説明

イチジク由来の抗アレルギー性組成物およびその製造方法

【課題】安全性が高く、継続的に使用できるイチジク由来の抗アレルギー性組成物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】イチジク属植物から抽出溶媒によって抽出した抽出成分を抗アレルギー有効成分として含有する抗アレルギー性組成物、およびイチジク属植物を蒸煮する加熱処理A、加熱処理を行った植物体を揉念する揉念処理B、揉念処理を行った植物体を乾燥する乾燥処理C、乾燥した植物体に抽出溶媒である熱水を添加し、抗アレルギー有効成分を含有する抽出組成物を取得する抽出処理D、を行なう抗アレルギー性組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イチジク属植物から抽出した抽出成分を抗アレルギー有効成分として含有する抗アレルギー性組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、花粉症・アレルギー性鼻炎・食物アレルギー・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・気管支喘息等のアレルギー症状を示す人が増えており、社会的にも大きな問題になっている。アレルギーは、過剰な免疫反応の一例であり、I〜IV型に分類される。社会的に注目度の高い花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は、I型アレルギーである。
【0003】
I型アレルギーは、以下の過程で発症する。
(1)生体内に抗原となる花粉・カビなどのアレルゲンが侵入すると、これに対応するIgE(免疫グロブリンE)型抗体がB細胞から過剰に産生される。
(2)産生されたIgE抗体が肥満細胞(マスト細胞とも呼ばれる)や好塩基球細胞の表面に発現した高親和性IgE受容体と結合すること(感作)で、アレルギー反応の準備状態(感作状態)となる。
(3)再度アレルゲンが侵入し、感作状態にある細胞表面のIgE抗体同士を架橋する(抗原抗体反応)。
(4)その刺激によってヒスタミンやロイコトリエンと言ったケミカルメディエータの放出(脱顆粒)が起こる。
(5)ケミカルメディエータによって周囲の組織に炎症、血管透過性の亢進などのアレルギー症状が惹起される。
【0004】
このようなI型アレルギーを発症した患者に対しては、通常、抗ヒスタミン剤やステロイド剤などの薬剤が投与される。これらの薬剤は効果が高い反面、眠気・口渇・胃腸障害などの副作用が問題となっている。また、アレルギー症状を改善するためには長期間の投薬を要するため副作用の虞がある薬剤ではなく、治療のために安全性が高く継続的に使用できる抗アレルギー剤が望ましい。天然由来の抗アレルギー剤であれば、上記薬剤に比べて安全性は高いと考えられる。例えば特許文献1〜6には、植物由来の抗アレルギー剤が報告されている。
【0005】
特許文献1には、ヘリクリサム属植物の抽出物が、インターロイキン4シグナリングの阻害活性(IgEクラススイッチの阻害活性)、FcεRI発現の低下活性、およびヒスタミン放出の阻害活性といった抗アレルギー作用を有することが記載してある。
特許文献2には、モモタマナあるいは月桃の植物体、もしくは植物体から水又は有機溶媒単独、又はそれらの混合物で抽出処理して得たエキスを有効成分とする抗アレルギー剤が記載してある。
特許文献3には、シトルラス属植物から低級脂肪族アルコールもしくはその含水物による抽出によって得られる抽出液または抽出エキスを有効成分として含有することを特徴とする抗アレルギー性組成物が記載してある。
特許文献4には、イネ由来ポリフェノールを有効成分として含むことを特徴とする抗アレルギー剤が記載してある。
特許文献5には、植物体のバラやバラの抽出物、および、これらを発酵培養して得られた発酵物のうちの少なくとも1種と、α−シクロデキストリンとを含有することを特徴とする抗アレルギー剤が記載してある。
特許文献6には、スベリヒユの有効成分を含有することを特徴とする抗アレルギー剤が記載してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−96761号公報
【特許文献2】特開2006−117562号公報
【特許文献3】特開2006−206520号公報
【特許文献4】特開2007−45755号公報
【特許文献5】特開2007−176797号公報
