説明

イヌ科動物の眼の健康を維持するため、及び眼の病気を改善するための方法

本発明は、眼の病気を改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与することにより、イヌ科動物の眼の健康を維持するため、及び眼の病気を改善するための新規方法を提供する。一般的に、カロテンは、視力障害、白内障、眼の混濁、網膜変性、放射線により引き起こされる眼の損傷等の病気を改善するために、約0.1〜約5000mgの量又は1日当たり約0.1〜約500mgの量でイヌ科動物に投与され、社会性行動の減退を低減又は予防し、全体的な健康及びウェルネスを促進し、生活の質を向上させ、イヌ科動物の最盛期を延長する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2009年10月30日に出願された米国仮特許出願第61/280175号の優先権を主張し、その開示を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
[0002]本発明は、眼の健康を維持するため、及び眼の病気を改善するための方法に一般に関し、特にイヌ科動物の眼の健康を維持するため、及び眼の病気を改善するためにカロテンを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]眼の病気、例えば白内障、網膜変性、及び眼の混濁等は、イヌ科動物で、特に野外で生活し、過剰の日光に曝露されるイヌ科動物において、また高齢のイヌ科動物においてよく起こる。このような病気のいくつかを和らげる方法は、当技術分野において公知である。国際公開第2009051223号は、白内障を治療するための血管接着タンパク質−1(VAP−1)阻害剤の利用を開示する。米国特許出願公開第20090082415号は、イヌで発症した糖尿病の光学的合併症を治療するための、カルボマー、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、塩化ベンザルコニウム、バランスウォーター、及びアルドースレダクターゼ阻害剤を有する局所用担体の混合物の利用を開示する。米国特許第7442711号は、白内障及び他の眼の疾患を改善するためのN−ヒドロキシピペリジン化合物の利用を開示する。米国特許出願公開第20060084685号は、様々な眼疾患を治療するためのロフルミラストの利用を開示する。しかし、上記方法は、これらの及び他の眼の病気と関連したすべての問題点を解決するのに不十分である。したがって、イヌ科動物の眼の病気を改善するための新規方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]したがって、イヌ科動物の眼の病気を改善する方法を提供することが、本発明の目的である。
【0005】
[0005]イヌ科動物の眼の健康を維持する方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0006】
[0006]イヌ科動物の視力を維持又は向上させる方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0007】
[0007]イヌ科動物の白内障を予防又は改善する方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0008】
[0008]イヌ科動物の眼の混濁を予防又は改善する方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0009】
[0009]イヌ科動物の網膜変性を予防又は改善する方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0010】
[0010]イヌ科動物において、放射線により引き起こされるイヌ科動物の眼の損傷を予防又は改善する方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0011]このような他の目的のうちの1つ又は複数が、イヌ科動物の眼の病気を改善する新規方法を用いて達成される。この方法は、眼の病気を改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む。カロテンは、所望に応じて、約0.1〜約5000ミリグラム(mg)の量で、又は1日当たり約0.1〜約500mgの量で、イヌ科動物に投与される。カロテンは、イヌ科動物の眼組織内に蓄積し、放射線又はフリーラジカルにより引き起こされた眼の病気を改善する。
【0012】
[0012]本発明の他及びさらなる目的、特徴、及び利点は、当業者に容易に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
[0013]用語「放射線」とは、カロテンにより部分的に又は完全に吸収される波長を有する電磁波を意味する。一般的に、カロテン、例えばβ−カロテンは、約350〜約550ナノメータ(nm)の波長を有する電磁波を吸収し、最大吸収は約400〜約500nmで生ずる。
【0014】
[0014]用語「眼科薬」とは、イヌ科動物の眼の病気を改善するのに有用な、カロテン以外の任意の化合物、組成物、又は薬物を意味する。
【0015】
[0015]用語「併用して」とは、1つ又は複数のカロテン、及び1つ又は複数の眼科薬が(1)例えば、食品組成物中で一緒に、又は(2)ほぼ同時又は定期的に、同一投与経路又は異なる投与経路を用いて、同一頻度又は異なる頻度で個別に、イヌ科動物に投与されることを意味する。「定期的に」とは、薬剤が、特定の薬剤に適切な投与スケジュールに基づき投与されること、及び食品が、イヌ科動物に、特定の動物にとって適切なように、常法に従って与えられることを意味する。「ほぼ同時」とは、食品と薬剤とが、同時に、又は相互に約72時間内に投与されることを、一般的に意味する。「併用して」には、眼科薬が処方された期間投与され、カロテンが無期限に投与される投与スキームが特に含まれる。
