説明

イソマルトガム領域を含んでなる複数領域チューインガム組成物

【課題】流動性の低下を防止しつつ、複数領域(例えば中心充填)ガムとの組み合わせで、所望のハードシェルコーティング層を提供する、新規なガム組成物、特にハードコーティング若しくはチューイーコーティングされたガムの提供。また、製造の間、及びその貯蔵の間、その液体領域組成物を保持し、かつ、液体領域の特性を損なうことなく、小型の粒サイズで調製することが可能な、複数領域ガムの提供。
【解決手段】本発明は、第1領域組成物と、当該第1領域に隣接している若しくはそれを囲んでいる第2(又はガム)領域とを含んでなる、チューインガム又はバブルガム組成物。上記第2領域は、イソマルトを単独で、又は他のポリオールとの組み合わせで含むポリオール組成物を含んでなる。イソマルトの第2領域への添加により、チューインガム組成物に安定性が提供され、第1領域組成物の第2領域への漏出及び移動の問題が減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数領域チューインガム製品に用いられる組成物に関する。具体的には、個々のチューインガム粒は、第2(又はガム)領域によって囲まれた第1領域を含んでなり、当該第2領域はイソマルトを単独で、又は他のポリオールとの組み合わせで、含んでなる。
【背景技術】
【0002】
今日、液体充填型若しくは中心充填型のガム及び他の菓子製品が広く需要されている。典型的には、これらの製品は、固体状の外側部分と、柔らかい若しくは液体タイプの中心部分とを有する。上記外側部分は、幾つかのタイプのチューインガム若しくはバブルガムであってもよく、一方液体状の中心部分は、典型的にシロップ状の粘稠性の風味材料であってもよい。
【0003】
しかしながら、幾つかの中心充填製品の場合、調製が困難であった。ある特定の中心充填組成物は、漏出し、移動する傾向を有することが分かっている。中心充填組成物は、チューインガム領域に吸収される傾向を有する。これは特に、液体充填チューインガム組成物において問題となる。特定のポリオール(例えばソルビトール)がチューインガム領域において使用されるときに、移動の問題が特に顕著になる。例えばソルビトールは高い多孔性を有し、それにより、中心充填組成物から液体が吸収され易い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流動性の低下を防止しつつ、複数領域(例えば中心充填)ガムとの組み合わせで、所望のハードシェルコーティング層を提供する、新規なガム組成物、特にハードコーティング若しくはチューイーコーティングされたガムに対するニーズが存在する。また、製造の間、及びその貯蔵の間、その液体領域組成物を保持し、かつ、液体領域の特性を損なうことなく、小型の粒サイズで調製することが可能である、複数領域ガムに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
製品の第2領域又はガム領域にイソマルトを添加することによって、高い安定性が得られることを見出し、それにより、中心充填組成物(疎水性及び親水性成分の移動を含む)の漏出及び移動の問題が軽減される。イソマルトは、複数領域(例えば中心充填)ガムのガム領域への使用に対して効果を発揮しうる、様々な特性を有する。特に、イソマルトの粒径、粒子表面積、水溶性及び水分吸収特性は、かかるチューインガム組成物への使用にとり好ましい。ガム領域にイソマルトを含有(単独で、又は他のポリオールとの組み合わせのいずれでもよい)させることにより、他の領域(例えば中心充填領域)における吸収性の減少による、貯蔵寿命安定性、並びに機械加工されたチューインガム粒のサイズ安定性及び密封完全性が、ガム領域に提供される。サイズ安定性及び密封完全性により、従来のものより小さいチューインガム粒の機械処理が可能となる。
【0006】
幾つかの実施形態は、第1領域組成物と、第1領域組成物に隣接する第2領域組成物と、を含んでなる複数領域チューインガム組成物の提供に関し、上記第2領域は、エラストマーと、イソマルトを単独で若しくは少なくとも第2のポリオールとの組み合わせで含んでなるポリオール組成物と、を含んでなる。
【0007】
幾つかの実施形態は、中心充填組成物と、中心充填組成物を囲んでいるガム領域組成物と、を含んでなる中心充填チューインガム組成物の提供に関し、上記ガム領域組成物は、ガムベースと、イソマルトを単独で若しくは少なくとも第2のポリオールとの組み合わせで含んでなるポリオール組成物と、を含んでなる。
【0008】
幾つかの実施形態は、液体状の中心充填組成物と、中心充填組成物を囲んでいるガム領域と、を含んでなる中心充填チューインガム組成物の提供に関し、上記ガム領域は、エラストマーと、ポリオール組成物に対して約75重量%〜約100重量%の量のイソマルト及びポリオール組成物に対して約0重量%〜約25重量%の量のソルビトールと、を含んでなるポリオール組成物を含んでなる。
【0009】
幾つかの実施態様は複数領域チューインガム組成物の調製方法の提供に関し、当該方法は以下のステップを含んでなる:
(a)第1領域組成物と、第1領域組成物に隣接する第2領域組成物と、を含んでなる複数領域組成物を押出加工するステップであって、当該第2領域組成物が、
(i)エラストマーと、
(ii)イソマルトを単独で若しくは少なくとも第2のポリオールとの組み合わせで含んでなるポリオール組成物と、を含んでなるステップと、
(b)複数領域組成物のサイズを調整するステップと、
(c)複数領域組成物を成形装置に供給するステップと、
(d)複数領域組成物の個々の粒を形成するステップと、
(e)当該個々の粒をコーティングでコーティングするステップ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】幾つかの実施態様において使用されるタイプの、典型的なガム(スラブ状)の斜視図を示す。
【図2】図1のスラブの端の形状の配置を示す。
【図3】図1のスラブの端の形状の配置を示す。
【図4】図1のスラブの断面を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
幾つかの実施形態は、第1領域組成物と、第1領域組成物に隣接する第2領域組成物と、を含む複数領域チューインガム組成物に関する。例えば、第1領域組成物は中心充填組成物でもよく、第2領域組成物は上記中心充填組成物を囲むガム領域でもよい。第1領域組成物は液体組成物でもよく、例えば風味料、甘味料などの成分を含んでなってもよい。第2領域組成物は、エラストマーと、イソマルトを単独で若しくは少なくとも第2のポリオール(例えばソルビトール)との組み合わせで含んでなるポリオール組成物と、を含んでなる。
【0012】
イソマルトは、二糖のアルコールである。イソマルトは、イソマルツロースを水素化することにより調製できる。水素化処理による生成物としては、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(1,6−GPS)、1−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(1,1−GPS)、1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(1,1−GPM)、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(1,6−GPM)及びそれらの混合物などが挙げられる。幾つかの市販のイソマルト材料は、1,6−GPSと1,1−GPMとのほぼ等モルの混合物を含んでなる。他のイソマルト材料は、純粋な1,6−GPS、1,1−GPS、1,6−GP及び1,1−GPMを含んでなってもよい。更に他のイソマルト材料は、1,6−GPS、1,1−GPS、1,6−GPM及び1,1−GPMの任意の比率の混合物を含んでなってもよい。
【0013】
上記したように、複数領域チューインガムの第2領域組成物にイソマルトを含有させることにより、チューインガムに安定性が提供される。イソマルトは、複数領域チューインガムの第2領域への使用において、特に粒径、表面積及び水溶性などの、多くの有利な特性を有しうる。一般には、第2領域において使用されるイソマルトの粒径は、約15〜約100μmでもよく、より具体的には約15〜約70μm、更に具体的には約20〜約50μmである。これらの粒径は、従来使用されているポリオール(典型的には100μmを超える粒径を有する)より顕著に小さい。ガム領域において使用されるイソマルトの表面積は、約0.5m/gでもよい。更に、イソマルトの水溶性は、30℃で35%未満である。対照的に、マルチトールの水溶性は、30℃で約60%である。イソマルトの低い水溶性により、処理の間、その可溶化が防止され、それにより製造されたチューインガム粒のサイズ安定性が向上する。
【0014】
幾つかの実施形態では、イソマルトは、ポリオール組成物の約60重量%〜約100重量%の量、より具体的にはポリオール組成物の約75重量%〜約100重量%で存在してもよい。ポリオール組成物中の更なるポリオールとしては、例えばソルビトール、マルチトール、エリトリトール、キシリトール、マンニトール、ラクチトール及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。幾つかの実施形態では、上記ポリオール組成物は、例えば、約50重量%〜約100重量%のイソマルトと、約0重量%〜約50重量%のソルビトールと、を含んでなる。幾つかの他の実施形態では、上記ポリオール組成物は、約75重量%〜約100重量%のイソマルトと、約0重量%〜約25重量%のソルビトールと、を含んでなる。ポリオール組成物における、イソマルト 対 ソルビトールの比率は、幾つかの実施形態では、約3:2〜約4:1でもよい。イソマルトとソルビトールと、を含んでなる幾つかの実施形態では、イソマルトは、上記の通りの粒径を有してもよく、ソルビトールは、約200〜約250μmの粒径を有してもよい。
【0015】
イソマルトに加えて、シロップを、第2領域に添加してもよい。シロップとしては、水素化澱粉加水分解物、特にリカシン(Lycasin)(登録商標)などが挙げられる。上記シロップとしてはまた、砂糖、トリアセチン、レシチチン及びポリオール(例えば水素化澱粉加水分解物、ソルビトール、マルチトール、グリセリン及びそれらの組み合わせ)が挙げられる。
【0016】
幾つかの実施形態では、上記シロップは、第2領域のポリオール組成物を飽和させる機能を発揮し、それにより、第2領域に第1領域組成物が吸収される傾向が低下する。幾つかの実施形態では、かかるシロップは、チューインガム組成物の約1重量%〜約15重量%、より具体的には約3重量%〜約12重量%、より具体的には約9重量%〜約12重量%の量で存在してもよい。
【0017】
シロップを含んでなる幾つかの実施形態では、ポリオール組成物 対 シロップの比率は、ガム領域においては約15:1〜約4:1である。より具体的には、幾つかの実施形態では、ポリオール組成物 対 シロップの比率は、約8:1〜約6:1である。
【0018】
本願明細書に記載されている複数領域チューインガム組成物は、従来のチューインガム組成物と比較し、改良されたサイズ安定性及びより強力な密封性を示す。チューインガム組成物の改良された機械処理適性により、従来のチューインガム組成物を有するものと比較し、より小さい複数領域ガム粒の製造が可能となる。例えば、本願明細書に記載されているチューインガム組成物を使用して、約1.6g以上の重量とは対照的に、約1.2gの個々の粒の重量を有する複数領域ガム粒の形成が可能となる。したがって、幾つかの実施形態では、上記チューインガム粒は、約1.2g〜約1.6gの個々の粒の重量を有してもよい。より小さいガム粒は商業的に望ましく、更に、従来の大型の中心充填ガム粒よりも、一様にコーティングがなされることを見出した。
【0019】
幾つかの実施形態では、複数領域チューインガムは、多層ガム(例えば3層ガム)を含んでなってもよく、詳細には、その中心層が第1のガム層と接触する第1表面と、第2のガム層と接触する第2表面と、を有する。本願明細書に記載されている、チューインガム層の一方又は両方へのイソマルトの添加は、2枚のガム層への中心層組成物の移動を防止若しくは少なくとも減少させるために望ましいと考えられる。更に、かかる移動を減少させることは、各別々の層の異なる特徴(例えばテクスチャ又は風味)の維持にとり望ましいと考えられる。幾つかの実施形態では、中心層組成物に含まれる親水性及び/又は疎水性成分の移動が減少する。例えば、中心層組成物に含まれる水及び/又は油の移動を減少させることは望ましいと考えられ、それにより、チューインガム粒の安定性に影響を及ぼすことに加えて、チューインガム層の特徴に影響を及ぼしうる。また、幾つかの実施形態では、中心層組成物の移動の減少を補助するバリア層を使用してもよく、それは例えば出願人による2006年4月26日に出願の、同時係属中の米国特許出願第11/411543号に記載されている。
【0020】
本願明細書では、活用される用語「含んでなる」(また「含む」など)(「包含する」、「含有する」、「〜を特徴とする」と同義)は、請求項の前文若しくは本文におけるその使用に関係なく、包括的若しくはオープンエンドな意味で用いられ、詳述されない要素又は工程段階のいかなる追加を排除するものではない。
【0021】
本願明細書の用語「バブルガム」及び「チューインガム」は、同義的に使用され、共にいかなるガム組成物も包含するものである。
【0022】
本願明細書の用語「第1領域」又は「中心充填」とは、組成物の最奥の領域のことを指す。これらの用語は、ガム粒が左右対称であることを意味せず、「第1領域」又は「中心充填」が、ガム粒の他の領域に隣接するか、又はその中に存在することを意味するのみである。幾つかの実施形態では、複数の中心充填が存在してもよい。
【0023】
本願明細書の用語「第2領域」及び「ガム領域」とは、上記中心充填領域又は第1領域と、隣接するか、又はそれらを少なくとも部分的に囲むことができる、組成物の領域のことを指す。
【0024】
本願明細書の用語「コーティング」とは、組成物の最外領域を指すために使用される。用語「コーティング」は、微粒子状若しくは非微粒子状の組成物を含有してもよい。
【0025】
本願明細書の用語「囲む」、「包囲する」などは、囲むことに限定されない。これらの用語は、全ての側面を囲む若しくは閉じ込める、包囲若しくは包埋することを指し、ガム製品の領域が対称形的な若しくは同一の厚みである態様に限定されるものではない。
【0026】
本願明細書で使用する「液体」という用語は、室温及び常圧下で、容易に途切れずに連続するか又は流動特性を維持する組成物のことを指す。「液体」という用語にはまた、複数の液体の均一若しくは非均一な混合物であってもよい、組成物も包含される。
【0027】
本願明細書の用語「成分」及び用語「構成成分」は、幾つかの実施形態に係るガム組成物に含有させることができる、いかなる添加物、固定化剤、物体、材料、薬剤、有効成分、元素又は部分を記載するために、同義的に用いられる。
【0028】
本願明細書の「複数領域」という用語は、異なる組成を有する複数の領域を有する、組成物のことを指す。かかる「複数領域」組成物は、複数の同心の層、横方向/縦方向の層などの、いかなる形態で構成されてもよい。このように、上記複数の層は、各々の少なくとも一部を囲んでもよく、及び/又は、各々と隣接していてもよい。
【0029】
上記したように、本願明細書に記載されている実施形態は、少なくとも1つの第1領域(例えば中心充填領域)と、並びに、エラストマーと、イソマルトを単独で若しくは他のポリオールとの組み合わせで含んでなるポリオール組成物と、を含むガム領域などの第2領域と、を含んでなる複数領域チューインガム組成物の提供に関する。個々のガム粒はまた、外側のガムコーティング又はシェルを含んでなってもよく、それは典型的には、最初にその粒を噛んだとき、クランキーな食感を提供する。個々のガム粒は、特にペレット、タブレット、ボール、ピロー、チャンク、スティック及びスラブなどの様々な形状で形成されてもよい。
【0030】
例えば、幾つかの実施形態では、個々のガム粒は図1に示すようにスラブ10の形であってもよい。スラブ10は、そのそれぞれの端12で囲まれた、長さ(l)、幅(w)及び厚み(t)を有してもよい。スラブの長さは、約20mm〜約80mm、具体的には約25mm〜約55mm、より具体的には約25mm〜約45mmでもよい。スラブの幅は、約5mm〜約50mm、具体的には約10mm〜約30mm、より具体的には約10mm〜約15mmでもよい。スラブの厚さは、約0.5mm〜約30mm、具体的には約0.5mm〜約20mm、より具体的には約0.5mm〜約10mmでもよい。スラブ10の1つ以上のエッジ12は、チューインガム粒に適するいかなる形態であってもよく、それぞれ、例えば図2及び3に示すように、丸形の角12a又は直角の角12bなどであってもよい。図4に示される断面図に示すように、スラブ10は、液体充填組成物中心100と、液体充填組成物中心を囲んでいるガム領域200と、を有してなる。
【0031】
幾つかの実施形態では、外側コーティングは、スラブを少なくとも部分的に囲んでもよい。具体的には、スラブの一面がコーティングされてもよく、スラブの2つの面がコーティングされてもよく、又はコーティングにより全てのガムスラブが囲まれてもよい。スラブに塗布されるコーティングは、約1μm〜約7mmの厚さを有してもよい。適切なコーティング組成物は、以下で更に詳細に記載する。
【0032】
幾つかの実施形態では、組成物の構成成分は、全ガム組成物の所望の形状に応じて、様々な位置関係であってもよい。上記1つ以上の第1領域は、同心の位置関係で第2領域に対して内部に存在してもよく、又は層状の位置関係において存在してもよい。同心の位置関係は、ボール、ピロー又はペレット形状において可能であり、一方、層状の位置関係は、スラブ又はスティック形状においてより好適であると考えられる。例えば、全ガム組成物がボール形状である場合、中空、円形のシェルをガム粒の最奥の領域に形成させてもよい。上記シェルを第1領域組成物で充填してもよく、また他の領域又はガム粒の層がその中心充填領域を囲んでもよい。しかしながら、全ガム組成物がスラブ形状である場合、最奥の領域に形成される中空シェルは、矩形の形状でもよい。矩形に成型されたシェルに、第1領域組成物を充填してもよく、またガム粒の他の領域又は層で、矩形の中心充填領域の、長方形の全ての側面を、囲むか若しくは封じ込めてもよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、上記第2領域は、不均一な厚を有してもよい。特に、層状の位置関係である実施形態における第2領域は、ガム粒の側部よりも端部において薄くなってもよい。
【0034】
ガム組成物の第1領域は、液体、固体若しくは半固体、気体等であってもよい。液体状の第1領域組成物(幾つかの場合、半固体状の第1領域組成物であってもよい)を含む実施形態は、上記したように、製造及び貯蔵の間の、液体組成物(親水性及び疎水性成分の両方を含む)の保持に関する考慮が含まれていてもよい。したがって、液体組成物の漏出を実質的に減少させるか若しくは防止する際に、液体充填ガムにおいて、第2領域組成物を使用することは望ましいと考えられる。適切な第2領域組成物を、本願明細書において詳述する。