【特許文献6】特開2008−247779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜6には、ヘリクリサム属植物、モモタマナ、月桃、シトルラス属植物、イネ、バラ属植物、スベリヒユといった種々の植物から抗アレルギー剤が作製されている。I型アレルギーに限らず、アレルギー症状の予防や治療を行なうに際して、安全性が高く、継続的に使用できる抗アレルギー剤を作製できる植物の種類は、できるだけ多いほうが望ましい。さらに、このような植物由来の抗アレルギー剤は、摂取者の嗜好に対応できるように、飲用・食用・塗布用などに調製して、できるだけ多様な態様で手軽に摂取できるのが望ましい。
植物の葉からアレルギーに有効な成分を抽出するには、例えば当該植物の葉を製茶し、溶媒で抽出する。このとき得られた抽出液を飲用に供することで、アレルギーに有効な成分を含む抗アレルギー剤とすることができる。
【0008】
飲用では茶の木以外の樹木の葉が利用されることは少ない。例えばイチジクは、果実を食する以外では、ごく一部の地域でイチジク葉を飲用茶に加工されるのみである。そのため、果実以外の部位は殆ど破棄されており、有効利用されていないのが現状である。イチジク葉には、ポリフェノールなどの機能性成分が含まれていることが知られているが、当該イチジク葉は殆ど破棄されていたために研究が進んでおらず、未だに多くの未同定成分が含まれていると考えられる。
【0009】
従って、本発明の目的は、安全性が高く、継続的に使用できるイチジク由来の抗アレルギー性組成物およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る抗アレルギー性組成物の第一特徴構成は、イチジク属植物から抽出溶媒によって抽出した抽出成分を抗アレルギー有効成分として含有する点にある。
【0011】
本発明者らは、鋭意研究の結果、イチジク属植物に抗アレルギー有効成分が含有されていることを新たに見出した。本構成の抗アレルギー性組成物であれば、植物由来の成分を抗アレルギー有効成分として含有する抗アレルギー性組成物として供することができるため、安全性が高く、継続的に使用できる。
一般に、I型アレルギーを抑制するには(1)抗体の過剰産生を抑制する、(2)感作
を抑制する、(3)脱顆粒反応を抑制する、(4)脱顆粒後のアレルギー症状すなわち炎症や浮腫などを抑制する、といった手段が考えられる。これらのうち既存の抗アレルギー技術は(3),(4)とされている。後述した実施例1において、イチジク茶抽出物は細胞の感作を抑制することが判明している。即ち、本発明の抗アレルギー性組成物であれば、感作を抑制することでI型アレルギーの症状を抑えることができると認められる。
【0012】
また、本構成によれば、これら所望の抗アレルギー有効成分を含む植物抽出組成物を得るために、イチジク葉など、果実以外の部位をも利用することができる。果実以外の部位は殆ど破棄されている現状を鑑みると、イチジクの植物体を有効利用することができる。
【0013】
本発明に係る抗アレルギー性組成物の第二特徴構成は、前記抽出溶媒を、水、熱水、アルコールまたは含水アルコールの何れかとした点にある。
【0014】
抽出溶媒を水および熱水とした場合では、一般的な茶抽出液の調製に準じた手法で抗アレルギー性組成物を得ることができる。また、抽出溶媒をアルコールまたは含水アルコールとした場合では、入手の容易な有機溶媒を抽出溶媒として利用できる。
よって、本構成によれば、簡便に抗アレルギー性組成物を得ることができる。
【0015】
本発明に係る抗アレルギー性組成物の第三特徴構成は、前記抗アレルギー有効成分が、イチジクの新梢先端部の若葉から抽出された点にある。
【0016】
本構成のように植物体の部位として新梢先端部の若葉を利用した場合、抽出溶媒による抽出が容易であり、抗アレルギー性組成物を効率よく取得することができる。
【0017】
本発明に係る抗アレルギー性組成物の第四特徴構成は、前記イチジクを桝井ドーフィン、テマリイチジク、ダルマティ、プレコス・ロンデ・ド・ボルドー、ネグローネの何れかとした点にある。
【0018】
本構成によれば、入手が容易な品種を使用するため抗アレルギー性組成物を容易に得ることができる。
【0019】
本発明に係る抗アレルギー性組成物の第五特徴構成は、前記抗アレルギー有効成分は、固形製剤あるいは液体製剤の形態で製剤化される点にある。
【0020】
本構成によれば、イチジクより抽出した抗アレルギー有効成分を含んだ抗アレルギー薬剤として、アレルギー症状を緩和・抑制・予防するための医薬品として利用することができる。また、当該薬剤は固形製剤あるいは液体製剤の形態で製剤化されるため、経口投与・非経口投与の何れにおいても投与が容易な態様である。
【0021】
本発明に係る飲食品の特徴構成は、上記第一〜四特徴構成のいずれかに記載の抗アレルギー性組成物を含有する点にある。
【0022】
