説明

イミキモド製剤

【解決手段】 イミキモド或いはそれの類似体などの、多くのイミダゾキノリンファミリーの薬剤の溶液は、1若しくはそれ以上の非水性溶媒及び水素結合形成化合物を含有する溶媒システム中に前記薬剤を組み合わせることによって製造され、前記溶媒システムは低レベルの水を含有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬学的な活性化合物の溶解度の分野、特にイミキモド及びイミダゾキノリンファミリーの薬剤の他のメンバーの増強した溶解度、安定性及び皮膚浸透度の分野に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
イミキモド(1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン)は、イミダゾキノリンファミリーの薬剤の1メンバーである。このファミリーの他のメンバーには、R−848(レジキモド)、R−842(ヒドロキシル化されたイミキモドの代謝産物)、S−27609、及びS−28463などのイミキモドの類似体が含まれる。このファミリーの薬剤は、ヌクレオシド類似体に対する類似点を有しており、それらの作用の正確なメカニズムは分かっていないが、免疫反応修飾因子及び刺激因子の特性も持っていた。
【0003】
イミキモド及びその類似体は、基底細胞癌、日光角化症及びボーエン病(in situ扁平上皮癌)を含む様々な皮膚疾患の治療において局所的に適用した場合、有用であることが示されていた(Navi and Huntley, Dermatology Online Journal, 10(1):4 (2004))。Gesterによる米国特許第4,689,338号には、イミキモドの付加的類似体、及びイミキモド及びその類似体は抗ウイルス効果を有することが開示されていた。イミキモド及びその類似体の免疫反応修飾因子としての有効性、及び腫瘍及びウイルス疾患を含む様々な皮膚症状の治療に対する有効性は、Skwierczynskiによる米国特許第6,245,776号及びWickによる米国特許第5,238,944号に開示されている。
【0004】
イミキモドは現在、Aldara(登録商標)クリームという名で市販されているクリーム製剤として局所適用のために市販されている(Graceway Pharmaceuticals,Bristol,テネシー州)。Aldara(登録商標)クリーム製剤は、日光角化症、基底細胞癌、及び外陰及び肛門周囲疣贅の治療に対してFDAに承認されていた。この使用は承認されていないが、Aldara(登録商標)クリームはさらに、外陰及び肛門周囲疣贅以外の皮膚疣贅を治療するためにも使用されていた。
【0005】
イミキモドは、以下の化学式Iとして示された構造式を有する。
【0006】
【化1】