【0016】
[0016]用語「単一パッケージ」とは、キットの全構成要素が、1つ又は複数の容器中で、又はこれらに物理的に関連付けられ、製造、流通、販売、又は使用するための1つの単位とみなされることを意味する。容器として、袋、箱若しくはカートン、ビン、任意のタイプ若しくはデザイン若しくは材料のパッケージ、外装材、シュリンク包装材、添付された構成要素(例えば、ホチキスでとめられたもの、接着されたもの等)、又は上記の任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、単一パッケージキットは、それらが製造、流通、販売、又は使用するための1つの単位とみなされるように物理的に関連付けられた、個々の化合物及び/又は組成物を収容する容器を提供し得る。
【0017】
[0017]用語「仮想パッケージ」とは、例えば、1つの構成要素を収容する袋又は別の容器中の、他の構成要素を取得する方法をユーザーに教示する、1つ又は複数の物理的又は仮想的なキット構成要素に関する指示によって、及び、ウェブサイトを訪問すること、記録されたメッセージ又はファックスバックサービスにコンタクトすること、視覚的なメッセージを閲覧すること、又は世話人又はインストラクターに問い合わせして、例えば、キットの使用方法に関する説明書、又はキットの1つ若しくは複数の構成要素についての安全情報若しくは技術的情報を得ることをユーザーに教示する指示によって、キットの全構成要素が関連付けられることを意味する。仮想キットの一部として提供され得る情報の例として、使用説明書、製品安全データシート等の安全情報、毒物管理情報、可能性のある副作用に関する情報、臨床試験結果、食品組成又はカロリー組成等の食品情報、眼の病気に関する一般情報、眼の機能に影響を及ぼす疾患又は眼の病気の治療若しくは予防に関する一般情報、眼の病気に関係する自己啓発、眼の病気を有するイヌ科動物を世話する者のための世話人用情報、並びに眼科薬に関する使用法、利点、及び可能性のある副作用又は禁忌が挙げられる。
【0018】
[0018]用語「動物の健康及びウェルネス」とは、単に疾患又は虚弱が存在しないことではなく、動物の完全な身体的、精神的、及び社会的ウェルネスを意味する。
【0019】
[0019]用語「生活の質」とは、普通の生活活動を享受する能力を意味する。
【0020】
[0020]用語「最盛期(prime)を延長すること」とは、動物が生存する年数を単に延長するのではなく、動物が健康な生活を営む年数を延長すること、例えば、動物が、その生涯の最盛期において比較的長い時間健康であることを意味する。
【0021】
[0021]本明細書全体を通じて用いられる場合、範囲は、詳細な記載が必要となるのを避け、それぞれ及びすべての数値が範囲内で表されるように、本明細書では簡潔に記載する手段として用いられる。適切な場合、上限値、下限値、又は範囲の限界値として、その範囲内の任意の適切な値が選択可能である。
【0022】
[0022]本明細書で用いる場合、及び添付の特許請求の範囲では、その文脈が別途明確に指示しない限り、単語の単数形には複数形が含まれ、その逆も成り立つ。したがって、「a」、「an」、及び「the」という言及は、各用語の複数形を一般的に含む。例えば、「イヌ科動物(a canine)」、「方法(a method)」、又は「薬剤(an agent)」と引用する場合、それは「複数のイヌ科動物(canines)」、「複数の方法(methods)」、又は「複数の薬剤(agents)」等の複数形を含む。同様に、単語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含むこと(comprising)」は、排他的ではなく、包含的に解釈されるものとする。同様に、用語「含む(include)」、「含むこと(including)」、及び「又は(or)」は、文脈からかかる解釈が明白に禁止されない限り、すべて包含的であると解釈されるべきである。
【0023】
[0023]本明細書に開示される方法及び組成物及び他の進歩は、当業者が認識するように、それらは変化し得るため、本明細書に記載する特定の方法、プロトコール、及び試薬に限定されない。さらに、本明細書で用いられる用語は、具体的な実施形態を記載する目的に限定されており、開示又は請求される用語の範囲を限定するように意図されておらず、限定しない。
【0024】
[0024]別途規定しない限り、本明細書で用いられるすべての技術的及び科学的用語、技術用語、並びに頭字語は、本発明分野(複数可)において、は当該用語が用いられる分野(複数可)において、当業者により一般的に理解される意味を有する。本明細書に記載するものと類似した又は同等の任意の組成物、方法、製造物、又は他の手段若しくは材料が、本発明の実践において利用可能であるが、好ましい組成物、方法、製造物、又は他の手段若しくは材料が、本明細書に記載されている。
【0025】
[0025]本明細書で引用又は参照するすべての特許、特許出願、公表文献、技術的及び/又は学術的論文、並びに他の参考資料は、法令により許容される範囲まで、その全体が参考により本明細書に組み込まれる。上記参考資料の考察は、そこでなされている主張を単に要約するように意図されている。かかる特許、特許出願、公表文献、若しくは参考資料、又はそれらの任意の部分が、関連資料、又は先行技術であると認めるものではない。かかる特許、特許出願、公表文献、及び他の参考資料を、関連資料、又は先行技術であるとする、あらゆる主張の正確性及び妥当性に対抗する権利が、特に留保されている。本明細書内にすべて引用されていない公表文献の全体的な引用は、本明細書の巻末に記載されている。