本構成によれば、イチジクより抽出した抗アレルギー有効成分を含んだ抗アレルギー飲食品として、アレルギー症状を緩和・抑制・予防するために利用することができる。当該飲食品は、健康食品・機能性食品・飼料として飲食物の態様で供することが可能であるため、摂取者の多様な嗜好に対応できる状態で抗アレルギー有効成分を容易に摂取することができる。
【0023】
本発明に係る抗アレルギー性組成物の製造方法の第一特徴構成は、イチジク属植物を蒸煮する加熱処理、前記加熱処理を行った植物体を揉念する揉念処理、前記揉念処理を行った植物体を乾燥する乾燥処理、前記乾燥した植物体に抽出溶媒である熱水を添加し、抗アレルギー有効成分を含有する抽出組成物を取得する抽出処理、を行なう点にある。
【0024】
本構成のように加熱処理、揉念処理、乾燥処理および抽出処理を行い、抽出に使用する抽出溶媒を熱水とすることで、有機溶媒を使用することなく、抗アレルギー有効成分を簡便に効率よく抽出できる。
【0025】
本発明に係る抗アレルギー性組成物の製造方法の第二特徴構成は、前記加熱処理を95℃〜100℃の蒸気で0.5〜10分間行い、前記揉念処理を茶葉温が35〜60℃となる状態で25〜40分間行い、前記乾燥処理を55〜65℃で2〜5時間行なう点にある。
【0026】
本構成によれば、加熱処理、揉念処理および乾燥処理の好適な温度条件を特定することができる。これら条件は、一般的な加温機器を用いて設定できる条件であるため、抗アレルギー有効成分の抽出を容易に行うことができる。
【0027】
本発明に係る抗アレルギー有効成分を使用する方法の第一特徴構成は、イチジク属植物から抽出溶媒によって抗アレルギー有効成分を抽出し、アレルギー症状を緩和・抑制・予防するため、治療上効果のある量の前記抗アレルギー有効成分を使用する点にある。
【0028】
本構成で使用する抗アレルギー有効成分は、イチジク由来の天然成分であり安全性が高く、継続的に使用することができるため、治療上効果のある量の抗アレルギー有効成分を長期に亘って服用したとしても、副作用の虞は殆どない状態でアレルギー症状を緩和・抑制・予防することができる。
【0029】
本発明に係る抗アレルギー有効成分を使用する方法の第二特徴構成は、前記アレルギー症状をI型アレルギーとした点にある。
【0030】
本構成によれば、社会的に注目度の高い花粉症やアトピー性皮膚炎などのI型アレルギ
ー性疾患を緩和・抑制・予防するのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】抗アレルギー性組成物を熱水で抽出する場合の処理工程の概略を示す図である。
【図2】抗アレルギー作用の評価結果を示すグラフである。
【図3】複数品種のイチジク茶が有する抗アレルギー作用の評価結果を示すグラフである。
【図4】分取HPLCによって回収したそれぞれの画分が有する抗アレルギー作用の評価結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明は、アレルギー症状を緩和・抑制・予防することができる天然由来、特に植物由来の抽出成分を有する抗アレルギー性組成物およびその製造方法である。
アレルギーは過剰な免疫反応の一例であり、植物由来の抽出成分に抗アレルギー作用が認められている。本発明の抗アレルギー性組成物は、イチジク属植物から抽出溶媒によって抽出した抽出成分を抗アレルギー有効成分として含有する。
本発明は、I〜IV型アレルギーのうち、特に花粉症やアトピー性皮膚炎といったI型アレルギーに適用できるが、これに限られるものではない。
【0033】
イチジク属植物は、クワ科イチジク属の植物であり、本実施形態ではイチジク(Ficus carica L.)を使用した場合について説明する。イチジクは、例えば日本国内の主要栽培品種である桝井ドーフィン(Masui Dauphine)や、その他に、アイーダ(Aida)、アーチペル(Archipel)、アダム(Adam)、アーテナ(Athene)、アドリアーノ(Adriano)、アビコウ(Abicou)、アンジェリーク(Angelique)、エクセル(Excel)、カドタ(Kadota)、カリフォルニア・ブラック(California Black)、カリミルナ(Calimyrna)、キング(King)、グット・ドール(Goutte d'Or)、グリース・セント・ジャン(Grise de Saint-Jean)、グリース・ド・タラスコン(Grise de Tarascon)、コナドリア(Conadria)、コンテッシナ(Contessina)、サルタン(Sultane)、シュガー(Sugar)、ショート・ブリッジ(Short Bridge)、セレスト(Cereste)、ダルマティ(Dalmatie)、デザート・クイーン(Desert Queen)、テナ(Tena)、テマリイチジク(Panachee)、ドウ・ロウ(Daw