【0007】
イミキモドは、隣接イミキモド分子との相互作用し積み重なった配列を潜在的に形成する傾向がある、平面芳香族分子である。強力なイミキモド−イミキモド分子間力及び積み重なる傾向によって、イミキモドは水及び有機溶媒にかなり不溶性となり、溶液において隣接イミキモド分子として不安定であるイミキモドの溶液を相互作用させ、一緒に積み重ならせ、溶液から沈殿させる。
【0008】
Wickによる米国特許第5,238,944号、及びSkwierczynskiによる米国特許第6,245,776号では、イミキモドを含有する水中油型乳化製剤は、イミキモドとイソステアリン酸或いはオレイン酸などの脂肪酸との組み合わせによって油層を調合することによって得られたと開示していた。Wickは、クリーム、軟膏或いは感圧接着組成物の形態におけるイミキモド薬学的製剤を開示していた。軟膏及び感圧組成物は、水を含まない。水は、45%〜85%の間の濃度でのクリーム製剤において存在する。
【0009】
Skwierczynskiは、イミキモド、脂肪酸、乳剤、粘度増強剤及び保存料を含有する製剤を開示していた。前記製剤の残りは水から成る。
【0010】
現在市販されているイミキモド製剤であるAldara(登録商標)クリームは、5%イミキモド及び25%イソステアリン酸を含有する、Wickの開示に基づいた乳剤である。イミキモド及びイソステアリン酸を含有する水中油型Aldara(登録商標)クリーム乳剤は、取り組む必要があるいくつかの問題を示している。前記乳剤の油層におけるイミキモドの溶液は不安定であり、時間とともに前記イミキモドは沈殿する傾向がある。イミキモド乳剤の物理的安定性の欠如は、Aldara(登録商標)クリームが頓用パケットで市販されており、治療期間中に使用しなかったパケットを破棄しなくてはならない一つの理由である。
【0011】
第二に、Aldara(登録商標)クリームにおけるイミキモドは、非角化ヒト皮膚をわずかにしか浸透せず、角化ヒト皮膚でさえあまり素早く浸透しない。外陰及び肛門周囲領域以外の場所で生じた皮膚疣贅は、外陰及び肛門周囲疣贅よりも高度に角化する。Aldara(登録商標)クリーム製剤からのイミキモドの角化ヒト皮膚への非常に乏しい浸透度のせいで、Aldara(登録商標)クリームでの皮膚疣贅の治療はしばしば、臨床的に厄介となることに加えて、効果を有意に増強すると証明された、密封ラップを利用してなされる。
【0012】
Aldara(登録商標)クリームはさらに、投与の部位での刺激の発生率も非常に高い。Aldara(登録商標)クリームの一部の刺激潜在力は、乳剤の油層においてイミキモドを安定化するのに必要とされるイソステアリン酸などの高濃度の脂肪酸溶媒の存在によると思われる。刺激の第二の原因は、イミキモド自体によるものである。Aldara(登録商標)クリームにおけるイミキモドは5%濃度で存在する。そのような高濃度は、ヒト皮膚を通じたイミキモドの乏しい浸透度のせいで必要なものである。
【0013】
Yoshaによる米国出願第2007/0264317号には、Aldara(登録商標)クリーム製剤に関連した、特にそこに含有されたイミキモドの乏しい浸透度及び高濃度のイソステアリン酸に関連した問題に取り組んでいた。Yoshaの組成物は、イミキモドの優れた浸透度を達成するために必要とされると開示されている、微粒子化形態のイミキモドが含有されていた。Yoshaにおいて開示された各組成物は、少なくとも40%水を含有する。Yoshaの組成物はさらに、ステアリン酸及びオレイルアルコールのどちらか或いは両者と組み合わせてオレイン酸或いはリノール酸などの脂肪酸を含有している。Yoshaは、オレイン酸或いはリノール酸を含有するイミキモド製剤の刺激潜在力に関連したデータを提供していなかった。しかしながら、オレイン酸などの液体脂肪酸は、皮膚を刺激することが知られていた。
【0014】
物理的に安定であり、イミキモドを含有する先行技術の製剤より刺激潜在力が少なく、皮膚、特に角化皮膚へのイミキモドの浸透度が改善されたイミキモド或いはその類似体を含有する薬学的製剤に対する重要な必要性が残されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
イミキモド、及びR−848、R−842、S−27609、及びS−28463などのその類似体の溶解度は、低レベルの水を含有する、好ましくは実質的には水を含まない溶媒システムにおいて適切な水素結合形成化合物と前記イミキモド或いは類似体とを組み合わせることによって増加することが発見された。それによって得られた製剤は好ましくは、室温で液体である脂肪酸を低レベルで含む、或いは実質的に含まない。さらに、本発明の好ましい製剤は、イミキモドを含有する先行技術の製剤と比較して、ヒト皮膚へのイミキモド或いはその類似体の増強された浸透度を提供することが発見された。
【0016】
従って、本発明は、イミキモドを含有する先行技術の製剤に関連した問題に対するいくつかの解決法を提供する。本発明は、低レベルのイソステアリン酸、或いは実質的にイソステアリン酸を含まず、好ましくは室温で液体であるあらゆる脂肪酸を低レベルで含む或いは実質的に含まない、イミキモドの溶液を提供する。従って、そのような脂肪酸、特に高レベルの脂肪酸の存在による刺激は、本発明の製剤を使用した場合、もはや心配事ではない。
【0017】
さらに、本発明の好ましい製剤は、ヒト皮膚へのイミキモドの増強された浸透度を提供するため、より低濃度のイミキモドは、現在利用可能な先行技術の5%イミキモド製剤と比較して、有効的に利用される。従って、高濃度のイミキモドの存在によるイミキモド製剤の刺激潜在力は、本発明のそのような製剤が投与された場合、著しく減少する。さらに、合成するのに非常に高価であると本分野で知られている、イミキモド或いは類似体の有効的な薬学的組成物を製造するコストは、実質的に軽減する。
【0018】
本明細書において、本発明は、主にイミキモドに関連して記載されている。しかしながら、イミキモドは、本明細書に開示されたものを含む、イミダゾキノリンファミリーの薬剤及びイミキモドの類似体の実例であり、本発明の観点の範囲内に含まれることが理解される。
【0019】
イミキモド或いはその類似体は、本発明の製剤に取り込まれる前、あらゆる粒子サイズである。例えば、イミキモド或いは類似体は、粒子サイズに関してコントロールされない、或いは粗い粒子、微粒子化或いはナノ粒子である。
【0020】
本発明の製剤の成分の濃度は、重量パーセント(%w/w)である。本発明の製剤の成分の濃度は、室温で海面における大気圧の標準条件で決定した。
【0021】
「低レベルの水」という用語は、前記製剤における水素結合形成化合物及びイミキモド或いはその類似体の間の安定した複合体の形成を妨げる以下の水の量を意味するものである。水は素早く極度に安定した水素結合を形成し、水は水素結合形成剤と安定した水素結合を形成することが提案されている。その結果、十分量での水の存在は、成功的に理論化され、イミキモド及び水素結合形成化合物との間の水素結合の形成を競合的に阻害する。従って、本発明の製剤において水含有量を制御する目的は、水素結合形成剤及び水の間の競合的水素結合形成を減少させる或いは除去することであり、水素結合形成剤及びイミキモドの間の水素結合の形成を可能にすることである。この適用の目的で、前記製剤における、水素結合形成化合物及びイミキモド或いはその類似体との間の安定した複合体の形成を妨げる量以下の量の水は、前記製剤の30重量%或いはそれより少ない。従って、水素結合形成化合物及びイミキモド或いはその類似体との間の安定した複合体の形成を妨げる量以下の量の水を含有した本発明の製剤は、30%、25%、20%、15%、10%、5%或いは0%、或いは0%〜30%のあらゆる濃度での水を含有する。
【0022】
「水を基本的に含まない」という用語は、前記製剤は10%w/w未満の量の水を含有することを意味している。好ましくは、水を基本的に含まない前記製剤は、5%w/w未満の水の濃度を有している。より好ましくは、水の濃度は3%未満である。特に好ましい実施形態において、前記水の濃度は約2%或いはそれ以下である。
【0023】
好ましくは、本発明の製剤における水の濃度は、前記製剤におけるイミキモドの溶解濃度の10倍未満である。より好ましくは、前記水の濃度は、イミキモドの溶解濃度の5倍未満である。さらに好ましくは、前記水の濃度は、イミキモドの溶解濃度の2倍未満である。最も好ましくは、前記水の濃度は、イミキモドの溶解濃度未満である。特に好ましい実施形態において、水の濃度は前記製剤におけるイミキモドの溶解濃度の50%未満である。
【0024】
従って、1%溶解イミキモドを含有する製剤に対して、水の濃度は10%未満であるのが好ましく、より好ましくは5%未満、さらに好ましくは2%未満、最も好ましくは1%未満である。水の濃度が0.5%未満であることは特に好ましい。
【0025】
前記製剤における水の濃度が上述したレベルまで減少され得ない、水の共沸混合物である溶媒を利用した場合、必ずしも重要ではないが、前記溶媒システムにおける水の濃度は、蒸留による各個別溶媒において得られる水の最小濃度のわずか3倍であることが好ましい。溶媒における水の濃度は、蒸留による個別溶媒において得られる水の最小濃度のわずか2倍であることがより好ましい。水の濃度は、蒸留による個別溶媒において得られる水の最小濃度と同じであることが最も好ましい。水の共沸混合物の例としては、エタノール、グリセリン、ベンジルアルコール、1−N-メチル−2−ピロリドン(NMP)、及びプロピレングリコールが含まれる。
【0026】
室温で液体である、イソステアリン酸或いは脂肪酸を言及する場合の「低レベル」という用語は、前記製剤がそのようなイソステアリン酸或いは脂肪酸を12.5%或いはそれ以下含有していることを意味するものである。
【0027】
室温で液体である、イソステアリン酸或いは脂肪酸を言及する場合の「実質的に含まない」という用語は、前記製剤がそのようなイソステアリン酸或いは脂肪酸を2.5%或いはそれ以下含有していることを意味するものである。好ましくは、前記製剤はイソステアリン酸或いは脂肪酸を1.0%或いはそれ以下含有するものである。最も好ましくは、前記製剤は、0.25%或いはそれ以下含有するものである。そして、最も好ましい実施形態において、本発明の製剤は、室温で液体であるイソステアリン酸或いは他の脂肪酸は完全に含まない。
【0028】
本発明の製剤は、必要に応じて、室温で固体であるステアリン酸などの脂肪酸を含有する。そのような固体脂肪酸はマイルドであり、皮膚に対して非刺激性である。製剤が室温で液体である脂肪酸を実質的に含有しないかどうかを決定する場合、そのような固体脂肪酸の濃度は含まれない。
【0029】
本発明の水素結合形成化合物は、イミキモドと水素結合を形成することができる、若しくはイミキモドとの非共有分子間結合を提供するためにイミキモドにプロトンを提供できる或いは部分的に提供できる、若しくはイミキモドとの非共有分子間結合を提供するためにイミキモドからプロトンを受容できる或いは部分的に受容できる、少なくとも2部位を含む化学化合物である。この明細書において、「水素結合形成化合物」という用語は、本発明の水素結合形成化合物を意味するために使用されている。非水性溶媒におけるイミキモドとの組み合わせで水素結合形成化合物は、イミキモドとの複合体を産生する。前記複合体は、水素結合形成化合物の非存在下でのイミキモドと比較して、非水性溶媒においてより可溶性である。