本発明
【0026】
[0026]1つの態様では、本発明は、イヌ科動物の眼の病気を改善する方法を提供する。この方法は、眼の病気を改善する量の1つ又は複数のカロテンをイヌ科動物に投与するステップを含む。本発明は、カロテンが、イヌ科動物の眼組織内に蓄積するという予期せぬ発見、及びカロテンが、眼に障害を与える放射線を吸収し、フリーラジカルにより眼に引き起こされた障害を改善するのに有効であるという知見に基づく。この発見は、カロテンがイヌ科動物の眼組織内に蓄積しないという現在の確信と、カロテンが、ヒトの眼組織内に蓄積しないという知見と矛盾する。Yeum(Yeum KJ、Taylor A、Tang G、Russell RM.Measurement of carotenoids,retinoids,and tocopherols in human lenses. Invest Ophthalmol.Vis.Sci、1995年、第36巻:2756〜61頁)により開示されているように、眼組織は、ルテイン及びゼアキサンチン等のキサントフィルを含有することが公知であるが、β−カロテン及びリコペン等のカロテンを含有することは知られていない。好ましい実施形態では、本方法は、眼の病気を改善する量の1つ又は複数のカロテンをイヌ科動物に投与するステップを含み、カロテンがイヌ科動物の眼組織内に蓄積している。
【0027】
[0027]眼組織はカロテンを合成しないので、眼内のすべてのカロテンは、外部起源、例えば食物から得られなければならない。公知の眼組織、すなわちヒトの眼組織の場合、カロテンを摂取すると、カロテンは短期間全身的に上昇する。これとは対照的に、イヌ科動物の眼組織は、カロテンを選択的に吸収し、カロテンを眼組織内に保持する、すなわちイヌ科動物の眼組織はカロテンを蓄積する。これらのカロテンは、カロテンが定期的に摂取されなくても眼内に留まり、一方、カロテンの全身レベルは減退した。このカロテンの蓄積は、放射線及びフリーラジカルに対する保護をもたらし、放射線及びフリーラジカルにより引き起こされたイヌ科動物の眼の病気を改善する。したがって、少なくともイヌ科動物の場合、蓄積したカロテンが、有害な電磁放射線を吸収し、眼の病気を引き起こすことが公知であるフリーラジカルを除去することから、イヌ科動物の眼組織内にカロテンが蓄積するという驚くべき発見は、他の動物よりもイヌ科動物に利点をもたらす。
【0028】
[0028]カロテンは、放射線及びフリーラジカルから障害を受けやすい眼組織を含め、眼に蓄積する。カロテンは、眼の皮質組織(cortical eye tissue)内、眼の核組織(nuclear eye tissue)内、又はその両方に蓄積する。かかる組織内に蓄積するカロテンは、放射線及びフリーラジカルによる障害を防ぐことにより、水晶体及び関連組織に対して保護をもたらす。
【0029】
[0029]本発明により改善する眼の病気は、放射線又はフリーラジカルの眼に対する障害により引き起こされる任意の病気である。1つの実施形態では、病気は放射線により引き起こされる病気である。放射線により引き起こされることが公知の病気には、白内障、放射線網膜症、光線角膜炎、光線結膜炎、翼状片、瞼裂斑、及び癌が含まれる。別の実施形態では、病気はフリーラジカルによって引き起こされる病気である。フリーラジカルによって引き起こされることが公知の病気には、眼の混濁、白内障、及び網膜変性が含まれる。
【0030】
[0030]本発明で有用なカロテンは、イヌ科動物に投与するのに適する任意のカロテンである。かかるカロテン及びその起源は、当業者にとって公知である。一般的に、カロテンは、合成の、天然の、任意の適する起源、及びこれらの組み合わせから得られる。カロテンの好ましい起源は、例えばニンジン、カボチャ、サツマイモ、ホウレンソウ、ベトナムガック(Vietnamese gac)、パーム油、マンゴー、ブロッコリー、パラヤヤム(palayas yam)、ケール、ビートの若葉、セイヨウカボチャ、フダンソウ等の多くの果物や野菜類に含まれる食物カロテンである。他の起源には、例えば錠剤、カプセル、及び類似形態中の栄養補助食品等の合成カロテンが含まれる。
【0031】
[0031]好ましい実施形態では、カロテンは、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、δ−カロテン、ε−カロテン、リコペン、及びこれらの組み合わせである。好ましくは、カロテンは、β−カロテン、リコペン、及びこれらの組み合わせである。最も好ましくは、カロテンは、β−カロテンである。
【0032】
[0032]カロテンは、眼の病気を改善するのに有効な任意の量で、イヌ科動物に投与される。様々な実施形態では、カロテンは、希望又は必要に応じて約0.1〜約5000mg、好ましくは約0.5〜約3000mg、最も好ましくは約1〜約1000mgの量で、イヌ科動物に投与される。別の実施形態では、カロテンは、約0.1〜約500mg/日、好ましくは約0.5〜約250mg/日、最も好ましくは約1〜約100mg/日の量で投与される。この量は、病気及びイヌ科動物の特徴に応じて変化し得る。
【0033】