Low)、ドッタート(Dottato)、ヌアール・ド・カロン(Noir de Caromb)、ネグローネ(Negronne)、ネグロ・ラーゴ(Negro Largo)、ノードランド(Nordland)、ノワール・シュクレ(Noir Sucre)、パスティエ(Pastiliere)、バナーネ(Banane)、パラディソ(Paradiso)、ビオレ・ソリエス(Violette de Sollies)、ビオレッタ(Violetta)、ビオレ・ドーフィン(Violette de Dauphine)、ビオレ・ド・ボルドー(Violette de Bordeaux)、フィグ・ド・マルセイユ(Figue de Marseilles)、ブラウン・ターキー(Brown Turkey)、ブラックジャック(Black Jack)、ブラックミッション(Black Mission)、ブルジャソットグリス(Bourjasotte Gris)、ブルンスウィック(Brunswick)、プレコス・ロンデ・ド・ボルドー(Precoe Ronde de Bordeaux)、ブロジョット・ネロ(Brogiotto Nero)、ブロジョット・ビアンコ(Brogiotto Bianco)、ベローネ(Bellone)、蓬莱柿(Houraishi)、ポー・デュール(Peau Dure)、ポルトガロ(Dell Portogallo)、ホワイト・アドリアチック(White Adriatic)、ホワイトイスキア(White Ischia)、ホワイトゼノア(White Genoa)、ホワイト・マルセイユ(White Marseilles)、マグノリア(Magnolia)、ミッション(Mission)、リサ(Lisa)、レクーバー(Reculver)、ロイヤル・ビンヤード(Royal Vineyard)、ロードス(Rodos)、ロング・ドゥート(Longue d'Aout)、早生ドーフィン(Wase Dauphine)などを使用するとよいが、これらに限定されるものではない。これらのうちで、特に桝井ドーフィン、テマリイチジク、ダルマティー、プレコス・ロンデ・ド・ボルドー、ネグローネが好ましい。
【0034】
本発明で用いるイチジクの植物体は、植物体の根から葉の先端までの全てである全草を利用することができるが、好ましくは葉を利用するとよい。葉のうち、特に新梢先端部の若葉を利用するのが好ましい。本明細書では、例えばイチジクの全草或いはその一部を「植物体」と称する。
新梢とは、新しく伸びた枝のことで、当年枝(とうねんし)とも呼ばれる。
若葉とは、生えたばかりの葉のことを指す。例えば、イチジクの場合、出葉した後14日程度までの葉で、新梢先端部から第5節程度までの葉を使用するのがよい。新梢先端部の若葉を利用した場合、抽出溶媒による抽出が容易であり、抗アレルギー性組成物を効率よく取得することができる。
植物体は、生でも乾燥物でもよい。抗酸化物を抽出する際に使用する植物体の大きさ(粉砕程度)は特に制限されないが、例えば粉末状態〜粗切り状態が好ましい。
【0035】
抽出溶媒は、水、熱水および有機溶媒を使用するとよい。熱水は、例えば1気圧で80〜100℃の温度にするとよい。熱水で抽出する場合は、以下の方法により製造することができる。
即ち、イチジク属植物を蒸煮する加熱処理A、加熱処理を行った植物体を揉念する揉念処理B、揉念処理を行った植物体を乾燥する乾燥処理C、乾燥した植物体に抽出溶媒である熱水を添加し、抗アレルギー有効成分を含有する抽出組成物を取得する抽出処理D、を行なう(図1)。
【0036】
加熱処理は、熱により植物体の酵素を失活させる処理であり、例えば植物体を100℃の水蒸気に曝すことにより行なう。加熱温度は、当該酵素が失活する温度であればよいため、100℃に限定されるものではなく、例えば80〜100℃、好ましくは95〜100℃の範囲で行なえばよい。加熱処理時間は、確実に酵素活性を失活させる時間を設定すればよく、例えば0.5〜10分程度とする。加熱処理は、回転可能な筒胴や蒸し器などで行なうが、これに限られるものではない。
【0037】
揉念処理は、均一に乾燥するように水分を移動させるため、ならびに植物体から抗アレルギー性組成物を抽出しやすくするために行う処理である。揉念処理は、例えば茶葉温が35〜60℃となる状態で25〜40分間揉む処理を行う。揉念処理により、植物体の含水率は13〜30%程度になっていると考えられる。
【0038】
乾燥処理は、植物体の保存性を高めるために行う。好ましくは、含水率が4〜5%になるように植物体を乾燥させる。乾燥処理は、例えば55〜65℃で2〜5時間乾燥させる処理を行う。
【0039】
