説明

イマザリルと銀化合物との組み合わせ

本発明は、改善された殺生物効果を提供するイマザリルもしくはその塩と銀化合物との組み合わせに関する。さらに特に、本発明は、相乗的殺生物効果を提供するためにそれぞれの比率で;酢酸銀、アルギン酸銀、アジ化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀、硫酸銀、塩化銀、チオシアン酸銀、銀−ナトリウム−水素−リン酸ジルコニウム、スルファジアジン銀、シクロヘキサン二酢酸銀および2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン二銀から選択される1つもしくはそれ以上の銀塩と一緒にイマザリルもしくはその塩の組み合わせを含んでなる組成物に関する。他の適当な銀成分(II)は、アミノ樹脂(例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂...)もしくは熱可塑性物質(例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアクリレート、pvc...)のような、成形、ラッカー塗装もしくは塗装製品の製造のためのプラスチック組成物に導入されるか、または典型的には20〜1000nmの粒径を有するナノ銀粒子として提供される、リザーバーとしてリン酸ジルコニウムベースのセラミックを用いる、イオン交換メカニズムなどによるようなそれを徐々に生物学的に利用可能にする技術を用いて銀を遊離させる製品、またはリザーバーもしくは担体としてガラスセラミックにおいて提供される銀、またはゼオライト、シリカゲルもしくは二酸化チタンをリザーバーもしくは銀を含有する無機誘導体として提供される銀である。これらの組み合わせを含んでなる組成物は、細菌、真菌、酵母、藻類などのような微生物の作用に起因する劣化に対する作物、植物、果実、種子、木製物、わらぶき屋根などのような任意の生体もしくは非生体物質、生物分解性物質および繊維の保護のために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された殺生物効果を提供するイマザリルもしくはその塩と銀化合物との組み合わせに関する。さらに特に、本発明は、相乗的殺生物効果を提供するためにそれぞれの比率で酢酸銀、アルギン酸銀、アジ化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀、硫酸銀、塩化銀、チオシアン酸銀、銀−ナトリウム−水素−リン酸ジルコニウム、スルファジアジン銀、シクロヘキサン二酢酸銀および2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン二銀から選択される1つもしくはそれ以上の銀塩と一緒にイマザリルもしくはその塩の組み合わせを含んでなる組成物に関する。これらの組み合わせを含んでなる組成物は、細菌、真菌、酵母、藻類、ウイルスなどのような微生物の作用に起因する劣化に対する作物、植物、果実、種子、木製物、屋根ふき材料(thatch)などのような任意の生体もしくは非生体物質、エンジニアリング材料、生物分解性物質および繊維の保護のために有用である。
【背景技術】
【0002】
微生物は、例えばアルコール発酵、チーズの熟成、パンを焼くこと、ペニシリンの製造、廃水の精製、バイオガスの製造などのようなプロセスにおいて、非常に有用であり、そして必須でさえある。しかしながら、微生物は、また、感染症を引き起こすことにより、有毒もしくは発癌性代謝物を形成することによりそして有益な物質を攻撃すること、製造プロセスを妨げることもしくは製品の品質の低下により有害であるかもしくは非常に危険でもあり得る。
【0003】
殺生物剤もしくは殺微生物剤は、微生物を制御すること:すなわち、微生物を排除するか、殺すかもしくは抑制すること、または細菌、真菌、酵母および藻類のような微生物の成長もしくは増殖を減らすことができる化合物の幅広いそして多様な群である。殺生物剤の重要な群は、殺菌剤および殺真菌剤である。細菌および真菌はどこにでも存在するので、それらの破壊活動(生物劣化)は基本的に不可避である。それにもかかわらず、関連部位で細菌もしくは真菌の増殖を防ぐ化合物を用いて、それらを殺すかもしくはそれらの発生を抑制することにより対象物を保護することができる。
【0004】
抗真菌剤イマザリル、ピリメタニルもしくはチアベンダゾールを含んでなる殺真菌性の組み合わせは、例えば、イマザリルとプロピコナゾールの組み合わせを記述する特許文献1、イマザリルとエポキシコナゾールの組み合わせを記述する特許文献2およびピリメタニルとイマザリルを含んでなる殺真菌性組成物を記述する特許文献3に開示されている。
【0005】
特許文献4は、例えば銀のような無機成分および1つもしくはそれ以上の有機殺生物剤を含んでなる木材防腐組成物を開示し、ここで、無機成分もしくは有機成分または両方は微粉化粒子として存在する。該木材防腐組成物は、木材からの無機成分および有機殺生物剤の最小の浸出で処理木材内の均一な分布を与える。開示される組成物における無機成分と有機殺生物剤との間で相乗効果は開示されない。
【0006】
【特許文献1】欧州特許第0,336,489号明細書
【特許文献2】国際公開第99/12422号パンフレット
【特許文献3】国際公開第03/011030号パンフレット
【特許文献4】米国特許公開第2005/0118280号明細書
【発明の開示】
【0007】
今回、イマザリル(以下、成分Iと称する)および酢酸銀、アルギン酸銀、アジ化銀、
クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀、硫酸銀、塩化銀、チオシアン酸銀、銀−ナトリウム−水素−リン酸ジルコニウム、スルファジアジン銀、シクロヘキサン二酢酸銀および2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン二銀から選択される1つもしくはそれ以上の銀化合物の組み合わせが微生物の抑制に相乗効果を有することが見出された。
【0008】
イマザリル、成分(I)は保護および治療作用を有する浸透性殺真菌剤であり、そしてキュウリ上のうどんこ病およびバラ上の黒斑病を包含する、果実、野菜および観賞植物上の広範囲の真菌を抑制するために使用される。イマザリルは、また、種子粉衣としてそして保存腐敗を抑制するために柑橘類、バナナおよび他の果実の収穫後処理のためにも使用される。それは化合物1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(2−プロペニルオキシ)エチル]−1H−イミダゾールの一般名であり、その化合物は式
【0009】
【化1】

【0010】
により表すことができる。
【0011】
成分(II)は、酢酸銀、アルギン酸銀、アジ化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀、硫酸銀、塩化銀、チオシアン酸銀、銀−ナトリウム−水素−リン酸ジルコニウム、スルファジアジン銀、シクロヘキサン二酢酸銀および2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン二銀から選択される銀化合物である。他の銀成分(II)は、アミノ樹脂(例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂...)もしくは熱可塑性物質(例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアクリレート、pvc...)のような、成形、ラッカー塗装もしくは塗装製品の製造のためのプラスチック組成物に導入されるか、または典型的には20〜1000nmの粒径を有するナノ銀粒子として提供される、リザーバーとしてリン酸ジルコニウムベースのセラミックを用いる、イオン交換メカニズムなどによるようなそれを徐々に生物学的に利用可能にする技術を用いて銀を遊離させる製品、またはリザーバーもしくは担体としてガラスセラミックにおいて提供される銀、またはゼオライト、シリカゲルもしくは二酸化チタンをリザーバーもしくは銀を含有する無機誘導体として提供される銀である。
【0012】
成分(II)は、水もしくは溶媒ベースの表面改変、ポリマー表面コーティング、金属表面コーティングもしくはこれらの技術の組み合わせとして与えることもできる。
【0013】
抗真菌剤イマザリル(I)は、その遊離塩基形態でもしくは酸付加塩の形態で存在することができ、後者は適切な酸と塩基形態との反応により得られる。適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、すなわち、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸およびヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスフィン酸などのような無機酸;もしくは例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、(Z)−2−ブテンニ酸、(E)−2−ブテン二酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシ−ブタン二酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパン−トリカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸などのような有機酸を含んでなる。
【0014】
イマザリル(I)の特定の塩形態は、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、硝酸塩もしくは亜リン酸塩である。
【0015】
イマザリル(I)は1個の不斉炭素原子を有し、そしてそれ故に両方の鏡像異性体の混合物、特にラセミ混合物の形態で、または実質的に純粋な(R)−もしくは(S)−鏡像異性体の形態で具体化(embodied)組成物において用いることができる。以上に用いる場合に「実質的に純粋な」という用語は、少なくとも約96%、好ましくは少なくとも98%、そしてより好ましくは少なくとも99%の、高速液体クロマトグラフィーもしくは光学的方法のような当該技術分野において常用の方法により決定されるような、純度(化学的もしくは光学的のいずれか)を意味する。
【0016】
本発明の組成物は、細菌、真菌、酵母およびウイルスのような広範囲の微生物に対する殺生物活性を有する。細菌には、グラム陽性およびグラム陰性細菌が包含される。真菌には、例えば、木材変色真菌、木材腐朽真菌および植物病原性(phytophatogenic)真菌が包含される。ウイルスには、HIV、SARSおよび鳥インフルエンザが包含される。
【0017】