[0033]カロテンは、任意の適する方法を用いて、例えば経口によりイヌ科動物に投与される。様々な実施形態では、投与は、意図した用途に応じて様々な頻度又は定期的な頻度で、必要に応じて又は所望に応じて行われる。他の実施形態では、投与は定期的に又はスケジュール化して行われる。定期的に又はスケジュール化して投与すると、イヌ科動物に規則的な一定用量のカロテンが供給され、眼内のカロテンレベルが比較的一定に保たれる。定期的又はスケジュール化された投与は、1ヶ月に1回、1週間に1回、1日に1回、又は1日に2回以上であり得る。同様に、投与は、1日おき、1週間おき、又は1ヶ月おき、3日毎、3週間毎、又は3ヶ月毎、4日毎、4週間毎、又は4ヶ月毎等であり得る。投与は、1日当たり複数回であってもよい。かかる投与は、イヌ科動物の年齢、サイズ、健康状態、病気等に依存し得る。いくつかの実施形態では、カロテン又はカロテンを含有する食品成分は、代表的な食物及び飲料物に適用されるか、又はこれと混合され、イヌ科動物に投与され、例えばカロテンはイヌ科動物のペットフードの構成部分である。1つの実施形態では、投与は食事療法の一部をなす。例えば、かかる食事療法は、1つ若しくは複数のカロテン、又はかかるカロテンを含有する任意の食品成分を、眼の病気を改善するのに有効な量で定期的に摂取することを含む。好ましい実施形態では、カロテンは、食品組成物の一部として、又は栄養補助食品の形態で、イヌ科動物に投与される。好ましくは、カロテンは、ウェット又はドライペットフード組成物、例えばキッブル又はカン入りウェットペットフードの一部としてイヌ科動物に投与される。好ましい実施形態では、カロテンは長期間定期的に、好ましくは毎日投与される。
【0034】
[0034]様々な実施形態では、イヌ科動物は、オオカミ、キツネ、ジャッカル、コヨーテ、及びイヌであり、好ましくはイヌ、最も好ましくは家犬である。
【0035】
[0035]食事療法の一環として行われる投与を含むカロテンの投与は、イヌ科動物の出生時から生涯にわたる期間に及び得る。ある特定の実施形態では、イヌ科動物は、若年期、成長期、又は成年期のイヌ科動物である。好ましい実施形態では、イヌ科動物は、加齢に特徴的な眼の病気に罹りやすい又は罹患した高齢のイヌ科動物である。他の実施形態では、イヌ科動物は、眼に有害な影響を与える過剰の放射線に曝露される可能性のあるイヌ科動物、例えば狩猟犬又は作業犬である。
【0036】
[0036]1つの実施形態では、本方法は、1つ又は複数の眼科薬と併用して、本明細書で規定するように眼の病気を改善するのに有効な量で、カロテンを投与するステップをさらに含む。特定の実施形態では、カロテンは、1つ又は複数のカロテンと共に1つ又は複数の眼科薬を含む医薬組成物において投与される。好ましい実施形態では、カロテンは、好ましくは食品組成の一部として又は栄養補助食品において動物に毎日投与され、眼科薬は、処方に基づき、一般的には丸薬等の医薬組成物の形態で投与される。かかる薬剤として、アバスチン(例えば、放射線網膜症用);抗生物質;抗炎症化合物(例えば、COX−2阻害剤);精神安定剤;酸化防止剤、例えばレスベラトロール、プロアントシアニジン、アントシアニン、カロテノイド(例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、及びリコペン)等;ビオフラボノイド(例えばタキシフォリン、ナリンゲニン、及びヘスペレチン);グルタチオン;カテキン;エピカテキン;エピガロカテキン;エピガロカテキン没食子酸塩;エピカテキン没食子酸塩;及びリポ酸;及びビタミン、例えばビタミンA、ビタミンE、及びビタミンC等が挙げられる。当業者は、イヌ科動物の年齢、サイズ、健康状態、病気等に基づき、イヌ科動物に投与する眼科薬の適切なタイプ及び量を決定することができる。
【0037】
[0037]眼の病気を改善する方法は、イヌ科動物に対して多くの有益な効果を有する。多くの日常生活機能は、眼の機能に依存又は関連する。正常な眼の機能を妨害する眼の病気、特に視力を損なう病気の影響及び重症度を除去又は低減することにより、生活の多くの側面を向上させる。例えば、眼の病気を改善することは、(1)眼の健康を維持すること;(2)視力を維持又は向上させること;(3)白内障を予防又は改善すること;(4)眼の混濁を予防又は改善すること;(5)放射線により引き起こされるイヌ科動物の眼の損傷を予防又は改善すること;(6)網膜変性を予防又は改善すること;(7)社会性行動の減退を低減又は予防すること;(8)全体的な健康及びウェルネスを促進すること;(9)生活の質を向上させること;及び(10)最盛期を延長することと関連する。したがって、様々な態様において、本発明は、これらの眼の病気により悪影響を受ける様々な眼に関連する機能に影響を及ぼす方法を提供する。これらすべての態様において、利点は、イヌ科動物の眼内、すなわち放射線に曝露され、フリーラジカルによる障害を受けやすい眼組織内にカロテンが蓄積することに起因する。
【0038】
[0038]1つのかかる態様では、本発明は、眼の健康を維持する量の1つ又は複数のカロテンをイヌ科動物に投与するステップを含む、イヌ科動物の眼の健康を維持する方法を提供する。カロテンは、イヌ科動物の眼の病気、特に放射線により、またフリーラジカルにより引き起こされる病気を予防することにより、全体的な眼の健康を維持する。
【0039】
[0039]別のかかる態様では、本発明は、視力を維持又は向上させる量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、イヌ科動物の視力を維持又は向上させる方法を提供する。カロテンは、放射線を吸収し、視力を損なう眼の病気を引き起こすことに少なくとも部分的に関与するフリーラジカルを除去する。眼の病気を無くすか又はその重症度を低減することにより、イヌ科動物は、より良好な視力を有する。
【0040】