【0035】
幾つかの実施形態では、上記第1領域は、液体状、固体状、半固体状又は気体状の第1領域組成物で、実質的に若しくは完全に充填されてもよい。幾つかの他の実施形態では、第1領域は、液体状、固体状、半固体状又は気体状の第1領域組成物で、部分的にのみ充填されてもよい。
【0036】
幾つかの実施形態では、第1領域は、2つ以上の第1領域組成物を含んでなってもよい。上記2つ以上の第1領域組成物は、同じ若しくは異なる形態であってもよい。例えば、幾つかの実施形態では、2つ以上の異なる液体の混合物を含んでなってもよく、それらは混和可能であってもよく、又は混和不可能であってもよい。同様に、幾つかの実施形態では、第1領域中に、2つ以上の固形物、半固体又は気体を別々に含んでなってもよい。幾つかの実施形態は、異なる第1領域の形態を、混合して含ませてもよい。例えば、液体及び固体を、第1領域に含ませてもよい。第1領域において使用される2つ以上の液体、固体、半固体及び/又は気体を、同じ若しくは異なる量で含ませてもよく、それらは同様の若しくは異なる特性を有してもよい。より詳細には、幾つかの実施形態では、2つ以上の第1領域組成物は、様々な特性(例えば粘性、色、風味、味覚、知覚、構成成分、機能成分、甘味料等)において異なってもよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、第1領域組成物はまた、非液体成分(例えば風味ビーズ、フルーツ片、ナッツ片、調味料片、ゼラチン部分など)を含んでなってもよい。
【0038】
本明細書に記載の複数充填ガム組成物及び他の組成物は、Degadyらの米国特許第6280780号(「Degady」、その全開示内容を本願に援用する)に記載の方法を含む、当該技術分野で公知のいかなる技術で形成してもよい。Degadyは、中心充填ガムペレットを形成するための装置及び方法を記載している。その方法は、まず液体充填されたチューインガム層のロープを押し出し、そのロープを一連の対のプーリ型ローラ装置を含むサイジング機構に通すことを特徴とする。上記ローラ装置では、打錠機構に導入する際に望ましいサイズ及び形状を有し、一連のローラから離すように、ガム材料のロープ又はストランドの「サイズ」を調整する。
【0039】
次に、エンドレスチェーン機構であり、双方がモータ及びギア機構によって等速度で回転する一対の回転チェーンダイ(chain die)部材を有する打錠機構に、ロープを導入する。チェーン機構の各々は複数の開放湾曲ダイ溝部材を有し、それらは対合し、ガム材料の粒(ペレット又は錠剤)が形成されるダイ空洞を形成する。Degadyの技術はペレット状又はタブレット状の粒の形成に限定されるが、ガム粒は前記のようにその他の形状であってもよい。ダイ溝部材の形状を変更し、任意の所望の形状としてもよい。
【0040】
ガムを打錠機構に導入する前、打錠機構から出た後のいずれか、又はその両方において、任意に冷却トンネルを通過させてもよい。打錠機構に入れる前にロープを冷却することにより、個々の粒の反跳の防止という利点が得られ、それにより生産性増大がもたらされうる。
【0041】
冷却済のガム材料の粒を次いで、調整用及び更なる処理用の保存容器内に供給する。この時点で、冷却済のガム材料の粒を、回転トンネル機構などのコーティングトンネル機構に直接供給してもよい。
【0042】
形成されたガム材料の粒を先ず保存容器内に保存して輸送する場合においても、又はコーティングトンネル若しくは機構に直接供給する場合においても、ガム材料の個々の粒をその後、従来のシュガーコーティング又はシュガーレスコーティング工程に供し、液体充填ガム材料の外側にハードシェルを形成させてもよい。このタイプの様々なコーティング工程又は機構は公知である。幾つかの実施形態では、数多くの材料の層によるコーティングを塗布して、ガム製品に適切な均質なコーティングを施し、仕上げられた質感の表面を形成させる。砂糖、マルチトール、ソルビトール又は本明細書に記載のものを含む他のいずれかのポリオール、並びに任意に風味料を含んでよいハードコーティング材料を、コーティング機構又はコーティングトンネルを通過させる際に、その中でガム材料のペレットに噴霧、混転(tumble)及び回転(rotate)させる。更に、調整された空気をコーティングトンネル又は機構内に循環させ又は供給することにより、得られる各々の生成物の表面の連続コーティング層を乾燥させる。幾つかの実施形態では、コーティング若しくは最外領域は、積層、二重若しくは多重押し出し、又は最外領域を調製するための他のあらゆる工程によって形成させてもよい。
【0043】
上記コーティング組成物は、個々のガム粒(第1領域、第2領域及びコーティングを含む)の約2重量%〜約80重量%、より具体的には約20重量%〜約40重量%であってもよく、より具体的には25重量%〜35重量%、更に具体的には約30重量%である。上記コーティングは、主要な成分として砂糖、又はマルチトールなどのポリオールを含んでもよいが、第2領域に関して後述するように、風味剤、着色剤などを含んでもよい。上記コーティング又は最外領域は、結晶質でもよく、非晶質でもよい。
【0044】
幾つかの実施形態では、複数領域チューインガムは、イソマルトで第2領域を修飾することにより、第1領域から第2領域への移動が防止される。第1領域組成物に含まれる親水性成分(特に水)及び疎水性成分(特に油)の両方の移動が防止されるか又は少なくとも減少するのが好ましいと考えられる。これは特に、液体充填チューインガム実施形態において好適である。これは、液体中心充填製品の製造及び保存安定性に関連する問題に対して十分に対処できなかった従来の方法とは対照的である。
【0045】
複数領域チューインガム製品のサイズはまた、ガム組成物の性能及び安定性に影響を及ぼしうる。例えば、中心充填ペレットの場合、ガムのサイズは、最適には、長さが約18〜21mm、幅が約12〜16mm、及び高さが約7〜10mmである。望ましくは、上記ガム粒は、長さ約19mm、幅約14mm及び高さ約8mmである。ガム粒(コーティングを有する)は、好適には約1.5〜3g、最も好適には約2gの重量である。
【0046】
幾つかの実施形態では、より小さい粒サイズを有する。従来、液体中心充填ガムの粒サイズは約5〜7gの範囲である。本願明細書に記載されている幾つかの実施形態では、液体充填製品は、流動性が損なわれることなく、又はガム領域若しくはその向こう側のコーティングへの液体の移動を生じさせることなく、実質的により小さい粒サイズ(すなわち50〜60重量%小さい)で調製されるようになった。幾つかの実施形態は、外側のハードコーティングシェルの追加を含めて約0.5g超、より具体的には1.5g超〜3gまでのサイズ範囲の、液体充填ガム粒の提供に関する。更に、幾つかの実施形態では、上記ガム粒は、第1領域(例えば中心充填)と、第2領域(例えばエラストマーを含んでなるガム領域)と、外側コーティングと、を含んでなってもよい。かかるガム粒は、粒あたり約2.2gの合計重量であってもよい。
【0047】
液体充填の実施形態に関しては、かかる小型の粒、また、特に、液体の重量に対して比較的大きい液体充填表面領域を有するガムの形状又は位置関係を有する粒子は、当然ながら、様々な要因の相互作用により、第1領域の流動性を喪失する傾向が大きいことが見出されている。単一の理論に拘束されるわけではないが、これらの要因としては、第2領域又はガム領域の表面(液体充填物が直接接触する)と比較し液体充填物の量が相対的に少ないこと、液体充填物と上記のタイプのエラストマーとの相互作用(すなわちSBR 対 非SBR)、液体充填物の成分と第2領域の成分との適合性、並びに第2領域で使用されるポリオールの潜在的な毛管作用などが挙げられる。例えば、ソルビトール(米国のガム調製物において慣習的に使用される)の構造は、強固に圧縮された結晶構造を提供せず、まるでスポンジのような外観を与える。したがって、約3g未満の複数領域ガム粒を提供するために、本発明では、上記第2領域を、従来のソルビトールを用いた第2領域の組成に起因するスポンジ様の構造とは異なる、ポリオール組成物を含有する態様に変更し、それにより、流動性の低下が少ない複数領域ガム粒が得られる。
【0048】
他の有用な複数領域ガム組成物及び/又はそこにおいて使用される成分に関しては、以下の同時係属中の特許出願(それらの全開示内容を本願明細書に援用する)を参照されたい:
2007年2月26日に出願の、米国特許出願第11/710830号(代理人整理番号1421−5 CIP II、発明の名称「液体充填チューインガム組成物」)、2007年2月26日に出願の、米国特許出願第11/710758号(代理人整理番号1421−5 CIP III、発明の名称「液体充填チューインガム組成物」)、2006年4月21日に出願の、米国特許出願第11/408761号(代理人整理番号1421−5 CIP IV、発明の名称「液体充填チューインガム組成物」)、2006年4月26日に出願の、米国特許出願第11/411543号(代理人整理番号1421−137、発明の名称「バリア層を有する中心充填チューインガム」)、2006年5月1日に出願の、米国特許出願第11/414919号(代理人整理番号1421−138A、発明の名称「中心充填チューインガム組成物」)、及び、2006年5月1日に出願の、米国特許出願第11/415043号(代理人整理番号1421−139A、発明の名称「多峰性チューインガム組成物」)。
【0049】
<第2領域又はガム領域>:
ガム領域(また請求項では第2領域とも呼ばれる)は、1つ以上の空腔をその中に有してもよく、それにより第1領域組成物が収納される。上記空腔の形状は、主にチューインガム粒の最終的な位置関係により決定される。上記第2領域は、イソマルトを単独で、又は少なくとも第2のポリオール(例えばソルビトール)との組み合わせで含んでなるポリオール組成物を含んでもよい。
【0050】
幾つかの液体充填の実施形態では、第2領域は、液体充填を包囲して、その移動及び尚早な放出を防止するための液体バリアとして機能してもよい。所望の、液体充填物の重量に対する空腔表面積の比率の選択によって、ガム領域への潜在的な液体充填の移動の減少を最適化できる。これは、ガム粒サイズは従来の商品化されたガム粒より実質的に小さいことが望ましい場合に、特に有用である。特に、全てのガム粒の重量が2〜3gのサイズである液体充填ペレットガムを、調製することができた。しかしながら、より小さいガム粒(約0.5g)も本発明に包含される。
【0051】
上記したように、上記第2領域はエラストマーとポリオール組成物と、を含んでなる。幾つかの実施態様では、第2領域又はガム領域は、ガムベースとポリオール組成物と、を含んでなる。ポリオール組成物は、イソマルトを単独で、又は1つ以上の更なるポリオール(例えばソルビトール、マルチトール、エリトリトール、キシリトール、マンニトール、ラクチトール等、及びそれらの組み合わせ)との組み合わせで含んでなる。イソマルトベースのガム領域は、本願明細書に記載されているチューインガム組成物から作られる複数領域チューインガム粒の安定性及び機械処理適性を改善する。
【0052】
上記ガムベースは、チューインガムの分野において公知のいかなる成分を含んでもよい。例えば、上記第2領域は、エラストマー、増量剤、ワックス、エラストマー溶媒、乳化剤、可塑剤、充填材及びそれらの混合物を含んでもよい。その際、上記第2領域は、第1領域、第2領域及びコーティング層を含む3つの成分組成物中に含まれ、当該第2領域はチューインガム粒の約40重量%〜約97重量%、具体的には約55重量%〜約65重量%、より具体的には約62重量%で含まれてもよい。
【0053】
上記ガムベース(例えば1つ以上のエラストマー(ガム領域に存在する))の量は、変化させることもできる。幾つかの実施形態では、上記ガムベースは、ガム領域の約25重量%〜約45重量%の量で、ガム領域に含まれてもよい。幾つかの実施形態に係るガムベースのより具体的な範囲は、ガム領域の約28重量%〜約42重量%であってもよい。より具体的には、上記の範囲は、幾つかの実施形態では約28重量%〜約35重量%、又は約28重量%〜約30重量%であってもよい。あるいは、幾つかの高ガムベースの実施形態では、上記ガムベースはガム領域の約45重量%〜約100重量%の量で存在してもよい。
【0054】
ガムベースにおいて使用されるエラストマー(ゴム)は、様々な要因(例えば要求されるガムベースのタイプ、要求されるガム組成物の粘稠性、及びチューインガム最終製品を製造する際に組成物において使用される他の成分)に応じて大きく異なる。上記エラストマーは、当該技術分野で公知のいかなる水不溶性ポリマーでもあってもよく、チューインガム及びバブルガムで利用されるガムポリマーなどが挙げられる。ガムベースの適切なポリマーの例としては、天然及び合成のエラストマーの両方が挙げられる。例えば、ガムベース組成物において適切なポリマーとしては、限定されないが、チクルなどの天然物質(植物性起源)、天然ゴム、クラウンガム、ニスペロ(nispero)、ロシジンハ(rosidinha)、ジェルトン、ペリロ(perillo)、ニガー・グッタ(niger gutta)、トゥーヌ、バラタ、グッタペルカ、レチ・カプシ(lechi capsi)、ソーバ、グッタ・カイ(gutta kay)など、及びそれらの組み合わせが挙げられる。合成エラストマーの例としては、限定されないが、ブタジエンスチレンコポリマー(SBR)、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。コポリマーとしては、規則的なA単位とB単位との繰り返しを有する繰り返しコポリマー、A及びB単位を有するコポリマーが、反復配列として周期的に配置されているコポリマー(例えば(A−B−A−B−B−A−A−A−A−B−B−B))、モノマーA及びBのランダムな配列を有するランダムコポリマー、統計的コポリマー(上記ポリマー配列の範囲内のそれぞれのモノマーの順序が、周知の統計規則に従う)、及びブロックコポリマーが挙げられる。
【0055】
更なる有用なポリマーとしては、架橋されたポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート;乳酸のコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、可塑化エチルセルロース、ポリビニールアセテートフタレート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
ガムベースにおいて使用されるエラストマーの量は、様々な要因(例えば使用されるガムベースのタイプ、要求されるガム組成物の粘稠性、及びチューインガム最終製品の製造において組成物に使用される他の成分)によって変化させてもよい。一般に、エラストマーは、ガム領域の約10重量%〜約60重量%、望ましくは約35重量%〜約40重量%の量でガムベースに存在する。
【0057】
幾つかの実施形態では、上記ガムベースはワックスを含んでもよい。それは重合エラストマー混合物を軟化し、ガムベースの弾力性を高める。存在させる場合には、使用される上記ワックスは約60℃未満、好ましくは約45℃〜約55℃の融点を有する。低融点ワックスは、パラフィンワックスでもよい。上記ワックスは、ガムベースの重量に対して約6重量%〜約10重量%、好ましくは約7重量%〜約9.5重量%の量でガムベースに存在してもよい。
【0058】
低融点ワックスに加えて、高融点ワックスを、ガムベースの重量に対して約5重量%までの量で、ガムベースにおいて使用してもよい。かかる高融点ワックスとしては、蜜蝋、木蝋、カンデリラワックス、カルヌバ(carnuba)ワックス、多くの石油ワックスなど、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
上記した成分以外にも、ガムベースは、他の様々な成分(例えばエラストマー溶媒、乳化剤、可塑剤、充填材及びそれらの混合物から選択される成分)を含んでもよい。
【0060】
ガムベースは、エラストマー成分を軟化させる際の助剤として、エラストマー溶媒を含んでもよい。かかるエラストマー溶媒としては、当該技術分野で公知のエラストマー溶媒が挙げられ、例えば、テルピネン樹脂(例えばα−ピネン又はβ−ピネンのポリマー)、ロージンのメチル、グリセロール及びペンタエリスリトールエステル、修飾されたロージン及びガム(例えば水素化、二量体化及び重合ロージン)、並びにそれらの混合物が挙げられる。本発明における使用に適するエラストマー溶媒の例としては、部分的に水素化されたウッド及びガムのロージンのペンタエリスリトールエステル、ウッド及びガムのロージンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロージンのグリセロールエステル、部分的に二量体化されたウッド及びガムのロージンのグリセロールエステル、重合したウッド及びガムのロージンのグリセロールエステル、トール油ロージンのグリセロールエステル、ウッド及びガムのロージンのグリセロールエステル、部分的に水素化されたウッド及びガムのロージンのグリセロールエステル、並びにウッド及びロージンの部分的に水素化されたメチルエステルなど、並びにその混合物が挙げられる。上記エラストマー溶媒は、ガムベースの重量に対して約2重量%〜約15重量%、好ましくは約7重量%〜約11重量%の量で、ガムベースに使用してもよい。
【0061】
上記ガムベースは、単一の安定な系中で混合されない成分の分散を補助するための乳化剤を含んでもよい。本発明において有用な乳化剤としては、グリセリルモノステアレート、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールモノステアレート、及びそれらの混合物などが挙げられる。上記乳化剤は、ガムベースの重量に対して約2重量%〜約15重量%、より具体的には約7重量%〜約11重量%の量で使用してもよい。
【0062】
上記ガムベースは、様々な望ましいテクスチャ及び粘稠特性を得るために、可塑剤又は軟化剤を含んでもよい。これらの成分は低分子量であるため、上記可塑剤及び軟化剤は、ガムベースの基本構造を透過でき、それにより、可塑性が向上し、及び粘稠性が低下する。有用な可塑剤及び軟化剤としては、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、グリセリルモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、アセチル化モノグリセリド、グリセリンなど、及びそれらの混合物が挙げられる。ワックス(例えば天然及び合成ワックス、水素化植物油、石油ワックス(例えばポリウレタンワックス)、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、微結晶ワックス、脂肪ワックス)、ソルビタンモノステアレート、獣脂、プロピレングリコール、それらの混合物などをガムベースに添加してもよい。上記可塑剤及び軟化剤は一般に、ガムベースの重量に対して、約20重量%の量でガムベースに、より具体的には約9重量%〜約17重量%の量で、ガムベースに使用される。
【0063】