本発明の殺生物性組成物は、木材、木材製品、革、天然もしくは合成繊維、繊維、不織布、工業用布、ポリプロピレン、ポリビニルクロリドなどのような可塑化物質および非可塑化熱可塑性物質、紙、壁紙、絶縁材料、ラミネート、アミノ成形化合物、塗料およびコーティング、織物、床カバー(floor coverings)、可塑化ポリマーのような合成繊維、黄麻布、ロープおよびコードならびに生物分解性物質の保護において有用であり、そして細菌もしくは真菌による攻撃および破壊から該物質を保護する。本発明の組成物で保護することができる木材および木材製品は、例えば、材木(timber)、製材(lumber)、鉄道枕木、電柱、フェンス、木材カバー(wood coverings)、枝編み細工、窓およびドア、合板、パーティクルボード、ウェファーボード、チップボード、建具、デッキング(decking)のような露出環境において地上で使用される材木およびグラウンドコンタクト(ground contact)または淡水もしくは塩水環境、橋において使用される材木のような木材製品、あるいは住宅建設、建設および大工仕事において一般に使用される木材製品と考えられる。本発明の組成物での処理から利益を得ることができる木材以外の生物分解性物質として、綿のようなセルロース系材料が包含される。
【0018】
本発明の殺生物性組成物は、液と接触するかもしくは液輸送に関与するガスケット、パイプおよび管、食品輸送、加工もしくは製造において使用されるコンベヤーベルト、表面およびプラスチック成分のようないくつかの工業プロセス、ならびにカテーテル、ペースメーカー、インプラント、手術機材および滅菌布のような医療機器および装置のような医療活動における微生物汚染もしくは生物膜形成の防止において有用である。
【0019】
本発明の殺生物性組成物は、表面上の好ましくない細菌、真菌もしくは藻類増殖のような衛生的懸念、閉鎖水系におけるレジオネラ菌の存在、病院における院内感染、多剤耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の存在のような安全性の問題、ソックス、タオル、防護ユニフォーム、靴ライニングのような繊維におけるまたはフィルターもしくは床カバーにおけるような臭気の問題の防止において有用である。本発明は、光スイッチおよびスイッチプレートのような電気装置;便座のような衛生陶器;ならびにドアハンドル、手すり、赤ん坊のおむつ交換台、電話および最高レベルの衛生的保護が必要とされる他の最終使用アプリケーション(applications)の製造のためのような超衛生的ポリマーで被覆された領域もしくは物を保護することも同様に可能である。
【0020】
本発明の殺生物性組成物は、表面上の細菌、真菌もしくは藻類増殖およびこれにより考慮物質に美的問題を引き起こすことの防止において有用である。
【0021】
1つの態様において、本発明は木材、木材製品および生物分解性物質上の微生物増殖を制御する方法に関し、それは木材、木材製品、革、天然もしくは合成繊維、繊維、不織布、工業用布、ポリプロピレン、ポリビニルクロリドなどのような可塑化物質および非可塑化熱可塑性物質、紙、壁紙、絶縁材料、ラミネート、アミノ成形化合物、塗料およびコーティング、織物、床カバー、可塑化ポリマーのような合成繊維、黄麻布、ロープおよびコードに、相乗的殺生物効果を提供するためにそれぞれの比率で成分(I)および1つもしくはそれ以上の成分(II)の組み合わせを含んでなる組成物の抗微生物的に有効な量を適用することを含んでなる。
【0022】
本発明の殺生物性組成物はまた、微生物からエンジニアリング材料を保護するためにも有用である。保護することが意図されるエンジニアリング材料は、のり、サイズ、塗料およびプラスチック製品、冷却潤滑剤、水性油圧油および微生物が感染するかもしくは分解し得る他の非生体物質であることができる。
【0023】
1つの態様において、本発明はエンジニアリング材料上の微生物増殖を制御する方法に関し、それは処理するエンジニアリング材料に、相乗的殺生物効果を提供するためにそれぞれの比率で成分(I)および1つもしくはそれ以上の成分(II)の組み合わせを含んでなる組成物の抗微生物的に有効な量を適用することを含んでなる。
【0024】
本発明の殺生物性組成物はまた、植物もしくは植物の部分、例えば、植物の果実、花(blossoms)、花(flowers)、葉、茎、根、切り取ったもの、塊茎、果実および種子を保護するために用いることもできる。
【0025】
本発明の成分(I)および(II)の組み合わせを使用することができる多種多様な培養植物の例として、例えば、穀草類、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、イネ、ソルガムなど;ビート、例えばテンサイおよび飼料用ビート;ナシ状果および核果ならびにベリー、例えばリンゴ、西洋ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリーおよびブラックベリー;マメ科植物、例えばソラマメ、レンズマメ、エンドウマメ、ダイズ;油脂性植物、例えばナタネ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマシ油植物、カカオ、ラッカセイ;ウリ科、例えばカボチャ、ガーキン、メロン、キュウリ、スカッシュ;繊維植物、例えば綿、亜麻、麻、黄麻;柑橘類果実、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン;野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、アブラナ科、例えばキャベツおよびカブ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、唐辛子および甘唐辛子;月桂樹様植物、例えばアボガド、ニッケイ、クスノキ;またはトウモロコシ、タバコ、ナッツ、コーヒー、サトウキビ、茶、ブドウ、ホップ、バナナ、ゴム植物のような植物、ならびに観葉植物、例えば花、低木、落葉樹および常緑樹、例えば針葉樹を挙げることができる。培養植物のこの列挙は本発明を説明する目的で示され、そして本発明をそれに限定するためではない。