[0040]別の態様では、本発明は、白内障を予防又は改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、イヌ科動物の白内障を予防又は改善する方法を提供する。カロテンは、放射線を吸収し、イヌ科動物で白内障を引き起こすことに少なくとも部分的に関与するフリーラジカルを除去する。白内障を無くすか又はその重症度を低減することにより、イヌ科動物は、より良好な視力及び全体的な眼の健康を有する。
【0041】
[0041]別の態様では、本発明は、眼の混濁を予防又は改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、イヌ科動物の眼の混濁を予防又は改善する方法を提供する。カロテンは、放射線を吸収し、イヌ科動物で眼の混濁を引き起こすことに少なくとも部分的に関与するフリーラジカルを除去する。眼の混濁を無くすか又はその重症度を低減することにより、イヌ科動物は、より良好な視力を有し、より健康的で魅力的な外観を有する。
【0042】
[0042]さらなる態様では、本発明は、眼の損傷を予防又は改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、放射線により引き起こされるイヌ科動物の眼の損傷を予防又は改善する方法を提供する。カロテンは、眼組織に障害を与え、眼に損傷を引き起こす放射線を吸収する。
【0043】
[0043]別の態様では、本発明は、網膜変性を予防又は改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、イヌ科動物の網膜変性を予防又は改善する方法を提供する。カロテンは、放射線を吸収し、イヌ科動物で網膜変性を引き起こすことに少なくとも部分的に関与するフリーラジカルを除去する。網膜変性を無くすか又はその重症度を低減することにより、イヌ科動物は、より良好な視力を有し、より健康的で魅力的な外観を有する。
【0044】
[0044]なおも別の態様では、本発明は、社会性行動の減退を低減又は予防する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、イヌ科動物で社会性行動の減退を低減又は予防する方法を提供する。カロテンは、放射線を吸収し、イヌ科動物で視力に障害を与えることに少なくとも部分的に関与するフリーラジカルを除去する。より良好な視力を備えれば、イヌ科動物は、特に良好な視力を必要とする活動、例えばフェッチに参加するときに、より社交的となる。この方法は、イヌ科動物が、継続して遊び時間に係わり、グループ活動に参加し、世話人と相互関係を有すること等を保証する。
【0045】
[0045]1つの態様では、本発明は、健康及びウェルネスを促進する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、イヌ科動物の健康及びウェルネスを促進する方法を提供する。カロテンは、眼の健康及び視力を改善し、イヌ科動物の全体的な健康及びウェルネスを向上させる。
【0046】
[0046]別の態様では、本発明は、生活の質を向上させる量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、イヌ科動物のために生活の質を向上させる方法を提供する。カロテンは、眼の健康及び視力を向上させ、イヌ科動物の生活の質に貢献する。
【0047】
[0047]さらなる態様では、本発明は、最盛期を延長する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、イヌ科動物のために最盛期を延長する方法を提供する。この方法は、イヌ科動物が、その生涯において、良好な視力及び関連する眼の機能を有する期間をより長く持てるように、イヌ科動物が良好な視力を有する時間を延長し、眼の病気の発現を遅延させる。
【0048】
[0048]眼の健康を維持する、視力を維持又は向上させる、白内障を予防又は改善する、眼の混濁を予防又は改善する、網膜変性を予防又は改善する、放射線により引き起こされるイヌ科動物の眼の損傷を予防又は改善する、社会性行動の減退を低減又は予防する、全体的な健康及びウェルネスを促進する、生活の質を向上させる、及び最盛期を延長する方法では、これらの方法で用いられるカロテンの量は、眼の病気を改善するように本明細書に記載される量と同じ又は範囲の中にある。投与経路、特定化合物、及び他のパラメータは、眼の病気を改善するように本明細書に記載されるものと同一である。
【0049】
[0049]さらなる態様では、本発明は、眼の病気を改善するために、カロテンをイヌ科動物に投与するのに適するキットを提供する。キットは、キット構成要素にとって適切なように、単一パッケージ中の別個の容器、又は仮想パッケージ中の別個の容器中に、眼の病気を改善するためにカロテンを使用する方法に関する説明書と、(1)1つ又は複数のカロテン、(2)カロテンを含有する1つ又は複数の食品成分、(3)カロテンと適合性の1つ又は複数の食品成分、(4)1つ又は複数の眼科薬、(5)イヌ科動物に投与するためのキットに備えられているカロテン及び任意の他の成分を組み合わせる又は調製する方法に関する説明書、及び(6)組み合わされた又は調製されたキット構成要素をイヌ科動物に投与するためのデバイスのうちの少なくとも1つとを含む。構成要素は、単一パッケージ中の別個の容器中にそれぞれ備えられているか、又は異なるパッケージ中の様々な構成要素の混合物である。好ましい実施形態では、キットは、説明書、及び1つ又は複数のカロテン、又はカロテンを含有する食品成分を含む。キットは、様々な組み合わせの成分を含むことができる。
【0050】
