−ブチル(326mg)、トリエチルアミン(51mg)及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(12mg)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かし、ここに室温で二炭酸ジ−tert−ブチル(131mg)を滴下した。室温で30分間撹拌後、二炭酸ジ−tert−ブチル(185mg)を追加し、さらに室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣にトリフルオロ酢酸(2.0ml)を加え、室温で30分間攪拌した。この反応混合物を減圧下濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、クルードのN’−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]フェニル}−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)ヒドラジド(表4−番号8の化合物)を得た。融点 82°C
得られたクルードのN’−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテノイル]フェニル}−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)ヒドラジド及びテトラブチルアンモニウムブロミド(55mg)をメチルtert−ブチルエーテル(1ml)に溶かし、ここに氷冷下でヒドロキシルアミン塩酸塩(69mg)及び水酸化ナトリウム(85mg)を水(0.4ml)に溶かした溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。反応混合物に2M塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N’−{2−クロロ−5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソキサゾール−3−イル]フェニル}−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)ヒドラジド(168mg)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 7.52−6.98 (7H, m), 6.50−6.45 (1H, m), 4.04−4.00 (1H, m), 3.66−3.62 (1H, m), 2.73−2.46 (4H, m).
【0061】
実施例6
N−(5−アセチル−2−クロロフェニル)−N’−シクロプロパンカルボニル−カルバジン酸tert−ブチルの製造

実施例1で製造された(5-アセチル−2−クロロフェニル)−カルバミン酸−tert−ブチル15.0gをメチルtert−ブチルエーテル158mLに溶かし、28%水酸化ナトリウム水溶液161mL、アンモニア水52mL、塩化アンモニウム17.92gおよびトリオクチルメチルアンモニウムクロライド3.06gを加えた。この混合液に室温にて5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液149mLを40分間かけて滴下した。同温で2時間撹拌後、有機層を分離し、水層をメチルtert−ブチルエーテル(80mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL×4)、10%亜硫酸ナトリウム水溶液(100mL×3)の順に洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、クルードのN−(5−アセチル−2−クロロフェニル)カルバジン酸tert−ブチル(表1−番号3の化合物)を得た。
得られたクルードのN−(5−アセチル−2−クロロフェニル)カルバジン酸tert−ブチル及びトリエチルアミン6.75gをテトラヒドロフラン100mLに溶かし、ここに氷冷下でシクロプロパンカルボニルクロリド6.96gを滴下して、氷冷下で30分間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(5−アセチル−2−クロロフェニル)−N’−シクロプロパンカルボニル−カルバジン酸tert−ブチル(12.87g、表2−番号16の化合物)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 8.23 (1H, br s), 8.06 (1H, br s), 7.86 (1H, dd), 7.51 (1H, d), 2.58 (3H, s), 1.49−1.43 (10H, m), 1.05 (2H, br s), 0.86−0.84 (2H, br m).
【0062】
実施例7
N−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシブタノイル]フェニル}−N’−シクロプロパンカルボニル−カルバジン酸tert−ブチルの製造

実施例6により得られたN−(5−アセチル−2−クロロフェニル)−N’−シクロプロパンカルボニル−カルバジン酸tert−ブチル10.0g、トリエチルアミン5.74g及び3’,5’−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロアセトフェノン10.33gをテトラヒドロフラン57mLに溶解し、60℃で8時間撹拌した。室温まで放冷した反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシブタノイル]フェニル}−N’−シクロプロパンカルボニル−カルバジン酸tert−ブチル(16.66g、表3−番号16の化合物)を得た。
1H−NMR (CDCl3) δ: 8.31−7.80 (3H, m), 7.62−7.35 (4H, m), 5.58 (1H, d), 3.79−3.68 (2H, m), 1.52−1.40 (10H, m), 1.07−1.06 (2H, br m), 0.89−0.87 (2H, br m).
【0063】
実施例8
N’−{2−クロロ−5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]フェニル}−シクロプロパンカルボヒドラジドの製造