【0026】
1つの態様において、本発明は植物、植物の部分、果実および種子上の微生物増殖を制御する方法に関し、それは処理する植物、植物の部分、果実および種子に、相乗的殺生物効果を提供するためにそれぞれの比率で成分(I)および1つもしくはそれ以上の成分(II)の組み合わせを含んでなる組成物の抗微生物的に有効な量を適用することを含んでなる。
【0027】
成分(I)および成分(II)の1つの組み合わせを含んでなる組成物における成分(I)および成分(II)の1つの相対的比率は、有効成分として成分(I)のみもしくは
成分(II)の1つのみのいずれかを含む組成物と比較した場合に、相乗的殺生物効果をもたらす比率である。当業者により理解されるように、該相乗効果は、それに対して効果が測定される微生物の種類および処理する基質により、組成物における成分(I)および(II)の様々な比率内で得られることができる。本願の教示に基づいて、そのような組成物の相乗的効果の決定は、実施例1において記述されるような毒物プレートアッセイ(Poison Plate Assay)の方法に従って行うことができる。しかしながら、原則として、大部分の微生物について活性組成物における成分(I):成分(II)の量の適当な重量比は10:1〜1:10の範囲にあるべきであると言うことができる。特に、この範囲は8:2〜2:8、さらに特に3:1〜1:3もしくは2:1〜1:2である。本発明の組成物における成分(I):成分(II)の別の特定の比率は、成分(I)と成分(II)の1つの間で1:1の比率である。
【0028】
本発明の組成物における有効成分の各々の量は、相乗的殺生物効果が得られるようにである。特に、本発明のすぐに使用できる(ready to use)組成物は10〜50.000mg/lの範囲の成分(I)を含んでなると考えられる。成分(II)は、選択した成分(II)の比活性により10〜50.000mg/lもしくはmg/kgの間の量で存在する。
【0029】
すぐに使用できる組成物における成分(I)および成分(II)の濃度はまた、これらの組成物を使用する特定の条件によっても決まる。例えば、葉の処理において溶液は葉の上に直接散布され、ここで、成分(I)の濃度は100mg〜250mg/lの間である。ジャガイモは、2リットルの溶液が1.000kgを処理するために使用されるように約7500mg/lの量の成分(I)を含んでなる組成物で処理される。種子の処理において使用する組成物は、100kgの種子が100ml〜200mlの溶液で処理されるように約50g/lの量の成分(I)を含んでなる。果実の収穫後処理において浸漬処理では250〜500mg/l、散布処理では500〜1.000mg/l、そしてワックス処理では1.000〜2.000mg/lの間である量の成分(I)を含んでなる組成物が用いられる。
【0030】
本発明の組成物は、相乗的殺生物効果を提供するためにそれぞれの比率の成分(I)および成分(II)の組み合わせとして、そしてさらに1つもしくはそれ以上の許容しうる担体を含んでなる。
【0031】
これらの担体は、例えば該組成物を溶解するか、分散させるかもしくは拡散させることにより、処理する場所へのその適用/散布を容易にするために、そして/またはその抗真菌効果を損なわずにその保存、輸送もしくは処理を容易にするために成分(I)および(II)の組成物をそれと一緒に調合する任意の材料もしくは物質である。該許容しうる担体は、固体もしくは液体もしくは液体を形成するように圧縮されている気体であることができ、すなわち、本発明の組成物は濃縮物、エマルジョン、乳剤、油混和性懸濁濃縮物(oil miscible suspension concentrates)、油剤(oil−miscible liquid)、液剤(soluble concentrates)、溶液、粒剤、粉剤、スプレー、エアロゾル、ペレットもしくは粉末として好適に使用することができる。
【0032】
多くの場合において直接使用する殺生物性組成物は、水性もしくは有機媒質での希釈の際に、例えば乳剤、懸濁剤もしくは液剤のような濃縮物から得られることができ、そのような濃縮物は本発明の定義において用いられるような組成物という用語により含まれるものとする。そのような濃縮物は、使用直前にスプレータンクにおいてすぐに使用できる混合物に希釈することができる。好ましくは、本発明の組成物は約0.01〜95重量%の成分(I)と(II)の組み合わせを含有すべきである。より好ましくは、この範囲は0
.1〜90重量%である。最も好ましくはこの範囲は、以下に詳細にさらに説明されるように、特定の適用目的のために選択される製剤のタイプにより、1〜80重量%である。
【0033】
乳剤は、水における希釈後にエマルジョンとして適用される成分(I)および(II)の液状の均質な製剤である。懸濁剤は、使用前に水での希釈が意図される液体における有効成分の安定な懸濁液である。液剤は、水における希釈後に有効成分の真溶液として適用される液状の均質な製剤である。
【0034】
本発明の殺真菌性組成物はまた、例えば果実、特に柑橘類の果実のカバーもしくはコーティングとして使用するワックスとして調合することもできる。
【0035】