上述した抗アレルギー性組成物の製造方法において、当該抗アレルギー性組成物を得るに際して、採取した直後の植物体を利用するか、或いは、所定の条件で保管した植物体を利用するとよい。当該保管は、例えば、植物体を樹脂フィルム袋で包装し、低温で所定期間保管する低温貯蔵処理を行うとよい。樹脂フィルム袋は、例えば厚さ0.02〜0.04mm程度の低密度ポリエチレン袋とし、温度条件は例えば0〜8℃程度とし、所定期間は例えば10日以上とする。
【0040】
抽出溶媒として使用できる有機溶媒は、アルコールまたは含水アルコールの何れかがよい。アルコールは、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状の飽和アルコールを使用するとよい。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール等が挙げられ、これらの中でも、メタノール、エタノールが好ましい。
含水アルコールのアルコール濃度は、20〜80重量%、好ましくは50〜75重量%とする。尚、例えばアルコール濃度50重量%の含水アルコールとは、アルコール50重量部と水50重量部を別々に量った後、一つの容器に両者を入れて良く混合したものを言う。
【0041】
アルコールまたは含水アルコールの何れかを使用した場合の抽出時の温度としては、通常室温〜90℃、好ましくは50〜80℃の範囲である。更に好ましくは、常圧にて含水アルコールが還流する程度の温度である。このとき、抽出器は解放系でも閉鎖系でもよい。抽出時間は、原料及び抽出温度等にもよるが、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜4時間である。
【0042】
例えば含水アルコールで抽出する場合は、以下の方法により製造することができる。
即ち、イチジク属植物を粉砕する粉砕処理、含水アルコールを添加する溶媒添加処理、
溶媒を添加したのち振盪する振盪処理、振盪処理後に遠心分離して上清を回収する回収処理、を行う。
【0043】
粉砕処理は凍結乾燥したイチジク葉を粉砕処理できる粉砕機を使用して行う。溶媒添加処理は粉砕したイチジク葉に抽出溶媒である含水アルコールを適量添加する。振盪処理は、例えば室温で3時間、毎分120回転で円運動にて振盪する。回収処理は、例えば毎分12000回転で10分間遠心することによって上清を回収する。上清を回収した後の残渣に対して、必要に応じて、溶媒添加処理、振盪処理、回収処理を繰り返し行ってもよい。
【0044】
上述したように、熱水や有機溶媒を使用して抗アレルギー有効成分を抽出し、例えば、不溶物が混在する状態でそのまま、あるいは、不溶物を除去した状態で例えば濃縮若しくは希釈・乾燥などの適当な処理を施すことが可能である。
【0045】
本発明の抗アレルギー性組成物は、抗アレルギー有効成分を含有するものを意味する。即ち、当該抗アレルギー性組成物は、固形製剤または液体製剤などの医薬品の形態で使用する、或いは、飲食品の態様で使用することができる。医薬品の形態で使用する場合、医薬的に許容される医薬品添加物を有効成分に添加するとよい。
【0046】
錠剤・散剤・顆粒剤のような固形製剤を製造する場合、医薬品添加物としては、賦形剤(例えば糖類・デンプン類・セルロース類・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム・リン酸カルシウムなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム・タルク・ポリエチレングリコールなど)、結合剤(例えばマンニトール・糖類・結晶セルロース・ポリビニルピロリドン・ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、崩壊剤(例えばデンプン類・セルロース類・架橋ポリビニルピロリドンなど)、着色剤、矯味矯臭剤などを用いることができる。
【0047】
液体製剤は、例えば水性または油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態などで供することができる。液体製剤を製造する場合の医薬品添加物としては、溶剤(例えば油性溶剤・親水性溶剤など)、溶解補助剤(例えばポリエチレングリコール・コレステロールなど)、乳化剤(例えば界面活性剤など)、懸濁化剤(ポリビニル系化合物・親水性高分子・界面活性剤など)、保存剤(例えばパラベン・ソルビン酸など)、着色剤、矯味矯臭剤などを用いることができる。
【0048】
本発明の抗アレルギー性組成物を医薬品の形態で使用する場合、アレルギー症状を緩和・抑制・予防するため、治療上効果のある量の抗アレルギー有効成分を含有するように構成する。このようにして調製された抗アレルギー性組成物は、アレルギー症状の緩和・抑制・予防する対象であるヒト・動物に投与する。投与は、例えば、散剤・細粒剤・顆粒剤・錠剤・カプセル剤・懸濁液・エマルジョン剤・シロップ剤・エキス剤・丸剤等の経口剤を使用した経口投与や、注射剤・外用液剤・軟膏剤・坐剤・点眼薬などの非経口剤を使用した非経口投与によって行なうことができる。