[0050]別の態様では、本発明は、(1)眼の病気を改善するためにカロテンを使用すること、(2)眼科薬と併用してカロテンを使用すること、(3)カロテンを他の材料と混合して、眼の病気を改善するのに適する組成物を製造すること、(4)眼の病気を改善するために本発明のキットを使用すること、(5)眼の病気を改善するためにカロテンを使用することの利点、及び(6)カロテンをイヌ科動物に投与することのうちの1つ又は複数についての情報又は説明を伝達する手段を提供する。当該手段は、上記情報又は説明を収容している物理的又は電子的文書、デジタル記憶媒体、光学記憶媒体、オーディオプレゼンテーション、視聴覚表示装置、又は視覚的表示装置のうちの1つ又は複数を含む。好ましくは、当該手段は、表示されたウェブサイト、視覚表示キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、ちらし、公告、録音テープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータ読み取り可能なチップ、コンピュータ読み取り可能なカード、コンピュータ読み取り可能なディスク、USBデバイス、FireWireデバイス、コンピュータメモリ、及び任意のこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0051】
[0051]別の態様では、本発明は、1つ又は複数のカロテン及びラベルを含むパッケージであって、前記ラベルが、前記パッケージに貼付されており、眼の病気を改善すること、視力を維持又は向上させること、白内障を予防又は改善すること、網膜変性を予防又は改善すること、眼の混濁を予防又は改善すること、放射線により引き起こされるイヌ科動物の眼の損傷を予防又は改善すること、社会性行動の減退を低減又は予防すること、全体的な健康及びウェルネスを促進すること、生活の質を向上させること、及びイヌ科動物の最盛期を延長すること、のうちの1つ又は複数のために適するカロテンを前記パッケージの内容物が含有することを示す、1つの単語又は複数の単語、画像、デザイン、頭字語、キャッチフレーズ、文句、若しくは他のデバイス、又はこれらの組み合わせを含む、前記パッケージを提供する。一般的に、かかるデバイスは、パッケージ上に印刷された文言「紫外線により引き起こされる障害を予防する」、「眼の健康を維持する」、「放射線により引き起こされる眼の障害を予防する」、「白内障予防に役立つ」、「イヌの眼の混濁予防に役立つ」、又は同等の表現を含む。カロテンを含めるのに適する任意のパッケージ又はパッケージ材料、例えば紙、プラスチック、フォイル、金属等から製造された袋、箱、ビン、カン、パウチ等が、本発明で有用である。好ましい実施形態では、パッケージは、必要量のカロテンをイヌ科動物に供給するイヌ科動物用に構成された食品組成物、例えばイヌ科動物用に配合されたペットフード組成物を収容する。
【0052】
[0052]別の態様では、本発明は、眼の病気を改善する、眼の健康を維持する、視力を維持又は向上させる、白内障を予防又は改善する、眼の混濁を予防又は改善する、網膜変性を予防又は改善する、放射線により引き起こされるイヌ科動物の眼の損傷を予防又は改善する、社会性行動の減退を低減又は予防する、全体的な健康及びウェルネスを促進する、生活の質を向上させる、及びイヌ科動物の最盛期を延長することのうちの1つ又は複数のための薬剤を調製するための、1つ又は複数のカロテンの使用を提供する。一般的に、薬剤は、カロテンを賦形剤、緩衝剤、結合剤、可塑剤、着色剤、希釈剤、圧縮剤、潤滑剤、香味料、湿潤化剤、及びイヌ科動物に投与するのに適する薬剤の製造、及び薬剤の製剤化に有用であると当業者にとって公知の他の成分と混合することにより調製される。
【実施例】
【0053】
[0053]実施例は単に説明する目的で記載されており、別途特別に明記しない限り、本発明の範囲を限定するように意図されていないと理解されるものではあるが、本発明は下記の実施例によりさらに説明可能である。
【0054】
実施例1
[0054]眼のサンプルはイヌ7匹から収集された。眼球は検視時に死亡1時間以内に摘出され、個別容器内に4℃で保管され、1日以内に解剖するために氷水上で保管された。眼は水晶体を取り出すために切開された。水晶体は2層に分離された:(1)外側の軟性の皮質層/上皮層、及び(2)内側の硬質の核層。これらの層は、Craft NE、Haitema TB、Garnett KM、Fitch KA、Dorey CK.、Carotenoid,tocopherol,and retinol concentrations in elderly human brain、J Nutr.Health Aging、2004年;第8巻:156〜62頁、に記載されている標準的な手順に従い、カロテノイド、ビタミンC、及びビタミンEについて分析された。結果を表1に掲載する。
【表1】

【0055】
[0055]表1を参照すると、データは、すべての顆粒層サンプルはβ−カロテンを蓄積したこと、及び7つの皮質層サンプルのうち6サンプルがβ−カロテンを蓄積したことを示している。
【表2】

【0056】
[0056]表2を参照すると、データは、イヌのタイプ及び性別が異なれば、異なるタイプの眼組織にβ−カロテンが蓄積することを示している。これとは対照的に、過去の試験結果(Bates CJ、Chen SJ、Macdonald A、Holden R.、Quantization of vitamin E and a carotenoid pigment in cataractous human lenses,and the effect of a dietary supplement.、Int.J Vitam. Nutr. Res、1996年:第66巻:316〜21頁;Bernstein PS、Khachik F、Carvalho LS、Muir GJ、Zhao DY、Katz NB.