本発明の殺生物性組成物は、果実、特に柑橘類の果実の収穫後処理において有用であることができる。後者の場合、果実に液状製剤を散布するかまたは果実をそれに浸漬するかもしくは侵し、あるいは果実をワックス状組成物で被覆することができる。後者のワックス状組成物は、適当なワックスと懸濁剤を完全に混合することにより都合よく製造される。散布、浸漬もしくは灌注適用のための製剤は、水性媒質で例えば乳剤、懸濁剤もしくは水溶性液剤(soluble liquid)のような濃縮物を希釈して製造することができる。大部分の場合においてそのような濃縮物は、有効成分、分散剤もしくは沈殿防止剤(界面活性剤)、増粘剤、少量の有機溶媒、湿潤剤、場合によりいくらかの不凍剤、および水からなる。
【0036】
本発明の殺生物性組成物はまた、種子を真菌から保護するために用いることもできる。その趣旨で本発明の殺真菌性組成物を種子上に被覆することができ、この場合、種子粒に有効成分の液状組成物を連続して灌注するかもしくはそれらを前もって組み合わせた組成物で被覆する。組成物はまた、例えば回転ディスク噴霧器を用いて種子上に散布するかもしくは噴霧することもできる。
【0037】
成分(I)および(II)の組み合わせは、好ましくは、保護する物質への同時投与を保証するために両方の該成分が密接に混合される組成物の形態で適用される。成分(I)および(II)の両方の投与もしくは適用はまた、「逐次的な組み合わせた」投与もしくは適用であることもでき、すなわち、成分(I)および成分(II)は、処理する場所でそれらが必ず一緒に混じり合うように同じ場所で交互に(alternatively)もしくは逐次的に投与されるかもしくは適用される。すなわち、逐次投与もしくは適用が短期間内に、例えば24時間未満、好ましくは12時間未満内に行われる場合にこれは達成される。この代替法は、例えば、有効成分(I)を含んでなる製剤を詰めた少なくとも1つの容器および有効成分(II)を含んでなる製剤を詰めた少なくとも1つの容器を含んでなる適当な単一パッケージを用いることにより実施することができる。従って、本発明にはまた、同時もしくは逐次使用のための組み合わせとして:
−成分(I)(すなわち、イマザリル)を含んでなる組成物ならびに
−酢酸銀、アルギン酸銀、アジ化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀、硫酸銀、塩化銀、チオシアン酸銀、銀−ナトリウム−水素−リン酸ジルコニウム、スルファジアジン銀、シクロヘキサン二酢酸銀および2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン二銀から選択される成分(II)を含んでなる組成物を含有し、該組成物(a)および(b)が相乗的殺生物効果を提供するためにそれぞれの比率で存在する製品も包含される。他の適当な銀成分(II)は、アミノ樹脂(例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂...)もしくは熱可塑性物質(例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアクリレート、pvc...)のような、成形、ラッカー塗装もしくは塗装製品の製造のためのプラスチック組成物に導入されるか、または典型的には20〜1000nmの粒径を有するナノ銀粒子として提供される、リザーバーとしてリン酸ジルコニウムベースのセラミックを用いる、イオン交換メカニズムによるようなそれを徐々に生物学的に利用可能にする技術を用いて銀を遊離させる製品、またはリザーバーもしくは担体としてガラスセラミックにおいて提供される銀、またはゼオライト、シリカゲルもしくは二酸化チタンをリザーバーもしくは銀を含有する無機誘導体として提供される銀である。そのような製品は、別個の容器を含んでなる適当なパッケージからなることができ、ここで、各容器は、好ましくは調合された形態で、成分(I)もしくは成分(II)の1つを含んでなる。そのような調合された形態は、一般に、両方の有効成分を含有する製剤について記述されるのと同じ組成物を有する。
【0038】
本発明の組成物において使用する適切な担体および添加剤は固体もしくは液体であることができ、そして例えば天然もしくは再生鉱物、溶媒、分散剤、界面活性剤、湿潤剤、接着剤、増粘剤、結合剤、肥料もしくは不凍剤のような、製剤の当該技術分野において既知である適当な物質に対応する。
【0039】
上記の成分(I)および(II)の両方に加えて、本発明の組成物は他の有効成分、例えば他の殺微生物剤、特に殺真菌剤、ならびに殺虫剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤および肥料をさらに含んでなることができる。
【0040】
成分(I)および(II)は非改変形態でもしくは好ましくは製剤の当該技術分野において通常用いられる添加剤と一緒に使用される。従って、それらは当該技術分野で既知の方法に従って乳剤、直接散布可能なもしくは希釈可能な溶液、希薄エマルジョン、水和剤、水溶剤、粉剤、粒剤、ならびに例えばポリマー物質におけるカプセル封入に調合される。組成物の性質のように、散布、噴霧、散粉、分散もしくは注入のような適用の方法は、意図される目的および一般的な状況に従って選択される。
【0041】
製剤、すなわち、有効成分および必要に応じて固形もしくは液状添加剤を含んでなる組成物、製剤もしくは混合物は既知の方法において、例えば有効成分を増量剤、例えば溶媒、固形担体および必要に応じて表面活性化合物(界面活性剤)と均質に混合しそして/もしくは粉砕することにより製造される。