【0049】
経口剤は、抗アレルギー有効成分以外に、例えばアルギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウムなどの賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防止剤等を含有させることが可能である。即ち、当該経口剤は、抗アレルギー有効成分を含有した抗アレルギー性組成物である。
【0050】
また、非経口剤は、抗アレルギー有効成分以外に、例えば生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤などを含有させることが可能である。即ち、当該非経口剤は、抗アレルギー有効成分を含有した抗アレルギー性組成物である。
【0051】
飲食品の態様で使用する場合、健康食品(好ましくは機能性食品)や飼料として飲食物の態様で供することが可能である。当該飲食品としては、菓子類・清涼飲料・お茶類・栄養飲料・スープ等の形態が挙げられる。これらの飲食品の製造工程において、あるいは最終製品に、抗アレルギー有効成分を混合・塗布・噴霧などにより添加して、健康食品とすることができる。飲食品の態様で使用する場合も、アレルギー症状を緩和・抑制・予防するため、治療上効果のある量の抗アレルギー有効成分を含有させるとよい。
【0052】
本発明の抗アレルギー性組成物を用いる場合の投与量は、アレルギーの種類、投与対象の年齢・性別・体重・症状の程度、投与方法などに応じて適宜決定することができる。
本発明の抗アレルギー性組成物は、イチジク属植物から抽出した抗アレルギー有効成分だけでなく、他の植物から抽出した抗アレルギー有効成分を含んでもよい。
【0053】
本発明の抗アレルギー性組成物であれば、植物由来の成分を抗アレルギー有効成分として含有する抗アレルギー性組成物として供することができるため、安全性が高く、医薬品および飲食品として継続的に使用できる。
【実施例】
【0054】
〔実施例1〕
イチジク葉から抽出した抽出液が抗アレルギー作用を有しているかを、培養細胞を用いた実験で調べた。イチジク葉として、市販のイチジク茶「凜雫」(諏訪園製造、川西市商工会販売)を用いた。また、陽性対照として抗アレルギー作用が知られている「べにふうき緑茶」(株式会社美笠園製造、株式会社篠矢茶補販売)を用いた。当該イチジク茶の原料品種は桝井ドーフィンである。
茶葉の作製および茶抽出液の調製方法は、上述した加熱処理・揉念処理・乾燥処理・抽出処理に準じて行った。抽出処理では、それぞれの茶葉1g当たり100mLの超純水(温度80℃)を加え、3分間静置した後、0.45mmメンブレンフィルターで濾過して茶抽出液を調製した。
【0055】
培養細胞は好塩基球性白血病ラットの末梢血由来肥満細胞株RBL-2H3(JCRB0023)を使用した。前記細胞の脱顆粒時に炎症物質ヒスタミンと同時に放出されるβ-ヘキソサミニダーゼ(β−Hex)量を測定し、脱顆粒の指標とした。培養液はEarle's minimal essential medium培地(10%子ウシ血清(FBS),100unit/mlペニシリン,100mg/mlストレプトマイシン含有)を使用し、培養条件は、温度37℃、CO2濃度5%の条件で静置培養とした。
【0056】
24ウェル培養プレートに400μLの培養液に懸濁した細胞(最終濃度2×105cells/well)を播種し、温度37℃、CO2濃度5%で1時間静置培養した後、1/10量の茶抽出液(最終濃度茶葉換算で1mg/mL)を添加した。また、陰性対象(コントロール)として、リン酸緩衝生理食塩水(塩化カルシウムと塩化マグネシウムは含まない。以後、PBS(−)と称する)を添加した。
ついで、マウスモノクローナル抗DNP−IgE抗体を最終濃度0.45mg/mLで加え、24時間、37℃、CO2濃度5%、静置条件で培養し細胞を感作させた。その後、培養液を除去し、PBS(−)溶液で洗浄後、160μLの反応緩衝液(137mM NaCl、2.7mM KCl、1.8mM CaCl2、1mM MgCl2、5.6mM グルコース、20mM HEPES、0.1% BSA、pH6.8)を添加した。従って、これ以降の工程には茶抽出液は含まれていないことになる。
抗原であるDNP−BSAを最終濃度10μg/mLとなるように添加し、30分間、37℃で抗原抗体反応を行い、脱顆粒を惹起させた。プレートを氷上に10分間静置して反応を停止させた後、バッファーの上清50μLを96穴プレートに回収し、β―Hexの基質溶液(0.1M クエン酸緩衝液 pH4.5に溶解させた1mMp−ニトロフェニル−N−アセチル−b−D−グルコサミニド)を等量添加して、1時間、37℃で反応させた。