【0030】
前記製剤における水素結合形成化合物の濃度は、低レベルの水を含有する、及び好ましくは実質的に水を含まない製剤においてイミキモド或いはその類似体の溶解度を増加するのに十分な濃度である。
【0031】
前記複合体における前記水素結合形成化合物及びイミキモドのモル比は、利用される特定の水素結合形成化合物、及び溶液中に存在するイミキモド、水素結合形成化合物及び水の相対的濃度に依存して変わるものである。水素結合形成化合物及びイミキモドの複合体におけるモル比は1:1が好ましいということが理論化される。しかしながら、前記比は、1:1以上であり、例えば2:1、3:1或いは4:1である。或いは、前記比は1:1以下であり、例えば1:2、1:3或いは1:4である。前記複合体における水素結合形成化合物及びイミキモドのモル比は、4:1以上或いは1:4以下であることもさらに考えられる。
【0032】
本発明の方法及び製剤に対して適した水素結合形成化合物の例としては、これに限定されるものではないが、乳酸及びグリコール酸などのアルファ−ヒドロキシ酸群;サリチル酸及びゲンチシン酸などのベータ−ヒドロキシ酸群;ココイルサルコシン及びN−ラウロイルサルコシンなどのアルキル−サルコシン群;ジメチコンPEG−7フタレート、ジメチコンPEG−7コハク酸、及びジメチコンPEG−8リン酸などのアニオン性ペグ化ジメチコン誘導体群;オレス−3リン酸などのアニオン性オレイルエーテル界面活性剤群;ラウレス−4カルボン酸などのアニオン性ラウレスエーテル界面活性剤群;安息香酸及び没食子酸などの環状酸群;及びグルクロン酸などの環状酸性糖群が含まれる。
【0033】
イミキモドを含有する溶液を製造するために本発明の方法に従うと、イミキモド及び1若しくはそれ以上の水素結合形成化合物は、低レベルの水を含有する、及び好ましくは実質的に水を含まない非水性溶媒システムにおいて組み合わされる。これによって得られたイミキモドの飽和溶解濃度は、1若しくはそれ以上の水素結合形成化合物が組み合わされていない同一の非水性溶媒システムにおけるイミキモドの飽和溶解濃度より高い。
【0034】
本発明の非水性溶媒システムは、イミキモド及び水素結合形成化合物の相互作用が生じるあらゆる溶媒システムである。従って、実質的な非水性溶媒システムなどの低レベルの水を含有するほとんどあらゆる溶媒システムは、本発明に従って利用されると考えられる。1若しくはそれ以上の極性溶媒を含有する溶媒システムは、イミキモドとの或いは水素結合形成化合物との相互作用によってイミキモドのより優れた溶解度を提供するということが理論化される。さらに、本発明の極性無水溶媒システムは、イミキモド−イミキモド相互作用の阻害に寄与するということも理論化される。加えて、極性溶媒は、水素結合形成化合物、及びイミキモド及び水素結合形成化合物を含有する複合体をより溶解することができる。従って、極性溶媒は、非極性溶媒よりも好ましい。本発明の溶媒システムは、単一溶媒のみを含む。或いは、本発明の溶媒システムは、複数の溶媒を含む。
【0035】
本発明の溶媒システムは、薬学的に許容可能であるべきで、水中のイミキモドの固有融解度よりも高いイミキモドに対するある程度の固有溶解度を有するべきであり、さらに水素結合形成化合物或いは化合物群に対するある程度の固有溶解度も有するべきである。
【0036】
本発明の溶媒システムに対して適切な溶媒の例としては、これに限定されるものではないが、NMP及びジメチルスルホキシド(DMSO)などの非プロトン性溶媒群;ベンジルアルコールなどの環状アルコール群;エタノール及びジオール群、或いはプロピレングリコール、プリセリン及びブチレングリコールなどのトリオール群などの短鎖液体アルコール群;乳酸ミリスチル、イソプロピルミリスチン酸及び酢酸エチルなどのエステル群;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(すなわちTranscutol(登録商標)、Gattefosse、Gennevilliers、フランス)及びジメチルイソソルビドなどのエーテル群;トリグリセリドなどの薬学的油群;及び、それぞれジメチコン及びシクロメチコンなどの揮発性或いは非揮発性シリコンなどのシリコン群が含まれる。
【0037】
本発明の溶液は、物理的に安定である。イミキモドの溶解レベルは、溶液を製造後12週の定常状態レベルで決定される。さらに、本発明の組成物は、25℃、40℃或いは50℃で熟成させた12週間後にイミキモドの沈殿を実質的に含まないと見出されていた。
【0038】
上で列挙した好ましい水素結合形成化合物及び好ましい非水性溶媒の組み合わせは、先行技術産物(Aldara(登録商標)クリーム)と比較して、予想しなかった著しく増強された局所運搬及び皮膚浸透度を生じた。本発明で実例化される組成物において実質的により少ないイミキモド負荷用量を利用する一方で、統計学的に有意で優れた運搬が達成された。これらの結果は、皮膚における増強されたイミキモド溶解度、及び本発明の溶媒及び水素結合形成化合物によって仲介された角質層脂質の可溶化/流動化の組み合わせのおかげで達成されたことが考えられる。
【0039】
イミキモド及び水素結合形成化合物に加えて、本発明の溶液は、ポリマーを含有する。前記ポリマーは増粘剤として働き、本発明のイミキモド溶液の安定性を増強する。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボマー(カルボキシビニルポリマー)及びポリビニルピロリドンなどのポリマー剤は、「遊離」イミキモドと水素結合型相互作用を形成し、これにより溶解剤及び抗核形成剤として働くものであることが理論化される。付加的に、ポリマーは隣接イミキモド分子の相互作用に対して立体障害を示す。これらの相互作用は、本発明の好ましい溶媒システムにおけるイミキモドの物理的安定性を増強し、HPCなどのいくつかの場合において増強された粘度も提供すると考えられている。
【0040】
好ましくは、前記ポリマーは、前記製剤の溶媒システムにおいて少なくとも0.01%の溶解度を有するべきである。より好ましくは、前記ポリマーは、前記溶媒システムにおいて少なくとも0.05%の溶解度を有する。最も好ましくは、前記ポリマーは、前記溶媒システムにおいて少なくとも0.10%の溶解度を有する。ポリマーが前記製剤に含まれる場合、必須ではないが、前記ポリマーは水素結合などの非共有結合でイミキモドと組み合わされる潜在力を有している。そのような相互作用はさらに、本発明の溶液を安定化するために働く。
【0041】
本発明の溶液に対して適したポリマーの例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルエチルセルロースなどのセルロース誘導体群;商標名Eudragit(登録商標)(Evonik Industries AG,Essen,ドイツ)で市販されているものなどのメタクリル酸コポリマー群;商標名Carbopol(登録商標)或いはPemulen(登録商標)(Lubrizol Advanced materials,Inc.,Cleveland,オハイオ州)で市販されているものなどのカルボマー群;ポリビニルピロリドン(PVP)などのピロリドン−含有ポリマー群;PEG400及びPolyoc(商標)(The Dow Chemical Co.,Midland,ミシガン州)などのポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレン群;ポロキサマー(BASF Corporation,Florham Park,ニュージャージー州、米国)及びポリビニルアルコールなどのポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー群が含まれる。前記ポリマーの濃度は、前記製剤の10%w/w未満であることが好ましい。より好ましくは、前記濃度は5%未満であり、最も好ましくは2.5%未満である。最も好ましい実施形態において、前記ポリマーの濃度は1%或いはそれ以下である。
【0042】
本発明の製剤はさらに、製剤において一般的に使用され、本分野の当業者には既知である、薬学的に許容可能なポリマー及び/非ポリマー賦形剤を含む。そのような賦形剤には、例えば増粘剤及び/若しくはゲル化剤、脂肪エステルベース或いはろう様ゲル化剤、湿潤剤、軟化剤、pH安定剤、保存料、及び抗酸化剤が含まれる。
【0043】
本発明の製剤は好ましくは溶液である。しかしながら、必要であれば、本発明の溶液は、本発明の製剤の一部を形成する。例えば、前記溶液は、乳剤、特に非水性乳剤の内部或いは外部層を構成する。
【0044】
本発明の好ましい製剤において、これらの製剤からのイミキモドは、皮膚へ局所的に適用された場合、増強された浸透度を有することが予期せず決定された。そのような製剤には、イミキモド、上述した1若しくはそれ以上の水素結合形成化合物、上述した溶媒システム、プラス上述した任意の賦形剤が含まれる。実質的に本発明のあらゆる製剤は、先行技術のAldara(登録商標)製剤と比較して、イミキモドの増加した皮膚浸透度を提供するであろうことが考えられる。以下の実施例において、9つの異なる本発明の製剤を製造し、イミキモドの皮膚浸透度をテストした。テストした製剤のうち8つは、Aldara(登録商標)クリームからのイミキモドの浸透度と比較して、増強されたイミキモドの皮膚浸透度を提供した。
【0045】
実施例において、テストしたAldara(登録商標)クリーム製剤は5%イミキモドを含有していたが、本発明の各製剤は1%イミキモドのみ含有していた。テストした9つの製剤のうち8つにおいて、浸透したイミキモドの適用した%用量は、Aldara(登録商標)クリームからのものと比較してより高いことが見出された。8つのうち5つにおいて、浸透したイミキモドの適用された%用量は、Aldara(登録商標)クリームのものより少なくとも5倍高いことが見出された。従って、テスト製剤はAldara(登録商標)クリームと同じ濃度のイミキモドである20%のみ含有していたが、皮膚を浸透すると見出されたイミキモドの絶対量は、Aldara(登録商標)クリームのものより高かった。
【0046】
従って、別の実施形態において、本発明は、イミキモドの増加した皮膚浸透度を提供するための方法である。この実施形態に従って、本発明の溶液を有する製剤が得られ、局所的に皮膚に適用されるものである。
【0047】
本発明はさらに、以下の限定されない実施例において例示されている。
【実施例1】
【0048】
個別液体賦形剤におけるイミキモド飽和溶解度
イミキモドの溶液は、以下の表1に示したように様々な個別の賦形剤を用いて調合した。前記溶液は、過剰イミキモドで調合し、約1週間25℃で、一定撹拌下でインキュベートした。過剰イミキモドは、遠心分離或いは濾過によって除去し、透明上清におけるイミキモドの濃度はHPLC−UVによって決定した。表1に示したように、イミキモドは、異なるクラスの適切な液体賦形剤において広範囲の溶解度を示した。
【0049】
【表1】