実施例7により得られたN−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシブタノイル]フェニル}−N’−シクロプロパンカルボニル−カルバジン酸tert−ブチル16.66g、トリエチルアミン2.86g及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン690mgをテトラヒドロフラン113mlに溶かし、ここに室温で二炭酸−ジ−tert−ブチル6.16gを滴下した。室温で1時間撹拌後、さらに室温で二炭酸−ジ−tert−ブチル10.48gを滴下し、室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣にトリフルオロ酢酸50mLを加え、室温で30分間攪拌した。この反応混合物を減圧下濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、クルードのN’−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ-2−ブテノイル]フェニル}−シクロプロパンカルボヒドラジド(表4−番号16の化合物)を得た。
1H−NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.92 (2H, m), 1.06 (2H, m), 1.24 (1H, m), 3.23 (1H, s), 6.53 (1H, s), 7.15−7.48 (7H, m).
得られたクルードのN’−{2−クロロ−5−[3−(3,5−ジクロロフェニル)−4,4,4−トリフルオロ-2−ブテノイル]フェニル}−シクロプロパンカルボヒドラジド及びテトラブチルアンモニウムブロミド3.10gを、メチルtert−ブチルエーテル50mlおよびテトラヒドロフラン20mLに溶かし、ここに氷冷下でヒドロキシルアミン塩酸塩3.93g及び水酸化ナトリウム4.79gを水22.6mLに溶かした溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。反応混合物に2N塩酸を加え中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N’−{2−クロロ−5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル]フェニル}−シクロプロパンカルボヒドラジド8.42gを得た。
1H−NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.92 (2H, m), 1.07 (2H, m), 1.53 (1H, m), 3.65 (1H, d), 4.04 (1H, d), 6.53 (1H, br s), 6.94−7.49 (7H, m).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(3)

〔式中、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるカルバジン酸エステル化合物。
【請求項2】
式(5)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物。
【請求項3】
式(7)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるアルドール化合物。
【請求項4】
式(8)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるエノン化合物。
【請求項5】
5−アセチル−2−クロロフェニルカルバミン酸tert−ブチル。
【請求項6】
式(1)

〔式中、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるアニリン化合物と、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させることを特徴とする、
式(2)

〔式中、R3は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるカルバミン酸エステル化合物を製造する方法。
【請求項7】
式(2)

〔式中、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるカルバミン酸エステル化合物と、モノクロラミンとを反応させることを特徴とする、
式(3)

〔式中、R3は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるカルバジン酸エステル化合物を製造する方法。
【請求項8】
式(3)

〔式中、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるカルバジン酸エステル化合物と、
式(4)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表す。〕
で示される酸塩化物とを反応させることを特徴とする、
式(5)

〔式中、R1およびR3は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物を製造する方法。
【請求項9】
式(5)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物と、
式(6)

〔式中、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるトリフルオロアセトフェノン化合物とを反応させることを特徴とする、
式(7)

〔式中、R1、R2、R3およびmは、前記と同じ意味を表す。〕
で示されるアルドール化合物を製造する方法。
【請求項10】
式(7)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるアルドール化合物と、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させた後に、酸と反応させることを特徴とする、
式(8)

〔式中、R1、R2、R3およびmは、前記と同じ意味を表す。〕
で示されるエノン化合物を製造する方法。
【請求項11】
式(8)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表し、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、R3はハロゲン原子または水素原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるエノン化合物と、ヒドロキシルアミンとを反応させることを特徴とする、
式(9)

〔式中、R1、R2、R3およびmは、前記と同じ意味を表す。〕
で示されるイソキサゾリン化合物を製造する方法。
【請求項12】
式(1)

〔式中、R3はハロゲン原子または水素原子を表す。〕
で示されるアニリン化合物と、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させることにより、式(2)

〔式中、R3は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるカルバミン酸エステル化合物を製造し、
得られた前記式(2)で示されるカルバミン酸エステル化合物と、モノクロラミンとを反応させることにより、式(3)

〔式中、R3は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるカルバジン酸エステル化合物を製造し、
得られた前記式(3)で示されるカルバジン酸エステル化合物と、式(4)

〔式中、R1は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C12アルキル基または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC3−C12シクロアルキル基を表す。〕
で示される酸塩化物とを反応させることにより、式(5)

〔式中、R1およびR3は前記と同じ意味を表す。〕
で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物を製造し、
得られた前記式(5)で示されるアシルカルバジン酸エステル化合物と、式(6)

〔式中、R2は1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基またはハロゲン原子を表し、mは0から5の整数のいずれかを表す(但し、mが2から5の整数である場合は、各々のR2は互いに異なっていてもよい。)。〕
で示されるトリフルオロアセトフェノン化合物とを反応させることにより、式(7)

〔式中、R1、R2、R3およびmは、前記と同じ意味を表す。〕
で示されるアルドール化合物を製造し、
得られた前記式(7)で示されるアルドール化合物と、二炭酸ジ−tert−ブチルとを反応させた後に、酸とを反応させることにより、式(8)

〔式中、R1、R2、R3およびmは、前記と同じ意味を表す。〕
で示されるエノン化合物を製造し、
得られた前記式(8)で示されるエノン化合物と、ヒドロキシルアミンとを反応させることにより、式(9)

〔式中、R1、R2、R3およびmは、前記と同じ意味を表す。〕
で示されるイソキサゾリン化合物を製造する方法。

【公開番号】特開2013−10740(P2013−10740A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−17679(P2012−17679)
【出願日】平成24年1月31日(2012.1.31)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】