【0042】
適当な溶媒は芳香族炭化水素、好ましくは8〜12個の炭素原子を含有する画分、例えばジメチルベンゼン混合物もしくは置換されたナフタレン、ジブチルフタレートもしくはジオクチルフタレートのようなフタレート、シクロヘキサンもしくはパラフィンのような脂肪族もしくは脂環式炭化水素、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテルのようなアルコールおよびグリコールならびにそれらのエーテルおよびエステル、シクロヘキサノンのようなケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドもしくはジメチルホルムアミドのような強極性溶媒、ならびに植物油もしくはエポキシ化植物油、例えばエポキシ化ココナッツ油もしくはダイズ油;または水である。
【0043】
例えば粉剤および分散性粉末(dispersible powders)に使用する固形担体は、通常、方解石、滑石、カオリン、モンモリロナイトもしくはアタパルジャイトのような天然鉱物充填剤である。物理的性質を改善するために高分散ケイ酸もしくは高分散吸収性ポリマーを加えることもまた可能である。適当な粒状吸収性担体は多孔性タイプのもの、例えば軽石、粉砕レンガ、海泡石もしくはベントナイトであり;そして適当な非吸着性担体は方解石もしくは砂のような物質である。さらに、無機性もしくは有機性の多数の予備粒状化物質を用いることができる、例えば、特にドロマイトもしくは粉砕植物残留物。
【0044】
本発明の組成物において用いられる適当な表面活性化合物は、優れた乳化、分散および湿潤特性を有する非イオン性、カチオン性および/もしくはアニオン性界面活性剤である
。「界面活性剤」という用語はまた、界面活性剤の混合物を含んでなるとしても理解される。
【0045】
本発明の組成物において使用する適切な担体および添加剤は固体もしくは液体であることができ、そして例えば天然もしくは再生鉱物、溶媒、分散剤、界面活性剤、湿潤剤、接着剤、増粘剤、結合剤、肥料、不凍剤、防虫剤、着色添加物、防蝕剤、撥水剤、乾燥剤、UV安定剤および他の有効成分のような、植物もしくはそれらの部位を処理するための、または植物生成物を処理するための、特に木材を処理するための製剤を製造する当該技術分野において既知である適当な物質に対応する。
【0046】
適当なアニオン性界面活性剤は、水溶性石鹸および水溶性合成表面活性化合物の両方であることができる。
【0047】
適当な石鹸は、高級脂肪酸(C10〜C22)の(例えば、オレイン酸もしくはステアリン酸のナトリウムもしくはカリウム塩)、または例えばココナッツ油もしくは獣脂油から得られることができる天然脂肪酸混合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または非置換のもしくは置換されたアンモニウム塩である。さらに、脂肪酸メチルタウリン塩を挙げることもできる。
【0048】
しかしながら、より頻繁には、いわゆる合成界面活性剤、特に脂肪(fatty)スルホン酸塩、脂肪硫酸塩、スルホン化ベンズイミダゾール誘導体もしくはアルキルアリールスルホン酸塩が用いられる。脂肪スルホン酸塩もしくは硫酸塩は、通常、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または非置換のもしくは置換されたアンモニウム塩の形態であり、そして8〜22個の炭素原子を有するアルキル基を含有し、該アルキルはまたアシル基由来の基も含んでなる、例えば、リグノスルホン酸の、硫酸ドデシルのもしくは天然脂肪酸から得られる脂肪アルコール硫酸塩の混合物のナトリウムもしくはカルシウム塩。これらの化合物は、また、脂肪アルコール/エチレンオキシド付加物の硫酸エステルおよびスルホン酸の塩もまた含んでなる。スルホン化ベンズイミダゾール誘導体は、好ましくは2個のスルホン酸基および8〜22個の炭素原子を含有する1個の脂肪酸基を含有する。アルキルアリールスルホン酸塩の例は、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジブチルナフタレン−スルホン酸の、もしくはナフタレン−スルホン酸/ホルムアルデヒド縮合生成物のナトリウム、カルシウムもしくはトリエタノールアミン塩である。また適当であるのは対応するリン酸塩、例えば4〜14モルのエチレンオキシドとp−ノニルフェノールの付加物のリン酸エステルの塩、もしくはリン脂質である。
【0049】
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、脂肪族もしくは脂環式アルコール、または飽和もしくは不飽和脂肪酸およびアルキルフェノールのポリグリコールエーテル誘導体であり、該誘導体は3〜10個のグリコールエーテル基および(脂肪族)炭化水素部分に8〜20個の炭素原子そしてアルキルフェノールのアルキル部分に6〜18個の炭素原子を含有する。
【0050】
さらなる適当な非イオン性界面活性剤は、ポリプロピレングリコール、エチレンジアミノポリプロピレングリコール(アルキル鎖に1〜10個の炭素原子を含有する)とポリエチレンオキシドとの水溶性付加物であり、これらの付加物は20〜250個のエチレングリコールエーテル基および10〜100個のプロピレングリコールエーテル基を含有する。これらの化合物は、通常、プロピレングリコール単位当たり1〜5個のエチレングリコール単位を含有する。
【0051】