【実施例2】
【0050】
様々な溶媒における様々な水素結合形成化合物によって仲介された増強された溶解度
単純システムにおける様々な水素結合形成化合物の溶解効果は、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)或いはジメチルスルホキシド(DMSO)を用いて評価した。水素結合形成化合物/溶媒溶液は、過剰イミキモドで調合し、12週まで25℃、40℃及び50℃でインキュベートした。サンプルは、開始時、4週及び12週間隔で除去した。過剰イミキモドは、遠心分離或いは濾過によって除去し、透明上清におけるイミキモドの濃度はHPLC−UVによって決定した。
【0051】
実施例2A
NMP
5%イミキモド、溶媒NMP及び水素結合形成化合物を含有する様々な製剤製造した。これらの製剤の構成成分は、表2に示した。25℃の後、40℃で12週インキュベーションした各製剤における溶解濃度は、表3に示した。
【0052】
【表2】

【表3】

【0053】
表3に示したように、NMP/水素結合形成化合物溶液の上清におけるイミキモド濃度は、開始及び4週サンプリングポイントの間で減少した。しかしながら、次にイミキモド濃度は4及び12週サンプリングポイントの間でプラトーとなった。NMPにおける水素結合形成化合物の取り込みによって産生されたイミキモド溶解度増強の程度は、表4にまとめており、ここでは、25℃で12週間貯蔵された後の、NMP単独におけるイミキモド溶解度と比較して、NMP及び水素結合形成化合物を含有する製剤におけるイミキモドのイミキモド溶解度の増加を示している。データは、100%NMP(0.17%w/w)におけるイミキモドの飽和溶解度と比較して計算した。
【0054】
【表4】

【0055】
実施例2B
DMSO
5%イミキモド、溶媒DMSO及び水素結合形成化合物を含有する様々な製剤を製造した。これらの製剤の構成成分は、表5に示した。各製剤におけるイミキモドの溶解濃度は、表6に示すように40℃で12週インキュベーションした後、以前記載したように決定した。
【0056】
【表5】

【表6】

【0057】
表6に示したように、DMSO/サリチル酸及びDMSO/ゲンチシン酸の組み合わせは、他のDMSO/水素結合形成化合物組み合わせで行ったものよりも、著しく有意なイミキモド溶解度を示し、その溶解度は12週の研究を通じて比較的一定であった。
【0058】
DMSOにおける水素結合形成化合物の取り込みによって産生されるイミキモド溶解度増強の程度は、表7にまとめており、ここでは、25℃で12週間貯蔵された後の、DMSO単独におけるイミキモド溶解度と比較して、DMSO及び水素結合形成化合物を含有する製剤におけるイミキモドのイミキモド溶解度における増加を示していた。データは、100%DMSO(0.09%w/w)におけるイミキモドの飽和溶解度と比較して計算した。
【0059】
【表7】

【0060】
実施例2AのNMP/水素結合形成化合物製剤における、及び実施例2BのDMSO/水素結合形成化合物製剤におけるイミキモドの開始飽和溶解度を比較し、以下の表8に示した。12週間25℃で貯蔵した後のこれらの製剤におけるイミキモドの飽和溶解度は、以下の表9に示した。
【0061】
【表8】

【表9】

【0062】
この実施例の研究によって、本発明の溶媒及び水素結合形成化合物を含有する本発明の組成物は、イミキモドの増強された溶解度を提供し、このイミキモドの増強された溶解度は、12週間25℃での貯蔵によって決定されたように、安定であるということが証明された。
【実施例3】
【0063】
異なる水素結合形成化合物を有する溶媒におけるイミキモド溶解度の増強
実施例1の溶解度研究に従って、表10の賦形剤の4つを、様々な溶媒との組み合わせで液体水素結合形成化合物として利用した。テストした4つの水素結合形成化合物は、オレス−3リン酸(O−3P)、ココイルサルコシン、ジメチコンPEG−7フタレート、及びトリラウレス−4リン酸であった(表1)。様々な極性及び溶解度の単一溶媒システムは、溶解度増強剤として4つの水素結合形成化合物と共に利用した。イソプロピルアルコールは、イミキモドに対して低溶解度を有する極性で揮発性の溶媒である。NMPは、イミキモドに対して多少高い溶解度を有する極性で非揮発性の溶媒である。乳酸ミリスチルは、NMPと同程度の、イミキモドに対して溶解する能力を有する、比較的非極性で非揮発性の溶媒である。
【0064】
水素結合形成化合物及び溶媒の溶液は、過剰のイミキモドで調合し、約1週間25℃、一定撹拌下でインキュベートした。過剰なイミキモドは、遠心分離或いは濾過によって除去し、透明上清におけるイミキモドの濃度は、HPLC−UVによって決定した。各溶液の組成及びイミキモド溶解度は、表10に示した。
【0065】
【表10】