、Identification and quantization of carotenoids and their metabolites in the tissues of the human eye.、Exp. Eye Res、2001年:第72巻:215〜23頁;Yeum KJ、Taylor A、Tang G、Russell RM.、Measurement of carotenoids,retinoids,and tocopherols in human lenses.、Invest Ophthalmol. Vis. Sci、1995年:第36巻:2756〜61頁;及びYeum KJ、Shang FM、Schalch WM、Russell RM、Taylor A.、Fat−soluble nutrient concentrations in different layers of human cataractous lens.、Curr. Eye Res、1999年;第19巻:502〜5頁を参照)は、ヒトが食物中のβ−カロテンを定期的に摂取しても、ヒトの水晶体内にβ−カロテンは検知されないこと、又は蓄積しないことを明らかにした。表2のこれらのデータは、イヌ科動物の眼組織が、β−カロテンを蓄積することから、非常に独特であることを示している。β−カロテンは黄色顔料であり、これが眼に障害を与える電磁放射線を遮断する。さらに、β−カロテンは強力な酸化防止剤であり、眼内のフリーラジカル形成を防止し、低減する。したがって、β−カロテンは、イヌ等のイヌ科動物の眼の健康を維持し、眼の病気を改善する際に、独特かつ重要な役割を演ずる。
【0057】
[0057]本明細書では、本発明の代表的な好ましい実施形態が開示されてきた。具体的用語が採用されているが、それらは一般的及び記述的意味合いでのみ用いられており、限定する目的ではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載されている。明らかに、上記教示に照らし、本発明の多くの修飾形態及び変化形態が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内において、本発明は具体的に記載される以外でも、実践可能であると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の病気を改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の眼の病気を改善する方法。
【請求項2】
前記カロテンが、眼組織内に蓄積している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カロテンが、眼の皮質組織内、眼の核組織内、又はその両方に蓄積している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記病気が、放射線により引き起こされる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記病気が、白内障、放射線網膜症、光線角膜炎、光線結膜炎、翼状片、瞼裂斑、及び癌のうちの1つ又は複数である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記病気が、フリーラジカルにより引き起こされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記病気が、眼の混濁、白内障、及び網膜変性のうちの1つ又は複数である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記カロテンが、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、δ−カロテン、ε−カロテン、リコペン、及びこれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記カロテンが、β−カロテン、リコペン、及びこれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記カロテンが、β−カロテンである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記カロテンが、約0.1〜約5000mgの量でイヌ科動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記カロテンが、1日当たり約0.1〜約500mgの量でイヌ科動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記イヌ科動物が、イヌである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記カロテンが、長期間定期的にイヌ科動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記カロテンが、イヌ科動物に毎日投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記イヌ科動物が、高齢のイヌ科動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記カロテンを、1つ又は複数の眼科薬と併用して、眼の病気を改善するのに有効な量で投与するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
眼の健康を維持する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の眼の健康を維持する方法。
【請求項19】