可塑剤には、水素化植物油が含まれ、大豆油及び綿実油が含まれ、それらは単独で、又は、組み合わせて使用できる。これらの可塑剤の使用により、良好なテクスチャを有し、噛んだときに柔軟な食感を提供するガムベースが得られる。これらの可塑剤及び軟化剤は一般に、ガムベースの重量に対して、約5重量%〜約14重量%の量で、より具体的には約5重量%〜約13.5重量%の量で使用される。
【0064】
無水グリセリンは、軟化剤として使用されることもでき、例えば市販の米国薬局方(USP)等級が使用できる。グリセリンは、甘い暖かい味覚を有するシロップの液体であって、ショ糖の約60%の甘味を呈する。グリセリンは吸湿性であるため、無水グリセリンを使用する際は、チューインガム組成物の調製が、全体にわたって無水条件に維持されるのが好ましい。
【0065】
幾つかの実施形態では、ガムベースは、有効量の増量剤(例えば充填材及びテクスチャー剤として機能しうる鉱物補助剤)を含んでもよい。有用な鉱物補助剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウムなど、及びそれらの混合物が挙げられる。これらの充填材又は補助剤は、様々な量において、ガムベース組成物において使用できる。充填材の量は、ガムベースの重量に対して約0〜約40重量%、より具体的には約0〜約30重量%の量で存在してもよい。幾つかの実施形態では、上記充填材の量は約0〜約15重量%、より具体的には約3重量%〜約11重量%である。
【0066】
様々な従来公知の成分(例えば着色剤、酸化防止剤、防腐剤、風味剤、高強度甘味料など)を、ガムベース中に任意に有効量で含ませてもよい。例えば、食品、薬剤及び美顔用途に適している二酸化チタン及び他の色素(F.D.&C.dyesとして公知)を利用してもよい。ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレート及びそれらの混合物などの酸化防止剤を含ませてもよい。チューインガム技術の当業者にとり公知の他の従来公知のチューインガム添加物を、ガムベースに使用してもよい。ガム領域に、あるいは液体充填領域又はコーティングに添加できる様々な成分を、以下において「更なる構成成分」というタイトルのセクションにおいて更に詳細に記載する。
【0067】
幾つかの実施形態は、複数領域ガム組成物の製造方法に関する。ガムベース構成成分を混合する方法は限定されず、当業者に公知の標準的な技術及び装置を使用して実施できる。典型的な方法では、エラストマーを、エラストマー溶媒及び/又は可塑剤及び/又は乳化剤と混合し、1〜30分間激しく撹拌する。残りの成分(例えば低融点ワックス)を次に、一度に、又は逐次混合し、一方ガムベース混合物を再び1〜30分間混合する。
【0068】
上記ガム組成物は、甘味剤(甘味料)、可塑剤、軟化剤、乳化剤、ワックス、充填材、増量剤(担体、増量剤、バルク甘味料)、鉱物補助剤、風味剤(風味料、調味料)、着色剤(着色料、色素)、酸化防止剤、酸味料、増粘剤、薬剤などからなる群から選択される従来公知の添加物、並びにそれらの混合物を、一定量で含んでもよい。これらの添加物は、複数の目的を果たしうる。例えば、シュガーレスのガム組成物では、甘味料(例えばマルチトール又は他の糖アルコール)を、増量剤として機能させることもできる。
【0069】
上記の可塑剤、軟化剤、鉱物補助剤、ワックス及び酸化防止剤(ガムベースへの使用に適する)を、チューインガム組成物に使用してもよい。使用できる他の従来公知の添加物の例としては、乳化剤(例えばレシチン及びグリセリルモノステアレート)、増粘剤(単独で、又は他の軟化剤との組み合わせで使用される。例えばメチルセルロース、アルギネート、カラゲーニン、キサンタンガム、ゼラチン、キャロブ(carob)、トラガカントゴム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギネート、ガラクトマンナン(例えばグアーゴム)、キャロブビーンガム、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、澱粉誘導体、デキストリン及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体)、酸味料(例えばリンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸及びそれらの混合物)、並びに充填材(例えば鉱物補助剤のカテゴリで上記したもの)が挙げられる。
【0070】
幾つかの実施形態では、第2領域は、増量剤を含んでもよい。適切な増量剤は、水溶性であってもよく、制限されないが、以下から選択される甘味料が挙げられる:単糖、二糖、多糖類、糖アルコール及びそれらの混合物、ランダムに結合したグルコースポリマー(例えば商品名「Litess」(商標)として市販のポリマー、ポリデキストロースの商標であり、Danisco Sweeteners社(ブライトン通り41−51、Redhill、Surryey、RHl 6YS、UK)製である)、イソマルト(α−D−グルコピラノシル−1,6−マンニトールとα−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトールとのラセミ混合物、Palatinit Sussungsmittel社製、ゴットリーブ−ダイムラー通り12a、68165、マンハイム(ドイツ)、商品名「PALATINIT」)、マルトデキストリン、水素化澱粉加水分解物、水素化ヘキソース、水素化二糖、ミネラル(例えば炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、リン酸二カルシウム)、セルロース、ならびにそれらの混合物。
【0071】
好適な糖質の増量剤としては、単糖、二糖及び多糖類(例えばキシロース、リブロース、グルコース(デキストロース)、ラクトース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(左旋糖)、ショ糖(砂糖)、マルトース、転化糖、部分加水分解された澱粉及びコーンシロップ固体)及びそれらの混合物が挙げられる。
【0072】
好適な糖アルコールの増量剤としては、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、ラクチトール、マルチトール、エリトリトール、イソマルト及びそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
好適な水素化澱粉加水分解物としては、米国特許第4279931号において開示されたもの、並びに様々な水素化グルコースシロップ及び/又はパウダー(ソルビトール、マルチトール、水素化二糖、水素化高分子多糖類又はそれらの混合物を含む)が挙げられる。水素化澱粉加水分解物は、主にコーンシロップに対して、制御された触媒水素化処理を行うことにより調製される。得られる水素化澱粉加水分解物は、糖類の単量体、二量体及び重合体の混合物である。これらの異なる糖類の比率は、それぞれの水素化澱粉加水分解物に異なる特性を付与する。水素化澱粉加水分解物(例えばLYCASIN(登録商標)、Roquette Freres社(フランス)製の市販の製品)と、HYSTAR(登録商標)(SPI Polyols社(ニューキャッスル、デラウェア)製の市販の製品)との混合物も有用である。
【0074】
幾つかの実施形態に係る組成物に含ませることができる甘味料は、当該技術分野で公知のあらゆる甘味料であってもよい。これらは、本願明細書の下記の「更なる構成成分」のセクションにおいて更に詳細に記載し、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態において使用することにより、甘味の最初のバースト及び/又は長期にわたり持続する甘味を提供することが可能となる。限定されないが、かかる物理的形態としては、フリーの形態(例えば噴霧乾燥、粉末状、ビーズ形態、カプセル化形態及びそれらの混合物)などが挙げられる。
【0075】
望ましくは、上記甘味料は高強度甘味料(例えばアスパルテーム、ネオテーム、スクラロース及びアセスルフェームカリウム(Ace−K)である。
【0076】
一般に、有効量の甘味料を利用して所望の甘味レベルを提供でき、またこの量は選択される甘味料によって変化しうる。幾つかの実施形態では、使用される甘味料又は甘味料の組み合わせによって、甘味料を、ガム組成物の重量に対して約0.001重量%〜約3重量%の量で存在させてもよい。各タイプの甘味料の量の実際の範囲は、当業者により適宜選択することができる。
【0077】
幾つかの実施形態、特に液体充填の実施形態では、上記第2領域は、ある特定のポリオール組成物(前記第2領域に対して約30重量%〜約80重量%、具体的には50重量%〜約60重量%の少なくとも1つのポリオールを含む)を含んでもよい。幾つかの液体充填の実施形態では、かかる第2領域組成物は、液体状の第1領域組成物の漏出を実質的に減少させるか又は防止することができる。上記ポリオール組成物は、限定されないが、マルチトール、ソルビトール、エリトリトール、キシリトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール及びそれらの組み合わせなどの、公知のいかなるポリオールを含んでもよい。ソルビトール及びマルチトールを含む水素化澱粉加水分解物であるLycasin(商標)を使用してもよい。
【0078】
砂糖(ショ糖)は、ポリオールなどの甘味料の比較用のベースラインとして一般に受け入れられているため、幾つかの実施形態ではポリオール組成物を同様に記載する。例えば、ポリオール組成物は、ショ糖の甘味の約50重量%超の甘味を有しうる。より具体的には、幾つかの実施形態では、本発明のポリオール組成物は、ショ糖の甘味の約70重量%以上の強い甘味を有しうる。
【0079】
幾つかの実施形態では、上記ポリオール組成物は、組成物の可溶性に関して記載されうる。すなわち、ポリオール組成物の可溶性は、組成物中に含まれる1つ以上のポリオールの可溶性に依存する。
【0080】
幾つかの実施形態では、様々なポリオールの混合物を使用してもよい。有用なポリオールの例は、エリトリトール、ラクチトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、イソマルト及びそれらの組み合わせである。複数のポリオールの混合物が使用される場合、ポリオール組成物の可溶性は、混合物中のポリオールの量の加重比率、及び含まれる個々のポリオールの可溶性に依存する。例えば、幾つかの実施形態では、2つ以上のポリオールの組み合わせは、約60重量%〜約72重量%の範囲の水溶性を有することもあり、マルチトールを含む場合には、25℃で60重量%の水溶性を示し、ソルビトールを含む場合には、25℃で約72重量%の水溶性を示す。他の適切な可溶性範囲(含まれる2つ以上のポリオールに依存する)としては、25℃で約40重量%〜約60重量%、及び25℃で約55重量%〜約65重量%の範囲が挙げられる。使用される特定のポリオールに応じて、上記可溶性範囲は変化しうる。ポリオールの組み合わせの更なる適切な可溶性としては、ショ糖の可溶性より少ない可溶性(すなわち67重量%未満)が挙げられる。
【0081】
着色剤を、所望の着色を生じさせるのに効果的な量で使用してもよい。着色剤としては色素が挙げられ、ガム組成物の重量に対して約6重量%までの量で添加してもよい。例えば、二酸化チタンを、ガム組成物の重量に対して約2%まで、好ましくは約1重量%未満の量で添加してもよい。また着色剤として、食品、薬剤及び美顔用途に適する天然の着色剤及び色素が挙げられる。これらの着色剤は、F.D.&C.色素及びレーキとして公知である。上記の用途に使用できる材料は、好ましくは水溶性である。非限定的な例としては、F.D.&C.ブルーNo.2として公知のインジゴイド染料が挙げられ、それは5,5−インジゴスズジスルホン酸の二ナトリウム塩である。同様に、F.D.&C.グリーンNo.1として公知の色素は、トリフェニルメタン染料を含んでなり、それは4−[4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン]−[1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−δ−2,5−シクロヘキサジエンイミン]の一ナトリウム塩である。全てのF.D.&C.着色剤の完全な説明及びそれらの対応する化学構造に関しては、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,3rd Edition,第5巻、p857−884に記載されており、それらの開示内容を本願明細書に援用する。更なる着色成分に関しては、以下の「更なる構成成分」のセクションに記載する。
【0082】
ガム組成物に使用できる、好適な油状物及び脂肪としては、特に、部分的に水素化された植物性若しくは動物性脂肪(例えばココナッツオイル、パームナッツ油、牛脂及びラード)が挙げられる。これらの成分を使用する際は、一般に、ガム組成物の重量に対して約7重量%以下、好ましくは約3.5重量%以下の量で存在させる。
【0083】
幾つかの実施形態は、チューインガム及びバブルガム組成物の両方を含む第2領域に用いられる、改良されたチューインガム組成物を調製する方法の提供に関する。チューインガム組成物は、当業者に公知の標準的な技術及び装置を使用して調製することができる。幾つかの実施形態において有用な装置には、チューインガムの製造の分野において周知の混合・加熱装置が含まれ、したがって、具体的な装置の選択は、当業者にとり自明である。
【0084】
第1領域組成物に関連して、第2領域は、第1領域組成物の水分活性以上の水分活性を有してもよい。しかしながら、大きな水分活性が第1領域において要求される組成物の場合、第1領域組成物の水分活性は、第2領域のそれより大きくてもよい。含水量が高い場合には、キサンタンガム及びセルロースのような増粘剤が第1領域組成物に存在するとき、それらの水和が助長される。
【0085】
幾つかの実施形態では、第2領域は、第2領域に対して約14重量%の総含水量を有してもよく、より具体的には、約9重量%〜約14重量%の総含水量を有してもよい(約5重量%未満の自由水の含量にて)。第1領域は更に、幾つかの実施形態では、前記第1領域の約0〜約35重量%の、具体的には約22重量%の、自由水及び結合水を含む総含水量であってもよい。
【0086】
<第1領域又は中心充填組成物>:
チューインガム組成物の中心充填物(また第1領域又は内部部分と称される)は、固体状、液体状、半固体状又は気体状の物理的形態であってもよい。第1領域組成物の物理的形態に応じて、チューインガム組成物の、第1領域と接触する隣接部分を調整することができる。
【0087】
幾つかの実施形態では、液体状の第1領域組成物を用いることにより、粘性の違いを生じさせることができ、それを操作することにより所望の効果が得られる。幾つかの実施形態では、液体状の第1領域組成物は、消費者がリフレッシュ感を得られるように、低粘度で調製することができる。
【0088】
幾つかの実施形態では、固体状の第1領域組成物は微粒子状であってもよく、又は単位を構成してもよい。上記固体状の第1領域組成物が微粒子である実施形態では、上記第1領域組成物は複数の粒子を含んでもよい。微粒子状の固体状の第1領域組成物に係る幾つかの実施形態では、粒径及び粒径分布のような変数を調整し、所望の効果を得ることができる。幾つかの実施形態では、唾液と接触したときに急速に溶解する、狭い粒径分布を有する小さい粒子を、第1領域組成物に含有させることができる。
【0089】
固体状の第1領域組成物が単位を構成する実施形態では、上記第1領域組成物は、それぞれの粒子が識別可能でない、結合力を有する塊を含有することができる。固体状の第1領域組成物が単位を構成する幾つかの実施形態では、そのテクスチャは、所望の効果を得るために適宜調整することができる。幾つかの実施形態では、単位を構成する固体状の第1領域組成物は、例えばヌガーなどの菓子フォーマットを含有させ、チューイー(chewy)なテクスチャ経験を提供することもできる。
【0090】
幾つかの実施形態では、気体状の第1領域組成物は、チューインガム組成物において空所を形成し、噛んで崩壊させることによって、チューインガム組成物のテクスチャプロフィールが変化する。幾つかの実施形態では、気体状の第1領域組成物は、窒素などの気体を封入された状態で含むことができ、他の実施形態では、気体状の第1領域組成物は、空気などの混合気体組成物を含んでもよい。幾つかの実施形態では、上記気体は、マトリックス(例えばフォーム又はガラス質の基材)の一部として、第1領域組成物中に含まれてもよい。
【0091】
更に、幾つかの実施形態では、第1領域組成物の物理的形態が変化しうる。幾つかの実施形態では、第1領域組成物は、製造時に固体であって、更に時間経過と共に液体に変化しうる。幾つかの実施形態では、固体状の第1領域組成物は、最初は基質−酵素混合物であり、当該酵素が当該基質と反応することにより、当該固体が流動的となる。他の実施形態では、固体状の第1領域組成物は、最初、貯蔵温度より低い製造温度において固体状であってもよく、更に温度が貯蔵温度に達したとき、当該第1領域組成物は液化する。幾つかの実施形態では、上記第1領域組成物は、開裂又は崩壊して液体を放出するまで固体の状態が保たれている、液体充填粒子である。幾つかの実施形態では、上記固体状の第1領域組成物は、初めに、遊離の水分を含むように調整された、隣接する領域と相互作用することができ、それにより、当該第1領域組成物は水分を隣接する領域から引き離し、液体状になる。
【0092】
<固体状の第1領域組成物>:
幾つかの実施形態では、固体状の第1領域組成物は、微粒子を含有することができる。微粒子としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:ナッツ、種(seeds)、カカオ豆、コーヒー豆、粉ミルク、フルーツ含有粒子(例えば米国特許第6027758号に記載の、再調整されたフルーツ)、フリーズドライフルーツ、フリーズドライ野菜、脂肪粒子、ココアパウダー、ショ糖、澱粉、ポリオール(例えばキシリトール、エリトリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、水素化澱粉加水分解物)、ワックス、及びそれらの組み合わせ。
【0093】
幾つかの実施形態では、固体状の第1領域組成物は、他の材料がキレート化された粒子を含んでもよい。幾つかの実施形態では、上記固体粒子は、第2の材料が吸収された吸収材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、上記固体粒子は、第2の材料が吸着された吸着材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、上記固体粒子は、第2の材料がキレート化される錯体形成材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、二酸化ケイ素粒子が少なくとも第2の材料を吸収して、固体状の微粒子の内部を形成することができる。幾つかの実施形態では、シクロデクストリン粒子が少なくとも第2の材料とキレート化して、固体状の微粒子の内部を形成することができる。