【0066】
表10に示したように、溶媒及び水素結合形成化合物の組み合わせは、溶媒及び液体水素結合形成化合物におけるイミキモドの個別溶解度の合計に基づいた、計算された仮想溶解度と比較して、イミキモド溶解度において著しい増加を提供した。このデータによって、本発明の組み合わせを利用した場合、イミキモドの予想しなかった相乗的な溶解度が証明された。このデータはさらに、NMP及びジメチコンPEG−7フタレートの組み合わせを使用した場合、計算された仮想溶解度と比較して、飽和溶解度における減少も示した。これは、異なる溶媒との組み合わせで水素結合形成化合物としてジメチコンPEG−7フタレートの使用しそのような相乗効果を産生したにも関わらず、NMP及びジメチコンPEG−7フタレートの組み合わせは、イミキモド溶解においてこの相乗効果を生み出さないことが示唆するものであった。
【実施例4】
【0067】
水素結合形成化合物を含有する様々な溶媒システムによって仲介された増強された溶解度
いくつかの溶媒混合物は、実質的に水を含まない極性溶媒混合物、及び例示的水素結合形成化合物であるオレス−3リン酸を含有する製剤のイミキモドに対する溶解能力を評価するために調合した。
【0068】
水素結合形成化合物/溶媒溶液は、過剰イミキモドで調合し、約1週間25℃、一定撹拌下でインキュベートした。過剰イミキモドは遠心分離或いは濾過によって除去し、透明上清におけるイミキモドの濃度は、HPLC−UVによって決定した。溶媒及び水素結合形成化合物オレス−3リン酸の混合物を含有する製剤の組成、及び各製剤におけるイミキモド溶解度は、表11に示した。
【0069】
【表11】

【0070】
表11に示したように、溶媒混合物及び代表的な水素結合形成化合物であるオレス−3リン酸の組み合わせは、各混合物の溶媒における及びオレス−3リン酸におけるイミキモドの個別溶解度の合計に基づいた、計算された仮想溶解度と比較して、イミキモド溶解度における著しい増加を提供した。このデータによって、本発明に従って無水溶媒の混合物を含有するそのような組み合わせを利用した場合、イミキモドの溶解度において得られた相乗効果が証明された。
【実施例5】
【0071】
イミキモドを含有する本発明の溶液の増強された溶解度
1%w/wイミキモドを含有する本発明の選択された組成物の安定性を評価した。評価した製剤の組成は表12にまとめた。
【0072】
【表12】

【0073】
各製剤は、12週間、5/50°サイクル、25°、40°、50°及び70°までガラスシンチレーションバイアルにおいてインキュベートし、この期間を通じた化学的及び物理的安定性に対してHPLC−UVを用いて評価した。全ての貯蔵条件に対して得られた代表的なデータである50°インキュベーションの結果は、表13に示した。表13に示されたように、このデータによって、リアルタイム及び加速条件でのインキュベーション後のイミキモド濃度における有意な変化は観察されなかったことが証明された。このデータは、前記組成物は、有利な物理的及び化学的安定性を示したことを示唆するものであった。
【0074】
【表13】

【実施例6】
【0075】
増強されたイミキモド飽和溶解度
本発明のいくつかの溶媒混合物は、好ましい水素結合形成化合物を含有した実質的に水を含まない極性溶媒組成物の溶解能力を評価するために調合した。多数の非水性溶媒及び水素結合形成化合物の混合物を含有する溶液を過剰のイミキモドで調合し、約1週間25℃で、一定撹拌下でインキュベートした。過剰イミキモドは、遠心分離或いは濾過によって除去し、透明上清におけるイミキモドの濃度は、HPLC−UVによって決定した。各溶液の組成及び各溶液におけるイミキモドの溶解度は、表14に示した。
【0076】
【表14】

【0077】
表14のデータより、製剤59A、59B及び59Cで、計算された仮想溶解度を越える増強が得られたことが示された。計算された仮想溶解度を越えるこの増強は、製剤60A及び60Bでは観察されなかった。このデータにより、水素結合形成化合物との組み合わせの特定の溶媒はイミキモド溶解度における増加を産生したが、溶媒の混合物を利用した場合、そのような溶媒システムは、実験的に最適化されるべきであることが示された。
【実施例7】
【0078】
イミキモドの皮膚浸透度の増強
市販イミキモド製品であるAldara(登録商標)クリームと比較した、切除ヒト皮膚への局所適用後の本発明の9つの製剤からの(14C)−イミキモドのin vitro経皮的浸透度を特徴付けするために研究を行った。テストした製剤の組成は、表15に示した。本発明の製剤は1%w/wイミキモドを含有しており、Aldara(登録商標)クリームは5%w/wイミキモドを含有していた。
【0079】
【表15】

【0080】
皮節化ヒト皮膚は、待機的腹壁形成術に従って単一ドナーから得た。名目上1.0μCi/用量で放射線標識されたイミキモドを添加した5mg/cmの製剤に組織を投与し、これは細胞当たり名目上3.2mg用量に一致する。経皮吸収は、32℃で、Bronaugh流水式拡散細胞に前記皮節化組織へ乗せることによって評価した。各製剤を5つ組で行った。新鮮受容体液である、0.1%w/vアジ化ナトリウム及び1.5%w/vオレス−20を含有するPBSを1ml/時間の名目上流速で皮膚下に連続的に送り出し、6時間間隔で回収した。24時間曝露期間の後、皮膚表面に残存している残留製剤は、テープストリッピングを繰り返す(3ストリップ/細胞)ことによって除去した。次に、穏やかなピーリングによって表皮を真皮から物理的に分離した。テープストリップ、表皮、真皮及び受容体層サンプルにおける放射活性の量は、液体シンチレーション解析技術を用いて決定した。研究の最後での用量回収率(アカウンタビリティー)は、適用した用量の87.6〜101パーセントの範囲であった。組織浸透度データ(浸透した適用用量の%、及び浸透した平均量ng/cm)は、表15の一番下のセクションに示した。
【0081】
表15に示したように、皮膚を浸透したAldara(登録商標)クリームi.e.物質からの(14C)−イミキモドの受容体層レベルは、適用用量の0.09±0.04パーセントであった(215±90ng/cm)。1%w/wイミキモドを含有する本発明の9つの製剤からの組織浸透度は、適用用量の0.03〜1.64パーセントの範囲であった(製剤2592−17B及び2592−15Aはそれぞれ16.1ng/cm及び820ng /cmのイミキモドに相当する)。従って、テストした9つのうち8つの製剤で、より高いパーセンテージのイミキモドの適用用量が皮膚へ浸透しただけでなく、本発明の製剤におけるイミキモドの量がAldara(登録商標)クリーム製剤に含有されている量の20%しか含有していないにも関わらず、本発明の9つのうち7つの製剤から皮膚へ浸透したイミキモドの絶対量が、Aldara(登録商標)クリームから皮膚へ浸透したものとほぼ同じ或いはより高かった。
【実施例8】
【0082】
複数プロトンドナーによるイミキモドの増強された溶解度
いくつかの溶媒混合物は、多数の水素結合形成化合物を含有する実質的に水を含まない極性溶媒組成物の溶解能を評価するために調合した。水素結合形成化合物/溶媒溶液は、過剰イミキモドで調合し、約1週間25℃、一定撹拌下でインキュベートした。過剰イミキモドは、遠心分離或いは濾過によって除去し、透明上清におけるイミキモドの濃度は、HPLC−UVによって決定した。各溶液の組成及び各溶液におけるイミキモドの溶解度は表16に示した。
【0083】
【表16】