0.1M炭酸−重炭酸緩衝液(pH10.4)を加え酵素反応の停止と呈色反応を行い、405nmの吸光度を測定した。
【0057】
抗アレルギー作用の評価結果を図2に示す。
コントロールであるPBS(−)を添加した細胞株におけるβ−Hexの放出量を100%としたとき、イチジク茶(実施例1)を感作時に添加した時のβ−Hex放出量は約35%、べにふうき緑茶(比較例1)を感作時に添加した時のβ−Hex放出量は約41%となった。このように、イチジク茶、及び、べにふうき緑茶を添加した細胞株では、β−Hex放出量が4割程度に抑制されたことから、脱顆粒時に放出される炎症物質ヒスタミンの放出量も同等に抑制されたものと認められた。従って、イチジク茶には、免疫反応におけるケミカルメディエータの放出(脱顆粒)を抑制する物質(抗アレルギー性組成物)が含まれていることが判明した。さらに、イチジク茶は、べにふうき緑茶と同等の抗アレルギー作用を有していることが判明した。また、本実施例では茶抽出液は感作時にのみ含まれており、その後の抗原抗体反応や脱顆粒時には含まれていない。従って、イチジク茶抽出物は細胞の感作を抑制し、その結果として脱顆粒が抑制されるという事が判明した。
【0058】
〔実施例2〕
五品種のイチジクにおいて、それぞれの茶葉から抽出した抽出液がどの程度抗アレルギー作用を有しているかを、培養細胞を用いた実験で調べた。イチジクの栽培品種は、桝井ドーフィン(実施例2−1)、テマリイチジク(実施例2−2)、ダルマティー(実施例2−3)、プレコス・ロンデ・ド・ボルドー(実施例2−4)、ネグローネ(実施例2−5)を使用した。茶葉は以下のようにして調製した。
尚、実施例1のイチジク茶は実施例2−1のイチジク茶と同じ栽培品種(桝井ドーフィン)である。実施例1のイチジク茶は市販品であり、実施例2−1のイチジク茶は発明者らの自作品である。
【0059】
(1)イチジク葉は、新梢先端付近の若葉を採取した。
(2)約2センチ角に刻んだ葉をザルに入れ、蒸籠で95〜100℃で4分間蒸煮した(加熱処理)。
(3)ホットプレート天板にクラフト紙を敷き、その上に蒸した葉を移した。当該葉を35〜60程に加熱しながらホットプレート上にて、約30分間手作業で葉を揉捻した(揉念処理)。
(4)揉捻処理後の葉をザルに入れ、送風式乾燥器に入れて60℃で4時間乾燥させた(乾燥処理)。
(5)乾燥後、直ちにアルミ箔をラミネートした樹脂フィルム袋で密封包装し、冷凍保存した。
【0060】
尚、茶抽出液の調製方法、培養細胞の種類、培養条件および抗アレルギー作用の評価方法は実施例1に準じて行なった。
【0061】
五品種のイチジク茶が有する抗アレルギー作用の評価結果を図3に示す。
コントロールであるPBS(−)を添加した細胞株におけるβ−Hexの放出量を100%としたとき、五品種のイチジク茶(実施例2−1〜2−5)では、β−Hexの放出量は約30〜40%程度であった。これより、五品種のイチジク茶を添加した細胞株では、β−Hex放出量が3〜4割程度に抑制されたことから、脱顆粒時に放出される炎症物質ヒスタミンの放出量も同等に抑制されたものと認められた。従って、イチジク属植物には、感作を抑制することで過剰なケミカルメディエータの放出(脱顆粒)を抑制する物質(抗アレルギー性組成物)が普遍的に含まれていることが示唆された。
また、栽培品種が同じである自作品のイチジク茶(実施例2−1)と市販品のイチジク茶(実施例1)とは、ほぼ同等の抗アレルギー作用を有していたと認められた。これより、本発明の抗アレルギー有効成分を含有する組成物は、イチジク茶製造における装置・温度条件等の違いによる影響を受けないと推察された。よって、当該組成物を製造する際には厳格な条件設定は必要がないため、組成物の製造は容易である。
【0062】
〔実施例3〕
市販のイチジク茶から作製したイチジク茶を分取HPLC(以下、分取LC)にて溶出時間毎に分画し、それぞれの画分における抗アレルギー作用を測定した。当該イチジク茶の調製および各画分の回収は、以下のようにして行なった。
【0063】
(1)市販イチジク茶(川西市イチジク茶「凜雫」)の茶葉3g当たり100mLの超純水(温度80℃)を加え、3分間静置した後、0.45mmメンブレンフィルターで濾過して茶抽出液を調製した。
(2)調整した抽出液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。
(3)さらに冷凍庫で凍結させた後、凍結乾燥機で約24時間処理して乾固物を得た。
(4)乾固物に4mLの超純水(室温)を添加して溶解させ、0.2mmメンブレンフィルターで濾過して茶抽出濃縮液とした。