【0094】
固体状の第1領域組成物が液体に変化できる幾つかの実施形態では、上記固体状の第1領域組成物は、インベルターゼとショ糖の混合物を含むことができ、かかるインベルターゼはショ糖に作用して、時間経過と共に液体状の転化糖を形成し、それにより、液体状の第1領域組成物が得られる。幾つかの実施形態では、上記第1領域組成物は、製造温度では固体状の脂肪であり、更に貯蔵温度では液体に溶融する溶融特性を有する、脂肪であってもよい。幾つかの実施形態では、上記固体状の第1領域組成物は、開裂又は崩壊するときに液体を放出する、液体充填ゼラチン又はショ糖ビーズを含んでもよい。
【0095】
幾つかの実施形態では、固体状の第1領域組成物は、単位を形成した又は微粒子状の固体状の菓子組成物を含んでもよい。かかる菓子組成物としては、限定されないが以下のものが挙げられる:チョコレート、コンパウンドコーティング、キャロブビーンコーティング、カカオバター、バターファット、水素化植物性脂肪、イリペバター、フォンダンベースのクリーム、ファッジ、フラッペ、キャラメル、ヌガー、圧縮タブレット、キャンディフロス(別名綿菓子)、マジパン、ハードボイルドキャンディ、ゴム状キャンディ、ゼリービーンズ、タフィー、ゼリー(ペクチンベースのゲルを含んでなる)、ジャム、砂糖漬けフルーツ(preserves)、バタースカッチ、ナッツ・ブリットル又はクロカント、砂糖漬けフルーツ、マシュマロ、パステル、プラリーヌ又はヌガー、小麦粉又はスターチの菓子、トリュフ、ノンパレル、ボンボン、ディナー後のミント、フーレ、ナッツペースト、ピーナッツバター、チューインガム、キス、エンジェルキス、モンテリマール、ヌガチン、フルーツチュー、ターキッシュディライト、ハードガム、ソフトガム、スターチゼリー、ゼラチンゼリー、アガーゼリー、パーシパン、ココナッツペースト、ココナッツアイス、ロゼンジ、口中香剤(cachous)、クリームペースト、ドラジェ、シュガードナッツ、シュガードアーモンド、コンペイトウ、アニスボール、リコリス、リコリスペースト、チョコレートスプレッド、チョコレートクラム及びそれらの組み合わせ。
【0096】
<液体状の第1領域組成物>:
幾つかの実施形態では、上記液体状の第1領域組成物は水性であってもよく、一方、他の実施形態では、上記液体状の第1領域組成物は非水性であってもよい。幾つかの実施形態では、上記液体状の第1領域組成物は溶液であってもよく、他の実施形態では、上記第1領域組成物は懸濁液であってもよく、更に他の実施形態では、上記第1領域組成物はエマルジョンであってもよい。
【0097】
幾つかの実施形態では、液体状の第1領域組成物の粘性は、限定されないが処理効率などの様々な理由や、所望の知覚を生じさせるために、適宜調整することができる。幾つかの実施形態では、液体状の第1領域組成物の粘性は、3,000〜10,000パスカル秒であってもよい。幾つかの実施形態では、液体状の第1領域組成物の粘性は、4,000〜6,5000パスカル秒であってもよい。
【0098】
幾つかの実施形態では、液体状の第1領域組成物の水分活性を、限定されないが微生物安定性などの様々な理由や、所望のテクスチャ維持のために、適宜調整することができる。幾つかの実施形態では、液体状の第1領域組成物の水分活性は0.1〜0.7であってもよい。幾つかの実施形態では、液体状の第1領域組成物の水分活性は0.25〜0.35であってもよい。
【0099】
液体状の第1領域組成物中に含ませることができる液体としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:フルーツジュース、野菜ジュース、フルーツピューレ、フルーツパルプ、野菜パルプ、野菜ピューレ、フルーツソース、野菜ソース、蜂蜜、メープルシロップ、糖蜜、コーンシロップ、砂糖シロップ、ポリオールシロップ、水素化澱粉加水分解物シロップ、エマルジョン、植物油、グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、リキュール、チョコレートシロップ、乳製品ベースの液体(例えば牛乳、クリームなど)、及びそれらの組み合わせ。
【0100】
<気体状の第1領域組成物>:
幾つかの実施形態では、気体状の第1領域組成物を、中空部を調製することにより形成することができる。上記気体は、空気などの混合組成を有する気体を含んでもよく、又は単一の気体(例えば窒素、二酸化炭素又は酸素)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、気体状の第1領域組成物は、マトリックス(例えばガラス質のマトリックス又はフォーム)中に気体が封入されたものであってもよい。上記気体がガラス質のマトリックス中に封入されうる幾つかの実施形態では、上記ガラスはショ糖であってもよく、また上記気体は二酸化炭素であってもよい。上記気体がフォームの状態で第1領域組成物に取り込まれうる幾つかの実施形態では、上記フォームは乳タンパク質を含んでもよく、また上記気体は混合組成を有する気体(例えば空気)を含んでもよい。
【0101】
上記のいかなる第1領域組成物も、中心充填組成物の取り込みに関して公知の、いかなる成分を含んでもよい。幾つかの実施形態(特に液体充填の実施形態)では、これは例えば、グリセリンを、1つ以上の他のポリオールに加えて、全チューインガム組成物(すなわち第1領域組成物、第2領域及びコーティングを含む)の重量に対して0重量%超〜約20重量%、より具体的には約10重量%以下の量で含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1領域は、全チューインガム組成物の約8重量%を占める。幾つかの実施形態では、他のポリオール成分としては、望ましくはマルチトール、ソルビトール、キシリトール又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0102】
幾つかの実施形態では、上記のように、第1領域組成物は、チューインガム及び菓子に関する技術で周知の従来公知の成分(例えば風味剤、甘味料など、及びそれらの混合物)を含んでもよい。菓子添加物に加えて、第1領域組成物は、薬剤などの医薬添加物、呼気清涼化成分、ビタミン、ミネラル、カフェイン、フルーツジュース、及びそれらの混合物を含んでもよい。菓子類及び医薬品は、甘味及び風味並びに/又は治療活性の最初のバースト、あるいは甘味及び風味並びに/又は治療活性の長期にわたる感覚を提供するために、周知技術の多くの異なる物理的形態において使用してもよい。かかる物理的形態としては、限定されないがフリーの形態(例えば噴霧乾燥形態、粉末形態、及びビーズ形態)、及びカプセル化形態、及びそれらの混合物が挙げられる。幾つかの実施態様における使用に適する液体中心の例としては、限定されないが、米国特許第3894154号、第4156740号、第4157402号、第4316915号及び第4466983号において開示されるかかる中心が挙げられる(それらの開示内容を本願明細書に援用する)。適切な添加成分の具体的な例としては、タウリン、ガラナ、ビタミン、Actizol(商標)、クロロフィル、Recaldent(商標)による歯再石灰化技術、及びRetsyn(商標)呼気清涼化技術などが挙げられる。
【0103】
幾つかの実施形態(特に液体充填の実施形態)では、第1領域組成物はまた、天然若しくは合成ガム(例えばカルボキシメチルセルロース、ペクチン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アガー及びトラガカントゴム)を含んでもよい。これらの組成物は、組成物中の自由水の量を減少させることによって、粘度を上昇させるのに役立つ。第1領域組成物の粘性は、25℃で約300cp〜約6,000cpの範囲であってもよい。周囲の第2領域より大きな水分活性を有する第1領域組成物においては、その粘性は25℃で約3,000cp〜約6,000cpの範囲であってもよい。
【0104】
また、第1領域組成物の粘度を上昇させるためにキサンタンガムを使用してもよい。また幾つかの液体充填の実施形態では、液体の粘度上昇により、液体のガム粒からの漏出の防止が助長される。キサンタンガムには、Signet Chemical社製の商品「Keltrol」(登録商標)を利用できる。
【0105】
幾つかの実施形態は、改良された複数領域チューインガム組成物の調製方法に関する。改良された上記組成物は、当業者に公知の標準的な技術及び装置を使用して調製してもよい。本願明細書に記載されている実施形態において有用な装置は、チューインガムの製造技術において周知の混合・加熱手段を具備している。したがって、具体的な装置の選択は、当業者にとり自明である。かかる方法及び装置としては、例えば米国特許第3806290号及び第3857963号に記載されている(その開示内容を本願明細書に援用する)。
【0106】
<コーティング組成物>:
複数領域チューインガム組成物にコーティング組成物を含める場合、上記の方法を含めた、当該技術分野で公知のいかなる方法によってそれらを塗布してもよい。上記コーティング組成物は、複数領域ガム粒の総重量の約2重量%〜約60重量%、具体的には約25重量%〜約35重量%、より具体的には上記ガム粒の約30重量%の量で存在してもよい。
【0107】
外側になされる上記コーティングは、ハードコーティングでもよく、クランキーコーティングでもよく、ソフトコーティングでもよい。典型的には、上記外側コーティングはソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリトリトール、イソマルト及び他の結晶化ポリオールを含んでもよく、ショ糖を使用してもよい。更に、上記コーティングは幾つかの不透明な層を含んでもよく、それにより、チューインガム組成物はコーティング自体を通して見ることができなくなり、それを任意に、美的効果のため、表面をテクスチャ状にするため、及び保護のために、更に1つ以上の透明な層でコーティングしてもよい。上記外側コーティングは、少量の水及びアラビアゴムを含んでもよい。上記コーティングは、ワックスで更にコーティングされてもよい。当該コーティングは、コーティング液を連続的に塗布し、各コーティング工程の間に乾燥させる従来公知の方法により塗布してもよい。コーティングは、乾燥すると通常不透明(通常白色)となるが、他の着色剤を添加してもよい。更にポリオールコーティングを、ワックスと共にコーティングしてもよい。上記コーティングは、着色された薄片や斑(speckle)を更に含んでもよい。上記組成物がコーティングを含む場合、1つ以上のオーラルケア用活性物質を、コーティング全体にわたって分散させてもよい。これは、1つ以上のオーラルケア活性物質が、単一相の組成物において、他の活性物質との適合性を有さない場合に、特に好適である。ユニークな製品特性を得るために、風味剤を添加してもよい。
【0108】
幾つかの実施形態では、上記コーティングを適切に調整することにより、ガム粒の熱安定性の向上や、液体充填物の漏出の防止を助長してもよい。幾つかの実施形態では、上記コーティングはゼラチン組成物を含んでもよい。上記ゼラチン組成物は、コーティング組成物中に40重量%溶液として添加され、コーティング組成物に対して約5重量%〜約10重量%、より具体的には約7重量%〜約8重量%で存在してもよい。ゼラチンのゲル強度は、約130bloom〜約250bloomであってもよい。
【0109】
所望の特性を得るために、他の材料をコーティングに添加してもよい。これらの材料としては、限定されないがカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、プルラン、アルギネート、澱粉、カラゲーニン、キサンタンガム、アラビアゴム及びポリ酢酸ビニル(PVA)などが挙げられる。
【0110】
コーティング組成物は、任意のハードコーティングの前に、個々のガム粒にプレコーティングを施してもよい。上記プレコーティングは、ポリ酢酸ビニル(PVA)の塗布を含んでもよい。これは、溶媒(例えばエチルアルコール)中にPVAを含む溶液として塗布してもよい。外側ハードコーティングが必要な場合、上記PVAの塗布は、全コーティング重量の約3重量%〜4重量%か、又はガム粒(第1領域組成物、第2領域及びハードコーティングを含む)の合計重量の約1重量%であってもよい。
【0111】
他の様々なコーティング組成物及びその調製方法としては、ソフトパニング(soft panning)、二軸若しくは多軸押出、積層などが挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、幾つかの実施形態では、上記コーティングは非晶質若しくは結晶質であってもよく、得られるテクスチャはハード、クランキー、クリスピー、ソフト又はチューイーなものであってもよい。
【0112】
<更なる構成成分>:
更なる添加物(例えば温感剤(warming agent)、冷感剤、刺激剤、風味料、甘味料、酸味料、苦味料、塩味料、界面活性剤、呼気清涼化剤、抗菌剤、抗バクテリア剤、結石防止剤、抗プラーク剤、フッ化物、再石灰化剤、医薬、微量元素、喉のケア剤、歯の漂白剤、エネルギー増強剤(energy boosting agents)、濃度増強剤(concentration boosting agents)、食欲抑制剤、着色剤及び他の活性物質など)を、チューインガム組成物のいずれか又は全ての部分又は領域に含ませてもよい。かかる成分は、それらの意図された効果を生じさせるのに十分な量で使用してもよい。
【0113】
本明細書に示す更なる構成成分のいずれも、制御放出型、及び/又は非制御放出型(「遊離」型成分と称する場合もある)にて、複数領域チューインガム組成物のいずれの領域に添加してもよい。幾つかの実施形態では、例えば単一の構成成分を制御放出型、及び遊離型で第1領域組成物に添加してもよい。上記の制御放出成分及び遊離成分は、複数領域チューインガム組成物の同じ領域に一緒に添加してもよく、又は、幾つかの実施形態では、2種の構成成分を組成物の異なる領域に添加してもよい。
【0114】
幾つかの他の実施形態では、例えば同じ機能性(例えば2種の異なる風味、甘味、味、感覚等)をもたらす2種の異なる構成成分を、複数領域チューインガム組成物に添加してもよい。幾つかの実施形態では、両構成成分が制御放出特性を有してもよい。あるいは、幾つかの実施形態では、構成成分の1つが制御放出型であってよく、一方他の構成成分が遊離型であってもよい。2種の構成成分を複数領域チューインガム組成物の同じ又は異なる領域に添加してもよい。
【0115】
チューインガム組成物からの任意の制御放出が要求されうる個々の構成成分のタイプとしては、限定されないが以下のものが挙げられる:甘味料、風味料、活性剤、発泡剤、食欲抑制剤、呼気清涼化剤、デンタルケア成分、乳化剤、風味増強剤、苦味のマスキング又はブロッキング剤、食用酸、微量元素、感覚剤、口内湿潤化剤、喉のケア剤、着色剤、酸味料、苦味料、塩味料、医薬、エネルギー増強剤、濃度増強剤及びそれらの組み合わせ。成分は、様々な形態(例えば液体状態、噴霧乾燥形態又は結晶形態)のものを利用しても良い。幾つかの実施形態では、チューインガム組成物は、同じタイプの成分を異なる形態で含んでもよい。例えば、チューインガム組成物は、液体の風味料とその同じ風味料の噴霧乾燥品を含んでもよい。幾つかの実施形態では、上記成分は、その遊離形態若しくはカプセル化形態で、例えば第1領域組成物、第2領域又はコーティングなど、ガム組成物のいかなる領域に存在してもよい。
【0116】
幾つかの実施形態では、消費者がそのチューインガムを噛む際に、風味若しくは甘味を知覚する時間が長くなったと感じる態様で、及び/又は長期間にわたって成分が放出若しくはその他利用可能になる態様で、成分の放出を修飾する。修飾された放出は、封入などの当該技術分野で公知のいずれの方法によって実施してもよい。修飾された放出を封入により実施する場合、スプレーコーティング又は押出などの様々な手段によって実施してもよい。
【0117】
更に、成分の早期放出及び長期放出を希望する場合、チューインガム組成物に、非修飾放出成分(場合により「遊離」成分と称する)と共に修飾放出成分を含有させる。幾つかの実施形態では、遊離成分を用いて、成分(例えば風味料、冷感剤)の初期量若しくは「ヒット」(hit)を輸送してもよく、又は成分によって生じる初期の感覚若しくは効果(例えば風味、鼻への作用、冷感、温感、刺激(tingling)、唾液産生、呼気清涼化、歯の白色化、咽頭の鎮痛、口内湿潤化等)を輸送してもよい。幾つかの実施形態では、同じ成分を修飾放出特性を伴う形で提供して、同様の感覚又は効果を付加的に又は遅延的に提供することができる。遊離成分と修飾放出成分の双方を用いることによって、その成分に起因する感覚若しくは効果を長期間にわたって提供し、及び/又は消費者による感覚若しくは効果の知覚を改善してもよい。また、幾つかの実施形態では、成分の初期量又は「ヒット」により、そのチューインガム組成物の消費者の口を慣らしたり、又は知覚に慣らしたりしてもよい。
【0118】
別の例として、幾つかの実施形態では、時間の経過に従いチューインガム組成物の成分が徐放されることが望ましいこともありうる。徐放性を付与するには、高濃度の成分が短期間で放出されるのではなく、長期間にわたって低濃度の成分が放出されるよう、成分を調節するのが好ましい。成分の徐放は、高濃度の成分により苦み又は他の悪い風味を呈する場合に好適であると考えられる。成分の徐放はまた、短期間に高濃度で成分を放出することが、結果的に、消費者に適切に輸送される成分の量の減少を引き起こす場合にも好適であると考えられる。例えば、歯の白色化又は呼気清涼化成分の場合、成分を過量に速やかに提供し過ぎると、成分が消費者の歯、粘膜、及び/又は歯科充填材と相互作用する機会を持つ前に成分の大部分を消費者が嚥下することとなり、それによりチューインガム組成物の成分が無駄になるか、又は少なくとも当該成分による得られる効果が低減することとなる。
【0119】
本願明細書に記載の幾つかの実施形態では、チューインガム組成物の第2領域は、少なくとも1つの修飾放出成分を含んでもよい。同様に、少なくとも1つの修飾放出成分は、任意に第1領域組成物及び/又はコーティングに添加されてもよい。第1領域組成物及び/又はコーティングにおいて含ませることができる更なる修飾放出成分は、第2領域に含まれる修飾放出成分と同じでもよく、又は異なってもよい。
【0120】
<風味剤>:
幾つかの実施形態では、風味剤は、当業者に公知の風味剤(例えば天然及び人工風味剤)を含んでもよい。これらの風味剤は、合成風味油及び香味性の芳香族化合物及び/又は芳香族油、植物、葉、花、果実等に由来するオレオレジン及び抽出物、及びそれらの組み合わせから選択してもよい。代表的な風味油としては、限定されないが、スペアミント油、シナモン油、ウインターグリーン油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、ハッカ油、クローブ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、スギ葉油、ナツメグ油、オールスパイス、セージ油、メース、ビターアーモンド油及びカッシア油などが挙げられる。また、有用な風味料は、人工、天然及び合成フルーツフレーバーであり、例えばバニラ、並びにレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチなどの柑橘類の油、並びにリンゴ、西洋ナシ、桃、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、キイチゴ、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、アプリコット、ウメ、サクランボ、キイチゴ、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイアその他、を含んでなるフルーツエッセンスなどが挙げられる。放出プロフィールを制御できる他の有用な風味剤としては、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー及びヨーグルトフレーバー、バニラフレーバー、ティー又はコーヒーフレーバー(例えば緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー及びコーヒーフレーバー)、ミントフレーバー(例えばペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー及びハッカフレーバー)、スパイシーフレーバー(例えば阿魏フレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、ウイキョウフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、サンショウフレーバー、シソフレーバー、ビャクシンベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、イノンドフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリフレーバー、ベイリーフフレーバー及びワサビ(日本ワサビ)フレーバー)、アルコールフレーバー(例えばワインフレーバー、ウィスキフレーバー、ブランデフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー及びリキュールフレーバー)、フローラルフレーバー、並びにベジタブルフレーバー(例えばオニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、キャロットフレーバー、セロリフレーバー、キノコフレーバー及びトマトフレーバー)などが挙げられる。これらの風味剤は、液体又は固体の形態において使用してもよく、また個別に使用してもよく、又は混合物として使用してもよい。一般的に用いられる風味剤としては、ペパーミントなどのミント、メントール、スペアミント、人工バニラ、シナモン誘導体及び様々なフルーツフレーバーが挙げられ、それらは個別に使用してもよく、又は混合物として使用してもよい。風味剤は呼気清涼化特性(特に、冷感剤(本願明細書で以下に記載する)との組み合わせで使用されるときにはミントフレーバー)を提供するものであってもよい。
【0121】
幾つかの実施形態では、他の風味剤として、アルデヒド及びエステル(酢酸シンナミル、シンナミルアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアニソールなど)を使用してもよい。一般に、あらゆる調味料又は食品添加物(Chemicals Used in Food Processing,publication 1274,p63−258,by the National Academy of Sciencesに記載のもの)を使用してもよい。この刊行物を、本願明細書に援用する。これらには、天然フレーバー並びに合成フレーバーが含まれうる。
【0122】
更なるアルデヒド系風味剤の例としては、限定されないが、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、シンナミルアルデヒド(シナモン)、シトラール(すなわちα−シトラール(レモン、ライム))、ネラール(すなわちβ−シトラール(レモン、ライム))、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ(すなわちピペロナール(バニラ、クリーム))、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナミルアルデヒド(スパイシーなフルーティフレーバー)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(修飾型、多数のタイプ)、デカナール(柑橘系フルーツ)、アルデヒドC−8(柑橘系フルーツ)、アルデヒドC−9(柑橘系フルーツ)、アルデヒドC−12(柑橘系フルーツ)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキセナール(すなわちtrans−2(ベリーフルーツ))、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール(すなわちメロナール(メロン))、2,6−ジメチルオクタナール(若いフルーツ)及び2−ドデセナール(柑橘系、マンダリン)、サクランボ、ブドウ、ブルーベリー、ブラックベリー、ストロベリーショートケーキ及びそれらの混合物などが挙げられる。
【0123】
幾つかの実施形態では、風味剤を、それらの閾値レベル以上、すなわち認知可能な感覚を経験できるレベルで使用する。他の実施形態では、風味剤を、それらが独立に認知可能な感覚を経験させないように、それらの閾値レベル以下のレベルで使用する。上記風味剤は、閾値下のレベルで、補助的効果(例えば風味の強化又は増強)を提供しうる。
【0124】
幾つかの実施形態では、風味剤を、液体状態及び/又は乾燥状態のいずれにおいて使用してもよい。後者の形態で使用される場合、液体の噴霧乾燥など、適切な乾燥手段を使用してもよい。あるいは、上記風味剤を、水溶性材料(例えばセルロース、澱粉、砂糖、マルトデキストリン、アラビアゴムなど)に吸収させてもよく、又はカプセル化してもよい。更に他の実施形態では、上記風味剤をシリカ、ゼオライトなどに吸着させてもよい。
【0125】
幾つかの実施形態では、風味剤を、多くの異なる物理的な形態で使用してもよい。限定されないが、かかる物理的な形態としては、フリーの形態(例えば噴霧乾燥形態、粉末形態、ビーズ形態、カプセル化形態及びそれらの混合物)などが挙げられる。
【0126】
風味剤並びに他の添加成分のカプセル化の例を、本願明細書に記載の実施例に示す。典型的には、構成成分のカプセル化により、(例えば、チューイング菓子組成物の構成成分として添加される送達システムの一部として)カプセル化された成分を含む菓子組成物の消費の間、成分の大部分の量の放出が遅延する。幾つかの実施形態では、成分(例えば風味剤、甘味料など)の放出プロフィールは、成分、当該成分を含んでなる送達システム及び/又は当該送達システムを含んでなる菓子組成物の様々な特性及び/又は送達システムの製造方法を制御することにより、制御することができる。例えば、上記特性としては以下のうちの1つ以上が挙げられる:送達システムの抗張力、成分の水溶性、封入材の水溶性、送達システムの水溶性、送達システムにおける封入材に対する成分の比率、成分の平均又は最大粒径、グラインドされた(ground)送達システムの平均又は最大粒径、菓子組成物中の成分又は送達システムの量、1つ以上の成分をカプセル化するために使用される異なるポリマーの比率、1つ以上の成分をカプセル化するために使用される1つ以上のポリマーの疎水性、送達システムの疎水性、送達システム上のコーティングのタイプ又は量、成分のカプセル化より前の、成分上へのコーティングのタイプ又は量、など。
【0127】
<甘味料>:
甘味料は、砂糖、シュガーレスのバルク甘味料など、高強度甘味料又はそれらの混合物を含んでもよい。バルク甘味料は一般に、菓子類又はチューインガムベース組成の約5重量%〜約99重量%の量で存在する。一般に好適な砂糖甘味料としては単糖類、二糖類及び多糖類が挙げられ、例えばショ糖(砂糖)、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(左旋糖)、転化糖、スクロマルト、コーンシロップ、マルトデキストリン、オリゴ糖シロップ、フルクトオリゴ糖シロップ、部分加水分解澱粉、コーンシロップ固形物、レジスタントスターチ(resistant starches)及びそれらの混合物が挙げられる。
【0128】
好適なシュガーレスのバルク甘味料としては、限定されないが糖アルコール(又はポリオール)が挙げられ、例えばソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、水素化イソマルツロース(イソマルト)、ラクチトール、エリトリトール、水素化澱粉加水分解物及びそれらの混合物が挙げられる。
【0129】
好適な水素化澱粉加水分解物としては、米国特許第4279931号において開示されるもの及び様々な水素化グルコースシロップ、及び/又は、ソルビトール、水素化二糖類、水素化高分子多糖類若しくはそれらの混合物を含む粉末が挙げられる。水素化澱粉加水分解物は、コーンシロップの、制御された触媒水素化処理により主に調製される。得られる水素化澱粉加水分解物は、単量体、二量体及び重合多糖類の混合物である。これらの糖類の比率の相違により、水素化澱粉加水分解物ごとに異なる特性が付与される。また、水素化澱粉加水分解物の混合物としては、例えばLYCASIN(登録商標、フランスのRoquette Freres社製の市販品)、及びHYSTAR(登録商標、New Castle(デラウェア))のSPI Polyols社製の市販品なども有用でもある。
【0130】
幾つかの実施形態では、高強度甘味料を、組成物中の甘味料として含ませてもよい。特定の甘味料に限定されないが、以下の代表的なカテゴリ及び例が挙げられる:
(a)水溶性甘味料:ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオサイド、ラカンカ、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、及び糖アルコール(ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリトリトール及びL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミド(例えば米国特許第4619834号(開示内容を本願明細書に援用する)に開示のもの)など、並びにそれらの混合物;
(b)水溶性人工甘味料:可溶性サッカリン塩(すなわちサッカリンのナトリウム塩又はカルシウム塩、チクロ塩類、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム塩、アンモニウム塩又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシド(アセスルフェーム−K)のカリウム塩)、遊離酸形態のサッカリン、及びそれらの混合物;
(c)ジペプチド系甘味料:例えばL−アスパラギン酸から派生した甘味料(例えばL−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル(ネオテーム)、及び米国特許第3492131号に記載されている材料、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン、L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、並びにそれらの混合物);
(d)天然の水溶性甘味料由来の水溶性甘味料:例えば通常の糖(ショ糖)の塩素化誘導体(例えばクロロデオキシ糖誘導体(例えばクロロデオキシスクロース又はクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体など、例えばスクラロース又はSplenda(商標)の商品名として公知));クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては、限定されないが以下のものが挙げられる:1−クロロ−1’−デオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド又は4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド又は4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース、1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース、6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース及び4,6,1’,6’−テトラデオキシスクロース、並びにそれらの混合物;
(e)タンパク質系甘味料:例えばソーマトコッカスダニエリ(タウマチンI及びII)及びタリン;
(f)甘味料モナチン(2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸)及びその誘導体;並びに
(g)甘味料ロナンゴ(Lo nan guo、しばしば羅漢果(Lo han kuo)と呼ばれる)。
【0131】
強度の甘味料は、甘味の最初のバースト及び/又は長期にわたる甘味の感覚を提供するため、当該技術分野で周知の多くの様々な物理的形態において使用してもよい。限定されないが、かかる物理的形態としては、フリーの形態、噴霧乾燥形態、粉末状形態、ビーズド形態、カプセル化形態及びそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、上記甘味料は、高強度甘味料(例えばアスパルテーム、スクラロース及びセスルフェームカリウム(例えばAce−K又はアセスルフェーム−K)である。
【0132】
幾つかの実施形態では、上記甘味料はポリオールであってもよい。ポリオールとしては、グリセロール、ソルビトール、マルチトール、マルチトールシロップ、マンニトール、イソマルト、エリトリトール、キシリトール、水素化澱粉加水分解物、ポリグリシトールシロップ、ポリグリシトール粉末、ラクチトール及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
活性成分(例えば甘味料)(送達システムの一部)を、活性成分(例えば甘味料)の使用に関連する所望の効果を得るのに必要な量で、使用してもよい。一般に、強度甘味料の有効量を用いることにより、要求される甘味のレベルを得ることができ、またこの量は選択される甘味料によって変化しうる。使用される甘味料又は甘味料の組み合わせに応じて、強度甘味料は、組成物の重量に対して約0.001重量%〜約3重量%の量で存在させてもよい。各タイプの甘味料の量の実際の範囲は、当業者により適宜選択できる。
【0134】
<感覚剤(Sensate Ingredients)>:
感覚剤としては、冷感剤、温感剤、刺激剤、発泡剤などの化合物及びそれらの組み合わせが挙げられる。周知の様々な冷感剤を使用してもよい。例えば、有用な冷感剤としては、キシリトール、エリトリトール、デキストロース、ソルビトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換p−メンタン、非環状カルボキサミド、モノメンチルグルタレート、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、置換尿素及びスルフォンアミド、置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチル及びヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロ−デカノン、2〜6の炭素原子数のヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシン(WS5)のエチルエステル、並びにN−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンの実質的に純粋なエチルエステル(Ermanらの米国特許第7189760号、全開示内容を本願明細書に援用する)、イソプレゴール、メンチルオキシプロパンジオール、3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(l−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メンチル及びそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、ハッカ油、ペパーミント油、3−(l−メントキシ)エタン−1−オール、3−(l−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(l−メントキシ)ブタン−1−オール、l−メンチル酢酸N−エチルアミド、l−メンチル−4−ヒドロキシペンタノエート、l−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド、置換p−メンタン、置換p−メンタン−カルボキサミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(Hisamitsu Pharmaceuticals社製(以下「イソプレゴール」))、メントングリセロールケタール(FEMA3807、商品名:FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA)、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール(Takasago社製(FEMA3784))、メンチルラクテート、(Haarman&Reimer(FEMA3748)社製、商品名FRESCOLAT(登録商標)、タイプML)、WS−30、WS−14、ユーカリ属抽出物(p−メンタ−3,8−ジオール)、メントール(その天然若しくは合成誘導体)、メントールPGカルボネート、メントールEGカルボネート、メントールグリセリルエーテル、N−tert−ブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、p−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプリル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキサミド、メントールメチルエーテル、メンチルピロリドンカルボキシレート、2,5−ジメチル−4−(1−ピロリジニル)−3(2H)−フラノン、環状α−ケトエナミン、シクロテン誘導体(例えば3−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン及び5−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オンなどのシクロペンテン)、
次式の化合物:
【化1】