【0084】
表16に示したように、溶解度増強は、テストした本発明の4つの製剤のうち3つで観察された。表16のデータより、複数の水素結合形成剤の使用は、一致する個別水素結合形成剤と比較して、付加的なイミキモドの溶解度増強を生じることが示唆された。このデータは、オレス−3リン酸及びサリチル酸などの2つの水素結合形成剤を組み合わせた場合のイミキモドの溶解度における相乗増強を示唆するものであった。
【実施例9】
【0085】
皮膚浸透度が増強したイミキモド
市販イミキモド製品であるAldara(登録商標)クリームと比較した、皮節化ヒト皮膚へ局所的適用した後の本発明の9つの製剤からの(14C)−イミキモドのin vitro経皮的浸透度を特徴付けするために研究を行った。テストした製剤の組成は表17に示した。本発明の製剤は0.5〜1%w/wイミキモドを含有するが、Aldara(登録商標)クリームは5%w/wイミキモドを含有する。
【0086】
【表17】

【0087】
皮節化ヒト皮膚は、待機的腹壁形成術に従って単一ドナーから得た。名目上1.0μCi/用量で放射線標識されたイミキモドを添加した5mg/cmの製剤に組織を投与し、これは細胞当たり名目上3.2mg用量に一致する。経皮吸収は、32℃で、Bronaugh流水式拡散細胞に前記皮節化組織へ乗せることによって評価した。各製剤を5つ組で行った。新鮮受容体液である、0.1%w/vアジ化ナトリウム及び1.5%w/vオレス−20を含有するPBSを1ml/時間の名目上流速で皮膚下に連続的に送り出し、6時間間隔で回収した。24時間曝露期間の後、皮膚表面に残存している残留製剤は、テープストリッピングを繰り返す(3ストリップ/細胞)ことによって除去した。次に、穏やかなピーリングによって表皮を真皮から物理的に分離した。テープストリップ、表皮、真皮及び受容体層サンプルにおける放射活性の量は、液体シンチレーション解析技術を用いて決定した。研究の最後での用量回収率(アカウンタビリティー)は、適用用量の82.7〜88.9パーセントであった。
【0088】
【表18】

【0089】
表18に示したように、皮膚を浸透したAldara(登録商標)クリームi.e.物質からの(14C)−イミキモドの受容体層レベルは、適用用量の0.238(±0.04)パーセントであった(594±84ng/cm)。0.5或いは1%w/wイミキモドを含有する本発明の9つの製剤からの組織浸透度は、適用用量の0.198〜20.2パーセントの範囲であった。皮膚を浸透したイミキモドの質量は、49.6〜5638ng/cmの範囲であった。従って、より高いパーセンテージの適用用量のイミキモドがテストした9つの製剤の6つから皮膚へ浸透しただけでなく、本発明の製剤におけるイミキモドの量が先行技術Aldara(登録商標)クリーム製剤に含有されている量の10%或いは20%しか含有していないにも関わらず、本発明の9つの製剤のうち6つから皮膚へ浸透したイミキモドの絶対量は、Aldara(登録商標)クリームから皮膚へ浸透した量とほぼ同じ或いはより高かった。
【実施例10】
【0090】
イミキモドの増強溶解度
本発明のいくつかの溶媒混合物は、様々な水素結合形成化合物を含有する実質的に水を含まない極性溶媒組成物の溶解能を評価するために調合した。多数の非水性溶媒及び広範囲の水素結合形成化合物の混合物を含有する溶液を過剰イミキモドで調合し、約1週間25℃、一定撹拌下でインキュベートした。過剰イミキモドは遠心分離或いは濾過によって除去し、透明上清におけるイミキモドの濃度は、HPLC−UVによって決定した。各溶液の組成及び各溶液におけるイミキモドの溶解度は表19に示した。
【0091】
【表19】

【0092】
表19のデータより、計算された仮想溶解度を越えた増強が本発明の全製剤で得られたことが示された。
【実施例11】
【0093】
本発明の製剤からのイミキモドの増強された運搬
市販イミキモド製品であるAldara(登録商標)クリームと比較した、切除ヒト皮膚へ局所的適用した後の本発明の9つの製剤からの(14C)−イミキモドのin vitro経皮的浸透度を特徴付けするために研究を行った。テストした製剤の組成及び浸透度データは表20に示した。本発明の製剤は0.5〜1.0%w/wイミキモドを含有するが、Aldara(登録商標)クリームは5%w/wイミキモドを含有する。
【0094】
皮節化ヒト皮膚は、待機的腹壁形成術に従って単一ドナーから得た。名目上1.0μCi/用量で放射線標識されたイミキモドを添加した5mg/cmの製剤に組織を投与し、これは細胞当たり名目上3.2mg用量に一致する。経皮吸収は、32℃で、Bronaugh流水式拡散細胞に前記皮節化組織へ乗せることによって評価した。各製剤を5つ組で行った。新鮮受容体液である、0.1%w/vアジ化ナトリウム及び1.5%w/vオレス−20を含有するPBSを1ml/時間の名目上流速で皮膚下に連続的に送り出し、6時間間隔で回収した。24時間曝露期間の後、皮膚表面に残存している残留製剤は、テープストリッピングを繰り返す(3ストリップ/細胞)ことによって除去した。次に、穏やかなピーリングによって表皮を真皮から物理的に分離した。テープストリップ、表皮、真皮及び受容体層サンプルにおける放射活性の量は、液体シンチレーション解析技術を用いて決定した。研究の最後での用量回収率(アカウンタビリティー)は、適用用量の83.2〜98.6パーセントであった。
【0095】
【表20】

【0096】
表20に示したように、Aldara(登録商標)クリームからの(14C)−イミキモドの受容体層レベルは、134ng/cmに一致する、適用用量の0.0546パーセントであった。本発明の製剤からの(14C)−イミキモドの組織浸透度は、0.023〜0.563ng/cmの範囲であった(イミキモドの23.3ng/cm及び493ng/cmに相当する)。製剤2737−74B及び2737−77Aではそれぞれ、適用用量の0.424及び0.563パーセント(イミキモドの424ng/cm及び493ng/cmに相当する)という(14C)−イミキモドの最も高い浸透量を生じた。従って、より高いパーセンテージのイミキモドの適用用量がテストした10の製剤のうち8つから皮膚へ浸透しただけでなく、本発明の製剤におけるイミキモドの量がAldara(登録商標)クリーム製剤に含有されている量の10%或いは20%しか含有していないにも関わらず、本発明の10の製剤のうち5つから皮膚へ浸透したイミキモドの絶対量は、Aldara(登録商標)クリームから皮膚へ浸透した量とほぼ同じ或いはより高かった。
【実施例12】
【0097】
本発明のイミキモド製剤の増強された安定性
皮膚浸透度及び予備的な物理的安定性データに基づいて、本発明の2つの製剤である2737−77A及び2737−74Bの安定性特徴を評価した。サンプルは、凍結/解凍サイクル(F/T)、5℃、25℃、40℃及び50℃に置き、12週間観察し検定した。製剤2737−77A及び2737−74Bに対する安定性データはそれぞれ、表21及び22にまとめた。
【0098】
【表21】