視力を維持又は改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の視力を維持又は向上させる方法。
【請求項20】
白内障を予防又は改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の白内障を予防又は改善する方法。
【請求項21】
眼の混濁を予防又は改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の眼の混濁を予防又は改善する方法。
【請求項22】
網膜変性を予防又は改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の網膜変性を予防又は改善する方法。
【請求項23】
眼の損傷を予防又は改善する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、放射線により引き起こされる前記イヌ科動物の眼の損傷を予防又は改善する方法。
【請求項24】
社会性行動の減退を低減又は予防する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の社会性行動の減退を低減又は予防する方法。
【請求項25】
健康及びウェルネスを促進する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の健康及びウェルネスを促進する方法。
【請求項26】
生活の質を向上させる量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の生活の質を向上させる方法。
【請求項27】
最盛期を延長する量の1つ又は複数のカロテンを、イヌ科動物に投与するステップを含む、前記イヌ科動物の最盛期を延長する方法。
【請求項28】
キット構成要素にとって適切なように、単一パッケージ中の別個の容器、又は仮想パッケージ中の別個の容器の中に、眼の病気を改善するためにカロテンを使用する方法に関する説明書と、(1)1つ又は複数のカロテン、(2)カロテンを含有する1つ又は複数の食品成分、(3)カロテンと適合性の1つ又は複数の食品成分、(4)1つ又は複数の眼科薬、(5)イヌ科動物に投与するためのキットに備えられているカロテン及び任意の他の成分を組み合わせる又は調製する方法に関する説明書、及び(6)前記組み合わされた又は調製されたキット構成要素をイヌ科動物に投与するためのデバイスのうちの少なくとも1つとを含む、眼の病気を改善するためにカロテンをイヌ科動物に投与するのに適するキット。
【請求項29】
(1)眼の病気を改善するためにカロテンを使用すること、(2)眼科薬と併用してカロテンを使用すること、(3)カロテンを他の材料と混合して、眼の病気を改善するのに適する組成物を製造すること、(4)眼の病気を改善するために本発明のキットを使用すること、(5)眼の病気を改善するためにカロテンを使用することの利点、及び(6)カロテンをイヌ科動物に投与すること、のうちの1つ又は複数についての情報又は説明を伝達する手段であって、前記情報又は説明を収容している物理的又は電子的文書、デジタル記憶媒体、光学記憶媒体、オーディオプレゼンテーション、視聴覚表示装置、又は視覚的表示装置のうちの1つ又は複数を含む手段。
【請求項30】
表示されたウェブサイト、視覚表示キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、ちらし、公告、録音テープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータ読み取り可能なチップ、コンピュータ読み取り可能なカード、コンピュータ読み取り可能なディスク、USBデバイス、FireWireデバイス、コンピュータメモリ、及び任意のこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項29に記載の手段。
【請求項31】
1つ又は複数のカロテン及びラベルを含むパッケージであって、前記ラベルが、前記パッケージに貼付されており、眼の病気を改善すること、視力を維持又は向上させること、白内障を予防又は改善すること、網膜変性を予防又は改善すること、眼の混濁を予防又は改善すること、放射線により引き起こされるイヌ科動物の眼の損傷を予防又は改善すること、社会性行動の減退を低減又は予防すること、全体的な健康及びウェルネスを促進すること、生活の質を向上させること、及びイヌ科動物の最盛期を延長すること、のうちの1つ又は複数のために適するカロテンを前記パッケージの内容物が含有することを示す、1つの単語又は複数の単語、画像、デザイン、頭字語、キャッチフレーズ、文句、若しくは他のデバイス、又はこれらの組み合わせを含む、パッケージ。
【請求項32】
眼の病気を改善する、視力を維持又は向上させる、白内障を予防又は改善する、網膜変性を予防又は改善する、眼の混濁を予防又は改善する、放射線により引き起こされるイヌ科動物の眼の損傷を予防又は改善する、社会性行動の減退を低減又は予防する、全体的な健康及びウェルネスを促進する、生活の質を向上させる、及びイヌ科動物の最盛期を延長することのうちの1つ又は複数のための薬剤を調製するためのカロテンの使用。

【公表番号】特表2013−509407(P2013−509407A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536786(P2012−536786)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/002815
【国際公開番号】WO2011/059474
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】