式中、Bは水素、CH、C、OCH、OC及びOHから選択され、Aは式−CO−D部分であり、Dは、以下の部分から選択される:
(i)−NR1R2、(式中、R1及びR2は独立に、水素及びC1−C8の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アラリファチック基及びシクロアルキル基から選択されるか、又はR1及びR2は、それらが結合する窒素原子と共に任意に置換されてもよい5又は6員の複素環を形成する)、
(ii)−NHCHCOOCHCH、−NHCHCONH、−NHCHCHOCH、−NHCHCHOH、−NHCHCH(OH)CHOH、並びに、
(iii)以下からなる群から選択される部分:
【化2】

(Bellらの国際公開第2006/125334号(本願明細書に援用する)で開示されるもの)などが、特に挙げられる。他の化合物としては、Hofmannらの米国特許第6592884号において開示されるα−ケトエナミン(全開示内容を本願明細書に援用する)が挙げられる。これらの、また他の適切な冷感剤は、以下の米国特許に更に記載されており、それらの全開示内容を本願明細書に参照により援用する:米国特許第4230688号、第4032661号、第4459425号、第4178459号、第4296255号、第4136163号、第5009893号、第5266592号、第5698181号、第6277385号、第6627233号、第7030273号。更に他の適切な冷感剤に関しては、以下の米国特許出願(それらの全開示内容を本願明細書に参照により援用する)に更に記載されている:米国特許出願公開第2005/0222256号、第2005/0265930号。
【0135】
幾つかの実施形態では、加温成分を公知の多種多様な化合物から選択し、ユーザに加温の感覚シグナルを提供してもよい。これらの化合物は、特に口腔において温感を提供し、しばしば風味剤、甘味料及び他の感覚刺激成分の知覚を強化する。幾つかの実施形態では、有用な加温化合物としては、高砂香料社(東京、日本)社製のバニリルアルコール−n−ブチルエーテル(TK−1000)、バニリルアルコール−n−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコール−n−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0136】
幾つかの実施形態では、刺激の感覚を提供してもよい。かかる刺激の感覚は、幾つかの例として、ジャンブ(jambu)、オレオレジン又はスピラントールを添加することにより提供される。幾つかの実施形態では、ジャンブ又はサンショールなどの材料から抽出されるアルキルアミドを含ませてもよい。更に、幾つかの実施形態では、感覚を発泡により生じさせてもよい。かかる発泡は、アルカリ性材料と酸性材料とを混合することにより生じる。幾つかの実施形態では、当該アルカリ性材料としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属重炭酸塩及びそれらの混合物などが挙げられる。幾つかの実施形態では、当該酸性材料としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、アスパラギン酸、安息香酸、コーヒー酸(caffeotannic acid)、イソクエン酸、シトラマル酸、ガラクツロン酸、グルクロン酸、グリセリン酸、グリコール酸、ケトグルタル酸、α−ケトグルタル酸、ラクトイソクエン酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、キナ酸、シキミ酸、コハク酸、タンニン酸、グリコール酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、カプリル酸、及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。「刺激」タイプの感覚剤の例は、米国特許第6780443号に記載されており、その全開示内容を本願明細書に援用する。
【0137】
感覚成分は、米国特許出願第2005/0202118号に開示されるように「三叉刺激剤」と呼ばれてもよく、その開示内容を本願明細書に援用する。三叉刺激剤とは、三叉神経を刺激するための、経口的に消費される製品又は物質として定義される。三叉刺激剤である冷感剤の例としては、メントール、WS−3、N置換p−メンタンカルボキサミド、WS−23、WS−5、WS−14などの非環状カルボキサミド、コハク酸メチル及びメントングリセロールケタールなどが挙げられる。三叉刺激剤としてはまた、風味剤、刺激剤、ジャンブ抽出物、バニリルアルキルエーテル(例えばバニリルn−ブチルエーテル)、スピラントール、アキナセア抽出物、アメリカザンショウ抽出物、カプサイシン、トウガラシオレオレジン、赤トウガラシオレオレジン、黒コショウオレオレジン、パイプライン、ショウガオレオレジン、ジンゲロール、ショガオール、シナモンオレオレジン、カシアオレオレジン、シナモンアルデヒド、オイゲノール、バニリン及びメントールグリセリンエーテルの環状アセタール、不飽和アミド及びそれらの組み合わせが挙げられる。他の冷感化合物としては、米国特許第7030273号(その開示内容を本願明細書に援用する)において開示されるような2,3−ジメチル−2−イソプロピル酪酸の誘導体も挙げられる。
【0138】
三叉神経刺激剤及び冷感化合物以外にも、冷却感覚は、キシリトール、エリトリトール、ブドウ糖及びソルビトールなどのポリオール及びそれらの組み合わせを含むがこれに限らない、溶解により吸熱する材料により提供することもできる。
【0139】
幾つかの実施形態では、感覚成分を、それらの閾値レベル以上で、すなわち認知可能な感覚の経験を提供するレベルで使用する。他の実施形態では、感覚成分を、それらが独立で認知可能な感覚の経験を提供しないように、それらの閾値レベル以下のレベルで使用する。上記感覚剤は、閾値下のレベルで、補助的効果(例えば風味又は甘味の強化又は増強)を提供できる。
【0140】
<呼気清涼化剤>:
呼気清涼化剤としては、様々なアルデヒド、アルコールなどの材料の他に精油が挙げられる。幾つかの実施形態では、精油としてはスペアミント、ペパーミント、ヒメコウジ、サッサフラス、クロロフィル、シトラール、ゲラニオール、カルダモン、クローブ、セージ、カルバクロール、ユーカリノキ、カルダモン、マグノリア樹皮抽出物、マヨラナ、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ及びオレンジの油などが挙げられる。幾つかの実施形態では、桂皮アルデヒド及びサリチルアルデヒドなどのアルデヒドを使用してもよい。更に、例えばメントール、カルボン、イソガリゴール及びアネトールなどの化学物質を、呼気清涼化剤として機能させることもできる。これらのうち、最も一般的に使用されるものはペパーミント、スペアミント及びクロロフィルの油である。
【0141】
幾つかの実施形態では、呼気清涼化剤としては、精油及びそれらに由来する化学製品に加えて、限定されないが以下のものが挙げられる:クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、硫酸アンモニウム亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、フッ化ケイ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、コハク酸亜鉛、ギ酸亜鉛、クロム酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ジチオン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸銀、サリチル酸亜鉛、グリセロリン酸亜鉛、硝酸銅、クロロフィル、銅クロロフィル、クロロフィリン、水素化綿実油、二酸化塩素、βシクロデクストリン、ゼオライト、シリカ系材料、炭素系材料、酵素(例えばラッカーゼ)及びそれらの組み合わせ。
【0142】
幾つかの実施形態では、限定されないが以下のプロバイオティクスの放出プロファイルを菓子類において制御することができる:乳酸を産生する微生物(例えばBacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacillus laterosporus、Bacillus laevolacticus、Sporolactobacillus inulinus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus jenseni、Lactobacillus casei、Lactobacillus fermentum、Lactococcus lactis、Pedioccocus acidilacti、Pedioccocus pentosaceus、Pedioccocus urinae、Leuconostoc mesenteroides、Bacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacillus laterosporus、Bacillus laevolacticus、Sporolactobacillus inulinus及びそれらの混合物。呼気清涼化剤は、以下の商品名としても公知である:Retsyn(商標)、Actizol(商標)及びNutrazin(商標)。悪臭制御組成物の例としては、Staplerらの米国特許第5300305号及び米国特許出願公開第2003/0215417号及び第2004/0081713号(全開示内容を、全ての目的において、本願明細書に援用する)に記載のものが挙げられる。
【0143】
<デンタルケア剤>:
デンタルケア成分(別名、オーラルケア成分)としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:歯漂白剤、染色除去剤、オーラルクレンジング剤、漂白剤、脱感作剤、歯の再石灰化剤、抗菌剤、齲歯防止剤、プラーク酸緩衝剤、界面活性剤及び抗結石剤。かかる成分の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:加水分解剤(タンパク質分解酵素など)、研磨材(例えば水和シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム及びアルミナ)、他の活性な染色除去成分(界面活性剤など、例えば限定されないがアニオン性界面活性剤(例えばステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸化オレイン酸ブチル、オレイン酸ナトリウム、フマル酸塩、グリセロール、水酸化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム))、ポリホスフェートなどのキレート剤(歯石コントロール成分として典型的に使用される)。幾つかの実施形態では、デンタルケア成分としては、ピロリン酸四ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム酸、トリポリリン酸ナトリウム、キシリトール、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0144】
幾つかの実施形態では、過酸化物(例えば過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素及び過酸化二リン酸)が挙げられる。幾つかの実施形態では、硝酸カリウム及びクエン酸カリウムが挙げられる。他の例としては、カゼイングリコマクロペプチド、カルシウムカゼインペプトン−リン酸カルシウム、カゼインリンペプチド、カゼインホスホペプチド−アモルファスリン酸カルシウム(CPP−ACP)及びアモルファスリン酸カルシウムなどが挙げられる。更に他の例としては、パパイン、クリラーゼ(krillase)、ペプシン、トリプシン、リゾチーム、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、グリコアミラーゼ、アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0145】
更なる例では、幾つかの実施形態において、界面活性剤(例えばステアリン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤)を含有させ、予防効果を増強させ、またデンタルケア成分を化粧料として許容できる態様にすることもできる。界面活性剤は、好ましくは上記組成物に洗浄性及び発泡性を付与するための、洗浄性材料であってもよい。界面活性剤の適切な例は、高分子量脂肪酸モノグリセリドモノスルフェートの水溶性塩であり、例えば、水素化ココナッツオイルの脂肪酸のモノスルフェート化されたモノグリセリドのナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高分子アルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、高分子アルキルスルホ酢酸塩、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホネートの高分子脂肪酸エステル、並びに、低級脂肪族アミノカルボン酸化合物(例えば脂肪酸基、アルキル若しくはアシル基などの、12〜16の炭素原子数のそれら)の実質的に飽和した高分子量脂肪族アシルアミドが挙げられる。最後に言及したアミドの例としては、N−ラウロイルザルコシン、及びN−ラウロイル、N−ミリストイル又はN−パルミトイルザルコシンのナトリウム、カリウム及びエタノールアミン塩である。
【0146】
界面活性剤に加えて、デンタルケア成分としては、抗菌剤(例えばトリクロサン、クロルヘキシジン、クエン酸亜鉛、硝酸銀、銅、リモネン及び塩化セチルピリジニウム)が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、更なる齲歯予防剤は、フッ化物イオン又はフッ素を提供する成分(例えば無機フッ化物塩)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可溶性アルカリ金属塩(例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウム)、並びにフッ化スズ(例えばフッ化第一スズ)及び塩化スズを含んでもよい。幾つかの実施形態では、オーラルケア及び口腔衛生に対して有益な効果(例えば酸性条件下でのエナメル可溶性の減少及び腐食に対する歯の保護)を及ぼすフッ素含有化合物が、成分として含有されてもよい。それらの例としては、フッ化ナトリウム、フッ化スズ、フッ化カリウム、フッ化カリウムスズ(Sn−KF)、六フッ化スズナトリウム、塩化フッ化スズ、フッ化ジルコン酸ナトリウム及びモノフルオロリン酸ナトリウムなどが挙げられる。幾つかの実施形態では、尿素が含まれる。
【0147】
更なる例が、以下の米国特許公報及び米国特許出願公開公報に記載されており、それらの全開示内容を、参照により本願明細書に援用する:Reynoldsの米国特許第5227154号、Greenbergの第5378131号、Luoらの第6846500号、Luoらの第6733818号、Luoらの第6696044号、Holmeらの第6685916号、Luoらの第6485739号、Holmeらの第6479071号、Luoらの第6471945号、Holmeらの米国特許出願公開第2005/0025721号、Gebreselassieらの第2005/008732号及びHolmeらの第2004/0136928号。
【0148】
<活性成分>:
活性成分とは一般に、それらが与える所望の最終的な効果をユーザに提供するための、送達システム及び/又は菓子組成物中に含有させる成分のことを指す。幾つかの実施形態では、活性成分は、薬剤、栄養分、機能性食品、ハーブ類、栄養剤、医薬、薬剤など、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0149】
有用な薬剤の例としては、以下のものが挙げられる:ace阻害剤、抗狭心症剤、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗高コレステロール血症剤、鎮痛剤、麻酔剤、抗痙攣剤、抗うつ剤、抗糖尿病剤、止瀉薬調剤、解毒剤、抗ヒスタミン剤、降圧剤、抗炎症剤、抗脂質剤、抗躁剤、制吐剤、抗卒中剤、抗甲状腺剤製剤、抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、挫創剤、アルカロイド、アミノ酸調剤、鎮咳剤、抗尿酸血症剤、抗ウイルス剤、アナボリック調剤、全身性及び非全身性抗感染剤、抗悪性腫瘍剤、抗パーキンソン剤、抗リウマチ剤、食欲刺激剤、生物学的応答修飾剤、血液修飾剤、骨代謝調節剤、心血管剤、中枢神経系刺激剤、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊剤、鬱血除去剤、栄養補助食品、ドーパミンレセプターアゴニスト、子宮内膜症制御剤、酵素、クエン酸シルデナフィルなどの勃起機能障害治療剤(現在Viagra(登録商標)として市販)、不妊治療剤、胃腸剤、ホメオパシー治療剤、ホルモン、高カルシウム血症及び低カルシウム血症調節剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、片頭痛剤、動揺病治療剤、筋肉弛緩剤、肥満制御剤、骨粗鬆症剤、子宮収縮剤、副交感神経遮断剤、副交感神経作動剤、プロスタグランジン、精神治療剤、呼吸器作用剤、鎮静剤、ブロモクリプチン又はニコチンなどの禁煙補助剤、交感神経遮断剤、振戦剤、尿管作用剤、血管拡張剤、緩下剤、制酸剤、イオン交換樹脂、抗発熱剤、食欲抑制剤、去痰剤、抗不安剤、抗潰瘍剤、抗炎症性物質、冠動脈拡張剤、脳拡張剤、末梢血管拡張剤、向精神剤、刺激剤、抗高血圧剤、血管収縮剤、片頭痛治療剤、抗生物質、精神安定剤、抗精神病剤、抗腫瘍剤、抗凝固剤、抗血栓剤、睡眠剤、鎮吐剤、抗嘔吐剤、抗痙攣剤、神経筋肉作用剤、高糖血症及び低糖血症剤、甲状腺及び抗甲状腺剤、利尿剤、鎮痙剤、子宮弛緩剤(terine relaxant)、肥満抑制剤、赤血球生成剤、抗喘息剤、鎮咳剤、粘液溶解剤、DNA及び遺伝的修飾剤、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0150】
幾つかの実施形態への使用が考えられる活性成分の例としては、制酸剤、H2アンタゴニスト及び鎮痛薬が挙げられる。例えば、制酸剤の投与形態は、成分と、炭酸カルシウム塩を単独で使用して、又は水酸化マグネシウム塩及び/又は水酸化アルミニウム塩との組み合わせにより、調製することができる。更に、制酸剤はH2アンタゴニストとの組み合わせで使用することができる。
【0151】
鎮痛剤としては、アヘン及びアヘン誘導体(例えばOxyconti(商標)、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン及びそれらの組み合わせ)が挙げられ、任意にカフェインを含んでもよい。
【0152】
幾つかの実施形態において用いられる他の薬剤活性成分としては、止瀉剤(例えばImmodium(商標)AD)、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、鬱血除去剤、ビタミン剤及び呼気清涼化剤などが挙げられる。また、本発明への使用が考えられるものしては、不安緩解剤(例えばキサナックス(Xanax)(商標));抗精神病剤(例えばクロラジル(商標)及びハルドール(商標));非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)(例えばイブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ボルタレン(商標)及びロージン(商標))、抗ヒスタミン剤(例えばクラリチン(商標)、ヒスマナル(商標)、レラフェン(商標)及びタビスト(商標));制吐剤(例えばキトリル(商標)及びセサメット(商標));気管支拡張剤(例えばベントリン(商標)、プロベンチル(商標));抗うつ剤(例えばプロザック(商標)、ゾロフト(商標)及びパクシル(商標));抗片頭痛剤(例えばイミグラ(商標));ACE阻害剤(例えばバソテック(商標)、カポテン(商標)及びゼストリル(商標));抗アルツハイマー剤(例えばニセルゴリン(商標));並びにCaH−アンタゴニスト(例えばプロカルディア(商標)、アダラット(商標)及びカラン(商標))である。
【0153】
本発明への使用が考えられる一般的なH2−アンタゴニストとしては、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、エブロチジン、ミフェンチジン、ロキサチジン、ピサチジン及びアセロキサチジンなどが挙げられる。
【0154】
活性な制酸剤成分としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:水酸化アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、アミノ酢酸、アルミニウムホスフェート、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウム、重炭酸塩、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス、ビスマスサブシリシレート(subsilysilate)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸イオン(酸又は塩)、アミノ酢酸、アルミン酸硫酸マグネシウム水和物、マガルドレート、アルミノケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムトリシリケート、固形乳、アルミニウムモノオーディベーシック(mono−ordibasic)リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、重炭酸カリウム、酒石酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アルミノケイ酸マグネシウム、酒石酸及び塩。
【0155】
様々な栄養剤を、活性成分として使用してもよく、それには実質的にあらゆるビタミン又はミネラルが包含される。例えばビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB12、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素、鉄、銅、ヨウ素、亜鉛、セレニウム、マンガン、コリン、クロミウム、モリブデン、フッ素、コバルト及びそれらの組み合わせを使用できる。
【0156】
活性成分として使用できる栄養剤の例としては、米国特許出願公開第2003/0157213A1号、第2003/0206993号及び第2003/0099741A1号(それらの全開示内容を参照により本願明細書に援用する)に記載されている。
【0157】
また、様々なハーブを、様々な医薬的特性又は栄養補助食品としての特性を有する活性成分として使用してもよい。ハーブとは一般に、芳香を発する植物若しくは植物の部分であるか、又はそれらの抽出物であって、医薬として、又は風味剤において使用できるものである。適切なハーブは、単独で又は様々な混合物の状態で使用できる。一般的に用いられるハーブとしては、エキナセア、ゴールデンシール、カレンデュラ、ローズマリー、タイム、カバカバ、アロエ、ブラッドルート、グレープフルーツ種抽出物、ブラックコホシュ、ジンセン、ガラナ、クランベリー、ギンコビローバ、セントジョーンズヴォルト、イブニングプリムローズオイル、ヨヒンベバーク、緑茶、マオウ、マカ、ビルベリー、ルテイン及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0158】
<発泡系成分>:
発泡系は、1つ以上の食用酸及び1つ以上の食用アルカリ材料を含んでもよい。上記1つ以上の食用酸及び1つ以上の食用アルカリ材料と一緒に反応させ、発泡させてもよい。
【0159】
幾つかの実施形態では、上記1つ以上のアルカリ材料を、限定されないが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属重炭酸塩及びそれらの組み合わせから選択してもよい。1つ以上の食用酸を、限定されないが、クエン酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸及びそれらの組み合わせから選択してもよい。幾つかの実施形態では、発泡系は、1つ以上の他の成分(例えば二酸化炭素、オーラルケア成分、風味剤など)を含んでもよい。
【0160】
チューイング菓子に使用する発泡系の有用な例としては、2004年10月13日に出願の米国仮特許出願第60/618222号、発明の名称「Effervescent Pressed Confectionery Tablet Compositions」(その全開示内容を本願明細書に援用する)が挙げられる。他の例としては、米国特許第6235318号に記載のものが挙げられる(その全開示内容を本願明細書に援用する)。
【0161】
<食欲抑制成分>:
食欲抑制成分は、例えば食品を消費したいという願望を低下させるように機能する、繊維及びタンパク質成分であってもよい。食欲抑制成分としては、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、マジンドール、フェンジメトラジン、フェンテルミン、ホーディア(P57)、オリブラ(商標)、エフェドラ、カフェイン及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。食欲抑制成分はまた、以下の商品名として公知である:アディペックス(商標)、アディポスト(商標)、ボントリル(商標)PDM、ボントリル(商標)(遅延放出タイプ)、ジドレックス(商標)、ファスチン(商標)、イオナミン(商標)、マザノール(商標)、メルフィアット(商標)、オベニックス(商標)、フェンダイエット(商標)、フェンダイエット−105(商標)、フェンテルコット(商標)、フェントライド(商標)、プレギン(Plegine)(商標)、Prelu−2、(商標)、Pro−Fast(商標)、PT105(商標)、サノレックス(商標)、テヌエート(商標)、サノレックス(商標)、テヌエート(商標)、テヌエートドスパン(商標)、テパニル Ten−Tab(商標)、テラミン(商標)及びザントリル(商標)。これらの、また他の適切な食欲抑制剤は、以下の米国特許に更に記載されており、それらの全開示内容を本願明細書に参照により援用する:Portmanの米国特許第6838431号、Portmanの米国特許第6716815号、Portmanの米国特許第6558690号、Portmanの米国特許第6468962号、Portmanの米国特許第6436899号。
【0162】
<強化剤成分>:
強化剤は、自分自身の独特の味覚及び/又は芳香の感覚を導くことのない、元の材料の味覚及び/又は芳香の感覚を強化、補充、修飾又は増強できる材料からなってもよい。幾つかの実施形態では、風味、甘味、辛さ、旨み、こくみ、塩味及びそれらの組み合わせの知覚を強化、補充、修飾又は増強するように設計された強化剤を含ませてもよい。
【0163】
幾つかの実施形態では、適切な強化剤(別名風味強化剤)としては、限定されないが、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、光学活性S−アルキル−2−メチルブタンチオエート化合物(例えばOguraらの国際公開第2007/032262号(その開示内容を本願明細書に援用する))、クロロゲン酸、アラピリダイン(alapyridaine)、シナリン、ミラキュリン、グルピリダイン(glupyridaine)、ピリジニウム−ベタイン化合物、グルタメート(例えばグルタミン酸ナトリウム及びグルタミン酸一カリウム)、ネオテーム、タウマチン、タガトース、トレハロース、塩(例えば塩化ナトリウム)、グリチルリジン酸モノアンモニウム、バニラエッセンス(エチルアルコール中)、糖酸、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、植物タンパク質加水分解物、動物タンパク質加水分解物、酵母抽出物、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン、ヌクレオチド(例えばイノシン一リン酸、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール分子内塩、5’−ヌクレオチド含有化合物(例えばNoordamらの米国特許出願公開第2006/0078972号(全開示内容を本発明に援用する)において開示のもの)、テンサイ抽出物(アルコール系抽出物)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール系抽出物)、クルクリン、ストロージン(strogin)、マビンリン、ギムネム酸、ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロ安息香酸、2,4−ジヒドロ安息香酸、ダイダイ、バニラオレオレジン、サトウキビ葉エッセンス、マルトール、エチルマルトール、バニリン、カンゾウグリチルリジネート、Pennerらの米国特許出願公開第2005/0019830号(全開示内容を本願明細書に援用する)にて開示される、甘味、苦味及びうま味などの味覚受容体を媒介するTRPM5イオンチャネルと反応する化合物など、Hofmannらの米国特許第7175872号に開示のピリジニウムベタイン化合物(その全開示内容を本発明に援用する)、Gタンパク質結合受容体(T2Rs及びT1Rs)と反応する化合物、及びKurodaらの米国特許第5679397号に開示される、こくみを与える味覚強化組成物(それらの全開示内容を本発明に援用する)などが挙げられる。「こくみ」成分とは、「充実感」及び「こくがある(good body)」を付与する材料を指す。
【0164】
甘味強化剤(一種の味覚強化剤)は、甘味を強化する。幾つかの実施形態では、甘味強化剤(典型的な甘味料)としては、限定されないが以下のものが挙げられる:グリチルリジン酸モノアンモニウム、カンゾウグリチルリジン酸エステル、ミカン、アラピリダイン、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラキュリン、クルクリン、ストロギン、マビンリン、ギムネム酸、シナリン、グルピリダイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、テンサイ抽出物、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ヒドロキシ安息香酸、タガトース、トレハロース、グルマリン、ギムネマ・シルベスタの抽出物及び抽出物の誘導体、トリプトファン、マルトール、エチルマルトール、バニラ抽出物、バニラオレオレジン、バニリン、テンサイ抽出物(アルコール抽出物)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出物)、Gタンパク質結合受容体と反応する化合物(T2Rs及びT1Rs)、ヒトT1R2味覚受容体と反応する化合物、並びにそれらの組み合わせ。
【0165】
塩味の強化のための強化剤の更なる例としては、本願明細書に参照により援用される酸性ペプチド(例えば米国特許第6974597号において開示されるもの)が挙げられる。酸性ペプチドとしては、塩基性アミノ酸(例えばリジン、アルギニン及びヒスチジン)より酸性アミノ酸(例えばアスパラギン酸及びグルタミン酸)を多く含有するペプチドが挙げられる。酸性ペプチドは、ペプチド合成によって、又は、エンドペプチターゼを用いたタンパク質の加水分解によって、並びに必要に応じて脱アミド化によって得られる。酸性ペプチド又はタンパク質の加水分解及び非アミド化により得られるペプチドの産生に用いられる適切なタンパク質としては、植物性タンパク質(例えば小麦グルテン、穀物タンパク質(例えばゼイン及びグルテン食事)、大豆タンパク質単離物)、動物性タンパク質(例えば牛乳タンパク質(例えば牛乳カゼイン及びホエイタンパク質)、筋タンパク(例えば食肉蛋白質及び魚食肉蛋白質)、卵白タンパク質及びコラーゲン)。並びに微生物タンパク質(例えば微生物によって産生される微生物細胞タンパク質及びポリペプチド)などが挙げられる。
【0166】
加温又は冷却効果の感覚は、本願明細書に全開示内容を援用する、米国特許出願公開第2003/0072842A1号に記載のような、疎水性甘味料を用いることにより長期化させることもできる。かかる疎水性甘味料は、例えば、以下の式I〜XIのものが挙げられる:
【化3】