【表22】

【0099】
表21及び22に示したように、本発明の製剤は、テストした全ての温度で12週間優れた物理的及び化学的安定性を示した。40℃及び50℃での促進的条件でテストした安定性によって、本発明の製剤は12週間以上の期間で室温のような低温で安定であることが示された。グリセリンなどのポリオールの存在は、長期間のイミキモドの沈殿に対して本発明の製剤の物理的安定性を増強するように見えた。
【実施例13】
【0100】
揮発性溶媒の濃度の増加に伴う本発明の製剤の増強された溶解度及び安定性
製剤の揮発性成分の量が増加するにつれて、擦り込みの容易さなどの皮膚適用パラメータが改善され得るなど、しばしば有用となる。エタノールのようなアルコールなどの揮発性成分は、非閉塞性局所適用の後素早く揮発し、擦り込み及び皮膚への吸収に必要とされる残存非揮発性物質の量を減少する。増強された適用の容易さは、患者コンプライアンスを改善し、従って有効性も改善できる。
【0101】
本発明の製剤に含まれ得るエタノールなどの揮発性成分の量を評価するために、代表的な基礎製剤を選択し修飾した。基礎製剤組成は表23に記載し、相乗的な溶解度増強、必要とされる物理的安定性(25℃及び40℃で12週間沈殿はなかった)、及びより高い効果の皮膚浸透度(Aldara(登録商標)クリームより有意な有効性)が示された。
【0102】
【表23】

【0103】
テストされた製剤の組成は表24に記載し、2.2〜3.0%w/wイミキモド及び揮発性成分として34〜60%w/wエタノールを含有していた。基礎製剤と比較して修飾された組成物において1.3〜1.7倍のイミキモドを四回することが可能であり、それにより揮発性成分の濃度が増加することによって相乗的な溶解度の増強が示されることが決定された。前記製剤はさらに、5℃、25℃、40℃及び50℃で12週間後沈殿を示さなかったので、物理的にも安定であった。
【0104】
【表24】

【実施例14】
【0105】
30%以上揮発性成分を含有する本発明の製剤からのイミキモドの比較皮膚運搬
市販イミキモド製品であるAldara(登録商標)クリームからの浸透度と比較した、切除ヒト皮膚へ局所的適用した後の、増加した濃度の揮発性成分を含有する本発明の8つの製剤からの(14C)−イミキモドのin vitro経皮的浸透度を特徴付けるための研究を実施した。実施例13からのいくつかの製剤を、選択基準としての組成バリエーション及び物理的安定性を用いた皮膚浸透度評価のために選択した。テストした製剤の組成及び浸透度データは表25に示した。本発明の製剤は2.5〜3.0%w/wイミキモドを含有するが、Aldara(登録商標)クリームは5%w/wイミキモドを含有していた。
【0106】
皮節化ヒト皮膚は、待機的腹壁形成術に従って単一ドナーから得た。名目上1.0μCi/用量で放射線標識されたイミキモドを添加した5mg/cmの製剤に組織を投与し、これは細胞当たり名目上3.2mg用量に一致する。経皮吸収は、32℃で、Bronaugh流水式拡散細胞に前記皮節化組織へ乗せることによって評価した。各製剤を6つ組で行った。新鮮受容体液である、0.1%w/vアジ化ナトリウム及び1.5%w/vオレス−20を含有するPBSを1ml/時間の名目上流速で皮膚下に連続的に送り出し、6時間間隔で回収した。24時間曝露期間の後、皮膚表面に残存している残留製剤は、テープストリッピングを繰り返す(3ストリップ/細胞)ことによって除去した。次に、穏やかなピーリングによって表皮を真皮から物理的に分離した。テープストリップ、表皮、真皮及び受容体層サンプルにおける放射活性の量は、液体シンチレーション解析技術を用いて決定した。研究の最後での用量回収率(アカウンタビリティー)は、適用用量の73.6〜83.5パーセントであった。
【0107】
【表25】

【0108】
表25に示したように、Aldara(登録商標)クリームからの(14C)−イミキモドの受容体層レベルは、420ng/cmに一致する、適用用量の0.168パーセントであった。本発明の製剤からの(14C)−イミキモドの組織浸透度は、適用用量の0.105〜0.223パーセントの範囲であった(イミキモドの131/cm〜279ng/cmに相当する)。製剤2828−1C(3%イミキモド)及び2828−9A(2.5%イミキモド)ではそれぞれ、適用用量の0.213及び0.223パーセント(イミキモドの319ng/cm及び279ng/cmに相当する)という(14C)−イミキモドの浸透度における最も高い有効性を有していた。本発明の8つの製剤のうち5つからの運搬有効性(パーセント適用用量)は、Aldara(登録商標)クリームと比較して優れていた。
【実施例15】
【0109】
室温で液体である低レベルの脂肪酸を有する本発明の製剤
表26に示されたような本発明の以下の製剤は、室温で液体である低レベルの1若しくはそれ以上の脂肪酸を含有して製造した。前記製剤は、ミキもドの増強された溶解度及び優れた物理的安定性を提供した。
【0110】
【表26】