非イオン性界面活性剤の代表例は、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、ヒマシ油ポリグリコールエーテル、ポリプロピレン/ポリエチレンオキシド付加物、トリブチル
フェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコールおよびオクチルフェノキシポリエトキシエタノールである。三オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンのような、ポリエチレンソルビタンの脂肪酸エステルもまた、適当な非イオン性界面活性剤である。
【0052】
適用を改善しそして有効成分の用量を減らすために有用な特に都合のよい添加剤は、例えば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセリン、リゾレシチンもしくはカルジオリピンのようなセファリンもしくはレシチンタイプの天然(動物もしくは植物)もしくは合成リン脂質である。そのようなリン脂質は、動物もしくは植物細胞から、特に脳−、心臓−もしくは肝臓組織、卵黄またはダイズから得られることができる。適切なそのようなリン脂質は、例えば、ホスファチジルコリン混合物である。合成リン脂質は、例えば、ジオクタニルホスファチジルコリンおよびジパルミトイルホスファチジルコリンである。
【実施例】
【0053】
実験部分
実験1:毒物プレートアッセイ
第一化合物の名称: −イマザリル(I)
銀塩の名称: −硝酸銀もしくは過塩素酸銀
ストック溶液: DMSO中1000ppm
試験組み合わせ: %生成物A+%生成物B
100 + 0
80 + 20
66 + 33
50 + 50
33 + 66
20 + 80
0 + 100
組み合わせにおける全有効成分の濃度:
1/3の段階で増加する濃度の第一系列:2.11−2.82−3.75−5.01−6.67−8.90−11.87−15.82−21.09−28.13−37.50−50.00ppm
1/3の段階で増加する濃度の第二系列:21.12−28.16−37.54−50.06−66.74−88.99−118.65−158.20−210.94−281.25−375.00−500.00ppm
培養培地: 細菌:トリプトース寒天(TA):1リットルの脱イオン水中20
gのバクトトリプトース、5gの塩化ナトリウム、1gのバクトデ
キストロースおよび15gのバクト寒天
真菌および酵母: ジャガイモデキストロース寒天(PDA):1リットルの脱イオン
水中4gのジャガイモインフュージョン、20gのバクトデキスト
ロースおよび15gのバクト寒天
実験設定: 24ウェルプレート
試験種: 細菌
シュードモナス・アエルギノーザ
(Pseudomonas aeruginosa) NCIB 8295
エシェリキア・コリ
(Escherichia coli) SSB I 8
スタヒロコッカス・アウレウス
(Staphylococcus aureus) LMG 8064
真菌および酵母
アスペルギルス・ベルシコロル
(Aspergillus versicolor) CNCM 1187−79
ペニシリウム・プルプロゲナム
(Penicillium purpurogenum) CBS 170.60
ロドトルラ・ルブラ
(Rhodoturula rubra) B 52183
スタキボトリス・チャルタルム
(Stachybotris chartarum) CBS 328.37
ウロクラジウム・アトルム
(Ulocladium atrum) IMI 214669a
トリコデルマ・ロンギブラキアツム
(Trichoderma longibrachiatum) ATCC 13631
接種材料: 胞子/菌糸体懸濁液(2μl)もしくは活発に増殖するコロニーの
縁からの寒天の小片で
培養条件: 細菌:27℃、70%の相対湿度、暗所
真菌: 22℃、70%の相対湿度、暗所
評価: 細菌は1週そして真菌は2週後の評価
【0054】
MIC値(ppm全有効成分単位の最小阻害濃度)を記載し、そしてKull et al.(Kull,F.C.,P.C.Eismann,H.D.Sylvestrowicz,and R.L.Mayer(1961)“Mixtures of quaternary ammonium compounds and long−chain
fatty acids as antifungal agents”Applied Microbiology 9:538−541;またZwart Voorspuij,A.J.,and C.A.G.Nass(1957)“Some aspects of the notions additivity,synergism and antagonism in the simultaneous activity of two antibacterial agents in vitro”Arch.intern.Pharmacodynamie 109:211−228;Steinberg,D.C.(2000)“Measuring synergy”cosmetics & Toiletries 115(11):59−62;およびLada,A.,A.N.Petrocci,H.A.Green,and J.J.Merianos(1977)“Antimicrobial composition”米国特許4061750,3pp.も参照)により記述される相乗効果指数法を用いて相乗効果を計算した:
【0055】
【数1】

【0056】
ここで:
・Qは終点(例えばMIC)をもたらした、単独で作用する、ppm単位の化合物Aの濃度であり、