(5)茶抽出濃縮液の200μLを分取LC装置デルタ600システム(Waters社製)に注入し、フラクションコレクターにて、溶出時間10分毎に90分後まで画分を回収した。
(6)回収した画分をロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。
(7)さらに冷凍庫で凍結させた後、凍結乾燥機で約24時間処理して乾固物を得た。
(8)乾固物に1mLの超純水(室温)を添加して溶解させ各画分溶液とした(画分1〜9)。
画分の回収条件は、以下の通りである。
【0064】
【表1】

【0065】
回収された画分1〜9のそれぞれについて、培養細胞を用いて抗アレルギー作用を測定した。培養細胞の種類、培養条件は実施例1に準じて行なった。抗アレルギー作用の評価方法は、細胞培養液に添加する画分液の添加量を、実施例1に記載の方法の100分の1にしたこと以外は実施例1に準じて行なった。
【0066】
抗アレルギー作用の評価結果を図4に示す。コントロールであるPBS(−)を添加した細胞株におけるβ−Hexの放出量を100%としたとき、画分1におけるβ−Hexの放出量は約47%程度であった。また、画分2〜9におけるはβ−Hexの放出量は何れも70%以上であった。即ち、画分1において最も強い抗アレルギー作用が認められた。これは、画分1において、強い抗アレルギー作用を有する物質(抗アレルギー物質)が含まれていること、あるいは、抗アレルギー作用を有する物質が多く含まれることが示唆された。また、本実施例で行なった分取LCでは、ODSカラムを用いた逆相グラジエント条件であるため極性が高い物質ほど早く溶出する。これより、画分1は最も溶出時間が早い画分であるため、抗アレルギー物質は極性が高い成分であると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のイチジク由来の抗アレルギー性組成物およびその製造方法は、アレルギー症状を緩和・抑制・予防するために利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
A 加熱処理
B 揉念処理
C 乾燥処理
D 抽出処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イチジク属植物から抽出溶媒によって抽出した抽出成分を抗アレルギー有効成分として含有する抗アレルギー性組成物。
【請求項2】
前記抽出溶媒が、水、熱水、アルコールまたは含水アルコールの何れかである請求項1に記載の抗アレルギー性組成物。
【請求項3】
前記抗アレルギー有効成分は、イチジクの新梢先端部の若葉から抽出された請求項1又は2に記載の抗アレルギー性組成物。
【請求項4】
前記イチジクが桝井ドーフィン、テマリイチジク、ダルマティ、プレコス・ロンデ・ド・ボルドー、ネグローネの何れかである請求項1〜3の何れか一項に記載の抗アレルギー性組成物。
【請求項5】
前記抗アレルギー有効成分は、固形製剤あるいは液体製剤の形態で製剤化される請求項1〜4の何れか一項記載の抗アレルギー性組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗アレルギー性組成物を含有する飲食品。
【請求項7】
イチジク属植物を蒸煮する加熱処理、
前記加熱処理を行った植物体を揉念する揉念処理、
前記揉念処理を行った植物体を乾燥する乾燥処理、
前記乾燥した植物体に抽出溶媒である熱水を添加し、抗アレルギー有効成分を含有する抽出組成物を取得する抽出処理、を行なう抗アレルギー性組成物の製造方法。
【請求項8】
前記加熱処理は95℃〜100℃の蒸気で0.5〜10分間行い、前記揉念処理は茶葉温が35〜60℃となる状態で25〜40分間行い、前記乾燥処理は55〜65℃で2〜5時間行なう請求項7に記載の抗アレルギー性組成物の製造方法。
【請求項9】
イチジク属植物から抽出溶媒によって抗アレルギー有効成分を抽出し、アレルギー症状を緩和・抑制・予防するため、治療上効果のある量の前記抗アレルギー有効成分を使用する方法。
【請求項10】
前記アレルギー症状がI型アレルギーである請求項9に記載の抗アレルギー有効成分を
使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−184310(P2011−184310A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48225(P2010−48225)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(507152970)公益財団法人東洋食品研究所 (14)
【Fターム(参考)】