(式中、X、Y及びZは、CH、O及びSからなる群から選択される)、
【化4】

(式中、X及びYは、S及びOからなる群から選択される)、
【化5】

(式中、XはS又はOであり、YはO又はCHであり、ZはCH、SO又はSであり、RはOCH、OH又はHであり、RはSH又はOHであり、RはH又はOHである)、
【化6】

(式中、XはC又はSであり、RはOH又はHであり、RはOCH又はOHである)、
【化7】

(式中、R、R及びRはOH又はHであり、RはH又はCOOHである)、
【化8】

(式中、XはO又はCHであり、RはCOOH又はHである)、
【化9】

(式中、RはCHCH、OH、N(CH又はClである)。
【化10】

【化11】

【0167】
また、ペリラーチンを、本発明に全開示内容を援用する、米国特許第6159509号にて説明したように、添加してもよい。
【0168】
<食品酸成分>:
酸としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、アスパラギン酸、安息香酸、コーヒー酸、イソクエン酸、シトラマル酸、ガラクツロン酸、グルクロン酸、グリセリン酸、グリコール酸、ケトグルタル酸、α−ケトグルタル酸、ラクトイソクエン酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、キナ酸、シキミ酸、コハク酸、タンニン酸、ヒドロキシ酢酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、カプリン酸及びそれらの組み合わせ。
【0169】
<微量栄養素成分>:
微量栄養素とは、生物体にとり栄養的に良好な影響を及ぼす材料であって、その量が、脂肪、タンパク質及び炭水化物などの多量養素と比較し少ない量で要求されるにもかかわらず、生物体にとり所望の効果が得られる材料のことを指す。微量栄養素としては、ビタミン、ミネラル、酵素、植物化学物質、酸化防止剤及びそれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0170】
幾つかの実施形態では、ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKなどの脂溶性ビタミン及びそれらの組み合わせを含んでもよい。幾つかの実施形態では、ビタミンは、水溶性ビタミン(例えばビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンB群(チアミン又はB、リボフラビン又はB、ナイアシン又はB、ピリドキシン又はB、葉酸酸又はB、シアノコバラミン又はB12)、パントテン酸、ビオチン)、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0171】
幾つかの実施形態では、ミネラルとしては、ナトリウム、マグネシウム、クロム、ヨウ素、鉄、マンガン、カルシウム、銅、フッ素、カリウム、リン、モリブデン、セレニウム、亜鉛及びそれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0172】
幾つかの実施形態では、微量栄養素としては、L−カルニチン、コリン、コエンザイムQ10、α−リポ酸、ω−3−脂肪酸、ペプシン、フィターゼ、トリプシン、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ及びそれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
酸化防止剤は、遊離基を除去する材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、酸化防止剤としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:アスコルビン酸、クエン酸、ローズマリー油、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンEホスフェート、トコフェロール、ジ−α−トコフェリルホスフェート、トコトリエノール、αリポ酸、ジヒドロリポ酸、キサントフィル、βクリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、βカロチン、カロチン、混合カロチノイド、ポリフェノール、フラボノイド及びそれらの組み合わせ。
【0174】
幾つかの実施形態では、植物化学物質としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:カルトテノイド、クロロフィル、クロロフィリン、繊維、フラバノイド、アントシアニン、シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、フラバノール、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート(EGCG)、ゼアフラビン、ゼアルビジン、プロアントシアニン、フラボノール、ケルセチン、カンフェロール、ミリセチン、イソラムネチン、フラボノン、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオディクチオール、タンゲレチン、フラボン、アピゲニン、ルテオリン、リグナン、植物エストロジェン、レスベラトロール、イソフラボン、ダイドゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、大豆イソフラボン及びそれらの組み合わせ。
【0175】
<口内湿潤化成分>:
口内湿潤化成分としては、限定されないが、酸、塩及びそれらの組み合わせなどの唾液刺激成分が挙げられる。幾つかの実施形態では、上記の酸としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0176】
口内湿潤化成分は、水和する親水コロイド材を含んでもよく、また口腔の表面に結合して口内の湿潤した感覚を提供するものであってもよい。親水コロイド材は、植物抽出液、シードガム、海草抽出物などの天然材料を含んでもよく、又は、それらは化学修飾を施した材料(例えばセルロース、澱粉又は天然ゴムの誘導体)であってもよい。幾つかの実施形態では、親水コロイド材としては、ペクチン、アラビアゴム、アカシアガム、アルギネート、アガー、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、カシアガム、ガラクトマンナン、トラガカントガム、カラヤガム、カードラン、マンナン、キトサン、キシログルカン、βグルカン、フルセララン、ガッティガム、タマリン、バクテリアルガム及びそれらの組み合わせが挙げられる。更に、幾つかの実施形態では、修飾天然ガム(例えばアルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシル化ペクチン)及びそれらの組み合わせを含有させてもよい。幾つかの実施形態では、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPCM)及びヒドロキシプロピルセルロース(MPC)及びそれらの組み合わせなどの、修飾セルロースを含有させてもよい。
【0177】
同様に、口内の水和の知覚を提供できる湿潤剤を含ませてもよい。かかる湿潤剤としては、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、エリトリトール及びキシリトールなどが挙げられるが、これらに限定されない。更に、幾つかの実施形態では、脂肪を用いて、口内の湿潤の感覚を提供できる。かかる脂肪としては、中鎖トリグリセリド、植物油、魚油、鉱油及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0178】
口内湿潤化成分としては、以下のものが挙げられる:ペリトリン抽出物、アナキクルス・ピレスルムの抽出物、トランスペリトリン、N−イソブチル−トランス−2−トランス−4−デカジエンアミド、アルカジエンアミド(N−イソブチル−E2,E4−デカジエンアミドなど)、N−イソブチル−E2,E4−ウンデカジエンアミド、N−ピロリジル−E2,E4−デカジエンアミド、米国特許出願公開第2007/0075368号(本願明細書に援用する)に開示の、N−ピペリジル−E2,E4−デカジエンアミド又はそれらの組み合わせ、米国特許出願公開第2006/0204551号(本願明細書に援用する)に開示の、食品酸とn−イソブチルデカ−トランス−2−トランス−4−ジエンアミドのブレンド式(I)の化合物のブレンド(式中、RはC1−C2のn−アルキル基を表し、Rは2−メチル−1−プロピル基であり、Rは水素であるか、又はR及びRは共に式−(CH)−部分を形成し、式中、nは4又は5である)、又はKeenanらの米国特許出願第2007/0036838号(その開示内容を本願明細書に援用する)にて開示される冷感化合物との混合物。
【化12】