・Qaは終点(例えばMIC)をもたらした、混合物における、ppm単位の化合物Aの濃度であり、
・Qは終点(例えばMIC)をもたらした、単独で作用する、ppm単位の化合物Bの濃度であり、
・Qは終点(例えばMIC)をもたらした、混合物における、ppm単位の化合物Bの濃度である。
【0057】
相乗効果指数が1.0より大きい場合、拮抗作用が示される。SIが1.0に等しい場合、相加作用が示される。SIが1.0未満である場合、相乗効果が示される。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(I)および成分(II)の1つが相乗的殺生物効果を提供するためにそれぞれの比率で存在する;成分(I)としてイマザリルもしくはその塩と、成分(II)として酢酸銀、アルギン酸銀、アジ化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀、硫酸銀、塩化銀、チオシアン酸銀、銀−ナトリウム−水素−リン酸ジルコニウム、スルファジアジン銀、シクロヘキサン二酢酸銀および2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン二銀から選択される銀化合物の組み合わせを含んでなる組成物。
【請求項2】
成分(II)が硝酸銀もしくは過塩素酸銀である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(I)および成分(II)の1つが相乗的殺生物効果を提供するためにそれぞれの比率で存在する;成分(I)としてイマザリルもしくはその塩と、成分(II)として、アミノ樹脂もしくは熱可塑性物質のような、成形、ラッカー塗装もしくは塗装製品の製造のためのプラスチック組成物に導入されるか、またはナノ銀粒子として提供される、リザーバーとしてリン酸ジルコニウムベースのセラミックを用いる、イオン交換メカニズムなどによるようなそれを徐々に生物学的に利用可能にする技術を用いて銀を遊離させる製品、またはリザーバーもしくは担体としてガラスセラミックにおいて提供される銀、またはゼオライト、シリカゲルもしくは二酸化チタンをリザーバーもしくは銀を含有する無機誘導体として提供する銀の組み合わせを含んでなる組成物。
【請求項4】
成分(I):成分(II)の重量比が10:1〜1:10の間である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
成分(I)の量が10〜50.000mg/lの範囲内で存在し、そして成分(II)の量が10〜50.000mg/lの範囲内で存在する請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
処理すべき木材、木材製品および生物分解性物質に請求項1〜5のいずれかに記載の組成物の抗微生物的に有効な量を適用することを含んでなる、木材、木材製品および生物分解性物質上の微生物増殖を抑制する方法。
【請求項7】
処理すべきエンジニアリング材料に請求項1〜5のいずれかに記載の組成物の抗微生物的に有効な量を適用することを含んでなる、エンジニアリング材料上の微生物増殖を抑制する方法。
【請求項8】
成分(I)および成分(II)の1つを互いに密接に混合することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の相乗的組成物の製造方法。
【請求項9】
同時もしくは逐次使用のための組み合わせとして、
(a)成分(I)、イマザリルを含んでなる組成物;ならびに
(b)酢酸銀、アルギン酸銀、アジ化銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀、硫酸銀、塩化銀、チオシアン酸銀、銀−ナトリウム−水素−リン酸ジルコニウム、スルファジアジン銀、シクロヘキサン二酢酸銀および2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン二銀から選択される成分(II)を含んでなる組成物を含有し、該組成物(a)および(b)が相乗的殺生物効果を提供するためのようなそれぞれの比率で存在する製品。
【請求項10】
同時もしくは逐次使用のための組み合わせとして、
(a)成分(I)、イマザリルを含んでなる組成物;および
(b)アミノ樹脂もしくは熱可塑性物質のような、成形、ラッカー塗装もしくは塗装製品の製造のためのプラスチック組成物に導入されるか、またはナノ銀粒子として提供される、リザーバーとしてリン酸ジルコニウムベースのセラミックを用いる、イオン交換メカニズムなどによるようなそれを徐々に生物学的に利用可能にする技術を用いて銀を遊離させる製品、またはリザーバーもしくは担体としてガラスセラミックにおいて提供される銀、またはゼオライト、シリカゲルもしくは二酸化チタンをリザーバーもしくは銀を含有する無機誘導体として提供する銀から選択される成分(II)を含んでなる組成物を含有し、該組成物(a)および(b)が相乗的殺生物効果を提供するためのようなそれぞれの比率で存在する製品。

【公表番号】特表2009−534296(P2009−534296A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557745(P2008−557745)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052081
【国際公開番号】WO2007/101848
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】