【0111】
本明細書に記載された本発明の更なる修飾、使用及び適用は、本分野の当業者には明らかであろう。そのような修飾は上述した記載及び以下の請求項に含まれることが意図されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水以外の1若しくはそれ以上の極性溶媒、1若しくはそれ以上の前記溶媒に溶解したイミキモド或いはその類似体、及び1若しくはそれ以上の前記溶媒に溶解した水素結合形成化合物、及び選択的に水を有する溶液であって、この溶液は、30%w/w或いはそれ以下の水を含有するものである、溶液。
【請求項2】
実質的に水を含まない、請求項1記載の溶液。
【請求項3】
水を含有する、請求項1記載の溶液。
【請求項4】
請求項3記載の溶液において、そこに含有される水の濃度は、前記溶液に含有されるイミキモド或いはその類似体の濃度の5倍未満である、溶液。
【請求項5】
請求項3記載の溶液において、前記溶液は25%未満の水を含有するものである、溶液。
【請求項6】
請求項5記載の溶液において、前記溶液は20%未満の水を含有するものである、溶液。
【請求項7】
請求項6記載の溶液において、前記溶液は15%未満の水を含有するものである、溶液。
【請求項8】
室温で液体である低レベルの脂肪酸を含有する、請求項1記載の溶液。
【請求項9】
室温で液体である脂肪酸を実質的に含まない、請求項8記載の溶液。
【請求項10】
請求項1記載の溶液において、前記イミキモド或いはその類似体及び前記水素結合形成化合物のモル比は、4:1〜1:4の間である、溶液。
【請求項11】
請求項1記載の溶液において、前記水素結合形成化合物は、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、アルキル−サルコシン、アニオン性ペグ化ジメチコン誘導体、アニオン性オレイルエーテル界面活性剤、アニオン性ラウレスエーテル界面活性剤、環状酸、及び環状酸性糖から成る群から選択されるものである、溶液。
【請求項12】
請求項1記載の溶液において、前記溶媒は、非プロトン性溶媒、環状アルコール、短鎖液体アルコール、ジオール、トリオール、エステル、エーテル、薬学的油、及びシリコンから成る群から選択されるものである、溶液。
【請求項13】
1若しくはそれ以上の前記溶媒において少なくとも0.01%の溶解度を持つポリマーを有する、請求項1記載の溶液。
【請求項14】
請求項13記載の溶液において、前記ポリマーは、セルロース誘導体、メタクリル酸コポリマー、カルボマー、ピロリドン−含有ポリマー、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びポリビニルアルコールから成る群から選択されるものである、溶液。
【請求項15】
請求項13記載の溶液において、前記溶液における前記ポリマーの濃度は、10%w/w未満である、溶液。
【請求項16】
複数の溶媒を有する、請求項1記載の溶液。
【請求項17】
乳剤の外部或いは内部層を形成する、請求項1記載の溶液。
【請求項18】
少なくとも30%w/wの揮発性溶媒を有する、請求項16記載の溶液。
【請求項19】
請求項20記載の溶液において、前記揮発性溶媒は、アルコールである、溶液。
【請求項20】
ポリオールを有する、請求項1記載の溶液。
【請求項21】
請求項20記載の溶液において、前記ポリオールは、グリセリンである、溶液。
【請求項22】
水以外の1若しくはそれ以上の極性溶媒を混合させる工程と、1若しくはそれ以上の前記溶媒に、イミキモド或いはその類似体、及び前記溶液におけるイミキモド或いはその類似体の溶解度を増加するのに十分な量の水素結合形成化合物を溶解させる工程と、選択的に前記溶液の30%w/w或いはそれ以下の濃度で前記溶液中に水を混合させる工程とを有する、溶液を製造する方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法において、前記溶液中に実質的に水が混合されないものである、方法。
【請求項24】
請求項22記載の方法において、水は、前記溶液中に混合されるものである、方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、前記溶液に混合された水の濃度は、前記溶液に混合されたイミキモド或いはその類似体の濃度の5倍未満である、方法。
【請求項26】
請求項24記載の方法において、水は、前記溶液の25%w/w未満の濃度で混合されるものである、方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法において、水は、前記溶液の20%w/w未満の濃度で混合されるものである、方法。
【請求項28】
請求項27記載の方法において、水は、前記溶液の15%w/w未満の濃度で混合されるものである、方法。
【請求項29】
請求項22記載の方法において、室温で液体である脂肪酸は、12.5%w/w或いはそれ以下の濃度で前記溶液に混合されるものである、方法。
【請求項30】
請求項22記載の方法において、室温で液体である脂肪酸は、前記溶液に実質的に混合されないものである、方法。
【請求項31】
請求項22記載の方法において、前記イミキモド或いはその類似体、及び水素結合形成化合物は、4:1〜1:4の間のモル比で混合されるものである、方法。
【請求項32】
請求項22記載の方法において、前記水素結合形成化合物は、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、アルキル−サルコシン、アニオン性ペグ化ジメチコン誘導体、アニオン性オレイルエーテル界面活性剤、アニオン性ラウレスエーテル界面活性剤、環状酸、及び環状酸性糖から成る群から選択されるものである、方法。
【請求項33】
請求項22記載の方法において、前記非水性溶媒は、非プロトン性溶媒、環状アルコール、短鎖液体アルコール、ジオール、トリオール、エステル、エーテル、薬学的油、及びシリコンから成る群から選択されるものである、方法。
【請求項34】
請求項22記載の方法において、少なくとも0.01%の溶解度を持つポリマーは、前記溶液に混合されるものである、方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法において、前記ポリマーは、セルロース誘導体、メタクリル酸コポリマー、カルボマー、ピロリドン−含有ポリマー、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びポリビニルアルコールから成る群から選択されるものである、方法。
【請求項36】
請求項34記載の方法において、前記溶液における前記ポリマーの濃度は、10%w/w未満である、方法。
【請求項37】
請求項22記載の方法において、水以外の複数の極性溶媒が混合されるものである、方法。
【請求項38】
請求項37記載の方法において、水以外の少なくとも1つ前記極性溶媒は、30%以上の濃度の揮発性溶媒である、方法。
【請求項39】
請求項38記載の方法において、前記揮発性溶媒は、アルコールである、方法。
【請求項40】
請求項22記載の方法において、ポリオールが前記溶液に混合されるものである、方法。
【請求項41】
請求項40記載の方法において、前記ポリオールは、グリセリンである、方法。
【請求項42】
イミキモド或いはその類似体の皮膚浸透度を増加するための方法であって、水以外の1若しくはそれ以上の極性溶媒、1若しくはそれ以上の前記溶媒内に溶解されたイミキモド或いはその類似体、及び1若しくはそれ以上の前記溶媒に溶解された水素結合形成化合物、及び選択的に水を有する溶液からなる薬学的製剤を局所的に投与する工程を有し、前記溶液は30%w/w或いはそれ以下の水を含有するものである、方法。
【請求項43】
請求項42記載の方法において、前記溶媒は、非プロトン性溶媒、環状アルコール、短鎖液体アルコール、ジオール、トリオール、エステル、エーテル、薬学的油、及びシリコンから成る群から選択されるものである、方法。
【請求項44】
請求項42記載の方法において、前記溶液は、実質的に水を含まないものである、方法。
【請求項45】
請求項42記載の方法において、前記溶液は、水を含有するものである、方法。
【請求項46】
請求項45記載の方法において、前記溶液における水の濃度は、前記溶液に含有されたイミキモド或いはその類似体の濃度の5倍未満である、方法。
【請求項47】
請求項45記載の方法において、前記溶液における水の濃度は、25%未満である、方法。
【請求項48】
請求項47記載の方法において、前記溶液における水の濃度は、20%未満である、方法。
【請求項49】
請求項48記載の方法において、前記溶液における水の濃度は、15%未満である、方法。
【請求項50】
請求項42記載の方法において、前記溶液は、室温で液体である低レベルの脂肪酸を含有するものである、方法。
【請求項51】
請求項42記載の方法において、前記溶液は、室温で液体である脂肪酸を実質的に含まないものである、方法。
【請求項52】
請求項42記載の方法において、前記溶液における前記イミキモド或いはその類似体及び前記水素結合形成化合物のモル比は、4:1〜1:4の間である、方法。
【請求項53】
請求項42記載の方法において、前記水素結合形成化合物は、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、アルキル−サルコシン、アニオン性ペグ化ジメチコン誘導体、アニオン性オレイルエーテル界面活性剤、アニオン性ラウレスエーテル界面活性剤、環状酸、及び環状酸性糖から成る群から選択されるものである、方法。
【請求項54】
請求項42記載の方法において、前記溶媒は、非プロトン性溶媒、環状アルコール、短鎖液体アルコール、ジオール、トリオール、エステル、エーテル、薬学的油、及びシリコンから成る群から選択されるものである、方法。
【請求項55】
請求項42記載の方法において、前記溶液は、1若しくはそれ以上の前記溶媒において少なくとも0.01%の溶解度を持つポリマーを有するものである、方法。
【請求項56】
請求項55記載の方法において、前記ポリマーは、セルロース誘導体、メタクリル酸コポリマー、カルボマー、ピロリドン−含有ポリマー、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びポリビニルアルコールから成る群から選択されるものである、方法。
【請求項57】
請求項55記載の方法において、前記溶液における前記ポリマーの濃度は、10%w/w未満である、方法。
【請求項58】
請求項42記載の方法において、前記溶液は、水以外の複数の溶媒を有するものである、方法。
【請求項59】
請求項42記載の方法において、前記溶液は、乳剤の外部或いは内部層を形成するものである、方法。
【請求項60】
請求項58記載の方法において、少なくとも1つの前記溶媒は、前記溶液における濃度が少なくとも30%w/wの揮発性溶媒である、方法。
【請求項61】
請求項60記載の方法において、前記揮発性溶媒は、アルコールである、方法。
【請求項62】
請求項42記載の方法において、前記溶液は、ポリオールを有するものである、方法。
【請求項63】
請求項62記載の方法において、前記ポリオールは、グリセリンである、方法。

【公表番号】特表2011−510001(P2011−510001A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543127(P2010−543127)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/000218
【国際公開番号】WO2009/091541
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(510061667)ドウ ファーマシューティカル サイエンシーズ、インク. (7)
【Fターム(参考)】