【0179】
<のどケア成分>:
喉を鎮静させる成分としては、鎮痛剤、麻酔剤、粘滑剤、防腐剤及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、鎮痛剤/麻酔剤としては、メントール、フェノール、ヘキシルレゾルシノール、ベンゾカイン、ジクロニン塩酸、ベンジルアルコール、サリチルアルコール及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、粘滑剤としては、スリッパリーエルム樹皮、ペクチン、ゼラチン及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、防腐剤成分としては、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、塩化デカリニウム及びその組み合わせが挙げられる。
【0180】
幾つかの実施形態では、鎮咳成分としては塩酸クロフェジアノール、コデイン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、デキストロメトルファン、デキストロメトルファン・ハイドロ臭化物、クエン酸ジフェンヒドラミン及び塩酸ジフェンヒドラミン、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0181】
幾つかの実施形態では、蜂蜜、プロポリス、アロエヴェラ、グリセリン、メントール及びそれらの組み合わせなどの、喉鎮静剤を含ませてもよい。更に他の実施形態では、咳抑制剤を含ませてもよい。かかる咳抑制剤は、以下の2つの群に分類できる:粘稠性又は痰の産生を変化させる物質(例えば粘液溶解剤及び去痰剤)、及び咳嗽反射を抑制する物質(例えばコデイン(麻薬咳抑制剤)、抗ヒスタミン剤、デキストロメトルファン及びイソプロテレノール(非麻薬性咳抑制剤)。幾つかの実施形態では、どちらかの成分、又は両方を含ませてもよい。
【0182】
更に他の実施形態では、鎮咳薬としては、限定されないがコデイン、デキストロメトルファン、デキストロファン、ジフェンヒドラミン、ヒドロコドン、ノスカピン、オキシコドン、ペントキシベリン及びそれらの組み合わせからなる群が挙げられる。幾つかの実施形態では、抗ヒスタミン剤としては、限定されないがアクリバスチン、アザタジン、ブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デキスブロムフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ヒドロキシジン、メクリジン、フェニンダミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、トリペレンアミン、トリプロリジン及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、非鎮静型抗ヒスタミン剤としては、限定されないがアステミゾール、セチリジン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラチジン、テルフェナジン及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0183】
幾つかの実施形態では、去痰剤としては、限定されないが塩化アンモニウム、グアイフェネシン、トコン液抽出物、ヨウ化カリウム及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、粘液溶解剤としては、限定されないがアセチルシステイン、アンブロキソール、ブロムヘキシン及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、鎮痛剤、解熱剤及び抗炎症剤としては、限定されないがアセトアミノフェン、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、カフェイン及びそれらの混合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、局所麻酔薬としては、限定されないがリドカイン、ベンゾカイン、フェノール、ジクロニン、ベンゾノテート及びそれらの混合物が挙げられる。
【0184】
幾つかの実施形態では、良好な鼻通りの知覚を提供する鼻充血抑制剤及び成分を含ませてもよい。幾つかの実施形態では、鼻充血抑制剤としては、限定されないがフェニルプロパノラミン、シュードエフェドリン、エフェドリン、フェニレフリン、オキシメタゾリン及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、良好な鼻通りの知覚を提供する成分としては、限定されないがメントール、カンファー、ボルネオール、エフェドリン、ユーカリ油、ペパーミント油、サリチル酸メチル、酢酸ボルニル、ラベンダー油、ワサビ抽出物、セイヨウワサビ抽出物及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、良好な鼻通りの知覚は、香りを有するエッセンシャルオイル、木、菓子類、花及び他の植物性物質からの抽出物、樹脂、動物分泌物及び合成芳香族物質により提供することができる。
【0185】
<着色剤>:
幾つかの実施形態では、1つ以上の着色剤を含ませてもよい。米国の連邦食品薬品化粧品法(21C.F.R.73)によって分類されるように、着色料として、認可免除着色料(合成により製造できても、「天然」着色料と称する場合がある)及び認可着色料(「人工」着色料と称する場合がある)、又はそれらの組合せが挙げられる。幾つかの実施形態では、認可免除又は天然着色料としては、限定されないがアナットーエキス、(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水ビーツ(ビート粉末)、赤色ビート根/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a−d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、βカロチン(E160a)、αカロチン、γカロチン、β−アポ−8−カロテナール(E160f)のエチルエステル、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニールエキス(E120)、カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、ナトリウム銅クロロフィリン(E141)、クロロフィル(E140)、焼成し部分的に脱脂し加熱した綿実小麦粉、グルコン酸鉄、乳酸鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカスアルガエミール、合成酸化鉄、酸化鉄及び水酸化鉄(E172)、フルーツジュース、野菜ジュース、乾燥藻類ミール、マンジュギク(Aztec marigold)ミール及びエキス、キャロット油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、ファフィア酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランサス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)及びそれらの組合せが挙げられる。
【0186】
幾つかの実施形態では、認可着色料としては、限定されないがFD&Cブルー#1、FD&Cブルー#2、FD&Cグリーン#3、FD&Cレッド#3、FD&Cレッド#40、FD&Cイエロー#5及びFD&Cイエロー#6、タートラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、ポンソー(E124)、エリスロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンBS(E142)及びそれらの組合せが挙げられる。幾つかの実施形態では、認定着色料としてFD&Cアルミニウムレーキが挙げられる。これらは、アルミナ水和物の不溶性基質上に付着させたアルミニウム塩FD&C染料からなる。更に、幾つかの実施形態では、認定着色料としてカルシウム塩を添加してもよい。
【0187】
<複数成分>:
幾つかの実施形態では、チューインガム組成物中に、チューインガムの摂食中にチューインガムから制御放出させようとする2種以上の成分を含有させるのが好ましい。幾つかの実施形態では、各成分をそれぞれ異なる送達システムに別々に包接又は封入してもよい。あるいは、幾つかの実施形態では、各成分を同じ送達システムに包接又は封入してもよい。別の方法として、1つ以上の成分を遊離状態とし(例えば非封入)、1つ以上の他の成分を封入状態としてもよい。
【0188】
チューインガム組成物には、チューインガム組成物の摂食中に制御放出しようとする成分を一群として含有させてもよい。チューインガムの摂食中にチューインガム組成物から制御放出しようとする、2種以上の成分からなる群としては、限定されないが、着色料及び風味料、複数の風味料、複数の着色料、冷感剤及び風味料、温感剤及び風味料、冷感剤及び温感剤、冷感剤及び高強度甘味料、温感剤及び高強度甘味料、複数の冷感剤(例えば、WS−3及びWS−23、WS−3及びコハク酸メンチル)、メントール及び1つ以上の冷感剤、メントール及び1つ以上の温感剤、複数の温感剤、高強度甘味料(単数種又は複数種)及び歯の白色化活性1つ以上の成分、高強度甘味料(単数種又は複数種)及び呼気清涼化活性1つ以上の成分、幾らか苦味がある成分と、その成分に対する苦味抑制剤、複数の高強度甘味料(例えばace−k及びアスパルテーム)、複数の歯の白色化成分(例えば研磨剤成分)及び抗微生物成分、パーオキサイド及び硝酸塩、温感剤及びポリオール、冷感剤及びポリオール、複数のポリオール、温感剤及び微量栄養素、冷感剤及び微量栄養素、温感剤及び口内湿潤化剤、冷感剤及び口内湿潤化剤、温感剤及び咽頭ケア剤、冷感剤及び咽頭ケア剤、温感剤及び食用酸、冷感剤及び食用酸、温感剤及び乳化剤/界面活性剤、冷感剤及び乳化剤/界面活性剤、温感剤及び着色料、冷感剤及び着色料、温感剤及び風味増強剤、冷感剤及び風味増強剤、温感剤と甘味増強剤、冷感剤と甘味増強剤、温感剤及び食欲抑制剤、冷感剤及び食欲抑制剤、高強度甘味料及び風味料、冷感剤及び歯の漂白剤、温感剤及び歯の漂白剤、温感剤及び呼気清涼化剤、冷感剤及び呼気清涼化剤、冷感剤及び発泡システム、温感剤及び発泡システム、温感剤及び抗微生物剤、冷感剤及び抗微生物剤、複数の歯石予防成分、複数の再石灰化成分、複数の界面活性剤、鉱質除去成分と再石灰化成分、酸性成分と酸緩衝成分、抗菌成分と歯石予防成分、再石灰化成分と歯石予防成分、再石灰化成分と歯石予防成分と抗菌成分、界面活性剤成分と歯石予防成分、界面活性剤成分と抗菌成分、界面活性剤成分と再石灰化成分、界面活性剤と歯石予防成分と抗菌成分、複数のタイプのビタミン又はミネラル、複数の微量栄養素、複数の酸、複数の抗微生物成分、複数の呼気清涼化成分、呼気清涼化成分と抗微生物成分、複数の食欲抑制剤、反応して発泡する酸及び塩基、高強度甘味料と苦味化合物、冷感剤及び食欲抑制剤、温感剤と食欲抑制剤、高強度甘味料と食欲抑制剤、高強度甘味料と酸、プロバイオテック成分とプレバイオテック成分、ビタミンとミネラル、代謝増強成分と多量栄養素、代謝増強成分と微量栄養素、酵素と基質、高強度甘味料と甘味増強剤、冷感化合物と冷却増強剤、風味料と風味増強剤、温感化合物と温感増強剤、風味料と塩、高強度甘味料と塩、酸と塩、冷感化合物と塩、温感化合物と塩、風味料と界面活性剤、渋味化合物と湿潤感をもたらす成分、等が挙げられる。幾つかの実施形態では、複数の成分は、同じ送達システムの一部でもよく、又は異なる送達システムの一部でもよい。異なる送達システムは、同じ若しくは異なる封入材を使用してもよい。
【0189】
典型的には、上記複数成分の封入の結果、(例えばチューインガム組成物に一成分として添加される送達システムの一部として)封入された複数成分を含むチューインガム組成物の摂食中に、その複数成分の多くの放出が遅延する。これは、成分を別々に封入することにより異なる放出プロファイルにてそれらが放出される場合には、特に有益であると考えられる。例えば、高強度甘味料の種類により水溶性又は他の性質が異なるため、それらを用いて異なる放出プロファイルを有する態様としてもよい。またそれらを一緒に封入することで、同時にそれらを放出させることも可能となる。
【0190】
幾つかの実施形態では、複数成分、複数成分を含有する送達システム、及び/若しくは送達システムを含有するチューインガムの様々な特性、並びに/又は前記したような方法でどのように送達システムを調製するか、を適宜調節することによって、ガムごとに複数成分の放出プロファイルを制御できる。
【0191】
更なる成分を、上記の通り、ガム組成物の1つ以上の領域又は層(例えば必要に応じて第1領域組成物、第2領域又はコーティング)において使用してもよい。
【0192】
上記更なる成分を、他のいずれかの任意の成分との組み合わせと同様に、それらのカプセル化及び/又は非カプセル化形態において、複数領域ガムの1つ以上の領域又は層に添加してもよい。例えば、単一の成分を、そのカプセル化及び非カプセル化形態で、複数領域ガムに添加してもよい。上記成分の2つの異なる形態を、同じ若しくは異なる量で、複数領域ガムの同じ若しくは異なる領域に添加してもよい。
【0193】
幾つかの実施形態では、単一の成分を、2つ以上の異なるカプセル化形態において添加してもよい。特に、2つ以上の異なる封入材(例えば異なるポリマー)を用いて、成分の2つ以上の別々の部分を封入してもよい。異なるカプセル化形態の同じ成分を、同じ若しくは異なる量で、複数領域ガム製品の、同じ若しくは異なる領域に添加してもよい。更に、幾つかの実施形態では、非カプセル化形態の同じ成分を、2つ以上の異なるカプセル化形態のものとの組み合わせで添加してもよい。非カプセル化形態の成分を、カプセル化形態のものと同じ若しくは異なる量で、複数領域ガム製品のいかなる領域に添加してもよい。更に、幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるカプセル化形態のものとの組み合わせで、非カプセル化形態の同様の成分を添加してもよい。例えば、2つのカプセル化形態の単一の甘味料を、非カプセル化形態の異なる甘味料との組み合わせで使用してもよい。
【0194】
幾つかの実施形態では、2つ以上の異なる成分の組み合わせを使用してもよい。幾つかの実施形態では、異なる成分のうちの少なくとも1つをカプセル化し、一方、組み合わせの他の成分のうちの少なくとも1つを非カプセル化形態としてもよい。複数の成分は、同じタイプ(例えば2つの異なる甘味料)でもよい。あるいは、複数の成分が、明確に異なるカテゴリのもの(例えば甘味料と温感剤)であってもよい。上記の異なる成分は、同じ若しくは異なる量において、複数領域ガムの同じ若しくは異なる領域に添加してもよい。特定の領域における上記成分の量は、上記成分がそれぞれの領域において消費者によってどのように知覚されうるか、消費者に与えようとする知覚又は機能的利点、制御上の問題、量が多すぎる場合に生じうる味覚の悪化など、に応じて、適宜選択してもよい。
【0195】
幾つかの実施形態では、複数成分を各々カプセル化して含めてもよい。カプセル化された複数の成分を、同じ若しくは異なる量で、ガムの同じ若しくは異なる領域に含めてもよい。カプセル化された複数の成分は、同じタイプ又は明確に異なるカテゴリの成分でもよい。
【0196】
カプセル化された複数の成分が、複数領域ガム組成物に添加される幾つかの実施形態では、当該複数の成分は、一緒に又は別々にカプセル化してもよい。複数の成分が一緒にカプセル化される実施形態では、当該成分を混合し、単一の封入材によってカプセル化してもよい。複数の成分が別々にカプセル化される実施形態では、成分のカプセル化に使用する材料は、同じでもよく、異なってもよい。
【0197】
本発明の特性及び効果を、説明のために提供される以下の実施例により更に詳細に示すが、それらはいかなる形であれ本発明を限定するものと解釈すべきでない。
【実施例】
【0198】
以下の実施例は、本発明の幾つかの実施態様の複数領域チューインガム組成物に関するものである。本願明細書に記載のように、チューインガム組成物の第2(又はガム)領域はイソマルトを含有する。
【0199】
<実施例A−H>:
ガム領域中にイソマルトを含んでなるペレット形状の中心充填チューインガム粒を、下記の表1及び2に示される組成に従い調製した。
【0200】
表1:ガム領域組成物
【表1】

*ガムベースは、充填材(例えばタルク、リン酸ジカルシウム及び炭酸カルシウム)の3重量%〜11重量%で含まれてもよい(ガムベースの充填材の量は、例えば上記組成A−Hのガム領域組成物の重量%に基づくものであり、ガム領域組成物が5重量%の充填材を含む場合、ガムベースの量は表に示す範囲より5重量%少なく、すなわち23〜37重量%である)。
【0201】
表2:液体充填組成物:
【表2】

【0202】
3つの領域(液体充填物、ガム領域及びコーティング)を含んでなるガム粒を、各領域において組成A−Hに対応する成分に従い、表1及び2の組成に従い調製した。
【0203】
ガム領域の組成物を、ガムベースを約85℃に加熱することにより調製した。ガムベースを次に、6分間、イソマルト、レシチン、グリセリン及び他のポリオールと混合した。ガム領域において使用されるイソマルトは、約37μmの粒径及び約0.5m/gの表面積を有していた。幾つかの組成では、更にソルビトールを、イソマルトとの組み合わせで含ませた。かかる組成中に含有させるソルビトールは、約225μmの粒径及び約1.12m/gの表面積を有していた。風味剤と冷感剤との混合物を含有する風味剤混合物を添加し、1分間混合した。最後に、酸及び強度甘味料(intense sweetener)を添加し、5分間混合した。これらの混合時間は概算であり、必要に応じて、混合物を更に長い時間混合してもよい。
【0204】
上記液体充填組成物は、最初に、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グリセリン、キサンタンガム及びポリオール混合物を調製し、この混合物と更に、着色剤、風味剤、冷感剤、酸及び強度甘味料と組み合わせ、混合することにより調製した。
【0205】
ガム領域及び液体充填組成物を次に、一緒に押出加工し、粒状に形成し、それを、上記[0041]から[0045]段落記載の工程によってコーティングした。ガム粒は、各々約2.2gの合計重量であった。最終的なガム粒において、ガム領域は約50〜75重量%であり、液体充填物は約5〜15重量%であり、コーティングは約25〜35重量%であった。
【0206】
組成A−Hにより調製されたガム粒は、良好な安定性及び機械処理性を示した。下記の表3において、組成A−Hに従って調製した3種類の異なる中心充填チューインガム粒の性能データを提供する。
【0207】
表3:調製物の性能データ
【表3】

【0208】
上記の表3に示すように、ガム領域中にイソマルトを含んでなるチューインガム粒は良好な貯蔵安定性を示し、ガム領域に中心充填組成物が吸収されていることを示す証拠は見られなかった。全体的に、チューインガム粒は低レベルの収縮を示し、それにより、機械により加工されたガム粒のサイズ安定性及び良好な密封完全性が提供された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1領域組成物と、
(b)前記第1領域組成物に隣接する第2領域組成物と、を含んでなり、
前記第2領域組成物が、エラストマーと、イソマルトを単独で又は少なくとも第2のポリオールとの組み合わせで含むポリオール組成物と、を含んでなる、複数領域チューインガム組成物。
【請求項2】
前記第1領域組成物が、中心充填組成物であり、かつ、前記第2領域組成物が、前記中心充填組成物を囲むチューインガム領域である、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項3】
前記イソマルトが、前記ポリオール組成物に対して約60重量%〜約100重量%の量で存在する、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項4】
前記イソマルトが、約15〜約100μmの粒径を有する、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項5】
前記イソマルトが、約20〜約50μmの粒径を有する、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項6】
前記第2のポリオールが、ソルビトールを含んでなる、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項7】
前記ソルビトールが、前記ポリオール組成物に対して約0重量%〜約50重量%の量で存在する、請求項6記載のチューインガム組成物。
【請求項8】
前記ポリオール組成物が、30℃で35重量%未満の水溶性を有する、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項9】
前記第2領域が更に、砂糖、トリアセチン、レシチチン、ポリオール、水素化澱粉加水分解物、ソルビトール、マルチトール、グリセリン及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるシロップを含んでなる、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項10】
前記シロップが、前記チューインガム組成物に対して約1重量%〜約15重量%の量で存在する、請求項9記載のチューインガム組成物。
【請求項11】
前記ポリオール組成物が、前記シロップで飽和されている、請求項9記載のチューインガム組成物。
【請求項12】
前記ポリオール組成物 対 前記シロップの比率が、約15:1〜約4:1である、請求項9記載のチューインガム組成物。
【請求項13】
前記ポリオール組成物 対 前記シロップの比率が、約8:1〜約6:1である、請求項9記載のチューインガム組成物。
【請求項14】
前記第1領域組成物が、液体、固体、半固体及び気体からなる群から選択される、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項15】
前記第1領域組成物が、複数の液体を含んでなる、請求項14記載のチューインガム組成物。
【請求項16】
前記第2領域組成物の少なくとも一部を囲んでいるコーティングを更に含んでなる、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項17】
前記組成物が、約1.2g〜約1.6gの重量のチューインガム粒を含んでなる、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項18】
前記組成物が、スラブ又はペレットの形状のチューインガム粒を含んでなる、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項19】
前記組成物が、多層スラブ又はスティックの形状のチューインガム粒を含んでなる、請求項1記載のチューインガム組成物。
【請求項20】
前記第1領域組成物が、前記第2領域組成物の2枚の層の間に配置され、前記多層スラブ又はスティックを形成する、請求項19記載のチューインガム組成物。
【請求項21】
(a)液体状の中心充填組成物と、
(b)前記中心充填組成物を囲むガム領域と、を含んでなり、
前記ガム領域が、エラストマーとポリオール組成物と、を含んでなり、
前記ポリオール組成物が、前記ポリオール組成物に対して約75重量%〜約100重量%の量のイソマルトと、前記ポリオール組成物に対して約0重量%〜約25重量%の量のソルビトールと、を含んでなる、中心充填チューインガム組成物。
【請求項22】
前記イソマルト 対 前記ソルビトールの比率が、約3:2〜約4:1である、請求項21記載のチューインガム組成物。
【請求項23】
前記イソマルトが約20〜約50μmの粒径を有し、前記ソルビトールが約200〜約250μmの粒径を有する、請求項21記載のチューインガム組成物。
【請求項24】
複数領域チューインガム組成物の調製方法であって、
(a)第1領域組成物と、前記第1領域組成物に隣接する第2領域組成物とを含んでなる複数領域組成物を押出加工するステップであって、前記第2領域組成物が、
(i)エラストマーと、
(ii)イソマルトを単独で、又は少なくとも第2のポリオールとの組み合わせで含むポリオール組成物と、を含んでなるステップと、
(b)前記複数領域組成物をサイズ調整するステップと、
(c)前記複数領域組成物を成形装置に供給するステップと、
(d)前記複数領域組成物の各々の粒を形成するステップと、
(e)前記個々の粒をコーティングでコーティングするステップと、を含んでなる方法。
【請求項25】
前記複数領域組成物を前記成形装置に入れる前に、前記ステップ(b)の前記複数領域組成物を冷却するステップを更に含んでなる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記個々の粒をコーティングでコーティングする前に、前記ステップ(d)の前記複数領域組成物の前記個々の粒を冷却するステップを更に含んでなる、請求項24記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−518852(P2010−518852A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550864(P2009−550864)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/074570
【国際公開番号】WO2008/105908
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(507265133)キャドバリー アダムス ユーエスエー エルエルシー (55)
【Fターム(参考)】